Libo

景德傳燈錄 卷第三

宋 · 道原 · 第72巻 / 151

郢州芭蕉山慧清禪師

郢州芭蕉山慧清禅師

韶州黃連山義初禪師

韶州黄連山義初禅師

韶州慧林鴻究禪師(已上四人見錄)

韶州慧林鴻究禅師(以上四人は見録)

洪州黃龍山忠和尚(一人無機緣語句不錄)

洪州黄龍山忠和尚(一人は機縁の語句なきゆえ録せず)

袁州仰山西塔光穆禪師法嗣一人吉州資福如寶禪師(一人見錄)

袁州仰山西塔光穆禅師の法嗣一人 吉州資福如宝禅師(一人は見録)

灌谿志閑禪師法嗣一人池州魯祖山教和尚(一人見錄)

灌溪志閑禅師の法嗣一人 池州魯祖山教和尚(一人は見録)

魏府興化存獎禪師法嗣二人汝州寶應和尚(一人見錄即南院顒也)

魏府興化存奨禅師の法嗣二人 汝州宝応和尚(一人は見録、すなはち南院顒なり)

魏府天缽和尚(一人無機緣語句不錄)

魏府天鉢和尚(一人は機縁の語句なきゆえ録せず)

鎮州寶壽沼禪師法嗣二人汝州西院思明禪師

鎮州宝寿沼禅師の法嗣二人 汝州西院思明禅師

第二世寶壽和尚(已上二人見錄)

第二世宝寿和尚(以上二人は見録)

涿州紙衣和尚法嗣一人鎮州譚空和尚(一人無機緣語句不錄)

涿州紙衣和尚の法嗣一人 鎮州譚空和尚(一人は機縁の語句なきゆえ録せず)

鎮州三聖慧然禪師法嗣二人鎮州大悲和尚

鎮州三聖慧然禅師の法嗣二人 鎮州大悲和尚

淄州水陸和尚(二人見錄)

淄州水陸和尚(二人は見録)

魏府大覺和尚法嗣四人廬州大覺和尚

魏府大覚和尚の法嗣四人 廬州大覚和尚

廬州澄心旻德禪師

廬州澄心旻徳禅師

汝州南院和尚(已上三人見錄)

汝州南院和尚(以上三人は見録)

宋州法華和尚(一人無機緣語句不錄)

宋州法華和尚(一人は機縁の語句なきゆえ録せず)

金陵道巘禪師法嗣一人金陵廣孝院處微禪師(一人無機緣語句不錄)

金陵道𪩘禅師の法嗣一人 金陵広孝院処微禅師(一人は機縁の語句なきゆえ録せず)

懷讓禪師第四世

懐譲禅師第四世

前洪州黃蘗山希運禪師法嗣

前洪州黄蘗山希運禅師の法嗣

鎮州臨濟義玄禪師。曹州南華人也。姓邢氏。幼負出塵之志。及落髮進具便慕禪宗。初在黃蘗隨眾參侍。時堂中第一座勉令問話。師乃問。如何是祖師西來的的意。黃蘗便打。如是三問三遭打。遂告辭。第一座雲。早承激勸問話。唯蒙和尚賜棒。所恨愚魯。且往諸方行腳去。上座遂告黃蘗雲。義玄雖是後生。卻甚奇特。來辭時願和尚更垂提誘。來日師辭黃蘗。黃蘗指往大愚。師遂參大愚。愚問曰。什麼處來。曰黃蘗來。愚曰。黃蘗有何言教。曰義玄親問西來的的意。蒙和尚便打。如是三問三轉被打。不知過在什麼處。愚曰。黃蘗恁麼老婆。為汝得徹困。猶覓過在。師於是大悟雲。佛法也無多子。愚乃搊師衣領雲。適來道我不會。而今又道無多子。是多少來是多少來。師向愚肋下打一拳。愚托開雲。汝師黃蘗。非幹我事。師卻返黃蘗。黃蘗問雲。汝迴太速生。師雲。只為老婆心切。黃蘗雲。遮大愚老漢待見與打一頓。師雲。說什麼待見即今便打遂鼓黃蘗一掌。黃蘗哈哈大笑。黃蘗一日普請鋤薏穀次。師在後行。黃蘗迴頭見師空手乃問。钁頭在什麼處。師雲。有人將去了也。黃蘗雲。近前來共汝商量。師近前叉手。黃蘗豎起钁頭雲。只這箇天下人拈掇不起。還有人拈掇得起麼。師就手掣得豎起雲。為什麼卻在義玄手裡。黃蘗雲。今日自有人普請便歸院(溈山因仰山侍立次。方舉此話未了。仰山便問。钁在黃蘗手裡。為什麼被臨濟奪卻。溈山雲。賊是小人智過君子)黃蘗一日普請鋤茶園。黃蘗後至。師問訊按钁而立。黃蘗曰。莫是困邪。曰才钁地何言困。黃蘗舉拄杖便打。師接杖推倒和尚。黃蘗呼維那維那拽起我來。維那拽起曰。和尚爭容得遮風漢。黃蘗卻打維那。師自钁地雲。諸方即火葬。我遮裡活埋(溈山問仰山。只如黃蘗與臨濟。此時意作麼生。仰山雲。作賊人走卻。邏賊人吃棒。溈山雲。

鎮州臨済義玄禅師は、曹州南華の人。姓は邢。幼くして出塵の志を負う。落髪進具するに及び、便ち禅宗を慕う。初め黄檗に在りて衆に随いて参侍す。時に堂中の第一座、勉めて問話せしめんと令す。師乃ち問う―「いかなるか祖師の西来の的たる意。」黄檗便ち打つ。かくのごとく三たび問うて三たび打たるを遭い、遂に告辞す。第一座が言う―「早く激勧を承りて問話したるに、ただ和尚の棒を賜うを蒙る。恨むらくは愚魯、且く諸方に往きて行脚せん。」上座、遂に黄檗に告げて言う―「義玄は後生なりといえども、却って甚だ奇特なり。辞し来る時、願わくは和尚、更に提誘を垂れよ。」来日、師黄檗を辞す、黄檗大愚に往くを指す。師遂に大愚に参ず。愚が問う―「何の処よりか来る。」言う―「黄檗より来た。」愚が言う―「黄檗に何なる言教有る。」言う―「義玄、親しく西来の的たる意を問うて、和尚便ち打つを蒙る。かくのごとく三たび問うて三たび転た打たる、過の何の処に在るか知らず。」愚が言う―「黄檗かくのごとき老婆、お前の為に徹困するを得、なお過を覓むる在り。」師、ここにおいて大悟し、言う―「仏法もまた多子無し。」愚乃ち師の衣領を搊みて言う―「さきほど我会せずと道い、いままた多子無しと道う。是多少来、是多少来。」師、愚の肋下に向かって一拳を打つ。愚、托開して言う―「お前の師は黄檗、我が事に干らず。」師、却って黄檗に返る。黄檗が問うて言う―「お前の回ること太だ速かなり生。」師が言う―「ただ老婆の心切なるが為なり。」黄檗が言う―「この大愚の老漢、見るを待ちて一頓を与え打たん。」師が言う―「何の見るを待つを説く、すなはちいま便ち打たん。」遂に黄檗に一掌を鼓す。黄檗、哈哈として大笑す。黄檗、一日普請して薏谷を鋤く次、師は後行す。黄檗、頭を回らして師の空手なるを見て、乃ち問う―「镢頭は何の処に在る。」師が言う―「人の将て去りし者有り。」黄檗が言う―「近く前へ来れ、お前と商量せん。」師、近く前に叉手す。黄檗、镢頭を竪起して言う―「ただこの箇、天下人拈掇すること能わず。還って人の拈掇し得る有るや。」師、手に就きて掣得し、竪てて言う―「何の故ぞ却って義玄の手裏に在る。」黄檗が言う―「今日、自ら人の普請する有り。」便ち院に帰る。(潙山、仰山の侍立するに因りて、方にこの話を挙げていまだ了らず。仰山便ち問う―「镢は黄檗の手裏に在り、何の故ぞ臨済に奪い却せられし。」潙山が言う―「賊は是れ小人、智は君子に過ぐ。」)黄檗、一日普請して茶園を鋤く、黄檗後れて至る。師、問訊して镢を按えて立つ。黄檗が言う―「困んだりや。」言う―「纔かに地を镢れど、何をか困むと言う。」黄檗、拄杖を挙げて便ち打つ。師、杖を接して和尚を推倒す。黄檗、維那を呼ぶ―「維那、我を拽起せよ。」維那、拽起して言う―「和尚、怎んぞこの風漢を容れ得。」黄檗、却って維那を打つ。師、自ら地を镢りて言う―「諸方はすなはち火葬、我がここは活埋。」(潙山が仰山に問う―「ただかくのごとき黄檗と臨済、この時の意は作麼生。」仰山が言う―「賊を作す人は走り去り、賊を邏む人は棒を吃す。」潙山が言う―

如是如是)師一日在黃蘗僧堂裡睡。黃蘗入來。以拄杖於床邊敲三下。師舉首見是和尚卻睡。黃蘗打席三下去。上間見第一座。黃蘗曰。遮醉漢豈不如下間禪客坐禪。汝只管𥋙睡。上座曰。遮老和尚患風邪。黃蘗打之(溈山舉問仰山。只如黃蘗意作麼生。仰山雲。一彩兩賽)師與黃蘗栽杉。黃蘗曰。深山裡栽許多樹作麼。師曰。與後人作古記。乃將鍬拍地兩下。黃蘗拈起拄杖曰。汝吃我棒了也。師作噓噓聲。黃蘗曰。吾宗到汝此記方出(溈山舉問仰山。且道黃蘗後語但囑臨濟。為復別有意旨。仰山雲。亦囑臨濟亦記向後。溈山雲。向後作麼生。仰山雲。一人指南吳越令行。南塔和尚注云。獨坐震威此記方出。又云。若遇大風此記亦出。溈山雲。如是如是)師因半夏上黃蘗山。見和尚看經。師曰。我將謂是箇人。元來是唵黑豆老和尚。住數日乃辭去。黃蘗曰。汝破夏來不終夏去。曰某甲暫來禮拜和尚。黃蘗遂打趁令去。師行數裡疑此事卻迴終夏。師一日辭黃蘗。黃蘗曰。什麼處去。曰不是河南即河北去。黃蘗拈起拄杖便打。師捉住拄杖曰。遮老漢莫盲枷瞎棒。已後錯打人。黃蘗喚侍者。把將几案禪板來。師曰。侍者把將火來。黃蘗曰。不然子但將去。已後坐斷天下人舌頭在。師即便發去。師到熊耳塔頭。塔主問。先禮佛先禮祖。師曰。祖佛俱不禮。塔主曰。祖佛與長老有什麼冤傢俱不禮。師無對(又別舉雲。師問塔主。先禮佛先禮祖。塔主曰。祖佛是什麼人弟子。師拂袖便去)師後還鄉黨。俯徇趙人之請。住於城南臨濟禪苑。學侶奔湊一日上堂曰。汝等諸人。赤肉團上有一無位真人。常向諸人面門出入。汝若不識但問老僧。時有僧問。如何是無位真人。師便打雲。無位真人是什麼乾屎橛(後雪峰聞乃曰。臨濟大似白拈賊)師問樂普雲。從上來一人行棒一人行喝阿那箇親。對曰總不親。師曰。

「如是如是。」)師、一日黄檗の僧堂裏にて睡る。黄檗入り来り、拄杖を以て床辺に三下敲く。師、首を挙げて是れ和尚なるを見て、却って睡る。黄檗、席を三下打ちて去る。上間に於て第一座を見る。黄檗が言う―「この酔漢、あに下間の禅客の坐禅するに如かずや、お前ただ只管に瞌睡するのみ。」上座が言う―「この老和尚、風を患える邪。」黄檗、これを打つ。(潙山、挙げて仰山に問う―「ただかくのごとき黄檗の意は作麼生。」仰山が言う―「一彩両賽。」)師、黄檗と杉を栽う。黄檗が言う―「深山裏に許多の樹を栽えて作么す。」師が言う―「後人の為に古記を作さんとて。」乃ち鍬を将て地を両下拍つ。黄檗、拄杖を拈起して言う―「お前、我が棒を吃せしなり。」師、嘘嘘の声を作す。黄檗が言う―「吾が宗、お前に到りてこの記方に出に出づ。」(潙山、挙げて仰山に問う―「且く道え、黄檗の後語はただ臨済を嘱するか、為復た別に意旨有るか。」仰山が言う―「も亦た臨済を嘱し、も亦た向后を記す。」潙山が言う―「向后は作麼生。」仰山が言う―「一人南を指南すれば、呉越行を令す。」南塔和尚が注して言う―「独り坐して威を震う、この記方に出づ。」また言う―「もし大風に遇えば、この記も亦た出出づ。」潙山が言う―「如是如是。」)師、半夏に因りて黄檗山に上り、和尚の経を看るを見る。師が言う―「我将に箇の人と謂いしに、元来唵黑豆の老和尚なり。」数日住して乃ち辞去す。黄檗が言う―「お前、夏を破りて来り、夏を終えずして去る。」言う―「某甲、暫く来りて和尚を礼拝す。」黄檗、遂に打ちて趁い令めて去らしむ。師、数里を行き、この事を疑い、却って回りて夏を終す。師、一日黄檗を辞す。黄檗が言う―「何の処かへ去る。」言う―「河南にあらざればすなはち河北に去る。」黄檗、拄杖を拈起して便ち打つ。師、拄杖を捉住して言う―「この老漢、盲枷瞎棒するなかれ、以后人を錯打せん。」黄檗、侍者を喚ぶ―「几案禅板を把将り来れ。」師が言う―「侍者、火を把将り来れ。」黄檗が言う―「然らず、子ただ将て去れ。以后天下人の舌頭を坐断する在り。」師、便ち即ち発き去る。師、熊耳塔頭に到る。塔主が問う―「先ず仏を礼するか、先ず祖を礼するか。」師が言う―「祖佛倶に礼せず。」塔主が言う―「祖佛と長老と何の冤家有りて倶に礼せざる。」師は対無し。(また別に挙げて言う―師、塔主に問う―「先ず仏を礼するか、先ず祖を礼するか。」塔主が言う―「祖佛は何なる人の弟子ぞ。」師、袖を拂いて便ち去る。)師、後に郷党に還り、俯いて趙人の請に徇い、城南の臨済禅苑に住す。学侶奔凑す。一日、上堂して言う―「お前たちの赤肉団上に一無位真人有り、常に諸人の面門より出入す。お前もし識らざれば、ただ老僧に問え。」時に僧問う―「いかなるか無位真人。」師便ち打ちて言う―「無位真人は何なる乾屎橛ぞ。」(後に雪峰聞きて、乃ち言う―「臨済は大いに白拈賊に似たり。」)師、楽普に問うて言う―「上りより一人は棒を行じ、一人は喝を行ず、阿那箇か親なる。」対して言う―「総ぼて親ならず。」師が言う―

親處作麼生普便喝。師乃打。師問木口和尚。如何是露地白牛。木口曰吽。師曰啞。木口曰。老兄作麼生。師曰。遮畜生。大覺到參。師舉拂子。大覺敷坐具。師擲下拂子。大覺收坐具入僧堂。眾僧曰。遮僧莫是和尚親故。不禮拜又不吃棒。師聞令喚新到僧。大覺遂出。師曰。大眾道汝未參長老。大覺雲。不審便自歸眾。麻谷(第二世)到參敷坐具問。十二面觀音阿那面正。師下繩床。一手收坐具。一手搊麻谷雲。十二面觀音向什麼處去也。麻谷轉身擬坐繩床。師拈拄杖打。麻谷接卻相捉入方丈。師上堂雲。大眾夫為法者。不避喪身失命。我於黃蘗和尚處。三度吃棒。如蒿枝拂相似。如今更思一頓吃。誰為我下得手。時有僧曰。某甲下得手。和尚合吃多少。師與拄杖。其僧擬接。師便打。僧問。如何是第一句。師曰。三要印開朱點窄。未容擬議主賓分。曰如何是第二句。師曰。妙解豈容無著問。漚和爭負截流機。曰如何是第三句。師曰。看取棚頭弄傀儡。抽牽全藉裡頭人。師又曰。夫一句語須具三玄門。一玄門須具三要。有權有用。汝等諸人作麼生會。師唐咸通七年丙戌四月十日。將示滅乃說傳法偈曰。沿流不止問如何。真照無邊說似他。離相離名如不稟。吹毛用了急須磨。偈畢坐逝。勅諡慧照大師。塔曰澄靈。

「親なる処作麼生。」普便ち喝す。師乃ち打つ。師、木口和尚に問う―「いかなるか露地の白牛。」木口が言う―「吽。」師が言う―「唖。」木口が言う―「老兄作麼生。」師が言う―「この畜生。」大覚、到りて参ず。師、払子を挙ぐ。大覚、坐具を敷く。師、払子を擲下す。大覚、坐具を収めて僧堂に入る。衆僧が言う―「この僧、和尚の親故なるか、礼拝せずまた棒を吃せず。」師聞き、新到の僧を喚ばしむ。大覚遂に出づ。師が言う―「大衆、お前のいまだ長老に参に参ぜざるを道う。」大覚が言う―「不審。」便ち自ら衆に帰る。麻谷(第二世)到りて参じ、坐具を敷いて問う―「十二面観音、阿那の面か正しき。」師、縄床を下り、一手に坐具を収め、一手に麻谷を搊みて言う―「十二面観音、何の処に向かってか去る。」麻谷、身を転じて縄床に坐せんと擬す。師、拄杖を拈じて打つ。麻谷、接却し、相捉えて方丈に入る。師、上堂して言う―「大衆、それ法の為の者は、身を喪い命を失うを避けず。我、黄檗和尚の処に於て三度棒を吃す、蒿枝の拂うに相似たり。いま更に一頓を吃せんと思う、誰か我が為に手を下し得る。」時に僧言う―「某甲、手を下し得。和尚、合に多少を吃すべき。」師、拄杖を与う。その僧接せんと擬す、師便ち打つ。僧が問う―「いかなるか第一句。」師が言う―「三要印開けて朱点窄く、いまだ拟議を容れず主賓分かつ。」問う―「いかなるか第二句。」師が言う―「妙解あに無著の問を容れん、漚和争でか流を截る機に負けん。」問う―「いかなるか第三句。」師が言う―「棚頭の傀儡を弄するを看取せよ、抽牽は全く裏頭の人に藉る。」師また言う―「それ一句の語は須らく三玄門を具し、一玄門は須らく三要を具すべし、権有り用有り。お前たち作麼生に会する。」師、唐咸通七年丙戌四月十日、将に示滅せんとして、乃ち伝法の偈を説いて言う―「流に沿うて止まず如何と問う、真照無辺に他に似ると説く。相を離れ名を離れて禀ずるが如からず、吹毛用い了らば急に磨くを須う。」偈畢りて坐逝す。勅して慧照大師と諡し、塔を澄霊と曰す。

陳尊宿初居睦州龍興寺晦跡藏用。常製草屨密置於道上。歲久人知乃有陳蒲鞋之號焉。時有學人叩激。隨問遽答。詞語峻嶮既非循轍。故淺機之流往往嗤之。唯玄學性敏者欽伏。由是諸方歸慕。謂之陳尊宿。師因晚參謂眾曰。汝等諸人未得箇入頭。須得箇入頭。若得箇入頭。已後不得孤負老僧。時有僧出禮拜曰。某甲終不敢孤負和尚。師曰。早是孤負我了也。師又曰。老僧在此住持。不曾見箇無事人到來。汝等何不近前。時有一僧方近前。師雲。維那不在。汝自領出去三門外與二十棒。僧雲。某甲過在什麼處。師雲。枷上更著杻。師尋常或見衲僧來即閉門。或見講僧乃召雲座主。其僧應諾。師雲。擔板漢。或雲。遮裡有桶與我取水。師一日在廊階上立。有僧來問雲。陳尊宿房在何處。師脫草屨騫頭打。僧便走。師召雲。大德。僧迴首。師指雲。卻從那邊去。有僧扣門。師雲。阿誰。僧雲。某甲。師雲。秦時鐸落鑽。一日有天使問。三門俱開從那門而入。師喚尚書。天使應諾。師雲。從信門入。天使又見壁畫問雲。二尊者對譚何事。師摑露柱雲。三身中那箇不說法。師問座主。汝莫是講唯識否。對曰是。師雲。五戒不持。師問一長老雲。了即毛端吞巨海。始知大地一微塵。長老作麼生。對雲。問阿誰。師雲。問長老。長老雲。何不領話。師雲。汝不領話我不領話。師見僧來雲。見成公案放汝三十棒。僧雲。某甲如是。師雲。三門金剛為什麼舉拳。僧雲。金剛尚乃如是。師便打。問如何是向上一路。師雲。要道有什麼難。僧雲。請師道。師雲。初三十一中九下七。問以一重去一重即不問。不以一重不去一重時如何。師雲。昨朝栽茄子。今日種冬瓜。問如何是曹谿的的意。師雲。老僧愛嗔不愛喜。僧雲。為什麼如是。師雲。路逢劍客須呈劍。不是詩人莫說詩。僧到參。師問。什麼處來。僧雲。瀏陽。師雲。

陳尊宿、初め睦州竜興寺に居り、跡を晦し用を蔵す。常に草履を制し、密かに道上に置く。歳久しく人知る、乃ち陳蒲鞋の号有り。時に学人、叩激するに、問に随い遽に答え、詞語峻険、すでに轍を循らざるに非ざれば、ゆえに浅機の流往々これを嗤う。ただ玄学の性敏なる者これを欽伏す。これに由りて諸方帰慕し、これを陳尊宿と謂う。師、晩参に因りて衆に対して言う―「お前たち、いまだ箇の入頭を得ず、須らく箇の入頭を得べし。もし箇の入頭を得ば、以后老僧を孤負することを得ざらん。」時に僧出でて礼拝して言う―「某甲、終に敢て和尚を孤和尚を孤負せざらん。」師が言う―「早く是れ我を孤負せしなり。」師また言う―「老僧、ここに住持するに、曽て箇の無事の人の到来するを見ず。お前たち何ぞ近前せざる。」時に一僧有りて方に近前す。師が言う―「維那不在。お前自ら領りて出で去れ、三門外に於て二十棒を与えん。」僧が言う―「某甲の過は何の処に在る。」師が言う―「枷上に更に杻を着く。」師、尋常あるいは衲僧の来るを見ればすなはち門を閉ぢる。あるいは講僧を見て乃ち召して言う―「座主。」その僧應諾す。師が言う―「担板漢。」あるいは言う―「ここに桶有り、我に水を取れ。」師、一日廊階上に立つ。僧有りて来りて問うて言う―「陳尊宿の房は何の処に在る。」師、草履を脱ぎて頭を騫きて打つ。僧便ち走る。師召して言う―「大徳。」僧、首を回らす。師指して言う―「却ってあの辺より去れ。」僧有りて門を扣く。師が言う―「阿誰。」僧が言う―「某甲。」師が言う―「秦時の镀鑠鑽。」一日、天使有りて問う―「三門倶に開く、那の門よりか入らん。」師、尚書を喚ぶ。天使應諾す。師が言う―「信門より入れ。」天使、また壁画を見て問うて言う―「二尊者対談して何事か。」師、露柱を掴して言う―「三身中あれ箇か法を説かざる。」師、座主に問う―「お前、唯唯識を講ずるか否や。」対して言う―「是。」師が言う―「五戒持たず。」師、一長老に問うて言う―「了むればすなはち毛端巨海を呑み、始めて大地の一微尘なるを知る。長老作麼生。」対して言う―「阿誰を問う。」師が言う―「長老を問う。」長老が言う―「何ぞ話を領せざる。」師が言う―「お前話を領せず、我話を領せず。」師、僧の来るを見て言う―「現成の公案、お前に三十棒を放つ。」僧が言う―「某甲是れのごとし。」師が言う―「三門の金剛、何の故ぞ拳を挙ぐ。」僧が言う―「金剛なお乃ちかくのごとし。」師便ち打つ。問う―「いかなるか向上の一路。」師が言う―「道わんと要するに何の難か有らん。」僧が言う―「師に道えを請う。」師が言う―「初の三十一、中の九、下の七。」問う―「一重を以て一重を去ればすなはち問わず、一重を以てせずして一重を去らざる時いかん。」師が言う―「昨朝茄子を栽え、今日冬瓜を種う。」問う―「いかなるか曹渓の的たる意。」師が言う―「老僧、嗔を愛して喜を愛せず。」僧が言う―「何の故ぞかくのごとき。」師が言う―「路に剣客に逢えば須らく剣を呈すべく、詩人にあらざれば詩を説くなかれ。」僧、到りて参ず。師が問う―「何の処よりか来る。」僧が言う―「瀏陽。」師が言う―

彼中老宿祇對佛法大意道什麼。雲遍地行無路。師雲。老宿實有此語否。雲實有。師拈拄杖打雲。遮念言語漢。師問一長老。若有兄弟來將什麼祇對。長老雲。待他來。師雲。何不道。長老雲。和尚欠少什麼。師雲。請不煩葛藤。有僧參。師雲。汝豈不是行腳。僧雲是。師雲。禮佛也未。雲禮那土堆作麼。師雲。自領出去。僧問。某甲講兼行腳不會教意時如何。師雲。實語當懺悔。僧雲。乞師指示。師雲。汝若不會。老僧即緘口無言。僧雲。便請道。師雲。心不負人面無漸色。問一句道盡時如何。師雲。義墮也。僧雲。什麼是學人義墮處。師雲。三十棒教誰吃。問教意祖意是同是別。師雲。青山自青山。白雲自白雲。僧雲。如何是青山。師雲。還我一滴雨來。僧雲。道不得請師道。師雲。法華鋒前陣涅槃句後收。師問僧。今夏在什麼處。雲待和尚有住處即說似和尚。師雲。狐非師子類。燈非日月明。師問新到僧。什麼處來。僧瞪目視之。師雲。驢前馬後漢。僧雲。請師鑒。師雲。驢前馬後漢道將一向來。無對。師看經次。陳操尚書問。和尚看什麼經。師雲。金剛經。尚書云。六朝翻譯此當第幾譯。師舉起經云。一切有為法如夢幻泡影。師又因看涅槃經。僧問。和尚看什麼經。師拈起經云。遮箇是茶毘品最末後。師問新到僧。今夏在什麼處。僧雲。徑山。師雲。多少人。雲四百人。師雲。遮吃夜飯漢。僧雲。尊宿叢林何言吃夜飯。師乃棒趁出。師聞一老宿難親近。躬往相訪。老宿見師才入方丈便喝。師側掌雲。兩重公案老宿雲。過在什麼處。師雲。遮野狐精便退。師問僧。近離什麼處。僧雲。江西。師雲。蹋破多少草鞋。僧無對。師與講僧吃茶。師雲。我救汝不得也。僧雲。某甲不曉乞師垂示。師拈油餅示之雲。遮箇是什麼。僧雲。色法。師雲。遮入鑊湯漢。有一紫衣大德到禮拜。師拈帽子帶示之雲。

「彼中の老宿、ただ仏法の大意に対して何をか道う。」言う―「遍地行きて路無し。」師が言う―「老宿、実にこの語有るや否や。」言う―「実に有り。」師、拄杖を拈じて打ちて言う―「この言語を念ずる漢。」師、一長老に問う―「もし兄弟の来る有らば、何を将てか対せん。」長老が言う―「彼の来るを待たん。」師が言う―「何ぞ道わざる。」長老が言う―「和尚、何をか欠少す。」師が言う―「葛藤を煩わすを請わず。」僧有りて参ず。師が言う―「お前あに行脚にあらずや。」僧が言う―「是。」師が言う―「仏を礼せしか未だ。」言う―「あの土堆を礼して作么せん。」師が言う―「自ら領りて出で去れ。」僧が問う―「某甲、講を兼ねて行脚す、教意を会せざる時いかん。」師が言う―「実語に当たりて懺悔せん。」僧が言う―「師に指示を乞う。」師が言う―「お前もし会せざれば、老僧すなはち緘口无言なり。」僧が言う―「便ち道えを請う。」師が言う―「心人に負かず、面慚色無し。」問う―「一句道尽くす時いかん。」師が言う―「義堕するなり。」僧が言う―「何なるか是れ学人義堕の処。」師が言う―「三十棒、誰をか教えて吃せしめん。」問う―「教意祖意は是れ同か是れ別か。」師が言う―「青山自ずから青山、白雲自ずから白雲。」僧が言う―「いかなるか青山。」師が言う―「我に一滴の雨を還して来れ。」僧が言う―「道うことを得ず、師に道えを請う。」師が言う―「法華鋒前に陣し、涅槃句後に収む。」師が僧に問う―「今夏は何の処に在る。」言う―「和尚に住処有らばすなはち和尚に説似せん。」師が言う―「狐は獅子の類にあらず、灯は日月の明にあらず。」師、新到の僧に問う―「何の処よりか来る。」僧、目を瞪らしてこれを視る。師が言う―「驢前馬後の漢。」僧が言う―「師に鑑を請う。」師が言う―「驢前馬後の漢、一句を道将りて来れ。」対無し。師、経を看る次、陳操尚書が問う―「和尚、何なる経を看る。」師が言う―「金剛経。」尚書が言う―「六朝の翻訳、これ第几訳に当たる。」師、経を挙起して言う―「一切有為法、夢幻泡影の如し。」師また涅槃経を看るに因る。僧が問う―「和尚、何なる経を看る。」師、経を拈起して言う―「この箇は是れ荼毗品の最末後なり。」師、新到の僧に問う―「今夏は何の処に在る。」僧が言う―「径山。」師が言う―「多少人。」言う―「四百人。」師が言う―「この夜飯を吃する漢。」僧が言う―「尊宿の叢林、何をか夜飯を吃すと言う。」師乃ち棒して趁い出す。師、一老宿の親近し難きを聞き、躬ら往きて相訪う。老宿、師を見て纔かに方丈に入れば便ち喝す。師、側掌して言う―「両重の公案。」老宿が言う―「過は何の処に在る。」師が言う―「この野狐精。」便ち退く。師が僧に問う―「近く何の処を離れた。」僧が言う―「江西。」師が言う―「多少の草鞋を踏破せし。」僧は対無し。師、講僧と茶を吃す。師が言う―「我、お前を救うを得ざるなり。」僧が言う―「某甲暁らず、師に垂示を乞う。」師、油餅を拈じてこれを示して言う―「この箇は是れ何ぞ。」僧が言う―「色法。」師が言う―「この鑊湯に入る漢。」一紫衣の大徳有りて到り礼拝す。師、帽子の帯を拈じてこれを示して言う―

遮箇喚作什麼。大德雲。朝天帽。師雲。恁麼即老僧不卸也。師復問。所習何業。雲唯識。師雲。作麼生說。雲三界唯心萬法唯識。師指門扇雲。遮箇是什麼。雲是色法。師雲。簾前賜紫對御譚經。何得不持五戒。無對。僧問。某甲乍入叢林。乞指師示。師雲。爾不解問。雲和尚作麼生。師雲。放汝三十棒自領出去。問教意請師提綱。師雲。但問將來與爾道。僧雲。請和尚道。師雲。佛殿裡燒香。三門外合掌。問如何是展演之言。師雲。量才補職。僧雲。如何得不落展演。師雲。伏惟尚饗。師喚焦山近前來。又呼童子取斧來。童子取斧至雲。未有繩墨且斫麁。師喝之。又喚童子云。作麼生是爾斧頭。童子遂作斫勢。師雲。斫爾老爺頭不得。問如何是放一線道。師雲。量才補職。又問。如何是不放一線道。師雲。伏惟尚饗。新到僧參。師雲。汝是新到否。雲是。師雲。且放下葛藤會麼。雲不會。師雲。擔枷陳狀自領出去。僧便出。師雲。來來我實問爾什麼處來。雲江西。師雲。泐潭和尚在爾背後怕爾亂道見麼。無對。問寺門前金剛托即。乾坤大地不託即。絲髮不逢時如何。師雲。吽吽我不曾見此問。先跳三千倒退八百。爾合作麼生。僧雲諾。師雲。先責一紙罪狀好便打。其僧擬出。師雲。來我共爾葛藤。托即乾坤大地。爾且道洞庭湖裡水深多少。僧雲。不曾量度。師雲。洞庭湖又作麼生。僧雲。只為今時。師雲。只遮葛藤尚不會乃打之。問如何是觸途無滯底句。師雲。我不恁麼道。雲師作麼生道。師雲。箭過西天十萬裡向大唐國裡等候。有僧扣門。師雲。作麼。雲己事未明乞師指示。師雲。遮裡只有棒方開門。其僧擬問。師便摑其僧口問。以字不成。八字不是。是何章句。師彈指一聲雲。會麼。雲不會。師雲。上來表讚無限勝因。蝦蟇跳上梵天。蚯蚓走過東海。西峰長老來參。師致茶果命之令坐問雲。

「この箇を喚びて何とか作す。」大徳が言う―「朝天帽。」師が言う―「かくのごとくすればすなはち老僧卸さざるなり。」師復た問う―「習う所は何の業。」言う―「唯識。」師が言う―「作麼生に説く。」言う―「三界唯心、万法唯識。」師、門扇を指して言う―「この箇は是れ何ぞ。」言う―「是れ色法。」師が言う―「簾前に紫を賜り、御に対して経を談ず、何ぞ五戒を持たざるを得る。」対無し。僧が問う―「某甲、乍ら叢林に入る、師に指示を乞う。」師が言う―「お前、問を解せず。」言う―「和尚、作麼生。」師が言う―「お前に三十棒を放つ、自ら領りて出で去れ。」問う―「教意、師に提綱を請う。」師が言う―「ただ問を将来せよ、お前に道わん。」僧が言う―「和尚に道えを請う。」師が言う―「仏殿裏に香を焼き、三門外に合掌す。」問う―「いかなるか展演の言。」師が言う―「才を量りて職に補す。」僧が言う―「いかにすれば展演に落ちざるを得ん。」師が言う―「伏惟尚饗。」師、焦山を喚びて近前せしめ、また童子を呼びて斧を取り来れと令す。童子、斧を取りて至り、言う―「いまだ縄墨有らず、且く粗を斫らん。」師、これを喝す。また童子を喚びて言う―「作麼生か是れお前の斧頭。」童子、遂に斫勢を作す。師が言う―「お前の老爺の頭を斫ることを得ず。」問う―「いかなるか一線道を放つ。」師が言う―「才を量りて職に補す。」また問う―「いかなるか一線道を放たざる。」師が言う―「伏惟尚饗。」新到の僧参ず。師が言う―「お前は是れ新到か否や。」言う―「是。」師が言う―「且く葛藤を放下せよ、会すや。」言う―「会せず。」師が言う―「枷を担いで状を陳じ、自ら領りて出で去れ。」僧便ち出づ。師が言う―「来れ来れ。我実にお前に問う、何の処よりか来た。」言う―「江西。」師が言う―「潙潭和尚お前の背後に在り、お前の乱道を怕る、見るや。」対無し。問う―「寺門前の金剛、托すればすなはち乾坤大地、托さざればすなはち糸髪も逢わざる時いかん。」師が言う―「吽吽。我曽てこの問を見ず。先ず三千を跳び、退倒して八百。お前合に作麼生。」僧が言う―「諾。」師が言う―「先ず一紙の罪状を責むるが好し。」便ち打つ。その僧出でんと擬す。師が言う―「来れ。我お前と葛藤せん。托すればすなはち乾坤大地、お前且く道え、洞庭湖裏の水深多少。」僧が言う―「曽て量度せず。」師が言う―「洞庭湖また作麼生。」僧が言う―「ただ今時の為なり。」師が言う―「ただこの葛藤、なお会せず。」乃ちこれを打つ。問う―「いかなるか触途滞無き底の句。」師が言う―「我かくのごとく道わず。」言う―「師は作麼生に道う。」師が言う―「箭、西天十万里を過ぎ、大唐国裏に向かって等候す。」僧有りて門を扣く。師が言う―「作么す。」言う―「己事いまだ明らかならず、師に指示を乞う。」師が言う―「ここにただ棒有り。」方に門を開く。その僧問わんと擬す、師便ちその僧の口を掴す。問う―「以字成らず、八字不是なり、是れ何の章句。」師、一指を弾じて言う―「会すや。」言う―「会せず。」師が言う―「上り来りて表賛する無限の勝因。蝦蟆、梵天に跳上り、蚯蚓、東海を走り過ぐ。」西峰長老、来りて参ず。師、茶果を致し、坐を命じ令めて、問うて言う―

長老今夏在什麼處安居。雲蘭谿。師雲。有多少徒眾。雲七十來人。師雲。時中將何示徒。長老拈起甘子呈雲。已了。師雲。著什麼死急。時有僧新到參方禮拜。師叱雲。闍梨因何偷常住果子吃。僧雲。學人才到。和尚為什麼道偷果子。師雲。贓物見在。師問僧。近離什麼處。曰仰山。師曰。五戒也不持。曰某甲什麼處是妄語。師雲遮裡不著沙彌。

「長老、今夏は何の処にか安居す。」言う―「蘭渓。」師が言う―「多少の徒衆有る。」言う―「七十来人。」師が言う―「時中に何を将てか徒に示す。」長老、柑子を拈起して呈して言う―「已りぬ。」師が言う―「何ぞ死急に着せん。」時に僧、新到して参じ、方に礼拝す。師叱って言う―「闍梨、何を因りて常住の果子を偷んで吃する。」僧が言う―「学人纔かに到る、和尚、何の故ぞ果子を偷むと道う。」師が言う―「贓物現在せり。」師が僧に問う―「近く何の処を離れた。」言う―「仰山。」師が言う―「五戒もまた持たず。」言う―「某甲、何の処か是れ妄語。」師が言う―「ここに沙弥を着けず。」

杭州千頃山楚南禪師閩中人也。姓張氏。自髫齓投開元寺曇藹禪師出家。迨乎冠歲落髮。詣五臺具戒。就趙郡學相部律。往上都聽淨名經。既精研法義而未了玄機。遂謁芙蓉。芙蓉見曰。吾非汝師。汝師江外黃檗是也。師禮辭而參黃檗。黃檗垂問曰。子未現三界影像時如何。師曰。即今豈是有耶。曰有無且置。即今如何。師曰。非今古。曰吾之法眼已在汝躬。師乃入室執巾侍盥晨晡請益。尋值唐武宗廢教。師遂深竄林谷。暨大中初相國裴公休出撫宛陵。請黃檗和尚出山師隨出。由茲抵姑蘇報恩寺精修禪定。僅二十餘載足不踰閾。俄為郡守請住寶林院。未幾復請居支硎山。又住千頃慈雲院振黃蘗玄風。一日師上堂曰。諸子設使解得三世佛教如瓶注水。及得百千三昧。不如一念修無漏道。免被人天因果繫絆。時有僧問。無漏道如何修。師曰。未有闍梨時體取。曰未有某甲時誰人體。師曰。體者亦無。問如何是易。師曰。著衣吃飯不用讀經看教。不用行道禮拜燒身煉頂。豈不易耶。曰此既是易。如何是難。師曰。微有念生便具五陰。三界輪迴生死皆從汝一念生。所以佛教諸菩薩雲。佛所護念。師雖應機無倦。而常儼然處定。或逾月或浹旬。光啟三年錢氏請下山供養。昭宗聞其道化就賜紫衣。文德元年五月辭眾奄然而化。壽七十六。臘五十六。遷塔於院西隅。景福元年(一作大順二年)壬子二月宣州孫儒寇錢塘。兵士發塔覩全身不散爪髮俱長。謝罪懺悔而去。師平昔著般若經品頌偈一卷破邪論一卷。見行於世。

杭州千頃山楚南禅師は、闽中の人。姓は張。髫齔より開元寺の曇藹禅師に投じて出家す。冠歳に迨んで落髪し、五台に詣りて具戒す。趙郡に就きて相部律を学び、上都に往きて浄名経を聴く。すでに法義を精研すれどもいまだ玄機を了せず、遂に芙蓉に謁す。芙蓉、見て言う―「吾はお前の師にあらず。お前の師は江外の黄檗是れなり。」師、礼して辞して黄檗に参ず。黄檗、問を垂れて言う―「子、いまだ三界の影像を現影像を現ぜざる時いかん。」師が言う―「即今あに是れ有らんや。」問う―「有無は且く置く、即今いかん。」師が言う―「今古に非ず。」言う―「吾が法眼すでにお前の躬に在り。」師乃ち入室し、巾を執りて盥を侍し、晨晡請益す。尋いで唐武宗の廃教に値い、師遂に深く林谷に竄る。大中の初めに暨り、相国裴公休、出でて宛陵を撫し、黄檗和尚を請じて山を出でしむ、師随いて出づ。これに由りて姑蘇報恩寺に抵り、禅定を精修す、僅かに二十余載、足閾を逾えず。俄かに郡守の為に請われて宝林院に住す。未几、復た請われて支硎山に居る。また千頃慈雲院に住し、黄檗の玄風を振るう。一日、師上堂して言う―「諸子、設使三世の仏教を瓶に水を注ぐが如く解得し、および百千の三昧を得るとも、一念の無漏道を修するに如かず、人天の因果に系絆せられるを免れん。」時に僧問う―「無漏道はいかに修する。」師が言う―「いまだ闍梨有らざる時に体取せよ。」問う―「いまだ某甲有らざる時、誰人か体する。」師が言う―「体する者もまた無し。」問う―「いかなるか易。」師が言う―「衣を着て飯を吃し、経を読み教を看るを用いず、行道礼拝・焼身煉頂を用いず、あに易ならずや。」問う―「これすでに易なり、いかなるか難。」師が言う―「微かに念生ぜば便ち五陰を具し、三界輪回生死は皆お前の一念より生ず。ゆえに仏、諸菩薩に教えて云う、仏の護念する所と。」師、機に応じて倦まざるといえども、常に儼然として定に処り、あるいは月を逾えあるいは旬を浹す。光啓三年、銭氏、請うて山を下りて供養さしむ。昭宗、その道化を聞き、就きて紫衣を賜う。文徳元年五月、衆に辞し、奄然として化す。寿七十六、臘五十六。塔を院の西隅に遷す。景福元年(一に大順二年と作す)壬子二月、宣州の孫儒、銭塘を寇し、兵士塔を発き、全身散ぜず、爪髪倶に長しを睹て、罪を謝し懺悔して去る。師、平昔『般若経品頌偈』一巻、『破邪論』一巻を著す、いま世に行わる。

福州烏石山靈觀禪師(住本山薛老峰。亦云丁墓山。時稱老觀和尚)尋常扃戶人罕見之。唯一信士每至食時送供方開。一日雪峰伺便扣門。師出開門。雪峰驀胸搊住雲。是凡是聖。師唾雲。遮野狐精。便推出閉卻門。雪峰雲。也只要識老兄。師因剗草次問僧。汝何處去。雲西院禮拜安和尚去。時竹上有一青蛇子。師指蛇雲。欲識西院老野狐精。只遮便是。師一日問西院安和尚。此一片地堪著什麼物。安雲。好著箇無相佛。師雲。好片地被兄放不淨。師一日引水次有僧來參。師以引水橫抽示之。其僧便去。師至暮問小師。適來僧在何處。小師雲。發去也。師雲。只得一橛(玄覺雲。什麼處是少一橛)問如何是佛。師出舌示之。其僧禮謝。師雲。住住爾見什麼便禮拜。僧雲。謝和尚慈悲出舌相示。師雲。老漢近日舌上生瘡。有僧到敲門。行者開門後便出去。其僧入禮拜問。如何是西來意。師雲。適來出去者是什麼人。僧擬近前。師便托出閉卻門。曹山行腳時問。如何是毘盧師法身主。師雲。我若向爾道即別有也。曹山舉似洞山。洞山雲。好箇話頭只欠進語。何不更去問為什麼不道。曹山乃卻來進前語。師雲。若言我不道。即啞卻我口。若言我道。即謇卻我舌。曹山歸舉示洞山。洞山深肯之。

福州烏石山霊観禅師(本山薛老峰に住す、亦云う丁墓山、時に老観和尚と称す)。尋常戸を扃ぢ、人稀にこれを見る。ただ一信士、毎に食時に至りて供を送りて方に開く。一日、雪峰便を伺いて門を扣く。師、出でて門を開く。雪峰、蓦に胸を搊住して言う―「是れ凡か是れ聖か。」師、唾して言う―「この野狐精。」便ち推出して門を閉却す。雪峰が言う―「も亦たただ老兄を識らんと要するのみ。」師、草を铲ぐ次、僧に問う―「お前、何処へ去る。」言う―「西院に礼拝して安和尚に去る。」時に竹上に一青蛇子有り。師、蛇を指して言う―「西院の老野狐精を識らんと欲せば、ただこれ便ち是れ。」師、一日西院安和尚に問う―「この一片の地、堪えて何物を着くべき。」安が言う―「箇の無相仏を着くるが好し。」師が言う―「好き片地、兄に不浄を放たれたり。」師、一日水を引く次、僧有りて来り参ず。師、引水を以て横に抽げてこれを示す。その僧便ち去る。師、暮に至りて小師に問う―「さきほどの僧は何の処に在る。」小師が言う―「発き去りしなり。」師が言う―「ただ一橛を得るのみ。」(玄覚が言う―「何の処か是れ一橛を少しとする。」)問う―「いかなるか仏。」師、舌を出でてこれを示す。その僧、礼謝す。師が言う―「住住、お前何を見て便ち礼拝する。」僧が言う―「和尚の慈悲、舌を出でて相を示すを謝す。」師が言う―「老漢、近日舌上に瘡を生ず。」僧有りて到り門を敲く。行者門を開きて後、便ち出で去る。その僧入りて礼拝して問う―「いかなるか西来意。」師が言う―「さきほど出で去りし者は是れ何なる人。」僧、近前せんと擬す。師便ち托出し、門を閉却す。曹山、行脚の時問う―「いかなるか毘盧師法身の主。」師が言う―「我もしお前に向かって道わばすなはち別有らん。」曹山、洞山に挙似す。洞山が言う―「好き箇の話頭、ただ進語を欠く。何ぞ更に去りて何の故ぞ道わざると問わざる。」曹山乃ち却って来りて前の語を進む。師が言う―「もし我道わずと言わばすなはち我が口を唖却し、もし我道うと言わばすなはち我が舌を謇却せん。」曹山、帰りて洞山に挙示す。洞山、深くこれを肯んず。

杭州羅漢院宗徹禪師湖州吳興縣人也。姓吳氏。幼歲出家依年受具。巡方參禮。依黃檗希。運禪師法席。黃檗一見便深器之。入室領旨。後至杭州。州牧劉彥慕其道。立精舍於府西號羅漢院。化徒三百。師有時上堂僧問。如何是西來意。師曰骨剉也(師對機多用此語。故時人因號骨剉和尚)問如何是南宗北宗。師曰。心為宗。僧曰。還看教也無。師曰。教是心。問性地多昏如何了悟。師曰。煩雲風卷太虛廓清。曰如何得明去。師曰。一輪皎潔萬裡騰光。師後示疾遷化。門人塔於院之北隅梁貞明五年錢王廣其院為安國羅漢寺。移師塔於大慈山塢。今寺與塔並存。

杭州羅漢院宗徹禅師は、湖州呉興県の人。姓は呉。幼歳出家し、年に依りて具を受く。方を巡りて参礼し、黄檗希運禅師の法席に依る。黄檗、一見して便ち深くこれを器とし、入室して旨を領す。後に杭州に至る。州牧劉彦、その道を慕い、精舎を府西に立て、羅漢院と号し、徒を化すること三百。師、時有りて上堂す。僧が問う―「いかなるか西来意。」師が言う―「骨剉なり。」(師、機に対して多くこの語を用う、ゆえに時人に因りて骨剉和尚と号す。)問う―「いかなるか南宗北宗。」師が言う―「心を宗と為す。」僧が言う―「還って教を看るや無きや。」師が言う―「教は是心なり。」問う―「性地昏きこと多し、いかにして了悟せん。」師が言う―「煩雲風巻かれ、太虚廓清せり。」問う―「いかにすれば明を得て去らん。」師が言う―「一輪皎潔、万里光を騰がす。」師、後に疾を示して遷化す。門人、塔を院の北隅に建つ。梁貞明五年、銭王、その院を広げて安国羅漢寺と為し、師の塔を大慈山塢に移す。いま寺と塔と並び存す。

裴休字公美。河東聞喜人也(唐書本傳作孟州濟源人)守新安日。屬運禪師初於黃檗山捨眾入大安精舍。混跡勞侶掃灑殿堂。公入寺燒香。主事祇接。因觀壁畫乃問。是何圖相。主事對曰。高僧真儀。公曰。真儀可觀高僧何在。僧皆無對。公曰。此間有禪人否。曰近有一僧投寺執役。頗似禪者。公曰。可請來詢問得否。於是遽尋運師。公覩之欣然曰。休適有一問諸德吝辭。今請上人代醻一語。師曰。請相公垂問。公即舉前問。師朗聲曰。裴休。公應諾。師曰。在什麼處。公當下知旨如獲髻珠。曰吾師真善知識也。示人剋的。若是何汩沒於此乎。寺眾愕然。自此延入府署留之供養執弟子之禮。屢辭不已。復堅請住黃檗山薦興祖教。有暇即躬入山頂謁。或渴聞玄論即請師入州。公既通徹祖心。復博綜教相。諸方禪學。鹹謂裴相不浪出黃檗之門也。至遷鎮宣城還思瞻禮。亦創精藍迎請居之(唐新安郡即歙州也。唐史裴相本傳無出守。明說雖未必不經為歙州太守。然觀其傳心法要序。即知其初識運公於洪州。再見之於宣州。皆迎請而來。非邂逅也。今本章述所問壁畫高僧之處。必為差誤。苟或果在歙州。則序中安得不言耶。據廣燈以為在筠州。四家錄又云在洪州皆不然也。按唐史。武德中以洪州高安縣置靖州。更名筠州尋廢之。至南唐李景再置。中間豈得有郡守。以此知廣燈之誤也。又按傳心法要序雲。予會昌二年廉於鍾陵。自山迎至州憩龍興寺。以此知四家錄亦誤。其餘在黃蘗章中辨之也)。雖圭峰該通禪講為裴之所重。未若歸心於黃檗而傾竭服膺者也。又撰圭峰碑雲。休與師於法為昆仲。於義為交友。於恩為善知識。於教為內外護。斯可見矣。仍集黃檗語要。親書序引冠於編首留鎮山門。又親書大藏經五百函號迄今寶之。又圭峰禪師著。禪源諸詮原人論及圓覺經疏注法界觀。公皆為之序。公父肅字中明。

裴休、字は公美、河東聞喜の人。(『唐書』本伝は孟州済源の人と作す。)新安を守る日、運禅師初めて黄檗山に於て衆を舎て大安精舎に入り、労侶に混迹し、殿堂を掃洒すに属す。公、寺に入りて香を焼く、主事ただ接す。因りて壁画を観て乃ち問う―「是れ何の図相ぞ。」主事対して言う―「高僧の真儀。」公が言う―「真儀は観る可し、高僧は何れに在る。」僧皆対無し。公が言う―「此間に禅人有るや否や。」言う―「近く一僧有りて寺に投じて役を執る、頗る禅者に似たり。」公が言う―「請い来りて詢問することを得るや否や。」ここに遽に運師を尋ぬ。公、これを睹て欣然として言う―「休、さきほど一問有り、諸徳辞を吝む。いま上人に請うて代えて一語を酬えん。」師が言う―「相公に垂問を請う。」公すなはち前の問を挙ぐ。師、朗声に言う―「裴休。」公、應諾す。師が言う―「何の処に在る。」公、当下に旨を知る、髻珠を獲たるが如し。言う―「吾が師は真の善知識なり。人に示すこと克的なり。是のごとくなれば、何ぞ此に汩没せんや。」寺衆、愕然。此より府署に延入れ、留めて供養し、弟子の礼を執る。屡々辞せども已まず、復た堅く請うて黄檗山に住せしめ、祖教を興すを荐ぐ。暇有ればすなはち躬ら山頂に入りて謁す。あるいは玄論を聞かんと渇して、すなはち師を請じて州に入らしむ。公、すでに祖心に通徹し、復た教相を博綜す。諸方の禅学、咸く裴相は浪に黄檗の門を出づにあらずと謂う。宣城に鎮を遷すに至りて、還って瞻礼を思い、も亦た精藍を創めて迎請してここに居らしむ。(唐の新安郡はすなはち歙州なり。『唐史』裴相本伝に出守無し。明に説く、必ずしも歙州の太守たるを経ざらざるを得ずとも、然れどもその『伝心法要』の序を観れば、すなはちその初め運公を洪州に識り、再び之を宣州に見るを知る、皆迎請して来たる、邂逅にあらざるなり。いま本章の述ぶる所問の壁画高僧の処は必ず差誤と為すべし。苟くもあるいは果して歙州に在らば、則ち序中安んぞ言わざるを得んや。『広灯』に拠りて以て筠州に在りと為し、『四家録』また云く洪州に在りと、皆然らず。『唐史』に按ずるに、武徳中、洪州高安県を以て靖州を置き、更めて筠州と名づけ、尋いでこれを廃す。南唐李景に至りて再び置く、中間あに郡守有るを得んや。これを以て『広灯』の誤を知る。また『伝心法要』の序に按ずるに云く、予、会昌二年に鍾陵を廉かり、山より州に迎え至りて竜興寺に憩う。これを以て『四家録』のも亦た誤を知る。その余は黄檗の章中に之を辨ず。)圭峰禅講に該通して裴の重んずる所と為るも、黄檗に心を帰して傾竭に服膺するに若かず。また圭峰碑を撰して云く―休と師とは法に於ては昆仲、義に於ては交友、恩に於ては善知識、教に於ては内外護、これ見る可し。仍ほ黄檗の語要を集め、親ら序引を書して編首に冠り、山門に留め鎮す。また親ら大蔵経五百函の号を書す、今に至るまでこれを宝とす。また圭峰禅師の『禅源諸詮』『原人論』および『円覚経疏注法界観』を著す、公皆これが為に序す。公の父は粛、字は中明。

任越州觀察使。應三百年讖記。重建龍興寺大佛殿。自撰碑銘(先是越州沙門曇彥。身長五尺。眉垂數寸。與檀越許詢字玄度。同造塼木大塔二所。彥有神異。天降相輪。能駐日倍工。復從地引其膊至塔頂。塔未就詢亡。彥師壽長可百二十餘歲。猶待得詢後身為嶽陽王來撫越州。蓋願力也。彥預告門人曰。許玄度來也。弟子鹹謂師老耄言無準的。許玄度死已三十餘載。何雲更來也。時嶽陽王早承誌公密示。才到州便入寺尋訪。彥師出門佇望。遙見乃召曰。許玄度來何暮。昔日浮圖今如故。王曰。弟子姓蕭名詧。師何以許玄度呼之。彥曰。未達宿命焉得知之。遂握手命入室席地。彥以三昧力加被王。忽悟前身造塔之事宛若今日。由是二塔益資壯麗。時龍興寺大殿墮壞。眾請彥師重修。彥曰。非貧道緣力也。卻後三百年有緋衣功德主。來興此殿大作佛事。寺眾刻石記之。及期裴太守赴任興隆三寶。傾施俸錢修成大殿。方曉彥師懸記無忒)公遂篤志內典深入法會。有發願文。傳於世。

越州観察使に任ぜらる。三百年の讖記に応じ、竜興寺の大仏殿を重建し、自ら碑銘を撰す。(先ず是れ越州の沙門曇彦、身の長さ五尺、眉数寸を垂れ、檀越の許詢(字は玄度)と同じく磚木の大塔二所を造る。彦、神異有り、天相輪を降し、能く日を駐めて工を倍す。復た地よりその膊を引きて塔頂に至らしむ。塔いまだ就かず、詢亡す。彦師の寿長くして可なること百二十余歳、なお詢の後身の岳陽王と為りて来りて越州を撫するを待つを得、おおむね願力なり。彦、預め門人に告げて言う―「許玄度来れり。」弟子咸く師の老耄を謂い、言に準的無しとす。許玄度の死せしことすでに三十余載、何をか更に来ると云う。時に岳陽王、早く志公の密示を承く、纔かに州に到りて便ち寺に入りて尋訪す。彦師、門を出でて佇望し、遥かに見て乃ち召して言う―「許玄度の来ること何の暮れんや。昔日の浮図、いま故きが如し。」王が言う―「弟子、姓は蕭名は詧、師何を以てか許玄度と之を呼ぶ。」彦が言う―「いまだ宿命に達せず、焉んぞこれを知るを得ん。」遂に手を握りて室に入りて席地せしむ。彦、三昧力を以て王に加被し、忽ち前身の塔を造りし事、宛として今日の如くを悟る。これに由りて二塔益々壮丽を資す。時に竜興寺の大殿堕壊し、衆、彦師に請うて重修せしめんとす。彦が言う―「貧道の縁力にあらず。却後三百年に緋衣の功徳主有りて来りてこの殿を興し、大いに仏事を作さん。」寺衆、石を刻みてこれを記す。期に及びて裴太守、任に赴き、三宝を興隆し、俸銭を傾施して大殿を修成す、方に彦師の懸記忒無きを暁る。)公、遂に志を内典に篤くし、深く法会に入る。発願文有りて世に伝わる。

懷讓禪師第五世

懐譲禅師第五世

前袁州仰山慧寂禪師法嗣

前袁州仰山慧寂禅師の法嗣

仰山西塔光穆禪師(第二世住)僧問。如何是正聞。師曰。不從耳入。曰作麼生。師曰。還聞麼。問祖意與教意同別。師曰。同別且置汝道瓶嘴裡什麼物出來入去。問如何是西來意。師曰。汝無佛性。問如何是頓。師作圓相示之。曰如何是漸。師以手空中撥三下。

仰山西塔光穆禅師(第二世住)。僧が問う―「いかなるか正聞。」師が言う―「耳より入らず。」問う―「作麼生。」師が言う―「還って聞くや。」問う―「祖意と教意、同か別か。」師が言う―「同別は且く置く。お前道え、瓶嘴裏より何物か出来入去する。」問う―「いかなるか西来意。」師が言う―「お前に仏性無し。」問う―「いかなるか頓。」師、円相を作してこれを示す。問う―「いかなるか漸。」師、手を以て空中に三下撥ぐ。

晉州霍山景通禪師初參仰山。仰山閉目坐。師曰。如是如是。西天二十八祖亦如是。中華六祖亦如是。和尚亦如是。景通亦如是。語訖向右邊翹一足而立。仰山起來打四藤杖。師因此自稱集雲峰下四藤條天下大禪佛(歸宗下亦有大禪佛。名智通。終於五臺)後住霍山。有行者問。如何是佛法大意。師乃禮拜。行者曰。和尚為什麼禮俗人。師曰。汝不見道尊重弟子。師問僧。什麼處來。僧提起坐具。師雲。龍頭蛇尾。僧問。如何是佛。師打之。僧亦打師。師曰。汝打我有道理。我打汝無道理。僧無對。師乃打趁。師化緣將畢。先備薪於郊野遍辭檀信。食訖行至薪所。謂弟子曰。日午當來報至日午。師自執燈登積薪上。以笠置頂後作圓光相。手執拄杖作降魔杵勢。立終於紅焰中。

晋州霍山景通禅師。初め仰山に参ず。仰山、目を閉ぢて坐す。師が言う―「如是如是。西天二十八祖も亦た如是、中華六祖も亦た如是、和尚も亦た如是、景通も亦た如是。」語訖りて右辺に向かって一足を翹げて立つ。仰山、起ち来りて四藤杖を打つ。師、これに因りて自ら「集云峰下の四藤条、天下の大禅仏」と称す。(帰宗の下にも亦た大禅仏有り、名は智通、五台に終す。)後に霍山に住す。行者有りて問う―「いかなるか仏法の大意。」師乃ち礼拝す。行者が言う―「和尚、何の故ぞ俗人を礼する。」師が言う―「お前、弟子を尊重すと道うを見ざるか。」師が僧に問う―「何の処よりか来る。」僧、坐具を提起す。師が言う―「竜頭蛇尾。」僧が問う―「いかなるか仏。」師、これを打つ。僧もまた師を打つ。師が言う―「お前が我を打つは道理有り、我がお前を打つは道理無し。」僧は対無し。師乃ち打ちて趁う。師、化縁将に畢らんとし、先ず薪を郊野に備え、遍く檀信に辞す。食訖りて行きて薪所に至り、弟子に対して言う―「日午に当たりて来り報ずべし。」日午に至りて、師自ら灯を執りて積薪の上に登り、笠を以て頂後に置きて円光相を作し、手に拄杖を執りて降魔杵の勢を作し、紅焰中に立ちて終す。

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