学館
學得明師,可繼程風於滿座;師非良館,難期賈粟之盈倉。故欲筆耕,先須蓍筮。世為西席,如逢父母必明經;應乃東家,若遇官爻須作吏。
上の一門は子弟に替わりて師を求む。この一門は反対に、教書の先生が自ら能く好い館地を得るかを占う。学生がもし明師を得れば、満座ともに程門の学風を承接し得。先生がもし良館を得ざれば、もまた文を売るの賈人の如く谷が倉廩に満つるを指望する勿れ。ゆえに筆墨に倚りて生を謀らんと想えば、先に一卦を占するを得。学館を占うに世爻を以て館に坐するの先生(西席)と為し、世爻がもし父母に逢えば、この先生は必ず経に通ずる。応爻を以て招聘の主人(東家)と為し、応爻がもし官鬼に遇えば、この東家は必ず官府に於いて差を当たる人。
臨官兮少壯,休囚則貧乏之家;墓庫兮高年,旺相則富豪之士。值土火空無父母,逢金水絕少兒孫。
応爻が官に臨めば(十二長生の中の臨官位)、東家は正しく少壮の年に当たる。応爻が休囚なれば、貧寒の家。応爻が墓庫に落つれば、東家はすでに高年の老者。応爻が旺相なれば、富豪の家。父母爻が土火に値りて空に落つれば、あの家裡には長輩の主を作る無し。子孫爻が金水に逢いて絶地に臨めば、あの家裡には子弟の学に就くこと少なし。
不拱不和,決定主賓不協;相生相合,必然情意相投。財作束脩,不宜化弟;父為書館,豈可逢空。
世応両爻はすでに相拱せず、また相和せざれば、主人と西賓とは一定して合し来らず。彼此に相生相合すれば、必然として情意は相投す。妻財爻は束脩(学费)を代表し、最もそれが兄弟を変出するを宜とせず――兄弟は財を劫し、学费は必ず剋扣せらる。父母爻は書館屋舍を代表し、哪にかそれをして空に落とすを得んや――一たび空なれば則ち館地は着落無し。
鬼動合身,須得貴人推薦;兄兒臨應,決多同類侵謀。官如藏伏,應無督集之人;應若空亡,未有招賢之士。
官鬼が発動して来りて卦身に合せば、貴人の推薦に倚って乃ち成らんとす。兄弟爻が応爻の上に臨めば、必定して同行の来りてこの館地を争奪する有らん。官鬼がもし蔵伏して出ざれば、あの辺に出面して招集して学生を主持する人無し。応爻がもし空亡に落つれば、もまた誠心にして賢師を延請するの東家無し。
動象臨財難稱意,空爻持世豈如心。身位受傷,雖成不利;間爻有動,縱吉難成。
動爻上に妻財が臨めば(財は動けば則ち父母を剋して文事を壞す)、心に称うこと難し。世爻が空に落つれば、自己は先に着落無し、怎んでか意の如くならん。卦身の位が傷を受ければ、館地はたとい説き成るも好処無し。世応の間の間爻が発動すれば、中人が従中に事を生じ、たとい吉象なれども成り難し。
鬼或化兄,備禮先酬乎薦館;世如變鬼,央人轉薦於東家。世無生合,謾看白眼之紛紛;福或興隆,會見青衿之濟濟。
官鬼が兄弟を変出せば、先に一份の礼を備えてあの館を薦めし人に謝するを得。世爻が官鬼を変出するは、自己が人を托して輾転として東家に説項する。世爻が別爻の生と合とを得ざれば、ただ落ちて処処に白眼を受くるのみ。子孫爻が興旺隆盛なれば(子孫は即ち生徒)、将来は満堂の青衿学子が済済として一堂に満つるを見んとす。
衰逢扶起,日加負芨之徒;動遇沖開,時減執經之子。逢龍則俊秀聰明,遇虎則剛強頑劣。
子孫爻が本に衰えて爻の扶起するを得れば、書箱を背負いて来りて学を求むる人は一天天に増多す。子孫爻が本に動きて冲開せらるれば、経書を捧げて来りて業を受くるの学生は却って時時に減少す。子孫爻が青竜に遇えば、学生は俊秀聡明。白虎に遇えば、学生は剛強頑劣。
陽卦陽爻居養位,座前有劉恕之神童;陰宮陰象化財爻,帳後列馬融之女樂。兩福自沖,鬼谷值孫臏龐涓之弟子;子孫皆合,伊川遇楊時游酢之門生。
陽卦陽爻にして養位に落つれば(幼小の位)、座前に宋代の劉恕の如き神童有らん。陰宮陰爻にして妻財を変出せば、帳の後に女楽を陳列すべし。漢代の馬融が講学せる時の如し(馬融は徒を授くるに常に絳帳を設け、後に女楽を列ねたり)。両個の子孫爻が互相に冲せば、学生は便ち鬼谷子の門下の孫臏と龐涓とが如く、同学にして相害す。両個の子孫爻が彼此に相合せば、学生は便ち程頤(伊川)の門下の楊時と游酢とが如く、同心に学に向かい、程門に雪を立つ。
世動妻爻,決主親操井臼;應生財值,定然供膳饔餮。如索束脩,可把妻財推究;若居伏地,還求朋友維持。
世爻が発動して妻財に臨めば、先生は親ら水を汲み米を舂き、自ら炊爨を理するを主る。応爻が来りて生じて正しく妻財に値れば、東家が飯を管して膳を供するを主る。もし東家に向かいて束脩を索取せんと要せば、則ち妻財爻の上に於いて推究す。妻財がもし伏蔵して出ざれば、則ち別に朋友を托して従中に維持接済するを得。
出現不傷,旺相相生名曰吉;入空無救,休囚死絕號為凶。變出父爻,書債必然償貨物;化成兄弟,硯田定必欠收成。
妻財爻が卦中に出現して傷を受けず、また旺相にして生を得れば、これを吉と叫ぶ。妻財が空に落ちてまた救無く、休囚死絶すれば、これを凶と叫ぶ。妻財が父母爻を変出せば、束脩は現銭を収め得ず、貨物を拿りて帳に抵すを得。妻財が兄弟爻を変出せば、この一年の筆耕(硯田)は一定して欠収す。
身空應空財福空,必然虛度;月剋日克動變克,恐受刑傷。鬼化財生,非訟則學金休矣;子連父母,因學而才思加焉。
卦身が空・応爻が空・妻財と子孫とがともに空なれば、この一年は必定して白く過ぐる。月建が剋し・日辰が剋し・動爻変爻がまた来りて剋せば、ただ怕るらくは刑傷の禍を受けんとす。官鬼が妻財を変出して相生するは、官司を惹くにあらざれば則ち学费は泡の湯と成る。子孫爻が父母爻に連なれば(学生と文書と相接す)、主に教学に因りて自己の才思もまた長進するを主る。
詞訟
小忿小懲,必至爭長競短;大虧既負,寧不訴枉申冤。欲定輸贏,須詳世應。應乃對頭,要休囚死絕;世為自己,宜帝旺長生。
小小の忿恨・小小の懲戒は、往往にして長を争い短を論ずるに鬧り至る。大きく亏を喫し大きく屈を受けて、誰か肯んじて冤枉を申訴せざらんや。官司を打つを占うに輸赢を定むるに、まず世応両爻を细看す。応爻は対頭、それをして休囚死絶せしめて乃ち好し。世爻は自己、それをして帝旺・長生の地に居らしむるを宜とす。この一門は世を以て我と為し応を以て彼と為し、官鬼を以て問官と罪名と為し、父母を以て状紙案巻と為し、子孫を以て解神と為し、妻財を以て使費と為す。
相沖相剋乃是欺凌之象,相生相合終成和好之情。世應比和官鬼動,恐公家捉打官司;卦爻安靜子孫興,喜親友勸和公事。
世応両爻が相冲相克するは、それは彼此の欺凌するの象。相生相合すれば、終究して和を講じて事を了し得。世応が比和して(本に争端無し)官鬼が却って発動すれば、ただ怕るらくは官府の主動して来りて人を拿えて案を問わんとす。六爻が安静にして子孫が興旺なれば(子孫は官鬼を剋し、解神と為る)、喜ぶべし親友の出で来りて和を勧め、公事は以て了結を得るを。
世空則我欲息爭,應動則他多機變。間傷世位,須防硬證同謀;鬼克間爻,且喜有司明見。
世爻が空に落つれば、我自己はさらに争わんと想わず、事を息むるの意有り。応爻が発動すれば、相手は詭計多端にして変じ来り変じ往く。間爻が来りて世爻を傷れば、証人が相手に買通せられ、串通して偽証を做すを提防すべし。官鬼が来りて間爻を剋せば(官は中間に於いて手を做す人を壓住せり)、喜ぶべし主審官が秋毫を明察するを。
身乃根因事體,空則情虛;父為案卷文書,伏須未就。鬼作問官,克應則他遭杖責;日為書吏,傷身則我受刑名。
卦身はこの桩の事の根由本体。それが空に落つれば則ち案情の本身就是れ虚にして、憑無く拠無し。父母爻は案巻状紙。それが伏蔵して出ざれば、則ち状子はなお写し成らず、案巻は未だ立たず。官鬼は案を審るの官員。官鬼が往きて応爻を剋せば、則ち相手は板子を挨らんとす。日辰はここに書吏胥役と作して看る。日辰が来りて卦身を傷れば、則ち我は刑責を受けんとす。
逢財則理真氣壯,遇兄則財散人離。世入墓爻,難免獄囚之繫;官逢太歲,必非州縣之詞。
卦中に妻財有りて力を得れば(銭有りて打点し、もまた理拠の充足を主る)、便ち理直く気壮なり。兄弟の権に当たるに遇えば(財を劫す)、銭財は耗散し幇手は離散す。世爻が墓庫に落入れば、牢獄の拘繫を免れず。官鬼爻が正しく太歳に逢えば(太歳は至尊と為る)、この桩の官司は必ず州県に止まらず、上司の大衙門に鬧り到らんとす。
內外有官,事涉一司終不了;上下有父,詞興兩度始能成。官父兩強,詞狀表章皆准理;妻財一動,申呈訴告總徒勞。
内卦外卦ともに官鬼有れば、この事は両処の衙門に渉り、一時には了し得ず。上下ともに父母爻有れば、状子は両回を遞して乃ち准せらる。官鬼と父母の両位ともに強旺なれば(官は状を准し父は即ち状紙)、呈遞する状子表章はみな受理せられん。妻財が一たび発動すれば(財は父母を剋して状紙を壞す)、申呈告訴は総じて白費なり。
父旺官衰,雀角鼠牙之訟;變衰動旺,虎頭蛇尾之人。世若逢生,當有貴人倚靠;應衰無助,必無奸惡刁唆。
父母が旺にして官鬼が衰なれば(状子は多くして官は理せず)、不過是れ雀角鼠牙の一類の小争訟。動爻が本に旺にして変爻が衰に転ずれば、この人は虎頭蛇尾にして、起初に気盛にして後來に退縮す。世爻がもし生扶を得れば、自ずから貴人有りて倚靠し得。応爻が衰弱にしてまた幇手無ければ、あの辺に則ち奸人の傍より挑唆する無し。
無合無生總旺,如何獨腳虎;有刑有克逢空,空效縮頭龜。兄在間中,事必干眾;父臨應上,使欲興詞。
応爻はたとい旺なれども、却ってすでに合無くまた生無ければ、それは不過一只の独脚虎、声勢はたとい大なれども援無し。世爻はたとい刑有り剋有るも、却って恰好に空に落つれば(空なれば則ち剋を受けず)、ただ縮頭の烏亀に学びて暫く一時を避くるより好し。兄弟爻が間爻に居れば、この事は必ず衆人に牽連す。父母爻が応爻の上に臨めば、相手が状子を起草して我を告げんとする。
父動而官化福爻,事將成而偶逢兜歡;父空而身臨刑煞,詞未準而先被笞刑。妻動生官,須用貲財矚託;世興變鬼,必因官訟亡身。
父母爻が発動して官鬼が却って子孫を変出せば(子孫は官を剋し、官気は頓に消ゆ)、事は本に弁じ成らんとするも、偏に中途に人の出で来りて調停して和を講ずる有り。父母爻が空に落ちて卦身がまた刑煞に臨めば、状子はなお准せられざるに、自己は先に板子を挨り了ぬ。妻財爻が発動して往きて官鬼を生ずれば、須らく銭を使い人を托して打点するを得。世爻が興動して官鬼を変出せば、ただ怕るらくはこの場の官司のために命を送らんとす。
子在身邊,到底不能結證;官伏世下,訟根猶未芟除。墓逢日德刑沖,目下即當出獄;歲挈福神生合,獄中必遇天恩。
子孫爻が卦身の旁に在れば(子孫は官を剋し、官は案を成さず)、この案子は到底に結ぜず、定下さず。官鬼が世爻の下に伏すれば、訟事の根子はなお剷除して浄からず、日后は依然として発作せんとす。世爻はたとい墓に入るも、もし日辰・天徳の来りて刑し来りて冲して墓を冲開するに逢えば、眼下に則ち獄を出るを得。太歳が子孫を提携して来りて世爻を生合せば、獄中に必ず大赦の天恩を蒙らん。
若問罪名,須詳官鬼;要知消散,當看子孫。卦象既成,勝負瞭然明白;訟庭一部,是非判若昭彰。
もし定むる所が何の罪名なるかを問わんと要せば、則ち官鬼が何の五行に属し・何の六獣に臨むかを细看す。もしこの案子が何時に消散するかを知らんと要せば、則ち子孫爻が何時に力を得て発動するかを看る。一卦はすでに排定せれば、勝負は便ち一目瞭然。一部の公堂上の是非曲直も、また判然として分明なり。詞訟を占うの訣要は、无非「世応は輸赢を定め・官鬼は罪名を定め・子孫は消解を定め・父母は文書を定め・妻財は使費を定む」のこの五句。
乱を避く
人有窮通,世有否泰。自嗟薄命,適當離亂之秋;每嘆窮途,聊演變通之易。因錄已驗之卦爻,為決當今之賊寇。
人には窮困有りまた通達有り、世道には閉塞有りまた開泰有り。自ら命薄きを嘆じ、偏に兵荒馬乱の年頭に趕に遇上す。毎に窮途末路を感慨し、ただ《易》を演じて個の変通を求むるより好し。ゆえに従前の応験過ぎたる卦例を記録して、用いて眼下の賊寇の患を判断す。この一門は官鬼を以て賊寇兵災と為し、子孫を以て福神救星と為し、世爻を以て自身と為し、財父を以て妻孥行李と為す。
鬼位興隆,賊勢必然猖獗;官爻墓絕,人心始得安康。路上如逢休出外,宅中如遇勿歸家。
官鬼の位が興旺隆盛なれば、賊勢は必定猖獗す。官鬼が墓に入り絶に臨めば、人心は乃ち安寧を得。官鬼がもし道路の爻に落つれば(五爻)、則ち門を出る勿れ。官鬼がもし宅爻に落つれば(二爻)、則ち家に回る勿れ。この両句は乱を避くるの最も実用の一条。鬼が何処に在るかを看て、則ち何処を躲くるかを定む。
動來刑害,總教智能也難逃;變入空亡,若被勾留猶可脫。日辰制伏,何妨卦裡刑傷;月建臨持,勿謂爻中隱伏。
官鬼が発動して来りて我を刑し我を害せば、たとい智謀才能有るも躲け難し。官鬼が発動して却って空亡に変入せば、たとい一時に扣留せらるるも、終究してなお身を脱し得。日辰のそれを制伏し住むる有れば、卦裡のあの点の刑傷もまた妨げず。もし月建が親らその位に臨めば、則ちそれが爻中に蔵するを以て便ち無事と為す勿れ――月令の気を得れば、蔵するも蔵し住めざればなり。
所惡者,提起之神;所賴者,死亡之地。自持鬼墓,墳中不可潛藏;或值水神,舟內猶當仔細。
最も悪しきは官鬼を提起し起すあの一爻(官鬼を生扶するの神)、最も倚頼すべきは官鬼が死絶の地に落入る。世爻が自ら官鬼の墓庫を持せば、墳塋の中は躲蔵すべからず。官鬼がもし水神に値れば、則ち船裡に躲くるも格外に小心すべし。
子爻福德北宜行,午象官爻南勿往。鬼逢沖散,何須剋制之鄉;福遇空亡,莫若生扶之地。
子孫(福徳)が子水の爻に落つれば、子は北方に属し、北に往きて走るを宜とす。官鬼が午火の爻に落つれば、午は南方に属し、則ち南に往く勿れ。官鬼がもしすでに冲散せられれば、何ぞ必ずしもさらにそれを克制するの方位を找さん。子孫がもし空亡に落つれば、能く子孫を生扶するの方位に往くに如かず。難を避くるの方向は、則ちこの一生一剋に照りて往きて定む。
旺興內卦,終來本境橫行;動化退神,必往他鄉標掠。官連旺福合生身,反凶為吉;陽化陰則刑剋世,弄假成真。
官鬼が旺にして内卦に興れば、賊寇は終究して本地に到りて横行せんとす。官鬼が発動して却って退神に化成せば、則ち別処に転じて劫掠しに往かんとす。官鬼はたとい旺相の子孫に連なりて来りて世爻に合し世爻を生ずるも、それは反って凶を為し吉と為る。陽爻が陰爻に変じてまた世爻を刑剋するは、本は虚驚なれども、もまた假を弄して真と成す。
賊興三合爻中,必投陷阱;身在六旬空處,終脫樊籠。官鬼臨身,任爾潛蹤猶撞見;子孫持世,總然對面不相逢。
官鬼が三合局の中に於いて興れば(賊勢は合囲す)、必定して陥穽に落入らんとす。卦身が正しく旬空の処に落つれば、終究して牢籠を脱出し得。官鬼が卦身に臨めば、任るにどう蹤を蔵し跡を匿すともなお撞見せらる。子孫が世を持せば(福神は身を護る)、たとい賊と面と面を対するも我を認め出さず。
兄變官爻,竊恐鄉人劫掠;財連鬼煞,須防藏護私藏。日辰沖剋財爻,妻孥失散;動象刑傷福德,兒女拋離。
兄弟爻が官鬼を変出せば(同類は変じて賊と成る)、ただ怕るらくは本郷本土の人の来りて劫掠する。妻財が官鬼凶煞に連なれば、人に替わりて蔵匿して私に贓物を窩するを提防すべし。日辰が妻財爻を冲剋せば、妻子児女は失散せんとす。動爻が子孫爻を刑傷せば、児女は抛離せんとす。
火動克身,恐有燎毛之苦;水興傷世,必成滅頂之凶。父若空亡,包裹須防失脫;妻如落陷,財物當慮遺亡。
火爻が発動して来りて卦身を剋せば、恐らくは火に焼かれ焚灼するの苦有らん。水爻が興旺して来りて世爻を傷れば、必ず滅頂の災有らん。父母爻がもし空亡に落つれば(父母は行李衣被を主る)、包裹は丟失を防ぐべし。妻財爻がもし陥落せば、財物は遺失を提防すべし。
五位交重,兩處身家無下落;六爻亂動,一家骨肉各西東。福臨鬼位刑沖帶煞,則官兵不道;官變兄爻克合傷財,則妻妾遭淫。
第五爻(道路の位)が重々発動すれば、両処の家小はともに下落不明。六爻が乱動すれば、一家の骨肉は各々東西に奔る。子孫が官鬼の位に臨みてまた刑冲して煞を帯ぶれば(本は我を護るべきが反って害と成る)、それは官兵無道にして、民を擾ること賊よりも甚だし。官鬼が兄弟を変出してまた剋しまた合して妻財を傷れば、それは妻妾が人に奸淫せらるる。
妻去生扶,只為貪財翻作禍;子來沖動,皆因兒哭惹成災。得值六親生旺,雖險何妨;如臨四絕刑傷,逢屯即死。
妻財爻が往きて官鬼を生扶するは、ただ財物を貪図して反って禍事を招き来る。子孫爻が来りて官鬼を冲动するは、それは孩子の啼哭するがために災禍を引き来れる。もし六親の各爻ともに生旺して気有れば、たとい危険に遇うも妨げず。もし四絶の地に落ちてまた刑傷に遭えば、一たび艱難に遇えば則ち命無し。
世遇亂離,既已遂爻而決矣;時遭患難,亦當隨象以推之。最怕官爻克世,則必難迴避;大宜福德臨身,則終可逃生。
世人が乱離に遭逢するに、すでに爻位に按じて一々に判断せり。その時に随いて遇上するの患難に至っては、もまた卦象に跟いて往きて推すべし。総じて説く。最も官鬼爻の来りて世爻を剋するを怕る。則ち避くるに避くべからず。最も子孫(福徳)の卦身に臨むを宜とす。終究して性命を逃出し得。この両句は乱を避くるの一門の総綱。
官化父沖,必有文書挨捕;日沖官散,必多親友維持。鬼伏而兄弟沖提,禍由骨肉;官靜而旁爻刑剋,事出吏書。
官鬼が父母を変出して来りて相冲すれば(父母は文書を主る)、必ず公文の緝捕有らん。日辰が官鬼を冲散すれば、必ず許多の親友の出で来りて維持保全する有らん。官鬼は本に伏蔵せり。却って兄弟爻に冲起して提出せられれば、禍事は自家の骨肉の引き来れる。官鬼は本に安静せり。却って旁爻に刑剋して攪動せられれば、事は衙門書吏の挑起せる。
應若遭傷當累眾,妻如受克定傷財。遍喜六爻安靜,又宜一卦無官,或身世之逢空,或用神之得地。
応爻がもし傷を受ければ、必ず衆人に連累す。妻財がもし剋を受ければ、一定して財を破らんとす。乱を避くるの卦は、最も六爻の安静を喜ぶ(動かざれば則ち無事)、もまた整卦の中に官鬼を見ざるを宜とす(鬼無ければ則ち賊無し)。あるいは卦身世爻が恰好に空に落つれば(空なれば則ち賊は我を尋ね得ず)、あるいは用神が各々その位を得れば。この四样の内一样を占すれば、則ち生路有らん。
天來大事也無防,海樣深仇何足慮。事有百端,理無二致,潛心玩索,若能融會貫通,據理推占,自得圓神不滯!
果して上面のあの幾样の吉象を占せば、たとい天大の事有るも妨げず、海の如き深き仇怨もまた憂慮するに足らず。世事は百端なれども、道理はただ一条のみ。ただ潜心して玩味し推尋して、能く融會貫通し、理に依りて往きて推占せば、自ずから円通神妙にして滞泥せず。これもまた全書の反復申説するの宗旨。法には定有りて用には定無く、全て事に臨みて変通するに在り。
逃亡
寬以禦敵,眾侮慢斯加;嚴以治人,逃亡遂起。故雖大聖之有容,尚謂小人之難養,須察用爻方知實跡。若臨午地,必往南方;或化寅爻,轉移東北。
下に待すること寛厚なれば、衆人は則ち軽慢し起る。管束すること太嚴なれば、逃走の事はまた跟いて発生す。ゆえに孔子の如き寛宏の聖人を連ぬるも、もまた小人は養い難しとの話を説きたり。逃亡を占うに、必ず用神のあの一爻を審察して、始めて人の実在の去向を知る。用神がもし午火の爻に臨めば、午は正南に在り、此人は必ず南方に往かん。もし発動して寅木を変出せば、寅は東北に在り、それは東北方に転じ往きたり。この一門は逃ぐる所の人の六親を以て用神と為す。僕人は妻財を取り、子弟は子孫を取り、兄弟は兄弟を取り、各々名分に按じて定む。
木屬震宮,都邑京城之內;金居兌象,庵觀寺院之中。鬼墓交重,廟宇中間隱匿;休囚死絕,墳陵左右潛藏。
用神が木に属して震宮に在れば(震は大塗と為り繁華の地と為る)、此人は都邑京城の裡に蔵せり。用神が金に属して兌宮に在れば(兌は口舌と為り巫と為り祝と為る)、此人は庵観寺院の中に蔵せり。官鬼の墓庫が重々発動せば、此人は廟宇の裡面に躲えり。用神が休囚死絶なれば、則ちそれは墳塋陵墓の左右に潜伏せり。
如逢四庫,當究五行;倘伏五鄉,豈宜一類。木興水象,定乘舟楫而逃;動合伏財,必拐婦人而去。
用神がもし辰戌丑未の四墓庫の上に落つれば、則ちさらにそれが本身の何の五行に属するかを究めて、乃ち方位を定むるを得(木庫は未に在り・火庫は戌に在り・金庫は丑に在り・水土庫は辰に在り)。用神がもし別爻の下に伏せば、もまたどの一類の六親の下に伏するかを看るべく、一概に論ずべからず。木爻が興旺してまた水象を見れば(木は水に浮かぶ)、此人は一定して船に坐りて逃げ去りし。動爻と伏蔵の妻財とが相合せば、此人は必ず婦人を拐帯して一同に走りし。
內近外遠,生世則終有歸期;靜易動難,坐空則必無尋路。合起合住,若非容隱即相留;沖動沖開,不是使令當敗露爻。
用神が内卦に在れば則ち逃ぐること近く、外卦に在れば則ち逃ぐること遠し。それがもし来りて世爻を生ぜば、終究して回り来るの日子有らん。用神が安静なれば找し易く、発動すれば尋ね難し。それがもし空亡の上に坐せば、則ち尋ねるべき路無し。用神が合し住められ合し起せられれば、人の窩蔵するにあらざれば、則ち人に留められし。用神が冲动せられ冲開せられれば、人の彼を差遣して出でしむるにあらざれば、則ち行跡の敗露せんとする。
動爻刑剋,有人阻彼登程;日建生扶,有伴糾他同去。間爻作合,原中必定知情;世應相生,路上須當撞見。
卦中に動爻の来りて用神を刑剋する有れば、人の彼を攔住して路に上らしめざる。日辰月建が来りて用神を生扶するは、同伴の彼を糾合して一道に走りし有り。間爻と用神とが相合せば、則ち元来居間の人(保人・中人)は一定して知情なり。世爻と応爻とが相生すれば、路上に多く半ば彼に撞見し得。
無沖無破居六位,則一去不回;有克有生在五爻,則半途仍走。主象化出主象,歸亦難留;本宮化入本宮,去應不遠。
用神はすでに冲せられずも破せられずして第六爻に居れば(最も外・最も遠)、此人は一去して回らず。用神が第五爻に在りて(道路の位)また剋有り生有れば、それは半路の上になおさらに走らんとす。用神が発動して同類の用神を変出せば(一去してまた一去)、たとい回り来るも留め得ず。本宮の爻が本宮に変入すれば(転じ来り転じ往きてなお自家の範囲に在り)、此人の走るは遠からず。
歸魂卦用仍生合,不捕而自回;游魂卦應又交重,能潛而會遁。世克應爻,任爾潛身終見獲;應傷世位,總然對面不相逢。
帰魂卦を搖り得て用神がまた来りて我を生じ我に合せば、捉えに往く須なし、他自己は回り来らん。游魂卦を搖り得て応爻がまた重々発動せば、此人は蔵匿に善く、逃遁を會す。世爻が能く応爻を剋せば、任るに彼がどう身を蔵するも、終究して抓獲せられん。応爻が反って世爻を傷れば、たとい面と面を対するも認め出さず、遇い着かず。
父母空亡,杳無音信;子孫發動,當有維持。眾煞傷身,竊恐反遭刑辱;動兄持世,必然廣費貲財。
父母爻が空亡に落つれば(父母は音信書札を主る)、杳として消息無し。子孫爻が発動せば(子孫は福神救星)、まさに人の従中に維持照應する有るべし。众多の凶煞が来りて卦身を傷れば、ただ怕るらくは往きて追捕して反って自己が刑を遭い辱を受けんとす。発動の兄弟爻が世爻を持せば(兄弟は耗を主る)、人を尋ぬるのこの一趟は必定して大いに銭財を費やさん。
父動變官,必得公人捕捉;世投入墓,須防窩主拘留。世應比和不空,必潛於此;世應空亡獨發,徒費乎心。但能索隱探幽,何慮深潛遠遁!
父母爻が発動して官鬼を変出せば(文書は転じて差役と成る)、必ず官府の人を差して緝捕するを得。世爻が自ら墓庫に投ずれば、彼を窩蔵する人の反って自己を扣住するを提防すべし。世応両爻が五行比和にしてまたともに空に落ちざれば、此人は則ちこの附近に潛蔵せり。世応が空に落ちてただ一爻のみ独り動けば、則ち白く心を操る一場。要するにただ能く幽を探り隱を索め、爻に按じて推尋すれば、なお彼が蔵るること深く逃ぐること遠きを怕れんや。
