五燈會元卷第十五
福州普賢元素禪師
福州普賢元素禅師
建寧人也。上堂。兵隨印轉。三千里外絕煙塵。將逐符行。二六時中淨躶躶。不用鐵旗鐵皷。自然草偃風行。何須七縱七擒。直得無思不服。所謂大丈夫秉慧劒。般若鋒兮金剛𦦨。非但能摧外道心。早曾落卻天魔膽。正恁麼時。且道主將是甚麼人。喝一喝。上堂。南泉道。我十八上便解作活計。囊無繫蟻之絲。廚乏聚蠅之糝。趙州道。我十八上便解破家散宅。南頭買賤。北頭賣貴。點檢將來。好與三十棒。且放過一著。何故。曾為宕子偏憐客。自愛貪杯惜醉人。上堂。未開口時先分付。擬思量處隔千山。莫言佛法無多子。未透玄關也大難。祇如玄關作麼生透。喝一喝。
建寧の人なり。上堂、「兵印に隨いて轉じ、三千里の外煙塵を絶つ、將符に逐て行き、二六の時中淨躶躶たり、鐵旗鐵皷を用いずして、自ら然に草偃ぎ風行く、何ぞ須いん七縱七擒、直に思なくして服せざる無しを得しめん、所謂大丈夫慧劒を秉り、般若の鋒兮金剛の𦦨なり」。非だ能く外道の心を摧くのみならず。早く曾て天魔の膽を落却せり。正しく恁麼の時。且く道え主將は是れ什麼の人ぞ。一喝す。上堂、「南泉道う、我十八の上便ち活計を作すを解し、囊に蟻を繫ぐの絲無く、厨に蠅を聚むるの糝乏し、趙州道う、我十八の上便ち家を破り宅を散ずるを解し、南頭に賤を買い、北頭に貴を賣る、點檢して將來れば、好し三十棒を與えん」。且く一著を放過せん。何の故ぞ。曾て宕子と為りて偏に客を憐れみ。自ら杯を貪るを愛して醉人を惜しむ。上堂、「未だ口を開かざる時先に分付し、擬して思量する處千の山を隔つ、言う莫れ佛法多子無しと、未だ玄關を透らざるも亦た大いに難し、只だ如く玄關作麼生に透らん、一喝す」
福州皷山山堂僧洵禪師
福州皷山山堂僧洵禅師
本郡阮氏子。上堂。黃檗手中六十棒。不會佛法的的大意。卻較些子。大愚肋下築三拳。便道黃檗佛法無多子。鈍置殺人。須知有一人。大棒驀頭打。他不回頭。老拳劈面搥。他亦不顧。且道是誰。上堂。朔風掃地卷黃葉。門外千峰凜寒色。夜半烏龜帶雪飛。石女谿邊皺兩眉。卓拄杖雲。大家在這裡。且道天寒人寒。喝一喝雲。歸堂去。
本郡阮氏の子。上堂、「黃檗の手中の六十棒、佛法の的の大意を會せざれば、卻って些子を較ぶ、大愚の肋下に三拳を築きて、便ち道う黃檗の佛法多子無しと、鈍置して人を殺す、須らく知れ一の人有りて、大棒蓦っから頭を打たれても、他頭を回さず、老拳面を劈いて搥かれても」。他亦た顧みず。且く道え是れ誰ぞ。上堂、「朔風地を掃いて黃葉を卷き、門の外千峰凛として寒色、夜半烏龜雪を帶びて飛び、石女溪の邊兩眉を皺める、拄杖を卓して云う、大家這裏に在り、且く道え天寒なるか人寒なるか、一喝して云う、堂に歸りて去れ」
福州皷山別峰祖珍禪師
福州皷山別峰祖珍禅師
興化林氏子。僧問。趙州遶禪床一帀。轉藏已竟。此理如何。師曰。畫龍看頭。畫虵看尾。曰。婆子道。比來請轉全藏。為甚麼祇轉得半藏。此意又且如何。師曰。人無遠慮。必有近憂。曰。未審甚麼處是轉半藏處。師曰。不是知音者。徒勞話歲寒。上堂。尋牛須訪跡。學道貴無心。跡在牛還在。無心道易尋。竪起拂子曰。這箇是跡。牛在甚麼處。直饒見得頭角分明。鼻孔也在法石手裡。上堂。向上一路。千聖不傳。卓拄杖曰。恁麼會得。十萬八千。畢竟如何。桃紅李白薔薇紫。問著春風總不知。示眾雲。大道祗在目前。要且目前難覩。欲識大道真體。不離聲色言語。卓拄杖雲。這箇是聲。竪起拄杖雲。這箇是色。喚甚麼作大道真體。直饒向這裡見得。也是鄭州出曹門。示眾。若論此事。如人吃飯。飽則便休。若也不飽。必有思食之心。若也過飽。又有傷心之患。到這裡。作麼生得恰好去。良久雲。且歸巖下宿。同看月明時。
興化林氏の子。僧問う、「趙州禅床を繞ること一帀、藏を轉ずること已に竟えり、此の理如何」。老師曰く、「龍を畫きて頭を看、虵を畫きて尾を看よ」。曰く、「婆子道う、比來全藏を轉ぜんを請いしに、什麼を以てか只だ半藏を轉じ得たる、此の意又且く如何」。老師曰く、「人遠慮無ければ、必ず近憂有り」。曰く、「未だ審かに什麼の處か是れ半藏を轉ずる處」。老師曰く、「是れ知音の者に非ざれば、徒らに歲寒を話すを勞す」。上堂、「牛を尋ねんには須らく迹を訪うべし、道を學ぶには心無きを貴ぶ、迹在れば牛還た在り、心無ければ道尋ね易し」。拂子を竪起して曰く、「這個は是れ迹、牛は什麼の處に在る、直饒頭角分明なるを見るとも、鼻孔も亦た法石の手裏に在り」。上堂、「向上の一路、千聖傳えず」。拄杖を卓して曰く、「恁麼に會得せば、十萬八千、畢竟如何、桃紅李白薔薇紫、春風に問えども總て知らず、衆に示して云う、大道只だ目前に在り、要す且く目前覩難し、大道の真體を識らんと欲せば、聲色言語を離れず」。拄杖を卓して云う。這個は是れ聲。拄杖を竪起して云う。這個は是れ色。喚びて什麼を大道の真體と作す。直饒這裏に向かって見得するも。亦た是れ鄭州曹門を出づ。衆に示す。若し此の事を論ぜば。人の飯を喫うが如し。飽けば則ち便ち休め。若しも飽けざれば。必ず食を思うの心有り。若しも過飽せば。又心を傷えるの患有り。這裏に到りて。作麼生に恰好を得て去らん。良久して云う。且く巖の下に歸り宿して、同じく月明の時を看ん
黃龍逢禪師法嗣
黃龍逢禅師法嗣
饒州薦福常庵擇崇禪師
饒州薦福常庵擇崇禅師
寧國府人也。上堂。舉。僧問古德。生死到來。如何免得。德曰。柴鳴竹爆驚人耳。僧曰。不會。德曰。家犬聲獰夜不休。師曰。諸人要會麼。柴鳴竹爆驚人耳。大洋海底紅塵起。家犬聲獰夜不休。陸地行船三萬裡。堅牢地神笑呵呵。須彌山王眼覷鼻。把手東行卻向西。南山聲應北山裡。千手大悲開眼看。無量慈悲是誰底。良久曰。頭長腳短。少喜多瞋。上堂。問侍者曰。還記得昨日因緣麼。曰。記不得。復顧大眾曰。還記得麼。眾無對。竪起拂子曰。還記得麼。良久曰。也忘卻了也。三處不成。一亦非有。諸人不會方言。露柱且莫開口。以拂子擊禪床。下座。
寧國府の人なり。上堂。「擧ぐ」。僧古德に問う。生死到來せば。如何にか免れん。德曰く、「柴鳴り竹爆きて人の耳を驚かす」。僧曰く、「會せず」。德曰く、「家犬聲狞として夜休せず」。老師曰く、「諸人要して會せんか、柴鳴り竹爆きて人の耳を驚かせば、大洋の海底紅塵起き、家犬聲狞として夜休せざれば、陸地船を行くこと三萬里、堅牢の地神呵呵と笑い、須彌の山王眼鼻を觑り、手を把りて東に行き卻って西に向かい、南山の聲北山の裏に應じ、千手の大悲眼を開きて看る」。無量の慈悲是れ誰の底ぞ。良久して曰く、「頭長く脚短く、喜び少なく瞋り多し」。上堂。侍者に問いて曰く、「還た記得するか昨日の因緣を」。曰く、「記得せず」。復た大衆を顧みて曰く、「還た記得するか、衆對えず」。拂子を竪起して曰く、「還た記得するか」。良久して曰く、「亦た忘却し了れり、三處成らずして、一も亦た有に非ず、諸人方言を會せず、露柱且く口を開く莫れ、拂子を以て禅床を擊ち、下座」
天寧卓禪師法嗣
天寧卓禅師法嗣
慶元府育王無示介諶禪師
慶元府育王無示介諶禅師
溫州張氏子。謝知事。上堂。尺頭有寸。鑑者猶稀。秤尾無星。且莫錯認。若欲定古今輕重。較佛祖短長。但請於中著一隻眼。果能一尺還他十寸。八兩元是半斤。自然內外和平。家國無事。山僧今日。已是兩手分付。汝等諸人還肯信受奉行也無。尺量刀剪徧世間。誌公不是閑和尚。上堂。文殊智。普賢行。多年曆日。德山棒。臨濟喝。亂世英雄。汝等諸人穿僧堂。入佛殿。還知嶮過鐵圍關麼。忽然踏著釋迦頂。𩕳磕著聖僧額頭。不免一場禍事。上堂。我若說有。你為有礙。我若說無。你為無礙。我若橫說。你又跨不過。我若竪說。你又跳不出。若欲叢林平帖。大家無事。不如推倒育王。且道育王如何推得倒去。召大眾曰。著力。著力。復曰。苦哉。苦哉。育王被人推倒了也。還有路見不平。㧞劍相為底麼。若無。山僧不免自倒自起。擊拂子。下座。師性剛毅。涖眾有古法。時以諶鐵面稱之。
溫州張氏の子。知事を謝す。上堂、「尺の頭寸有りて、鑑る者猶ほ稀なり、秤の尾星無くして、且く錯りて認むる莫れ、若し古今の輕重を定め、佛祖の短長を較べんと欲せば、但だ請う中に一隻の眼を著けよ、果たして能く一尺を以て他の十寸に還し、八兩元より是れ半斤なれば、自ら然に內外和平」。家國事無し。山僧今日。已に是れ兩手に分付す。汝等の諸人還た肯じて信受奉行するや無しや。尺量刀剪徧く世間。志公是れ閑和尚に非ず。上堂、「文殊の智、普賢の行、多年の歷日、德山の棒、臨濟の喝、亂世の英雄、汝等の諸人僧堂を穿り、佛殿に入るに、還た知るか鐵圍關よりも嶮なるを、忽然として釋迦の頂を踏み」。𩕳として聖僧の額頭に磕き着かば。免れざらん一場の禍事。上堂、「我若し有と説かば、你有を礙と為し、我若し無と説かば、你無を礙と為す」。我若し橫に説かば、「你又跨ぎ過ぐる能わず」。我若し竪に説かば、「你又跳び出づる能わず、若し叢林平帖にして、大家事無からんと欲せば、育王を推倒するに如かず、且く道え育王如何に推せば倒れ得て去らん」。大衆を召して曰く、「力を著けよ、力を著けよ」。復た曰く、「苦なり哉、苦なり哉、育王人に推し倒され了れり、還た路不平を見て、劍を㧞きて相い為る底有るか、若し無ければ、山僧免れず自ら倒れ自ら起たん、拂子を擊ち、下座」。老師性剛毅にして。衆を涖むに古の法有り。時に諶鐵面と以て之を稱す
安吉州道場普明慧琳禪師
安吉州道場普明慧琳禅師
福州人。上堂。有漏笊籬。無漏木杓。庭白牡丹。檻紅芍藥。因思九年面壁人。到頭不識這一著。且道作麼生是這一著。以拄杖擊禪床下座。上堂。一即多。多即一。毗盧頂上明如日。也無一。也無多。現成公案沒誵譌。拈起舊來氈拍板。明時共唱太平歌。
福州の人。上堂、「漏有る笊籬、漏無き木杓、庭に白き牡丹、檻に紅き芍藥、因りて思う九年壁に面する人、頭に到りて這の一著を識らざるを、且く道え作麼生なるか是れ這の一著、拄杖を以て禅床を擊ちて下座」。上堂、「一即ち多、多即ち一、毘盧の頂上明かなること日の如し、一も無く、多も無く、現成の公案誵譌無し、舊來の氈の拍板を拈起して、明時に共に太平の歌を唱わん」
安吉州道場無傳居慧禪師
安吉州道場無傳居慧禅師
本郡吳氏子。上堂。鍾馗醉裡唱涼州。小妹門前祇點頭。巡海夜叉相見後。大家拍手上高樓。大眾若會得去。鏁卻天下人舌頭。若會不得。將謂老僧別有奇特。上堂。百尺竿頭弄影戲。不唯瞞你又瞞天。自笑平生歧路上。投老歸來沒一錢。上堂。舉臨濟示眾曰。一人在高高峰頂。無出身之路。一人在十字街頭。亦無向背。且道那箇在前。那箇在後。師曰。更有一人不在高高峰頂。亦不在十字街頭。臨濟老漢因甚不知。便下座。
本郡吳氏の子。上堂、「鍾馗醉の裏涼州を唱え、小妹門の前只だ頭を點く、海を巡る夜叉相見えて後、大家手を拍ちて高樓に上る、大衆若し會得して去れば、天下人の舌頭を鏁却せん、若し會得せざれば、將に謂わん老僧別に奇特有るを」。上堂、「百尺の竿頭影戲を弄ぶ、唯だ你を瞞るのみならず又天を瞞る、自ら笑う平生歧路の上、老に投じて歸り來りて一錢無し」。上堂。臨濟の衆に示すを擧げて曰く、「一人高高峰の頂に在りて、身を出だすの路無く、一人十字の街頭に在りて、亦た向背無し、且く道え哪個か前に在り、哪個か後に在る」。老師曰く、「更に一の人高高峰の頂に在らずして、亦た十字の街頭に在らず、臨濟の老漢因りて甚だ知らざる」。便ち下座
臨安府顯寧松堂圓智禪師
臨安府顯寧松堂圓智禅師
上堂。蘆華白。蓼華紅。溪邊脩竹碧煙籠。閑雲抱幽石。玉露滴巖叢。昨夜烏龜變作鼈。今朝水牯悟圓通。咄。
上堂、「蘆の華白く、蓼の華紅し、溪邊の修竹碧烟に籠められ、閑雲幽石を抱き、玉露巖叢に滴る、昨夜烏龜變じて鼈と作り、今朝水牯圓通を悟る、咄」
安吉州烏回唯庵良範禪師
安吉州烏回唯庵良範禅師
上堂。塵劫已前事。堂堂無背面。動靜莫能該。舒捲快如電。莫道凡不知。佛也覷不見。決定在何處。合取這兩片。薦不薦。更為諸人通一線。良久曰。天下太平。皇風永扇。上堂。舉。僧問趙州。至道無難。唯嫌揀擇。是時人窠窟否。州曰。曾有人問。老僧直得五年分疎不下。師召眾曰。趙州具頂門眼。向擊石火裡分緇素。閃電光中明縱奪。為甚麼卻五年分疎不下。還委悉麼。易分雪裡粉。難辨墨中煤。
上堂、「塵劫已前の事、堂堂として背面無し、動靜能く該む莫れ、舒卷快なること電の如し、道う莫れ凡は知らざると、佛も亦た觑り見えず、決定して何の處に在る、合して取るべし這の兩片を、薦するや薦せざるや、更に諸人の為に一線を通ぜん」。良久して曰く、「天下太平、皇風永く扇がん」。上堂。「擧ぐ」。僧趙州に問う。至道難きこと無し。唯だ揀擇を嫌う。是れ時人の窠窟か否か。州曰く。曾て人の問う有り、「老僧直に五年分疎し下さざるを得たり」。老師衆を召して曰く、「趙州頂門の眼を具えて、石を擊つ火の裏に向かって緇素を分ち、電の光の中に於て縱奪を明らむ、什麼を以てか卻って五年分疎し下さず、還た委悉するか、分ち易し雪裏の粉、辨え難し墨の中の煤」
溫州本寂靈光文觀禪師
溫州本寂靈光文觀禅師
本郡葉氏子。上堂。過去諸如來。斯門已成就。好事不如無。現在諸菩薩。今各入圓明。好事不如無。未來修學人。當依如是住。好事不如無。還知麼。除卻華山陳處士。何人不帶是非行。參。
本郡葉氏の子。上堂、「過去の諸の如來、斯の門已に成就す、好事無きに如かず、現在の諸の菩薩、今各々圓明に入る、好事無きに如かず、未來の修學人、當に是の如く依りて住すべし、好事無きに如かず、還た知るか」。華山の陳處士を除却するより。何人か是非を帶びて行かざる。參
黃龍震禪師法嗣
黃龍震禅師法嗣
常德府德山無諍慧初禪師
常德府德山無諍慧初禅師
靜江府人也。上堂。顧視大眾曰。見麼。在天成象。在地成形。在日月為晦為朔。在四時為寒為暑。鼓之以雷霆。潤之以風雨。且道在衲僧分上。又作麼生。一趯趯飜四大海。一拳拳倒須彌山。佛祖位中留不住。又吹漁笛汨羅灣。上堂。九月二十五。聚頭相共舉。瞎卻正法眼。拈卻雲門普。德山不會說禪。贏得村歌社舞。阿呵呵。邏囉哩。遂作舞。下座。
靜江府の人なり。上堂。大衆を顧視して曰く、「見るか、天に在りて象を成し、地に在りて形を成し、日月に在りて晦と為り朔と為り、四時に在りて寒と為り暑と為り、之を鼓するに雷霆を以てし、之を潤すに風雨を以てす、且く道え衲僧の分上に在りて、又作麼生、一趯趯飜す四大の海」。一拳拳倒す須彌山。佛祖の位中留まるを得ず。又漁笛を吹く汨羅の灣。上堂、「九月二十五、頭を聚めて相い共に擧ぐ、正法眼を瞎却し、雲門の普を拈却す、德山禅を説くを會せず、贏得たり村歌社舞、阿呵呵、邏囉哩」。遂に舞を作し。下座
萬年一禪師法嗣
萬年一禅師法嗣
嘉興府報恩法常首座
嘉興府報恩法常首座
開封人也。丞相薛居正之裔。宣和七年。依長沙益陽華嚴元軾下髮。徧依叢林。於首楞嚴經。深入義海。自湖湘至萬年謁雪巢。機契。命掌牋翰。後首眾報恩。室中唯一矮榻。餘無長物。庚子九月中。語寺僧曰。一月後不復留此。十月二十一往方丈。謁飯。將曉。書漁父詞於室門。就榻收足而逝。詞曰。此事楞嚴甞露布。梅華雪月交光處。一笑寥寥空萬古。風甌語。迥然銀漢橫天宇。蝶夢南華方栩栩。斑斑誰跨豐幹虎。而今忘卻來時路。江山暮。天涯目送鴻飛去。
開封の人なり。丞相薛居正の裔。宣和七年。長沙益陽の華嚴元軾に依りて髮を下す。徧く叢林に依る。首楞嚴經に於て。深く義海に入る。湖湘より萬年に至りて雪巢を謁う。機契す。牋翰を掌るを命ぜらる。後に報恩に首衆す。室中唯だ一の矮榻のみ。餘に長物無し。庚子九月の中。寺僧に語りて曰く、「一月の後復た此に留まらず、十月二十一方丈に往き、飯を謁え、將に曉けんとして、漁父の詞を室門に書し、榻に就きて足を收めて逝く」。詞に曰く、「此の事楞嚴嘗て露布せり、梅華雪月光を交うる處、一笑寥寥として萬古を空しくし、風甌の語、迥然として銀漢天宇に橫たわる、蝶夢南華方に栩栩として、斑斑として誰か豐干の虎に跨る、而今來りし時の路を忘却せり、江山暮れ、天涯目鴻の飛び去るを送る」
嶽山祖庵主法嗣
嶽山祖庵主法嗣
廬山延慶叔禪師
廬山延慶叔禅師
僧問。多子塔前。共談何事。師曰。一回相見一回老。能得幾時為弟兄。僧禮拜師曰。唐興今日失利。
僧問う、「多子の塔の前、共に何の事を談ず」。老師曰く、「一回相見えば一回老い、幾時をか得て弟兄と為らん」。僧禮拜す老師曰く、「唐興今日失利せり」
勝因靜禪師法嗣
勝因靜禅師法嗣
漣水軍萬壽夢庵普信禪師
漣水軍萬壽夢庵普信禅師
上堂。殘雪既消盡。春風日漸多。若將時節會。佛法又如何。且道時節因緣與佛法道理。是同是別。良久曰。無影樹栽人不見。開華結果自馨香。
上堂、「殘雪既に消盡して、春風日に漸く多し、若し時節を將て會せば、佛法又如何、且く道え時節の因緣と佛法の道理と、是れ同か別か」。良久して曰く、「影無き樹栽えて人見えず、華を開き果を結んで自ら馨香なり」
平江府慧日默庵興道禪師
平江府慧日默庵興道禅師
上堂。同雲欲雪未雪。愛日似暉不暉。寒雀啾啾閙籬落。朔風冽冽舞簾帷。要會韶陽親切句。今朝覿面為提撕。卓拄杖。下座。
上堂、「同雲雪を降らんと欲して未だ雪らず、愛日暉に似て暉ならず、寒雀啾啾として籬落を閙し、朔風冽冽として簾帷を舞わす、要して韶陽の親切の句を會せんとせば、今朝覿面に為に提撕せん、拄杖を卓し、下座」
