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五燈會元卷第十

宋 · 普济 · 第79巻 / 144

洪州天王院和尚

洪州天王院和尚

僧問。國內按劒者是誰。師曰。天王。問。百骸俱潰散。一物鎮長靈時如何。師曰。不墮無壞爛。問。如何是佛。師曰。錯。問。如何是無相道場。師曰。門外列金剛。

僧が問うた。「国内に剣を按ずる者は誰ぞ。」師は言った。「天王。」問う。「百骸俱に潰散し、一物は鎮長の霊ならん時如何。」師は言った。「堕せず壊爛せず。」問う。「如何なるか是れ仏。」師は言った。「錯れり。」問う。「如何なるか是れ無相の道場。」師は言った。「門外に金剛を列ぬ。」

常州正勤院蘊禪師

常州正勤院薀禅師

魏府韓氏子。幼而出家。老有童顏。僧問。師唱誰家曲。宗風事若何。師曰。迥出簫韶外。六律豈能過。曰。不過底事作麼生。師曰。聲前拍不散。句後覓無蹤。問。如何是正勤一路。師曰。泥深三尺。曰。如何到得。師曰。闍黎從甚麼處來。問。如何是禪。師曰。石上蓮華火裡泉。曰。如何是道。師曰。楞伽峰頂一莖草。曰。禪道相去幾何。師曰。泥人落水木人撈。晉天福中順寂。葬於院側。經二稔。門人發塔。覩全身儼然。髮爪俱長。乃闍維。收舍利真骨重建塔焉。

魏府の韓氏の子。幼にして出家し、老いて童顔有り。僧が問うた。「師は誰が家の曲を唱う、宗風の事如何。」師は言った。「迥かに簫韶の外に出でて、六律は豈に過ぎんや。」言った。「過ぎざる底の事作麼生。」師は言った。「声前に拍せども散ぜず、句後に覓むるも蹤無し。」問う。「如何なるか是れ正勤の一路。」師は言った。「泥深きこと三尺。」言った。「如何にして到るを得。」師は言った。「闍黎は何の処より来た。」問う。「如何なるか是れ禅。」師は言った。「石上の蓮華、火裏の泉。」言った。「如何なるか是れ道。」師は言った。「楞伽の峰頂の一茎の草。」言った。「禅と道とは相去ること幾何ぞ。」師は言った。「泥人が水に落ち、木人が捞う。」晋の天福中に順寂し、院の側に葬る。二稔を経て、門人が塔を発きて、全身の俨然たるを覩、髪爪俱に長し。乃ち闍維し、舎利真骨を収めて重ねて塔を建てたり。

襄州洞山瑞禪師

襄州洞山瑞禅師

僧問。道有又無時如何。師曰。龍頭蛇尾。腰間一劒。問。如何是無生曲。師曰。未問已前。

僧が問うた。「道に又有り又無しの時如何。」師は言った。「龍頭蛇尾、腰間に一剣。」問う。「如何なるか是れ無生の曲。」師は言った。「未だ問わざる已前。」

京兆府三相和尚

京兆府三相和尚

僧問。如何是無縫塔。師曰。覓縫不得。曰。如何是塔中人。師曰。對面不相見。問。如何是西來意。師曰。雪覆孤峰白。殘照露瑕痕。

僧が問うた。「如何なるか是れ無縫の塔。」師は言った。「縫を覓むるを得ず。」言った。「如何なるか是れ塔中の人。」師は言った。「対面に相見えず。」問う。「如何なるか是れ西来意。」師は言った。「雪は孤峰に覆い白く、残照は瑕痕を露わす。」

青林虔禪師法嗣

青林虔禅師法嗣

襄州萬銅山廣德延禪師

襄州万銅山広徳延禅師

僧問。如何是和尚家風。師曰。山前人不住。山後人更忙。問。如何是透法身句。師曰。無力登山水。茅戶絕知音。問。如何是佛法大意。師曰。始嗟黃葉落。又見柳條青。問。盡大地是箇死屍。向甚麼處葬。師曰。北邙山下。千丘萬丘。師不安。僧問。和尚患箇甚麼。師曰。無私不墜的。曰。恁麼則已知和尚病源也。師曰。你道老僧患甚麼。曰。和尚忌口好。師便打。問。如何是佛。師曰。畵戟門開見墜仙。僧後問悟空。畵戟門開見墜仙。意旨如何。空曰。直饒親見釋迦來。智者鹹言不是佛。

僧が問うた。「如何なるか是れ和尚の家風。」師は言った。「山前の人は住せず、山後の人は更に忙し。」問う。「如何なるか是れ法身を透る句。」師は言った。「力無くして山水に登り、茅戸に知音絶えり。」問う。「如何なるか是れ仏法の大意。」師は言った。「始めて黄叶の落つるを嗟し、又見る柳条の青きを。」問う。「大地を尽くして箇の死屍なり、何の処に向かって葬らん。」師は言った。「北邙山の下、千丘万丘。」師が不安なり。僧が問うた。「和尚は箇の何を患える。」師は言った。「私無くして墜ちざる的なり。」言った。「恁麼ならば已に和尚の病源を知れたり。」師は言った。「汝道え老僧は何を患える。」言った。「和尚は忌口すること好し。」師は便ち打った。問う。「如何なるか是れ仏。」師は言った。「画戟の門開けば墜仙を見る。」僧は後に悟空に問うた。「画戟の門開けば墜仙を見る、意旨如何。」空は言った。「直饒親しく釈迦の来るを見るも、智ある者は咸く是れ仏に非ずと言う。」

襄州石門獻蘊禪師

襄州石門献薀禅師

京兆人也。初問青林。如何用心。得齊於諸聖。林仰面良久曰。會麼。師曰。不會。林曰。去。無子用心處。師禮拜。乃契悟。更不他遊。遂作園頭。一日歸侍立次。林曰。子今日作甚麼來。師曰。種菜來。林曰。徧界是佛身。子向甚處種。師曰。金鉏不動土。靈苗在處生。林欣然。來日入園。喚。蘊闍黎。師應喏。林曰。剩栽無影樹。留與後人看。師曰。若是無影樹。豈受栽邪。林曰。不受栽且止。你曾見他枝葉麼。師曰。不曾見。林曰。既不曾見。爭知不受栽。師曰。祇為不曾見。所以不受栽。林曰。如是。如是。林將順寂。召師。師應諾。林曰。日轉西山後。不須取次安。師曰。雪滿金檀樹。靈枝萬古春。林曰。或有人問你金針線囊事。子道甚麼。師曰。若是毛羽相似者。某甲終不敢造次。初住南嶽蘭若。未幾遷夾山。道由潭州時。楚王馬氏出城延接。便問。如何是祖師西來大道。師曰。好大哥。御駕六龍千古秀。玉街排仗出金門。王大喜。延入天𠕋府。供養數日。方至夾山。開堂。僧問。今日一會。何異靈山。師曰。天垂寶蓋重重異。地湧金蓮葉葉新。曰。未審將何法示人。師曰。無絃琴韻流沙界。清音普應大千機。問。師唱誰家曲。宗風嗣阿誰。師曰。一曲宮商才品弄。辨寶還他碧眼胡。曰。恁麼則清流分洞下。滿月照青林去也。師曰。多子塔前分的意。至今異世度洪音。問。如何是夾山正主。師曰。好手須知欒布作。韓光虗妄立功勳。問。如何是西來意。師曰。玉璽不離天子手。金箱豈許外人知。問。不落機關。請師便道。師曰。湛月迅機無可比。君今曾問幾人來。曰。即今問和尚。師曰。好大哥。雲綻不須藏九尾。恕君殘壽速歸丘。師以蠻夷作亂。遂離夾山至襄州。創石門寺。再振玄風。上堂。瑠璃殿上光輝。而日日無私。七寶山中晃耀。而頭頭有據。泥牛運步。木馬嘶聲。野老謳歌。

京兆の人である。初めて青林に問うた。「如何に心を用ゐて諸聖に斉しきを得ん。」林が面を仰ぎて良久して言った。「会するか。」師は言った。「会せず。」林は言った。「去れ、子の心を用ゐる処無し。」師が礼拝して乃ち契悟し、更に他に游ばず。遂に園頭を作った。一日帰りて侍立する次、林は言った。「子は今日何を作して来た。」師は言った。「菜を種えて来た。」林は言った。「徧界是れ仏身、子は甚の処に向かって種える。」師は言った。「金鉏は土を動かさず、霊苗は処処に生ず。」林は欣然とし、来日園に入りて喚んだ。「薀闍黎。」師が喏と応えた。林は言った。「剰えに無影の樹を栽えて、後人に与へて看せしめん。」師は言った。「若し是れ無影の樹ならば、豈に栽むるを受けんや。」林は言った。「栽むるを受けざれば且く止め、汝は曾て他の枝葉を見たか。」師は言った。「曾て見ず。」林は言った。「既に曾て見ず、争でか栽むるを受けざるを知る。」師は言った。「只だ曾て見ざるが為、是を以て栽むるを受けず。」林は言った。「是の如し、是の如し。」林が将に順寂せんとす、師を召す。師が応諾した。林は言った。「日は西山の後に転ず、須く取次に安んずること勿れ。」師は言った。「雪は金檀樹に満ち、霊枝は万古の春なり。」林は言った。或いは人有りて汝に金針線嚢の事を問わば、子は何を道う。師は言った。「若し是れ毛羽相似の者ならば、某甲は終に敢えて造次せざらん。」初めて南岳の蘭若に住し、未几にして夾山に遷った。道は潭州に由る時、楚王の馬氏が城を出でて延接し、便ち問うた。「如何なるか是れ祖師西来の大道。」師は言った。「好き大哥、御駕の六龍は千古に秀で、玉街は仗を排して金門を出づ。」王大いに喜び、天𠕋府に延き入れて数日供養し、方に夾山に至りて堂を開いた。僧が問うた。「今日の一會、霊山に何の異ならん。」師は言った。「天は宝蓋を垂れて重重に異なり、地は金蓮を涌して葉葉に新なり。」言った。「未だ審らかならず何の法を将て人に示す。」師は言った。「弦無き琴の韻は沙界に流れ、清音は普く大千の機に応ず。」問う。「師は誰が家の曲を唱う、宗風は阿谁を嗣ぐ。」師は言った。「一曲の宮商を纔かに品弄すれば、宝を辨ずるは還た他の碧眼の胡。」言った。「恁麼ならば則ち清流は洞下に分かれ、満月は青林を照らして去るなり。」師は言った。「多子塔の前に分かつ意は、今に至るまで異世に洪音を度す。」問う。「如何なるか是れ夾山の正主。」師は言った。「好手は須知すべし欒布の作るを、韓光は虚妄に功勲を立つ。」問う。「如何なるか是れ西来意。」師は言った。「玉璽は天子の手を離れず、金箱は豈に外人に知らしめんや。」問う。「機関に落ちず、請う師に便ち道わん。」師は言った。「湛月の迅機は比ぶ可き無し、君は今曾て幾人に問うた。」言った。「即今和尚に問う。」師は言った。「好き大哥、雲綻きて須く九尾を蔵するに及ばず、君の残寿を恕めて速やかに丘に帰れ。」師は蛮夷の乱を作すを以て、遂に夢山を離れて襄州に至り、石門寺を創め、再び玄風を振った。上堂して言った。「瑠璃殿上の光輝は、日々に私無し、七宝山の中に晃耀して、

樵人舞袖。太陽路上。古曲玄音。林下相逢。更有何事。僧問。月生雲際時如何。師曰。三箇孩兒抱華皷。好大哥。莫來攔我毬門路。問。如何是和尚家風。師曰。常騎駿馬驟高樓。鐵鞭指盡胡人路。問。如何是石門境。師曰。徧界黃金無異色。往來遊子罷追尋。曰。如何是境中人。師曰。無相不居凡聖位。經行鳥道沒蹤由。問。猛虎當軒時如何。師曰。性命不存。曰。恁麼則遭他毒手。師曰。一任齩嚼。問。如何是淨土中人。師曰。披毛遊火聚。戴角混塵泥。問。道界無窮際。通身絕點痕時如何。師曰。渺渺白雲漫雪嶽。轉身玄路莫遲遲。曰。未審轉身路在甚麼處。師曰。石人舉手分明記。萬年枯骨笑時看。問。如如不動時如何。師曰。有甚麼了日。曰。如何即是。師曰。石戶非關鎻。般若寺遭焚。有人問曰。既是般若。為甚麼被火燒。師曰。萬裡一條鐵。師應機多雲好大哥。時稱大哥和尚。

頭頭に拠有り、泥牛は歩を運び、木馬は声を嘶かし、野老は歌を謳い、樵人は袖を舞す。太陽の路上に、古曲の玄音、林下に相逢う、更に何の事か有らん。僧が問うた。「月は雲際に生ずる時如何。」師は言った。「三箇の孩児が華皷を抱く、好き大哥、我が毬門の路を拦うこと来ること莫れ。」問う。「如何なるか是れ和尚の家風。」師は言った。「常に駿馬に騎りて高楼を驟らし、鉄鞭は胡人の路を指し尽くす。」問う。「如何なるか是れ石門の境。」師は言った。「徧界の黄金に異色無く、来往の游子は追尋を罷む。」言った。「如何なるか是れ境中の人。」師は言った。「無相は凡聖の位に居らず、経行は鳥道に蹤由を没す。」問う。「猛虎が軒に当たる時如何。」師は言った。「性命存せず。」言った。「恁麼ならば則ち他の毒手に遭う。」師は言った。「一任に齩嚼せよ。」問う。「如何なるか是れ浄土中の人。」師は言った。「毛を披きて火聚に游び、角を戴きて塵泥に混ず。」問う。「道界は窮際無く、通身は点痕を絶つ時如何。」師は言った。「渺渺たる白雲は雪岳に漫り、身を轉じて玄路に遅々すること莫れ。」言った。「未だ審らかならず轉身の路は何の処にか在る。」師は言った。「石人が手を挙げて分明に記す、万年の枯骨は笑う時に看よ。」問う。「如如不動の時如何。」師は言った。「何の了日か有らん。」言った。「如何にして即ち是ならん。」師は言った。「石戸は関鎖に非ず。」般若寺が焚に遭い、人有りて問うて言った。「既に是れ般若、なぜ火に焼かる。」師は言った。「万里の一条の鉄。」師は機に応ずること多く好き大哥と云う。時に大哥和尚と称す。

韶州龍光諲禪師

韶州龍光𬤇禅師

僧問。人王與法王。相見時如何。師曰。越國君王曾按劒。龍光一句不曾虧。上堂。良久曰。不煩珍重。問。如何是西來意。師曰。胡風一扇。漢地成規。問。撥塵見佛時如何。師拊掌顧視。問。如何是龍光一句。師曰。不空罥索。曰。學人不會。師曰。唵。問。如何是極則為人處。師曰。殷勤囑付後來人。問。賓頭盧一身。為甚麼赴四天下供。師曰。千江同一月。萬戶盡逢春。遂有偈曰。龍光山頂寶月輪。照耀乾坤爍暗雲。尊者不移元一質。千家影現萬家春。

僧が問うた。「人王と法王と相見る時如何。」師は言った。「越国の君王は曾て剣を按じ、龍光の一句は曾て亏かず。」上堂して良久して言った。「煩わず珍重せよ。」問う。「如何なるか是れ西来意。」師は言った。「胡風一扇、漢地に規を成す。」問う。「塵を撥きて仏を見る時如何。」師が掌を拊ちて顧視した。問う。「如何なるか是れ龍光の一句。」師は言った。「空ならざる罥索。」言った。「学人会せず。」師は言った。「唵。」問う。「如何なるか是れ極則に人と為る処。」師は言った。「殷勤に後来の人に嘱付す。」問う。「賓頭盧の一身、なぜ四天下の供に赴く。」師は言った。「千江は同一月、万戸は尽く春に逢う。」遂に偈有りて言った。「龍光山頂の宝月輪、照耀して乾坤に暗云を爍かす、尊者は元一の質を移さず、千家に影現れて万家の春。」

郢州芭蕉和尚

郢州芭蕉和尚

僧問。十二時中如何用心。師曰。攏摠一木盆。問。如何是道。師曰。或橫三。或竪五。曰。如何是道中人。師曰。罷舉雲中信。半夜太陽輝。

僧が問うた。「十二時中に如何に心を用ゐる。」師は言った。「攏摠の一木盆。」問う。「如何なるか是れ道。」師は言った。「或いは横に三、或いは竪に五。」言った。「如何なるか是れ道中の人。」師は言った。「雲中の信を挙げるを罷め、半夜に太陽輝く。」

定州石藏慧炬禪師

定州石蔵慧炬禅師

僧問。如何是西來意。師曰。樹帶滄浪色。山橫一抹青。問。如何是伽藍。師曰。祇這是。曰。如何是伽藍中人。師曰。作麼。作麼。曰。忽遇客來。將何祇待。師曰。吃茶去。

僧が問うた。「如何なるか是れ西来意。」師は言った。「樹は滄浪の色を帯び、山は一抹の青を横える。」問う。「如何なるか是れ伽藍。」師は言った。「只だ這れ。」言った。「如何なるか是れ伽藍中の人。」師は言った。「作麼、作麼。」言った。「忽ち客の来るに遇わば、将に何を以て只だ待たん。」師は言った。「茶を喫して去れ。」

白水仁禪師法嗣

白水仁禅師法嗣

京兆府重雲智暉禪師

京兆府重雲智暉禅師

鹹秦高氏子。總角之歲。好遊佛宇。誓志出家。父母不能止。禮圭峰溫禪師。剃度後謁白水。獨領微言。潛通秘鍵。尋回洛卜於中灘。創溫室院。常施水給藥為事。有比丘患白癩。眾惡之。唯師與之摩洗如常。俄有神光異香。既而訝之。遂失所在。遺瘡痂。馨香酷烈。遂聚而塑觀音像以藏之。師後忽欲歸終南圭峰舊居。一日閑步巖岫間。如常寢處。焂覩摩衲數珠。銅瓶椶笠。觸之即壞。謂侍者曰。此吾前身道具耳。就茲建寺。以酬宿因。當薙草間。有祥雲蔽日。屯於峰頂。久而不散。因目為重雲山。猛獸皆自引去。及塞龍潭以通徑。龍亦他徙。後唐明宗賜額曰長興。學侶臻萃。上堂。僧問。如何是歸根得旨。師曰。早是忘卻。不憶塵生。曰。如何是隨照失宗。師曰。家遭劫賊。問。不憶塵生。如何是進身一路。師曰。足下已生草。前程萬丈坑。問。要路坦然。如何踐履。師曰。我若指汝。則東西南北去也。問。如何是重雲秤。師曰。任將天下勘。問。如何是截鐵之言。師曰。寧死不犯。問。如何是迦葉親聞底事。師曰。重雲記不得。問。如何是重雲境。師曰。四時花蔟蔟。三冬異草青。師闡法四十餘年。節度使王彥超微時常從師遊。欲為沙門。師熟視曰。汝世緣深。當為我家垣墻。王公後果鎮永興。申弟子禮。師將順世。先與王公言別。囑護法門。王公泣曰。師忍棄弟子乎。師笑曰。借千年亦一別耳。及歸。書偈示眾曰。我有一間舍。父母為修蓋。住來八十年。近來覺損壞。早擬移別處。事涉有憎愛。待他摧毀時。彼此無妨礙。乃跏趺而逝。塔於本山。

咸秦の高氏の子。総角の歳、仏宇に游ぶを好み、志を誓いて出家せんとす。父母も止める能わず。圭峰温禅師に礼し、剃度の後白水を謁え、独り微言を領し、潜かに秘鍵を通ず。尋いで洛に回りて中灘に卜し、温室院を創め、常に水を施し薬を給するを事とす。比丘有りて白癩を患え、衆は之を悪む。唯だ師之と摩洗すること常の如し。俄にして神光異香有り。既にして之を訝れば、遂に在所を失い、瘡痂を遺す。馨香酷烈なり。遂に聚めて観音像を塑して之を蔵す。師は後に忽ち終南圭峰の旧居に帰らんと欲す。一日巌岫の間を閑歩して、常の寝処の如し。焂に摩衲の数珠、銅瓶椶笠を覩、触れば即ち壊る。侍者に謂いて言った。「此は是れ吾が前身の道具なり、兹に就いて寺を建て、以て宿因を酬いん。」薙草の間に当たりて、祥雲有りて日を蔽い、峰頂に屯して久しくして散ぜず、因りて目して重雲山と為し、猛獣は皆自ら引き去り、及び龍潭を塞ぎて径を通ずるに、龍も亦た他に徙れたり。後唐明宗は額を賜いて長興と曰う。学侶臻り萃まる。上堂。僧が問うた。「如何なるか是れ根に帰りて旨を得。」師は言った。「早く是れ忘却して、塵生を憶えず。」言った。「如何なるか是れ照に随いて宗を失う。」師は言った。「家は劫賊に遭う。」問う。「塵生を憶えざれば、如何なるか是れ身を進むる一路。」師は言った。「足下は已に草を生じ、前程は万丈の坑。」問う。「要路は坦然なり、如何に践履せん。」師は言った。「我若し汝を指せば、則ち東西南北に去らん。」問う。「如何なるか是れ重雲の秤。」師は言った。「天下を将て勘ずるに任れよ。」問う。「如何なるか是れ鉄を截る言。」師は言った。「寧ろ死すとも犯さず。」問う。「如何なるか是れ迦葉の親しく聞きし底の事。」師は言った。「重雲は記え得ず。」問う。「如何なるか是れ重雲の境。」師は言った。「四時に花蔟蔟、三冬に異草青し。」師は法を闡くこと四十余年、節度使の王彦超は微なる時常に師に従りて游び、沙門と為らんと欲す。師は熟視して言った。「汝は世縁深し、当に我が家の垣墻と為るべし。」王公は後に果たして永興を鎮め、弟子の礼を申した。師は将に順世せんとす、先に王公と言い別れ、法門を護るを嘱す。王公は泣きて言った。「師は弟子を棄つるに忍ぶか。」師は笑って言った。「千年を借るとも亦た一別のみ。」及び帰りて、偈を書して衆に示して言った。「我に一間の舎有り、父母が為に修蓋し、住して来ること八十年、近來壊損を覚ゆ、早く別処に移らんと擬すも、事は憎愛に渉り、他の摧毁の時を待てば、彼此に妨碍無し。」乃ち跏趺して逝く、塔は本山に在り。

杭州瑞龍院幼璋禪師

杭州瑞龍院幼璋禅師

唐相國夏侯孜之猶子也。大中初。伯父司空出鎮廣陵。師方七歲。遊慧照寺。聞誦法華。志求出家。伯父初不允。因師絕飲食。不得已而許之。師慧遠禪師。後遊諸禪會。薯山白水。鹹受心訣。咸通十三年至江陵。騰騰和尚囑之曰。汝往天台尋靜而棲。遇安即止。已而又值憨憨和尚撫而記曰。汝卻後四十年。有巾子山下菩薩。王於江南。當此時吾道昌矣。尋抵天台山。於靜安鄉創福唐院。乃契騰騰之言。又住隱龍院。中和四年。浙東饑疫。師於溫臺明三郡收瘞遺骸。時謂悲增大士。雪峰甞往見之。遺椶櫚拂子而去。天祐三年。錢尚父遣使童建賷衣服香藥。入山致請。至府庭。署志德大師。館於功臣堂。日親問法。師請每年於天台山建金光明道場。諸郡黑白大會。逾月而散(光明大會始於師也)。將辭歸山。王加戀慕。於府城建瑞龍院(文穆王改為寶山院)。延請開法。時禪門興盛。斯則憨憨懸記應矣。上堂。老僧頃年遊歷江外.嶺南.荊湖。但有知識叢林。無不參問來。蓋為今日與諸人聚會。各要知箇去處。然諸方終無異說。祇教當人歇卻狂心。休從他覓。但隨方任真。亦無真可任。隨時受用。亦無時可用。設垂慈苦口。且不可呼晝作夜。更饒善巧。終不能指東為西。脫或能爾。自是神通作怪。非幹我事。若是學語之流。不自省己知非。直欲向空裡採花。波中取月。還著得心力麼。汝今各且退思。忽然肯去。始知瑞龍老漢事不獲已。迂迴太甚。還肯麼。時有僧問。如何是瑞龍境。師曰。道汝不見得麼。曰。如何是境中人。師曰。後生可畏。問。廓然無雲。如何是中秋月。師曰。最好是無雲。曰。恁麼則一輪高掛。萬國同觀去也。師曰。揑目之子難與言。天成二年丁亥四月。乞墳塔於尚父。父命陸仁璋於西關選勝地。建塔創院。改天台隱龍為隱跡。塔畢。師入府庭辭尚父。囑以護法。尅期順寂。尚父悲悼。

唐の相国夏侯孜の猶子である。大中の初、伯父の司空が出でて広陵を鎮む。師は方に七歳、慧照寺に游び、法華を誦するを聞き、志して出家を求む。伯父は初め允さず、師が飲食を絶つに因り、已むを得ずして之を許した。師は慧遠禅師なり。後に諸の禅会に游び、薯山白水、咸く心訣を受けた。咸通十三年に江陵に至り、騰騰和尚が之に嘱して言った。「汝は天台に往きて静かを尋ねて栖め、安に遇えば即ち止まれ。」已にして又た憨憨和尚に值い、撫して記して言った。「汝は却って後四十年に、巾子山下に菩薩有りて江南に王と為らん、此の時に当たりて吾が道昌らんと。」尋いで天台山に抵り、静安郷に於て福唐院を創め、乃ち騰騰の言に契し、又た隠龍院に住した。中和四年、浙東に飢疫有り。師は温台明の三郡に於て遺骸を収瘗した。時に悲増大士と謂う。雪峰は甞て往きて之を見、椶櫚の拂子を遺して去った。天祐三年、銭尚父は使いの童建に衣服香薬を賷らしめて、山に入りて請を致した。府庭に至りて、志徳大師を署し、功臣堂に館す。日に親しく法を問う。師は請うて每年天台山に金光明道場を建てんとす、諸郡の黒白の大会、月を逾えて散ず(光明大会は師に始まる)。将に辞して山に帰らんとす、王は恋慕を加え、府城に瑞龍院を建つ(文穆王は宝山院と改めた)。延き請い去て法を開く。時に禅門興盛なり、斯は則ち憨憨の懸記応えり。上堂して言った。「老僧は頃年江外・嶺南・荆湖を游歴し、但だ知识叢林有れば、参問せざる無きなり、蓋して今日の諸人と聚会するが為なり、各々要す箇の去処を知るを。然るに諸方は終に異説無く、只だ当人に歇却の狂心を教え、他に従りて覓むるを休め、但だ方に随いて真に任るも、亦た任る可き真無く、時に随いて受用するも、亦た用ゐる可き時無し、設し慈を垂れ口を苦しむるも、且つ昼を呼びて夜と作す可からず、更に善巧を饒るも、終に東を指して西と為す能わず。脱ふ或いは能く爾らば、自ら是れ神通の作怪、我が事に干らず。若し是れ学語の流ならば、自ら己を省みて非を知らず、直に空裏に花を采り、波中に月を取らんと欲す、還た心力を着くるを得るか。汝今各々且く退思せよ、忽然として肯んずること去らば、始めて瑞龍の老漢の事は已むを得ざる、迂回の太だ甚しきを知らん、還た肯んずるか。」時に僧が問うた。「如何なるか是れ瑞龍の境。」師は言った。「汝が見るを得ざると道うか。」言った。「如何なるか是れ境中の人。」師は言った。「後生畏る可し。」問う。「廓然として雲無し、如何なるか是れ中秋の月。」師は言った。「最も好きは是れ雲無き。」言った。「恁麼ならば則ち一輪高く挂かりて、万国同じく観て去らん。」師は言った。「目を揑むの子とは与に言い難し。」天成二年丁亥四月、尚父に墳塔を乞う、父は陸仁璋に命じて西関に勝地を選ばしめ、塔を建て院を創め、天台の隠龍を改めて隠迹と為す。塔畢りて、師は府庭に入りて尚父を辞し、以て法を護るを嘱し、剋期して順寂す。尚父は悲悼し、

遣僧正集在城宿德。迎引入塔。

僧正を遣わして在城の宿徳を集め、迎え引きて塔に入れしめた。

白馬儒禪師法嗣

白馬儒禅師法嗣

興元府青剉山如觀禪師

興元府青剉山如観禅師

僧問。如何是和尚家風。師曰。無底籃子拾生菜。問。如何是青剉境。師曰。三冬華木秀。九夏雪霜飛。

僧が問うた。「如何なるか是れ和尚の家風。」師は言った。「底無き籃子に生菜を拾う。」問う。「如何なるか是れ青剉の境。」師は言った。「三冬に華木秀で、九夏に雪霜飛ぶ。」

龍牙遁禪師法嗣

龍牙遁禅師法嗣

潭州報慈藏嶼匡化禪師

潭州報慈蔵嶼匡化禅師

僧問。心眼相見時如何。師曰。向汝道甚麼。問。如何是實見處。師曰。絲毫不隔。曰。恁麼則見也。師曰。南泉甚好去處。問。如何是西來意。師曰。昨夜三更送過江。問。臨機便用時如何。師曰。海東有果樹頭心。問。如何是真如佛性。師曰。阿誰無。問。如何是向上一路。師曰。郴連道永。問。和尚年多少。師曰。秋來黃葉落。春到便開花。問僧。甚處來。曰。臥龍來。師曰。在彼多少時。曰。經冬過夏。師曰。龍門無宿客。為甚麼在彼許多時。曰。師子窟中無異獸。師曰。汝試作師子吼看。曰。某甲若作師子吼。即無和尚。師曰。念汝新到。放汝三十棒。問。如何是湖南境。師曰。艛船戰棹。曰。還許學人遊翫也無。師曰。一任闍黎打僜。問。和尚百年後。有人問如何祇對。師曰。分明記取。問。情生智隔。想變體殊。祇如情未生時如何。師曰。隔。曰。情未生時。隔箇甚麼。師曰。這箇梢郎子未遇人在。問。如何是龍牙山。師曰。益陽那邊。曰。如何即是。師曰。不擬。曰。如何是不擬去。師曰。恁麼則不是。問。古人面壁。意旨如何。師良久卻召僧。僧應諾。師曰。你去。別時來。上堂。一句徧大地。一句才問便道。一句問亦不道。僧問。如何是徧大地句。師曰。無空闕。曰。如何是才問便道句。師曰。低聲。低聲。曰。如何是問亦不道句。師曰。便合知時。

僧が問うた。「心眼相見る時如何。」師は言った。「汝に向かって何を道わん。」問う。「如何なるか是れ実見の処。」師は言った。「絲毫も隔てず。」言った。「恁麼ならば則ち見たり。」師は言った。「南泉は甚だ好き去処。」問う。「如何なるか是れ西来意。」師は言った。「昨夜三更に送りて江を過ぎたり。」問う。「機に臨みて便ち用ゐる時如何。」師は言った。「海東に果樹の頭心有り。」問う。「如何なるか是れ真如仏性。」師は言った。「阿谁無からん。」問う。「如何なるか是れ向上の一路。」師は言った。「郴は連に道い、永。」問う。「和尚は年多少。」師は言った。「秋来れば黄叶落ち、春到れば便ち花開く。」僧に問うた。「甚の処より来た。」言った。「臥龍より来た。」師は言った。「彼に在ること多少の時ぞ。」言った。「冬を経て夏を過ぐ。」師は言った。「龍門に宿客無し、なぜ彼に許多の時在る。」言った。「師子窟中に異獣無し。」師は言った。「汝試しに師子吼を作して見よ。」言った。「某甲若し師子吼を作せば、即ち和尚無からん。」師は言った。「汝が新到なるを念い、汝に三十棒を放つ。」問う。「如何なるか是れ湖南の境。」師は言った。「艛船の戦棹。」言った。「還た学人の游玩を許すや無しや。」師は言った。「一任に闍黎が打僜せよ。」問う。「和尚百年の後、人有りて問わば如何に只对せん。」師は言った。「分明に記取せよ。」問う。「情生じ智隔たり、想変じて体殊なり、只如く情未だ生ぜざる時如何。」師は言った。「隔てり。」言った。「情未だ生ぜざる時、箇の何を隔てる。」師は言った。「這箇の梢郎子は未だ人に遇わざる在り。」問う。「如何なるか是れ龍牙山。」師は言った。「益陽の那辺。」言った。「如何にして即ち是ならん。」師は言った。「擬せず。」言った。「如何なるか是れ擬せざるに去る。」師は言った。「恁麼ならば則ち是ならず。」問う。「古人の面壁、意旨如何。」師が良久して却って僧を召した。僧が応諾した。師は言った。「汝去れ、別の時に来れ。」上堂して言った。「一句は大地に徧し、一句は纔かに問えば便ち道い、一句は問うも亦た道わず。」僧が問うた。「如何なるか是れ大地に徧する句。」師は言った。「空闕無し。」言った。「如何なるか是れ纔かに問えば便ち道う句。」師は言った。「低く声せよ、低く声せよ。」言った。「如何なるか是れ問うも亦た道わざる句。」師は言った。「便ち合に時を知るべし。」

襄州含珠山審哲禪師

襄州含珠山審哲禅師

僧問。如何是和尚深深處。師曰。寸釘才入木。九牛拽不出。問。如何是正法眼。師曰。門前神樹子。問。如何是佛法大意。師曰。貧兒抱子渡。恩愛競隨流。問僧。有亦不是。無亦不是。不有不無亦不是。汝本來名箇甚麼。曰。學人已具名了。師曰。具名即不無。畢竟名箇甚麼。曰。祇這莫便是否。師曰。且喜沒交涉。曰。如何即是。師曰。親切處更請一問。曰。學人道不得。請和尚道。師曰。別日來與汝道。曰。即今為甚麼不道。師曰。覓箇領話人不可得。又問僧。張王李趙不是汝本來姓。汝本來姓箇甚麼。曰。與和尚同姓。師曰。同姓即且從汝。本來姓箇甚麼。曰。待漢水逆流。卻向和尚道。師曰。即今為甚麼不道。曰。漢水逆流也未。師休去。問。隨緣認得時如何。師曰。是甚麼。問。如何是無位真人。師曰。別安排。又爭得。曰。不安排時如何。師曰。無位真人。問。如何是真經。師曰。阿彌陀。

僧が問うた。「如何なるか是れ和尚の深深の処。」師は言った。「寸釘は纔かに木に入れば、九牛も拽き出でず。」問う。「如何なるか是れ正法眼。」師は言った。「門前の神樹子。」問う。「如何なるか是れ仏法の大意。」師は言った。「貧児が子を抱きて渡り、恩愛は競りて流に随う。」僧に問うた。「有るも亦た是ならず、無きも亦た是ならず、不有亦不無も亦た是ならず、汝は本来箇の何を名づける。」言った。「学人は已に名を具え了れり。」師は言った。「名を具うるは即ち無からざらず、畢竟箇の何を名づける。」言った。「只だ這れ莫れ便ち是か否か。」師は言った。「且く喜ぶ交渉無きを。」言った。「如何にして即ち是ならん。」師は言った。親切の処に更に一問を請え。言った。「学人は道い得ず、請う和尚道え。」師は言った。「別の日に来りて汝に与えて道わん。」言った。「即今なぜ道わざる。」師は言った。「箇の話を領する人を覓むるも得る可からず。」又た僧に問うた。「張王李趙は汝の本来の姓に非ず、汝は本来箇の何を姓とする。」言った。「和尚と同姓す。」師は言った。「同姓は即ち且く汝に従わん、本来箇の何を姓とする。」言った。「漢水の逆流するを待ちて、却って和尚に向かって道わん。」師は言った。「即今なぜ道わざる。」言った。「漢水は未だ逆流せず。」師は休して去った。問う。「縁に随いて認得する時如何。」師は言った。「是れ何ぞ。」問う。「如何なるか是れ無位の真人。」師は言った。「別に安排すれば、又争でか得ん。」言った。「安排せざる時如何。」師は言った。「無位の真人。」問う。「如何なるか是れ真経。」師は言った。「阿弥陀。」

西川存禪師

西川存禅師

僧問。學人解問誵訛句。請師舉起訝人機。師曰。巢父不牽牛。許由不洗耳。問。具足底人來。師還接否。師便打。

僧が問うた。学人は誵訛の句を問うことを解す、請う師挙げて人の機を訝しまん。師は言った。「巣父は牛を牽かず、許由は耳を洗わず。」問う。「具足の人が来れば、師は還た接するや否や。」師は便ち打った。

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