求名
書讀五車,固欲致身於廓廊;胸藏萬卷,肯甘遁跡於丘園。要相國家,當詳易卦。
書を読みて五車の多きに到るは、本は朝廷の上に置身せんと想えり。胸中に万卷の詩書を蔵して、誰か甘心して山林田園の裡に埋没せんや。しかし能く国家を輔佐し功名を取得するか否かは、則ち《易》卦を細詳すべし。求名の一門を占うに、官鬼を以て功名の神と為し、父母を以て文書試巻と為し、子孫を以て官を傷るの忌神と為し、妻財を以て文書を耗するの神と為す――四位は分明にして、成敗は自ずから見ゆ。
父爻旺相,文成擲地金聲;鬼位興隆,家報泥金捷喜。財若交重,休望青錢之中選;福如發動,難期金榜之題名。
父母爻が旺相なれば(父母は文章試巻を主る)、做り出す文章は地に擲ちて金石の声を作す。官鬼爻が興隆なれば(官鬼は功名を主る)、家中は則ち泥金を書したる捷報を接し得。しかし妻財爻がもし重々発動せば、財は父母を剋して文章を壞し、則ち「青銭万選」の如く篇篇に中式するを指望する勿れ。子孫爻がもし発動せば、子孫は官鬼を剋して功名を傷る。金榜に題名するもまた望み無し。
兄弟同經,乃奪標之惡客;日辰輔德,實勸駕之良朋。兩用相沖,題目生疏而不熟;六爻競發,功名恍惚以難成。
兄弟爻は同場に応試し同じく一経を治むるの對手、正しく来りて錦標を奪うの悪客。日辰がもし来りて徳有るの爻を輔助せば(用神を生扶す)、それは我に勧めて路に上りて応試せしむるの良友。両個の用神(官鬼と父母)が彼此に相冲すれば、考える題目は生僻にして熟せず。六爻が争いて発動すれば、心思は紛雑にして、功名は恍惚として終に成就し難し。
月克文書,程序背而不中;世傷官克,仕路窒而不通。妻財助鬼父爻空,可圖僥倖;福德變官身位合,亦忝科名。
月建が来りて父母(文書)を剋せば、做る所の文章は程式格律に合せず、中選し能わず。世爻が反って往きて官鬼を傷剋せば、仕途は則ち閉塞して通ぜず。もし妻財はたとい動けども往きて官鬼を生助し、しかして父母爻が恰好に空に落つれば(空なれば則ち剋を受けず)、倒れてなお僥倖して中を得るを得。子孫爻はたとい動けども官鬼を変出して、また卦身と相合せば、もまた能く科名に忝列す――この両条の講ずるは「凶中より吉に転ずる」の変例。
出現無情,難遂青雲之志;伏藏有用,終辭白屋之人。月建克身當被責,財如生世必幫糧。
官鬼はたとい卦中に出現すれども、却って世爻と情無ければ(生せず合せず)、青雲の志は遂げ難し。官鬼はたとい伏蔵すれども、もしなお提拔の力の用うべき有れば、終究して白屋寒士の身份を脱し去るを得。月建が来りて卦身を剋せば、考えに赴く時に責罰を受くべし(あるいは斥退せられん)。妻財がもし来りて世爻を生ぜば、必ず人の盤纏口粮を幇助する有らん。
父官三合相逢,連科及弟;龍虎二爻俱動,一舉成名。殺化生身之鬼,恐發青衣;歲加有氣之官,終登黃甲。
父母と官鬼の両位がまた三合の成局に逢えば、それは接続して中式し連科に及第す。青竜と白虎の両爻が一同に発動すれば(青竜は喜を主り白虎は威を主る)、一擧に名を成す。凶煞はたとい官鬼を化出して来りて卦身を生ずるも、恐怕くはただ個の青衣の小職を得るのみ(低階の出身)。太歳が加臨して気有るの官鬼に臨めば、終に能く黄甲に高中せん(進士甲科)。
病阻試期,無故空臨於世位;喜添場屋,有情龍合於身爻。財伏逢空,行糧必乏;身興變鬼,來試方成。
世爻が故なくして空亡に落つれば、病を害して考期を誤るを主る。青竜が情有りて来りて卦身に合せば、考場の中に喜を添え場屋は順遂を主る。妻財が伏蔵してまた空に落つれば、考えに赴くの盤纏口粮は必定短缺す。卦身が発動して官鬼を変出せば、この一科は乃ち考え成り得。須らく親身に往きて応試すべし。
卦值六沖,此去難題雁塔;爻逢六合,這回必占薦頭。父旺官衰,可惜劉蕢之下第;父衰官旺,堪嗟張奭之登科。
六冲卦を搖り得れば、この去は雁塔の上に題名するに難し(唐人は進士及第して慈恩寺雁塔に題名す)。六合卦を搖り得れば、この一回は必定して前茅に列し、薦頭を占め得。父母(文章)が旺にして官鬼(功名)が衰なれば、文章はたとい好しも禄命無し。惜しむべし唐代の劉蕡の如く落第するを。父母が衰にして官鬼が旺なれば、文章は佳ならざるも居然として中式す。嘆くべし唐代の張奭の如く白巻にして科に登るを。
應合日生,必資鶚薦;動傷日克,還守雞窗。世動化空用旺,則豹變翻成蝴蝶。身宮化鬼月扶,則鵬程連步蟾宮。
応爻が来りて合し日辰が来りて生ずれば、必ず貴人の鶚鳥の如き挙薦を得(「鶚薦」は孔融が禰衡を薦めし語に出づ)。動爻が来りて傷り日辰が来りて剋せば、なお帰りて書齋を守りて苦読するを得(「雞窗」は書房を指す)。世爻が発動して却って空亡を変出せば、たとい用神は旺相なれども、も「豹変」の美が反って蝴蝶の一場の空と成る。卦身の宮が官鬼を変出してまた月建の扶助を得れば、則ち鵬程万里にして歩歩に高升し、直上して蟾宮に桂を折らん。
更詳本主之爻神,方論其人之命運。雖賦數言,總論窮通之得失;再將八卦,重推致用之吉凶。
さらに本人の属する所のあの一爻の神煞の旺衰を细看して、始めて彼の一生の命運を論ずるを得。以上はたといただこれ幾句の賦文を写すのみなれども、総じて不過窮通得失の大綱を論ず。具体に某人某事に到れば、なお須らく八卦をさらに一遍推して、逐層に実際の応用中の吉凶を判断すべし。求名を占うと身命を占うとは合して看るべし。功名の外に、なお命運の深浅有り。
仕宦
為國求賢,治民之本;致身輔相,祿養為先。旺相妻財,必得千鍾之粟;興隆官鬼,定居一品之尊。
国家に替わりて賢才を選拔するは、百姓を治理するの根本。士人が相位に置身して君王を輔佐するも、も先に俸禄のその身を養う有るを要す。ゆえに官を做るの一門を占うに、妻財爻が旺相なれば、必ず千鍾の俸米を得。官鬼爻が興隆なれば、一定して一品の尊に位居せん。名を求むるは官鬼を重しとし、官を做るは則ち官鬼と妻財とを併せて重しとす――一つは職位を主り一つは俸給を主る。
子若交重,當慮剝官削職;兄如發動,須防減俸除糧。父母空亡,休望差除宣敕;官爻隱伏,莫思爵位升遷。
子孫爻がもし重々発動せば(子孫は官鬼を剋す)、官職を剥奪せらるるを担心すべし。兄弟爻がもし発動せば(兄弟は妻財を剋す)、俸禄を減扣せらるるを提防すべし。父母爻が空に落つれば(父母は詔敕文書を主る)、委任の敕命の下り来るを指望する勿れ。官鬼爻が隠伏して現れざれば、もまた爵位を升遷するを想う須なし。
月建生身,當際風雲之會;歲君合世,必承雨露之恩。世動逢空,官居不久;身空無救,命盡富危。
月建が来りて卦身を生ぜば、正しく風雲の際會に逢い、時来りて運転す。太歳と世爻とが相合すれば、必ず朝廷の雨露の恩を承受す(太歳は君と為る)。世爻が発動して却又空に落つれば、この官は做ること久しからず。卦身が空に落ちて爻の来りて救う無ければ、寿命は将に尽きんとし、たとい富するもまた危なし。
鬼化福沖當代職,財臨虎動必丁憂。日辰沖剋,定然誹謗之多招;鬼煞傷身,因見災殃之不免。
官鬼が発動して子孫を変出して来りて冲せば(子孫は官を剋す)、まさに別人に職位を代替せらるべし。妻財爻が白虎に臨みて発動せば(財は父母を剋し白虎は喪を主る)、必定して父母のために孝を守り丁憂せん。日辰が来りて冲し来りて剋せば、一定して許多の誹謗を招く。官鬼と凶煞とが来りて卦身を傷れば、災殃は則ち免れず。
兄爻化鬼無情,同僚不協;太歲加刑不順,貶謫難逃。卦靜世空,退休之兆;身空煞動,避禍之徵。
兄弟爻が官鬼を変出して世爻と情無ければ、同僚の間は和睦せず。太歳が刑を加えて世と順ならざれば、官を貶し流されるを躲け得ず。六爻が安静にして世爻が空に落つれば、老を告げて退休するの兆。卦身が空に落ちて凶煞が発動すれば、禍を避け引退するの徴。
身邊伏鬼若非空,頭上烏紗終不脫。財空鬼動聲名震,而囊篋空虛;官旺父衰職任高,而衙門冷落。
卦身の旁に官鬼が伏すれば、ただそれが空に落ちざるを須て、頭上の烏紗帽は終究して脱ぎ下し得ず――官位は保つべし。妻財が空に落ちて官鬼が発動すれば、声名はたとい顕赫なれども、箱篋は却って空空如たり。清官薄宦なり。官鬼が旺にして父母が衰なれば(父母は印信衙署を主る)、職位はたとい高しとも衙門は冷落す。名有りて実無きの任。
職居風憲,皆因月值官爻;官在貳司,只為鬼臨傍位。撫綏百姓,兄動則難化愚頑;巡察四方,路空則多憂驚怪。
任ずる所が監察風紀の職なれば(御史台の一類)、それは月建が正しく官鬼爻に値るが故。任ずる所が副貳佐職なれば、それは官鬼がただ旁爻に臨みて正位に居らざるが故。もし職が百姓を撫綏するに在れば、兄弟爻が一たび動けば(兄弟は争奪紛擾を主る)、愚頑の民は感化し難からん。もし職が四方を巡察するに在れば、第五爻(道路の位)が空に落ち、路上に驚憂怪異多し。
出征剿捕福德興,而寇賊殲亡;鎮守邊陲卦爻靜,而華夷安泰。奏陳諫諍,那堪太歲刑沖;僧道醫官,豈可文書發動。但隨職分以推詳,可識仕途之否泰。
もし兵を出して剿捕するなれば、子孫爻が興旺せば(子孫は官鬼を剋し官鬼は寇賊と為る)、盗賊は則ち殲滅せらる。もし辺疆を鎮守するなれば、六爻が安静なれば、中原と外族とともに安泰無事。もし疏を上りて進諫するなれば、最も太歳の来りて刑し来りて冲するを怕る――太歳は君、冲刑すれば則ち君上の怒に触る。もし僧官・道官・医官のこの一類なれば(みな子孫を以て本業と為す)、最も父母爻の発動して来りて子孫を剋するを忌む。要するに各人の職分の不同に按じて往きて推詳せば、仕途の通塞は則ち明白ならん。
財を求む
居貨曰賈,行貨曰商,總為資生之計。蓍所以筮,龜所以卜,莫非就利之謀。要問吉凶,但看財福。
坐して貨を売るを「賈」と叫び、販運して往來するを「商」と叫ぶ。総じて不過生を謀るの営生。蓍草は用いて筮を占い、亀甲は用いて兆を卜し、もまた无非是れ利を趨るの事に替わりて主意を出す。ゆえに財を求むるを占うにただ吉凶を問い、ただ両位の爻を看る。妻財は財の本身、子孫は財を生ずるの源(子孫は財を生ず)。この両位が力を得れば、財路は自ずから通ず。
財旺福興,無問公私皆稱意;財空福絕,不拘營運總違心。有福無財,兄弟交重偏有望;有財無福,官爻發動亦堪求。
妻財が旺に子孫が興なれば、公事を弁ずるも自家の生意を做すも、みな心に称い意の如し。妻財が空に落ち子孫が絶に臨めば、どう経営するもみな心に遂わず。卦中にただ子孫有りて妻財無ければ、もし兄弟爻が重々発動せば、反って望み有り――兄弟は子孫を生じ、子孫はさらに財を生じ、源頭は有れり。卦中にただ妻財有りて子孫無ければ、もし官鬼爻が発動すればもまた求め得――財は官を生じ、官は反って財を護り、兄弟に劫し去らるるに至らず。
財福俱無,何異守株而待兔;父兄皆動,無殊緣木以求魚。月帶財神,卦雖無而月中必有;日傷妻位,財雖旺而當日應無。
妻財と子孫の両位ともに無ければ、則ちそれは樹桩を守りて兎を待つが如く、白く待つ一場。父母と兄弟の両爻ともに発動すれば(父母は子孫を剋して財源を断ち、兄弟は財を剋して財本を劫す)、則ちそれは樹上に爬りて魚を捉えんとするが如く、全然として望み無し。月建上に妻財を帯ぶれば、卦中に財を見ずとも、本月の内に必ず財の到る有らん。日辰が往きて妻財の位を傷れば、財はたとい旺なれども、当日は却って得ず。
多財反覆,必須墓庫以收藏;無鬼分爭,又怕交重而阻滯。兄如太過,反不克財;身或兄臨,必難求望。
妻財が卦中に出現すること太多ければ反って反復定まらず。必ず墓庫のそれを収攏する有るを須て乃ち好し。卦中に官鬼無ければ、則ち財に替わりて兄弟の争奪を挡き止むる人無し。しかし官鬼がもし重々発動せば、またそれが反って阻滞と成るを怕る(官鬼は財気を耗す)。兄弟がもし旺にして太過すれば、物極まれば必ず反し、反って財を剋し動かさず。しかし卦身の上にもし兄弟に臨めば、則ち指望し難し――自己が則ち財を劫するの人なればなり。
財來就我終須易,我去尋財必是難。身遇旺財,似取囊中之物;世持動弟,如撈水底之針。
妻財爻が来りて世を生じ来りて世に合するは、財の来りて我に就く。財を得るは終究して容易。世爻が反って往きて財を生じ往きて財を尋ぬれば、則ち難からん。卦身が旺相の妻財に遇えば、財を取るは自己の口袋の裡の物を掏り出すに一般に便当なり。世爻の上に発動の兄弟が坐せば、財を求むるは水底に到りて針を捞るが如く、白く気力を費やす。
福變財生,滾滾利源不竭;兄連鬼克,紛紛口舌難逃。父化財,必辛勤而有得;財化鬼,防耗折而驚憂。
子孫爻が発動して妻財を変出して相生ずるは、それは財源の滚滚として取りて竭きざる。兄弟が官鬼に連なりて一同に来りて剋せば(一つは財を劫し一つは禍を招く)、口舌是非は紛紛として免れ難し。父母爻が妻財を変出せば、先に労して後に獲、辛苦の一番も終に得る所有り。妻財爻が官鬼を変出せば、本を折り破耗し、併せて驚憂を生ずるを提防すべし。
財局合福神,萬倍利源可許;歲君逢劫煞,一年生意無聊。世應二爻空合,虛約難憑;主人一位刑傷,往求不遇。
三爻が會して妻財の一局を成し、また子孫と相合せば、万倍の利を許し得。太歳の爻が劫煞に逢えば、この一年の生意は冷落にして聊頼無し。世応両爻はたとい相合すれどもともに空に落つれば、それは虚約の一場、靠み難し。求むる所のあの人(主人)の一爻が刑を受け傷を受ければ、前に往きて彼を求むるもまた遇い着かず、求め成らず。
徒空持鬼,多因自己遲疑;日合動財,卻被他人把住。要知何日得財,不離生衰旺合;欲決何時有利,但詳春夏秋冬。
世爻が白く空に落ちてまた官鬼に坐せば、多く半ば自己が猶豫遅疑して事を誤れる。妻財はたとい発動すれども、却って日辰に合し住められれば、それは財が別人に把持せられて、我が手裡に到り得ざる。どの一日に財を得るかを知らんと要せば、不外に用神が何時に生を得・何時に旺に転じ・何時に合に逢うかを看る(衰なれば則ち旺を待ち、合せらるれば則ち冲を待つ)。何時に利有るかを判断せんと要せば、則ち春夏秋冬の四時の中に妻財が令に当たるか否かを细看す。
合夥不嫌兄弟,公門何慮官爻。九流術士,偏宜鬼動生身;六畜血財,尤喜福興持世。
伙を合して生意を做すれば、卦中に兄弟を見るも併せて忌諱せず――本に就きて人と股を合するなればなり。官府の裡に於いて利を謀れば(公門の中人)、もまた必ずしも官鬼爻を怕る須なし――それは正しく本行なればなり。九流の術士(卜を売り医を行うの類)は反って官鬼の発動して来りて卦身を生ずるを宜とす。彼らは人の憂疑に倚りて飯を喫えばなり。畜牧屠宰のこの一類の「血財」の売買は、尤も子孫爻の興旺にして世を持するを喜ぶ――子孫は即ち六畜なればなり。
世應同人,放債必然連本失;日月相合,開行定主有人投。應落空亡,索債者失望;世遭刑剋,賭博者必輸。
世応両爻が同一の五行なれば(比和して一人に同じ)、債を放ち出せば必定して本銭をも収め回り得ず。日辰月建と世とが相合すれば、行桟を開設すれば必ず人の上門して投奔する有らん。応爻が空に落つれば、債を討つ人は空を撲つ。世爻が刑に遭い剋に遭えば、賭博する人は一定して輸す。
鬼克身爻,商販者必遭盜賊;間興害世,置貨者當慮牙人。停拓者喜財安而鬼靜;脫貨者宜財動而身興。
官鬼が来りて卦身を剋せば、行商して販運する人は必定して盗賊に遇う。間爻が発動して世爻を害すれば、貨を進むる人は中間の牙儈の梗を作るを提防すべし。貨物を囤積して價を等つ人は、妻財の安静・官鬼もまた静なるを喜ぶ――静なれば則ち貨は久しく存し得。手を脱がして貨を出さんとする人は、則ち妻財の発動・卦身の興旺を宜とす――動けば則ち貨は售り易し。同一の卦象にして、売買の方向の不同に因りて吉凶は相反す。
路有有官休出外,宅中有鬼勿居家。內外無財伏又空,必然乏本;父兄有氣財還絕,莫若安貧。生計多端,占法不一,但能誠敬以祈求,自可預知其得失。
道路の爻(五爻)の上に官鬼有れば、則ち門を出でて売買を做す要なし。宅爻(二爻)の上に官鬼有れば、則ち家裡に守る要なし。内外卦ともに妻財を見ず、伏神がまた空に落つれば、それは必定して本銭をも無し。父母兄弟の両爻が気有りて妻財が偏に絶に臨めば、強いて求むるに与いんよりは、清貧に安んずるに如かず。生を謀るの路子は甚だ多し。占法もまた各々相同ならず。ただ誠心敬意を以て往きて祈求すれば、自ずから得失を預知し得。
家宅
創基立業,雖本人之經緯;關風斂氣,每宅以肇端故。要知人宅之興衰,當察卦爻之內外。內為宅,外為人,詳審爻中之真假;合為門,沖為路,不論卦內之有無。
基業を創立するは固然として本人の経営に倚るも、しかし風気を聚め地気を収斂するは、毎に住宅の上より開頭すべし。ゆえに一家の人とこの所の宅子との興衰を知らんと要せば、則ち卦の内外の両半を察看すべし。内卦は宅と為り外卦は人と為る。爻中の真假を細細に審明す。相合の爻を以て門と作し、相冲の爻を以て路と作す――門と路とは必ずしも卦中に明文有るか無きかに拘泥せず、合冲の上より象を取れば則ち得。
龍德貴人乘旺,嶽嶽之候門;官星父母長生,潭潭之相府。門庭新氣象,重交得合青龍;堂宇舊規模,宅舍重侵白虎。
青竜・天徳・貴人の幾样が爻に臨みてまた旺に乗ずれば、それは気象巍然たる侯門の大宅。官鬼と父母と(官星は貴を主り父母は屋宇を主る)ともに長生の地に居れば、それは深邃宏大の宰相の府第。門庭が焕然一新たるは、重爻交爻が発動して青竜の来りて合するを得たる。堂屋がなお旧規模たるは、宅爻が重々に白虎に侵せらるる(白虎は破敗陳旧を主る)。
土金發動,開闢之基;父母空亡,相賃之宅。門庭熱鬧,財官臨帝旺之鄉;家道興隆,福祿在長生之地。
土爻金爻が発動すれば(土は基地を主り金は斧斤を主る)、これは新たに開闢して營造せるの基業。父母爻が空亡に落つれば(父母は房屋を主る)、この宅子は租賃して来れる、自家の産業にあらず。門庭の熱鬧たるは、妻財と官鬼とがともに帝旺の地に落つる。家道の興隆たるは、子孫と禄神とがともに長生の地に落つる。
交重生克,重新更換廳堂;世應比和,一合兩般門扇。門路與日辰隔斷,偏曲往來;宅基與世應交臨,互相換易。
重爻交爻が発動して彼此に生剋すれば、厅堂の重新して翻造して更換せんとするを主る。世応両爻が五行比和すれば、一処の門裡に両副の門扇を開くを主る(両家の合住か一門両戸)。門路の爻が日辰に隔断せられれば、出入の道路は偏斜曲折す。宅基の爻と世応両爻とが交互に臨めば、宅基が彼此に換りて、主を易えたるを主る。
世與日辰克宅,破祖不寧;宅臨月破克身,生災不已。應飛入宅,合招異姓同居;宅動生身,決主近年遷住。
世爻と日辰とが一同に来りて宅爻を剋せば、祖業を敗して住み安寧ならざるを主る。宅爻が月破に逢いてまた来りて卦身を剋せば、災病の断えざるを主る。応爻が宅位に飛入すれば(外人は内に入る)、異姓の人を招きて同住するを主る。宅爻が発動して来りて卦身を生ずれば、近年に則ち新居に遷入せんとすと断じ得。
門逢三破,休敗崩頹;空遇兩空,荒閒虛廢。世臨外宅,離祖分居;應入中庭,外人同住。
門戸の爻が年破・月破・日破の三重の破に遇えば、房子は破敗傾頹す。両処の空位が相遇すれば(宅と門とともに空)、屋子は荒廃して閒置せらる。世爻が外卦の宅位の上に落つれば、祖屋を離れ家を分かちて別に住むを主る。応爻が内卦の中庭の位に進入すれば、外人の家裡に同じく住む有るを主る。
宅合有情之玄武,門庭柳陌花街;木臨無氣之螣蛇,宅舍茆簷蓬戶。鬼有助而無制,鬼旺人衰;宅無破而逢生,宅興財旺。
宅爻と情有るの玄武とが相合すれば(玄武は淫佚を主る)、この門庭は花街柳巷に近し。木爻が無気の螣蛇に臨めば(螣蛇は細長虚弱を主る)、この宅子は不過茅檐蓬戸の寒舍。官鬼に爻の相助有りて爻のそれを制する無ければ、鬼気は一たび旺まれば、家裡の人口は則ち衰えん。宅爻が破損に逢わずしてまた爻の来りて生ずるを得れば、宅は興れば則ち財は旺んとす。
有財無鬼,耗散多端;有鬼無財,災生不已。有人制鬼,鬼動無妨;助鬼傷身,財多何益。
卦中に妻財有りて官鬼無ければ、財は守る人無し(官は能く財を護る)、必然として多方に耗散す。官鬼有りて妻財無ければ、鬼は制する所無し(財は鬼を生ずるもまた牽制す)、災禍は接連して断えず。もし卦中に別に爻有りて能く官鬼を制し住むれば(子孫)、官鬼はたとい発動すれども妨げず。もし妻財が反って往きて官鬼を生助して来りて卦身を傷れば、あの財はさらに多しとも何の用か有らん。
忌鬼爻交重臨白虎,須防人春刑傷;催尸煞身命入黃泉,大忌墓門開合。木金年命,最嫌乾兌卦之火爻;水火命人,不怕震巽宮之金鬼。
最も忌むは官鬼爻の重々発動してまた白虎に臨む。須らく家中に人の刑傷の禍を受くるを防ぐべし。もし「催尸煞」が身爻・命爻の上に加わりて人がすでに黄泉に入らば、最も墓門の一開一合するを忌む(墓を冲すれば則ち応ず)。本命が木に属し金に属する人は、最も乾宮兌宮(乾兌は金に属す)の裡の火爻を嫌う――火は金を剋し、本命を剋したればなり。本命が水に属し火に属する人は、則ち震宮巽宮(震巽は木に属す)の裡の金性の官鬼を怕れず――木は能く金を泄して水火はその剋を受けざればなり。
官星佩印居玉堂,乃食祿之人;貴刃加刑控寶馬,必提兵之將。財化福爻,入公門多致滯留;貴印加官,在仕途必然遷轉。
官鬼が父母(印綬)を帯びて玉堂の位に居れば、この家裡の出ずるは朝廷の俸禄を食する人。貴人と羊刃とが刑を加えて駅馬を控ぐれば、この家の出ずるは必ず兵を帯ぶるの武将。妻財が子孫を変出せば(子孫は官を剋す)、衙門に進めば多く半ば留難せられん。貴人・印綬がまた官鬼を加えれば、仕途の上に於いて一定して升遷調轉せん。
子承父業,子有跨襤之風;妻奪夫權,妻有能家之兆。弟紾乃兄之臂,身命相傷;婦僭姑嫜之爻,家聲可見。妻犯夫家之煞,妻破夫家;夫臨妻祿之爻,夫食妻祿。
子孫爻が父母爻の気を承接すれば、児子は能く父業を継承し、青は藍より出でて藍より青しの気概有り。妻財爻が官鬼の権を奪えば、妻子は能く家に当たりて事を理す。兄弟爻が互相に刑傷すれば(弟は其の兄の臂を扭ぐ)、兄弟の鬩牆・身命の相傷るを主る。妻財爻が僭越して父母爻の上に到れば(媳婦は公婆を壓倒す)、一家の声名は則ち想うべくして知る。妻財爻が夫家の凶煞を犯せば、妻子が夫家を敗壊するを主る。官鬼爻が妻財の禄位に臨めば、丈夫が妻子の財産に倚りて活を過ぐるを主る。
交重兄弟克妻身,再理絲絃;內外子孫生世位,多招財物。世為日辰飛入宅,鳩踞鵲巢;應臨父母動生身,龍生蛇腹。
兄弟爻が重々発動して来りて妻財と卦身とを剋せば、妻を喪いて再び娶るを主る(「再び絲弦を理す」は則ち弦を續ぐ)。内卦外卦の子孫爻がともに来りて世爻を生ずれば、多く財物を招くを主る。世爻が日辰に帯びられて宅位に飛進すれば、鳩が鵲の巣を占むるを主る――住む所は別人の屋子。応爻上に父母が臨みて発動して来りて卦身を生ずれば、「竜は蛇腹に生ず」を主り、親生にあらずしてその業を承け、あるいは他家に寄養せられて庇蔭を得たり。
世應隔異兄弟,多因兩姓。應爻就妻相合,外人入宅為夫;假宮有子飛來,異姓過房作嗣。妻帶子臨夫位,引子嫁人;夫身起合妻爻,將身就婦。
世応両爻の間に兄弟爻を隔つれば、一家の内に多く半ば両姓の同居す。応爻が靠りて来りて妻財と相合するは、外来の男子が入贅してこの家の女婿を做りし。別宮の子孫爻が本宮に飛入するは、異姓の孩子が過継して来りて後嗣を做る。妻財爻が子孫を帯びて官鬼(夫位)の上に臨むは、婦人が前夫の孩子を帯びて改嫁して来る。官鬼(夫)の爻が起きて妻財と相合するは、男子が入贅して身を以て女家に就く。
木命就中空子,見子應遲;身爻合處逢妻,娶婚必早。夫婦合爻見鬼,婚配不明;子孫絕處刑傷,兒多不育。
本命が木に属する人は、卦中の子孫爻が恰好に空に落つれば、子を得るは必然として晚し。卦身の爻が相合の処に於いて妻財に遇えば、婚を成すは必定して早し。夫婦の爻はたとい相合すれどもまた官鬼の夾雑するを見れば、この門の婚配は来歴不明不白なり。子孫爻が絶地に落ちてまた刑を受け傷を受ければ、生む孩子は多く半ば養い大きくせず。
夫妻反目,互見刑沖;兄弟無情,互相凌制。日辰與世身相生,當主雙胎;身命與世應同爻,多應兩姓。
官鬼と妻財の両爻が互相に刑し互相に冲せば、夫妻は必定反目す。兄弟爻が彼此に凌駕克制すれば、兄弟の間に則ち情分無し。日辰と世爻・卦身とがともに相生すれば(生気は重畳す)、双胞児を生ずるを主る。卦身・本命と世爻応爻とが同一の爻の上に擠れれば、多く半ば両姓の合して一門に居るに応ずべし。
妻財發動,不堪父值休囚;父母交重,最忌子臨死絕。妻克世身重合應,妻必重婚;夫刑妻命兩逢財,夫當再娶。
妻財爻が発動して父母爻がまた正しく休囚に当たれば(財は父母を剋し、父母は力無く抵当し得ず)、家中の長輩は保ち難し。父母爻が重々発動して子孫がまた死地絶地に落つれば(父母は子孫を剋し、子孫は根無し)、児女は養い難し。妻財爻が世爻を剋し卦身を剋し、また重々に応爻と相合すれば、この婦人は必ず再嫁の身。官鬼が妻財と本命とを刑して、しかして卦中にまた両重の妻財が出現せば、この男子はまさに娶を續ぐべし。
妻與應爻相合,外有私通;男臨女子互交,內多淫慾。青龍水木臨妻位,多獲奩財;玄武桃花犯命中,荒淫酒色。
妻財爻と応爻(外人)とが相合すれば、家中の婦人が外に私情有るを主る。陽爻と陰爻とが交互に臨み相合すれば、家内に淫佚の事多きを主る。青竜が水爻木爻を帯びて妻財の位に臨めば(青竜は喜慶を主り、水木は秀潤を主る)、豊厚の嫁妆を娶り得るを主る。玄武と咸池桃花煞とが本命の上に犯せば、荒淫酒色を主る。
世應妻爻相合,當招偏正之夫;財爻世應六沖,必是生離之婦。世應為妻爻相隔逢沖,必招外郡之人;夫妻與福德相逢帶合,必近親鄰之女。
世爻応爻ともに妻財と相合すれば、一婦にして正夫と偏夫と有るを主る(重婚あるいは外遇有り)。妻財爻と世応の両処とが六冲を成せば、夫妻の生離を主る。世応の間が妻財爻に隔てられてまた冲に逢えば、娶る所は必ず外府外県の人。夫妻の両爻と子孫爻とが相逢してまた合を帯ぶれば、娶る所は必ず近処の親戚隣里の女子。
命逢死氣,最嫌煞忌當頭;鬼入墓鄉,尤忌身爻濺血。惡墓惡於三刑迭刃,凶莫凶於四虎交加。四鬼貼身,防生災害;三傳克世,易惹災厄。
本命の爻が正しく死気に逢えば、最も凶煞忌神の頭に当たりて壓し来るを嫌う。官鬼が墓庫に入れば、尤も卦身の爻が血光を帯ぶるを忌諱す(白虎は身に臨む)。最も悪しきは墓庫の上にさらに三刑と羊刃とを畳むに過ぐる無し。最も凶なるは四処ともに白虎の交加するに過ぐる無し。四重の官鬼が卦身に貼れれば、災害を生出すを防ぐべし。太歳・月建・日辰のこの「三傳」が一斉に来りて世爻を剋せば、災厄を惹き上ぐること容易し。
劫亡兩賊傷身,青草墳頭之鬼;身命兩空遇煞,黃泉路上之人。勾陳傷玄武之妻財,女多凶禍;白虎損青龍官鬼,夫忌死亡。
劫煞と亡神の両個の凶煞が来りて卦身を傷るは、それは青草の墳頭上の孤鬼の象、横死を主る。卦身と本命の両処ともに空に落ちてまた凶煞に遇えば、それはすでに黄泉の路上の人。勾陳の爻が往きて玄武を帯びる妻財を傷れば(勾陳は拘繫を主り玄武は陰私を主る)、家中の女子に凶禍多し。白虎の爻が青竜を帯びる官鬼を損せば(青竜は吉を主り白虎は喪を主る)、丈夫に死亡の忌有るを主る。
