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五燈會元巻第七

宋 · 普济 · 第51巻 / 144

僧問。如何是西來意。師竪拂子。僧曰。莫這箇便是。師放下拂子。問。以字不成。八字不是。是甚麼字。師作圓相示之。有僧於師前作五花圓相。師畫破作一圓相。

僧が問うた、「如何なるか是れ西來意」。師拂子を豎ぐ。僧曰く、「這箇便ち是れ莫し」。師拂子を放下す。問うた、「以字成らず、八字是れならず。是れ甚麼の字ぞ」。師圓相を作して之を示す。僧有りて師の前に於て五花の圓相を作す。師畫破して一の圓相を作す。

袁州仰山東塔和尚

袁州仰山東塔和尚

僧問。如何是君王劒。師曰。落䌫不採功。曰。用者如何。師曰。不落人手。問。法王與君王相見時如何。師曰。兩掌無私。曰。見後如何。師曰。中間絕像。

僧が問うた、「如何なるか是れ君王の劍」。師は言った、「纜を落として功を采らず」。曰く、「用ゐる者如何」。師は言った、「人手に落ちず」。問うた、「法王と君王と相見る時如何」。師は言った、「兩掌私無し」。曰く、「見し後如何」。師は言った、「中間像を絕つ」。

香嚴閑禪師法嗣

香嚴閑禅師法嗣

吉州止觀和尚

吉州止觀和尚

僧問。如何是毗盧師。師攔胷與一拓。問。如何是頓。師曰。非梁陳。

僧が問うた、「如何なるか是れ毘盧師」。師胸を攔ぎて一拓を與ふ。問うた、「如何なるか是れ頓」。師は言った、「梁陳に非ず」。

壽州紹宗禪師

壽州紹宗禅師

僧問。如何是西來意。師曰。好事不出門。惡事行千里。有官人謂師曰。見說江西不立宗。師曰。遇緣即立。曰。遇緣立箇甚麼。師曰。江西不立宗。

僧が問うた、「如何なるか是れ西來意」。師は言った、「好事門を出でず、惡事千里を行く」。官人有りて師に謂ひて曰く、「見説く、江西宗を立てずと」。師は言った、「緣に遇へば即ち立つ」。曰く、「緣に遇ひて箇の甚麼をか立つる」。師は言った、「江西宗を立てず」。

益州南禪無染禪師

益州南禪無染禅師

僧問。無句之句。師還答也無。師曰。從來祇明恁麼事。曰。畢竟如何。師曰。且問看。

僧が問うた、「無句の句、師還た答ふるや無し」。師は言った、「從來只ださような事を明めるのみ」。曰く、「畢竟如何」。師は言った、「且く問ひて看よ」。

益州長平山和尚

益州長平山和尚

僧問。視瞬不及處如何。師曰。我眨眼也沒工夫。問。如何是祖師意。師曰。西天來。唐土去。

僧が問うた、「視瞬の及ばざる處如何」。師は言った、「我眼を眨むも工夫を沒す」。問うた、「如何なるか是れ祖師意」。師は言った、「西天より來り、唐土に去る」。

益州崇福演教禪師

益州崇福演教禅師

僧問。如何是寬廓之言。師曰。無口得道。問。如何是西來意。師曰。今日明日。

僧が問うた、「如何なるか是れ寬廓の言」。師は言った、「口無くして道を得」。問うた、「如何なるか是れ西來意」。師は言った、「今日明日」。

安州大安山清幹禪師

安州大安山淸干禅師

僧問。從上諸聖。從何而證。師乃斫額。問。如何是祖師西來意。師曰。羊頭車子推明月。

僧が問うた、「從上の諸聖、何よりか而して證する」。師乃ち額を斫る。問うた、「如何なるか是れ祖師西來意」。師は言った、「羊頭の車子明月を推す」。

終南山豐德寺和尚

終南山豐德寺和尚

僧問。如何是和尚家風。師曰。觸事面牆。問。如何是本來事。師曰。終不更問人。

僧が問うた、「如何なるか是れ和尚の家風」。師は言った、「事に觸れて壁に面す」。問うた、「如何なるか是れ本來の事」。師は言った、「終に更に人に問はず」。

均州武當山佛巖喗禪師

均州武當山佛巖喗禅師

僧問。某甲頃年有疾。又中毒藥。請師醫。師曰。二宜湯一椀。問。如何是佛向上事。曰。螺髻子。曰。如何是佛向下事。師曰。蓮華座。

僧が問うた、「某甲頃年疾有り、又毒藥を中し、師に醫さんことを請ふ」。師は言った、「二宜湯一碗」。問うた、「如何なるか是れ佛向上の事」。曰く、「螺髻子」。問うた、「如何なるか是れ佛向下の事」。師は言った、「蓮華座」。

江州廬山雙谿田道者

江州廬山雙溪田道者

僧問。如何是啐啄之機。師以手作啄勢。問。如何是西來意。師曰。甚麼處得箇問頭來。

僧が問うた、「如何なるか是れ啐啄の機」。師手を以て啄の勢を作す。問うた、「如何なるか是れ西來意」。師は言った、「甚麼の處か箇の問頭を得來れり」。

徑山諲禪師法嗣

徑山𬤇禅師法嗣

洪州米嶺和尚

洪州米嶺和尚

常語曰。莫過於此。僧問。未審是甚麼莫過於此。師曰。不出是。僧後問長慶。為甚麼不出是。慶曰。汝擬喚作甚麼。

常に語りて曰く、「此に過ぐる莫し」。僧が問うた、「未だ審らかならず、甚麼の此に過ぐる莫しか」。師は言った、「是を出でず」。僧後に長慶に問うた、「甚麼の故にか是を出でず」。長慶曰く、「你擬して喚んで甚麼と作さん」。

雙峰和尚法嗣

雙峰和尚法嗣

福州雙峰古禪師

福州雙峰古禅師

本業講經。因參先雙峰。峰問。大德甚麼處住。曰。城裡。峰曰。尋常還思老僧否。問。常思和尚。無由禮覲。峰曰。祇這思底便是大德。師從此領旨。即罷講席。侍奉數年。後到石霜。但隨眾而已。更不參請。眾謂古侍者嘗受雙峰印記。往往聞於石霜。霜欲詰其所悟。而未得其便。師因辭去。霜將拂子送出門首。召曰。古侍者。師回首。霜曰。擬著即差。是著即乖。不擬不是。亦莫作箇會。除非知有莫能知之。好去。好去。師應喏喏。即前邁。尋屬雙峰示寂。師乃繼續住持。僧問。和尚當時辭石霜。石霜恁麼道意作麼生。師曰。祇教我不著是非(玄覺雲。且道他會石霜意不會)。

本業經を講ず。因りて先雙峰を參ず。雙峰問うた、「大德甚麼の處にか住する」。曰く、「城裏」。雙峰曰く、「尋常還た老僧を思ふか否」。曰く、「常に和尚を思ふも、禮覲するに由無し」。雙峰曰く、「只だ這の思ふ便ち是れ大德」。師此より旨を領し、即ち講席を罷め、數年を侍奉す。後に石霜に到り、但だ衆に隨ふのみ、更に參請せず。衆謂ふ、古侍者嘗て雙峰の印記を受くと、往往石霜に聞ゆ。石霜其の悟る所を詰めんと欲すも、未だ其の便を得ず。師因りて辭去せんとす。石霜拂子を將て門首まで送り、召して曰く、「古侍者」。師首を回す。石霜曰く、「著せんと擬すれば即ち差し、是が著せば即ち乖る。不擬不是、亦た箇の會を作す莫れ。知有に非ざれば、能く之を知る莫し。好去、好去」。師應諾諾、即ち前邁す。尋いで雙峰の示寂に屬し、師乃ち繼續して住持す。僧が問うた、「和尚當時石霜を辭して、石霜さように道ふ、意作麼生」。師は言った、「只だ我を教へて是非に着せず」。(玄覺曰く、「且く道へ、他會石霜意するや會せざるや」)。

南嶽下六世

南岳下六世

西塔穆禪師法嗣

西塔穆禅師法嗣

吉州資福如寶禪師

吉州資福如寶禅師

僧問。如何是應機之句。師默然。問。如何是玄旨。師曰。汝與我掩卻門。問。魯祖面壁。意作麼生。師曰。沒交涉。問。如何是從上真正眼。師槌𮌎曰。蒼天。蒼天。曰。借問有何妨。師曰。困。問。這箇還受學也無。師曰。未曾钁地栽虗空。問。如何是衲僧急切處。師曰。不過此。問曰。學人未問已前。請師道。師曰。噫。問。如何是一塵入正受。師作入定勢。曰。如何是諸塵三昧起。師曰。汝問阿誰。問。如何是一路涅槃門。師彈指一聲。又展開兩手。曰。如何領會。師曰。不是秋月明。子自橫行八九。問。如何是和尚家風。師曰。飯後三椀茶。師一日拈起蒲團。示眾曰。諸佛菩薩。入理聖人。皆從這裡出。便擲下。擘開胷曰。作麼生。眾無對。問。學人創入叢林。一夏將末。未蒙和尚指教。願垂提拯。師拓開曰。老僧住持已來。未曾瞎卻一人眼。師有時坐良久。周視左右曰。會麼。眾曰。不會。師曰。不會即謾汝去也。師一日將蒲團於頭上。曰。汝諸人恁麼時難共語。眾無對。師將坐。卻曰。猶較些子。

僧が問うた、「如何なるか是れ應機の句」。師默然とす。問うた、「如何なるか是れ玄旨」。師は言った、「你與我門を掩却せよ」。問うた、「魯祖の面壁、意作麼生」。師は言った、「沒交涉」。問うた、「如何なるか是れ從上の眞正眼」。師胸を槌りて曰く、「蒼天、蒼天」。曰く、「借問有何の妨げか」。師は言った、「困」。問うた、「這箇還た學を受くるや無し」。師は言った、「未曾て地を镢りて虛空を栽えず」。問うた、「如何なるか是れ衲僧急切の處」。師は言った、「此を過ぎず」。問うて曰く、「學人未だ問はざる已前、師に道はんことを請ふ」。師は言った、「噫」。問うた、「如何なるか是れ一塵の正受に入る」。師入定の勢を作す。曰く、「如何なるか是れ諸塵の三昧起」。師は言った、「你阿誰をか問ふ」。問うた、「如何なるか是れ一路涅槃門」。師彈指一聲、又兩手を展開す。曰く、「如何に領會せん」。師は言った、「是れ秋月明に非ず、子自ら横行すること八九」。問うた、「如何なるか是れ和尚の家風」。師は言った、「飯後三碗の茶」。師一日蒲團を拈起して、衆に示して曰く、「諸佛菩薩、入理の聖人、皆な這裏より出づ」。便ち擲下し、胸を擘開して曰く、「作麼生」。衆對無し。問うた、「學人創めて叢林に入り、一夏將に末ならんとす、未だ和尚の指教を蒙らず、願はくは垂れて提拯せんことを」。師拓開して曰く、「老僧住持し已來、未曾て一人の眼を瞎却せず」。師時に坐すること良久、左右を周視して曰く、「會するか」。衆曰く、「會せず」。師は言った、「不會則ち瞞し去る」。師一日蒲團を將て頭上に於きて、曰く、「你諸人さような時語を共にし難し」。衆對無し。師將に坐せんとして、却って曰く、「猶ほ較べて些子」。

南塔湧禪師法嗣

南塔涌禅師法嗣

郢州芭蕉山慧清禪師

郢州芭蕉山慧淸禅師

新羅國人也。上堂。拈拄杖示眾曰。你有拄杖子。我與你拄杖子。你無拄杖子。我奪卻你拄杖子。靠拄杖下座。僧問。如何是芭蕉水。師曰。冬溫夏涼。問。如何是吹毛劒。師曰。進前三步。曰。用者如何。師曰。退後三步。問。如何是和尚為人一句。師曰。祇恐闍黎不問。上堂。會麼。相悉者少。珍重。問。不語有問時如何。師曰。未出三門千里程。問。如何是自己。師曰。望南看北斗。問。光境俱亡。復是何物。師曰。知。曰。知箇甚麼。師曰。建州九郎。上堂。如人行次。忽遇前面萬丈深坑。背後野火來逼。兩畔是荊棘叢林。若也向前。則墮在坑壍。若也退後。則野火燒身。若也轉側。則被荊棘林礙。當與麼時。作麼生免得。若也免得。合有出身之路。若免不得。墮身死漢。問。如何是提婆宗。師曰。赤幡在左。問僧。近離甚處。僧曰。請師試道看。師曰。將謂是舶上商人。元來是當州小客。問。不問二頭三首。請師直指本來面目。師默然正坐。問。賊來須打。客來須看。忽遇客賊俱來時如何。師曰。屋裡有一緉破草鞋。曰。祇如破草鞋。還堪受用也無。師曰。汝若將去。前兇後不吉。問。北斗藏身。意旨如何。師曰。九九八十一。乃曰。會麼。曰。不會。師曰。一二三四五。師謂眾曰。我年二十八。到仰山參見南塔。見上堂曰。汝等諸人。若是箇漢。從孃肚裡出來便作師子吼。好麼。我於言下歇得身心。便住五載。僧問。古佛未出興時如何。師曰。千年茄子根。曰。出興後如何。師曰。金剛努出眼。上堂。良久曰。也大相辱。珍重。問。如何是祖師意。師曰。汝問那箇祖師意。曰。達磨西來意。師曰。獨自棲棲暗渡江。問。牛頭未見四祖時如何。師曰。知。曰。見後如何。師曰。知。問。甚麼物無兩頭。甚麼物無背面。師曰。我身無兩頭。我語無背面。問。如何是透法身句。師曰。一不得問。

新羅國人。上堂。拄杖を拈じて衆に示して曰く、「你有りて拄杖子、我與你拄杖子。你無くて拄杖子、我奪却你拄杖子」。拄杖に靠れて座を下る。僧が問うた、「如何なるか是れ芭蕉の水」。師は言った、「冬は溫く夏は涼し」。問うた、「如何なるか是れ吹毛の劍」。師は言った、「前三步を進む」。曰く、「用ゐる者如何」。師は言った、「後三步を退く」。問うた、「如何なるか是れ和尚人と爲るの一句」。師は言った、「只だ恐れくは闍黎問はざるを」。上堂、「會するか。相悉する者少なし。珍重」。問うた、「語らずして問有る時如何」。師は言った、「未だ三門を出でず、千里の程」。問うた、「如何なるか是れ自己」。師は言った、「南を望みて北斗を看る」。問うた、「光境俱に亡ぶ、復た是れ何物」。師は言った、「知」。曰く、「知る箇の甚麼ぞ」。師は言った、「建州九郎」。上堂、「如し人行る次、忽ち前面萬丈の深坑に遇ひ、背後野火來りて逼り、兩畔是れ荆棘の叢林。若し也向前せんば、則ち坑壍に墮在せん。若し也退後せんば、則ち野火身を燒かん。若し也轉側せんば、則ち荆棘林に礙せられん。當にさような時、作麼生か免れん。若し也免れば、合に出身の路有るべし。若し免れ得ざれば、身を墮して死の漢」。問うた、「如何なるか是れ提婆宗」。師は言った、「赤幡左に在り」。僧に問うた、「近く離るる甚處ぞ」。僧曰く、「師に試みに道はんことを請ふ」。師は言った、「將に謂ふ是れ舶上の商人、元來是れ當州の小客」。問うた、「二頭三首を問はず、師に直指本來面目せんことを請ふ」。師默然として正坐す。問うた、「賊來れば須く打ち、客來れば須く看るべし。忽ち客賊俱に來るに遇へば時如何」。師は言った、「屋裏に一緉の破草鞋有り」。曰く、「只だ如し破草鞋、還た堪へて受用するや無し」。師は言った、「你若し將て去らば、前は凶にして後は不吉」。問うた、「北斗藏身、意旨如何」。師は言った、「九九八十一」。乃ち曰く、「會するか」。曰く、「會せず」。師は言った、「一二三四五」。師衆に謂ひて曰く、「我年二十八、仰山に到りて南塔を參見す。上堂して説くを見る、『汝等諸人、若し是れ箇の漢ならば、娘肚裏より出來すれば便ち師子吼を作せ、好きか莫きか』。我言下に於て身心を歇め得て、便ち五年を住す」。僧が問うた、「古佛未だ出興せざる時如何」。師は言った、「千年の茄子根」。曰く、「出興し後如何」。師は言った、「金剛努出の眼」。上堂。良久して曰く、「も大いに相辱めたり。珍重」。問うた、「如何なるか是れ祖師意」。師は言った、「你那箇の祖師意をか問ふ」。曰く、「達磨西來意」。師は言った、「獨り栖栖として暗に江を渡る」。問うた、「牛頭未だ四祖を見ざる時如何」。師は言った、「知」。曰く、「見し後如何」。師は言った、「知」。問うた、「甚麼物か兩頭無く、甚麼物か背面無き」。師は言った、「我身兩頭無し、我語背面無し」。問うた、「如何なるか是れ法身を透るの句」。師は言った、「一には問ふを得ず、

二不得休。曰。學人不會。師曰。第三度來。與汝相見。

(師引き続き曰く、)二には休むを得ず」。曰く、「學人會せず」。師は言った、「第三度に來れば、你と相見せん」。

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