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五燈會元卷第十

宋 · 普济 · 第71巻 / 144

郢州興陽山希隱禪師

郢州興陽山希隱禪師

僧問。如何是懸崖撒手底句。師曰。明月照幽谷。曰。如何是絕後再蘇底句。師曰。白雲生太虗。曰。恁麼則樵夫出林丘。處處歌春色。師曰。是人道得。上堂。了見不見。見了未了。路上行人。林間宿鳥。月裡塔高十二層。天外星纏五百杪。要會麼。手執夜明符。幾箇知天曉。參。

僧が問うた:「どうして懸崖に手を撒くの句ですか。」師は言った:「明月幽谷を照らす。」言った:「どうして絶後再び甦るの句ですか。」師は言った:「白雲太虛に生ず。」言った:「そうすれば樵夫林丘を出でて、處處春色を歌う。」師は言った:「是れ人道い得る。」上堂:「了に見えて見えず、見えて未だ了せず。路上の行人、林間の宿鳥。月裏塔高さ十二層、天外星五百杪に纏る。會せんと要するか。手に夜明の符を執りて、幾箇か天の曉くるを知る。參。」

石門進禪師法嗣

石門進禪師法嗣

明州瑞巖智才禪師

明州瑞岩智才禪師

僧問。如何是截斷眾流句。師曰。好。曰。如何是隨波逐浪句。師曰。隨。曰。如何是函葢乾坤句。師曰。合。曰。三句蒙師指。如何辯古今。師曰。向後不得錯舉。上堂。天平等故常覆。地平等故常載。日月平等故四時常明。涅槃平等故聖凡不二。人心平等故高低無諍。拈拄杖卓一下。曰。諸禪者。這拄杖子晝夜為諸人說平等法門。還聞麼。若聞去。敢保諸人行腳事畢。若言不聞。亦許諸人頂門眼正。何故。是法平等。無有高下。是名阿耨多羅三藐三菩提。良久。笑曰。向下文長。

僧が問うた:「どうして衆流を截斷する句ですか。」師は言った:「好し。」言った:「どうして波に隨い浪を逐う句ですか。」師は言った:「隨う。」言った:「どうして乾坤を函蓋する句ですか。」師は言った:「合す。」言った:「三句師の指を蒙りて、如何にか古今を辯ぜん。」師は言った:「已後錯りて擧ぐるを得ず。」上堂:「天平等なるが故に常に覆い、地平等なるが故に常に載せ、日月平等なるが故に四時常に明らかにして、涅槃平等なるが故に聖凡二ならず、人心平等なるが故に高低諍無し。」拄杖を拈じて一卓して、言った:「諸の禪者、此の拄杖子は晝夜諸人の爲に平等法門を説く、還た聞くか。若し聞き去れば、敢えて諸人の行脚の事已に畢せんを保す。若し聞こえずと言わば、亦た諸人に許して頂門の眼正しきなり。何の故ぞ。是れ法平等にして、高下有る無し、是れを名づけて阿耨多羅三藐三菩提と爲す。」良く久しくして、笑いて言った:「下に向かう文長し。」

金山頴禪師法嗣

金山穎禪師法嗣

潤州普慈院崇珍禪師

潤州普慈院崇珍禪師

僧問。如何是普慈境。師曰。出門便見鶴林山。曰。如何是境中人。師曰。入門便見珍長老。

僧が問うた:「どうして普慈の境ですか。」師は言った:「門を出でれば便ち鶴林山を見る。」言った:「どうして境中の人ですか。」師は言った:「門に入れば便ち珍長老を見る。」

太平州瑞竹仲和禪師

太平州瑞竹仲和禪師

僧問。得坐披衣人盡委。向上宗乘事若何。師曰。但知冰是水。曰。更有事也無。師曰。休問水成冰。曰。弄潮須是弄潮人。師曰。這僧從浙中來。

僧が問うた:「坐を得て衣を披く人盡く委ねたり、向上宗乘の事若何。」師は言った:「但だ冰は水なるを知れ。」言った:「更に事有るか無しや。」師は言った:「水の冰と成るを問うを休めよ。」言った:「潮を弄するに須く是れ潮を弄する人。」師は言った:「此の僧は浙中より來れり。」

潤州金山懷賢圓通禪師

潤州金山懷賢圓通禪師

僧問。師揚宗旨。得法何人。師拈起拂子。僧曰。鐵甕城頭曾印證。碧溪崖畔祖燈輝。師拂一拂。曰。聽事不真。喚鐘作甕。

僧が問うた:「師は宗旨を揚げ、法を得て何人。」師は拂子を拈じ起こした。僧は言った:「鐵甕城頭曾て印證し、碧溪崖畔祖燈輝く。」師は拂を一拂して、言った:「事を聽くこと眞ならず、鐘を喚びて甕と作す。」

越州石佛寺顯忠祖印禪師

越州石佛寺顯忠祖印禪師

僧問。如何是不動尊。師曰。熱鏊上猢猻。曰。如何是千百億化身。師曰。添香換水。點燈掃地。曰。如何是毗盧師法身主。師曰。繫馬柱。曰。有甚麼交涉。師曰。縛殺這漢。問。會殺佛祖底始是作家。如何是殺佛祖底劒。師曰。不斬死漢。曰。如何是和尚劒。師曰。令不重行。問。如何是相生。師曰。山河大地。曰。如何是想生。師曰。兔子望月。曰。如何是流注生。師曰。無間斷。曰。如何是色空。師曰。五彩屏風。上堂。咄咄咄。海底魚龍盡枯竭。三腳蝦蟇飛上天。脫殻烏龜火中活。上堂。點時不到。皂白未分。到時不點。和泥合水。露柱𨁝跳入燈籠裡。即且從他。汝眉毛因甚麼卻拖在腳跟下。直饒於此明得。也是猢猻戴席帽。於此未明。何異曲[(乏-之+蟲)*善]穿靴。然雖如此。笑我者多。哂我者少。

僧が問うた:「どうして不動尊ですか。」師は言った:「熱鏊上の猢猻。」言った:「どうして千百億の化身ですか。」師は言った:「香を添え水を換え、燈を點じ地を掃く。」言った:「どうして毘盧師法身の主ですか。」師は言った:「馬を繫ぐ柱。」言った:「何の交涉有る。」師は言った:「此の漢を縛殺す。」問うた:「佛祖を殺すを會する始めて是れ作家、どうして佛祖を殺すの劍ですか。」師は言った:「死漢を斬らず。」言った:「どうして和尚の劍ですか。」師は言った:「令重ねて行われず。」問うた:「どうして相生ですか。」師は言った:「山河大地。」言った:「どうして想生ですか。」師は言った:「兔子月を望む。」言った:「どうして流注生ですか。」師は言った:「間斷無し。」言った:「どうして色空ですか。」師は言った:「五彩の屏風。」上堂:「咄咄咄、海底魚龍盡く枯竭す。三脚蝦蟆天に飛び上り、殼を脫く烏龜火中に活す。」上堂:「點ずる時到らず、皁白未だ分かたず。到る時點ぜず、泥と和し水に合す。露柱跳び入りて燈籠裏に入るは、即ち且く他に從え。あなたの眉毛因りて何んとか却って脚跟下に拖る。直に饒く此に於て明らかに得るも、也た是れ猢猻席帽を戴く。此に於て未だ明らかならざれば、何ぞ曲蟮靴を穿つに異ならん。然りと雖も此の如しと雖も、我を笑う者は多く、我を哂う者は少なし。」

杭州淨住院居說真淨禪師

杭州淨住院居說眞淨禪師

參達觀。遂問曰。某甲經論粗明。禪直不信。願師決疑。觀曰。既不信禪。豈可明經。禪是經綱。經是禪網。提綱正網。了禪見經。師曰。為某甲說禪看。觀曰。向下文長。師曰。若恁麼。經與禪乃一體。觀曰。佛及祖非二法。如手搦拳。如拳搦手。師因而有省。乃成偈曰。二十餘年用意猜。幾番曾把此心灰。而今潦倒逢知己。李白元來是秀才。

達觀に參し、遂に問うて言った:「某甲經論粗り明らか、禪は直に信せず。願わくは師疑を決せん。」達觀は言った:「既に禪を信ぜず、豈に經を明らかにすべけん。禪は是れ經の綱、經は是れ禪の網。綱を提げ網を正すれば、禪を了し經を見ん。」師は言った:「某甲の爲に禪を説き看よ。」達觀は言った:「下に向かう文長し。」師は言った:「若し此の如くなれば、經と禪とは乃ち一體。」達觀は言った:「佛及び祖は二法に非ず。手の拳を搦むるが如く、拳の手を搦むるが如し。」師は因りて省有りて、乃ち偈を成して言った:「二十餘年意を用いて猜み、幾番か曾て此の心を灰に把りたり。而今潦倒として知己に逢う、李白元來是れ秀才。」

安吉州西餘山拱辰禪師

安吉州西余山拱辰禪師

上堂。靈雲見華。眼中著翳。玄沙蹙指。體上遭迍。不知且恁麼過時。自然身心安樂。上堂。理因事有。心逐境生。事境俱忘。千山萬水。作麼生得恰好去。良久曰。且莫剜肉成瘡。師有祖源通要三十卷行於世。

上堂:「靈雲花を見て、眼中に翳を著く。玄沙指を蹙れて、體上に迍を遭う。知らずして且く此の如く時を過すれば、自然に身心安樂。」上堂:「理は事に因りて有り、心は境に逐いて生ず。事境俱に忘れれば、千山萬水。作麼生に恰好に得て去らん。」良く久しくして言った:「且く肉を剜きて瘡と成すを莫れ。」師は《祖源通要》三十卷有りて世に行わる。

蘇州崑山般若寺善端禪師

蘇州崑山般若寺善端禪師

僧問。有生有滅。盡是常儀。無生無滅時如何。師曰。崑崙著靴空中立。曰。莫便是為人處也無。師曰。石女簪花火裡眠。曰。大眾證明。師曰。更看泥牛鬬入海。

僧が問うた:「生有り滅有りは、盡く是れ常儀。無生無滅の時はいかに。」師は言った:「崑崙靴を着けて空中に立つ。」言った:「莫れ便ち是れ人を爲す處か無しや。」師は言った:「石女花を簪きて火裏に眠る。」言った:「大衆證明せよ。」師は言った:「更に泥牛の鬪りて海に入るを看よ。」

節使李端願居士

節使李端願居士

兒時在舘舍。常閱禪書。長雖婚宦。然篤志祖道。遂於後圃築室類蘭若。邀達觀處之。朝夕諮參。至忘寢食。觀一日視公曰。非示現力。豈致爾哉。奈無箇所入何。公問曰。天堂地獄。畢竟是有是無。請師明說。觀曰。諸佛向無中說有。眼見空花。太尉就有裡尋無。手摣水月。堪笑眼前見牢獄。不避心外聞天堂。欲生殊不知忻怖在心。善惡成境。太尉但了自心。自然無惑。公曰。心如何了。觀曰。善惡都莫思量。公曰。不思量後。心歸何所。觀曰。且請太尉歸宅。公曰。祇如人死後。心歸何所。觀曰。未知生。焉知死。公曰。生則某已知之。觀曰。生從何來。公罔措。觀起揕其𮌎曰。祇在這裡。更擬思量箇甚麼。公曰。會得也。觀曰。作麼生會。公曰。祇知貪程。不覺蹉路。觀拓開曰。百年一夢。今朝方省。既而說偈曰。三十八歲。懵然無知。及其有知。何異無知。滔滔汴水。隱隱隋堤。師其歸矣。箭浪東馳。

兒時館舍に在りて、常に禪書を閱す。長じて婚宦すと雖も、然れども志を祖道に篤うす。遂に後圃に室を築きて蘭若に類し、達觀を邀えて處せしめ、朝夕咨參して、寢食を忘るるに至る。達觀一日公を視て言った:「示現の力に非ずんば、豈に爾を致さん哉。奈ん何箇の入る所無きを。」公問うて言った:「天堂地獄は、畢竟是れ有か是れ無か。師に明く説かんことを請う。」達觀は言った:「諸佛は無中に向かって有を説き、眼空花を見る。太尉は有裏に就きて無を尋ね、手水月を抓む。堪えて笑う眼前に牢獄を見て避けず、心外に天堂を聞きて生ぜんと欲す。殊に知らず忻怖は心に在り、善惡境を成す。太尉但だ自ら心を了せば、自然に惑無し。」公は言った:「心は如何にか了せん。」達觀は言った:「善惡都て思量する莫れ。」公は言った:「思量せざる後、心何の所に歸する。」達觀は言った:「且く太尉に請うて宅に歸れ。」公は言った:「只だ如し人死して後、心何の所に歸する。」達觀は言った:「未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん。」公は言った:「生は則ち某已に之を知れり。」達觀は言った:「生は何より來る。」公罔措す。達觀起きて、其の胸を揕りて言った:「只だ此裏に在り。更に擬して箇の何を思量せん。」公は言った:「會得せり也。」達觀は言った:「作麼生に會す。」公は言った:「只だ程を貪るを知りて、路を蹉めるを覺えず。」達觀拓き開きて言った:「百年一夢、今朝方に省る。」既にして偈を説きて言った:「三十八歲、懵然として知る無し。及び其の知る有りて、何ぞ知る無きに異ならん。滔滔たる汴水、隱隱たる隋堤。師其れ歸れ矣、箭浪東に馳す。」

洞庭月禪師法嗣

洞庭月禪師法嗣

蘇州薦福亮禪師

蘇州薦福亮禪師

僧問。不假言詮。請師示誨。師曰。大眾總見汝恁麼問。曰。莫祇這便是也無。師曰。罕逢穿耳客。

僧が問うた:「言詮を假らず、師に示誨せんことを請う。」師は言った:「大衆總て見るあなたの此の如く問うを。」言った:「莫れ只だ是れ便ち是れか無しや。」師は言った:「罕に耳を穿つ客に逢う。」

仗錫己禪師法嗣

仗錫己禪師法嗣

台州黃巖保軒禪師

台州黃岩保軒禪師

僧問。不欲無言。略憑施設時如何。師曰。知而故犯。僧禮拜。師便打。

僧が問うた:「言無きを欲せず、略しく設施に憑る時はいかに。」師は言った:「知りて故に犯す。」僧は礼拜した。師は便ち打った。

龍華嶽禪師法嗣

龍華岳禪師法嗣

安吉州西餘師子淨端禪師

安吉州西余師子淨端禪師

本郡人也。姓丘氏。始見弄師子。發明心要。往見龍華。蒙印可。遂旋里。合綵為師子皮。時被之。因號端師子。丞相章公慕其道。躬請開法吳山。化風盛播。開堂日。僧官宣疏。至推倒回頭。趯翻不託。七軸之蓮經未誦。一聲之漁父先聞。師止之。遂登座拈香。祝聖罷。引聲吟曰。本是瀟湘一釣客。自西自東自南北。大眾雜然稱善。師顧笑曰。諦觀法王法。法王法如是。便下座。上堂。二月二。禪翁有何謂。春風觸目百花開。公子王孫日日醺醺醉。唯有殿前陳朝檜。不入時人意。禪家流祇這是莫思慮。坦然齋後一甌茶。長連床上伸腳睡。咄。師到華亭。眾請上堂。靈山師子。雲間哮吼。佛法無可商量。不如打箇筋斗。便下座。問。羚羊未掛角時如何。師曰。怕。曰。既是善知識。因何卻怕。師曰。山僧不曾見恁麼差異畜生。

本郡の人、姓は丘氏。始め獅子を弄ぶを見て、心要を發明す。往きて龍華を見て、印可を蒙る。遂に里に旋りて、彩を合して獅子皮と爲し、時に之を被り、因りて端獅子と號す。丞相章公其の道を慕い、躬ら吳山に法を開かんことを請うて、化風盛んに播まる。開堂の日、僧官疏を宣べて、「推倒回頭、趯翻不托。七軸の蓮經未だ誦せず、一聲の漁父先に聞ゆ」に至るに、師は之を止めた。遂に座に登りて香を拈じて、聖を祝し罷みて、聲を引きて吟じて言った:「本是れ瀟湘の一釣客、自西自東自南北。」大衆雜然として善と稱す。師は顧み笑いて言った:「諦かに觀よ法王の法、法王の法是の如し。」便ち座を下りた。上堂:「二月二、禪翁何の謂か有る。春風目に觸れて百花開く、公子王孫日日醺醺として醉う。唯有り殿前陳朝の檜、時人の意に入らず。禪家の流、只だ是れ是れ、思慮する莫れ。坦然として齋後一甌の茶、長連床上に脚を伸べて睡る。」咄。師は華亭に到りて、衆請いて上堂せしむ:「靈山の獅子、雲間に哮吼す。佛法商量すべき無し、筋斗を打つに如かず。」便ち座を下りた。問うた:「羚羊未だ角を挂けざる時はいかに。」師は言った:「怕る。」言った:「既に是れ善知識、因何にか却って怕る。」師は言った:「山僧曾て此の如き差異なる畜生を見ず。」

南嶽下十二世

南嶽下十二世

翠巖真禪師法嗣

翠岩真禪師法嗣

潭州大溈慕喆真如禪師

潭州大潙慕喆眞如禪師

撫州臨川聞氏子。僧問。趙州庭栢意旨如何。師曰。夜來風色緊。孤客已先寒。曰。先師無此語。又作麼生。師曰。行人始知苦。曰。十載走紅塵。今朝獨露身。師曰。雪上加霜。問。如何是城裡佛。師曰。萬人叢裡不插標。曰。如何是村裡佛。師曰。泥豬疥狗。曰。如何是山裡佛。師曰。絕人往還。曰。如何是教外別傳底一句。師曰。翻譯不出。問。牛頭未見四祖時如何。師曰。寒毛卓豎。曰。見後如何。師曰。額頭汗出。上堂。月生一。天地茫茫誰受屈。月生二。東西南北沒巴鼻。月生三。善財特地向南參。所以道。放行也怛薩舒光。把住也泥沙匿曜。且道放行是。把住是。良久曰。圓伊三點水。萬物自尖新。上堂。古佛道。昔於波羅奈轉四諦法輪。墮坑落壍。今復轉最妙無上大法輪。土上加泥。如今還有不歷階梯.獨超物外者麼。良久曰。出頭天外看。誰是箇中人。上堂。阿剌剌是甚麼。翻思當年破灶墮。杖子忽擊著。方知孤負我。以拄杖擊香臺一下曰。墮。墮。上堂。捫空追響。勞汝精神。夢覺覺非。復有何事。德山老人在汝諸人眉毛眼睫上。諸人還覺麼。若也覺去。夢覺覺非。若也未覺。捫空追響。終無了期。直饒向這裡倜儻分明。猶是梯山入貢。還有獨超物外者麼。良久曰。且莫詐明頭。問。大通智勝佛。十劫坐道場。為甚麼不得成佛道。師曰。苦殺人。上堂。白雲澹濘。水注滄溟。萬法本閑。復有何事。所以道。也有權。也有實。也有照。也有用。諸人到這裡。如何履踐。良久曰。但有路可上。更高人也行。上堂。山僧本無積畜。且得粥足飯足。困來即便打眠。一任東卜西卜。上堂。古者道。一釋迦。二元和。三佛陀。自餘是甚麼椀脫丘。慧光即不然。一釋迦。二元和。三佛陀。總是椀脫丘。諸人還知慧光落處麼。若也知去。許你具鐵眼銅睛。若也不知。莫謂幾經風浪險。扁舟曾向五湖遊。

撫州臨川聞氏の子。僧が問うた:「趙州庭柏意旨は如何。」師は言った:「夜來風色緊く、孤客已に先に寒し。」言った:「先師此の語無し、又た作麼生。」師は言った:「行人始めて苦を知る。」言った:「十載紅塵を走り、今朝独り身を露す。」師は言った:「雪上に霜を加う。」問うた:「どうして城裏の佛ですか。」師は言った:「萬人の叢裏に標を插さず。」言った:「どうして村裏の佛ですか。」師は言った:「泥豬疥狗。」言った:「どうして山裏の佛ですか。」師は言った:「人の往還を絶す。」言った:「どうして教外別傳の一句ですか。」師は言った:「翻譯出ださず。」問うた:「牛頭未だ四祖を見ざる時はいかに。」師は言った:「寒毛卓豎す。」言った:「見た後はいかに。」師は言った:「額頭汗出づ。」上堂:「月一を生ずれば、天地茫茫として誰か屈を受く。月二を生ずれば、東西南北巴鼻無し。月三を生ずれば、善財特に南に參ず。所以に道う、放行するも怛薩光を舒べ、把住するも泥沙曜を匿す。且く道え放行是れか、把住是れか。」良く久しくして言った:「伊を圓めて三點水、萬物自ら尖新。」上堂:「古佛道う、昔波羅奈に於て四諦の法輪を轉ず、坑に墮ち塹に落つ。今復た最妙無上の大法輪を轉ず、土上に泥を加う、と。如今還た階梯を歷ず、独り物外を超ゆる者有るか。」良く久しくして言った:「頭を出だして天外に看れば、誰か是れ箇中の人。」上堂:「阿剌剌是れ何物。翻って思う當年破竈墮を。杖子忽ち擊き著けば、方知る我に孤負せりと。」拄杖を以て香臺を一擊して言った:「墮。墮。」上堂:「空を捫り響を追うは、あなたの精神を勞す。夢覺め覺むるも非ず、復た何の事か有らん。德山老人あなたがた諸人の眉毛眼睫の上に在り、諸人還た覺るか。若し也た覺り去れば、夢覺め覺むるも非ず。若し也未だ覺らざれば、空を捫り響を追うも、終に了期無し。直に饒く此處に向かって倜儻分明なりとも、猶お是れ山を梯して貢を入る。還た独り物外を超ゆる者有るか。」良く久しくして言った:「且く明頭を詐るを莫れ。」問うた:「大通智勝佛、十劫道場に坐して、何の故に佛道を成るを得ざる。」師は言った:「人を殺す苦しみ。」上堂:「白雲澹濘、水滄溟に注ぐ。萬法本より閑、復た何の事か有らん。所以に道う、也た權有り、也た實有り、也た照有り、也た用有り。諸人此に到りて、如何にか履踐せん。」良く久しくして言った:「但だ路有りて上る可くば、更に高き人も行く。」上堂:「山僧本より積畜無く、且く粥足り飯足るを得たり。困來れば便ち眠を打ち、一任せ東卜西卜。」上堂:「古の者道う、一釋迦、二元和、三佛陀、自餘是れ何の碗脫丘か。慧光は即ち然らず。一釋迦、二元和、三佛陀、總て是れ碗脫丘。諸人還た慧光の落處を知るか。若し也た知り去れば、あなたに許して鐵眼銅睛を具す。若しも知らざれば、謂う莫れ幾經風浪險、扁舟曾て五湖に遊ぶ、と。」

上堂。拈起拄杖曰。一塵才起。大地全收。卓一下曰。妙喜世界百雜碎。且道不動如來即今在甚麼處。若人識得。可謂不動步而登妙覺。若也未識。向諸人眉毛眼睫裡涅槃去也。又卓一下。上堂。不用思而知。不用慮而解。廬陵米價高。鎮州蘿蔔大。上堂。拈起拄杖曰。智海拄杖。或作金剛王寶劒。或作踞地師子。或作探竿影草。或不作拄杖用。諸人還相委悉麼。若也委悉去。如龍得水。似虎靠山。出沒卷舒。縱橫應用。如未相委。大似日中逃影。上堂。十方同聚會。箇箇學無為。此是選佛場。心空及第歸。慧光門下直拔超升。不歷科目。諸人既到這裡。風雲布地。牙爪已成。但欠雷聲燒尾。如今為你諸人震忽雷去也。以拄杖擊禪床。下座。師於紹聖二年十月八日。無疾說偈曰。昨夜三更。風雷忽作。雲散長空。前溪月落。良久。別眾趨寂。闍維設利㪷許。大如豆。目睛齒爪不壞。門弟子分塔於京潭。

上堂、拄杖を拈じ起こして言った:「一塵纔かに起これば、大地全く收む。」一卓して言った:「妙喜世界百雜碎。且く道え不動如來即今何の處に在る。若し人之を識得せば、謂う可し步を動かさずして妙覺に登ると。若し也未だ識らざれば、諸人の眉毛眼睫裏に向かって涅槃に去る也。」又た一卓した。上堂:「思を用いずして知り、慮を用いずして解す。廬陵米價高く、鎭州蘿蔔大なり。」上堂、拄杖を拈じ起こして言った:「智海の拄杖、或いは金剛王寶劍と作し、或いは地に踞る獅子と作し、或いは探竿影草と作し、或いは拄杖の用と作さず。諸人還た相委悉するか。若し也た委悉し去れば、龍の水を得るが如く、虎の山に靠るに似たり、出沒卷舒、縱橫應用す。如し未だ相委せざれば、大いに似たり日中に影を逃る。」上堂:「十方同じく聚會し、箇箇無爲を學ぶ。此れ是れ佛を選ぶ場、心空にして及第して歸る。慧光門下直に拔きて超升し、科目を歷ず。諸人既に此に到りて、風雲地に布き、牙爪已に成り、但だ雷聲の尾を燒くを欠く。如今あなたがた諸人の爲に忽雷を震わして去る也。」拄杖を以て禪床を擊ちて、座を下りた。師は紹聖二年十月八日に、疾無く偈を説きて言った:「昨夜三更、風雷忽ち作す。雲散じて長空、前溪月落つ。」良く久しくして、衆に別れて寂に趨いた。闍維舍利斗ばかり、大なること豆の如く、目睛齒爪壞れず。門弟子塔を京、潭に分かつ。

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