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五燈會元卷第五

宋 · 普济 · 第26巻 / 144

因有人請灌頂三藏供養。敷坐訖。師乃就彼位坐。時有雲涉座主問曰。和尚甚麼年行道。師曰。座主近前來。涉近前。師曰。祇如憍陳如是甚麼年行道。涉茫然。師喝曰。這尿床鬼。問。和尚院內人何太少。定水院人何太多。師曰。草深多野鹿。巖高獬豸稀。問。如何是無問而自答。師曰。松韻琴聲響。

人の灌頂蔵を供養せんことを請う有るに因り。坐を敷き訖りて、師は乃ち彼の位に就きて坐す。時に雲渉座主は問うて言った。「和尚は什麼の年に道を行ず。」師は言った。「座主は前に近り来れ。」渉は前に近る。師は言った。「只だ如し憍陳如は是れ什麼の年に道を行ぜし。」渉は茫然たり。師は喝して言った。「這の尿床の鬼。」問う。「和尚の院内の人は何と太少きか、定水院の人は何と太多きか。」師は言った。「草深きに野鹿多し、巌高きに獬豸稀なり。」問う。「如何なるか是れ問う無くして自ら答う。」師は言った。「松の韻は琴の声の響き。」

嘉州白水禪師

嘉州白水禅師

僧問。如何是西來意。師曰。四溟無窟宅。一滴潤乾坤。問。曹溪一路。合譚何事。師曰。㵎松千載鶴來聚。月中香桂鳳凰歸。問。如何是此經。師曰。拋梭石女遼空響。海底泥牛夜呌頻。

僧が問うた。「如何なるか是れ西来の意。」師は言った。「四溟に窟宅無く、一滴は乾坤を潤す。」問う。「曹渓の一路は、合して何の事を談ずべき。」師は言った。「澗の松は千載に鶴の来り聚まり、月の中の香桂は鳳凰の帰る。」問う。「如何なるか是れ此の経。」師は言った。「梭を抛つ石女は遼空に響き、海底の泥の牛は夜に叫び頻し。」

鳳翔府天葢山幽禪師

鳳翔府天葢山幽禅師

僧問。如何是天葢水。師曰。四海滂沲。不犯涓滴。問。學人擬看經時如何。師曰。既是大商。何求小利。問。對境不動時如何。師曰。邊方雖有令。不是太平年。

僧が問うた。「如何なるか是れ天葢の水。」師は言った。「四海滂沱にして、涓滴を犯さず。」問う。「学人は経を看んと拟する時如何。」師は言った。「既に是れ大商、何の小利を求む。」問う。「境に対して動ぜざる時如何。」師は言った。「辺方に令有ると雖も、是れ太平の年に非ず。」

清平遵禪師法嗣

清平遵禅師法嗣

蘄州三角山令珪禪師

蘄州三角山令珪禅師

初參清平。平問。來作麼。師曰。來禮拜。平曰。禮拜阿誰。師曰。特來禮拜和尚。平咄曰。這鈍根阿師。師乃禮拜。平以手斫師頸一下。從此領旨。住後。僧問。如何是佛。師曰。明日來。向汝道。如今道不得。

初めて清平に参ず。平は問うた。「来りて作麼せん。」師は言った。「来りて礼拜せん。」平は言った。「阿誰を礼拜する。」師は言った。「特に来りて和尚を礼拜せん。」平は喝して言った。「這の鈍根の阿師。」師は乃ち礼拜した。平は手を以って師の頸を一下斫る。此より旨を領す。住の後。僧が問うた。「如何なるか是れ佛。」師は言った。「明日来れ、汝に向いて道わん。如今は道い得ざれ。」

投子同禪師法嗣

投子同禅師法嗣

投子感溫禪師

投子感温禅師

僧問。師登寶座。接示何人。師曰。如月赴千溪。曰。恁麼則滿地不虧也。師曰。莫恁麼道。問。父不投。為甚麼卻投子。師曰。豈是別人屋裡事。曰。父與子還屬功也無。師曰。不屬。曰。不屬功底如何。師曰。父子各自脫。曰。為甚麼如此。師曰。汝與我會。師遊山見蟬蛻。侍者問曰。殻在這裡。蟬向甚麼處去也。師拈殻就耳畔搖三五下。作蟬聲。侍者於是開悟。

僧が問うた。「師は宝座に登りて、何人を接示する。」師は言った。「月の千渓に赴くが如し。」曰く、「かくの如くすれば則ち地に満ちて虧けざらん。」師は言った。「かくの如く道う莫れ。」問う。「父は投ぜず、何を為めて卻て子を投ず。」師は言った。「豈に是れ別人の屋裏の事や。」曰く、「父と子とは還た功に属するや無きや。」師は言った。「属せず。」曰く、「功に属せざる底は如何。」師は言った。「父子は各お自ら脱す。」曰く、「何を為めて此の如くなる。」師は言った。「汝は我と与に会せよ。」師は山に游びて蝉の蜕を見る。侍者は問うて言った。「殻は這裏に在り、蝉は什麼の処に向いて去る。」師は殻を拈じて耳の畔に就きて三五下を摇りて、蝉の声を作した。侍者は是に於て悟を開いた。

福州牛頭微禪師

福州牛頭微禅師

上堂。三世諸佛。用一點伎倆不得。天下老師口似匾擔。諸人作麼生。大不容易。除非知有。餘莫能知。僧問。如何是和尚家風。師曰。山畬脫粟飯。野菜澹黃虀。曰。忽遇上客來。又作麼生。師曰。吃即從君吃。不吃任東西。問。不問驪龍頷下珠。如何識得家中寶。師曰。忙中爭得作閑人。

上堂して言った。「三世の諸佛は、一点の伎俩を用いるを得ず。天下の老師は口は匾担に似たり。諸人は作麼生。大いに容易ならず。除非く有るを知る、余は能く知る莫れ。」僧が問うた。「如何なるか是れ和尚の家風。」師は言った。「山畬は粟を脱がす飯、野菜は淡黄の齏。」曰く、「忽ち上客の来たるに遇えば、又作麼生。」師は言った。「喫せば即ち君に従りて喫し、喫せざれば東西に任す。」問う。「驪竜の頷の下の珠を問わず、如何にして家の中の宝を識り得ん。」師は言った。「忙の中に争でか閑人と作るを得ん。」

西川青城香山澄照禪師

西川青城香山澄照禅師

僧問。諸佛有難。向火燄裡藏身。未審衲僧有難。向甚麼處藏身。師曰。水精甕裡著波斯。問。如何是初生月。師曰。太半人不見。

僧が問うた。「諸佛に難有れば、火焰の裏に向いて身を蔵す。未だ審らかに衲僧に難有らば、什麼の処に向いて身を蔵する。」師は言った。「水精の瓮の裏に波斯を著く。」問う。「如何なるか是れ初生の月。」師は言った。「太半の人は見ず。」

陝府天福禪師

陝府天福禅師

僧問。如何是佛法大意。師曰。黃河無滴水。華嶽總平沈。

僧が問うた。「如何なるか是れ佛法の大意。」師は言った。「黄河に滴水無く、華嶽は総て平沈す。」

興元府中梁山遵古禪師

興元府中梁山遵古禅師

僧問。空劫無人能問法。即今有問法何安。師曰。大悲菩薩甕裡坐。問。如何是祖師西來意。師曰。道士擔漏巵。

僧が問うた。「空劫は人の法を問う能く無し、即今法を問う有るは何を安んず。」師は言った。「大悲菩薩は瓮の裏に坐す。」問う。「如何なるか是れ祖師西来の意。」師は言った。「道士は漏れ卮を担ぐ。」

襄州谷隱禪師

襄州谷隠禅師

僧問。如何是不觸白雲機。師曰。鶴帶鵶顏。浮生不棄。

僧が問うた。「如何なるか是れ白雲に触れざる機。」師は言った。「鶴は鴉の顔を帯び、浮生は棄てず。」

安州九嵕山禪師

安州九嵕山禅師

僧問。遠聞九嵕。及乎到來。祇見一嵕。師曰。闍黎祇見一嵕。不見九嵕。曰。如何是九嵕。師曰。水急浪花驪。

僧が問うた。「遠く九嵕を聞きて、及んで到り来たるも、只だ一嵕を見る。」師は言った。「闍黎は只だ一嵕を見て、九嵕を見ず。」曰く、「如何なるか是れ九嵕。」師は言った。「水急ければ浪花は驪なり。」

幽州盤山禪師(二世)

幽州盤山禅師(二世)

僧問。如何出得三界。師曰。在裡頭來多少時邪。曰。如何出得。師曰。青山不礙白雲飛。問。承教有言。如化人煩惱。如石女兒。此理如何。師曰。闍黎直如石女兒去。

僧が問うた。「如何にして三界を出で得ん。」師は言った。「裏頭に在りて来ること多少の時ぞ邪。」曰く、「如何にして出で得ん。」師は言った。「青山は白雲の飛ぶを礙げず。」問う。「承く教に言有り、化人の煩悩の如く、石女の兒の如しと。此の理如何。」師は言った。「闍黎は直ちに石女の兒の如くして去れ。」

九嵕敬慧禪師

九嵕敬慧禅師

僧問。解脫深坑。如何過得。師曰。不求過。曰。如何過得。師曰。求過亦非。

僧が問うた。「解脱の深き坑は、如何にして過ぎ得ん。」師は言った。「過ぐるを求めず。」曰く、「如何にして過ぎ得ん。」師は言った。「過ぐるを求むるも亦た非なり。」

東京觀音院巖俊禪師者

東京観音院巌俊禅師

邢臺廉氏子。初參祖席。徧歷衡.廬.岷.蜀。甞經鳳林深谷。欻覩珍寶發現。同侶相顧。意將取之。師曰。古人鉏園。觸黃金若瓦礫。待吾菅覆頂。須此供四方僧。言訖捨去。謁投子。子問。昨夜宿何處。師曰。不動道場。子曰。既言不動。曷由至此。師曰。至此豈是動邪。子曰。元來宿不著處。投子默許之。尋住觀音。眾常數百。周高祖.世宗二帝潛隱時。每登方丈。必施禮。及即位。特賜紫衣。署淨戒大師。示寂垂誡門人訖。怡顏合掌而逝。

邢台廉氏の子なり。初めて祖席に参じ、遍く衡、廬、岷、蜀を歴た。嘗て鳳林の深谷を経て、欻く珍宝の発現を睹た。同侶は相い顧みて、意は将に之を取らんとす。師は言った。「古人は園を鋤りて、黄金に触れて瓦礫の若しとせり。吾が菅を以って頂を覆うを待たば、須く此を以って四方の僧を供すべし。」言い訖りて舎てて去った。投子に謁す。子は問うた。「昨夜は何の処に宿せし。」師は言った。「動かざる道場。」子は言った。「既に動かずと言う、曷くんぞ由りて此に至る。」師は言った。「此に至るは豈に是れ動ぜし邪。」子は言った。「元来宿し著かざる処。」投子は黙して之を許した。尋いで観音に住し、衆は常に数百なり。周の高祖、世宗の二帝は潜隠の時に、毎に方丈に登りて、必ず礼を施す。及び位に即きて、特に紫衣を賜い、浄戒大師を署す。寂を示して門人に垂誡し訖りて、怡顔して掌を合わせて逝く。

濠州思明禪師

濠州思明禅師

在眾時。僧問。如何是上座沙彌童行。師曰。諾。問。如何是清淨法身。師曰。屎裡蛆兒。頭出頭沒。

衆に在る時。僧が問うた。「如何なるか是れ上座沙弥童行。」師は言った。「諾。」問う。「如何なるか是れ清浄の法身。」師は言った。「屎の裏の蛆兒は、頭出で頭没す。」

鳳翔府招福禪師

鳳翔府招福禅師

僧問。東牙烏牙皆出隊。和尚為甚麼不出隊。師曰。住持各不同。闍黎爭得怪。

僧が問うた。「東牙烏牙は皆隊を出づ、和尚は何を為めて隊を出でざる。」師は言った。「住持は各お同じからず、闍黎は争でか怪むを得ん。」

青原下六世

青原下六世

大光誨禪師法嗣

大光誨禅師法嗣

潭州谷山有緣禪師

潭州谷山有縁禅師

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