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国朝

清 · 王洪绪 · 第7巻 / 19

作盤ガイド: 六爻納甲の立卦, 大衍筮法

君恕則臣忠,共濟明良之會;國泰則民樂,當推禍褔之原。雖天地尚知其始終,況國家豈能無興廢。本宮旺相,周文王創八百年之基;大象休囚,秦始遺二世主之禍。

君主が寛厚なれば則ち臣子は忠を尽し、君臣は相得して則ち明君良臣が一堂に済済するの盛会。国家が安定なれば則ち百姓は安楽す。占者はまさにこの禍福の根源を推究すべし。天地は尚且始有り終有り、何況や一朝一代、どうして興有りて廃無きを得ん。国運を占うに卦体を看る。本宮が旺に当たり時を得れば、便ち周文王が八百年の基業を開創せるが如し。卦体(大象)が休囚無気なれば、便ち秦始皇がただ二世に伝えて国を亡ぼせるが如し。ゆえに国朝を占うにまず本卦の属する所の宮が是れ旺か是れ衰かを看る。これは全局の根本である。

九五逄陽,當遇仁明之主;四爻值褔,必多忠義之臣。歲克衰宮,玉樹後花欲謝;年傷弱世,鼎湖龍去不多時。

第五爻は君位で、それがもし陽爻にしてまた気を得れば、当今は必ず仁厚英明の主。第四爻は大臣の位で、それがもし子孫に坐せば(福徳)、朝中は必ず忠義の臣多し。太歳の爻が往きて本宮を剋し、しかして本宮がまた衰なれば、則ち陳後主の《玉樹後庭花》の如く、一朝の繁華は将に凋謝せんとす。流年の爻が衰弱の世爻を傷れば、則ち黄帝が鼎湖に於いて龍に乘りて天に升るの故事の如く、君王の位に在ること久しからざるを主る。

世臨沐浴合妻財,夫差戀西施而亡國。應帶咸池,臨九五武后,革唐命而為周。游魂遇空虞,舜南巡不返;歸魂帶煞,始皇返國亡身。

世爻が沐浴(敗地)に落ちて妻財と相合すれば、女色に耽るの象で、便ち呉王夫差が西施を寵愛して亡国を致せるが如し。応爻が咸池(桃花煞)を帯びて第五爻君位の上に臨めば、女主が権に当たるの象で、便ち武則天が唐朝の命を革めて国号を周と改めたるが如し。卦が游魂卦にしてまた空に逢えば、遠行して返らざるを主り、便ち虞舜が南巡して蒼梧に死せるが如し。卦が帰魂卦にして凶煞を帯ぶれば、帰途に身を喪うを主り、便ち秦始皇が東巡して国に返るに沙丘に死せるが如し。

子發逄空,張子房起歸山之計;將星被害,嶽武穆抱籲天之冤。應旺生合世爻,聖主得椒房之助;日辰拱扶子位,東宮攝天子之權。

子孫爻が発動してまた空に落つるは、賢者の引退の象で、便ち張良が功成りし後に辟谷を托辞して山林に帰隠せるが如し。将星(兵権を主る爻)が剋せられ害せらるるは、良将の冤に蒙るの象で、便ち岳飛が冤を含みて天を呼びたるが如し。応爻が旺相にして来りて世爻を生合すれば、内助得力の象で、便ち聖明の主が皇后(椒房)の輔助を得たるが如し。日辰が子孫の爻を拱扶すれば(子孫は国事の中に於いて儲君を主る)、便ち東宮太子が天子の権を代摂するなり。

世克褔爻,唐玄宗有殺兒之事;子傷君位,隋楊廣有弒父之心。一卦無孫,宋仁宗有絕嗣之嘆;四爻克子,秦扶蘇中趙相之謀。

世爻が往きて子孫爻を剋するは、父がその子を害するの象で、便ち唐玄宗が一日の内に三個の児子を殺せるが如し。子孫爻が反って往きて第五爻君位を傷るは、子がその父に逆らうの象で、便ち隋煬帝楊広に弑父の心有りしが如し。整卦の中に子孫の一位を見ざるは、嗣無きの象で、便ち宋仁宗が晩年に継承人無きを嘆息せるが如し。第四爻(大臣位)が来りて子孫爻を剋するは、権臣が儲君を害するの象で、便ち秦朝の公子扶蘇が丞相趙高の詭計に中りしが如し。

身值動官,唐太宗禁庭蹀血;世安空第,周泰伯讓國逃荊。凶神生合世爻,玄宗信林甫之佞;君位克四位,商紂害比干之忠。

卦身が正しく官鬼の発動に値るは、宮廷内部の相殘の象で、便ち唐太宗の玄武門の変・禁庭の内に血の地に満てるが如し。世爻が安然として空に落つる位に坐するは、自願の退譲の象で、便ち周太王の長子泰伯が国を弟弟に譲りて自己は荊蛮に逃れたるが如し。凶神の爻が来りて世爻を生合するは、看れば情有るがごとく、実は奸佞の逢迎で、便ち唐玄宗が李林甫の諂媚を聴信せるが如し。第五爻君位が反って往きて第四爻大臣位を剋するは、君が忠臣を殺すの象で、便ち商紂王が比干を殺害せるが如し。

離宮變入坎宮,帶凶煞而征欽亡身於漠北;乾象化為巽象,有吉曜而孫鼎足於東南。國之治亂興衰,卦理推詳剖決。

卦が離宮より坎宮に変入すれば、離は南に在り坎は北に在り。これは南より北に入るの象。もしさらに凶煞を帯ぶれば、便ち宋徽宗・欽宗の二帝が擄せられて漠北に死せるが如し。卦が乾象より巽象に変ずれば、乾は西北に在り巽は東南に在り。これは西北より東南に移向するの象。もしまた吉星を帯ぶれば、便ち孫権が江東を据有して魏蜀と鼎足して三と為れるが如し。一国の治乱興衰は、則ちこれらの卦理に照らして逐層に推詳剖断す。

征戦

醫不執方,兵不執法,堪推大將之才;能謀事在人,成事在天,當究先師之妙。論觀世應之旺衰,以決兩家之勝負;將褔官之強弱,以分彼我之軍師。

良医は一個の薬方を死守せず、良将は一套の兵法を死守せず。能く機に随いて変に応ずるのみ算して大将の才と為す。謀るは人に在り成敗は天に在るに至っては、則ち先師の伝うる所の占法に倚って推究するに須ち。戦事を占うの総綱は両条有り。一つは世爻と応爻との孰れか旺か孰れか衰かを看、これを以て我方と敵方との勝負を判定す。二つは子孫爻と官鬼爻との孰れか強か孰れか弱かを看、これを以て我軍と敵軍とを分別す――子孫は我方の将士(能く官鬼を剋す)、官鬼は敵方の兵馬。

父母隆興,立望旌旗之蔽野;金爻空動,側聽金鼓之喧天。財為糧草之本根,兄乃伏兵之形勢。

父母爻が興旺なれば、父母は旗幟幡幔を主る。それは立ちて便ち旌旗の天を遮い野を蔽うの大軍を望見し得。金爻が空にしてまた動けば、金は鐘鼓兵器を主る。それは耳を側めて便ち金鼓の喧天を聴き得。妻財爻は粮草の根本。財旺なれば則ち軍需は充足し財空なれば則ち粮尽く。兄弟爻は伏兵の形勢。兄弟は劫奪潜伏を主り、動けば則ち伏兵有り。

水興扶世濟川,宜乎輕舟;火旺生身,立寨必安於勝地。父母興持,主帥無寬仁之德;子孫得地,將軍有決勝之才。

水爻が興旺して来りて世爻を扶助すれば、水を渡りて軍を行くの象で、軽舟を用いて速進するを宜とす。火爻が旺相して来りて世爻を生ずれば、南方の光明の象で、営を安んじ寨を扎するに必ず有利の高処に占ず。父母爻が興旺して世を持せば、父母は労苦操切を主る。主帥は便ち一分の寛厚仁愛の徳を少くす。子孫爻が時を得地を得れば、子孫は敵を剋するの神。主将は便ち千里に決勝するの才干有り。

水爻克子,子孫強,韓信背水陣而陳餘被斬;陰象持兄,兄克應,李訴雪夜走而元濟遭擒。世持子而被傷,可效周亞夫堅壁不戰;應臨官而遭克,當如司馬懿固壘休兵。

水爻は来りて子孫を剋するも、しかして子孫本身が強旺なれば、水を背けて一戦して勝つの象で、便ち韓信が井陘に於いて水を背けて陣を列し、反って趙将陳余を斬じたるが如し。陰爻の上に兄弟が坐し、兄弟がまた往きて応爻を剋すれば、暗中に奇襲するの象で、便ち李愬が雪夜に蔡州に奔襲し呉元済を活捉せるが如し。世爻に子孫が坐して却って剋傷せられれば、我軍は強なれども暫く挫を受く。まさに周亜夫に傚いて壁を堅くして固守し敵と交戦せざるを効すべし。応爻に官鬼が臨みてまた剋に遭えば、敵方は兵有るも自ずからその困を受く。我方はまさに司馬懿に学びて溝を深くし塁を高くして兵を按じて動かざるべし。

世持衰褔得生,扶王剪以六十萬眾而勝楚;卦有眾官臨旺子,謝玄以八千之兵而破秦。兩子合世扶身,李郭同心而興唐室;二褔刑沖化絕,鍾鄧互隙而喪身家。

世爻に衰弱の子孫が坐してまた別爻の来りて生ずるを得れば、兵は疲なれども後援足るの象で、便ち王翦が六十万の大軍を請得して楚を滅せるが如し。卦中に官鬼が众多して(敵兵極盛)子孫の一位が独旺なれば、少を以て多に勝つの象で、便ち謝玄が八千の精兵を以て大いに苻堅を破りしが如し。両個の子孫爻がともに来りて世爻に合し卦身を扶するは、両将の同心の象で、便ち李光弼と郭子儀とが同心協力して唐室を中興せるが如し。両個の子孫爻が彼此に刑冲してまた絶地を化出すは、両将の不和の象で、便ち鍾会と鄧艾とが互相に猜忌して、終に身家ともに喪えるが如し。

子化死爻,曹操喪師於赤壁;世逄絕地,項羽自刎於烏江。水鬼克身,秦符堅有淝水之敗;火官持世,漢高袓遇平城之圍。

子孫爻が発動して死地を変出せば、我軍将士は先に勝ち後に敗る。便ち曹操の大軍の赤壁に喪れたるが如し。世爻が絶地に落つれば、自身は路無く走るべからず。便ち項羽が窮途に烏江に自刎せるが如し。水性の官鬼が来りて世爻を剋すれば、水に遇い而して敗る。便ち前秦の苻堅が淝水に敗れたるが如し。火性の官鬼が世位に坐すれば、火燥の地に困せられんとす。便ち漢高祖が匈奴に平城白登に围困せられたるが如し。

應官克世,卦無財,張睢陽食盡而斃;世鬼興隆生合應,呂文煥無援而降。外宮子動化絕爻,李陵所以降虜;內卦褔興生合應,樂毅所以背燕。

応爻上の官鬼が来りて世爻を剋し、しかして卦中にまた妻財無ければ(粮草)、外に囲を受け内に粮食無きの象で、便ち張巡が睢陽城を守りて粮尽きて死せるが如し。世爻上の官鬼が興旺にして却って反って往きて応爻を生合するは、自家の将领が敵方に倒向する。便ち呂文煥が襄陽を守りて援無くして元に降りたるが如し。外卦の子孫が発動して却って絶地を変出するは、孤軍が深入して力尽く。便ち李陵が兵敗れて匈奴に降りたるが如し。内卦の子孫が興旺にして却って往きて応爻を生合するは、本国の大将が反って敵国に投ず。便ち楽毅が燕を離れて趙に奔りたるが如し。

鬼雖衰而遇生扶,勿追窮寇;子雖旺而遭剋制,毋急興師。鬼爻暗動傷身,吳王被專諸之剌;子化官爻克世,張飛遭范張之誅。要識用兵之利器,五行卦象並推詳。仁智勇嚴之將,豈越於此,攻守克敵用兵當於時。

敵方の官鬼はたとい衰なれども、しかし別爻の来りてそれを生じそれを扶する有れば、則ち窮寇を追う要なし――衰にして援を得れば、反噬して人を傷る。我方の子孫はたとい旺なれども、却って別爻に克制せられれば、則ち急ぎて兵を出す要なし。官鬼が安静にして日辰に冲起せられて(暗動)来りて世爻を傷るは、暗中に行刺するの象で、便ち呉王僚が専諸に刺せられたるが如し。子孫が発動して却って官鬼を変出して来りて世爻を剋するは、自己の部下の反噬で、便ち張飛が部将の范疆・張達に殺せられたるが如し。兵を用うるの利器を認清せんと要せば、則ち五行と卦象とを合して推詳すべし。仁・智・勇・厳のこの四样の大将の徳も、またあれらの道理を外ならず。攻守して敵に剋つるに、兵を用うるは時を得るを貴しとす。

身命

乾坤定位,人物肇生,感陰陽而化育,分智愚於濁清。既富且壽,世爻旺相更無傷;非夭即貧,身位休囚兼受制。

天地はすでに位を定め、人と万物と始めて産生す。陰陽の二気を秉受して化育し形を成し、禀うる所の気に清有り濁有るがため、人は便ち智と愚とに分出す。一生の休咎を占うに、頭一条の準則は、すでに富にしてまた寿なりの人は、卦上に必ず世爻が旺相にして傷剋を受けず。早夭せずんば則ち貧賤の人は、卦上に必ず卦身(あるいは世位)が休囚無気にして、また兼ねて克制を受く。世爻は自身、卦身は占う所の事の主脳。この両処の旺衰強弱は、則ち一生の大局を定む。

世居空地,終身作事無成;身入墓爻,到老求謀多戾。卦宮衰弱根基淺,爻象豐隆命運高。

世爻が空亡の地に落つれば、一辈子に事を做してみな成就有り難し――自身は先に着落無し。卦身が墓庫の爻に落ち進めば、老に到りても謀る所求むる所もまた多く半ば乖違して遂わず(「戾」は乖違)。本卦の属する所の宮がもし衰弱無気なれば、この人の家世根基は浅薄なり。六爻の爻象がもし豊厚興隆なれば、この人の命運は則ち高し。身命を看るにまず両層を看る。一層は卦宮(根基門第)、一層は爻象(自身際遇)。

若問成家,嫌六沖之為卦;要知創業,喜六合之成爻。動身自旺,獨力撐持;衰世遇扶,因人創立。

もし家を成し業を立て得るかを問わば、最も六冲卦を搖り得るを嫌う――六冲は離散を主り、聚め攏め得ず。創業し得るかを知らんと要せば、最も六爻相合の卦を喜ぶ――六合は凝聚を主り、事は做し成るを得。卦身が発動して自身旺相なれば、この人は一己の力に倚って独自に撐持し起れる。世爻が衰弱にして却って別爻の来りて生扶するに遇えば、この人は別人の提携に倚って乃ち立ち起るを得。同じく家を成し業を立つるに、一個は白手より自立し、一個は他人に仰仗す。則ちこの一処より分かつ。

日時合助,一生偏得小人心;歲月克沖,半世未沾君子德。遇龍子而無氣,總清高亦是寒儒;逢虎妻而旺強,雖鄙俗偏為富客。

日辰と時辰の爻とが来りて合し来りて助けば、この人は一生に偏に能く下人小輩の歓心を得。太歳と月建の爻とが来りて剋し来りて冲せば、この人は半世も君子の恩徳に沾る能わず。子孫爻が青竜を帯びて却って衰にして気無ければ、たとい人品清高なるも、不過是れ個の貧寒の読書人。妻財爻が白虎を帯びて旺強なれば、この人はたとい挙止鄙俗なるも、偏に能く個の銭有る富戸と做る。見るべし、六獣はただその人の品格気象を状するのみ、貧富はなお爻の旺衰を看る。

父母持身,辛勤勞碌;鬼爻持世,疾病纏綿。遇兄則財莫能聚,見子則身不犯刑。

父母爻が卦身か世位の上に坐すれば、父母は操労を主る。この人は一生辛勤労碌して閑を得ず。官鬼爻が世位の上に坐すれば、官鬼は病を主り禍を主る。この人は疾病纏綿して断えず。卦中に兄弟爻が権に当たれば、兄弟は財を劫す。銭財は則ち聚め攏め得ず。卦中に子孫爻が力を得れば、子孫は能く官鬼を制す。この人は一身に便ち刑獄の災を犯さざらん。

祿薄而遇煞沖,奔走於東西道路;福輕而逢凶制,寄食於南北人家。子死妻空,絕俗離塵之輩;貴臨祿到,出將入相之人。

妻財(禄)が本にすでに単薄にして、また凶煞に来りて冲せらるれば、この人は好い好うて東に奔り西に走り、道路の上に於いて生活を討す。子孫(福)が本にすでに軽微にして、また凶爻に制し住めらるれば、この人はただ南北の人家に於いて食を寄せ、人の籬下に寄るを得。子孫爻が死地に臨み妻財爻が空亡に落つれば、妻子児女の両頭はみな空なり。これは出家して俗を離るる人。貴人が爻に臨みて禄神がまた到れば、それは出でて将と為り入りて相と為るの貴命。

朱雀與福德臨身合應,乃梨園子弟;白虎同父爻持世逢金,則柳市屠人。世加玄武官爻,必然樑上之君子;身帶勾陳父母,定為野外之農夫。

朱雀(音声を主る)と子孫(歌舞娯楽を主る)とが一同に卦身に臨みてまた応爻と相合すれば、この人は戯を唱え芸を演ずる梨園子弟。白虎(殺傷を主る)と父母爻とが一同に世を持ししかも爻が金に属すれば(金は刀刃を主る)、この人は市井の中の屠戸。世爻に玄武(盗を主る)を加えまた官鬼なれば(賊を主る)、この人は必ず梁上君子――即ち窃賊。卦身が勾陳(田土を主る)を帯びてまた父母なれば(田宅を主る)、この人は一定して郊野に田を種ける農夫。身命を占い人の行業を定むるに、則ち六獣を用いて六親に配し、さらに五行を合して象を取る。

財福司權,榮華有日;官兄秉政,破敗無常。卦卜中年,凶煞幸無挫折;如占晚景,惡星尤怕攻沖。

卦中に妻財と子孫とが権に当たり勢を得れば、この人は総じて栄華の日子有り。卦中に官鬼と兄弟とが権に当たれば、一個は禍を招き一個は財を劫し、家業は則ち敗るるに准頭無し。もし占う所が中年の一段なれば、ただ凶煞の来らざるを須て、便ち挫折無し。もし占う所が晚年の景况なれば、最も悪星の来りて攻め来りて冲するを怕る――年老いて気衰え、一冲一剋に禁得起せず。

正內不利,李密髫齡迍邅;支卦有扶,馬援期頤矍鑠。一卦和同,張公藝家門雍睦;六爻同擊,司馬氏骨肉相殘。

本卦の内三爻が不利なれば、早年の困頓を主り、便ち李密が幼年に孤苦し屢々坎坷に遭えるが如し。変卦(支卦)に生扶有れば、晚運の強健を主り、便ち馬援が年に百歳に近くもなお矍鑠にして、鞍に拠りて顧盼せるが如し。一卦六爻が彼此に和順して相同ずるは、それは九世同居の張公芸の家、門内和睦せり。六爻が互相に冲击すれば、それは西晋司馬氏の八王の乱、骨肉相殘せり。

閔子騫考孚內外,父獲生身;孔仲尼父友家邦,兄同世合。世應相生,漢鮑宣娶桓氏少君為婦;晦貞相剋,唐郭曦招昇平公主為妻。

内外卦の上下が相応して父母爻が来りて世爻を生ずれば、父子の間の誠信相孚し合う。それは閔子騫が父に事えて孝に至るの象。兄弟爻が世爻と相合すれば、兄弟同心にして友愛は郷邦に及ぶ。それは孔子の父兄和睦の象。世応両爻が相生すれば、夫妻は和順す。便ち漢代の鮑宣が桓少君を娶りて妻と為り、妻子は布衣に甘んじたるが如し。内卦(貞)と外卦(悔)とが相克すれば、夫妻は相凌ぐ。便ち唐代の郭曖(原作は郭曦)が升平公主を娶りて、夫妻は反目せるが如し。

箕踞鼓盆歌,世傷應位;河東獅子吼,應制世爻。世值凶而應克,顧聽雞鳴;身帶吉而子扶,喜聞鶴和。

世爻が往きて応爻を傷るは、丈夫が妻を剋する。便ち荘子が妻死せるに盆を鼓して歌えるが如し。応爻が反って世爻を制し住むるは、妻子が夫を壓す。便ち陳季常が河東獅吼を畏懼せるが如し。世爻が本にすでに凶に値りて、応爻がまた来りてそれを剋せば、則ちただ賢妃が君王を警戒するが如く、雞鳴を聴きて早く起きて労碌し、一生に人の約束を受くるのみ。卦身が吉神を帯びて子孫の来りて扶す有れば、則ちあれは「鶴鳴子和」の象で、父子相得して家庭歡洽す。

福遇旺而任,王育子皆賢;子化凶而房,杜生兒不肖。伯道無兒,蓋為子臨空位;卜商哭子,皆因父帶刑爻。

子孫爻が旺相して力を得れば、生む所の児女は個個に賢能。任・王両家の育てた子がみな材と成れるが如し。子孫爻が発動して却って凶爻を変出せば、生む所の児子は便ち不肖。唐代の房玄齢・杜如晦の両位の名相の児子がみな器と成らざりしが如し。占卦に膝下に児無しと断ずるは、子孫爻が正しく空亡の位に落つるが故。晋代の鄧攸(字は伯道)の終身に子無きが如し。占卦に子を喪うの痛を断ずるは、父母爻が刑を帯ぶるが故(父母は子孫を剋してまた刑を加う)。孔子の弟子卜商(子夏)が子を喪いて哭して眼を瞎せるが如し。

父如值木,竇君生丹桂五枝芳;鬼或依金,田氏聚紫荊三本茂。兄持金旺,喜著荀氏之八龍;弟依水強,驚睹陸公之雙璧。

父母爻がもし木に属して旺なれば(木は枝葉繁茂を主る)、子息の众多して個個に成有るを主る。便ち五代の竇禹鈞が五個の児子をして同榜に登科せしめ、人はこれを「五枝丹桂」と称せしが如し。官鬼爻がもし金爻に依れば(金は堅固にして散ぜざるを主る)、兄弟の同居して家を分かたざるを主る。便ち田真の兄弟三人が家を分かつに忍びず、庭前の紫荆が復た茂れるが如し。兄弟爻が金に属して旺なれば、兄弟众多にして賢なり。便ち東漢の荀淑の八子が併せて「八龍」と称せられたるが如し。兄弟爻が水に依りて強なれば、便ち陸機・陸雲の兄弟が併せて「双璧」と称せられ、人をして驚嘆せしめるが如し。

若也爻逢重疊,須現在以推詳。財動克親於早歲,兄衰喪偶於中年。

もし同一の六親が卦中に重複して好幾爻に出現せば、則ちそれの眼下の旺衰・動静に按じて逐一に推詳すべく、含糊すべからず。妻財爻が発動して父母を剋せば、早年に則ち双親を喪失するを主る(財は父母を剋し、動けば則ち応は速し)。兄弟爻が衰弱無気なれば、兄弟は妻財の対頭、兄弟衰なれば則ち財もまた孤なり。中年に偶を喪うを主る。

化父生身,柴榮拜郭英為父;化孫合世,石勒養季龍為兒。世陰父亦陰,賈似道母非正室;身旺官亦旺,陳仲舉器不凡庸。

爻が発動して父母を変出して来りて世爻を生ずれば、他人を認めて父と為すを主る。便ち後周の世宗柴栄が郭威を拝して父と為せるが如し。爻が発動して子孫を変出して来りて世爻に合すれば、他人を収養して子と為すを主る。便ち後趙の石勒が石季龍(石虎)を養いて児と為せるが如し。世爻が陰爻にして父母爻もまた陰爻なれば、生母が正室にあらざるを主る。便ち南宋の賈似道が庶出なりしが如し。卦身が旺にして官鬼もまた旺なれば、この人の器局が不凡なるを主る。便ち東漢の陳蕃(字は仲挙)が少年に則ち天下を澄清するの志有りしが如し。

化子合財,唐明皇有祿山之子;內兄合應,陳白常有孺之之兄。應帶勾陳兼值福,孟德耀復產於斯時;財臨玄武更逢刑,楊太真重生於今日。

爻が子孫を変出してまた妻財と相合すれば、養子と妻室とに私有るを主る。便ち唐明皇が安禄山を収めて義子と為して宮闈の醜を生ぜしめたるが如し。内卦の兄弟爻が応爻と相合すれば、兄長が外人と交結するを主る。陳氏の兄が孺子と相親しみしが如し。応爻が勾陳を帯びて(敦厚朴実を主る)また子孫に値れば、妻室の賢徳を主る。便ち梁鴻の妻孟光(字は徳耀)の案を挙げて眉に斉し、今日に重見するが如し。妻財爻が玄武に臨みて(淫を主る)また刑に逢えば、妻室の貞ならざるを主る。便ち楊貴妃(太真)の流れが今世に重生するが如し。

合多而眾煞爭持,乃許子和之錢樹;官眾而諸凶皆避,如隋煬帝之彩花。白虎刑臨,武后淫而且悍;青龍福到,孟母淑而又慈。

卦中に相合太多くしてまた衆煞の争い把持する有れば、それは娼家の「揺銭樹」の一流の女子(唐人の許子和は妓を以て銭樹と為せり)。卦中に官鬼众多にして各路の凶神がみな退避すれば、それは姫妾満前にして妍を争い寵を取るの象。便ち隋煬帝の園中の彩花の如し。白虎が刑を帯びて財爻に臨めば、婦人のすでに淫にして且つ悍なるを主る。便ち武則天の如し。青竜が子孫を帯びて財爻に到れば、婦人の賢淑慈愛を主る。便ち孟母が三遷して子を教えたるが如し。

逢龍而化敗兄,漢蔡琰聰明而失節;化子而生身世,魯伯姬賢德而無疵。合而遇空,竇二女不辱於盜賊;靜而沖動,卓文君投奔於相如。

妻財が青竜を帯びて(才貌を主る)却って沐浴敗地あるいは兄弟を変出せば、女子の聡明にして節を失うを主る。便ち漢末の蔡琰(文姫)の匈奴に没せしが如し。妻財が子孫を変出してまた来りて世爻を生扶すれば、女子の賢徳無瑕を主る。便ち春秋の魯伯姫が礼を守りて火に死せしが如し。妻財が人と相合して却又空に落つれば、危きに近しと雖も終に保全を得。便ち竇氏の二女が盗に遇いて汚辱を受けざりしが如し。妻財が本に静にして日辰に冲起せらるれば(暗動)、女子が自ら動きて私奔するを主る。便ち卓文君が夜に司馬相如に奔りたるが如し。

福引刑爻發動,衛共姜作誓於柏舟;身遭化鬼克刑,班婕妤感傷乎秋扇。二鬼爭權水父沖,錢玉蓮逢汝權於江滸;六爻競合陰財動,秦弱蘭遇陶谷於郵亭。

子孫爻が刑を帯びる爻を引きて発動すれば(子孫は官鬼を剋し、即ち夫星を剋す)、青年にして寡を守り志を矢って嫁がざるを主る。便ち衛世子共伯の妻共姜が《柏舟》の詩を作りて自ら誓えるが如し。卦身が変出の官鬼に遭いて来りて剋し来りて刑すれば、婦人の寵を失い弃てらるるを主る。便ち班婕妤が《怨歌行》を作りて、自ら秋後の団扇に比せしが如し。両個の官鬼が権を争いて水性的父母爻がまた来りて冲せば、女子が悪夫に逼せられて水に投ずるを主る。便ち戯文の裡の銭玉蓮が孫汝権に遇いて江に投ぜしが如し。六爻が争い交合して陰性の妻財爻が発動すれば、女子が旅次に於いて身を失うを主る。便ち秦弱蘭が駅亭の中に於いて陶谷を誘いしが如し。

鬼弱而未獲生扶,朱淑貞良人愚蠢;官強而又連龍福,吳孟子夫主賢明。若卜嬰孩之造化,乃將福德為用爻。

官鬼(夫星)が衰弱にしてまた別爻の来りて生扶する無ければ、丈夫の愚鈍無能を主る。便ち宋代の女詞人朱淑真の嫁ぐ所人にあらざりしが如し。官鬼が強旺にしてまた青竜と子孫とに連なれば(吉神)、丈夫の賢明を主る。便ち魯昭公の夫人呉孟子が賢主に配り得たるが如し。以上はみな成人の身命を占うの例。もし占う所が嬰孩の造化なれば、則ちまさに子孫(福徳)爻を以て用神と為すべし――この一転に於いて、下面は便ち専ら小児の命を講ず。

隨官入墓,未為有子有孫;助鬼傷身,不免多災多病。胎連官鬼,曾經落地之關;子帶貴人,自有登天之日。遇令星如風搖幹,逢絕地似雨傾花。

子孫爻が官鬼に跟いて一同に墓に入れば、たとい生下するも算して真に子孫有りと為すを得ず――孩子は長成し難し。卦中に爻の往きて官鬼を助けて子孫を傷剋する有れば、この孩子は多災多病を免れず。子孫爻が胎位に居りてまた官鬼に連なれば、孩子が曽て難産して落地の一關を経歴せるを主る。子孫爻が天乙貴人を帯ぶれば、将来は自ずから青雲直上の日子有らん。子孫爻が当令の星(月建)に遇いて来りて剋せらるれば、大風の樹幹を揺撼するに同じく、危にして倒れ易し。絶地に落つれば、一場の雨の花を打ち落すに同じく、転眼に零落す。

子孫化鬼,孝殤十月入冥途;祿貴臨爻,拜住童年登相位。凶煞未攢震卦,李令伯至九歲而能行;吉神皆聚乾宮,白居易未週年而識字。八純頑劣,晉食我狼子野心;六合聰明,唐李白綿心繡口。

子孫爻が発動して官鬼を変出せば、嬰児の夭折を主る。便ち漢殤帝が生れて十個月にして便ち黄泉に入りしが如し。禄神貴人が子孫爻の上に臨めば、童年に則ち高位を得るを主る。便ち元代の拜住が少年にして相を拝せしが如し。凶煞が震卦に聚して(震は足を主る)未だ散ぜざれば、小児の行走の遅緩を主る。便ち李密(字は令伯)が九歳にして乃ち能く歩りしが如し。吉神がみな乾宮に聚れば(乾は首と為り聡明を主る)、早慧を主る。便ち白居易が週歳に満たずして字を認めしが如し。八純卦(六爻同宮・純にして雑ならずして制化無し)は性情の頑劣を主る。便ち春秋の晋國の羊舌食我に狼子の野心有りしが如し。六合卦は聡明和順を主る。便ち唐代の李白の錦心繍口の如し。

陽象陽宮,后稷所以岐嶷;陰卦陰爻,晉惠所以戇騃。龍父扶身,效藏燈於祖瑩;歲君值福,希投筆於班超。官鬼無傷,曹彬取印終封爵;父身有氣,車胤囊螢卒顯貴。

卦が陽卦にして宮もまた陽に属すれば、子孫は純陽の気を得て、小児の早慧岐嶷を主る。便ち周の始祖后稷が幼時より則ち大人の志有りしが如し。卦が陰卦にして爻もまた陰爻なれば、陰気は重に過ぎ、愚鈍を主る。便ち晋恵帝の痴呆の如し。青竜が父母爻に臨みて来りて卦身を扶すれば、勤学を主る。便ち北魏の祖瑩が夜に灯を藏して苦読せしが如し。太歳の爻が正しく子孫に値れば、童年に志を立てること遠大を主る。便ち班超が筆を投じて戎に従えりしが如し。官鬼爻が傷剋を受けざれば、功名の成有るを主る。便ち宋代の曹彬が幼時に週歳に於いて印章を抓取し、後來果して爵を封ぜられしが如し。父母爻と卦身とがともに気有れば、苦学して顕貴を主る。便ち晋人の車胤が蛍を嚢して照読し、終に顕達せしが如し。

金爻動合,啼則無聲;父母靜沖,兒須缺乳。用旺兒肥終易養,主衰兒弱心難為。身臨父母,莫逃鞠養之辛勤;世遇子孫,終見劬勞之報效。若問榮枯,全在六親之決斷;要知壽夭,必須另卜以推詳。

金爻が発動して子孫と相合すれば(金は収斂肅殺を主る)、小児の啼哭して声無く気弱きを主る。父母爻が安静にして却って日辰に冲せられれば(父母は乳哺を主る)、孩子の奶を喫するを欠くを主る。用神が旺相なれば則ち小児は肥壮にして、終に養い好し。用神が衰弱なれば則ち小児は羸瘦にして、将養し難からん。卦身に父母爻が臨めば、父母を做る者は撫育の辛労を逃るる能わず。世爻に子孫爻が遇えば、将来は終に児女がこの一番の劬労に報答するを見るを得。要するに、一生の栄枯を問わんと欲せば、全て六親爻の生剋の上に於いて決断す。寿数の長短を問わんと欲せば、それは別の一件事、必ず別に一卦を占して細細に推詳せざるを得ず――一卦は兼ねて両事を問うべからず。この一条は前面の「卦に験不験有りの論」の裡にすでに説き過ぎたり。

婚姻

男女合婚,契於前定;朱陳締結,分在夙成。然非月老,焉知夫婦於當時;不有宓羲,豈識吉凶於今日。欲諧伉儷,須定陰陽。

男女の配合は、本は前世の定下した契約。両姓の聯姻(唐人の朱陳村は世々通婚し、後に「朱陳」を以て結親に代指す)は、縁分もまた早くにすでに注定せり。しかし月下老人の紅線を牽くこと無ければ、当時に誰かどの一対の夫婦に配すべきを知らん。伏羲の卦を画くにあらざれば、今日はまた何を憑りて吉凶を識らん。ゆえにこの門の親事が和諧し得るかを断ぜんと要せば、まず陰陽を定准すべし――男は官鬼を取り女は妻財を取り、陽爻は陰爻に配するを宜とし、位置が当を得て初めて相諧と算す。

陰陽交錯,難期琴瑟之和鳴;內外互搖,定見家庭之撓括。六合則易而且吉,六沖則難而又凶。

卦中に陰陽の位置が錯乱すれば(陽なるべき爻が却って陰・陰なるべきが却って陽)、夫妻は則ち琴瑟の和鳴を望み難し。内卦と外卦の爻が互相に揺動すれば、両家は各々変故を生じ、家庭は必定紛擾して寧からず。六合卦を搖り得れば、事はまた容易くまた吉利。六冲卦を搖り得れば、事はまた成り難くまた凶険――婚を占うに卦体を看るに、まずこの一層の上に於いて大概を定む。

陰而陽,陽而陰,偏利牽絲之舉;世合應,應合世,終成種玉之。欲求庚帖,豈宜應動應空;若論聘儀,安可世蛇世弟。

陰なるべき位の上は陰爻、陽なるべき位の上は陽爻、各々その位を得れば、最も紅糸を牽きて親を定むるに利あり。世爻が往きて応爻に合し、応爻がまた来りて世爻に合せば、両下は情投意合して、終に美満の姻縁を成就し得(「種玉」は楊伯雍が石を種えて玉を得、因りて妻を娶りしの典故を用う)。女家の生辰庚帖を索取せんと往くに、最も応爻の発動するか応爻の空に落つるを宜とせず――それは相手の心意が未定か根本に意無き。下聘の礼を論ぜんとするに、も世爻が螣蛇を帯ぶる(多疑反復)か世爻が兄弟に坐する(財を劫し費を破る)を可とせず。

應生世,悅服成親;世克應,用強劫娶。如日合而世應比和,因人成事;若父動而子孫墓絕,為嗣求婚。

応爻が来りて世爻を生ずるは、相手が心より悦服して親を成す。世爻が往きて応爻を剋するは、我がこの一辺が強を用いて娶り逼る。もし日辰の来りて合し、世応両爻がまた五行比和なれば、それは旁人の従中に撮合するに倚って成せる事。もし父母爻が発動して子孫爻が墓に入り絶に臨めば(父母は子孫を剋し、子孫はまた気無し)、それは膝下に子無きがため、嗣を求めて娶る。

財官動合,先私而後公;世應化空,始成而終悔。六合而動象刑傷,必多破阻;世沖而日辰扶助,當有吹噓。

妻財と官鬼の両爻が発動して相合すれば、男女が先に私情有り、後に明媒正娶を補う。世応両爻が発動して却って空亡を変出せば、起初に談じ成して末了に反悔す。たとい六合卦を得るも、しかし動爻が刑傷を帯ぶれば、中間に必ず破壊阻撓多し。世爻はたとい冲せらるるも、しかし日辰の来りて扶し来りて助くる有れば、それは人の傍より吹嘘して説合する有り。事はなお成り得。

鬼克世爻,果信綠窗之難嫁;用合身位,方知綺席之易婚。財鬼如無刑害,夫妻定主和諧;文書若動當權,子嗣必然蕭索。

官鬼爻が来りて世爻を剋すれば(女が占うに官を以て夫と為し、夫は来りて我を剋す)、果然として深閨の女子が嫁出し難きの象。用神が来りて卦身に合せば、初めてこの門の喜筵は弁じ易く婚事は一たび説けば則ち成るを知る。妻財と官鬼の両爻がもし刑を受けず害を受けざれば、夫妻は一定して和諧す。父母(文書)爻がもし発動してまた権に当たれば、父母は子孫を剋す。将来の子嗣は必定稀少ならん。

若在一宮,當有通家之好;若加三合,曾叨會面之親。如逢財鬼空亡,乃婚姻之大忌;苟遇陰陽得位,實天命之所關。

両家の用神がもし同じ一宮の内に在れば、両家は元より通家の誼有り。もしまた湊りて三合局を成せば、それは従前より會えりて彼此相識るの親戚。婚を占うにもし妻財か官鬼が空亡に落つるに碰上せば、それは最大の忌諱――夫か婦かの一方に着落無し。もし陰陽が各々その位を得れば(男陽女陰・官陽財陰)、則ちそれは天命の定むる所の良配。

應財世鬼,終須婦唱夫隨;應鬼世財,不免夫權妻奪。妯娌不和,只為官爻反動;翁姑不睦,定因妻位交重。

応爻が妻財にして世爻が官鬼なれば(陰陽互換してその位を易う)、将来は必ず婦人が家に当たり丈夫は順従す。応爻が官鬼にして世爻が妻財なれば、もまた位置の顛倒で、丈夫の権柄が妻子に奪い去らるるを免れず。妯娌の間の不和睦は、ただ卦中の官鬼爻の反復発動するがため(官鬼は兄弟之妻の夫星を主り、動けば則ち争う)。公婆と媳婦との不和は、一定して妻財爻の重々発動するが故――財は父母を剋し、父母は正しく翁姑の位。

父合財爻,異日有新臺之行;世臨妻位,他時無就養之心。空鬼伏財,必是望門之寡婦;動財值虎,定然帶服之婺娘。

父母爻と妻財爻とが相合すれば、将来は翁媳の間の醜事有らん(「新台」は衛宣公が子の妻を奪えるの典故を用う)。世爻が妻財の位に坐すれば(自己は財に牽せらる)、将来は父母に対し便ち奉養の心無し。官鬼が空に落ちて妻財が伏蔵すれば、あの女子は必ず未だ門に過ぎざるに丈夫先に亡きの望門寡。妻財爻が発動してまた白虎に臨めば(喪服を主る)、あの女子は一定して正しく孝を守る孀婦。

世應俱空,難遂百年之連理;財官疊見,重為一度之新人。夫若才能,官位占長生之地;妻如丑拙,財爻落墓庫之鄉。

世応両爻ともに空に落つれば、双方ともに実意無く、百年偕老の心願は遂げ難し。妻財か官鬼が卦中に重複して出現すれば、この人は初婚にあらざるを主り、さらに一回の新人を做らんとす。丈夫に才干有るか無きかは、官鬼爻が長生の位に占するか否かを看る――長生を占すれば則ち精明幹練。妻子が丑陋笨拙か否かは、妻財爻が墓庫の郷に落つるか否かを看る――墓に入れば則ち昏昧にして光彩無し。

命旺則榮華可擬,時衰則發達難期。財合財,一舉兩得;鬼化鬼,四覆三番。兄動而爻遇玄武,須防劫騙之謀;應空而卦伏文書,未有執盟之主。

用神が旺に当たり令を得れば、日后の栄華は指望し得。用神が時を失い衰弱なれば、発達は則ち望み有り難し。妻財爻がまた別の妻財と相合すれば、一挙両得――あるいは妻を得て兼ねて財を得、あるいは連帯して婢僕を得。官鬼が発動してまた官鬼を変出せば、反復して三四番、婚事は一改め再改めす。兄弟爻が発動してまた玄武を帯ぶれば、須らく相手の局を設けて財を騙すを提防すべし。応爻が空に落ちて卦中の父母(文書)が伏蔵して現れざれば、それは一個も主を作りて盟を訂する人無し。

兩父齊興,必有爭盟之象;雙官俱動,斯為競娶之端。日逢父合,已期合巹於三星;世獲財生,終得妝奩於百兩。

両個の父母爻が一同に発動すれば、父母は婚書を主り盟を主る。必ず両家の争い主を做し婚約の相争うの象。両個の官鬼爻が一同に発動すれば、必ず両個の男子の競い求め娶る。日辰と父母爻とが相合すれば、婚書はすでに定まり。吉日に於いて礼を成すを指望し得(「三星天に在り」は《詩経》に出で、嫁娶の時を指す)。世爻が妻財の来りて生ずるを得れば、終に一份の豊厚の嫁妆を得るを得(「百両」は百輛の車の陪嫁を指す)。

欲通媒妁,須論間爻。應或相生,乃女家之瓜葛;世如相合,必男室之葭莩。先觀卦象之陰陽,則男女可決;次看卦爻之動靜,則老幼堪推。

媒人のこの一頭を看らんと要せば、則ち世応の中間の両個の間爻を論ず。間爻がもし応爻と相生すれば、この媒人は女家の親戚。間爻がもし世爻と相合すれば、この媒人は男家の遠親(「葭莩」は疎親を喻す)。まず卦象の陰陽を看れば、問う所の人が是れ男か是れ女かを判定し得。さらに爻の動静を看れば、議る所の人が是れ老か是れ幼かを推出し得――動にして陽なるは少壮、静にして陰なるは衰老。

論貧富貴究身命,決美惡可驗性情。雀值兄臨,慣在其中得利;世應沖合,浼他出以為媒。兩間同發,定多月老以爭盟;二間俱空,必無通好以為禮。

相手の貧富貴賤を論ぜんと要せば、則ち往きて彼の身命の爻を推究す。相貌の美醜・性情の善悪を断ぜんと要せば、もまた爻の六獣と五行の上より験し出し得。間爻の上に朱雀が兄弟に臨めば、この媒人は慣れて従中に利を取るを會す(朱雀は口舌を主り兄弟は財を劫すを主る)。世応両爻がすでに冲しまた合せば、それはこの人を托して出面して媒を做して乃ち談じ攏めたり。両個の間爻が一同に発動すれば、必ず幾個の媒人の争い説合す。両個の間爻ともに空に落つれば、則ち往來して好を通じ聘礼を行うの人無し。

世應不和,仗冰言而通好;間爻受克,總綺語亦無從。財官沖剋,反招就裡愆尤;世應生扶,必得其中厚惠。一卦吉凶,須察精微委曲;百年夫婦,方知到底團圞。

世応両爻は本に不相和なれども、全て媒人の一番の話が従中に説合するに倚る(「冰言」は則ち媒言、《晋書》の冰上人が媒を為せるの典故を用う)。間爻がもし剋を受ければ、媒人は力無し。たとい口に満つる好話有るも説き成し得ず。妻財と官鬼とが互相に冲剋すれば、日后は反って内裡の怨咎を招き出さんとす。世応が彼此に生扶すれば、其中に必ず実実在在の好処を得るを得。一卦の吉凶は、須らく精微曲折の処を一々に体察すべし。百年の夫婦が能く到底に団円するか否かは、則ちこれらの細処より看り出る。

此章惟論男卜女婚、女卜男姻之意,今術家不辨其詳,凡擇婿媳、嫁妹、娶嫂,竟不以用神斷,概以官為夫、財為婦,大誤於人。況章內有云:妯娌不和,只為官爻發動;翁姑不睦,定因妻位交重。此二句可證矣!學者當憑用神吉推斷,不可概論財官是也。

これは王洪緒の按語。本章の講ずる所はただ男子が自ら妻を娶るを占い、女子が自ら人に嫁ぐを占うのこの一種の情形。如今の術士は分辨清楚せずして、およそ女児に替わりて婿を択び、児子に替わりて媳を択び、妹妹を嫁がしめ、嫂子を娶るを、一概に用神に按じて断ぜずして、ただ官鬼を拿りて丈夫に当て妻財を拿りて妻子に当てるを知る。人を害すること浅からず。何況や本章の裡に明らかに「妯娌和せざるは、ただ官爻の発動するがため。翁姑睦まざるは、定めて妻位の交重するがため」の両句有るを――妯娌は官鬼を用い、翁姑は父母を用う。見るべし原文は本に就きて問う所の人に按じて別に用神を取る。この両句は正しく鉄証。学者はまさに各々の用神に憑って往きて吉凶を推断すべく、一概にただ財官を論ずべからず。

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