Libo

舟車章第七十八

清 · 程良玉 · 第14巻 / 16

作盤ガイド: 六爻納甲の立卦, 大衍筮法

(內詳僱覓夫占及舟楫宜忌)舟車致遠,筮有戒心,故欲其有利,先求無患。凡舟車之誤、災疾之擾、盜賊之虞,莫不以鬼動為戒,助傷世病,不宜自身之適,命墓用壞,豈利他人之行。(先忌鬼興,次察用象。)

(本章は舟車を雇請し・夫役を雇う、および行船の宜忌を詳しく列す。)舟車は遠きを致す能うと雖も、卦を占うの時もまた戒惧の心を存するを要す。それ利を求めんと欲せば、まずそれ患无きを求めよ。およそ舟車の事を誤る・灾病の攪扰・盗賊の隱憂は、官鬼発動を以て戒と為さざるは无し。もし鬼を助けて身を傷り・世爻病有るに遇えば、即ち自ら出門するに宜しからず。もし本命入墓・用神敗壞なれば、また別人の出行するに利あらず。(注:まず官鬼興動を忌み、其次用象を察す。)

木鬼交重,弗恃舟車之利,午官發動,無樂驢馬之馳。跌也,折煞並之而興;劫也,賊武因之而動;爭也,朱雀與之而翔;驚也,騰蛇同之而張。惟官鬼安寧,用神旺相,則舟車騾馬,所適而安。(釋鬼動之義,縱鬼動青龍,恐致禍於旅舍,鬼動勾陳,恐遇阻於道途,鬼動白虎,恐受驚於兵革也。)

木性官鬼交重発動すれば、即ち舟車の利を指望するなかれ。午火官鬼発動すれば、即ち驢馬奔馳の樂を指望するなかれ。跌仆の事は、官鬼折煞と同興するなり。搶劫の事は、官鬼天賊・元武と同動するなり。争執の事は、官鬼朱雀と同飛するなり。驚嚇の事は、官鬼螣蛇と同張するなり。ただ官鬼安寧・用神旺相のみ、然らば即ち船に坐し・車に乗り・騾馬に騎りて、走り到る所皆平安なり。(注:これは官鬼発動の含義を解するなり。たとえ官鬼動きて青竜を帯ぶるも、恐らく旅舍の裏に在りて事を出さん。官鬼動きて勾陳を帯ぶるも、恐らく路の上に在りて阻まるを受けん。官鬼動きて白虎を帯ぶるも、恐らく兵灾の驚を受けん。)

故覓舟車,世空父壞則少,覓騾馬,世空子壞則難。舟車完善歟,父壞而敝,騾馬壯健歟,子旺而良。卜舟車之來載,應壞父破則無期,卜騾成之來迎,應動子興而疾至。(舟車屬父,騾馬驢屬子,應為舟子僕伕,旺良衰敝,靜遲動速。)

ゆえに舟車を雇うは、世爻落空・父母爻敗壞すれば、即ち雇う可き少なし。騾馬を雇うは、世爻落空・子孫爻敗壞すれば、即ち雇い難し。舟車完好か完好ならざるか。父母爻敗壞すれば即ち破舊なり。騾馬壮健か壮健ならざるか。子孫爻旺相なれば即ち好牲口なり。舟車来りて裝載するを占うは、応爻敗壞・父母爻逢破すれば、即ち定期无し。騾馬来りて迎接するを占うは、応爻発動・子孫爻興旺なれば、即ち很く速く到る。(注:舟車は父母爻に属し、騾馬驢は子孫爻に属す。応爻は船夫脚夫にして、旺相なれば則ち好く、衰弱なれば則ち差え、安静なれば則ち慢く、発動すれば則ち速し。)

若舟子僕伕之筮,官差用官,私僱用應,最宜生世旺財,豈宜克身應陷。如筮水陸平安,亦唯憑官福動靜。(關津留難,官差搔擾,盜賊竊發,均察鬼爻,衰靜則無事。)大抵所乘之利鈍,考父母與子孫,所歷之安危,察用神與官鬼二者而已。(此宦遊作客,舟子僕伕,所同占也。)

もし船夫脚夫を占わば、官府の派差するは官爻を用い、私人の雇請するは応爻を用いる。最も宜しきはそれ世を生じ・財爻旺相なる、詎ぞそれ身を剋し・応爻陷落せしめんを得んや。もし水路陸路平安なるや否やを占わば、またただ官鬼と子孫の動静に凭るのみ。(注:関卡の刁難・官差の搔扰・盗賊の竊發は、皆官鬼爻を察す。官鬼衰弱安静なれば即ち事无し。)大体來りて言わば、乗る所の工具の好壞は父母と子孫を攷え、經る所の路途の安危は用神と官鬼を察す——ただこの兩條のみ。(注:これは宦游・作客・船夫・脚夫皆一样に適用するの占法なり。)

唯舟楫之用廣,則加詳焉。父母,船體也,兄弟,船之跳篙也,妻財,船之物用也,官鬼,船之魘倒也,子孫,船之輔從也。自初至上,船之段落也。世,船之主也,應,船之宰也,間,船之役也,皆不可並於鬼而動焉,亦不可從於鬼而化焉,犯則征凶。(此言六親、六位、世應、間爻之象,並於鬼動,是何爻神,即為有忌,從於鬼化,是何象位,即為有災。)

ただ船の用處最も廣し。ゆえにさらに詳しく講ずるを要す。父母は船身、兄弟は船を撑ぐの篙と跳板、妻財は船上の器物、官鬼は船上の鬼祟夢魘、子孫は随行の帮手。初爻より上爻に到るは、船身の各段の部位なり。世爻は船主、応爻は掌舵人、間爻は船上の雜役。これらの爻皆官鬼と並びて發動すべからず、また官鬼に跟って化出すべからず——犯せば即ち凶に應ず。(注:これは六親・六爻の位・世応・間爻各自の取象を講ずるなり。それら官鬼と同爻にして動くは、いずれの一爻神なるや、即ちいずれの一處忌有るなり。官鬼に跟って化出するは、いずれの一象いずれの一位なるや、即ちいずれの一處灾有るなり。)

火鬼有紅光之患,水鬼有白浪之殃,金鬼觸崚峋之石,病在釘錨,木鬼犯家堂之神,疾在蓬櫓,土鬼擱壅淺之河,患在灰泥也。(此言五行臨鬼發如此。)朱雀前神也,司之於頭,有詞訟則飛,元武后神也,司之於尾,有盜賊則擺;風從虎,司之於帆,有災禍而後動,雲從龍,司之於舵,有喜慶而後揚;騰蛇繩索,報驚恐之災祥,勾陳房倉,兆遲留之得失。(此言六神臨鬼發如此。)

火性官鬼は火光の患有り、水性官鬼は白浪の殃有り。金性官鬼は嶙峋の礁石に触るるを要し、毛病は鐵釘鐵錨に出づ。木性官鬼は家堂の神を冒犯し、毛病は船篷と槳櫓に出づ。土性官鬼は淤塞の河道に擱淺するを要し、毛病は泥沙に出づ。(注:これは五行官鬼に臨みて發動の情形を講ずるなり。)朱雀は前方の神にして、船頭を主管す。詞訟有ればそれ即ち飛起す。元武は後方の神にして、船尾を主管す。盗賊有ればそれ即ち擺動す。風は虎に從い、白虎は船帆を主管し、災禍有りて然る後に乃ち動く。雲は龍に從い、青竜は船舵を主管し、喜慶有りて然る後に乃ち揚ぐ。螣蛇は繩索を主り、報ずるは驚恐の災祥なり。勾陳は船艙を主り、兆すは遲留の得失なり。(注:これは六神官鬼に臨みて發動の情形を講ずるなり。)

附舟寄貨,以應為用,克世則侵漁多費,六沖有半道之變,應壞無一力之倚,君子避之。(附舟類交與,忌應病克世。)是以買舟而居,猶占宅也,船主用人,猶僱倩也,役夫投船,猶事人也,投麾廕庇,猶公役也,防犯差役,猶避訟也,問何鬼神,猶求祟也。(各推其類斷而斷。)

別人の船に搭して貨物を寄運するは、応爻を以て用神と為す。応爻世を剋せば、即ち侵吞せられ・花費多きを要せん。六冲に逢えば、中途變故を出さん。応爻敗壞すれば、即ち倚靠すべき一分の力量无し——君子まさに避くべし。(注:船に搭するは人と合作するに同類、応爻の病有るを忌み・応爻の世を剋するを忌む。)ゆえに船を買いて居住するは、宅を占うと相同じ。船主人を雇うは、雇請を占うと相同じ。船夫船家に投靠するは、人を事するを占うと相同じ。大船の名下に投じて庇護を求むるは、公役を占うと相同じ。官差の徴用を防備するは、訟を避くるを占うと相同じ。何の鬼神の作祟なるを問うは、祟を求むるを占うと相同じ。(注:各々その類に按じて推斷せよ。)

考魘倒以官鬼當臨之處,求趨避以官鬼當月之期,越江海慎坎艮之戒,而稱利涉矣。(官鬼在六,其魘在頭,官鬼在初,其魘在稍,官鬼在間,其魘在中,三四爻亦中倉也,官鬼當日,安以危戒,子孫當日,險以夷戒,唯艮坎二義,江海大凶。

船上の鬼祟夢魘の處を考究せば、即ち官鬼の臨む所の爻位を看る。趨避の時日を求むれば、即ち官鬼の當たる所の月を看る。江を渡り海を過ぐるは、《坎》《艮》兩卦の戒を謹守するを要し、こうして乃ち『利渉大川』と稱すべし。(注:官鬼上爻に在れば、鬼祟船頭に在り。初爻に在れば、船梢に在り。間爻に在れば、船中に在り——三・四の兩爻もまた中艙と算う。官鬼當値のあの日は、安なりと雖も危を以て戒と為すを要す。子孫當値のあの日は、險なりと雖も平安を保すべし。ただ《艮》《坎》兩卦の義例のみ、江海を走るは大凶なり。)

治築章第七十九

(內詳雜修及差委僱工)橫流之害,古傳所紀,故防河而治築,同於防患, 不泥水象,專察官爻。故鬼旺、鬼克、鬼動、隨墓、助傷,筮水患則未決當泱,已決未息也;筮堤防,則未成難築,已成當潰也。故堤岸之筮,父母為用,旺相則固,空破則傾。經始而何時成功,喜實世實父之期。刻期而筮是時成功,忌六沖世空父壞之象,此其概也。若大官奉勅、小官奉命、吏民奉差,官爻不可病,並沖剋世位。

(本章は各種の修治工程および差委・雇工を詳しく列す。)洪水横流の害は、古書の上に早く記載有り。ゆえに河を防ぎ堤を築くは患を防ぐを占うと同例にして、必ずしも水爻の象に拘泥せず、專ら官鬼爻を察す。ゆえに官鬼旺相・官鬼世を剋し・官鬼發動、および鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷る。水患を占えば、即ち未だ決口せざるはまさに決口せんとし、已に決口せるはなお平息する能わず。堤防を占えば、即ち未だ築成せざるは築成し難く、已に築成せるはまさに潰決せんとす。ゆえに堤岸を占うは父母を以て用神と為す。父母旺相なれば即ち堅固、落空逢破すれば即ち傾塌せんとす。開工の後いずれの時にか完工するを問わば、世爻を填実し・父母爻を填実するの期を喜ぶ。ある日を限定して完工するを得るや否やを占わば、六冲・世爻落空・父母爻敗壞の象を忌む。これ大概なり。至りて大官旨を奉じ・小官命を奉じ・吏民差を奉じて工を督するは、官爻皆病有るべからず、また世位を冲剋すべからず。

若官吏因河工而筮利鈍,則反以官為重,官旺世實則紀錄升薦,官傷世空,及隨墓助傷,則罪戾降責。若民夫苦役而筮吉凶,則以官為忌,旺動克世,勞苦無期,命墓助傷,憂虞不測。故凡修塘、修坪、修閘、修圩,及治路、治水、興營城堡者,皆以父為用爻,世實父旺面成。如憂妨犯,及苦徭役者,皆以鬼為忌象,旺動克世,及隨助而凶。凡筮差委僱工,皆以應為用,應旺實則有成,克世則無良,六沖則難成也。

もし官吏河工に因りて順利なるや否やを占わば、反って官爻を以て重きと為すを要す。官爻旺・世爻實なれば、即ち功を記し升薦せられん。官爻傷を受け・世爻落空、および鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷れば、即ち罪を獲て職を降され責を受けん。もし民夫勞役に苦しみて吉凶を占わば、即ち官爻を以て忌神と為す。官爻旺相發動して世を剋せば、勞苦尽頭无し。本命入墓・鬼を助けて身を傷れば、即ち不測の憂有り。ゆえにおよそ塘を修め・堤坪を修め・水閘を修め・圩田を修め、および路を修め・水を治め・城堡を興築するは、皆父母を以て用神と為し、世爻充實・父母旺相にして乃ち成し得るを办す。もし禁忌に冲犯するを擔心し・あるいは徭役に苦しめば、皆官鬼を以て忌象と為し、官鬼旺動世を剋しおよび鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷れば即ち凶なり。およそ差委・雇工を占うは、皆応爻を以て用神と為す。応爻旺相充實なれば即ち成有り、応爻世を剋せば即ちあの人不良なり、六冲に逢えば即ち成り難し。

捕逃章第八十

(內詳遁地成捕人誘同遊不遺訟逃許覓責人喪節反噬私害將逃逃安存亡為僧求名自歸恩撫十八問)女子小人,古稱難養,若其盜逃,同於叛主,法所難寬也。捕逃之占,唯世克應則易獲,應空則深澗之逃,應克世則負隅之逝,六沖則交臂而失,世空則裹足不前,此四者,未知能獲也。(六沖、世空、應空,及應克世,四者如一不犯,則可擒矣。)

(本章は逃げ往く何地・捕獲するを得るや否や・人に引誘せらるるや・人と同行せしや・失物不失の可否・訟に因りて逃ぐ・人代わりて尋ねんと許諾する有り・他人を責成して尋ねしむ・婦人の失節・反って一口に咬みつく・暗中加害・まさに逃走せんとす・逃げ後平安なるや否や・存亡・出家して僧と為る・外に在りて名を求む・自ら帰り来る・恩を以て撫慰する等十八個の問目を詳しく列す。)古人女子と小人は養い難しと言えり。彼らもし盗竊逃亡せば、あれ即ち主人に背叛するに同じく、法理上寬宥し難し。捕逃を占うに、ただ世爻応爻を剋するのみ乃ち捉え易し。応爻落空すれば、深山澗谷に逃げ往けり。応爻世を剋せば、隅に負りて頑抗して去るなり。六冲に逢えば、肩を擦れ違いて之に交わりを失うなり。世爻落空すれば、我みずから足を裹めて前に進まざるなり。この四样出現せば、即ち捉え得るや否やを知らず。(注:六冲・世爻落空・応爻落空および応爻世を剋す、この四样ただ一样も犯さざれば、即ち捉え得。)

逃人悖內而向外也,故以外卦為所逃之方。坎水為外,則在北方,或江河之側、漁父之家、盜賊之林;離火在外,則在南方,或爐冶之傍、市肆之中,文學藝術之輿。震於樹木舟船車輿砍伐之屬,巽於花園薪草桑麻婦女之類,艮是山嶽岩石樵獵之所依,兌以池沼庵尼酒食之所賴。乾為寺廟都下城垣之近,驢馬驅馳,坤為社稷墳墓郊野田園之邇,耕牧追隨也。

逃亡の人は家内を背棄して外に奔向するなれば、ゆえに外卦を以て彼の逃げ往く方向と為す。外卦坎水なれば、即ち北方に在り、あるいは江河の側・漁家・盗賊の窩裏に在り。外卦離火なれば、即ち南方に在り、あるいは爐冶作坊の旁・市鎮の中・文人藝人聚集の處に在り。震は樹木・舟船・車輿・砍伐の類を主り、巽は花園・柴草・桑麻・婦女の類を主り、艮は山嶽・岩石・樵夫獵戶の依る所を主り、兌は池沼・庵堂尼寺・酒食の仰ぐ所の家を主る。乾は寺廟・都城・城垣の附近に在り、あるいは驢馬に隨いて奔走す。坤は社稷壇・墳墓・郊野・田園の左近に在り、あるいは耕牧の人に跟う。

(此言八卦居外之象,言之所傳者淺,象之所示者深,然因其象而測之,亦難執一也。如子建辛丑日,有占婢逃得節,外坎宜匿水側酒家,而不知已墮於井。如巳建甲辰日,卜子亡得泰,外坤宜藏寡婦之室,而不知相遇於岳家。夫井,水也,岳家,亦外姻也,其可實指乎?然亦不離其象爾。學易者,當以己之靈機,而深研極索也。)

(注:これは外卦八卦の取象を講ずるなり。文字の傳うる所は淺く、卦象の示す所は深し。ただ象に依りて測ると雖も、また一端に死執し難し。例えば子月辛丑日人婢女の逃走を占うて《節》卦を得たり。外卦は坎にして、説を照らせば水邊の酒家に藏るべし。而るに彼女已に井に跳び入れりを知らず。また例えば巳月甲辰日兒子の出走を占うて《泰》卦を得たり。外卦は坤にして、説を照らせば寡婦の家裏に躲るべし。而るに岳父の家に在りて碰见せりを知らず。井もまた水なり、岳父の家もまた外姻なり——豈ぞ指實するを得んや。しかるに終竟もまたあの象を離れず。《易》を學ぶの人は、まさに己が靈機に凭りて深く入りて研求すべし。)

蓋六爻靜而求外卦,一爻動而求獨發,言逃人之心,成謀於是也。故官鬼動而投士宦,子孫動而投僧道,妻財動而投婦女,或傭於商賈,兄弟動而黨間遊,或逐行伍,父母動而棲技藝,或附舟車;青龍跡於良善書禮喜慶之家,朱雀踐於優伶字畫鬧誼之次,騰蛇樂於賭博浮蕩跳梁之場,白虎匿於屠宰哀喪行伍之內,元武迷於盜賊酒食花柳之門,勾陳藏於鄉莊墳墓之間,及修砌穿鑿之群,而進退傍徨、淹留恐懼,卜捕叛,則觸公差也。(此以獨發之爻為方,臨於六親、六神 之象如此。蓋元武之神,利逃不利捕,勾陳之將,利捕不利逃,故曰觸見公差。)

六爻皆静なれば即ち外卦を求め、一爻の獨發有れば即ちあの獨發の爻を求む——これは逃亡者の心思まさにあそこに在りて計謀を定むるを説くなり。ゆえに官鬼發動すれば、彼往きて士人官宦に投奔す。子孫發動すれば、往きて僧道に投奔す。妻財發動すれば、往きて婦女に投奔し、あるいは商賈に雇わる。兄弟發動すれば、閑遊の輩の中に混り、あるいは行伍に投ぜり。父母發動すれば、手藝人の家に栖身し、あるいは舟車に搭せり。青竜を帯ぶれば、足跡良善・讀書守禮・喜慶有るの家に在り。朱雀を帯ぶれば、優伶・字畫・喧鬧の處に落脚す。螣蛇を帯ぶれば、賭博・浮蕩・跳梁の場に樂しみ。白虎を帯ぶれば、屠宰・辦喪・行伍の中に藏る。元武を帯ぶれば、盗賊・酒食・花柳の門に迷う。勾陳を帯ぶれば、鄉村莊院・墳墓の間および牆を砌り土を挖る人堆の裏に藏れ、進退彷徨・滯留恐懼す——もし叛逃を捕拿するを占わば、即ち公差に撞見せんとす。(注:これは獨發の爻を以て方位を定め、さらにそれ臨む六親・六神の取象を看る。元武の神は逃に利有りて捕に利无く、勾陳の將は捕に利有りて逃に利无し。ゆえに『公差に撞見す』と説く。)

蓋亂動而求用爻之在何宮,雜用而求用爻之在何卦,用伏而求飛,用二而求親,伏無而求應也。(自占外卦以下,皆陳逃人之方,設如卦爻亂動,當求用爻居於何宮,在乾以乾斷,在坤以坤斷,若用神雜於爻神亂動,當求用神化入何宮,化坎以坎斷,化離以離斷也。苟或亂動而卦爻無用神,當求所伏用爻之上飛神之方是也,倘或伏無用爻,然後以應象占其所居之宮,在震巽則以震巽斷,在艮兌則以艮兌斷是也。其有用爻兩現,一用動則以其所化之宮,兩用皆動皆靜,則以其出現為親伏藏為疏也,偶皆伏藏,則以外卦之用占方,庶幾乎得有歸一之法。)

もし六爻亂動せば、即ち用爻いずれの一宮に在るを求む。もし用爻亂動の中に混雜せば、即ち用爻いずれの一卦に化入るを求む。用爻伏藏せば即ちそれ上の飛爻を求む。用爻兩現せば即ち親近のあの一個を取る。伏神の裏にも无ければ、即ち応爻を取る。(注:前の『自ら占うは外卦を看る』より以下、講ずる所は皆逃亡者の方位なり。卦爻亂動せばと假設すれば、即ち用爻の居るいずれの一宮を求むべし。乾に在れば即ち乾に按じて斷じ、坤に在れば即ち坤に按じて斷ず。もし用神もまた亂動の爻の裏に混ぜば、即ち用神いずれの一宮に化入るを求むべし。坎に化すれば坎に按じて斷じ、離に化すれば離に按じて斷ず。倘若亂動にして卦中に用神无ければ、伏す所の用爻の上の飛神の方位を求む。倘若伏神の裏にも用爻无ければ、然る後に乃ち応爻の居る所の宮を以て彼の所在を占う。震・巽に在れば即ち震巽に按じて斷じ、艮・兌に在れば即ち艮兌に按じて斷ず。もし用爻兩現にしてその一個發動せば、即ちそれ化する所の宮を取る。兩個皆動あるいは皆静なれば、即ち出現するを以て親と為し伏藏するを以て疎と為す。萬一兩個皆伏藏せば、即ち外卦の象を以て方位を占う——この如くにして大致一個の歸一の法を得るを得。)

世亡應逃,內亡外逃,蓋不可主而可兼也。親人之逃,專之於用,他人之逃,專之於應,故父子兄弟夫婦男女以親合,雖悖親而務用,友朋師徒奴僕鄰交以義合,已背義而務應,不可惑也。(傳云:世為亡兮應為失,外為逃失內為亡。所以宜世克應、內克外也,然亦非主斷,如世克應而應空,其何從而得獲也?常占主僕之訟,用世應而驗,則友朋以下,用應可推。)

世爻は家中の亡失を代表し、応爻は逃走の人を代表す。內卦は亡失を代表し、外卦は逃亡を代表す——これらは主斷を作る能わず、ただ兼ねて看るのみ。親人逃走すれば、專ら各自の用神を用い。外人逃走すれば、專ら応爻を用いる。父子・兄弟・夫婦・男女は親情を以て相合するを以て、彼親を背きて去ると雖も、なお各自の用神を用いるを要す。朋友・師徒・奴僕・鄰里の交は情義を以て相合するを以て、彼已に義を背きて去ると既に、即ち応爻を用いるべし——この一點含糊すべからず。(注:前人の傳説に『世は亡を為し応は失を為し、外は逃失內は亡を為す』と言う。ゆえに世の應を剋し・內の外を剋するを宜しとす。ただこれもまた主斷にあらず。もし世應を剋して應爻落空せば、またいずれの處より去りて人を捉えん。我常に主僕の間の爭訟を占うに、世應を用いて即ち應驗せり。然らば即ち朋友以下の關係は、應爻を用いるもまた類推すべし。)

間有遇諸於途者,六沖是也;間有不意而擒者,六合是也;間有自還者,歸魂是也;間有去久而來者,化合是也;間有來而復去者,化沖是也;遊而歸者心收,歸而遊者志蕩。然亦必其用神不克世、不空亡,而後可也。(用實生世,終有會期,用爻克世,卒無見日。)

ある時は路上に在りて偶然碰见するは、あれは六冲に逢うなり。ある時は意料の外に人を擒住するは、あれは六合に逢うなり。ある時は彼自ら回り來るは、あれは歸魂卦なり。ある時は去りて久しくしてまた回り來るは、あれは合爻を化出するなり。ある時は回り來てまた走り掉するは、あれは冲爻を化出するなり。遊魂歸魂に化するは、彼の心已に收斂せり。歸魂遊魂に化するは、彼の心志また蕩き開けり。ただこれらもまた必ず用神世を剋せず・空亡に落ちざるを須うて、乃ちこの如く斷ずるを得。(注:用神充實にして世を生ずれば、終に相會の期有り。用爻世を剋せば、即ち始終面を見る能わず。)

卜遁此地,專索用爻,用如動沖,則非留於是處,用若空破,則未及於是方,弗往求之。占成捕何時,世生應克之期,若六親之逃而歸,則反以用神生旺而現,世爻旺合而見,卦身合而遇也。蓋我仇,用敗,我親,用旺,不同論也。(為仇惡於己,則俟彼敗之時而可獲,故喜應克;為親於我,則求用神生旺,與世身相合而來也。)

彼あの地に躲るや否やを占うは、專ら用爻を搜す。用爻もし發動あるいは冲せらるれば、即ちこの地方に留まるにあらず。用爻もし落空逢破すれば、即ち未だこの方向に到らず——あそこに往きて尋ぬるに及ばず。いずれの時にか捉え得るを占うは、世爻生を得・應爻剋せらるるの期に在り。もし六親逃走して彼の回り來るを盼がば、即ち反って看る。用神生旺にして顯現の時・世爻旺相にして之と相合の時・卦身相合の時、即ち相遇るを得。見るべし、彼を仇人當たる時は用神敗壞を取り、彼を親人當たる時は用神旺相を取る——兩者論法同じからず。(注:彼もし我と仇を為せば、即ち彼の敗落の時を待ちて乃ち捉え得。ゆえに應爻の剋せらるるを喜ぶ。彼もし我が親人ならば、即ち用神生旺を求め、かつ世爻・身爻と相合して歸來するを求む。)

是人誘與,應克世而被誘也,彼同遊與,應用備而比行也。(即應克世,而空破散絕亦非,應用一病亦非,如卯建丙辰日,占僕與友同行,得否,卯財持世,戌應暗興,後果同行都下。)

彼人に引誘せられて走りしか否かを問うは、應爻世を剋せば、即ち人に引誘せらるるなり。彼人と结伴同行せりや否やを問うは、應爻と用爻兩样齊備すれば、即ち同行なり。(注:たとえ應爻世を剋するも、それまた空・破・散・絶に逢えば、即ち算せず。應爻と用爻の中一個病有れば、即ち算せず。例えば卯月丙辰日僕人の朋友と同行するを占うて《否》卦を得たり。卯木妻財世を持ち、戌土應爻暗動し、後果然として一同に京城に往けり。)

盜逃不遺,財爻失所而不可復有也。訟逃有益,官鬼莫無,蓋空散不為我而遘求,破絕不終事而停息,隨墓助傷,及官克世者,猶抱薪而救火也;非是,然後以捕逃之法斷焉。(詳見詞訟篇內,關犯章斷。)許為我覓,則以應象虛實言之。若責人覓逃,則用捕逃之法。(責成是人尋還逃者,戒世應空、應克世,及六沖也。)

逃奴の盗みし物の失わざるを得るや否やを占うは、妻財爻位を失えば、即ち再び拿り回る能わず。逃亡の事の為に官司を打つに益有るや無いやを占うは、卦中官鬼无かるべからず。官鬼落空被散すれば、官府我に替りて究辦せず。官鬼逢破臨絶すれば、案子底に到りて辦せずして擱下せり。もし鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷りおよび官鬼世を剋するに遇えば、あれ即ち柴を抱きて火を救うに似たり。これら數種の情形にあらざれば、然る後に乃ち捕逃の法に按じて斷ず。(注:詳しくは《詞訟章》の中の『關犯』に關する斷法を見よ。)人我に替りて尋ねんと答應する有れば、即ち應爻の虚實に凭りて論ず。もし某人を責成して逃犯を尋ねしめば、即ち捕逃の法を用いる。(注:某人を責成して逃者を找回來せしむるは、世應落空・應爻世を剋しおよび六冲を戒むるを要す。)

婦逃喪節與,財實未苟也。不群匪黨而反噬與,隨墓助傷、官克鬼動,後必羅其害也。不生私害與,助鬼傷身,及應克世者,卒有犯上弒長之逆也。未逃而筮其將逃與,用克世而萌叛心,用空破而無實事。(專問其將逃,忌用實克世,則逃,用空破不成,若兼問挽留為益,又喜用實。)

逃げ走りし婦人の失節有るや否やを占うは、妻財爻充實すれば、即ち未だ苟且の事无し。彼匪類を結交して反って我を一口咬むや否やを占うは、鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷り・官鬼世を剋しあるいは官鬼發動に遇えば、後必ず彼の害を遭う。彼暗中我に加害するや否やを占うは、鬼を助けて身を傷りおよび應爻世を剋するに遇えば、終に犯上弑長の悖逆の事有らん。未だ逃走せずして彼將來逃げんや否やを占うは、用爻世を剋せば、是れ彼已に叛心を萌せり。用爻落空逢破すれば、即ち實事无し。(注:專ら彼將來逃げるや否やを問わば、即ち用爻充實にして世を剋するを忌む——即ち逃げんとす。用爻落空逢破すれば即ち逃げ成らず。もし彼を挽留するに好處有るや否やを兼ねて問わば、あれまた用爻充實を喜ぶ。)

親人逃而安乎,命墓鬼動,有窮途日墓之憂,用實卦安,有即次無虞之好;卜其存亡,獨以用神生壞而斷也。為僧道乎,用病而無成。求名利乎,用實而有得。不尋自歸者,用壞而忘歸,用克世而終身之叛也。逃歸復留,同於收僱,迴心恩撫,同於用人。(用爻克世,叛恨不歸,用象破空,飄流難返,惟用實生世,終得自來,復留恩撫,忌三沖財壞。)故捕逃者,以世克應為主,以世生應克之期而得。捕盜者,以子克官為法,以子孫當日月之期而獲。蓋逃以應為象,盜以鬼為象,此次辨也。

親人逃走の後平安なるや否やを占うは、本命入墓・官鬼發動すれば、即ち走投无路・日暮途窮の憂有り。用爻充實・卦體安寧なれば、即ち安頓落着・平安無事の好有り。彼の存亡を占うは、ただ用神の生を得るか敗壞するかに凭りて斷ず。彼出家して僧道を做るや否やを占うは、用爻病有れば即ち做り成らず。彼外に在りて名を求め利を求むるを占うは、用爻充實すれば即ち所得有り。彼找ぬるを用いずして自ら回り來るや否やを占うは、用爻敗壞すれば即ち歸を忘れたり。用爻世を剋せば、即ち終身背叛して回らず。逃げ回り來りて後なお彼を留むるや否やは、雇工を收留するを占うと相同じ。彼回心轉意して我恩を以て撫慰するは、人を用うるを占うと相同じ。(注:用爻世を剋するは、怨恨を懷きて歸らざるなり。用象破に逢い空に落つるは、外に漂流して返り難きなり。ただ用爻充實にして世を生ずるのみ、終に自ら回り來らん。至りて彼を留め彼を撫慰するは、則ち六冲と妻財敗壞を忌む。)ゆえに捕逃は世爻の應爻を剋するを以て主と為し、世爻生を得・應爻剋せらるるの期に在りて捉う。捕盗は則ち子孫の官鬼を剋するを以て法と為し、子孫まさに日建月建に當たるの期に在りて捕獲す。逃亡は應爻を以て象を取り、盗賊は官鬼を以て象を取るを以てなり——これ即ち兩者の分別なり。

鬬勝章第八十一

(內詳鬥訟鬥獲奪人擒人來鬥諸問)私鬥角勝,善良所戒,或不得已而應之。彼我之勢,止憑世應,不從六親。(世己應人,勝負察世應強弱而已,事至訟斗,骨肉如仇讐,即六親皆用世應。)應克世而逢敗,彼勝而折,世克應而逢敗,我勝而虧,應生世而人伏,世生應而己降,比和兩釋,出師一理。(敗謂空破散絕及受日月剋制。)

(本章は鬬毆涉訟・鬬毆中の所獲・人を奪う・人を擒う・對方來りて鬬う等の問目を詳しく列す。)私下鬬毆して勝を爭うは、善良の人の戒むる所にして、ある時はまた已むを得ずして應戰す。彼我雙方の形勢は、ただ世應に凭り、六親に按じて取用せず。(注:世爻は我・應爻は人にして、勝負ただ世應の強弱を察す。事爭訟鬬毆に鬧り至れば、骨肉も仇敵の如くなれば、ゆえに六親の間と雖も一律に世應を用いる。)應爻世を剋して應爻自身敗壞すれば、是れ對方勝つと雖もまた折損有り。世爻應を剋して世爻自身敗壞すれば、是れ我勝つと雖もまた喫虧せん。應爻世を生ずれば、是れ對方服軟す。世爻應を生ずれば、是れ我自ら輸を認む。世應比和すれば、即ち兩下罷手す。これは出兵を占うと一個の道理なり。(注:所謂『敗』とは、落空・逢破・被散・臨絶および日建月建の剋制を受くるを指す。)

斗而涉訟乎,鬼爻是司。斗而有獲乎,財爻以辯。斗以奪人,應克難歸。斗以擒人,用現可得。筮彼來鬥乎,應空應破而不前。占何日利斗乎,世生應克而得勝。應發五而要於路,應發三而斗於門。(應動何爻,則從此地相擊,初為鄉黨,六為郊野,二為庭內,四為戶外也。)

鬬毆官司に鬧り到るや否やは、官鬼爻に由りて主管す。鬬毆中に所獲有るや否やは、妻財爻に凭りて分辨す。鬬毆人を奪い回さんとするを為るは、應爻世を剋せば即ち奪歸し難し。鬬毆人を擒住せんとするを為るは、用爻現出すれば即ち擒到るを得。對方來りて鬬うや否やを占うは、應爻落空・應爻逢破すれば、彼來らず。いずれの日に動手して利有るを占うは、世爻生を得・應爻剋せらるるあの日に勝を取る能し。應爻第五爻に發動すれば、即ち路の上に在りて截擊す。第三爻に發動すれば、即ち門口に在りて交手す。(注:應爻いずれの一爻に動けば、即ちあの地方に在りて交手す。初爻は鄉里、上爻は郊野、二爻は庭院の內、四爻は門戸の外なり。)

動坎而斗於澤畔,動離而斗於市井,乾兌寺廟,坤艮山野,震巽林木之下;元武暗剌,朱雀明諍,青龍笑刀之謀,白虎怒戈之取,勾結其怨,蛇連其黨;子孫有少助,父母有老隨,兄以群隊,財以婦女,鬼以法術之詐。兵者,不得已而用,況於鄉鄰之斗乎?筮者慎之。

應爻坎宮に動けば、即ち水澤の邊に在りて打鬬す。離宮に動けば、即ち市井の中に在りて打鬬す。乾宮・兌宮に在れば寺廟、坤宮・艮宮に在れば山野、震宮・巽宮に在れば林木の下なり。元武を帯ぶれば暗中行刺、朱雀を帯ぶれば當面爭辯、青竜を帯ぶれば笑裏蔵刀の謀、白虎を帯ぶれば怒りて刀戈を擧げ來りて奪い、勾陳を帯ぶれば舊怨を糾結し、螣蛇を帯ぶれば黨羽を勾連す。子孫發動すれば、年少の帮手有り。父母發動すれば、年長の跟隨有り。兄弟發動すれば、是れ成群結隊。妻財發動すれば、婦女に牽涉す。官鬼發動すれば、是れ法術を用いて詐を行う。兵器は已むを得ずして乃ち動用するなり、況んや鄉鄰の間の鬬毆をや。卦を占うの人まさに慎重なるべし。

詞訟章第八十二

(內詳審期終訟興詞憂訟訟師用人允駁回關遢訟請卷夤緣禁責離獄息訟雜問五事官問二事)人有窒於中,因忿而訟,訟則受命於上,故以官爻生克為勝負,不以世應強弱分曲折焉。官來生世,易雪我冤,鬼來克世,難伸我屈,不生不克,無辱無榮。然我訟而喜官旺相,忌值破空,彼訟而好鬼破空,惡居旺相,亦以生克參之也。(勝負專察官爻,莫執世應。結訟分彼己,則官爻分喜忌,然生世衰旺俱吉,克世衰旺俱凶。)

(本章は審理日期・結案・遞狀・憂訟・訟師・用人・批准と駁回・回文關提・拖延訟案・請調案卷・夤緣請託・拘禁責罰・出獄・息訟等、另に雜問五事・官員の問二事を詳しく列す。)人心裏鬱結有り、憤懣に因りて訟を興す。既に官司を打てば即ち上に聽命するを要す。ゆえに官爻の生剋を以て勝負を定め、世應の強弱を以て曲直を分かたず。官爻來りて世を生ずれば、我が冤屈昭雪し易し。官鬼來りて世を剋すれば、我が委屈申明し難し。生せず剋せざれば、即ち辱も无く榮も无し。ただ我人を告ぐる時は官爻旺相を喜び、それ逢破落空を忌む。人我を告ぐる時は官鬼逢破落空を喜び、それ旺相を惡む——これもまた生剋に參じて一塊に看るを要す。(注:勝負は專ら官爻を察し、世應に死執するなかれ。結訟は彼此を分かつを要し、官爻の喜忌即ち之に隨いて分かつ。ただ世を生ずる官爻は衰旺を論ぜず皆吉、世を剋する官爻は衰旺を論ぜず皆凶。)

先發者,不憂官之在世,而喜官之在應;後發者,不喜官之在應,而憂官之在世,相生尤吉,相剋愈凶,此世應之辨生克也。(以世應生克分勝負者,此則論之,如世爻值鬼,本不為勝,若克應爻,是官為我而責彼乃吉;應爻坐鬼,理應我贏,倘克世位,是官悅彼而攘己乃凶。總言生克,先官鬼而後世應也。)

先に狀を告ぐる一方は、官爻世爻に在るを怕れず、倒って官爻應爻に在るを喜ぶ。後に應訴する一方は、官爻應爻に在るを喜ばず、倒って官爻世爻に在るを怕る。もし彼此相生すれば即ちさらに吉、相剋すれば即ちさらに凶——これは世應の上に從りて生剋を分辨するなり。(注:世應生剋を用いて勝負を分かつは、即ちこの論に照らす。例えば世爻の上官鬼に坐するは、本來勝と算するに足らず。ただそれ應爻を剋せば、あれ即ち官府我に替りて對方を責罰するにして、反って吉なり。應爻の上官鬼に坐するは、理に照らせば我が贏るべし。ただそれ世爻を剋せば、あれ即ち官府對方を偏袒して我を侵奪するにして、反って凶なり。要するに生剋を講ずるは、まず官鬼を看、後に世應を看る。)

官鬼生應,彼得理也,官鬼克應,彼失利也,官鬼空散,訟不成也,官鬼破絕,詞不終也,官生世應,兩宥之寬,官克世應,兩敗之辱也。(既論官爻生世克世,此言生應克應,勝負明矣。)

官鬼應爻を生ずれば、是れ對方理を得たり。官鬼應爻を剋すれば、是れ對方利を失えり。官鬼落空被散すれば、官司打起こる能わず。官鬼逢破臨絶すれば、狀子底に辦する能わず。官鬼同時に世を生じまた應を生ずれば、是れ兩下皆寛に從りて發落せらる。官鬼同時に世を剋しまた應を剋すれば、是れ兩下皆責を受け辱を受く。(注:前已に官爻の世を生じ・世を剋するを論じたり。此處應を生じ・應を剋するを講ずれば、勝負即ち明白なり。)

鬼位三傳,事幹臺憲,官興二間,情屬牽連。長生為經年之訟,帝旺乃折獄之期。動鬼變鬼,而權案更三,上官下官,而衙門非一。搖於世應,而忿志未休,伏於主賓,而領根不息。化進神者,下而上,小而大也,化退神者,急而緩,重而輕也。

官鬼年・月・日の『三傳』の上に落つれば、事臺諫憲司に牽涉せんとす。官鬼兩個の間爻の上に興動すれば、案情旁人に牽連せんとす。官鬼長生に逢えば、是れ一年に拖くるの訟案。帝旺に逢えば、乃ち案を斷ずるの日期なり。官鬼發動してまた官鬼を化出すれば、是れ案三番五次翻覆せんとす。上に官有り下に官有れば、是れ經手の衙門一處のみならず。官鬼世應の上に搖動すれば、是れ兩造の忿氣未だ消えず。官鬼世爻應爻の下に伏すれば、是れ訟根斷えず。官鬼進神に化すれば、是れ下より上に告げ・小より大に鬧り成らん。退神に化すれば、是れ急より緩に轉じ・重より輕に變ぜん。

(此章專言官鬼,若官在年月日之上,其訟或幹三法及上司;官在間爻發動,恐囚牽連,或傍觀相累。官爻倘遇日月長生,則事必經年屢月,臨官帝旺,即得三尺剖斷,旬空月破,則終兩姓交和。鬼動化鬼,非一官審問,官復見官,是疊舉訟詞。官動應爻,彼有再控之心,官動世爻,我有重告之志。鬼伏世應動爻生扶之下,則訟根未斷,惟滅沒之伏,則無興也。)

(注:本章は專ら官鬼を講ず。官鬼年・月・日の上に在れば、訟事或いは三法司および上級衙門を驚動せん。官鬼間爻に在りて發動すれば、恐らく他人に牽連し、あるいは旁觀者累を受けん。官爻もし日月の長生に逢えば、事必ず一年數月に拖くる。臨官・帝旺に逢えば、即ち法に依りて斷決する能し。旬空・月破に逢えば、最終兩家和解す。官鬼動きて官鬼を化出すれば、是れ一位の官員のみならず審問す。官の上また官を見れば、是れ重疊して狀を遞す。官鬼應爻に動けば、是れ對方なお再告の心有り。官鬼世爻に動けば、是れ我なお重告の志有り。官鬼世應の下に伏して動爻の生扶を得れば、是れ訟根未だ斷えず。ただあの消滅蹤无きの伏神のみ、乃ち再び起こらず。)

大壯為得理,明夷為禁,坎為獄,無問生克,占訟之忌也。六沖曰戰鬥,得官空而冰釋,六合曰處和,見官旺而株牽也。(三卦為訟宜忌。官空六沖,反易散息,官旺六合,反難調停,蓋先官鬼而後沖合也,即合沖變沖同義。)

《大壯》は理を得るを主り、《明夷》は拘禁を主り、《坎》は牢獄を主る——この三卦に遇上せば、生剋を問うに及ばず、皆訟を占うの忌む所なり。六冲は『戰鬬』と叫ばると雖も、ただ官爻落空すれば、反って氷消瓦解す。六合は『和解』と叫ばると雖も、ただ官爻旺相すれば、反って株連牽扯す。(注:この三卦は訟を占うの宜忌なり。官爻落空してまた六冲に逢えば、倒って消散平息し易し。官爻旺相してまた六合に逢えば、倒って調停し難し。見るべし、なおまず官鬼を看・後に冲合を看るを。合處冲に逢い・冲爻を化出するは、皆一個の道理なり。)

隨官入墓為囹圄桎梏之刑,助鬼傷身乃罪罰鞭笞之辱,二者與官鬼克世,凡有幹於公門之役者皆忌也。(不特詞訟,凡事幹衙門官長,悉忌此三者。)骨肉忿爭,主僕構逆,六親之誼已絕,故從應不從親。然既訟於官,亦先論官而後論應。(有云內肉相訟,止占世應,然既訟於官,則勝負又繫於官,不繫於應。)

鬼に隨って墓に入るは、牢獄枷鎖の刑。鬼を助けて身を傷るは、罪罰鞭笞の辱。この兩样官鬼世を剋するに加うるは、およそ公門の差事に關わる占問皆忌むを要す。(注:詞訟のみならず、およそ事衙門官長に牽扯するは、皆この三样を忌む。)骨肉の間忿爭し・主僕の間怨を構うるは、六親の情誼已に絕えり。ゆえに應爻を取りて六親の爻を取らず。ただ官府に告げ到ると既に、またなお先に官爻を論じ・後に應爻を論ず。(注:骨肉相訟はただ世應を占うと説く人有り。ただ官に告げ到ると既に、勝負即ち官爻に繫りて、應爻に繫らず。)

夫子孫為解釋之神,喜其持世,則刑罰何加,羅網自脫,當於交重,罪罰蠲除,當於日月,冤情昭雪,孰比其吉焉。父母為詞狀關提之用,不可壞,壞則不從,不可再,再則不一,不可破,破則無始,不可空,空則無終,我舉宜動,彼舉宜靜。妻財為賄賂之神,喜其持世,則情奪理而居勝,惟動有行賄之費。弟兄為黨證干連之象,獨發而多費,間發而多人,持世則干眾,動應則鼓謀,克世則有私擊之虞,傍搖有公舉之論,是象一無益於訟,不現仍(?)傷。獨官鬼為獄訟之用神也,是非曲直與奪勝負總司之,小大之獄,皆生吉而克凶,不可忽也。是故六神,因官生克而別喜怒,諸星亦因官生克而辨吉凶,皆不可離於是矣。

子孫は灾厄を解除するの神にして、それ世を持つを喜ぶ。然らば即ち刑罰身の上に加え到る能わず、羅網自然に脫開す。それ交重發動すれば、罪罰即ち免除せらる。それまさに日建月建に當たれば、冤情即ち昭雪す——何ぞこれより吉有らん。父母は狀紙と關提文書の用神にして、敗壞すべからず。壞れれば公文依從せられず、兩現すべからず。兩現すれば則ち文書一ならず、逢破すべからず。逢破すれば即ち始有りて端无く、落空すべからず。落空すれば即ち始有りて終无し。我往きて狀を告ぐるは父母發動を宜しとし、別人我を告ぐるは父母安静を宜しとす。妻財は賄賂の神にして、それ世を持つを喜ぶ。然らば即ち人情を以て道理を壓倒して上風を占む。ただそれ一たび發動すれば即ち破費して行賄するを要す。兄弟は同黨・證人・干連の象にして、獨發すれば則ち花錢多く、間爻發動すれば則ち牽連の人多く、世を持てば則ち衆人を牽動し、應爻に動けば則ち對方鼓動謀算し、世を剋すれば則ち人に暗中攻擊せらるるの虞有り、旁邊に搖動すれば則ち衆人公議の論有り——この一象訟事に對して全く益无く、出現せざれば反って傷を受けず。ただ官鬼のみ獄訟の用神にして、是非曲直・與奪勝負全くそれに由りて主管す。大案小案を論ぜず、それ世を生ずれば即ち吉・世を剋すれば即ち凶、輕忽すべからず。ゆえに六神官爻の生剋に因りて喜怒を分かつを要し、各種星煞もまた官爻の生剋に因りて吉凶を辨ずるを要し、皆この一條を離るる能わず。

(此言六親之象,各有所司,大抵子財持世而吉,官鬼獨重。凡六神諸星,非以動為凶也,若臨官鬼發動,然後形其凶吉,其來生世,雖凶弗凶,如白虎騰蛇、天牛地獄皆不為忌;其來克世,則朱雀為申詳,勾陳為囹圄,白虎為杖責,騰蛇為枷鎖,青龍為罰贖之善,元武為詳判之重,天獄為囹圄之厄,驛馬為流徒之愆,羊刃為剌配之屬。)

(注:これは六親の各象各々主る所有るを講ずるなり。大体言わば、子孫・妻財の持世を吉と為し、官鬼を最も要緊と為す。およそ六神と各種の星煞は、一たび發動すれば即ち凶と為すにあらず。それ官鬼に臨みて發動するを要して、乃ち凶吉を顯出せしむ。それもし世を生じ來れば、凶なりと雖も凶ならず、白虎・螣蛇・天牛・地獄の如き皆忌むに及ばず。それもし世を剋し來れば、則ち朱雀は申文詳報を主り、勾陳は牢獄を主り、白虎は杖責を主り、螣蛇は枷鎖を主り、青竜は錢を罰して罪を贖うの類の較輕の處分を主り、元武は判決の從重を主り、天獄は囹圄の厄を主り、驛馬は流放の罪を主り、羊刃は刺字充軍の類を主る。)

是故世應察彼己之情,亦不可寘而弗論也。應空彼不欲諍,或將遁也,世空我不好競,或懷怯也。官克應而應空,如荷弓而射魚,官生世而世空,如操笱而搏狸。應破彼有天殃之降,世破我憂人疾之纏。求衰旺則強弱可稱,考生克則剛柔可較,其為用如此,此其大象也。(官克應當應彼輸,然應空彼避其鋒,官生世當應我贏,然世空我失其機。應若月破,彼必有他禍相報,世如月破,我有別事之累。旺為疆,衰為弱,以力言之,應克世為彼剛,世生應為我柔,惟世克應、應生世是反之,所謂世應為用如此。)

ゆえに世應は彼我の情形を察するを以て、また擱き下げて論ぜざるべからず。應爻落空すれば、對方爭わんと欲せず、あるいは躲開せんとす。世爻落空すれば、我爭うに好からず、あるいは心裏怯えたり。官爻應を剋して應爻また落空すれば、即ち弓を舉げて魚を射るに似たり。官爻世を生じて世爻卻って落空すれば、即ち魚笱を拿りて狸を捉えんに似たり。應爻逢破すれば、對方天の降す殃を遭わん。世爻逢破すれば、我病痛纏身を憂えん。衰旺を求めれば即ち強弱を稱え得、生剋を攷えれば即ち剛柔を比ぶるを得——世應の用處即ちこの如し、これ大略なり。(注:官爻應を剋するは、本當に對方輸とすべし。しかるに應爻落空すれば、彼鋒頭を避け去れり。官爻世を生ずるは、本當に我贏るべし。しかるに世爻落空すれば、我機會を錯失せり。應爻もし月破に逢えば、彼必ず別に禍事の報應來る有り。世爻もし月破に逢えば、我別に別の事拖累する有り。旺は即ち強・衰は即ち弱、これは力量に就きて言うなり。應爻世を剋するは對方剛、世爻應を生ずるは我柔。反って世爻應を剋し・應爻世を生ずれば即ち我剛彼柔なり。所謂世應の用法即ちこの如し。)

何日斷獄,當於日月之官。何時終訟,當於墓絕之鬼。別勝何日,則以世生應克為良,釋免何時,則以子孫填值為宥。(以官長生為訟始,臨官帝旺為審決,死墓絕為散訟時也。凡問見官何日為勝,則以世爻逢生、應爻遇克為勝,世爻遇克、應爻逢生為不勝。欲官釋免,則以子孫填值之日、官鬼制伏之辰,定能赦宥。)

いずれの日に案を斷ずるや。官爻日建月建に當値するの時に在り。いずれの時に訟を結するや。官鬼墓に入り絶に臨むの時に在り。いずれの日に勝を得るを分辨するや。世爻生を得・應爻剋せらるるを以て好しと為す。いずれの時に釋免を得るや。子孫填實値日を以て寬宥と為す。(注:官爻長生を以て訟事の始と為し、臨官・帝旺を以て審斷と為し、死・墓・絶を以て訟の散ずるの時と為す。およそ官に見えていずれの日に勝を得るを問わば、即ち世爻生に逢い・應爻剋に遇うを以て勝と為し、世爻剋に遇い・應爻生に逢うを以て勝たずと為す。官府の釋免を求めんと思わば、即ち子孫填實値日・官鬼制伏せらるるの辰に在りて、定めて赦宥せられん。)

有問興詞勝負吉凶,亦屬於官。興詞準行,喜官動實而惡其破空也,官克世者,控告無門,父爻空破,批行失意。憂訟來侵,占同防戒,惟官不作,及不克世,弗遇隨助,何患相加,縱應克世,有謀亦已也。(問準詞,官爻空破散絕,及克世不准,執行不論文書。若上告批下衙門,父母如遇空破,雖官鬼動實,縱準而不批是衙門也。如告親提,官克世為不從,或有兩官,常有批下僚者。)

人遞狀の勝負吉凶を問う有るも、また官爻の管に屬す。狀子准行し得るや否や。官爻發動して充實なるを喜び、それ逢破落空を惡む。官爻世を剋せば、即ち狀を告ぐるに門无し。父母爻落空逢破すれば、批下の行文我が意に合わず。別人我を告ぐるを擔心するは、占法防戒を占うと相同じ。ただ官鬼發動せず・世を剋せず、また鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷るに遇上せざるのみなれば、何の禍の身に加わるを怕れんや。たとえ應爻世を剋するも、彼謀算有りも自ら罷作せん。(注:狀子准なるか准ならざるかを問うは、官爻落空・逢破・被散・臨絶および世を剋する皆准せず——此處ただ准じて行わるるや否やを問うて、文書を論ぜず。もし上に告げて批して下面の衙門に到れば、父母爻もし空に逢い破に逢えば、たとえ官鬼動きて充實なるも、准せらるると雖もこの衙門に批到せず。もし告ぐる所親提を請求するならば、官爻世を剋するは即ち依從せず。時に卦中兩重の官爻有れば、常に下屬の官員に批給して辦せしむる有り。)

訟師美惡,詢諸父母,日月旺相,善移生死之文,發動生扶,能轉是非之筆;若值破空,安能取勝,隨助官克,乃以自戕。幹證保歇,趨使抱告,皆以應爻為用,克世為忌,破絕不忠,空散不力,六沖生背叛之心,而隨助官傷,反為我害。(訟師用文書,奔走用應,應視其有用,故不可破空,無欺為良,故不可克世,一心為美,故不可六沖,用於公所取勝,故不可隨墓助傷、官克世爾。)

訟師の好か壞かは、父母爻を問う。父母まさに日建月建に當たりて旺相なれば、生死の判を改過すに善し。發動して生扶を得れば、是非の筆を扭轉する能し。もし逢破落空せば、怎んぞ取勝するを得ん。もし鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷り・官爻世を剋するに遇えば、あれ反って己を害せん。干證人・保人・歇家・走腿の・代わりて狀を投ずるは、皆應爻を以て用神と為す。それ世を剋するを忌む。逢破臨絶すれば即ち忠ならず、落空被散すれば即ち力を出さず、六冲に逢えば背叛の心を生ぜん。もしさらに鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷り・官爻世を傷るに遇えば、反って我が禍害と成らん。(注:訟師は我に替りて文書を作るなれば、ゆえに父母を用い。奔走して事を辦するは應爻を用いる。應爻はそれ頂用せんを要す。ゆえに逢破落空すべからず。それ我を欺かざるを要す。ゆえに世を剋すべからず。それ一心一意念するを要す。ゆえに六冲すべからず。それ公門の裏に在りて我に替りて取勝せんを要す。ゆえに鬼に隨って墓に入り・鬼を助けて身を傷り・官爻世を剋すべからず。)

招詳允乎,官病不允,官動不納,六沖上下不信,烏能允乎。招詳能駁乎,官克世而不從駁,破絕則已,空散則消,烏能駁乎。惟官動實,則駁矣,復部允駁,亦猶是也,復疏允駁,易官用五也。(此就筮者之意為斷,復疏,則以五爻為用,如上占法。)住提回關停詞遢訟,喜官之無,而惡官之有也,鬼發則不能停遢,鬼克則不能住回,惟子動而鬼靜,則受無事之福矣。鼠牙復舉,祗緣助鬼傷身,株蔓重牽,端惡隨官入墓,不可不戒也。(大抵以官鬼安靜破空為吉,發動克世為凶。)

招供詳文批准を得るや否や。官爻病有れば即ち准せず、官爻發動すれば即ち受理せず、六冲に逢えば則ち上下互信せず——怎んぞ准じ得ん。招供詳文駁回し得るや否や。官爻世を剋せば、人我が意思に照らして駁るを肯ぜず。官爻逢破臨絶すれば即ち已に罷作せり、落空被散すれば即ち自ら消解せり——怎んぞ駁り成さん。ただ官爻發動して充實なるのみ、乃ち駁り回るを得。再び部裏に報じて准駁を請求するも、またこの如し。もしさらに疏を上して陳奏して准駁を請求せば、即ち五爻を改用して官爻に代えん。(注:これは占者の問意に就きて斷ずるを要す。疏を上して覆奏すれば、即ち五爻を以て用神と為し、其の餘は上の占法に照らす。)關提を停止し・公文を追回し・狀子を停息し・訟案を拖延するは、皆卦中官鬼无きを喜び、卦中官鬼有るを惡む。官鬼發動すれば即ち停め下げず・拖え住む能わず。官鬼世を剋せば即ち止めず・追い回る能わず。ただ子孫發動して官鬼安静なるのみ、乃ち無事の福を享く。鼠牙雀角の爭また重ねて挑起するは、ただ鬼を助けて身を傷るに因りて只なり。枝蔓株連重ねて牽扯するは、全て鬼に隨って墓に入るに壞れたり——戒めざるべからず。(注:大体官鬼安静・逢破落空を以て吉と為し、發動世を剋するを以て凶と為す。)

請卷者,文書為用也。上下請提,破絕不允請,空散不從提,制爻克世,提請俱違。(請提文卷,皆係父母,考其虛實以定吉凶,復以官爻不克世,及無破空,方得順爾請提。)夤緣囑託,意在聽從,六沖則逆其意,而或見嗔,官克則逆其耳,而或有欲,若空若破,無力無功,如旺如生,有情有意。如托私人,應不可壞,不可六沖,克世有損無成,若問官倩,亦同前斷。(問官從否看官象,問人可托看應象,俱忌克世六沖。)

案卷を請調するは、文書即ち父母爻を以て用神と為す。上級あるいは下級に提審調卷を請求するは、父母逢破臨絶すれば、卷を請うに准を獲ず。落空被散すれば、提審從を獲ず。もし剋制の爻有りて世を剋し來れば、請と提皆落空中に落空せん。(注:案卷を請提するの文書皆父母爻に屬し、その虚實を攷えて以て吉凶を定む。さらに官爻世を剋せず・逢破落空せざるを要して、請提乃ち順利ならん。)夤緣請託は、意は人の肯んじて聽從するに在り。六冲に逢えば即ち彼の意思に違逆し、あるいはなお罵を挨ぐ。官爻世を剋せば即ち彼の耳に逆らい、あるいは彼別に圖る所有らん。もし落空逢破すれば、即ち力无く功无し。もし旺相生を得れば、彼即ち情有り意有り。もし託する所私人なれば、應爻敗壞すべからず、六冲すべからず、世を剋すれば則ち損有り成无し。もし官府の人に託して代辦するを問わば、また前に照らして斷ず。(注:官府肯んじて依從するや否やを問うは官爻を看、某人託すべきか否かを問うは應爻を看る。皆世を剋しと六冲とを忌む。)

憂禁憂責,官旺動而克世為難免。離獄息訟,皆忌官爻克世,息訟官不可動,離獄官不可無,求六親離獄,則兼用無傷。(離獄鬼壞鬼空,亦不能出。求六親,兼看六親生旺則出。)遠關人犯,事繫於官,而亦兼捕逃也。(關犯若官克鬼壞,為彼地官吏不我用情,六沖世應空,及應克世,其犯難捕,皆不能來。)

拘禁せられ・責罰せらるるを憂心するは、官爻旺相發動して世を剋せば、即ち免れ難し。出獄を占い・息訟を占うは、皆官爻世を剋するを忌む。息訟の時は官爻發動すべからず、出獄の時は官爻卻って无かるべからず。もし六親に替りて出獄を求めば、即ちなお兼ねてあの位の六親の用神傷を受けざるを看る。(注:出獄の時官鬼敗壞・官鬼落空するも、また出る能わず。六親に替りて求むは、なお兼ねて六親の爻生旺なるを看て、乃ち出來るを得。)遠處に向いて人犯を關提するは、事官爻に繫り、同時に兼ねて捕逃の法を用いる。(注:人犯を關提するに、もし官爻世を剋し・官鬼敗壞すれば、即ちあの邊の官吏我に情面を與うるを肯ぜず。もし六冲・世應落空および應爻世を剋するに逢えば、あの人犯即ち捕え難く、皆來る能わず。)

伸訟奪婚,亦繫於官,而兼防奪婚也。(索婚官克鬼壞,公論不允,應克世為彼奪去,財壞不能歸來,俱莫能成就。)以訟取財,仗官為力,而兼用索逋也。(取財官克鬼壞,官不相為也,即為矣,若財壞亦難求。)力綿扳役,仗官為力,而兼用彼助也。(扳役官克鬼壞,官不聽也,即聽矣,若應克世及應空財壞,則亦莫能助我。)招雪複名,仗官為力,而兼用我得也,所以用爻相兼為法者,有是五也。(復缺,官克鬼克,官不從也,即從矣,如遇世空則莫亦能復。)

官司を打ちて奪われし婚約を爭い回るは、また官爻に繫り、同時に兼ねて人の婚を奪うを防ぐの法を用いる。(注:婚約を索回する時官爻世を剋し・官鬼敗壞すれば、是れ公論准せず。應爻世を剋すれば、是れ對方に奪い去らる。妻財敗壞すれば、是れ人回り來る能わず——皆成らず。)官司を靠りて錢財を取り回すは、官府の力を仗り、同時に兼ねて債を討うの法を用いる。(注:財を取る時官爻世を剋し・官鬼敗壞すれば、是れ官府我に替りて力を出すを肯ぜず。たとえ肯ずると雖も、もし妻財敗壞すれば討い回すことも難し。)己が力量單薄にして別人を攀扯して差役を分擔せしむるは、官府の力を仗り、同時に兼ねて人の相助を求むるの法を用いる。(注:役を攀る時官爻世を剋し・官鬼敗壞すれば、是れ官府聽かず。たとえ聽くと雖も、もし應爻世を剋し・應爻落空・妻財敗壞すれば、あの人また我を助くる能わず。)招認して後昭雪し・原職原名を恢復するは、官府の力を仗り、同時に兼ねて『我所得有り』の法を用いる。兩種の用爻を兼ねて看るを要するは、即ちこの五種の情形なり。(注:職を復し缺を補うに、官爻世を剋し・官鬼剋せらるれば、是れ官府依らず。たとえ依ると雖も、もし世爻落空に遇えば復し成らず。)

大罪不死,在用神之旺相,大害不絕,在主象之生扶。若行險陷人,鬼神所怒,雖鬼靜爻安,當直告其凶。(或有既定重罪,占其生死,刑定不復論官,專看用神,有救無事。六親困獄,防有欲害者,若主象生扶,大數未盡,奚能害哉。或占行險陷人,以官鬼發動克世為戒,倘有卜者,當直言其凶,雖得鬼靜,或天奪其鑑,而故益其疾,必致大禍,占者寧不戒之。)

大罪を犯して死に至らざるは、用神旺相に在り。大害に遭いて絶に至らざるは、主象生扶を得るに在り。もし險を設けて別人を陷害する是れならば、あれ鬼神の怒る所なり。たとえ官鬼安静・六爻平安なるも、また直に彼に告げてこの凶なるを言うべし。(注:有るは重罪已に定まりて生死を占う。刑既に定まれば即ち官爻を再び論ずるに及ばず、專ら用神を看る。救有れば即ち事なし。六親獄中に被困せば、人彼を害せんと想う有るを防ぐを要す。もし主象生扶を得れば、命數未だ盡きず、誰かまた彼を害するを得ん。もし占う所險を設けて人を害するは、即ち官鬼發動世を剋するを以て戒と為す。倘も人來りてこの種の事を卜すれば、まさに直にその凶を說くべし——たとえ官鬼安静の卦を得るも、或いは上天彼の省察の心を奪いて故意に彼の病を加重し、必ず大禍を致さん。占者豈に戒めざるべけんや。)

居官緣事,占官占訟二分,在宦憂議,部覆部議一理,伸訴里甲,私評用應,涉訟用官也。(凡有當仕心懷事累,占法有二:一曰無累官乎,則官旺世實為吉;一曰不累我乎,則官克鬼動為凶。或佔有事及部,問曰部議重輕,則官克鬼動為忌;問曰部議與官無害,則以官旺世實為喜,復疏亦然。斯二者常或相背,當詳其問神之旨,祝云為官,祝云為累,其吉凶乃定矣。伸里甲,一謂其公處,故應克世有曲,應壞無斷,六沖不終;一謂其成訟,故官克鬼動,定幹有司,二者亦隨其占而斷也。)

任に在る官員公事に因りて牽連せらるるは、占法『官を占う』と『訟を占う』の兩種に分かつ。任に在りて部裏の議處を憂うは、『部覆』と『部議』は一個の道理なり。里甲に向いて申訴するは、私下理を評するは應爻を用い、鬧りて官司を打つに到れば即ち官爻を用いる。(注:およそ官を做る人心裏に事累を掛くるは、占法兩種有り。一は『我が官に連累するや否や』を問えば、即ち官爻旺・世爻實を以て吉と為す。一は『我が人に連累するや否や』を問えば、即ち官鬼世を剋し・官鬼發動を以て凶と為す。あるいは事部裏に報到するを占い、『部議の輕重』を問わば、即ち官鬼世を剋し・官鬼發動を以て忌と為す。『部議我が官に妨害有るや否や』を問わば、即ち官爻旺・世爻實を以て喜と為す——疏を上し覆奏するも一樣なり。この兩者常に相反す。まさに卦を問う人の本意を細審すべし。彼祝告の時説く所は官の為か、累を受くるの為か、吉凶乃ち定め下さるを得。里甲に向いて申訴するもまた兩義有り。一は彼らの公斷を求む。ゆえに應爻世を剋せば即ち我が理曲、應爻敗壞すれば即ち斷じ下る能わず、六冲に逢えば即ち始有りて終无し。一は終究訟を成さんとす。ゆえに官鬼世を剋し・官鬼發動すれば、即ち定めて官府に鬧り到らん——この兩者もまた占う所に隨いて斷ず。)

大凡訟內之用爻,莫離於官鬼,官鬼之取舍,則因事而求之。是故行喜動,止喜靜,避喜空,解喜衰,息喜絕也。求為我力,則不可無,憂為我難,則不可有,事事惡其傷己,一一好其生世,以像形事,以事配義,吉凶得矣。然健訟破家,不可長也,易曰不永所事,聖人之戒深矣。(詞訟同用官爻,而有喜忌之分,明於事義,而吉凶不爽矣。然三褫其服,眾訟成師,不祥之氣,由此而長也,占者戒之。)

大凡訟事中の用爻は官鬼を離るる能わず、而して官鬼の取捨は則ち具體の事情に按じて求むるを要す。ゆえに推動せんと要せば即ちそれ發動を喜び、止住せんと要せば即ちそれ安静を喜び、躲避せんと要せば即ち它落空を喜び、化解せんと要せば即ち它衰弱を喜び、平息せんと要せば即ち它臨絶を喜ぶ。它我に替りて力を出さんを求めば、即ち它无かるべからず。它我に難を招くを怕れば、即ち它有るべからず。事事それ我を傷るを惡み、样样それ世を生ずるを喜ぶ。卦象を用いて事情を比擬し、事情を用いて義理を配合せば、吉凶即ち得着せり。然而訟を好むは家を敗し、長く此の下去すべからず。《易》に『その事を永くせず』と説く——聖人の告誡は很く深し。(注:詞訟同じく官爻を用いるも、卻って喜忌の分別有り。事理を弄明白にせば、吉凶即ち錯らず。然而『三その服を褫う』・衆人訟を興すこと師を興すが如くなれば、不祥の氣即ち此に由りて滋長す——占者まさに以て戒と為すべし。)

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