存亡遠近を占う(附將軍法を推す)
前述雖推限與期,存亡遠近未曾知。有人一去無消息,乃課行年定吉凶。年前寅申意不返,巳亥本鄉心還念。處季已為他方鬼,逢孟身安即便回。乘仲定然多阻滯,或纏疾病尚棲遲。天乙太常臨生旺,必逢高貴挈同隨。龍旺加臨多財帛,天后陰人酒色圍
前面は雖も限度と歸期を推出すれども、人の存亡と遠近は卻還って知らず。人ありて一たび去れば杳として音信なきに、則ち彼の行年を用いて課を起こして以て吉凶を定む。行年の前は寅・申なれば、此人は回る意なし。巳・亥なれば、還って故鄕を念う。行年が辰戌丑未の四季に落つれば、人は已に他鄕の鬼と成れり。寅申巳亥の四孟に落つれば、身體平安で馬上に回る。子午卯酉の四仲に落つれば、必ず多く阻滞あり、あるいは疾病に纏って仍お外に栖留す。「天乙貴人」「太常」が長生・帝旺の地に臨めば、必ず高貴の人の提携同行に遇う。「青竜」が旺相加臨すれば、多く財帛を得。「天后」に見えれば、則ち女色酒宴に圍繞せらる。
勾雀乘之必構訟,蛇虎臨年惹禍危。總觀神將知凶吉,生辰合日是歸期。三千理外卜將軍,千里須教看歲支。五百里應求月建,百里干臨五十時。其下悉來為到限,日月還須意決疑。
「勾陳」「朱雀」が乘臨すれば、必ず官司を構成す。「螣蛇」「白虎」が行年に臨到せば、則ち禍を惹き危を招く。總じて神將を看れば便ち凶吉を知り、本命生辰と相合する日はすなわち歸期なり。三千里の外に遠く在るは、「將軍」煞を卜するを要す。千里の內のは、須らく太歲の地支を看るべし。五百里のは月建を求む。一百里のは日干の臨む所を看る。五十里のは占時の臨む所を看る。これらの臨む下の地支が皆到齊せば、すなわち家に到るの限なり。究竟いずれの月いずれの日に應ずるか、還って須らく自己斟酌決斷すべし。
附 將軍法を推す
孟以勝光仲以未,季加傳送加太歲,常來罡下訪將軍,動土備營多不利。凡占行人,將軍法別云,日如度限乃方用,若不度限不用此。三千里將軍下者是,此煞加臨到處為到期。
將軍煞を推すの法。孟年は「勝光」(午)を用い、仲年は未を用い、季年は「傳送」(申)を用い、太歲の上に加え、常に「天罡」(辰)の下に在りて將軍の所在を尋ねる。この方位に動土扎營すれば多く不利。およそ行人を占うに、將軍法は別に說法あり。日辰がもし已に限度を過ぎてこそそれを用い得、限度を過ぎざれば則ち此法を用いず。三千里の外に遠く在るは、則ち將軍煞の下を以て準と爲す。この煞が加臨する所到れば、何處なるかはすなわち到期なり。
將軍三年一移辰,如寅卯辰年在子,巳午未年在卯,申酉戌年在午,亥子丑年在柘。如未年在卯,加臨子者,即正到也。千里而看歲支加未,看臨甚處。五百看月建臨甚處。一百里而看干臨甚處,五十里看支神甚處,即為到期也。
將軍煞は三年に一辰を移す。寅・卯・辰年は子に在り、巳・午・未年は卯に在り、申・酉・戌年は午に在り、亥・子・丑年は酉に在り(原文は「柘」と作る)。たとえば未年は將軍は卯に在り。卯がもし子上に加臨せば、便ち正に家に到るの時なり。千里の內は、太歲地支が未に加わりて後にいずれの處に臨むかを看る。五百里は、月建がいずれの處に臨むかを看る。一百里は、日干がいずれの處に臨むかを看る。五十里は、日支の神がいずれの處に臨むかを看る。臨む所の處は便ち到期なり。
更課游神春在丑,秋亥冬辰夏子位。加孟未來加仲發,季上相逢不久歸。復有親情不相見,欲得他來意甚思。乃為戲神看立處,冬夏與午同取之。
さらに「游神」を看る。春は丑に在り、夏は子に在り、秋は亥に在り、冬は辰に在り。游神が四孟に加臨すれば、人は還だ動身せず。四仲に加臨すれば、已經出發せり。四季に加臨すれば、不久に就ち歸る。また親友久しく相見えず、很に彼を請い來らしめんと欲すれば、則ち「戲神」の立つ處を看る。冬季と夏季は皆同じく午位を取る。
春當在巳秋居酉,臨處依前辨速遲。更看游神臨用發論,須看天罡加日辰為到,加孟未,加仲發,加季至。如不見天罡,即看游神發用,主歸也。途處差慢,不見游神,可以度限。
戲神は春天は巳に在り、秋天は酉に在り。臨む所は仍お前法に照らして來るの快慢を分辨す。還って游神が發用に臨むか無きかを看て以て論斷するを要す。須らく「天罡」(辰)が日干日支の上に加わるを看てこそ到を算すべし。加臨四孟は還だ來らず、加臨四仲は已經出發せり、加臨四季は就きに到らんとす。もし課中に天罡に見えざれば、則ち游神が發用するかを看る。發用も亦歸來を主とす。もし路上の耽擱較べて慢く、また游神に見えざれば、便ち限度を用いて以て推算し得る。
漁獵を占う
漁獵太沖為害神,若來加午虎狼嗔。臨丑中刀還走失,伏昴空回不利人
漁獵の占は「太衝」(卯)を以て害神と爲す。それがもし午上に加われば、虎狼の怒りて人を傷つるを主とす。丑上に臨到せば、獵物は刀箭に中りて仍舊逃脫す。「伏吟」「昴星」の類の課體に遇上えば、則ち空手にして回り、人に利なし。
支為魚鳥干為網,支傷斗季獲毛鱗。占時受克為多得,營室宜加日與辰。
日支は魚鳥獵物を代表し、日干は羅網を代表す。日支が傷を受け、「斗罡」(辰)がまた四季に加臨せば、便ち毛獸鱗魚を捕え得る。占時が克を受ければ、收穫は必ず多し。「營室」宿が日干・日支の上に加臨せば就更に好し。
怪異驚人を占う
有怪驚人須決憂,三傳神將辨其由(看朱及元武等神)。又看怪是何神物,三空禽物依次求。元作天空水禽物,酉乘六合釜鳴鳩。魁併合時神驚犬,罡附螣蛇井沸流。太乙武兼蛇入廁。傳送光明大吉牛。
家中に怪異驚嚇出れば、須らくその中の憂患を決斷し、三傳の乘る神將より緣由を辨明すべし(重點は「朱雀」と「元武」等の神を看る)。さらにこの怪異は究竟何の東西なるかを看る。三傳が落空して「天空」に見えれば、水禽の類なり。酉上に「六合」を乘せば、鍋釜の自鳴あるいは斑鳩の作怪なり。「河魁」(戌)と六合が同時に併臨すれば、犬吠驚人なり。「天罡」(辰)が「螣蛇」を附着せば、井水の沸涌なり。「太乙」(巳)と「玄武」が兼ねて「螣蛇」あれば、蛇の廁所に爬進するなり。「傳送」(申)が光明の象を現せば、「大吉」(丑)は則ち牛の作怪なり。
博戲を占う
博戲三傳吉將宜(欲知勝負,但看吉將),兩人俱課就年推(兩人合視,行年上吉將克彼人者吉,年上得凶將克此則彼勝)。年上吉神雖立勝,遭彼凶神克也輸。三人以上皆詳此(只看行年上立)。同年主客以乘除(如二人同年,即看主客)。
賭博游戲は、三傳中に吉將あってこそ好し(勝負を知らんには、只だ吉將が誰の那一邊に落つるかを看ればよい)。兩人對賭すれば、則ち各各就各人の行年に課を起こして以て推す(兩人を合せ看る。自己行年上の吉將が去りて對方を克せば、則ち吉。自己行年上に得るが凶將にして對方に克制せらるれば、則ち對方の勝なり)。行年上に雖も吉神ありて本來取勝し得るも、もし對方の凶神の克制に遭えば、照樣に輸するを要す。三人以上は皆この辦法に照らして詳推せよ(只だ各人の行年上に立つ神を看ればよい)。もし兩人同年なれば、則ち主客の分を用いて加減推算す(たとえば兩人の年歲相同なれば、則ち誰が主、誰が客なるかを看る)。
先起為客應為主,客是干兮主是支。支干上下言凶吉,克處之時使可為。對敵從何推勝負,支干年上定贏輸。相剋擇其強者勝,龍常旺相併難爭。
先に發動する一方は客、應戰する一方は主なり。客は日干を用い、主は日支を用い。則ち日干日支上下の神より吉凶を說き、誰が對方を克住し得るか、誰が注を下し得るか。兩方對敵して怎麼樣に勝負を推せん。則ち日干・日支と行年の上に輸贏を定む。彼此相克する時、五行の强き一方の勝を取る。もし對方に「青竜」「太常」ありてまた旺相に當たれば、あれは則ち與え爭鋒しがたし。
近出の何時歸るかを占う
有人暫出何時返,從出門時加日支。後星之下辰應到(後星,天罡也)。或見貴人臨貴歸(天罡與貴人加日,並立到)。天罡加季門前待,占值伏吟相見遲
人ありて暫時門を出で、何時に回るか。彼の出門の時辰より日支の上に加えて課を起こす。「后星」の下の值する地支は、すなわち應回の時なり(后星はすなわち「天罡」辰なり)。あるいは貴人の臨身に見えれば、便ち貴人に随いて一同に歸來す(天罡と貴人が日干の上に加われば、皆立刻に到るを主とす)。天罡が四季に加臨すれば、人は已に門前に在りて等待す。「伏吟」課を占い得れば、相見れば則ち遲し。
出行正反水陸の安危
擬出行時當去否,須看行年與日辰。太沖傳送魁罡立,或在時前定涉塵。日神年神逢旺相,斗罡中孟往無因。干吉去時宜陸路。支安水道往無迍。太沖若也為蛇虎,車覆船翻必損人。
門を出でんと打算し、往くべきか往かざるべきか。須らく行年と日干日支を看るべし。「太衝」(卯)・「傳送」(申)と「河魁」「天罡」の立つ所の處、あるいはそれらが占時の前に落つれば、皆此の行は風塵を奔波するを主とす。日上の神と行年の神が皆旺相に逢い、而して「斗罡」(辰)が四仲・四孟に落つれば、去りても亦成る所なし。日干が吉なれば、陸路を走るに宜し。日支が安穩なれば、水路を走るに阻なし。もし「太衝」上に乘るが「螣蛇」「白虎」なれば、則ち車は翻り船は覆り、必ず人を傷つる。
在事の差使せらるるを占う
在事同差作使行,去留猶未決衷情。日辰上下無刑剋,傳往天罡必有徵。支干上下相殘害,用神天乙復還停。貴人背卻支干位(為干支在天乙後勾入臨),天馬行陽並計程(乘天馬主行人得出,天乙前為出陽主行)。行年立用為關鑰,記過猶能據本廳。若值天車來入卦,前途恐遭車馬驚。春巳夏辰秋在未,冬酉行人畏此並。
在職の人が差を派せられ出使せられ、去るか留まるか、心裏主意を拿えず。日干日支上下に刑克なく、三傳がまた「天罡」(辰)に行到せば、必定に出行するを要す。日干日支上下が互相殘害し、而して發用の神がまた「天乙貴人」なれば、あれは還って停留するを要す。貴人が日干日支の位を背向すれば(すなわち干支が天乙の後に落ちて勾連臨入せらるるなり)、「天馬」に乘りて陽位に行けば、則ち路程を計算するを要す(天馬に乘れば行人の動身し得るを主とす。天乙の前に在るを「出」と爲し、陽に屬して行を主とす)。行年の立つ神はすなわち關卡と鑰匙なり。たとえ過失あるも、還って本衙門の裏に申辯し得る。もし「天車」煞が課に入れば、前途は恐らく車馬の驚險に遭わん。天車は春は巳、夏は辰、秋は未、冬は酉に在り。出行の人は最もそれに遇上るを怕る。
逃亡を占う
運式占逃須辨人,男女良賤位中分。閉口德刑前兩卦,仔細推尋聖若神。假使天魁作元武,元下便是逃者身(欲尋逃者,皆責元武)。天魁去戌知遐邇(凡占逃亡,天魁戌地,一辰一進而,餘仿此,三里遠離三個辰,亦主三伴)。
式を運り盤を起こして逃亡を占うに、先に辨明するを要すは逃ぐるは何の人なるか。男女良賤は各々課位の中に分別す。「閉口」「徳」「刑」の前面の說く所の兩種の卦例を參用し、仔細に推尋すれば、靈驗神の如し。假使天盤の「河魁」(戌)上に「元武」を乘せば、元武の下は便ち逃者の藏身の處なり(およそ逃亡の人を尋ねるは、皆元武を以て主と爲す)。天盤河魁より地盤戌位に數えて、便ち遠近を知る(およそ逃亡を占うは、天盤河魁と地盤戌位を以て相較し、一辰を隔てて一程と算し、その餘は此に照らして類推す。三辰を隔てれば則ち三里の遠で、亦同行に三個の伴あるを主とす)。
上下並都因合數,三十五緣魁在寅(寅七魁五,並方之十二進而。若乘之即五七三十五進而)。貴人順治初玄檢(元武所成為初),天乙逆治武終巡(三傳元武終是)。返吟逃遠玄沖地(返沖即元武對沖),伏即非遙責元鄰(伏吟即元武所居前辰也)。
上神下神の數目は相加するか相乘するかして以て推すを要す。いわゆる「三十五」は、河魁が寅上に落つるに因る(寅數七・魁數五で、相加すれば十二程なり。もし相乘すれば則ち五七三十五程なり)。貴人が順行する時は、初傳上の元武より檢尋す(元武の落つる處を以て初と爲す)。貴人が逆行する時は、則ち末傳の元武上に巡查す(三傳中の末傳の元武はすなわち是なり)。返吟を占い得れば、逃ぐること遠し。元武の冲する地に到りて找求するを要す(返冲はすなわち元武の對冲の位なり)。伏吟を占い得れば、逃ぐること遠からず。則ち元武の左近に就きて找求せよ(伏吟は則ち元武の居する前一辰を取る)。
武在南方近窯灶,若在北方藏水濱。西為礱磨東林木,未是平田丑墓墳(未近坤,為平田;丑近艮,為墓墳)。武能生日自歸舍,武若生辰問友親。三傳元武並今日(傳中元武與今日之辰並),逃者當回莫告陳。三傳元武賊居處,剛日在干柔在辰。
元武が南方に在れば、人は窯竈の附近に躲藏す。北方に在れば、水邊に藏る。西方に在れば、碾坊磨房なり。東方に在れば、樹林の中なり。未に落つれば、平田なり。丑に落つれば、墳墓なり(未は坤位に近く、平田に屬す。丑は艮位に近く、墳墓に屬す)。元武が日干を生じ得れば、逃者は自ずから家に回る。元武がもし日支を生ぜば、則ち親友の家に到りて問え。三傳中の元武が占日と相併すれば(すなわち三傳裏の元武が當日の日辰と同位なり)、逃者は自ず當に回來すべく、官に報ずるに及ばず。三傳中の元武の所在は、すなわち逃者の藏身の處なり。甲丙戊庚壬の類の剛日は日干を看、乙丁己辛癸の類の柔日は日支を看る。
逃時を占う
欲覓人逃物走時,還將月宿以加之(月宿即月將也)。男藏室宿勝光捉,婦隱前星神后推(此法加當時之法也)。又去今辰三合墓,以墓加時此法奇。魁罡臨處藏其下,便遑擒之更莫疑(亥卯未以未加時,餘仿此)。
人の逃走し物件の失去したる時刻を尋ねんには、仍舊月宿加時を用いて課を起こす(月宿はすなわち月將なり)。男子が藏身すれば、「室宿」と「勝光」(午)を用いて去りて捉えよ。婦人が躲藏すれば、前星と「神后」(子)を用いて來て推せよ(これはそれらを當時の上に加えるの方法なり)。別に一法あり。當日日支三合局の墓神を取り、墓神を占時の上に加えれば、此法最も奇なり。「河魁」「天罡」の臨む所の處は、人は便ちそれの下に藏る。趕緊に去りて擒し、再び疑うに及ばず(たとえば亥卯未局は則ち未を以て時に加え、その餘は此に照らして類推す)。
假借を占う
若欲就人求借物,月將加時看日辰,上見功曹並大吉,吉將並之宜請陳。太乙勝光遲緩得,酉戌如臨便速之。婦女阻之因亥子,男作嬉難為卯辰。申未若臨虛措意,類在三傳不阻人(亦看三傳決之)。亦看三傳不相剋,當言如意順情因。
もし人に向いて東西を借りんとすれば、月將加時を用いて課を起こし、日干日支を看る。上に「功曹」(寅)と「大吉」(丑)に見え、また吉將の同臨あれば、應當に去りて口を開き相求すべし。「太乙」(巳)「勝光」(午)に見えれば、些時を拖延してこそ借り得る。酉・戌の臨身に見えれば、很く快く便ち借り得る。亥・子に見えれば、是れ婦女が中より作梗す。卯・辰に見えれば、是れ男子が戲弄留難す。申・未に見えれば、あれは心思を白費す。ただ所借の物の類神が三傳の中に在れば、則ち人の攔阻なし(亦三傳を看て以て決斷するを要す)。同じく三傳を看て彼此相克せざれば、便ち稱心如意・人情に順遂すると斷定し得る。
增附釋三才應事卷之十七終。大清乾隆四十年歲次乙未仲春七日錄竟。
『增附釋三才應事』卷之十七は此處に到りて結束す。大清乾隆四十年・歲次乙未仲春初七日に抄錄完畢す。
