桑葉貴賤章第五十九
(以妻財為主,福德為憑。)先察蠶花之得失,次觀葉價之高低。蠶卦內惟憑三四之爻,葉卦中單取妻財之象。旺而生克世,貴若黃金;衰遭世克,傷賤如白土。蠶卦之中,兼推桑葉,卻看三爻與四爻,如臨官鬼,價必勝高,旺相尤貴。三四爻不逢鬼象、或值休囚,此葉必賤。單占桑葉,又不取三四之爻,獨推財象,財旺則價高,財衰則價薄,財空則大賤,財爻持世克世,價必如金。世爻或月建克財,賤如灰土。
本章は「妻財」をもって主と爲し、「福德」子孫をもって憑と爲す。原文に曰く、先ず蠶事の得失を審察し、再び桑葉價格の高低を看る、と。蠶を占うの卦裏は、只だ第三・第四兩爻に憑りて葉價を推す。專ら桑葉を占うの卦裏は、則ち單に妻財の象を取る。財爻旺相にして來り世を生じ世を剋するは、葉價黄金の如く貴し。財爻衰弱にして世爻の剋する所と爲るは、葉價白土の如く賤し。蠶を占うの卦中兼ねて桑葉を推すは、則ち第三爻と第四爻とを看る。此の兩爻もし官鬼に臨まば、葉價一定高く、旺相なれば更に貴し。三・四兩爻もし鬼象に逢わず、あるいは正に休囚に値せば、此の一年の葉價必定便宜なり。單獨に桑葉を占うは、則ち三四兩爻を取らず、只だ財象を推す。財爻旺なれば則ち價高く、財爻衰なれば則ち價薄く、財爻落空せば則ち大いに賤し。財爻持世しあるいは世を剋するは、價必ず金の如し。世爻あるいは月建の往きて財爻を剋するは、則ち賤きこと灰土の如し。
才變兄官子變父,則前重後輕。妻之福德鬼之才,則前輕後重。才如得地,目下價高。變出兄弟、或變官爻、或之墓絕,葉價後不如前。妻才若化子孫、或變長生帝旺,價必日增貴高無比。卦縱無才,若官鬼或子孫化為水者,皆主始賤而終貴也。
原文に曰く、財爻兄弟官鬼を變出し子孫父母を變出するは、葉價前重く後輕し。妻財「福德」子孫を化出し官鬼妻財を化出するは、葉價前輕く後重し、と。財爻もし地を得れば、眼下價便ち高し。但し它もし兄弟を變出し、あるいは官爻を變出し、あるいは墓絶に化入せば、葉價後來便ち先前に如かず。妻財もし子孫を化出し、あるいは長生・帝旺に變入せば、價必定一天天に上漲して、貴きこと比ぶ無し。卦中縱い財爻なくとも、只だ官鬼あるいは子孫の水爻を化成するあれば、も皆起初便宜にして最終昂貴を主す。
用行死財日利必輕微,主到旺生時價還高厚。要知葉價何日貴何日發,專看才爻。如臨死日、敗日、絕日、並兄弟值日,其價必輕。才遇生日、旺日、及子孫值日,此價方高。如占一日內貴賤,卻把增長定之。賣懇子孫專主,買求兄弟當權。賣主來占,還須才旺,才來生旺克世或持世,更逢福德交重,必得重價。買主來占,要逢才弱,兄弟持世、或發動,必當賤賣,其價輕微。內旺外衰,他鄉可置。內衰外旺,本境堪圖。
原文に曰く、用神死地に行き財爻死日に値するは、利を獲る必定微薄なり。主象旺相生扶の時に到れば、葉價便ち高位に回歸す、と。葉價いずれの一天か貴くいずれの一天か漲るを知らんと要するは、專ら財爻を看る。財爻死日・敗日・絶日に臨み、および兄弟日に値するは、價必定低し。財爻生日・旺日に遇い、および子孫日に値するは、價纔めて高し。もし占う所是れ一天の內の貴賤なれば、則ち時辰推移の消長に按じて以て定む。原文に曰く、賣主來り占うは、專ら「子孫」を以て主と爲す。買主來り求むるは、則ち「兄弟」を以て權を當てしむ、と。賣主來り占うは、還お須らく財爻旺なれ。財爻來り世を生じ旺に臨み世を剋しあるいは世を持ち、再び子孫發動交重に逢えば、必定高價に賣るを得ん。買主來り占うは、財爻弱を要す。兄弟持世し、あるいは兄弟發動せば、則ち一定能く賤價に買進し、費やす所多からず。原文又た曰く、內卦旺にして外卦衰なるは、可以他鄕に到りて買うべし。內卦衰にして外卦旺なるは、便ち本地圖謀に在り、と。
內卦與親宮,皆為本處。外象兼他卦,咸作別鄉。若內卦旺、或親宮旺、或才居內卦親宮,本境價高,宜往他境可買。如外卦旺或他宮旺或才居外卦,他宮遠途反貴,本地偏宜。內外俱衰或俱旺,遠近皆同。正卦有才之卦無,買須落後。主卦無才變卦有,賣則宜遲。主卦才爻當道,變卦無才,葉宜早賣,主卦雖無才象,變出才來有,桑必須遲脫。妻值火爻,必致朝增暮長。才居水位,決然日減時衰。葉價取財爻為主,總言應時則貴,背時則賤。賣葉必在四月之間,財宜火地,縱然來年冬月來占,如卜火才,目下雖值休囚,至次年孟夏,此火自然當道,豈不貴乎?此章若得精通,葉價便知貴賤。
內卦と本宮とは、皆本地を代表す。外卦連ねて他宮は、皆別處と作して看る。もし內卦旺、あるいは本宮旺、あるいは財爻內卦本宮に居れば、那れ即ち本地價高く、別處に到りて買うに宜し。もし外卦旺、あるいは他宮旺、あるいは財爻外卦他宮に居れば、那れ即ち遠處反って貴く、本地買進相宜なり。內外皆衰しあるいは皆旺なるは、遠近の價錢一個樣なり。原文に曰く、本卦財爻ありて變卦財なきは、買わば則ち後に拖くべし。本卦財なし而も變卦財有るは、賣らば則ち遲些すべし、と。本卦財爻權を當ちて變卦財なきは、葉子早めに賣出するに宜し。本卦雖に財象なしとも、變卦卻って財を變出するは、桑葉便ち須らく遲些に脱手すべし。原文又た曰く、財爻火に屬するは、葉價必定早上に漲り晚上また漲る。財爻水に屬するは、則ち一定一天天に減り一時時に落つ、と。葉價財爻を以て主と爲し、總じて說く、財爻令を當ち時に合すれば即ち貴く、時に背き令を失えば即ち賤し。桑葉を賣る總じて四月前後に在り、所以財爻火地に居るに宜し。縱い是れ頭一年冬月來り占うとも、只だ火に屬する財爻を卜得せば、眼下雖に休囚に値すとも、第二年の初夏に等到せば、此の火爻自然權を當ち令を得、葉價豈に貴からざるの理あらん。此の一章もし能く精通せば、桑葉の貴賤便ち一たび望めば即ち知るべし。
六畜禽獸章第六十
(以子孫為主,分宮生肖為憑。)一應飛禽,咸喜子孫旺相。諸般走獸,俱宜福德興隆。凡占諸般禽獸,皆看子孫,旺相生扶,定然長養。若值旬空月破,必主虧傷。初雞二犬三豬四羊五牛六馬,鴨同雞位,貓共犬爻。近日眾牲,只取六爻之定位;遠年禽獸,遠憑八卦之分宮,乾馬坤牛震龍坎豕兌羊艮犬離雉巽雞,再加生肖之爻,可決血財之利,又附亥魚酉雞午鹿寅貓。凡推六畜,各有分宮,如初爻為雞為鴨為鵝。二爻為犬為貓。三爻為豬。四爻為羊。五爻為牛。六爻為馬為騾為驢。凡一年半載之禽獸,方看六爻,凡過五歲之眾牲,卻憑八卦。
本章は「子孫」爻をもって主と爲し、六爻分宮と生肖とをもって憑と爲す。原文に曰く、一切の飛禽は、皆子孫旺相を喜ぶ。各種の走獸は、も皆「福德」興隆に宜し、と。凡そ各類の禽獸を占うは、皆子孫爻を看る。子孫旺相にしてまた生扶を得るは、牲畜一定長ること好く養い住ましむ。もし旬空・月破に値せば、必定折損あらんと要す。原文に曰く、初爻是れ鷄、二爻是れ犬、三爻是れ猪、四爻是れ羊、五爻是れ牛、六爻是れ馬。鴨は鷄と位を同じくし、猫は犬と爻を共にす、と。養い得る日子還お短き牲口は、只だ六爻の固定位次を取りて以て斷ず。養うこと多年の禽獸は、則ち八卦分宮に憑りて來り看るを要す。乾馬と爲し、坤牛と爲し、震龍と爲し、坎豕と爲し、兌羊と爲し、艮犬と爲し、離雉と爲し、巽鷄と爲す。再び生肖の爻を加上して一幷に參看せば、則ち能く牲畜財利の多寡を斷定せん。此外還お亥は魚に屬し酉は鷄に屬し午は鹿に屬し寅は猫に屬するの配法を附有す。凡そ六畜を推すは、各々各に分宮あり。初爻是れ鷄・是れ鴨・是れ鵝、二爻是れ犬・是れ猫、三爻是れ猪、四爻是れ羊、五爻是れ牛、六爻是れ馬・是れ騾・是れ驢。凡そ一年半載を養いたるの禽獸は、纔めて六爻定位を看る。凡そ五年を養い過ぐるの牲口は、則ち八卦に憑りて斷ずるを要す。
乾為馬、坤為牛、坎為豬、震馬龍又為兔、兌為羊、艮為犬又為鳥。離為雉,巽為雞,不拘近遠,禽獸不可不看生肖之爻,子鼠、丑牛、寅虎、卯兔、辰龍、巳蛇、午馬、未羊、申猴、酉雞、戌犬、亥豬,細查演禽之法,丁亥為豬、癸亥為魚,故魚附在亥。丁酉為雞、己酉為雞、癸酉為鴉、故鳥附在酉。丙午為馬、戊午為獐、壬午為鹿、故獐鹿附在午。丙寅為虎、壬寅為豹、戊寅為貓、故貓附於寅位也。
八卦の配屬是れ、乾馬と爲し、坤牛と爲し、坎猪と爲し、震馬と爲し龍と爲し又た兎と爲し、兌羊と爲し、艮犬と爲し又た鳥と爲し、離雉と爲し、巽鷄と爲す。養うの時間長短を論ぜず、禽獸皆生肖の爻を看るべからず。子鼠と爲し、丑牛と爲し、寅虎と爲し、卯兎と爲し、辰龍と爲し、巳蛇と爲し、午馬と爲し、未羊と爲し、申猴と爲し、酉鷄と爲し、戌犬と爲し、亥猪と爲す。再び細査す「演禽」の法――演禽是れ六十甲子を配成して禽獸と爲すの一套の推法にして、同一個の地支配する所の天干同じからざるに因りて、所属の動物も亦た同じからず、所以干を連ね支を帶びて合看するを要す――丁亥猪と爲し癸亥魚と爲す、所以魚亥位に附す。丁酉鷄と爲し己酉鷄と爲し癸酉鴉と爲す、所以鳥酉位に附す。丙午馬と爲し戊午獐と爲し壬午鹿と爲す、所以獐鹿午位に附す。丙寅虎と爲し壬寅豹と爲し戊寅猫と爲す、所以猫便ち寅位に附す。
定位與分宮,不陷不沖逢旺吉。本命之生肖,臨兄臨鬼值空凶。分宮之爻,若值旬空、月破、日沖者,皆不為佳。或臨官鬼兄弟必犯災屯。分位如臨財福又得生扶旺相,必然長養成群。本命即生肖之爻,縱值空沖破絕及兄弟之爻,俱各無礙,惟臨官鬼立見傷殘。
原文に曰く、六爻定位と八卦分宮とは、只だ陷空せず沖を受けず、又た旺相に逢えば、即ち吉なり。本命生肖の爻は、もし兄弟に臨み官鬼に臨みあるいは落空せば、即ち凶なり、と。分宮の爻もし旬空・月破・日辰沖に値するは、皆好しと算せず。もし官鬼・兄弟に臨まば、牲畜必定災困に遭わん。分位の爻もし妻財・子孫に臨み、又た生扶旺相を得れば、那れ則ち一定養い成群を得ん。本命に至りては、即ち是れ生肖の所属するあの一爻なり。它縱い空亡に値し沖を被り破に遭い絶に入り、および兄弟爻に臨むとも、皆還お妨礙せず。惟だ獨り官鬼に臨まば、立刻傷殘を見ん。
父作忌神,不動或空為福。財當利息,逢生或旺為佳。兄乃劫財,搖須虧本。鬼為惡煞,動必生災。父母為忌神,最宜安靜。妻財為利息,大要生扶。兄弟為劫財,切嫌發動。官鬼為惡煞,縱不臨分宮本命之鄉,動必為禍。兄鬼為空,始終為吉。
原文に曰く、「父母」是れ忌神、動かずあるいは落空するは反って福なり。「妻財」是れ利息、生に逢いあるいは旺相なる纔めて好し。「兄弟」是れ劫財の神、一たび搖動すれば則ち本を虧く。「官鬼」是れ惡煞、一たび發動すれば必定災を生ず、と。父母是れ忌神、最も安靜に宜し。妻財利息を代表し、最も生扶あるを要す。兄弟是れ劫財の神、切にそれ發動を忌む。官鬼是れ惡煞、縱い分宮の爻と本命生肖の上に臨まずとも、只だ發動すればも必ず禍を成さん。兄弟・官鬼兩爻もし皆落空せば、則ち始終吉と爲す。
貓犬豬羊最嫌白虎,雞鵝牛馬惟喜青龍,雀臨鬼動訟憂生,武帶官爻物恐失。惟有豬羊貓犬四獸,最嫌白虎交重,其餘之獸不忌此星。青龍發動,件件能收。鬼臨朱雀動,易惹官非,鬼臨玄武動,終遭失脫。六合還須養育,六沖切莫收留。要決剛柔,須詳動靜。欲知肥瘠,卻看興衰。六合之爻便宜餵養,六沖之卦豈可留延。合處逢沖,畜之不久,俱看分宮與子孫發動臨惡煞,此畜頑劣,安靜帶吉星,其獸馴良。旺則肥,而衰則瘦也。
原文に曰く、猫・犬・猪・羊最も「白虎」を嫌い、鷄・鵝・牛・馬只だ「青龍」を喜ぶ。「朱雀」鬼爻に臨み發動すれば、官司を生ずるを憂愁す。「玄武」官爻を帶ぶれば、牲口財物恐怕丢失せん、と。惟だ有り猪・羊・猫・犬此の四種は、最も白虎發動交重を嫌う、其餘の牲畜此の顆の星を忌まず。青龍發動するは、樣樣皆養成し收ることを得。鬼爻朱雀に臨み發動するは、容易く官非に惹かれ上らん。鬼爻玄武に臨み發動するは、終究失竊に遭わん。原文に曰く、卦六合に逢えば、還お該當繼續して養い下るべし。卦六沖に逢えば、切に收留するなかれ、と。此の牲口性子の剛柔を判定せんと要するは、須らく爻の動靜を詳審せよ。它肥るか瘦するかを知らんと想えば、則ち爻の興衰を看る。六合の爻は、正に喂養に宜し。六沖の卦は、怎麼して留養すること能くせんや。本是れ六合にして中途沖に逢うは、養うこと長久ならず。總じて分宮の爻と子孫爻とを看るを要す。它ら發動してまた惡煞に臨むは、此の牲口性情頑劣なり。安靜にしてまた吉星を帶ぶるは、此の牲口馴良溫順なり。爻旺なるは即ち肥壯し、爻衰なるは即ち瘦弱す。
憂疑損害章第六十一
(以身世為主,福德為憑。)人無遠慮,倘遭旦夕之憂。易有久靈,能決往來之事。世位臨空,己不受他之阻節。應爻落陷,彼非訴我之情由。官中扳害,外悉克內鬼愁興。私下損傷,應忌伐身兄忌動。預防扳害,當論世應之爻。世若落空,禍殃皆脫。應若落空,他難損我。世應若不空亡,便尋生克,世克應或內克外,不論公私毫無克害。如應克世或外克內,必受其殃咎。若逢鬼動,事到公庭,如見兄搖,財遭破費。
本章は憂懼疑慮と人の損害に遭うの事を占うは、「世爻」と「身爻」とを以て用神の主體と爲し、「子孫」(福德)を以て憑據と爲す。人もし長遠の打算無ければ、則ち朝夕の間突發の憂患に遭遇するを免れず。《周易》靈驗久しく衰えず、能く已往と將來との一切の事情を裁斷す。「世爻」もし「空亡」に落つれば、自己便ち他人の阻撓留難を受けず。「應爻」もし陷地衰絶に落つれば、對方も亦た來りて我の情由を控訴せず。公門裏人に攀扯陷害せらるるは、最も怕る外卦の來り內卦を剋し「官鬼」爻の愁人なる發動。私地下人に損傷せらるるは、則ち最も怕る「應爻」と「忌神」の來り我の身を伐る、「兄弟」爻の搖動して財を破るを。人の攀扯陷害に防預せんと要すれば、應當先ず「世」「應」兩爻を論ずべし。「世爻」もし「空亡」に落つれば、一切の禍殃皆身を脫すること能くす。「應爻」もし「空亡」に落つれば、對方も亦た我を損害するに到ること難し。世應兩爻皆空亡ならざれば、則ち轉じて它らの生剋關係を看る――「世」の「應」を剋し、あるいは內卦の外卦を剋せば、那麼公事を論ぜず私事を論ぜず、皆毫も克害の言あるべからず。反ってもし「應」の「世」を剋し、あるいは外卦の內卦を剋せば、則ち必定要して此の場の災殃咎責を承受せん。此の時もし再び「官鬼」發動に遇上せば、事情必ず公堂に鬧到して對簿せん。もし「兄弟」爻の搖動を看見せば、錢財一定破費に遭わん。
旺相子孫,災訟決其纏染。交重官鬼,禍殃豈不牽連。月將生官,雖往寧家生不測。日辰制鬼,縱陪病體臥無妨。世旺無傷,任好探災問訟,身衰有克,切非送殯亂辭幡。凡去探災、問訟、送殯、辭幡,俯遭妨犯,慮被仇傷,一應憂疑,皆嫌官鬼。若得子孫旺相或發動或持世或臨日月剋制鬼爻,諸般無害。若逢官鬼發動、或旺相或持世或克世或臨日月,皆惹禍殃鬼。若空亡,般般無忌。又看世爻,旺遇合生者嘻,衰逢沖剋者凶。
「子孫」旺相なれば、災禍と官司と皆斷じて自己に纏わらざらん。「官鬼」發動して重爻と爲るは、禍殃豈に牽連せざるの理あらん。「月建」「官鬼」を生扶すれば、即便ち平安無事の人家に往くとも、も意外を生ぜん。「日辰」「官鬼」を制伏すれば、縱い病人に陪りて病榻に臥すとも、も妨礙なし。「世爻」旺相にして剋傷を受けざれば、盡く災病を探視し訟事を過問する可し。「身爻」衰弱にして又た剋制せらるれば、則ち千萬に殯を送り幡を執るに往くなかれ。凡そ病を探り災を問い訴訟を過問し殯を送り幡を執る、あるいは俯身の間沖犯に遭うを怕り仇家の傷る所と爲るを擔心する、此の一類の憂疑の事は、皆最も「官鬼」を忌む。もし「子孫」旺相し、あるいは發動し、あるいは「世爻」に臨み、あるいは「日辰」「月建」の力の來りて「官鬼」を剋制するを得れば、樣樣皆害なし。もし「官鬼」發動し、あるいは旺相し、あるいは「世爻」に臨み、あるいは來りて「世爻」を剋し、あるいは日月の扶助を得れば、皆禍殃を招惹せん。「官鬼」もし「空亡」に落つれば、則ち種種の忌諱皆顧慮するを必とせず。此外還お「世爻」を看るを要す。旺相にして又た合に遇い生に遇うは吉と爲し、衰弱にして又た沖に遭い剋に遭うは凶と爲す。
鬼值六神興,定六般之患難。官臨八卦動,分八向之憂危。朱雀同宮,莫去傳音附信,青龍並位,休來新保為媒。如遇勾陳,拆舊更新當染患。若逢白虎,修棺合槨反招殃。住騰蛇事防連累,居玄武物被侵偷。官鬼之爻看臨何獸發動,便知何事招殃。鬼臨朱雀,事主文書或寄信或喧譁或詞訟。或往火場,恐惹禍端,皆宜速避。青龍鬼動,事主花酒或行善原或往喜慶之家,反招殃禍。勾陳鬼殺、或至征戰之所,禍起難逃。騰蛇鬼動,主妖怪或魔倒或虛驚或因動土而起。玄武鬼動,事主盜賊、或坑廁、或水利、或陰人、或往江湖而染患。
「官鬼」「六神」を配上して發動すれば、可以六種不同の患難を斷定せん。「官鬼」八卦ある宮に落ちて發動すれば、可以八個の方位の憂危を分辨せん。「官鬼」と「朱雀」と同宮なれば、則ち人の爲めに話を傳え信を捎るなかれ。「青龍」と同位なれば、則ち新たに人の爲めに保を作し媒を作すに往くなかれ。もし「勾陳」に遇えば、舊屋を拆き新宅を翻するの一類の事病患に染まん。もし「白虎」に遇えば、棺を修め槨を合するの丧葬の事反って災殃を招來せん。「騰蛇」に落つれば、凡事人に牽連せらるるを防ぐを要す。「玄武」に落つれば、財物偷竊せらるるを防ぐを要す。「官鬼」爻のいずれの一位の神獸に臨みて發動するを看れば、則ち何の事に因りて殃を招くを知ることを得。「官鬼」「朱雀」に臨まば、事情多く文書に關し、あるいは是れ信を寄し、あるいは是れ口角喧嘩し、あるいは是れ詞狀訴訟す。も亦た可能是れ火を失する之處に往きて而も禍端を惹き出す、皆應當趕快回避すべし。「青龍」上の「官鬼」發動は、事情多く酒を飲み花を賞するより起こり、あるいは願を還し善を行いに往き、あるいは喜の事を辦する的人家に前往し、反って災殃を招來す。「勾陳」「官鬼」凶煞を帶ぶるは、あるいは征戰の地に到り、禍事一たび起これば便ち逃脫し難し。「騰蛇」上「官鬼」發動は、妖怪の作祟あるを主し、あるいは魔魘跌仆し、あるいは虛驚一場し、あるいは土を動かし工を興すに因りて起こる。「玄武」上「官鬼」發動は、事情多く盜賊に關し、あるいは坑廁、あるいは水利、あるいは女子、あるいは江湖を往來するに因りて疾患に染まる。
在艮則忌臨東北,不利山林。在坤則弗酶西南,豈宜墳墓。震為東向巽東南,起屋上樑休奉賀。兌乃西方幹西北,看經講道莫登壇。坎嫌北往及江河,離怪南行兼爐冶。
「官鬼」《艮》宮に落つれば、則ち東北方に往くを忌諱し、も亦た山林に進むに宜からず。《坤》宮に落つれば、則ち西南方に走るなかれ、更に墳墓に上るに宜からず。《震》正東を主り《巽》東南を主る、此の兩宮鬼あれば、人家屋を造り梁を上ぐるに道賀に往くなかれ。《兌》正西を主り《乾》西北を主る、此の兩宮鬼あれば、則ち壇に登り經を看し道を講ずるに往くなかれ。《坎》宮鬼あれば、北方および江河水邊に往くを忌む。《離》宮鬼あれば、南方および爐冶窯竈の地に往くを忌む。
艮宮鬼動,禍起東北或山林及骨冢、兼少男並犬畜、或擊石樵柴之類。坤宮鬼動,禍起西南,或墳墓及荒郊兼老嫗,布疋犬興並牛畜,或修砌動土之類。震宮鬼動,禍起正東、或創作或樹木、並舟楫兼長男或木行船枋之類。巽宮鬼動,禍起東南、或興造及風報,兼長女並雞畜或竹蘆花草之類。兌宮鬼動,禍起正西或庵堂或尼姑,及水利酒肆並少女同羊畜並祝巫妾婦。或念佛燒香之類。乾宮鬼動,禍起西北或寺觀釋子、或高樓兼金玉並白翁同騾馬、及城垛或看經講道之類。坎宮鬼動,禍起正北、或江河或盜賊及獄門,並中男兼豚豕、或溝坑池井之類。離宮鬼動,禍起正南或鍋灶並窯爐及術士、兼中女或銳炮流星之類。
《艮》宮「官鬼」發動すれば、禍事東北より起こり、あるいは山林・墳冢に關し、も可能家中の幼子と犬類の牲畜に牽連し、あるいは是れ石を采り柴を打つの一類の事。《坤》宮「官鬼」發動すれば、禍事西南より起こり、あるいは墳墓・荒郊に關し、も可能老婦人・布匹・犬隻と牛畜に牽連し、あるいは是れ墻を砌て土を動かすの一類の事。《震》宮「官鬼」發動すれば、禍事正東より起こり、あるいは工を興し創造し樹木・舟船に關し、も可能家中の長子、あるいは木行・船板の一類の事に牽連す。《巽》宮「官鬼」發動すれば、禍事東南より起こり、あるいは興造・風訊に關し、も可能家中の長女・鷄類の牲畜、あるいは竹葦花草の一類の事に牽連す。《兌》宮「官鬼」發動すれば、禍事正西より起こり、あるいは庵堂・尼姑・水利・酒肆に關し、も可能少女・羊畜・巫祝と妾婦、あるいは佛を念じ香を燒くの一類の事に牽連す。《乾》宮「官鬼」發動すれば、禍事西北より起こり、あるいは寺觀・僧人・高樓に關し、も可能金玉・白髮の老翁・騾馬・城垛、あるいは經を看し道を講ずるの一類の事に牽連す。《坎》宮「官鬼」發動すれば、禍事正北より起こり、あるいは江河・盜賊・牢獄の門に關し、も可能家中の次子・猪豕、あるいは溝渠坑洼・池塘水井の一類の事に牽連す。《離》宮「官鬼」發動すれば、禍事正南より起こり、あるいは鍋竈・窯爐・術士に關し、も可能家中の次女、あるいは砲火流星の一類の事に牽連す。
申酉避凶喪,又避戰征場內。寅卯憂斫伐兼憂造作門中。水愁水路之行,藏火慮火場之來往。辰戌忌山嶺,丑未忌墳塋。鬼屬金爻,忌喪家及征戰並宰殺之類。鬼爻屬木,忌造作並斫伐之類。鬼屬水爻,忌江河並池井及混堂之類。鬼屬火爻,忌火傷及窯爐之類。鬼屬土爻,忌山林及荒郊墳墓之類。不動不必言也,又看鬼值何爻。便斷何方莫去。且如鬼在坤宮,可決西南惹禍,餘皆仿此。
「官鬼」申・酉に在れば、凶事喪家を避開するを要し、も征戰の場合を避開するを要す。寅・卯に在れば、樹木を砍伐するを擔心するを要し、も工を興し造作するの事を擔心するを要す。「官鬼」水に屬するは、愁う所是れ水路を走る。隱伏の火鬼と爲るは、憂う所是れ火を失する之處を往來す。「官鬼」辰・戌に在れば、山に上り嶺を越ゆるを忌む。丑・未に在れば、墳塋墓地に到るを忌む。總じて「官鬼」金爻に屬するは、喪家・征戰と宰殺の一類の事を忌む。木爻に屬するは、興造と砍伐の一類の事を忌む。水爻に屬するは、江河・池井と澡堂の一類の地方を忌む。火爻に屬するは、火の燒傷灼傷と窯爐の一類の地方を忌む。土爻に屬するは、山林・荒郊と墳墓の一類の地方を忌む。「官鬼」もし發動せざれば、此の等則ち皆說くを必とせず。此外還お「官鬼」いずれの一爻・いずれの一宮に落つるを看るを要し、則ちいずれの一方前往すべからずと斷定す。比如「官鬼」《坤》宮に在れば、則ち西南方に往けば禍を惹かんと斷定すべし、其餘各宮皆此に照らして類推す。
動必生殃,縱不克身仍不吉。靜雖尤咎,若然傷世定然凶,隨官入墓,處處屯。助鬼傷身,方方坎坷。凡官鬼之爻,不拘臨在何爻何卦,動必為殃,縱不克世傷身,既動無不作禍。且如否卦四爻火官獨發,前列火傷及窯爐大忌不可,拘疑往北方水路。鬼動亦見凶危,但若官搖,不論東南西北概不為詳。鬼如安靜,永不為殃。倘來沖剋世爻,雖靜亦能為禍。凡世身本命隨官入墓、並助鬼傷身者,一切事情決無佳況。
「官鬼」一たび發動すれば必ず災殃を生ず、即便ち「世爻」「身爻」を剋せずとも、仍お是れ吉兆にあらず。「官鬼」安靜雖に大過なしと說くとも、可是一旦「世爻」を傷及せば、則ち必定凶險なり。もし「官に隨い墓に入る」の局を成せば、處處困頓行難し(此の句底本脱字あり)。もし「鬼を助け身を傷る」の局を成せば、方方面面皆是れ坎坷なり。凡是れ「官鬼」此の一爻、它いずれの一爻・いずれの一卦に落つるを管せず、只だ發動すれば即ち殃を作さん。縱い「世」を剋せず「身」を傷らずとも、既に發動せば、禍を生ぜざる無し。比如《否》卦を占得して、第四爻火性の「官鬼」獨發す、前面の列する所の火傷を忌み窯爐を忌むの話固然要緊なり、卻って拘泥して北に走り水路に往くを連れて疑懼不安なりとすべからず――「官鬼」一たび動けば、本來處處凶危を見る、只だ它搖動すれば、便ち再び東南西北を分ちて細論するを必とせず。「官鬼」もし安靜なれば、永遠に殃を作さず。但しもし來りて「世爻」を沖剋せば、即便ち靜きとも也た一樣に能く禍を生ず。凡そ「世爻」「身爻」あるいは本命の爻の「官に隨い墓に入る」、および「鬼を助け身を傷る」を構成するは、一切の事情断然好き光景なし。
用象化官殃速至,鬼爻變子禍潛消。世上有官,吉曜縱興終有害。卦中無鬼,凶星雖動永無傷。卦中鬼不交重又不克世,本為清吉,豈知用神動化官爻,反遭愆咎。卦內鬼爻雖動變出子孫,定主先凶後吉,禍必潛消。官雖不動若值世爻,縱有天喜貴人,此殃難解,卦中無鬼及落空亡,雖逢朱雀白虎凶星惡煞交重,並無損害。凡卜憂疑,鬼不臨世克世又不發動,子孫旺相又不化出官爻,此等卦爻,決無禍患。人慾趨吉避凶,起未定卦乃決疑解惑,行止能分。心若竭而祈誠,言有叩而必應。
「用神」發動して「官鬼」を化出すれば、災殃甚だ快く到る。「官鬼」發動して卻って「子孫」に變爲れば、禍患暗に消解す。「世爻」上「官鬼」を帶ぶれば、縱い吉星興旺ありとも、終究害あり。卦中根本「官鬼」無ければ、凶星怎麼發動するとも、も永遠に人を傷るに到らず。卦裏「官鬼」既に發動せず、又た「世」を剋せず、本來淸靜吉利なり、誰か知らん「用神」一たび動きて卻って「官鬼」を化出し、反って罪咎に遭う。卦內「官鬼」雖に發動すとも、卻って「子孫」を變出せば、一定是れ先に凶後に吉にして、禍事必然暗自に消散せん。「官鬼」縱使動かずとも、只だ「世爻」上に臨まば、即便ち「天喜」「貴人」此の類の吉神ありとも、此の場の災殃も亦た化解し難し。卦中「官鬼」無く、あるいは「官鬼」「空亡」に落つれば、那麼算めば「朱雀」「白虎」等の凶星惡煞一齊に發動して重爻と爲るとも、も毫も損害なし。凡そ憂疑の事を占うは、「官鬼」既に「世」に臨まず「世」を剋せず、又た發動せず、「子孫」旺相にして而且「官鬼」を化出せざれば、此の樣の卦爻、断然禍患なし。人吉に趨り凶を避けんと想う、卦を起こす事情未定の先に於てするは、正に是れ疑を决し惑を解せんが爲め、好く分辨す該當行くべきか還お該當止むべきかを。心意もし竭誠に祈禱せば、問う所の言一定應驗あらん。
防非避訟章第六十二
(以官鬼為主,朱雀為憑。)時常問卜慮官司,卻要官居空絕時,子動龍搖無橫事,鬼興雀噪定成詞。凡占詞訟有無,須推官鬼,鬼若空亡、或臨絕地、或不上卦,便無官非。縱有官爻,若得子孫發動,或持世上,永不成詞。鬼帶青龍,亦無橫禍;鬼臨朱雀發動,訟必當興;鬼爻若化子孫,見凶得吉。
本章は是れ非を防範し官司を躲避するの事を占うは、「官鬼」を以て用神の主體と爲し、「朱雀」を以て憑據と爲す。平日裏常に來りて卜問し官司に惹かれ上るを擔憂するは、最も要緊なる是れ「官鬼」が「空亡」あるいは「絶地」に處するの時なり。「子孫」發動し「青龍」搖動すれば、則ち意外の事なし。「官鬼」旺盛にして「朱雀」聒噪すれば、則ち必定訟案に鬧成せん。凡そ詞訟の有る無しを占うは、須らく「官鬼」此の一爻を推せ。「官鬼」もし「空亡」に落ち、あるいは「絶地」に臨み、あるいは根本卦に上らざれば、則ち官司是れ非なし。縱い卦中「官鬼」ありとも、只だ「子孫」發動し、あるいは「世爻」上に臨まば、も永遠に訟を成さず。「官鬼」「青龍」を帶ぶれば、同樣意外の禍あらざらん。「官鬼」「朱雀」に臨みて發動すれば、訟事必然興起せん。「官鬼」もし「子孫」を化出せば、則ち是れ凶に遇いて終に吉を得ん。
騰蛇值鬼牽連訟,玄武陰人盜賊知,白虎驗傷分勝負,勾陳爭產辯贏輸。騰蛇鬼動,若不為牽連之訟,定不免光棍之非。玄武鬼動,禍起陰人。或為盜情,或因水利。白虎鬼動,事幹喪服,或主槍傷打傷之累。勾陳鬼動,禍由田產、或為公差之事、亦或因債負之詞。
「騰蛇」上の「官鬼」は、牽連を受けて訟に渉るを主す。「玄武」上の「官鬼」は、禍の女子あるいは盜賊より起こるを知るべし。「白虎」上の「官鬼」は、傷を驗し案を定めて以て勝負を分かつを主す。「勾陳」上の「官鬼」は、田產を爭奪して輸贏を辯ずるを主す。「騰蛇」「官鬼」を帶びて發動するは、もし是れ人に牽連して官司に進むにあらずば、も一定無賴惡棍の糾纏を免れず。「玄武」「官鬼」を帶びて發動するは、禍事女子より起こり、あるいは盜竊の情に因り、あるいは水利を爭うに因りて起こる。「白虎」「官鬼」を帶びて發動するは、事情喪服に關し、あるいは槍刺棒打の類の傷害の累を主す。「勾陳」「官鬼」を帶びて發動するは、禍田產よりして生じ、あるいは是れ官府の差役に關し、も可能是れ債務に因りて起こるの訟狀なり。
又云更推何象之為鬼,便見誰人起訟端。福德變成卑幼起、或因僧道及歌歡。妻財化出陰人僕。或為生涯貨物牽。兄弟動來因手足朋友喧譁、或賭錢。爻逢父母之官者,尊長文書衣產船。官化官爻興舊訟,變為空地不須言。要知何事何人起訟,但看何爻化出官爻。子孫化鬼,事起兒女之輩、或僧道醫樂及善原並禽獸兼酌酒、或歌唱等類之訟。妻財化鬼,事起陰人、或奴僕及買賣並財物兼糧食等類之訟。兄弟化鬼,事起弟兄,或姨妹及朋友並同類兼中保媒妁等類,如加朱雀,便是賭博之訟。父母化鬼,事起尊長等輩、或文書及房屋並舟車兼袍服、或墳墓等類之訟。鬼化鬼,事起舊訟,不然亦主兩情、或三衙門、或結後復告。以上六親縱然此日官鬼化鬼若空,又不依前斷之。
歌訣又た曰く、還おいずれの一類の爻象か變じて「官鬼」と成りしかを推究して、則ち訟端誰より起こるを看出すことを得、と。「子孫」(福德)の「官鬼」を變出するは、是れ晚輩幼小の引起し、あるいは僧道・歌舞宴樂に因りて起こる。「妻財」の「官鬼」を化出するは、女子あるいは奴僕に牽涉し、あるいは生計を經營し貨物賣買に因りて起こる。「兄弟」發動して鬼を化すは、起因手足兄弟・朋友の爭吵に在り、あるいは是れ錢を賭す。爻中「父母」の「官鬼」を化出するは、起因尊長・文書・衣物・田產・舟船に在り。「官鬼」再び「官鬼」を化するは、是れ舊案重提す。もし化する所の爻「空亡」の地に落つれば、則ち再び論ずるを必とせず、と。何の事何の人より訟案を引起すを知らんと要するは、只だいずれの一爻か「官鬼」を化出するを看る。「子孫」「官鬼」を化するは、事兒女輩より起こり、あるいは僧道・醫家・樂人・還願行善・禽獸牲口・飲酒歌唱の一類の訟事。「妻財」「官鬼」を化するは、事女子より起こり、あるいは奴僕・賣買・財物・糧食の一類の訟事。「兄弟」「官鬼」を化するは、事兄弟より起こり、あるいは姨表姊妹・朋友・同行、および中人・保人・媒妁の一類。もし再び「朱雀」を加えれば、即ち是れ賭博の引起する訟事。「父母」「官鬼」を化するは、事尊長輩より起こり、あるいは文書・房屋・舟車・袍服・墳墓の一類の訟事。「官鬼」「官鬼」を化するは、事舊案より起こり、然らずともも兩頭皆情由あるを主し、あるいは三處の衙門に牽涉し、あるいは案子已に結して又た重新に告發せらる。以上六親の推斷は、もし當日「官鬼」の化出する「官鬼」恰好「空」に落つれば、則ち再び前面の說法に照らして斷ずるに往かず。
離中鬼動因中女,艮內官興為少男,以上他宮如此斷,六爻安靜訟無干。離官鬼動,事因中女、或火炮及爐灶並術士兼文墨等類之訟。艮官鬼動,事為少男、或山林及骨冢並犬畜等類之訟。乾宮鬼動,事為老翁,或寺廟及釋子並城垛高樓兼騾馬等類之訟。坎宮鬼動,事為中男、或江河及盜賊並水利兼豬畜等類之訟。震官鬼動,事為長男、或起造及樹木並舟揖等類之訟。巽宮鬼動,事因長女、或花草及竹蘆並使風兼雞畜等類之訟。坤宮鬼動,事因老嫗、或分墳墓及荒郊並牛畜布疋大車等類之訟。兌官鬼動,事因少女、或庵堂及尼姑並水利酒坊兼羊畜等類之訟。凡占訟有無,鬼若休囚安靜,朱雀不搖,便無訟擾。
《離》宮「官鬼」發動すれば、起因次女に在り。《艮》宮「官鬼」興起すれば、起因幼子に在り。其餘各宮皆此の辦法に照らして斷ずるに往く――每一宮既に一類の人を主し、又た一類の物事を主す、人と物とを合看せば、訟端の來由便ち顯れ出づ。六爻安然として動かざれば、則ち訟事と關なし。《離》宮「官鬼」發動すれば、事情次女に因りて起こり、あるい是れ火炮・爐竈・術士・文墨の一類の訟事。《艮》宮「官鬼」發動すれば、事情幼子に關し、あるいは是れ山林・墳冢・犬畜の一類の訟事。《乾》宮「官鬼」發動すれば、事情老年の男子に關し、あるいは是れ寺廟・僧人・城垛高樓・騾馬の一類の訟事。《坎》宮「官鬼」發動すれば、事情次子に關し、あるいは是れ江河・盜賊・水利・猪畜の一類の訟事。《震》宮「官鬼」發動すれば、事情長子に關し、あるいは是れ興造・樹木・舟楫の一類の訟事。《巽》宮「官鬼」發動すれば、事情長女に因りて起こり、あるいは是れ花草・竹葦・行船使風・鷄畜の一類の訟事。《坤》宮「官鬼」發動すれば、事情老婦に因りて起こり、あるいは是れ墳地を分割し・荒郊田野・牛畜・布匹・大車の一類の訟事。《兌》宮「官鬼」發動すれば、事情少女に因りて起こり、あるいは是れ庵堂・尼姑・水利・酒坊・羊畜の一類の訟事。凡そ訟事の有る無しを占うは、「官鬼」もし休囚にして而又た安靜にして、「朱雀」も亦た搖動せざれば、則ち訟事の來り攪擾する無し。歸結し說く、「官鬼」是れ訟事の根、「朱雀」是れ訟事の聲。根動かず聲起こらざれば、詞訟自然發生するに從なし。
防火避焰章第六十三
(吉則用子孫主,凶則用官鬼為主憑。)占火惟憑官鬼尋,交重克世火殃臨,世中遇此興家室,應上逢之起對門。內卦鬼興憂本宅,外爻官動慮鄉鄰。要知何處紅光透,八卦須將八向分,鬼在艮宮東北起,官居離卦正南焚。
本章は火を防ぎ災を避くるを占うは、吉を論ずる時は「子孫」を以て用神と爲し、凶を論ずる時は則ち「官鬼」を以て用神と憑據と爲す。火災を占うは只だ「官鬼」此の一爻に憑りて尋ね往く。「官鬼」發動して重爻と爲り而又た「世」を剋せば、火殃便ち頭に臨まん。「世爻」上它に遇えば、火自家の屋裏より起こる。「應爻」上它に遇えば、火對門の人家より起こる。內卦「官鬼」興起すれば、憂う所是れ本宅。外卦「官鬼」發動すれば、慮る所是れ鄕鄰。火光いずれの處より透出するを知らんと想えば、則ち八卦を用いて八個の方位を分辨するを要す。「官鬼」《艮》宮に在れば、火東北より起こる。「官鬼」《離》卦に在れば、火正南に焚燒す。
占火獨須推官鬼,鬼如發動便有火殃,不克世身並內卦,雖見無妨。動來傷宅或克世爻,難逃回祿。世值鬼搖,本家起火;應臨鬼動,對宅興災。內卦興親官鬼動,禍不離家。他官或外卦官興,火由鄰里。又看鬼動何官,便曰何方火熾。乾宮鬼動,西北興災。鬼在坎宮,殃生正北。官居艮上,東北遭殃。震上鬼臨,正東受患。巽家鬼動,禍及東南。離內鬼興,正南發覺。在坤,西南被害。在兌,正西起殃,卦中縱有鬼,若不動,則不必言。
火災を占うは只だ須らく「官鬼」を推せ。「官鬼」もし發動せば、便ち火殃あり。只だ它「世爻」「身爻」と內卦とを剋せざれば、雖に鬼象ありともも妨げなし。もし發動して來り宅爻を傷及し、あるいは「世爻」を剋せば、則ち難く火災を逃過せん。「世爻」上「官鬼」搖動すれば、是れ自家火を起こす。「應爻」上「官鬼」發動すれば、是れ對門の人家災を起こす。內卦と本宮との「官鬼」發動すれば、禍事自己の家門を離れず。他宮の「官鬼」あるいは外卦の「官鬼」興起すれば、火是れ鄰里より燒き來る。再び「官鬼」いずれの一宮に發動するを看れば、則ちいずれの一方火勢熾烈と說く。《乾》宮「官鬼」發動すれば、西北災を起こす。「官鬼」《坎》宮に在れば、災正北に生ず。「官鬼」《艮》宮に在れば、東北殃に遭う。《震》宮上「官鬼」あれば、正東害を受く。《巽》宮「官鬼」發動すれば、禍東南に及ぶ。《離》宮「官鬼」興起すれば、正南火情を發覺す。《坤》宮に在れば、西南害せらる。《兌》宮に在れば、正西災を起こす。卦中縱い「官鬼」ありとも、只だ它發動せざれば、便ち此の樣に論ずるを必とせず。
或空或絕無回祿,安靜休囚也不侵。子動傷官殃息滅,福臨世上火光沉。鬼爻暗動傷身者,倘中冤仇報復心。卦無官鬼,縱有或值空絕,必無火光。爻如有鬼,若值衰靜不克世爻,亦無害。卦見子動或持世、或陷日月,火必潛消。官雖靜、或被動爻沖官、或日辰沖鬼、鬼與應爻同克世,恐仇人放火,防備須嚴。問火有無,須要官鬼休囚,亦不發動又不克世,便無火殃。
「官鬼」あるいは「空亡」に落ちあるいは「絶地」に臨まば、則ち火災なし。安靜にして而又た休囚氣無ければ、火も亦た侵擾せず。「子孫」發動して往きて「官鬼」を傷れば、災殃隨即熄滅す。「子孫」(福德)「世爻」に臨まば、火光自然に沉息す。もし「官鬼」暗中沖せられて動き、又た來りて「身爻」を傷れば、恐怕當中仇家報復の心を藏せん。卦裏「官鬼」無く、あるいは縱いありとも卻って「空亡」「絶地」に落つれば、必定火光の災あらざらん。爻中もし「官鬼」あれば、只だ它衰弱安靜にして「世爻」を剋せざれば、も害處なし。卦中「子孫」發動を見、あるいは「子孫」「世」に臨み、あるいは「官鬼」日月の剋制の下に陷れば、火患一定暗中消解せん。「官鬼」雖に靜きとも、卻って動爻に沖起せられ、あるいは「日辰」に沖動せられ、而も此の「官鬼」又た「應爻」と一同に來りて「世爻」を剋せば、恐怕是れ仇人の蓄意放火、防備必ず嚴密を要せん。火患の有る無しを問うは、須要「官鬼」休囚氣無く、又た發動せず、又た「世」を剋せざれば、此れ纔めて火殃なし。
提防盜賊章第六十四
(以官鬼為主,玄武為憑。)子旺官空玄武靜,門窗不閉永無憂。玄搖鬼發遠財助,牆壁堅牢也被偷。凡占盜賊有無,卻憑官鬼,鬼在空亡及不上卦,玄武又不發動,必無盜賊來侵,縱有鬼爻,不臨玄武又不交重,亦無賊至。官爻雖動,而玄武不動,子孫況值交重或臨世上,終無失脫。子與鬼爻皆動卻看旺衰,子旺官衰不須疑慮;子衰官旺,賊勢難防。玄武與官鬼二爻皆動,又遇動爻助鬼或日月生官,雖然屋宇堅牢,穿偷難免,鬼如化子縱被侵偷,必然緝獲。
本章は盜賊を提防するを占うは、「官鬼」を以て用神の主體と爲し、「玄武」を以て憑據と爲す。「子孫」旺相・「官鬼」落空・「玄武」安靜なれば、那麼門窗關せずともも永遠に憂なし。「玄武」搖動・「官鬼」發動し、又た遠處の動爻來りて幫扶あれば、縱使墻壁堅固なりとも、も一樣に偷まるるを要せん。凡そ盜賊の有る無しを占うは、全く「官鬼」此の一爻に憑る。「官鬼」「空亡」に落ちあるいは卦に上らず、「玄武」又た發動せざれば、必定盜賊の來り侵す無し。縱い卦中「官鬼」ありとも、只だ它「玄武」に臨まず、又た發動して重爻と爲らざれば、も賊の到るあらざらん。「官鬼」雖に發動すとも、而も「玄武」動かず、何ぞ況んや「子孫」又た發動しあるいは「世爻」に臨まば、終究東西を丢失せざらん。「子孫」と「官鬼」兩爻皆動けば、則ち兩者の旺衰を看るを要す。「子孫」旺にして「官鬼」衰なれば、疑慮するを必とせず。「子孫」衰にして「官鬼」旺なれば、賊勢便ち防備し難し。「玄武」と「官鬼」兩爻皆動き、又た動爻の「官鬼」を生助し、あるいは日月の「官鬼」を生扶するに遇えば、那麼屋宇再び堅牢なりとも、も難く墻を穿ち偷竊せらるるを免れん。「官鬼」もし「子孫」を化出せば、縱い偷まるとも、も一定能く緝獲して追回せん。
那月官臨生旺值,便知此賊至門頭,交重玄武無官鬼,有口無心不必愁,艮家鬼動防東北,坎北離南一理求。要知賊冠何月來侵,便看鬼臨長生帝旺生扶之月,又看臨值何月,便知此賊方來。假如占得明夷卦,四爻土鬼動,土賴火生,先防五月,土生在申,再憂七月。鬼臨丑土,臘月當來,其餘諸卦就此推詳又推。
「官鬼」いずれの月份に於て生旺の地に處するを看れば、則ち盜賊あの月に找み門に上らんを知る。「玄武」雖に發動して重爻と爲るとも、卦中卻って「官鬼」無ければ、那不過是れ口ありて心なく聲勢を虛張する、發愁するを必とせず。《艮》宮「官鬼」發動は東北方を防ぐを要し、《坎》宮は北を防ぎ《離》宮は南を防ぐ、皆是れ同一個の道理なり。賊寇いずれの月に來り侵犯するを知らんと要するは、則ち「官鬼」の「長生」「帝旺」および生扶を得るの月份に處するを看、再び它自身の臨む所の月支を看れば、便ち賊將にいずれの時に來らんとするを知る。譬えば《明夷》卦を占得して、第四爻土性の「官鬼」發動す、土は火に頼りて來り生ぜしむるを要す、所以先ず五月を防ぐ。土の「長生」申に在り、所以又た七月を憂慮す。「官鬼」丑土に臨まば、則ち臘月當に來るべし。其餘各卦皆此の辦法に照らして細推す。
玄武發動鬼值旬空,賊雖起意終不來侵。要知賊在何方,且看鬼居何卦,鬼在乾宮,賊居西北,不來亦在寺觀之中。鬼在坎宮,賊藏水口,不然亦在北方。鬼在艮宮,便言東北、或在山林。震宮鬼動,盜隱正東,若非樹下,定近船坊木行之所。官居巽卦,當日東南,必近竹園或草堆之所。鬼在離宮,南方之賊,若不在窯爐之所,必匿於銀銅鐵匠之家。坤宮鬼動,便斷西南,若不居墳墓之所,必在荒郊曠野之內。鬼入兌宮,賊從西路,或在魚池水閣之傍,或近小廟庵堂之處。
「玄武」已に發動すとも、而も「官鬼」恰も「旬空」に値せば、賊人雖に偷盜の念頭を起こすとも、終究來り侵犯せざらん。賊いずれの一方に藏るを知らんと要するは、則ち「官鬼」いずれの一卦に落つるを看る。「官鬼」《乾》宮に在れば、賊西北に在り、不然とせばも寺觀の中に在り。「官鬼」《坎》宮に在れば、賊水口に藏り、不然とせばも北方に在り。「官鬼」《艮》宮に在れば、便ち東北に在りと說き、あるいは山林裏に在り。《震》宮「官鬼」發動すれば、盜賊正東に隱れ、もし樹下にあらずば、一定船坊あるいは木行に靠近せん。「官鬼」《巽》卦に在れば、當に東南を指し、必定竹園あるいは草垛に靠近せん。「官鬼」《離》宮に在れば、是れ南方の賊、もし窯爐の一帶にあらずば、必定銀匠・銅匠・鐵匠の家中に藏れん。《坤》宮「官鬼」發動すれば、則ち西南に在りと斷じ、もし墳墓の地にあらずば、必ず荒郊曠野の中に在り。「官鬼」《兌》宮に入れば、賊西路より來り、あるいは魚池水閣の旁邊に在り、あるいは小廟庵堂の處に靠近せん。此の一段の要領在り:賊の行迹「官鬼」の居する宮を以て方位を定め、再以て該宮の主する物象を以て藏身の所を定め、方位と物象と兩相印證して、追捕纔めて着落あり。
卦內鬼多不動,玄武朱雀皆興,兄弟化出官爻,必是賭輸而為盜,玄武臨財化鬼,若非妻妾之親,必是奴丁為盜。在內則本家之僕,在外則他姓之奴。玄武子孫化鬼須防子侄,或僧道來偷。玄武父母化鬼,倘遭尊長相侵,或被不就文人作盜。玄武官化官爻,必是遠年績賊。玄武鬼爻白虎,當推戴孝之人。卦內官爻及化出官爻,如臨空陷,皆不可以盜賊言之。
卦裏「官鬼」雖に多しとも卻って皆動かず、而も「玄武」「朱雀」一齊に興起し、又た「兄弟」爻の「官鬼」を化出するあれば、那必是れ錢を賭して輸して而も賊を做り往くの人なり。「玄武」「妻財」に臨みて「官鬼」を化出するは、もし是れ妻妾一邊の親眷にあらずば、必定是れ奴僕家丁の賊を做す。內卦に在るは本家の僕人、外卦に在るは別姓人家の奴僕なり。「玄武」「子孫」に臨みて「官鬼」を化出するは、須らく子侄輩、あるい是れ僧道の來りて偷むを防ぐべし。「玄武」「父母」に臨みて「官鬼」を化出するは、恐怕尊長の侵奪に遭わん、あるい是れ意を得ざる讀書人の盜する所なり。「玄武」上「官鬼」再び「官鬼」を化するは、必是れ多年の慣犯積賊なり。「玄武」の「官鬼」爻又た「白虎」を帶ぶれば、當に孝を戴くの人と推すべし。卦內の「官鬼」および化出の「官鬼」は、もし「空亡」陷地に落つれば、則ち皆盜賊と作して論ずること能くさらなり。
禦避災患章第六十五
(吉則用子孫為主,凶則用官鬼為憑。)防災避患忌官爻,安靜休囚禍不招,遇旺遇生災速起,或無或陷病潛消,不傷身世無魔瘴,如值交重難莫逃,日月制之殃咎散,子孫一動滅邪妖。凡占自身疾病有無,當詳官鬼,鬼逢生旺必見災速。若落空亡或不上卦,永不為殃。鬼如發動豈不生災,不克世身終無疾厄,官爻雖動,若得子孫同發、或子臨日月、或子孫居世,萬禍潛消。無鬼便無災。
本章は災病を抵禦し躲避するを占うは、吉を論ずる時は「子孫」を以て用神の主體と爲し、凶を論ずる時は「官鬼」を以て憑據と爲す。災を防ぎ患を避くる最も忌むは「官鬼」此の一爻。它安靜にして休囚氣無ければ、則ち禍を招かず。它旺に遇い生に遇えば、災禍甚だ快く起こる。它卦に上らずあるいは「空亡」に落陷すれば、病便ち暗中消解す。只だ它「身爻」「世爻」を傷らざれば、則ち病魔瘴氣なし。もし它發動して重爻と爲れば、災便ち逃避し難し。「日辰」「月建」のそれを制伏するを得れば、殃咎自ら會して散去せん。「子孫」一たび發動すれば、邪祟妖氣立刻に撲滅す。凡そ自身疾病の有る無しを占うは、應當「官鬼」を細察すべし。「官鬼」生に逢い旺に逢えば、必定甚だ快く災を見ん。もし「空亡」に落ちあるいは根本卦に上らざれば、則ち永遠に殃を作さず。「官鬼」もし發動せば、豈に災を生ぜざるあらん。可是只だ「世爻」「身爻」を剋せざれば、終究病厄あらざらん。「官鬼」雖に發動すとも、若し能く「子孫」同時發動し、あるいは「子孫」「日辰」「月建」に臨み、あるいは「子孫」「世爻」に居るを得れば、千萬種の禍患皆暗中消解せん。卦中「官鬼」無ければ、も便ち災なし。
誰爻化鬼誰人犯,那命臨官那個遭,更論六親誰受克,可推輕重決分毫。又論合家病疾有無,須尋用象。父爻化鬼災至椿萱。兄象化官禍延手足。子化官爻,殃從兒女。財之用象,病在妻奴。宮化宮爻,令門受患。世化官爻,病臨自己;應之鬼位,妻妾不寧。複查人之本命臨官,必主為災;假令占得某卦,午火臨官便曰屬馬生人受患,餘照其詳。鬼若空亡,不依此斷,更看六親之象,不可受傷。財動則禍憂尊長,鬼興則殃及兄弟,兄搖妻病,父動兒災,妻若來占,子動夫君受患。其餘問卜,子興皆作康寧。問病有無,卦內忌神不動,鬼不交重,用神不值旬空月破,便言平安。
いずれの一爻か「官鬼」を化出するは、即ち是れいずれの一個人か沖犯せらる。誰の本命の支か「官鬼」に臨むは、即ち是れ誰殃に遭う。再び六親の中誰か剋制を受くるを論ぜば、則ち可以病情の輕重深淺を推出せん。全家疾病の有る無しを論ぜんと要するは、須らく先ず各人の「用神」を找准せよ。「父母」爻の「官鬼」を化出するは、災父母雙親に在り。「兄弟」爻の「官鬼」を化出するは、禍兄弟手足に延び。「子孫」の「官鬼」を化出するは、殃兒女に在り。「妻財」用と爲して鬼を化するは、病妻子あるいは奴僕に在り。「官鬼」再び「官鬼」を化するは、一家門戶皆患を受けん。「世爻」の「官鬼」を化出するは、病自己身上に落つ。「應爻」上是れ「官鬼」なれば、妻妾安寧を得ず。還お病人の本命の支「官鬼」に臨むか否を査看するを要し、之に臨まば必定災と爲す。譬えば某卦を占得して、午火上「官鬼」を帶ぶれば、則ち屬馬の人患を受くと說く、其餘生肖此に照らして詳推す。「官鬼」もし「空亡」に落つれば、則ち此の辦法に依りて斷せず。此外還お六親各爻を看るを要し、皆傷を受くべからず。「妻財」發動すれば則ち憂い尊長に在り、「官鬼」興起すれば則ち殃兄弟に及び、「兄弟」搖動すれば則ち妻子病を生じ、「父母」發動すれば則ち兒女災あり。妻子もし來りて占卜せば、「子孫」發動便ち是れ丈夫患を受く。其餘各種の占問は、「子孫」興旺皆安康を主す。疾病の有無を問うは、只だ卦內「忌神」動かず、「官鬼」發動して重爻と爲らず、「用神」又た「旬空」「月破」に落さざれば、則ち平安と斷爲すべし。
何處得病章第六十六
(以官爻為主,動象為憑。)欲知何處起災星,須把交復位向真,爻靜可將外卦取,無官卻在本宮尋,當推官伏何爻下,鬼上飛爻方有因,假令卜得家人卦,鬼伏三爻辛酉金,但看飛神己亥水,便言西北犯靈神,飛官伏鬼皆空者,病體終無邪祟侵。
本章は病いずれの處より得て來るを占うは、「官鬼」爻を以て用神の主體と爲し、動爻を以て憑據と爲す。災星哪裏より昇起するを知らんと想えば、須らく發動の爻の方位を定準せよ。六爻安靜なるは、可以外卦を取りて來り斷ず。卦中「官鬼」なきは、則ち本宮に到りて尋ねよ。「官鬼」いずれの一爻の下に伏藏するを推さんと要するは、它の上頭に壓する「飛神」を看て、纔めて病因の所在を見ることを得。譬えば《家人》卦を卜得して、「官鬼」第三爻辛酉金に伏す、只だ上に壓する「飛神」是れ己亥水を看れば、便ち西北方に於て神靈を沖犯したりと說く。もし「飛神」と伏する所の「官鬼」と皆「空亡」に落つれば、病體終究邪祟の侵擾なし。
凡占何處得災,並看何方犯祟,不論卦中有鬼無鬼,如見動爻,即以動爻取之。火動曰南,水動曰北,如卦安靜亦有官鬼,便取外卦斷之。外巽則東南起禍,外幹則西北招殃。卦若安靜又無鬼者,並不取外卦而推,卻看鬼伏在何爻之下,鬼上飛爻定其方向,假令訟卦安靜,鬼伏三爻午火之下,便云病起南方。又如遁卦三爻六爻動,既有動爻便言動,動申是西南,戌乃西北,病從一處豈有二方?即要二者並看,只曰西方。又如遁卦安靜,卦雖有鬼並無動爻,便將外卦而決,禍從西北而來。又如小畜卦初爻二爻動,官鬼雖無,動爻可取鬼當正北,寅為東北,二象並推總言在北。又如小畜卦初爻二爻動,無官難取外卦,方看鬼伏三爻之下,祟於西北方來,卦如無鬼伏鬼再空,並無神祟。
凡そ病いずれの處より得て來るを占うは、兼ねていずれの一方に於て鬼祟を沖犯したるを看る、卦中「官鬼」有る無しを論ぜず、只だ動爻を見れば、則ち動爻を取りて來り斷ず。火爻動けば便ち南方と說き、水爻動けば便ち北方と說く。もし六爻安靜にして卦中又た「官鬼」あれば、則ち外卦を取りて來り斷ず。外卦是れ《巽》なれば、禍東南より起こる。外卦是れ《乾》なれば、殃西北より招く。卦もし既に安靜また「官鬼」無ければ、那れ則ち外卦を取りて推さず、而も「官鬼」いずれの一爻の下に伏するを看、其の上に壓する「飛神」を用いて方向を定む。譬えば《訟》卦六爻安靜、「官鬼」第三爻午火の下に伏すれば、則ち病南方より起こると說く。又た如し《遯》卦第三爻・第六爻發動す、既然動爻あれば則ち動爻を取りて來り說く。申是れ西南、戌是れ西北、病只だ一處より來る、哪裏か兩個の方位あらん。所以兩者を合看して、只だ西方と總說す。又た如し《遯》卦六爻安靜、卦中雖に「官鬼」ありとも卻って動爻無ければ、便ち外卦を用いて决斷し、禍西北方より來る。又た如し《小畜》卦初爻・二爻發動す、卦中雖に「官鬼」無しとも、動爻卻って取用しうる。子當に正北、寅東北と爲す、兩爻幷せて推し、總じて北方に在りと說く。再如《小畜》卦初爻・二爻發動す、「官鬼」無きに因りて外卦を取ること難し、此れ纔めて「官鬼」第三爻の下に伏するを看、祟西北方より來ると斷ず。卦中もし既に「官鬼」無く、伏する所の「官鬼」又た空に落つれば、那れ則ち幷せて神祟無し。
之一又論八宮鬼動云:坤象鬼興遭墳野,艮家官動起山林,離宮或到窯爐處,乾兌曾沖寺廟門,震巽樹林花草路,坎卦江河池沼村。鬼值本宮非出境,官方惹禍卻評論。
其一、再び八宮「官鬼」發動の斷法を論ず。歌訣に曰く、《坤》宮「官鬼」興起すれば、是れ墳地荒野に於て沖撞したり。《艮》宮「官鬼」發動すれば、病山林より起こる。《離》宮「官鬼」發動すれば、或るい是れ窯爐の處に到りし。《乾》《兌》二宮「官鬼」發動すれば、是れ曾て寺廟の門を沖犯したり。《震》《巽》二宮「官鬼」發動すれば、是れ樹林花草の路上に在りし。《坎》宮「官鬼」發動すれば、是れ江河池沼の村落に在りし、と。「官鬼」もし本宮に落つれば、說明す未だ遠門に出でず。「官鬼」他宮他方に落ちて而も禍を惹けば、纔めて別に作して評斷す。
官若動時,亦不如前所斷。鬼在坤宮,必往西南犯祟、或登墳墓、或田野之間。鬼在艮宮,曾行東北,不然便往山林。鬼在離宮,南方染禍、或往火場、或到窯爐之所。鬼在坤宮,理推西南、或到寺觀之中、或步高樓之上。鬼在兌宮,正西有犯、或往庵堂、或居水口。鬼在震宮,正東惹禍、或往樹林之下、或登船轎之中。巽宮鬼發,曾步東南或到竹園之側、或居柴草之傍。鬼在坎宮,病從北至、或履江湖之口、或逢驟雨淋身。鬼如獨發,又看地支所屬之方,假令賁卦初爻獨發,病起東方,餘皆仿此宮。鬼如不獨發,則不必言也。如爻亂動,照前八卦推之,又看鬼在本宮或在內卦,便言當地之災。鬼在外卦或在他宮動者,當推病起外方,學者自宜通變。
「官鬼」もし是れ發動すれば、斷法便ち前面(靜卦は外卦を取る)と不同ならん。「官鬼」《坤》宮に在れば、必是れ西南に往きて鬼祟を沖犯し、あるいは墳墓に登り、あるいは田野の間に在りし。「官鬼」《艮》宮に在れば、曾て東北方に往き、不然とせば便ち是れ山林に進み入りし。「官鬼」《離》宮に在れば、南方に於て禍患に染上し、あるいは火を失する之處に往き、あるい是れ窯爐の所に到りし。「官鬼」《乾》宮に在れば(底本此の處誤って「坤宮」と作す)、理に按じて西北に推し、あるいは寺觀の中に到り、あるいは高樓の上に登りし。「官鬼」《兌》宮に在れば、正西方沖犯する所有り、あるいは庵堂に往き、あるいは水口に待在りし。「官鬼」《震》宮に在れば、正東方禍を惹き、あるいは樹林の下に到り、あるいは船隻轎子に坐りし。《巽》宮「官鬼」發動すれば、曾て東南方に走動し、あるいは竹園の旁邊に到り、あるいは柴草堆の邊に待在りし。「官鬼」《坎》宮に在れば、病北方より來り、あるいは江湖渡口を走り過ぎ、あるいは曾て驟雨に身を淋されし。「官鬼」もし是れ獨發の爻なれば、還お它地支の所属する方位を看るを要す。譬えば《賁》卦初爻獨發すれば、病東方より起こる、其餘各卦皆此に照らして類推す。「官鬼」もし是れ獨發にあらずば、便ち此の樣に論ずるを必とせず。もし諸爻亂動せば、則ち前面八卦の辦法に照らして推し、再び「官鬼」是れ本宮に在るかあるいは內卦に在るかを看れば、那れ則ち災本地より起こると說く。「官鬼」外卦あるいは他宮に在りて發動すれば、則ち病外方より起こると推すべし。易を學ぶの人自ら當に靈活變通すべし。
之二又論六神值鬼云:青龍鬼動因權悅,或往親朋喜事家,或到樹林芳草處,或叨酌酒及簪花。鬼值青龍,災由喜處、或探親訪友、或酬酒簪花、或去遊山、或居樹下、或謁貴人,以上等方病從此得。朱雀鬼興因惱怒,是非詞訟及文章,看書寫字兼歌唱,皆是生災惹禍方。鬼臨朱雀,災由怒氣,或被閒非詞訟或曾寫書修書或遇喧譁或逢歌耍、或視火場染其災禍。
其二、再び「六神」「官鬼」を配するの斷法を論ず。歌訣に曰く、「青龍」上「官鬼」發動すれば、病因得意歡悅の時に出づ、あるいは親友の喜の事を辦する人家に往き、あるいは樹林芳草の處に到り、あるいは人家の酒席に叨擾し花を簪たり、と。「官鬼」「青龍」を配するは、災喜慶の場合よりして來る、あるい是れ親を探し友を訪い、あるい是れ應酬して酒を飲み花を簪て宴に赴き、あるい是れ門を出でて山を遊び、あるい是れ樹下に歇息し、あるい是れ貴人を拜謁す――病便ち是れ以上此の等の地方より得て來る。歌訣又た曰く、「朱雀」上「官鬼」興起すれば、病因惱怒に出づ、是れ非詞訟・文章書寫に關あり。書を看し字を寫し以て曲を唱するに至るまで、皆是れ災を生じ禍を惹くの所在、と。「官鬼」「朱雀」に臨まば、災怒氣よりして生ず、あるい是れ無端の是れ非・詞狀訟案に身を纏われ、あるい是れ曾て信を寫し書を作し、あるい是れ爭吵喧嘩に遇上し、あるい是れ歌舞戲耍に碰上し、あるい是れ火を失する之處を看て而も災禍に染上せり。
勾陳鬼動病難痊,倘至田傍墓後前,或為他修並自作,莫非禁忌有牽連。鬼值勾陳,災由跌磕、或登墳左墓右、或行地後田前、或曾內外動作,故有災瘴。騰蛇若帶鬼爻興,病為驚惶懼嚇成,或被七情傷氣血,或逢鬼魅作妖精。鬼值騰蛇,災由驚恐或多思慮、或有憂愁、或遇妖邪,故生災瘴。
歌訣に曰く、「勾陳」上「官鬼」發動すれば、病痊愈し難し、或るい是れ田邊・墳前墓後に到り、あるい是れ別人の爲めに修造し又たあるいは自家工を動かし、多半是れ土を動かすの禁忌を觸犯して而も牽連あるに因る、と。「官鬼」「勾陳」を配するは、災跌倒磕碰よりして來る、あるい是れ墳墓の左右に登臨し、あるい是れ田地の前後に行走し、あるい是れ曾て屋內屋外に於て工を興し動作し、此に因りて災病を招來せり。歌訣又た曰く、「騰蛇」もし「官鬼」を帶びて興起せば、病是れ驚嚇恐懼を受けて成る、あるい是れ喜怒憂思悲恐驚七種の情緒に氣血を傷られ、あるい是れ鬼魅妖精の作祟に遇上す、と。「官鬼」「騰蛇」を配するは、災驚恐よりして來る、あるい是れ思慮過多し、あるい是れ憂愁を心懷し、あるい是れ妖邪に遇見し、因りて災病を生出せり。
白虎相臨官鬼興,或聞鄰近有悲聲,或觀撤席行喪過,或視兵戈及宰牲。官臨白虎,禍起哀聲、或鄰里之臨喪、或新朋之撤席、或往孝堂之內、或見刀兵或逢宰殺,如此數般禍從斯出。玄武還從水路來,或貪酒色得其災,或經沐浴兼逢雨,或受寒邪病更乘。玄武臨官,災由酒色、或往江河、或曾冒雨、或經失物、或被盜驚起病之由,細宜斟酌。
歌訣に曰く、「白虎」與「官鬼」と相臨みて興起すれば、あるい是れ鄰近に傳わる哭聲を聽き、あるい是れ席を撤し喪を送るの隊伍の經過を看過し、あるい是れ刀兵および牲口を宰殺するを見たり、と。「官鬼」「白虎」に臨まば、禍哀聲より起こる、あるい是れ鄰里喪事を辦し、あるい是れ新交の朋友家筵席を撤し、あるい是れ靈堂孝棚に進み入り、あるい是れ刀兵を見到し、あるい是れ屠宰に碰上す――此の幾種の情形、禍便ち此の裏より出づ。歌訣又た曰く、「玄武」上の病還お是れ水路より來る、あるい是れ酒色を貪戀して而も災を得、あるい是れ沐浴之の後また雨淋に遭い、あるい是れ寒邪を受けて而も病勢加重せり、と。「玄武」「官鬼」に臨まば、災酒色よりして起こる、あるい是れ江河に往き、あるい是れ曾て雨を冒し、あるい是れ財物を丢失し、あるい是れ盜賊に驚嚇せらる――病を發するの緣由は、皆該當仔細斟酌すべし。
痘疹起回章第六十七
(以官鬼為主,五行六象為憑。)未種花時問種花,卦無官者痘無芽,鬼空鬼絕無斑疹,官動官興有痘瘀。凡占出痘,須看官爻,鬼若空亡及不上卦,決然不出。卦中縱有鬼動亦值休囚、或逢沖散、或遇絕鄉、或化克絕,皆非出也。官如發動不臨死絕刑傷,鬼縱休囚若變為有氣,便種痘花。鬼雖不動或逢旺相之期,亦當起發。卦雖無鬼,倘然本月臨官,反生痘痧。
本章は痘疹の發出と收回とを占うは、「官鬼」を以て用神の主體と爲し、五行と「六神」の象とを以て憑據と爲す。還お痘を出さざるの時來りて痘を出すか否を問うは、卦中もし「官鬼」無ければ、痘便ち萌芽せず。「官鬼」「空」に落ちあるいは「絶」に臨まば、斑疹あらざらん。「官鬼」發動し「官鬼」旺盛すれば、便ち痘瘡あらん。凡そ痘を出すを占うは、須らく「官鬼」爻を看よ。「官鬼」もし「空亡」に落ちおよび卦に上らざれば、断然出ざらん。卦中縱い「官鬼」發動ありとも、但し它又た休囚氣無く、あるいは沖散せられ、あるいは「絶」地に落ち、あるいは它を剋し它を絶する之の爻を化出せば、も皆出ざらん。「官鬼」もし發動して而も死絶刑傷の地に臨まず、あるいは「官鬼」雖に休囚すとも卻って變じて氣有りと爲れば、那れ則ち痘花を種出せん。「官鬼」縱然動かずとも、一旦它旺相の時節に遇上せば、也た照樣發出せんと要す。卦中雖に「官鬼」無しとも、倘若本月の月支正に「官鬼」の臨む所なれば、反って痘痧を生出せん。
年上臨官年出痘,月中值鬼月栽花,鬼休子旺當稀朗,鬼旺福衰稠密加,若見騰蛇臨火發,定主麻痘斷無差。若問何年種豆,便看鬼臨生旺之年,卦若無官,又察何年值鬼。如占何月栽花,便推鬼逢生旺之月;要知何日,亦看鬼旺之期,大同小異一理而推。卦中官鬼休囚子孫旺相、或值世家,縱然出痘,亦主稀疏。官如旺相,子若休囚,痘生時下稠密非常,又論騰蛇臨火發動,鬼雖安靜必發痘疹。
太歲の支上「官鬼」に臨むは、此の一年便ち痘を出さん。月建の支上「官鬼」に値するは、此の月便ち痘を發せん。「官鬼」休囚にして「子孫」旺相なれば、痘必ず稀疏明朗なり。「官鬼」旺相にして「子孫」(福德)衰弱なれば、痘便ち密密麻麻なり。もし「騰蛇」火爻に臨みて發動するを見れば、必定是れ麻疹と痘瘡と幷發す、斷じて差錯なし。もしいずれの一年か痘を出すを問わば、則ち「官鬼」生旺の年份に處するを看よ。卦中もし「官鬼」無ければ、再びいずれの一年かの年支正に「官鬼」なるを察す。もしいずれの一月か痘を發するを占わば、則ち「官鬼」生旺に逢うの月份を推す。いずれの一天を知らんと要すれば、同樣「官鬼」旺盛の日子を看る――道理大同小異、一を以て之を貫く。卦中「官鬼」休囚にして「子孫」旺相、あるいは「子孫」「世爻」の家に臨まば、縱い痘を出すとも、も稀疏を主す。「官鬼」もし旺相、「子孫」又た休囚なれば、痘發出來る當時便ち密なること異常ならん。再び論ず「騰蛇」火爻に臨み發動すれば、「官鬼」縱然安靜すとも、も一定要して痘疹を發せん。
病源眞假章第六十八
(以官鬼為主,旺衰為憑。)凡占疾厄假和真,官鬼交重病必興,旺相亦然遭此患,臨空遇絕是虛名。凡占是病不是病,只論官爻,再無別議。鬼若交重,必成此症。官雖不動,若逢生旺,亦斷此災。卦如無鬼及落空亡、或臨絕處,似是而非病不真也。隨官入墓災非假,助鬼傷身禍必興,日月制官實不實,子孫旺動疾難憑。凡值隨官入墓助鬼傷身,其禍當興,災難,迴避。要知病散,須看子孫。若得子旺官衰、日月及臨福德,卦內子爻或動剋制。
本章は病源の眞假を辨ずるは、「官鬼」を以て用神の主體と爲し、其の旺衰を以て憑據と爲す。凡そ疾病是れ眞か是れ假かを占う。「官鬼」發動して重爻と爲れば、病必定興起せん。「官鬼」旺相なれば、也た照樣此の場の病患に遭わん。「官鬼」「空亡」に落ちあるいは「絶」地に遇えば、那便ち是れ虛に其名あるの假症なり。凡そ究竟是れ眞に病有るか否かを占うは、只だ「官鬼」此の一爻を論じ、再び別の說法無し。「官鬼」もし發動して重爻と爲れば、必然此の症を坐實せん。「官鬼」縱然動かずとも、只だ生に逢い旺に逢えば、も斷じて眞に此の災ありと爲す。卦中もし「官鬼」無く、あるいは「官鬼」「空亡」に落ち、あるいは「絶」地に臨まば、那れ即ち是れ似是而非、病幷せず眞なり。もし「官に隨い墓に入る」の局を成せば、災是れ假にあらず。もし「鬼を助け身を傷る」の局を成せば、禍必定興起せん。「日辰」「月建」「官鬼」を制伏すれば、病便ち實中虛を帶ぶ。「子孫」旺相にして發動すれば、病更に靠るべからず。凡そ「官に隨い墓に入る」「鬼を助け身を傷る」に遇うは、禍端正に盛んにして、災難回避し難し。病いつの時消散するを知らんと要するは、須らく「子孫」を看よ。もし「子孫」旺にして「官鬼」衰、あるいは「日辰」「月建」正に「子孫」(福德)に臨み、あるいは卦內「子孫」爻發動して往きて「官鬼」を剋制するを得れば、病便ち能く散ぜん。
