Libo

戦国輿図

明 · 刘伯温 · 第20巻 / 23

作盤ガイド: 奇門遁甲作盤

魏今解州安邑,魏即大名也。趙霍州趙城、邯鄲、廣平、常山也,中山今定州。三齊,右即墨中臨淄,左平陸。吳越,三吳、東蘇州,中鎮江、西湖。又吳興、吳郡、會稽為三吳。三越,吳越杭州,閩越福建,南越廣州。徐今徐州。東海今嘉興海寧。燕、幽、冀。南海廣東。宋今歸德。河中山西蒲州。河間即河間府。

戦国の列国の疆域は後世の地名に対照すれば以下のごとし。魏国は即ち今の解州安邑の一帯、別に一処の魏地は則ち大名なり。赵国は霍州趙城・邯鄲・広平・常山などの地を包括し、その中の中山国は即ち今の定州なり。「三斉」の地は、右辺は即墨、中間は臨淄、左辺は平陸。呉越の地は、「三呉」の中、東は蘇州、中は鎮江、西は湖州。別の一説は呉興・呉郡・会稽を以て三呉と為す。「三越」は、呉越は杭州に在り、閩越は福建に在り、南越は広州に在り。徐国は即ち今の徐州。東海は即ち今の嘉興・海寧。此の外にまた燕地・幽州・冀州あり。南海は即ち今の広東。宋国は即ち今の帰徳。河中は即ち山西蒲州。河間は即ち今の河間府。

晉,平陽、曲絳。鄭,榮陽、汜水。周,西扶風,東洛陽。秦,岐雍,二桃林,三上郡。三巴,中巴縣,巴西錦洲合州,巴東歸州、夔州雲安漢。三蜀,成都、廣漢、犍為。梁,華陽、黑水。三楚,南江陵,西彭城、徐州,東吳郡。韓,上黨今潞州、同州、潁州。

晋国は平陽・曲沃絳都の一帯に在り。鄭国は滎陽・氾水の一帯に在り。周朝の疆域は、西辺は扶風、東辺は洛陽。秦国に三処の要地あり、一は岐山・雍城、二は桃林の塞、三は上郡。「三巴」は、中巴は巴県に在り、巴西は錦州・合州に在り、巴東は帰州・夔州雲安の一帯に在り。「三蜀」は成都・広漢・犍為。梁州は華陽・黒水の地を包括す。「三楚」は、南楚は江陵に在り、西楚は彭城・徐州に在り、東楚は呉郡に在り。韓国の上党は、則ち今天の潞州・同州・潁州の一帯なり。

弘農今河南靈縣,岷江為大江、為中江、徐陵為北江,所謂三江。漢兩源一出西縣,一出會泉,皆曰嶓冡。五嶺,一大庾嶺,在大庾縣,二始安,在平樂縣,三監賀,在賀州,四柱(疑當作柱)陽,今獵嶺,五陽,今潮州。漳州、福建、漳州、西巂越今延州。首陽山在河中府,一曰在遼州。上郡今綏德州。成紀今秦州。濊貊今遼東。

弘農は即ち今の河南霊宝の一帯。所謂「三江」は、岷江を以て大江と為し・中江と為し、徐陵の一支を以て北江と為す。漢水に両個の源頭あり、一支は西県より出で、一支は会泉より出で、両処の山皆な嶓冢山と叫ぶ。「五嶺」は、第一は大庾嶺、大庾県に在り。第二は始安嶺、平楽県に在り。第三は監賀嶺、賀州に在り。第四は桂陽嶺(原書「柱陽」と作す、校語は疑いて当に「桂」と作すべしとす)、即ち今の猟嶺。第五は掲陽嶺、今の潮州に在り。此の外漳州は福建に属し、西辺の巂越は即ち今の延州。首陽山は河中府に在り、別に一説は遼州に在りとす。上郡は即ち今の綏徳州。成紀は即ち今の秦州。濊貊の地は即ち今の遼東。

占風

爾雅曰:風而雨上曰霾,陰而雨曰曀,日出而風為暴,迴風曰飄,焚輪謂之頹,扶搖謂之飈,宮曰風曰雨徵三羽五正商,角始得雨則能。十二辰分五音:一宮子陽君,午陰後,東方三徵,丑寅陽言事,未申陰凶事也,南方五羽,卯陽物,四陰水也,北方七商,辰陽兵,戌陰賊也,西方九角,巳陽民,亥陰事也。六情:子申貪狼,好;亥卯陰賊,怒;寅午廉貞,惡;巳酉寬大,喜;辰未姦淫,樂;丑戌公正,哀。

『爾雅』は各種の風に名目を定む。風刮りて尘土日を蔽い、雨上より下るを「霾」と叫ぶ。天陰にして雨降るを「曀」と叫ぶ。日出の後忽ち大風起るを「暴」と叫ぶ。旋を打つ風を「飄」と叫ぶ。上より下に卷落するを「頽」と叫ぶ。下より上に盤旋するを「飆」と叫ぶ。占風また五音に配す。宮音は風を主り、徵音三・羽音五は、商音と相配し、角音起る時初めて雨を得ること能くす。十二地支の五音に分配するは、一は宮音と為し、子に配して陽と為し君王を主り、午に配して陰と為し后妃を主る。東方の三は徵音と為し、丑・寅に配して陽と為し言語政事を主り、未・申に配して陰と為し凶事を主る。南方の五は羽音と為し、卯に配して陽と為し物産を主り、別に四に配して陰と為し水を主る。北方の七は商音と為し、辰に配して陽と為し兵戈を主り、戌に配して陰と為し盗賊を主る。西方の九は角音と為し、巳に配して陽と為し百姓を主り、亥に配して陰と為し喪事を主る。「六情」の配法は、子と申は「貪狼」と為し情は好に属し、亥と卯は「陰賊」と為し情は怒に属し、寅と午は「廉貞」と為し情は悪に属し、巳と酉は「寛大」と為し情は喜に属し、辰と未は「奸淫」と為し情は楽に属し、丑と戌は「公正」と為し情は哀に属す。

五音風遠近

宮十里,中百里,遠千里。商九里,中九十里,遠九百里。角八里,中八十里,遠八百里。徵七里,中七十里,遠七百里。羽六里,中六十里,遠六百里。凡風動葉來十里,鳴條百里,搖枝二百里,落葉三百里,折小枝四百里,折大枝五百里,飛砂走石拔木五千里。

五音に按じて風の応ずる所の事情の遠近を判断す。宮音の風は、近きは十里に応じ、中等は百里、遠きは千里。商音の風は、近きは九里、中等は九十里、遠きは九百里。角音の風は、近きは八里、中等は八十里、遠きは八百里。徵音の風は、近きは七里、中等は七十里、遠きは七百里。羽音の風は、近きは六里、中等は六十里、遠きは六百里。また風力の大小に按じて遠近を断ずべし。風ただ樹葉を吹動するは、十里の内に応ず。枝條を吹きて響かしむるは、百里。枝幹を揺動するは、二百里。樹葉を吹落するは、三百里。小枝を折断するは、四百里。大枝を折断するは、五百里。砂を飛ばし石を走らし樹を根ごと拔くは、遠く五千里に及ぶ。

又一日夜者,千里;二日夜者,半天下;三日夜者,通天下也。又一日夜為縣,二日夜為州,三日夜為郡,四、五日夜為國,六、七日夜為天下。又大風一時以上,事及百里,三時事及五百里,六時事及千里;一日夜若折大枝,事及二千里;二日夜若拔大木,事及三千、五千里。

また風刮り持続する時間に按じて範囲を断ずべし。一昼夜刮り満るは、応ずる所の事は千里に及ぶ。両昼夜は、半個の天下に及ぶ。三昼夜は、天下に通及す。別の一種の分法は、一昼夜は一県に応じ、両昼夜は一州に応じ、三昼夜は一郡に応じ、四五昼夜は一国に応じ、六七昼夜は天下に応ず。再び一種の算法は、大風一個の時辰以上を刮り過ぐれば、応ずる所の事は百里に及ぶ。三個の時辰を刮れば、五百里に及ぶ。六個の時辰を刮れば、千里に及ぶ。一昼夜を刮り満ちて大枝を折断する能くするは、二千里に及ぶ。両昼夜を刮り満ちて大樹を拔起する能くするは、三千里乃至五千里に及ぶ。

六情有五

本情,本日支也。合情,支合也。刑情,本日支刑也。沖情,支沖也。錫情,陽日支後三辰,陰日支前三辰。凡六情日與方,止用支辰斷之。五音以納甲五行分五音之日。如甲子陽商貪狼,乙丑陰商,公正之類。

「六情」の下にまた五種の情に分かつ。「本情」は、則ち本日の地支の本身なり。「合情」は、本日支と相合する那一支なり。「刑情」は、本日支と相刑する那一支なり。「冲情」は、本日支と相冲する那一支なり。「錫情」は、陽日は本支より後に数えて第三辰を取り、陰日は本支より前に数えて第三辰を取る。およそ六情を用いて日子と方位を断ずるは、ただ地支を用いて推断すれば則ち足る。五音に至りては、則ち納音五行に按じて某日の何音に属するかを划分するを要す。譬えば甲子日の納音は金に属し、陽商と為し、情は「貪狼」に属す。乙丑日は陰商と為し、情は「公正」に属す、その余類推す。

歳月日時方徳刑墓殺例

陽干自處,甲德在甲是也。陰干取合,乙德在庚是也。支德以次順行前五辰,子德在巳是也。月干德,三合寅午戌月丙是也。歲月日時殺:寅午戌在丑,巳酉丑在辰,申子辰在未,亥卯未在戌。五墓:木墓在未,水墓在辰,火墓在戌,金墓在丑也。

「徳」を推す通例は、陽干の徳は則ち本干の上に在り、譬えば甲の徳は甲位に在り。陰干の徳はそれと相合する那一干を取り、譬えば乙と庚とは合す、故に乙の徳は庚位に在り。地支の徳は、依次に順に数えて向前して第五辰、譬えば子の徳は巳位に在り。月徳は則ち三合局に按じて取り、譬えば寅・午・戌の三合火局の月份は、月徳は丙に在り。年月日時の「殺」もまた三合局に按じて取る。寅午戌局の殺は丑に在り、巳酉丑局の殺は辰に在り、申子辰局の殺は未に在り、亥卯未局の殺は戌に在り。「五墓」は、木の墓は未に在り、水の墓は辰に在り、火の墓は戌に在り、金の墓は丑に在り。

三刑(刑は尤急を為し坐して起つに及ばず)

刑上刑下,自刑也。如子刑卯為下刑,午為上刑,酉亥為自刑。寅刑巳,巳刑申,申刑寅,丑刑戌,戌刑未,未刑丑,為三刑。子刑卯,卯刑子,為五刑。辰、午、酉、亥為自刑。此午為上刑之說誤。

刑に刑上・刑下と自刑の分別あり。譬えば子の卯を刑するは、刑下なり。午は刑上と為す。酉・亥は則ち自刑に属す。三刑の正例は、寅は巳を刑し、巳は申を刑し、申は寅を刑す、これ是一組。丑は戌を刑し、戌は未を刑し、未は丑を刑す、これは別の一組、合わせて「三刑」と称す。子の卯を刑し・卯の子を刑すは互相に刑と為し、別に「五刑」と称す。辰・午・酉・亥の四支は各々自ら刑と為し、「自刑」と叫ぶ。前面に午を「上刑」と説き成せし講法は錯なり、午は本来自刑の支に因る。篇題の下に「刑は尤急を為す」と注明す、これは三刑一臨せば、事情最も緊迫にして、坐守の勢は発動に及ばざるを言う。

風色

風為教始來自四方,其政鳴條,啟折其化,鼓舞飄頌乎則清和明淨,政治則天氣溫涼,發屋折本者為怒,揚砂轉石者為狂,其勢分錯交橫,任小人而疎君子,其聲啾唧慘悽,不疾疫而必大喪,慽慽蓬勃,大兵將至;炎炎恍惚,火旱為殃;大風橫露,兮白日沉沉,主上昏亂,兮政教未明,觸塵蓬勃者,為悖亂。扶搖羊角者,為飄風。凜冽而人懷,戰懼刑戮,暴急猝起,而南北靡定者,上下不寧。

風は教化の開端にして、四方より吹来す。政令清明の時は、風はただ枝條を吹きて微かに響かし、万物を啓動して摧折せず、鼓蕩飄揚の間に一片の清和明浄なり。政治清平の時は、天気もまた之に随いて温和凉爽なり。若し風大きくして屋頂を掀翻し・樹幹を折断するは、那是れ「怒風」なり。沙土を揚起し・石塊を滾動するは、那是れ「狂風」なり。風勢分歧交錯し・縦横に乱吹するは、朝廷の小人を任用して君子を疏逺するを主る。風声の啾唧凄惨なるは、たとえ瘟疫を鬧さずとも必ず大喪有り。風声の悲戚にして尘土の蓬勃として起るは、大軍の将至を主る。風気の炎熱にして恍惚不定なるは、火灾・旱灾の殃を成すを主る。大風横斜の霧露を夾み、白日昏沉にして光無きは、君上の昏聵・政教の不明を主る。尘土を掀動して蓬々として起るは、悖逆して乱を作すを主る。盤旋して上升し羊角のごときは、是れ「飄風」なり。風の凛冽して骨を刺し、人をして心に恐懼を懐かしむるは、刑戮の事有るを主る。風の来たること急暴突然にして、忽ち南忽ち北として飄忽不定なるは、上下安寧を得ざるを主る。

主客法

凡日辰納音為客,風所來之處為主。如甲子商為君,風從未申丑寅上來,為商動,徵火尅金,主人勝。若從巳上來,受制於金,客勝。又日納音為客,加時為主。如丙寅日火音,時加卯酉,為徵動羽,羽水尅徵火,主人勝。若加辰戌為徵動,商火尅金,客勝。

占風は主客に分かつ。当日の日辰の納音を以て客方と為し、風の吹き来たる那個の方位を以て主方と為し、再び両者の五行の生尅を看て勝負を定む。譬えば甲子日の納音は金に属し、商音と為し、君位に居る。風が未・申・丑・寅の幾個かの方位より吹き来たれば、これらの位は徵音に属し、是れ商音の徵に動かさるるにして、徵は火に属して火は金を尅すれば、則ち主方の勝ちなり。若し風が巳位より吹き来たれば、巳は反って金の制伏を受く、那れは則ち客方の勝ちなり。別の一種の算法は日の納音を以て客と為し、加える所の時辰を以て主と為す。譬えば丙寅日の納音は火に属し、是れ徵音なり。時辰卯・酉の位に加われば、羽音に属し、徵の羽に動かさるると成りて、羽は水に属して水は火を尅すれば、主方の勝ちなり。若し時辰辰・戌の位に加われば、是れ徵の商を動かし、火は金を尅すれば、則ち客方の勝ちなり。

又甲子金日,時加丑寅,為徵動商,火尅金,主勝。風又從丑未上來,是二火一金,主大勝。又風從巳刑上來客勝,從時刑上來主勝。凡遠者為客,近者為主。行者客,居者主。起者客,應者主。動者客,靜者主。如兩人相擊,先擧者客,後擧者主,有氣勝,無氣敗也。

再び一例を挙ぐ。甲子日の納音は金に属し、時辰丑・寅の位に加われば、是れ徵の商を動かし、火は金を尅し、主方の勝ちなり。もし風また丑・未の両位より吹き来たれば、両重の火気が一重の金気に対すると成りて、主方の大勝なり。また、風巳位のこの相刑の処より吹き来たれば、客方の勝ち。時辰の刑する所の位より吹き来たれば、主方の勝ち。大およそ主客を分かつ通則は、遠くより来たる一方を客と為し、近く就く一方を主と為し、行動するを客と為し、安居するを主と為し、発起するを客と為し、応対するを主と為し、主動するを客と為し、静守するを主と為す。譬えば両人の搏鬪に、先に手を出すは客、後に手を出すは主なり。最後に仍お気を看るを要す。気有る一方は勝ち、気無き一方は敗る。

巻二十七

納音分日例

甲子、甲午、壬申、壬寅、庚辰、庚戌陽商,乙丑、乙未、癸卯、癸酉、辛巳、辛亥陰商。丙寅、丙申、戊子、戊午、甲辰、甲戌陽徵,丁卯、丁酉、己丑、己未、乙巳、乙亥陰徵。戊辰、戊戌、庚寅、庚申、壬子、壬午陽角,己巳、己亥、辛卯、辛酉、癸丑、癸未陰角。庚子、庚午、戊寅、戊申、丙辰、丙戌陽宮,辛丑、辛未、己卯、己酉、丁巳、丁亥陰宮。甲寅、甲申、壬辰、壬戌、丙子、丙午陽羽,乙卯、乙酉、癸巳、癸亥、丁丑、丁未陰羽。

六十甲子は納音に按じて五音に分属し、また各々陰陽に分かつ。甲子・甲午・壬申・壬寅・庚辰・庚戌のこの六日は陽商に属す。乙丑・乙未・癸卯・癸酉・辛巳・辛亥のこの六日は陰商に属す。丙寅・丙申・戊子・戊午・甲辰・甲戌は陽徵に属す。丁卯・丁酉・己丑・己未・乙巳・乙亥は陰徵に属す。戊辰・戊戌・庚寅・庚申・壬子・壬午は陽角に属す。己巳・己亥・辛卯・辛酉・癸丑・癸未は陰角に属す。庚子・庚午・戊寅・戊申・丙辰・丙戌は陽宮に属す。辛丑・辛未・己卯・己酉、丁巳・丁亥は陰宮に属す。甲寅・甲申・壬辰・壬戌・丙子・丙午は陽羽に属す。乙卯・乙酉・癸巳・癸亥・丁丑・丁未は陰羽に属す。占風の時は先ずこの張の表に按じて本日の何音に属するか・陰か陽かを定出し、然る後に初めて風の来たる方位と相配して生尅を論ずるを得。

十二辰五音の主る所

子陽宮,屬土,主帝王。丑寅陽徵,屬火,主旱,為宮寺、口舌。卯陽羽,屬水,主雨霧。辰陽商,屬金,主將軍、吏士。巳陽角,屬木,主疾病、憂患。午陰宮土,主女後。未申陰徵火,主庶人、士土,誥書、文檄、旱火、郵驛。酉陰羽水,主霜雪,雷電,陰沉虹。戌陰商金,主小將,兵刃。亥陰角木,主死喪、哭泣。

十二地支は各々五音に配し、各々主る所有り。子は陽宮にして、五行は土に属し、帝王の事を主る。丑・寅は陽徵にして、火に属し、旱情を主り、また宮殿・寺廟と口舌・是非を主る。卯は陽羽にして、水に属し、雨水・雲霧を主る。辰は陽商にして、金に属し、将軍と吏卒・士兵を主る。巳は陽角にして、木に属し、疾病・憂患を主る。午は陰宮にして、土に属し、后妃・女主を主る。未・申は陰徵にして、火に属し、平民百姓と士人を主り、また詔誥・文書・軍中の檄文・旱灾・火灾および駅駅の伝逓を主る。酉は陰羽にして、水に属し、霜雪・雷電および陰沉の天気と虹霓を主る。戌は陰商にして、金に属し、偏裨の小将と刀兵を主る。亥は陰角にして、木に属し、死喪・哭泣を主る。

凡宮為君,商為臣子、奴僕,角為民、為疾病、死喪。徵為事、為宗廟、鬼神。羽為物、為妻財、為境界。如子日、子方風為官動、主人,君出行布令風暴念急風徐令喜。

総じて言えば、五音各々象う所有り。宮音は君主を象り、商音は臣子と奴僕を象り、角音は百姓を象り、また疾病と死喪を主り、徵音は事務を象り、また宗廟・鬼神を主り、羽音は財物を象り、また妻室・銭財と疆界を主る。譬えば子日に逢いて風また子方より吹き来たれば、これは官位の発動にして、主人の身に応じ、君王の出行・号令の頒布を主る。風の来たること急暴なれば、頒する所の号令もまた急迫し、風の来たること徐緩なれば、号令は便ち寛和にして喜ばし。

五音風動占

宮日,風起子,山陵崩、君出、地動、旱、有土工;起午,旱、地震、後出。又時加子午,為重宮,君大夫走,風雨不調。從丑、寅、未、申起,為宮動徵,有火燭,土上寶物,出有兵。時加徵,為重徵,有義兵、詔令,曰義風。從卯酉來,商動羽,大雨、大臣走、旱。時加羽為重羽,即有赦、五榖成。從辰戌來,宮動商,有兵行。時加辰戌為重商,有兵殃。風從巳亥來,宮動角,主戰、人主憂、客兵傷、有喪。時加巳亥為重角,君不昌。

宮音の日に逢いて風を占う。風子方より起れば、山陵の崩塌・君主の出行・地震・旱灾を主り、あるいは土木を興すの役有り。午方より起れば、旱・地震・后妃の出行を主る。若し時辰また子・午の位に加われば、「重宮」と叫び、君主と大夫の奔走して位を離れ、風雨の失調するを主る。風が丑・寅・未・申の四位より吹き来たるは、是れ宮の徵を動かすにして、火燭の灾有るを主り、地下より宝物出づるを主り、兵を出せば則ち兵事有り。時辰また徵位に加われば、「重徵」と叫び、義兵を興し・詔令を下すを主り、この種の風は「義風」と称す。風が卯・酉より吹き来たるは、是れ商の羽を動かすにして、大雨・大臣の出走・旱灾を主る。時辰また羽位に加われば「重羽」と為し、則ち赦令の頒下あり、五穀豊成す。風が辰・戌より吹き来たるは、是れ宮の商を動かすにして、兵馬の行動有るを主る。時辰また辰・戌に加われば「重商」と為し、兵灾を主る。風が巳・亥より吹き来たるは、是れ宮の角を動かすにして、戦事・君主の憂愁・客兵の受傷・喪事有るを主る。時辰また巳・亥に加われば「重角」と為し、君主の昌盛せざるを主る。

徵日,陽宮風來,旱、火土上起、宮寺災。從陰宮起,太子疾。時加重徵,土上火災。從陽徵來,君有恐、火災、走獸入為害、宮寺焚、王相憂、大旱。徵陽徵來,六畜多死。從陽商來,急兵、君自守七日、遠七十日。從陰商來,有兵戰一日。從陽商來,臣強大死、君殃,以日占國。從陽羽來,四鄰有事、有寶玉、雷電、霜雹、臣候憂、多火災、夷兵至。從陰羽來,寶出、雷電、夷有事。從陽角來,兵喪。從陰角來,邊驚、兵火、春有喪。

徵音の日に逢いて風を占う。風陽宮の位より吹き来たれば、旱灾・地面に火起こり・宮殿寺廟の灾に遭うを主る。陰宮の位より吹き来たれば、太子の生病を主る。時辰更に徵位に加わりて「重徵」と成れば、地上に火灾起るを主る。風陽徵の位より吹き来たれば、君主の驚恐を受くる・火灾有る・野獣の闖入して害を為す・宮寺の焚焼せらる・王侯宰相の憂愁・大旱を主る。仍お陽徵より吹き来たるは、還た六畜の多く死するを主る。風陽商の位より吹き来たれば、急兵有るを主り、君主は須らく自ら七日を守り、遠ければ七十日を守るべし。陰商より吹き来たれば、一日の戦有るを主る。再び陽商より吹き来たれば、強臣・大人の死亡・君主の殃に遭うを主り、日辰に按じて推占して哪一国のこれに応ずるかを知るべし。風陽羽の位より吹き来たれば、四隣の事有る・地より宝玉出づ・雷電・霜雹・臣属諸侯の憂愁・火灾多し・外族の兵至るを主る。陰羽より吹き来たれば、宝物の世に出づ・雷電有る・外族に事有るを主る。風陽角の位より吹き来たれば、兵事と喪事を主る。陰角より吹き来たれば、辺境の驚擾・兵火の灾を主り、春天は則ち喪有り。

羽日,風從陽宮來,財物聚、君有使令、邊兵土工興、將受命、有集會、雷電。從陰宮來,冰雹寒傷物、有土工。從陽徵來,有兵、有急令、臣有憂、關塞路阻。風從陰徵來,邊臣有羽事大喪會,寒雪雹期五日,若五十日大雨南方來,國憂人,疾風從北方來,賊聚水中。陽羽來,日應。從陰羽來,夜應。從商來,兵圍不戰、邊急關阻、大雨,軍各不利。

羽音の日に逢いて風を占う。風陽宮の位より吹き来たれば、財物の聚集・君主の使命を派遣し・辺境に兵を用い并びに土木を興し・将帥の命を受けて出征し・集会の事有るを主り、また雷電を主る。陰宮より吹き来たれば、冰雹・厳寒の庄稼を傷害し、并びに土木の役有るを主る。風陽徵の位より吹き来たれば、兵事有る・緊急の号令有る・臣下に憂有り・関隘・道路の阻塞を主る。風陰徵より吹き来たれば、辺地の臣属に羽書の急報と大喪・集会の事有るを主り、寒雪・冰雹は期を応じて五日の内に在り。若し五十日に延ぶれば、則ち大雨の南方より来たる有り、挙国百姓の為に憂慮す。疾風の北方より吹き来たるは、賊寇の水沢の中に聚集するを主る。風陽羽より吹き来たれば、白天に応験す。陰羽より吹き来たれば、夜裏に応験す。風商位より吹き来たれば、敵軍の城を囲みて交戦せず・辺境の告急・関隘の阻断・天の大雨を降らすを主り、各路の軍馬皆な利あらず。

商日,風從陽宮來,太子忌恐、人臣有急、兵主疾。從陰宮來,庶子憂、有急變、兵北起。風從徵來,兵圍不戰,且旱。時加重徵,大旱。從陽商來,白衣聚、關梁閉、大將死、出忌外邑有兵、有小寇、兵在西,君有憂。從陽商來,有殃、粟貴、有兵七日,若七十日有急令。從陽角來,猝兵從急令。從陰角來,喪土工。

商音の日に逢いて風を占う。風陽宮の位より吹き来たれば、太子に忌諱の驚恐有る・臣下に急事有る・兵を領く人の患病を主る。陰宮より吹き来たれば、庶出の子に憂有る・緊急の変故発生し・兵事北方より興起するを主る。風徵位より吹き来たれば、敵軍の囲みて戦わず・且つ旱情有るを主る。時辰更に徵位に加わりて「重徵」と成れば、則ち大旱を主る。風陽商の位より吹き来たれば、平民百姓の聚集・関口橋梁の封閉・大将の死亡を主り、出行は忌諱を要し、外邑に兵有り・小股の賊寇有り、兵は西方に起り、君主に憂有り。風仍お陽商より吹き来たるは、灾殃有る・糧価の騰貴・七日の内に兵事有るを主り、若し七十日に延ぶれば則ち緊急の号令有り。風陽角より吹き来たれば、倉猝の間に兵起るを主り、之に随いて来たるは急令なり。陰角より吹き来たれば、喪事と土木の役有るを主る。

角日,風從陽宮來,兵中興、君憂國四閉。從陽宮來,貴人病、喪土工。從徵來,大臣災、火蠱生、榖貴。從羽來,土工興、大雨、邊兵人多口舌病、夷相奪。從商來,有急兵。從陽角來,邊兵起、人主憂、賊至、戰多死亡。從陰角來,大喪。時加重角,兵戰、盜起民飢、多死人。宮為君,以下皆為大臣、令長、庶宮小民當之,以下辰占國。

角音の日に逢いて風を占う。風陽宮の位より吹き来たれば、兵事の中途に復起し・君主の憂慮して四境の閉塞するを主る。再び陽宮より吹き来たるは、貴人の生病・喪事と土木の役有るを主る。風徵位より吹き来たれば、大臣の灾に遭う・火患・蛊惑の事を生ず・糧価の昂貴を主る。風羽位より吹き来たれば、土木の興起・天の大雨を降らす・辺兵と民衆の口舌と疾病多し・外族の相互に侵奪するを主る。風商位より吹き来たれば、緊急の兵事有るを主る。風陽角より吹き来たれば、辺境に兵起り・君主の憂愁・賊寇の到来・交戦して死亡多きを主る。陰角より吹き来たれば、大喪有るを主る。時辰更に角位に加わりて「重角」と成れば、兵戦・盗賊の四起・百姓の飢荒・死人の众多を主る。総じて宮音は君主を象り、宮以下の諸音は分かちて大臣・県令長官・平民小民に由りて承当し、再び下面の地支に按じて推占して哪一国の応験するかを知るべし。

凡風起正日時方位,徵多為火,羽多為水,商多為兵,為粟貴,角多為疾,宮多為吉,鳴條落葉,揚塵吹砍,乃占豈君月相日辰,占分期以干支合數,宮為十數,徵為三十,羽五十,商七十,角九十,干支令數,如甲子十八數,乙丑十六數之類。又日為令長,時為民,如德刑俱臨,以風之吉凶占,常以正月二十日,五月、十一月十四日,候天門有雲氣,或蒼黑赤白,皆為中外不通心。

およそ風の起るは、正しく当日・当時と方位の所属を看るを要す。徵音多きは火灾を主り、羽音多きは水患を主り、商音多きは兵戈と糧価の騰貴を主り、角音多きは疾病を主り、宮音多きは吉利を主る。風ただ枝條を吹きて響かし・樹葉を飄落せしめ、あるいは尘土を揚起し・草木を吹折するは、則ちこれに拠りて君王・月建・日辰を参看して占断す。応期を推算するは、干支相合の数目を用う。宮音は十数に配し、徵音は三十に配し、羽音は五十に配し、商音は七十に配し、角音は九十に配す。干支の本身もまた各々数有り、譬えば甲子は合して十八数、乙丑は合して十六数の類なり。また日辰を以て県令長官を象り、時辰を以て百姓を象る。若し徳神と刑煞と一同に位に臨まば、則ち風の吉凶を以て判断す。此の外、常に正月の二十日、および五月・十一月の十四日に、天門の方位に云気の有无を守候す。云気の青黑または赤白の色を呈するは、皆な内外の阻隔・上下心意を通ぜざるを主る。

凡雲氣紫赤,如煙非煙,如雲非云,鬱鬱紛紛,蕭索輪困,是曰夏云,喜氣也。雲含五色,潤澤和緩,見城上為景云,太平之應,一曰卿云,大風將至,雲如亂穰,大雨將至,雲甚重潤,日入而青雲東西極天,無雨則三年將有喪軍。

およそ云気の紫赤の色を呈し、煙に似て煙に非ず、雲に似て雲に非ざり、郁郁紛紛として聚集し、蕭散に盤繞して車輪の団結するがごときは、これを「夏雲」と叫び、是れ喜慶の気なり。雲の中に五種の顔色を含み、潤沢にして舒緩にして、城池の上空に出現するを、「景雲」と叫び、是れ天下太平の感応にして、ある人はまたこれを「卿雲」と叫ぶ。大風将に起らんとする時、雲の形状は散乱の禾秆に似たり。大雨将に至らんとする時、雲色は極めて濃重にして潤湿なり。若し日落の後に青雲の東西を横貫して直ちに天辺に抵り、而も雨下らざれば、則ち三年の内に軍隊の覆亡の喪将に有らんとす。

有喪則白雲南北如陣。赤雲如血則血流。黑氣如道則有赦雲。如龍行則大水入流。赤氣如人影,三日臣叛。雲俱五色不下雨,有隱賢。赤黃四塞,連日夜光此照地,大臣縱恣。赤色覆日如血,大旱民飢。黑氣變化更移,夷欺中國。雲如疋布,東西南北在邑上者,羊變。黑氣如牛頭,龍蛇變化,主病、流亡,不宜新婦,亦為狄侵華。

将に喪事有らんとする時、白雲は列陣のごとく南北に排開せん。赤雲の血のごときは、流血の灾を主る。黒気の道路のごとく横亘するは、赦令有るを主る。雲気の行動して龍のごときは、大水の泛濫して境に入るを主る。赤気の人影の形状を顕出するは、三日の内に臣子の反叛有り。雲は五色俱に備わると雖も雨を下さざるは、賢人の隠居して出でざるを主る。赤黄の気四方を堵塞し、連接して数日通宵に発光して地面に照るは、大臣の驕縦放肆を主る。赤色太陽を遮住し、顔色血のごときは、大旱にして百姓の飢荒を主る。黒気の不断に変化移動するは、外族の中原を欺凌するを主る。雲の一匹の布のごとく、城邑の上空に横たわりて東西南北皆な有るは、羊群の変異を生ずるを主る。黒気の形は牛頭のごとく、また龍蛇のごとき変化有るは、疾病を主り・人口の流亡を主り、新婦の成婚を為すに宜からず、また外族の華夏を侵犯するを主る。

凡戰氣赤雲,如傘蓋覆羊上,千里內戰吉,外憂。赤雲如狗入營,大戰流血。赤雲旋而不動,或如丹蛇,如覆舟,如耕襲,或白氣如車入北斗中轉移者,下流血將死。或雲上白氣如虹而交,或日旁有玦,五色白虹,皆戰氣也。凡出軍之日,天氣昏漠,雲氣陰沉,必戰。若青陽溫和,風塵不動,不見敵,亦不戰也。

およそ戦を主る気。赤雲の傘蓋のごとく羊群の上に覆うは、千里の内に交戦すれば吉と為し、千里之外に出ずれば則ち憂有り。赤雲の狗のごとく軍営に竄入するは、大戦して流血するを主る。赤雲の盤旋して移動せざる、あるいは形は紅蛇のごとく、あるいは翻覆の船に似、あるいは耕地相襲の壟に似、あるいは白気の車子のごとく北斗に入りて転移する有るは、下面の流血・将帥の将に死せんとするを主る。またあるいは雲上の白気交叉して虹のごとく、あるいは太陽の旁に缺環形の暈出現し、および五色の白虹、これら皆な戦気に属す。およそ出兵の那一天、天色の昏暗迷蒙・雲気の陰沉なるは、必定に打つべき仗有り。若し天気の清朗温和にして、風尘起らざれば、則ち敵人を見ず、また交戦せず。

猛将気

凡氣上與天連,下有名將。抱朴子曰:猛將之氣,如火勢,如張弓,或白如粉絮囷倉,黑如山林竹木,或紫黑如門上樓,或上或下赤如旌旗,或氣發漸漸如雲而變作山形,或雲氣如蛟蛇形,或如龍、如虎在殺氣中,或內白而赤氣外繞,或中黑而赤氣在前,或勃勃然如火煙之狀,皆為悍猛謀深,不可當在我軍上,四速戰也。

およそ気の上に青天に接する有れば、下に必ず名将有り。葛洪『抱朴子』にいう、猛将の気は、形は烈火の騰起するがごとく、弓弦の張り満つるがごとし。あるいは白くして粉絮のごとく・円倉に似たり。あるいは黒くして山林・竹木のごとし。あるいは紫黒色を呈し、門楼の一般なり。あるいは上に在りあるいは下に在り、赤くして旌旗のごとし。あるいは気の初めて発する時漸々雲に似て、後来変じて山の形状と為す。あるいは雲気蛟龍・長蛇の形に似たり。あるいは龍に似・虎に似て殺気の中に処る。あるいは内裏白を発して赤気外に環繞す。あるいは中間黒を発して赤気前に在り。これら皆な相手方の将領の剽悍勇猛・謀略の深沉を表示し、これと硬く碰り合う可からず。若しこの種の気が我軍の上空に出現せば、則ち四面に速戦速決するを要す。

伏兵気

凡兩軍相當,前後左右有赤氣,即有伏氣云,紛紛綿綿而相繼者,車騎伏也。如有席蒿草者,少兵伏也。白氣紛紜,如樓上狀,萬人伏也。軍上黑氣洋洋,而赤氣在中,或如烏雲之赤杵,或赤雲中之鳥,人在烏雲內,或如幢節在烏雲中,或如山嶽之王外,或前黑而白雲在後,皆伏兵氣也。

両軍対壘の時、若し前后左右に赤気出現せば、則ち那は伏兵有るの気なり。雲気の紛紛綿綿として接続して断えざるは、車馬・騎兵の埋伏なり。形状の鋪開せる席子または蒿草に似るは、小股兵力の埋伏なり。白気紛紜・形状楼台に似るは、上万人の伏兵なり。軍営の上空に黒気弥漫して赤気その中に居り、あるいは黒雲中の一根の紅杵に似、あるいは赤雲中の飛ぶ鳥に似、あるいは人の黒雲の裏面に在るに似、あるいは旌幢・符節の黒雲の中に立つに似、あるいは山岳の外に矗立するに似、あるいは前面黒を発して白雲後に在る――これら皆な伏兵の気なり。

陰謀気

凡白氣群行,或如群羊徘徊,結陣而來,或日月濛濛無光,士卒內亂及兵內發。或黑如幢節而出於營,必有詐謀。或黑而車旗臨我陣,必有亂臣,謀與賊通。晝陰夜月出,君謀臣,夜陰晝日出,臣謀君。或晝夜陰沉,或連陰十日,不是冬月而風亂起,君臣奸謀,亦是兩國相圖。黑氣流行,互含五色,臨我軍上,則敵與臣謀,自敗死。

およそ白気の群を成して行き、あるいは一群の羊の徘徊して去らず・陣勢を結びて逼り来たるに似、あるいは日月昏蒙にして光無きは、士卒の内部に乱を生じ・兵変の内部より発動するを主る。若し黒気の旌幢符節のごとく営中より冒出せば、必定に人の詐を施し謀を用う有り。若し黒気車馬・旗幟を挟みて我方の陣前に逼臨せば、必定に乱臣賊子の暗中に敵と勾通する有り。白天陰沉にして夜裏月亮反って出づるは、君主の臣下を算計するを主る。夜裏陰沉にして白天太陽反って出づるは、臣下の君主を算計するを主る。若し昼夜皆な陰沉なり、あるいは連接して十日陰りて、また冬季に非ずして乱れて大風起るは、君臣の間に各々奸謀を懐くを主り、また両国の相互に図謀するも可なり。黒気流動して其の中に五色を夾雑し、我軍の上空に圧するは、敵人の我方の臣属と合謀するを主る、但し彼らは自ら敗亡せん。

凡敵兵暴至,必有赤雲赫赫然及王子還見,或赤若旌旗,或獨見赤雲,如虹、如狗、如覆船,及天下白雲如布疋,經於丑未,或廣六、七丈,東西亙天,上下起兵,赤者尤甚,青者大喪。

およそ敵兵の将に突然来襲せんとするは、必定に先に征兆有り。赤雲赫赫として燃焼する一般の気象出現し、王子の気もまた之に随いて顕現す。あるいは赤気の形は旌旗に似たり。あるいは単に赤雲を見るのみにして、形状は虹に似・狗に似・翻覆の船に似たり。および満天の白雲一匹匹の布のごとく、丑位と未位の間に横貫し、あるいは寛さ六七丈に達し、東より西に至りて長空を横亘す。およそこの類の雲気有れば、上下皆な兵を起す。その中の赤色は尤も严重にして、青色は則ち大喪を主る。

又白如瓜蔓,如仙人衣,千萬戴結,罷而反興,至八九丈,連而不斷,千里兵至。或赤虹如狗,四枚相聚,如人行不絕,或如艾虎,或上有云,下有零螟,中天而下入我軍,或黑雲從敵來覆我軍,有云如人而赤臨城邑,而四望無雲,獨見雲極天半起,或如胡人列陣,或如執楯、如赤杵、如火云,如人持節之勢,或如旌旗之伸,皆主敵兵暴來襲我也。

また白気の瓜蔓の延伸するに似・仙人の衣帯に似・千万重に纏結して、散じてまた新たに聚起り、長さ八九丈、連綿として断えざるは、千里之外に兵の来たる有るを主る。あるいは赤色の虹の形は狗に似て、四条一处に聚まり、人の行きて絶えざるに似たり。あるいは形状は艾草の紋の老虎に似たり。あるいは上に雲有り・下に細密にして雨のごとき黒気有り、半空より垂れ下りて我軍に落入る。あるいは黒雲の敵方より飄来して我軍を罩う有り。あるいは雲の形は人に似て赤色を呈し、城邑の上空に圧し、四面望みて別に他雲なく、ただ此の一片の雲の半天より升起するを見るのみ。あるいは胡人の列陣に似、あるいは盾牌を執るに似、あるいは紅色の杵に似、あるいは火雲に似、あるいは人の手に符節を持てる様子に似、あるいは旌旗の舒展するに似る――これら皆な敵兵の将に突然来たりて我を襲撃せんとするを主る。

陣前色黑,有陰謀。色青,兵叛。色赤,兵飢。色黃,急去之勾擊。軍勝氣:軍勝之氣,前赤後白,雲如旌旗,揚揮指敵。或氣如堤阪,前後摩地。或如日月暈狀光芒,如飛鳥來而高。或赤白相隨,如鬪雞在雲霧中,或如三疋帛,前廣後大,或如一疋帛,皆不可勝。

陣前の雲気の黒を発するは、相手方に陰謀有るを主る。青を発するは、軍中に人の叛変有るを主る。赤を発するは、士卒の飢困を主る。黄を発するは、則ち急いで撤离して回身して勾撃するを要す。「軍勝気」に至りては、取勝すること能くする気象は前面赤色・後面白色にして、雲の形状は旌旗に似、揚起して飄動して敵方に指向す。あるいは気は長堤・陡坡に似て、前后地に貼りて摩擦して行く。あるいは日月の周囲の暈圈に似て、光芒四射し、また飛鳥の騰がり来たりて升ること甚だ高きに似たり。あるいは赤白の両色相随い、斗鶏の雲霧の中に在るに似たり。あるいは三匹の帛に似て、前面寛濶にして後面更に大なり。あるいは一整匹の帛に似たり。およそこれらの気象有る一方は、敵人の戦勝すること能わざるなり。

又如五頭馬低尾,而又赤如鳥在氣中如赤杵,在白雲中如人,在烏氣中如人持斧向之,如蛇擧首向之,如人牽牛、如覆舟、如小提、如山林木、如乳虎伏豹、如樸、如樓、如赤繞之。或赤黃連之,天如華蓋獨立,或五色雲氣如引絲,如陣前銳,皆盛氣也。

此の外にまた種種の形状有り。五匹の馬の尾巴を垂れたるに似たり。赤気の中に鳥の飛ぶ有るに似、また一根の紅杵に似たり。白雲の裏に人形有るに似たり。黒気の中に人の手に斧头を持ちて敵方に対するに似たり。蛇の首を昂げて相手方に向かうに似たり。人の牛を牽くに似たり。翻覆の船に似たり。小小の堤埂に似たり。山林樹木に似たり。哺乳の母虎・伏卧の豹子に似たり。朴樹に似・楼閣に似たり。また赤気その外を環繞するに似たり。あるいは赤黄の二気一片に連なり、天上に於て一頂の「華蓋」の独自に矗立するがごとし。あるいは五色の雲気抽出する絲線に似・陣形前端の尖鋭に似る――これら皆な気勢の旺盛の象に属し、本方の勝利を得るを主る。

敗気

營上氣囚廢枯散,或如馬肝,如死灰,如敗車不起,如臥牛,如敗屋,皆敗氣也。或蓋道敝蒙盡,暝飯不及食,炊不及熟,即急去之。或黑如壤山墮軍壘營頭星也。或白雲如群鳥起,趨入屯營結連,百里不絕,須臾不見,主他國來降。氣如群鳥亂飛,如粉、如塵、如煙燔生草,前銳後敗,如枯蓬轉者,急擊之。

軍営上空の雲気若し囚滞・廃弛・枯槁・涣散を顕し、あるいは顔色馬肝に似・冷透の死灰に似、あるいは形状破車の爬り起き能わざるに似・卧倒の牛に似・坍敗の房屋に似るは、これら皆な敗亡の気なり。若し雲気道路を蓋い、破敝昏蒙極処に到れば、則ち晩飯を喰うに及ばず・鍋未だ煮熟せずとも、急いで撤走するを要す。若し黒気の土山の崩塌して下り来たりて軍壘の上に圧する有るは、那是れ「営頭星」の象なり。若し白雲の一群の鳥の騰起するに似、成串に屯営に涌入し、綿延して百里断えず、轉眼また見えざるは、別国の前来りて投降するを主る。若し気の群鳥の乱飛するに似・粉末に似・尘土に似・青草を焚焼して冒出する煙に似、前端尖鋭にして後部潰散し、枯蓬の風に随いて打転するに似るは、則ち急いで出撃するを要す。

雲如偃蓋,如偃魚臨于軍上,如群羊、群豬在氣中,在十里以外,望念軍上,氣多而前白後青,或基兒臨營上,如馬在氣中漸漸入營,如只蛇委曲,如群狐驚奔,或赤光從天流下,如氣發連夜照人,或如卷席、如灰,如人臥無手無足,如飛鳥亂飛,如覆船車蓋,如敗提,如霧始起,聚散出沒。如十十五五妙手相向,又氣出而半絕將敗,氣漸盡將走,皆敗走逃奔之象。

雲の倒扣の傘蓋に似・仰卧の魚の軍営上空に圧するに似たり。成群の羊・成群の猪の気中に処るに似たり。十里の外に遠望して軍営上空に、気甚だ濃厚にして前面白を発し・後面青を発す。あるいは雲気の小児の営上に蹲るに似る有り。馬の気中より一歩一歩営に走り入るに似たり。一条の蛇の曲折盤繞するに似たり。一群の狐狸の驚きて奔逃するに似たり。あるいは赤光の天上より流瀉して下る有り。あるいは気一発すれば便ち接続して整夜人を照る有り。あるいは卷起の席子に似・灰烬に似たり。人の躺卧して手脚無きに似たり。飛鳥の乱飛に似たり。翻覆の船と車蓋に似たり。坍塌の堤岸に似たり。霧気の初起に似て、忽ち聚まり忽ち散じ・時に隠れ時に現る。あるいは三五群を成して相対して立つ。此の外、気剛に一半出でて便ち断絶するは、将に敗亡せんとするを主る。気逐漸に消尽するは、将に逃走せんとするを主る――これら皆な敗走逃奔の征象なり。

城有不可攻者,凡青黃雲氣臨城,若白雲從城中南北出,或白氣中出而青氣北入,往返四遠。若赤氣如杵向外有黑雲如星出,曰星精。若日暈有青赤氣從中四出,若蒙氣繞城而不入,若城上白氣如旌旗形狀云,若赤絮、若青雲入,如牛頭觸千人,若氣如煙火,若中出而入我軍,若如雙蛇,若云分雨雪。若云尅日,如甲乙平旦有白雲。丙丁日有黑雲等,若圍城,雷雨過旬,又城上氣滿人不見,皆為不可攻。

有る城は攻むるを得ざるなり。およそ青黄色の雲気の城池を籠罩する、あるいは白雲の城中より南北の両頭に向かって涌出する、あるいは白気の中より冒出して青気の北面より進入し、往復して四方に遠達する、あるいは赤気の一根の杵のごとく城外を指向し、また黒雲の星のごとく冒出する有る、これを「星精」と叫ぶ、あるいは日暈の中に青赤の気の四面に向かって射出する有る、あるいは蒙蒙の気城を繞りて城に入らざる、あるいは城上の白気形は旌旗に似る、あるいは赤絮のごとき気・青色の雲の城中に進入し、牛頭の千人を頂撞するに似る有る、あるいは気の煙火の一般に似る、あるいは城中より冒出して反って我軍に扑する、あるいは形は两条の蛇に似る、あるいは雲中より雨雪を分出す。また若し雲気の日辰を尅制すれば、譬えば甲乙の木に属する日に、清早に金に属する白雲出現す。丙丁の火に属する日に水に属する黒雲出現する等々。再び城を囲むの時雷雨十日间以上下り、および城上気満ちて人を見る能わざれば、これらの情形は皆な此の城の強攻すべからざるを表示す。

城有不可尅者,凡赤氣在城上,而黃氣四面繞之,將死城降。城中氣聚,如樓而出見於外,又赤虹從外入,三日可瘏。日重暈而白虹貫之,及濛霧入城,白氣繞而入後,所入攻之。赤黑氣如狐狸皮經及正赤,或如雄雌臨城,或赤氣如眾人頭,如飛鳥,如敗車,氣出向東南者,不可攻。氣向西北,或云如式人五、如三牛,如白蛇指城,或青氣,及氣上赤下白,及日無光明,日有西南風至,必尅。

還た有る城は打ち下すこと能わざるも、有るは反って必ず破る。およそ赤気城上に籠りて黄気四面に環繞するは、守将の将に死せんとし・城池の投降するを主る。城中の気楼台の形状に聚成して城外に顕現し、また赤虹の外面より城中に挿入せば、三日の内に城攻め下すべし。太陽に双重の暈圈出現して白虹横貫し、および蒙霧城内に涌入し、白気城を繞りて後に随即城に進入せば、則ち気の進入する所の那一面より攻打せよ。若し赤黒の気狐狸皮の紋路に似、あるいは純なる正赤の色、あるいは一雌一雄の両団の気の城上に圧するに似る。あるいは赤気の形は衆人の頭顱に似・飛鳥に似・破車に似る。これらの気若し東南方向に向かって散出せば、此の城は攻むべからず。若し気西北方向に向かい、あるいは雲の五個の直立の人に似・三頭の牛に似・白蛇の城池を指すに似る、あるいは青気、あるいは気の上部赤を発し・下部白を発し、加うるに太陽晦暗にして光無く、当日また西南風の吹き来たるあらば、則ち必定に攻克すること能くす。

城中氣出復入者,人慾逃。凡兩軍相當之氣,以我西賊東為例。西厚東薄,西長東短,西高東下,西澤東枯,我軍勝,反之敗。氣安則軍安,氣散則軍亂,氣南軍亦南,氣北軍亦北。對敵有火來,甚早。蔭覆人掩溝,盜大賊將至,雲如蛟蛇者,勝氣也。如兔雄者亡,甲乙日東方青氣,盛氣也。黃氣,死氣也。初出軍,赤氣相隨日出,居有憂,隨日沒,外告急,收兵勿行。

城中の気冒出してまた縮回するは、城裏に人の逃げんと欲する有るを主る。およそ両軍対峙の時気を看れば、則ち我軍の西に在り・敵軍の東に在るを例と為す。西面の気厚くして東面の薄く、西面の長くして東面の短く、西面の高くして東面の低く、西面の潤沢にして東面の枯槁なるは、皆な我軍の得勝なり。反って来たれば則ち我軍の敗なり。気安定すれば則ち軍心安定し、気涣散すれば則ち軍中乱を生ず。気南に偏向すれば、軍隊もまた南に向かわん。気北に偏向すれば、軍隊もまた北に向かわん。敵に対する時若し火光の过来る有れば、那の来たること甚だ早し。若し陰雲の覆蓋し・人影の溝中に掩伏する有れば、大股の盗賊の将至を主る。雲の蛟龍・長蛇に似るは、是れ取勝の気なり。兎子の雄踞するに似るは、敗亡を主る。甲乙の日東方に青気現ずるは、是れ気勢の旺盛なり。黄気現ずるは、則ち是れ死気なり。剛に兵を出す時、若し赤気日出に随いて来たれば、留守する一方に憂有るを主る。若し赤気日落に随いて来たれば、外面に急報有るを主り、当に兵を収めて出行するなかれ。

京房曰:“赤氣隨行,黑氣隨之,赤氣滅,賊可得,有赤無黑,賊不可得。被圍亦盛,關上氣鬱鬱如火光芒蓊蓊,然有救。至外出軍,雲隨後來,隨而擊之勝,逆者,急宜屯兵固守”。

京房いう、赤気軍隊に跟いて行き、後面また黒気相随うは、赤気熄滅する時を待てば、賊寇則ち擒獲すべし。若しただ赤気有りて黒気無ければ、賊寇は則ち捕らうる能わず。囲困せらるる時若し気仍お旺盛ならば、関隘の上気郁郁然として火光の一般に蓊蓊蒸騰せば、則ち必ず救兵の到来有らん。出兵して外に在るに至りては、若し雲の軍後に跟いて来たる有れば、則ち勢に順って追撃し、必勝す。若し雲の迎面して逆に来たるは、則ち急いで兵馬を屯駐して堅守し、軽進すべからず。

五音風

宮聲風,隆隆然,如雷鼓,如牛羊鳴窯中,發屋折木,主土動,君心煩,急令貴神輔相,疑忌兵起不安,其日風從宮來,山擢岸崩,君出地裂。風從角,蝗蟲敗榖。從商來,大水暴雨。風從徵來,蠱狼為害。從羽來,大雨陽寒,大臣凶。

宮声の風は、響声隆隆として、雷鳴・鼓震に似、また牛羊の窑洞裏に叫ぶに似て、房屋を掀翻し・樹木を折断すること能くす。それは地気の動揺・君主の心中煩躁を主り、急いで下令して貴臣良相の輔佐を要し、猜忌の下に兵事また起り、人心安からず。この日若し風宮位より吹き来たれば、山峰の拔裂・河岸の崩塌を主り、君主出行して土地開裂す。風角位より吹き来たれば、蝗虫の害を為し・庄稼を損壊するを主る。商位より吹き来たれば、大水・暴雨を主る。徵位より吹き来たれば、蛊惑と豺狼の患を為すを主る。羽位より吹き来たれば、大雨と反常の寒気を主り、大臣に凶有り。

商聲風,如離群羊,如扣鐘磬,如飛羽集,如鳴咽流水鳴聲惑人,發屋折木,主宮中兵起,鬪兵,急令關梁不通,耀貴。其日風從商來,白衣聚,關梁塞,大將退,外兵入。從角來,國有喪,兵行。從宮來,國有憂,將在外兵不戰。從徵來,君令行兵,主凶。從羽來,大雨至,在外兵解。

商声の風は、声音は群を離れたる羊の叫ぶに似・鐘磬を敲撃するに似・飛鳥の羽翼の聚集するに似、また呜咽の流水に似て、声音聴きて人を迷惑せしめ、また屋を掀し木を折ること能くす。それは宮中の起兵・士卒の相鬪を主り、急令して関隘・橋梁を封閉して通ぜず、糧価騰貴す。この日若し風商位より吹き来たれば、平民の聚集・関梁の堵塞・大将の退却・外来の兵の入境を主る。角位より吹き来たれば、国中に喪有る・兵馬の出動を主る。宮位より吹き来たれば、国家に憂有るを主り、将帥外に在ると雖も交戦せず。徵位より吹き来たれば、君主の下令して兵を用うるを主り、その占は凶と為す。羽位より吹き来たれば、大雨の到来を主り、外に在る軍隊解散す。

角聲風,如千人合聲呼嘯,或合合然。如千人唱,令人悲哀。如啾風鳴,雉登木,發屋折木,有急兵鬪入城邑。風從商來,有暴兵,軍令,宮中貴人疾,土工興。從羽來,野飢人。從徵來,絲貴有火燔。從宮來,不祥。從角來,不吉。

角声の風は、上千人の斉声に呼嘯するに似、あるいは嗡嗡として合鳴す。千人の同唱するに似て、聴きて人を悲哀せしむ。また啾啾の風声に似て、野鶏驚きて樹に飛び上がる。それもまた屋を掀し木を折ること能くし、緊急の兵事有るを主り、敵兵鬪りて城邑に入る。この日若し風商位より吹き来たれば、突如として至る兵馬と軍令有るを主り、宮中の貴人生病し、土木の役興起す。羽位より吹き来たれば、野外に飢民有るを主る。徵位より吹き来たれば、絲価の昂貴・火灾の焚焼有るを主る。宮位より吹き来たれば、是れ不祥の兆なり。角位より吹き来たれば、亦た不吉なり。

徵音風,如奔馬、火炎,如縛彘聲發,屋行來火災,妖害、急事、兵行。其日風從徵來,火起、君憂。從角來,火災、土工、大旱。從宮來,喪泣、寺舍火災。從商來,有鬪兵。從羽來,寶物出,國多雷,震有使。

徵音の風は、来勢奔馬の疾馳するに似・烈火の騰焰するに似、声音は猪只を捆縛する時の嘶叫に似たり。それ一路屋を掀きて来たり、火灾・妖異の害を為す・突発の急事および兵馬の調動を主る。この日若し風徵位より吹き来たれば、火を起し・君主の憂愁を主る。角位より吹き来たれば、火灾・土木の役と大旱を主る。宮位より吹き来たれば、喪事の哭泣・寺廟屋舎の失火を主る。商位より吹き来たれば、士卒の相鬪を主る。羽位より吹き来たれば、宝物の世に出づ・国中雷多きを主り、雷震の後に使者の到来有り。

羽音風,如擊溫鼓,如糜鳴子,如水揚波,激氣相磋,發屋折木,兵起,耀貴。其日風從羽來,雨雹、霜災。從商來,兵鬪、將憂。從宮來,暴風、大雨、寒氣傷物。從徵來,臣民有憂。從羽來,城圍不去。風角之書。

羽音の風は、声音は悶鼓を敲撃するに似・麋鹿の幼崽を呼喚するに似・水面の波涛を揚起するに似、気流激荡して相摩し、また屋を掀し木を折ること能くし、起兵と糧価の騰貴を主る。この日若し風羽位より吹き来たれば、雨雹を降し・霜灾有るを主る。商位より吹き来たれば、士卒の相鬪・将帥に憂有るを主る。宮位より吹き来たれば、暴風・大雨・寒気の作物を傷害するを主る。徵位より吹き来たれば、臣下と百姓に憂有るを主る。仍お羽位より吹き来たるは、城の囲困せられて敵兵退かざるを主る。以上皆な「風角」一家の占候の書の載する所の内容なり。

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