重審課・分類占断
占天文 主陰雲。日之陰神發用,主陰暗;辰之陰發用,主陰雨;日辰之陽發用,有數日風雲,然必參以將神五行生旺休囚言之。 占地利 主卑下、陰暗、汙溼之地,高陵崩塌,但亦必參以上下衰旺言之。 占身命 不利尊長,陽不利父,陰不利母。兄弟動,衰則克兄弟,旺則克妻妾。父母動,衰則克父母,旺則克子孫。官鬼動則論衰旺,作龍常祿馬貴人主有官貴,如身衰鬼衰作凶將,主多官衰災疾病;或鬼旺克兄弟。如妻財動,衰主克妻,旺則克父母。如子孫動,衰則克子孫,旺則退職傷官,但有病者愈。以上俱是因卑幼陰人起禍,兼天將吉凶言之。
天象を占う:陰雲が日を蔽うを主る。もし発用が日干の陰神(第二課上神)より出れば、天色陰暗を主る。日支の陰神(第四課上神)より出れば、陰雨を主る。日干あるいは日支の陽神(第一・第三課上神)より出れば、連日の風雲変幻を主る。ただし皆必ず乗る所の天将と本神の五行生旺休囚を参照して定めなければならない。 地形地利を占う:低窪・陰暗・汚湿の地、あるいは高岡の崩塌の処を主る。同じく上神下神の衰旺を参照して言うべし。 身命を占う:尊長に利なし。発用が陽位にあれば父親に利なく、陰位にあれば母親に利なし。兄弟爻が発動し、休衰なれば兄弟を克し、旺盛なれば妻妾を克す。父母爻が発動し、休衰なれば父母を克し、旺盛なれば子孫を克す。官鬼爻の発動は衰旺を分かつべし:青龍・太常・禄神・駅馬・貴人を乗るは、官職富貴有りを主る。もし自身衰え鬼もまた衰えて凶将を乗れば、多く官運衰敗・災病纏身を主る。もし鬼旺なれば兄弟を克す。妻財爻が発動し、衰なれば妻を克し、旺なれば父母を克す。子孫爻が発動し、衰なれば子孫を克し、旺なれば職を退き官を損う、ただし元来疾病ある人は反って痊愈する。以上の諸条は皆卑幼と婦人に因りて禍を起こすもので、さらに兼ねて乗る所の天将の吉凶を看なければならない。
論人性質主多疑多思,或好色作亂,或受卑下凌迫,柔弱不振。若旺相及日逢吉將則能詳審制宜,以靜制動,則無可失。雖刑剋尊長、孤立,於名利亦不虛也。居卑幼若加凶將,主重拜父母,兄弟失力,妻子重刑重創,功業得失不一。屬卑幼則好犯上,處臣子而逆君父;處尊長者,所行闇昧,故下人篡弒、妻奴所害也。
人の秉性を論ずれば、重審課はこの人が多疑多慮、あるいは好色にして乱を生じ、あるいは卑下の人の凌迫を受けて柔弱不振なるを主る。もし課神が旺相で日干がまた吉将に逢えば、この人は能く情势を詳審し宜に因りて変を制し、静を以て動を制して、失閃あることなし。命中に尊長を刑克し身世孤单なれども、名利の上ではかえって落空せず。もし卑幼の位に居りてまた凶将を加乗すれば、主に再び父母を拝す(過継あるいは双親を改認)、兄弟は指望するに足らず、妻子は屡々刑傷に遭い、功業の得失は反復して定まらず。卑幼の輩に属するは、性は上に犯すを好み、人臣たりて君父に忤逆す。尊長の輩に属するは、行う所は曖昧不明にして、因りて下人の篡弑・妻奴の謀害を招く。
占行兵 利主不利客,不利為應,兵不利先起,亦以上下衰旺詳之。 占婚姻 主猶豫不決,詳審方求之,上衰女人不利男家,上旺夫家不愛女家,以貴人順逆、將之吉凶斷之。得凶將克干,決主男家重妻;得凶將克辰,決主妻家重婚。 占六甲 若下旺相主生女,若上神旺相生男。易生難生,以貴人順逆、將之吉凶言之。
用兵を占う:主方に利あり客方に利なく、被動して戦に応ずるに利なく、兵を出すに先発すべからず。なお上神下神の衰旺を按じて詳しく分別すべし。 婚姻を占う:双方猶豫して決せざるを主り、必ず審慎に打听して後に求親に往くべし。上神が衰なれば女方は男家に利なく、上神が旺なれば夫家は女家を喜ばず。貴人の順行逆行および乗る所の天将の吉凶を按じて断ずべし。もし凶将が日干を克するを得れば、男方は再娶するを断ず。もし凶将が日支を克するを得れば、女方は再嫁するを断ず。 六甲(胎孕)を占う:下神旺相は女を生ずるを主り、上神旺相は男を生ずるを主る。生産の順か難かも、貴人の順逆と天将の吉凶を按じて言う。
占求財 主後求,但彼我遲疑,必重求方得,亦看才爻及青龍入傳否。若龍與才財爻生旺入傳,課雖下人干上,亦可再求有財矣,反之無財。 占病 尊長病,主被下賊人剋剝,或婢妾事致病多災,反覆不寧。貴人逆治,血氣不順,症甚重,卑幼人不妨,病症主上部、頭項、心肺之疾,亦看上下衰旺言之,最忌虎蛇發動。 占訟 主經易官司,利後動,必重訴重審,方可結果。
財を求むるを占う:後に求むるに宜し。ただ彼此ともに遅疑して、再三求めて非ざれば手に到らず。さらに妻財爻と青龍が三伝に入るや否やを看るべし。もし青龍と財爻が皆生旺に処りて伝に入れば、課体は下神賊上神なりとも、なお再び求めて得る所有り。反こればすなわち財なし。 疾病を占う:もし病人が尊長なれば、下位の人に克剥される所致、あるいは婢妾の事に因りて病を生ずるを主り、災患多くして反復して寧らず。もし貴人が逆行布将すれば血気順わず、病情甚だ重し。卑幼の人は妨げる事なし。病位は上半身を主り、多くは頭項と心肺の疾。同じく上下の衰旺を看、最も白虎・螣蛇の発動を忌む。 詞訟を占う:主に官司の周折を経歴し、後動に利あり、必ず再三申訴し反復審理して、はじめて結果を得る。
重審課・起例(子将壬辰日辰時)
起例 假如子將壬辰日辰時占,以子將加辰時,順布十二神將,三合體,壬日干課在亥,亥上得未為一上克下,未上得卯為二上克下,辰上得子為一下賊上,子上得申無賊,此四課,課中惟一下賊上,舍未卯二神二上克下,只取子神被下賊者為用。
課起こしの例を挙ぐ。仮に子を用いて月将とし、壬辰日辰時に課を起こす:子将を辰時の上に加えて天盤を転出し(天盤は地盤に比べ四位退後)、さらに順次十二天将を布く。三伝は恰も三合を成す。壬日干の寄宮は亥にあり、ゆえに第一課は亥より起こる:亥の上に未を得、未土が亥水を克する、第一の上克下である。未の上に卯を得、卯木が未土を克する、第二の上克下である。日支辰の上に子を得、子水は辰土に克される、これは下神が上神を賊する一箇所である。子の上に申を得、申金は子水を生ず、克もなく賊もなし。これすなわち四課である。四課の中に一箇所の下賊上があるのみなれば、ここに未・卯の二箇所の上克下を舎て、単に下神に賊されたる子神を取って発用とす。
用即初傳也,是初傳得子,又觀地盤子上得申為中傳,又觀地盤申上辰為末傳,三傳子申辰也。是日辰時貴人在巳,巳將在酉,於酉上起貴人,逆治,布前五後六之將於十二神上,則初傳得青龍,中傳得元武,末傳得螣蛇也。課名重審、潤下格,但冬月子水當旺,辰土無氣,雖下克上不倒,亦不為凶,兼子為太陽,可以解禍,陽星破墓,故不為凶也。
発用はすなわち初伝なれば、初伝は子を得。さらに天地盤の上、子の上神は申なれば、すなわち中伝となし。申の上神は辰なれば、すなわち末伝となし。三伝はすなわち子・申・辰。この日辰時の天乙貴人は地盤巳位に属し、天盤の巳は地盤酉宮の上に落つるなれば、すなわち酉宮に就きて貴人を起こす。貴人が酉に臨むは陰位に属するが故に、十二天将は逆行して布列す(貴人の前五将・後六将、貴人を連ねて共に十二位、順次十二天盤神の上に安んず)。このように排して下れば、初伝子は青龍を乗り、中伝申は玄武を乗り、末伝辰は螣蛇を乗る。課の名は重審、兼ねて「潤下格」(申子辰は三合水局、水性潤下)。ただし冬月子水は旺に当たりて辰土は気なし、下克上といえども克し倒すこと能わず、ゆえに凶と算せず。加うるに子位はまさに太陽(月将子)の所在にして、禍を解す可く、陽星は墓庫を冲破す。これによりて凶ならずと断ず。
兄子青 父申元 官辰螣 元 青 朱 陰 申 子 卯 未 子 辰 未 壬 丑寅卯辰 子 巳 亥 午 戌酉申未
これは上例壬辰日の課盤。最上の三行は三伝:初伝子は壬日の兄弟爻で青龍を乗る。中伝申は父母爻で玄武を乗る。末伝辰は官鬼爻で螣蛇を乗る。中間の三行は四課で、右より左へ第一課より第四課まで:最下の行の下神は順に壬(壬は亥に寄宮)・未・辰(辰すなわち日支)・子。中間の行の上神は順に未・卯・子・申。最上の行の天将は順に太陰・朱雀・青龍・玄武。四課の中、第一課の未が亥を克し第二課の卯が未を克するは皆上克下、第三課の子が辰に克されるこそ下賊上なれば、「克を舎て賊を取る」の法に依り子を取って発用とす。最下の四行は天地盤:外枠の十二格はなお固定の地盤巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅・卯・辰の十二宮。本課は子将を辰時に加え、天盤は地盤に比べ四位退後するので、巳宮の上は丑、午宮の上は寅、未宮の上は卯、申宮の上は辰、余は類推す可し。盤により査し得るに、子の上神は申、申の上神は辰なれば、三伝は遂に子・申・辰の三合水局を成す。
三、比用課(またの名を知一課)
比用課又名知一 歌曰:“比用課如何,賊上有兩位。無賊有兩克,先別陰陽類。陽日比陽神,陰日陰神隨。比者為用初。不比棄不為。”
比用課はまた知一課と言う。歌訣に曰く:「比用課はどのように成立するか。すなわち四課の中に下賊上が二箇所現れたる時、あるいは下賊上なくして上克下が二箇所ある時。この時まず陰陽同類を分別する:陽日(甲丙戊庚壬)は日干と同じく陽なるその神を取り、陰日(乙丁己辛癸)はそれに就いて陰神を取る。日干と同類にして相『比』するを取って初伝とし、同類ならず比せざるは棄置して用いず。」ここに関鍵となるは、賊克が二箇所ある時は賊克の法を照らして唯一の発用を定めるに由なく、止むを得ず「同類相従」の一条に改めて取舎するにある。
四課中有二三位下賊上,或二三位上克下者,必取何者與日辰相比,取其相比者為用,其不比者棄之。比者,同也。陽神與陽干同類,陰神與陰干同類,如君子與君子同類,小人與小人同類,則一氣相通,故因其同類而用之,是以名曰比用。課又曰知一課,蓋於克賊眾多之中知其一比而用之也。
四課の中にもし二箇所あるいは三箇所の下賊上あらば、あるいは二箇所あるいは三箇所の上克下あらば、必ずどの一箇所が日干・日支と「相比」するかを看て、相比するその一箇所を取って発用とし、相比せざるは一概に棄去す。いわゆる「比」はすなわち同類:陽支の神は陽干と同類、陰支の神は陰干と同類。君子と君子とが一類、小人と小人とが一類なるが如く、同類の間は気息相通ずれば、それが故に同類に順って取用す。かくの故に名づけて「比用」と言う。この課はまた「知一課」とも言う。その意は衆多の克賊の中より那唯一の相比する一箇所を辨認してこれを用るにあり。
斷曰:知一是如何,用神今日比,婚姻失和諧,事緣同類起。逃走不遠去,失物鄰人取,論訟和允好,為事尚狐疑。 又曰:二上來克下,盜賊在逡巡。小心須防備,簡慢禍惹迍。若言失脫去,閉口課中尋。
断語に曰く:知一課とはどんな様子か。すなわち発用の神と当日の日干とが同類にして相比するをいう。婚姻を占えば能和せざるを主り、事は多く同輩・同類の人より起こる。逃亡を占えば人は遠く走らず。失物を占えば隣里の人の取り去れるなり。官司を占えば和解を以て事を了するを好しとす。事を弁ずればなお猶疑定まらざる中に在り。 また曰く:もし二箇所の上神が下神を克すれば、盗賊の附近に徘徊する有りを主り、必ず小心して防備し、稍々怠慢すればすなわち禍を招く。もし問う所が失窃・走脱の事ならば、「閉口課」(三伝の首尾相閉じ口舌開き難き格)の断法の中に往きて答えを尋ねよ。
又曰:知一之課比處用,事來多起在親鄰。用將相尋干伴侶,亦有遺亡逃走因。四課若還見不備,陰私伏匿不干身。占人有伴意不動,財物雙雙有合論。結交朋友無兩心,求謀何必再三伸。
また曰く:知一課は相比の処に発用を取る。来る所の事は多く親戚・隣里より起こる。発用と乗る所の天将とが互いに相尋求するは、まさに人の伴侶を找うが如く、ゆえにまた常に遺失・逃亡の類の縁由有り。四課もし残欠全からざれば(すなわちいわゆる「不備課」、日干あるいは日支の一辺が一課少なき)、暗中隠匿の事を主り、本人とは渉らず。人事を占えばこの人に同伴有りて心意は肯んじて軽く動かざるを主る。財物を占えば成双成対して「合」を論ず可し。この課は朋友を結ぶに二心なく、謀求の事は一次にして即ち可なり、何ぞ必ずしも再三の申説を要せん。
孔明曰:比者憂在內,不比者憂在外。比者,事近而速;不比者,事遠而遲。故取其內近者占之,舍其外遠者後圖焉。”經曰:“知一則二事不成。”是不可圖貪二事也。所謂二事者,非僅兩件事。凡事物紛至,及眾論什投要之,不過兩端耳。必乘其明知獨見得,是擇取其一者而用之,不為二三所惑,方是知之之義也。則一之機自我執矣。”
諸葛孔明曰く:日干と相比するその一箇所は、憂患は内にあり。相比せざるその一箇所は、憂患は外にあり。相比する事は近くして来ること速く、相比せざる事は遠くして来ること遅し。ゆえにその内にして近きを取って占断を為し、外にして遠きを擱きて後に図謀す。《経》に曰く:「一を知れば、両件事は皆成り難し。」意は貪心して兼ねて両事を図る可からざるを言う。いわゆる「二事」は単に两桩の具体の事を指すのみならず。およそ事物紛紜として来り衆説交相投射すれども、帰総するも两端のみに過ぎず。必ず自家の清明の判断と独到の識見を凭りて、两端の中より其一を擇取してこれを用い、三心二意に迷惑せられざるを以て、これ「知」の真義とす。かくの如くなれば、一を執りて衆を制する機枢は我が手裏に掌握せらる。
又經曰:“比者為憂”,言禍福之切於身,不專言憂也。不比者為喜,言禍福之不關己,不是不比為可喜而趨之也。上克下同類相妒,朋友讒佞,禍從外來,利客不利主,夫妻相妒,或因妻財妒訟,詛咒不利,賊不出邑里,利主不利客。
《経》また曰く「比する者は憂」、これは禍福が自身に切近なるを講じ、単に憂患有らんを言うに非ず。「比せざる者は喜」と言うは、禍福が自己と関わらざるを講じ、相比せざればすなわち喜びて之に趨就すべきを言うに非ず。もし二箇所の上克下に属して比を取れば、同類の間の互相嫉妬・朋友の進讒献佞を主り、禍は外面より来り、客方に利あり主方に利なし。夫妻の間は彼此猜忌し、あるいは妻財の事に因り怨を結び訟を興し、また詛咒の類の不利有り。もし二箇所の下賊上に属して比を取れば、盗賊は本郷本里を出でず、主方に利あり客方に利なし。
李衛公曰:“上為外,下為內,二上克下,主外人謀害。事起於內,凶將加臨,主男子盜賊侵掠、失脫等事。吉事將敗,凶事漸深。象易之需課九三曰‘需于泥,致寇至。’之凶也。”
李靖曰く:「上神は外を代表し、下神は内を代表す。二箇所の上克下は、外面の人が加害を図謀するを主るも、事の根子は内部に在り。もしさらに凶将の加臨有れば、男子・盗賊の来たり侵掠し、および失窃・走脱の類の事有りを主る。好事は将に敗壞せんとし、悪事は漸々加深す。これ正しく《周易・需卦》九三爻辞『需于泥、致寇至』の凶象に合す——人は泥の裏に陷りて待ち、強盗を招き致す。」
袁天罡曰:“知亦有偏知生奸之敝,一亦有執一不通之弊。或恂利忘害,則是執迷,居安忘危,謂不逢變,或執滯多門,昧於取舍,首鼠兩端,不知所從,知一昧二,慮此昧彼,偏見蔽明,察近失遠,如狐之涉水,鹿之生疑,則失知一之義,其凶必矣。”故凡事必合一心幫力而求,知權變,有定守而始得順遂。凡事緣親友兄弟上事,不論吉凶皆涉此等人。又主狐疑,不能達權通變也。
袁天罡曰く:「『知』字にも偏聴偏信してこれにより奸を生ずる毛病有り、『一』字にも一端を固執して変通を知らざる毛病有り。ある人はただ利を見て害を忘る、これ是れ執迷なり。ある人は安穏に処りて危険を忘れ、変故あらじと思う。ある人は多頭緒の裏に拘泥して取舎を解せず、首鼠両端して誰を聴くべきかを知らず。ある人は其一を知りて其二に昧く、こちらを顧てあちらを失い、偏見は明智を遮蔽して、近処を察して遠処を失う——狐狸が河を過ぐるに一步三疑し、鹿が林中に疑神疑鬼するが如く、これは『知一』の本義を失うにして、凶险は必ず随い至る。」ゆえに凡事必ず一心を合定して併力して求め、権変を解してまた定守有って、乃ち順遂す可し。この課の占する事は多く親友・兄弟に縁し、吉凶を論ぜず皆この一類の人に牽渉す。また心に狐疑を存し通権達変し得ざるを主る。
邵氏曰:“知一而不知二。知者,喜我之知見,不知者,嫉我為仇讎。主恩中生害,凡事宜舍遠就近,舍疏就親,事貴和同,多觀於同類,又主吉凶之事皆有兩端。”經曰:“二克二賊,知一總名。神將凶而禍不單行,神將吉而福祥又至。”
邵康節曰く:「いわゆる知一とは、ただ一頭を取りて他の一頭を顧みざるをいう。取中されたる一方は、我が見識を喜び。舎棄されたる一方は、我を嫉恨して仇敵の如し。ゆえにこの課は恩情の中に反って禍害を生ずるを主る。およそ事は遠を舎てて近に就き、疏を舎てて親に就くを宜とし、和睦同心を貴び、多く同類の中より観察す。また吉事凶事ともに両箇の頭緒有るを主る。」《経》に曰く:「二箇所の上克下・二箇所の下賊上、統べて『知一』のこの総名の下に帰す。乗る所の神将もし凶なれば禍は単に来らず。乗る所の神将もし吉なれば福祥もまた接連して至る。」
《觀月經》以三上克下為長幼課,三下賊上為度厄課,雖有二課之異,但取一亦必依知一課而取三傳也。長幼度厄課詳於凶吉門課,此不及詳。大略所謂發用子孫憂小幼,發用父母憂尊長,發用妻財憂妻妾,傳入長生則吉,傳入休囚死墓則凶。
《観月経》は三箇所の上克下を「長幼課」と言い、三箇所の下賊上を「度厄課」と言う。名目は両課に分かつといえども、取用にはなお知一課の办法を照らして相比の一箇所を挑出し、再びこれに拠りて三伝を排す。長幼・度厄両課の詳細の論法は吉凶門の各課に見え、ここに細説せず。大略に言えば:発用が子孫爻なるは憂い幼小に在り、発用が父母爻なるは憂い尊長に在り、発用が妻財爻なるは憂い妻妾に在り。三伝もし「長生」(十二長生の中、生気初萌の位)に伝じ入れば吉、休囚・死地・墓庫に伝じ入れば凶。
比用課・分類占断
占國朝 主君臣彼此不定,上下紛紜,互持其說,必審其是非,定其所適從,君不自是,舍己從人,專制裁折,棄一用一,審其親暱,察其疏遠者,知其孰邪而取舍之,知其吉凶而趨避之。又觀神將之吉凶,以決庶政之利害罔違,道以干百姓之譽罔,引百姓以從己之慾,方是知一,而事可成,功可就,賢人可專征也。
朝廷国事を占う:君臣が彼此ともに主意を定め得ず、上下の議論は紛紜として各々一詞を執ることを主る。この時必ず是非を辨明し、どちらの方を聴従すべきかを定めなければならない。君たる者は自ら是と為してはならず、己を舎てて人に従い、独断裁決し、一頭を棄てて専ら一頭を用るべし。誰が親近で誰が疎遠かを審察し、どちらの方が邪僻かを看清して後に取舎し、どちらの方が吉凶かを看清して後に趨避すべし。さらに乗る所の天将の吉凶を観て、用いて各項政務の利害を判断して常道に違わず、百姓の称誉を博取せんがため道を失わず、また百姓を駆使して己の欲望に迁就させず——このようになればはじめて真に「知一」を成したと言え、事は乃ち成り、功業は乃ち就き、賢能の人もまた命を受けて専征す可きである。(末句の語意は《尚書・大禹謨》「罔違道以干百姓之譽、罔咈百姓以従己之欲」に本づく。)
占天文 比陽上克晴數日,比陰下賊主雨數日,以神將所屬決之。 占地理 上克比陽主高亢地,賊上比陰主低下地。 占身命 比陽上克不利卑幼,妻子有傷;比陰賊上難為尊長,多好結朋友;有知識,得人相濟。 占射覆 主重疊不一,或二三物合一。
天象を占う:もし陽神を取りて相比して上克下に属すれば、連日の晴れを主る。もし陰神を取りて相比して下賊上に属すれば、連日の雨を主る。さらに乗る所の天将の五行帰属を按じて定める。 地理を占う:上克下にして陽に比するは、高亢して乾爽の地を主る。下賊上にして陰に比するは、低窪下陷の地を主る。 身命を占う:上克下にして陽に比するは、卑幼に利なく、妻子児女に損傷有り。下賊上にして陰に比するは、尊長を為し難し、ただしこの人は多く朋友を結交することを喜び、見識有りて、他人の接済を得るを得。 射覆(器物の中に藏する物を猜す)を占う:藏する物は重畳して一件のみならず、あるいは二三様の東西が合成して一件となるを主る。
上出行 有伴侶,須知同類而皈依之,懼遺忘。 占求財 主朋輩之財,重進可得,或有二三項財,取舍得宜方得。 占盜賊 失物主朋輩,陽得男人,陰是姊妹親知,或是親鄰,賊不出邑里,或是家人。 占征戰 宜舍遠就近,結鄰為援。 占逃走 去不遠,不出邑里,或被親人所在。
出行を占う(底本はこの条の標題を「上出行」とし、「上」は「占」の訛):路上に同伴者有るべし。必ず同類の人を認準して依附するに往け、ただ彼此遺忘して失散するを恐る。 財を求むるを占う:得る所は朋輩・同伙の財なり。さらに一歩進んで求めれば便ち手に到る。あるいは两三項の財路有り、取舎が当を得てはじめて財を得。 盗賊を占う:失物は多く朋輩の手より出る。陽神を取るは男子の為す所、陰神を取るは姉妹あるいは熟識の親友、あるいは近隣なるも可なり。盗賊は本郷本里を走り出ざる、甚だしきはすなわち自家の人なり。 征戦を占う:遠を舎てて近を図るに宜しく、隣近の勢力を結交して援助と為すべし。 逃走を占う:逃ぐる人は遠く走らず、本郷本里を出ざる、あるいはすなわち親人の処に藏る。
占婚姻 主不和諧。若是遠方必有不諧。若是近鄰,或因親得親,則諧矣。若婚已成,亦主有親鄰之女煽惑私比,而欲離間其成者,未成主多婚未能主,其一而配之,宜決其比者娶之。但神將凶,二上克下,主先有二妻,重婚再娶;二下賊上,主妻有二夫,或經妝聘定,又再許人,或失節再醮。
婚姻を占う:不和諧を主る。もし対方が遠方の人家ならば、必ず談じ合わず。もし近隣なり、あるいはこの門の親戚より彼の門の親戚を牽出せば、すなわち成るを得。もし婚事すでに成れば、また近隣の女子の中より煽惑して私通し、この桩の姻縁を離間せんと欲する有りを主る。婚事未だ成らざるは、提親の対象が一処のみならず、一時にどの一家かを定め得ず。この時すなわち「比用」の法に照らし、決断してあの日干と相比する人家を取りて娶るべし。ただし乗る所の神将が凶なれば:二箇所の上克下なるは、男方は先前すでに两妻有り、重婚再娶に属するを主る。二箇所の下賊上なるは、女方に两夫有り、あるいはすでに聘礼を受けてまた他人に許し、あるいは失節改嫁するを主る。
占詞訟 二克主卑幼有虧,二賊主尊長受虧。但和允好,不然重疊艱結,重送衙門。 占家宅 主有遺失、逃亡、走脫之災。二克主妻子不安;一賊主夫婦不和,長上有災;又主有陰私隱匿、伏藏不明之事,心事狐疑,欲棄遠就,或欲親鄰居住。
詞訟を占う:二箇所の上克下なるは、卑幼の一方が損を喫すを主る。二箇所の下賊上なるは、尊長の一方が損を喫すを主る。総じて和解を以て好しと為し、否ざれば案情は重畳して了結し難く、なお一再に衙門に送進せらる。 家宅を占う:遺失・逃亡・走脱の災有りを主る。二箇所の上克下なるは、妻子児女が安寧を得ざるを主る。一箇所の下賊上なるは、夫婦不和・長輩に災有りを主る。また家中に暗昧の私情・隠匿不明の事有りを主り、人心は疑慮を存し、遠を舎てて近に就かんと欲し、あるいは親戚隣里の傍に搬りて住まんと欲す。
四、渉害課(見機課・察微課)
涉害課 歌曰:涉害為何起,兩比兩不比。受賊與受克,數至本痊止。歷涉地盤位,克賊深者取。行涉多被害,是為涉害矣。 又曰:涉害課相爭,還從比用生。前頭有迴路,涉害何難呈?有克難重數,偏多得用情。忽然涉害起,先舉莫相爭。
渉害課。歌訣に曰く:渉害課はどのように起こるか。すなわち四課中の克賊に二箇所ありて皆日干と相比し、あるいは二箇所ともに日干と相比せず、比用の法を以て定まらざる時。この時賊を受くるも克を受くるも論ぜず、皆これを加わる所の地盤位置より一路数えて己が本家の宮位に回るに至るまで、沿途に地盤の各宮を経歴し、どの一つが克を被り賊を被る次数多きかを看て、すなわちあの受害の深きを取りて発用とす。一路行き来りて被害最も多きが故に、「渉害」と言う。 また曰く:渉害課は両処の相争で、本は比用の法より転出したるもの。前頭すでになお回頭の路有りて数ふ可きなれば、渉害は何ぞ定め難きや。ただ克有りの位数は重複して計算し難く、あの克の偏多きを取る乃ち取用の情に合す。一旦渉害課と成れば、先に頭を出す人は人と争競する勿れ。
又曰:涉害原因比用加,地盤孟仲季求他,先看孟神次仲季,路涉有克到本家,孟深仲淺季無取,復等柔辰剛日查。 又曰:涉害孟仲季,一課分兩名,見機起四孟,仲季察奸生,總是涉害體,占得事豈寧?
また曰く:渉害課は本は比用の法より一層を加深して来る。地盤の孟・仲・季の三類の宫位の上において分別す可し。「孟」は寅申巳亥の四長生位を指し、「仲」は子午卯酉の四正位を指し、「季」は辰戌丑未の四墓庫位を指す。まず孟位に落つる神を看、其次は仲位、再次は季位。一路渉行して本家宮位まで数え、沿途に受克多少を看る。通例は孟位の受害深く、仲位浅く、季位さらに浅し。故に季位は往々にして取らず。もし深浅相等しければ、これを「復等」と言う。それなれば陽日(剛日)は日干上神を取り、陰日(柔日)は日支上神を取りて査定す。 また曰く:渉害は孟・仲・季を分かち、同じ一課にして二箇の名目を分かつ:発用が四孟に落つるを「見機課」と言い、仲位・季位に落つるを「察微課」と言う。察微は奸邪の暗に生ずるを主る。総じて皆渉害の体なり。この課を占い得れば、事は安寧ならんや。
四課二三克賊,與日俱比,或受俱不比,則分孟仲季取之,所謂孟深仲淺季又淺是也。以其害有深淺,故以深者為用,此係捷法,不必數涉歷地盤位數,只論孟仲季以為深淺者也。一說無仲只有季上神克賊,亦取季上神之,以上法雖便捷,終不若涉歸本家,以克賊之多寡為受害之淺害為正法也見《六壬示斯》,其說最詳,今不錄。
四課中に二箇所あるいは三箇所の克賊ありて、それらが日干と全て相比し、あるいは全て相比せず、比用の法を用い得ざれば、すなわち改めて孟・仲・季に按じて位を分かちて取る。すなわち「孟位は受害深く、仲位は浅く、季位はさらに浅し」のこの条の通例である。受害に深浅の別有るが故に、受害の深きその一箇所を取りて発用とす。これは一種の簡便算法で、必ずしも真にそれが渉行して地盤の経る所の位数を数ふるを要せず、ただ孟仲季を論ずるのみにして深浅を判定す可し。別に一説有り:もし四課中に仲位に落つるなく、ただ季位に落つる上神に克賊有れば、それもまたこの季位上神を取る。以上の办法は便捷なりといえども、終に受克の神を加わる所の処より一路数えて本家宮位に回り、途中の克賊の多寡を以て受害の深浅を定むるに如かず——原注に曰く、この正法は《六壬示斯》に見え、彼処に講じて最も詳細なり。ここには再び抄録せず。
用孟上神一名見機課,用仲季上神一名察微課,此涉害一課而分兩名也。何謂見機?蓋孟長也,事之先發者,凡事之先起,乃禍福之端,故名見機。何謂察微?蓋仲中也,事行至中半而吉凶已微著,當審察而知所進止也。如有兩孟兩仲,必擇先見者為用,課名曰復等,如先遇戰,不得不競也。長者受敵,而不受其小也。
孟位上神を取りて発用と為すを、別名「見機課」と言う。仲位・季位上神を取りて発用と為すを、別名「察微課」と言う——これすなわち渉害の一課にして両箇の名称有るの由来である。何をか見機と謂う。孟位は長に居り、事の最も先に発動する処なり。およそ事の開端はまさに禍福の端倪なれば、ゆえに見機と言う。何をか察微と謂う。仲位は中に居り、事は半ばに行き至り、吉凶は已に隠約として顕露す。この時まさに細微を審察して進退を決定すべし。もし四課中に二箇所ともに孟位に在り、あるいは二箇所ともに仲位に在り、深浅相等しければ、必ず先に現れたるその一箇所を挑みて発用とし、課の名を「復等」と言う——行軍して先に遇上したる敵には、先に彼と交戦せざるを得ざるが如し。年長者を以て敵に当たらしめ、年幼者を以て当たらしめず。
斷曰:見機起四孟,求事須難成。用起季與仲,察奸產婦驚。魁罡加四孟,產兒定不成,二下賊其上,體乃是比鄰以比用課取利。亦名知一課,失盜乃鄉鄰,小小須防備,昏執禍多門四孟主有多機多端,吉凶不止一路。
断語に曰く:発用が四孟に起こりて見機課と成るは、求むる所の事は成し難し。発用が季位・仲位に起こりて察微課と成るは、奸情を察覚し産婦が驚を受くるを主る。もし「魁」(戌)「罡」(辰)の二神が四孟の位に加臨すれば、胎産を占うに孩子は必ず保ち難し。もし二箇所の下神が上神を賊すれば、この課体の講ずるは近隣の事——原注に曰く、この時比用課の办法を照らしてあの有利なる一箇所を取る可し。故にまた知一課と言う。失窃を占えば、賊人はすなわち郷隣なり。小事なりとも必ず防備すべし。昏昧固執すればすなわち多頭の禍患を引出す——原注に曰く、四孟は機端・頭緒の繁多を主り、吉凶は一路の数のみに止まらず。
又曰:見機涉害見上克,數到本家方始休,但看何方神力最,所為先難後易求。凡事艱難多阻難,魁罡加日縣官憂,察微涉害用下賊,在事艱難多滯留,幽暗不明當見了,官事纏綿產婦憂,若更日辰魁罡立,婦人產難亦當愁。
また曰く:見機一路の渉害課は上克下の神を取り、これを加わる所の宮より一路数えて本家宮位に回るを以て完と為し、ただどちらの方が沿途に受くる克力最も重きかを看て、すなわちどちらの方を取る。弁ずる所の事は先難後易。凡事皆艱難多阻し、もし魁(戌)・罡(辰)が日干の上に加臨すれば、なお官府に至るを憂う。察微一路の渉害課は下賊上の神を取り、事も同じく艱難にして多く滞留し、幽暗不明の情形は終に顕露出る。官司は纏綿して了せず、産婦にも憂患有り。もし日干・日支の上にまた魁罡二神の立つ有れば、婦人難産の事もまた愁うべし。
假如涉害皆復等,先見之神為用傳。事主艱難無首尾,枝條蔓引作牽延。兩軍交爭不相伏,經時歲月更留連。凶神惡將來相見,官災疾病兩綿纏。月逢吉神並有氣,事雖遲遲卻有緣。若值凶神皆無氣,無情無緒事多端。
仮に各処の渉害の深浅が完全に相等しくして「復等」と成れば、すなわち先に現れたるその神を取りて発用とす。この類の事は艱難にして没頭没尾を主り、枝蔓の如く牽扯延伸す。両軍の交戦を占えば彼此服せず、節令・年月を拖えてなお糾纏す。もし凶神悪将が同時に出現すれば、官災と疾病と両頭纏身す。もし当月の逢う所が吉神にしてしかも気有れば、事は遅緩なれども、終に縁有りて成る可し。もし値る所の凶神がまた皆気無ければ、それは毫も情理・頭緒なく、事端百出す。
又曰:事有兩比兩不比,上天垂象要知機。涉害發用為初傳,行事稽遲多憂疑。憂患難消知見日,占胎傷孕忌當時。失物家中鄰里竊,逃亡必定隱親知。
また曰く:四課の克賊が二箇所ともに相比し、あるいは二箇所ともに相比せざれば、上天はこのような象を垂示し、すなわち人に機を見て事を行うを懂得せしめんと欲す。渉害の深き一箇所を取りて発用して初伝と為せば、行事は必ず拖延し、多く憂慮疑惑有り。憂患は一時消えず、日辰の応期を待ってはじめて分暁を見る。胎孕を占えばこの時を忌み、多く傷胎を主る。失物を占えば家中の人あるいは隣里の偷去なり。逃亡を占えば、人は必ず親友・熟人の処に藏る。
孔明曰:“涉害之象,如琴瑟不調,鳶在天關,存亡速焉。若遇見機則以合宜變通,不可執一,當知事機括而乘機早圖之。若遇察微,則宜防微杜漸,精察細微,不可忽略,暴進終逢殃咎。用辰主災害己,用日主家禍延人。一二課為用是用日,三四課為用是用辰。”
諸葛孔明曰く:「渉害の取象は、琴瑟の音律の諧せざるが如く、また鳶鳥の天関の上に懸るが如し。存亡はただ頃刻に在り。もし見機課に遇上せば、宜に因りて変通すべく、一端に固執す可からず。事の機括の所在を看清し、早く機に乗じて図謀すべし。もし察微課に遇上せば、微を防ぎ漸を杜ぢ、精細に細微の処を審察し、疏忽す可からず。猛進冒失すれば終に禍を招く。発用が日支の一辺より取られたるは、災害が自身の上に落つるを主る。日干の一辺より取られたるは、家中の禍が他人に牽連するを主る。第一・第二課の発用は『用日』と算し、第三・第四課の発用は『用辰』と算す。」
劉伯溫曰:“涉害者,干涉害,須審其宜而行之。見機者,已自審視,謂之見發不妄動,謂之機,察其微辨以機言之。一曰機者,猶弩之機牙也。務見機之禍,百發百中,萬舉萬全,始謂之見。又曰,機者動之微吉凶之先見者也。事在未然,須早見察之則不至害。若見於機已然之後,或輕舉妄動,則機括一差,而千里之失起於毫釐之謬,其害也深矣。”
劉伯温曰く:「いわゆる渉害とは、干涉して牽扯して害を受くるをいい、必ず相宜なりや否やを審度して後に行動す。いわゆる見機とは、自ら先に看清すを『見』と言い、看清した後に軽挙妄動せざるを『機』と言い、その細微を察して分別するは、まさに『機』字に就いて言うなり。一説に『機』は弩の上の機牙の如し。務めて禍患の機括の処に看て百発百中・万挙万全せば、乃ち真の『見』と算す。また曰く:機は動の先兆・吉凶の先見なり。事未だ発生せざるに早く察覚すれば、害を受くるに至らず。もし機括すでに発動した後に至って始めて見、あるいは軽挙妄動すれば、それなれば機括一たび差えば、千里の失は毫厘の謬より起こり、為害極めて深し。」
邵氏曰:“涉害課,凡事主欲用不用,欲言不言,事有兩而取一也。事主遲疑艱難,進退不定之意,用上克下,百事為淺。若得凶神惡將,則災禍難解,百事阻滯,作事稽留,多有疑,惟憂患難消,宜舍輕就重,趨安避危,方為不害。” 袁天罡曰:“用在四孟,事多反覆。凡事遲疑。”經曰:“見機則情有變,事主艱難而兩求主事有兩重。用在仲季主反覆無定,凡事未萌,須預察其吉凶。”
邵康節曰く:「渉害課は凡事皆用いんと欲して用いず、説かんと欲して説かざるを主り、事は両頭有りてただ一頭を取るのみ可なり。事は遅疑艱難にして進退定まらず。もし取る所が上克下なれば、各事の受害はなお浅し。もし凶神悪将に遇えば、災禍は解し難く、百事は阻滞し、事を弁ずるは拖延し、疑慮は重重なりて、憂患は久しく消えず。この時軽を舎てて重に就き、安に趨りて危を避くるに宜しく、乃ち害を受くるに至らず。」 袁天罡曰く:「発用が四孟に落つれば、事は多く反覆し、凡事遅疑す。」《経》に曰く:「見機課は情势に変化有るを主り、事は艱難にして必ず両頭に往きて求む——原注に曰く、これは事に两重有るを主るを言う。発用が仲位・季位に落つるは、反覆定まらざるを主る。事未だ萌发せざる時に、すなわち預めその吉凶を察看すべし。」
渉害課・分類占断
占國事 主建議商之,既欲於此,又欲於彼,不知適從,當審其事之是非、理之長短,方可取舍。若魁罡加四孟,則遣將提師深入,吉。 占征戰 不可深入賊境及渡江水戰,以水火土木金辨其何者為害如水神涉害則因水為害,火神涉害則因火為害之類,又主兩軍交爭,不肯相伏,經歲月遲久,遲疑進退不決。
国事を占う:朝議紛紛を主り、既にこの一頭を取らんと欲し、またあの一頭を取らんと欲し、どちらの辺に依従すべきかを知らず。まさに事の是非・道理の長短を審察して後に、乃ち取舎す可し。もし魁(戌)・罡(辰)が四孟の位に加臨すれば、将を派して兵を統べて敵境に深入するを吉とす。 征戦を占う:敵境に深入す可からず、また江水を渡りて水戦す可からず。受害の神の五行が水に属し火に属し土に属し木に属するか金に属するかを按じて、禍害がどの一方面より出るかを判断すべし——原注に曰く、水神の渉害なれば水に因りて害を受け、火神の渉害なれば火に因りて害を受け、その余は類推す。また両軍の相争して互いに服せず、経年累月を拖延し、進退遅疑して決せざるを主る。
占出行 如得天神下臨壬亥子癸,主水路有隔,其禍深,不可渡水,只宜陸行。得凶將克身命,出行遠涉最跋涉艱難,遠行受害,有吉將主行途中有得。 占生產 主產婦憂驚產難,魁罡加寅申巳亥發用,產見難養,魁罡覆日辰更凶。 占胎主產婦因遠涉或土移動傷胎,有妨其產母。
出行を占う:もし天盤の神が壬・亥・子・癸の水位に下臨すれば、水路上に阻隔有るを主り、その禍は頗る深し。水を渡る可からず、ただ陸路を走るに宜し。もし凶将が本命と行年の上に克し至れば、遠門に出でるは最も跋涉艱難にして、遠行は必ずその害を受く。もし吉将を乗れば、途中反って収穫有るを主る。 生産を占う:産婦驚憂・生産艱難を主る。もし魁(戌)・罡(辰)が寅申巳亥の四孟の上に加わりて発用すれば、生み下しても養い活かし難し。もし魁罡が日干・日支の上に覆圧すれば、さらに凶なり。 胎を占う:産婦が遠行跋涉に因り、あるいは動土・遷移に因りて胎気を傷り、并せて母体を妨害するを主る。
占官事 見機課,魁罡加日辰主官事欲起;察微課,魁罡加日辰主有牽連干涉事人,久延不決。 占疾病 主犯觸受染,病不止一端,沉重日久,難以起止,反覆不定,或遠行涉水所致,魁罡加四仲主哀傷。 占身命 主多刑害,流移不定,加凶將則孤賤卑微,惟多遲疑不決。嫉妒害人,或受人所害。
官司を占う:もし見機課なれば、魁罡が日干・日支の上に加わり、官司将に発作せんとするを主る。もし察微課なれば、魁罡が日干・日支の上に加わり、案が旁人に牽連干涉し、久拖して決せざるを主る。 疾病を占う:邪祟を触犯しあるいは時疫に染まるを主り、病症は一様に止まらず、沈重にして日久く、身を起こし得ず、反復定まらず。また遠行・涉水の所致なるも可なり。魁罡が子午卯酉の四仲の位に加臨するは、哀傷の事有るを主る。 身命を占う:一生刑害多く漂泊・遷移して定まらざるを主る。さらに凶将を加えれば孤苦卑賤にして、性情もまた多く遅疑して決せず。この人あるいは嫉妬して人を害し、あるいは反って人に害せらる。
占婚姻 有害,二家不和,反覆不定。 占求財 主干涉害人而求,吉將旺相有得,但多反覆延遲;凶將休囚剋日,主干涉反覆破財。 占失脫盜賊 主自家不謹慎,乃鄉鄰為盜若與日辰合不比者是遠人也。。主賊涉水來,或逾牆來。加凶將凶神主害人,或連眾而來,內外通引。
婚姻を占う:その中に害有り、両家和せず、反復定まらず。 財を求むるを占う:求むる所の財は干涉牽扯・人を損うを靠りて得。もし吉将を乗りまた旺相に逢えばすなわち手に到るを得、ただ反復拖延す。もし凶将を乗りて休囚かつ日干を克すれば、干涉・糾纏に因りて反って財を破る。 失窃・走脱と盗賊を占う:自家の不謹慎を主り、作案するは郷隣なり——原注に曰く、もし日干・日支と相合して日干と比せざるは、すなわち遠処より来たる人なり。また賊は水を渉りて来り、あるいは墻を翻して入るを主る。もし凶将・凶神を加えれば、人を傷るを主り、あるいは伙を結び群を成して来り、内外勾結して路を引く人有り。
渉害課・占例(四月申将辛酉日卯時)
假如四月將辛酉日卯時占,得三下賊上課,寅卯未加子辛酉寅之上,被俱下賊,不與日比,卯未俱與日比,雖以比用取,課則入涉害課,卯加辛,戌是季也,未加寅是孟也,當以孟上神為用。若欲何者涉害深,則卯加辛之歷至卯位,惟一乾克之;若未在寅歷至本位,則有寅甲卯乙巽五位克之,是為涉害深也,餘仿此推。
例を挙ぐ:四月に申を用いて月将とし、辛酉日卯時に課を起こし、三箇所の下賊上の課を得。卯・寅・未の三箇の上神はそれぞれ辛(寄宮戌)・酉・寅の上に加わり、皆下神に賊せらる:卯は辛金に克され、寅は酉金に克され、未は寅木に克さる。辛は陰干、寅は陽支に属し、日干と相比せず。卯・未は皆陰支にして、日干と相比す。相比するものすでに二箇所有れば、比用の法は定め得ず、この一課はすなわち渉害課に転入す。卯は辛(寄宮戌)の上に加わり、戌は辰戌丑未の季位に属す。未は寅の上に加わり、寅は寅申巳亥の孟位に属す。「孟深仲浅季更浅」に依り、孟位上神の未を取りて発用と為すべし。もし実数してどの一箇所の渉害が更深きかを言わば:卯は戌位より一路暦行して卯の本位に至るまで、途中ただ乾宮(戌亥の間、金に属す)一箇所のみ之を克す。而るに未は寅位より一路暦行して未の本位に至るまで、途中に寅・甲・卯・乙・巽の五箇所の木気之を克す。見るべし、未の受害更深し。ゆえに未を取りて発用とす。其余の各課はこの類に依りて推す。
此謂未加寅入墓,所謂仰見其仇,俯見其丘也。小吉主婦人,將得螣蛇憂死人入墓故也,女子驚恐,蛇主女人驚恐、有怪異血光亦是螣蛇所致,小吉入鬼門,主見鬼。中傳神后作天空加未,主婦人慾欺其夫而有二心天空主欺詐,未為神后之夫。末傳太乙作天后加子,主憂婦女,水克火日。
この一課は未が寅の上に加わり、木は未に至りて墓に入る。まさにいわゆる「頭を抬げれば仇家を見、頭を低くすれば墳丘を見」——寅木が未土を克するは仇なり、未は墓庫たるは丘なり。未は六壬の中で名を「小吉」と言い、主る所は婦人なり。本段はそれが螣蛇を乗ると言う。故に死人を憂う——原注に曰く、これは墓庫に入るの緣故なり。また女子の驚恐を主る——原注に曰く、螣蛇は本より女人の驚恐を主り、怪異と血光の出現も皆螣蛇より来る。小吉未はまた「鬼門」に属し(未申の交は坤、俗に鬼門と称す)、ゆえに鬼を見るを主る。中伝の子は名を「神后」と言い、本段はそれが天空を乗りて未の上に加わると言う。婦人が丈夫を欺瞞して二心を懐くを主る——原注に曰く、天空は欺詐を主り、未はまさに神后子の配偶なり(子未の相害・相配の義)。末伝の巳は名を「太乙」と言い、本段はそれが天后を乗りて子の上に加わると言う。憂いが婦女に在るを主る、水の来たりて火を克するが故なり。下に附する課盤を按ずれば、三伝の未・子・巳が乗る天将は実は白虎・朱雀・玄武と作り、この段の言う螣蛇・天空・天后と合せず。まさに底本の伝抄に異有るべし。読む時は課盤を以て準と為せ。
父未白 子子朱 官巳元 白 貴 勾 后 未 寅 申 卯 寅 酉 卯 辛 戌亥子丑 酉 寅 申 卯 未午巳辰
これは上例辛酉日の課盤。最上の三行は三伝:初伝未は辛日の父母爻で白虎を乗る。中伝子は子孫爻で朱雀を乗る。末伝巳は官鬼爻で玄武を乗る。中間の三行は四課で、右より左へ第一課より第四課まで:最下の行の下神は順に辛(辛は戌に寄宮)・卯・酉(酉すなわち日支)・寅。中間の行の上神は順に卯・申・寅・未。最上の行の天将は順に天后・勾陳・貴人・白虎。四課の中、辛が卯を克し酉が寅を克し寅が未を克する共に三箇所の下賊上、その中卯・未は陰干辛と相比し寅は比せず。故に渉害の法に転用し、渉害最も深き未を取りて発用とす。最下の四行は天地盤:外枠の十二格は固定の地盤巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅・卯・辰の十二宮。本課は四月申将を卯時に加え、天盤は地盤に比べ五位順進するので、巳宮の上は戌、午宮の上は亥、未宮の上は子、申宮の上は丑、余は類推す可し。盤により査し得るに、未の上神は子、子の上神は巳なれば、三伝は遂に未・子・巳と排成す。
