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五燈會元卷第十

宋 · 普济 · 第93巻 / 144

襄州奉國清海禪師

襄州奉国清海禅師

僧問。青青翠竹。盡是真如。如何是真如。師曰。點鐵成金客。聞名不見形。曰。恁麼則禮謝去也。師曰。昔時妄想。至今猶存。問。承古有云。見月休觀指。歸家罷問程。如何是家。師曰。試舉話頭看。問。放過即東道西說。不放過怎生道。師曰。二年同一春。

僧が問うた。「青青たる翠竹は、尽く是れ真如、如何なるか是れ真如。」師は言った。「鉄を点じて金と成す客は、名を聞きて形を見ず。」言った。「恁麼ならば則ち礼して謝して去るなり。」師は言った。「昔時の妄想は、至今猶お存す。」問う。「承く古に云う有り、月を見て指を観るを休め、家に帰りて程を問うを罷む、如何なるか是れ家。」師は言った。「試しに話頭を挙げて看よ。」問う。放過せば即ち東に道い西に説く、放過せざれば怎生に道わん。師は言った。「二年は一春を同じくす。」

韶州慈光禪師

韶州慈光禅師

僧問。即心即佛。誘誨之言。不涉前蹤。如何指教。師曰。東西且置。南北事作麼生。曰。恁麼則學人罔測去也。師曰。龍頭蛇尾。

僧が問うた。「即心即仏は、誘誨の言にして、前の蹤に渉らず、如何に指教せん。」師は言った。「東西は且く置き、南北の事は作麼生。」言った。「恁麼ならば則ち学人は罔く測らずして去るなり。」師は言った。「龍頭蛇尾。」

韶州雙峰慧真禪師

韶州双峰慧真禅師

僧問。如何是和尚非時為人一句。師曰。吃棒得也未。僧禮拜。師便打。

僧が問うた。「如何なるか是れ和尚の非時に人と為る一句。」師は言った。「棒を喫うを得たるや未だや。」僧が礼拝すれば、師が便ち打つ。

潭州保安師密禪師

潭州保安師密禅師

僧問。輥芥投針時如何。師曰。落在甚麼處(梁山雲。落在汝眼裡)。問。不犯詞鋒時如何。師曰。天台南嶽。曰。便恁麼去時如何。師曰。江西湖南。

僧が問うた。「芥を辊りて針に投ずる時如何。」師は言った。「何の処にか落ちる(梁山の云う、汝の眼裏に落ちたと)。」問う。「詞鋒を犯さざる時如何。」師は言った。「天台南岳。」言った。「便ち恁麼に去る時如何。」師は言った。「江西湖南。」

韶州雲門法球禪師

韶州雲門法球禅師

僧問。如何是西來大道。師曰。當時妄想。至今不絕。問。如何是雲門劒。師曰。長空不匣鋒鋩色。曰。用者又如何。師曰。四海唯清日月明。問。如何是道。師曰。頭上腳下。曰。如何是道中人。師曰。一任東西。問。如何是隨色摩尼珠。師曰。色即不無。作麼生是珠。曰。學人不會。特伸請益。師曰。雲有出山勢。水無投㵎聲。問。牛頭未見四祖時如何。師曰。香風吹萎花。曰。見後如何。師曰。更雨新好者。

僧が問うた。「如何なるか是れ西来の大道。」師は言った。「当時の妄想は、至今絶えず。」問う。「如何なるか是れ雲門の剣。」師は言った。「長空は鋒鋩の色を匣めず。」言った。「用うる者は又た如何。」師は言った。「四海は唯だ清く日月明らかなり。」問う。「如何なるか是れ道。」師は言った。「頭上脚下。」言った。「如何なるか是れ道中の人。」師は言った。「東西に一任せよ。」問う。「如何なるか是れ色に随う摩尼珠。」師は言った。「色は即ち無きに非ず、作麼生か是れ珠。」言った。「学人は会せず、特に請益を伸べん。」師は言った。「雲は山を出出づる勢有り、水は㵎に投ずる声無し。」問う。「牛頭が未だ四祖に見えざる時如何。」師は言った。「香風は萎花を吹く。」言った。「見えし後如何。」師は言った。「更に新好なる者を雨す。」

韶州佛陀山遠禪師

韶州仏陀山遠禅師

僧問。如何是佛。師曰。銅頭鐵額。曰。意旨如何。師曰。簸土颺塵。

僧が問うた。「如何なるか是れ仏。」師は言った。「銅頭鉄額。」言った。「意旨如何。」師は言った。「土を簸い塵を飏ぐ。」

連州慈雲山深禪師

連州慈雲山深禅師

僧問。寶鏡當軒時如何。師曰。天地皆失色。問。如何是教外別傳一句。師曰。扣牙恐驚齒。

僧が問うた。「宝鏡は軒に当たる時如何。」師は言った。「天地は皆色を失う。」問う。「如何なるか是れ教外別伝の一句。」師は言った。「牙を扣くは歯を驚かすを恐る。」

廬山化城鑒禪師

盧山化城鑑禅師

僧問。如何是和尚正法眼。師曰。新羅人迷路。上堂。十方薄伽梵。一路涅槃門。諸禪德。且作麼生是涅槃門。莫是山僧這裡聚會少時便為涅槃門麼。莫錯會好。諸禪德總不恁麼會。莫別有商量底麼。山僧這裡早是事不獲已。向諸人恁麼道。已是相鈍置了也。更擬踏步向前。有何所益。諸禪德但自無事。自然安樂。任運天真。隨緣自在。莫用巡他門戶。求覓解會。記憶在心。被他繫縛。不得自在。便被生死之所拘。何時得出頭。可惜光陰倐忽。便是來生。速須努力。時有僧問。生死到來。如何免得。師曰。柴鳴竹𪹼驚人耳。曰。學人不會。請師直指。師曰。家犬聲獰夜不休。問。如何是菩提路。師曰。月照舊房深。問。如何是和尚家風。師曰。不欲說似人。曰。為甚麼卻如此。師曰。家醜不外揚。問。如何是和尚尋常為人底句。師曰。量才補職。曰。恁麼則學人無分也。師曰。心不負人。問。佛法畢竟成得甚麼邊事。師曰。好箇問頭。無人答得。曰。和尚豈無方便。師曰。雲有出山勢。水無投㵎聲。問。如何是向上關棙子。師曰。拔劒攪龍門。

僧が問うた。「如何なるか是れ和尚の正法眼。」師は言った。「新羅人は路に迷う。」上堂して言った。「十方の薄伽梵は、一路の涅槃門、諸の禅徳、且く作麼生か是れ涅槃門、莫れ是れ山僧の這裏に聚会少時にして便ち涅槃門と為さんか、錯りて会すること好く莫れ、諸の禅徳は総て恁麼に会せず、莫れ別に商量する底有らんか、山僧の這裏は早く是れ事獲已むを得ずして、諸人に向かって恁麼に道う、已に是れ相鈍置して了れり、更に歩を踏みて前に向かわんと擬すとも、何の益ぞ有らん、諸の禅徳は但だ自ら事無くんば、自ずから安楽にして、運に任りて天真に、縁に随いて自在なれ、他の門戸を巡りて、解会を求覚すること用ゐる莫れ、心に記憶して、他に係縛せられて、自在を得ず、便ち生死の拘う所と為る、何の時にか頭を出でん、惜しむ可し光陰倐忽として、便ち是れ来生、速かに須く努力すべし。」時に僧有りて問うた。「生死の到来するに、如何にして免れん。」師は言った。「柴鳴り竹𪹼は人の耳を驚かす。」言った。「学人は会せず、請う師の直指せんを。」師は言った。「家犬は声に狞れて夜に休まず。」問う。「如何なるか是れ菩提路。」師は言った。「月は旧房の深きを照らす。」問う。「如何なるか是れ和尚の家風。」師は言った。「人に似せて説くを欲せず。」言った。「なぜ却って此の如くする。」師は言った。「家醜は外に揚げず。」問う。「如何なるか是れ和尚の尋常に人と為る底の句。」師は言った。「才を量りて職を補す。」言った。「恁麼ならば則ち学人に分無し。」師は言った。「心は人を負かず。」問う。「仏法は畢竟に成じて何の辺の事をか得る。」師は言った、「好し箇の問頭、人の答え得る無し。」好し箇の問頭、人の答え得る無しと言う、師は言った、「雲は山を出づる勢有り、水は㵎に投ずる声無し。」問う、「如何なるか是れ向上の関棙子。」師は言った、「剣を抜きて龍門を攪す。」

廬山護國和尚

盧山護国和尚

上堂曰。有解問話者麼。出來對眾問看。時有僧出禮拜。師曰。來朝更獻楚王看。便歸方丈。上堂。實際理地。不受一塵。佛事門中。不捨一法。又曰。一法若有。毗盧墮在凡夫。萬法若無。普賢失其境界。諸上座。作麼生理論。朝夕恁麼上來。向諸上座說箇甚麼即得。若說三乘十二分教。自有座主律師。若說世諦因緣。又非僧家之所議。若論佛法。從上祖宗。多少佛法。可與評量。總不如是。須知各各當人分上事。作麼生是諸上座分上事。知有底。對眾吐露箇消息。以表平生行腳。參善知識。具爍迦羅目。不被人謾。豈不快哉。還有麼。良久雲。若無人出頭。買賣不當價。徒勞更商量。珍重。僧問。佛未出世時如何。師曰。雲遮海門樹。曰。出世後如何。師曰。擘破鐵圍山。

上堂して言った。「解して問話する者有るか、出でて来りて衆に対して問いて看よ。」時に僧有りて出でて礼拝す。師は言った、「来朝に更に楚王に献じて看よ。」便ち方丈に帰る。上堂して言った、「実際の理地は、一塵を受けず、仏事の門中に、一法を捨てず。」又た言った、「一法若し有らば、毘盧は凡夫に堕在し、万法若し無からば、普賢は其の境界を失う、諸の上座、作麼生に理論せん、朝夕に恁麼に上来りて、諸の上座に向かって箇の何をか説けば即ち得、若し三乗十二分教を説かば、自ら座主律師有り、若し世諦因縁を説かば、又た僧家の議る所に非ず、若し仏法を論ぜば、上よりの祖宗は、多少の仏法か評量する可与き、総て是の如くならず、須知すべし各々当人の分上の事、作麼生か是れ諸上座の分上の事、有るを知る底は、衆に対して箇の消息を吐露して、以て平生の行脚を表せ、善知識を参じて、爍迦羅の目を具して、人に谩られざれば、豈に快ならざらんや、還た有るか。」良久して云う。「若し人の頭を出づる無からば、買売は价に当たらず、徒らに更に商量す、珍重せよ。」僧が問うた。「仏未だ世に出でざる時如何。」師は言った。「雲は海門の樹を遮る。」言った。「世に出でし後如何。」師は言った。「鉄囲山を擘破す。」

廬州天王徽禪師

廬州天王徽禅師

僧問。如何是一大藏教。師曰。高座不曾登。曰。登後如何。師曰。三段不同。今當第一。向下文長。付在來日。東家籬。西家壁。自己分上又作麼生。僧無對。師便打。問。如何是從天降下。師曰。風雨順時。曰。如何是從地湧出。師曰。稻麻竹葦。

僧が問うた。「如何なるか是れ一大蔵教。」師は言った。「高座は曾て登らず。」言った。「登りし後如何。」師は言った。「三段は同じからず、今は当に第一、下へ向かって文長し、来日に付す、東家の籬、西家の壁、自己の分上は又た作麼生。」僧は対無し。師が便ち打つ。問う。「如何なるか是れ天より降り下る。」師は言った。「風雨は時に順う。」言った。「如何なるか是れ地より涌き出づる。」師は言った。「稲麻竹葦。」

廬州慶雲和尚

廬州慶雲和尚

僧問。三乘十二分教即不問。如何是直截根源。師曰。十進九退。曰。如何即是。師曰。何日得休時。問。一言道斷時如何。師曰。未是極則處。曰。如何是極則處。師曰。冬後一陽生。問。諸法實相義。和尚如何說。師曰。口掛東壁上。問。佛令祖令今已委。向上機鋒事若何。師曰。令。曰。學人不曉。如何指示。師曰。收。

僧が問うた。三乗十二分教は即ち問わず、如何なるか是れ根源を直截する。師は言った。「十進九退。」言った、「如何なるか是れ即是。」師は言った、「何の日にか休する時を得ん。」問う、「一言の道断ずる時如何。」師は言った、「未だ是れ極則の処。」言った、「如何なるか是れ極則の処。」師は言った、「冬の後に一陽生ず。」問う、「諸法実相の義を、和尚は如何に説く。」師は言った、「口は東壁上に挂く。」問う、「仏令祖令は今已に委み、向上の機鋒の事如何。」師は言った、「令。」言った、「学人は暁らず、如何に指示せん。」師は言った、「収。」

嶽州永福院朗禪師

岳州永福院朗禅師

問僧。汝是甚處人。曰。荊南人。師曰。還過公安渡也無。曰。過公安渡。師曰。汝何不判公驗。曰。和尚何得特地。師曰。爭奈嶽陽關頭何。僧無語。師便打。

僧に問うた。「汝は是れ甚の処の人ぞ。」言った。「荊南人。」師は言った。「還た公安渡を過ぐるや無しや。」言った。「公安渡を過ぐ。」師は言った。「汝は何ぞ公験を判を判ぜざる。」言った。「和尚は何ぞ特地なるを得。」師は言った。「争奈せん岳陽の関頭を何。」僧は語無し。師が便ち打つ。

郢州芭蕉山弘義禪師

郢州芭蕉山弘義禅師

僧問。如何是最初一句。師曰。舉起分明。曰。如何受持。師曰。蘇嚕悉哩。問。學人非時上來。乞師一接。師曰。汝是甚處人。曰。河北人。師曰。不易過黃河。

僧が問うた。「如何なるか是れ最初の一句。」師は言った。「挙げて分明なり。」言った。「如何に受持せん。」師は言った。「蘇嚕悉哩。」問う。「学人は時に非ずして上来り、乞う師の一接を。」師は言った。「汝は是れ甚の処の人ぞ。」言った。「河北人。」師は言った。「黄河を過ぐるは易からず。」

郢州趙橫山和尚

郢州趙横山和尚

僧問。十二時中如何用心。師曰。長連床上吃粥吃飯。問。如何是諸佛師。師曰。平地看高。

僧が問うた。「十二時中に如何に心を用ゐん。」師は言った。「長連床上に粥を喫い飯を喫す。」問う。「如何なるか是れ諸仏の師。」師は言った。「平地に高きを看る。」

信州西禪欽禪師

信州西禅欽禅師

僧問。如何是函蓋乾坤句。師曰。天上有星皆拱北。曰。如何是截斷眾流句。師曰。大地坦然平。曰。如何是隨波逐浪句。師曰。春生夏長。問。古殿重興時如何。師曰。一回春到一回新。

僧が問うた。「如何なるか是れ乾坤を函葢する句。」師は言った。「天上に星有りて皆北に拱す。」言った。「如何なるか是れ衆流を截断する句。」師は言った。「大地は坦然として平らかなり。」言った。「如何なるか是れ波に随い浪を逐う句。」師は言った。「春は生じ夏は長ず。」問う。「古殿の重ねて興る時如何。」師は言った。「一回の春の到れば一回の新なり。」

廬州南天王海禪師

廬州南天王海禅師

僧問。如何是一體真如。師曰。五郎手裡鐵彈子。問。十度發言九度休時如何。師曰。口邊生荊棘。曰。如何免得此過。師曰。半路好抽身。

僧が問うた。「如何なるか是れ一体の真如。」師は言った。「五郎の手裏の鉄の弾子。」問う。「十度言を発して九度休す時如何。」師は言った。「口辺に荆棘を生ず。」言った。「如何にして此の過を免れん。」師は言った。「半路に抽身するを好しとす。」

掛州覺華普照禪師

桂州覚華普照禅師

僧問。大千世界為甚麼轉身不得。師曰。誰礙闍黎。曰。爭奈轉不得。師曰。無用處。問。聲色二字如何透得。師曰。虗空無變易。日月自紛拏。問。如何是真如涅槃。師曰。秋風聲颯颯。㵎水響潺潺。上堂。總似今日老胡有望。然燈佛不如闍黎。總似今日老胡絕望。闍黎不如然燈佛。於此明得。大地微塵諸佛.西天二十八祖.唐土六祖.天下老宿。一時拈來山僧拄杖頭上轉妙法輪。於此明不得。百千諸佛穿你鼻孔。西天二十八祖透過你髑髏。還知麼。若不知。山僧與你指出。良久曰。山河大地有甚麼過。久立。珍重。

僧が問うた。「大千世界に、なぜ身を轉ずるを得ざる。」師は言った。「誰か闍黎を碍げる。」言った。「争奈せん轉ずるを得ざるを。」師は言った。「用ゐる処無し。」問う。「声色の二字は如何にして透し得る。」師は言った。「虚空に変易無く、日月は自ずから紛拏す。」問う。「如何なるか是れ真如涅槃。」師は言った。「秋風は声颯々たり、㵎水は潺潺と響く。」上堂して言った。「総て今日の老胡に望み有りに似たりとすれば、然灯仏は闍黎に如かず、総て今日の老胡は望み絶えたりとすれば、闍黎は然灯仏に如かず、此に於て明らかなるを得ば、大地の微塵の諸仏・西天の二十八祖・唐土の六祖・天下の老宿は、一時に拈じ来りて山僧の拄杖頭上に妙法輪を轉ず、此に於て明らかなるを得ざれば、百千の諸仏は汝の鼻孔を穿ち、西天の二十八祖は汝の髑髏を透し通る。還た知るか。若し知らざれば、山僧が汝に与えて指し示さん。」良久して言った。「山河大地に何の過か有る、久しく立てり、珍重せよ。」

益州鐵幢覺禪師

益州鉄幢覚禅師

僧問。十二時中如何履踐。師曰。光剃頭。淨洗缽。問。如何是道。師曰。踏著。曰。如何是道中人。師曰。退後三步。問。諸佛出世。當為何事。師曰。截耳臥街。

僧が問うた。「十二時中に如何に履践せん。」師は言った。「光らかに頭を剃り、浄く鉢を洗え。」問う。「如何なるか是れ道。」師は言った。「踏み著け。」言った。「如何なるか是れ道中の人。」師は言った。後ろに三歩を退く。問う。「諸仏は世に出づ、当に何の事をか為すべき。」師は言った。「耳を截りて街に臥す。」

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