産育
首出渾沌,判乾坤而生人物;繼興太昊,制嫁娶以合夫妻。迄今數千百年,化生不絕;雖至幾億萬世,絡繹無窮。蓋得陰陽交感,方能胎孕相生。先看子孫,便知男女。
天地は最初に混沌の中より分判して、始めて人と万物と有り。その後伏羲(太昊)が興起して、嫁娶の礼を定下し、夫妻をして配合を得しめたり。あの時より如今に至る幾千百年、生生して絶えず。さらに億万世を過ぐるとも、また絡繹として断えず。これはみな陰陽の交感するがため、乃ち懐胎生育し得。ゆえに産育を占うに、頭一件はまず子孫爻を看る――子孫は胎児の用神、それが陽に属するか陰に属するかを看れば、則ち男を生ずるか女を生ずるかを知る。
陽為男子,掌中探見;一枝新陰,是女兒門。(右喜看弧帨說。)此段疑原文脫漏。
子孫爻が陽に属せば、便ち男孩で、掌中に在るが如く一探すれば即ち知る。子孫爻がもし新たに起こる一枝の陰爻なれば、則ちそれは女児。古人は男を生ずれば弓(弧)を門の左に挂け、女を生ずれば帨巾を門の右に挂く。ゆえに原書は傍注に「弧帨を看るを喜ぶ」の一句を作して提示と為す。ここの刊本の文字は脱落有るらし。ゆえに編次する時に注を加えて疑を存す(この一句の「此段は原文に脱漏あること疑わし」は後人の校記で、賦文の本身に属せず)。
主星生旺,當生俊秀之肥兒;命曜休囚,必產委靡之弱子。如無福德,莫究胎爻。雙胎雙福必雙生,一克二刑終一夢。
用神(主星、即ち子孫爻)が旺に当たり生を得れば、生下するは必ず清秀肥壮の孩子。用神が休囚無気なれば、生下するは必ず萎靡瘦弱の孩子。卦中にもし根本に子孫爻無ければ、則ちさらに胎爻を推究する須なし――本に胎無ければ、生産を談ずるに及ばず。卦中にもし両重の胎爻・両重の子孫爻有れば、必定して双胞児。しかしもしこの両位が一個は剋を受け一個は刑せられれば、終帰は一場の空夢、保住し得ず。
胎臨官鬼,懷妊便有采薪憂;財化子孫,分娩即當勿藥喜。妻財一位,喜見扶持;胎福二爻,怕逢傷害。
胎爻の上に官鬼が坐すれば、懐孕の期間に孕婦は便ち病痛有り(「采薪の憂」は自ら病有りと称するの謙辞)。妻財爻が発動して子孫を変出せば、一分娩すれば則ち病は好し。薬を服する須なし(「薬する勿れ、喜有らん」は《周易・无妄》に出づ)。産育を占うに、妻財の一位は産婦を代表し、最も爻の来りて扶助する有るを喜ぶ。胎爻と子孫爻の両位は胎児を代表し、最も剋傷に遇うを怕る。
虎作血神,值子交重胎已破;龍為喜氣,遇胎發動日將臨。福遇龍空,胎動乃墮胎虛喜;官當虎動,福空乃半產空娠。
白虎は血神。それがもし正しく子孫爻に臨みてまた発動せば(交重)、胎水はすでに破れ将に生れんとすを説明す。青竜は喜気。それがもし胎爻に臨みて発動せば、産期は将に近しと説明す。子孫爻が青竜に遇いて却又空に落つれば、胎は動くも実は流産で、喜は空喜。官鬼が白虎に当たりて発動し、しかして子孫爻がまた空に落つれば、それは小産・胎は終に成らず(「半産」は則ち小産、「空娠」は則ち空しく懐する一場)。
福已動而日又沖胎,兒必預生於膝下;福被傷而胎仍化鬼,子當屈死於腹中。兄動兮不利其妻,父興兮難為厥子。
子孫爻がすでに発動して、日辰がまた来りて胎爻を冲せば、一たび冲すれば即ち開き、孩子は必定提前して落地す。子孫爻が剋傷せられ、胎爻がまた官鬼を変出せば、孩子は多く半ば冤として腹中に死す。兄弟爻が発動すれば、兄弟は妻財を剋し、産婦に対し不利。父母爻が興旺なれば、父母は子孫を剋し、胎児に対し不利――産育を占うにこの両爻が権に当たるを怕る。
用在空亡逢惡煞,何妨坐草之虞;妻臨玄武入陰宮,果應夢蘭之兆。克世克身,誕生日迫;不沖不發,產日時遲。
用神が空亡に落ちてまた凶煞に遇えば、産婦が盆に臨みて自ずから驚険有り(「坐草」は古の分娩の称)。妻財爻が玄武に臨みて(陰私を主る)陰卦の宮に入れば、果然として懐孕生子の吉兆に応ず(「夢蘭」は鄭文公の妾が天使の蘭を賜うを夢みて穆公を生めるの典故を用う)。子孫爻が来りて世爻を剋し卦身を剋すれば、分娩の日はすでに迫近するを説明す。胎爻がすでに冲せられず、子孫もまた発動せざれば、産期は則ち遅からんとす。
胎福齊興,官父合臨,產難生;子財皆絕,日辰扶將,危有救。間合間生,全賴收生之力;官空官伏,定然遺腹之兒。
胎爻と子孫爻とが一斉に興動するも、しかし官鬼と父母とがまた来りて相合相臨すれば(父母は子孫を剋し官鬼は気を耗す)、生産は則ち艱難。子孫と妻財の両位がともに絶地に臨めば、看れば危殆のごとく、しかし日辰の来りて扶し来りて將する有れば、危の中になお救有り。間爻が来りて合し来りて生ずれば、全て接生婆(収生婆)の手段の得力に倚る。官鬼爻が空に落ちあるいは伏蔵して出ざれば(官鬼はここに父と為る)、生下するは定めて遺腹の子。
游魂卦官鬼空亡,乃背爹落地;發動爻父兄刑害,必攜子歸泉。官化福,胎前多病;財化鬼,產後多災。三合成兄,兒缺乳;六沖遇子,父安然。
游魂卦を搖り得て官鬼がまた空亡に落つれば、孩子の生まれ来る時に父親は身辺に在らず(あるいはすでに亡故せり)。発動の爻が父母か兄弟にしてまた刑を帯び害を帯ぶれば、それは母子ともに亡び、母親は孩子を帯びて一同に泉に帰る。官鬼爻が子孫を変出せば、孕期に病多し。妻財爻が官鬼を変出せば、産後に災多し。三爻が合成して兄弟の一局を成せば、兄弟は財を剋し、孩子は奶を喫するを欠く。六冲卦を搖り得て子孫の気有るに遇えば、父子はかえって平安無事なり。
應若逢空,外家無催生之禮物;世如值弟,自家調理絕之肥甘。陽福會青龍,無異桂庭之秀子;陰孫非月建,何殊桃洞之仙姬。
応爻がもし空に落つれば、娘家(外家)は催生の礼物を送り来らず。世爻の上に兄弟が坐せば(財を劫す)、自家は則ち滋補の飲食を置弁し起らず。子孫爻が陽に属してまた青竜に會えば、生下するは則ち庭前の丹桂の一般の好い児子。子孫爻が陰に属して月建に臨まざれば(美なれども権に当たらず)、も不過桃源洞の裡の仙姫の一般で、容貌はたとい好いも福分は有限なり。
若卜有孕無孕,須詳胎伏胎飛。出現空亡,將衃而復散;交重化絕,既孕而不成。姅必逢官,紞須遇虎。
もし占う所が孕有るか孕無きかなれば、則ち胎爻が卦中に出現するか(飛)、それとも別爻の下に伏蔵するか(伏)を細看すべし。胎爻はたとい出現すれども空亡に落つれば、血はすでに凝聚してまた散去り、孕は形を成さず(「衃」は凝血)。胎爻が発動して絶地を変出せば、すでに懐き上ぐるも保得住す能わず。もし「姅」の象を見れば(経血の事)、必ず官鬼に逢えるが故。もし「紞」の象を見れば(喪服の徴)、必ず白虎に遇えるが故――両者ともに孕事の不吉を主る。
帶令星而獲助,存沒咸安;有陰地而無傷,緩急非益。如逢玄武,暗裡成胎;若遇文書,此前無子。孕形於內,祗因土並勾陳;胎隱於中,端為臨龍合德。
胎爻が当令の星(月建)を帯びてまた別爻の相助を得れば、母子の存亡はみな安穏なり。たとい陰暗の地に処りて傷剋無ければ、則ち緩急の間もまた談ずるほどに多大の益処有るに及ばず。胎爻がもし玄武に逢えば(陰私を主る)、暗中に懐き上げたるの胎。もし父母(文書)の権に当たるに遇えば(父母は子孫を剋す)、此前は一直に子女無かりき。胎形がすでに外に顕るるは、ただ土爻が勾陳に并するが故(土は厚重にして形を成すを主る)。胎が蔵して顕れざるは、正しくそれが青竜に臨みてまた人と相合するが故(合すれば則ち収斂して露わさず)。
若問收生之婦,休將兩間而推;如占代養之娘,須以一財而斷。兄動兮手低,乳母須防盜物;父興兮乳少,老孃竊恐傷胎。
もし接生婆の好きか好からざるかを問わば、世応の間の両個の間爻を拿りて往きて推す要なし(それは媒人の位)、依然として応爻あるいは属する所の六親を以て用と為すべし。もし雇い来りて代わりて養う乳母を占えば、則ち単に妻財の一爻を以て往きて断ず――奴婢僕婦はみな妻財に帰す。兄弟爻が発動すれば、接生婆の手段は低劣、兼ねて乳母が財物を偸窃するを防ぐべし(兄弟は劫奪を主る)。父母爻が興旺なれば、父母は子孫を剋し、乳母の奶水は少なく、接生婆もまた恐怕くは胎児を傷らん。
子孫發動,乳母手段更高能;兄鬼交重,禍甚世機猶反覆。財合福爻,善能調護;身生子位,理會維持。如逢相剋相沖,決見多災多咎。
子孫爻が発動すれば、乳母・接生婆の手段はさらに高明。兄弟と官鬼とが一斉に重々発動すれば、禍患は則ち重し、世事は反復して料り難し。妻財爻と子孫爻とが相合すれば、乳母は甚だ能く孩子を調護す。卦身が来りて子孫の位を生ずれば、もまた料理維持を懂得す。反対にもし彼此に相克相冲すれば、則ち一定して災病連連・過失断えず。産育の一門を占うにここに至りて備われり。産婦は妻財を看、胎児は子孫と胎爻を看、接生乳母は妻財と間爻を看、父親は官鬼を看。みな各々属する所有り。
人口を進む
獨夫處世,休言無子即忘情;君子治家,難道一身兼作僕。必須使嬖,乃足使令於前;若不螟蚙,焉繼宗支於後。
一個の人が孤身として世に在り、児子無きがためには則ち念想を断つ能わず。君子が家を治むるに、豈に一身にして兼ねて主人を做しまた僕役を做るを得んや。ゆえに家中に必ず使喚の人有るを須て、乃ち差遣するに前に足れり。もし義子(「螟蛉」の子)を収養せざれば、また誰に倚りて宗祧を後に延續せしめん。この一門の占う所は則ち婢を買い・僕を雇い・子嗣を収養するこの類の「人口を進む」の事。用神は一律に妻財(奴婢)あるいは子孫(養子)を取る。
須別來占,方知主用;用不宜動,動必難留。主不可傷,傷須夭折。衰入墓中,擬定委靡不振;旺臨世上,決然幹蠱有成。
必ず先に来りて占うが是れ僕を買うか・乳母を雇うか・子を収養するかを分辨して、始めて用神を定むるを得。用神は発動するを宜とせず――一たび動けば則ち留め住めず、人は必ず去りて返らず。用神もまた傷剋を受くるを可とせず――傷を受ければ則ち此人は夭折短命す。用神が衰弱してまた墓庫に入れば、この人は一定して萎靡不振にして、事を做り成さず。用神が旺相にしてまた世位の上に臨めば、この人は一定して能幹にして、家事を承擔し得(「干蠱」は《周易・蠱卦》に出で、能く父の事を治むるを指す)。
動化空亡,有始無終之輩;蛇合官鬼,多謀少德之人。臨玄武而化兄爻,門戶須防出入;遇青龍而連福德,貨財可付經營。
用神が発動して空亡を変出せば、この人は事を做すに始有り終無し。用神と螣蛇・官鬼とが相合すれば、この人は詭計多くして徳行少なし。用神が玄武に臨みて(盗を主る)また兄弟を変出せば(劫を主る)、門戸の間に則ち彼の出入して偸窃するを提防すべし。用神が青竜に遇いてまた子孫に連なれば(福徳)、この人は可靠にして、貨物銭財を彼に交けて往きて経営せしむべし。
若逢太過及空亡,反主少誠兼懶惰。用爻生合世爻,必得其力;主象克沖身象,難服其心。
用神がもし旺にして太過すれば、あるいは空亡に落つれば、かえってこの人の誠意を欠きまた懶惰なるを主る――太過すれば則ち驕り、空に落つれば則ち虚なり。用神が来りて世爻を生じ世爻に合せば、此人は必ず力を出すを肯んじ、主僕相得す。用神が反って往きて卦身を剋し卦身を冲せば、この人は心裡に服せず、駕馭し難し。
財化子,攜子偕來;世合身,終身寵用。受動變之傷,向後終難稱意;得日月之助,他時定見如心。
妻財爻が子孫を変出せば、この僕婦は孩子を帯びて一同に来る。世爻と卦身とが相合すれば、この人は一辈子にみな主人の寵信重用を得。用神が動爻か変爻に傷せらるれば、日后は終究して心に称わず。用神が日辰月建の相助を得れば、将来は一定して己の心意に合せん。
世與卦身,以和為貴;兄動官鬼,惟靜為佳。兄鬼交重,誠恐將來成訟;三合絆住,須知此去徒勞。
世爻と卦身の両処は、彼此に和順するを以て貴しと為す。兄弟と官鬼の両爻は、ただ安静にして動かざるのみ好し――兄弟は動けば則ち財を破り、官鬼は動けば則ち禍を招く。兄弟と官鬼とが一斉に重々発動すれば、ただ怕るらくは将来に官司を打たんとす。もし三合局に絆し住められれば(用神は合せられて動くを得ず)、此番の去は必ず白き跑れる一趟ならん。
若在間爻,乃是牙人作鬼;如居空地,不過賣主爭財。卦象兩官兩父,須知事繫兩頭;兄鬼一動一沖,切莫財交一手。
もし梗を作るが間爻なれば、それは中人牙儈が裡頭に於いて鬼を搗る。もし空地に落つれば、も不過売主が価銭のため争執するのみ。卦中に両重の官鬼・両重の父母が出現すれば(父母は契券を主る)、この桩の事は必ず両頭を牽き、別に一処の糾葛有り。兄弟と官鬼とが一個は発動し一個は来りて冲せば、切に銭を一次に交清すべからず――彼が財を騙すを防ぐ。
應生世,他來就我;世生應,我去求人。和合易成,最怕日辰沖破;相沖難就,偏宜動象生扶。
応爻が来りて世爻を生ずるは、相手が主動して来りて我に就く。事は談じ成し易し。世爻が往きて応爻を生ずるは、我が往きて人を求む。事は則ち力を費やす。世応の相合は本に成り易しと雖も、最も日辰のこの合を冲破するを怕る。世応の相冲は本に成り難しと雖も、却って偏に動爻の来りて生扶する有るを宜とす――動爻が一たび生ずれば、反って能く転圜す。
兄爻發動,為詐為虛;卦象亂興,多更多變。六爻無父,定無主契之人;兩間俱空,未有作中之子。
兄弟爻が発動すれば、ここの裡頭に詐有り虚有り、話は実在ならず。卦中の六爻が乱動すれば、事は反復して更改すること多変なり。六爻の中に父母(文書契券)を見ざれば、必定して契を立て主を作る人無し。両個の間爻ともに空に落つれば、もまた居間に於いて説合するの中人無し。
世獲間生,喜媒人之護向;生扶弟出,防賣主之合謀。父化兄,契虛事假;兄持世,財散人離。
世爻が間爻の来りて生ずるを得れば、喜ぶべし中人が我がこの一辺に向くを。もし間爻が反って往きて兄弟爻を生扶せば、則ち中人が売主と串通して合謀するを提防すべし。父母爻が兄弟を変出せば、契約は虚にして事は假なり。兄弟爻が世位の上に坐せば、銭財は散去りて人もまた留め得ず。
應若空亡,我欲成交徒費力;世如發動,彼來謀合亦難成。弟因財乏,鬼必疑心。四覆三番,事機不定;千變萬化,卦象無常。能求不見之形,自喻未來之事。
応爻がもし空に落つれば、我は成交せんと想うもまた白く力を費やす――相手は本に誠意無し。世爻がもし発動すれば、たとい相手の来りて商量する有るも、談じ成し難し――我自己の心思は未定なればなり。兄弟爻が権に当たるは、銭財の短缺するがため。官鬼爻が権に当たるは、必ず彼此に疑心を起せしが故。事が三番四覆して機変定まらざるは、卦象が千変万化して常規無きが故。占者は能く卦上よりあの見えざる形跡を求め出せば、自ずから未来の事を明白せん。
病症
人孰無常,疾病無常;事孰為大,死生為大。火屬心經,發熱咽乾口燥;水歸腎部,惡寒盜汗遺精。
人は誰か意外無きを得ん。疾病は本来説き准すべからず。世上に何事か最大なるか、生死最大なり。ゆえに病を占うの一門は最も緊要に関る。病症を断ずるにまず五行に按じて臓腑を分かつ。官鬼爻が火に属するは、病は心経に在り、症候は発熱・咽干・口燥。官鬼爻が水に属するは、病は腎部に在り、症候は冷を怕る・盗汗・遺精。
金肺木肝,土乃病侵脾胃;衰輕旺重,動則煎迫身軀。坤腹干頭,兌必喉風咳嗽;艮手震足,巽須癱瘓腸風。
官鬼が金に属するは病は肺に在り、木に属するは病は肝に在り、土に属するは病は脾胃を侵す。この一爻が衰弱なれば則ち病は軽く、旺相なれば則ち病は重く、一たび発動すれば則ち煎熬してその身を逼迫す。さらに八卦に按じて部位を分かつ。坤は腹を主り乾は頭を主る。兌は口を主る。ゆえに兌卦の病は必ず喉風咳嗽。艮は手を主り震は足を主る。巽は風を主る。ゆえに巽卦の病は多くは癱瘓あるいは腸風下血。五行は臓腑を定め、八卦は部位を定め、両下に参合せば、病は何処に在るか便ち指実し得。
螣蛇心驚,青龍則酒色過度;勾陳腫脹,朱雀則言語顛倒。白虎損傷,女子則血崩血暈;玄武憂鬱,男人則陰症陰虛。
さらに六獣を配して病因病状を看る。官鬼が螣蛇を帯ぶれば、驚悸心慌を主る。青竜を帯ぶれば、酒色過度にして病を致すを主る。勾陳を帯ぶれば、浮腫脹満を主る。朱雀を帯ぶれば、言語顛倒・狂躁譫妄を主る。白虎を帯ぶれば、跌打損傷を主り、女子に在りては則ち血崩血暈。玄武を帯ぶれば、憂鬱解せざるを主り、男子に在りては則ち陰症陰虚。六獣はただ病の形色を状するのみ、なお五行八卦と合して併せて断ずるを要す。
鬼伏卦中,病來莫覺;官藏世下,病起如前。若伏妻財,必是傷飢失飽;如藏福德,定然酒醉耽淫。
官鬼が卦中に伏して出現せざれば、病は知らず覚えずの間に来る。官鬼が世爻の下に蔵せば、旧病の復発で、症候は従前と一様なり。それが何の爻の下に伏するかを看れば則ち病因を知る。妻財の下に伏すれば(財は飲食を主る)、必ず飢え一頓飽き一頓にして脾胃を傷えり。子孫の下に伏すれば(子孫は酒色娯楽を主る)、一定して酒に醉うこと過度か淫欲に耽りし。
父乃勞傷所致,兄為氣食相侵。官化官,新舊兩病;鬼化鬼,遷變百端。化出父書在五爻,則途中遇雨;變成兄弟居三位,則房內傷風。
官鬼が父母の下に伏すれば、病は操労の過度の致す所。兄弟の下に伏すれば、生気と飲食の両样の交相に侵害する所致。官鬼が発動してまた官鬼を変出せば、新病旧病の両重の夾雑。官鬼が官鬼に化すれば、病情もまた変化百出して時時に同じからず。変出の父母が第五爻に落つれば(五爻は道路と為る)、路上に於いて雨に淋れて得たるの病。変じて兄弟と成りて第三爻に居れば(三爻は門戸床席と為る)、屋裡に於いて風寒を受けたり。
本官為在家得病,下必內傷;他卦為別處染災,上須外感。上實下空,夜輕日重;動生變克,暮熱朝涼。
官鬼がもし本宮の爻なれば、病は家裡に於いて得たる。また下爻に居れば、必ず内傷。官鬼がもし他宮の爻に属せば、病は外面に於いて染上せる。また上爻に居れば、必ず外感。上爻が実にして下爻が空なれば、夜は軽く白天は重きを主る。動爻が来りて生じて変爻が来りて剋すれば、傍晚に熱を発し清晨に涼を発すを主る――寒熱は往來して定まらず。
水化火,火化水,往來寒氣;上沖下,下沖上,內外感傷。火鬼沖財上臨,則嘔逆多吐;水官化土下直,則小便不通。
官鬼が水に属して火を変出し、火に属して水を変出せば、寒熱往來・瘧疾の一類。上爻が下爻を冲し、下爻が上爻を冲せば、内外交感して表裏ともに傷る。火性の官鬼が来りて妻財を冲して上爻に臨めば(財は飲食を主り、上は胸膈を主る)、嘔逆して吐くこと多きを主る。水性の官鬼が土を変出して下爻に値れば(土は能く水を制し、下は二便を主る)、小便不通を主る。
若患牙疔,兄鬼金連大煞;如生腳氣,震宮土化木星。鬼在離宮化水,痰火何疑;官來乾象雙木,頭風有準。
もし牙疔の一類なれば、必ず兄弟と官鬼とが金に属してまた大煞に連なる(金は歯骨を主り、兄弟は口を主る)。もし脚気を生ずれば、必ず震宮(震は足と為る)の土爻が木を変出す(木は土を剋し、気は下に壅る)。官鬼が離宮に在りて(離は火と為り心と為る)水を変出せば、水火相激するは、それは痰火の症にして疑い無し。官鬼が来りて乾宮に在りて(乾は頭と為る)両重の木爻に遇えば(木は風を主る)、頭風の症は則ち准し。
震遇螣蛇仍發動,驚悸顛狂;艮逢已午又交重,癰疽瘡毒。卦內無財,飲食不納;間中有鬼,胸膈不寬。
震卦の爻が螣蛇に遇いてまた発動すれば(震は動と為り螣蛇は驚を主る)、驚悸不寧にして顛狂に至るを主る。艮卦の爻が巳午火に逢いてまた重々発動すれば(艮は手と為り皮肉と為り、火は熱毒を主る)、癰疽瘡毒を生ずるを主る。卦中に妻財爻無ければ(財は飲食を主る)、病人は物を喫い下し得ず。世応の間の間爻の上に官鬼有れば(間爻は胸膈の位に当たる)、胸口の悶脹して舒ならざるを主る。
鬼絕逢生,病體安而復作;世衰入墓,神思困而不清。應鬼合身,纏染他人之症;世官傷用,重發舊日之災。
官鬼は本にすでに絶地に臨めり。却ってまた別爻の来りて生ずるに逢えば、病は看れば好えたるがごとくしてまた復発せんとす。世爻が衰弱して墓庫に入れば、病人は神思困倦にして意識清からず。応爻の官鬼が来りて卦身に合せば、病気を過ぎて、別人の病症に染上せる。世爻上の官鬼が来りて用神を傷れば、従前の旧病が重新して発作す。
用受金傷,肢體必然痠痛;主遭木克,皮骨定見傷殘。火為仇,則喘咳之災;水來害,則恍惚之症。
用神が金爻に傷せらるれば、肢体は必然として酸痛す(金は筋骨を主る)。用神が木爻に剋せらるれば、皮肉筋骨は一定して傷残有り(木は枝節撻伐を主る)。もし仇神と作すが火爻なれば、則ち気喘咳嗽の災有り(火は金を剋して肺を傷る)。もし来りて害するが水爻なれば、則ち神思恍惚の症有り(水は腎を主り驚恐を主る)。
空及第三,此病須知腰軟;官傷上六,斯人當主頭疼。財動卦中,非吐則瀉;木與世上,非癢即疼。
空に落つるが第三爻なれば(三爻は腰腹を主る)、この病は腰の軟くして力無き。官鬼が上六爻を傷れば(上爻は頭を主る)、この人は頭疼を主る。妻財爻が卦中に発動すれば(財は飲食を主り、動けば則ち脾胃を傷る)、嘔吐にあらざれば則ち泄瀉。木爻が世爻の上に加われば(木は風を主り疏泄を主る)、痒を作すにあらざれば則ち疼を作す。
病体
既明症候,當決安危。再把爻神搜索箇中之玄妙,重加參考方窮就裡之精微。先看子孫,最喜生扶拱合;次觀主象,怕逢克害刑沖。
病症はすでに看り明白なれば、続いて則ち安危生死を判定すべし。これは則ちさらに六爻の神煞を一遍搜尋し、其中の玄妙を抉発するを要す。反復して参考して、乃ち裡頭の精微の処に窮究し得。安危を断ずるにまず子孫爻を看る――子孫は医薬福徳の神、最もそれが生を得・扶を得・拱を得・合を得るを喜ぶ。その次に用神を看る(主象、病人の本身)、最もそれが剋・害・刑・冲に遇うを怕る。
世持鬼爻,病縱輕而難愈;身臨福德,勢雖險而堪醫。用壯有扶,切恐太剛則折;主空無救,須防中道而殂。
世爻の上に官鬼が坐すれば、病はたとい看れば軽しも、痊愈し難し――病根は則ち自身に在ればなり。卦身の上に子孫が臨めば、病勢はたとい険なれども医し好し。用神が本にすでに壮旺にしてまた別爻の来りて扶する有れば、反って太剛なれば則ち折れんとするを担心すべし(旺極して衰え、物極まれば必ず反す)。用神が空に落ちてまた救助無ければ、須らく病人が中途に死去するを防ぐべし。
祿繫妻財,空則不思飲食;壽屬父母,動則反促天年。主象伏藏,定主遷延乎歲月;子孫空絕,必乏調理之肥甘。
妻財爻は飲食を主る(禄)。それがもし空に落つれば、病人は便ち飲食を思わず。父母爻はここに寿元を主る(もまた労苦を主る)。それが一たび発動すれば反って子孫を剋し、寿数を折損す。用神が伏蔵して出ざれば、病は必ず拖延して日久く、遷延して歳月を経る。子孫爻が空に落ち絶に臨めば、則ち調養の滋補の物を欠き、護理もまた跟上せず。
世上鬼臨,不可隨官入墓;身臨福德,豈宜父動來傷。鬼化長生,日下正當沉重;用連鬼煞,目前必見傾危。
世爻上に官鬼が臨めば、最も世爻がまた官鬼に跟いて一同に墓に入るを忌む――これを「官に随いて墓に入る」と叫び、病を占うにこれを見るに最も凶。卦身上に子孫が臨めば、則ち断じてさらに父母爻が発動して来りてそれを剋傷するを可とせず。官鬼が発動して長生を変出せば、病勢は方に興り、眼下は正しく沈重なり。用神が官鬼と凶煞とに連なれば、目前に則ち危殆を見んとす。
福化忌爻,病勢增加於小愈;世撓兄弟,飲食減省於平時。用絕逢生,危而有救;主衰得助,重亦何妨。
子孫爻が発動して却って忌神を変出せば、病は剛しく好え見えてまた加重せんとす。世爻が兄弟爻に攪擾せられれば(兄弟は財を剋し、財は飲食を主る)、飲食は平時よりも減少す。用神はたとい絶地に処るも、もし別爻の来りて生ずるを得れば、それは危にして救有り。用神はたとい衰なれども、もし別爻の相助を得れば、病重しとも妨げず。病を看るに最も要緊なるは則ち「病有るを看て薬有るか無きかを看る」なり。
鬼伏空亡,早備衣冠防不測;日辰帶鬼,亟為祈禱保無虞。動化父來沖剋,勞役堪憂;日加福去生扶,藥醫則愈。
官鬼が伏蔵してまた空亡に落つれば(病根は深蔵して見えず、用神は反って着落無し)、則ち早く後事を預備して不測に防ぐべし。日辰上に官鬼を帯ぶれば(日辰は権重にして鬼は日の助を得)、急ぎて祈禱禳解し、乃ち無事を保つを得。動爻が父母を変出して来りて用神を冲剋するは、操労役使の致す所、甚だ憂慮すべし。日辰が加臨して子孫を以て用神を生扶するは、薬を喫すれば則ち好し。
身上飛伏雙官,膏盲之疾;命入幽冥兩墓,泉世之人。應合而變財傷,勿食饋來之物;鬼動而逢日破,何妨見險之虞。欲決病痊,當究福神之動靜;要知命盡,須詳鬼煞之旺衰。
卦身の上に飛神伏神ともに官鬼なれば、両重の病根が夾攻する。それは膏肓の疾、救うべき薬無し。用神がすでに日の墓に入りまた動の墓に入れば(両重の墓庫)、それはすでに黄泉の路上の人。応爻が来りて合して妻財を変出して却って用神を傷れば、別人の送り来る食物は喫する可からず(財は飲食を主り、変じて用を傷る)。官鬼はたとい発動すれども、却って日辰に冲破せられれば、たとい険象有るも妨げず。要するに病が能く好るかを断ぜんと要せば、則ち子孫爻の動静を推究す。命が尽きるか尽きざるかを断ぜんと要せば、則ち官鬼と凶煞の旺衰を细看す。
