壬機法語 終
五要権衡篇 巻之十四
中式,理人事也。要分彼此、體用、內外、出入、主客、尊卑,明天時、地利、內外、喜忌、虛實、聚散,知進退、動靜、始終、遲速、存亡、勝負,識幽明、人物、器物、食物、情狀、男女、貴賤、親疏、老幼、新舊、多寡,定方向、遠近、前後、左右、高下,總三十類,而天地人三才之衢備矣。
式法の中に合するは、人間の事務を料理するを為とす。彼此・体用・内外・出入・主客・尊卑を分清するを要し、天時・地利・内外・喜忌・虚実・聚散を明白にするを要し、進退・動靜・始終・遲速・存亡・勝負を知道するを要し、幽明・人物・器物・食物・情状・男女・貴賤・親疏・老幼・新舊・多寡を辨識するを要し、さらに方向・遠近・前後・左右・高下を判定するを要す。総じて三十類——天・地・人の三才の通衢大道もまた斉備す。
彼此
日為己身,為我,為占人;三傳為他,為人,為事情。地下曰體,天上曰用,皆是我也。餘皆為彼。
日干は自己本身を代表し、是れ「我」——前来りて占問する人なり。三伝は対方を代表し、是れ别人——占うところの那の件事なり。地盤の下に在るを「体」と曰い、天盤の上に在るを「用」と曰う——此の両者は皆我の此の一辺に属す。此を除く以外のは皆「彼」と算す。
内外
日為外,日陰亦為外;辰為內,辰陰亦為內。外自外傳,內自內傳,外則出,內則入,斯明白矣。
日干は外に属し、日干の陰神もまた外に属す。日支は内に属し、日支の陰神もまた内に属す。外に属するは自ら外伝を結し、内に属するは自ら内伝を結す。外に属するは出で去るを主とし、内に属するは進み来るを主とす——此のごとくすれば出入内外すなわち分明なり。
客主
我去見人,以干為我,以支為他,他為主,我為客也。干謁,他來見我,以干為他,以支為我,他為客,我為主也。
我が去りて别人を見るは、則ち日干を以て我を代表し・日支を以て対方を代表す。対方の自己の家中に在るは主、我は客なり。若し是れ别人の前来りて干謁求見するは、則ち日干を以て対方を代表し・日支を以て我を代表す。対方は客、我始めて主なり。
尊卑
日尊辰卑,干加支尊就卑也。干受支克曰亂首,自取之也。克支曰殘下,有就財之義。同類曰培本,下生上曰偃蹇,洩耗虛甚。干受支生曰俯就,初歷艱難,終受逸樂。支加干,卑見尊也。支克干曰上門亂首,下犯上也。支來生干曰自在,坐享也。干生支曰求受,反竭我力。同類曰壯基。干克支曰就財物,猶贅婿也。
日干は尊と為り、日支は卑と為る。日干が日支の上に加到するは、是れ尊者の卑者に屈就するなり。此の時日干反って日支に剋せらるるを「亂首」と曰い——是れ自己の招き来るところ。日干が去りて日支を剋するを「殘下」と曰い——人に就きて財を取るの義を含有す。両者同類にして比和するを「培本」と曰う。日干が気を泄して去りて日支を生ずるを(原文「下生上」と作る、文義に依りて当に干の支を生ずるを指すべし)「偃蹇」と曰い——泄耗太だ過ぎて空虚なり。日干反って日支の生ずるところを受くるを「俯就」と曰い——起初艱難を経歴して、終究に安逸を得享す。反って、日支が日干の上に加到するは、是れ卑者の去りて尊者を見るなり:日支が日干を剋するを「上門亂首」と曰い——是れ下を以て上に犯す。日支の来りて日干を生ずるを「自在」と曰い——是れ坐りてその成を享る。日干が去りて日支を生ずるを「求受」と曰い——反って我の気力を耗竭す。両者同類なるを「壯基」と曰う。日干が日支を剋するを「就財物」と曰い——入贅の女婿の人家の産業に就きて活を過ぐるに譬えん。
天時
四時之氣也,得時者旺,將來者相,過去者休,氣克者死,克氣者囚。五行惟土旺於四季各十八日,吉凶方來過去之期,在天時也。
天時すなわち四季の気:令に当たり時を得るを「旺」と曰い、将に令に当たらんとするを「相」と曰い、已に過去せるを「休」と曰い、当令の気に剋せらるるを「死」と曰い、反って去りて当令の気を剋するを「囚」と曰う。五行の中ただ土の辰戌丑未の四季の月に旺するのみ、每月各々旺を寄すること十八天。吉凶究竟將に到来せんとするかあるいは已に過去せるかは、皆天時上に於いて取決するを要す。
地利
天干之神,所臨地方,不臨空,不受克而得照得黨,是地利也。內外戰,將克神,神克將,將克方為外戰;方克神,神克將為內戰。
日干の化する所の神が地盤の某一の方位上に落ち、ただ空亡に落ちず・剋傷せられず、また能く照応を得・同黨の相助を得れば、此を地利を得ると曰う。内戦外戦の別に至りては:天将が乗ずるところの神を剋し・乗ずるところの神が天将を剋し・天将が地盤の方を剋する、此の幾種を「外戦」と曰う。地盤の方の来りて神を剋し・神また去りて将を剋する、此の種を「内戦」と曰う。
喜忌
喜者印、財、祿、德、官、救也,忌者鬼、劫、竊、梟也。又有馬、墓、刑、沖、克、害、合,又有空、陷、旺、相、死、休、囚,共二十四家緊要字眼。印能化鬼,能助我。財能生官,助鬼傷印。祿旺我,能奪財,仕人喜。德剛日用祿,柔日用官。
喜ぶところは印綬・財爻・禄神・日徳・官星・救神。忌むところは官鬼・劫財・盗窃の神・梟神。此の外なお駅馬・墓庫・刑・衝・剋・害・合、および空・陷・旺・相・死・休・囚有りて、合せて共に二十四個の緊要の字眼なり。印綬は能く官鬼を化解し、また能く我を幇扶す。財爻は能く官星を生じ、鬼気を助長して反って印綬を傷る。禄神は我をして強旺ならしめ、また能く財爻を奪去す——官を做す人は最もそれを喜ぶ。日徳は剛日に於いては禄神を取り、柔日に於いては官星を取る。
官能合食生印,助梟,常人畏之。救,即子,能御鬼,無鬼為竊。鬼,病訟皆畏見。劫比,皆奪財克妻。合,畏合煞來傷。竊,宜散,慮成脫。梟,式中只作印看,子平忌之。馬,主動,生我恩動,我克財物,克我官動鬼動,同類爭財。
官星は能く食神を合住し・能く印綬を生じ、また梟神を助長す——尋常の百姓は最もそれを怕る。救神すなわち子孫爻——能く官鬼を抵禦す。課中若しもとより官鬼無ければ、それ反って盗泄の神と成る。官鬼は、病を占い訟を占うに皆見るを怕る。劫財と比肩とは、皆財を奪い妻を剋す。六合は、最も合して来るの凶殺を怕れ、反ってその傷を受く。盗泄の神は以て事を散ずるに宜しく、ただ散じ散じて脱空と成るを怕る。梟神は六壬式中に於いてただ印綬として看るのみ、唯だ子平命法始めてそれを忌む。駅馬は動を主とす:我を生ずるの神が馬を帯びて動くは、是れ恩人有りて動有らん。我の剋する神が馬を帯びて動くは、是れ財物に動有らん。我を剋する神が馬を帯びて動くは、是れ官事鬼事の発動なり。我と同類の神が馬を帯びて動くは、是れ人有りて来りて財を争わん。
墓,主靜,主暗,主遲鈍沉抑,主昏蒙。刑,主不成,衰也,傷也,三刑互爭,自刑多傷。沖,擾爭也,仇讎也,動也。破,廢也。害,阻也,艱難也;若用六害而傳財,必自艱辛而得也。合,和也,合中有鬼,和而復起,所謂和帶怨,必有餘怨,終是和允。刃,作鬼,金刃兵,火刃災,木刃疫,土刃壓,水刃溺、吐血;又云,克必出,合必聚,沖必,刑戰鬥,害必阻,破必廢。
墓庫は靜を主とし・暗を主とし、遲鈍沈滯・昏蒙不明を主とす。刑は事の成らざるを主とし、是れ衰敗、是れ損傷なり。三刑は互相争奪を主とし、自刑は多くは自傷を主とす。衝は攪擾争闘を主とし、仇讐を結成するを主とし、動蕩を主とす。破は廃棄を主とす。害は阻隔艱難を主とす。若し用神が六害を帯びて三伝に財を見れば、那の財必定要して辛苦を歷盡して始めて得られん。合は和順を主とす。若し合中に官鬼を夾めば、則ち和好の後旧事また起り——いわゆる和解の中に怨気を帯ぶ、必ず余怨を留下す、但し終究になお和するを成し得べし。羊刃は官鬼として看る:金の刃は兵刃の傷を主とし、火の刃は火災を主とし、木の刃は瘟疫を主とし、土の刃は壓覆を主とし、水の刃は溺水吐血を主とす。また曰わく:剋に逢えば必ず出走有り、合に逢えば必ず聚集有り、衝に逢えば必ず動揺有り(原文此の処一字を脱す)、刑に逢えば必ず争闘を生じ、害に逢えば必ず阻隔有り、破に逢えば必ず廃棄に至る、と。
喜忌上,金氏又錄一條云“神煞奧理”,今附於此。神煞之類,干有德合鬼墓,支有破空刑沖。看其生旺休囚,審其親疏關隔。德為吉慶,合主成期。鬼主傷殘。墓多蒙昧。破須傾損。害必侵爭。刑分強弱。沖則動搖。此理簡明,為式中關鍵,是乃略節,猶有諸門,次分喜忌,以稽奧理。
「喜忌」の此の一条の上に、金正音また一条の「神殺奥理」と題する文字を抄録す——今ここに附す。神殺の一類は、日干の方面に徳・合・鬼・墓有り、日支の方面に破・空・刑・衝有り。それらの生旺に処るか休囚に処るかを看、その日辰と親近なるか疏远なるか・通達なるか関隔なるかを審するを要す。徳は吉慶を主とし、合は事成の期を主とし、鬼は傷残を主とし、墓は多く昏昧を主とし、破は必ず傾損し、害は必ず侵奪争競し、刑は強弱に分ちて以て論じ、衝は則ち動揺を主とす。此の道理簡明扼要にして、正に是れ六壬式法の中の関鍵。以上不過略かに綱目を挙ぐるのみ——此の外なお各門の条例有りて、下文さらに依次に喜忌を分論して、以てその中の深意を考究せん。
虚実
虛者,旬中空亡也。在天曰寡宿,在地曰孤辰,吉凶相反。克我、刑我、劫我、沖我,皆取空;生我、旺我、救我,不許空。天上神臨地下空,曰落空,曰陷空,即同空論。此天地妙理。課傳既定,首觀虛實,以分吉凶焉。實者,不空不陷,受生同類比和是也。
いわゆる「虚」とは、すなわち本旬中の空亡:天盤に落つるを「寡宿」と曰い、地盤に落つるを「孤辰」と曰い、両者吉凶正に相反す。およそ我を剋し・我を刑し・我を劫し・我を衝するは、皆它の空に落つるを巴望す。およそ我を生じ・我を旺にし・我を救うは、則ち它の空に落つるを許さず。天盤の神が地盤の空亡の位に臨むを「落空」と曰い、また「陷空」と曰い——一律に空亡に按じて論ず。此れ是れ天地間の妙理なり。四課三伝排定の後、首まず虚実を看るを要し、此に由りて吉凶を分辨す。いわゆる「実」とは、すなわち既に空亡ならずまた陷空ならず、また能く生を受け・同類の比和有るなり。
按:漠州司馬葆光論曰:“世人但泥旬中之空,不思旬中之實。”所謂實者,乃本旬中支干也。丁為玉女,得之者生,失之者死;能變化飛騰,通靈不老,故逃亡得之,萬里遠遁;盜賊得之,隱匿難獲;婚姻得之,聚散成奸;病訟得之,幽暗難伸。大抵利暗不利明。
按ずるに:漠州の司馬葆光の議論して曰わく、世人ただ本旬中の空亡に拘泥して、卻って本旬中の「実」を想わず。いわゆる実とは、すなわち本旬裏の干支。その中の丁神を「玉女」と曰い——それの生を得着し・それの死を失掉す。それは能く変化飛騰し・通霊して老いず。故に逃亡を占うにそれに遇えば、人便ち万里に遠遁す。盗賊を占うにそれに遇えば、賊便ち隠匿して獲難し。婚姻を占うにそれに遇えば、聚散の間に私情を生出せん。病訟を占うにそれに遇えば、事幽暗にして申雪し難し。大体に説けば、丁神は暗処に利有りて明処に利なし、と。
此數條旁金氏注云:若辛未日之戌干,壬申日亥干,不論空,天上又見戌亥為空也。如伏吟、虎視、彈射,空不凶。而太歲、月將、日干、本命、行年則不論空也。然亦終不滿意。若用神空者,憂喜皆無,小事遇之,過旬可干。久事則終不為利。中傳空名折腰,末傳空無結果。三傳皆空,占事皆無。若有一不空,即此為斷。
此の幾条の旁に、金正音注して曰わく:辛未日の戌・壬申日の亥の類のごとき日干上神は、もとより空亡を論ぜざれど、但し天盤上にまた戌・亥を見れば、則ち仍お空亡と作して看る。またたとえば伏吟・虎視・弾射の一類の課体は、空に逢うも并びに兇と算せず。太歳・月将・日干・本命・行年に至りては、則ち一概に空亡を論ぜず——不過此らの説法に彼終究にまた満意せず。若し用神空に落つれば、則ち憂と喜と皆談ずるに及ばず:小事それに遇えば、此の一旬を過ぎてなお再び圖謀し得べし。長久の事それに遇えば、終究に不利。中伝の空に落つるを「折腰」と曰い、末伝の空に落つるを「無結果」と曰う。三伝全て空なるは、事を占えば一得する所無し。若しその中に一処の空ならざる有れば、則ち那一処を以て断ず、と。
又云:丁主動,蛇馬逃,虎常作憂,陰后女人走,天空奴婢走,玄賊遠去,雀遠音至,勾陳兵遠音動,龍飛萬里,六合子孫遠行,乙為陽精,丙為月精,陰陽以生,乙丙所至,妖邪伏匿,凶惡藏消,斯不行之神矣。故婚姻成合,家宅安寧,逃亡脫,盜賊傾,大抵利明不利暗,利正不利邪。
また曰わく:丁神は動を主とす——それ螣蛇・駅馬を乗ずれば、人の逃走する有るを主とす。白虎・太常を乗ずれば、憂患を生ずるを主とす。太陰・天后を乗ずれば、婦女の出走を主とす。天空を乗ずれば、奴婢の逃走を主とす。玄武を乗ずれば、盗賊の遠遁を主とす。朱雀を乗ずれば、遠方の音信到来を主とす。勾陳を乗ずれば、兵事と遠処の消息の発動を主とす。青竜を乗ずれば、万里に遠行するを主とす。六合を乗ずれば、子孫の遠行を主とす。乙は陽精と為り、丙は月精と為り、陰陽此に由りて生ず。乙・丙の到るところの処は、妖邪潜伏し・兇惡消散す——是れ能く兇神をして施行を得ざらしむるの神なり。故に彼らは婚姻成合・家宅安寧・逃亡の事了脱を得・盗賊敗露を主とし、大体に於いて明処に利有りて暗処に利なく、正道に利有りて邪路に利なし、と。
壬者,天一生水,地六成之,水為五行之始,位乎乾坤,為八卦之始,故易以乾為首,式以壬為名也。壬者,萬物之祖,動之根也。故求壬以觀其動,乃來情之源,人心之萌矣。甲者,數之始,冠萬物以為尊,故占之者,必革故鼎新,重謀別用也。癸者,數之終,效天地以為靜,故可以隱遁,人亦伏藏,萬物之基也。戊者陰伏隱遁之漸,故利逃亡遠行。己者,為一陰之首,宜靜。庚辛,肅殺之氣,不宜動,動見死傷,惟占盜賊可獲。
壬の此の一干:天は一を生じて水と為し・地は六を成して之を成す——水は是れ五行の開端、位は乾坤の間に居りて、八卦の始と為る。故に《周易》は乾卦を以て首に居り、此の式は壬を以て名と為す。壬は是れ万物の祖・動機の根——故に壬を推求すれば則ち事の動向を看出し得べし、那は正に是れ来意の源頭・人心初萌の処なり。甲は是れ数の起頭、万物の首に居りて尊と為る。故に甲を占得すれば、必ず革故鼎新・別に竈を起して新たに謀劃するを主とす。癸は是れ数の終結、天地を效法して靜を主とす。故に隱遁するに宜しく、人もまた随いて伏蔵す——それ是れ万物の根基なり。戊は是れ陰気潜伏隱遁の開端——故に逃亡遠行に利有り。己は是れ一陰の首——靜に宜しく動に宜しからず。庚・辛は是れ肅殺の気——発動するに宜しからず、一動すれば便ち死傷を見ん。唯だ盗賊を占うの時のみ、動反って能く捕獲せん。
聚散
《中黃經》云:莫執東方木旺春,夏火秋金冬季水,專以初建復建,干多者為聚,少者為散。初建者,日干五子元遁之也。復建者,時干五子元遁之也。且以建干多寡,逐情而變,不執本支五行也。如巳午本火,上下癸壬,或臨水鄉,便從水論之。如丁亥春夏從火,秋冬從水。若臨火鄉,便從火論。若臨水方,還從水論。以多為勝耳。此中黃變化之妙也。須看上下,分先後、聚散、主客。又分建破鬼救,試驗實妙,錄告來茲。
《中黄經》曰わく:東方の木は春に旺・夏は火に属し・秋は金に属し・冬と四季は水土に属すの此の一套に死にて執着するなかれ。而して応に専ら「初建」と「復建」を看るべし——同一天干の出現する多きを「聚」と算し、出現する少なきを「散」と算す。いわゆる初建とは、日干を用いて五子元遁法に按じて遁し出すの干。いわゆる復建とは、時干を用いて五子元遁法に按じて遁し出すの干。須く建干の多寡に按じ、事に随いて変通して、必ずしも本支の五行に拘執するに及ばず。たとえば巳・午はもとより火に属すれど、若し上下に癸・壬を遁得し、あるいは水郷に臨まば、則ち改めて水に按じて論ず。たとえば丁亥は、春夏に在りては火に従りて論じ、秋冬に在りては水に従りて論ず。若し火郷に臨まば便ち火に従い、水方に臨まば仍お水に従う——総じて多きの一方を以て勝と為す。此れすなわち《中黄經》変化の妙処なり。なお須く上下の別を看て、先後・聚散・主客を分ち、また建・破・鬼・救を分つべし。実地に試験して極めて霊験なり——此に因りて記録して後来の人に告ぐ、と。
一占丁酉日亥將己酉時,三傳酉亥丑,天將貴陰常,來意盜賊殺人,後獲賊,是一婦人引奸,與一行者殺死一僧一僕於舟中,沉水內,其婦與僧通,猶妻也。經酉為少女,是因妻起事。亥為鬼為賊,為孤獨之人,未敢定論是賊傷人。由初建觀之,先尋今日建鬼,是癸卯,乘天空,是行人,亦是舟人。辛亥,辛為今日妻,亥卯相合,是妻與行人謀殺。又以復建觀之,酉得癸臨丁,酉為妻,癸為鬼,是妻來害己也。此婦是癸酉生,亦可怪。雖係獄,遭世變而漏網。
一ありて丁酉日・亥将・己酉時を占し、三伝酉亥丑、天将依次に貴人・太陰・太常——来意は盗賊の人を殺すを問う。後に兇手を捉得す:原來は一個の婦人の姦情を牽引して、一個の行脚人と船中に於いて一僧一僕を殺死し、屍を水裏に沈めたり。那の婦人は僧人と私通して、等于是れその妻室なり。經義に按ずれば、酉は少女と為る——事の妻室より起るを見るべし。亥は官鬼と為り・盗賊と為り、また孤独の人なり——単に此らに憑りてなお敢えてすなわち賊人の人を傷ると斷定せず。初建より看れば:先ず今日の建する所の鬼を找むに、是れ癸卯、天空を乗ず——正に是れ行脚の人、また船上人と為すべし。また辛亥有りて、辛は今日の妻星、亥は卯と相合す——知るべし、妻室と那の行脚人と合謀して人を殺すを。さらに復建より看れば:酉は癸を得て丁に臨む——酉は妻・癸は鬼、正に是れ妻の来りて自己を害するなり。此の婦人恰好癸酉年生——も奇巧と算すべし。彼女虽か下獄せらるるも、後來却って世道の變亂に因りて網を漏れたり。
一占丁巳年庚寅日,戌將加甲申時,三傳辰午申,天將合青虎,來意失盜鈔三百張。先鋒門是內鈔,又是馬;值事門是白虎,為驚變。中傳鬼作龍,財物寅。然午為旬空,未敢以盜賊言。雖元武乘戌,是庚之印,亦未言賊也。以初建言之,為丙戌,丙為庚之鬼,以復建言之,得甲戌,是復建生初建,鬼太旺矣,況乘元武,是盜失。
又一ありて丁巳年庚寅日を占し、戌将甲申時に加わり、三伝辰午申、天将依次に六合・青竜・白虎——来意は鈔票三百張の失竊なり。先鋒門(占時)の主とする所は家内の鈔、また是れ駅馬なり。値事門(月将時に加う)は白虎——驚恐變故を主とす。中伝の官鬼は青竜を乗じ、財物は寅上に落つ。但し午は旬空と為る——故になお敢えて盗賊の所為と斷定せず。虽かに玄武戌を乗ずるも、戌は庚金の印綬——も仍お賊と説き好しとせず。さらに初建より看れば、是れ丙戌——丙正に庚の官鬼なり。復建より看れば、甲戌を得——復建反って来りて初建を生じ、鬼気太だ旺なり。何の況んやまた玄武を乗ずるを——此に始めて確かに盗され失竊せられしと斷定す。
若以戌為僕,太陽在戌,又是貴者。日為白日賊也。戌與寅三合,是同類之人,否則屋主之親。自西南而來,藏於南方,而居於西北,相去甚遠。戌至戌,相隔一辰,再玄戌申,純陰為男,臨孟為少,申至戌二位,主二人。後獲一半以下,終是位來生干,中末空,盜者利纏。經以辰上見者為所失之物,今寅上見辰,辰乃月建,月建為貴物,此鈔乃世之所貴者。發用助日,我為有氣矣。由是觀之,生中有鬼,財中有克,皆在建干變化也。
若し戌を以て僕役と看なせば、太陽恰好戌上に在りて、また身份ある人なるを顕出す。白天に占得せば、則ちそれ白日に窃を行うなり。戌と寅と同じく三合局中に在るは、自己の一夥の人なるを見るべし——否らずんば便ち屋主の親戚なり。賊は西南方より来り、贓物は南方に蔵り、人却って西北に住して、相距ること甚だ遠し。戌より戌に至るは、相隔ること一辰。さらに玄武の乗ずるところの戌と申とを連ねて一幷に看れば、純陰の支は男子を主とし、孟位に臨むは年少を主とし、申より戌に至る共に両位——主として是れ両個の人なり。後來ただ半分に及ばずを追回するのみ——畢竟是れ本位の来りて日干を生じ、而して中伝末伝空に落つれば、賊人なお便宜を占むるなり。經義に按ずれば、日支上に見るところすなわち失する所の物——如今寅上に辰を見、辰正に是れ月建——月建は貴重の物を代表す。此の批の鈔票正に是れ世人の看重する所の東西なり。発用の神来りて日干を幇扶するは、我の此の一方なお気有るを説明す。此に由りて看れば、相生の中に鬼を含み、財爻の中に剋を含み、全て皆建干の変化上に顕出す。
此凝神子郭璞所以妙出人表也。若取來情,當以聚散鬼救論。若斷休咎,只用干為主,三傳生克正時論,不必用變求奇也。古人云“求奇反不奇。”
此れ正に是れ凝神子と郭璞との高明人に過ぐるの処なり。若し来人の心意を推測せんと要せば、当に聚散と鬼救とに依りて論ずべし。若しただ吉凶禍福を断ずれば、則ち仍お日干を以て主と為し、三伝の生剋と正時と配合して以て論じ、必ずしも刻意に変通の法を用いて奇を求めて行くを要せず。古人説きて有り:一味に奇を求めれば、反って奇ならず、と。
進退
傳進為進,傳退為退。進空宜退,退空宜進,觀其傳,吉則進,凶則退。
三伝依次に遞進するを「進」と曰い、依次に遞退するを「退」と曰う。進伝して空に逢えば、反って退守するに宜し。退伝して空に逢えば、反って前進するに宜し。總じて三伝を看るを要す:吉なれば則ち進取し、兇なれば則ち退避す。
動靜
日辰主靜,三傳主動。日辰有生意,而三傳有凶神,宜靜。日辰有凶煞,而三傳有扶助,宜動。泛言日神有動靜,以少別白;不然,則剛專日上,柔專辰上,天上日行道路也。相生宜動,克陷宜靜。道者,地方也。斬關、丁神、二馬、遊子則動,稼穡、墓、合則靜也。
日干日支は靜を主とし、三伝は動を主とす。日干日支に生發の意有りて、而して三伝却って兇神有れば、則ち靜なるに宜し。日干日支に兇殺有りて、而して三伝に扶助有れば、則ち動なるに宜し。泛泛に日上の神に動有り靜有りと説くは、分辨する未免粗略なり。細分すれば則ち剛日は専ら日干上神を看、柔日は専ら日支上神を看る——天盤の神上に於いて運行するは、正に人の道路上を行走するがごとし。相生は動に宜しく、剋を受け陷を受くるは靜に宜し。いわゆる「道」とは、すなわち地盤の方位なり。課中に斬関・丁神・天馬駅馬・游子等を見れば、則ち動を主とす。稼穡課・墓神・六合等を見れば、則ち靜を主とす。
始終
初傳事之初,中傳事之中,末傳事之末。專與日干分生克。然而有正有變。將神生克為正論,初建復建為變法。又經云:吉凶隨神而變,將之吉凶隨類而遷。此正論中玄關也。假如初鬼、中印、末財,便是先阻、中助、末得,大略如此,更宜在六親變化之中細觀之。將五要參透,則天時、地利、人、物、貴賤、虛實、遲速可見矣。此端最妙,每事要分三段。始中末如何,大體既定,變化在人。
初伝は事の開頭、中伝は事の中段、末伝は事の結局——皆日干と生剋を分清するを要す。然れどもその中正法有りまた變法有り:神と将との生剋を以て論ずるは是れ正法、初建・復建を以て論ずるは是れ變法。經上また曰わく:吉凶は神に随いて変化し、天将の吉凶また門類に随いて遷移す——此れ正論の中の玄妙の関鍵なり。たとえば初伝是れ官鬼・中伝是れ印綬・末伝是れ財爻なれば、則ちそれ先に受阻し・中間に助を得・末了に得有り——大略此のごとし、なお当に六親の変化の中に細々に体察すべし。「五要」を参透すれば、則ち天時・地利・人・物・貴賤・虚実・遲速皆推見し得べし。此の一段最も精妙:每件事皆三段に分ちて看るを要し——始・中・末各々是れ如何——大体定下の後、変化すなわち全て人の靈活運用に在り。
発用
發用者,事之始,用太歲歲中事,用月建月中事,用日辰日內事,用旬旬內應,用候候內應,分五段也。假如初一日冬至,初五日為初候,初十為中候,十五為末候,皆應在候內也。用墓事緩、病死、物在、人歸。用馬,支用、官擾。用劫,害阻。用印,求旺。用妻,問利。用洩,子孫事。用同類,兄弟朋友事。凡占謀為動作,視見馬,以臨處為方,無馬以用神加處為方,吉凶以神將言之也。
発用は是れ事の起頭。太歳を以て発用するは、太歳一年の内の事に応ず。月建を以て発用するは、一月の内の事に応ず。日辰を以て発用するは、当日の内の事に応ず。旬首を以て発用するは、一旬の内に応ず。節候を以て発用するは、一候の内に応ず——共に五段に分つ。たとえば初一日冬至に交われば、初五を初候と為し、初十を中候と為し、十五を末候と為し——皆此の一候の内に応ずるを要す。用神是れ墓神なれば、事遲緩にして、人の病死・物件の仍お原処に在り・外出の人の帰来するを主とす。用神是れ駅馬なれば、奔走支使・官事騒擾を主とす。用神是れ劫なれば、害を受け阻せらるるを主とす。用神是れ印綬なれば、求むる所の旺を得るを主とす。用神是れ妻財なれば、利益を問求するを主とす。用神是れ泄気の神なれば、子孫の事を主とす。用神と日干と同類なれば、兄弟朋友の事を主とす。およそ謀為動作を占うに、若し課中に駅馬を見れば、則ち駅馬の臨む所の位を以て方向を定む。若し駅馬無ければ、則ち用神の加わる所の位を以て方向を定む。吉凶に至りては、則ち乗ずる所の神将に由りて断ず。
發端門,初傳也。如正月占事,用起功曹,為當月。大吉為過去;太沖為將來也。
いわゆる発端門とは、指すところすなわち初伝なり。たとえば正月に事を占い、発用功曹(寅)より起れば、寅正に是れ当月の神——本月に応ずるを主とす。発用若し是れ大吉(丑)なれば、丑は上个の月に属し、已に過去せるの事を主とす。発用若し是れ太衝(卯)なれば、卯は下个の月に属し、將来の事を主とす。
移易門
中傳也。初凶中吉,則移凶易吉矣。
移易門の指すところは中伝。初伝兇にして中伝吉なれば、則ち兇を移換して吉と成す——故に之を移易と曰う。
帰計門
末傳也。如四月申日占事,而用申酉,末傳見午,即主五月內無事。
帰計門の指すところは末伝。たとえば四月の申日に事を占い、発用是れ申・酉にして、末伝午を見れば、午は五月に属し——則ち五月裏に到りて事便ち了結を告げ・平安無事を主とす。
遲速
柔日伏吟、涉害、天乙逆治、用在日辰之後,主事遲也。斬關、占時發用、天乙順治、用在日辰之前,主事速也。冬占申酉入傳,天罡在日辰後,是過去事。寅卯入傳,天罡在日辰前,是未來事。第三四課為用,向去事。用二八門,主事速。陰日伏吟、關格、斗罡加卯酉、傳歲月,久遠事。日上發用,應在旬內。辰上發用,應在一月。得歲不出歲,得月不出月。得日不出日,得時不出時,得候不出候。
柔日の伏吟課・渉害課、貴人逆行して将を布く、および発用の神の日辰の後に落つるは、皆事の来ること慢きを主とす。斬関課・占時を以て発用・貴人順行して将を布く、および発用の神の日辰の前に落つるは、皆事の来ること速きを主とす。冬天に課を占うに、申・酉が伝に入りて天罡(辰)が日辰の後に在るは、是れ已に過去せるの事。寅・卯が伝に入りて天罡が日辰の前に在るは、是れ未来の事。第三・第四課を取りて発用するは、是れ外へ往くの事。用神が卯・酉の二門八門の位に落つるは、事の速きを主とす。陰日の伏吟課・關格課・斗罡の卯酉に加臨する・三伝中に太歳月建を帯ぶるは、皆久遠の事を主とす。日干上神発用するは、一旬の内に応ず。日支上神発用するは、一個月の内に応ず。およそ応期の太歳に於いて得るは、此の一年を出でず。月建に於いて得るは、此の一月を出でず。日に於いて得るは、此の一日を出でず。時に於いて得るは、此の一時を出でず。候に於いて得るは、此の一候を出でず。
又歲在初,為當年事;在末,為久遠事;在中兮,方來過去。傳順年淺,傳逆年深。又如六月以前,是去年事;六月以後,是來年事。得者非特歲、月、日、辰、時上,作用而已。凡用在歲月日辰時上,皆是也。占歲內,如用傳送加巳,主四月內應;下克上多應在七月;上克下從地下巳神斷。
另外、太歳の初伝に落つるは、当年の事を主とす。末伝に落つるは、久遠の事を主とす。中伝に落つるは、則ちあるいは將来・あるいは已往なり。三伝順行すれば、応ずる所の年月浅近なり。三伝逆行すれば、応ずる所の年月深遠なり。またたとえば六月以前に占得するは、多くは去年の事。六月以後に占得するは、多くは来年の事。いわゆる「得」とは、并びに発用の恰も太歳・月建・日干・日支・占時の上に在るに限らず——およそ用神此の五者の上に落つるは、皆算す。一年の内の事を占うは、たとえば用神傳送(申)が巳上に加われば、四月の内に応験するを主とす。若し是れ下が上を剋すれば、多くは七月に応ず。若し是れ上が下を剋すれば、則ち地盤の巳神に就りて断ず。
旺衰新舊,決機定謀。假令子水九月甲子日戌時卯將,取比為用,天乙暮冶小吉,為貴加寅,以卯為前,發用神后,六旬之首。又得龍吉將,末見河魁加巳為鑄印,乘六合,三傳始終吉卦,故主遷官加印之喜,至當年十一月內應恩澤之應。此下克上,應得歲不出歲也。
旺衰新舊を看れば、便ち能く機宜を決斷し・謀略を定下せん。たとえば子水——九月甲子日戌時に於いて卯将を以て課を起し、日干と比和する神を取りて発用とす。夜貴人小吉(未)に治して、貴人寅上に加わり、卯を以て前位と為し、発用の神その後に在りて、正に六旬の首に当たる。また青竜の此一の吉将を得て、末伝に河魁(戌)の巳上に加わるを見て、「鑄印」の象を成し、かつ六合を乗ず。三伝自始至終皆吉象——故に官を升り印を加うの喜を主とし、当年十一月の内に到りて便ち恩沢の験に応ぜり。此の一課は下の上を剋する——正に「太歳に於いて得るは此の一年を出でず」の例に合す。
假令十一月丁卯日卯時,登明為天乙加丑,順理涉害,大吉加卯為用,得朱雀凶將,君子為理文字,小人為財而訟,婦人占者為文書口舌之事。主事艱難延遲,所作稽留。十二月內應,此亦下克上,應得歲不出歲也。
またたとえば十一月丁卯日卯時、登明(亥)を以て月将と為し、貴人丑上に加わり、順行して将を布いて渉害課を成し、大吉(丑)卯上に加わりて発用し、乗ずる所は朱雀の此一の兇将なり。君子占得すれば、文書の事を辦理するを主とす。小人占得すれば、銭財の為に官司を打つを主とす。婦人占得すれば、文書口舌の事を主とす。總じて事の艱難延遲・辦する所の事の遷延停滞を主とし、十二月の内に到りて始めて応ぜり。此もまた下の上を剋する——同様に「太歳に於いて得るは此の一年を出でず」の例に合す。
假令辰年三月甲子日巳時,從魁加巳,名元首。天罡為用,將玄武,乃天乙立酉逆治,占盜賊者,近水打捕漁獵之人。當敗。其人伏在水澤處,不出月敗矣。一上克下為始入,主事急,故月內敗。天罡屬土,克玄武水也。水至三月墓矣。此得月不出月也。
またたとえば辰年三月甲子日巳時、従魁(酉)巳上に加わり、課名元首。天罡(辰)用神と為り、乗ずる所の天将是れ玄武——此れ貴人の酉位に立ちて逆行して将を布くなり。盗賊を占えば、此の賊は是れ水に近く打捞し・魚を捕り行獵するの一類の人を主とし、必定要して敗露せん。那の人水沢の処に蔵れて、此の個の月を出でずして便ち敗れん。課中ただ一処の上が下を剋する有るのみ、「始入」の論と作して、事の緊急を主とす——故に月内に就いて敗る。天罡は土に属し、能く玄武の属する所の水を剋す。水三月に到れば正に墓庫に入る。此れすなわち「月建に於いて得るは此の一月を出でず」の例なり。
兵革疾病,假令辰年三月丙寅日未時酉將重審,天罡為用,得白虎凶將,天慚立酉上,主憂事在月內驚惶也。主關梁隔絕,兵革盜賊,謂虎漸入陰氣,主格鬥傷。又云,卯辰巳等須防賊,兵家只此是三刑。
さらに説くに兵革と疾病とを占う。たとえば辰年三月丙寅日未時に酉将を用い、重審課を得て、天罡(辰)用神と為り、乗ずる所は白虎の此一の兇将、天乙貴人酉上に立つ(原文「天慙」は当に「天乙」と作るべし)——憂うる所の事本月の内に就いて驚惶発作せんとするを主とす。関卡橋梁の阻隔断絶・兵禍盗賊有るを主とす。白虎漸々として陰気の地に進入するを因れば、格闘傷を受くるを主とす。また曰わく:卯・辰・巳の此の幾位須く盗賊を防ぐべし——兵を用るの家ただ此の三位を把って三刑と作して看るのみ、と。
又云:天罡是煞神,立於日辰上,用神囚死,斗繫日本為天獄,在家憂恐,及病厄死喪等事。是國家憂兵革。今天乙立二八門,主驚怖動搖。天罡太歲入宅,又是囚死為用,始入門,主事急,合應月內。又天罡為月建故也。病禍憂驚月內見。
また曰わく:天罡は是れ殺神——若し日干日支の上に立ち、用神また囚死の気に落ち、斗罡日干本位を繋住して「天獄」を成せば、家に在れば便ち憂懼驚恐および病厄死喪の一類の事有りて、国家に在れば則ち是れ兵革の憂なり。如今貴人卯・酉の両門戸の位に立てば、驚怖動揺を主とす。天罡また太歳を帯びて宅位に進入し、而且囚死の気を以て発用して、始入の門に属す——事の緊急を主とし、当に本月の内に応ずべし——何の況んや天罡本身正に是れ此の個の月の月建。故に疾病・禍患・憂驚皆月内に於いて分曉を見ん、と。
假令巳年正月己丑日午時亥將,知一卦。太乙發用,將白虎,乘死神為用主之。經云:“虎乘死神,上下逼日辰,名魄化。”虎在陽為男,在陰為女,下克上為內戰,故家有陰人病喪事,文字勾連,驚恐,口舌光怪,不成破碎。論吉凶方來已去之期、發用所主也。凡占事據下所占,是何神將為用,以其神將所屬年月日及以神為之情。五行飛化所主之事理決之。
またたとえば巳年正月己丑日午時に亥将を用い、知一課を得。太乙(巳)発用し、乗ずる所是れ白虎、また死神を乗じて用と為して事を主とす。經上曰わく:白虎死神を乗ずれば、上下逼迫して日干日支を逼す——此を「魄化」と曰う。白虎陽位に落つれば男子を主とし、陰位に落つれば女子を主とす。下が上を剋するは是れ内戦——故に家中有りて婦女の病喪の事を主とし、なお文書牽連・驚恐・口舌怪異・事残缺して成らざるの類有らん。吉凶の將来なるか已過なるかに至りては、皆発用の神に由りて主断す。およそ事を占うに、皆占う所の内容に依拠して、是れ何の神・何の将の用神に充当するかを看、再び此の神将の属する所の年月日・および神本身の情性に依り、五行飛化の主とする所の事理と配合して以て決断す、と。
若發用得吉神將,在三傳旺相,就其始末,則占人求望必遂矣。若發用神將是官鬼,吉而有氣,又與日辰三六合,必有和合,遷官轉職,加祿權位之意。若發用得凶神惡將,在旺相氣剋日干,又是月破之辰,主有官追驚恐,災禍牽連,及遠行責罰之事。方來已去之期,應在月日之中。
発用若し吉神吉将を得、三伝また皆旺相の気に処りて、始より末に至る一路順暢なれば、則ち占者の求むる所望むる所必定に願いのごとくならん。発用の神将若し是れ官鬼にして、而してそれ吉にして気有り、また日干日支と結成して三合・六合と為れば、那は必ず和合の事有りて、昇遷調職・禄を加え位を進むるの意思を含着せん。発用若し兇神惡将を得て、正に旺相の気に当たりて来りて日干を剋し、また恰も是れ月破の辰なれば、官府追捕の驚恐・災禍の牽連・および遠行して責罰を受くるの事有るを主とす。此らの事の將来なるか已過なるかは、応期皆月と日との中に在り。
假令正月占事,得功曹為用,吉凶應在月內。若得卯辰為方來,應二三月。若得傳送為用,吉凶應五月內。若涉害占事,主勾連艱難,不能見終,占病難解,占人來遲,孕難產,事不成。經云“見其機,察其微”,日辰中,有兩比不比,始入、涉害者以此,占事遲留難解以此,故云深者主遲留患難。經曰:“四課交克名曰單疑,為事難遂,遂亦遲,若入用將,得月建之辰,與吉將並,又在旺相之氣,事雖遲延猶為小喜。發用是凶神將,更歷涉害等門,必主身憂,囚繫獄訟之事。”
たとえば正月に事を占い、功曹(寅)の発用を得れば、吉凶本月の内に応ずべし。若し卯・辰を得れば、那是れ將来の事——二三月に応ずべし。若し傳送(申)の発用を得れば、吉凶五月の内に応ずべし。若し渉害課を占得せば、事の牽連糾纏・艱難にして結局を看る能わざるを主とす:病を占えば愈え難く、人を占えば来ること遲く、孕を占えば難産を主とし、事を占えば多くは成らず。經上に「その機を見・その微を察す」と曰うは、指す所正に是れ日干日支の中に両処の相比有りて而又比する能わざるの情形——始入課・渉害課此に由りて来り、事を占うに遲滞解し難きもまた此に由りて来る。故に渉害深きは拖延患難を主とすと曰う。經上また曰わく:四課交互相剋するを、「單疑」と曰い——事を辦すに成り難く、たとい成るともまた慢し。若し用に入るの天将月建の辰を得着し、また吉将と同臨し、なお旺相の気に処れば、則ち事虽か遲延するも、仍お小さき喜慶有りと算す。若し発用是れ兇神惡将にして、また渉害等の門を経歴せば、必ず自身に憂有るを主とし、甚至に牢獄訴訟の事有らん、と。
凡課得發用之神是遙克為用,主虛聲。如蒿矢射人,人終不傷,見吉凶本自他意,自無所害。雖有其聲,所事難難。若神遙剋日,事在外來;日遙克神,事從內起。經云“官居不入,常初獨立。”其憂執,其用日不用辰,望人不見。
およそ課中遥剋の神を以て発用するは、虚張聲勢を主とす:蒿草の杆を用いて作れる箭を以て人を射るに譬えん——終究に人を傷る能わず。見る所の吉凶もとより别人の心意に出でて、自己に対して并びに実害無し。虽かに那様の聲勢有るも、事却って辦するに艱難なり。若し是れ天盤の神の遥かに日干を剋すれば、事は外面より来る。若し是れ日干の遥かに天盤の神を剋すれば、事は裏面より起る。經上に「官居不入、常初獨立」と曰うは、正に是れ此の種の課の憂疑固執の象有るを形容す。此の課を断ずるにただ日干を取りて日支を取らず——人を占望すれば則ち見る能わず。
若得昴星俯仰視,事多指引,真非本意,春夏多是遠行不利,恐遇身災。若用神更得凶將,身憂獄繫,官追整理,文字不明,闇昧之事。若伏視又是秋冬氣,內事,主闇昧屈厄,無以伸雪。柔日伏匿在家,憂怖驚恐,被人勾連,對理交加,度關梁災厄事。凡仰伏視為用,剛日動行,稽留關梁,男子遠行,恐路死。柔日伏藏,不欲見人,更以神將所主,消息決之。
若し昴星課の仰視(虎視轉蓬)と俯視(冬蛇掩目)とを占得せば、事多くは别人の指引に由りて来りて、并びに本人の真意にあらざるを主とす。春夏に占得すれば、多くは遠行不利を主とし、自身の災に遭うを恐る。若し用神さらに兇将を乗ぜば、則ち自身に牢獄の憂有りて、官府に追捕査辦せられ、文書明らかならず、盡く是れ暗昧の事なり。若し是れ俯視の課にして而又秋冬の気に当たれば、内事に属し、暗昧にして屈を受け厄を受け、申雪するに由無きを主とす。柔日は伏匿して家に在るを主とし、憂怖驚恐して、人に牽連せられ、人と對簿して交争し、なお関を過ぎ橋を渡るの一類の災厄有らん。およそ仰視・俯視の課を以て発用するは:剛日は身を動かして出行するを主とすれど、却って関卡橋梁の処に滞留し、男子遠行すればただ路上に死するを怕るのみ。柔日は伏蔵して家に在るを主とし、人を見るを願わず。此の外なお乗ずる所の神将各々の主とする所を参照して、斟酌決断するを要す。
