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五燈會元卷第五

宋 · 普济 · 第30巻 / 144

安州大安山興古禪師

安州大安山興古禅師

僧問。亡僧遷化。向甚麼處去也。師曰。昨夜三更拜南郊。問。維摩默然。意旨如何。師曰。黯黑石牛兒。超然不出戶。問。如何是那邊事。師曰。黑漆牧童不展手。銀籠鶴畔野雲飛。

僧が問うた。「亡き僧は化に遷りて、什麼の処に向いて去る。」師は言った。「昨夜の三更は南郊に拜す。」問う。「維摩は黙然なり、意旨如何。」師は言った。「黯黒の石牛の兒は、超然として戸を出でず。」問う。「如何なるか是れあちらの事。」師は言った。「黒漆の牧童は手を展べず、銀の籠の鶴の畔は野雲飛ぶ。」

蘄州烏牙山行朗禪師

蘄州烏牙山行朗禅師

僧問。未作人身已前作甚麼來。師曰。海上石牛歌三拍。一條紅線掌間分。問。迦葉上行衣。何人合得披。師曰。天然無相子。不掛出塵衣。

僧が問うた。「未だ人の身を作さざる已前は什麼を作して来た。」師は言った。「海の上の石牛は歌三たび拍して、一条の紅の線は掌の間に分かつ。」問う。「迦葉の上行の衣は、何人か合して披くを得ん。」師は言った。「天然は相無き子、出塵の衣を挂けず。」

青峰楚禪師法嗣

青峰楚禅師法嗣

西川靈龕禪師

西川霊龕禅師

僧問。如何是諸佛出身處。師曰。出處非幹佛。春來草自青。問。碌碌地時如何。師曰。試進一步看。

僧が問うた。「如何なるか是れ諸佛の身を出づる処。」師は言った。「出づる処は佛に干らず、春来りて草自ら青し。」問う。「碌碌たる地の時如何。」師は言った。「試みに一歩を進めて看よ。」

京兆府紫閣山端己禪師

京兆府紫閣山端己禅師

僧問。四相俱盡。立甚麼為真。師曰。你甚麼處去來。問。渭水正東流時如何。師曰。從來無間斷。

僧が問うた。「四相俱に尽くるに、什麼を立てて真と為す。」師は言った。「汝は什麼の処より去り来たる。」問う。「渭水は正しく東に流るる時如何。」師は言った。「従来間断無し。」

房州開山懷晝禪師

房州開山懐昼禅師

僧問。作何行業。即得不違於千聖。師曰。妙行無倫匹。情玄體自殊。問。有耳不臨清水洗。無心誰為白雲幽時如何。師曰。無木掛千金。曰。掛後如何。師曰。杳杳人難辯。問。如何是塵中師。師曰。荊棘林中隨處到。旃檀林裡任縱橫。問。如何是祖師西來意。師曰。月隱澄潭。金輝正午。

僧が問うた。「何の行業を作せば、即ち千聖に違わざるを得ん。」師は言った。「妙行は倫匹無く、情玄は体自ら殊なり。」問う。「耳有りて清水に臨みて洗わず、心無くて誰か白雲の幽の為めにする時如何。」師は言った。「木無きに千金を挂く。」曰く、「挂けて後如何。」師は言った。「杳杳として人は辨じ難し。」問う。「如何なるか是れ塵の中の師。」師は言った。「荆棘の林の中は処に随いて到り、旃檀の林の裏は縦横に任す。」問う。「如何なるか是れ祖師西来の意。」師は言った。「月は澄潭に隠れ、金輝は午に正し。」

幽州傳法禪師

幽州伝法禅師

僧問。教意祖意。是同是別。師曰。華開金線秀。古洞白雲深。問。別人為甚麼徒弟多。師為甚麼無徒弟。師曰。海島龍多隱。茅茨鳳不棲。

僧が問うた。「教意と祖意とは、是れ同なるか別なるか。」師は言った。「華開きて金の線秀で、古洞は白雲深し。」問う。「別人は何を為めて徒弟多く、師は何を為めて徒弟無き。」師は言った。「海の島は竜多くして隠れ、茅茨は鳳は栖まず。」

益州淨眾寺歸信禪師

益州浄衆寺帰信禅師

僧問。蓮華未出水時如何。師曰。菡萏滿池流。曰。出水後如何。師曰。葉落不知秋。問。不假浮囊。便登巨海時如何。師曰。紅觜飛超三界外。綠毛也解道煎茶。問。如何是自在底人。師曰。劒樹霜林去便行。曰。如何是不自在底人。師曰。釋迦在闍黎後。

僧が問うた。「蓮華は未だ水を出でざる時如何。」師は言った。「菡萏は池に満ちて流る。」曰く、「水を出でて後如何。」師は言った。「葉落ちて秋を知らず。」問う。「浮囊を仮らずして、便ち巨海に登る時如何。」師は言った。「紅の嘴は飛びて三界の外を超え、緑の毛も亦た煎茶を解す。」問う。「如何なるか是れ自在なる底の人。」師は言った。「剣の樹と霜の林と去りて便ち行く。」曰く、「如何なるか是れ自在ならざる底の人。」師は言った。「釈迦は闍黎の後に在り。」

青峰山清勉禪師

青峰山清勉禅師

僧問。久醞蒲萄酒。今日為誰開。師曰。飲者方知。問。如何是祖師西來意。師曰。耨池無一滴。四海自滔滔。

僧が問うた。「久しく葡萄の酒を醞す、今日は誰が為めに開く。」師は言った。「飲む者は方に知る。」問う。「如何なるか是れ祖師西来の意。」師は言った。「耨の池は一滴無く、四海は自ら滔滔たり。」

宋世玉音

宋世玉音

宋太宗皇帝

宋太宗皇帝

一日幸相國寺。見僧看經。問曰。是甚麼經。僧曰。仁王經。帝曰。既是寡人經。因甚卻在卿手裡。僧無對(雪竇代雲。皇天無親。唯德是輔)。幸開寶塔。問僧。卿是甚人。對曰。塔主。帝曰。朕之塔為甚麼卿作主。僧無對(雪竇代曰。合國鹹知)。一日。因僧朝見。帝問。甚處來。對曰。廬山臥雲庵。帝曰。朕聞臥雲深處不朝天。為甚到此。僧無對(雪竇代雲。難逃至化)。僧入對次。奏曰。陛下還記得麼。帝曰。甚處相見來。奏曰。靈山一別。直至如今。帝曰。卿以何為驗。僧無對(雪竇代曰。貧道得得而來)。京寺回祿。藏經悉為煨燼。僧欲乞宣賜。召問。昔日摩騰不燒。如今為甚卻燒。僧無對。(雪竇代雲。陛下不忘付囑)。帝甞夢神人報曰。請陛下發菩提心。因早朝宣問左右街。菩提心作麼生發。街無對(雪竇代雲。實謂今古罕聞)。智寂大師進三界圖。帝問。朕在那一界中。寂無對(保寧勇代曰。陛下何處不稱尊)。一日朝罷。帝擎缽問丞相王隨曰。既是大庾嶺頭提不起。為甚麼卻在朕手裡。隨無對。

ある日相国寺に幸して、僧の経を看るを見た。問うて言った。「是れ什麼の経ぞ。」僧は言った。「仁王経。」帝は言った。「既に是れ寡人の経、因甚しかして卻て卿の手の裏に在る。」僧は対無し。(雪窦代わりて言った。「皇天は親無し、惟だ徳是れ輔。」)開宝塔に幸す。僧に問うた。「卿は是れ甚の人ぞ。」対して言った。「塔の主。」帝は言った。「朕の塔は何を為めて卿が主を作す。」僧は対無し。(雪窦代わりて言った。「国を合わせて咸く知る。」)ある日、僧の朝見に因る。帝は問うた。「甚の処より来た。」対して言った。「廬山の臥雲庵。」帝は言った。「朕聞く臥雲は深くて天に朝せずと、何を為めて此に到る。」僧は対無し。(雪窦代わりて言った。「至化を逃れ難し。」)僧は対に入る次に、奏して言った。「陛下は還た記え給うや。」帝は言った。「甚の処にて相い見えて来たる。」奏して言った。「霊山の一別より、直ちに今に至る。」帝は言った。「卿は何を以って験と為す。」僧は対無し。(雪窦代わりて言った。「貧道は得得として来る。」)京の寺は回禄ありて、蔵経は悉く煨燼と為る。僧は宣賜を乞わんと欲す。召して問うた。「昔日は摩騰は焼けず、如今は何を為めて卻て焼く。」僧は対無し。(雪窦代わりて言った。「陛下は付嘱を忘れず。」)帝は嘗て神人の報するを夢みて言わく、「陛下に菩提の心を発さんことを請う。」早朝に因りて左右街に宣い問うた。「菩提の心は作麼生に発す。」街は対無し。(雪窦代わりて言った。「実に今古に聞くこと罕なりと謂う。」)智寂大師は三界の図を進す。帝は問うた。「朕は那一界の中に在る。」寂は対無し。(保寧勇代わりて言った。「陛下は何の処にか尊と称せざらん。」)ある日朝罷れて、帝は鉢を擎げて丞相王随に問うて言った。「既に是れ大庾嶺の頭に提げ起たれざる、何を為めて卻て朕の手の裏に在る。」随は対無し。

徽宗皇帝

徽宗皇帝

政和三年。嘉州巡捕官奏。本部路傍有大古樹。因風摧折。中有一僧禪定。鬚髮被體。指爪遶身。帝降旨。令肩輿入京。命西天總持三藏以金磬出其定。遂問。何代僧。曰。我乃東林遠法師之弟。名慧持。因遊峨嵋。入定於樹。遠法師無恙否。藏曰。遠法師晉人也。化去七百年矣。持不復語。藏問。師既至此。欲歸何所。持曰。陳留縣。復入定。帝製三偈。令繪像頒行。偈曰。七百年來老古錐。定中消息許誰知。爭如隻履西歸去。生死何勞木作皮。藏山於澤亦藏身。天下無藏道可親。寄語莊週休擬議。樹中不是負趍人。有情身不是無情。彼此人人定裡身。會得菩提本無樹。不須辛苦問盧能。

政和三年、嘉州の巡捕官が奏す:本部の路の傍に大きなる古樹有り、風に因りて摧折し、中に一僧禅定あり、須髪は体を被い、指爪は身を繞る。帝は旨を降し、肩輿を以って京に入らしめ、西天の総持三蔵に命じて金磬を以って其の定を出でしむ。遂に問うた。「何の代の僧ぞ。」曰く、「我は乃ち東林の遠法師の弟、名は慧持。峨嵋に游ぶに因りて、樹に入りて定す。遠法師は恙無きや。」蔵は言った。「遠法師は晋の人なり、化して去ること七百年なり。」持は復た語らず。蔵は問うた。「師は既に此に至る、何の所に帰らんと欲す。」持は言った。「陳留県。」復た定に入る。帝は三偈を制し、像を絵して頒行せしむ。偈に曰く、「七百年の来の老古錐は、定の中の消息は誰に許るを知らん。争か如かん只の履は西に帰り去りて、生死は何ぞ木の皮を作すを労せん。山を蔵するを沢に於てし、も亦た身を蔵す、天下に道の親むべき蔵無し。庄周に寄語して拟議するを休めよ、樹の中は是れ趨を負う人に非ず。有情の身は是れ无情に非ず、彼此は人々の定の裏の身。菩提は本樹無しを会し得て、須く辛苦に卢能を問うを要せず。」

孝宗皇帝

孝宗皇帝

宣問靈隱佛照光禪師。曰。釋迦佛入山修道。六年而成。所成者何事。請師明說。對曰。將謂陛下忘卻。

霊隠佛照光禅師に宣い問うて言った。「釈迦佛は山に入りて道を修して、六年にして成れり。成れる者は何の事ぞ。師に明説を請う。」対して言った。「陛下は忘却せられけるかと将に謂う。」

未詳法嗣

未だ詳ならざる法嗣

實性大師

実性大師

因同參芙蓉訓禪師至。上堂。以右手拈拄杖。倚放左邊。良久曰。此事若不是芙蓉師兄。也大難委悉。便下座。

同参の芙蓉訓禅師の至るに因る。上堂して、右手を以って拄杖を拈じ、左辺に倚り放つ。良久にして言った。「此の事は若し芙蓉の師兄に非ざれば、も大いに委悉し難し。」便ち座を下りた。

茶陵鬱山主

茶陵郁山主

不曾行腳。因廬山有化士至。論及宗門中事。教令看僧問法燈。百尺竿頭。如何進步。燈雲。噁。凡三年。一日乘驢度橋。一踏橋板而墮。忽然大悟。遂有頌雲。我有神珠一顆。久被塵勞關鏁。今朝塵盡光生。照破山河萬朵。因茲更不遊方。師乃白雲端和尚得度師。雲有贊曰。百尺竿頭曾進步。溪橋一踏沒山河。從茲不出茶川上。吟嘯無非囉哩囉。

曾て行脚せず。廬山に化士の至る有り、宗門の中の事に論じ及びて、僧の法灯に問うを看ることを教えしむ:「百尺の竿の頭に、如何にして歩を進めん。」灯は言った。「悪なり。」凡そ三年なり。ある日驢に乗りて橋を度りて、一たび橋の板を踏みて堕ちて、忽然として大いに悟れたり。遂に頌有りて曰く、「我に神の珠一顆有り、久しく塵労の関鎖を被れり。今朝塵尽きて光生じて、山河の万朵を照り破れり。」茲に因りて更に方を游ばず。師は乃ち白雲端和尚の度を得たる師なり。雲は賛有りて曰く、「百尺の竿の頭に曾て歩を進め、渓橋の一踏は山河を没せり。茲に従りて茶川の上を出でず、吟嘯するに非ざるは囉哩囉のみ。」

僧肇法師

僧肇法師

遭秦王難。臨就刑說偈曰。四大元無主。五陰本來空。將頭臨白刃。猶似斬春風(玄沙雲。大小肇法師。臨死猶寱語)。

秦王の難に遭う。刑に就かんと臨みて偈を説きて言った。「四大は元主無く、五陰は本来空なり。頭を将て白刃に臨ましむるに、猶お春風を斬るに似たり。」(玄沙曰く、「大小の肇法師は、死に臨みて猶お囈語す。」)

禪月貫休禪師

禅月貫休禅師

有詩曰。禪客相逢祇彈指。此心能有幾人知。大隨和尚舉問曰。如何是此心。師無對(歸宗柔代雲。能有幾人知)。

詩有りて曰く、「禅の客は相い逢うて只だ指を弾く、此の心は能く幾人か知らん。」大随和尚は挙げて問うて言った。「如何なるか是れ此の心。」師は対無し。(帰宗柔代わりて言った。「能く幾人か知らん。」)

先淨照禪師

先浄照禅師

問楞嚴大師。經中道。若能轉物。即同如來。若被物轉。即名凡夫。祇如昇元閣作麼生轉。嚴無對(汾陽代雲。彼此老大)。

楞厳大師に問うた。「経の中に道う、若し能く物を転ぜば、即ち如来に同じ。若し物に転ぜられば、即ち凡夫と名づく。只だ如升元閣は作麼生に転ずる。」厳は対無し。(汾陽代わりて言った。「彼此は老大なり。」)

公期和尚

公期和尚

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