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五燈會元巻第七

宋 · 普济 · 第39巻 / 144

婺州金柱山義昭禪師

婺州金柱山義昭禅師

僧問。如何是和尚家風。師曰。開門作活計。曰。忽遇賊來。又作麼生。師曰。然。新到參。師揭簾以手作除帽勢。僧擬欲近前。師曰。賺殺人。因事有偈曰。虎頭生角人難措。石火電光須密佈。假饒烈士也應難。懵底那能解回互。

僧が問うた、「如何なるか是れ和尚の家風」。師は言った、「門を開きて活計を作す」。曰く、「忽ち賊來に遇はば又作麼生」。師は言った、「然」。新到參す。師簾を揭げ手を以て帽を除く勢を作す。僧擬して近づき前なんと欲す。師は言った、「賺して人を殺す」。事有りて偈を説いて曰く、「虎頭角を生じ人措く難し、石火電光須く密布すべし。假饒烈士も亦た應に難し、懵董那で能く回互を解せん」。

潭州谷山和尚

潭州谷山和尚

僧問。省要處乞師一言。師便起去。問。𦏪羊掛角時如何。師曰。你向甚麼處覓。曰。掛角後如何。師曰。走。

僧が問うた、「省要の處、師に一言を乞ふ」。師便ち起ち去る。問うた、「羚羊角を挂くる時如何」。師は言った、「汝甚麼の處に向ひてか覓る」。曰く、「角を挂けし後如何」。師は言った、「走れ」。

湘南道吾從盛禪師

湘南道吾從盛禅師

初住龍回。僧問。如何是覿面事。師曰。新羅國去也。問。如何是龍回家風。師曰。縱橫射直。問。窮子投師。乞師拯濟。師曰。莫是屈著汝麼。曰。爭奈窮何。師曰。大有人見。

初め龍回に住す。僧が問うた、「如何なるか是れ觌面の事」。師は言った、「新羅國に去れり」。問うた、「如何なるか是れ龍回の家風」。師は言った、「縱橫射直す」。問うた、「窮子師に投ず、師に拯濟を乞ふ」。師は言った、「莫れ汝を屈し着けりするか」。曰く、「争奈窮何」。師は言った、「大に人有りて見る」。

福州羅山義因禪師

福州羅山義因禅師

上堂良久曰。若是宗師門下客。必不怪於羅山。珍重。僧問。承古有言。自從認得曹谿路。了知生死不相關。曹谿路即不問。如何是羅山路。師展兩手。僧曰。恁麼則一路得通。諸路亦然。師曰。甚麼諸路。僧近前叉手。師曰。靈鶴煙霄外。鈍鳥不離窠。問。教中道。順法身萬象俱寂。隨智用萬象齊生。如何是萬象俱寂。師曰。有甚麼。曰。如何是萬象齊生。師曰。繩床倚子。

上堂、良久して曰く、「若し是れ宗師門下の客ならば、必ず羅山を怪まず。珍重」。僧が問うた、「承る、古に言有り、自從曹溪路を認得し、了知す生死相關せずと。曹溪路は即ち問はず、如何なるか是れ羅山路」。師兩手を展げる。僧曰く、「さようらば一路通じ得れば、諸路亦然り」。師は言った、「甚麼の諸路」。僧近づき前に叉手す。師は言った、「靈鶴は煙霄の外、鈍鳥は窠を離れず」。問うた、「教中に道ふ、法身に順へば萬象俱に寂なり、智用に隨へば萬象齊しく生ず。如何なるか是れ萬象俱寂」。師は言った、「甚麼か有る」。曰く、「如何なるか是れ萬象齊生」。師は言った、「繩牀倚子」。

灌州靈巖和尚

灌州靈巖和尚

僧問。如何是道中寶。師曰。地傾東南。天高西北。曰。學人不會。師曰。落照機前異。師頌石鞏接三平曰。解擘當胸箭。因何祇半人。為從途路曉。所以不全身。

僧が問うた、「如何なるか是れ道中の寶」。師は言った、「地は東南に傾き、天は西北に高し」。曰く、「學人會せず」。師は言った、「落照機前に異なり」。師石鞏の三平を接するを頌して曰く、「當胸の箭を擘くを解す、因何に只だ半人なる。是れ途路に曉るより、所以全く身せざるなり」。

吉州匡山和尚

吉州匡山和尚

示徒頌曰。匡山路。匡山路。巖崖嶮峻人難措。遊人擬議隔千山。一句分明超佛祖。白牛頌曰。我有古壇真白牛。父子藏來經幾秋。出門直往孤峰頂。回來暫跨虎溪頭。

徒に示す頌曰く、「匡山路、匡山路。巖崖險峻にして人措く難し。游人擬議すれば千山隔たり、一句分明に佛祖を超ゆ」。白牛頌曰く、「我有り古壇の眞白牛、父子藏め來りて幾秋を經る。門を出でて直に孤峰頂に往き、回り來りて暫く虎溪頭を跨ぐ」。

福州興聖重滿禪師

福州興聖重滿禅師

上堂。覿面分付。不待文宣。對眼投機。喚作參玄。上士若能如此。所以宗風不墜。僧問。如何是宗風不墜底句。師曰。老僧不忍。問。昔日靈山會裡。今朝興聖筵中。和尚親傳。如何舉唱。師曰。欠汝一問。

上堂、「觌面分付して文宣を待たず、眼に對して機に投ずるを喚びて參玄と作す。上士若能く如此ならば、所以宗風墜ちず」。僧が問うた、「如何なるか是れ宗風不墜の句」。師は言った、「老僧忍びず」。問うた、「昔日靈山會裏、今朝興聖筵中。和尚親く傳ふ、如何に擧唱せん」。師は言った、「汝の一問を欠く」。

潭州寶應清進禪師

潭州寶應淸進禅師

僧問。如何是實相。師曰。沒卻汝。問。至理無言。如何通信。師曰。千差萬別。曰。得力處乞師指示。師曰。瞌睡漢。

僧が問うた、「如何なるか是れ實相」。師は言った、「汝を沒却す」。問うた、「至理言無し、如何に通信せん」。師は言った、「千差萬別」。曰く、「得力の處、師に指示を乞ふ」。師は言った、「瞌睡漢」。

玄沙備禪師法嗣

玄沙備禅師法嗣

漳州羅漢院桂琛禪師

漳州羅漢院桂琛禅師

常山李氏子。為童兒時。日一素食。出言有異。既冠。親事本府萬歲寺無相大師。披削登戒。學毗尼。一日。為眾陞臺。宣戒本布薩已。乃曰。持戒但律身而已。非真解脫也。依文作解。豈發聖智乎。於是訪南宗。初謁雲居雪峰。參訊勤恪。然猶未有所見。後造玄沙。一言啟發。廓爾無惑。沙問。三界唯心。汝作麼生會。師指倚子曰。和尚喚這箇作甚麼。曰。倚子。師曰。和尚不會三界唯心。曰。我喚這箇作竹木。汝喚作甚麼。師曰。桂琛亦喚作竹木。曰。盡大地覓一箇會佛法底人不可得。師自爾愈加激勵。沙每因誘迪學者。流出諸三昧。皆命師為助發。師雖處眾韜晦。然聲譽甚遠。時漳牧王公建精舍曰地藏。請師開法。因插田次。見僧乃問。從甚處來。曰。南州。師曰。彼中佛法如何。曰。商量浩浩地。師曰。爭如我這裡。栽田博飯吃。曰。爭奈三界何。師曰。喚甚麼作三界。問僧甚處來。曰。南方來。師曰。南方知識。有何言句示徒。曰。彼中道。金屑雖貴。眼裡著不得。師曰。我道須彌在師眼裡。一日。同中塔侍玄沙。沙打中塔一棒曰。就名就體。中塔不對。沙乃問師。作麼生會。師曰。這僧著一棒不知來處。僧報曰。保福已遷化也。師曰。保福遷化。地藏入塔(僧問法眼。古人意旨如何。眼雲。蒼天。蒼天)。後遷羅漢。大闡玄要。上堂。宗門玄妙。為當祇恁麼。也更別有奇特。若別有奇特。汝且舉將來看。若無。去。不可將兩箇字便當卻宗乘也。何者。兩箇字謂宗乘.教乘也。汝才道著宗乘。便是宗乘。道著教乘。便是教乘。禪德。佛法宗乘。元來由汝口裡安立名字。作取說取便是也。斯須向這裡說平說實。說圓說常。禪德。汝喚甚麼作平實。把甚麼作圓常。傍家行腳。理須甄別。莫相埋沒。得些子聲色名字。貯在心頭。道我會解。善能揀辨。汝且會箇甚麼。揀箇甚麼。記持得底是名字。

常山李氏子。童兒と爲る時、日に一たび素食し、言を出せば異有り。既冠して、本府萬歲寺の無相大師に親事し、披削して戒に登り、毗尼を學ぶ。一天、衆の爲に臺に升り、戒本を宣べ布薩已り、便ち曰く、「持戒は但だ身を律するのみ、眞の解脱にあらず。文に依りて解を作さば、豈に聖智を發さんや」。是に於て南宗を訪ふ。初め雲居、雪峰に謁し、參訊勤恪なれど、然も猶ほ見る所有らず。後に玄沙に造る。一言啓發し、廓爾として惑無し。玄沙問うた、「三界唯心、汝作麼生か會する」。師倚子を指して曰く、「和尚這箇を喚びて甚麼と作す」。曰く、「倚子」。師は言った、「和尚三界唯心を會せず」。曰く、「我這箇を喚びて竹木と作す、汝は甚麼と喚び作す」。師は言った、「桂琛も亦た竹木と喚び作す」。曰く、「大地を盡して佛法を會する人一箇を覓るも得る可からず」。師自爾愈々激勵す。玄沙每に學者を誘迪するに因りて、諸の三昧を流出す。皆師をして助發せしむ。師衆に處りて晦を韜すと雖も、然も聲譽甚だ遠し。時に漳牧の王公精舍を建てて地藏と曰ひ、師を請じて法を開かしむ。田を插む次、僧を見て乃ち問うた、「甚處より來る」。曰く、「南州」。師は言った、「彼中の佛法如何」。曰く、「商量浩浩地」。師は言った、「争でか我が這裏の田を栽えて飯を博し喫すに如かん」。曰く、「争奈三界何」。師は言った、「甚麼を喚びて三界と作す」。僧に問うた、「甚處か來る」。曰く、「南方より來れり」。師は言った、「南方の知識、何の言句有りて徒を示す」。曰く、「彼中に道ふ、金屑雖も貴しと、眼裏には着け得ずと」。師は言った、「我道ふ、須彌は師の眼裏に在りと」。一天、中塔と同じく玄沙を侍す。玄沙中塔を一棒打ちて曰く、「名に就き體に就け」。中塔對せず。玄沙乃ち師に問うた、「作麼生か會する」。師は言った、「這の僧一棒を着けて來處を知らず」。僧報じて曰く、「保福已に遷化せり」。師は言った、「保福遷化し、地藏塔に入る」(僧法眼に問うた、「古人の意旨如何」。法眼曰く、「蒼天、蒼天」)。後に羅漢に遷り、大いに玄要を闡く。上堂、「宗門玄妙、當に只だ恁麼と爲すか、也更に別に奇特有るか。若し別に奇特有らば、汝且く擧げ將て來り看よ。若し無くば去れ。兩箇の字を將て便ち宗乘を當却する可からず。何者、兩箇の字は宗乘・教乘を謂ふ。汝纔かに宗乘と道ひ着けば、便ち是れ宗乘。教乘と道ひ着けば、便ち是れ教乘。禪德、佛法宗乘は、元來汝の口裏より名字を安立し、取り作り說取り作る便ち是れなり。斯須這裏に向ひて平實を説き圓常を説く。禪德、汝甚麼を喚びて平實と作し、甚麼を把りて圓常と作す。家に傍りて行脚し、理に須く甄別すべし、相埋沒する莫れ。些子の聲色名字を得て、心頭に貯へ、我解を會し善く揀辨を能くすと道ふ。汝且く箇の甚麼を會し、箇の甚麼を揀べん。記持し得るは是れ名字なり、

揀辨得底是聲色。若不是聲色名字。汝又作麼生記持揀辨。風吹松樹也是聲。蝦蟇老鵶呌也是聲。何不那裡聽取揀擇去。若那裡有箇意度模樣。祇如老師口裡。又有多少意度與上座。莫錯。即今聲色摐摐地。為當相及不相及。若相及。即汝靈性金剛秘密應有壞滅去也。何以如此。為聲貫破汝耳。色穿破汝眼。因緣即塞卻汝。幻妄走殺汝。聲色體爾不可容也。若不相及。又甚麼處得聲色來。會麼。相及不相及。試裁辨看。少間又道。是圓常平實。甚麼人恁麼道。未是黃夷村裡漢解恁麼說。是他古聖。垂些子相助顯發。今時不識好惡。便安圓實。道我別有宗風玄妙。釋迦佛無舌頭。不如汝些子。便恁麼點胸。若論殺盜婬罪。雖重猶輕。尚有歇時。此箇謗般若。瞎卻眾生眼。入阿鼻地獄吞鐵丸莫將為等閑。所以古人道。過在化主。不幹汝事。珍重。僧問。如何是羅漢一句。師曰。我若向汝道。便成兩句也。問。不會底人來。師還接否。師曰。誰是不會者。曰。適來道了也。師曰。莫自屈麼。保福僧到。師問。彼中佛法如何。曰。有時示眾道。塞卻你眼。教你覷不見。塞卻你耳。教你聽不聞。坐卻你意。教你分別不得。師曰。吾問你。不塞你眼。見箇甚麼。不塞你耳。聞箇甚麼。不坐你意。作麼生分別(東禪齊雲。那僧聞了忽然省去。更不他遊。上座如今還會麼。若不會。每日見箇甚麼)。問。以字不成。八字不是。未審是甚麼字。師曰。汝實不會那。曰。學人實不會。師曰。看取下頭註腳。問。如何是沙門正命食。師曰。吃得麼。曰。欲吃此食。作何方便。師曰。塞卻你口。問。如何是羅漢家風。師曰。不向你道。曰。為甚麼不道。師曰。是我家風。問。如何是法王身。師曰。汝今是甚麼身。曰。恁麼即無身也。師曰。苦痛深。上堂才坐。有二僧一時禮拜。師曰。俱錯。問。如何是撲不破底句。師曰。撲。問。

(師引き続き曰く、)「揀辨し得るは是れ聲色。若し是れ聲色名字あらずんば、汝又作麼生か記持揀辨せん。風の松樹を吹くも亦是れ聲、蝦蟆老鴉の叫ぶも亦是れ聲。何ぞ那裏に聽取揀擇せざる。若し那裏に箇の意度模樣有らば、只だ如し師の口裏、又多少の意度有りて上座に與へん。錯る莫れ。即今聲色摐摐地、當に相及ぶと爲すか相及ばずと爲すか。若し相及ばば、即ち汝の靈性金剛祕密應に壞滅して去るべし。何以如此。聲は汝の耳を貫破し、色は汝の眼を穿破し、因緣即ち汝を塞却し、幻妄汝を走殺す。聲色體爾にして容る可からず。若し相及ばずんば、又甚麼の處か聲色を得て來れり。會すか。相及ぶ相及ばず、試みに裁辨して看よ。少間又道ふ是れ圓常平實と。甚麼人さように道ふ。未だ是れ黃夷村裏の漢のさように解するにあらず。是れ他の古聖、些子を垂れて相助け顯發す。今時好惡を識らず、便ち圓實を安じ、我別に宗風玄妙有りと道ふ。釋迦佛舌頭無く、汝に如かず些子なれば、便ちさように胸を點ず。若し殺盜淫の罪を論ずれば、雖も重しと猶ほ輕し、尚ほ歇する時有り。此箇の般若を謗るは、衆生の眼を瞎却し、阿鼻地獄に入りて鐵丸を吞む。將に閑等と爲す莫れ。所以古人道ふ、過は化主に在り、汝の事に干はらずと。珍重」。僧が問うた、「如何なるか是れ羅漢の一句」。師は言った、「我若し汝に向ひて道はば、便ち兩句を成さん」。問うた、「不會の人來らば、師還た接するか否」。師は言った、「誰か是れ不會者」。曰く、「適來道へ了れり」。師は言った、「自ら屈する莫れか」。保福の僧到る。師問うた、「彼中の佛法如何」。曰く、「時に衆に示して道ふ、汝の眼を塞却し、汝を敎へて覷へ見えざらしめ。汝の耳を塞却し、汝を敎へて聞かざらしめ。汝の意を坐却し、汝を敎へて分別するを得ざらしむと」。師は言った、「吾汝に問ふ。汝の眼を塞がずんば、箇の甚麼を見る。汝の耳を塞がずんば、箇の甚麼を聞く。汝の意を坐せずんば、作麼生か分別せん」(東禪齊曰く、「那の僧聞き了りて忽然省去し、更に他遊せず。上座如今還た會するか。若し會せずんば、每日箇の甚麼を見る」)。問うた、「以字成らず、八字是れあらず。未だ審らかならず、是れ甚麼の字」。師は言った、「汝實に會せざるか那」。曰く、「學人實に會せず」。師は言った、「看取せよ下頭の注脚を」。問うた、「如何なるか是れ沙門の正命食」。師は言った、「喫すを得るか」。曰く、「此の食を喫さんと欲せば、何の方便を作さん」。師は言った、「汝の口を塞却す」。問うた、「如何なるか是れ羅漢の家風」。師は言った、「汝に向ひて道はず」。曰く、「甚麼の故にか道はざる」。師は言った、「是れ我が家風」。問うた、「如何なるか是れ法王身」。師は言った、「汝今是れ甚麼の身」。曰く、「さようらば即ち無身なり」。師は言った、「苦痛深し」。上堂纔かに坐す、二僧有りて一時に禮拜す。師は言った、「俱に錯り」。問うた、「如何なるか是れ撲不破の句」。師は言った、「撲」。問うた、

一佛出世普為群生。和尚今日為箇甚麼。師曰。甚麼處遇一佛。曰。恁麼即學人罪過。師曰。謹退。問。如何是諸聖玄旨。師曰。四楞塌地。問。大事未肯時如何。師曰。由汝。問。如何是十方眼。師曰。眨上眉毛著。請保福齋。令人傳語曰。請和尚慈悲降重。福曰。慈悲為阿誰。師曰。和尚恁麼道。渾是不慈悲。翫月次。乃曰。雲動有。雨去有。僧曰。不是雲動是風動。師曰。我道雲亦不動。風亦不動。曰。和尚適來又道雲動。師曰。阿誰罪過。師見僧。舉拂子曰。還會麼。曰。謝和尚慈悲示學人。師曰。見我竪拂子。便道示學人。汝每日見山見水。可不示汝。又見僧來。舉拂子。其僧讚歎禮拜。師曰。見我竪拂子。便禮拜讚歎。那裡掃地竪起掃帚。為甚麼不讚歎。問。承教有言。若見諸相非相。即見如來。如何是非相。師曰。燈籠子。問。如何是出家。師曰。喚甚麼作家。問。僧甚處來。曰。秦州。師曰。將得甚麼物來。曰。不將得物來。師曰。汝為甚麼對眾謾語。其僧無對。師卻問。秦州豈不是出鸚鵡。曰。鸚鵡出在隴西。師曰。也不較多。問。僧甚處來。曰。報恩。師曰。何不且在彼中。曰。僧家不定。師曰。既是僧家。為甚麼不定。僧無對(玄覺代雲。謝和尚顧問)。王太傅上雪峰施眾僧衣。時從弇上座不在。師弟代上名受衣。弇歸。弟曰。某甲為師兄上名了。弇曰。汝道我名甚麼。弟無對。師代雲。師兄得恁麼貪。又曰。甚麼處是貪處。又代雲。兩度上名。(雲居錫雲。甚麼處是弇上座兩度上名處)。師與長慶.保福入州。見牡丹障子。保福曰。好一朵牡丹花。長慶曰。莫眼花。師曰。可惜許一朵花(玄覺雲。三尊宿語還有親疎也無。祇如羅漢恁麼道。落在甚麼處)。問僧。汝在招慶有甚麼異聞底事。試舉看。曰。不敢錯舉。師曰。真實底事作麼生舉。曰。和尚因甚麼如此。師曰。汝話墮也。

問うた、「一佛出世して普く群生の爲。和尚今日は箇の甚麼の爲」。師は言った、「甚麼の處にか一佛に遇ふ」。曰く、「さようらば即ち學人の罪過」。師は言った、「謹んで退け」。問うた、「如何なるか是れ諸聖の玄旨」。師は言った、「四楞塌地」。問うた、「大事未だ肯んぜざる時如何」。師は言った、「汝に由る」。問うた、「如何なるか是れ十方眼」。師は言った、「眉毛に眨上して着け」。保福に齋を請ひ、人をして語を傳へしめて曰く、「和尚に慈悲降重を請ふ」。保福曰く、「慈悲は阿誰と爲る」。師は言った、「和尚さように道へば、渾として是れ不慈悲」。月を翫ぶの次、便ち曰く、「雲動く有り、雨去る有り」。僧曰く、「是れ雲動くにあらず是れ風動くなり」。師は言った、「我道ふ、雲も亦た動かず、風も亦た動かずと」。曰く、「和尚適來又道へり雲動くと」。師は言った、「阿誰の罪過」。師僧を見て、拂子を擧げて曰く、「還た會するか」。曰く、「和尚の慈悲學人に示すを謝す」。師は言った、「我が拂子を豎ぐるを見て、便ち學人に示すと道ふ。汝每日山を見水を見る、可ならず汝に示さざるか」。又僧の來るを見て、拂子を擧ぐ。那の僧讚歎禮拜す。師は言った、「我が拂子を豎ぐるを見て、便ち禮拜讚歎す。那裏に地を掃きて掃帚を豎起する、甚麼の故にか讚歎せざる」。問うた、「承る、教に言有り、若し諸相の非相を見れば、即ち如來を見ん。如何なるか是れ非相」。師は言った、「燈籠子」。問うた、「如何なるか是れ出家」。師は言った、「甚麼を喚びて家と作す」。僧に問うた、「甚處か來る」。曰く、「秦州」。師は言った、「甚麼の物を將て來れる」。曰く、「物を將て來らず」。師は言った、「汝甚麼の故にか衆に對して謾語す」。那の僧對無し。師却って問うた、「秦州豈に鸚鵡を出さざるか」。曰く、「鸚鵡は隴西に出づ」。師は言った、「也較多からず」。僧に問うた、「甚處か來る」。曰く、「報恩」。師は言った、「何ぞ且く彼中に在らざる」。曰く、「僧家は定まらず」。師は言った、「既に僧家なり、甚麼の故にか定まらざる」。僧對無し(玄覺代えて曰く、「和尚の顧問を謝す」)。王太傅雪峰に上りて衆僧に衣を施す。時に從弇上座在らず。師弟名を代えて衣を受く。從弇歸る。弟曰く、「某甲師兄の爲に名を上げ了れり」。從弇曰く、「汝道へ、我が名は甚麼ぞ」。弟對無し。師代えて曰く、「師兄さように貪なるを得たり」。又曰く、「甚麼の處か是れ貪處」。又代えて曰く、「兩度名を上ぐ」(雲居錫曰く、「甚麼の處か是れ弇上座の兩度名を上ぐる處」)。師長慶、保福と州に入り、牡丹障子を見る。保福曰く、「好き一朵の牡丹花」。長慶曰く、「眼花する莫れ」。師は言った、「可惜許なる一朵の花」(玄覺曰く、「三尊宿の語還た親疎有るや無し。只だ如し羅漢さように道へば、甚麼の處にか落つる」)。僧に問うた、「汝招慶に在りて何の異聞の事か有る、試みに擧げて看よ」。曰く、「敢へて錯擧せず」。師は言った、「眞實の事を作麼生か擧げん」。曰く、「和尚因に何をか如此」。師は言った、「汝話墮ちたり」。

眾僧晚參。聞角聲。師曰。羅漢三日一度上堂。王太傅二時相助。問。如何是學人本來心。師曰。是你本來心。問。師居寶座。說法度人。未審度甚麼人。師曰。汝也居寶座。度甚麼人。問。鏡裡看形見不難。如何是鏡。師曰。還見形麼。問。但得本。莫愁末。如何是末。師曰。總有也。師因疾。僧問。和尚尊候較否。師以杖拄地曰。汝道這箇還痛否。曰。和尚問阿誰。師曰。問汝。曰。還痛否。師曰。元來共我作道理。天成三年秋。復屆閩城舊址。遍遊近城梵宇已。乃示寂。茶毗收舍利。建塔於院之西隅。諡真應禪師。

衆僧晚參して角聲を聞く。師は言った、「羅漢は三日に一度上堂し、王太傅は二時相助く」。問うた、「如何なるか是れ學人の本來心」。師は言った、「是れ汝の本來心」。問うた、「師寶座に居り、法を説きて人を度す。未だ審らかならず、甚麼人をか度する」。師は言った、「汝も亦た寶座に居る、甚麼人をか度する」。問うた、「鏡裏に形を看て見るは難からず。如何なるか是れ鏡」。師は言った、「還た形を見るか」。問うた、「但だ本を得ば、末を愁ふ莫れ。如何なるか是れ末」。師は言った、「總に有りなり」。師疾に因り、僧問うた、「和尚の尊候較せるか否」。師杖を以て地を拄きて曰く、「汝道へ、這箇還た痛むか否」。曰く、「和尚阿誰に問ふ」。師は言った、「汝に問ふ」。曰く、「還た痛むか否」。師は言った、「元來我と道理を作す」。天成三年秋、復た閩城の舊址に屆り、遍く近城の梵宇を遊び已り、乃ち寂を示す。茶毗して舍利を收め、院の西隅に塔を建つ。真應禅師と諡す。

杭州天龍寺重機明真禪師

杭州天龍寺重機明眞禅師

台州人也。得法玄沙。復回浙中。錢武肅王請出世開法。上堂。若直舉宗風。獨唱本分事。便同於頑石。若言絕凡聖消息。無大地山河。盡十方世界。都是一隻眼。此乃事不獲已。恁麼道還會麼。若更不會。聽取一頌。盲聾瘖瘂是仙陀。滿眼時人不奈何。祇向目前須體妙。身心萬象與森羅。僧問。如何是璇璣不動。師曰。青山數重。曰。如何是寂爾無垠。師曰。白雲一帶。問。如何是歸根得旨。師曰。兔角生也。曰。如何是隨照失宗。師曰。龜毛落也。問。蓮花未出水時如何。師曰。誰人不知。曰。出水後如何。師曰。馨香目擊。問。朗月輝空時如何。師曰。正是分光景。何消指玉樓。

台州人。玄沙に法を得て、復た浙中に回る。錢武肅王請ひて出世開法せしむ。上堂、「若し直に宗風を擧げ、獨り本分事を唱へば、便ち頑石に同じ。若し凡聖の消息を絕ち、大地山河無しと言へば、十方世界を盡して、都て是れ一隻眼。此乃ち事獲已ならざるなり。さように道へば還た會するか。若し更に會せずんば、一頌を聽取せ。盲聾瘖瘂は是れ仙陀、滿眼の時人奈何す可からず。只だ目前に向ひて須く體妙すべし、身心萬象與森羅なり」。僧が問うた、「如何なるか是れ璇璣不動」。師は言った、「青山數重」。曰く、「如何なるか是れ寂爾無垠」。師は言った、「白雲一帶」。問うた、「如何なるか是れ歸根得旨」。師は言った、「兔角生ずなり」。曰く、「如何なるか是れ隨照失宗」。師は言った、「龜毛落つなり」。問うた、「蓮花未だ水を出でざる時如何」。師は言った、「誰人か知らざる」。曰く、「水を出でし後如何」。師は言った、「馨香目擊す」。問うた、「朗月空に輝く時如何」。師は言った、「正に是れ分光の景、何ぞ消ん玉樓を指するを」。

福州僊宗院契符清法禪師

福州僊宗院契符淸法禅師

開堂日。僧問。師登寶座。合談何事。師曰。剔開耳孔著。曰。古人為甚麼卻道非耳目之所到。師曰。金櫻樹上不生梨。曰。古今不到處。請師道。師曰。汝作麼生問。問。眾手淘金。誰是得者。師曰。舉手隔千里。休功任意看。問。飛岫巖邊華子秀。仙境臺前事若何。師曰。無價大寶光中現。暗客惛惛爭奈何。曰。優曇華拆人皆覩。向上宗乘意若何。師曰。闍黎若問宗乘意。不如靜處薩婆訶。問。如何是閩中諸佛境界。師曰。造化終難測。春風徒自輕。問如何是道中寶。師曰。雲孫淚亦垂。問。諸聖收光歸源後如何。師曰。三聲猿屢斷。萬裡客愁聽。曰。未審今時人。如何湊得古人機。師曰。好心向子道。切忌未生時。

堂を開く日、僧が問うた、「師寶座に登り、合に何事を談ずべし」。師は言った、「耳孔を剔開きて着け」。曰く、「古人甚麼の故にか却って道へる、耳目の到る所に非ずと」。師は言った、「金櫻樹上に梨を生ぜず」。曰く、「古今到らざる處、師に道はんことを請ふ」。師は言った、「汝作麼生か問ふ」。問うた、「衆手金を淘ぐ、誰か是れ得る者」。師は言った、「手を擧げて千里を隔つ、功を休めて任意に看よ」。問うた、「飛岫巖邊の華子の秀、仙境臺前の事若何」。師は言った、「無價の大寶光中に現ず、暗客惛惛として争奈何せん」。曰く、「優曇花拆れて人皆睹る、向上宗乘の意若何」。師は言った、「闍黎若し宗乘の意を問はば、靜處の薩婆訶に如かず」。問うた、「如何なるか是れ閩中の諸佛の境界」。師は言った、「造化終に測り難し、春風徒りに自ら輕し」。問うた、「如何なるか是れ道中の寶」。師は言った、「雲孫の淚も亦た垂る」。問うた、「諸聖光を收め源に歸りし後如何」。師は言った、「三聲の猿屢々斷え、萬里の客愁して聽く」。曰く、「未だ審らかならず、今時の人、如何にして古人の機に湊得せん」。師は言った、「好心子に向ひて道ふ、切に忌む未生時」。

婺州國泰院𤦆禪師

婺州國泰院𤦆禅師

上堂。不離當處。鹹是妙明真心。所以玄沙和尚道。會我最後句。出世少人知。爭似國泰有末頭一句。僧問。如何是國泰末頭一句。師曰。闍黎問太遲生。便歸方丈。問。如何是毗盧。師曰。某甲與老兄是弟子。問。達磨來時即不問。如何是未來時事。師曰。親遇梁王。問。古鏡未磨時如何。師曰。古鏡。曰。磨後如何。師曰。古鏡。

上堂、「當處を離れず、咸く是れ妙明眞心。所以玄沙和尚道ふ、我が最後句を會せば、出世する人知ること少しと。争でか國泰の末頭の一句有るに似ん」。僧が問うた、「如何なるか是れ國泰の末頭の一句」。師は言った、「闍黎の問ふこと太遲生なり」。便ち方丈に歸る。問うた、「如何なるか是れ毗盧」。師は言った、「某甲は老兄與是れ弟子」。問うた、「達磨來る時は即ち問はず、如何なるか是れ未來時の事」。師は言った、「親く梁王に遇ふ」。問うた、「古鏡未だ磨かざる時如何」。師は言った、「古鏡」。曰く、「磨きし後如何」。師は言った、「古鏡」。

福州升山白龍院道希禪師

福州升山白龍院道希禅師

本郡人也。上堂。不要舉足。是誰威光。還會麼。若道自家去處。本自如是。且喜沒交涉。問。如何是西來意。師曰。汝從甚處來。問。如何是佛法大意。師曰。汝早禮三拜。問。不責上來。請師直道。師曰。得。問。如何是正真道。師曰。騎驢覓驢。問。請師答無賓主話。師曰。昔年曾記得。曰。即今如何。師曰。非但耳聾。亦兼眼暗。問。情忘體合時如何。師曰。別更夢見箇甚麼。問。學人擬伸一問。請師裁。師曰。不裁。曰。為甚麼不裁。師曰。須知好手。問。大眾雲集。請師舉揚宗教。師曰。少遇聽者。問。不涉唇鋒。乞師指示。師曰。不涉唇鋒問將來。曰。恁麼即群生有賴。師曰。莫閑言語。問。請和尚生機答話。師曰。把紙筆來錄將去。問。如何是思大口。師曰。出來向你道。曰。學人即今見出。師曰。曾賺幾人來。

本郡人。上堂、「足を擧ぐる莫れ、是れ誰かの威光。還た會するか。若し自家の去處を道へば、本自如是なり、且く喜ぶも沒交涉なり」。問うた、「如何なるか是れ西來意」。師は言った、「汝甚處より來る」。問うた、「如何なるか是れ佛法の大意」。師は言った、「汝早く三拜を禮せ」。問うた、「上來を責めず、師に直道を請ふ」。師は言った、「得」。問うた、「如何なるか是れ正眞の道」。師は言った、「驢に騎りて驢を覓る」。問うた、「師に無賓主の話を答へんことを請ふ」。師は言った、「昔年曾て記得せり」。曰く、「即今如何」。師は言った、「但だ耳聾のみならず、亦た眼暗を兼ぬ」。問うた、「情忘れ體合する時如何」。師は言った、「別に更に箇の甚麼を夢見る」。問うた、「學人擬して一問を伸ばんとす、師に裁斷を請ふ」。師は言った、「裁せず」。曰く、「甚麼の故にか裁せざる」。師は言った、「須く好手を知るべし」。問うた、「大衆雲集す、師に宗教を擧揚せんことを請ふ」。師は言った、「聽く者に遇ふこと少し」。問うた、「唇鋒に渉らず、師に指示を乞ふ」。師は言った、「唇鋒に渉らずして問ひ將來れ」。曰く、「さようらば即ち群生賴有らん」。師は言った、「閑言語する莫れ」。問うた、「和尚に生機の答話を請ふ」。師は言った、「紙筆を把り來りて錄し將て去れ」。問うた、「如何なるか是れ大口を思ふ」。師は言った、「出で來りて汝に向ひて道はん」。曰く、「學人即今出づるを見る」。師は言った、「曾て幾人を賺せし」。曰く、「學人即今出づるを見る」。師は言った、「曾て幾人を賺せし來れり」。

福州安國院慧球寂照禪師(亦曰。中塔)

福州安國院慧球寂照禅師(亦た中塔と曰ふ)

泉州莆田人也。玄沙室中。參訊居首。因問。如何是第一月。沙曰。用汝箇月作麼。師從此悟入。梁開平二年。玄沙將示滅。閩帥王氏遣子至。問疾。仍請密示繼踵說法者誰。沙曰。球子得。王默記遺旨。乃問皷山。臥龍法席。孰當其任。皷山舉城下宿德具道眼者十有二人。皆堪出世。王亦默之。至開堂日。官僚與僧侶俱會法筵。王忽問眾曰。誰是球上座。於是眾人指出師。王氏便請陞座。師良久曰。莫嫌寂寞。莫道不堪。未詳涯際。作麼生論量。所以尋常用其音響。聊撥一兩下。助他發機。若論來十方世界。覓一人為伴侶。不可得。僧問。佛法大意。從何方便頓入。師曰。入是方便。問。雲自何山起。風從何㵎生。師曰。盡力施為。不離中塔。上堂。我此間粥飯因緣。為兄弟舉唱。終是不常。欲得省要。卻是山河大地與汝發明。其道既常。亦能究竟。若從文殊門入者。一切無為。土木瓦礫。助汝發機。若從觀音門入者。一切音響。蝦蟇蚯蚓。助汝發機。若從普賢門入者。不動步而到。以此三門方便示汝。如將一隻折箸攪大海水。令彼魚龍知水為命。會麼。若無智眼而審諦之。任汝百般巧妙。不為究竟。問。學人近入叢林。不明己事。乞師指示。師以杖指之曰。會麼。曰。不會。師曰。我恁麼為汝。卻成抑屈人。還知麼。若約當人分上。從來底事。不論初入叢林。及過去諸佛。不曾乏少。如大海水。一切魚龍初生及至老死。所受用水。悉皆平等。問。不謬正宗。請師真實。師曰。汝替我道。曰。或有不辨者作麼生。師曰。待不辨者來。問。諸佛還有師否。師曰。有。曰。如何是諸佛師。師曰。一切人識不得。上堂良久。有僧出禮拜。師曰。莫教髑髏拶損。僧參問。曰。去卻僕從。便請相見。師曰。眨上眉毛看。曰。不與麼時如何。師曰。山北去也。問。從上宗乘事如何。師良久。僧再問。師便喝出。問。

泉州莆田人。玄沙の室中、參訊首に居る。因りて問うた、「如何なるか是れ第一の月」。玄沙は言った、「汝の箇の月を用ひて作麼せん」。師此れより悟入す。梁の開平二年、玄沙將に示滅せんとす。閩帥王氏子を遣はし、疾を問ひ、仍りて密かに繼踵して法を説く者誰なるかを請ふ。玄沙は言った、「球子得」。王默然として遺旨を記し、乃ち鼓山に問うた、「臥龍の法席、孰か其の任に當たらん」。鼓山城下の宿德で道眼を具する者十有二人を擧げ、皆な出世に堪へりとす。王も亦た默せり。開堂の日に至り、官僚與僧侶俱に法筵に會す。王忽ち衆に問うた、「誰か是れ球上座」。是に於て衆人師を指出す。王氏便ち升座を請ふ。師良久して曰く、「寂寞を嫌ふ莫れ、堪へざるを道ふ莫れ。未だ涯際を詳めず、作麼生か論量せん。所以尋常其の音響を用ひて、聊か一兩下を撥して、他が機を發するを助く。若し十方世界を論ずれば、一人を覓て伴侶と爲すも、得る可からず」。僧が問うた、「佛法の大意、何の方便よりか頓に入る」。師は言った、「入るは是れ方便」。問うた、「雲自ら何の山より起こり、風何の澗より生ず」。師は言った、「力を盡して施爲し、中塔を離れず」。上堂、「我が此の間の粥飯の因緣、兄弟の爲に擧唱すと雖も、終には是れ常ならず。省要を得んと欲せば、却って是れ山河大地汝と發明せん。其の道既に常なり、亦た能く究竟せん。若し文殊門より入る者は、一切無爲、土木瓦礫、汝を助けて機を發す。若し觀音門より入る者は、一切音響、蝦蟆「蚯蚓、汝を助けて機を發す。若し普賢門より入る者は、歩を動かさずして到る。此の三門の方便を以て汝に示す。將に一隻の折箸を大海水を攪かしめ、彼の魚龍に水を命と知らしむるが如し。會すか。若し智眼無くして審諦するは、汝百般の巧妙に任すも、究竟と爲さず」。問うた、「學人近く叢林に入り、己事明ならず、師に指示を乞ふ」。師杖を以て之を指して曰く、「會すか」。曰く、「會せず」。師は言った、「我さように汝を爲りて、却って人を抑屈せんと成す。還た知るか。若し當人の分上に約せば、從來の事は、初めて叢林に入るを論ぜず、及び過去の諸佛も、曾て乏少せず。大海水の如く、一切の魚龍初めて生じて老死に及ぶまで、受けて用ふる水、悉く皆な平等なり」。問うた、「正宗を謬らず、師に眞實を請ふ」。師は言った、「汝我に替りて道へ」。曰く、「或る者辨ぜざる有らば作麼生」。師は言った、「辨ぜざる者の來るを待て」。問うた、「諸佛還た師有るか否」。師は言った、「有り」。曰く、「如何なるか是れ諸佛の師」。師は言った、「一切人識るを得ず」。上堂、良久。僧有りて出で禮拜す。師は言った、「髑髏を拶損するを敎へる莫れ」。僧參問して曰く、「僕從を去りて、便ち相見せんことを請ふ」。師は言った、「眉毛を眨上して看よ」。曰く、「さようらざる時如何」。師は言った、「山北に去れり」。問うた、「從上宗乘の事如何」。師良久す。僧再び問ふ。師便ち喝出す。問うた、

如何是大庾嶺頭事。師曰。料汝承當不得。曰。重多少。師曰。這般底論劫不奈何。師問了院主。祇如先師道。盡十方世界是真實人體。你還見僧堂麼。了曰。和尚莫眼花。師曰。先師遷化。肉猶煖在。

問うた、「如何なるか是れ大庾嶺頭の事」。師は言った、「汝の承當し得ざるを料る」。曰く、「重さ多少」。師は言った、「這の般は劫を論ずるも奈何せんず」。師了院主に問うた、「只だ如し先師道ふ、十方世界を盡して是れ眞實の人體。汝還た僧堂を見るか」。了曰く、「和尚眼花する莫れ」。師は言った、「先師遷化せど、肉猶ほ暖かに在り」。

衡嶽南臺誠禪師

衡岳南臺誠禅師

僧問。玄沙宗旨。請師舉揚。師曰。甚麼處得此消息。曰。垂接者何。師曰。得人不迷己。問。潭清月現。是何境界。師曰。不干你事。曰。借問又何妨。師曰。覓潭月不可得。問。離地四指。為甚麼卻有魚紋。師曰。有聖量在。曰。此量為甚麼人施。師曰。不為聖人。

僧が問うた、「玄沙の宗旨、師に擧揚を請ふ」。師は言った、「甚麼の處にか此の消息を得る」。曰く、「垂接する者は何」。師は言った、「人を得れば己を迷はず」。問うた、「潭淸く月現ず、是れ何の境界」。師は言った、「汝の事に干はらず」。曰く、「借問すとも又何ぞ妨げん」。師は言った、「潭の月を覓るも得る可からず」。問うた、「地を離るること四指、甚麼の故にか却って魚紋有る」。師は言った、「聖量の在る有り」。曰く、「此の量は甚麼人の爲に施す」。師は言った、「聖人と爲さず」。

福州螺峰沖奧明法禪師

福州螺峰冲奧明法禅師

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