八専課・分類占断
占國朝 主臣下奸邪,陽不備是列職之長,陰不備是有司之屬,更夜神加臨,決非中正之事。若有剋制,則有救,其奸必可隔。 占兵事 主客不分,不宜出軍,占賊不來。 占婚姻 不宜出嫁,男女無恥淫亂,有口舌離別之事。 占六甲 母子不分,必有一傷,或破傷獨足,產未生,生亦險難。
朝廷国事を占う:臣下の奸邪を主る。陽課不備とは、各部門の長官を指す。陰課不備とは、有司の属吏を指す。もしさらに夜将の加臨有れば、中正の事に非ずと断定す。倘若課中に別に克制の神有れば、便ち救有りと算し、あの奸邪は隔断せらる可し。 兵事を占う:主客双方の界限清からず、出兵に宜しからず。敵寇を占えば敵人は来らず。 婚姻を占う:嫁娶に宜しからず、男女は無恥にして淫乱し、口舌争吵と離散の事有らん。 六甲(胎孕)を占う:母と子と界限分かたず、必ず一方の受傷有り、あるいは生まれ出でて残缺・跛足有り。産期未だ至らず、縦令臨産するも險難重重なり。
占來意 元武剋日辰者,主重重走失、人情不和之事。若陰合在傳,主室家不正、家奴悖亂之事。若日辰上神不利,來意主外人不同,欲改之事。陽不備則起於外,陰不備則起於內。 占身命 淫亂不正,名利俱虛,休囚則壽命不久。 占逃亡 吉不遠自歸,或家中人藏匿,或藏在屋下。 占出行 主因家事牽惹,不得移步,去亦不利。
来意を占う:もし玄武が日干・日支を克すれば、来意は接続して物を走失し・人情不和の事なり。もし太陰・六合が三伝に入れば、来意は家室正しからず・家奴悖乱の事なり。もし日干・日支上神利あらざれば、来意は則ち外人の意見合わず・更改せんと欲する事なり。陽課不備は、事は外に起こる。陰課不備は、事は内に起こる。 身命を占う:この人は淫乱正しからず、名と利と皆落空す。もし課神休囚なれば、寿数長からず。 逃亡を占う:吉象は人の遠からずして自ら回り来たるか、あるいは便ち家里人の処に藏れ、あるいは屋子の底下に藏るるなり。 出行を占う:家事に牽扯せられ歩を挪動し得ざるを主る。勉強して往くも順利ならず。
八専課・占例三則(陽日・陰日・独脚)
假如甲寅日未將卯時占,四課不全,只有二課,此陽日當從一課於日上順數三位,至辰上見申為初傳,中末二傳以日干上午字取之,三傳為申午午,此陽日八專。 陽日與陽比為用。
例を挙ぐ:甲寅日、未を用いて月将とし卯時に課を起こす。甲は寅に寄宮して日支もまた寅に因り、四課は并せて両課と成り、斉全ならず。これは陽日なれば、第一課(日干上神午)より起こり、地盤の上に順って三位を数ふ:午の臨む所の地盤は寅、寅より順数して寅・卯・辰、地盤辰位に到り、辰上の天盤神は申なり、申を取りて初伝と為す。もし直に天盤神名を数えば、午より順数三辰しても亦申を得、結果相同じ。中伝・末伝は皆日干上神午を取る。ゆえに三伝は申・午・午、これは陽日八専の例なり。 (原注)陽日は陽と同類相比する一方を取りて発用と為す。
官申青 子午白 子午白 六 白 六 白 戌 午 戌 午 午 寅 午 甲 酉戌亥子 申 丑 未 寅 午巳辰卯
これは上例甲寅日の課盤。最上の三行は三伝:初伝申は甲日の官鬼爻で青龍を乗る。中伝午・末伝午は皆子孫爻で白虎を乗る——中末重複は、正に八専課の两課并合・三伝不足の象を見る。中間の三行は四課で、右より左へ:最下の行の下神は甲(甲は寅に寄宮)・午・寅(寅すなわち日支)・午。中間の行の上神は午・戌・午・戌。最上の行の天将は白虎・六合・白虎・六合。日干寄宮と日支と同じく寅に在るに因り、第一課と第三課と完全重合し・第二課と第四課と完全重合すれば、ゆえに実際ただ両課のみ。最下の四行は天地盤:外枠十二格は固定の地盤巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅・卯・辰の十二宮。本課は未将を卯時に加え、天盤は地盤に比べ四位順進するので、巳宮上は酉・午宮上は戌・未宮上は亥・申宮上は子、余は類推す可し——これに由りて査し得るに、地盤辰位の上は正に申、すなわち本課の発用なり。
假如丁未日丑將戌時占,四課不全,只有二課,此柔日,從第二課逆數三位為用神,從丑逆數至亥,以亥作初傳,中末俱從日干戌字取之,此係陰日八專例。
さらに一例を挙ぐ:丁未日、丑を用いて月将とし戌時に課を起こす。丁は未に寄宮して日支もまた未なれば、四課は并せて両課と成り、斉全ならず。これは陰日なれば、第二課の上神より起こり逆らいて三位を数えて発用を取る:第二課上神は丑、丑より逆数して丑・子・亥、亥を得、亥を取りて初伝と為す。中伝・末伝は皆日干上神戌を取る。これは陰日八専の例なり。
官亥陰 子戌后 子戌后 常 后 常 后 丑 戌 丑 戌 戌 未 戌 丁 申酉戌亥 未 子 午 丑 巳辰卯寅
これは上例丁未日の課盤。最上の三行は三伝:初伝亥は丁日の官鬼爻で太陰を乗る。中伝戌・末伝戌は皆子孫爻で天后を乗る。中間の三行は四課で、右より左へ:最下の行の下神は丁(丁は未に寄宮)・戌・未(未すなわち日支)・戌。中間の行の上神は戌・丑・戌・丑。最上の行の天将は天后・太常・天后・太常。日干寄宮と日支と同じく未に在れば、ゆえに第一・第三課は重合し、第二・第四課は重合し、実ただ両課のみ。最下の四行は天地盤:外枠は仍りて固定の地盤巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅・卯・辰の十二宮。本課は丑将を戌時に加え、天盤は地盤に比べ三位順進するので、巳宮上は申・午宮上は酉・未宮上は戌・申宮上は亥、余は類推す可し。第二課上神丑より逆数三辰して亥を得、すなわち本課の発用なり。
假如己未日日亥將占,從辰上所乘之神酉,又就地盤酉位逆數三辰,就看天盤所乘之神為初傳,中末皆從日干上酉為中末傳是也。名為之獨腳課。
さらに一例を挙ぐ:己未日、亥を用いて月将として課を起こす(課盤に依れば天盤は地盤に比べ二位順進し、これは亥将を酉時に加う)。まず日支未上の乗る所の神は酉なるを看る。再び地盤酉位より起こり逆らいて三辰を数ふれば、すなわち酉・申・未、地盤未位に落ち、未位上の乗る所の天盤神を看るに仍りて酉なれば、便ち酉を取りて初伝と為す。中伝・末伝も皆日干上神酉を取る。三伝全く一個の酉字なれば、ゆえに「独脚課」と言う——三伝ただ一足を得、孤立して依傍する所無し。(底本「己未日日亥将占」の中「日」字は重出す。)
子酉后 子酉后 子酉后 元 后 元 后 亥 酉 亥 酉 酉 未 酉 己 未申酉戌 午 亥 巳 子 辰卯寅丑
これは上例己未日の課盤。最上の三行は三伝:初伝・中伝・末伝全て酉にして、皆己日の子孫爻、皆天后を乗る——三伝同じく一字を為すは、正に独脚課の名の本とする所なり。中間の三行は四課で、右より左へ:最下の行の下神は己(己は未に寄宮)・酉・未(未すなわち日支)・酉。中間の行の上神は酉・亥・酉・亥。最上の行の天将は天后・玄武・天后・玄武。日干寄宮と日支と同じく未に在れば、ゆえにただ両課を成すのみ。最下の四行は天地盤:外枠十二格は固定の地盤巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅・卯・辰の十二宮。本課は天盤が地盤に比べ二位順進するので、巳宮上は未・午宮上は申・未宮上は酉・申宮上は戌、余は類推す可し。地盤酉位より逆数三辰して地盤未位に至れば、その上は正に酉、ゆえに初伝は酉を得、中末二伝と字を同じくす。
八、別責課
別責課 歌曰:四課不全三課成,無克無遙別責名,剛日先傳干合傳,支前三合柔日行,中末歸於日干上,此是別責三傳靈。
別責課。歌訣に曰く:四課斉全ならず、ただ三課を成すを得、而も課中に既に相克無くまた遥克無ければ、これを別責と言う。陽日(剛日)は日干の天干五合の神の在る宮位の上神を取りて初伝と為す。陰日(柔日)は日支三合局の中位に居りてその前に在るあの一支の上神を取りて初伝と為す。中伝・末伝は皆日干上神に帰す。これに依りて排出する三伝は尤も霊験なり。「別責」とは、本課干支の内に在りて取らず、別に向かって他処より責取して一神を得るを言う。
干支只有三課,無克賊,又無遙克,又不入昴星不以昴星發用,非不入也。只以別責取用。陽日取干合處上神為用,如甲日合己,己在未,則取未上所得之神為用,為初傳;中傳末傳俱在日上取。陰日以日支辰三合前一辰上所得神為初傳。如乙巳日,巳酉丑三合也,酉在巳前,取上得之神為初傳,中末之依日上取之,是名別責課。
日干・日支ただ三課を排し出すを得るのみ、その中に既に克贼無くまた遥克無く、また昴星課に按じて取らず——原注に曰く、ここは昴星の法を用いずして発用するにして、それが昴星に帰入し得ざるに非ず、ただ別責取用に改むるのみ。陽日は日干の天干五合の神の在る宮位の上神を取りて発用と為す:たとえば甲日は己と相合し、己は未に寄宮すれば、便ち未位の上の得る所の天盤神を取りて発用と為し、すなわち初伝。中伝・末伝は皆日干上神を取る。陰日は則ち日支三合局の中に位してその前に在るあの一辰の上の得る所の神を取りて初伝と為す:たとえば乙巳日、巳酉丑三合、酉は巳の前に在れば、便ち酉上の得る所の天盤神を取りて初伝と為し、中伝・末伝は仍りて日干上神を取る。これを別責課と言う。
別責者,言不在干支之課之內取用,就日之陰陽別責他神而用之。陽日取干合者,陽主動,干常動,陽求陰合,故以干合之神為用。陰陽合則變化神明之道出矣。陰日取支前三合神為用者,陰主靜,靜以類聚,故以三合靜極則動,而變化出矣。陰陽各以類聚相合,則不復別求志向,故中末傳俱歸於本身也。
いわゆる「別責」とは、日干・日支の本課の内に在りて発用を取らずして、日の陰陽属性に按じて別に向かって別の神に責取して来たりて用うるを言う。陽日に天干五合の神を取るは、陽は動を主り日干は常に動き、陽は往きて陰を求めてこれと相合すれば、ゆえに日干と相合する神を取りて発用と為す——陰陽一たび合すれば、変化神明の道理便ち顕現す。陰日に日支三合局の中の前に在るあの一辰を取るは、陰は静を主り、静なれば則ち同類を以て相聚まるが故に、ゆえに三合の局を借り、静極まれば便ち動き、変化もまた出づ。陰陽各々同類を以て相合すれば、更に別に志向を尋ぬるを要せず、ゆえに中伝・末伝は皆日干本身の上に帰す。
斷曰:別責闇昧多不足,與人先合後參差。一人二心為定托,屈己從人始為宜。又主他人之事,經曰:“別責事在他人!” 孔明曰:“別責課主蕩泆、奸盜、不正之事。凡舉不備,求謀不遂,欲動不動,留連之課。以支干皆取合神,故男婦皆有私合。”
断語に曰く:別責課は曖昧不明にして処処欠缺し、人と相処るにまず合い得て後に参差す。一人が両様の心思を懐き、説定の托付も算数し難し。ただ己を委屈して人に順従するのみ、乃ち相宜と算す。この課はまた他人に替わりて事を弁ずるを主り、《経》に曰く:「別責の事は皆別人の身上に在り。」 諸葛孔明曰く:「別責課は放蕩淫佚・奸盗不正の事を主る。凡そ挙動有れば皆完备せず、求むる所謀る所皆心に称わず、動かんと欲して動く能わず、これは牽纏留連の課なり。日干・日支ともに別に合神を取るを要すれば、ゆえに男女双方皆私下の苟合有り。」
假如丙辰日巳時未將占,陽取丙與辛合,辛課戌之上見亥為初傳,中末俱在日干午字取之,此是陽日別責例。
例を挙ぐ:丙辰日巳時、月将を用いて課を起こす(課盤に依れば、天盤は地盤に比べ一位順進し、すなわち午将を巳時に加う。底本は「巳時未将」と作るも盤に合わず)。これは陽日、丙と辛との相合を取り、辛は戌に寄宮し、戌位の上に亥を得、便ち亥を以て初伝と為す。中伝・末伝は皆日干上神午を取る。これすなわち陽日別責の例なり。
官亥貴 兄午青 兄午青 青 空 勾 青 午 巳 未 午 巳 辰 午 丙 午未申酉 巳 戌 辰 亥 卯寅丑子
これは上例丙辰日の課盤。最上の三行は三伝:初伝亥は丙日の官鬼爻で貴人を乗る。中伝午・末伝午は皆兄弟爻で青龍を乗る。中間の三行は四課で、右より左へ:最下の行の下神は丙(丙は巳に寄宮)・午・辰(辰すなわち日支)・巳。中間の行の上神は午・未・巳・午。最上の行の天将は青龍・勾陳・天空・青龍。第一課「午加巳」と第四課「午加巳」と完全相同なれば、ゆえに四課は実ただ三課、且つ上下の間に既に克無く遥克無く、正に別責取用の条件に合す。最下の四行は天地盤:外枠十二格は固定の地盤巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅・卯・辰の十二宮。本課は天盤が地盤に比べ一位順進するので、巳宮上は午・午宮上は未・未宮上は申・申宮上は酉、余は類推す可し——これに由りて査し得るに、丙の合神辛の寄る所の戌宮の上は正に亥、すなわち本課の発用なり。
假如辛丑日戌時未將,柔日取丑前巳三合為用為初傳,中末皆在日干上取,未為中末傳也。一說三合巳上寅為用,為尋天盤上寅作初傳。《神定經》云:“柔日取三合上神為卦首。”,則是寅是也。此是陰日別責例。
さらに一例を挙ぐ:辛丑日戌時、未を用いて月将として課を起こす。これは陰日、日支丑は巳酉丑三合に属し、巳は丑の前に在れば、便ち巳を取りて発用と為し初伝と為す。中伝・末伝は皆日干上神未を取る。別に一説有り:地盤巳位の上の天盤神を取るべし——本課は天盤が地盤に比べ三位退し、巳位上は寅なれば、便ち寅を以て初伝と為す。《神定経》に曰く:「陰日は三合の位の上神を取りて課首と為す。」この説に照らせば、初伝は寅たるべし。本例の附する課盤が取る所は巳なり。これすなわち陰日別責の例なり。
官巳蛇 印未后 印未后 后 常 朱 后 未 戌 辰 未 戌 丑 未 辛 寅卯辰巳 丑 午 子 未 亥戌酉申
これは上例辛丑日の課盤。最上の三行は三伝:初伝巳は辛日の官鬼爻で螣蛇を乗る。中伝未・末伝未は皆印綬(父母)爻で天后を乗る。中間の三行は四課で、右より左へ:最下の行の下神は辛(辛は戌に寄宮)・未・丑(丑すなわち日支)・戌。中間の行の上神は未・辰・戌・未。最上の行の天将は天后・朱雀・太常・天后。第一課「未加戌」と第四課「未加戌」と相同じれば、ゆえに四課は実ただ三課、且つ克無く遥無く、正に別責の例に合す。最下の四行は天地盤:外枠十二格は固定の地盤巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑・寅・卯・辰の十二宮。本課は未将を戌時に加え、天盤は地盤に比べ三位退後するので、巳宮上は寅・午宮上は卯、未宮上は辰、申宮上は巳、余は類推す可し。
九、伏吟課(陽日自任・陰日自信)
伏吟課 歌曰:六甲伏吟寅巳申,六丙六戊巳申寅,六乙更言辰未戌,六庚申寅巳為真,六癸便尋丑戌未,壬辰壬午亥巳申,惟有四壬別立法,日先辰次末取刑。六己丁辛臨亥酉,辰先日次末取刑。丁未己未無相剋,辰刑沖處三傳明。已上伏吟十五法,剛日柔辰沖末分。
伏吟課。歌訣は十干伏吟の三伝排法を列して十五条と為す:凡そ六個の甲日は、三伝は寅・巳・申(甲は寅に寄り、寅は巳を刑し・巳は申を刑す)。六丙・六戊日は巳・申・寅。六乙日は辰・未・戌。六庚日は申・寅・巳。六癸日は丑・戌・未。壬辰・壬午日は亥・巳・申。ただ其余の四個の壬日のみ別に一法を立つ:まず日干上神を取り、次に日支上神を取り、末伝はさらに刑する所の神を取る。六己・六丁・六辛日の亥・酉に臨むは、則ちまず日支上神を取り、次に日干上神を取り、末伝は刑を取る。丁未・己未の両日は干支同位にして相克無ければ、便ち辰位の刑と冲との上に三伝を定め出す。以上共に十五種の伏吟排法、陽日と陰日との分別は、末伝に刑を取るか冲を取るかに在り。
又曰:伏吟之課見相親,便以克處為用神,亦如課中克者取,剛看日上柔看辰。迤邐刑之作傳末,依此《玉曆》作其真。若也用神當自刑,次傳還與日辰並。次傳刑取神為末,此課諸占最有靈。次者更復自刑者,從此沖取末為精。且如乙丑用天罡,天罡自刑在辰方,用取大吉為中次,刑取天魁為主場。乙木為緣木克上,所以次傳居丑鄉。餘則自刑陰日上,陽日次傳辰上張。
また曰く:伏吟課は天地盤相重なり諸神各々本位に帰り、彼此相親しむに似たり。もし課中に克有れば、仍りて克有るの処を以て発用を取り、弁法は常課の克を取ると相同じ。もし克の取る可き無ければ、陽日は日干上神を看、陰日は日支上神を看る。初伝を取り定めたる後、順次に刑を以て中伝・末伝を取る、これは《玉暦》の定むる所の正法を照らすなり。もし発用の神が恰も自刑の支(辰は辰を刑し・午は午を刑し・酉は酉を刑し・亥は亥を刑す)なれば、刑し出でざれば、中伝は便ち日干・日支の上に并せて取る。再び中伝の刑する所の神に由りて末伝を取れば、かく定め出す三伝は何を占うとも尤も霊験なり。もし中伝がまた自刑に碰上れば、便ちその冲位より改めて末伝を取りて乃ち精当と算す。例を挙げて曰く:乙丑日は「天罡」(辰)を以て発用と為し、辰は自刑の支にして刑し動かざれば、便ち「大吉」(丑)を取りて中伝と為し、再び丑の刑する所の「天魁」(戌)に由りて末伝と為す。乙は木に属し、木は上位の土を克すれば、ゆえに中伝は丑位に落つ。其余の各日は、陰日の自刑は日支の上に帰して取り、陽日の中伝は則ち日支の上に安んず。
又曰:伏吟先用責三刑,若見三刑迤遞憑。有克初傳相剋應,先沖後刑用為真。無克柔辰剛所用,先刑後沖作初名。初傳若犯自刑者,中傳剛日柔辰沖。中傳或又自刑次,先沖後作末刑星。刑沖或無往來處,末傳或用剛三刑。
また曰く:伏吟課の三伝を取るはまず三刑を責求す。もし三刑俱に見えば、便ち依次に輾転相刑して取る。課中にもし克有れば、初伝は便ち相克のあの一処を取りて応じ、中末二伝はまず冲を取り後に刑を取りて乃ち真と為す。課中にもし克無ければ、陰日は日支上神・陽日は日干上神を取りて発用と為し、中末二伝はまず刑を取り後に冲を取りて名を定む。初伝もし自刑を犯せば、中伝は陽日は日干上神に帰し・陰日は日支上神に帰し、あるいは冲位を取る。中伝もしまた自刑なれば、あれなればまず冲を取り、後に刑する所の神を以て末伝と為す。倘若刑と冲と皆取る処無ければ、末伝は便ち仍りて陽日の三刑の神を取る。
式中天盤諸神皆伏於本位,如其家,所謂登殿入垣者是也。如天盤神后加地盤子之例也。凡值此象名曰伏吟課,此時日辰陰陽不分,無相剋制,剛日以干神為用,柔日以辰上神為用,以剛德在陽,柔德在陰故也。
式盤の上に天盤十二神全て自らの本位の上に伏し、各々家に回帰せるが如し、これすなわちいわゆる「登殿入垣」なり。たとえば天盤の「神后」(子)が正に地盤の子位の上に加わり、其余の十一神も一々対応す。凡そこの種の局面に遇上すれば、便ち伏吟課と言う。この時日干・日支の陰陽は分かち出でず、彼此にも相克相制無ければ、ゆえに陽日は日干上神を取りて発用と為し、陰日は日支上神を取りて発用と為す——剛健の徳は陽に在り・柔順の徳は陰に在るの緣故なり。
以日辰有陰陽之分也,故伏吟名曰自任,柔日伏吟名自信,如甲丙戊庚壬是剛日也,甲日用寅,丙戊日用巳,庚日用申,壬日用亥,此皆用自己所課之位,自恃有德有祿,是以自任事也。故名自任課,但未免將德祿以刑人,故中末傳用三刑也。
正に日干・日支に陰陽の別有るを以て、ゆえに陽日の伏吟は「自任課」と言い、陰日の伏吟は「自信課」と言う。甲・丙・戊・庚・壬は陽日:甲日の発用は寅を取り、丙日・戊日は巳を取り、庚日は申を取り、壬日は亥を取る——これらは皆各自の寄宮の在る所の位にして、自ら恃むに徳有り禄有り、因りて一切自ら承当すれば、ゆえに自任課と言う。ただこうなれば、免れず自らの徳禄を拿りて人を刑するを要し、ゆえに中伝・末伝は皆三刑を以て相承く。
但用神偶有自刑而不能刑人者,則中末傳杜塞不行矣,理必取支神為中傳而末傳用支之刑也,或偶有中傳又是自刑,則末傳杜矣,卻以中傳所沖者為末傳,此剛日取三傳之法也。乙丁己辛癸是柔也,惟乙癸日有天罡被賊克下為用,亦非比肩德祿,乃是財官之神,其餘皆用本支辰或信人,或自信而用之,故名自信課。
ただし発用の神は偶々正に自刑の支にして、別人を刑する能わざれば、中末二伝は堵塞して通ぜず。理に按じて必ず日支の神を改め取りて中伝と為し、末伝はさらに日支の刑する所の神を取るべし。もし中伝が碰巧また自刑なれば、末伝もまた堵え塞がり、あれなれば中伝の冲位を取りて末伝と為す。これすなわち陽日の三伝を排する弁法なり。乙・丁・己・辛・癸は陰日:その中ただ乙日・癸日のみ「天罡」(辰)の下神に贼克せられて発用と為さるる有り、あれもまた同類の徳禄の神に非ずして、財爻・官爻なり。其余の各陰日は皆本日の日支を取り、あるいは人に信托し、あるいは自ら信じ自ら守りて之を用うれば、ゆえに自信課と言う。
如丁卯日用卯,丁巳日用巳之類,皆取相刑為中末傳,若初傳是自刑,則是杜傳,用日者中傳投於辰,用辰者中傳投於日,如乙酉、乙亥、丁酉、丁亥日皆是自刑,須用此法相刑而作中末傳也。如中傳又是自刑,須以中傳所沖者為末傳,此五陰日最三傳之法也。
たとえば丁卯日は卯を取りて発用と為し・丁巳日は巳を取りて発用と為すの類にして、中末二伝は皆相刑の神を取る。もし初伝本身が自刑の支なれば、あれはすなわち「杜伝」(路の堵死せる)なり:もと日干上神を以て発用と為したるは、中伝は便ち日支の上に投ず。もと日支上神を以て発用と為したるは、中伝は便ち日干の上に投ず。乙酉・乙亥・丁酉・丁亥のこれらの日の如きは皆自刑に属し、必ずこの弁法を用いて輾転相刑し以て中末二伝を定むる要し。もし中伝また自刑なれば、便ち中伝の冲位を取りて末伝と為すを得。これは五個の陰日の三伝を排する要法なり。
愚按:前七言歌中十干伏吟十五法乃出於《玉曆》者,及查鈐法中,伏吟三傳與歌中不同,《玉曆》言“六乙辰未戌”,而鈐中惟乙丑是無辰丑未戌,若乙亥日則辰亥巳,乙酉日則辰酉卯,乙未日則辰未丑,乙巳日則辰巳申,乙卯日則辰卯子,《玉曆》言“壬辰壬午亥巳申”,而鈐中壬午則亥午子,壬辰則亥辰戌,
我按ず:前面のあの七言歌の中の十干伏吟の十五種排法は、《玉暦》より出づ。查対して「鈐法」(日に按じて排定せる現成の課鈐)に到りて、伏吟三伝が歌訣の説く所と并せて一致せざるを発見す。《玉暦》に六乙日は一律に辰・未・戌と曰うも、鈐法の中ただ乙丑日のみ略々この式に近く、辰丑未戌のやうなる排法は有らず:乙亥日は辰・亥・巳と作り、乙酉日は辰・酉・卯と作り、乙未日は辰・未・丑と作り、乙巳日は辰・巳・申と作り、乙卯日は辰・卯・子と作る。《玉暦》に壬辰・壬午の両日は亥・巳・申と曰うも、鈐法の中に壬午日は亥・午・子と作り、壬辰日は亥・辰・戌と作る。
《玉曆》言“六己丁辛臨己卯,辰先日次末取刑”,而鈐中己巳日則巳申寅,己卯日則卯子卯,己丑日則丑戌未,己亥日亥未丑,己酉日酉未丑,己未日未丑戌,丁巳日巳申寅,辛未日未丑戌,辛巳日巳申寅,辛卯日卯子午,辛丑日丑戌未,辛亥日亥戌未,辛酉日酉戌未,此《玉曆》與鈐法不同者,如此當以鈐法為正,可依鈐法而占也。丁卯日卯子卯,丁丑日丑戌未,丁亥日亥未丑,丁酉日酉未丑,丁未日未丑戌,
《玉暦》に六己・六丁・六辛日の己卯に臨むは、まず日支を取り次に日干を取り末伝は刑を取ると曰うも、鈐法の中に於ては:己巳日は巳・申・寅と作り、己卯日は卯・子・卯と作り、己丑日は丑・戌・未と作り、己亥日は亥・未・丑と作り、己酉日は酉・未・丑と作り、己未日は未・丑・戌と作る。丁巳日は巳・申・寅と作る。辛未日は未・丑・戌と作り、辛巳日は巳・申・寅と作り、辛卯日は卯・子・午と作り、辛丑日は丑・戌・未と作り、辛亥日は亥・戌・未と作り、辛酉日は酉・戌・未と作る。《玉暦》と鈐法と合わざるの処はこれらなり。この種の情形に遇えば、応に鈐法を以て正と為し、鈐法に照らして課を起こし占断すれば便ち可なり。この外丁卯日は卯・子・卯と作り、丁丑日は丑・戌・未と作り、丁亥日は亥・未・丑と作り、丁酉日は酉・未・丑と作り、丁未日は未・丑・戌と作る。(末に列ぬる数条は乃ち上に承けて丁日の各課を補録せるにして、底本ここに至りて未だ収束を加えず。)
陽日伏吟名自任,陰日伏吟名自信,陰陽各伏歸根本,伏吟體靜不安寧。 歌曰:自信伏吟體,陰陽歸本家,剛以日為用,刑處作中程,末向刑沖處,三傳為弟兄,忽逢凶惡將,破敵別離情,剛日行中止,柔辰伏內驚,居者將離析,逃亡不遠程。
陽日の伏吟は自任と言い、陰日の伏吟は自信と言う。陰陽両方各々伏して根本の位に回れば、ゆえに伏吟のこの一躰は静中に不安寧を帯ぶ。 歌訣に曰く:自信伏吟のこの課躰、陰陽皆本家に帰す。陽日は日干上神を以て発用と為し、刑する所の処を取りて中伝と為し、末伝はさらに刑あるいは冲の処に向かいて取る。三伝彼此は兄弟の如し(同気にして相離れず)。もし忽然として凶悪の天将に遇上せば、則ち敵を破りあるいは離別の情を主る。陽日は行きて中途に止まるを主り、陰日は裏に伏して驚を受くるを主る。安居の人は将に離散せんとし、逃亡の人も遠く走る能わず。
又曰:信任伏吟體,行人主到門,失物家內盜,逃者隱鄉鄰,病人難言語,占胎聾啞人,訪人藏不出,行者卻回輪。 又曰:信任伏吟體,詔召人到門,失物主者盜,逃逋隱親鄰,有病難得好,言語緘默人,求人舌捲縮,城守勿逡巡。
また曰く:自信・自任の这两种伏吟課躰、行人を占えば人の已に門口に到れるを主る。失物を占えば家里人の偷めしなり。逃亡を占えば、人は郷隣の処に藏る。病人を占えば則ち口を開きて言う能わし難し。胎孕を占えば生まれ出づるが聾唖の人たらんことを怕る。往きて人を訪えば則ち対方は藏れて出で来らず。出行の人は半路にしてまた折り返る。 また曰く:自信・自任の伏吟課躰は、詔命の徴召する人の門に到る有るを主る。失物を占えば主家の自己人の盗めるなり。逃亡の人は親戚隣里に藏る。病有れば痊愈し難し。言う人は緘黙して言わず。往きて人を求めれば則ち対方は舌を巻縮して応承を肯んぜず。もし城を守れば安守して動く勿れ、遅疑徘徊する勿れ。
又斷曰:自任剛日得伏吟,行止遷移根本深,出行中道須回返,關梁杜絕未歸心,居者得移逃者去,迫而後動不自任,或言三刑俱得用,事多害物反沈吟。 又曰:自信乘日伏吟課,危者獲安動者寧,伏藏於內不相見,行人立歸出不成,逃亡應不出邑里,盜賊審察家裡人,深根固蒂多勞苦,吉將乘之求望榮,若值凶將來入課,諮嗟不動難見形。
また断じて曰く:陽日に占い得る自任伏吟は、行止・遷移を論ぜず、根柢は皆扎ること甚だ深し。出門して半路に走れば必ず折り返さんと要し、関隘阻絶して人はなお帰意未だ有らず。安居の人は反って遷走し得、逃亡の人は真に去り去らん。逼られて已むを得ざるに至りて乃ち動く要し、自らその事を任ずとは談ずるに足らず。ある人は三刑皆取用し得と言うも、其実事は多く傷害有りて、反ってただ伏してあの処に在りて嘆息するのみ有り。 また曰く:陰日に占い得る自信伏吟は、険に処る人は反って平安を得、躁動の人は反って安寧を得。人は裏に伏藏して彼此相見えず。行人を占えば則ち立刻に回り、出行を占えば則ち去り成らず。逃亡の人は本郷本里を跑出でず。盗賊を占えば自家人の裏に査す要し。この課は根は深く蔕は固くして労苦多し。吉将を乗れば則ち求むる所の栄顕を得べし。もし凶将の課に入るに逢えば、便ちただ咨嗟嘆息し・動弾し得ず・形跡現われ難きのみ有り。
孔明曰:“伏吟者屈伏而不得伸,伏藏而不安,久靜欲動,故伏而呻吟也。吟乃諮嗟呻吟之聲有可聞者。蓋其體用陽則害陰,用陰則舍陽,是天地不備,陰陽偏枯,實為不足之體,是以有吟聲也。
諸葛孔明曰く:「いわゆる伏吟とは、屈伏して伸展し開かず・藏伏して安寧を得ず、静なること久しければ便ち動かんと欲すれば、ゆえに伏してあの処に在りて呻吟す。『吟』とはすなわち聴聞し得べき咨嗟呻吟の声なり。この一課躰に因りて、陽を用うれば則ち陰を傷り、陰を用うれば則ち陽を舎て、是れ天地完备せず・陰陽偏枯の局面にして、実にこれ欠陷有る課躰なれば、ゆえに呻吟の声有るを乃ちす。
其為用也,有克無克,刑人自刑,一體之中有不一者。有如六乙日財多害己,六己日否極泰來,甲丙庚日有祿無馬,六戊日有丙三奇,六壬日自刑,壬午壬辰日重犯,壬申日不為空亡,丁己辛日無德,此十干有不一如此,陽日先刑後沖,以見伏外。陰日刑害破沖,以見伏內。皆是刑中有害,破中有合,凶中有吉,吉處藏凶,禍福倚伏,不可一概而推之,更有助刑伐德,歲月沖空亡者,全在天神煞刑沖破害評之。”
取用に就きて言えば、あるは克有りあるは克無く、あるは人を刑しあるは自刑す、同一課躰の中に情形は并せて一律ならず。譬へば六個の乙日は財爻多過ぎて反って己を害す。六個の己日は否極まりて泰来たる。甲・丙・庚日は禄神有りて駅馬無し。六個の戊日は丙火三奇を帯ぶ。六個の壬日は自刑に属し、壬午・壬辰の両日はさらに重犯にして、壬申日は則ち空亡に落ちず。丁・己・辛日は則ち天徳無し。十干の情形は参差してかくの如し。陽日はまず刑を取り後に冲を取り、以てそれが伏すといえども気は外に在るを見ん。陰日は兼ねて刑・害・破・冲を取り、以てそれが伏して気は内に在るを見ん。総じて刑の中に害を夾み・破の中に合を夾み・凶の中に吉有り・吉の裏に凶を藏め、禍福は互相に倚伏し、一概に論ず可からず。この外また助刑伐徳・太歳月建の空亡を沖動する等の情形有りて、全て天神・凶煞と刑冲破害と合わせて評断するを靠る要し。」
邵子曰:“伏吟之體,陰陽各還本位,天地各合元神,各歸根復命矣。自陰陽伏位未動言之,則遠本乎靜;自天地復合言之,則動極而靜也。雖靜亦將動也,是以伏吟主靜而有靜中之動,雖三傳刑沖而成,亦造化當然之理也。”
邵康節曰く:「伏吟のこの一課躰、陰陽各々退回して本位に就き、天盤地盤各々元神と相合し、皆根に帰り命に復す。陰陽伏位して未だ動かざるのこの一面より言えば、それは静に本源于す。天地重ねて合一するのこの一面より言えば、則ち動極まりて復た静に帰るなり。静なるといえども、また将に動かんとすれば、ゆえに伏吟は静を主りて静中に動有り。三伝は刑冲に由りて排成するといえども、あれもまた正に造化本然の理なり。」(「帰根復命」の語は《老子》十六章に出づ。)
袁天罡:“伏者,伏俯於人,為人所役,甘伏而不敢從者也。俯伏則不能舉首也,呻吟則有憂嘆之聲矣。象曰‘如浮萍之無根,自聚自散’也。陽日伏吟名自任課,任者,委用也,用則必動矣。蓋陽日發用在干,干處外,又是四神生旺祿馬之鄉,有刑有沖,安得不動?豈可概言靜守伏藏哉?更見丁馬發用,則決動矣。
袁天罡曰く:「『伏』とはすなわち別人の下に俯伏し・人に役使せられ、甘心して屈伏して従違有るを敢てせず。俯伏すれば便ち頭を抬ぐ能わず、呻吟すれば便ち憂嘆の声を帯ぶ。象辞にそれを『浮萍の根無きに像り、自ら聚まり自ら散ず』と曰う。陽日の伏吟は自任課と言い、『任』は委任任用の義なり、一たび任用せられれば必ず動くを要す。陽日の発用は日干の上に在るに因り、日干は外位に処り、また四長生・旺気・禄神・駅馬交匯の郷にして、その間に刑有り冲有り、怎んぞ動かざらんや?豈に一概に静守伏藏と説くを得んや。もしさらに丁神・駅馬の発用を見れば、あれなれば動かんと断定す。
陰日伏吟曰自信課,惟信乎己,不敢委任他人也。既僅自信,則安靜自守矣。蓋陰日發用在支,支辰屬內,又傳入四季庫墓之地,終不見陽神,安得不伏哉?雖丁馬入用,亦難行動矣。大抵此課不論日之陰陽,總是不可信用他人,只宜自信自任自知,伏匿於深處,裁度於自己。若謀用於他人,則變詐生,任使於他人,則奸慝至,當在反思之。”
陰日の伏吟は自信課と言い、ただ自己を信じて別人に托付するを敢てせず。すでにただ自己を信ずれば、あれなれば安静にして自守す。陰日の発用は日支の上に在るに因り、日支は内位に属し、三伝はまた辰戌丑未の四季庫墓の地に伝入し、始終陽神を見ず、怎んぞ伏せざらんや。縦令丁神・駅馬の用に入る有るも、行動を得ること難し。大体に言えば、この課は日干の陽に属する陰に属するを論ぜず、帰するところ他人を信用す可からず、ただ自ら信じ・自ら任じ・自ら知るに宜しく、深き処に藏れ、凡事は自己に由りて裁度す。もし事を別人に謀托すれば、便ち欺詐を生出す。もし事を別人に差使すれば、便ち奸悪を招来す——この一点は応に反覆して思量すべし。」
劉伯溫曰:“伏吟課不可輕用,諸神不易位,不可妄動,能盡意自守,則吉輕。用妄動則憂喜交併,可不謹哉?”凡事主近,又主進退不寧,進不能遂,退不能通。三傳日辰見虎,加辰戌巳亥作貴人臨於卯酉上者,主因不足而生疑憂,欲行動而未決者,欲行動而不能致遠也。
劉伯温曰く:「伏吟課は軽易に取用す可からず。天盤諸神皆移位無ければ、人もまた妄動す可からず。能く一心自守せば、凶は便ち軽し。もし妄動せば、憂と喜と便ち交錯して并せ至り、怎んぞ謹慎せざるを得んや。」この課は凡事皆近処を主り、また進退不寧を主る:進むもまた心に称う能わず、退くもまた行き通らず。もし三伝と日干・日支の上に白虎を見、辰・戌・巳・亥の位に加えて、而も貴人また卯・酉の上に臨めば、欠缺不足に因りて疑慮憂愁を生じ、行動せんと欲して主意を拿定せず、あるいは行動せんと欲すといえども遠く走る能わざるを主る。
又如剛日木神臨木,憂木器,男子欲遠行;火神臨火,主男子口舌,至縣官;金神臨金,主憂遷移分異;土神臨土,主憂女子訟田宅分異;水神臨水,主憂財物走失。剛日外事撓,或緣動作,事多難了,牽連累及人;凡舉動未能遂心,在內將出,在外將移,合者將離,皆以神將言之。
また陽日に占い得る伏吟の如き:木神の木位に臨むは、憂は木器に在り、あるいは男子の遠門に出でんと欲するなり。火神の火位に臨むは、男子に口舌有りて県衙に鬧ぐを主る。金神の金位に臨むは、遷移分家を憂うを主る。土神の土位に臨むは、女子の田宅のために争訟し分産するを憂うを主る。水神の水位に臨むは、財物の走失を憂うを主る。陽日は多く外事に擾せられ、あるいは動作する所有るに因りて事は了し難く、牽連して旁人に累及す。凡そ挙動有れば皆心に称う能わず:家に在るは将に外出せんとし、外に在るは将に遷移せんとし、聚合のは将に離散せんとす——具体は仍りて乗る所の天将に按じて言う要し。
伏吟課・分類占断
占來意 若剛日得此課,行年上值六合,來意主成合事,喜須有阻隔,成不成以天將言之。又卯酉日卯酉為用,將得蛇虎雀,或行年或立丑未,來意主陰人欺詐不明之事。若子午巳亥日得此課,並行年上,來意主為訟之憂也。若寅申日占得青龍神后,主占望小兒疾病,祭祀方安。柔日得此課,主陰人病及失血,六戊六癸日伏吟日。
来意を占う:もし陽日にこの課を得て行年の上に正に六合に逢えば、来意は結合の事を促成せんとするなり、喜中に却って阻隔有り、成るか成らざるかは乗る所の天将を看る要し。また卯日・酉日が卯・酉を以て発用と為し、乗る所は螣蛇・白虎・朱雀、あるいは行年・あるいは丑未の位に立てば、来意は便ち婦人の欺詐・真相不明の事なり。もし子・午・巳・亥日にこの課を得、また行年の上に并せ在れば、来意は訴訟のために憂うるを主る。もし寅日・申日に占い得る青龍と神后(子)は、小児の疾病を問い来たるを主り、須らく祭祀したる後乃ち安寧を得べし。陰日にこの課を得れば、婦人の生病および失血の症を主る。六戊・六癸日は則ち本より伏吟の日なり。
占謀望 用是孟神,主暗託人謀外事,欲言不言,欲舉不舉,舉亦未成,占事動則宜,靜則宜動。 占功名 惟六戊六癸日吉。歌曰:六戊六癸日伏吟,官旺三奇有祿神,何堪傳又入三刑,四十五日賀天恩。
謀望を占う:発用もし寅申巳亥の四孟の神なれば、暗中に人を托して外面の事を謀弁するを主る。言わんと欲して言わず、挙動せんと欲して挙動せず、縦令挙動するも弁成らず。事情を占えば則ち動は静に比して好く、静久しければ便ち動くべし。 功名を占う:ただ六戊・六癸日のみ吉と為す。歌訣に曰く:「六戊・六癸日に占い得る伏吟は、官星旺相・三奇斉全してまた禄神有り。たとえ三伝さらに三刑に入るとも、四十五日の内に皇恩に拝謝せんと要す。」
占家宅 主宅不變動,有不寧之事。辰上若作墓神,作天后,主家有伏尸鬼,家不振發,人口刑並,若得辰上見六合,必主已下子孫振發及凶中進人口。卯酉上見蛇虎,主有喪服至,卯主外服,酉主內服,事速則應六日或十二日,遲則應六十日或一百六十日。又主家藏盜賊,家小不寧,萬狀皆不能遂。值丁馬,有人出外,或修改,或遷移之事。
家宅を占う:住宅は変動せざるを主るも、家中に不安寧の事有り。もし日支上神が墓神と成り、また天后を乗れば、家裏に伏尸の邪祟有りて家道興らず、人口は相刑し并せ害するを主る。もし日支上神に六合を見れば、必ず以下の子孫の興旺を主り、甚だしくは凶中にまた人口を添う。もし卯位・酉位の上に螣蛇・白虎を見れば、喪服の門に臨む有るを主る:卯は外親の喪を主り、酉は内親の喪を主る。応期の速きは六日あるいは十二日に在り、遲きは六十日あるいは一百六十日に在り。また家中に盗賊を窩藏し・家小不寧・万事皆心に遂わざるを主る。もし丁神・駅馬に逢えば、則ち人の門外に出でて在る有り、あるいは修造・遷移の事有り。
占疾病 主病難愈,支干見死神者死,或休囚死絕亦死。無凶將死氣,主伏枕。冬淹,病者面向內臥,朝陰背陽,至危至重。若太陰入傳,主不能言語;螣蛇加日辰,亦主見子眼目有疾;白虎加日辰,主見子有唇口喉舌之患;餘不妨,亦主血病。
疾病を占う:病の痊愈し難きを主る。日干・日支の上に「死神」を見るは死せんとし、課神休囚・死地絶地に入るもまた死せんとす。もし既に凶将無くまた死気無ければ、則ちただ臥床して起きざるのみなり。冬に占えば則ち病情纏綿し、病人は面を向けて裏に睡り・陰に向かい陽に背き、尤も危重なり。もし太陰が三伝に入れば、病人の言を出づる能わざるを主る。螣蛇が日干・日支の上に加われば、子女の眼目に疾有るを主る。白虎が日干・日支の上に加われば、子女に唇口咽喉の患有るを主る。其余の情形は事を妨げざるも、ただ血分の病を主るのみなり。
占行人 若天驛二馬入傳,占遠行則日立至。無馬亦主信來。占近人陽日主歸家,但身不安寧。經曰“剛日行人到戶庭。”以用神是孟,或見馬故也。若是千餘里之行人,則不回矣。緣天方不動故也。又經曰“剛日伏吟時會間”者,是言近出約回之人,占得此則可以倚門相會。若陰日亦主遲歸矣。
行人を占う:もし天馬・駅馬の両馬が三伝に入れば、遠行の人を占うに当日便ち到る。馬無きも書信の来る有るを主る。近処の人を占えば、陽日は家に回るを主るも、ただ回り来たる後身心安寧を得ず。《経》に「陽日の行人は門庭に到る」と曰うは、あれは発用が四孟の神たるか・あるいは課中に馬を見るの緣故なり。もし千里之外に行く所の人なれば、便ち回り来る能わず——天盤諸神皆伏して動かざるに因る。《経》にまた「陽日の伏吟は、時会の間」と曰うは、あの近処に出門し・約して回らんとする人を説くにして、この課を占い得れば便ち門に倚りて相候す可し。もし陰日なれば、則ち帰期の遲からんを主る。
占出行 剛日主中道有再回之象,在內將出,在出將移,合者將離,一曰陽日欲行中止,有丁馬始可言動。若無馬,縱行程已備,亦不成行。柔日雖行,亦不能致遠也。 占逃亡 主逃亡不出邑里,有丁馬方欲遠逃,無馬主伏匿深處,離家不遠也。
出行を占う:陽日は半路に走りてまた折り返るを主る。家に在るは将に外出せんとし、已に外に在るは将に遷移せんとし、聚合のは将に分離せんとす。別の一説:陽日は走らんと欲して中途に停下し、必ず課中に丁神・駅馬有りて乃ち動身を談ず。もし馬無ければ、縦令行装皆備え斉うとも、終に走り成らず。陰日は縦令動身するも、遠く走る能わず。 逃亡を占う:逃亡の人は本郷本里を跑出でざるを主る。丁神・駅馬有りて乃ち遠逃の可有り、馬無ければ則ち深き処に藏れ、家を離るること遠からず。
占盜失 壬子日卯為貴,丙子日酉為貴,乙亥日申為貴,辛酉日午為貴,壬申日巳為貴,此五日不可言家中盜賊,可言鄰近也。自信主家藏盜賊,或不出邑里,其盜伏而不動,捕捉則不獲。 占訪人 主其人藏伏不欲見人,剛日其人暫出不在家,可以倚門候見。
失竊を占う:壬子日は卯を以て貴人と為し、丙子日は酉を以て貴人と為し、乙亥日は申を以て貴人と為し、辛酉日は午を以て貴人と為し、壬申日は巳を以て貴人と為す——この五日は家里人の偷めしと断ず可からず、ただ近隣の為す所と断ずるのみ可し。自信課(陰日伏吟)に至りては、則ち家中に盗賊を窩藏するか・あるいは賊の本郷本里を跑出でざるを主る。賊人は伏して動かず、往きて捉うも捉え得ず。 訪人を占う:対方の藏れて人に見えんと願わざるを主る。陽日は則ちこの人の暫時出門して家に在らざるを主り、門に倚りて等候して相見る可し。
