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五燈會元巻第七

宋 · 普济 · 第46巻 / 144

呂巖真人

呂巖眞人

字洞賓。京川人也。唐末三舉不第。偶於長安酒肄遇鍾離權。授以延命術。自爾人莫之究。甞遊廬山歸宗。書鐘樓壁曰。一日清閑自在身。六神和合報平安。丹田有寶休尋道。對境無心莫問禪。未幾。道經黃龍山。覩紫雲成葢。疑有異人。乃入謁。值龍擊皷陞堂。龍見。意必呂公也。欲誘而進。厲聲曰。座傍有竊法者。呂毅然出。問。一粒粟中藏世界。半升鐺內煑山川。且道此意如何。龍指曰。這守屍鬼。呂曰。爭奈囊有長生不死藥。龍曰。饒經八萬劫。終是落空亡。呂薄訝。飛劒脅之。劒不能入。遂再拜。求指歸。龍詰曰。半升鐺內煑山川即不問。如何是一粒粟中藏世界。呂於言下頓契。作偈曰。棄卻瓢囊摵碎琴。如今不戀汞中金。自從一見黃龍後。始覺從前錯用心。龍囑令加護。後謁潭州智度覺禪師。有曰。餘遊韶郴。東下湘江。今見覺公。觀其禪學精明。性源淳潔。促膝靜坐。收光內照。一衲之外無餘衣。一缽之外無餘食。達生死岸。破煩惱殻。方今佛衣寂寂兮無傳。禪理懸懸兮幾絕。扶而興者。其在吾師乎。聊作一絕奉記。達者推心方濟物。聖賢傳法不離真。請師開說西來意。七祖如今未有人。

字は洞賓。京川人。唐末に三擧して第せず。偶々長安の酒肄に鍾離權に遇ひ、延命の術を授けらる。自爾人の之を究むる莫し。嘗て廬山歸宗に游び、鐘樓の壁に書して曰く、「一日の淸閑自在の身、六神和合して平安を報ず。丹田寶有りて道を尋ねるを休め、境に對して心無くして禪を問ふ莫れ」。未幾くして、道黃龍山を經て、紫雲の蓋を成すを睹て、異人有らんを疑ひ、乃ち入りて謁ふ。値へて黃龍鼓を撃ちて堂に升る。黃龍見て、意に必ず呂公なりとし、誘ひて進まんと欲し、聲を厲まして曰く、「座の傍に法を竊む者有り」。呂毅然として出で、問うて曰く、「一粒の粟中に世界を藏め、半升の鐺内に山川を煮る。且く道へ、此の意如何」。黃龍指して曰く、「這の屍を守る鬼」。呂曰く、「争奈、囊に長生不死の藥有るを」。黃龍曰く、「饒りて八萬劫を經るも、終には是れ空亡に落つ」。呂薄く訝り、劍を飛ばして之を脅す。劍能く入ること能はず、遂に再拜して指歸を求む。黃龍詰りて曰く、「半升の鐺内に山川を煮るは即ち問はず、如何なるか是れ一粒の粟中に世界を藏める」。呂言下に於て頓に契り、偈を作して曰く、「瓢囊を棄却して琴を摵碎し、如今汞中の金を戀せず。自從ひて一たび黃龍を見し後、始めて覺ゆ、從前心を錯用ししと」。黃龍護を加へよと囑す。後に潭州の智度覺禅師を謁ふ。説有り、「我韶郴に游び、東は湘江を下る。今覺公を見て、其の禪學の精明、性源の淳潔を觀る。膝を促かして靜坐し、光を收めて内を照らす。一衲の外餘衣無く、一钵の外餘食無し。生死の岸に達し、煩惱の殼を破る。方今佛衣寂寂として傳へる無く、禪理懸懸として幾ど絕えんとす。扶へて興す者は、其れ吾が師に在らんか。聊か一绝を作して奉記す、達者は心を推して方に物を濟ひ、聖賢法を傳ふるは眞を離れず。師に請ふ、西來の意を開説せよ、七祖如今未だ人有らずと」。

明招謙禪師法嗣

明招謙禅師法嗣

處州報恩契從禪師

處州報恩契從禅師

開堂陞座。乃曰。烈士鋒前。還有俊鷹俊鷂麼。放一箇出來看。良久曰。所以道。烈士鋒前少人陪。雲雷擊皷劒輪開。誰是大雄師子種。滿身鋒刃但出來。時有僧出。師曰。好著精彩。僧擬伸問。師曰。甚麼處去也。僧乃問。師子未出窟時如何。師曰。鋒鋩難擊。曰。出窟後如何。師曰。藏身無路。曰。欲出不出時如何。師曰。命似懸絲。曰。向去事如何。師曰。拶。問。如何是和尚家風。師曰。還奈何麼。問。十二時中如何即是。師曰。金剛頂上看。曰。恁麼則人天有賴。師曰。汝又誑謼人天作麼。

堂を開き座に升り、乃ち曰く、「烈士の鋒前に、還た俊鷹俊鷂有るか。一箇を放して出で來りて看よ」。良久して曰く、「所以に道ふ、烈士鋒前人の陪する少く、雲雷鼓を撃ち劍輪開くと。誰か是れ大雄の師子の種、滿身の鋒刃但だ出で來れ」。時に僧有りて出づ。師は言った、「好く精彩を着けよ」。僧擬して問を伸ばんとす。師は言った、「甚麼の處にか去れり」。僧乃ち問うた、「師子未だ窟を出でざる時如何」。師は言った、「鋒芒撃ち難し」。曰く、「窟を出づる後如何」。師は言った、「身を藏むる路無し」。曰く、「出でんと欲して出でざる時如何」。師は言った、「命絲を懸けたるに似たり」。曰く、「向去の事如何」。師は言った、「拶」。問うた、「如何なるか是れ和尚の家風」。師は言った、「還た奈何するか」。問うた、「十二時中如何にして即ち是れ」。師は言った、「金剛の頂上に看よ」。曰く、「さようらば則ち人天賴有らん」。師は言った、「汝又人天を誑呼して作麼せん」。

婺州普照瑜禪師

婺州普照瑜禅師

上堂。三十年後。大有人向這裡亡鋒結舌去在。良久曰。還會麼。灼然。若不是真師子兒。爭識得上來之機。時有僧問。師子未出窟時如何。師曰。眾獸徒然。曰。出窟後如何。師曰。狐絕萬裡。曰。欲出不出時如何。師曰。當沖者喪。曰。向去事如何。師曰。決在臨鋒。僧禮拜。師有頌曰。決在臨鋒處。天然師子機。嚬呻出三界。非祖莫能知。

上堂、「三十年の後、大に人の這裏に向ひて鋒を亡び舌を結びて去ること在らん」。良久して曰く、「還た會するか。灼然たり。若し是れ眞の師子兒にあらずんば、争でか上來の機を識り得ん」。時に僧有りて問うた、「師子未だ窟を出でざる時如何」。師は言った、「衆獸徒然」。曰く、「窟を出づる後如何」。師は言った、「狐萬里を絕つ」。曰く、「出でんと欲して出でざる時如何」。師は言った、「衝に當たる者喪ふ」。曰く、「向去の事如何」。師は言った、「鋒に臨むに決す」。僧禮拜す。師頌有りて曰く、「鋒に臨む處に決す、天然の師子の機。嚬呻して三界を出づ、祖に非ざれば能く知る莫し」。

婺州雙溪保初禪師

婺州雙溪保初禅師

上堂。未透徹。不須呈。十方世界廓然明。孤峰頂上通機照。不用看他北斗星。僧問。九夏靈峰劒。請師不露鋒。師曰。未拍金鎻前何不問。曰。千般徒設用。難出髑髏前。師曰。背後礙殺人。

上堂、「未だ透徹せずんば、呈するを須ゐず。十方世界廓然として明なり。孤峰頂上機の照を通ず、他の北斗星を看るを用ゐず」。僧が問うた、「九夏の靈峰の劍、師に鋒を露さざらんことを請ふ」。師は言った、「未だ金鎖を拍する前に何ぞ問はざる」。曰く、「千般徒らに用を設くるも、髑髏の前を出で難し」。師は言った、「背後人を礙殺す」。

處州湧泉究禪師

處州涌泉究禅師

上堂。良久曰。還有虎狼禪客麼。有則放出一箇來。僧才出。師曰。還知喪命處麼。曰。學人諮和尚。師曰。甚麼處去也。曰。師子未出窟時如何。師曰。抖㖃地。曰。出窟後如何。師曰。蓋天蓋地。曰。欲出不出時如何。師曰。一切人辨不得。曰。向去事如何。師曰。俊鷂亦迷蹤。

上堂。良久して曰く、「還た虎狼の禪客有るか。有らば則ち一箇を放して出で來れ」。僧纔かに出づ。師は言った、「還た命を喪ふ處を知るか」。曰く、「學人和尚に咨る」。師は言った、「甚麼の處にか去れり」。曰く、「師子未だ窟を出でざる時如何」。師は言った、「抖㖃たる地」。曰く、「窟を出づる後如何」。師は言った、「天を蓋ひ地を蓋ふ」。曰く、「出でんと欲して出でざる時如何」。師は言った、「一切人辨じ得ず」。曰く、「向去の事如何」。師は言った、「俊鷂も亦た蹤を迷ふ」。

衢州羅漢義禪師

衢州羅漢義禅師

上堂眾集。僧才出。師曰。不是好底。僧禮拜起。問。龍泉寶劒請師揮。師曰。甚麼處去也。曰。恁麼則龍谿南面盡鋒鋩。師曰。收取。問。不落古今請師道。師曰。還怪得麼。曰。猶落古今。師曰。莫錯。

上堂衆集まる。僧纔かに出づ。師は言った、「是れ好きのにあらず」。僧禮拜して起ち、問うた、「龍泉の寶劍師に揮はんことを請ふ」。師は言った、「甚麼の處にか去れり」。曰く、「さようらば則ち龍溪の南面盡く鋒芒なり」。師は言った、「收取せよ」。問うた、「古今に落ちず、師に道ふを請ふ」。師は言った、「還た怪しみ得るか」。曰く、「猶ほ古今に落つ」。師は言った、「錯る莫れ」。

羅漢琛禪師法嗣

羅漢琛禅師法嗣

襄州清谿山洪進禪師

襄州淸溪山洪進禅師

在地藏時居第一座。一日地藏上堂。二僧出禮拜。藏曰。俱錯。二僧無語。下堂請益修山主。修曰。汝自巍巍堂堂。卻禮拜擬問他人。豈不是錯。師聞之不肯。修乃問。未審上座又作麼生。師曰。汝自迷暗。焉可為人。修憤然上方丈請益。藏指廊下曰。典座入庫頭去也。修乃省過。又一日。師問修山主曰。明知生是不生之理。為甚麼為生死之所流。修曰。筍畢竟成竹去。如今作篾使還得麼。師曰。汝向後自悟去在。修曰。某所見祇如此。上座意旨又如何。師指曰。這箇是監院房。那箇是典座房。修即禮謝。住後。僧問。眾盲摸象。各說異端。忽遇明眼人。又作麼生。師曰。汝但舉似諸方。師經行次。眾僧隨從。乃謂眾曰。古人有甚麼言句。大家商量。時有從漪上座出眾擬問次。師曰。這沒毛驢。漪渙然省悟。

地藏に在りし時第一座に居る。一日地藏上堂し、二僧出でて禮拜す。地藏曰く、「俱に錯り」。二僧語無し。堂を下りて修山主に請益す。修曰く、「汝自ら巍巍堂堂たり、却って禮拜して他人に問はんと擬す、豈に錯りにあらずや」。師之を聞きて肯んぜず。修乃ち問うた、「未だ審らかならず、上座又作麼生」。師は言った、「汝自ら迷暗なり、焉んぞ人と爲る可けん」。修憤然として方丈に上りて請益す。地藏廊下を指して曰く、「典座庫頭に入り去れり」。修乃ち過を省む。又一日、師修山主に問ひて曰く、「明かに知る、生は是れ不生の理、甚麼の故にか生死の流る所と爲る」。修曰く、「筍畢竟竹と成りて去る、如今篾を作りて使へば還た得るか」。師は言った、「汝向後自ら悟り去ること在らん」。修曰く、「某の見る所只だ如此のみ。上座の意旨又作麼生」。師指して曰く、「這箇は是れ監院の房、那箇は是れ典座の房」。修即ち禮謝す。住して後、僧が問うた、「衆盲象を摸り、各々異端を説く。忽ち明眼の人に遇はば、又作麼生」。師は言った、「汝但だ諸方に擧似せよ」。師經行の次、衆僧隨從す。乃ち衆に謂ふ、「古人何の言句か有る、大家商量せん」。時に從漪上座衆を出でて問はんと擬する次。師は言った、「這の沒毛の驢」。從漪涣然として省悟す。

昇州清涼院休復悟空禪師

升州淸凉院休復悟空禅師

北海王氏子。幼出家。十九納戒。甞自謂曰。苟尚能詮。則為滯筏。將趣凝寂。復患墮空。既進退莫決。捨二何之。乃參尋宗匠。依地藏。經年不契。直得成病入涅槃堂。一夜藏去看。乃問。復上座安樂麼。師曰。某甲為和尚因緣背。藏指燈籠曰。見麼。師曰。見。藏曰。祇這箇也不背。師於言下有省。後修山主問訊地藏。乃曰。某甲百劫千生。曾與和尚違背。來此者又值和尚不安。藏遂竪起拄杖曰。祇這箇也不背。師忽然契悟。後繼法眼住崇壽。江南國主創清涼道場。延請居之。上堂。古聖才生下。便周行七步。目顧四方。雲天上天下。唯我獨尊。他便有這箇方便奇特。祇如諸上座初生下時。有甚麼奇特。試舉看。若道無。即對面諱卻。若道有。又作麼生通得箇消息。還會麼。上座幸然有奇特事。因甚麼不知去。珍重。僧問。如何是佛。師曰。汝是眾生。曰。還肯也無。師曰。虗施此問。問。如何是西來意。師曰。汝道此土還有麼。問。省要處乞師一言。師曰。珍重。問。如何是道。師曰。本來無一物。何處有塵埃。僧禮拜。師曰。莫錯會。問。如何是一塵入正受。師曰。色即空。曰。如何是諸塵三昧起。師曰。空即色。問。諸餘即不問。如何是悟空一句。師曰。兩句也。問。牛頭未見四祖時。為甚麼百鳥銜華。師曰。未見四祖。曰。見後為甚麼不銜華。師曰。見四祖。問。如何是自己事。師曰。幾處問人來。問。古人得箇甚麼即便休歇去。師曰。汝得箇甚麼。即不休歇去。問。如何是學人出身處。師曰。千般比不得。萬般況不及。曰。請和尚道。師曰。古亦有。今亦有。問。如何是亡僧面前觸目菩提。師曰。問取髑髏後人。問。毒龍奮迅.萬象同然時如何。師曰。你甚麼處得這箇問頭。問。忠座主講甚麼經。曰。法華經。師曰。若有說法華經處。我現寶塔當為證明。大德講甚麼人證明。

北海王氏の子。幼にして家を出で、十九にして戒を納る。嘗て自ら謂ひて曰く、「苟も尚ほ能く詮すれば、則ち筏に滯ると爲す。將に凝寂に趣かんとすれば、復た空に墮つるを患ふ。既に進退決する莫し、二を捨てて何に之かん」。乃ち宗匠を參尋し、地藏に依る。年を經て契はず、直に病を成して涅槃堂に入るを得たり。一夜地藏往きて看る、乃ち問うた、「復上座安樂なるか」。師は言った、「某甲和尚と因縁に背くが爲」。地藏燈籠を指して曰く、「見るか」。師は言った、「見る」。地藏曰く、「只だ這箇も背かず」。師言下に於て省有り。後に修山主地藏に問訊す、乃ち曰く、「某甲百劫千生、曾て和尚と違背せり。此れに來る者又和尚の不安に値ふ」。地藏遂に拄杖を豎起して曰く、「只だ這箇も背かず」。師忽然として契悟す。後に法眼を繼ぎ崇壽に住す。江南の國主淸凉道場を創り、延請して居らしむ。上堂、「古聖纔かに生下せば、便ち七步を周行し、目に四方を顧み、天上天下唯我獨尊と曰ふ。他便ち這箇の方便奇特有り。只だ如し諸の上座初めて生下せし時、甚麼の奇特か有る。試みに擧げ看よ。若し無しと道はば、即ち對面して諱卻せん。若し有りと道はば、又作麼生か箇の消息を通じ得る。還た會するか。上座幸然として奇特の事有り、因に甚麼をか知らずして去る。珍重」。僧が問うた、「如何なるか是れ佛」。師は言った、「汝是れ衆生」。曰く、「還た肯んずるや無し」。師は言った、「虛しく此の問を施す」。問うた、「如何なるか是れ西來意」。師は言った、「汝道へ、此の土還た有るか」。問うた、「省要の處師に一言を乞ふ」。師は言った、「珍重」。問うた、「如何なるか是れ道」。師は言った、「本來一物無し、何處にか塵埃有らん」。僧禮拜す。師は言った、「錯りて會する莫れ」。問うた、「如何なるか是れ一塵正受に入る」。師は言った、「色即ち是れ空」。曰く、「如何なるか是れ諸塵三昧起こる」。師は言った、「空即ち是れ色」。問うた、「諸餘は即ち問はず、如何なるか是れ悟空の一句」。師は言った、「兩句なり」。問うた、「牛頭未だ四祖を見ざる時、甚麼の故にか百鳥花を銜ふ」。師は言った、「未だ四祖を見ず」。曰く、「見し後甚麼の故にか花を銜はざる」。師は言った、「四祖を見たり」。問うた、「如何なるか是れ自己の事」。師は言った、「幾處か人に問ひて來れり」。問うた、「古人箇の甚麼を得て便ち休歇し去る」。師は言った、「汝箇の甚麼を得て、即ち休歇せずして去る」。問うた、「如何なるか是れ學人の出身の處」。師は言った、「千般比ぶるを得ず、萬般況ふるに及ばず」。曰く、「和尚に道はんことを請ふ」。師は言った、「古も亦た有り、今も亦た有り」。問うた、「如何なるか是れ亡僧の面前の觸目菩提」。師は言った、「髑髏後の人に問へ取れ」。問うた、「毒龍奮迅し、萬象同然の時如何」。師は言った、「汝甚麼の處にか這箇の問頭を得る」。問うた、「忠座主何の經をか講ずる」。曰く、「法華經」。師「曰く、「若し法華經を説く處有らば、我寶塔を現じて當に證明と爲さん。大德の講ずるに甚麼人か證明する」。

忠無對(法燈代雲。謝和尚證明)。天福八年十月朔日。遣僧命法眼禪師至。囑付訖。又致書辭國主。及三日夜子時入滅。國主令本院至時擊鐘。及期大眾普集。師端坐警眾曰。無棄光影。語絕告寂。時國主聞鐘。登高臺遙禮。深加哀慕。仍致祭.茶毗。收舍利建塔。

忠對無し(法燈代えて曰く、「和尚の證明を謝す」)。天福八年十月の朔日、僧を遣はして法眼禅師を至らしめ、囑付訖り、又書を致して國主に辭す。三日夜の子時に及びて入滅す。國主本院に令して時に至りて鐘を擊たしむ。期に及びて大衆普く集まる。師端坐して衆を警めて曰く、「光影を棄つる無かれ」。語絕えて寂を告ぐ。時に國主鐘を聞き、高臺に登りて遙かに禮し、深く哀慕を加へ、仍りて祭を致し、茶毗し、舍利を收めて塔を建つ。

撫州龍濟紹修禪師

撫州龍濟紹修禅師

初與法眼同參地藏。所得謂已臻極。暨同辭至建陽。途中譚次。眼忽問。古人道萬象之中獨露身。是撥萬象不撥萬象。師曰。不撥。眼曰。說甚麼撥不撥。師懵然不知。卻回地藏。藏問。子去未久。何以卻來。師曰。有事未決。豈憚跋涉山川。藏曰。汝跋涉許多山川。也還不惡。師未喻旨。乃問。古人道萬象之中獨露身。意旨如何。藏曰。汝道古人撥萬象不撥萬象。師曰。不撥。藏曰。兩箇也。師駭然沈思。而卻問。未審古人撥萬象不撥萬象。藏曰。汝喚甚麼作萬象。師方省悟。再辭地藏。覲於法眼。眼語意與地藏開示前後如一。師後居龍濟山。不務聚徒。而學者奔至。上堂。具足凡夫法。凡夫不知。具足聖人法。聖人不會。聖人若會。即是凡夫。凡夫若知。即是聖人。此兩語一理二義。若人辨得。不妨於佛法中有箇入處。若辨不得。莫道不疑好。珍重。僧問。見色便見心。露柱是色。如何是心。師曰。幸然未會。具莫詐明頭。問。如何得出三界。師曰。是三界則一任出。曰。不是三界又如何。師曰。甚麼處不是三界。問。當陽舉唱。誰是委者。師曰。非汝不委。問。如何是萬法主。師曰。把將萬法來。問。承古有言。須彌納芥子。芥子納須彌。如何是須彌。師曰。穿破汝心。曰。如何是芥子。師曰。塞將汝眼。曰。如何納得。師曰。把將須彌與芥子來。曰。前言何在。師曰。前有甚麼言。問。僧甚處來。曰。翠巖。師曰。翠巖有何言句示徒。曰。尋常道。出門逢彌勒。入門見釋迦。師曰。與麼道又爭得。曰。和尚又如何。師曰。出門逢阿誰。入門見甚麼。僧於言下有省。上堂。聲色不到處。病在見聞。言詮不及處。過在唇吻。僧問。離卻聲色。請和尚道。師曰。聲色裡問將來。問。如何是學人心。師曰。阿誰恁麼問。問。劫火洞然。大千俱壞。未審這箇還壞也無。師曰。不壞。曰。為甚麼不壞。師曰。

初め法眼と同じく地藏に參ず。得る所已に極に臻ると謂ふ。暨ち同じく辭して建陽に至り、途中談ずる次、法眼忽ち問うた、「古人の道ふ、萬象の中に獨り身を露る、是れ萬象を撥するか萬象を撥せざるか」。師は言った、「撥せず」。法眼曰く、「甚麼の撥する撥せざるをか説く」。師懵然として知らず、却って地藏に回る。地藏問うた、「子去りて未だ久しからず、何以にか却って來る」。師は言った、「事の未決有り、豈に山川を跋涉するを憚らんや」。地藏曰く、「汝許多の山川を跋涉す、也還た惡からず」。師未だ旨を喻さず、乃ち問うた、「古人の道ふ、萬象の中に獨り身を露る、意旨如何」。地藏曰く、「汝道へ、古人萬象を撥するか萬象を撥せざるか」。師は言った、「撥せず」。地藏曰く、「兩箇なり」。師駭然として沈思し、而るに却って問うた、「未だ審らかならず、古人萬象を撥するか萬象を撥せざるか」。地藏曰く、「汝甚麼を喚んで萬象と作す」。師方に省悟す。再び地藏を辭し、法眼に覲す。法眼の語意地藏の開示と前後一の如し。師後に龍濟山に居り、徒を聚めるを務めずして、學者奔り至る。上堂、「凡夫の法を具足す、凡夫知らず。聖人の法を具足す、聖人會せず。聖人若し會せば、即ち是れ凡夫。凡夫若し知れば、即ち是れ聖人。此の兩語、一理にして二義なり。若し人の辨じ得なば、妨げず佛法中に箇の入處有らん。若し辨じ得ざれば、疑はずと道ふ莫し好し。珍重」。僧が問うた、「色を見れば便ち心を見る。露柱是れ色、如何なるか是れ心」。師は言った、「幸然として未だ會せず、具に詐りて明頭とする莫れ」。問うた、「如何にして三界を出づるを得ん」。師は言った、「是れ三界ならば則ち一任に出でよ」。曰く、「是れ三界にあらずんば又作麼生」。師は言った、「甚麼の處にか是れ三界ならざる」。問うた、「陽に當たりて擧唱す、誰か是れ委くる者」。師は言った、「汝に非ざれば委からず」。問うた、「如何なるか是れ萬法の主」。師は言った、「萬法を把り將り來れ」。問うた、「承聞く、古に言有り、須彌芥子を納れ、芥子須彌を納る。如何なるか是れ須彌」。師は言った、「汝の心を穿破す」。曰く、「如何なるか是れ芥子」。師は言った、「汝の眼を塞ぎ將る」。曰く、「如何に納れ得る」。師は言った、「須彌と芥子を把り將り來れ」。曰く、「前の言何の處にか在る」。師は言った、「前に甚麼の言か有る」。僧に問うた、「甚處か來れり」。曰く、「翠巖」。師は言った、「翠巖に何の言句か有りて徒に示す」。曰く、「尋常道ふ、門を出でれば彌勒に逢ひ、門に入れば釋迦を見ると」。師は言った、「さように道へば又争ひ得る」。曰く、「和尚又作麼生」。師は言った、「門を出でれば阿誰に逢ひ、門に入れば甚麼を見る」。僧言下に於て省有り。上堂、「聲色の到らざる處、病は見聞に在り。言詮の及ばざる處、過は唇吻に在り」。僧が問うた、「聲色を離却せば、和尚に道はんことを請ふ」。師は言った、「聲色の裏に問ひ將來れ」。問うた、「如何なるか是れ學人の心」。師は言った、「阿誰さように問ふ」。問うた、「劫火洞然として、大千俱に壞ゆ。未だ審らかならず、這箇還た壞ゆるや無し」。師は言った、「壞えず」。曰く、「甚麼の故にか壞えざる」。師は言った、「

為同於大千。上堂。卷簾除卻障。閉戶生窒礙。祇這障與礙。古今無人會。會得是障礙。不會不自在。問。巨夜之中。以何為眼。師曰。暗。問。纖毫不隔。為甚麼覷之不見。師曰。作家弄影漢。問。古鏡未磨時如何。師曰。照破天地。曰。磨後如何。師曰。黑漆漆地。問。如何是普眼。師曰。纖毫覷不見。曰。為甚麼覷不見。師曰。為伊眼太大。問。如何是大敗壞底人。師曰。劫壞不曾遷。曰。此人還知有佛法也無。師曰。若知有佛法。渾成顛倒。曰。如何得不顛倒去。師曰。直須知有佛法。曰。如何是佛法。師曰。大敗壞。問。如何是學人常在底心。師曰。還曾問荷玉麼。曰。學人不會。師曰。若不會。夏末了。問取曹山去。師有頌曰。風動心搖樹。雲生性起塵。若明今日事。昧卻本來人。又。欲識解脫道。諸法不相到。眼耳絕見聞。聲色閙浩浩。又。初心未入道。不得閙浩浩。鐘聲裡薦取。皷聲裡顛倒。又。諸佛不出世。四十九年說。祖師不西來。少林有妙訣。又。萬法是心光。諸緣唯性曉。本無迷悟人。祇要今日了。

(師引き続き曰く、)大千と同ずるが爲なり」。上堂、「簾を卷きて障を除却し、戸を閉ぢて窒礙を生ず。只だ這の障と礙と、古今人會する無し。會すれば是れ障礙、會せざれば不自在」。問うた、「巨夜の中、何を以てか眼と爲る」。師は言った、「暗」。問うた、「纎毫隔たらず、甚麼の故にか之を覤れど見えざる」。師は言った、「作家影を弄する漢」。問うた、「古鏡未だ磨かざる時如何」。師は言った、「天地を照破す」。曰く、「磨きし後如何」。師は言った、「黑漆漆たる地」。問うた、「如何なるか是れ普眼」。師は言った、「纎毫覤れど見えず」。曰く、「甚麼の故にか覤れど見えざる」。師は言った、「伊の眼太大なるが爲」。問うた、「如何なるか是れ大敗壞の人」。師は言った、「劫壞せども曾て遷らず」。曰く、「此の人還た佛法の有るを知るや無し」。師は言った、「若し佛法の有るを知れば、渾然と顛倒を成す」。曰く、「如何にして顛倒せずして去らんを得ん」。師は言った、「直に須く佛法の有るを知るべし」。曰く、「如何なるか是れ佛法」。師は言った、「大敗壞」。問うた、「如何なるか是れ學人の常在の心」。師は言った、「還た曾て荷玉に問ふや」。曰く、「學人會せず」。師は言った、「若し會せざれば、夏末す、曹山に去りて問へ取れ」。師頌有りて曰く、「風動かせば心樹を搖がし、雲生ぜば性塵を起こす。若し今日の事を明めば、本來の人を昧くせん」。又、「解脫の道を識らんと欲せば、諸法相い到らざるを知れ。眼「耳見聞を絕ち、聲色浩浩に鬧なり」。又、「初心未だ道に入らず、浩浩に鬧なるを得ず。鐘聲の裏に薦取し、鼓聲の裏に顛倒せよ」。又、「諸佛世に出でずんば、四十九年の説。祖師西に來らずんば、少林妙訣有り」。又、「萬法是れ心光、諸緣唯だ性の曉。本より迷悟の人無し、只だ今日了せんを要す」。

潞府延慶院傳殷禪師

潞府延慶院傳殷禅師

僧問。見色便見心。燈籠是色。那箇是心。師曰。汝不會古人意。曰。如何是古人意。師曰。燈籠是心。問。若能轉物。即同如來。未審轉甚麼物。師曰。道甚麼。僧擬進語。師曰。這漆桶。

僧が問うた、「色を見れば便ち心を見る。燈籠是れ色、那箇是れ心」。師は言った、「汝古人の意を會せず」。曰く、「如何なるか是れ古人の意」。師は言った、「燈籠是れ心」。問うた、「若し能く物を轉ずれば、即ち如來に同じ。未だ審らかならず、甚麼の物をか轉ずる」。師は言った、「甚麼をか道ふ」。僧擬して語を進めんとす。師は言った、「這の漆桶」。

衡嶽南臺守安禪師

衡岳南臺守安禅師

僧問。人人盡有長安路。如何得到。師曰。即今在甚麼處。問。寂寂無依時如何。師曰。寂寂底聻。因示頌曰。南臺靜坐一鑪香。終日凝然萬慮亡。不是息心除妄想。都緣無事可思量。

僧が問うた、「人人盡く長安の路有り、如何にして到るを得ん」。師は言った、「即今甚麼の處にか在る」。問うた、「寂寂として依る無き時如何」。師は言った、「寂寂たる聻なり」。因りて頌を示して曰く、「南臺靜坐し一爐の香、終日凝然として萬慮亡ぶ。是れ心を息めて妄想を除くにあらず、都て縁有りて事無く思量する可き無し」。

杭州天龍寺清慧秀禪師

杭州天龍寺淸慧秀禅師

上堂。諸上座。多少無事。十二時中在何世界安身立命。且子細點檢看。何不覓箇歇處。因甚麼卻與別人點檢。若恁麼去。早落第二頭也。時有僧問。承師有言。恁麼去早落第二頭。學人總不恁麼上來。如何辯白。師曰。汝卻作家。曰。恁麼則今日得遇於師也。師曰。且莫詐明頭。

上堂、「諸の上座、多少の無事ぞ。十二時中何の世界にか在りて安身立命する。且く仔細に點檢して看よ。何ぞ箇の歇處を覓えざる。因に甚麼をか却って別人に點檢せらる。若しさように去らば、早く第二頭に落ちたり」。時に僧有りて問うた、「承聞く、師の言有り、さように去れば早く第二頭に落つと。學人總てさように上來せず、如何に辯白せん」。師は言った、「汝却って是れ作家」。曰く、「さようらば則ち今日師に遇ふを得たり」。師は言った、「且く詐りて明頭とする莫れ」。

天龍機禪師法嗣

天龍機禅師法嗣

高麗雪嶽令光禪師

高麗雪岳令光禅師

僧問。如何是和尚家風。師曰。分明記取。問。如何是諸法之根源。師曰。謝指示。

僧が問うた、「如何なるか是れ和尚の家風」。師は言った、「分明に記取せよ」。問うた、「如何なるか是れ諸法の根源」。師は言った、「指示を謝す」。

僊宗符禪師法嗣

僊宗符禅師法嗣

福州僊宗洞明真覺禪師

福州僊宗洞明眞覺禅師

僧問。拏雲不假風雷便。濬浪如何透得身。師曰。何得棄本逐末。

僧が問うた、「雲を拏むに風雷の便を假らず、濬浪如何にして身を透り得る」。師は言った、「何ぞ本を棄て末を逐へるを得る」。

泉州福清行欽廣法禪師

泉州福淸行欽廣法禅師

上堂。還有人鑑得麼。若有人鑑得。是甚麼湖裡破草鞵。若也鑑不出。落地作金聲。無事久立。僧問。如何是佛法大意。師曰。諸上座大家道取。問。如何是談真逆俗。師曰。客作漢問甚麼。曰。如何是順俗違真。師曰。吃茶去。問。如何是然燈前。師曰。然燈後。曰。如何是然燈後。師曰。然燈前。曰。如何是正然燈。師曰。吃茶去。問。如何是第二月。師曰。汝問我答。

上堂、「還た人の鑑り得る有るか。若し人の鑑り得る有らば、是れ甚麼の湖裏の破草鞋。若しも鑑り出でざれば、地に落ちて金の聲を作さん。無事久立」。僧が問うた、「如何なるか是れ佛法の大意」。師は言った、「諸の上座大家道へ取れ」。問うた、「如何なるか是れ眞を談じ俗に逆ふ」。師は言った、「客作の漢何をか問ふ」。曰く、「如何なるか是れ俗に順ひて眞に違ふ」。師は言った、「茶を喫して去れ」。問うた、「如何なるか是れ然燈の前」。師は言った、「然燈の後」。曰く、「如何なるか是れ然燈の後」。師は言った、「然燈の前」。曰く、「如何なるか是れ正に然燈」。師は言った、「茶を喫して去れ」。問うた、「如何なるか是れ第二の月」。師は言った、「汝問ひ我答ふ」。

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