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五燈會元巻第七

宋 · 普济 · 第58巻 / 144

婺州齊雲山遇臻禪師

婺州齊雲山遇臻禪師

越州楊氏子。僧問。如何是無縫塔。師曰。五六尺。其僧禮拜。師曰。塔倒也。問。圓明瞭知。為甚麼不因心念。師曰。圓明瞭知。曰。何異心念。師曰。汝喚甚麼作心念。秋夕閑坐。偶成頌曰。秋庭肅肅風𮨱𮨱。寒星列空蟾魄高。搘頥靜坐神不勞。鳥窠無端吹布毛。

越州楊氏の子。僧が問うた:「どうして無縫塔ですか。」師は言った:「五六尺。」那の僧は礼拜した。師は言った:「塔倒れた。」問うた:「圓明了知して、何の故に心念に因らざる。」師は言った:「圓明了知。」僧は言った:「何の異か心念に。」師は言った:「あなたは何を喚んで心念と作す。」秋の夕べ閑坐して、偶たり頌を成して言った:「秋庭肅肅として風風𮨱𮨱たり、寒星空に列り蟾魄高し。頤を支えて靜坐すれば神勞せず、鳥窠端無く布毛を吹く。」

溫州瑞鹿寺本先禪師

溫州瑞鹿寺本先禪師

本州鄭氏子。參天台國師。導以非風幡動。仁者心動之語。師即悟解。爾後示徒曰。吾初學天台法門。語下便薦。然千日之內。四儀之中。似物礙膺。如讐同所。千日之後。一日之中。物不礙膺。讐不同所。當下安樂。頓覺前咎。乃述頌三首。一.非風幡動仁者心動。曰。非風幡動唯心動。自古相傳直至今。今後水雲人慾曉。祖師真是好知音。二.見色便見心。曰。若是見色便見心。人來問著方難答。更求道理說多般。孤負平生三事衲。三.明自己。曰。曠大劫來祇如是。如是同天亦同地。同地同天作麼形。作麼形兮無不是。師自爾足不歷城邑。手不度財貨。不設臥具。不衣繭絲。日唯一食。終日宴坐。申旦誨誘。踰三十載。其志彌厲。上堂。你諸人還見竹林蘭若.山水院舍人眾麼。若道見。則心外有法。若道不見。爭奈竹林蘭若.山水院舍人眾。現在摐然地。還會恁麼告示麼。若會。不妨靈利。無事莫立。上堂。大凡參學未必學。問話是參學未必學。揀話是參學未必學。代語是參學未必學。別語是參學未必學。捻破經論中奇特言語是參學。未必捻破祖師奇特言語是參學。若於如是等參學。任你七通八達。於佛法中儻無見處。喚作乾慧之徒。豈不聞古德道。聰明不敵生死。乾慧豈免苦輪。諸人若也參學。應須真實參學始得。行時行時參取。立時立時參取。坐時坐時參取。眠時眠時參取。語時語時參取。默時默時參取。一切作務時。一切作務時參取。既向如是等時參。且道參箇甚人。參箇甚麼語。到這裡。須自有箇明白處始得。若不如是。喚作造次之流。則無究了之旨。上堂。幽林鳥呌。碧㵎魚跳。雲片展張。瀑聲嗚咽。你等還知得如是多景象。示你等箇入處麼。若也知得。不妨參取好。上堂。天台教中說文殊.觀音.普賢三門。文殊門者一切色。觀音門者一切聲。普賢門者不動步而到。

本州鄭氏の子。天臺國師に參し、導くに是れ風幡動に非ず、仁者の心動の語を以てす。師は即ち悟解した。此の後徒に示して言った:「吾は初め天臺法門を學ぶ、語の下に便ち薦す。然るに千日の内、四儀の中、物に膺に碍ゆる似たり、仇と所を同じくするが如し。千日の後、一日の中に、物は膺に碍えず、仇は所を同じくせず。當下に安樂して、頓らく前の咎を覺えたり。」就ち頌三首を述べた。一、非風幡動仁者心動、説く:「風幡の動に非ず唯だ心動、自古相傳直に今に至る。今後の水雲の人曉らんと欲せば、祖師真に是れ好い知音。」二、色を見れば便ち心を見る、説く:「若し是れ色を見れば便ち心を見るならば、人來りて問い著けば方に答え難し。更に道理を求めて多般を説かば、平生の三事衲を孤負せん。」三、自己を明らかにす、説く:「曠大劫より來りて只だ是の如し、是の如く天と同じく亦た地と同じ。地と同じく天と同じくして作麼の形、作麼の形か無是れ有らず。」師は自ら爾より足は城邑を歷らず、手は財貨を度らず、臥具を設けず、繭絲を衣せず、日に唯だ一食、終日宴坐して、旦まで誨誘すこと、三十載を逾え、其の志彌々厲し。上堂:「あなたがたは還た竹林蘭若、山水院舍の人衆を見るか。若し見ると道わば、則ち心外に法有り。若し見ずと道わば、争奈竹林蘭若、山水院舍の人衆、現に摐然たるを。還た此の如く告示するを會するか。若し會せば、妨げず靈利。没事立つな。」上堂:「大凡參學は未だ必ずしも學ならず。問話は參學なれど未だ必ずしも學ならず。揀話は參學なれど未だ必ずしも學ならず。代語は參學なれど未だ必ずしも學ならず。別語は參學なれど未だ必ずしも學ならず。經論中の奇特の言語を捻破するは是れ參學。未だ必ずしも祖師の奇特の言語を捻破するは是れ參學ならず。若し是の如き等に參學せば、あなたの七通八達に任ずれども、佛法中に於て倘し見る處無ければ、喚んで乾慧の徒と作す。豈に聞かざらんや、古德が道う、聰明は生死に敵せず、乾慧は豈に苦輪を免れんや、と。諸人若し也た參學せば、應に須く真實に參學してこそ得ん。行く時は行く時に參取し、立つ時は立つ時に參取し、坐す時は坐す時に參取し、眠る時は眠る時に參取し、語る時は語る時に參取し、默する時は默する時に參取し、一切の作務の時は一切の作務の時に參取せよ。既に是の如き等の時に向かって參ず、且く道え箇の甚の人を參ず。箇の何の語を參ず。此の裏に到りて、須く自ら箇の明白の處有ってこそ得ん。若し是の如くならずんば、喚んで造次の流と作す、則ち究了の旨無し。」上堂:「幽林に鳥叫び、碧澗に魚跳る。雲片展張し、瀑聲嗚咽す。あなたがたは還た是の如き多き景象が、あなたがたに箇の入る處を示すを知るか。若し也た知らば、妨げず參取するが好し。」上堂:「天臺の教中に説く、文殊、觀音、普賢の三門。文殊門は一切の色。觀音門は一切の聲。普賢門は歩を動かさずして到ると。」

我道文殊門者不是一切色。觀音門者不是一切聲。普賢門者是箇甚麼。莫道別卻天台教說話。無事且退。上堂。舉僧問長沙。南泉遷化向甚麼處去。沙曰。東家作驢。西家作馬。僧曰。學人不會。沙曰。要騎便騎。要下即下。師曰。若是求出三界修行底人。聞這箇言語。不妨狐疑。不妨驚怕。南泉遷化向甚處去。東家作驢。西家作馬。或有會雲。千變萬化。不出真常。或有會雲。須會異類中行。始會得這箇言語。或有會雲。東家是南泉。西家是南泉。或有會雲。東家郎君子。西家郎君子。或有會雲。東家是甚麼。西家是甚麼。或有會雲。便作驢呌。又作馬嘶。或有會雲。喚甚麼作東家驢。喚甚麼作西家馬。或有會雲。既問遷化。答在問處。或有會雲。作露柱處去也。或有會雲。東家作驢。西家作馬。虧南泉甚處。如是諸家會也。總於佛法有安樂處。南泉遷化向甚處去。東家作驢。西家作馬。學人不會。要騎便騎。要下即下。這箇話不消得多道理而會。若見法界性去。也沒多事。珍重。上堂。鑑中形影。唯憑鑑光顯現。你等諸人所作一切事。且道唯憑箇甚麼顯現。還知得麼。若也知得。於參學中千足萬足。無事。莫立。上堂。你等諸人。夜間眠熟不知一切。既不知一切。且問你等那時有本來性。無本來性。若道那時有本來性。又不知一切。與死無異。若道那時無本來性。睡眠忽省。覺知如故。還會麼。不知一切與死無異。睡眠忽省覺知如故。如是等時。是箇甚麼。若也不會。各體究取。無事.莫立。上堂。諸法所生。唯心所現。如是言語。好箇入底門戶。且問你等諸人。眼見一切色。耳聞一切聲。鼻嗅一切香。舌了一切味。身觸一切耎滑。意分別一切諸法。祇如眼耳鼻舌身意所對之物。為復唯是你等心。為復非是你等心。若道唯是你等心。何不與你等身都作一塊了休。為甚麼所對之物。

(師は続けて言った:)「我が道う、文殊門は一切の色に非ず。觀音門は一切の聲に非ず。普賢門は箇の何か。別に天臺の教説話を却くと道うな。没事且く退け。」上堂。擧ぐ、僧が長沙に問う:「南泉遷化して何の處に向かって去る。」長沙が言った:「東家に驢を作し、西家に馬を作す。」僧は言った:「學人會せず。」長沙は言った:「騎らんと要すれば便ち騎り、下りんと要すれば即ち下れ。」師は言った:「若し是れ三界を出でんと求めて修行するの人、此箇の言語を聞かば、妨げず狐疑し、妨げず驚怕せん。南泉遷化して甚の處に向かって去る。東家に驢を作し、西家に馬を作す。或るに會して言わん、千變萬化も、真常を出でず、と。或るに會して言わん、須く異類中の行を會して、始めて此箇の言語を會得せん、と。或るに會して言わん、東家是れ南泉、西家是れ南泉、と。或るに會して言わん、東家の郎君子、西家の郎君子、と。或るに會して言わん、東家是れ何、西家是れ何、と。或るに會して言わん、便ち驢の叫びを作し、又た馬の嘶を作す、と。或るに會して言わん、何を喚んで東家の驢と作し、何を喚んで西家の馬と作す、と。或るに會して言わん、既に遷化を問う、答えは問う處に在り、と。或るに會して言わん、露柱の處を作して去りぬ、と。或るに會して言わん、東家に驢を作し、西家に馬を作す、南泉の甚の處を虧く、と。是の如き諸家の會、總に佛法に於て安樂の處有り。南泉遷化して甚の處に向かって去る、東家に驢を作し、西家に馬を作す。學人會せず。騎らんと要すれば便ち騎り、下りんと要すれば即ち下れ。此箇の話は多くの道理を消すること要せずして會す。若し法界の性を見て去れば、也た多事無し。珍重。」上堂:「鑑中の形影、唯だ鑑光に憑りて顯現す。あなたがた諸人の作す一切の事、且く道え唯だ箇の何に憑りて顯現する。還た知ることを得るか。若し也た知らば、參學中に於て千足萬足なり。没事。立つな。」上堂:「あなたがた諸人、夜間に眠り熟して一切を知らず。既に一切を知らず、且くあなたがたに問う、那の時本來性有るか、本來性無きか。若し那の時本來性有りと道わば、又た一切を知らず、死と異る無し。若し那の時本來性無しと道わば、睡眠忽ち省まり、覺知故の如し。還た會するか。一切を知らずして死と異る無し、睡眠忽ち省まりて覺知故の如し。是の如き等の時、是れ箇の何か。若しも會せざれば、各々體究取せよ。没事。立つな。」上堂:「諸法の生ずる所、唯心の現ずる所。是の如き言語、好い入るの門戶。且くあなたがた諸人に問う、眼は一切の色を見、耳は一切の聲を聞き、鼻は一切の香を嗅ぎ、舌は一切の味を了し、身は一切の軟滑に觸れ、意は一切の諸法を分別す。只だ眼耳鼻舌身意の對する所の物の如き、爲れ復た唯だ是れあなたがたの心か、爲れ復た是れあなたがたの心に非ずや。若し唯だ是れあなたがたの心と道わば、何ぞあなたがたの身と都て一塊を作して休せざる。何の故に對する所の物は、」

卻在你等眼耳鼻舌身意外。你等若道眼耳鼻舌身意所對之物非是你等心。又爭奈諸法所生。唯心所現。言語留在世間。何人不舉著。你等見這箇說話還會麼。若也不會。大家用心商量教會去。幸在其中。莫令厭學。無事且退。大中祥符元年二月。謂上足如晝曰。可造石龕。中秋望日。吾將順化。晝稟命即成。及期。遠近士庶奔趨瞻仰。是日參問如常。至午坐方丈。手結寶印。謂晝曰。古人云。騎虎頭。打虎尾。中央事。作麼生。晝曰。也祇是如晝。師曰。你問我。晝乃問。騎虎頭。打虎尾。中央事。和尚作麼生。師曰。我也弄不出。言訖奄然。開一目微視而逝。

(師は続けて言った:)「却ってあなたがたの眼耳鼻舌身意の外に在る。あなたがた若し眼耳鼻舌身意の對する所の物は是れあなたがたの心に非ずと道わば、又た争奈、諸法の生ずる所、唯心の現ずる所とするを。言語世間に留まりて、何人か擧著せざる。あなたがたは此箇の說話を見て還た會するか。若しも會せざれば、大家心を用いて商量して會を教うて去れ。幸に其の中に在り、學を厭わしむるな。没事且く退け。」大中祥符元年二月、上足の如晝に對して言った:「石龕を造るべし。中秋の望日、吾將に化に順わんとす。」如晝は命を稟けて即ち成した。期に及び、遠近の士庶は奔趨して瞻仰した。是の日參問は常の如し。午に至りて方丈に坐し、手に寶印を結び、如晝に對して言った:「古人説く、虎頭に騎り、虎尾を打つ。中央の事、作麼生。」如晝は言った:「也た只だ是れ如晝。」師は言った:「あなたは我に問え。」如晝は就ち問うた:「虎頭に騎り、虎尾を打つ。中央の事、和尚は作麼生。」師は言った:「我も亦た弄じ出ださず。」言い訖わりて奄然として、一目を開きて微かに視て逝った。

杭州興教洪壽禪師

杭州興教洪壽禪師

同國師普請次。聞墮薪有省。作偈曰。撲落非他物。縱橫不是塵。山河及大地。全露法王身。

國師と普請する時に同じくして、墮薪を聞きて省有り。偈を作して言った:「撲落は他の物に非ず、縱橫は是れ塵に非ず。山河及び大地、全く法王身を露す。」

蘇州承天永安道原禪師

蘇州承天永安道原禪師

僧問。如何是佛。師曰。咄。這旃陀羅。曰。學人初機。乞師方便。師曰。汝問甚麼。曰。問佛。師曰。咄。這旃陀羅。

僧が問うた:「どうして佛ですか。」師は言った:「咄、此の旃陀羅。」僧は言った:「學人は初機、師の方便を乞う。」師は言った:「あなたは何を問う。」僧は言った:「佛を問う。」師は言った:「咄、此の旃陀羅。」

清涼欽禪師法嗣

淸涼欽禪師法嗣

洪州雲居道齊禪師

洪州雲居道齊禪師

本州金氏子。徧歷禪會。學心未息。後於上藍院主經藏。法燈一日謂師曰。有人問我西來意。答它曰。不東不西。藏主作麼生會。師對曰。不東不西。燈曰。與麼會又爭得。曰。道齊祇恁麼。未審和尚尊意如何。燈曰。他家自有兒孫在。師於是頓明厥旨。有頌曰。接物利生絕妙。外生終是不肖。他家自有兒孫。將來用得恰好。住後。僧問。如何是佛。師曰。汝是阿誰。問。荊棘林中無出路。請師方便為畬開。師曰。汝擬去甚麼處。曰。幾不到此。師曰。閑言語。問。不免輪回。不求解脫時如何。師曰。還曾問建山麼。曰。學人不會。乞師方便。師曰。放你三十棒。問。如何是三寶。師曰。汝是甚麼寶。曰。如何。師曰。土木瓦礫。師著語要搜玄.拈古代別等。盛行叢林。至道三年丁酉九月。示疾。鐘聲集眾。乃曰。老僧三處住持三十餘年。十方兄弟。相聚話道。主事頭首。勤心贊助。老僧今日火風相逼。特與諸人相見。諸人還見麼。今日若見是末後方便。諸人向甚麼處見。為向四大五陰處見。六入十二處見。這裡若見。可謂雲居山二十年間後學有賴。吾去後。山門大眾分付契瓌開堂住持。凡事勤而行之。各自努力。珍重。大眾才散。師歸西挾而逝。塔於本山。

本州金氏の子。遍く禪會を歷るも、學心未だ息まず。後來上藍院に於て經藏を主った。法燈が一天、師に對して言った:「人我に西來意を問う有りて、彼に答えて言う、東にも西にもあらず、と。藏主は作麼生に會する。」師は對して言った:「東にも西にもあらず。」法燈は言った:「此の如く會して又た争でか得せん。」師は言った:「道齊は只だ此の如し。未だ審かならず和尚の尊意は如何。」法燈は言った:「他家自ら兒孫在り。」師は是に於て頓らく厥の旨を明した。頌有りて言った:「物に接し生を利すること絕妙なり、外に生ずるは終に是れ不肖。他家自ら兒孫有り、將來用いて恰好を得ん。」住持して以後、僧が問うた:「どうして佛ですか。」師は言った:「あなたは是れ阿誰。」問うた:「荆棘林の中に出路無し、師の方便を請うて為に畲開せ。」師は言った:「あなたは擬して何の處に去らんとする。」僧は言った:「幾ど此に到らず。」師は言った:「閑言語。」問うた:「輪回を免れず、解脱を求めざる時はいかに。」師は言った:「還た曾て建山に問うたか。」僧は言った:「學人會せず、師の方便を乞う。」師は言った:「あなたに三十棒を放つ。」問うた:「どうして三寶ですか。」師は言った:「あなたは何の寶か。」僧は言った:「如何。」師は言った:「土木瓦礫。」師は語要搜玄、拈古代別等を著して、叢林に盛行した。至道三年丁酉九月、疾を示した。鐘聲に衆集まれば、就ち言った:「老僧は三處に住持して三十餘年。十方の兄弟、相聚まりて道を話す。主事の頭首、勤心して贊助す。老僧は今日火風相逼う、特に諸人と相見す。諸人は還た見るか。今日若し見れば是れ末後の方便。諸人は何の處に向かって見る。爲に四大五陰の處に向かって見るか、六入十二處に見るか。此の裏若し見れば、謂うべし雲居山二十年の間後學に頼み有らんと。吾去らば後、山門の大衆は契瓌に分付して開堂住持せしめん。凡事勤めて之を行ぜ。各々自ら努力せよ。珍重。」大衆纔かに散ぜば、師は西挾に歸りて逝った。本山に塔す。

靈隱聳禪師法嗣

靈隱聳禪師法嗣

杭州功臣院道慈禪師

杭州功臣院道慈禪師

僧問。師登寶座。大眾鹹臻。便請舉揚宗教。師曰。大眾證明。曰。恁麼則亙古亙今也。師曰。也須領話。

僧が問うた:「師は寶座に登り、大衆咸く臻る。便ち宗教を擧揚せんことを請う。」師は言った:「大衆が證明す。」僧は言った:「そうすれば亘古亘今です。」師は言った:「也た須く話を領け。」

秀州羅漢院願昭禪師

秀州羅漢院願昭禪師

錢塘人也。上堂。山河大地是真善知識。時常說法。時時度人。不妨諸上座參取。僧問。羅漢家風。請師一句。師曰。嘉禾合穗。上國傳芳。曰。此猶是嘉禾家風。如何是羅漢家風。師曰。或到諸方。分明舉似。後住杭州香嚴寺。僧問。不立纖塵。請師直道。師曰。眾人笑汝。曰。如何領會。師曰。還我話頭來。

錢塘の人。上堂:「山河大地は真の善知識。時常に法を説き、時時に人を度す。妨げず諸位の上座は參取せよ。」僧が問うた:「羅漢の家風、師の一句を請う。」師は言った:「嘉禾穗を合し、上國に芳を傳う。」僧は言った:「此れ猶是れ嘉禾の家風。どうして羅漢の家風ですか。」師は言った:「或いは諸方に到らば、分明に擧似せよ。」後來杭州香嚴寺に住した。僧が問うた:「纖塵を立てず、師に直に道わんことを請う。」師は言った:「衆人あなたを笑う。」僧は言った:「如何に領會せん。」師は言った:「我が話頭を還せ。」

處州報恩院師智禪師

處州報恩院師智禪師

僧問。如何是和尚家風。師曰。誰人不見。問。如何是一相三昧。師曰。青黃赤白。曰。一相何在。師曰。汝卻靈利。問。祖祖相傳傳祖印。師今法嗣嗣何人。師曰。靈鷲峰前。月輪皎皎。

僧が問うた:「どうして和尚の家風ですか。」師は言った:「誰人か見ざる。」問うた:「どうして一相三昧ですか。」師は言った:「青黃赤白。」僧は言った:「一相何に在る。」師は言った:「あなたは却って靈利。」問うた:「祖祖相傳して祖印を傳う。師今法嗣は何人に嗣ぐ。」師は言った:「靈鷲峰の前、月輪皎皎。」

衢州瀫寧可先禪師

衢州瀫寧可先禪師

僧問。如何是瀫寧家風。師曰。謝指示。問。如何是西來意。師曰。怪老僧甚麼處。曰。學人不會。乞師方便。師曰。適來豈不是問西來意。

僧が問うた:「どうして瀫寧の家風ですか。」師は言った:「指示に謝す。」問うた:「どうして西來意ですか。」師は言った:「老僧を怪むは何の處か。」僧は言った:「學人會せず、師の方便を乞う。」師は言った:「適來は豈に是れ西來意を問うに非ずや。」

杭州光孝院道端禪師

杭州光孝院道端禪師

僧問。如何是佛。師曰。高聲問著。曰。莫即便是也無。師曰。沒交涉。後住靈隱。示滅。

僧が問うた:「どうして佛ですか。」師は言った:「高き聲に問い著けよ。」僧は言った:「便ち是れならざるを莫し。」師は言った:「沒交涉。」後來靈隱に住して、示滅した。

杭州西山保清院遇寧禪師

杭州西山保淸院遇寧禪師

開堂陞座。有二僧一時禮拜。師曰。二人俱錯。僧擬進語。師便下座。

開堂して座に升る。二の僧有りて一時に礼拜した。師は言った:「二人俱に錯なり。」僧は擬して語を進めんとすれば、師は便ち座を下りた。

福州支提雍熈辯隆禪師

福州支提雍熈辯隆禪師

明州人也。上堂。巍巍實相。畐塞虗空。金剛之體。無有破壞。大眾還見不見。若言見也。且實相之體本非青黃赤白。長短方圓。亦非見聞覺知之法。且作麼生說箇見底道理。若言不見。又道巍巍實相。畐塞虗空。為甚麼不見。僧問。如何是向上一路。師曰。腳下底。曰。恁麼則尋常履踐。師曰。莫錯認。問。如何是堅密身。師曰。倮倮地。曰。恁麼則不密也。師曰。見箇甚麼。

明州の人。上堂:「巍巍たる實相、虛空に畐塞す。金剛の體、破壞有ること無し。大衆は還た見るや見ざるや。若し見たりと言わば、且つ實相の體は本より青黃赤白に非ず、長短方圓に非ず、亦た見聞覺知の法に非ず。且く作作麼生に箇の見るの道理を説く。若し見ずと言わば、又た道う巍巍たる實相、虛空に畐塞す。何の故に見ざる。」僧が問うた:「どうして向上の一路ですか。」師は言った:「脚下の。」僧は言った:「そうすれば尋常に履踐。」師は言った:「錯りて認むるな。」問うた:「どうして堅密身ですか。」師は言った:「裸裸たり。」僧は言った:「そうすれば密ならず。」師は言った:「箇の何を見る。」

杭州瑞龍院希圓禪師

杭州瑞龍院希圓禪師

僧問。如何是和尚家風。師曰。特謝闍黎借問。曰。借問則不無。家風作麼生。師曰。瞌睡漢。

僧が問うた:「どうして和尚の家風ですか。」師は言った:「特に闍黎の借問に謝す。」僧は言った:「借問は則ち無くは無し。家風は作麼生。」師は言った:「瞌睡の漢。」

歸宗柔禪師法嗣

歸宗柔禪師法嗣

南康軍羅漢行林祖印禪師

南康軍羅漢行林祖印禪師

僧問。天垂甘露。地湧七珍。是甚麼人分上事。師曰。謝汝相報。曰。恁麼則佛子住此地。即是佛受用去也。師曰。更須子細。上堂才坐。忽有貓兒跳上身。師提起示眾曰。昔日南泉親斬卻。今朝耶舍示玄徒。而今賣與諸禪客。文契分明要也無。良久。拋下貓兒。便下座。

僧が問うた:「天は甘露を垂れ、地は七珍を涌かす。是れ何人の分上の事か。」師は言った:「あなたの相報に謝す。」僧は言った:「そうすれば佛子が此の地に住すれば、即ち是れ佛の受用に去りました。」師は言った:「更に須く子細なるべし。」上堂して纔かに坐せば、忽ち猫兒有りて身に跳び上がった。師は提げ起して衆に示して言った:「昔日南泉は親く斬り却し、今朝耶舍は玄徒に示す。而今は諸の禪客に賣與す、文契分明に要るか無しや。」久しく過ぎて、猫兒を抛下して、便ち座を下りた。

明州天童新禪師

明州天童新禪師

僧問。如何是密作用。師曰。何曾密。問。心徑未通時如何。師曰。甚麼物礙汝。問。求之不得時如何。師曰。用求作麼。曰。如何即是。師曰。何曾失卻。問。如何是天童境。師曰。雲無人種生何極。水有誰教去不回。

僧が問うた:「どうして密の作用ですか。」師は言った:「何曾て密あらん。」問うた:「心徑未だ通通ぜざる時はいかに。」師は言った:「何の物かあなたを碍ぐ。」問うた:「之を求めて得ざる時はいかに。」師は言った:「求を用いて作麼。」僧は言った:「如何にか即是。」師は言った:「何曾て失却せん。」問うた:「どうして天童の境ですか。」師は言った:「雲に人種せる無し、生ずるは何れの極か、水に教ふる誰有らん、去りて回らず。」

杭州功臣覺軻心印禪師

杭州功臣覺軻心印禪師

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