科試占
作盤ガイド: 奇門遁甲作盤
論干支:日干原為應試人,時干卻是主考臨,日支文章忌刑害,時支場屋所寄陳,納音之中去査取,等第優劣可詳分,旺相生合為吉兆,刑囚攻截總遭迍,日生主文宜賄囑,主文生日宜中君,文章再興主文合,擲地金聲姓氏芬,惟忌時納遭刑制,只恐類窄有遺淪,兩支亦忌相刑害,傷驚塗抹要留心。
干支を論ず。日干は本來應試の擧子を代表し、時干は則ち臨場の主考を代表す。日支は作る所の文章を代表し、最も刑せられ害せらるるを忌む。時支は貢院の號舍を代表し、是れ身家の寄する所なり。さらに納音の中より查考せば、等第の優劣は就ち分れ明白なり。旺相・相生・相合は是れ吉兆、刑に逢い・囚に逢い・攻せられ截せられれば、總じて困頓に遭遇せん。日干が往きて主考を生ずれば、賄を行い請を託するに宜しい。主考が反って來たりて日干を生ずれば、則ちまさに高中すべし。文章の氣さらに旺なりて、また主考と相合せば、便ち地に擲ちて金石の聲を作す佳作にして、姓名自然に芬芳ならん。ただ時柱納音の刑を遭い制を受くるを忌み、ただ取中の類額の窄きがため遺漏せらるるを怕るのみ。日・時の兩支も亦互いに刑害するを忌む。傷門・驚門を見れば、還た卷面の塗抹・污損に留心すべし。
論值符:科試先須論值符,逢生合旺可進圖,朱白生身名高擢,勾蛇刑害卷胡塗,年命日元九天位,皇都得意唱傳臚。論直使:值使論門以後先,開遇九天御筆鮮,杜臨九地孫山外,景門臨之不列前,大約用門無刑格,旁類多吉副榜邊。
値符を論ず。科擧考試は先ず「値符」を論ずるを要し、生扶に逢い・合に逢い・旺に逢えば、便ち進取・圖謀すべし。「朱雀」「白虎」が來たりて自身を生ずるは、名次の高擢を主る。「勾陳」「螣蛇」が來たりて刑し來たりて害するは、卷面の糊塗・潦草を主る。もし年命と日干とが「九天」の位に落つれば、則ち京城・金殿に於て名を唱え臚を傳え、一擧に意を得んとす。値使を論ず。「値使」は八門を看て以て先後の次第を定む。開門が九天に遇えば、御筆親點にして鮮明・夺目を主る。杜門が九地に臨めば、則ち名は孫山の外に落つ。景門が九地に臨むも、も前列に排し入る能わず。大体に言えば、用うる所の門が刑に逢わず格を成さず、傍類また多く吉象なれば、副榜に名を列すること望み得。
論十干:奇儀用神怕刑格,飛伏宮次相推測,三奇湊聚年命間,來朝定作金榜客。論九星:符星起伏忌孤虛,背時擊刑總嗟吁,入父入官要身旺,獻策投書可曳裾。論九宮:起元專考飛伏宮,弱飛旺兮可從龍,官父互交多得意,比脫加臨可落空。
十干を論ず。三奇・六儀の取る所の用神は最も刑に逢い格を成すを怕れ、還た飛宮・伏宮の次第に就きて互相推測すべし。もし三奇が年命の間に湊聚せば、來日朝に入れば、必定に金榜に名を題するの客ならん。九星を論ず。値符の星の起と伏とは最も孤虚を忌み、時令に背離しまた「六儀擊刑」に遭えば、總じて歎息するのみ。星が父母の位・官鬼の位に入る時は、自身の旺相するを要し、かくの如く策を献じ書を投ずれば、方に龍門に登りて裾を曳き王門に入らん。九宮を論ず。起元は專ら飛宮と伏宮とを考え、弱より旺に飛ぶは、龍に攀り鳳に附くべし。官爻・父爻の互いに交會するは、多く稱心・得意し得。もし是れ比和・脫氣の象の加臨せば、則ち落空せんとす。
論門戶:將揭曉兮看天門,吉星生合步青雲,初入闈時看地戶,得令生官中舉人。論三甲:三甲區分前後中,陽開星吉與生身,得比堪言名已備,只從甲位寄奇蹤。
門戶を論ず。將に榜を放ち揭曉せんとする時は天門を看、吉星の來たりて生し來たりて合せば、便ち平步・青雲すべし。初めて闈に入り考に應ずる時は地戶を看、時令を得て而も官星を生扶するは、擧人に中り得。三甲を論ず。三甲は前・中・後の三段に分作し、陽に逢い・開に逢い・星吉にして而も自身を生扶するを佳と為す。もし比和の象を得ば、名次已に預備し下せりと説く可し。奇門の蹤跡に至りては、ただ値する所の甲位の上より寄托して推尋す。
論吉凶格:返首跌穴,無疵方得成名。虎狂龍走,有傷那能進步。天遁人遁,際會風雲之客。虎遁龍遁,蟾宮折桂之人。俱要填合年命用干,始可斷其天衢得路。三詐五假,從前折挫始亨通。得使守門,旁求公薦方得意。門戶忌傷符使,人元最怕休囚,天馬上乘朱雀,泥封已出天衢,夭矯而文不入式,投江而卷或漏遺,伏干飛干只疑場屋生變,飛宮伏宮又懼試後興殃,格隔進呈有阻,刑悖字號宜防,熒入白兮不第,白入熒兮不揚,不遇徒勞獻策,擊刑反惹驚惶,入墓網羅,年命吉而可言中。反伏門迫雖入試,而未免狼當。天乙祿馬乘吉,時來生命自飛黃。
吉凶・格局を論ず。「青龍返首」「飛鳥跌穴」を得れば、毫も瑕疵なくして乃ち名を成すべし。「白虎猖狂」「青龍逃走」に逢えば、既に傷を受けたり、何ぞさらに一歩を進め得んや。「天遁」「人遁」を得れば、是れ風雲際會の客なり。「虎遁」「龍遁」を得れば、是れ蟾宮に桂を折る人なり。但しこれらは皆年命と用うる所の干と實を填め相合せば、乃ち彼が天衢・仕路に登ると斷じ得。「三詐」「五假」を得れば、先に挫折を受けて後に亨通するを主る。「三奇得使」と「玉女守門」を得れば、須く傍より公薦を求めて乃ち如意なるを得。門戶は最も値符・値使を傷つくるを忌み、人元は最も休囚に落つるを怕る。「天馬」の上に「朱雀」を乘するは、封詔已に出で喜信途に在るの象なり。「螣蛇夭矯」に逢えば、文章は程式に合せず。「朱雀投江」に逢えば、卷子はあるいは漏落・遺失せん。「伏干」「飛干」に逢えば、ただ考場の中に變を生ぜんを怕る。「飛宮」「伏宮」に逢えば、また恐らく考後別に禍殃を生ぜん。格に逢い隔に逢えば、卷子の進呈は阻まる。刑に逢い悖に逢えば、須く號舍・字號の岔を出さんを防ぐべし。「熒入白」に逢えば、第に落ちて中らず。「白入熒」に逢えば、も顯揚し難し。「五不遇時」に逢えば、策を献ずるも徒勞なり。「六儀擊刑」に逢えば、反って驚慌を招く。入墓と羅網に落つるとは、もし年命本吉なれば、倒って中式と説く可し。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、場に入ると雖も、も狼狽を免れ難し。もし「天乙」と禄神・驛馬とが吉神に乘ずれば、時運一到すれば、本命を生扶して、自然に一たび飛びて天に冲らん。
求財占
論干支:日元為人時元財,兩支中間債物船,納音之中定市價,孤虛旺相著裁量。日尅時兮財可就,時尅日兮腦心懷,買貨時支分貴賤,生合人元可買來,賣貨日支分休旺,最喜生支又作財,日納如若尅時納,倍息生意此一回,時納若尅於日納,空費心機事不諧,一切藝術圖謀事,亦喜時生鬼化財,大抵上下無刑害,始終如意不須猜,索債取捕他受制,支納生干可得來。
干支を論ず。日干は財を求むる人を代表し、時干は財物を代表し、日支・時支の間は則ち債務・貨物と舟車を代表す。市價の高低は納音の中より判定し、さらに孤虚と旺相とを合して斟酌・裁量す。日干が時干を剋せば、財は手に到る可し。時干が日干を剋せば、就ちただ空しく心を掛くるのみ。貨を買うは時支を看て以て貴賤を分かち、時支が人元を生合するは、この貨は買い得。貨を賣るは日支を看て以て休旺を分かち、最も日支の來たりて生じて而も財爻に化作するを喜ぶ。日柱納音もし時柱納音を剋せば、この一回の生意は加倍の利を得べし。時柱納音が反って日柱納音を剋せば、則ち空しく心機を費して事情は諧せず。凡そ百工・技藝と謀劃の事も、亦時干の來たりて生じ、官鬼の財星に化するを喜ぶ。大体ただ上下相刑害せざれば、始より終に至るまで皆如意にして、猜疑するに及ばず。債を索ぐと緝捕とに至りては、對方の我の制服を受くるを要す。干支・納音の來たりて日干を生ずるは、錢と人と皆取りて回り得。
論值符:值符貨物交易情,或生或旺休廢刑,賣貨生旺宜售客,買貨休囚當速成,六合中人忌尅休,勾如傷用必遲行,元朱傷人防失脫,又恐腐爛貨不真,九地生身宜堆積,九天生合賣遂心,就使空拳去覓利,亦喜符旺又相生。
値符を論ず。「値符」は貨物の交易の情形を主り、須くそれが相生か旺相か、是れ休廢か刑を受くるかを分かつべし。貨を賣る時に値符が生旺なれば、正しく客商に出手して售るに宜しい。貨を買う時に値符が休囚なれば、反って速かに成交するに當る。「六合」は間に居る中人を代表し、その剋せられ休せらるるを忌む。「勾陳」もし用神を傷てば、交易必定に遲延せん。「玄武」「朱雀」が人を傷てば、貨物の失竊・走脫を防ぐを要し、また恐らく貨は已に腐爛し成色真ならざらん。「九地」が自身を生扶すれば、囤積・居奇するに宜しい。「九天」が來たりて生し來たりて合すれば、貨を出せば便ち稱心す。たとえ空手にて利を謀り往くも、ただ値符の旺相にして而も來たりて生ぜば、も一樣に指望あり。
論值使:值使求財出八方,門無傷尅利偏安,吉門更臨生旺地,腰纏千萬可行藏,若得用門守財令,坐賈行商不用忙。論十干:奇儀詳兮子與財,子旺財生可遂懷,最喜財庫命臨身,到手時日此中該。
値使を論ず。「値使」は八方に向かいて財を求むるを主り、用うる所の門が傷剋を受けざれば、たとえ偏遠の地に在るも利あり。吉門さらに生旺の地に臨めば、便ち腰に萬貫を纏め、來去從容たるべし。もし用うる所の門が正しく財令を守れば、則ち坐商・行商皆忙ぐるに及ばず。十干を論ず。三奇・六儀は子孫爻と妻財爻とを詳辨するを要し、子孫旺なりて財爻の生を得れば、願う所は遂う可し。最も財庫と本命と自身の上に臨むを喜ぶ、何時に手に到るかは、就中此に在りて推求す。
論九星:符星喜旺制財星,財星空旺總勞神,財星化鬼君休覓,鬼化為財白手覆,若還飛入比肩地,其間必定有分爭,財星若去投子舍,我到其方必獲成。論九宮:起元分辨是何財,土宜布菽栗鹽諧,水木經商火窰冶,金為錢榖珠玉該,時日會元乘生旺,此時端的遂心懷,只有飛伏臨何處,便察從何得將來。
九星を論ず。値符の星は旺なるを宜しとし、財星を制し得住ること能くして乃ち好し。財星旺なりと雖も卻て空に落つれば、終竟に精神を白費す。財星の官鬼に化するは、この財は就中求め往くに及ばず。官鬼が反って財に化するは、白手にて起家し得。財星もし比肩の地に飛入せば、その間必ず財を爭奪し分くる事あらん。財星もし子孫の位に投向せば、我あの方位に往けば、必定に求め得ん。九宮を論ず。起元は用いて求むる所は何種の財かを分辨す。土は布帛・豆麥・粟米と鹽を主り、水と木は經商・販運を主り、火は窯冶・燒造を主り、金は錢糧と珠玉を主る。時と日と元宮に會して生旺の氣に乘ずれば、この時財を求めて端的に稱心す。財は何處より來るに至りては、ただ飛宮・伏宮の哪一處に臨むかを看れば、便ち察知し得。
論門戶:門戶莫與財元刦,生助財宮方安貼,符元更制門戶上,青蚨多翼方門歇。論三甲:孟甲原宜去求財,仲甲半喜遂心懷,季甲欲求求未得,開闔中間得失裁。
門戶を論ず。門戶は財元と相劫奪すべからず、須く財宮を生助し得て、乃ち安穩・妥帖と算す。もし値符の元が反って門戶を制住せば、あれは便ち錢財の翅を生じて飛去り、門戶の歇息するに至りて方に休まん。三甲を論ず。孟甲は本來門を出て財を求むるに宜しい。仲甲は半吉にして、なお稱心すべし。季甲は則ち求めんと想うも求め得ず。得失・多少に至りては、還た開と闔との間より裁定するを要す。
論吉凶:返首跌穴,垂手可得。虎狂龍走,枉自逢迎。得遁格,機變而取。逢詐假設計以求,得使而中人效力,守門而坐賈偏宜,三門四戶最宜生合,財神天馬私門不宜刑沖。符命、妖矯,而人情反覆。投江而售賣不行。伏宮飛宮,此地不比他地。伏干飛干,此人不比那人。大小格難以覓利,刑悖隔就早抽身,熒入白兮宜買貨,白入熒兮賣稱情,不遇空費心力,擊刑此處難求。入墓、羅網,縱見利而不能得手。反伏、門迫,雖懷寶而難入亂邦。最要持納符元,三才合式不逢鬼刦為詳。
吉凶・格局を論ず。「青龍返首」「飛鳥跌穴」を得れば、財は手を垂れて得べし。「白虎猖狂」「青龍逃走」に逢えば、一味に逢迎するも亦白搭なり。遁格を得れば、機に隨り變に應じて取るに宜しい。詐局・假局に逢えば、計を設けて謀求するに宜しい。「三奇得使」を得れば、中人は肯んじて汝のために力を出さん。「玉女守門」を得れば、地に坐して鋪を開くは尤も相宜なり。「三門四戶」は最も相生・相合するに宜しく、財神・「天馬」と地私門とは則ち刑せられ冲せらるるに宜しからず。値符・本命が「螣蛇夭矯」に逢えば、人情の反復・無常を主る。「朱雀投江」に逢えば、貨物は售賣し出さず。「伏宮」「飛宮」に逢えば、此地の行情は別處に同じからず。「伏干」「飛干」に逢えば、此人の心性はあの人に同じからず。「大格」「小格」に逢えば、利を覓ること難し。刑格・悖格と隔格に逢えば、就中早く身を抽くべし。「熒入白」に逢えば買進するに宜しく、「白入熒」に逢えば賣出するに宜しく、正しく心意に稱う。「五不遇時」に逢えば、心力を白費す。「六儀擊刑」に逢えば、此處は求め難し。入墓と羅網に落つるは、たとえ利頭を見るも拿り手に到らず。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、珍寶を懐くと雖も、も亂邦に入りて交易すること難し。最も緊要なるは納音と値符の元とを把住するにして、務めて三才の配合合式を求め、官鬼の劫奪に遭わざれば、あれは乃ち周詳と算す。
巻十三
行人占
論干支:推測行人來不來,只從時日細安排,時元合生日元上,逢制日支軍馬回,又喜時支作日馬,日支合馬歸時下,若使時馬繫日支,投墓支干定返期,最忌截空與刑墓,死絕多應音信稀,日音時納去留人,納音生合已登程,時音來尅日干納,行人飛驥在武陵,干納尅制用時納,縱慾動身又怕行,更詳臨官占驛馬,三合時日察歸情。
干支を論ず。門を出た人が回來するか否かを推測するに、ただ日・時の兩柱の上より細かに安排す。時元が來たりて日元を生合するは、行人に歸意あり。日支もし剋制を受くれば、あれは行人が軍馬の如く折返するなり。また時支が正しく日干の驛馬なるを喜び、あるいは日支と驛馬と相合して時下に歸するを喜ぶ。もし時上の驛馬が正しく日支に係すれば、さらにそれが何處の墓庫に投入するかを看て、便ち歸期を定め得。最も截空と刑墓を忌み、死絕の地に落ち入れば、多半に音信も亦稀少ならん。日柱納音と時柱納音との關係は去留を定め得。納音相生・相合すれば、人は已に路に上れり。時柱納音が來たりて日干納音を剋すれば、行人快馬に鞭を加えて已に近處に到るを主る。日干納音が反って時柱納音を剋せば、則ちたとえ身を動かさんと想うも終竟に敢えて走らず。このほか還た臨官の位を詳推し、驛馬を占看し、併せて三合をもって日時を參合し、その歸期を察すべし。
論值符:值符所推論行人,旺相逢生必稱心,休囚刑尅豈得意,空亡在後想家門,勾白朱蛇逢尅制,多般遲滯是非生,元武太陰如生合,又疑陰小絆行程,五馬如投天與地,歸鞭已拂嶺頭雲。
値符を論ず。「値符」を用いて行人を推すに、旺相にして而も生扶に逢うは、必定に稱心して歸來せん。休囚に落ちまた刑せられ剋せられれば、何ぞ如意ならんや。もし値符が空亡に落ちて後位に在れば、あれは行人の家門を思念するも未だ身を動かさざるなり。「勾陳」「白虎」「朱雀」「螣蛇」に逢いて剋制せらるるは、路上多く遲滯と是非あり。「玄武」「太陰」が來たりて生し來たりて合するは、また疑うらくは是れ婦人・小人に行程を絆住せらるるなり。もし驛馬が「九天」「九地」の位に投入せば、則ち歸鞭已に嶺頭の雲頭を拂りて、人は將に到らんとす。
論值使:值使斷可斷行蹤,門合來方歸意濃,惟忌驚傷與杜死,刑格迫伏未回蹤,開休生景乘天忌,加臨干符墓相逢。論十干:十干時兮所望親,用神乘馬始來臨,馬阻關東歸未得,馬過山谷喜相尋。
値使を論ず。「値使」は行人の蹤跡を斷じ得。用うる所の門と來人の在る所の方位と相合せば、歸意就ち濃し。ただ驚門・傷門と杜門・死門を忌み、さらに刑格・門迫と「伏吟」に遇えば、人は便ち未だ回轉の蹤影なし。開・休・生・景の四門が天忌の時に乘じ、あるいは乾宮・値符に加臨し墓地と相逢するに至りては、も皆吉ならず。十干を論ず。十干と時辰の主る所は、正しく是れ盼望する所の親人なり。用神が驛馬に乘れば、人は乃ち到來せん。驛馬もし關隘に阻まれれば、人は還た回來せず。驛馬已に山谷を過ぎれば、あれは就ち歓喜して相候すべし。
論九星:九星南北與西東,來旺投生在外棲,入墓加比營歸計,前程空絕必回廬。論九宮:起元伐問去何方,卻將本局所推詳,議歷過來搜父比,此官此日合回鄉。
九星を論ず。九星は東西南北の四方を分主し、もし行人の値する所の星が來たりて旺地に居り生方に投ずれば、あれは彼が還た外に在りて棲留せんとするなり。もし入墓し、あるいは比和の宮に加臨せば、便ち是れ歸計を盤算する中なり。もし前程の位が空に落ち絕に臨めば、則ち必定に家に回らん。九宮を論ず。起元は用いて行人の何方に去りしかを推問す、仍ほ本局に就きて細かに推詳するを要す。逐一に歷る所の宮を議過し、父母爻と比肩爻とを搜尋せば、便ち哪一宮・哪一日に當りて鄕に回るべきかを知らん。
論門戶:門戶要合符與門關,時日驛馬可搜尋,要看加臨何親屬,加合占人評來臨。論三甲:行人孟闔未登程,仲甲開兮路宿云,季甲值開人便到,本甲之上考門時,喜時日干支門符坐馬來馬又杳,又行人類神年命相生相合,而甲門內開不闔,大為準到也。
門戶を論ず。門戶は値符および門關と相合するを要し、さらに時・日と驛馬の上より消息を搜尋し、還たそれが哪一位の親属の上に加臨するかを看るべし。凡そ占問の人と相合するは、就ち彼が何時に到來するかを評斷し得。三甲を論ず。行人を占うに孟甲に逢いて闔に値すれば、人は未だ身を動かさず。仲甲に逢いて開に値すれば、人は正しく途中に在りて宿に投す。季甲に逢いて開に値すれば、人は馬上に就中到らん。總じて本甲の上に於て門と時とを考察するを要す。最も時・日の干支と門・符と皆驛馬の上に坐するを喜ぶ。もし驛馬來たりて又杳として蹤跡なければ、便ち準と作さず。また有り、行人の類神と年命と彼此相生・相合して、而も値する所の甲の門は內開して闔せざれば、則ち十拿九穩、人必定に到らん。
論吉凶格:返首跌穴早已束裝,其中遲速刑合參詳,虎狂兮羈留而不返,龍走兮蹭蹬不歸鄉。遁格合時日兩元可以言到,詐假會白虎朱蛇,書信必來。蛇夭而道路災疫,投江而歸計彷徨,飛干伏干來情不善,伏宮飛宮客若遐荒,大小格而遷延時日,刑悖格而彼此俱傷,白入熒而行人將到,熒入白而書信皆亡,不遇何須盼望,擊刑有事相妨,入墓無傷可云到宅,羅網相格莫斷回鄉,返伏門迫須分行人遠近,若合驛馬臨宮,反主去客登堂。
吉凶・格局を論ず。「青龍返首」「飛鳥跌穴」を得れば、行人は早く已に行裝を收拾せり、快慢に至りては、還た刑と合とを參詳するを要す。「白虎猖狂」に逢えば、人は羈留して返らず。「青龍逃走」に逢えば、蹉跎して外に在りて歸らず。遁格を得て而も時・日の兩元に合するは、彼が家に到ると斷じ得。詐局・假局に逢いて「白虎」「朱雀」「螣蛇」に會するは、書信必ず到らん。「螣蛇夭矯」に逢えば、途中に災病・瘟疫あり。「朱雀投江」に逢えば、歸計は彷徨・不定なり。「飛干」「伏干」に逢えば、來意善ならず。「伏宮」「飛宮」に逢えば、遙遠・荒僻の地に客居す。「大格」「小格」に逢えば、行期は一再に拖延す。刑格・悖格に逢えば、彼此皆損傷を受く。「白入熒」に逢えば、行人將に到らんとす。「熒入白」に逢えば、書信をも斷絶せん。「五不遇時」に逢えば、盼望するに及ばず。「六儀擊刑」に逢えば、別に事情の妨礙あり。入墓して傷剋を受けざれば、已に家に到れりと説く可し。天羅・地網に落ちまた格に逢うは、則ち彼が鄕に回ると斷ずる勿れ。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、須く行人の遠か近かを分清すべし。もし正しく驛馬の宮に臨むに合せば、反って外客の門に登るを主る。
出行占
論干支:日元為人時元地,人元尅地去向利,時元如若尅人元,所往之方多不濟,時納所藏是中途,不傷人元堪策驥,若得再來生日元,未到地頭先稱意,最忌截空與刑害,進退趦趄方另議。
干支を論ず。日元は出行の人を代表し、時元は往く所の地を代表す。人元が地元を剋し得住れば、此行方向に利あり。時元もし反って人元を剋せば、往く所の方は多半に事を濟さず。時柱納音の藏する所は、是れ途中の情形にして、人元を傷つけざれば、就ち馬を放ちて前行すべし。もし還た來たりて日元を生ずれば、則ち人は未だ目的地に到らざるに、一路上已に稱心せん。最も截空と刑害を忌み、一旦これを犯せば、進退・遲疑して、就中別に商議を作すを要す。
論值符:出行道行宜生旺,六合所主同伴當,勾陳白虎依程途,朱蛇文信口舌項,元武所主盜與奸,前後俱忌相利創,地陰尅制路多岐,九天生合宜去向。論值使:出行直使最為重,加臨無傷始堪用,本門起自何卦中,飛臨生合人趨奉,其間用空與落空,反伏迫格及刑沖,起程不得去無向,勸君另自卜門從。
値符を論ず。出行の時道路・行程は生旺の地に居るに宜しい。「六合」は同行の伴侶を主る。「勾陳」「白虎」は沿途の路況を主る。「朱雀」「螣蛇」は文書・信件と口舌・是非を主る。「玄武」は盜賊と奸宄を主り、行程の前後皆その來たりて傷害するを忌む。「九地」「太陰」の剋制は、路の歧途多きを主る。「九天」の來たりて生し來たりて合するは、則ち往く所の方向は相宜なり。値使を論ず。出行は「値使」をもって最も緊要と為し、須く加臨して傷なくして乃ち取用すべし。まず本門の哪一卦より起こるかを看て、飛臨する處もし來たりて生し來たりて合せば、一路自ら人の趨奉・照應するあらん。その間もし用うる所の門が空に落ち、あるいは「返吟」「伏吟」・門迫・成格および刑冲に逢えば、則ち身を動かすを得ず去りて向かう所なし、人に勸めて別に一門を占してさらに打算を作るを要す。
論十干:奇儀所主六親神,旅舍風塵亦同因,圖謀宜入財宮位,投托須臨父舍恩,忌入官鄉與刑格,再據地方車折輪。
十干を論ず。三奇・六儀は各々一位の六親の神を主り、旅途中の客舍・風塵も亦此に由りて推知す。もし財利を圖謀するがために行かば、用神は財宮の位に落ち入るに宜しい。もし親に投じ友に託するがために行かば、用神は須く父母の位に臨みてその恩養を得べし。最も用神の官鬼の鄕に落ち入り、また刑格に逢うを忌み、さらに往く所の地方に據りて推せば、恐らく車輪をも半路に折斷せん。
論吉凶格:吉格事事俱吉,凶格事事俱凶,夭矯防口舌,投江莫長驅,伏干飛干途中前後有變,伏宮飛宮早晚旅宿多殃,大隔小隔舟車宜有防,刑格悖格盜刦鬥傷,熒入白而火盜留意,白入熒而輜重提防,不遇何勞遠去,擊刑莫求行裝,入墓羅網切莫輕身險地,反伏門迫進退受困,奔必求符便協吉,助元無礙起行。
吉凶・格局を論ず。吉格に逢えば則ち事事皆吉、凶格に逢えば則ち事事皆凶なり。「螣蛇夭矯」に逢えば、口舌を防ぐを要す。「朱雀投江」に逢えば、長驅・遠行すべからず。「伏干」「飛干」に逢えば、途中の前前後後皆變を生ぜん。「伏宮」「飛宮」に逢えば、早晚に旅店に投宿して多く禍殃あらん。「大隔」「小隔」に逢えば、舟車は須く多く提防を加ふべし。刑格・悖格に逢えば、恐らく盜劫と鬬毆に遭い身を傷けん。「熒入白」に逢えば、火災と盜賊とに留意を要す。「白入熒」に逢えば、隨行の行李・輜重を提防するを要す。「五不遇時」に逢えば、何ぞ遠行せんや。「六儀擊刑」に逢えば、行裝も亦收拾するに及ばず。入墓と天羅・地網に落つるは、切に身を輕んじて險に渉る勿れ。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、進退兩難にして困を受く。要するに急いで奔走する時、務めて値符と自己と相協して吉を得、元神に助ありて阻碍なきを求め、方に程を起こすべし。
家宅占
論值符:值符,宅艮山向。螣蛇,向小婢、驚癲。太陰,女婢。六合,子女弟兄、親友。勾陳、白虎,奴婢、道路。朱雀、元武,光棍、口舌、盜賊、小人。九天,明堂。九地,暗室。值使:休,坎宅門路。生,艮宅門路。傷,震宅門路。杜,巽宅門路。景,離宅門路。死,坤宅門路。驚,兌宅門路。開,乾宅門路。
家宅を占うに、まず八神の主る所を分つ。「値符」は宅基と坐山・朝向を主る。「螣蛇」は朝向の對する處・家中の小婢および驚悸・癲狂の事を主る。「太陰」は婢女を主る。「六合」は子女・兄弟と親友を主る。「勾陳」「白虎」は奴僕と門前の道路を主る。「朱雀」「玄武」は無賴・光棍・口舌・盜賊と小人を主る。「九天」は宅前の明堂を主る。「九地」は宅中の暗室を主る。さらに八門をもって八種の宅式の門路を分主す。休門は坎宅の門路を主り、生門は艮宅を主り、傷門は震宅を主り、杜門は巽宅を主り、景門は離宅を主り、死門は坤宅を主り、驚門は兌宅を主り、開門は乾宅を主る。
十干:甲,棟柱。乙,樑柱、福欞、東門、臥榻。丙,香火堂。丁,屈灶。戊,牆院、厰房。己,住居、天井、房屋。庚,過道、屋脊、爐鐺。辛,團積、戶牖、釜甑。壬,小路、門扇、井。癸,廁後門路。九星:蓬,房屋、亭院、神、中男、婦女。任,少男、道士、道路。沖,長男、經紀、戶牖、棺。輔,長女、僧尼、鼎筺。英,中女、堂室。芮,老脊、道路、井、院。禽,母姨、堂室。柱,少女、門戶、父叔、廁、閣。心,牆。
さらに十干の主る所の宅中の物を分つ。甲は棟梁の柱子を主る。乙は梁柱・福櫺の窗格・東門と臥榻を主る。丙は香火を供奉する堂屋を主る。丁は曲折の灶を主る。戊は圍墻・庭院と廠房を主る。己は起居の正屋・天井と房舍を主る。庚は過道・屋脊と爐鐺を主る。辛は囤積の處・門窗と釜甑の炊具を主る。壬は小路・門扇と水井を主る。癸は廁所と後門の通路を主る。さらに九星の主る所の人と物を分つ。天蓬は房屋・亭院・神位・中男と婦女を主る。天任は少男・道士と道路を主る。天冲は長男・經紀・門窗と棺木を主る。天輔は長女・僧尼と鼎筐を主る。天英は中女と堂室を主る。天芮は屋脊老舊・道路・水井と庭院を主る。天禽は姨母と堂室を主る。天柱は少女・門戶・父輩・叔輩・廁所と樓閣を主る。天心は墻垣を主る。
九宮:一,得令,秀整委曲;失令,高低參差。二,得令夫圓寬廣。三,得令高低中院;失令,大破低路。四,節申子辰,氣巳酉丑。五,節居中四維土,氣居中四庫土。六,節寅午戌近岡冶,氣亥卯未近橋樑。七,得令,四齊院密;失令,缺凹破敗。八,失令,傾頹凸凹。九,得令,曲直新鮮;失令,衰析中。
さらに九宮の主る所の宅形を分つ。一宮が令を得れば、屋宇清秀・齊整にして曲折有致なり。令を失えば、則ち高低參差して齊しからず。二宮が令を得れば、宅形圓滿・寬廣なり。三宮が令を得れば、是れ高低相間の中庭・院落なり。令を失えば、則ち大處破敗・道路は低窪なり。四宮は節氣の申子辰と巳酉丑に應じ、五宮は中に居り四維の土と四庫の土に應じ、六宮は節氣の寅午戌に應じ、宅は山岡・冶煉の處に近く、亥卯未に應ずれば則ち宅は橋梁に近し。七宮が令を得れば、四面齊整・院落嚴密なり。令を失えば、則ち角を缺き凹陷し、破敗堪えざらん。八宮が令を失せば、房舍の傾頹し地面の凹凸するを主る。九宮が令を得れば、屋宇曲直分明にして嶄新・鮮潔なり。令を失えば、則ち衰敗・拆裂す。
門戶:朱白忌登天門,勾元忌居地戶。門戶合陽星旺相者宅宇宮,門戶合陰星休囚者軒昂宮。三甲:孟甲前門路,開旺光明,闔囚歪破。仲甲門堂,陽開整齊,陰闔破漏。季甲後門牆,開旺壁光心,闔破損壞。
門戶の法。「朱雀」「白虎」の天門に登るを忌み、「勾陳」「玄武」の地戶に居るを忌む。門戶が陽星に配して旺相なるは、宅第寬敞・宏麗なり。門戶が陰星に配して休囚なるは、その屋外表は軒昂なりと雖も、內裏は卻て虚なり。三甲の法。孟甲は前門と門前の道路を主り、開に逢いて旺なれば則ち光明・暢達し、闔に逢いて囚なれば則ち歪斜・破敗す。仲甲は門堂を主り、陽に逢いて開なれば則ち整齊し、陰に逢いて闔なれば則ち破漏す。季甲は後門と圍墻を主り、開に逢いて旺なれば則ち墻壁光潔・完好し、闔に逢えば則ち破損・坍壞す。
論干支:日干為人時干宅,人宅相生多利益,人若尅宅庶可居,宅若傷人住不得,納音生尅與刑沖,較取年命定禍福,值符從中作生授,福神到堂喜安逸。
干支を論ず。日干は居住の人を代表し、時干は宅舍を代表す。人と宅と相生せば、多く利益あり。人が宅を剋すれば、なお居住すべし。宅もし反って人を傷てば、この屋は就ち住む可からず。さらに納音の生剋・刑冲を取りて、本人の年命と比較し、此に據りて禍福を斷定す。もし「値符」が中より生扶・傳授の勢を作せば、あれは便ち福神の堂に到る、一家安逸にして喜ぶ可し。
論值符:占宅直符逢休廢,人眷房宇疑衰替,飛宮上下兩無傷,前後新舊皆遂意。論值使:直使得來怕悖迫,尅儀落宅及反伏,水木漂流火金勞,土值刑傷災疫逐,金水刑囚露風聲,木火猖狂防回祿,開杜生死若失宜,算來門向須改革。
値符を論ず。宅を占う時「値符」もし休氣・廢地に落つれば、家眷と房舍と皆衰敗・凋替せんとす。もし飛宮上下兩方とも傷を受けざれば、則ち前後の房舍・新舊の屋宇皆稱心・如意なり。値使を論ず。「値使」は最も「悖格」と門迫に逢うを怕れ、も六儀を剋し、宅位に落ちおよび「返吟」「伏吟」に遇うを怕る。水木に属するは漂泊・流蕩を主り、火金に属するは勞碌・奔忙を主り、土に属して刑傷に遭うは、災病・瘟疫の連綿として斷えざるを主る。金水が刑を受け囚を受ければ、家中の醜事の外泄を主る。木火が猖狂すれば、則ち火災を防ぐを要す。開・杜・生・死の四門もしその宜しきを失せば、算めて來ればこの宅子の門向は就中改建すべきなり。
論十干:三奇六儀所臨宮,逢生乘旺必興隆,刑墓空亡隔悖害,休咎其間斷來蹤。論九星:九星五行古六親,得旺無傷喜慶新,反伏二吟刑囚星,宅眷災迍當新尋。論九宮:九宮起元論風水,乘旺臨生為福秘,假令飛符入鬼鄉,從旁休谷因類取。
十干を論ず。三奇・六儀の臨む所の宮が、生扶に逢い旺相に乘ずれば、家道必定に興隆せん。もし刑に逢い・墓に逢い・空亡に落ちおよび隔・悖・害せば、その間の休咎は就ち此に照らしてその來龍・去脈を斷ず。九星を論ず。九星は五行に按じて六親を配定し、旺相を得て傷剋を受けざれば、新たに喜慶を添うるを主る。もし「返吟」「伏吟」に逢い、星辰また刑せられ囚せられれば、則ち家眷に災あり、就中別に新居を尋ぬるべし。九宮を論ず。九宮の起元は用いて宅地の風水を論ず、旺相に乘じ生氣に臨むは便ち福地の秘訣なり。假使飛宮の値符が官鬼の鄕に落ち入れば、就中傍宮の休咎より類に按じて斷を取るを要す。
論吉凶格:虎入門兮離散,雀帶刑兮吏追,勾刑門兮宅禍,虎害干兮人追,蛇附蓬星值戰,小口驚癇憂疑武會,任宿當權匪人邪祟作孽,六合天柱子女怨尤,太陰英景寵婢竊位,九地庚辛為伏刃。若遇驚傷帶利害,而暗中有損。九天丙丁為飛牒。若乘甲乙蓬尅戰,而光棍須防。朱雀再附丙丁,喧爭聒耳。元武更乘壬癸,宵小跳梁。白虎得地而凶勢愈張,戊己勾陳刑沖而破敗立見,燒尾之虎先凶後吉,入土之蛇蟄後須防。
吉凶・格局を論ず。「白虎」が門に入れば、家人の離散を主る。「朱雀」が刑を帶ぶれば、胥吏の門に上りて追比するを主る。「勾陳」が門戶を刑剋すれば、宅中に禍を生ずるを主る。「白虎」が用干に害及せば、人の追逼する有りを主る。「螣蛇」が「天蓬」に附して相戰の勢と成れば、小兒の驚風・癇症を主る。さらに「玄武」と會合せば、便ち憂疑を添う。「天任」が權に當れば、匪人と邪祟の作怪を主る。「六合」が「天柱」に逢えば、子女の心に怨尤を懷くを主る。「太陰」が天英・景門に逢えば、寵婢の僭越・竊位を主る。「九地」が庚辛に逢えば、是れ伏藏の刀刃にして、もしさらに驚門・傷門に遇い利害を帶ぶれば、暗中に損を受くるを主る。「九天」が丙丁に逢えば、是れ飛來の文書にして、もし甲乙と天蓬と相剋戰に乘ずれば、則ち須く無賴・光棍を防ぐべし。「朱雀」がさらに丙丁に附すれば、喧鬧・爭吵休まざるを主る。「玄武」がさらに壬癸に乘ずれば、宵小の徒の跳梁・作亂を主る。「白虎」が地を得れば、凶勢愈々張揚せん。戊己と「勾陳」と刑冲に遭えば、破敗立時に見る可し。燒尾の虎に至りては、先に凶して後に吉。土に入るの蛇は、蟄伏の後仍ほ須く提防すべし。
又論吉凶格:返首宅宇軒昂,跌穴雕樑畫棟,藏風聚氣。遁格裡參詳拱護有情。詐局中理會,得使而堂構森嚴,守門而家居清吉,五假抽添偏宜,三勝修造獲吉,乙加辛而房廊有損,辛加乙而虎首房強,癸加丁而廚廁不利,丁加癸而魅祟為殃,伏干入宅欠順,飛干基址招殃,伏宮招入妬害,飛宮禍起蕭牆,大格小格沖射不利,刑格悖格宅眷不昌,熒入白兮防怪異,白入熒兮慎火光,五不遇兮人有損,羅網張兮見乖張,六儀擊刑凶災伏,三奇入墓暗幽房,天馬空陷無出路,反伏門迫總非詳,吉凶格見防其類,檢點六親何者當。
さらに吉凶・格局を論ず。「青龍返首」を得れば、宅宇軒昂なり。「飛鳥跌穴」を得れば、梁を雕り棟を畫き、風を藏して氣を聚む。遁格の中に於ては四圍の拱護有情なるや否やを參詳するを要し、詐局の中に於ても亦一一に理會するを要す。「三奇得使」を得れば、廳堂の結構森嚴・有度なり。「玉女守門」を得れば、家居は清靜・吉利なり。「五假」を得れば、最も增建・改建に宜しい。「三勝」を得れば、工を興し修造して吉を得。乙が辛に加われば、房廊の損あるを主る。辛が乙に加われば、西邊の虎頭の一側の房子の強きに過ぐるを主る。癸が丁に加われば、廚房・廁所の不利を主る。丁が癸に加われば、魅祟の殃を為すを主る。「伏干格」に逢えば、宅に進むこと順ならず。「飛干格」に逢えば、地基は殃を招く。「伏宮格」に逢えば、嫉妒・陷害を招來す。「飛宮格」に逢えば、禍は蕭墻の內より起こる。「大格」「小格」に逢えば、形煞の冲射して不利あるを主る。刑格・悖格に逢えば、家眷の昌ならざるを主る。「熒入白」に逢えば、怪異の事を防ぐを要す。「白入熒」に逢えば、火燭を謹愼するを要す。「五不遇時」に逢えば、家人に損あり。天羅・地網張開せば、諸事乖張す。「六儀擊刑」に逢えば、凶災潛伏す。三奇が入墓すれば、房舍幽暗なり。「天馬」が空陷に落つれば、宅に出路なきを主る。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、總じて吉祥に非ず。凡そ吉凶・格局を見れば、皆その類別に按じて防範を加え、さらに六親の中に於て何人の身に應ずるかを檢點すべし。
疾病占
值符:值符,陽症。螣蛇,驚恐、夜夢、遺精。太陰,肺勞、骨虛。六合,風麻。勾陳、白虎,翻胃嘔吐、傷亡道路。朱雀、元武,顛邪、崩瀉。九地,陰症。九天,落魄。值使:休,瀉痢、傷寒。生,癱毒、傷目。傷,拘彎、風寒。杜,壅寒、喉齒、胃風。景,傷食、疽疔。死,蠱塊。驚,勞瘵。開,肺癱、喉舌。
疾病を占うに、まず八神の主る所の病症を分つ。「値符」は陽症を主る。「螣蛇」は驚恐・夜に噩夢多しと遺精を主る。「太陰」は肺癆と骨虚を主る。「六合」は風疾・麻木を主る。「勾陳」「白虎」は翻胃・嘔吐、および道路上の傷亡を主る。「朱雀」「玄武」は癲邪と崩漏・泄瀉を主る。「九地」は陰症を主る。「九天」は神魂・落魄を主る。さらに八門をもって分主す。休門は瀉痢と傷寒を主る。生門は癱疽・瘡毒と目疾を主る。傷門は拘攣・屈曲と風寒を主る。杜門は壅塞・寒結・喉齒の疾と胃風を主る。景門は傷食と疽疔を主る。死門は蠱脹・積塊を主る。驚門は勞瘵・癆病を主る。開門は肺癰と喉舌の疾を主る。
十干:甲,頭面、肝。乙,肩背、膽。丙,額、鼻、心、筋。丁,齒、舌、小腸。戊,脾。己,胃。庚,肺、筋。辛,胸。壬,腎。癸,臟。九星:蓬,水祟為災。任,冷廟鬼作祟。沖,吊柱、產故、索命怪樹、時疫。輔,天神舊願未遂、東嶽査判。英,灶司不安。芮,家先作祟。禽,城隍、社神降福。柱,井、墓為穴。心,天神斗府降災。
さらに十干の主る所の部位を分つ。甲は頭面と肝を主り、乙は肩背と膽を主り、丙は額頭・鼻・心と筋を主り、丁は牙齒・舌と小腸を主り、戊は脾を主り、己は胃を主り、庚は肺と筋を主り、辛は胸を主り、壬は腎を主り、癸は臟腑を主る。さらに九星の主る所の祟由を分つ。天蓬は水中の邪祟の災と為すを主る。天任は荒廢・冷廟の中の鬼の作祟を主る。天冲は弔に上るの魂・難産にして死するの鬼・命を索ぐる怪樹および時疫を主る。天輔は天神に許したる舊願未だ還さず、東嶽の查勘・問罪するを主る。天英は灶神の安んぜざるを主る。天芮は家中の先人の作祟を主る。天禽は城隍と社神の福を降すを主る。天柱は水井と墳墓の在る所の患と為すを主る。天心は天神と斗府の災を降すを主る。
九宮:一,血症、脈絡不利宜開導。二,脾、胃病。三,火症、心胸煩燥、宜溫涼。四,申子辰、巳酉丑。五,四維上四章上。六,寅午戌、亥卯未。七,勞症、筋骨不好、宜溫補。八,宜針灸。九,風症、肌體不便,宜和解。
さらに九宮の主る所の病と治法を分つ。一宮は血症を主り、脈絡通ぜず、開導・疏通の法を用うるに宜しい。二宮は脾胃の病を主る。三宮は火症を主り、心胸煩躁し、溫涼・調和の劑を用うるに宜しい。四宮は申子辰と巳酉丑に應じ、節氣に隨いて斷を取る。五宮は四維の土に應ず。六宮は寅午戌と亥卯未に應ず。七宮は勞傷の症を主り、筋骨健ならず、溫補を用うるに宜しい。八宮は針灸を施すに宜しい。九宮は風症を主り、肢體便ならず、和解の法を用うるに宜しい。
門戶:發散責天門,消導責地戶,門戶遇刑擊其病在表,門戶遇刑陷其病在裡,有救而陽症易治,有救而陰症易疹。三甲:孟甲主上焦之病,開嘔吐,闔鬱。仲甲主中焦之病,開嘗噎,闔隔悶。季甲主下焦之病,開庤漏,闔痔閉。開忌刑,闔忌沖,陽開在表,陰闔在裡。
門戶の法。發散の劑を用うるは天門を看、消導の劑を用うるは地戶を看る。門戶が刑に遇い擊に遇えば、病は肌表に在り。門戶が刑に遇いて陷落せば、病は臟腑の裏に在り。救助の神ある時は、陽症は醫治し易く、陰症も亦見效し易し。三甲の法。孟甲は上焦の病を主り、開に逢えば則ち嘔吐し、闔に逢えば則ち氣鬱す。仲甲は中焦の病を主り、開に逢えば則ち食を噎して下り難く、闔に逢えば則ち胸膈悶塞す。季甲は下焦の病を主り、開に逢えば則ち痔漏・下血し、闔に逢えば則ち痔閉して通ぜず。開に逢うは刑を忌み、闔に逢うは冲を忌む。陽に属して開なるは病は表に在り、陰に属して闔なるは病は裏に在り。
論干支:日干為人時干病,納干之藏醫藥症,人尅病兮可云瘥,病尅人兮憂險應,醫能尅病始可投,如若傷人未可用,遙制符使是名醫,生合符使藥蹭蹬,惟喜日旺時休囚,五行檢點參病症。
干支を論ず。日干は病人を代表し、時干は病症を代表し、干支納音の藏する所は則ち醫生と藥性なり。人が病を剋し得れば、病の好るると説く可し。病が反って人を剋せば、凶險憂う可し。醫藥の神が病を剋し得住れば、この藥は乃ち服すべし。もし反って病人を傷てば、就中用い得べからず。遙遙に値符・値使を制住するは是れ名醫なり、一味に往きて値符・値使を生合するは、その藥必然に效なし。最も日干の旺にして時干の休囚なるを喜び、さらに逐一に五行を檢點し、參合して病症を斷定す。
論值符:直符占病所由來,刑傷尅制考病胎,陰六遙傷情慾病,勾地刑符滯未開,朱蛇制符因門惱,白天卻是恐驚災,符入空鄉災不實,胎沒死廢著意裁。
値符を論ず。「値符」は用いて病の何に由りて起こるかを占い、刑・傷・剋・制の上より病根を考究す。「太陰」「六合」が遙かに來たりて傷剋するは、是れ情欲の致す所の病なり。「勾陳」「九地」が値符を刑剋すれば、病氣の滯塞して未だ開けざるを主る。「朱雀」「螣蛇」が値符を制住すれば、是れ門戶の事に因りて惱怒して疾と成る。「白虎」「九天」が符を制すれば、則ち是れ驚嚇を受けて得たる災病なり。もし値符が空亡の鄕に落ち入れば、この病は來ること併せて實在せず。病根の隱沒し死氣・廢地に落つるに至りては、格外に心を用いて裁斷するを要す。
論值使:直使占病之瘥劇,三五吉凶論門義,吉值休囚主纏綿,凶更旺相堪畏懼,最忌墓命與刑年,時中詳占進退氣,凶退可痊吉進瘥,門戶生吉始無慮。
値使を論ず。「値使」は用いて病情の轉好するか加重するかを占い、三吉門・五凶門の門義の上に就きて吉凶を論ず。吉門もし休囚に落つれば、病勢纏綿して去らざるを主る。凶門反って旺相なれば、則ち格外に怕る可し。最も本命の入墓・行年の刑に遇うを忌む。還た時辰の上に於て進氣・退氣を細占するを要す。凶氣退けば則ち痊愈し得、吉氣進めば則ち病轉じて輕し。總じて門戶の來たりて生じて吉を得るを要し、乃ち無憂と算す。
論十干:十干論病在何處,肝膽脾胃心腎注,參詳奇儀刑與擊,上下加臨識病處,木尅土兮脾胃傷,火尅金兮肺家替,金來尅木筋脈變,水尅火兮心腎廢,年命日時細參詳,生旺休囚知災竪。
十干を論ず。十干は用いて病の何處に在るかを判斷す、肝・膽・脾・胃・心・腎各々属する所有り。三奇・六儀の間の刑と擊とを參詳し、上下の加臨の情形を看れば、就ち病位を認出し得。木が土を剋すれば、脾胃の傷を受くるを主る。火が金を剋すれば、肺家の衰替を主る。金が來たりて木を剋すれば、筋脈の變異を主る。水が火を剋すれば、心腎の廢損を主る。さらに年命と日・時とを細かに參詳せば、生旺・休囚の中より災禍の輕重を知らん。
論九星:九星從來知禍福,吉凶星宿從所屬,旺吉星臨災無虞,死凶星照防哀哭,吉逢生兮凶不刑,任爾祈禱災不贖。論九宮:九宮病源與醫藥,水宜疎通木忌削,金宜溫補火怕關,土乃五行之歸橐。此行旺動比刑傷,變理中和醫的確,詳觀節氣察虛實,病識真兮藥不錯。
九星を論ず。九星は歴來用いて禍福を知る、吉星・凶星各々その所属に依る。旺相の吉星の臨照は、災病虞なし。死氣の凶星の照臨は、就中哭泣の事を防ぐを要す。もし吉星が生に逢い而も凶星が刑を受けざれば、則ち如何なる祈禱をなすに任せても、災殃は贖免し得ざらん。九宮を論ず。九宮は用いて病源と用藥とを推す。水に属するは疏通するに宜しく、木に属するは攻削を忌み、金に属するは溫補するに宜しく、火に属するは閉結を怕れ、土に属するは則ち五行の歸藏する處なり。この一行もし旺に過ぎて妄動し、あるいは比和・相刑・相傷せば、就中變通・調理し、中和の法を取りて、藥を用いる乃ち準確ならん。さらに節氣を細觀して以て虚實を察せば、病は眞に看られ、藥は開き錯らざらん。
論門戶:門傷發表抑何疑,戶傷治裡墓稽遲,門戶俱陽表裡治,陰陽先後判因依。論三甲:三甲開闔論三焦,泥丸尾閭夾脊交,開若傷兮休尅伐,闔遇刑囚忌補調。
門戶を論ず。天門が傷を受ければ、發散・解表の法を用いて自然に疑いなし。地戶が傷を受ければ、治裏の法を用い、もし墓に逢えば則ち病程稽留・遲緩す。門と戶と皆陽に属するは、表裏同治す。先に表を治するか先に裏を治するかに至りては、就ち陰陽の次序に按じて判定す。三甲を論ず。三甲の開闔は人身の三焦に對應し、上は泥丸に通じ下は尾閭に達し、中は夾脊を經て相交わる。開に逢いて傷を受くるは、切にさらに攻伐・剋削の藥を用いる勿れ。闔に逢いて刑囚に遇うは、則ち滋補・調養の劑を用うるを忌む。
論吉凶格:返首跌穴吉課成凶,須得年命無傷始雲葉吉,虎狂龍走凶中有吉。若再刑迫符使便作凶推。地遁臨命已作黃泉正客,鬼假當權定知冥府追呼,鬼遁人遁似非吉兆,鬼假人假非是休徵,三詐病有反覆,遁假貴辨陰陽,得使而制鬼為利,守門而舊病不祥,三門四戶最忌刑墓,年命那堪喪吊重逢,天馬私門豈宜擊迫,符使更嫌空亡刑陷,夭矯鬼怪近,投江魂魄揚。
吉凶・格局を論ず。病を占うは別事を占うと同じからず、「青龍返首」「飛鳥跌穴」の類の吉課を得るも、反って凶と成る、必ず年命の傷を受けざれば、乃ち協吉と説く可し。「白虎猖狂」「青龍逃走」の類の凶格に逢うは、倒って凶中に吉あり、但しさらに値符・値使を刑迫せば、仍ほ凶と斷ず。「地遁」が本命に臨めば、已に黃泉の正客なり。「鬼假」が權に當れば、定めて冥府の追呼し來るを知らん。「鬼遁」「人遁」は吉格なるが如く見ゆるも、病を占うに吉兆に非ず。「鬼假」「人假」も亦好き徵候にあらず。「三詐」を得れば、病情に反復あらん。遁格と假局とは、貴く陰陽を分辨するに在り。「三奇得使」を得て而も鬼爻を制住し得るを利と為す。「玉女守門」を得れば、則ち舊病の復發す、不祥なり。「三門四戶」は最も刑せられ墓に入るを忌み、年命の上に哪堪さらに喪門・弔客に逢わんや。「天馬」と地私門とは豈に擊せられ迫せらるる可けんや。値符・値使はさらに空亡に落ち刑陷に遭うを嫌う。「螣蛇夭矯」に逢えば、鬼怪逼近す。「朱雀投江」に逢えば、魂魄飛揚す。
伏干飛干醫不明而藥味反症。飛宮伏宮人不安,而宅舍驚惶。大格小格胸膈便道不利,刑格悖格肢體脈絡相妨,熒入白兮病轉添,白入熒兮災自退,年月日時逢悖格,新舊災疫可參詳,五不遇兮將逝,六儀刑兮有傷,入墓羅網纏綿災異,反伏門迫迭罹凶殃,金為尸兮木為棺,尸入木兮寧得安,庚辛若來刑甲乙,飛入中宮哭聲喧。
「伏干」「飛干」に逢えば、醫生の看ること明白ならず、開く所の藥味は反って症と相違するを主る。「飛宮」「伏宮」に逢えば、病人安んぜず、宅舍をも連ねて一片驚惶を主る。「大格」「小格」に逢えば、胸膈の暢ならず二便の利あらざるを主る。刑格・悖格に逢えば、肢體・脈絡の彼此妨礙するを主る。「熒入白」に逢えば、病勢反って加重す。「白入熒」に逢えば、災病自ら退去せん。年・月・日・時もし「悖格」に逢えば、新病・舊疾皆此に由りて參詳し得。「五不遇時」に逢えば、人は將に起たざらんとす。「六儀擊刑」に逢えば、身上に傷あり。入墓と天羅・地網に落つるは、病災纏綿して解せざるを主る。「返吟」「伏吟」と門迫に逢えば、接連して殃に遭うを主る。金は尸と為し、木は棺と為し、尸が棺木に入れば、何ぞ安を得んや。庚辛もし來たりて甲乙を刑剋し、また中宮に飛入せば、あれは便ち一片の哭聲ならん。
