娼家
養身於花柳之家曰娼曰妓,識禍福於幾微之際惟蓍惟龜。花街托跡,柳巷安身。門外紛紛,總是風流子弟;窗前濟濟,無非歌舞佳人。
色藝を以て花柳の家に於いて生を謀るを娼と叫び妓と叫ぶ。事の未だ顯露せざる時に於いて禍福を看出さんと要すれば、ただ蓍亀の占卜に倚るのみ。この一門の占する所は娼家の生意。身を花街に托し、身を柳巷に安んず。門外は来り往き来り往きして、みな是れ風流の子弟。窓前は濟濟として一堂に満ち、无非是れ歌舞の佳人。占法は妻財を以て妓女と財利と為し、官鬼を以て狎客と為し、子孫を以て歡樂と為し、兄弟を以て破耗と為す。
若要安寧,必得世無沖剋;欲求稱意,還須應去生扶。卦見六沖,往來亦徒迎迓;爻當六合,晨昏幸爾盤桓。
門戸の安寧を想わんと欲すれば、必ず世爻の冲剋を受けざるを得。生意の意に称わんと想えば、なお須らく応爻(客人)の来りて生じ来りて扶するを須す。六冲卦を搖り得れば、客人はたとい来り往きすれども、も不過白く迎え白く送りて、留め得ず。六合卦を搖り得れば、早晚ともに客人の盤桓して去らざる有り、それは乃ち好局面なり。
財若空亡,錢樹子恐防傾倒;官如墓絕,探花郎那得棲遲。妻財官鬼二者不可相無,財鬼父兄子孫皆宜不動。
妻財爻がもし空亡に落つれば、あの棵の「搖錢樹」(当家の妓女を指す)はただ怕るらくは倒れんとす。官鬼がもし墓に入り絶に臨めば、花を尋ね柳を問うの客人もまた肯んじて久しく留まらず。妻財と官鬼の両位は一も缺くべからず――一つは本銭、一つは主顧。しかして財・鬼・父・兄・子の五位はみな安静にして動かざるを以て好と為す。一たび動けば則ち變故を生ず。
鬼煞傷身,火盜官災多恐布;日辰沖父,住居屋宅有更張。兄弟交重,罄囊用度;子孫藏伏,蹙額追陪。
官鬼凶煞が来りて卦身を傷れば、火災・盗竊・官非のこれらの禍事は則ち多くして、人をして惶恐せしむ。日辰が父母爻を冲せば(父母は房屋を主る)、住む屋子は變動搬遷せんとす。兄弟爻が重々発動すれば、銭囊は掏き空められんとす。子孫爻が蔵伏して出ざれば(歡樂の神は現れず)、ただ眉頭を皺めて顏を強いて客に陪するより好し。
財化福爻,家出從良之妓;官居刑地,門招惡病之人。忌動衰空,閒是閒非閒撓舌;財興克世,有財有利有驚憂。能將玄理以推詳,真乃黃金而不易。
妻財爻が子孫を変出せば(財位を脱して福地に入る)、家中有りて妓女の良に從ひて人に嫁ぐ有らん。官鬼が刑を受くるの地に落つれば、門上に悪疾を染めたるの客人を招き来る。忌神が発動してまた衰弱して空に落つれば、不過是れ些かの無謂の閒是閒非・口舌の糾纏。妻財が興旺にして却って来りて世爻を剋せば、たとい財有り利有るも、もまた一場の驚憂を帯びたり。能くこれらの玄妙の道理を推詳して明白ならば、真に是れ千金も易えざるの本領。
詞訟
小忿小懲,必至爭長競短;大虧既負,寧不訴枉申冤。欲定輸贏,須詳世應。應乃對頭,要休囚死絕;世為自己,宜帝旺長生。
起初は不過一点の小忿気・小懲戒、鬧りて後來に到れば便ち長を争い短を論ず。大きく亏を喫し大きく屈を受くるを等しきすれば、誰か肯んじて冤を申さざらんや。官司を占うにただ一個の総綱有り。輸赢を定むるにまず世応を看る。応爻は対頭を代表し、それをして休囚死絶せしめて乃ち好し。世爻は自己を代表し、それをして帝旺・長生の地に居らしむるを要す。全章以下の各条は、みなこの一対の世応より生発して出でたるなり。
相沖相剋乃是欺凌之象,相生相合終成和好之情。世應比和官鬼動,恐公家捉打官司;卦爻安靜子孫興,喜親友勸和公事。世空則我欲息爭,應動則他多機變。
世応が相冲相克するは、両下の欺凌して相争うの象。相生相合すれば、終究して講じ得攏り、和を成し得。世応は本來比和して(併せて争端無し)官鬼が却って発動すれば、ただ怕るらくは官府の自ら来りて人を拿えて案を問わんとす。六爻が安静にして子孫が興旺なれば、それは親友の出面して和を勧め、公事は以て了結を得――子孫は解神にして、専ら官鬼を剋す。世爻が空に落つれば、我は先に鬥志無くして事を息めんと想う。応爻が発動すれば、相手は機變百出す。
間傷世位,須防硬證同謀;鬼克間爻,且喜有司明見。身乃根因事體,空則情虛;父為案卷文書,伏須未就。鬼作問官,克應則他遭杖責;日為書吏,傷身則我受刑名。
間爻が来りて世爻を傷れば、証人が相手と串通して偽証を做すを防ぐべし。官鬼が反って往きて間爻を剋せば(官は従中に手を做す人を壓住せり)、喜ぶべし主審官が明察するを。卦身はこの桩の事の根由。それが空に落つれば則ち案情の本身は虚にして拠無し。父母爻は状紙案巻。それが伏蔵すれば則ち状子はなお弁じ成らず。官鬼はここに審案の官を代表す。官鬼が往きて応爻を剋せば、相手は板子を挨らんとす。日辰はここに衙門書吏を代表す。日辰が来りて卦身を傷れば、我は刑責を受けんとす。
逢財則理真氣壯,遇兄則財散人離。世入墓爻,難免獄囚之繫;官逢太歲,必非州縣之詞。內外有官,事涉一司終不了;上下有父,詞興兩度始能成。
卦中に妻財の力を得る有れば、すでに銭有りて打点し、もまた理拠の充足を主り、自然として理直く気壮なり。兄弟の権に当たるに遇えば、銭は散じ人は離れ、幇手もまた散れたり。世爻が墓庫に落入れば、牢獄の拘繫を免れず。官鬼が正しく太歳に逢えば(太歳は至尊)、この案子は必ず州県に止まらず、上達して大衙門に至らん。内卦外卦ともに官鬼有れば、事情は両処の衙門に牽渉し、一時には了し得ず。上下ともに父母有れば、状子は両回を遞して乃ち弁じ成るを得。
官父兩強,詞狀表章皆准理;妻財一動,申呈訴告總徒勞。父旺官衰,雀角鼠牙之訟;變衰動旺,虎頭蛇尾之人。世若逢生,當有貴人倚靠;應衰無助,必無奸惡刁唆。
官鬼は状を准し父母は即ち状紙、両位ともに強なれば、則ち呈し上ぐるの状子表章はみな受理せられん。妻財が一たび動けば則ち父母を剋し、状紙は先に壞れ、申呈告訴はみな白費なり。父母が旺にして官鬼が衰なれば、状子はたとい多しとも官は甚だ理せず。不過是れ雀角鼠牙の小争執。動爻が本に旺にして変爻が衰に転ずれば、この人は虎頭蛇尾にして、先に声大にして後に力弱し。世爻が生扶を得れば、自ずから貴人有りて靠むべし。応爻が衰にして助無ければ、あの辺に則ち人の傍より挑唆する無し。
無合無生總旺,如何獨腳虎;有刑有克逢空,空效縮頭龜。兄在間中,事必干眾;父臨應上,使欲興詞。父動而官化福爻,事將成而偶逢兜歡;父空而身臨刑煞,詞未準而先被笞刑。
応爻はたとい旺なれども、合無く生無く、孤立して援無ければ、不過是れ只の独脚虎、人を唬かすのみ。世爻はたとい刑有り剋有るも、恰好に空に落ちて避け過ぐれば(空なれば則ち剋を受けず)、ただ暫く縮頭の烏亀に学ぶより好し。兄弟が間爻の上に在れば、この事は衆人に牽連せんとす。父母が応爻の上に臨めば、相手が状を具えて我を告げんとする。父母が発動して官鬼が却って子孫を変出せば(官気は頓に消ゆ)、事は本に成らんとするも、偏に半路に人の出で来りて和を講ずる有り。父母が空に落ちて卦身がまた刑煞に臨めば、状子はなお准せられざるに、自己は先に打を挨り了ぬ。
妻動生官,須用貲財矚託;世興變鬼,必因官訟亡身。子在身邊,到底不能結證;官伏世下,訟根猶未芟除。墓逢日德刑沖,目下即當出獄;歲挈福神生合,獄中必遇天恩。
妻財が発動して往きて官鬼を生ずれば、須らく銭を使い人を托して打点すべし。世爻が興動して官鬼を変出せば、ただ怕るらくはこの場の官司のために命を送らんとす。子孫が卦身の旁に在れば(子孫は官を剋す)、この案子は始終に案を結び得ず。官鬼が世爻の下に伏すれば、訟事の根はなお除き浄からず、日后は依然として発せんとす。世爻はたとい墓に入るも、もし日辰・天徳の来りて刑冲して墓を冲開するを得れば、眼下に則ち獄を出るを得。太歳が子孫を提携して来りて世爻を生合せば、獄中に必ず大赦に逢わん。
若問罪名,須詳官鬼;要知消散,當看子孫。卦象既成,勝負瞭然明白;訟庭一部,是非判若昭彰。
定むる所の何の罪名かを問わんと要せば、官鬼の五行と六獣とを细看す。何時に了結消散するかを知らんと要せば、則ち子孫が何時に力を得るかを看る。一卦が排定せれば、勝負は則ち一目瞭然、公堂上の是非曲直もまた判然として分明なり。整章は五句の口訣に帰し得。世応は輸赢を定め、官鬼は罪名を定め、子孫は消解を定め、父母は文書を定め、妻財は使費を定む。
乱を避く
人有窮通,世有否泰。自嗟薄命,適當離亂之秋;每嘆窮途,聊演變通之易。因錄已驗之卦爻,為決當今之賊寇。
人には困頓有りまた顯達有り、世道には閉塞有りまた開泰有り。自ら命薄きを嘆じ、偏に兵荒馬乱に趕に遇上す。毎に窮途を嘆じて、ただ《易》を演じて個の変通を求むるより好し。この一門は従前の応験過ぎたる卦例を録し下して、用いて当下の賊寇の患を判断す。取用の法は、官鬼を以て賊寇兵災と為し、子孫を以て救星福神と為し、世爻を以て自身と為し、妻財父母を以て妻孥行李と為す。
鬼位興隆,賊勢必然猖獗;官爻墓絕,人心始得安康。路上如逢休出外,宅中如遇勿歸家。動來刑害,總教智能也難逃;變入空亡,若被勾留猶可脫。
官鬼が興旺なれば、賊勢は必ず猖獗す。官鬼が墓に入り絶に臨めば、人心は乃ち安んず。乱を避くるの最も実用の一条は「鬼が何処に在るかを看て則ち何処を避く」。官鬼が第五爻の道路の位に落つれば、則ち門を出る勿れ。第二爻の宅位に落つれば、則ち家に回る勿れ。官鬼が発動して来りて我を刑し我を害せば、たとい才智有るも躲け掉れず。それはたとい動けども空亡に変入せば、たとい一時に扣せらるるも、終に身を脱し得。
日辰制伏,何妨卦裡刑傷;月建臨持,勿謂爻中隱伏。所惡者,提起之神;所賴者,死亡之地。自持鬼墓,墳中不可潛藏;或值水神,舟內猶當仔細。
日辰の官鬼を制し住むる有れば、卦裡のあの点の刑傷は則ち妨げず。しかしもし月建が親らその位に臨みて、月令の気を得れば、則ちそれが爻中に蔵するを以て便ち害無しと為す勿れ。最も悪しきは官鬼を生扶し、それを提起し起すあの一爻。最も倚頼すべきは官鬼が死絶の地に落入る。世爻が自ら官鬼の墓庫を持せば、墳地裡は身を蔵すべからず。官鬼がもし水神に値れば、船裡に蔵するももまた仔細なるべし。
子爻福德北宜行,午象官爻南勿往。鬼逢沖散,何須剋制之鄉;福遇空亡,莫若生扶之地。旺興內卦,終來本境橫行;動化退神,必往他鄉標掠。
子孫が子水の爻に落つれば、子は正北に居り、北に往くを宜とす。官鬼が午火の爻に落つれば、午は正南に居り、則ち南に往きて走る勿れ。官鬼はすでに冲散せられれば、則ち必ずしもさらにそれを克制するの方位を尋ね往く須なし。子孫がもし空亡に落つれば、能く子孫を生扶するの方位に往くに如かず。官鬼が旺にして内卦に興れば、賊は終究して本地に到りて横行せん。それが発動して却って退神に化成せば、便ち他郷に転じて劫掠しに往き了ぬ。
官連旺福合生身,反凶為吉;陽化陰則刑剋世,弄假成真。賊興三合爻中,必投陷阱;身在六旬空處,終脫樊籠。官鬼臨身,任爾潛蹤猶撞見;子孫持世,總然對面不相逢。
官鬼はたとい在れども、却って旺相の子孫に連なりて来りて我に合し我を生ずれば、それは反って凶を為し吉と為る。陽爻が変じて陰爻と成りてまた世爻を刑剋するは、本は虚驚なれどももまた假を弄して真と成さんとす。官鬼が三合局中に於いて興起せば(賊勢は合囲す)、必ず陥穽に落つ。卦身が正しく旬空の位に落つれば、終に樊籠を脱出し得。官鬼が卦身に臨めば、任るに蹤を蔵し跡を匿するも撞見せんとす。子孫が世を持せば(福神は身を護る)、賊と面を対するも我を認め出さず。
兄變官爻,竊恐鄉人劫掠;財連鬼煞,須防藏護私藏。日辰沖剋財爻,妻孥失散;動象刑傷福德,兒女拋離。火動克身,恐有燎毛之苦;水興傷世,必成滅頂之凶。
兄弟が官鬼を変出せば(同類は変じて賊と成る)、ただ怕るらくは本郷本土の人の来りて搶する。妻財が官鬼凶煞に連なれば、人に替わりて贓私を窩蔵するを防ぐべし。日辰が妻財を冲剋せば、妻子家小は失散せんとす。動爻が子孫を刑傷せば、児女は抛離せんとす。火爻が発動して来りて卦身を剋せば、恐らくは焚灼の苦を遭わん。水爻が興旺して来りて世爻を傷れば、必ず滅頂の凶有らん。
父若空亡,包裹須防失脫;妻如落陷,財物當慮遺亡。五位交重,兩處身家無下落;六爻亂動,一家骨肉各西東。福臨鬼位刑沖帶煞,則官兵不道;官變兄爻克合傷財,則妻妾遭淫。
父母爻が空に落つれば(父母は行李衣被を主る)、包裹は丟失を防ぐべし。妻財爻が陥落せば、財物は遺亡を防ぐべし。第五爻(道路)が重々発動すれば、両頭の家小はみな下落無し。六爻が乱動すれば、一家の骨肉は各々東西に奔る。子孫が官鬼の位に落ちて刑冲凶煞を帯ぶれば(本は我を護るべきが反って害と成る)、それは官兵無道にして、民を擾ること賊よりもさらに甚だし。官鬼が兄弟を変出してまた剋しまた合して妻財を傷れば、それは妻妾が人に凌辱せらるる。
妻去生扶,只為貪財翻作禍;子來沖動,皆因兒哭惹成災。得值六親生旺,雖險何妨;如臨四絕刑傷,逢屯即死。世遇亂離,既已遂爻而決矣;時遭患難,亦當隨象以推之。
妻財が往きて官鬼を生扶するは、財物を貪圖して反って禍を招く。子孫が来りて官鬼を冲动するは、孩子の啼哭して災を引き来れる。六親の各爻がもしともに生旺して気有れば、たとい険なれども妨げず。もし四絶の地に臨みてまた刑傷に遭えば、一たび艱難に遇えば則ち命無し。世人が乱離に遭逢するに、すでに爻位に按じて一々に断じ過ぎたり。その時に臨みて遇上するの患難に至っては、もまた卦象に照りて事に随いて之を推す。
最怕官爻克世,則必難迴避;大宜福德臨身,則終可逃生。官化父沖,必有文書挨捕;日沖官散,必多親友維持。鬼伏而兄弟沖提,禍由骨肉;官靜而旁爻刑剋,事出吏書。
総じて説く。最も官鬼の来りて世爻を剋するを怕る。則ち避くるに避くべからず。最も子孫の卦身に臨むを宜とす。終に生を逃るを得。官鬼が父母を変出して来りて相冲すれば(父母は文書を主る)、必ず公文の緝捕有らん。日辰が官鬼を把りて冲散せば、必ず許多の親友の維持保全する有らん。官鬼は本に伏して兄弟に冲起して提出せられれば、禍は自家の骨肉の惹きし。官鬼は本に静にして旁爻に刑剋して攪動せられれば、事は衙門書吏の挑きし。
應若遭傷當累眾,妻如受克定傷財。遍喜六爻安靜,又宜一卦無官,或身世之逢空,或用神之得地。天來大事也無防,海樣深仇何足慮。事有百端,理無二致,潛心玩索,若能融會貫通,據理推占,自得圓通神不滯!
応爻が傷を受ければ衆人に連累せんとし、妻財が剋を受ければ一定して財を破らん。乱を避くるの卦は四样の吉象有り。六爻が安静・整卦に官鬼無し・卦身と世爻とが恰好に空に落つれば(賊は我を尋ね得ず)・用神が各々その位を得る。その中の一样を占せば、たとい天大の事有るも妨無く、海样の深き仇もまた慮るに足らず。世事は百端にして道理はただ一条のみ。ただ潜心して玩索し融會貫通して、理に依りて推占せば、自ずから円通神妙にして滞泥せず。
逃亡
寬以禦敵,眾侮慢斯,加嚴以治人,逃亡遂起。故雖大聖之有容,尚謂小人之難養,須察用爻方知實跡。若臨午地,必往南方,或化寅爻,轉移東北。
下に待すること太寛なれば、衆人は便ち軽慢を生ず。管束すること太嚴なれば、逃走の事はまた跟いて来る。ゆえに孔子の如き寛宏の人を連ぬるもまた小人は養い難しと説けり。逃亡を占うに必ず用神を審察すべし――出で走るは僕人なれば則ち妻財を取り、是れ子弟なれば則ち子孫を取り、各々名分に按じて用を取る。用神が午火に臨めば、午は正南に居り、人は南に往かんとす。用神が発動して寅木を化出せば、寅は東北に居り、それは東北に転じ往きたり。
木屬震宮,都邑京城之內;金居兌象,庵觀寺院之中。鬼墓交重,廟宇中間隱匿;休囚死絕,墳陵左右潛藏。如逢四庫,當究五行;倘伏五鄉,豈宜一類。
用神が木に属して震宮に在れば、人は都邑京城に蔵せり。金に属して兌宮に在れば、人は庵観寺院に蔵せり。官鬼の墓庫が重々発動せば、廟宇の中に蔵せり。用神が休囚死絶なれば、墳陵の左右に潛せり。用神がもし辰戌丑未の四墓庫の上に落つれば、さらにそれが本身の五行を究めて乃ち方位を定むるを得べし。もし別爻の下に伏せば、もまた須らくどの一位の六親の底下に伏するかを看るべく、一概に論ずべからず。
木興水象,定乘舟楫而逃;動合伏財,必拐婦人而去。內近外遠,生世則終有歸期;靜易動難,坐空則必無尋路。合起合住,若非容隱即相留;沖動沖開,不是使令當敗露爻。
木爻が興りてまた水象を見れば(木は水に浮かぶ)、船に坐りて逃げ走りし。動爻と伏蔵の妻財とが相合せば、婦人を拐帯して同じく走りし。用神が内卦に在れば則ち近く外卦に在れば則ち遠し。それがもし来りて世爻を生ぜば、終に歸期有らん。用神が静なれば則ち尋ね易く動けば則ち覓め難し。空亡の上に坐せば則ち尋ね得べき路無し。用神が合し起せられ合し住められれば、人の窩蔵する有るにあらざれば便ち人に留められし。冲动せられ冲開せられれば、人の差遣を受くるにあらざれば便ち行跡の将に露れんとする。
動爻刑剋,有人阻彼登程;日建生扶,有伴糾他同去。間爻作合,原中必定知情;世應相生,路上須當撞見。無沖無破居六位,則一去不回;有克有生在五爻,則半途仍走。
卦中の動爻が用神を刑剋すれば、人の攔えて彼をして路に上らしめざる有り。日辰月建が用神を生扶すれば、同伴の彼を糾合して一緒に走る有り。間爻と用神とが相合せば、則ち居間の中人保人は一定して知情なり。世応が相生すれば、路上に多く半ば撞き見るを得。用神はすでに冲せずも破せずして第六爻に居れば(最も外最も遠)、一去して回らず。第五爻に居れば(道路)しかして剋有り生有れば、半路になおさらに走らんとす。
主象化出主象,歸亦難留;本宮化入本宮,去應不遠。歸魂卦用仍生合,不捕而自回;游魂卦應又交重,能潛而會遁。世克應爻,任爾潛身終見獲;應傷世位,總然對面不相逢。
用神が発動してまた同類の用神を変出せば(去りてまた去る)、たとい回り来るも留め得ず。本宮の爻が本宮に変入すれば(なお自家の範囲内に於いて轉ず)、去ること遠からず。帰魂卦を搖り得て用神がまた我を生じ我に合せば、捉えに往く須なし、他自己は回り来る。游魂卦を搖り得て応爻が重々発動せば、此人は蔵に善く逃に會す。世爻が能く応爻を剋せば、任るに彼が怎う蔵するも終究して獲られん。応爻が反って世爻を傷れば、面と面を対するも遇い着かず。
父母空亡,杳無音信;子孫發動,當有維持。眾煞傷身,竊恐反遭刑辱;動兄持世,必然廣費貲財。父動變官,必得公人捕捉;世投入墓,須防窩主拘留。
父母爻が空に落つれば(音信書札を主る)、杳として消息無し。子孫爻が発動せば(福神救星)、人の従中に維持照應する有り。衆煞が来りて卦身を傷れば、ただ怕るらくは往きて追して反って自ら刑辱を取らんとす。発動の兄弟が世を持せば(兄弟は耗を主る)、人を尋ぬるのこの一趟は大いに破費せんとす。父母が発動して官鬼を変出せば(文書は転じて差役と成る)、須らく官府の人を差して緝捕せしむべし。世爻が自ら墓庫に投ずれば、窩主に反って扣住せらるるを防ぐべし。
世應比和不空,必潛於此;世應空亡獨發,徒費乎心。但能索隱探幽,何慮深潛遠遁!
世応両爻が五行比和にしてまたともに空に落ちざれば、人は則ちこの附近に潛蔵せり。世応が空に落ちてただ一爻のみ独り動けば、則ち白く心を操るのみ。要するにただ能く爻に按じて幽を探り隱を索め――方位を看・何の爻の下に伏するかを看・冲合動静を看れば、なお彼が蔵るること深く逃ぐること遠きを怕れんや。
失脱(附・盗賊・捕盗・捉賊)
民苦飢寒,每有穿窬之輩;勿忘檢束,亦多遺失之虞。要識其中之得失,須詳卦上之妻財。自空化空,皆當置而不問;日旺月旺,總未散而可尋。
百姓は饑寒に苦しめば、則ち常に牆を翻え洞を鑽るの竊賊有り。自己は点検収束を知らざれば、もまた遺失の時有るを免れず。失物を占うに、東西がなお找し回り得るか否かを知らんと要せば、全て卦上の妻財爻を看る――妻財は則ち失する所の物。妻財が自ら空亡に落ちてまた空亡を変出せば、則ち心を死して、必ずしもさらに問う須なし。妻財が日辰の旺・月建の旺を得れば、東西はなお散失せず、往きて尋ぬるを得。
內卦本宮,搜索家庭可見;他宮外卦,追來鄰里能知。五路四門,六乃棟樑闊上;初井二,三為閨閫房中。
妻財が内卦に在り、また本宮に属せば、自家の裡頭に於いて搜して一搜せば則ち見着くを得。外卦に在り、また他宮に属せば、隣里に向かいて追問して乃ち下落を知るを得。さらに爻位に按じて所在を定む。第五爻は道路、第四爻は門、第六爻は棟梁と高処、初爻は水井と地下、第二爻は灶房と堂前、第三爻は内室房中。妻財がどの一爻に落つるや、物は則ちどの一処に在るや。
水失於池,木乃柴薪之內;土埋在地,金為磚石之間。動入墓中,財深藏而不見;靜臨世上,物尚在而何妨。
さらに五行に按じて象を取る。妻財が水に属せば、池塘水辺に失せり。木に属せば、柴薪の堆裡に在り。土に属せば、土地の中に埋められり。金に属せば、磚石の縫間に在り。妻財が発動して墓庫に入れば、東西は蔵るること深くして一時に找し見えず。須らく墓庫を冲開するの日を待つべし。妻財が安静にして世爻の上に臨めば、物はなお自己の身辺に在りて、妨ぐる事無し。
鬼墓爻臨,必在墳邊墓側;日辰合住,定然器掩遮藏。子爻福變妻,財須探鼠穴;西地逢福德,當檢雞棲財。
官鬼の墓庫が妻財に臨めば、東西は必ず墳辺墓側に在り。妻財が日辰に合し住められれば、一定して何の器物に蓋い遮はれたり。子孫爻が妻財を変出せば(子は鼠に属す)、鼠洞の裡に到りて找すべし。子孫が酉地に落つれば(酉は雞に属す)、則ち雞窩の裡に到りて検すべし。これは地支の生肖の象を物を尋ぬるの上に用うるなり。
鬼在空中世動,則自家所失;財伏應下世合,則假貸於人。若伏子孫,當在僧房道院;如伏父母,必遺衣笈書箱。
官鬼が空に落ちて世爻が発動すれば、それは自己が失落せる、併せて賊無し。妻財が応爻の下に伏して世爻と相合せば、それは別人に借り給えり、丢と算せず。妻財が子孫の下に伏せば、東西は僧房道院の裡に在り(子孫は僧道を主る)。父母の下に伏せば、衣箱書笈の中に落ちたり(父母は衣物文書を主る)。
在內則家中失脫,在外則他處遺亡。財伏逢沖,必是人移物動;鬼興出現,定為賊竊人偷。
妻財が内卦に在れば、家裡に於いて丢したり。外卦に在れば、別処に於いて遺落せり。妻財が伏蔵して冲に逢えば、それは人の東西を挪動せる有り、偸にあらず。官鬼が興旺して卦中に出現せば、則ち確かに是れ賊の偸み去れる。「鬼有り鬼無し」は、「遺失」と「被盜」とを分辨するの關鍵なり。
陰女陽男,內卦則家人可決;生壯墓老,他宮則外賊無疑。乾宮鬼帶螣蛇,西北方瘦長男子;巽象官加白虎,東南上肥胖陰人。
官鬼が陰爻なれば則ち賊は女子、陽爻なれば則ち是れ男子。官鬼が内卦に在れば、自家人と断じ得。官鬼が長生の位に在れば是れ少壮、墓庫の位に在れば是れ老人。官鬼が他宮に属せば、それは无疑して外来の賊。例を擧ぐ。乾宮の官鬼が螣蛇を帯ぶれば(乾は西北に在り、螣蛇は細長)、賊は西北方より来れるの瘦長の男子。巽宮の官鬼が白虎を加えれば(巽は東南に在り、白虎は粗壯)、賊は東南方の肥胖の婦人。
與世刑沖,必是冤仇相聚;與福交變,必然僧道同謀。鬼遇生扶,慣得中間滋味;官興上下,須防內外勾連。
官鬼と世爻とが相刑相冲すれば、この賊は必ず我と仇怨有るの人。官鬼と子孫とが交互に變化せば、必ず僧道の流の同謀する有らん(子孫は僧道を主る)。官鬼が生扶に遇上すれば(屡屡として勢を得)、これは個の慣偸にして、早くその中の甜頭を嘗め慣れたり。上下爻ともに官鬼の興動する有れば、内外の勾結を防ぐべし。
木克六爻,窬牆而入;金傷三位,穿壁而來。世去沖官,失主必曾驚覺;日來克鬼,賊心亦自驚疑。
木性の官鬼が来りて第六爻を剋せば(六爻は牆と為り高処と為る)、賊は牆を翻えて進入せり。金性の官鬼が来りて第三爻を傷れば(三爻は門戸牆壁と為る)、賊は壁を鑿て進入せり。世爻が往きて官鬼を冲せば、失主は当時に必ず曾て驚覺せり。日辰が来りて官鬼を剋せば、賊は自己の心裡もまた驚疑して安ならず。
子動子宮,問牧童定知消息;福興酉地,見酒客可探情由。兄動劫財,若卜起贓無處覓;官興克世,如占捕盜必傷身。
子孫爻が子水の宮に於いて発動せば(子は水と為り、牧放の地と為る)、牧童に問うて往けば一定して消息を得。子孫が酉爻に興れば(酉は酒を主る)、酒客に遇えば情由を探り出すを得――子孫は賊を捉うるの救星、それが何処に落つるかを看れば、則ち何処より打聽するかを知る。兄弟が発動して財を劫せば、もし贓を占うを起せば、贓物は尋ね得べき処無し。官鬼が興旺して来りて世爻を剋せば、もし盗を捕るを占えば、捕る人は必ず傷を受けん。
世值子孫,任彼強梁何足慮;鬼臨墓庫,縱能巡捕亦難擒。日合賊爻,必有窩藏之主;動爻鬼煞,還逢指示之人。
世爻上に子孫が坐せば(子孫は官鬼を剋し、正しく是れ盗を捕るの神)、任るに彼の賊がさらに強橫なるも慮るに足らず。官鬼が墓庫の中に落つれば(蔵るること深し)、たとい人を派して巡捕するも擒獲し難し。日辰と官鬼とが相合せば、必ず窩蔵するの窩主有らん。動爻はたとい是れ官鬼凶煞なれども、もしそれが来りて世を生じ世に合せば、反って是れ人の出面して賊の下落を指點する有り。
卦若無官,理當論伏;財如發動,墓處推詳。伏若克飛,終被他人隱匿;飛如克伏,還為我輩擒拿。
卦中にもし官鬼を見ざれば、理に按じて則ち伏神を找しに往くべし。妻財がもし発動せば、則ちその墓庫の上に到りて物が何処に在るかを推詳す。伏する官鬼がもし能くそれが上頭に壓するの飛神を剋せば(賊は強くして蔵し住め得)、終究して人に隱匿せられて捉え得ず。飛神がもし能く伏する官鬼を剋し住むれば(賊を壓し得住め得)、あの賊はなお要するに我らの这边に擒拿せられん。
若伏空爻,借賃屋居非護賊;如藏世下,提防竊盜要留心。倘失舟車衣服,不宜妻位交重;或亡走獸飛禽,切忌父爻發動。
官鬼が空に落つるの爻の下に伏すれば、それは租借して来りて住むの屋子、房東は併せて賊を護するにあらず。官鬼が世爻の下に蔵せば、あの賊は則ち自己の身辺に在りて、格外に留心提防すべし。失する所の物が銭財の一類にあらざるに至っては、用神は則ち別に取るべし。丢するは舟船車輛衣服なれば(父母に属す)、則ち妻財爻の重々発動するを宜とせず(財は父母を剋す)。丢するは走獣飛禽なれば(子孫に属す)、則ち父母爻の発動するを切に忌む(父母は子孫を剋す)。
