病の形狀
用金終木傳流血,用木終土疤腫疽。用水終火寒熱瘡,火金尫瘦或瘡痍。土水淋漓並腹急,五行相剋逐情推(此皆用起及傳終)。本命上神依類辨,如逢子亥腎衰羸(水腎木肚土脾金肺,各分主之)。
發用と末傳の五行を以て相配して病形を定む。發用が金に屬して末傳が木に屬すれば、流血の症を主とす。發用が木に屬して末傳が土に屬すれば、瘡疤腫疽を主とす。發用が水に屬して末傳が火に屬すれば、寒熱瘡瘍を主とす。火と金が相配すれば、形體羸瘦あるいは瘡痍を生ずるを主とす。土と水が相配すれば、淋漓止まず兼ねて腹中急痛を主とす。總じて五行相克に依り、逐一實情に按って推求す(以上は皆發用の起處と末傳の終處に就いて言うなり)。さらに本命上の神に依って分類辨認す。たとえば子・亥の水に遇上えば、則ち腎氣衰弱羸瘦を主とす(水は腎を主とし、木は肚腹を主とし、土は脾を主とし、金は肺を主とし、各々主る所有り)。
支有氣憂頻嘔吐,干同虎類從淹遲(干與白虎比也)。元武體虛為水疾,天空下痢更何疑。金神乘白虎,必是肝經受病,可治肺而不可治肝。木神乘白虎,必是脾經受病,可治肝而不可治脾;水乘虎,心經痛病,可治腎不可治心;火神乘虎,肺經受病,治心不可治肺;土神乘虎,腎經受病,治脾不可治腎。已上五法,常為的確有驗。惟虎受克及空亡,不必治之。
日支に氣あれば、憂うるは頻頻に嘔吐するなり。日干と「白虎」が同類相比すれば、病勢は拖延纏綿す(日干と白虎の五行比和するを指す)。「元武」に見えれば體虛を主とし、水濕の疾に屬す。「天空」に見えれば則ち下痢を主とし、更に疑うべきなし。金神が白虎に乘れば、必ず肝經の受病なり。金が木を克するがゆえなり。治法は當に肺(金)より着手してしかも肝のみを治するべからず。木神が白虎に乘れば、必ず脾經の受病なり。當に肝を治してしかも脾を治するべからず。水神が白虎に乘れば、是れ心經の作痛なり。當に腎を治してしかも心を治するべからず。火神が白虎に乘れば、是れ肺經の受病なり。當に心を治してしかも肺を治するべからず。土神が白虎に乘れば、是れ腎經の受病なり。當に脾を治してしかも腎を治するべからず。以上の五法は向來確かに應驗あり。ただ白虎自身が克を受くるか空亡に落つる時は、此に依って施治するを須いず。
占病太乙螣蛇主頭,二神俱是火,炎上,旺則喘嗽,衰則赤目,口舌生瘡,頭痛。又主咽喉之疾。元武登明,俱是水,潤下,旺主腹腎之疾,衰則水逆上,主頭目眼疾,重則心疼也。天空臨戌,俱土罡亦然,旺則肺肝腰疼,衰則骨腿痛。
病を占う時の各神將の主とする病症。「太乙」(巳)と「螣蛇」は皆火に屬し、火性炎上す。旺なれば喘嗽し、衰なれば眼赤・口舌生瘡・頭痛し、また咽喉の病を主とす。「元武」と「登明」(亥)は皆水に屬し、水性潤下す。旺なれば腹疾腎疾を主とし、衰なれば水氣上逆して、頭目眼疾を主とし、重ければ還って心口作疼することを會す。「天空」が戌の上に臨むは、同じく土に屬し、「天罡」(辰)も亦一樣なり。旺なれば肺・肝と腰部の疼痛し、衰なれば骨節腿腳の疼痛す。
勾陳在天秤,旺則克水,多主噎塞之疔。白虎臨傳送,旺則血流之災,衰則皮膚瘡腫,筋骨傷折。青龍臨功曹,主肝明,旺則風疾,衰則損胃減食。太沖六合,胸膈疼。太陰從魁,主腸疼肺疾。天后在子,主男腎病。太常在未,酒食蟲疾,嘔逆氣滯。
「勾陳」は天秤(丑未の土位)に在り、旺なれば則ち水を克し、多く噎塞の疾を主とす。「白虎」が「傳送」(申)に臨めば、旺なれば則ち流血の災あり、衰なれば則ち皮膚瘡腫・筋骨折傷す。「青竜」が「功曹」(寅)に臨めば、肝膽の病を主とし、旺なれば則ち風疾を生じ、衰なれば則ち胃を損し食を減ず。「太衝」(卯)と「六合」は、胸膈疼痛を主とす。「太陰」と「從魁」(酉)は、腸痛肺疾を主とす。「天后」は子に在り、男子の腎病を主とす。「太常」は未に在り、酒食の傷・蟲疾および嘔逆氣滯を主とす。
占病專視日干之食神,尤妙。行年乘之,乃名運糧神,忌空也。又觀干之祿何神,不可落空亡及作閉口,或受克,如占久病,必絕食而餓死。外有冬蛇掩目卦亦然。假如辛未日酉加寅,乃祿坐絕鄉,又作閉口。又名無祿卦,問病必凶。
病を占うは專ら日干の「食神」を看、最も靈妙なり。行年が食神に乘れば、則ち「運糧神」と呼ばれ、最もそれが空亡に落つるを忌む。また日干の「祿神」がいずれに落つるかを看るを要す。祿神は空亡に落つるべからず、「閉口」の象と作るべからず、亦克を受くるべからず。もし久病を占ってこれらを犯せば、病人は必ず絕食して餓死す。另外「冬蛇掩目」課を占い得るも亦是一樣なり。たとえば辛未日に酉が寅の上に加わり、祿神は正に絕鄕に坐し、また閉口の象と成れば、これを「無祿卦」と呼び、病を問えば必ず凶なり。
天盤日之祿神,食作空亡,又坐克方,占病必絕食而亡。假如甲辰日寅加酉,夜又乘白虎,又返吟。乙巳日卯加申夜,又返吟;丁亥日午加亥夜;庚申日申加午晝;辛卯日酉加午夜;癸亥日子加未;又子加戌晝;亦謂之食神在禁方。又有祿神作閉口乘白虎者,假如乙未日卯加申,又返吟夜;其反吟卦乃剛干之祿受絕;丙戌戊子,巳為閉口;辛未日酉加戌夜;壬戌日亥為閉口祿。
天盤上の日干の祿神と食神がもし皆空亡に落ち、またそれを克する方位の上に坐せば、病を占って必ず絕食して亡ぶ。たとえば甲辰日に寅が酉の上に加わり、夜占また白虎に乘り、且つ返吟と成る。乙巳日に卯が申に加わり、夜占また返吟。丁亥日に午が亥に加わり、夜占。庚申日に申が午に加わり、晝占。辛卯日に酉が午に加わり、夜占。癸亥日に子が未に加わり、また子が戌に加わり、晝占。これらは皆「食神在禁方」と呼ばる。別に祿神が閉口と作り而してまた白虎に乘るあれば、たとえば乙未日に卯が申に加わり、夜占また返吟すれば、この返吟課は正に剛干の祿の絕を受くるなり。丙戌・戊子日は巳を以て閉口と爲す。辛未日は酉が戌に加わり、夜占。壬戌日は亥を以て閉口の祿と爲す。
外宜觀生氣死氣,尤驗。假如正月生氣在子,死氣在午,乃生氣剋死氣也。如在甲寅旬占之,乃生氣空亡,死氣實,占病可畏。如行年上神是亥水,尚可醫治。緣亥水能克午之死氣也。行年上神反生其死氣者,死如生氣與死氣不相剋者,占病雖無嫌,然難痊。如白虎乘日鬼作空亡,病必未瘥。
此の外還って「生氣」と「死氣」を看るべく、尤も應驗す。たとえば正月は生氣は子に在り、死氣は午に在り。正に生氣が死氣を克すなり。もし甲寅旬の中に來て占えば、生氣は空亡に落ちて死氣は坐實す。病を占えば畏るべし。この時行年上の神がもし亥水なれば、還って醫治し得る可し。なぜなら亥水は午上の死氣を克し得ればなり。倘若行年上の神が反って去りて死氣を生扶せば、病人は便ち死せんとす。もし生氣と死氣が彼此相克せざれば、病を占うに雖も大碍なきも、亦痊愈しがたし。もし白虎が日鬼に乘って空亡に落ちれば、病も亦一時好くなり得ず。
外有日干之墓乘白虎在六處者,如占病,必是積塊病,宜以破積藥治之。假如六乙日晝將順行,乃未乘白虎,內乙酉日未空亡無畏,或易療,非年深積爾。六辛日晝將順行,丑乘白虎,內辛酉日丑空亡,亦易治。外有六庚六辛日有白虎乘旬丁者,占病必重。以連疼痛之處,且如辛卯日亥加丑作中傳,晝占,乃亥乘白虎作旬丁神,必為頭疼,以致不救。
別に日干の墓神が白虎に乘って日干・日支・三傳・本命・行年のこの六處に落つるあれば、病を占って必ず積塊の症なり。應當に消積破塊の藥を用いて治すべし。たとえば六乙日に晝間將を順布し、未の上に白虎を乘せば、その中乙酉日は未が空亡に落ち、畏るるに足らず、あるいは醫治し易く、積年の痼疾にあらず。六辛日に晝間將を順布し、丑の上に白虎を乘せば、その中辛酉日は丑が空亡に落ち、亦治し易し。また六庚・六辛日にもし白虎が「旬丁」に乘れば、病を占って必ず重し。還って連帶して疼痛の部位を看るを要す。たとえば辛卯日に亥が丑に加わって中傳と作り、晝間來て占えば、亥上に白虎を乘せまた旬丁の神と作れば、必ず頭疼で、以て救い可ならざるに致る。
餘有丁虎乘類而言之。丑為脾疼,或腹疼;卯手疼,或目疼;戌足疼;巳齒疼,或咽喉疼;未胃疼,或積瘕;酉小腹疼;亥臨戌亥子丑寅卯為足,亥臨辰巳午未申為腎;餘逐類言之。如日鬼臨在六處,不乘白虎,但擬其鬼,亦為病症。假如火為鬼,便言肺病。水為鬼,便言心病。金為鬼,便言肝疾。土為鬼,便言腎病。木為鬼,是脾病。如鬼受克及空亡,不必療,亦愈。
その餘の旬丁と白虎の乘る地支は、各々類に按って推す。丑は脾疼あるいは腹疼を主とし、卯は手疼あるいは目疼を主とし、戌は足疼を主とし、巳は牙疼あるいは咽喉疼を主とし、未は胃疼あるいは腹中積塊を主とし、酉は小腹疼を主とす。亥が戌・亥・子・丑・寅・卯の上に臨めば足病を主とし、亥が辰・巳・午・未・申の上に臨めば腎病を主とす。その餘は此に照らして分類して說く。もし日鬼があの六處に臨んで白虎に乘らざれば、ただこの鬼の五行に按って推すのみ、亦病名を定出し得る。火が鬼と作れば則ち肺病と說し、水が鬼と作れば則ち心病と說し、金が鬼と作れば則ち肝病と說し、土が鬼と作れば則ち腎病と說し、木が鬼と作れば則ち脾病なり。もし鬼が克を受くるか空亡に落ちれば、醫治するを須いずとも自ずから愈ゆ。
如蒿矢卦,亦宜言有疼痛處。金加火上,主筋骨痛,惟庚日申酉加巳午尤的。速茹卦作日之財,占病必因傷食而得。如命年上神能制其財神,尚有醫療。卯加申,戌加卯,占病必手足不舉,或有傷。占病見太陰、六合、青龍,為殮日。
もし「蒿矢」課を占い得れば、亦當に疼痛の處あるを說すべし。金が火の上に加われば筋骨疼痛を主とし、尤も庚日に申・酉が巳・午の上に加わるを以て最も準なり。もし「速茹」課を占い得てそれが正に本日の財と作れば、病を占って必ず傷食に因る所致なり。もし本命・行年上の神がこの財神を制住し得れば、還って醫治の餘地あり。卯が申に加わり、戌が卯に加われば、病を占って必ず手足の擧擡し得ざるか、あるいは外傷あり。病を占って「太陰」「六合」「青竜」に見えれば、入殮の日を主とす。
外有六合加申臨卯,謂之尸入棺。緣申本身也,於三月之內,乃是死氣,身即尸也。且上有六合,下有卯木,是棺也。尸入棺,占病必死,尤宜詳其類神言之。或申加卯木乘六合,於九月占之,占病在床而未愈。緣申是生氣,卯為木、床。癸卯日占父母長上病,死尤急。緣父母爻入棺故也。已上皆三占,尤驗。
別に「六合」が申の上に加わって卯に臨むあり、これを「尸入棺」と呼ぶ。申は本來人身を代表し、三月の內に申は正に死氣なれば、身も亦尸と成る。上に六合あり(六合はすなわち棺板なり)、下に卯木あり(木は棺材を爲す)。ゆえに尸入棺と呼ぶ。病を占って必ず死す。還って當に細看して類神を以て斷ずべし。反って、もし申が卯木に加わって六合に乘り、九月に來て占えば、則ち病に臥して牀上に在り未だ痊愈せざるなり。なぜなら九月は申は生氣で、卯木は此に於いて牀を作ればなり。もし癸卯日に父母尊長の病を占えば、死するは尤も急なり。父母爻が棺に入るがゆえなり。以上は皆三處を合せて占看するを要し、特別に應驗す。
六合名六片板,外有申加巳,名白虎入喪車,發用為的。占病可畏。如庚日或申日為本命,返吟課占病必死,緣人入鬼門。又忌收魂神,乃戊日辰為元武是也。夜順旦逆有之,於十一月占之,緣辰為死氣,尤的。
「六合」はまた「六片板」と呼ばる。すなわち棺材の六塊の板なり。別に申が巳の上に加わるあり、「白虎入喪車」と呼ばれ、それを以て發用と爲すを以て最も準なり。病を占うに畏るべし。もし庚日、あるいは申を以て本命と爲す人が返吟課を占い得れば、病を占って必ず死す。人が鬼門に進むがゆえなり。また「收魂神」を忌む。すなわち戊日に辰上に元武に乘るのこの一格なり。夜占に順布し旦占に逆布する時に出現す。もし十一月に占えば、辰が正に死氣に當たるがゆえに、尤も準なり。
亦忌浴盆有水,浴盆殺,春辰順季位,其上忌乘亥子水。如天盤是浴盆,忌乘天后玄武,如占小兒病,死尤忌。緣亥為孩,子為子息。元武天后即亥子。巳午加亥子,寒熱患目,或剋日,主癆病。干支反吟,必主癜
亦「浴盆煞」上に水あるを忌む。浴盆煞は自ら春季の辰より起こり、四季に按って順行す。それの上は最も亥・子の水を乘るを忌む。もし天盤の落つるが浴盆煞なれば、則ちそれが「天后」「玄武」に乘るを忌む。小兒の病を占うに最もこの種の格局を忌み、死を主とす。なぜなら亥は孩子を代表し、子は子息を代表し、而して元武・天后は恰恰としてすなわち亥・子の二神なればなり。巳・午が亥・子の上に加われば、寒熱往來・眼目の患あるを主とす。もしさらに日干を克せば、勞病を主とす。日干日支が返吟と成れば、必ず癜疾を主とす。
餘有癸酉、癸丑、癸亥日,並支上未,作太常為用,夜將有之;壬戌、壬寅、知子日,並支上未,亦作太常為用,夜貴有之。以上六日例,因未為太常克干居於宅上,或為發用,如占病必因喜事,及飲宴,或往親戚家帶病而歸;或是大官占之,必因赴宴得病,餘占皆因前事而致不豫。
別に癸酉・癸丑・癸亥のこの三日あり、日支上は未にして「太常」の發用と作る。夜間將を布くる時に出現す。壬戌・壬寅・壬子(原文は「知子」と作る)のこの三日は、日支上は亦是れ未にして太常の發用と作る。夜貴人を用うる時に出現す。以上の六日の例は、皆未上に太常を乘り、日干を克して宅位に居るか、あるいは發用を充當するに因る。病を占って必ず喜慶の事に因り、飮宴に因り、あるいは親戚の家に到りて病を帶びて回るなり。もし大官が占い得れば、必ず宴に赴きて病を得たるなり。その餘の人の占うるも、皆前面のこれらの事情に因って身體不適なり。
內有壬子、癸丑二日,帶旬丁在,必往妻家得病,極驗,惟宜占人年命上有卯木為救。如乘寅木,必有神擬,尤宜命法官治之,倘稍緩,寅木反被未墓,難救矣。外有白虎乘病符克干,尤可畏。或年命上乘血支、血忌者,必是血症,或女命占病,又帶月厭,作血支血發明獎,必病血崩,或墮胎,甚驗。
その中壬子・癸丑の兩日はもし「旬丁」を帶びれば、必ず妻子の娘家に到りて得たる病なり。極めて應驗す。ただ占者の行年本命上に卯木あってのみ解救し得る。もし乘るが寅木なれば、必ず邪神の作祟あり。最も好きは法師を請して禳治せしむるなり。稍も遷延すれば、寅木は反って未土の墓に收め去られ、就きて救いがたし。此の外、白虎が「病符」に乘って來て日干を克すれば、尤も畏るべし。もし行年本命上に「血支」「血忌」を乘せれば、必ず血症なり。もし女命が病を占い、また「月厭」を帶びて血支血忌と作れば、必ず血崩あるいは墮胎を患う。非常に應驗す。
醫藥を覓む
日辰月建同前之,此是天醫對地醫。今日支神同克虎,當知減退必無疑。醫神木土宜丸藥,水即須湯火灸之。金為針砭看其類,勿用魁罡下喚師。
日干日支と月建の配法は前に同じ。これはすなわち「天醫」が「地醫」に對すなり。當日日支の神がそれと一同に去りて「白虎」を克せば、病勢は必ず減退し、疑うべきなし。醫神が木に屬し土に屬するは丸藥を服するに宜し。水に屬するは湯藥を用いるを須う。火に屬するは艾灸を用うるに宜し。金に屬するは則ち鍼砭を用いよ。各々その類に按って取用せよ。切に「河魁」「天罡」の落つる處に到りて醫生を請うべからず。
制鬼之位是良醫。巳午作虎鬼,不宜灸;申酉作虎鬼,不宜針。假令乙丑日酉加干,乃日之鬼,卻賴支上有午火克其酉金。此午火便是良醫,或是本家親人能醫,或得家堂神位保護。其餘可逐類而言之。
病鬼を制服し得る那一位は、すなわち良醫なり。巳・午が白虎の鬼と作る時は灸を用うるに宜しからず。申・酉が白虎の鬼と作る時は鍼を用うるに宜しからず。たとえば乙丑日に酉が日干の上に加われば、酉金は正に乙木の鬼なり。幸いに日支上に午火ありてこの酉金を克し得れば、この午火は便ち良醫なり。亦可能本家の親人が治し得るか、あるいは家堂神位が暗中に保佑するなり。その餘は皆類に照らして推說し得る。
又假令甲戌日干上酉,雖日鬼,標是空亡,不足畏。兼支上巳火坐於墓上,亦不能為救,似此一例求醫,其醫言病甚明,其如庸醫,不能治療。其餘救神,不在支上,而臨三傳及年命,亦可為救。且如制鬼之神加亥子,宜服湯藥;加寅卯,並四土,上宜服丸藥;加巳午上,宜灸;加申酉上宜針砭。
さらにたとえば甲戌日に日干上は酉なり。雖も日鬼を爲すも、卻正好空亡に落ち、畏るるに足らず。加うるに日支上の巳火は墓の上に坐して、亦救護の力を起こし得ず。この一類の課の如く去りて醫を求めれば、醫生は病情を說き得て甚だ明白なれど、無奈何只だ是れ庸醫で、治し好くなし。その餘の救神はたとえ日支上に在らずとも、而して三傳あるいは行年本命の上に臨めば、一樣に救と爲し得る。さらに制鬼の神が亥・子の上に加われば、湯藥を服するに宜し。寅・卯および辰戌丑未の四土の上に加われば、丸藥を服するに宜し。巳・午の上に加われば、灸を用うるに宜し。申・酉の上に加われば、鍼砭を用うるに宜し。
醫神所生為瘥期,所克為凶期,乃天地醫也。天醫作虎鬼,不宜醫。攻治庸良審二醫,男以辰加行年,於天上功曹下尋醫;女以日加行年,於天上傳送下尋醫。須於所值之處視其神將,吉者方可用之。
醫神の生ずるその日は病愈の期なり。醫神の克するその日は凶險の期なり。これはすなわち天醫と地醫の用法なり。もし「天醫」が反って白虎の鬼と化せば、則ち醫を求むるに宜しからず。醫生の高明と庸劣を審察するを要す。男子は日支を行年の上に加え、天盤の「功曹」(寅)の下に去りて醫生を找求す。女子は日干を行年の上に加え、天盤の「傳送」(申)の下に去りて醫生を找求す。皆その值する處の神將を看るを要し、吉なるを以て纔に延請し得るなり。
天醫日,正月卯二亥三丑四未五巳,經此五神挨月臨之。訣曰:天醫正卯二豬臨,三月隨牛四未尋,五巳六卯七成亥,八牛九羊十巳真,十一卯再來尋卯,十二亥上作醫人。
「天醫」日の定法。正月は卯に在り、二月は亥に在り、三月は丑に在り、四月は未に在り、五月は巳に在り。この五個の地支は月に按って輪轉す。口訣に曰く、天醫正月は卯に在り、二月は亥(猪)に在り、三月は丑(牛)に随い、四月は未に在り、五月は巳に在り、六月はまた卯に回り、七月は亥に在り、八月は丑に在り、九月は未(羊)に在り、十月は巳に在り、十一月は再び卯に回り、十二月は則ち亥の上に去りて醫人を尋ねよ、と。
何の鬼の殃なりやを看る
傳中有虎傷本日,看是何神作禍殃。木主絞刑修造祟,金為傷鬼佛神堂。火併五道城隍灶,水則河神測北方。土犯宅神須祭祀,螣蛇朱雀道中亡。虎為兵役勾陳吏,天后女姑為怪詳。貴人神廟並先祖,親化只緣因太常。
三傳中に「白虎」ありて本日を傷克せば、則ち何の神が作祟するかを看るを要す。木は自縊絞死の鬼と動土修造の犯す祟を主とす。金は刀兵傷亡の鬼と佛寺神堂を主とす。火は五道神・城隍と竈神を主とす。水は則ち河神で、北方に應ず。土は宅神を冲犯し、祭祀するを須う。「螣蛇」「朱雀」に見えれば、道路上に死したる亡魂なり。「白虎」に見えれば、兵役陣亡の鬼なり。「勾陳」に見えれば、胥吏の鬼なり。「天后」に見えれば、女性尊長の作怪なり。「貴人」に見えれば、神廟の神と先祖なり。もし已故の至親の顯化なれば、あれは皆「太常」の緣故なり。
傳中逢見鬼長生(己巳用木,傳是金是),婆神五道祟分明。沐浴河官水神禍,凶帶宜修功德神。臨官論訟因留願,帝旺家先土地並。衰為木下山林鬼,病即須酬小墓靈。死墓先亡公伯禍,絕為流浪客傷冤。胎因產死養神廟,此法推詳課復精。
三傳中に鬼爻の「長生」に遇上えば(たとえば己巳日に木を以て鬼と爲し、三傳中に金が長生と作るの類なり)、是れ婆神と五道の神の作祟なり。明白疑いなし。鬼爻が「沐浴」に落つれば、是れ河官水神の禍なり。凶を帶びるは功德を修めて以て禳解するに宜し。「臨官」に落つれば、官司口舌あり、是れ許願未だ還らざるに因る。「帝旺」に落つれば、家先と土地神が一同に作祟す。「衰」に落つれば、樹下山林の鬼なり。「病」に落つれば、小墓中の神靈に酬還するを得るを須う。「死」「墓」に落つれば、先亡の伯叔公輩の禍を作るなり。「絕」に落つれば、流浪客死の冤魂なり。「胎」に落つれば、難産に因って死したるなり。「養」に落つれば、則ち神廟に應ず。この法に照らして推詳せば、課を占うに就更に精細なり。
瘥期を辨ず
醫療如何是瘥期,行年之上有何神。天乙所居乘旺相,傷干鬼虎不成迍。假令白虎傷其日,天乙宜臨日與辰。虎落空亡或有德,與日相生不損人。干日作期為退限,還如戊己瘥庚辛。
醫治の後に何時に痊愈せん。行年の上は何の神なるかを看るを要す。「天乙貴人」の居する處がもし旺相の氣に乘れば、たとえ日干を傷克する鬼神と白虎あるも、災を成すこと能わず。たとえば白虎が日干を傷克せば、則ち天乙貴人の日干・日支の上に臨到して解救するを要す。白虎がもし空亡に落つるか、あるいは徳神を帶び、また日干と相生せば、人を傷害するを會せず。日干を用いて痊愈の期限を定む。たとえば戊・己日に病を得れば、則ち庚・辛日に病を退き痊愈す。
盜賊を占う
占盜先尋玄武臨,所臨之地賊潛身。剋日之鬼乘玄武,此賊強梁盜劫真。如臨旺相強人眾,若遇休囚少許人,陽星照武宜擒盜,勾陳當道賊寒心。更得福神臨發用,賊縱飛騰難駕云,倘乘生合防窩頓,若值刑沖必露形。
盜賊を占うはまず「玄武」がいずれの處に臨むかを找尋す。それの臨む地は便ち賊の藏身の所なり。もし日干を克する鬼神が正に玄武に乘れば、この賊は便ち真の强梁劫盜なり。玄武が旺相の地に臨めば、賊衆人多しを主とす。休囚に落ちれば、人は多からず。太陽(月將)が玄武に照到せば、賊を擒するに宜し。「勾陳」が道に當たり攔截すれば、賊子は膽寒す。さらに福神の發用に臨むを得れば、賊はたとえ身手飛騰するも、雲を駕して逃走し得ず。倘若玄武が相生相合の神に乘れば、人の窩藏銷贓あるを防ぐを要す。もし刑冲に逢えば、賊は必ず形迹を露出す。
或作空亡逢救解,知是偷兒未必真。吉曜並臨多庇護,陰神沖剋定遭擒。天馬加臨賊逃遁,武乘死氣喪殘生。要知何日能擒獲,須待狼星(即盜星)疾入墓辰(乃玄武墓絕之日也)。
玄武がもし空亡に落ちまた救解に遇えば、この偷兒は未だ必ずしも真の賊ならざるを知るべし。吉星が併臨すれば、賊は多く人の庇護あり。陰神が來てこれを冲克せば、賊は一定に擒せらる。「天馬」が加臨すれば、賊は已に逃遁遠走せり。玄武が「死氣」に乘れば、賊は命を喪うを要す。いずれの日に捉住し得るかを知らんには、須らく「狼星」(すなわち盜星)の快快に墓に入る時を待つべし(すなわち玄武が墓絕するその日なり)。
更占所盜財和物,須看財神不落空。若坐三傳或發用,定教原物返囊中。物取類神無克害,旺相生扶捕獻功。金銀財寶憑傳送,衣資綢緞太常同。經書文具推朱雀,玩器舟車視太沖。要知贓物追還數,賊人夥伴分後先(贓物占盜秋仍分先後)。
さらに盜まれたる錢財物件を占うに、須らく財神が空亡に落ちざるを看るべし。財神がもし三傳の中に坐するか正に發用に當たれば、原物は一定に囊中に回る。占う所の物はその類神を取る。ただ克害を受けず、また旺相生扶に逢えば、便ち賊を捕え贓を追って功を立て得る。金銀財寶は「傳送」(申)を看、衣料綢緞は「太常」を看、經書文具は「朱雀」を推し、玩器舟車は「太衝」(卯)を看る。いくらの贓物を追回し得、賊黨は共に幾人なるかを知らんには、先後を分かちて推するに就く(贓物と盜賊は皆仍お先後を分かちて以て定む)。
地盤但有元武立,上下相乘總若干(子午九,丑未八之類。上下相乘,即知裡數)。復視亡神天目星,賊立其下莫教驚。亡神旬內居其乙,還如甲戌在登明(甲子旬在乙丑下,甲戌旬在乙亥下,餘仿此)。
地盤上およそ「元武」の立つ處あれば、便ち上下二神の配する數を相乘す(子・午は九を配し、丑・未は八を配し、此に類推す。上下相乘して得る所は、すなわち里數なり)。さらに「亡神」と「天目星」を看れば、賊は便ちそれらの底下に立つ。驚疑するに及ばず。亡神は本旬の內に「乙」位に居る。たとえば甲戌旬は則ち登明(亥)に落つ(甲子旬は乙丑の下に在り、甲戌旬は乙亥の下に在り、その餘は此に照らして類推す)。
天目春氐夏居柳,秋奎冬女下藏形(天目所為盜賊之處)。干若來傷支上將,莫問偷人何處停。支上陰神傷日下(第四課剋日上之神),尋完追搜保實成。太陰龍合來加日(此三傳加日辰,難捉),捕捉應言登遠程。
「天目星」は春天は氐宿に在り、夏天は柳宿に在り、秋天は奎宿に在り、冬天は女宿に在り。賊は便ちそれの下に藏る(天目の指す所は正に盜賊の所在の處なり)。日干がもし來て日支上の天將を傷克せば、則ち賊が何處に停まるかを問うを須いず。日支上の陰神が日干を傷克すれば(すなわち第四課が日干上の神を克するなり)、追搜して下れば必ず査實し得る。もし「太陰」「青竜」「六合」が來て日干に加臨せば(この三將が日干日支の上に加わるを指す)、賊は捉えがたし。追捕に往けば只だ很遠の路を跑るを怕れるのみ。
三九元武見螣蛇,即是囚徒喪禍家。十二支神皆有例,以例推之無有差(見朱雀在吏家,見六合在貴人婦女親戚家,見勾陳在將家,見元武吏家,見太常長者家及鄰家,見青龍在長者或寺觀,見天后主婦女貴人家,見貴人太常在出入宮禁、權將家,見白虎在喪家、寡婦家,見天空在奴婢人家)。旺相相生永不得,休囚欲走被人拿。
三月・九月に玄武上に「螣蛇」に見えれば、賊は便ち囚徒あるいは喪禍ある人家に藏る。十二支神は各々成例あり、例に照らして推して去れば差あるを會せず(「朱雀」に見えば胥吏の家、「六合」に見えば貴人・婦女・親戚の家、「勾陳」に見えば武將の家、「元武」に見えば吏人の家、「太常」に見えば長者の家及び鄰家、「青竜」に見えば長者の家あるいは寺觀、「天后」に見えば婦女・貴人の家、「貴人」「太常」に見えば宮禁を出入する權貴將帥の家、「白虎」に見えば喪家・寡婦の家、「天空」に見えば奴婢の人家)。玄武が旺相でまた日と相生せば、贓物は永遠に追い回ること能わず。玄武が休囚に落ちれば、賊は逃走せんと思うて反って人に拿住せらる。
何人行盜なりやを占う
此人在處好非求,而我亡財疑爾偷。且將太乙加季上,其次便看生月頭。虛星立子為真盜,參宿加臨莫陷尤。用神到此亦云是,無此何須結怨仇?欲知失物何人取,陽是男人陰是女。克之與少看日辰,旺相休囚相類舉(元武有氣,少;無氣,老)。其物貴賤若何知,此則專心尋武時。吉神並者豪家子,凶神臨者是貧兒。
この人は平日に就きて是非を惹くを好み、如今我は財物を丟失し、便ち是れ你の偷したるを疑心す。占法は「太乙」(巳)を四季の支の上に加え、其次に本人生月の所在を看る。「虛宿」が子位に立つは、纔に真賊なり。「參宿」が加臨すれば、則ち好人を冤枉する勿れ。發用の神も亦ここに落ちて、纔に彼と說し得るなり。これらの徵驗なければ、何ぞ人と仇怨を結ばん。失物は何人の拿したるかを知らんには、陽に屬すれば男人、陰に屬すれば女人なり。長幼に至っては、則ち日干日支の克應および旺相休囚を看て分類し推擧す(元武に氣あれば年少を主とし、氣なければ年老を主とす)。この人の身份貴賤を知らんには、專心して玄武の臨む處を尋ねればよい。吉神と同臨するは豪門の子弟、凶神に臨まるるは貧寒の人なり。
同居人の竊するか否かを占う
一家之內十人居,一人失物九人籲。未知失者豈無準,欲占先以將加時。若有人年元武下,此人行盜定無疑。太陽照武宜擒賊。玄武坐於太陽月將之上,占賊必敗。緣賊人喜夜,可以隱形,豈宜被太陽之光照耀?以致賊形現露。惟畏占時在夜,賊反隱也。尤宜逐季推尋日出日入之時,尤誰。
一家の內に十口人住み居り、一人が物を失えば、九人皆疑心せらる。究竟誰なるかを斷定するに、難道準則なからんや。占法は先用月將加時を以て盤を起こす。誰の行年が「元武」の下に落つるか、此人の竊を行うは則ち疑いなし。いわゆる「太陽照武」は賊を擒するに宜し。玄武が太陽月將の上に坐すれば、賊を占って必ず敗露す。なぜなら賊人は黑夜を喜び、藏身隱形を好む。怎麼經得住太陽の光の照耀をや。一照すれば便ち形迹を現出す。唯だ占う時辰が正に夜裏なるを怕る。あの賊は反って藏れ得るなり。還って四季に按って日出日入の時刻を推算し、纔に更に準確なり。
假如壬申日寅將申時,乃返吟卦,且支上乘寅木,乃是日之盜氣。上乘元武,必是家中人作盜,後必敗露,因月將照破元武也。又假令辛亥日亥將戌時,干上亥是日之賊神,又乘玄武,初傳又是日之墓神,中末寅卯為日財,又是勾蛇,雖是太陽照武,戌時太陽己歸地下,其賊難獲,此例極多,餘仿此。
たとえば壬申日寅將申時は、是れ返吟課で、日支上に寅木を乘せ、正に本日の盜氣で、上にまた元武を乘せば、必ず家裏人の賊を爲すなり。後來一定に敗露す。なぜなら月將(太陽)が元武を照破するがゆえなり。またたとえば辛亥日亥將戌時は、日干上の亥は本日の賊神で、また玄武に乘り、初傳は還って本日の墓神で、中傳末傳の寅・卯は本日の財爻で、また「勾陳」「螣蛇」に乘る。雖も亦算して太陽照武なりとすも、戌時は太陽已に地下に落到せり。この賊は則ち捉えがたし。この類の例子は極めて多し。その餘は此に照らして類推せよ。
又有元武雖不臨太陽之上,如加於卯辰巳午未申天盤上者,尚可捕捉;或元武臨天馬六丁,更臨酉戌亥子丑寅之上,其賊終不敗露。或陽年日辰上有日鬼在,尤賊人之類。如鬼之本家上乘太陽者,占盜立獲。
また元武ありて雖も太陽の上に臨まざれども、もし天盤の卯・辰・巳・午・未・申のこの幾位の上に加われば、仍舊捉え得る。もし元武が「天馬」あるいは「旬丁」に臨み、また酉・戌・亥・子・丑・寅の上に臨めば、この賊は終究敗露せず。もし陽年に在りて、日干日支上に日鬼あれば、あれも亦是れ賊人の一類なり。もしこの鬼の本家の位上に太陽月將を乘せば、盜を占って立刻に抓到し得る。
如占失財,其財坐長生之上者,財終不致失。或所失物類,其物坐長生之上,亦不失。又如戊寅日辰將申時,上乘元武,乃名太陽照武。又乙未日酉將申時在初傳,乙巳在末傳,六己日並酉將申時;又六己日卯將申時,六癸日寅將申時,六乙日酉將申時,乃臨年者也。
もし財を失うを占えば、財爻が長生の上に坐せば、財は終究丟失せず。あるいは失う所の物の類神が長生の上に坐すれば、亦丟せず。またたとえば戊寅日辰將申時に上に元武を乘せば、これを「太陽照武」と呼ぶ。また乙未日酉將申時は、元武は初傳に落つ。乙巳日は則ち末傳に落つ。六己日も亦是れ酉將申時なり。另外六己日卯將申時・六癸日寅將申時・六乙日酉將申時。これらは皆行年上に臨むの例子なり。
外有天網四張卦,占賊必獲,用起並時,用剋日干是也。臨破網卦,占賊難獲,有神克其初用者是也。外有用神作賊者例,因元武所臨之神,有神作六合者是也。假令元武加子臨丑,子與丑合,為兩人也。
別に「天網四張」課あり、賊を占って必ず獲す。すなわち發用と占時が相併し、發用がまた日干を克する格局なり。もし「破網」課に臨めば、賊を占って則ち獲がたし。あれは神ありて初傳發用を克制する格局なり。別に發用の神を以て賊を斷ずるの例子あり。元武の臨む神を看、もし別に神ありてそれと六合を作れば、あれはすなわち同伙なり。たとえば元武が子に加わって丑の上に臨めば、子と丑は相合し、すなわち兩個人なり。
外有捉賊不如趕賊者例。假如甲日占,以申為賊,不可便以丙火去克,雖去其鬼賊,亦竊其甲干,猶有所費。不如以壬水竊其申金,反生其甲干之木矣。又游都之下,捉賊必獲。甲己日用丑,乙庚日子,丙辛日寅,丁壬日巳,戊癸日加申。元武加丁主失脫。
別に「捉賊不如趕賊」の例子あり。たとえば甲日に占い、申金を以て賊と爲せば、不可則ち丙火を用いて去りてこれを克せん。雖もこの鬼賊を除掉するも、丙火も亦甲木を泄耗し、自己は還って破費ある所なり。壬水を用いて申金を泄脫するに如かず、反って還って甲木を生扶し得る。また「游都」の下に賊を捉えれば必ず獲す。甲・己日は丑を用い、乙・庚日は子を用い、丙・辛日は寅を用い、丁・壬日は巳を用い、戊・癸日は申に加わる。元武がもし「旬丁」の上に加われば、失脫破財を主とす。
行人を占う
思望行人久不歸,須憑類神以推之。類神,如占奴視天空、河魁;占婢視太陰、從魁;占僧視傳送、太沖;占道視功曹、青龍;占婦女視二后;占六親視我生、生我、克我、我克之類。
遠行する人を盼望して久久歸らざれば、須らく「類神」を憑って推算すべし。いわゆる類神。奴仆を占うは「天空」と「河魁」(戌)を看、婢女を占うは「太陰」と「從魁」(酉)を看、僧人を占うは「傳送」(申)と「太衝」(卯)を看、道士を占うは「功曹」(寅)と「青竜」を看、婦女を占うは「天后」「神后」の二后を看、六親を占うは則ち我生・生我・克我・我克のこの一類の關係を看るなり。
日月二門為發限,陰陽二至算來期。類神臨二至上立到(子午為二至也)。東並南起酉為速,西將北轉卯非遲。假令行者身居戌,天魁臨亥綻裝衣。何名斗道應相念,轉在東方寅卯維。午上功曹申相見,大吉當午巳合歸。
日門・月門を以て起程の限と爲し、陰至・陽至を以て歸來の期を推算す。類神が一たび二至の位に臨到せば、人は立刻に到る(子・午はすなわち二至なり)。行人が東方・南方に在るは、酉位に起きるを以て快と爲す。西方・北方に在るは、卯位に轉じても亦遲と算せず。たとえば行人本身が戌に屬し、天盤河魁(戌)が亥上に臨到せば、彼は便ち行裝を打點しつつあり。何を「斗道相應」と呼ぶ。すなわち東方の寅・卯の維に轉ずるなり。午上に「功曹」(寅)が見えて申と相見るか、あるいは「大吉」(丑)が午に當たり巳位と相合すれば、皆回るべきを主とす。
假令占奴僕視天魁,若魁加亥,其人必動,有歸意。如加寅卯,其人已在路臨限,午上為至期。戌若加寅午上,是功曹,其人甲乙寅卯日到。戌若加卯午上,是大吉,其人戊己日歸。戌若加午,其人當今日回,乃日臨限至。
たとえば奴仆を占えば、則ち河魁(戌)を看る。河魁が亥上に加われば、此人は必ず已に起身し、歸意あり。寅・卯上に加われば、人は已に路上に在り期限に臨近し、午位に到ればすなわち家に到るの期なり。戌がもし寅に加わり午上が「功曹」(寅)なれば、此人は甲・乙日あるいは寅・卯日に到る。戌がもし卯に加わり午上が「大吉」(丑)なれば、此人は戊・己日に回る。戌がもし直接午上に加われば、此人は當日に便ち回る。これは日辰が恰に限至の位に臨むなり。
又取用神三合至,子午干上相配之。應來必至日前立,前四上神看是誰。若所占類神並不臨限至,難定歸期。卻取用神三合,子午二至上,看有無決之。假令占文書,看朱雀乘寅加戌卦,乃寅午戌之臨午上,用神朱雀,寅與戌合,為三合臨至,當戊己日到也。若類神不臨限至,又不臨三合,歸期亦難定。卻看支前四位。假令正月甲子日占得卯時課,登明臨卯,乃支前四課神,其人在路。功曹加午在至,當甲乙寅卯日歸也,餘仿此。
又可以發用の神の三合を取って以て到期を定め、子・午の二至と日干を用いて相配す。歸來に應ぜんには、必ず先に「日前」の位に立つを要し、則ち日支の往前第四位上は何の神なるかを看ればよい。もし占う所の類神が並びて限至の位に臨まざれば、歸期は則ち定めがたし。あれは則ち發用の神の三合を取り、それが子・午二至の上に落處あるか無きかを看て以て決斷す。たとえば文書を占えば、「朱雀」が寅に乘って戌上に加わるのこの一課を看る。寅・午・戌は三合にして午上に臨み、用神は正に朱雀で、寅と戌は相合し、是れ三合臨至で、當に戊・己日に到るべし。もし類神が既に限至に臨まず、また三合に臨まざれば、歸期は還って定めがたし。則ち日支の往前第四位を看ればよい。たとえば正月甲子日に卯時課を占い得て、「登明」(亥)が卯上に臨めば、正に日支前の第四位の神なり。此人は已に路上に在り。さらに「功曹」(寅)が午上に加わって二至の位に當たれば、當に甲・乙日あるいは寅・卯日に歸來すべし。その餘は此に照らして類推せよ。
或不知方千里外,即視行年限度推。占人遠在千里,即看其人行年臨處。若臨卯酉限度,其人在路。若臨子午二至之上,其人即到門也。
もし人が何方に在るかを知らず、千里の外に遠ければ、則ち彼の行年の臨む限度を看て以て推す。人の千里の外に遠きを占うは、則ち彼の行年がいずれの處に臨むかを看る。卯・酉の限度の上に臨めば、人は還って路上に在り。子・午の二至の上に臨めば、人は便ち門に到らんとす。
又辨其人詳物色,神將為名皆可知。太常衣服糧兼父,六合媒人孫與兒。青龍朋友銀夫婿,天后神后是妻姬(天后妻,神后姬)。太乙太陰兄弟位,勾陳兵吏申毛皮。天空酉戌雞奴婢,白虎病人喪柩悲。元武陰私奸盜者,朱禽官吏辨徵追。
還って天將の名より行人の帶する物色・遇う所の人を辨明し得る。「太常」は衣服・糧食を主とし、兼ねて父輩を主とす。「六合」は媒人と子孫兒女を主とす。「青竜」は朋友・銀錢と夫婿を主とす。「天后」「神后」は妻妾を主とす(天后は妻、神后は妾)。「太乙」「太陰」は兄弟を主とす。「勾陳」は兵卒吏役を主とし、申位はまた毛皮を主とす。「天空」と酉・戌は鷄と奴婢を主とす。「白虎」は病人と喪柩の悲を主とす。「元武」は陰私奸盜の人を主とす。「朱雀」は則ち官吏と征討追捕の事を主とす。
功曹狸豹兼羽士,傳送刀兵僧與醫。太沖驢兔船車木,勝光獐鹿馬兼麋。小吉雁鷹羊酒等,登明書易豕熊羆。此類悉皆求限至,課中逢類到無疑。
「功曹」(寅)は狸・豹と道士を主とし、「傳送」(申)は刀兵・僧人と醫生を主とし、「太衝」(卯)は驢・兔・船車と木器を主とし、「勝光」(午)は獐・鹿・馬と麋を主とし、「小吉」(未)は雁・鷹・羊と酒食を主とし、「登明」(亥)は書籍・卜筮と猪・熊・羆を主とす。これらの類神は皆それが限至の位に到るか到らざるかを看るを要す。課中に類神の臨至に遇上えば、人は一定に到るなり。
