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景德傳燈錄 卷第三

宋 · 道原 · 第73巻 / 151

杭州文喜禪師嘉禾蓹兒人也。姓朱氏。七歲出家。唐開成二年趙郡具戒。初習四分律。屬會昌廢教返服韜晦。大中初例重懺度於鹽官齊峰寺。後謁大慈山性空禪師。性空曰。子何不遍參乎。咸通三年至洪州觀音院見仰山。言下頓了心契。仰山令典常住。一日有異僧就求齋食。師減己分饋之。仰山預知問曰。適來果位人汝給食否。答曰。輟己迴施。仰山曰。汝大利益。七年旋浙右止千頃山築室而居。會巢寇之亂避地湖州住仁王院。光啟三年錢王請住龍泉廨署(今慈光院)僧問。如何是涅槃相。州曰。香煙盡處驗。問如何是佛法大意。師曰。喚院主來遮師僧患顛。問如何是自己。師默然。僧罔措。再問。師曰。青天矇昧不向月邊飛。大順元年錢王表薦賜紫衣。乾寧四年又奏師號曰無著。光化三年示疾。十月二十七日夜子時告眾曰。三界心盡即是涅槃。言訖跏趺而終。壽八十。臘六十。終時方丈發白光竹樹同色。十一月二十二日遷塔靈隱山西塢(天祐二年宣城帥田頵應杭將許思叛換縱兵大掠。發師塔覩肉身不壞髮爪俱長。武肅王奇之。遣裨將邵志重封瘞焉)。

杭州文喜禅師は、嘉禾語児の人。姓は朱。七歳にして出家す。唐開成二年、趙郡に於て具戒す。初め四分律を習う。会昌の廃教に属し、服を返して韜晦す。大中の初め、例に重ねて懺度を塩官斉峰寺に於てす。後に大慈山性空禅師に謁す。性空が言う―「子、何ぞ遍参せざる。」咸通三年、洪州観音院に至りて仰山を見る、言下に頓ちに心契を了す。仰山、常住を典らしむ。一日、異僧有りて就きて斎食を求む。師、己が分を減じてこれに饋る。仰山、預め知り、問う―「さきほどの果位の人、お前食を給せしか否や。」答えて言う―「己を輟めて回施す。」仰山が言う―「お前大きに利益。」七年、浙右に旋り、千頃山に止りて室を築きて居る。会し巣寇の乱、地を避けて湖州に住し仁王院に居る。光啓三年、銭王、請うて竜泉廨署(今の慈光院)に住せしむ。僧が問う―「いかなるか涅槃相。」師が言う―「香烟尽くる処に験せよ。」問う―「いかなるか仏法の大意。」師が言う―「院主を喚び来れ、この師僧顛を患う。」問う―「いかなるか自己。」師、黙然。僧、罔措、再び問う。師が言う―「青天蒙昧、月辺に向かって飛ばず。」大順元年、銭王、表して紫衣を賜るを荐ぐ。乾寧四年、また奏して師の号を無著と曰わしむ。光化三年、疾を示す。十月二十七日の夜、子時に衆に告げて言う―「三界の心尽くるすなはち是れ涅槃。」言い訖りて跏趺して終す。寿八十、臘六十。終る時方丈白光を発し、竹樹色を同じくす。十一月二十二日、塔を霊隠山の西塢に遷す。(天祐二年、宣城帥田𫖳、杭将許思に応じて叛換し、兵を縦して大いに掠る。師の塔を発き、肉身壊れず、髪爪倶に長しを睹る。武粛王、これを奇とし、裨将邵志を遣わして重ねて封瘗せしむ。)

新羅五觀山順支本國號了悟大師。僧問。如何是西來意。師豎拂子。僧曰。莫遮箇便是。師放下拂子。問以字不成八字不是。是什麼字。師作圓相示之。有僧於師前作五花圓相。師畫破別作一圓相。

新羅五観山順支、本国に於て了悟大師と号す。僧が問う―「いかなるか西来意。」師、払子を竪つ。僧が言う―「あにこの箇便ち是れか。」師、払子を放下す。問う―「以字成らず、八字不是なり、是れ何の字ぞ。」師、円相を作してこれを示す。僧有りて師の前に五花の円相を作す。師、画破し、別に一円相を作す。

仰山南塔光湧禪師。僧問。文殊是七佛師。文殊有師否。師雲。遇緣即有。曰如何是文殊師。師竪拂子示之。僧曰。莫遮箇是麼。師放下拂子又手。問如何是妙用一句。師曰。水到渠成。問真佛住在何處。師曰。言下無相也不在別處。

仰山南塔光涌禅師。僧が問う―「文殊は是れ七仏の師、文殊に師有るや否や。」師が言う―「縁に遇えばすなはち有り。」問う―「いかなるか文殊師。」師、払子を竪ててこれを示す。僧が言う―「あにこの箇是れか。」師、払子を放下して叉手す。問う―「いかなるか妙用の一句。」師が言う―「水到りて渠成る。」問う―「真仏は何の処にか住す。」師が言う―「言下に相無く、もまた別処に在らず。」

仰山東塔和尚。僧問。如何是君王劍。師曰。落纜不採功。僧曰。用者如何。師曰。不落時人手。問法王與君王相見時如何。師曰。兩掌無私。曰見後如何。師曰。中間絕像。

仰山東塔和尚。僧が問う―「いかなるか君王の剣。」師が言う―「缆を落として功を采らず。」僧が言う―「用うる者はいかん。」師が言う―「時人の手に落ちず。」問う―「法王と君王と相見する時いかん。」師が言う―「両掌私無し。」問う―「見たる後いかん。」師が言う―「中間像を絶つ。」

前臨濟義玄禪師法嗣

前臨済義玄禅師の法嗣

灌谿志閑禪師魏府館陶人也。姓史氏。幼從柏巖禪師披剃。二十受具。後見臨濟和尚。和尚搊住良久放之。師曰。領矣。往後謂眾曰。我見臨濟無言語。直至如今飽不饑。問請師不借。師曰。我滿口道不借。師又曰。大庾嶺頭佛不會。黃梅路上沒眾生。師會下一僧去參石霜。石霜問。什麼處來。雲灌谿來。石霜雲。我北山住不如他南山住。僧無對。師聞雲。但道修涅槃堂了也。僧問。久嚮灌谿。到來只見漚麻池。師曰。汝只見漚麻池不見灌谿。僧曰。如何是灌谿。師曰。剪箭急(後人舉似玄沙。玄沙雲。更學三十年未會禪)問如何是古人骨。師曰。安置不得。曰為什麼安置不得。師曰。金烏那教下碧天。問金鎖斷後如何。師曰。正是法汝處。問如何是細。師曰。迴換不迴換。曰末後事如何。師曰。忌丈六口頭。問如何是一色。師曰。不隨。曰一色後如何。師曰。有闍梨承當分也無。問今日一會抵敵何人。師曰。不為凡聖。問一句如何。師曰。不落千聖機。問如何是洞中水。師曰不。洗人師唐乾寧二年乙卯五月二十九日問侍者曰。坐死者誰。曰僧伽。立死者誰。曰僧會。乃行六七步垂手而逝。

灌溪志閑禅師は、魏府館陶の人。姓は史。幼くして柏巌禅師に従いて披剃し、二十にして具を受く。後に臨済和尚を見る。和尚、搊住すること良久してこれを放つ。師が言う―「領えり。」往後衆に対して言う―「我、臨済の言語無きを見て、いまに至るまで飽いて飢えず。」問う―「師に請うて借らざらんことを。」師が言う―「我、口を満たして借らずと道う。」師また言う―「大庾嶺頭、仏会せず、黄梅路上、衆生没せず。」師の会下の一僧、去りて石霜に参ず。石霜が問う―「何の処よりか来る。」言う―「灌溪より来た。」石霜が言う―「我、北山に住す、彼の南山に住するに如かず。」僧は対無し。師、聞きて言う―「ただ道え、涅槃堂を修し了りぬと。」僧が問う―「久しく灌溪に向かう、来りてただ漚麻池を見るのみ。」師が言う―「お前ただ漚麻池を見て、灌溪を見ず。」僧が言う―「いかなるか灌溪。」師が言う―「箭を剪むが如く急なり。」(後人、玄沙に挙似す。玄沙が言う―「更に三十年を学んでもいまだ禅を会せじ。」)問う―「いかなるか古人の骨。」師が言う―「安置することを得ず。」問う―「何の故ぞ安置することを得ざる。」師が言う―「金烏、那教えて碧天を下らせん。」問う―「金鎖断たる後いかん。」師が言う―「正しく是れお前を法する処。」問う―「いかなるか細。」師が言う―「回換す回換せず。」問う―「末後の事いかん。」師が言う―「丈六の口頭を忌む。」問う―「いかなるか一色。」師が言う―「随わず。」問う―「一色の後いかん。」師が言う―「闍梨承当の分有りや無きや。」問う―「今日の一会、何人に抵敵する。」師が言う―「凡聖の為ならず。」問う―「一句いかん。」師が言う―「千聖の機に落ちず。」問う―「いかなるか洞中の水。」師が言う―「人を洗わず。」師、唐乾寧二年乙卯五月二十九日、侍者に問うて言う―「坐して死する者は誰。」言う―「僧伽。」「立ちて死する者は誰。」言う―「僧会。」乃ち六七歩を行き、手を垂れて逝く。

幽州譚空和尚。有尼欲開堂說法。師曰。尼女家不用開堂。尼曰。龍女八歲成佛又作麼生。師曰。龍女有十八變。汝與老僧試一變看。尼曰。變得也是野狐精。師乃打趁。寶壽和尚問。除卻中上二根人來時師兄作麼生。師曰。汝適來舉早錯也。壽曰。師兄也不得無過。師曰。汝卻與我作師兄。壽側掌雲。遮老賊。

幽州譚空和尚。尼有りて堂を開きて法を説かんと欲す。師が言う―「尼の女家、堂を開くを用いず。」尼が言う―「竜女、八歳にして成仏す、また作麼生。」師が言う―「竜女に十八変有り。お前、老僧と試みに一変して看よ。」尼が言う―「変得するもまた是れ野狐精。」師乃ち打ちて趁う。宝寿和尚が問う―「中上二根の人の来る時を除却せば、師兄作麼生。」師が言う―「お前、さきほどの挙げ、早く錯りぬ。」寿が言う―「師兄もまた過無きを得ず。」師が言う―「お前却って我と師兄と作せ。」寿、側掌して言う―「この老賊。」

鎮州寶壽沼和尚(第一世住)僧問。萬境來侵時如何。師曰。莫管他。僧禮拜。師曰。不要動著。動著即打折汝腰。趙州諗和尚來。師在禪床背面而坐。諗展坐具禮拜。師起入方丈。諗收坐具而出。師問僧。什麼處來。曰西山來。師曰。見獼猴麼。曰見。師曰。作什麼伎倆。曰見某甲一箇伎倆也作不得。師打之。胡釘鉸參。師問。汝莫是胡釘鉸。曰不敢。師曰。還解釘得虛空否。曰請和尚折破。某甲與釘。師以拄杖打之。胡曰。和尚莫錯打某甲。師曰。向後有多口阿師。與汝點破在(趙州雲。只遮一縫尚不柰何。乃代雲。且釘遮一縫)問萬裡無片雲時如何。師曰。青天亦須吃棒。師將順世。謂門人曰。汝還知我行履處否。對曰。知和尚一生長坐不臥。師又令近前。門人近前。師曰。去非吾眷屬。言訖而化。

鎮州宝寿沼和尚(第一世住)。僧が問う―「万境、来り侵する時いかん。」師が言う―「彼を管するなかれ。」僧、礼拝す。師が言う―「動着するを要すなかれ。動着すればすなはちお前の腰を打折らん。」趙州諗和尚来る。師、禅床に背きて面をそむけて坐す。諗、坐具を展げて礼拝す。師、起ちて方丈に入る。諗、坐具を収めて出づ。師が僧に問う―「何の処よりか来る。」言う―「西山より来た。」師が言う―「獼猴を見たりや。」言う―「見たり。」師が言う―「何の伎俩を作す。」言う―「某甲、一箇の伎俩も作ることを得ざるを見たり。」師、これを打つ。胡釘铰参ず。師が問う―「お前あに胡釘铰にあらずや。」言う―「敢あらず。」師が言う―「還って虚空を釘し得るを解すや否や。」言う―「和尚に請うて折破せん、某甲これを釘せん。」師、拄杖を以てこれを打つ。胡が言う―「和尚、某甲を錯打するなかれ。」師が言う―「向后に多口の阿師有りてお前に点破する在り。」(趙州が言う―「ただこの一縫、なお奈何せず。」乃ち代えて言う―「且くこの一縫を釘せよ。」)問う―「万里片雲無き時いかん。」師が言う―「青天も亦た須らく棒を吃すべし。」師、将に世に順らんとして門人に対して言う―「お前、還って我が行履の処を知るや否や。」対して言う―「和尚の一生、長く坐して臥せざるを知る。」師また近前せしむ。門人、近前す。師が言う―「去れ、吾が眷属にあらず。」言い訖りて化す。

鎮州三聖院慧然禪師。自臨濟受訣。遍歷叢林至仰山。仰山問。汝名什麼。師曰。名慧寂。仰山曰。慧寂是我名。師曰。我名慧然。仰山大笑而已。師到香嚴。嚴問。什麼處來。師曰。臨濟來。嚴曰。將得臨濟劍來麼。師以坐具驀口打而去。師到德山才展坐具。德山雲。莫展炊巾遮裡無𮩋飯。師曰。縱有也無著處。德山以拄杖打師。師接住卻推德山向禪床上。德山大笑。師哭蒼天而去。師在雪峰聞峰垂語云。人人盡有一面古鏡。遮箇獼猴亦有一面古鏡。師出問。歷劫無名。和尚為什麼立(一作彰)為古鏡。峰雲。瑕生也。師咄曰。遮老和尚話頭也不識。峰雲。罪過老僧住持事多。師見寶壽和尚開堂。師推出一僧在寶壽前。寶壽便打其僧。師曰。長老若恁麼為人。瞎卻鎮州一城人眼在(法眼雲。什麼是瞎卻人眼處)。

鎮州三聖院慧然禅師。臨済より訣を受け、遍く叢林を歴り、仰山に至る。仰山が問う―「お前、名は何と。」師が言う―「名は慧寂。」仰山が言う―「慧寂は是れ我が名。」師が言う―「我が名は慧然。」仰山、大笑すのみ。師、香厳に到る。厳が問う―「何の処よりか来る。」師が言う―「臨済より来た。」厳が言う―「臨済の剣を将て来るや。」師、坐具を以て蓦に口を打ちて去る。師、徳山に到り、纔かに坐具を展ぐ。徳山が言う―「炊巾を展ぐるなかれ、ここに餿飯無し。」師が言う―「たとえ有るとも着くる処無し。」徳山、拄杖を以て師を打つ。師、接住し、却って徳山を禅床上に向かって推す。徳山、大笑す。師、蒼天を哭して去る。師、雪峰に在り、峰の語を垂れて言うを聞く―「人人尽く一面の古鏡有り、この獼猴も亦た一面の古鏡有り。」師、出でて問う―「劫を歴るも名無し、和尚何の故ぞ立てて(一に彰と作す)古鏡と為す。」峰が言う―「瑕生ずるなり。」師、咄して言う―「この老和尚、話頭も識らず。」峰が言う―「罪過。老僧、住持の事多し。」師、宝寿和尚の堂を開くを見る。師、一僧を推出して宝寿の前に在らしむ。宝寿、便ちその僧を打つ。師が言う―「長老、もしかくのごとく人と為さば、鎮州一城の人の眼を瞎却する在り。」(法眼が言う―「何なるか是れ人の眼を瞎却する処。」)

魏府大覺禪師。興化存獎禪師為院宰時。師一日問曰。我常聞汝道向南行一迴。拄杖頭未曾撥著箇會佛法底人。汝憑什麼道理有此語。興化乃喝。師便打。興化又喝。師又打。來日興化從法堂過。師召曰。院主。我直下疑汝昨日行底喝。與我說來。興化曰。存獎平生於三聖處學得底。盡被和尚折倒了也。願與存獎箇安樂法門。師曰。遮瞎驢來遮裡納敗缺卸卻衲帔待痛決一頓。興化即於語下領旨。雖同嗣臨濟。而常以師為助發之友。師臨終時謂眾曰。我有一隻箭要付與人。時有一僧出雲。請和尚箭。師雲。汝喚什麼作箭。僧喝。師打數下。自歸方丈卻喚其僧入來。問雲。汝適來會麼。僧雲。不會。師又打數下。擲卻拄杖雲已。後遇明眼人分。明舉似。便乃告寂。

魏府大覚禅師。興化存奨禅師が院宰たりし時、師、一日問うて言う―「我常に聞く、お前の南に向かって一行せしに、拄杖頭いまだかつて箇の仏法を会する底の人を撥着せずと道うを。お前、何の道理に凭りてこの語有る。」興化乃ち喝す。師便ち打つ。興化また喝す。師また打つ。来日、興化法堂を過ぐ。師召して言う―「院主。我、直に下ってお前の昨日行じたる底の喝を疑う、我に説いて来れ。」興化が言う―「存奨、平生三聖の処に於て学び得たる底、尽く和尚に折倒せられたり。願わくは存奨に箇の安楽法門を与えよ。」師が言う―「この瞎驢、ここに来りて敗缺を納す。衲帔を卸却せよ、痛く一頓を決せんを待て。」興化、すなはち語下に於て旨を領す。同じく臨済を嗣ぐといえども、常に師を以て助発の友と為す。師、臨終の時、衆に対して言う―「我に一只の箭有りて人に付さんと要す。」時に一僧出でて言う―「和尚の箭を請う。」師が言う―「お前、何をか喚びて箭と作す。」僧、喝す。師、数下を打つ。自ら方丈に帰り、却ってその僧を喚び入れて問うて言う―「お前、さきほど会せしか。」僧が言う―「会せず。」師また数下を打ち、拄杖を擲却して言う―「以后、明眼の人に遇わば、分明に挙似せよ。」便ち乃ち寂を告ぐ。

魏府興化存獎禪師問僧。什麼處來。曰崔禪處來。師曰。將得崔禪喝來否。曰不將得來。師曰恁麼即不從崔禪處來。僧喝之。師遂打。師謂眾曰。我只聞長廊也喝後架也喝。諸子汝莫盲喝亂喝。直饒喝得興化。向半天裡住。卻撲下來氣欲絕。待興化蘇息起來。向汝道未在。何以故。我未曾向紫羅帳裡撒真珠。與汝諸人虛空裡亂喝作什麼。師謂克賓維那曰。汝不久當為唱道之師。克賓曰。不入者保社。師曰。會了不入不會不入。賓雲總不與麼。師便打。乃雲。克賓維那法戰不勝。罰錢五貫設飯一堂。至明日師自白槌雲。克賓維那法戰不勝罰錢五貫設飯一堂不得吃飯即時出院。僧問。國師喚侍者意作麼生。師曰。一盲引眾盲師有時喚僧某甲。僧應諾。師曰。點即不到。又別喚一僧。僧應諾。師曰。到即不點。師後為後唐莊宗師。莊宗一日謂師曰。朕收大梁得一顆無價明珠。未有人酬價。師曰。請陛下珠看。帝以手舒開幞頭腳。師曰。君王之寶誰敢酬價(玄覺徵雲。且道興化肯同光不肯同光。若肯同光興化眼在什麼處。若不肯同光過在什麼處)師滅後勅諡廣濟大師。塔曰通寂。

魏府興化存奨禅師、僧に問う―「何の処よりか来る。」言う―「崔禅の処より来た。」師が言う―「崔禅の喝を将て来るや否や。」言う―「将て来らず。」師が言う―「かくのごとくすればすなはち崔禅の処より来らず。」僧、これを喝す。師遂に打つ。師、衆に対して言う―「我ただ長廊も亦た喝し、後架も亦た喝すを聞く。諸子、お前盲喝乱喝するなかれ。たとえ興化を喝して半裏に住せしむとも、却って扑ち下りて気絶せんと欲す。興化の蘇息して起くるを待ちて、お前に向かっていまだ在らずと道わん。何を以ての故、我いまだかつて紫羅帳裏に向かって真珠を撒きてお前たちに与えず。虚空裏に乱喝して作么す。」師、克賓維那に対して言う―「お前、久しからずして唱道の師と為るべし。」克賓が言う―「者の保社に入らず。」師が言う―「会して入らず、会せずして入らず。」賓が言う―「総ぼてかくのごとからず。」師便ち打つ。乃ち言う―「克賓維那、法戦勝たず、銭五貫を罰し、一堂の飯を設けん。」明日に至りて師、自ら槌を白じて言う―「克賓維那、法戦勝たず、銭五貫を罰し、一堂の飯を設けん、飯を吃することを得ず、即時院を出でよ。」僧が問う―「国師の侍者を喚ぶの意は作麼生。」師が言う―「一盲、衆盲を引く。」師、時有りて僧の某甲を喚ぶ。僧、應諾す。師が言う―「点すればすなはち到らず。」また別に一僧を喚ぶ。僧、應諾す。師が言う―「到ればすなはち点さず。」師、後に後唐荘宗の師と為る。荘宗、一日師に対して言う―「朕、大梁を収めて一顆の無价の明珠を得たり、いまだ人の价を酬うる有らず。」師が言う―「陛下の珠を看るを請う。」帝、手を以て幞頭の脚を舒開す。師が言う―「君王の宝、誰か敢て价を酬えん。」(玄覚が徴して言う―「且く道え、興化は同光を肯んずるや肯んぜざるや。もし同光を肯んずれば、興化の眼は何の処に在る。もし同光を肯んぜざれば、過は何の処に在る。」)師、滅後、勅して広済大師と諡し、塔を通寂と曰す。

定州善崔禪師。州將王公於衙署張座請師說法。師升坐良久。謂眾曰。出來也打不出來也打。時譚空和尚出曰。崔禪聻。師曰。久立太尉珍重。便下坐。

定州善崔禅師。州将王公、衙署に於て座を張りて師を請じて法を説かしむ。師、坐に升ること良久、衆に対して言う―「出来るも亦た打ち、出来ざるも亦た打つ。」時に譚空和尚出でて言う―「崔禅聻か。」師が言う―「久しく太尉を立たしむ、珍重。」便ち坐を下る。

鎮州萬歲和尚僧問。大眾上堂合譚何事。師曰。序品第一。問僧家究竟如何。師曰。本來只是吹灰法。卻向灘頭卸卻衣。師訪寶壽。初見便展坐具。寶壽即下禪床。師乃坐彼禪床。寶壽驟入方丈。少頃知事白師曰。堂頭和尚已關卻門也。請和尚庫頭吃茶。師乃歸院。翌日寶壽來復謁。師踞禪床。寶壽展坐具。師亦下禪床。寶壽還坐禪床。師歸方丈閉關。寶壽入侍者寮內取灰。於方丈前圍三道而退。

鎮州万歳和尚。僧が問う―「大衆上堂、合に何事を談ずべき。」師が言う―「序品第一。」問う―「僧家、畢竟いかん。」師が言う―「本来ただ是れ吹灰の法、却って灘頭に向かって衣を卸却す。」師、宝寿を訪う。初めて見れば便ち坐具を展ぐ。宝寿、すなはち禅床を下る。師乃ち彼の禅床に坐す。宝寿、驟りて方丈に入る。少頃、知事、師に白して言う―「堂頭和尚、すでに門を関却せり。和尚に請うて庫頭に茶を吃せん。」師乃ち院に帰る。翌日、宝寿来りて復た謁す。師、禅床に踞す。宝寿、坐具を展ぐ。師も亦た禅床を下る。宝寿、還って禅床に坐す。師、方丈に帰りて関を閉ぢる。宝寿、侍者寮内に入りて灰を取り、方丈の前に於て三道を囲みて退く。

雲山和尚。有僧從西京來。師問。還得西京主人書來否。僧曰。不敢妄通消息。師曰。作家師僧天然有在。僧曰。殘羹殘菜誰吃。師曰。獨有闍梨不甘吃。其僧乃作吐勢。師喚侍者曰。扶出遮病僧著。僧便出去。

雲山和尚。僧有りて西京より来る。師が問う―「還って西京の主人の書を得て来るや否や。」僧が言う―「敢て妄に消息を通ぜず。」師が言う―「作家の師僧、天然有る在り。」僧が言う―「残羹残菜、誰か吃する。」師が言う―「独り闍梨のみ吃せんと甘んぜず。」その僧乃ち吐勢を作す。師、侍者を喚びて言う―「この病僧を扶け出でて着けよ。」僧便ち出で去る。

桐峰菴主僧問。和尚遙裡忽遇大蟲作麼生。師作吼聲。僧作怖勢。師大笑。僧曰。遮老賊。師曰。爭柰老僧何。有僧到菴前便去。師曰。闍梨闍梨。僧迴首便喝。師良久。僧曰。死卻遮老漢。師乃打之。僧無語。師呵呵大笑。有僧入菴把住師。師曰。殺人殺人。其僧推開曰。叫作麼。師曰誰。僧乃喝。師打之。僧出迴首曰。且待且待。師大笑。

桐峰庵主。僧が問う―「和尚ここに忽ち大虫に遇わば作麼生。」師、吼声を作す。僧、怖勢を作す。師、大笑す。僧が言う―「この老賊。」師が言う―「老僧を怎んぞ奈んせん。」僧有りて庵前に到りて便ち去る。師が言う―「闍梨、闍梨。」僧、首を回らして便ち喝す。師、良久す。僧が言う―「この老漢を死却せしめたり。」師乃ちこれを打つ。僧は語無し。師、呵呵として大笑す。僧有りて庵に入りて師を把住す。師が言う―「人を殺す人を殺す。」その僧、推开して言う―「何をか叫ぶ。」師が言う―「誰。」僧乃ち喝す。師、これを打つ。僧、出でて首を回らして言う―「且く待て且く待て。」師、大笑す。

杉洋菴主。有僧到參。師問。阿誰。曰杉注菴主。師曰。是我。僧便喝。師作噓聲。僧曰。猶要棒在。師便打。僧問。菴主得什麼道理後住此山。師曰。也欲通箇來由。又恐遭人點檢。僧曰。又爭免得。師乃喝之。僧曰。恰是。師乃打。其僧大笑而出。師曰。今日大敗大敗。

杉洋庵主。僧有りて到り参ず。師が問う―「阿誰。」言う―「杉洋庵主。」師が言う―「是れ我。」僧便ち喝す。師、嘘声を作す。僧が言う―「なお棒を要する在り。」師便ち打つ。僧が問う―「庵主、何の道理を得てこの山に住する後。」師が言う―「も亦た箇の来由を通ぜんと欲すれども、また人の点検に遭わんことを恐る。」僧が言う―「また怎んぞ免れ得。」師乃ちこれを喝す。僧が言う―「恰も是れ。」師乃ち打つ。その僧、大笑して出づ。師が言う―「今日は大敗大敗。」

涿州紙衣和尚初問臨濟。如何是奪人不奪境。臨濟曰。春煦發生鋪地錦。嬰兒垂髮白如絲。師曰。如何是奪境不奪人。曰王令已行天下遍。將軍塞外絕煙塵師曰。如何是人境俱不奪。曰王登寶殿野老謳歌。師曰。如何是人境俱奪。曰並汾絕信獨處一方。師於言下領旨。深入三玄三要四句之門。頗資化道。

涿州紙衣和尚。初め臨済に問う―「いかなるか人を奪い境を奪わざる。」臨済が言う―「春煦発生して地錦を鋪き、嬰児髪を垂れて白きこと糸の如し。」師が言う―「いかなるか境を奪い人を奪わざる。」言う―「王令すでに行われて天下遍く、将軍塞外に煙塵を絶つ。」師が言う―「いかなるか人境倶に奪わざる。」言う―「王、宝殿に登り、野老謳歌す。」師が言う―「いかなるか人境倶に奪う。」言う―「并汾信を絶ち、独り一方に処る。」師、言下に於て旨を領し、深く三玄三要四句の門に入り、頗る化道を資す。

虎谿菴主。僧到抽坐具相看。師不顧。僧曰。知道菴主有此機鋒。師鳴指一聲。僧曰。是何宗旨。師便摑之。僧曰。知道今日落人便宜。師曰。猶要棒在。有僧才入門。師便喝。僧默然。師打之。僧卻喝。師曰。好箇草賊。僧到不審。師曰。阿誰。僧喝。師曰。得恁麼無賓主。僧曰。猶要第二喝在。師乃喝之。有僧問。和尚何處人事。師雲。隴西人。僧雲。承聞隴西有鸚鵡還實也無。師雲是。僧雲。和尚莫不是也無。師便作鸚鵡聲。僧雲。好箇鸚鵡。師便棒之。

虎溪庵主。僧、到りて坐具を抽きて相看す。師、顧みず。僧が言う―「庵主のこの機鋒有るを知道す。」師、指を鳴らして一声す。僧が言う―「是れ何の宗旨ぞ。」師便ちこれを掴す。僧が言う―「今日、人の便宜に落つるを知道す。」師が言う―「なお棒を要する在り。」僧有りて纔かに門に入れば、師便ち喝す。僧、黙然。師、これを打つ。僧、却って喝す。師が言う―「好き箇の草賊。」僧、到りて不審す。師が言う―「阿誰。」僧、喝す。師が言う―「かくのごとき無賓主なるを得たり。」僧が言う―「なお第二の喝を要する在り。」師乃ちこれを喝す。僧有りて問う―「和尚、何処の人事。」師が言う―「隴西の人。」僧が言う―「隴西に鸚鵡有ると承聞す、還って実なりや無きや。」師が言う―「是。」僧が言う―「和尚、あながちまたなきや。」師便ち鸚鵡の声を作す。僧が言う―「好き箇の鸚鵡。」師便ちこれを棒す。

覆盆菴主問僧。什麼處來。曰覆盆山下來。師曰。還見菴主否。僧便喝。師便掌。僧曰。作麼。師又喝。一日有僧從山下哭上。師閉庵門。僧於門上畫一圓月相。師從菴後出卻從山下哭上。僧喝曰。猶作遮箇去就在。師便換手搥胸曰。可惜先師一場埋沒。僧曰。苦苦。師曰。菴主被謾。

覆盆庵主、僧に問う―「何の処よりか来る。」言う―「覆盆山下より来た。」師が言う―「還って庵主を見るや否や。」僧便ち喝す。師便ち掌す。僧が言う―「作么す。」師また喝す。一日、僧有りて山下より哭して上る。師、庵門を閉ぢる。僧、門上に一円月相を画く。師、庵後より出で、却って山下より哭して上る。僧、喝して言う―「なおこの去就を作る在り。」師便ち手を換えて胸を捶きて言う―「先師の一場の埋没を惜しむ。」僧が言う―「苦苦。」師が言う―「庵主、謾されり。」

襄州歷村和尚煎茶次。僧問。如何是祖師西來意。師舉茶匙子。僧曰。莫只遮便當否。師擲向火中。問如何是觀其音聲而得解脫。師將火筯打柴頭問。汝還聞否。曰聞。師曰。誰不解脫。

襄州暦村和尚、茶を煎ずる次。僧が問う―「いかなるか祖師の西来意。」師、茶匙子を挙ぐ。僧が言う―「ただこれ便ち当たるや否や。」師、火中に擲向す。問う―「いかなるかその音声を観じて解脱を得る。」師、火箸を将て柴頭を打ち、問う―「お前還って聞くや否や。」言う―「聞く。」師が言う―「誰か解脱せざる。」

滄州米倉和尚。州牧請師與寶壽和尚入廳供養。令人傳語。請二長老譚論佛法。壽曰。請師兄長老答話。師喝之。壽曰。某甲尚未借問何便行喝師曰。猶欠少在。壽卻與一喝。

滄州米倉和尚。州牧、師と宝寿和尚とを請じて庁に入りて供養さしめ、人をして語を伝えしめて曰く―「二長老に請うて仏法を談論せん。」寿が言う―「師兄長老に請うて話に答えん。」師、これを喝す。寿が言う―「某甲、いまだ借問せざるに、何ぞ便ち喝を行ずる。」師が言う―「なお欠少する在り。」寿、却って一喝を与う。

睦州陳尊宿法嗣

睦州陳尊宿の法嗣

睦州刺史陳操與僧齋次。拈起餬餅問僧。江西湖南還有遮箇麼僧曰。尚書適來吃什麼。陳曰。敲鍾謝響。又一日齋僧次躬行餅。僧展手接。陳乃縮手。僧無語。陳曰。果然果然。異日問僧曰。有箇事與上坐商量得麼。僧曰。合取狗口。陳自摑曰。操罪過。僧曰。知過必改。陳曰。恁麼即乞上坐口吃飯。又齋僧自行食次曰。上坐施食。上坐曰。三德六味。陳曰錯。上坐無對。又與寮屬登樓次。有數僧行來。一官人曰。來者總是行腳僧。陳曰。不是。曰焉知不是。陳曰。待近與問相次。諸僧樓前行過。陳驀喚上坐。僧皆迴顧。陳謂諸官曰。不信道。又與禪者頌曰。

睦州刺史陳操、僧と斎する次、糊餅を拈起して僧に問う―「江西湖南に還ってこの箇有るや。」僧が言う―「尚書、さきほど何をか吃せし。」陳が言う―「鐘を敲きて響を謝す。」また一日、僧を斎する次、躬ら餅を行く。僧、手を展げて接す。陳乃ち手を縮む。僧は語無し。陳が言う―「果然果然。」異日、僧に問うて言う―「箇の事有りて上座と商量することを得るや。」僧が言う―「狗口を合取せよ。」陳、自ら掴して言う―「操、罪過なり。」僧が言う―「過を知れば必ず改む。」陳が言う―「かくのごとくすればすなはち上座の口を乞いて飯を吃せん。」また僧を斎して自ら食を行く次、言う―「上座、食を施す。」上座が言う―「三徳六味。」陳が言う―「錯。」上座は対無し。また僚属と楼に登る次、数僧行き来る有り。一官人が言う―「来る者は総ぼて行脚僧なり。」陳が言う―「不是。」問う―「焉んぞ不是を知る。」陳が言う―「近づくを待ちて問わん。」相次いで諸僧、楼前を行り過ぐ。陳、蓦に上座を喚ぶ。僧皆回顧す。陳、諸官に対して言う―「道を信ぜず。」また禅者と頌して言う―

禪者有玄機機玄是復非

禅者に玄機有り、機玄は是れ復た非なり。

欲了機前旨鹹於句下違

機前の旨を了せんと欲すれば、咸く句下に於て違う。

前香嚴智閑禪師法嗣

前香厳智閑禅師の法嗣

吉州止觀和尚。問如何是毘盧師。師攔胸與一托。問如何是頓。師雲。非梁陳。

吉州止観和尚。問う―「いかなるか毘盧師。」師、胸を拦えて一托を与う。問う―「いかなるか頓。」師が言う―「梁陳に非ず。」

壽州紹宗禪師。問如何是西來意。師曰。好事不出門惡事行千里。有官人謂師曰。見說江西不立宗。師曰。遇緣即立。曰遇緣立箇什麼。師曰。江西不立宗。

寿州紹宗禅師。問う―「いかなるか西来意。」師が言う―「好事、門を出でず、悪事、千里を行く。」官人有りて師に対して言う―「江西に宗を立てずと見説す。」師が言う―「縁に遇えばすなはち立つ。」問う―「縁に遇いて箇の何をか立つ。」師が言う―「江西に宗を立てず。」

襄州延慶法端號紹真大師。官人問。蚯蚓斬兩段兩頭俱動。佛性在阿那頭。師展兩手(洞山別雲。即今問底在那箇頭。此又收在十一卷溈山下何也)。

襄州延慶法端、号は紹真大師。官人が問う―「蚯蚓を斬って両段と為すに、両頭倶に動く、仏性は阿那の頭に在る。」師、両手を展ぐ。(洞山が別に言う―「即今問う底は那箇の頭に在る。」これまた十一巻の潙山下に収む、何ぞや。)

益州南禪無染大師。問無句之句師還答也無。師曰。從來只明恁麼事。僧曰。畢竟如何。師曰。且問看。

益州南禅無染大師。問う―「句無きの句、師還って答うるや無きや。」師が言う―「従来ただかくのごとき事を明るむのみ。」僧が言う―「畢竟いかん。」師が言う―「且く問て看よ。」

益州長平山和尚。問視瞬不及處如何。師曰我眨眼也勿工夫。問如何是祖師意。師曰。西天來唐土去。

益州長平山和尚。問う―「視瞬の及ばざる処いかん。」師が言う―「我、眼を眨ぐもまた工夫無し。」問う―「いかなるか祖師意。」師が言う―「西天より来り、唐土に去る。」

益州崇福演教大師。問如何是寬廓之言。師曰。無口道得。問如何是西來意。師曰。今日明日。

益州崇福演教大師。問う―「いかなるか寛廓の言。」師が言う―「口無きに道得す。」問う―「いかなるか西来意。」師が言う―「今日明日。」

安州大安山清幹禪師。問從上諸聖從何而證。師乃斫額。問如何是祖師西來意。師曰羊頭車子推明月。

安州大安山清干禅師。問う―「上りよりの諸聖、何よりか証す。」師乃ち額を斫る。問う―「いかなるか祖師の西来意。」師が言う―「羊頭車子、明月を推す。」

終南山豐德寺和尚。問如何是和尚家風。師曰。觸事面牆。問如何是本來事。師曰。終不更問人。

終南山豊徳寺和尚。問う―「いかなるか和尚の家風。」師が言う―「事に触れて壁に面す。」問う―「いかなるか本来の事。」師が言う―「終に更に人に問わず。」

均州武當山佛巖暉禪師。問頃年有疾又中毒藥。請師醫。師曰。二宜湯一椀。又問。如何是佛向上事。曰螺髻子。

均州武当山仏巌暉禅師。問う―「頃年疾有り、また毒薬に中り、師に医を請う。」師が言う―「二宜湯一碗。」また問う―「いかなるか仏向上の事。」言う―「螺髻子。」

江西廬山雙谿田道者。問如何是啐啄之機。師以手作啄勢。問如何是西來意。師曰。什麼處得箇問頭來。

江西廬山双渓田道者。問う―「いかなるか啐啄の機。」師、手を以て啄勢を作す。問う―「いかなるか西来意。」師が言う―「何の処よりか箇の問頭を得た。」

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