干支の体象・天干
作盤ガイド: 八字作盤
《甲》甲木天干作首排,原無枝葉與根荄;欲存天地千年久,直向沙泥萬丈埋。斷就棟樑金得用,化成灰炭火為災;蠢然塊物無機事,一任春秋自往來。
甲木は十天干の中に於て頭の一位に排す。其れは已に斫り下したる大木にして、本来・枝葉無く、亦た根鬚無し。天地の間に於て千年を長存せんと欲せば、只だ一直に万丈の沙泥の中に埋め込む有るのみ——甲は辰を以て水・泥の庫と為し、土の掩蔵を得て反対に能く久しく存す。若し棟樑の材に斫成せんと欲せば、須く庚金の来りて裁断するを得べく、金は便ち其の用神と成る。若し灰炭に焼化成れば、則ち是れ火の多きが為の灾なり。此の一段の蠢然の木料は本身は并せて機巧の言うべき無く、只だ春去り秋来るに由りて、時令の擺布に任するのみ。
《乙》乙木根荄種得深,只宜陽地不宜陰;漂浮最怕多逢水,刻斷何當苦用金。南去火炎災不淺,西行土重禍尤侵;棟樑不是連根木,辨別工夫好用心。
乙木は連根の活木にして、根鬚は種うること深く、只だ宜しく向陽の暖地に栽うべく、陰湿の処に落つるを宜しとせず。其れは最も水の多くて根を漂浮せしむるを怕れ、亦た必ずしも甲木の如く苦しく庚金を用いて砍削せんとするを須せず。運を南方に往かば、火は太炎烈にして灾禍は浅からず。西方に往かば、金旺・土重にして、禍患は更に身を侵す。須知るべし、棟樑の材は斫断の甲木より出づ。是れ此の種の連根の活木に非ず。甲・乙は同じく木に属するも取用は大相違なり。此の一層を分辨するは最も須く心を用いよ。
《丙》丙火明明一太陽,原從正大立綱常;洪光不獨窺千里,巨焰猶能遍八荒。出世肯為浮木子,傳生不作溼泥娘;江湖死水安能剋,惟怕成林木作殃。
丙火は分明に就ち一輪の太陽にして、本は堂堂・正正の処より綱常を樹立す。其の大光は止まずして千里を照見し、巨焰は更に能く八方の荒遠の地に遍くす。其れは木に由りて生ずるも、彼の漂浮・無根の木を認めて父と為すを肯んぜず。其れは能く土を生ずるも、湿泥を把りて養う所の子と為すを願わず。江湖の裏の一潭の源無き死水は、何ぞ之を剋し動かすを得ん。其れは只だ木多くして林を成し、反対に日光を遮蔽して灾殃と成るを怕る。
《丁》丁火其形一燭燈,太陽相見奪光明;得時能鑄千金鐵,失令難鎔一寸金。雖少乾柴猶可引,縱多溼木不能生;其間衰旺當分曉,旺比一爐衰一檠。
丁火の形象は一盞の燭灯にして、若し丙火の太陽と相見れば、光明は反対に奪い去らる。其れは令を得て時に当たれば、能く千斤重いの鉄を熔鋳す。一たび令を失えば、一寸の金すらも熔動せず。たとい只だ一點の乾柴(甲木)あれども、足りて之を引燃す。たとい湿木の再多く(乙木あるいは水旺の木)とも、之を生起する能わず。丁火の衰旺の別は此に於て最も須く分かち清むべし。旺なるは炉の炭火に譬うが如く、衰なるは過ぎず一盞の孤灯なり。
《戊》戊土城牆堤岸同,振江河海要根重;柱中帶合形還壯,日下乘虛勢必崩。力薄不勝金漏洩,功成安用木疏通;平生最要東南健,身旺東南健失中。
戊土は城墻・堤岸に譬うが如く、要して江河・湖海を鎮め得べく、根基は必ず厚重なるを須す。四柱の中に若し合を帯びて助を得れば、形勢は還た壮実と算す。若し日主の坐する下が空虚・根無ければ、堤岸は勢い必ず崩塌す。力量・単薄の時は、金の来りて泄漏するに経えず。堤防が既に築成すれば、又何ぞ須んや木の来りて疏通するを。其れの平生・最も需ゆる所は東南の火土の地にして其の健旺を助く。然れども身已に旺して還た一味に東南に走り往かば、反対に中和を失う。
《己》己土田園屬四維,坤深能為萬物基;水金旺處身還弱,火土功成局最奇。失令豈能埋劍戟,得時方可用鎡基;漫誇印旺兼多合,不遇刑沖總不宜。
己土は田園の土にして、辰戌丑未の四隅の位に分属す。坤徳・深厚にして、能く万物の生長の根基を作す。水旺・金旺の処に走り到れば、其れは自身は反対に衰弱す。火の来りて生ずる有り土の来りて助くる有れば、格局は乃ち最も奇特なり。令を失うの時は、一把の剣戟すらも埋め住めず。時を得て令に当たれば、乃ち鍬頭・農具を用いて耕耘するを談ずるに足る。一味に印の旺しくて又た合多きを誇説する勿れ。田園の土は若し些かの刑冲に遇い其れを翻動せしめ開かざれば、終に宜しからず。
《庚》庚金頑鈍性偏剛,火制功成怕水鄉;夏產東南過煆煉,秋生西北亦光芒。水深反是他相剋,木旺能令我自傷;戊己干支重遇土,不逢沖破即埋藏。
庚金は頑鈍にして性情・偏剛にして、須く火の制煉を得て乃ち器を成す能し。最も水郷に走りて其の気を泄すに往くを怕る。夏天に生まれ東南の地に行くは、是れ足够の煆錬を経過せるなり。秋天に生まれ西北の地に行くも、亦た自ずから一段の光芒有り。水太深ければ、反対に水は頭を回らして之を剋す。木太旺ければ、金の去りて木を伐るも反対に自身を傷つかしむ。若し天干の戊己・地支の辰戌丑未が重々皆土なれば、刑冲に遇い土を破り開かざれば、庚金は就ち埋没せられんとす。
《辛》辛金珠玉性通靈,最愛陽和沙水清;成就不勞炎火煆,資扶偏愛溼泥生。水多火旺宜西北,水冷金寒要丙丁;坐祿通根身旺地,何愁厚土沒其形。
辛金は珠玉に譬うが如く、性質・通霊にして、最も温暖の陽気と清澈の沙水との淘洗を喜ぶ。其れの器を成すは必ずしも烈火の煆錬を煩わすを須せず。資養・扶助せんと欲せば、偏しに湿潤の己土の来りて生ずるを喜ぶ。水多く火旺の時は、宜しく西北の金水の地に往くべし。若し水冷・金寒なれば、就ち丙丁の火の来りて凍を解き候を調えるを得るを須す。只だ禄に坐し根を通じ身は旺地に処れば、又何ぞ厚土が其の形体を埋没せんことを愁えん。
《壬》壬水汪洋併百川,漫流天下總無邊;干支多聚成漂盪,火土重逢涸本源。養性結胎須未午,長生歸祿屬乾坤;身強原自無財祿,西北行程厄少年。
壬水は汪洋にして、百川を兼并し、天下に漫流して漫として辺際無し。干支の上に水再び聚まること多ければ、就ち漂蕩・帰無しと成る。火土・重々・相逢えば、又た其の本源を涸竭せしめんとす。其れは午に胎し未に養う。故に性を養い胎を結ぶは未午の間と曰く。長生は申に在りて禄を亥に帰す。申は坤に属し亥は乾に属す。故に長生・帰禄は乾坤に属すと曰く。身已に強旺の壬水は、原本は就ち財禄の言うべき有ること難し。若し再び西北の金水の地に走り往かば、少年の時に便ち厄に遭わんとす。
《癸》癸水應非雨露麼,根通亥子即江河;柱無坤坎還身弱,局有財官不尚多。申子辰全成上格,寅午戌備要中和;假饒火土生深夏,西北行程豈太過。
癸水は豈に只だ一點の雨露の微ならんや。其れは只だ根が亥・子に通ぜば、亦た江河と成る。四柱に若し申(坤位)・子(坎位)の此の水根無ければ、其れは自然・身弱なり。局中にたとい財有り官有るも、亦た宜しく太多からざるべし。地支に申子辰の三合水局が斉全するは、是れ上等の格局なり。若し寅午戌の火局が倶備われば、就ち中和を講究するを要す。倘若し又た火土が権を当にし盛夏に生まれれば、則ち大運は西北の金水の地に往けども、亦た太過と談ずるに足らず。
干支の体象・地支
《子》月支子水占魁名,溪澗汪洋不盡清;天道陽回行土旺,人間水暖寄金生。若逢午破應無定,縱遇卯刑還有情;柱內申辰來合局,即成江海發濤聲。
月支が子水に坐するは、「神后」の首と為る名を占め、溪澗の汪洋たるが如く、清澈して尽きず。此の時・天道は一陽・来復して、子中の己土も亦た旺気有り。人間の水気は暖に回り、金正に寄生して此に在り。若し午の来りて相冲・相破するに遇えば、事は便ち飄忽・不定なり。たとい卯の来りて相刑するに遇上するも、水木・相生して畢竟・還た情分有り。四柱の中に若し申・辰の来りて三合水局を合成する有れば、則ち江海・奔騰・涛声・大発の気象と成る。
《丑》隆冬建丑怯冰霜,誰識天時轉二陽;暖土誠能生萬物,寒金難道只深藏。刑沖戌未非無用,類聚雞蛇信有方;若在日時多水木,直須行入巽離鄉。
隆冬・十二月は丑を建て、氷霜を畏懼す。可ならずして誰か知らん、天時は此処に到りて已に「二陽」の候に転成したるを。丑は本は暖土にして、確かに能く万物を生養す。丑中の蔵する辛金は寒地に在るも、亦た未必しも只だ深藏して用いざるべからず。丑と戌・未とが相刑・相冲するは、并せて全く用処無しに非ず、正に庫門を冲き開くを好しとす。丑と酉(鶏)・巳(蛇)とが同類・相聚して金局を合成するは、確かに自ずから一番の門路有り。倘若し日柱・時柱の上に水木が又た多ければ、則ち巽(東南)・離(南方)の火郷に走り入るに非ざれば可ならず。
《寅》艮宮之木建於春,氣聚三陽火在寅;志合蛇猴三貴客,類同卯未一家人。超凡入聖惟逢午,破祿傷提獨慮申;四柱火多嫌火地,從來燥木不南奔。
寅は艮宮の木に属し、孟春に建つ。此の時・三陽の気は会聚して、丙火も亦た寅中に於て長生す。其れは巳(蛇)・申(猴)と志意・相投じて、合わせて三個の貴客と称す。卯・未と同気にして、本は一家人なり。凡を超えて聖に入らんと要するは、全く午火に逢うて寅午戌の火局を合成するに靠る。最も申金の来りて禄地を冲破し月令の提綱を傷るを怕る。若し四柱に火が已に多ければ、就ち更に火地に走るを嫌う。乾燥の木は従来・宜しく南方に奔り往くべからず。
《卯》卯木繁華稟氣深,仲春難道不嫌金;庚辛疊見愁申酉,亥子重來忌癸壬。禍見六沖應落葉,喜逢三合便成林;若歸時日秋金重,更向西行患不禁。
卯木は正に仲春に当たり、繁華にして気を禀くこと深厚なり。然れども豈に就ち金を忌まざらんや。天干に庚辛が畳見し、地支に再び申酉の来剋を愁う。亥子が重々として来れば、亦た壬癸の太旺を忌み、水多ければ則ち木漂う。禍は酉の来りて六冲するに遇上するに在り、是れ枝葉・凋落の象なり。喜は亥・未の三合に逢着するに在り、便ち森林の勢を成す。倘若し日柱・時柱が又た秋金の重地に帰して、再び西方に走り往かば、禍患は就ち受け住む能わず。
《辰》辰當三月水泥溫,長養堪培萬木根;雖是甲衰乙餘氣,縱然入墓癸還魂。直須一鑰能開庫,若遇三沖即破門;水木重逢西北運,只愁原土不能存。
辰は三月に当たり、是れ温潤の水・泥の土にして、能く万木の根を長養・培植す。甲木に対して辰は是れ衰地にして、乙木に対して辰中は尚ほ余気有り。水は辰を以て墓庫と為すも、辰中には偏偏として癸水を蔵し、水が此処に於て魂を還すに等し。此の水庫を用いんと要せば、須く一把の鑰匙の来りて開くを得べし——彼は便ち戌の来りて相冲するなり。但し若し三冲が斉しく至れば、就ち門を破りて入ると成る。若し水木が重々として又た西北の運に逢えば、只だ原有の辰土も亦た保ち住む能わざるを愁う。
《巳》巳當初夏火增光,造化流行正六陽;失令庚金生賴母,得時戊土祿隨娘。三形傳送翻無害,一撞登明便有傷;行到東南生發地,燒天烈火豈尋常。
巳は初夏に当たり、火勢は光を増し、造化は流行して、正に六陽・純盛の時なり。庚金は此処に於て長生し、令を失うも、却って全く巳中の丙火の此の母親に靠りて養う。戊土は巳中に於て臨官・得禄し、亦た此の母親に随いて成る。寅巳申の三刑の中に、巳と申(申は「伝送」と号す)とが相刑するは反対に害無し。巳申は又た能く相合するに因る。然れども一たび亥(亥は「登明」と号す)に冲撞せらるれば、就ち傷を受くを要す。若し行運が再び東南の木火・生発の地に到れば、則ち是れ天を焼くの烈火にして、尋常に同じからず。
《午》午月炎炎火正升,六陽氣續一陰生;庚金失位身無用,己土歸垣祿有成。申子齊來能戰剋,戌寅同見越光明;東南正是身強地,西北休囚已喪形。
午月は火勢・炎炎・正に上昇して、六陽の気は接続して頂に到り、而して一陰は已に悄然として生ず。庚金は午に到り敗絶・位を失い、身は用うる所無し。己土は午中に於て禄を得て垣に帰り、反対に成る所有り。若し申・子が一斉に到來して、水局を合成すれば便ち火と交戦・相剋す。若し戌・寅が同じく見えば、火局を合成すれば越発・光明なり。東南の木火の地は、正に其の身強の処なり。一たび西北の金水に走れば、火は即ち休囚して、形体も亦た就ち消亡す。
《未》未月陰深火漸衰,藏官藏印不藏財;近無亥卯形難變,遠帶刑沖庫亦開。無火怕行金水去,多寒偏愛丙丁來;用神喜忌當分曉,莫把圭璋作石猜。
未月は陰気・漸く深く、火勢・漸く衰ゆ。未中に乙木・丁火・己土を蔵す。或る日主に対して言えば、蔵するは官、是れ印にして、却って財を蔵出す能わず。近処に若し亥・卯の来会無ければ、木局の形質は以て改変し難し。遠処に些かの刑冲を帯ぶれば、木庫は照様に打ち開くを得。局中に火無ければ、更に金水の地に走るを怕る。本已に寒多ければ、偏しに丙丁の火の来りて局を暖むるを愛す。用神の喜と忌とは此処に於て最も須く分かち清むべく、切に美玉を把りて頑石と為して看悞る勿れ。
《申》申金剛健月支逢,水土長生在此宮;巳午爐中成劍戟,子辰局裡得光鋒。木多無火終能勝,土重埋金卻有凶;欲識斯神何所似,溫柔珠玉不相同。
申金は剛健にして、月支が其れに逢着する時は、壬水と戊土とが皆此の一宮に於て長生す。若し巳午の火の来りて煆錬するを得れば、洪炉の中に於て剣戟を錬成するが如し。若し子・辰と合して水局を成せば、則ち水に淘洗せられて鋒芒を露す。木は多きも、只だ火の来りて木を助くる無ければ、金は終に其れに勝ち過ぐるを得。然れども土太く重なれば反対に金を埋め住む。則ち凶有り。申金は何に象るかを問わば、其れは辛金の彼の温柔の珠玉と全然・同じからず。
《酉》八月從魁已得名,羨他金白水流清;火多東去愁寅卯,木旺南行怕丙丁。柱見水泥應有用,運臨西北豈無情;假能三合能堅銳,不比頑金未煉成。
八月の酉金は「従魁」と号して、早已に名を得。羡むべきは其の金白・水清の気象なり。若し火已に多くて、再び東方に往かば、就ち寅卯の木の来りて火を生ずるを愁う。若し木已に旺しくて、再び南方に行かば、就ち丙丁の火の来りて金を剋するを怕る。四柱中に辰・丑の類の湿泥の土を見るは、正に金を生ずるの用有り。行運が西北の金水の郷に走り到れば、豈に無情と説く能わんや。假若し巳・丑を得て三合して金局を成せば、鋒刃は越発・堅鋭にして、就ち彼の未だ煆錬を経を経ざるの頑金に比せず。
《戌》九月河魁性最剛,漫云於此物收藏;洪爐巨火能成就,鈍鐵頑金賴主張。海窟沖龍生雨露,山頭合虎動文章;天羅雖是迷魂陣,火命逢之獨有傷。
九月の戌は「河魁」と号して、性情・最も剛なり。只だ其れを万物の收藏の地と説く勿れ。戌は火庫にして、洪炉・巨火の如く、能く器物を成就す。鈍鉄・頑金は全く其れに靠りて鍛錬を主持す。其れが去りて辰(海窟の竜)を冲すれば、便ち水庫を冲き開きて雨露を生出す。寅(山頭の虎)と相合して火局を成せば、便ち文章の秀を発動す。戌亥は「天羅」と号するも、是れ魂を迷わすの陣にして、然るに独り火命の人が其れに遇上せば反対に傷を受くを要す。火は庫に入れば則ち光は晦むに因る。
《亥》登明之位水源深,雨雪生寒值六陰;必待勝光方用土,不逢傳送浪多金。五湖歸聚原成象,三合羈留正有心;欲識乾坤和煖處,即從艮震巽離尋。
亥は「登明」と号して、水源・極めて深く、雨雪・交加して寒気を生じ、正に六陰の極に値う。必ず午(午は「勝光」と号す)の火の来りて局を暖めるを得て、方に戊土を用いて水を制するに上り得べし。若し申(申は「伝送」と号す)の来りて生ずるに逢わざれば、白く金再多き有りても亦た用い無し。衆水は亥に匯帰して、五湖・帰聚して、原本は自ずから一番の気象を成す。卯・未と三合して木局を成せば、水を羈留するは、正に心を有して成全するなり。乾坤の間の何れの処か和暖なるを問わば、就ち艮(寅)・震(卯)・巽(巳)・離(午)の此の幾処に到りて尋ぬべし。
淵海子平・十神
傷官を論ず
傷官者,其驗如神。傷官務要傷盡;傷之不盡,官來乘旺,其禍不可勝言。傷官見官,為禍百端。
「傷官」の此の一神の応験は神助の如し。およそ傷官を用うるは、務めて官星を傷りて乾浄に尽さしむ。若し傷りて尽さざれば、官星は又た旺気に乗じて来り、彼の禍患は便ち説き尽くさず。謂う所の「傷官・官に見ゆれば、禍を為すこと百端」は、指す所は正に此の種の局面なり。
倘月令在傷官之位,及四柱配合、作事皆在傷官之處;又行身旺鄉,真貴人也。傷官主人多才藝、傲物氣高,常以天下之人不如己;而貴人亦憚之,眾人亦惡之。
倘若し月令が恰も傷官の位に落ち、四柱の配合・日主の作為する所も皆傷官の上に落ち、而して行運が又た身旺の郷に走り到れば、此れ便ち真の貴人の命なり。傷官格の人は多才・多芸にして、外物を傲視して気焰・甚だ高く、常に天下の人は皆己に如かずと為す。此れに因りて顕貴の者も亦た其れを忌み、尋常の人も亦た其れを悪む。
運一逢官,禍不可言;或有吉神可解,必生惡疾以殘其軀;不然運遭官事。如運行剝官,財神不旺,皆是安享之人。仔細推詳,萬無一失矣!
大運が一たび官星に碰上れば、禍患は言い堪えず。たとい吉神有りて以て化解すとも、亦た必定・一場の悪疾を生じて身体を損傷し、再び然らざれば便ち運中に於て官司を喫う。若し行運が正に官星を剥落するの地にして、財神が又た旺ならず・財無くして官を生ぜざれば、皆安然として福を享くる人なり。此の一層を仔細に推詳すれば、便ち万に一も失い無し。
又云,傷官者,我生彼之謂也;以陽見陰,陰見陽,亦名盜氣。印綬若傷盡,不留一點;身弱忌官星,不怕七殺。
又た一説有り。謂う所の傷官は、就ち我が去りて彼を生ずるなり。陽干が陰干に見え陰干が陽干に見えて、我に生ぜらるる彼の一位は、便ち傷官にして、其れは又た「盗気」と叫ぶ。我が身の元気を盗泄するに因る。若し印綬が傷せられて一點も留まらず、日主が又た身弱なれば、則ち官星に見るを忌み、反対に七殺を怕れず——七殺は凶なるも、却って還た能く印を生じて回りて日主を護る。
如甲用辛官,如丁火旺,能生土財;最忌見官星,亦要身旺。若傷官不盡,四柱有官星露;歲運若見官星,其禍不可勝言。若傷官傷盡,四柱不留一點;又行旺運及印綬運,卻為貴也。
譬えば甲木は辛金を以て正官と為す。若し局中に丁火が旺なれば(丁は甲の傷官にして、正に辛金を剋す)、丁火は又た能く戊己の土財を生出す。然らば最も再び官星に見るを忌み、同時に亦た身旺なりて乃ち担い起るを得。若し傷官が傷りて尽さず、四柱の中に還た官星を露せば、一たび歳運が又た官星に見えば、其の禍は説き尽くさず。若し傷官が官星を傷りて乾浄にして四柱に一點も留まらず、又た身旺の運と印綬の運とに行かば、反対に是れ貴命なり。
如四柱中雖傷盡官星;身雖旺,若無一點財氣,只為貧薄。如遇傷官者,須見其財為妙;是財能生官也。如用傷官格者,支干、歲運,都要不見官星;如見官星,謂之傷官見官,為禍百端。
假如し四柱の中に官星を傷り尽くすも、身も旺なるも、却って一點の財気も無ければ、則ち亦た只だ貧寒・微薄の命なり。故におよそ傷官に遇うは、須く財に見るを得て乃ち妙なり。傷官は能く財を生じ、財は又た能く官を生じ、気脈は此れ乃ち流通して下るを得るに因る。傷官格を用うる人は、四柱の干支を論ぜず歳運を論ぜず、皆官星に見ざるを以て要と為す。一たび官星に見えば、就ち「傷官・官に見ゆ」と叫び、禍患は百出す。
用傷官格局,見財方可用。傷官之殺,甚如傷身七殺,其驗如神。年帶傷官,父母不全;月帶傷官,兄弟不完;日帶傷官,妻妾不完;時帶傷官,子息無傳。
傷官格を用うるは、一定・財星を見るを要して乃ち取用すべし。傷官の帯び来る所の傷害は、七殺の直接・身を攻むるより比べて還た厉害なり。応験・神の如し。年柱に傷官を帯ぶるは、父母は両全を得ず。月柱に傷官を帯ぶるは、兄弟は周全を得ず。日柱に傷官を帯ぶるは、妻妾は周全を得ず。時柱に傷官を帯ぶるは、子嗣は伝無し。
其餘傷官,務要傷盡,則吉,見財方可;輕則遠竄之災,重則刑辟之難。傷官有戰,其命難存。若月令在傷官之位,及四柱相合,皆在傷官之處;如行身旺鄉,貴命也。傷官之人,多負才傲物,常以他人不如己;君子惡之,小人畏之。
其余・およそ傷官を帯ぶるは、総じて官星を傷り尽くして乃ち吉なりて、而且・必ず財を見て方に可なり。然らざれば軽きは則ち遠謫・流竄の灾有り、重きは則ち刑戮の難有り。傷官と官星とが交戦して休まざるは、性命は就ち保ち難し。若し月令が正に傷官の位に落ち、四柱の相合する処も皆傷官の上に在りて、行運が再び身旺の郷に走り到れば、便ち是れ貴命なり。傷官格の人は多く才を恃んで物に傲り、常に人は己に如かずと為す。君子は其れを悪み、小人は其れを畏む。
逢官運,無財救,必主大災;不然主闇昧惡疾,以殘其身;或運遭官刑矣!如四柱雖傷盡官星,身弱逢財運發福,是為傷官見財。仔細推詳,萬無一失。
一たび官運に逢いて財星の来りて救う無ければ、必ず大灾を主る。否ずとも亦た暗昧・明かり難きの悪疾を主りて、身を把りて垮れ拖れ、再び然らざれば便ち運中に於て官刑に遭う。假如し四柱に已に官星を傷り尽くすも、日主は偏弱にして、却って財運の上に於て福を発すれば、此れを「傷官・財に見ゆ」と叫ぶ。仔細に推詳すれば、万に一も失い無し。
又云,四柱有官而被禍重,四柱無官而被禍則淺。大凡四柱見官者,或見傷官而取其財;財行得地則發,行敗財之地必死。如運支內無財運,干虛露亦不可也。
又た一説有り。四柱の裏に原本・官星有るは、禍を受くること重し。四柱の裏に本は官星無きは、禍を受くること浅し。およそ四柱に官星を見るか、あるいは傷官を見て改めて財星を取りて用と為さば、則ち財は地を得るの運に走れば便ち発達し、敗財の地に走れば便ち性命の憂有り。若し大運の地支の中に財無く、只だ天干の上に虚虚と一個の財字を露すのみなれば、則ち亦た事に済まず。
如乙亥、己丑、丁亥、庚戌:丁以壬為官。丑戌本為傷官,只是丑為金庫,又時上有庚字作財;此人行申酉限如意,入金脫氣遂死矣!大抵傷了官星,行官運則災連;太歲亦然。
譬えば一造・乙亥年・己丑月・丁亥日・庚戌時。丁火は亥中の壬水を以て正官と為す。丑・戌の両個の土支は本は丁火の傷官にして、只だ丑は又た兼ねて金庫と作り、時干の上に還た庚金を透して財と為す。故に此人の申・酉の両歩の運に行く時は称心如意的り。然れども金気は愈々深く、日主は脱気・太過にして、終に此処に於て死す。大体に説けば、およそ官星を傷掉する人は、一たび官運に行けば便ち灾禍・連連たり。流年・太歳の上に碰上るも、亦た是れ同じ。
《詩訣》傷官傷盡最為奇,尤恐傷多返不宜;此格局中千變化,推尋須要用心機。
傷官が能く官星を傷りて浄尽するは、最も奇特なり。只だ是れ又た傷ること太多きを怕れて、反対に宜しからず——身弱は泄に経えず、又た財無くして転ずべからず、泄気は便ち病と成る。此の一格の中は千変・万化して、推求する時は一番の心机を用いざれば可ならず。
《詩訣》火土傷官宜傷盡;金水傷官要見官;木火見官官有旺;土金官去返成官;惟有水木傷官格,財官兩見始為歡。
火日主が土を生じて傷官と為す。火土傷官は宜しく官星を傷り尽くすべし。火炎・土燥にして、官星を見れば反対に晦気を招くに因る。金日主が水を生じて傷官と為す。金水傷官は反対に官星を見るを要す。水冷・金寒にして、正に丙丁の官火の来りて候を調えるを需むに因る。木日主が火を生じて傷官と為す。木火傷官が官に見えば、官は反対に旺気の依るべき有り。土日主が金を生じて傷官と為す。土金傷官は官星を去り掉るは、反対に別に一番の官貴を成す。惟だ水日主が木を生ずるの水木傷官格は、須く財と官との両様を倶に見て乃ち、才だ称心・如意と叫ぶべし。
《詩訣》傷官不可例言凶,有制還他衣祿豐;干上食神支帶合,兒孫滿眼壽如松。
傷官は一概に説きて凶神と為すべからず。只だ物有りて之を制し住むを得れば——印の来りて傷を制し、財の来りて傷を化すれば、照様・衣食・豊足なり。若し天干の上に食神を透し地支に又た相合を帯ばば、彼は便ち児孫・眼に満ちて、寿は青松の如し。
《詩訣》傷官遇者本非宜,財有官無是福基;時日月傷官格局,運行財旺貴無疑。
命裏に傷官に遇上するは、本来・相宜と算すべからず。然れども只だ財有りて官無ければ、反対に福気の根基なり。時・日・月の三処が傷官の格局を成し、行運が財旺の郷に走り到れば、必定・顕貴にして疑い無し。
《詩訣》傷官傷盡最為奇,若有傷官禍便隨;恃己凌人心好勝,刑傷骨肉更多悲。
傷官が官星を傷り尽くすは最も奇特なり。然れども若し官星が尚ほ在りて傷官が又た来りて之を傷れば、禍患は便ち踵を接して至る。此の種の人は己が能を自恃して他人を欺凌し、心性・好勝なり。至って骨肉の間の刑剋・傷損は、更に幾分の可悲を添う。
《詩訣》傷官不可例言凶,辛日壬辰貴在中;生在秋冬方秀氣,生於四季主財豐。
傷官は一概に説きて凶神と為すべからず。譬えば辛金の日主が壬辰時に見ゆるは、貴気は就ち其中に在り——壬は辛の傷官にして、辰は又た水庫にして、金水・相涵して、秀气は自ずから出づ。此の種の命は秋冬に生まれて乃ち秀气を見る。若し辰戌丑未の四季の月に生まれれば、則ち財源・豊厚を主る。
《詩訣》丙火多根土又連,或成申月或成乾;但行金水升名利,火土重來數不堅。
丙火は根気・既に多く、土は又た接続して断えず。此れ是れ火土傷官なり。若し申月に生まれ、あるいは亥月(亥は乾位に居る)に生まれて格局を結成せば、則ち行運が一たび金水に走れば、名と利とが随いて上昇す。若し火土が再び重々として来れば、命数は就ち牢靠せず。
