日上起時歌
作盤ガイド: 奇門遁甲作盤
甲己還生甲,乙庚丙作初,丙辛從戊起,丁壬庚子居,戊癸推壬子,此法定無訛。
これは「日上起時」の口訣にして、また「五鼠遁」と称し、用いて本日の天干に由りて各時辰の時干支を推出す。一昼夜十二時は子時を以て首と為す、故に皆な子時より頭を定む。甲日・己日の子時是れ甲子。乙日・庚日の子時是れ丙子。丙日・辛日の子時是れ戊子。丁日・壬日の子時是れ庚子。戊日・癸日の子時是れ壬子。因りて頭を起す所の時支皆な是れ子にして、子は鼠に属す、故に「五鼠遁」と叫ぶ。子時既に定まれば、再び順次に丑・寅・卯を排して以て亥時に至る、十二時の干支は便ち毫も差わらず、故に「此の法定まりて訛無し」と曰う。前文の「五不遇時」は時干と日干の克応を査するを要し、用うる所は正に此の一套の推法なり。
時上起青龍明堂歌
寅申須加子,卯酉卻起寅,辰戌龍位上,巳亥午上尋,子午尋申位,丑未戌上親。
これは「時上起青龍」の口訶にして、用いて十二個の時辰の各々哪一位の黄道・黒道の神に値するかを推定す。方法は本日の日支を以て準と為し、先ず哪個の時辰より「青龍」を起すかを找出す。日支是れ寅または申なれば、子時より青龍を起す。日支是れ卯または酉なれば、寅時より起す。日支是れ辰または戌なれば、辰時より起す、辰は十二生肖の中に龍に属す、故に歌中に「龍位上」と曰う。日支是れ巳または亥なれば、午時より起す。日支是れ子または午なれば、申時より起す。日支是れ丑または未なれば、戌時より起す。起点既に定まれば、再び下一首の歌訣の列する所の十二神の次序に依り、逐個の時辰を順に数えて下れば、便ち毎一時の値するは吉神なるか凶神なるかを知らん。
青龍明堂與天刑,朱雀金匱天德神,白虎玉堂天牢黑,玄武司命及勾陳。
此の一首の列する所は十二神順行の次序なり。青龍・明堂・天刑・朱雀・金匮・天徳・白虎・玉堂・天牢・玄武・司命・勾陳。その中「青龍」「明堂」「金匮」「天徳」「玉堂」「司命」の六位は黄道の吉神に属し、時に値すれば出行・興造・婚娶・上任して貴に謁するに宜し。「天刑」「朱雀」「白虎」「天牢」「玄武」「勾陳」の六位は黒道の凶神に属し、時に値すれば多く刑傷・口舌・疾病・牢獄・盗失・牽連を主り、静に宜しく動に宜からず。前一訣に按じて青龍を起す時辰を定め好て後、此次序に依りて順に数えれば、十二個の時辰恰好に一周を輪し完ぬ。
超神接気
如遇冬至、夏至,以甲日換順逆,如甲在冬至前七日,仍依夏至後逆行,冬至後三日亦必逆行,須到第四逢之甲,方用冬至後順行之例,名曰“超神”,謂中氣已到,六甲一旬十日,超過中氣也。如甲子日在冬至前四日,即依冬至後順行,名曰“接氣”,謂中氣未到,六甲旬頭先到,迎接中氣也。
冬至・夏至は一陰一陽の転関する地方にして、およそ二至に遇えば、皆な甲日を用いて界限と作して交換して陽遁順行と陰遁逆行す。例を挙げて説けば、若し甲日落つること冬至前七天なれば、那麼此一旬は仍お旧来の夏至以後の陰遁逆行を沿用す。冬至以後の頭三天に進入せば、新たなる甲日未だ輪に到らざるに因り、亦た依然として逆行するを要す。一定要に第四天の逢う所の那個の甲日を待ち、初めて改めて用いて冬至以後の陽遁順行す。此の種の情形を「超神」と叫作し、意思是れ中気(冬至)已に先到し、而も六甲一旬十日の旬頭は還た後面に落つ、旬頭の中気を跨過するに等し。反って、若し甲子日の冬至前四天に出現すれば、則ち冬至の那一天を待つを須いず、当に即座に冬至以後の陽遁順行に依りて局を起す、これを「接気」と叫作し、意思是れ中気未だ到らずして、六甲の���頭先に到る、先に去りて中気を迎接す。奇門の局を排するは節気を以て綱と為し・符頭の甲日を以て用と為す、超神と接気は正に此の両者の先后斉しからざるを調停するの辦法なり。
每見布圖局,看以六十花甲,一日繪一圖局,填注八門九星,陽順陰逆,按圖索之,一目瞭然,未免繁絮,餘在軍營總以二至陰陽二周順逆一百二十圖局,會歸於兩儀之中,按三日移門九星遁甲,陰逆陽順,朱圈別之,魚珠不混,繪圖小折,隨處可佩,所謂短衣匹馬,便捷之至,故附編末聊助同志者便覽雲。
常見の奇門図局を排布する人は、六十甲子に依りて一天に一個の図局を画き、八門・九星を逐一に填注して上去し、陽遁は順に排し・陰遁は逆に排し、用に臨みて図に按じて翻査す、固然として一目瞭然なり、ただ失する所は繁瑣なり。我は軍営の中に於て、冬至・夏至の両輪の陰陽順逆共一百二十個の図局を、一併に帰攏して「両儀」――即ち陽遁・陰遁の両大類の内に――三日に一門を換え・九星は遁甲に随いて轉ずの規矩に依り、陰遁は逆行・陽遁は順行し、再び朱筆を用いて圏点を加えて分別し、真なるか假なるか・主たるか次たるかを混雜せしめず、画き成して一個の小折子と為し、身に随いて便ち佩帯する能くす。正に古人の説く所の短衣単騎のごとく、軽装にしても帯い走ること能くし、便捷極処に到る、因りてそれを全書の末尾に附し、略しく同道の翻検するに供す。
斐晋公金鎖玉環遁甲出行要訣
天干,甲己九、乙庚八、丙辛七、丁壬六、戊癸五。地支,子午九、丑未八、寅申七、卯酉六、辰戌五、巳亥四。
これは「金鎖玉環」の出行占法の数を取る之例にして、相伝えて唐代の裴度より出づとす――裴度は晋國公に封ぜられ、故に「裴晋公」と称し、底本は「斐」と写作す。此の法は先ず天干・地支に各々一個の数を配定す。天干の方面は、甲と己は各々九数を得、乙と庚は各々八数を得、丙と辛は各々七数を得、丁と壬は各々六数を得、戊と癸は各々五数を得、五組順次に一数を遞減す。地支の方面は、子と午は各々九数を得、丑と未は各々八数を得、寅と申は各々七数を得、卯と酉は各々六数を得、辰と戌は各々五数を得、巳と亥は各々四数を得、六組もまた順次に遞減す。相冲の両支は数同じく、相合の両干は数同じく、熟く記えて後に事に臨み指を掐めば便ち算出する能くす。
假如,甲子日出行,甲與子皆九數,二九得一十八數,或卯時六數,共得二十四數,課吉。或午時九數,共得一十七數,課凶;餘仿此。日論干支,時祇論地支,不論天干。
例を挙げて言わば、甲子日の出行は、甲は九数を得・子もまた九数を得、両個の九は合して十八数と成る。若し卯時を取れば、卯は六数を得、合し共に二十四数、下文の「二十四数吉」を査すれば、便ち是れ吉課なり。若し午時を取れば、午は九数を得、合し共に応に二十七数なるべく、下文の「二十七数凶」を査すれば、便ち是れ凶課なり(底本は「一十七数」と作す、当に「二十七数」の伝写の誤なるべし、十八に九を加えて十七を得ず)。其の余の各日各時は皆な此の辦法に照らして推算す。要紧の処に在りては、日はただ天干と地支の両項の数を相加し、時辰は則ち単に地支の数を取り、再び時の天干を計入せず。因りて得る所の数最小は戊癸日・巳亥支再び巳亥時に配し、五加四加四にして十三を得。最大は甲己日・子午支再び子午時に配し、九加九加九にして二十七を得。下文の「各数備考」はただ十三より二十七に至る此の十五個の数を列す、縁故則ちここに在り。
各数備考
十三數吉。十三遁甲見陰陽,西北干宮老婦娘,手執棉布將小女,此時有應主亨昌。作事出門,推合陰陽,營謀嫁娶,起造營昌,子孫官貴,祿遇時良。
合して十三数と成るは、断じて吉課と為す。遁甲の数十三に到れば、正に是れ陰陽交見の象なり。尅応は西北乾宮方位に出で、年上る所の婦人に遇見し、手裏に棉布を拿り、小女孩を領きて同行す。出門の時若し真に此の様の景象を見れば、則ち是れ応験にして、事事亨通して昌盛するを主る。此の数は事を辦じて出門するに宜しく、陰陽を推算して婚を合するに宜しく、事を謀り・嫁娶し・土を動かして起造するに宜しく、子孫の官を得て貴を得・福禄正に好き時候に逢うを主る。
十四數凶。遁甲俱十四,東北有人至,白馬或青驢,弓箭身穿紫。有人著紫,或是皂衣,前有大坑,後有白虎,凶惡相及,不宜嫁娶,休去遠行,凡事難遇。
合して十四数と成るは、断じて凶課と為す。その尅応は東北方向に人の过来る有り、あるいは白馬に騎り、あるいは青驢に騎り、身に弓箭を帯びて紫衣を穿着す。あるいはただ紫衣または黑衣を穿つ人を見るのみ、「皂衣」則ち黑衣なり。此の象は前に大坑・陥穽有り・後に白虎の凶神有り、前后の凶悪相逼る。故に嫁娶の事を辦ずるに宜からず、亦た遠門に出ずる可からず、およそ求むる所有れば皆な遇合して成ること難し。
十五數吉。南方有少女,牽牛抱嬰孩,東方車與馬,更有男趕來。日月在前,光明麗天,駟馬時從,千事皆好,非但殯葬,亦宜修造。
合して十五数と成るは、断じて吉課と為す。その尅応は南方に年輕の女子有り、牛を牽き・嬰孩を抱き、東方に車馬有り、また男子の随後に趕来る有り。此の象は日月の空に当り・光明天に麗うがごとく、また駟馬の車の随時に相従う有り、故に千事皆な好し。ただ送殯・安葬に相宜なるのみならず、土を動かし修造するも一様に吉利なり。
十六數吉(如有婦人到,主大升官得委缺)。東北有禽蜚,西北白色衣,老人持杖橛,脫卻西黃衣。出遇財珍,兼逢酒食,營謀起造,必遇貴人,交易婚姻,得宜獲福。
合して十六数と成るは、断じて吉課と為す。若し出門して恰好に婦人の前来るに遇えば、更に大大に官を升り並びに実缺の委任を得るを主る。其の余の尅応は、東北方に飛鳥有り、「蜚」は「飞」に通ず。西北方に白衣を穿つ人有り。また老人の手杖・木橛を拄り、西辺の身の上の着る所の黄衣を脱ぐを見る。此の時出門すれば財に遇い宝を得る能くし、兼ねて酒食の款待有り。事を謀り・起造すれば必ず貴人の相助に遇う。売買を做し・婚姻を議すれば皆な其の宜しきを得て福を獲ん。
十七數凶。西北風雨云,西方孝服子,兩個駕車人,十七必逢是。死尸在前,病符在後,營謀嫁娶,所求災咎,若遇此時,不獲良久。
合して十七数と成るは、断じて凶課と為す。その尅応は西北方に風雨・陰雲起り、西方に孝服を穿つ人有り、また両個の車を趕る人有り、およそ合して十七数と成れば必定に此の一類の景象に碰上る。此の象は前に死尸有り・後に病符の凶神有り、事を謀り・嫁娶して求むる所皆な灾禍を招来す。若し此の時辰上に於て事を用うれば、長久の安穏を得る能わず。
十八數吉。南方有少婦,犬子或青驢,東方忽見行,尅應必無疑。不宜嫁娶,萬事吉昌,若遇此時,必要升官。
合して十八数と成るは、断じて吉課と為す。その尅応は南方に年輕の婦人有り、狗または青驢を帯び、東方に忽然として人の行走して过来る有り、此の様の景象を見れば、応験便ち更に疑うを須いず。此の数は独り嫁娶の一事のみ宜からず、其の余万事皆な吉利昌盛す。若し此の時辰上に於て事を用うれば、必然に官を升らん。
十九數凶。鴉鵲並弓弩,銅鐵東方舞,更有著白衣,西方喚驢狗。俱是凶兆,不是吉祥,故難動用,守靜為良。
合して十九数と成るは、断じて凶課と為す。その尅応は烏鴉・喜鵲の乱飛し、また弓弩・兵器を見、東方に人の銅鉄の物を揮舞する有り、また白衣を穿つ人有り、西方に人の驢狗を吆喝する有り。これら統べて是れ凶兆にして、祥瑞の景象は無一なり、故に此の時作為有ること難く、分を安んじ静を守る乃ち上策と算す。
二十數凶。北方有人驢,乾坤僧道尼,屠趕豬羊去,諸凶必應之。前有津樑,後有豬羊,若遇此時,萬事俱殃。
合して二十数と成るは、断じて凶課と為す。その尅応は北方に人の驢を牽く有り、乾宮西北・坤宮西南の両個の方位に僧人・道士・尼姑出現し、また屠戸の猪羊を趕りて走り過ぐる有り、種種の凶象必定に一一に応験せん。此の象は前に渡口・橋梁の阻隔有り、後に猪羊の相随う有り、若し此の時辰上に於て事を用うれば、万事皆な殃に遭わん。
二十一數吉。東方有孝子,更與婦人逢,老人持杖板,西北應干宮。此時所遊,青雲上蓋,百事吉昌,不敢移改。
合して二十一数と成るは、断じて吉課と為す。その尅応は東方に孝を戴く人有り、また婦人と相遇し、還た老人の杖板を拄くを見る、これらの征兆皆な西北の乾宮方位に応ず。此の時出行して游走すれば、頭頂に青雲の華蓋を戴くがごとく、百事吉利昌盛し、断語十分に確定し、更改を容れず。
二十二數吉。求乞持杖子,西方鼓笛聲,坤兌應更奇,提籠有婦人。乘車駕馬,攜酒相看,萬事皆吉,必遇平安。
合して二十二数と成るは、断じて吉課と為す。その尅応は乞讨の人の棍杖を拄きて走来る有り、西方より鼓声・笛声伝わり来たり、応験は坤宮西南と兌宮正西の両個の方位に出づるは更に霊奇なり、また籠子を提ぐる婦人を見ん。此の時あるいは車に乗り・あるいは馬に騎り、あるいは人の酒を携えて相看に来たる有り、万事皆な吉にして、必ず平安を得ん。
二十三數凶。男婦攜寶劍,南方執鐵瓶,文字並豬羊,毀罵病迎門。萬事重迭,難於遠行,動則遇侵,靜則安寧。
合して二十三数と成るは、断じて凶課と為す。その尅応は男女の身に刀剣を随え帯び、南方に人の鉄瓶を手執する有り、また文書・字紙と猪羊を見、また辱罵・争吵・疾病の門に上るの事有り。此の時諸事牽纏して重畳し、遠行するに便ならず、一動すれば則ち人の侵擾を遭わん、静守して動かざれば反って平安寧帖なり。
二十四數吉。南方送福仙,少女手執錢,兌宮羊又至,物色黑青纏。飛鳥在前,玉士在後,行見長官,嫁娶無咎。
合して二十四数と成るは、断じて吉課と為す。その尅応は南方に福を送る仙人の降臨するがごとく有り、少女手裏に銭を拿り、兌宮正西また羊の来たる有り、見る所の器物の顔色は多く黒・青の二色相間なり。此の象は前に飛鳥の路を引く有り、後に玉を佩ぶる士の相随う有り、前に去りて上司・長官に謁見すれば必ず接納を得、嫁娶の事を辦理するも過錯有らざらん。
二十五數吉。驢子共猿猻,南方有婦人,西方老人至,尅應最為靈。見四足物,百事稱心,出逢長者,更遇知音。
合して二十五数と成るは、断じて吉課と為す。その尅応は驢子と猿猴の一同に出現し、南方に婦人有り、西方に老人の过来る有り、此の数の応験は最も霊準なり。出門して若し四足の牲畜を見れば、便ち百事心に称うを主る。路上に年長・有徳の人に遇見し、還た知己・同好に碰上る能くす。
二十六數吉。北方公文行,南方小兒啼,子孫封官祿,大吉不須疑。以上諸時,此時最吉,但試其事,萬無一失。
合して二十六数と成るは、断じて吉課と為す。その尅応は北方に公文の伝逓往来有り、南方に小児の啼哭有り、子孫の官爵・俸禄を封ぜらるるを主り、大吉大利にして更に疑うを須いず。以上の列する所の各個の時辰の中に於て、要数するは此一時を以て最も吉利と為す。只管に事を拿りて験証に去れ、万に一失無からん。
二十七數凶。白馬共紫驢,西方一騎出,東方逢覺人,寇纓來應必。以上諸數,此數最惡,先賢詳看,明應不錯。
合して二十七数と成るは、断じて凶課と為す。その尅応は白馬と紫驢の一同に出現し、西方に人の単騎にして出ずる有り、東方に警覚して張望する人に遇上り、冠纓を戴き・形は盗寇に似たる人も必定に接続して来たりて応ず。以上の列する所の各個の数目の中に於て、要数するは此の一数を以て最も凶悪と為し、前賢反復して審看験証したり、その応験分明にして、錯有る能わず。
每日出行,欲占吉凶,如法起數,趨吉避凶,百發百中,其妙無窮,人能用此,喜氣沖沖。
毎日出行するの前、此の行の吉凶を預知せんと欲せば、ただ須らく上面の法子に照らして日の干支と時の地支とを合し起して数目を出だし、再び各数の下の断語に対照せば、便ち吉方に趨就し・凶時を避开する能くす。此の法は百発百中にして、妙用説き尽す能わず。人若能くそれに依りて事を行えば、自然に喜気門に盈ちん。
