五燈會元卷第十
郢州興陽山遜禪師
郢州興陽山遜禅師
僧問。如何是佛。師曰。髮白麵皺。曰。如何是法。師曰。暑往寒來。問。如何是三界外事。師曰。洛陽千里餘。不得舊時書。
僧が問うた。「如何なるか是れ仏。」師は言った。「髪は白み面は皺む。」言った。「如何なるか是れ法。」師は言った。「暑は往き寒は来る。」問う。「如何なるか是れ三界外の事。」師は言った。「洛陽は千里余り、旧時の書を得ず。」
德山遠禪師法嗣
徳山遠禅師法嗣
廬山開先善暹禪師
盧山開先善暹禅師
臨江軍人也。操行清苦。徧遊師席。以明悟為志。參德山。見山上堂。顧視大眾曰。師子嚬呻。象王回顧。師忽有省。入室陳所解。山曰。子作麼生會。師回顧曰。後園驢吃草。山然之。後至雪竇。竇與語。喜其超邁。目曰海上橫行暹道者。遂命分座。四方英衲敬畏之。他日竇舉師出世金鵝。師聞。潛書二偈於壁而去。曰。不是無心繼祖燈。道慙未廁嶺南能。三更月下離巖竇。眷眷無言戀碧層。二十餘年四海間。尋師擇友未甞閑。今朝得到無心地。卻被無心趂出山。晚年。眾請滋甚。遂開法開先。以慰道俗之望。開堂日。上首白椎罷。師曰。千聖出來。也祇是稽首讚歎。諸代祖師提挈不起。是故始從迦葉。迄至山僧。二千餘年。月燭慧燈。星排道樹。人天普照。凡聖齊榮。且道承甚麼人恩力。老胡也祇道。明星出現時。我與大地有情同時成道。如是則彼既丈夫。我亦爾。孰為不可。良由諸人不肯承當。自生退屈。所以便推排一人半箇先達出來。𮞏相開發。也祇是與諸人作箇證明。今日人天會上。莫有久遊赤水。夙在荊山。懷袖有珍。頂門有眼。到處踐踏覺場底衲僧麼。卻請為新出世長老作箇證明。還有麼。時有僧出。師曰。象駕崢嶸謾進途。誰信螳螂能拒轍。問。一棒一喝。猶是葛藤。瞬目揚眉。拖泥帶水。如何是直截根源。師曰。速。曰。恁麼則祖師正宗和尚把定。師曰。野渡無人舟自橫。問。如何是露地白牛。師曰。瞎。問。妙峰頂上即不問。半山相見事如何。師曰。把手過江來。曰。高步出長安。師曰。腳下一句作麼生道。僧便喝。師曰。山腰裡走。問。一雨所潤。為甚麼萬木不同。師曰。羊羹雖美。眾口難調。問。年窮歲盡時如何。師曰。依舊孟春猶寒。問。更深夜靜時如何。師曰。老鼠入燈籠。問。瞥瞋瞥喜時如何。師曰。適來菩薩面。如今夜叉頭。上堂。一若是。二即非。東西南北人不知。
臨江軍の人なり。操行は清苦にして、徧く師席に游び、明悟を以て志と為す。徳山に参じ、山の上堂に於て大衆を顧視して言うを見る、「師子は嚬呻し、象王は回顧す。」師が忽ち省有り。室に入りて解する所を陳ぶ。山は言った、「子は作麼生に会せん。」師が回顧して言った、「後園の驢は草を喫う。」山が之を然とせり。後に雪竇に至り、竇が与えて語るに、其の超迈を喜び、目して海上横行の暹道者と為す。遂に座を分かたしむ。四方の英衲は之を敬畏す。他日に竇が師の金鵞に出世するを挙ぐ。師が聞きて、潜かに二偈を壁に書して去る。曰く、「无心に非ず祖灯を継がんと、道は慙じて未だ嶺南の能に厠らず、三更の月下に岩竇を離れ、眷眷として言無く碧層に恋う、二十余年の四海の間に、師を尋ね友を択びて未だ甞めて閑かならず、今朝は无心の地に到るを得たれど、却って无心に山を趂出されり。」晚年に、衆の請い滋い盛んなり。遂に開先に法を開き、以て道俗の望みを慰む。堂を開く日に、上首が椎を白げ罷めて、師は言った、「千聖の出で来るも、也只だ是れ稽首して賛嘆し、諸代の祖師は提挈して起こさず、是の故に始めて迦葉より、山僧に迄るまで、二千余年、月は慧灯を燭らし、星は道樹を排し、人天は普く照らされ、凡聖は斉しく栄う、且つ道え何の人の恩力に承る、老胡も也只だ道う、明星出現の時に、我と大地の有情は同時に道を成ると、是の如くなれば則ち彼は既に丈夫、我も亦た爾り、孰をか不可と為さん、良に諸人の承当を肯ぜずして、自ら退屈を生ずるに由り、是の故に便ち一人半箇の先達を推排し出だして、𮞏相に開発するも、也只だ是れ諸人の為に箇の証明を作す、今日の人天の会上に、久しく赤水に游び、夙に荊山に在り、懐袖に珍有り、頂門に眼有り、到る処の覚場を踏践する底の衲僧有らんか莫れ、却って請う新たに出世せる長老の為に箇の証明を作さんことを、還た有るか。」時に僧有りて出づ。師は言った、「象の駕は崢嶸として谩りに途を進み、誰か信じん螳螂の能く轍を拒むを。」問う、「一棒一喝は、猶お是れ葛藤、目を瞬き眉を揚ぐるは、拖泥帯水、如何なるか是れ直截の根源。」師は言った、「速。」言った、「恁麼ならば則ち祖師の正宗は和尚が把定す。」師は言った、「野渡に人無くして舟は自ずから横たわる。」問う、「如何なるか是れ露地の白牛。」師は言った、「瞎。」問う、「妙峰頂上は即ち問わず、半山に相見える事如何。」師は言った、「手を把りて江を過ぎ来れ。」言った、「高く歩みて長安を出づ。」師は言った、「脚下の一句は作麼生に道わん。」僧が便ち喝せば、師は言った、「山腰裏に走る。」問う、「一雨の潤す所は、なぜ万木は同じからざる。」師は言った、「羊羹は美と雖も、衆口は調え難し。」問う、「年窮まり歳尽くる時如何。」師は言った、「依り旧りて孟春は猶お寒し。」問う、「更けて深夜静かなる時如何。」師は言った、「老鼠は灯籠に入る。」問う、「瞥り瞋り瞥り喜ぶ時如何。」師は言った、「適来は菩薩の面、如今は夜叉の頭。」上堂して言った、「一は若し是ならば、二は即ち非なり、東西南北に人は知らず。」
休話指天並指地。青山白雲徒爾為。以拄杖擊香臺。下座。問。雨雪連天。為甚麼孤峰露頂。師曰。有甚遮掩處。上堂。僧問。如何是祖師西來意。師曰。洛陽城古。曰。學人不會。師曰。少室山高。僧禮拜。師廼曰。佛種從緣起。遂舉拄杖曰。拄杖子是緣。且作麼生說箇起底道理。良久曰。金屑雖貴。落眼成翳。卓拄杖。下座。
指天并びに指地の話を休めよ、青山白雲は徒らに爾り為れり。拄杖を以て香台を撃ち、座を下った。問う、「雨雪は天に連なりて、なぜ孤峰は頂を露わす。」師は言った、「有りて何の遮掩する処ぞ。」上堂して、僧が問うた、「如何なるか是れ祖師西来意。」師は言った、「洛陽城は古し。」言った、「学人は会せず。」師は言った、「少室山は高し。」僧が礼拝すれば、師が乃ち言った、「仏種は縁より起つ。」遂に拄杖を挙げて言った、「拄杖子は是れ縁、且つ作麼生に箇の起つ底の道理を説かん。」良久して言った、「金屑は貴と雖も、眼に落ちて翳を成す。」拄杖を卓して、座を下った。
吉州禾山楚材禪智禪師
吉州禾山楚材禅智禅師
臨江軍人也。僧問。佛令祖令。諸方並行。未審和尚如何。師曰。山僧退後。曰。恁麼則諸方不別也。師曰。伏惟伏惟。問。如何是離凡聖底句。師曰。山河安掌上。曰。恁麼則迥超今古外。師曰。展縮在當人。問。一毫未發時如何。師曰。海晏河清。曰。發後如何。師曰。徧界無知己。問。如何是和尚說法底口。師曰。放一線道。問。抱璞投師。請師雕琢。師曰。不雕琢。曰。為甚麼不雕琢。師曰。弄巧翻成拙。
臨江軍の人なり。僧が問うた、「仏令祖令は、諸方に並び行わる、未だ審らかならず和尚は如何。」師は言った、「山僧は退后す。」言った、「恁麼ならば則ち諸方も別無し。」師は言った、「伏惟伏惟。」問う、「如何なるか是れ凡聖を離るる底の句。」師は言った、「山河は掌上に安んず。」言った、「恁麼ならば則ち迥かに今古の外を超ゆ。」師は言った、「展縮は当人に在り。」問う、「一毫未だ発せざる時如何。」師は言った、「海晏し河清し。」言った、「発しし後如何。」師は言った、「徧界に知己無し。」問う、「如何なるか是れ和尚の説法の底の口。」師は言った、「一線の道を放て。」問う、「璞を抱きて師に投ず、請う師の雕琢せんことを。」師は言った、「雕琢せず。」言った、「なぜ雕琢せざる。」師は言った、「巧を弄して翻って拙を成す。」
秀州資聖院盛勤禪師
秀州資聖院盛勤禅師
僧問。如何是正法眼。師曰。山青水綠。問。四威儀中如何履踐。師曰。鷺鶿立雪。曰。恁麼則聞鐘持缽。日上欄幹。師曰。魚躍千江水。龍騰萬裡雲。曰。畢竟如何。師曰。山中逢猛虎。天上見文星。上堂。多生覺悟非幹衲。一點分明不在燈。拈拄杖曰。拄杖頭上祖師。燈籠腳下彌勒。須彌山腰鼓細即不問你。作麼生是分明一點。你若道得。無邊剎境總在你眉毛上。你若道不得。作麼生過得羅剎橋。良久曰。水流千派月。山鎻一溪雲。卓拄杖。下座。
僧が問うた。「如何なるか是れ正法眼。」師は言った。「山青し水緑なり。」問う。「四威儀中に如何に履践せん。」師は言った。「鷺鶿は雪に立つ。」言った。「恁麼ならば則ち鐘を聞きて鉢を持し、日は欄干に上る。」師は言った、「魚は千江の水を躍り、竜は万里の雲を騰がす。」言った、「畢竟に如何。」師は言った、「山中に猛虎に逢い、天上に文星を見る。」上堂して言った、「多生の覚悟は衲に干らず、一点分明は灯に在らず。」拄杖を拈じて言った、「拄杖頭上の祖師、灯籠脚下の弥勒、須弥山の腰の皷の細きは即ち汝に問わず、作麼生か是れ分明の一点、汝若し道い得ば、无边の刹境は総て汝が眉毛上に在り、汝若し道い得ざれば、作麼生に羅刹橋を過ぎん。」良久して言った、「水は流れて千派の月、山は鎖して一渓の雲。」拄杖を卓し、座を下った。
潭州鹿苑圭禪師
潭州鹿苑圭禅師
桂州人也。僧問。如何是道。師曰。吳頭楚尾。曰。如何是道中人。師曰。騎馬踏鐙。不如步行。問。如何是第一義諦。師曰。胡人讀漢書。上堂。凡有因緣。須曉其宗。若曉其宗。無是無不是。用則波騰海沸。全真體以運行。體則鏡淨水沉。舉隨緣而會寂。且道兜率天宮。幾人行幾人坐。若向這裡辯得緇素。許你諸人東西南北。如雲似鶴。於此不明。踏破草鞋。未有了日在。參。
桂州の人なり。僧が問うた、「如何なるか是れ道。」師は言った、「呉頭楚尾。」言った、「如何なるか是れ道中の人。」師は言った、「馬に騎りて鐙を踏むは、歩行に如かず。」問う、「如何なるか是れ第一義諦。」師は言った、「胡人は漢書を読む。」上堂して言った、「凡そ因縁有らば、須く其の宗を暁るべし、若し其の宗を暁れば、是無く是ならざる無し、用は則ち波は騰ぎ海は沸き、全真の体を以て運行し、体は則ち鏡は浄く水は沈み、挙げて縁に随いて寂に会す、且つ道え兜率の天宮に、幾人か行き幾人か坐す、若し這裏に向かって緇素を弁じ得ば、汝の諸人に許さん東西南北、雲の如く鶴の如し、此に於て明らかならずんば、草鞋を踏破するも、未だ了る日有らん、参。」
青原下十世上
青原下十世(上)
洞山聰禪師法嗣
洞山聡禅師法嗣
南康軍雲居曉舜禪師
南康軍雲居暁舜禅師
瑞州人也。少年麤猛。忽悟浮幻。投師出家。乃修細行。參洞山。一日如武昌行乞。首謁劉公居士家。士高行。為時所敬。意所與奪。莫不從之。師時年少。不知其飽參。頗易之。士曰。老漢有一問。若相契即開疏。如不契即請還山。遂問。古鏡未磨時如何。師曰。黑似漆。士曰。磨後如何。師曰。照天照地。士長揖曰。且請上人還山。拂袖入宅。師懡㦬即還洞山。山問其故。師具言其事。山曰。你問我。我與你道。師理前問。山曰。此去漢陽不遠。師進後語。山曰。黃鶴樓前鸚鵡洲。師於言下大悟。機鋒不可觸。住後。僧問。承師有言。不談玄。不說妙。去此二途如何指示。師曰。蝦蟇趕鷂子。曰。全因此問也。師曰。老鼠弄猢猻。上堂。唯一堅密身。一切塵中現。蝦蟇蚯蚓各有窟穴。烏鵲鳩鴿。亦有窠巢。正當與麼時。為甚麼人說法。良久曰。方以類聚。物以群分。上堂。三峽道無別。朝朝祇麼說。僧繇會寫真。鎮府出鑌鐵。上堂。不長不短。不小不大。此箇道理是誰境界。咄。上堂。聞說佛法兩字。早是汙我耳目。諸人未跨雲居門。腳跟下好與三十棒。雖然如是。也是為眾竭力。上堂舉夾山道。閙市門頭識取天子。百草頭上薦取老僧。雲居即不然。婦搖機軋軋。兒弄口㗻㗻。上堂。諸方有弄蛇頭。撥虎尾。跳大海。劒刃裡藏身。雲居這裡。寒天熱水洗腳。夜間脫韈打睡。早朝旋打行纏。風吹籬倒。喚人夫劈篾縛起。上堂。雲居不會禪。洗腳上床眠。冬瓜直儱侗。瓠子曲彎彎。
瑞州の人なり。少年にして麁猛、忽ち浮幻を悟り、師に投じて出家す、乃ち細行を修す。洞山に参じ、一日武昌に如きて乞を行う。首めて劉公の居士の家に謁す、士の行い高く、時の敬する所、意の与奪する所は、従わざる莫し、師が時に年少にして、其の飽参を知らず、頗る之を易る。士が言った、老漢に一問有り、若し相契らば即ち疏を開き、如も契らずんば即ち請う山に還れ、遂に問う、「古鏡未だ磨かざる時如何。」師は言った、「漆に似たり黒し。」士は言った、「磨きし後如何。」師は言った、「天を照らし地を照らす。」士が長揖して言った、「且く請う上人の山に還らんことを。」袖を払いて宅に入る。師が懡㦬として即ち洞山に還る。山が其の故を問う、師が具さに其の事を言えば、山は言った、「你は我に問え、我は你と道わん。」師が理めて前の問を問えば、山は言った、「此より漢陽に去ること遠からず。」師が後の語を進めば、山は言った、「黄鶴楼の前の鸚鵡洲。」師が言下に於て大悟す、機鋒は触る可からず。住した後に、僧が問うた、「師に言有るを承る、玄を談ぜず、妙を説かず、此の二途を去りて如何に指示せん。」師は言った、「蝦蟆は鷂子を趂う。」言った、「全く此の問に因るなり。」師は言った、「老鼠は猢猻を弄ぶ。」上堂して言った、「唯だ一の堅密の身は、一切の塵中に現ず、蝦蟆蚯蚓は各々窟穴有り、烏鵲鳩鴿にも、亦た窠巣有り、正に恁麼の時に当たりて、なぜ人の為に法を説く。」良久して言った、「方は類を以て聚まり、物は群を以て分かつ。」上堂して言った、「三峡の道に別無し、朝朝に只だ恁麼に説く、僧繇は真を写すを会し、鎮府は鑌鉄を出だす。」上堂して言った、「長からず短からず、小さからず大ならず、此の箇の道理は是れ誰の境界ぞ、咄。」上堂して言った、「仏法の両字を説くを聞けば、早くも是れ我が耳目を汚す、諸人が未だ雲居の門を跨がざれば、脚跟下から三十棒を与えて好し、是の如しと雖も、亦た是れ衆の為に力を竭くすなり。」上堂して夾山の道うを挙ぐ、閙市の門頭に天子を識取し、百草の頭上に老僧を薦取す、雲居は即ち然らず、婦は機を揺りて軋軋、児は口を弄びて㗻㗻。上堂して言った、「諸方に蛇の頭を弄び、虎の尾を撥き、大海に跳び、剣刃裏に身を蔵む有り、雲居は這裏に、寒き天に熱き水で脚を洗い、夜間は韈を脱ぎて睡り打ち、早朝に旋づめて行纏を打ち、風は籬を吹き倒せば、人夫を喚びて篾を劈きて縛り起こす。」上堂して言った、「雲居は禅を会せず、脚を洗いて床に上りて眠る、冬瓜は直に儱侗、瓠子は曲がり弯かなり。」
潭州大溈懷宥禪師
潭州大潙懐宥禅師
僧問。人將語試。金將火試。未審衲僧將甚麼試。師曰。拄杖子。曰。畢竟如何。師曰。退後著。僧應喏。師便打。曰。教休不肯休。直待雨淋頭。
僧が問うた。「人は語を将て試し、金は火を将て試す、未だ審らかならず衲僧は何を将て試す。」師は言った。「拄杖子。」言った。「畢竟に如何。」師は言った、「後に退き著け。」僧が喏に応えば、師が便ち打つ。言った、「教えて休まんも肯んぜず、直に雨の頭に淋るを待つ。」
杭州佛日契嵩禪師
杭州仏日契嵩禅師
藤州鐔津李氏子。七歲出家。十三得度。十九遊方。徧參知識。得法於洞山。師夜則頂戴觀音像而誦其號。必滿十萬乃寢。以為常。自是世間經書章句。不學而能。作原教論十餘萬言。明儒釋之道一貫。以抗宗韓排佛之說。讀之者畏服。後居永安蘭若。著禪門定祖圖.傳法正宗記.輔教編。上進仁宗皇帝。覧之加歎。付。傳法院編次入藏。下詔褒寵。賜號明教。宰相韓琦.大參歐陽脩皆延見而尊禮之。洎東還。熈寧四年六月四日。晨興寫偈曰。後夜月初明。吾今喜獨行。不學大梅老。貪隨鼯鼠聲。至中夜而化。闍維不壞者五。曰頂.曰耳.曰舌.曰童真.曰數珠。其頂骨出舍利。紅白晶潔。道俗合諸不壞。塟於故居永安之左。後住淨慈。北磵居簡嘗著五種不壞贊。師有文集二十卷。目曰鐔津。盛行於世。
藤州鐔津の李氏の子。七歳にして出家し、十三にして度を得、十九にして方を游ぶ。徧く知識に参じ、洞山に於て法を得。師は夜は則ち観音像を頂戴して其の号を誦し、必ず十万に満ちて乃ち寝る、以て常と為す。是より世間の経書章句は、学ばずして能し。原教論を作ること十余万言、儒釈の道は一貫なるを明らめ、以て宗韓排仏の説に抗す、之を読む者は畏服せり。後に永安の蘭若に居り、禅門定祖図・伝法正宗記・輔教編を著わし、上げて仁宗皇帝に進む、之を覧て加えて嘆じ、伝法院に付して編次して蔵に入れしめ、詔を下して褒め寵し、明教の号を賜う、宰相の韓琦・大参の欧陽脩は皆延見して尊礼す。洎りに東に還る。熈寧四年六月四日に、晨に興きて偈を写して言った、「后夜の月は初めて明るく、吾は今独り行くを喜ぶ、大梅の老に学ばず、鼯鼠の声に随うを貪らず。」中夜に至りて化す、闍維に壊れざる者五、頂・耳・舌・童真・数珠、其の頂骨は舍利を出だし、紅白にして晶潔、道俗は諸の壊れざるを合せて、故居の永安の左に葬る。後に浄慈に住す。北磵の居簡は甞て五種不壊の賛を著わす。師は文集二十卷有り、目して鐔津と曰う、世に盛行す。
洪州太守許式
洪州太守許式
參洞山。得正法眼。一日。與泐潭澄上藍溥坐次。潭問。聞郎中道。夜坐連雲石。春栽帶雨松。當時答洞山甚麼話。公曰。今日放衙早。潭曰。聞答泗州大聖在揚州出現底。是否。公曰。別點茶來。潭曰。名不虗傳。公曰。和尚早晚回山。潭曰。今日被上藍覷破。藍便喝。潭曰。須是你始得。公曰。不奈船何。打破戽斗。
洞山に参じて、正法眼を得。一日に、泐潭の澄・上藍の溥と坐する次に、潭が問うた、「聞く郎中の道う、夜坐して雲に連なる石、春栽えて雨を帯びる松と、当時に洞山に答えし何の話ぞ。」公は言った、「今日は衙を放つ早し。」潭は言った、「聞く泗州の大聖が揚州に出現せる底に答えしと、是や否や。」公は言った、「別に茶を点して来れ。」潭は言った、「名は虗伝ならず。」公は言った、「和尚は早晚に山に回らん。」潭は言った、「今日は上藍に觑破されたり。」藍が便ち喝すれば、潭は言った、「須く是れ你ならば始めて得。」公は言った、「船を奈何せん、戽斗を打破す。」
泐潭澄禪師法嗣
泐潭澄禅師法嗣
明州育王山懷璉大覺禪師
明州育王山懐璉大覚禅師
漳州龍溪陳氏子。誕生之夕。夢僧伽降室。因小字泗州。既有異兆。僉知祥應。齠齓出家。丱角圓頂。篤志道學。寢食無廢。一日洗面。潑水於地。微有省發。即慕參尋。遠造泐潭法席。投機印可。師事之十餘年。去遊廬山。掌記於圓通訥禪師所。皇祐中仁廟有詔。住淨因禪院。召對化成殿。問佛法大意。奏對稱旨。賜號大覺禪師。後遣中使問曰。才去竪拂。人立難當。師即以頌回進曰。有節非幹竹。三星偃月宮。一人居日下。弗與眾人同。帝覽大悅。又詔入對便殿。賜羅扇一把。題元寂頌於其上。與師問答詩頌。書以賜之。凡十有七篇。至中和乞歸老山中。乃進頌曰。六載皇都唱祖機。兩曾金殿奉天威。青山隱去欣何得。滿篋唯將御頌歸。帝和頌不允。仍宣諭曰。山即如如體也。將安歸乎。再住京國。且興佛法。師再進頌謝曰。中使宣傳出禁圍。再令臣住此禪扉。青山未許藏千拙。白髮將何補萬幾。霄露恩輝方湛湛。林泉情味苦依依。堯仁況是如天濶。應任孤雲自在飛。既而遣使賜龍腦缽。師謝恩罷。捧缽曰。吾法以壞色衣。以瓦鐵食。此缽非法。遂焚之。中使回奏。上加歎不已。治平中上疏丐歸。仍進頌曰。千簇雲山萬壑流。閑身歸老此峰頭。餘生願祝無疆壽。一炷清香滿石樓。英廟依所乞。賜手詔曰。大覺禪師懷璉受先帝聖眷。累錫宸章。屢貢誠懇。乞歸林下。今從所請。俾遂閑心。凡經過小可菴院。任性住持。或十方禪林。不得抑逼堅請。師既渡江。少留金山西湖。四明郡守以育王虗席迎致。九峰韶公作疏。勸請四明之人。相與出力。建大閣藏所賜詩頌。榜之曰宸奎。翰林蘇公軾知杭時。以書問師曰。承要作宸奎閣碑。謹已撰成。衰朽廢學。不知堪上石否。見參寥說。禪師出京日。英廟賜手詔。其略雲。任性住持者。不知果有否。如有。切請錄示全文。欲添入此一節。師終藏而不出。逮委順後。
漳州竜渓の陳氏の子。誕生の夕に、僧伽の室に降るを夢み、因りて小字を泗州と為す、既に異兆有り、僉に祥応を知る。齠齓にして出家し、丱角にして頂を円くす、志を道学に篤くして、寝食に廃ること無し。一日面を洗いて、水を地に潑ぎ、微かに省発有り、即ち参尋を慕い、遠く泐潭の法席に造る、投機に印可せり、師事すること十余年、去りて盧山に游び、円通の訥禅師の所に記を掌る。皇祐中に仁廟の詔有り、浄因禅院に住し、化成殿に召し対す、仏法の大意を問う、奏対して旨に称い、大覚禅師の号を賜う。後に中使を遣わして問うて曰く、「纔かに拂を竪て去る、人は立ちて当たり難し。」師が即ち頌を以て回進して言った、「節有るは竹に干らず、三星は月を偃せる宮、一人は日下に居りて、衆人と同じからず。」帝が覧て大いに悦び、又た詔して便殿に入対せしめ、羅扇一把を賜い、元寂の頌を其の上に題し、師と問答の詩頌を、書して以て之を賜う、凡そ十有七篇。至和中に山中に帰り老せんことを乞う、乃ち頌を進めて言った、「六載の皇都に祖機を唱え、両曾て金殿に天威を奉ず、青山に隠れ去りて欣ぶこと何をか得ん、満篋に唯だ御頌を将て帰る。」帝が頌を和して允さず、仍ねて宣諭して曰く、「山は即ち如如の体なり、将に安くにか帰らん、再び京国に住して、且つ仏法を興せ。」師が再び頌を進めて謝して言った、「中使は伝え宣べて禁囲を出で、再び臣に此の禅扉に住せしむ、青山は未だ千拙を蔵することを許さず、白髪は将に何を以て万幾を補わん、霄露の恩輝は方に湛湛として、林泉の情味は苦しく依々、尭の仁は況んや天の如く濶ければ、応に孤雲の自在に飛ぶに任すべし。」既にして使を遣わして竜脳の鉢を賜う、師が恩に謝し罷めて、鉢を捧げて言った、「吾が法は壊色の衣を以てし、瓦鉄を以て食す、此の鉢は法に非ず。」遂に之を焚く。中使が回奏すれば、上が嘆ずること加えて已まず。治平中に疏を上げて帰るを丐う、仍ねて頌を進めて言った、「千簇の雲山万壑の流れ、閑身は帰りて此の峰頭に老い、余生は願い祝さん无疆の寿、一炷の清香は石楼に満つ。」英廟が其の乞う所に依り、手詔を賜うて曰く、「大覚禅師懐璉は先帝の聖眷を受け、累ねて宸章を錫わり、屡ば誠懇を貢ぎ、林下に帰らんことを乞う、今は其の請う所に従い、閑心を遂げしめん、凡そ経過の小可の庵院は、性に任せて住持せよ、或いは十方の禅林は、抑逼して堅く請うを得ず。」師が既に江を渡り、少しく金山の西湖に留まり、四明の郡守が育王の虗席を以て迎え致す。九峰の韶公が疏を作りて、四明の人に勧め請い、相与に力を出だして、大閣を建てて賜う所の詩頌を蔵す、之を榜して宸奎と曰う。翰林の蘇公軾が杭を知る時に、書を以て師に問うて曰く、「宸奎閣の碑を作るを承る、謹みて已に撰成せり、衰朽にして学を廢せり、石に上ぐるに堪うるや否やを知らず、参寥を見て曰く、禅師の京を出づる日に、英廟が手詔を賜い、其の略に云う、性に任せて住持する者は、果たして有るや否やを知らず、如し有らば、切に請う全文を録し示さんことを、此の一節を添え入れんと欲す。」師が終に蔵して出ださず、委順に逮ぶるの後に、
獲於篋笥。開堂日。僧問。諸佛出世。利濟群生。猊座師登。將何拯濟。師曰。山高水闊。曰。華發無根樹。魚跳萬仞峰。師曰。新羅國裡。曰。慈舟不棹清波上。劒峽徒勞放木鵝。師曰。脫卻衣裳臥荊棘。曰。人將語試。師曰。慣得其便。僧拊掌。師曰。更𨁝跳。問。聖君御頌親頒賜。和尚將何報此恩。師曰。兩手拓地。曰。恁麼則一人有慶。兆民賴之。師曰。半尋拄杖攪黃河。問。艣棹不停時如何。師曰。清波箭急。曰。恁麼則移舟諳水勢。舉棹別波瀾。師曰。濟水過新羅。曰。古佛位中留不住。夜來依舊宿蘆花。師曰。兒童不識十字街。問。坐斷毗盧頂。不稟釋迦文。猶未是學人行業。如何是學人行業。師曰。斫額望明月。僧以手便拂。師曰。作甚麼。僧茫然。師曰。賺卻一船人。師曰。若論佛法兩字。是加增之辭。廉纖之說。諸人向這裡承當得。盡是二頭三首。譬如金屑雖貴。眼裡著不得。若是本分衲僧。才聞舉著。一擺擺斷。不受纖塵。獨脫自在。最為親的。然後便能在天同天。在人同人。在僧同僧。在俗同俗。在凡同凡。在聖同聖。一切處出沒自在。並拘檢他不得。名邈他不得。何也。為渠能建立一切法故。一切法要且不是渠。渠既無背面。第一不用妄與安排。但知十二時中。平常飲啄。快樂無憂。祇此相期。更無別事。所以古人云。放曠長如痴兀人。他家自有通人愛。上堂。文殊寶劒。得者為尊。乃拈拄杖曰。淨因今日恁麼。直得千聖路絕。雖然如是。猶是矛盾相攻。不犯鋒鋩。如何運用。良久曰。野蒿自發空臨水。江燕初歸不見人。參。上堂。太陽東昇。爍破大千之暗。諸人若向明中立。猶是影響相馳。若向暗中立。也是藏頭露影漢。到這裡作麼生吐露。良久曰。逢人祇可三分語。未可全拋一片心。參。上堂。世法裡面。迷卻多少人。佛法裡面。醉卻多少人。祇如不迷不醉。
篋笥の中に獲たり。堂を開く日に、僧が問うた、「諸仏は世に出でて、群生を利済す、猊座に師が登りて、将に何を以て拯済せん。」師は言った、「山は高く水は濶し。」言った、「華の発つるは根無き樹、魚は万仞の峰を跳ぶ。」師は言った、「新羅国裏。」言った、「慈舟は清波上に棹せず、剣峡は徒らに木鵞を放つ。」師は言った、「衣裳を脱却して荆棘に臥す。」言った、「人は語を将て試す。」師は言った、「慣れて其の便りを得。」僧が掌を拊てば、師は言った、「更に𨁝跳せよ。」問う、「聖君の御頌は親しく頒賜せり、和尚は将に何を以て此の恩に報いん。」師は言った、「両手は地を拓く。」言った、「恁麼ならば則ち一人に慶有り、兆民は之に頼る。」師は言った、「半尋の拄杖は黄河を搅かす。」問う、「艣棹停まらざる時如何。」師は言った、「清波は箭の如く急なり。」言った、「恁麼ならば則ち舟を移して水勢に諳え、棹を挙げて波瀾を別つ。」師は言った、「済水を過ぎて新羅に至る。」言った、「古仏位中に留め住むを得ず、夜来に依り旧りて芦花に宿る。」師は言った、「児童は十字街を識らず。」問う、「毘盧の頂を坐断し、釈迦文に禀らず、猶お未だ是れ学人の行業ならず、如何なるか是れ学人の行業。」師は言った、「額を斫りて明月を望む。」僧が手を以て便ち拂えば、師は言った、「何をか作す。」僧が茫然とせば、師は言った、「一船の人を賺し却す。」師は言った、「若し仏法の両字を論ぜば、是れ加増の辞、廉纎の説、諸人は這裏に向かって承当し得るも、尽く是れ二頭三首、譬えば金屑は貴と雖も、眼裏に著けるを得ず、若し是れ本分の衲僧ならば、纔かに挙着を聞きて、一摆り摆断し、繊塵を受けず、独脱自在にして、最も親的なり、然る後に便ち能く天に在りて天に同じく、人に在りて人に同じく、僧に在りて僧に同じく、俗に在りて俗に同じく、凡に在りて凡に同じく、聖に在りて聖に同じく、一切の処に出没自在にして、併せて他を拘検するを得ず、他を名邈するを得ず、何を以てか、渠が能く一切法を建立するが故、一切法は要だ渠に非ざるなり、渠は既に背面無し、第一に妄りに安排を与えず、但だ十二時中に、平常に飲啄して、快楽にして憂え無きを知れ、只だ此に相期して、更に別事無し、是の故に古人は云う、放旷として長に痴兀人の如く、他家は自ずから通人の愛する所有り。」上堂して言った、「文殊の宝剣は、得る者は尊し。」乃ち拄杖を拈じて言った、「浄因は今日に恁麼にして、直に千聖の路を絶たしめ得、是の如しと雖も、猶お是れ矛盾の相攻、鋒鋩を犯さずんば、如何に運用せん。」良久して言った、「野蒿は自ずから発きて空しく水に臨み、江燕は初めて帰りて人を見ず、参。」上堂して言った、「太陽は東に昇りて、大千の暗を烁破す、諸人は若し明中に向かって立たば、猶お是れ影响の相馳、若し暗中に向かって立たば、亦た是れ頭を蔵し影を露わす漢、這裏に到りて作麼生に吐露せん。」良久して言った、「人に逢うは只可し三分の語、未だ全く一片の心を抛る可からず、参。」上堂して言った、「世法の裏面に、迷い却すこと多少人、仏法の裏面に、酔い却すこと多少人、只だ如し迷わず酔わざるは、
是甚麼人分上事。上堂。言鋒才擊。義海交深。若用徑截一路。各請歸堂。上堂。應物現形。如水中月。遂拈起拄杖曰。這箇不是物。即今現形也。且道月在甚麼處。良久曰。長空有路還須透。潭底無蹤不用尋。擊香臺。下座。上堂。白日東上。白日西落。急如投壺閃寥廓。神龍一舉透無邊。纖鱗猶向泥中躍。靈燄中。休湊泊。三歲孩童髽四角。參。上堂良久。舉起拳頭曰。握拳則五嶽倒卓。展手則五指參差。有時把定佛祖關。有時拓開千聖宅。今日這裡相呈。且道作何使用。拍禪床曰。向下文長。付在來日。
是れ何の人の分上の事ぞ。」上堂して言った、「言鋒纔かに撃たれ、義海交わり深し、若し径截の一路を用ゐんと要せば、各々請う堂に帰れ。」上堂して言った、「物に応じて形を現ず、水中の月の如し。」遂に拄杖を拈起して言った、「這箇は是れ物に非ず、即今に形を現ず、且つ道え月は何の処にか在る。」良久して言った、「長空に路有りて還た須く透るべし、潭底に踪無くて用ゐて尋ねず。」香台を撃ち、座を下った。上堂して言った、「白日は東に上り、白日は西に落つ、急なること投壺の寥廓を閃くが如し、神竜は一挙げて无边を透り、繊鱗は猶お泥中に向かって躍る、霊燄中に、凑泊すること休め、三歳の孩童は髽して四角を為す、参。」上堂して良久して、拳頭を挙起して言った、「拳を握れば則ち五岳は倒卓し、手を展べば則ち五指は参差す、時には佛祖の関を把定し、時には千聖の宅を拓開す、今日に這裏に相呈す、且つ道え何の使用を作す。」禅床を拍して言った、「向下の文は長くして、来日に付さん。」
臨安府靈隱雲知慈覺禪師
臨安府霊隠雲知慈覚禅師
僧問。一佛出世。各坐一華。和尚出世。有何祥瑞。師曰。白雲橫谷口。曰。光前絕後去也。師曰。錯。曰。大眾證明。學人禮謝。師曰。點。問。如何是道。師曰。甚麼道。曰。大道。師曰。欲行千里。一步為初。曰。如何是道中人。師曰。西天駐泊。此地都監。僧禮拜。師乃吽吽。上堂。日月雲霞為天標。山川草木為地標。招賢納士為德標。閑居趣寂為道標。拈拄杖曰。且道這箇是甚麼標。會麼。拈起則有文有彩。放下則糲糲磕磕。直得不拈不放。又作麼生。良久曰。扶過斷橋水。伴歸無月村。卓一下。下座。上堂。秋風起。庭梧墜。衲子紛紛看祥瑞。張三李四賣囂虗。拾得寒山爭賤貴。覿面相逢。更無難易。四衢道中。棚欄瓦市。畐塞虗空。普天帀地。任是臨濟赤肉團上。雪峰南山鼈鼻。玄沙見虎。俱𦙆舉指。一時拈來。當面佈施。更若擬議。千山萬水。復曰。過。
僧が問うた。「一仏は世に出でて、各々一華に坐す、和尚は世に出でて、何の祥瑞か有る。」師は言った。「白雲は谷口に横たわる。」言った。「前に光り後を絶って去るなり。」師は言った。「錯。」言った。「大衆は証明せん、学人は礼謝す。」師は言った。「点。」問う。「如何なるか是れ道。」師は言った。「何の道ぞ。」言った。「大道。」師は言った。「千里を行かんと欲せば、一歩を以て初と為す。」言った。「如何なるか是れ道中の人。」師は言った。「西天に駐泊し、此地に都監す。」僧が礼拝すれば、師が乃ち吽吽とす。上堂して言った、「日月雲霞は天の標と為し、山川草木は地の標と為し、賢を招き士を納るるは徳の標と為し、閑居し趣寂するは道の標と為す。」拄杖を拈じて言った、「且つ道え這箇は是れ何の標ぞ、会するか、拈起すれば則ち文有り彩有り、放下すれば則ち粝粝磕磕、直に拈せず放たざるを得ても、又た作麼生。」良久して言った、「断橋の水を扶けて過ぎ、月無き村に伴い帰る。」一たび卓して、座を下った。上堂して言った、「秋風は起こり、庭梧は墜ち、衲子は紛紛として祥瑞を看る、張三李四は嚣虗を売り、拾得寒山は賎貴を争う、覿面に相逢えば、更に難易無し、四衢の道中に、棚欄瓦市は、虗空を畐塞せり、天を普く地を帀らす、任れ是れ臨済の赤肉団上、雪鋒の南山の鼈鼻、玄沙の虎を見る、俱胝の指を挙ぐるを、一時に拈じ来たりて、当面に布施す、更に若し議を擬さば、千山万水。」復た言った、「過。」
婺州承天惟簡禪師
婺州承天惟簡禅師
僧問。佛與眾生。是一是二。師曰。花開滿樹紅。花落萬枝空。曰。畢竟是一是二。師曰。唯餘一朵在。明日恐隨風。問。如何是吹毛劒。師曰。星多不當月。曰。用者如何。師曰。落。曰。落後如何。師曰。觀世音菩薩。問。如何是和尚家風。師曰。理長即就。曰。如何領會。師曰。繪雉不成鷄。問。開口即失。閉口即喪。未審如何說。師曰。舌頭無骨。僧曰。不會。師曰。對牛彈琴。上堂。夫遮那之境界。眾妙之玄門。知識說之而莫窮。善財酌之而不竭。文殊體之而寂寂。普賢證之以重重。若也隨其法性。如雲收碧漢。本無一物。若也隨其智用。如花開春谷。應用無邊。雖說徧恆沙。乃同遵一道。且問諸人。作麼生是一道。良久曰。白雲斷處見明月。黃葉落時聞擣衣。參。上堂。莫離葢纏。莫求佛祖。去此二途。以何依怙。江淹夢筆。天龍見虎。古老相傳。月不跨五。參。上堂。一刀兩段。埋沒宗風。師子飜身。拖泥帶水。直饒坐斷十方。不通凡聖。腳跟下好。與三十。上堂。拈一放一。妙用縱橫。去解除玄。收凡破聖。若望本分草料。大似磨甎作鏡。衲僧家合作麼生。良久曰。寔。
僧が問うた。「仏と衆生は、是れ一か是れ二か。」師は言った。「花は開きて満樹に紅く、花は落ちて万枝は空し。」言った。「畢竟に是れ一か是れ二か。」師は言った。「唯だ余りに一朶在り、明日は恐らく風に随わん。」問う。「如何なるか是れ吹毛の剣。」師は言った。「星は多くて月に当たらず。」言った。「用ゐる者は如何。」師は言った。「落。」言った。「落ちし後如何。」師は言った。「観世音菩薩。」問う。「如何なるか是れ和尚の家風。」師は言った。「理長ければ即ち就く。」言った。「如何に領会せん。」師は言った。「雉を絵きて鶏と成らず。」問う。「口を開けば即ち失し、口を閉ぢれば即ち喪す、未だ審らかならず如何に説かん。」師は言った。「舌頭に骨無し。」僧は言った。「会せず。」師は言った。「牛に対して琴を弾ず。」上堂して言った、「夫れ遮那の境界は、衆妙の玄門、知識は之を説いて窮めること莫く、善財は之を酌みて竭きず、文殊は之を体して寂寂、普賢は之を証して重重、若しや其の法性に随わば、雲の碧漢に収まるが如く、本より一物無し、若しや其の智用に随わば、花の春谷に開くるが如し、応用は无边にして、説くこと恒沙に徧しと雖も、乃ち同じく一道に遵う、且つ諸人に問う、作麼生か是れ一道。」良久して言った、「白雲の断えたる処に明月を見、黄葉の落つる時に衣を擣つを聞く、参。」上堂して言った、「葢纏を離るること莫れ、仏祖を求むること莫れ、此の二途を去りて、何を以て依怙と為さん、江淹は筆を夢み、天竜は虎を見る、古老に相传えて、月は五を跨がず、参。」上堂して言った、「一刀両段は、宗風を埋没す、師子は身を飜して、泥を拖り水を帯び、直に十方を坐断するを饒くしても、凡聖に通ぜず、脚跟下から好し、三十を与えん。」上堂して言った、「拈ずれば放ち、妙用は縦横にして、除を去り玄を解き、凡を収め聖を破る、若し本分の草料を望まば、大いに似たり甎を磨りて鏡を作す、衲僧の家は合作麼生。」良久して言った、「寔。」
明州九峰鑒韶禪師
明州九峰鑑韶禅師
僧問。承聞和尚是泐潭嫡子。是否。師曰。是。曰。還記得當時得力句否。師曰。記得。曰。請舉看。師曰。左手握拳。右手把筆。上堂。山僧說禪。如蠔蜢吐油。揑著便出。若不揑著。一點也無。何故。祇為不曾看讀古今因緣。及預先排疊勝妙見知等候。陞堂便磨唇捋觜。將粥飯氣燻炙諸人。凡有一問一答。葢不得已。豈獨山僧。看他大通智勝如來。默坐十劫。無開口處。後因諸天.梵天及十六王子再三勸請。方始說之。卻不是秘惜。祇為不敢埋沒諸人。山僧既不埋沒諸人。不得道山僧會陞座。參。
僧が問うた。「和尚は泐潭の嫡子と承聞す、是や否や。」師は言った。「是。」言った。「還た当時の得力の句を記え置くや否や。」師は言った。「記え置く。」言った。「請う挙げて看ん。」師は言った。「左手は拳を握り、右手は筆を把る。」上堂して言った、「山僧が禅を説くは、蚝蜢の油を吐くが如し、揑着すれば便ち出づ、若し揑着せざれば、一点も無し、何の故ぞ、只だ古今の因縁を看読せざるが為、及び預め勝妙の見知を排疊して等候せんが為、堂に昇れば便ち唇を磨き觜を捋い、粥飯の気を将て諸人を熏炙す、凡そ一問一答有るは、葢し已むを得ざるなり、豈に独り山僧ならんや、他の大通智勝如来を看よ、黙然として坐すること十劫にして、口を開く処無し、後に諸天・梵天及び十六王子の再三に勧請するに因りて、方に始めて之を説く、却って是れ秘惜に非ず、只だ諸人を埋没せざるを敢てせざるが為、山僧は既に諸人を埋没せざれば、道うを得ず山僧が会して座に昇ると、参。」
婺州西塔顯殊禪師
婺州西塔顕殊禅師
上堂。黃梅席上數如麻。句裡呈機事可嗟。直是本來無一物。青天白日被雲遮。參。
上堂して言った。「黄梅の席上は麻の如く数え、句裏に機を呈して事は嗟く可し、直に是れ本より一物無きに、青天白日は雲に遮られり、参。」
天台崇善寺用良禪師
天台崇善寺用良禅師
