事業
作盤ガイド: 八字作盤
傷官傷盡,或有殺有刃。或殺印相生,宜武備。傷食生財,或身財兩停,宜貿遷食神吐秀,或帶文昌,宜文學。正官清粹,或官印相生,宜政治。身重財輕,宜區程。劫比成群,宜自由職業。空拳覓利,財官並美,宜財政。
業を擇ぶは格局と十神の配置を看るを要す。「傷官傷盡」(傷官は勢を成して官星は盡く去る)、あるいは七殺ありてまた「羊刃」(日干の帝旺の支。氣極めて剛銳)あり、あるいは「殺印相生」(七殺は印を生じ印は再び身を生ず)のは、宜しく軍旅武職に從うべし。食傷は財を生じ、あるいは身と財と兩邊力量相當するは、宜しく販運を經商すべし。食神は秀を吐き(食神は日主の秀氣を泄す)、あるいは「文昌」貴人(聰明文采を主るの吉神)を帶ぶるは、宜しく文學著述すべし。正官は清純にして雜ならず、あるいは官印相生のは、宜しく政に從うべし。日主重くして財星輕きは、宜しく按部就班の途に就くべし(底本の「區程」はまさに「拘程」「規程」たる類に當るべし)。比肩劫財の群を成すは、宜しく自由職業にして、人の管轄を受けず。白手より家を起こして財官ともに美なるは、宜しく財政金融の事に任ずべし。
財官有力,日主朗健,可以自立為主,身旺無依,或身弱無助,只合依人作嫁。八字少沖少合,事業得成專一。多沖多合,則頻年變遷,栗六無成。 五行需水,或命有驛馬,宜流動事業,外勤職務。五行需火或需金,宜近工廠機械等事。五行需木或需土。則宜農林種植,固定實業。
財官は力量ありて、日主また健旺明朗なるは、以て門戶を自立し自家作主する可し。身旺にして依るべき一物なく、あるいは身弱にして相助くる一物なきは、ただ別人のために嫁衣裳を作り、他人に依附して生を謀るに合す。八字の裡、冲と合とともに少なきは、事業は專一にして成就し易し。冲多く合多きは、年年變動し、忙碌瑣碎にして(「栗六」はすなわち碌碌の意)一事も成なし。さらに五行の需要より方向を看る。命中は水を需め、あるいは「驛馬」(奔走遷動を主るの神煞。三合局の第一位の地支の冲する所の支より構成す)を帶ぶるは、宜しく流動性の行業と外勤職務とに從事すべし。命中は火を需めあるいは金を需むるは、宜しく工廠機械の一類に近づくべし。命中は木を需めあるいは土を需むるは、宜しく農林種植などの固定實業とすべし。
五行偏枯之命,所事多風俗波起落,亦有此業利而彼業不利者,五行停勻之命,大抵事業平穩,比比皆然。 八字病重藥輕。作事多出自動,而費力不計好。八字病藥相濟,事多出於被動,且遭受成而省力。
五行偏枯の命造は、做す所の事情は多半は風波に隨いて起落す(底本の「風俗波」、「俗」字は衍あるいは「浪」の訛と為すべし)。しかも往往この一行は利ありあの一行は利なし。業を選ぶは尤も謹愼を須う。五行停匀の命造は、事業は大都平穩にして、この類の例子は隨處に見る可し。さらに「病」と「藥」とを看る。八字の裡、病重くして藥輕き(忌神太強にして救應の神太弱し)は、事を做すに多く自家主動より出でて、しかるに力を費やして好を討たず。八字の裡、病と藥と彼此相當するは、事情は多く被動より出でて、かえって勢に順いて成り、力を省くこと甚だし。ここにいわゆる病とは、指す所は用神を傷害し格局を破壞するの神。いわゆる藥とは、指す所はこの病を制し去るの神なり。
按事業之推斷,其法不一。以上所述,舉其例端而巳已。更有性情環境之種種關係,不可拘泥片理由,乃貴乎活看。殆亦曉然胸中,而難以形容者也。
以下は作者の自注なり。事業を推斷するの方法は一種に止まらず。上の説く所はただ幾個の端緒を挙げ出だすのみ(底本の「巳已」はまさに「而已」とすべし)。この外また性情と環境との種種の牽連あり。一條の道理に拘執して去りて硬に套るべからず。なお舊に靈活に看待するに貴し。これらの道理は往往胸中に於て了了分明なれども、筆下に落つればしかるに形容し難し。作者は兩次「活看」を以て結と為す。まさに讀者を提醒するなり。命書の條例を列するは、判斷に一個の憑據を與ふるがため、人に按圖索驥せしめんと要するに非ずと。
官殺並見
官殺並見の影響
(一)日主喜克,官殺並見,吉力加增。 (二)日主忌克,官殺並見,凶力更顯。 (三)應用正官見混雜,八字不清,主多磨折。 (四)應用七殺見官混雜,命局淆亂,亦主奔波。 (五)用官而殺混,幸有去殺之神,凶而不凶。 (六)用殺而官混,幸有去官之神,凶而不凶。 (七)用官而殺混,並無去殺這神,凶不可免。 (八)用殺而官混,並無去官之神,亦以凶論。
「正官」と「七殺」とは同じく日主を克するの神にして、分別はただ陰陽に在るのみ。日干と陰陽相異なるは正官、相同じきは七殺。兩者は同時に一個の命局の裡に出現すれば、これを「官殺混雜」と叫作す。吉凶は日主本身の克せられるを需むるか否かを看るを要す。第一、日主身強にして克制を受くるを喜ぶは、官殺並見はかえって吉力を增加す。第二、日主身弱にして克を受くるを怕るるは、官殺並見は凶險はさらに顯なり。第三、もとより正官を取りて用と為すべきに、偏にまた七殺の來て混ずるを見れば、八字清ならず。一生多く磨折を主す。第四、もとより七殺を取りて用と為すべきに、偏にまた正官の來て混ずるを見れば、命局淆亂にして、また奔波勞碌を主す。第五、正官を用うて殺の來て混雜するに、幸に局中に殺を去るの神あれば、看るに凶に似て終究は凶ならず。第六、七殺を用うて正官の來て混雜するに、幸に官を去るの神あれば、同じく凶にして凶ならず。第七、官を用うて殺混ずるに、局中は並びに殺を去るの神なく(底本の「這神」はまさに「之神」とすべし)、凶險は避くべからず。第八、殺を用うて官混ずるに、局中は並びに官を去るの神なく、同じく凶を以て論ず。
官殺並見の喜忌
(一)身弱有印,喜官殺並見。 (二)身強有財,喜官殺並見。 (三)身弱無印,忌官殺並見。 (四)身強有傷食而無財,忌官殺並見。 (五)八字忌官,寺有傷官之制忌,又見七殺。 (六)八字忌殺,幸有食之制,忌又見正官。
官殺並見は究竟は喜ぶかあるいは忌むか。局中に承接する物の有無を看るを要す。第一、身弱にして印綬有るは、官殺並見を喜ぶ――官殺は身を克するといえども、しかるに先に去りて印を生じ、印は再び身を生ず。克はかえって變じて生と為ればなり。第二、身強にして財星有るは、官殺並見を喜ぶ――財は官殺を生じ、官殺は身を制す。正好く過旺の日主を把りて管束し住すればなり。第三、身弱にして印綬無きは、官殺並見を忌む――物の通關するなく、克力は直に日主の身上に落つればなり。第四、身強にして食傷ありてしかるに財星無きは、官殺並見を忌む――食傷はもと官殺を制せんと欲すれども、中間に轉圜するの財なく、すなわち兩軍對壘の爭戰の局と成ればなり。第五、八字はもと正官を忌み、幸に傷官ありてそれを制するに、この時は最もさらに七殺を見るを忌む(底本の「寺有」はまさに「幸有」とすべし)。第六、八字はもと七殺を忌み、幸に食神ありてそれを制するに、この時は最もさらに正官を見るを忌む。後の兩條の道理は相同じ。制服の神はただ一個を對付し得。第二個の來ればすなわちこれを顧みてかれを失えばなり。
官殺並見の去留
(一)官殺並見,嫌其混雜者,先謀去之之道,一者既去,一者自留矣。 (二)官殺並見,愛其互相協助者,不必議去議留,聽其自然可也。 (三)官殺並見,只有食神。去殺而留官。 (四)官殺並見,只有傷官,去官而留殺。 (五)官殺並見,食傷亦並見,官殺皆可去淨。
官殺すでに混雑すれば、すなわち一個の「誰を去り誰を留むるか」の問題あり。第一、凡そその混雑を嫌うは、まず一條のその中の一個を去るの路子を謀るを要す。一個すでに去れば、もう一個は自然に獨り留まり、命局は便ち清し。第二、凡そ命局は官殺の身を合力して制するを需め、その互相協助するを愛するは、便ち去を議し留を議するを要せず。その自然に聽かば便ち好し。第三、官殺並見して局中にただ食神あるのみなれば、食神と七殺とは同性相制す。すなわち殺を去りて官を留む。第四、官殺並見して局中にただ傷官あるのみなれば、傷官は專ら正官を克す。すなわち官を去りて殺を留む。第五、食神傷官は同時にともに有れば、官と殺とはみな去りて乾淨と為り得――ただ去り盡したる後、日主はなお管束を需むるか否か、別に論ずに當る。これ幾條の關鍵は在りて曰く、清純は混雑に勝り、寧ろただ一個を留めて情あるを取るべく、兩個ともに在りて相礙げるべからず。
(六)如甲日並見辛官庚殺,又有丙火合辛,是謂合官留殺。合者絆也,絆亦可去也。 (七)如甲日而透庚金七殺,又支見酉金,是庚殺乘旺,不作官殺混雜,不必議其去留耳。
第六條は例を挙げて説明す。「合」もまた去るの作用を起し得。甲木日干は、天干に同時に辛金正官と庚金七殺とを透出す。もし別に丙火ありて干に出でば、丙と辛と相合し(丙辛は水に合す)、辛官は絆住せられてさらに官と作る能わず。これを「合官留殺」と叫ぶ。いわゆる合とは、すなわち牽絆なり。牽絆し住せば、去るの效果と相同じ。第七條はすなわち一種の混ずるに似て混ぜざるの情形を辨明す。甲木日干は天干に庚金七殺を透出し、地支にまた酉金を見る――酉は陰金に屬し甲に於ては正官の氣なりといえども、ただそれは庚金の旺地(庚は祿は申に在り旺は酉に在り)なれば、ただ七殺の旺に乘じて根を得と算して、並びに官殺混雜と算せず。すなわち去留を議論するを用いざらん。見るべし、混雜を判ずるはただ天干の顯露する官殺を論じ、地支の根と為る者はこの例に在らず。
(八)甲乙日見申酉,以巳去申,或以寅去申,以午去酉,或以卯去酉。丙丁日見亥子,以辰戌去亥,或以巳去亥,以丑未去子,或以午去子。戊己日見寅卯,以申去寅,以酉去卯。庚辛日見巳午,以亥去巳,以子去午。壬癸日見辰戌丑未,以寅去辰戌,以卯去丑未。
第八條は地支の上の官殺をいかに去るかを講ず。凡そ支中の官殺を去るは、「合」「冲」「克」の三法より出でず。甲乙木日干は申酉金を見れば(金は木を克すればすなわち官殺)、以て巳を用いて申を去り(巳申は相合して絆す)、あるいは寅を用いて申を去り(寅申は相冲す)、午を用いて酉を去り(午火は酉金を克す)、あるいは卯を用いて酉を去り(卯酉は相冲す)。丙丁火日干は亥子水を見れば、以て辰戌を用いて亥を去り(土は水を克す)、あるいは巳を用いて亥を去り(巳亥は相冲す)、丑未を用いて子を去り(土は水を克す)、あるいは午を用いて子を去り(子午は相冲す)。戊己土日干は寅卯木を見れば、申を用いて寅を去り(申寅は相冲す)、酉を用いて卯を去り(卯酉は相冲す)。庚辛金日干は巳午火を見れば、亥を用いて巳を去り(巳亥冲)、子を用いて午を去り(子午冲)。壬癸水日干は辰戌丑未土を見れば、寅を用いて辰戌を去り(木は土を克す)、卯を用いて丑未を去り(木は土を克す)。
(九)戊己日見寅卯,又遇午戌,則寅合午戌成火,而卯獨當權。庚辛日見巳午,又遇酉丑,則巳會酉丑成金,而午獨當權。甲乙日見申酉,又遇子辰,則申會子辰成水,而酉獨當權。丙丁日見亥子,又遇卯未,則亥會卯未成木,而子獨當權。壬癸日見丑辰或戌未,又遇子申或寅午則辰會子申成水,戌會寅午成火,而丑未當權矣。
第九條は「三合局」を用いて官殺の中の一個を牽いて走らせるを講ず。剩るあの一個は自然に獨りその權に當る。地支は四位ごとに相隔ちて相合成りて一局と為す。寅午戌は火に合し、巳酉丑は金に合し、申子辰は水に合し、亥卯未は木に合す。戊己土日干は寅卯を見て官殺と為す。もし局中また午と戌とあれば、寅は便ち拉されて去りて火局を合成し、ただ卯木のみ獨り權に當る。庚辛金日干は巳午を見て官殺と為す。もしまた酉と丑とあれば、巳は拉されて去りて金局を合成し、ただ午火のみ權に當る。甲乙木日干は申酉を見れば、もしまた子と辰とあれば、申は拉されて去りて水局を合成し、ただ酉金のみ權に當る。丙丁火日干は亥子を見れば、もしまた卯と未とあれば、亥は拉されて去りて木局を合成し、ただ子水のみ權に當る。壬癸水日干は丑辰あるいは戌未を見て官殺と為す。もしまた子申あるいは寅午あれば、辰は子申に會して水に化し、戌は寅午に會して火に化す。是に於てただ丑未の兩個の土のみ權に當る。
(十)丙丁日見亥子,若子隨辰合入庫,則亥當權。庚辛日見巳午,若午隨戌合入庫,則巳當權。戌己日見寅卯,若卯隨未合入庫,則寅當權。甲乙日見申酉,若酉隨丑合入庫,則申當權。 (十一)庚辛申酉並見,足可以去一甲一乙一寅一卯,亦可去甲寅乙卯。若一庚一申一辛一酉,去甲乙寅卯,勢必不能。
第十條は上條と同じ理にして、ただ換えて「入庫」と為す。辰は水庫、戌は火庫、未は木庫、丑は金庫なり。本氣の支は庫支に收め去られれば、便ちさらに權に當らず。丙丁日干は亥子官殺を見れば、子はもし辰に隨いて合して水庫に入れば、すなわちただ亥のみ權に當る。庚辛日干は巳午を見れば、午はもし戌に隨いて火庫に入れば、ただ巳のみ權に當る。戊己日干は寅卯を見れば(底本の「戌己」はまさに「戊己」とすべし)、卯はもし未に隨いて木庫に入れば、ただ寅のみ權に當る。甲乙日干は申酉を見れば、酉はもし丑に隨いて金庫に入れば、ただ申のみ權に當る。第十一條は力量の配比を講ず。庚・辛・申・酉の四金齊備せば、一個の甲・一個の乙・一個の寅・一個の卯を去るに足る。甲寅・乙卯の兩組を去るにも足る。ただもし一庚一申一辛一酉あるのみにして、同時に甲・乙・寅・卯の四木を去らんと要せば、力量はすなわち萬萬足らず。去留の説は、終に歸して要に雙方の分量を衡量す。
(十二)官殺並見,傷官食神亦並見。傷官較為有力。則去官,食神較為有力,則去殺。 (十三)陰日傷官,可以去官,又可以合殺。貼近正官,則以去官論。貼近七殺,則以合殺論。陽日食神,可以去殺,而又可合官。貼近七殺,則以去殺論貼近正官,則以合官論。陰日食神,只可去殺,不能合官。陽日傷官,只可去官,不能合殺。
第十二條。官殺すでに並見し、食神傷官もまた並見する時は、すなわちどれ一個かさらに力量あるを看る――傷官有力なれば官を去り、食神有力なれば殺を去る。第十三條は陰陽日干の差別を辨ず。須く實例を以て體會すべし。乙木は陰日に屬し、その傷官は丙火なり。丙はよく庚(乙の正官)を克して官を去る能し、また辛(乙の七殺)と相合して殺を絆する能し。この時は位置を看る。丙は正官に貼近すればすなわち去官と算し、七殺に貼近すればすなわち合殺と算す。甲木は陽日に屬し、その食神は丙火なり。丙はよく庚(甲の七殺)を克して殺を去る能し、また辛(甲の正官)を合する能し。七殺に貼近すれば去殺と算し、正官に貼近すれば合官と算す。乙木の食神は丁火に至っては、丁はただ辛を克して殺を去る能して、しかるに庚を合する能わず(庚はすでに乙自身と相合す)。甲木の傷官もまた丁火なり。丁はただ辛を克して官を去る能して、しかるに庚を合する能わず。ゆえに説く、陰日の食神はただ殺を去り得て官を合する能わず、陽日の傷官はただ官を去り得て殺を合する能わずと。
燥濕
大抵命局亢燥,則喜潤澤。命局潮溼,則喜暄燠。八字無水或少水,值於夏令,或多木多火,乃亢燥之局。若命中喜土,逢燥土則益燥,未必佳妙。逢溼土則得滋,上加吉矣。八字無火或火少,時在冬令,或多金多水,乃潮溼之乙,如命中喜土,逢溫土則更溼,未易言吉。逢燥土則去溼,花添錦上矣。天干五行,無分燥溼,地支則昭然有別。今請一一言之,亦學命所不可不知也。
命を看るは五行の多寡を看るを除きて、なお全局の干濕寒暖を看るを要す。大抵命局は亢燥のは、潤澤を得るを喜ぶ。命局は潮濕のは、溫暖を得るを喜ぶ。八字の裡に水なくあるいは水極めて少なく、また夏季に生まれ、あるいは木多く火多きは、すなわち亢燥の局なり。この種の命はもし土を喜べば、燥土に遇上ればたださらに燥するのみにして、未だ必ずしも好事ならず。濕土に遇上せば初めて滋潤を得。それは初めて錦の上に花を添ゆるなり。反對に、八字の裡に火なくあるいは火極めて少なく、冬季に生まれ、あるいは金多く水多きは、すなわち潮濕の局なり(底本の「潮濕之乙」、「乙」はまさに「局」の誤に當るべし)。この種の命はもし土を喜べば、濕土に遇上れば(底本は「溫土」と作す。まさに「濕土」とすべし)たださらに濕するのみにして、甚だ吉と説き難し。燥土に遇上せば初めて濕を去り得。それは初めて錦の上に花を添ゆるなり。天干はただ五行を論じて、燥濕を分かたず。地支は蔵干の同じからざるに因りて、燥濕は判然として別あり。以下逐一に説明す。これもまた命を學ぶ人の知らざるべからざるなり。
子、卯、酉、為純金純水純木,亦無燥溼之分。丑中己辛,為溼土溼金,因有癸水藏也。寅申甲戊,為燥木燥土,因有丙火藏也。辰中戊乙,為溼土溼木,因有癸水藏也。巳中戊庚,火燥土燥金,因有丙火藏也。午中之己,為燥土,因有丁火藏也。未中己乙為燥土燥木,因有丁火藏也。申中庚戊,為溼金溼土,因有壬水藏也。戌中戊辛,為燥土燥金,因藏有丁火也。亥中之甲,為溼木,因藏有壬水也。
地支の燥濕は、全くその「藏干」の裡に水あるか無きか・火あるか無きかを看る。子・卯・酉の三支は各別に純水・純木・純金にして、本氣單一なれば、ゆえに燥濕を分かたず(原文は「純金純水純木」と列作す。子卯酉の次序と相對應す)。丑中は己土・辛金を蔵し、同じく癸水を藏するに因りて、ゆえに濕土・濕金なり。寅中は甲木・戊土を蔵し(底本の「寅申」はまさに「寅中」とすべし)、同じく丙火を藏するに因りて、ゆえに燥木・燥土なり。辰中は戊土・乙木を蔵し、同じく癸水を藏するに因りて、ゆえに濕土・濕木なり。巳中は戊土・庚金を蔵し、同じく丙火を藏するに因りて、ゆえに燥土・燥金なり(底本の「火燥土燥金」、「火」は「為」とすべし)。午中の蔵する己土は、同じく丁火を藏するに因りて、燥土なり。未中の蔵する己土・乙木は、同じく丁火を藏するに因りて、燥土・燥木なり。申中は庚金・戊土を蔵し、同じく壬水を藏するに因りて、濕金・濕土なり。戌中は戊土・辛金を蔵し、同じく丁火を藏するに因りて、燥土・燥金なり。亥中の蔵する甲木は、同じく壬水を藏するに因りて、濕木なり。同一個の土字にして、丑辰に在れば便ちよく水を納れ、午未戌に在れば便ちただ燥を助くるのみ。用神の取捨は全くここに高下を分かつ。
初學捷徑
用之官星不可傷,不用官星盡可傷。 用之財官不可劫。不用財星盡可劫。 用之印綬不可壞。不用印綬盡可壞。 用之食神不可奪。不用食神盡可奪。 用之七釘不可制。制殺太過反為凶。 身殺兩停宜制殺。殺重身輕宜化殺。 身強殺淺宜生殺。羊刃重重喜食傷。 若逢官殺變生殃,財多身弱宜劫刃。 劫重財輕喜食神,官旺身衰宜印地, 官衰印旺利財縛,莫道梟神無用處, 殺多食重最為良,勿謂羊刃是凶物, 財多殺黨亦為貞。
この一段は初學者に與ふるの口訣にして、通篇ただ一個の道理を講ず。十神本身は吉凶と謂ふべきなく、用神なるか否かが初めて護るべきか破るべきかを決定す。取りて用神と作る官星は絶に傷るべからず。取りて用神と作らざる官星は盡く傷る可し。取りて用神と作る財官は劫奪せらるべからず。取りて用神と作らざる財星は盡く劫す可し。取りて用神と作る印綬は破壞せらるべからず。取りて用と為さざる印綬は盡く破る可し。取りて用神と作る食神は梟神に奪い去らるべからず。取りて用と為さざる食神は盡く奪う可し。取りて用神と作る七殺(底本の「七釘」は「七殺」の訛り)はさらに制伏を加ふべからず。殺を制すること太過なればかえって凶と成る。日主と七殺と勢均力敵のは、宜しく食傷を用いて殺を制すべし。殺重くして身輕きは、宜しく印綬を用いて殺を化すべし。身強にして殺淺きは、かえって宜しく財を用いて殺を生ずべし。「羊刃」の重々疊々たるは、食傷その鋒芒を泄するを見るを喜ぶ。もしさらに官殺の來て激するに逢えば、かえって禍殃を生ず。財多くして身弱のは、宜しく劫財・羊刃の身を助け財を奪うを得べし。劫財重くして財星輕きは、食神の通關して、劫財の氣を把りて轉じて去りて財を生ぜしむるを喜ぶ。官旺にして身衰のは、宜しく印綬の地に走りて官を化し身を生ずべし。官衰にして印旺のは、財星を用いて印綬を牽制するに利あり。梟神(偏印)の用處なしと説くなかれ。殺多くして食神もまた重きの局面に遇上せば、梟神は食を奪い殺を留めて用あり。まさに最も好きの配合なり。また羊刃は必定凶物と以為するなかれ。財多くして殺また黨を結ぶの時候、羊刃は身を助け財に任ず。同じく吉徵なり。
五行生克衰旺顚倒微妙
木本生火,木多火熾。有金克木,則可生火矣。 火本生土,火多土焦。有水克火,則可生土矣。 土本生金,土多金埋。有木克土,則可生金矣。 金本生水,金多水弱。有火克金,則可生水矣。 水本生木,水多木浮。有土克水,則可生木矣。 木本生火,火多木焚。水克火則生木,火生土則存木也。 火本生土,土重火熄。木克土則生火,土生金則存火也。 土本生金,金多土洩。火克金則生生,金生水則存土也。 金本生水,水泛金沉。土克水則生金,水生木則存金也。 水本生木,木旺水涸。金克木則生水,木生火則存水也。
五行の相生はもと常理にして、一たび一方は量に過ぎれば、生はすなわち翻りて害と成る。これすなわち「顚倒」の妙なり。まず母旺にして子傷を受くを説く。木はもと火を生ずるに、木太多きはかえって火を把りて壓して熾塞して通ぜず。この時金ありて來て木を克すれば、木一たび減れば、火はかえって生を得。火はもと土を生ずるに、火太多きはかえって土を把りて燒焦し、水ありて火を克すれば、土はかえって生を得。土はもと金を生ずるに、土太多きはかえって金を把りて埋沒し、木ありて土を克すれば、金はかえって生を得。金はもと水を生ずるに、金太多くして水はかえって衰弱を顯し、火ありて金を克すれば、水はかえって生を得。水はもと木を生ずるに、水太多ければすなわち木は漂浮して根なし。土ありて水を克すれば、木はかえって生を得――これすなわちいわゆる「母多くして子を滅す」。救法はその母を克するに在り。次いで子旺にしてかえって母を傷るを説く。木はもと火を生ずるに、火太旺なればかえって木を把りて燒盡す。この時あるいは水を用いて火を克し、あるいは火を用いて去りて土を生ぜしめ(火の氣を泄す)、木はみな保全し得。火はもと土を生ずるに、土太重ければかえって火を把りて掩熄し、あるいは木を用いて土を克し、あるいは土を用いて去りて金を生ぜしめば、火はみな保全し得。土はもと金を生ずるに、金太多ければかえって土の元氣を把りて泄し盡し、あるいは火を用いて金を克し、あるいは金を用いて去りて水を生ぜしめば、土は便ち存を得(底本の「則生生」はまさに「則生土」とすべし)。金はもと水を生ずるに、水太泛濫なればかえって金を沈沒せしめ、あるいは土を用いて水を克し、あるいは水を用いて去りて木を生ぜしめば、金は便ち存を得。水はもと木を生ずるに、木太旺なればかえって水を把りて吸乾し、あるいは金を用いて木を克し、あるいは木を用いて去りて火を生ぜしめば、水は便ち存を得――これすなわち「子多くして母衰え」。救法はその子を克しあるいはその子を泄するに在り。
木生火也,木火兩旺,宜水以養木。 火生土也。火土兩旺,宜木以養火。 土生金也。土金兩旺,宜火以助土。 金生水也。金水兩旺,宜土以生金。 木能生火,然火亦能生木也。水 生木者,潤地之燥也。火生木者,解天之凍也。 木能生火,然火亦能生木也。水生木者,潤地之燥也。火生木者,解天之凍也。
母子兩旺の時は、宜しくいずれか一方を克し去るべからず。ただ宜しくさらに上に往きて一層を追いて、去りてあの母を生ずべし。木は火を生じて木火ともに旺なれば、宜しく水を用いて木を養うべし――水は木を生じ、木は自然に源源として火を生ず。火は土を生じて火土ともに旺なれば、宜しく木を用いて火を養うべし。土は金を生じて土金ともに旺なれば、宜しく火を用いて土を助くべし。金は水を生じて金水ともに旺なれば、宜しく土を用いて金を生ずべし。これを「その勢に順いてその根を培う」と叫ぶ。接いで反生の理を講ず。木はよく火を生ず。しかるに火はかえってまたよく木を生ず。水のよく木を生ずる所以は、地上の乾燥を潤澤するなり。火のよく木を生ずる所以は、天時の寒凍を解開するなり――冬木は火を得て、凍解きて氣舒やぐ。まさに生意の在る所なり。(この條の底本は重ねて一度出づ。前の一度は竝びて行末に斷じて兩行と作す。文字全く同じ。いま照錄す。)
火能生土,然土亦能生火也。木生火者,冬木之枯也。土生火者,夏土之燥也。 土能生金,然金亦能生土也。火生土者,去地之溼也。金生土者,防土之傾也。 金能生水,然水亦能生金也。土生金者,砥水之溢也。水生金者,制火之烈也。 水能生木,然木亦能生水也。金生水者,阻其洩漏也。木生水者,去其淤塞也。
反生の道理は、行ごとに推して下ればみな成立し得。火はよく土を生ず。土はかえってまたよく火を生ず。木のよく火を生ずる所以は、冬天の枯木の燃え易きを取るなり。土のよく火を生ずる所以は、夏土の乾燥にして火氣を承くる能きを取るなり。土はよく金を生ず。金はかえってまたよく土を生ず。火のよく土を生ずる所以は、地裡の濕氣を去るなり。金のよく土を生ずる所以は、土のために傾瀉の勢を擋ぐなり。金はよく水を生ず。水はかえってまたよく金を生ず。土のよく金を生ずる所以は、堤を築きて水の漫溢を阻むなり。水のよく金を生ずる所以は、火の猛烈を制住して金の熔を受けざらしむるなり。水はよく木を生ず。木はかえってまたよく水を生ず。金のよく水を生ずる所以は、その泄漏を堵住するなり。木のよく水を生ずる所以は、その淤塞を疏去するなり。見るべし、五行の間は單向の機械關係に非ず。凡そよく某一行の病を除去すれば、すなわちそれを生ずるに等し。
木本克土,土多木折。水生木,則木能克土。 火本克金,金多火熄。木生火,則火能克金。 土本克水,水多土蕩。火生土,則土能克水。 金本克木,木多金缺。土生金,則金能克木。 水本克火,火多水涸。金生水,則水能克火。 木克土,土太多。宜金以衛土也。 火克金,火太多。宜水以養金也。 土克水,水太多,宜木以納水也。 金克木,木太多,宜火以榮木也。 水克火,火太多,宜土以扶火也。
相克もまた一樣に顚倒あり。まず克する者はかえって克せらるる所の神に拖き垮さるを説く。木はもと土を克するに、土もし太多ければ、木はかえって折斷せられん。この時水を用いて木を生ぜしめば、木は力を得て初めて土を克し動かすを得。火はもと金を克するに、金もし太多ければ、火はかえって撲熄せられん。木を用いて火を生ぜしめば、火は初めて金を克し動かすを得。土はもと水を克するに、水もし太多ければ、土はかえって冲蕩せられん。火を用いて土を生ぜしめば、土は初めて水を制し得住すを得。金はもと木を克するに、木もし太多ければ、金はかえって崩缺せられん。土を用いて金を生ぜしめば、金は初めて木を砍し動かすを得。水はもと火を克するに、火もし太多ければ、水はかえって燒乾せられん。金を用いて水を生ぜしめば、水は初めて火を澆し滅するを得――救法はみなあの克する者を生ずるに在り。次いで克せらるる一方の欺を受くること太甚の時の救法を説く。木は土を克して木太多ければ、宜しく金を用いて去りて土を衛護すべし(金は木を克し、木退けばすなわち土安んず。底本の「土太多」はまさに「木太多」とすべし)。火は金を克して火太多ければ、宜しく水を用いて去りて金を養うべし。土は水を克して水太多ければ、宜しく木を用いて去りて水を納るべし(木は水を吸いて水は橫流せず)。金は木を克して木太多ければ、宜しく火を用いて去りて木を榮やかすべし(火は木氣を泄してかえって木を榮ならしむ)。水は火を克して火太多ければ、宜しく土を用いて去りて火を扶くべし(土は火を泄して水はさらに攻むる能わず)。
木克土也,木土兩旺,宜水以潤土。 土克水也。水土兩旺,宜火以溼水。 水克火也。水火兩旺,宜金以熄火。 火克金也。火金兩旺,宜木以缺金。 金克木也。金木兩旺,宜土以折木。 木能克土,然水亦能克木也。木克土者,春土之柔也。土克木者,夏土之燥也。 土能克水,然水亦能克土也。土克水者,夏水之涸也。水克土者,冬水之凍也。 水能克火,然火亦能克水也。水克火者,金水寒凝也。火克水者,杯水車薪也。 火能克金,然金亦能克火也。火克金者,春火之相也。金克火者,冬火之囚也。 金能克木,然木亦能克金也。金克木者,金堅木凍也。木克金者,木盛金脆也。
克する者と克せらるる者との兩邊ともに旺の時は、宜しくさらに一方を助くべからずして、別に一物を尋ねて調停せんことを要す。木は土を克して木土ともに旺なれば、宜しく水を用いて土を潤すべし――水はすでに木を泄してまた土を滋す。兩邊ともにその平を得。土は水を克して水土ともに旺なれば、宜しく火を用いべし(底本の「宜火以濕水」はまさに「以溫水」とすべし。火は土を溫し燥して水は橫流せず)。水は火を克して水火ともに旺なれば、宜しく金を用いべし――金は水を泄し水を生ずるは固然として水を助く。ここに取る所はその火勢を收斂するの意なり(原文は「宜金以熄火」と作す)。火は金を克して火金ともに旺なれば、宜しく木を用いべし――木は火を泄して金は喘息を得(原文は「以缺金」と作す)。金は木を克して金木ともに旺なれば、宜しく土を用いべし――土は金を泄して木は傷を受けず(原文は「以折木」と作す)。以下さらに反克を講ず。木はよく土を克す。土はかえってまたよく木を克す(底本の「然水亦能克木」、「水」は「土」とすべし)――木の土を克するは、春天の土性柔弱を取るなり。土の木を克するは、夏天の土燥にして木は吸乾せらるるを取るなり。土はよく水を克す。水はかえってまたよく土を克す――土の水を克するは、夏水はもとより乾涸す。水の土を克するは、冬水は凝凍して冰と成り、堅は土に過ぐ。水はよく火を克す。火はかえってまたよく水を克す――水の火を克するは、金水寒凝の勢なり。火の水を克するは、杯水車薪にして、水少なければかえって燒乾せらる。火はよく金を克す。金はかえってまたよく火を克す――火の金を克するは、春天の火は相氣を得て金衰ゆ。金の火を克するは、冬天の火は囚地に處して金旺す。金はよく木を克す。木はかえってまたよく金を克す――金の木を克するは、金堅にして木凍脆なり。木の金を克するは、木盛にして金はかえって崩缺す。
旺者宜克。然旺之極者,宜洩而不宜克也。所謂實則瀉其子,是以春木森森,宜火旺以通耀。夏火炎炎,宜土多而斂威。秋金銳銳,宜水盛以流清。 冬水洋洋,宜木眾而納勢,季土疊疊,宜重金以吐秀。 弱者宜生。然弱之極者,宜克而不宜生也。所謂虛則補其母,是以秋木凋落,宜金而不宜水也。冬火熄滅,宜水而不宜木也仲春之土無火生,反宜木也。仲秋之土無火生,反宜金也。 陽之極者,陰至也。陰之極者,陽至也。寒極則熱生也。熱極則寒生也。
一般に旺る者は克するに宜しと説くも、しかるに旺ること極點に到るは、すなわちただ泄するに宜しくして克するに宜しからず。これすなわち醫家の説く所の「實則瀉其子」なり。春天の木氣森森たるは、宜しく旺火ありてその氣を把りて透出して光を放たしむべし。夏天の火勢炎炎たるは、宜しく多土ありてその威勢を把りて收住すべし。秋天の金氣銳利なるは、宜しく盛水ありてそれを流轉清澈せしむべし。冬天の水勢汪洋たるは、宜しく衆木ありてその氣勢を承納すべし。四季月の土は層層疊疊たるは、宜しく重金ありてその秀氣を把りて吐出すべし。反對に、一般に弱者は生ずるに宜しと説くも、しかるに弱ること極點に到るは、かえって克するに宜しくして生ずるに宜しからず。これすなわち「虛則補其母」の道理なり。秋木凋零するは、宜しく金を見るべくして水を見るに宜しからず(水は木を生ずるといえども、秋水寒にして木は受けず。かえって金のこれを克して木をしてその根に返るを知らしむるに如かず)。冬火熄滅するは、宜しく水を見るべくして木を見るに宜しからず(此處の底本は文氣急促にして句讀を加えず。その意は謂ふ、冬木は濕寒にして火を生ずる能わず。かえって水のその性を激するに如かずと)。仲春の土は火の來て生ずるなく、かえって宜しく木を見るべし。仲秋の土は火の來て生ずるなく、かえって宜しく金を見るべし。總じて歸するに一句。陽は極處に到れば陰は便ち來り、陰は極處に到れば陽は便ち來り、寒は極り、寒は極處に到れば熱は便ち生じ、熱は極處に到れば寒は便ち生ず――命理は物極まれば必ず反ると講じ、天道と一般なり。
評斷篇
評斷の程序
每一命局,或五行錯綜,或六神紛雜,評斷而無規定程序,極難入手。茲議為八步如後。 (一)看強弱。 (二)定格局。 (三)取用神。 (四)論喜忌。 (五)查歲運。 (六)推六親。 (七)評性情。 (八)斷事業。
毎一個の命局は、あるいは五行交錯紛雜にし、あるいは「六神」(我を生じ我が生じ我を克し我が克し我に同じの諸神の總稱。すなわち印・食傷・官殺・財・比劫)は頭緒繁多なり。評斷はもし一定の次第なければ、極めて下手し難し。作者はこれに因りて八個の步驟を擬定し、次に依りて行う。第一步は日主の強弱を看る。第二步は格局を定む。第三步は用神を取る。第四步は喜忌を論ず。第五步は大運流年を査す。第六步は六親を推す。第七步は性情を評す。第八步は事業を斷ず。この八步は全書の命例の通用の框架にして、後の「評斷の舉例」の幾造は、まさに條を逐いてこの次序に按じて演じて讀者に看せるなり。
評斷の標準
(一)看強弱以日干為主。以多寡、盛衰、失時、得令、為標準。 (二)定格局,以月支為標準(外格不在此例)。 (三)以用神,以助強扶弱為標準。 (四)論喜忌,以用神為標準。 (五)查歲運,以喜忌為標準。 (六)推六親,以四柱六神為標準。 (七)評性情,以五行用神等為標準。 (八)斷事業,以用神及喜忌為標準。
八步は各々各々の準繩あり。第一、強弱を看るは日干を以て主體と為し、身を助くるの神と克泄の神との多寡盛衰、および日干の月令の上に時を失うか令を得るかを衡量す。第二、格局を定むるは月支の蔵する所の神を以て準と為し、月支より何神か透出せば便ち何格かを立つ(專旺・從化の一類の「外格」はこの例に在らず)。第三、用神を取るは「抑強扶弱」を以て準と為す――身強なれば則ち克泄耗の神を取り、身弱なれば則ち生扶の神を取る(原文の「以用神」、「以」はまさに「取」とすべし)。第四、喜忌を論ずるは用神を以て準と為し、凡そ用神を生助するはこれ喜神、凡そ用神を損傷するはこれ忌神。第五、大運流年を査するは喜忌を以て準と為し、喜神の地に行れば則ち吉、忌神の地に行れば則ち凶。第六、六親を推すは四柱の居する所の宮位と六神とを以て準と為す。第七、性情を評するは五行偏重と用神の屬性とを以て準と為す。第八、事業を斷ずるは用神および喜忌の屬する所の五行・十神を以て準と為す。八條は環環相扣す。用神は一たび取り錯れば、後の五步は全盤みな誤る。ゆえに用神を取るは評斷の樞紐なり。
評斷の舉例
(一)陸姓乾命
癸未 甲子 丙戌 己亥 一歲 癸亥 十一 壬戌 廿一 辛酉 三一 庚申 四一 己未 五一 戊午
これは上文の八步の程序に按じて演示する第一造にして、男命なり。四柱は直排して、上より下へ依次に年柱癸未・月柱甲子・日柱丙戌・時柱己亥。日柱天干の丙火はすなわち「日主」にして、命主本人を代表し、月支の子水は「月令」にして、全局の氣候と格局とを決定す。右側の一欄は「大運」。一歲に運を起こし、此後每十年に一柱を換え、依次に癸亥・壬戌・辛酉・庚申・己未・戊午。大運の干支は月柱より推して出づ。男命は陽年に生まれれば順排し、陰年に生まれれば逆排す。女命はこれに反す。この造は年干癸は陰に屬し、男命なればゆえに逆行す。ゆえに月柱甲子より倒して退きて癸亥・壬戌・辛酉……と成る。命を看る時は大運と當年の「流年」とを合わせて參すれば、便ち某段の年歲の順逆を推知し得。
強弱 丙死於冬。亥子癸三水,既得其令,又兢來克。未戌己土雖能制水,乃本身先洩丙火之氣,只月上甲木生丙。綜計全局,抑者太多,扶者太少,故丙干以弱論。 格局 丙生子月,干透癸水,為正官之格。
第一步は強弱を看る。丙火は冬天に生まれ、十二長生の次序に按ずれば、丙火は子月にまさに「死」の地にして、先天すでに時を失う。局中の時支亥・月支子・年干癸は、三處ともに水にして、すでに令に當り勢を得、また爭いて來て丙火を克す(底本の「兢來克」、「兢」はまさに「競」とすべし)。年支未・日支戌・時干己は土なりといえども、よく水を制するも、しかるに土はまず丙火の氣を泄して初めて形を成さんことを要す。倒忙を助くるに等し。全局にただ月干の一個の甲木ありてよく丙火を生ず。總じて算して下れば、日主を抑制するは太多く、日主を扶助するは太少し。ゆえに丙火は身弱と斷ず。第二步は格局を定む。丙火は子月に生まれ、子中の蔵する癸水はまた天干に透す。癸水は丙火に對して言えば我を克して陰陽相異なるの神、すなわち「正官」なり。ゆえに「正官格」と立つ。
用神 丙既云弱,必須生扶。月上甲木洩水之有餘,生火之不足,取用無疑,即謂官格用印是也。 喜忌 既用甲木,自喜木火助用助身,不畏土之洩火。水之克水,蓋土有木制,水有木當也,然亦非所喜耳。最忌金為生水助虐。克木則傷用。
第三步は用神を取る。丙火はすでに身弱なれば、必ず生扶せんことを要す。月干の甲木は一面に水の有餘の氣を吸い去り、一面に火の不足を補い上ぐ。一物兩用にして、それを取りて「用神」と作すは疑問なし。これすなわち命書の説く所の「官格用印」なり――正官太旺の時は去りてそれを制せずして、印綬を用いて官氣を把りて化して來て身を生ず。第四步は喜忌を論ず。すでに甲木を以て用と為せば、自然に木・火の地を喜ぶ。木はよく用神を助け、火はよく日主を幇す。また土の來て火を泄し水の來て火を克するを怕れず(底本の「水之克水」、下一の「水」はまさに「火」とすべし)。土は甲木の克制あり、水は甲木の引化あればなり(底本の「水有木當」、「當」は疑わしく「化」の訛ならん)。ただ終に喜ぶ所と算するに足らず。最も忌むは金なり。金は水を生ぜば便ち助紂為虐、金は木を克せば便ち直に用神を傷る。
歲運 一歲初走癸亥運,一派水鄉,稚年多病。十一歲行壬戌運。水土各半,亦乏善可陳。二十一歲辛酉運。甲辰年隨某鉅公至廣東,充記室四載。腰纏黃白,正逢木火流年也。娶妻得子,亦在斯時。嗣即奔馳少功矣。三十一歲庚甲運。用神受損蓬飄萍泛,宇內寓形。南北東西,焦桐莫識。尤以三十六後,流年多金水,無家可。
第五步は歲運を査す。一歲に起きて便ち癸亥運に走り、滿目みな水鄉なり。幼年はこれに因りて多病す。十一歲に壬戌運に行く。壬水と戌土とは各々一半を占むも、また甚だ稱道すべきなし。二十一歲に辛酉運に進む。もと忌神の地に屬す。所幸は甲辰のあの年は某の顯要人物に隨いて廣東に到り、「記室」(文書を掌るの幕僚)を充任すること四年。囊中は頗る積蓄あり(「黃白」は黃金白銀を指す)。まさに木火の流年に碰上するの故なり。妻を娶り子を生ずるもまたみなこの幾年に在り。此後は便ち奔走多くして成功少なし。三十一歲庚申運(底本は「庚甲運」と作す。前列の大運に據ればまさに「庚申」とすべし)。庚金は甲を克し、申金は水を生ず。用神は損を受く。是に於て漂泊すること蓬のごとく萍のごとく、天地之間に身を寄するといえども、東西南北はしかるに人のこの具の焦桐を識る無し(蔡邕の焦尾琴の典を用う。才士の遇ならざるを喻す)。尤其に三十六歲以後、流年は多く金水に走りて、竟に家に歸る可きなしに至る――此處の底本は脱文あり。「無家可」の下は一字を缺く。
四十一歲之己未運。有甲子,乙丑,丙寅,丁卯,四則之吉,努力勿怠。再後都金水年,徵求毋奢。五十一歲戊午運。以五二,五三,五四,五五。小有作為。午運之羊刃被沖,自難樂觀。故五十六後。可撫孤松而盤桓矣。
四十一歲に己未運に行く。己土未土は火を泄すといえども、究竟は南方の燥土にして、さらに水を助けず。その間の甲子・乙丑・丙寅・丁卯の四個の流年はみな吉(甲乙木は身を生じ、丙丁火は身を幇す)。まさに努力して懈怠すべからず。さらに後に往けば流年は多く金水に屬し、謀求はすなわち期望するに太奢なるべからず。五十一歲に戊午運に進む。五十二・五十三・五十四・五十五のこの幾年は以て小さく作為あり得。ただ午は丙火の「羊刃」(日干の帝旺の地。氣銳にして性烈なり)なり。この造は月支まさに子水にして、子午相冲し、刃は冲に開かる。自然に樂觀し難し。ゆえに五十六歲以後は、またただ陶淵明《歸去來辭》の裡に説くがごとく、孤松を撫して徘徊し、餘年を安く度るのみ。
六親 偏印為用。父母庇陰尚豐,劫財無力,弱弟早夭。日支藏財,然非喜神,妻乃中道雲也。傷食亦非喜見,故前雖有子,已喪申運。晚來己運,或有弄璋之望,但須琴絃再理也。 性情 火日水多,所為欠當,宗旨少決。 事業 官格用印,自以近貴求名之為宜,尤利於東南半聲耳。
第六步は六親を推す。この造は偏印(甲木は丙火に於ては偏印、すなわち梟神)を以て用神と為す。印は母を代表し、また父母の蔭庇を主る。ゆえに父母の照拂はなお算すれば豐厚なり。兄弟を代表する劫財は力なし。ゆえに弟弟は體弱にして早く亡し。日支戌中は辛金を蔵して財と為し妻星と為す。可惜財は喜神に非ず。ゆえに妻子は半途に分離す(「中道云也」は中道に別るを謂う)。食傷は子女を主る。この造もまた食傷を喜ばず。ゆえに先前は兒子あるといえども、すでに申運の中に喪失せり。晚年は己運に走り、あるいはなお子を生ずの望あらん(「弄璋」は男を生ずを指す)。ただ須く再娶せんことを要す(「琴弦再理」はすなわち續弦)。第七步は性情を評す。火の日主にして水太多ければ、ゆえに行事は妥當を欠き、宗旨は堅定足らず。第八步は事業を斷ず。正官格にして印を用うれば、自然に貴人に依附し名を以て進を求むるに宜しく、尤其に東南方に利あり(底本の「東南半聲」は文字に訛あり。まさに「東南半壁」の一類に當るべし)。
(二)潘姓坤命
壬子 癸丑 庚子 丁亥 五歲 壬子 十五 辛亥 廿五 庚戌 三五 己酉 四五 戊申 五五 丁未
これは女命の一造なり。年柱壬子・月柱癸丑・日柱庚子・時柱丁亥。日主は庚金にして、丑月に生まる。大運は五歲に起こり、依次に壬子・辛亥・庚戌・己酉・戊申・丁未。年干壬は陽に屬し、女命は陽年に生まれれば則ち大運は逆排す。ゆえに月柱癸丑より倒して退きて壬子・辛亥・庚戌……と成る。この張の表を讀む時に留意すべし。四柱の八個の字の裡、水は子・子・亥の三支と壬・癸の兩干とを占め、幾乎半壁江山なり。全局の病根は一望して知る可し。
強弱 庚生季冬為寒金,水旺洩氣繫憂患。尤病丑土會亥子而化水。且寒金喜火又苦丁火之被克,是誠弱不堪言矣。 格局 庚生丑月。透癸為傷官之格。
強弱を看る。庚金は季冬十二月に生まれ、一塊の寒金なり。局中は水旺にして、金氣は盡く泄し去らる。これ最大の憂患なり。さらに病と成るは月支の丑土はもと水を制し得べしに、偏偏として亥・子と連なりて北方の一片と成りて化して水と成り、身を助くるの物はかえって變じて身を泄するの物と為る。寒金はもとより火の來て暖むるを喜ぶに、偏にまた時干の丁火は月干の癸水の克する所たるに苦しみ、暖氣もまた保ち得ず。ゆえに日主は弱ること言に堪えざるの地步に到る。格局を定む。庚金は丑月に生まれ、丑中は癸を蔵して癸また天干に透す。癸水は庚金の生ずる所にして陰陽相異なるの神、すなわち「傷官」なり。ゆえに「傷官格」と立つ。
用神 水勢氾濫,若用丑中己土。非但不能制水。且激水之怒,不如亥中甲木以為用。賴甲洩水之有餘,生火之不足,所謂財能救官是也。然身弱無助之弊。在所不免矣。 喜忌 最喜為火,土,木,最忌為金水。
用神を取る。水勢はすでに泛濫と成れり。もし丑中の蔵する己土を取りて去りて水を制せば、制し得住らざるのみならず、かえって水の怒氣を激起す(上文の「疾病」章のいわゆる「旺神を強制すれば寡は衆に敵せず」)。時支亥中の蔵する甲木を取りて用神と為すに如かず。甲木は一面に水の有餘を泄し掉し、一面に火の不足を生起す。これすなわち命書の説く所の「財能救官」なり――甲木は庚金に於ては財、丁火は庚金に於ては正官、財星は通關して、泛濫の水を把りて引きて去りて官を生ぜしめ、官星は救を得。ただ日主本身は衰弱にして幇扶なく、この毛病は終に免れんことを得ず。喜忌を論ず。最も喜ぶは火・土・木、最も忌むは金・水。
歲運 五歲交足壬子水運,十病九危。十五歲走辛亥金水運,及笄應多周折。及庚午年,怙恃之失,相繼頻乘。壬申歲身世之悲,層見疊出。雖屢屢當差,而收入甚微,仍入陷井圇圄。誠哉,時命之不遒也。
歲運を査す。五歲に壬子運に交り足りて、一片の水鄉にして、十病九危す。十五歲に辛亥運に走る。金水並行して、及笄の年(女子十五)まさに多く周折あるべし。庚午年に到りて、父母相繼いで亡故す(「怙恃」は《詩經・蓼莪》に出づ。怙は父を指し恃は母を指す)。壬申の一年、身世の悲は接連不斷す。屢々差事を謀り得るといえども、收入はしかるに極微薄にして、終に還りて牢獄に陷る。時運の濟わざることこの地步に到る。真にこれ命なり。この造のかくのごとく坎坷なる所以は、まさに幼運の壬子・辛亥は全く忌神に走り、水は愈旺なれば則ち金は愈寒し、用神の甲木もまた水に泡されて火を生ずる能わざればなり。
二十五風庚戌運。庚乃屬金,尚難脫離水火,戌中藏火土。三十三歲甲申流年。用坤得助。當獲快婿。尚可仰望者矣。三十五歲後。己酉運之己土不足制水,酉雖劫刃,亦有生水之嫌,縱不至於顛沛流離,然而病疼劇甚。四十五歲戊申運,以戊字最佳。五十歲後,歲運皆金水,恐難免賦歸於心臟病。
二十五歲に庚戌運に行く(底本の「二十五風」、「風」は「交」「行」の一類の字の訛と為すべし)。庚はなお金に屬し、還りて水の牽累を脱出せず。好きは戌中に丁火と戊土とを蔵し、一塊の燥土にして、轉機を望み得。三十三歲甲申の流年は、用神の甲木は幇助を得。まさに佳婿を覓得すべし。この一段はなお指望すべきあり。三十五歲以後に己酉運に行く。己は濕土にして、水を制するに足らず。酉は庚金の「劫刃」(陽刃の地。もと身を助け得べし)なりといえども、しかるにまた金の水を生ずの嫌疑あり。縱うす顚沛流離に至らざるも、病痛はしかるに必定加劇せん。四十五歲戊申運は、戊土のあの五年を以て最も好しと為す。五十歲以後、大運と流年とみな金水に屬し、寒水愈盛にして丁火愈滅す。火は心を主る。ゆえに恐らくは心臟病に因りて終るを免れん。
六親 金寒水盛則無子。官星無力易剋夫。土印化水,父母亦虛。劫比稀少終鮮四季,可無疑矣。 性情 金日水多,火土無力。水性楊花,理所然也。
六親を推す。金寒にして水盛んにして、胎息暖ならず。ゆえに子なし。官星(丁火)力なく、女命は官を以て夫と為す。夫星すでに弱ければ便ち夫を克すを主る。土は庚金の印綬にして、父母を代表す。この造は丑土はかえって亥子に化せられて水と成り、父母の蔭もまた虛なり。比肩劫財稀少なれば、ゆえに兄弟姊妹單薄なり(底本の「終鮮四季」、語は《詩經》の「終鮮兄弟」に出づ。「四季」はまさに「兄弟」の訛に當るべし)。この幾層はみな懷疑する可きなし。性情を評す。金は日干と作して水太多く、火土また力なくして約束する能わず。水性流動す。ゆえにその人は楊花の風に隨うがごとし――これはまさに前の「性情」章の「水多く制なく、聰穎にして意志堅からず、亦且つ動を好む」の一條と相印證す。
(三)王姓坤命
己亥 癸酉 甲辰 丙寅 三歲 甲戌 十三 乙亥 廿三 丙子 三三 丁丑 四三 戊寅 五三 己卯
女命の一造。年柱己亥・月柱癸酉・日柱甲辰・時柱丙寅。日主甲木は酉月に生まる。大運は三歲に起こり、依次に甲戌・乙亥・丙子・丁丑・戊寅・己卯。年干己は陰に屬し、女命は陰年に生まれれば則ち大運は順排す。ゆえに月柱癸酉より順推して甲戌・乙亥・丙子……と為り、前の一造の逆行と恰も對照を成す。この造の八字の裡、官(酉金)・印(癸水)・財(己土)・食(丙火)の四樣俱全して、一個の配置完整の命局なり。正好く以て「五行不悖」とは如何なる樣子かを説明するに用い得。
強弱 甲生酉月而失其令,又多火土,則金之克洩。本當以弱論。然長生於亥,胎於酉,得祿於寅,地支有氣,尚非至弱者也。 格局 甲生酉月,為正官之格。
強弱を看る。甲木は酉月に生まれ、金氣は權に當りて木は時令を失い、局中また火(丙・寅中の丙)あり土(己・辰)ありて、一邊は金に克せられ、一邊は火土に泄耗せられ、もとより身弱と斷ずべし。然れども甲木は「長生」は亥に在り(年支)、「胎」は酉に在り、「祿」は寅に在り(時支)――この三處はみな十二長生の位次にして、長生は初生して氣を得るの地、祿は本氣自ら旺なるの地なり。地支すでに根あり氣あれば、すなわちなお極弱と算するに足らず。格局を定む。甲木は酉月に生まれ、酉中の辛金は甲を克して陰陽相異なり。これ正官なり。ゆえに「正官格」を立つ。この一步の要領は在りて曰く、強弱はただ字面上の多寡を數うる能わず、なお日主の地支の裡に落脚處あるか無きかを看るを要すと。
用神 官印財食俱全,惟己年癸月,地位接近,財印相剋,為美中不足,故取酉丙辛金正官以為用。蓋財生官,官生印,五行六神,因此不悖矣。 喜忌 命中五行不悖,固無所謂喜忌。惟坤以夫星為重,又取正官為格,為用則不宜逢多量之火也。
用神を取る。この造は正官・印綬・財星・食神の四樣俱全するも、ただ年干の己土と月干の癸水とは位置緊挨して、土は水を克し、財と印と相戰す。算すれば美中不足なり。ゆえに月支酉中の辛金正官を取りて用神と作す(底本は「酉丙辛金」と作す。「丙」字は衍あるいは「中」の訛と為すべし)。何を以てか官を取るや。官は一たび用を得れば、己土の財は便ち去りて官を生じ、酉金の官はさらに去りて癸水の印を生じ、印また身を生ず。財・官・印・身は連なりて一條の順生の鏈子と成り、五行六神はこれより悖ることなし。喜忌を論ず。命中の五行すでに悖らざれば、もとより甚だ特別の喜忌と説くに足らず。ただ女命は夫星を以て重きと為し、また正官を取りて格を立てて用と為せば、すなわち宜しくさらに大量の火に遇うべからず――火旺なれば則ち酉金の正官を克傷し、夫星は損を受ければなり。
歲運 三歲起運,初走甲戌乙亥,庇陰豐裕,故童境不惡。二十歲戊千流年,偏財幫夫,于歸極利。二十三歲丙子運。丙為食神,子為正印,迭獲弄璋之慶。家道日昌。三十三歲行丁火傷官運。幸有印以制之。然辛未年夫病越七月,亦云險矣。三十八歲丑運為財,門庭煥彩,夫子皆輝。四十三歲戊寅運,之一財一比,亦安身納福。再後己卯運仍豐,堪享大年云爾。
歲運を査す。三歲に運を起こし、先に甲戌・乙亥の兩運に走る。父母の蔭庇豐厚なれば、ゆえに童年の境遇は差ならず。二十歲戊午の流年(底本は「戊千」と作す。まさに「戊午」の誤に當るべし)。戊土は偏財にして、財はよく官を生じ夫を幇す。ゆえに出嫁す(「于歸」は《詩經・桃夭》に出づ)極めて利あり。二十三歲に丙子運に進む。丙は食神にして子嗣を主り、子は正印にして福蔭を主る。これに因りて接連して男を生じ、家道は日漸に興旺す。三十三歲に丁運に行く。丁火は傷官にして、專ら正官すなわち夫星を克す。所幸は局中の癸水印綬はよく丁火を制す。すでにこのごとしといえども、辛未のあの年は丈夫はなお病むこと七個月餘。亦た凶險と算す可し。三十八歲に丑運に轉ず。丑土は財と為り、財旺して官を生ず。是に於て門庭は色を生じ、夫と子とともに光彩あり。四十三歲戊寅運は、戊は財と為り寅は比肩と為る。一財一比にして、また身を安んじ福を納るる能し。さらに後に往けば己卯運はなお舊に豐足にして、高壽を享有するを望み得。
六親 印有官生,父母雙慶,正官為格為用。夫既榮顯,鴻案相莊。時下一比,令弟亦云克家,時上食神吐秀,子更英奇特達矣。 性情 五行生化有情,秀外慧中,多材多義,當之無愧也。
六親を推す。印綬は官星の來て生ずるありて、源頭絶えず。ゆえに父母雙全にして同じく慶す。正官すでに格と為り立てまた取りて用と為れば、夫星力を得。丈夫これに因りて榮顯し、夫妻は相敬すること賓のごとし(「鴻案相莊」は梁鴻孟光の案を舉げて眉に齊しの典を用う)。時支寅中は甲を蔵して、一位の比肩なり。兄弟を代表す。ゆえに弟弟もまたよく家を承け業を立つ。時干の丙火は食神にして、日主の秀氣を泄し、子女を代表す。ゆえに兒子はさらに英奇出衆なり。性情を評す。全局は五行相生相化して、處處情あり。ゆえにその人は外に秀で中に慧し、多才多義にして、まさにこの句に當る可し。この造は前の潘姓の一造と恰も正反の兩面と成る。一個は五行俱全して順生し、一個は水に偏枯して寒滯す。命の高下は字の多き少なきに在らずして、配合に在り。
