辨正第七
奴婢成摹,定是寬宏待下;資財盈庫,決然勤儉持家。娨婦多因性垢,老後無歸;奚婆定是情乖,少年浪走。寬宏不如富貴,勤儉不如陰險,此衰世與盛世不同。性垢不損人便損己,故有無歸之說;乖戾家不和而親又疎,故有浪蕩之舉。
家中奴婢群を成して各々規矩あるは、主母一定是れ寬宏にして下を待す。錢財庫房に裝満せるは、主母一定是れ勤倹にして家を持す。棄婦と做るは多半性情污濁なるに因り、老來歸するの處なし。老媽子に淪為するは必是れ情性乖張、年輕の時より外に於て浪蕩せり。作者の解説:衰乱の世に到れば、寬宏は富貴に比べ上がらず、勤倹は陰険に比べ上がらず、これは正に衰世と盛世との不同なり。性情污濁の人は人を損うに非ざれば即ち己を損う、ゆえに老いて歸する所なきの説法あり。性情乖戻の人は家裏和せず・親戚も亦た疎遠す、ゆえに外に於て浪蕩するの擧動あり。
為甚欺人?顯然淫亂。緣何無子?暗裡傷人。淫婦之心最毒,亂婦之心最惡,故有欺人手段,蓋持其美而驕其才;暗裡傷人,刑夫又刑子女。合觀前論,歷試無差;勉教後來,猶期善變。信手骨格部位,相輔而行;允矣血氣精神,由是而顯。如其善而守之,上添花;如其惡而不為,禍轉為福。
何のため公然人を欺くや。それは是れ明に擺れたるの淫乱なり。何のため子嗣なきや。それは是れ暗中人を傷つけたるなり。作者の解説:淫婦の心は最も毒し、乱婦の心は最も惡し、ゆえにこそ人を欺くの手段あるなり——彼女らは自己の美貌を仗り・自己に才有るを驕矜す。暗地裏人を傷つくるは、既に丈夫を刑剋してまた子女を刑剋す。以上の各条合せて看れば、屢試して差えず。寫し出して以て後人を勉勵し、なお彼らの能く惡を改め善に從わんを盼う。骨格と部位とは手を隨いて按ずる能く、彼此相輔して行う。血氣と精神とは確實に此に由りて顕露し出づ。若し本来是れ善にして能く守れば、それは是れ錦の上に花を添う。若し本来是れ惡にして能く做らざれば、禍も亦た能く轉じて福と為らん。
公篤曰:希夷者,大華山之隱士也,姓陳名搏,字圖南,為五代末時人。其性命學繼呂祖之道統,風鑑受麻大之真傳。當宋太祖即位時,曾宣入朝相帝,賜以官不受,故賜號希夷,復歸於華山也。按希夷之法,言心不言相,故名心相篇,宣傳聖賢之禮教,發揚善惡之因果,含有老子之禍福無門、為人自招之義。
陳公篤曰く:希夷先生は是れ華山の隱士、姓は陳・名は摶・字は圖南、五代末の人。彼の性命の學は呂洞賓の一脈の道統を承接し、相を看るの本事は麻衣道者の真傳を自得せり。宋太祖位に即くの時、曾て彼を朝廷に召して皇帝のため相を看せしめ、官を彼に賜わんと要せしも、彼は受け肯んぜず、因りて「希夷」の号を賜い、仍旧華山に回り去れり。彼のここの一路の法門はただ心を講じて相を講ぜず、ゆえに篇名は《心相篇》と作し、用意は聖賢の禮教を宣揚し・善惡の因果を闡發するに在り、その中に老子の「禍福門なく、ただ人自ら召す」の意思を含着す。ゆえにここの一篇は通篇論ずるは存心と行事、前面の各章の専ら部位氣色を講ずるの路数と併せて相同ぜず。
余考盛世天道淳厚,尚道德禮義,而繩人以善,正也;亂世天道澆薄,尚陰險詐,而迫人以貪,權也。故管子云:衣食足而知禮義。太史公云:竊鉤者誅,竊國者侯,候之門,仁義存。由是觀之,生活為立身之本,潮流為人事之變。
我考察す:太平の世は天道淳厚、社會は道德禮義を崇尚し、善を用いて以て人を約束す、これは是れ「正」。乱離の世は天道澆薄、社會は陰険詭詐を崇尚し、貪を用いて以て人を逼迫す、これは是れ「権」。ゆえに《管子》説く、衣食充足してこそ禮義を知る。太史公司馬遷は《莊子・胠篋》の話を引きて説く、帯鈎を偸むの人は死を處せられ、國を竊むの人はかえって諸侯を做り、諸侯の門に、仁義は即ちあれに在り。此に由りて看れば、生計は是れ身を立つるの根本、時代潮流は則ち人事變化の縁由なり。
盛世儉樸,其耗費不多,財源日豐,人心容易規正,用希夷之法可也,其法有益於風化故也。亂世浮奢,其耗費既多,財源日竭,人心飄搖顧忌,事實險詐百出,而不本乎禮義者,環境惡劣,逼迫而使之然也,其法既不為用。餘猶全錄者,此心相篇可抵朱子格言,以道德立網,以禮義立法,其意在規過遷善耳。餘有二語,為立身社會之必要:害人之心不可有,防人之心不可無,執中可也。
太平の世は風俗倹朴、耗費多からず、財源日に漸く豊厚し、人心正路に導き上げ易し、ここの時は希夷のここの一套の辦法を用いて即ち行けり、それは風俗教化に有益あるに因る。乱離の世は風氣浮奢、耗費既に多く、財源日に漸く枯竭し、人心飄搖にして處處顧忌し、實際詭詐百出し、人々礼義に依りて事を行うを肯んぜず、それは是れ環境惡劣・逼り出づる所なり、希夷のここの一套は便ち用上がらず。我仍旧それを全篇照らして錄するは、ここの篇の《心相篇》は一部の《朱子格言》に抵え得るに因る:道德を拿りて綱と作し・禮義を拿りて法を立つ、用意全て人を勧めて過を改め善に向かわしむるに在り。我別に両句の話あり、是れ身を社會に立つるの必須する所:人を害するの心有る可からず、人を防ぐの心無る可からず——ここの中道を守れば即ち好し。
柳莊訣
眉起骨,髮燕尾,主刑子息。古法云:頭無惡骨。按眉尾起骨,為外財庫;眉頭起骨,主貴而刑昆仲。此言刑子,頗不合法。髮燕尾,主刑父母幼孤,亦不刑子。如為刑剋二字可也。
眉骨凸起・髮際燕尾の形状を生成するは、子息を刑剋するを主る。作者の辨析:古法説く頭の上に惡骨なし。眉尾の處に骨を起こすに按ずれば、それは是れ「外財庫」。眉頭の處に骨を起こすは、貴を主りて兄弟を刑剋す。ここに子を刑ると説くは、甚だ法度に合せず。髮際燕尾形を作るは、父母を刑剋して幼年孤苦を主り、亦た子を刑るを主らず。若しただ籠統に「刑剋」の両個字を寫せば、卻ってなお説き過ぎ得。
肥人面赤,主性姤心凶;瘦人髮黃,主奸貪暗殺。肥人以肉浮肉流為賤,面赤主邪行冷退,及好酒痔血刑剋之類。如性姤心凶,多出眉儂粗、目晴凸。其肥人面赤,主憂柔妄貪,讒諂徇私。瘦人為木局,以清秀為合格,髮黃者刑人丁而勞碌,多出愚而孤。其奸貪暗殺,均不合法。
肥胖の人満面赤色のは、性情妒忌・心地凶狠を主る。清瘦の人頭髮黄を發するは、奸貪にして暗中人を害するを主る。作者の辨析:肥人は肌肉浮泛松流を以て賤格と為す、面赤は行為邪僻にして運途冷退、および酒を嗜み・痔を患えて血を出し・刑剋の類を主る。若し性妒心凶と説かば、多半は眉毛濃粗・眼珠凸出の人の身上に出づ。肥人面赤は、實際性情優柔にして妄に貪り・讒言を進め好み・諂媚して私を徇するを主る。瘦人は木局に属し、清秀を以て合格と為す、頭髮黄を發するは家中人丁を刑剋して而且労碌し、多半は愚鈍孤僻の一類より出づ。彼の奸貪暗殺を説くに至っては、皆法度に合せず。
有頭無項,三十前死。此條合法。頭大項小為不配,故不壽。凡人低頭,天柱斷折,亦主貧夭,三十為交中界限故也。男人睛黃,性多急燥,再露者,犯刑名。睛黃多剛勇,盛世有倉猝之失,亂世為臨險而發。再露而有威者,皆大貴也;露而不收者,主刑剋與危險驚災,不善後也。
頭ありて幾ど脖子を見ざるのは、三十歳以前に就ち死す。作者はここの一条法度に合すと説く:頭大にして脖頸細小なるは、是れ相配せず、ゆえに長寿ならず。凡そ頭を低くするを習慣とするの人は、「天柱」折断のごとし、亦た貧窮短命を主る。三十歳は正に前運より中運に交え入るの界限なり。又た説く男子の眼珠黄を發するは、性情多半急躁、若し眼珠再び外露せば、刑罰を觸犯せん。作者の辨析:眼珠黄を發するの人は多く剛強勇武、太平の世に於ては倉卒失手の失あらん、乱世に於てはかえって能く険に臨みて發迹せん。眼珠外露にして威厳を帯ぶは、皆是れ大貴の相。外露にして神光収め得住せざるは、こそ刑剋および危険驚災・事尾を収め得ざるを主る。
男人眼大,常招陰人口舌。眼大者,妻頗賢淑;再浮白,性情乖戾,偏傲不常。其陰人口舌,指妯娌不睦耶?指內戚失和耶?或指遊蕩狎妓,而生口舌耶?
男子眼睛大なるは、常に女人の方面の口舌是非を招來す。作者の辨析:眼睛大の人は、妻子相當賢淑なり。若し眼白再び浮多ければ、性情即ち乖戻し、偏執驕傲にして反復常なし。いわゆる「陰人口舌」に至っては、究竟是れ妯娌の間の和睦せざるを指すか、それとも妻族親戚の失和を指すか、又或者は外に於て游荡して妓を狎し因りて是非を生出すを指すか——原文未だ説き明白せず。
髮深者好淫,有結喉者惡夢,男女皆同。髮深好淫不確。按淫亂,神麗而流,色豔桃花,穀道多毛之例。髮深者氣厚,淫與不淫,不在此也。結喉招惡夢較驗,主勞碌亦合法。
頭髮濃密の人は淫を好み、喉結突出の人あるは常に惡夢を做す、男女皆是れ一樣。作者の辨析:頭髮濃密なれば即ち淫を好むと説くは併せて確實ならず。淫乱を断ぜんと要せば、眼神艷麗にして流蕩・面色艷なること桃花のごとし・肛門周圍毛多きのここの一類の徵象を看るを得。頭髮濃密はただ元氣厚きを説明するのみ、淫と不淫とは併せてここの上頭に在らず。喉結突出惡夢を招くのここの一条は比較的應験し、それの労碌を主るを説くも亦た法度に合す。
耳珠生黑子,有水驚之災;男女捲髮,犯淫犯刑。耳珠黑病,主聰明奇技之專長,亦主水災應驗頗多。按男女捲髮,主刑人丁而愚拙;如淫亂,則兼有他部方驗。
耳垂の上に黒痣を生ずるは、水に落ち驚を受くるの災あり。男女頭髮卷曲のは、淫を犯し亦た刑を犯す。作者の辨析:耳垂の上の黒痣は、ここの人聡明にして一技の奇長あるを主る、水災の上に応ずるに至っては、験案も亦た確實に少なからず。男女卷发のは、家中人丁を刑剋して而且天資愚拙を主る。若し淫乱を断ぜんと要せば、なお兼ねて別の部位を看てこそ準なり。
項後髮腳高肉如堆,眼深鬚黃,俱犯人命。項後高肉,主壽而剛;眼深主刑妻妾子女;鬚黃主刑剋駁雜。此言人命,頗不合法。犯人命者,神驚岔而浮四白,聲破而赤縷也。
後頸の髮脚の處に高く一団の肉を堆起し、加うるに眼窩深陷・胡鬚黄を發するは、皆人命を鬧し出さん。作者の辨析:後頸の肉高きは長寿にして性剛なるを主る。眼窩深陷は妻妾子女を刑剋するを主る。胡鬚黄を發するは刑剋にして運途駁雜を主る。原文の人命案を犯すと説くは、甚だ法度に合せず。真正に人命を出だすの相は、眼神驚乖にして四周に白眼を浮出し・声音破散にして眼中に赤色の血絲を帯ぶなり。
目不轉睛,上下左右視者,俱主做。目不轉睛主偷盜,上視主驕傲,下視主險詐,左右視主邪淫奸貪。此言均主做,亦不合法,分而言之可也。眉重耳低,多是偏生庶出;婦人仰面,多有姦淫。庶出多應髮低岔,鬢曲突。耳低為附帶之品,眉重為憂愁之例,不能完全認為庶出。婦人仰面,多慕虛榮及驕傲,加以神浮、三陰青黑,方淫而奸。
眼睛を盯住して動かざる、および上に・下に・左右に斜めに看るは、皆盗偸を主る。作者の辨析:目を轉を轉ぜざるは盗偸を主り、上に向かいて看るは驕傲を主り、下に向かいて看るは陰険狡詐を主り、左右に斜めに看るは邪淫奸貪を主る。原文一概に盗偸と斷ずるは、法度に合せず、応に分かちて説き來してこそ對なり。又た説く眉毛濃重・耳位偏低のは、多半是れ庶出。婦人の臉を仰ぐは、多く奸淫の事あり。作者の辨析:庶出は多半髮際低くして參差・鬢角彎曲突出の上に応ず。耳低はただ附帯の徵象、眉重は是れ憂愁の表現、一概に庶出と斷ずる能わず。婦人の面を仰ぐは、多半是れ虚榮を愛慕して而且驕傲、なお兼ねて眼神浮蕩・三陰部位青黑を加上して、こそ又た淫にして又た奸と斷じ上がる。
身大手小不聚財,身小手大多下愚。凡形格以勻配為吉,此言不配也。身大手小主儒弱而怠惰,身小手大主勞碌而愚拙,此言其大體如是也。沙皮多起家,蛇皮多敗家。沙皮為沙點雞皺皮,寒暑皆然,主白手興家;蛇皮細膩冷滑,主刑剋冷退,女格最忌而賤也。
身軀大にして手小なるは財を聚め得住せず、身軀小にして手大なるは多半是れ下愚。作者の解説:凡そ形格を看るは總て彼此勻稱相配を以て吉と為す、ここの両句の講ずるは正に不相配。身大手小は性情懦弱にして怠惰を主り、身小手大は一生労碌にして愚拙を主る——大体は即ちこもなり。又た説く皮膚沙のごときは多く能く家を興し、皮膚蛇のごときは多く家を敗らんと要す。いわゆる「沙皮」は、沙点を帯び・雞皮のごとく皺を起こすの皮膚、冷天热天皆然なり、白手にて家を興すを主る。いわゆる「蛇皮」は、細膩にして冷滑の皮膚、刑剋にして運途冷退を主り、女相の裏に於て最も忌み、下賤の格に属す。
面大婦人多不孝,睛圓女子定妨姑。面大婦人有厚福居多,其肉浮主冷退,肉緊主夭亡,不孝則神急口吹方應。睛圓主氣疾夭壽,如髮低鬢突,則刑父母尤早。
臉大の婦人は多半是れ不孝、眼珠圓の女子は一定婆婆を妨剋す。作者の辨析:臉大の婦人は多半是れ福澤深厚。若し肌肉浮松なれば則ち運途冷退を主り、肌肉緊綳なれば則ち早夭を主る。不孝を断ぜんと要せば、なお彼女の眼神急躁・嘴形吹火のごときを看て、こそ応え上がる能う。眼珠圓は氣病にして寿短を主り、若し再び髮際低・鬢角突出を加上せば、則ち父母を刑剋すること格外早く來る。
腳肚小,背坑陷,一生無祿;目紅語結,好色無穹。腳肚,即股肱無包,主困苦;背脊坑陷,主虛花無壽。二者合有,主孤苦夭亡。目紅者,赤縷耶?赤光耶?語結者,心不定。二者合有,主駕疑妄舉。好色之說,或指北方人而言耶?
小腿肚瘦小・背脊凹陷のは、一生禄食なし。眼睛紅を發し・説話結巴のは、色を好むに止境なし。作者の解説:いわゆる「脚肚」は、即ち小腿の上に包み得住せざるの肌肉、一生困苦を主る。背脊凹陷は虚にして表あるのみにして長寿ならざるを主る。両様皆あるは、孤苦にして早亡を主る。「目紅」に至っては、究竟是れ眼中の赤色血絲を指すか、それとも目の赤光を透るを指すか、原文未だ説き清めず。「語結」は是れ心の裏定まらざるなり。両様皆あるは、猜疑にして擧動妄為を主る。色を好むのあの一説に至っては、あるいは北方人に就いて言うなるか。
眼大小,須偏斜,俱主懼內;夢話之人,需多妄語。眼大小,主有不同母之弟兄;須偏斜,主子女之分。或指北方人懼內耶?或明時天道多驗此耶?夢話多妄語有之,余考多憂慮及勞碌也。
両眼一大一小・胡鬚一辺に偏向のは、皆老婆を怕るるを主る。夢話を説くの人は、多半實ならざるの言を講ずるを愛す。作者の辨析:両眼一大一小は、異母の兄弟あるを主る。胡鬚偏斜は、子女の上に分別あるを主る。老婆を怕るるの一説に至っては、あるいは是れ北方人の情形を指すか、又或者は是れ明代のあの時の天道多くここの一条に應験せしなるか。夢話を説くの人の妄語を講ずるを愛するは、確かにその事あり。ただ我が考驗に据るに、ここの種の人はなおさら多く心中の憂慮重く・身上の労碌多し。
女人汗多主勞苦,無汗無子,汗香主子貴,汗濁主子賤。女人以血為主,汗為血之餘也。汗多主夫弱而刑剋,汗香子貴,汗濁子賤,無汗無子。此條為柳莊最驗,深得古法也。
女子汗多きは一生労苦を主り、汗を出ださざるは子嗣なし、汗氣清香のは兒子顯貴、汗氣渾濁のは兒子低賤なり。作者の解説:女子は血を以て本と為し、汗は是れ血の余氣。汗多きは丈夫身弱にして刑剋を受くるを主る。汗香なれば則ち子貴し、汗濁なれば則ち子賤し、全く汗なければ則ち子なし。ここの一条は是れ柳莊相法の中の最も靈験、古法の精義を深得せり。
小兒咬齒妨母,開口睡者難養,男女關中不起,主邪惡夢魔迷惑。小兒咬齒,主疳疾,飲食停聚;開口睡者,先天氣洩也。關者,手上關骨也,關骨不起,主性愚,其邪惡之夢亦宜。自言自語,鬼迷壽夭;奸門十字紋,夫妻不睦。自言自語,主神經激刺,冷退敗家,惡疾而亡,非鬼迷也,柳莊以北方多狐邪而言之耶?奸門十字紋,主生離,豈止不睦而已。
小孩睡中に牙を磨くは母親を妨剋し、嘴を張りて睡るは養活し難く、男女の手上「關」位起こらざるは、常に邪惡の惡夢を做し・魘魔の迷惑を受くるを主る。作者の解説:小孩の牙を磨くは是れ疳積の疾、飲食積滞して化せざるなり。口を張りて睡るは是れ先天元氣の外泄。いわゆる「關」は、手上の關骨を指す。關骨起こらざるは、天性愚鈍を主り、彼の多く邪惡の夢を做すを説くも亦た講じ通る能う。又た説く自言自語の人は鬼に迷住せられて短命し、奸門に十字紋を生ずるは夫妻和睦せず。作者の辨析:自言自語の人は是れ神經の刺激を受けたるなり、運途冷落・家業敗落を主り、最後に惡疾に死す、併せて何の鬼迷なるにあらず。柳莊こも講ずるは、大概北方多く狐仙作祟の説法を傳うるに因るか。奸門に十字紋を生ずるは夫妻生離を主る、どうしてただ和睦せざるのみならんや。
女顴高大,能理家財;目中有痣,男主聰明,女主淫亂。女子顴高大,其人多才智,而代夫權,然主刑夫,或夫弱。目中有痣,主聰明而貴,痼疾而仇,男女皆然,女主刑剋,不主淫亂也。耳薄鼻樑低,嘴,胸堂凸,奴婢之格。此皆下賤之格:耳薄者,父母無靠;鼻樑低者,夫星困苦;口者,六親失和;胸堂凸者,性毒命否,故均微賤也。
女子の顴骨高大のは、能く家中の財物を料理せん。眼中に痣を生ずるは、男子は聡明を主り、女子は淫乱を主る。作者の辨析:女子の顴骨高大のは多く才智ありて、能く丈夫に代わりて権を掌る、しかるにもまた丈夫を刑剋するを主り、あるいは丈夫身弱なり。眼中に痣を生ずるは聡明にして顯貴を主り、同時に亦た痼疾あり・仇怨を結ぶを主り、男女皆是れ一樣。女子に於ては則ち刑剋を主り、併せて淫乱を主らず。又た説く耳薄・鼻梁低・嘴形正ならず・胸口凸出は、これは是れ奴婢を做るの格局——嘴形を形容するのあの字は、底本已に缺失せり。作者の解説:これらは皆是れ下賤の格:耳薄は、父母靠り住む能わず。鼻梁低は、丈夫のここの一星困苦す。嘴形正ならざるは、六親和せず。胸口凸出は、性情狠毒にして命運閉塞す——ゆえに皆微賤に属す。
少者神散即死,老者項幹即死;女人唇白即病,唇青即死;小兒眼黑,十無一大;男子頭低,百無一成;婦人唇白,十無一子。此數句為柳莊精神,用之頗驗。按小兒神黑,餘疑為神浮之誤。女子以血為主,故唇紅者血旺而有子;唇白唇青,皆主疾厄不壽,何子之有。
年輕の人は眼神一たび散ずれば即ち死せんと要し、老年人は脖頸一たび乾枯すれば即ち死せんと要す。女人は嘴唇白を發すれば即ち病せんと要し、青を發すれば即ち死せんと要す。小孩の眼神昏黑のは、十個の裏長た大ざる一個。男子の頭を低くして路を走るは、一百個の裏成らざる一個。婦人の嘴唇白を發するは、十個の裏子ある一個なし。作者の解説:ここの幾句は是れ柳莊相法の精神の所在、用うれば相當靈験す。「小兒眼黑」に至っては、我は「神浮」の誤ならんと疑心す。女子は血を以て本と為す、ゆえに唇色紅潤のは血旺にして子あり。唇白・唇青のは皆多病不寿を主る、どうしてなお子息に談ずる得上がらんや。
眉生毫主壽。余考眉毫為憂愁而生,雖壽亦勞,非壽而有福也,故餘分朝上主刑剋,朝下主憂愁。耳白唇紅主子貴,老來好色主壽。耳白唇紅,主貴名而多祿,子貴又其餘事也。老來好色,主大壽,亦多子女。餘見七十餘之老人,尚有生育子女者,蓋因稟受之氣厚故也。
眉の上に長毫を生出するは長寿を主る。作者の辨析:我が考究に据るに、眉毫は是れ憂愁に由りて生ぜる、縱令長寿するも労碌し、併せて又た寿にしてまた福あるにあらず。ゆえに我それを分かちて以て断ず:毫毛の上に朝るは刑剋を主り、下に朝るは憂愁を主る。又た説く耳色白・唇色紅は子孫顯貴を主り、人老れてなお色を好むは長寿を主る。作者の解説:耳白唇紅は自身に貴名ありて禄食豊厚を主り、子孫顯貴はなお其次に在り。老來色を好むは大寿を主り、亦た子女多し。我七十歳余の老人のなお能く子女を生育するを見たり、正に彼の禀受するの元氣厚きに因る。
老人落鬚主刑子,老人不落髮主勞碌,女格老不落髮主淫而孤。此皆一偏之見,或北方情形不同。余考老人落鬚,主隱憂不遂;老不落髮,主勞碌刑剋;女不落髮,主壽。此言淫孤均不驗,或有他格相併也。
老人の胡鬚脱落のは兒子を刑剋するを主り、老人の頭髮脱落せざるは一生労碌を主り、女子老れて頭髮脱落せざるは淫蕩にして孤獨を主る。作者の辨析:これらは皆是れ一偏の見、あるいは北方の情形南方と同じからざるか。我が考究に据るに:老人の鬚を落つるは、心中の隱憂舒展する能わざるを主る。老いて髪を落とさざるは、労碌にして併せて刑剋あるを主る。女子老いて髪を落とさざるは、長寿を主る。原文の淫を説き・孤を説くは、皆應験せず、別に別の凶格併せて見ゆるに非ざれば、こそあの樣に断ずる能う。
承漿無髯又坑陷,主水驚。此條合法。承漿為水行之專部,故驗水災。如氣色黑慘,主水災之時;如紅黑青各色混合,主血光瘡毒,或酒病之厄。女人口唇,下包上主口舌,上包下主心惡毒。口唇為相法之小部,關係衣祿。下包上者刑母,上包下者刑父。唇不固齒者多口舌。包者有餘與不足,主悋而見小也。
下唇の下方の「承漿」の處に胡鬚を生ぜずしてまた凹陷のは、水に落ち驚を受くるを主る。作者はここの一条法度に合すと説く:承漿は是れ水行の専属の部位、ゆえに水災に應験す。若しあれの處の氣色黑惨なれば、即ち是れ水災發作の時。若し紅・黑・青の幾種の顔色混雑なれば、則ち血光瘡毒・あるいは酒に因りて病を致すの厄を主る。又た説く女人の嘴唇は、下唇上唇を包住するは口舌是非を主り、上唇下唇を包住するは心地惡毒を主る。作者の解説:口唇は相法の裏に於てはただ小部位、衣禄に關係す。下上を包むは母親を刑剋し、上下を包むは父親を刑剋す。嘴唇の牙齒を蓋い得住せざるは口舌多し。一唇の別の一唇を包住するに至っては、正に一辺有余・一辺不足、ここの人慳吝にして眼光短小を主る。
男子髮粗犯刑,女子髮粗刑夫克子。男子髮粗,主勞碌厚及愚拙;女人髮粗,主刑傷憂愁,前業見耗,又有半數流落下賤也。色如粉如雲莫言好,恐招重刑;六指妨父而下賤。氣色以明潤天紫為吉。粉者,浮光也;雲者,散漫也。粉光浮出,主刑人丁及疾厄;故漫不聚,主虛浮多累及冷退。六指妨父頗驗,其下賤當另有他部不好,力應驗也。
男子の頭髮粗きは刑罰を犯さん、女子の頭髮粗きは夫を刑し子を剋す。作者の辨析:男子の髮粗きは、労碌にして氣質厚重を主り、亦た愚拙を主る。女子の髮粗きは、刑傷憂愁を主り、先人の産業耗散し、なお一半の人は下賤の境地に流落せん。又た説く氣色粉を敷くがごとく・浮雲のごときは好しと説く勿れ、重刑を招かんと恐る。六指を生ずるは父親を妨剋して而且下賤なり。作者の解説:氣色は明潤にして紫を帯ぶるを以て吉と為す。「粉」は是れ表面に浮かぶの白光、「雲」は是れ散漫にして聚まらず。粉光浮出のは、家中人丁を刑剋して併せて疾厄あるを主る。散漫にして聚まらざるは、人と為りて虚浮・拖累多くして運途冷退を主る。六指の父を妨ぐのここの一条は相當應験す。下賤を説くに至っては、それは必ず別に別處の部位好からざるありて、こそ應験し上がる能う。
身白面黃不久困,身黃面白不久榮,陰囊無皺無紋主絕嗣。身白面黃者,外濁內清也;身黃面白者,外清內濁也,故有不久困、不久榮之說。下陰無皺者不壽,無紋者無子,皆驗。女人無指甲主愚,臍薄不好,臍生毛主淫賤。女人無指甲之說,繫不長耶?或易斷耶?臍以兩角上仰者,主子貴;薄之關係較輕。臍生毛主急燥及惡疾,亦為淫而不賤也。
身上の膚色白にして面色黄のは、困頓久しからざらん。身上の膚色黄にして面色白のは、榮顯久しからざらん。陰囊の上に既に皺摺なくまた紋路なきは、後を絶つを主る。作者の解説:身白にして面黄のは、是れ外濁にして内清。身黄にして面白のは、是れ外清にして内濁、ゆえに一個は困りて久しからず・一個は榮えて久しからずの説法あり。下陰皺摺なきは長寿ならず、紋路なきは子なし——ここの両条は皆應験す。又た説く女子指甲なきは愚鈍を主り、肚臍浅薄は好からず、肚臍周圍に毛を生ずるは淫にして而且賤を主る。作者の辨析:女子指甲なしと説くは、究竟是れ指甲長じ出づる能わざるか、それとも折れ断え易きか、原文未だ講じ明かさず。肚臍は両角上仰のを以て好しと為し、子孫顯貴を主る。臍浅薄のここの一層の關係は比較的軽し。肚臍に毛を生ずるは性情急躁にして併せて惡疾を生じ易きを主る、亦たただ淫と算えるのみ、賤と算え上がらず。
周心有赤脈者,男主富,女主貴。心部外為亶中之地。赤脈直生乎?橫生乎?或圓繞乎?男主富不驗,或主美術之奇技;女主貴不驗,或主多子女也。人長手短,百無一成;魚尾上天倉,白手成立。人長為木形,多主聰明;手短為不配,當然有不足之勞碌。魚尾上天倉,主妻強而持家,或發妻財,有好內助故也。女人牙齒朝外妨父母,朝內刑子女。門牙上楞生者妨父,下楞生者刑母,朝外或為楞生乎?牙齒錯亂,不齊不勻,主刑子女及勞心,朝內或為錯亂乎?
心口の周圍に赤色の脈絡あるは、男子は富を主り、女子は貴を主る。作者の辨析:心臟の外面に對應するは是れ「膻中」のここの块の地方。しかるにあの赤脈は是れ豎りて長ずるか、橫りて長ずるか、それとも一圏を圍成するか、原文併せて説明せず。男子の富を主るのここの一条は應験せず、卻って彼の技藝美術の上に奇特の専長あるを主る可し。女子の貴を主るのここの一条も亦た應験せず、卻って彼女の子女衆多を主る可し。又た説く身材高くして手臂短きは、一百個の裏成らざる一個。魚尾紋の天倉に挿上するは、能く白手にて家を起こさん。作者の解説:身材高きは木形に属し、多半是れ聡明を主る。手短ければ便ち是れ不相配、自然分量不足の致す所の労碌を帯ぶ。魚尾紋の天倉に挿上するは、妻子強干にして能く家を持つを主り、あるいは妻家の財を得る、それは彼の一個の好き内助あるに因る。再び説く女子の牙齒外に向かいて龅るは父母を妨剋し、内に向かいて収むるは子女を刑剋す。作者の辨析:門牙は上面より重ねて長じ出づるは父親を妨剋し、下面より重ねて長じ出づるは母親を刑剋す、原文の説く「外に朝る」は、あるいは即ちここの種の重ねて生ずるを指すか。牙齒錯乱・長ずること斉えず勻えざるは、子女を刑剋して併せて心を労するを主る、原文の説く「内に朝る」は、あるいは即ちここの種の錯乱を指すか。
女人面黑身白主貴,面班身青主賤。面黑身白,即上之外濁內清乎,此為含蘊而藏,故主貴而多祿;面班主冷退,身青主勞碌,此古法之為用也。女格瘦而唇紅主多子,瘦而唇白主不壽。口唇為丹田之外表,故血足之人,唇必紅如塗朱,其子女最多而貴;唇白血不足,故多疾厄,而壽亦弱,子女亦少,此為女格之忌也。
女子の面色黑にして身上の膚色白のは貴を主り、面上に斑を生じて身色青を發するは賤を主る。作者の解説:面黑身白は、即ち前面の説く所の外濁にして内清、これは是れ含蓄にして能く収蔵す、ゆえに貴を主りて禄食豊厚なり。面上に斑を生ずるは運途冷退を主り、身色青を發するは一生労碌を主る——これは是れ古法の用處。又た説く女子の身瘦にして唇色紅のは子女多きを主り、身瘦にして唇色白のは長寿ならざるを主る。作者の解説:口唇は是れ丹田氣血の外に在るの表徵、ゆえに血足るの人は嘴唇必定朱砂を塗りたるがごときの紅、ここの種の人は子女最も多くして而且顯貴なり。唇色白を發するは是れ血足らず、ゆえに病多く災多く、寿数も亦た弱く、子女も亦た少なし——これは是れ女相の忌諱する所なり。
黃面婦人多好色,唇青唇白決無兒。黃面好色之說不確。余考好色,為桃花之面、秋水之目、斜視不正、三陰青黑、髮粗而濃、聲破而斷之例。黃面者,主心地偏窄,認識不定,又主勞心見小。唇青白詳上。瘦人血白必心狠,肥人血白必心慈。此二者皆無稽之談也。血本紅色,那有白色來?勿論肥瘦,均以血紅而充足為健全之體質。余考血字,恐為面字之悞。瘦人面白,主智勇而務名;肥人面白,主才短而庸和。
面色黄を發するの婦人は多半色を好み、嘴唇青白を發するは必定兒子なし。作者の辨析:面黄なれば即ち色を好むと説くは併せて確實ならず。我が考究に据るに、色を好むの徵象は:面に桃花の色を泛べ・眼秋水盈盈のごとく・目光斜視して正ならず・三陰部位青黑・頭髮又た粗く又た濃し・声音破碎断續す。面色黄を發するの人は、實際心地偏狹・見識揺擺して定まらずを主り、又た心を労して眼光短小を主る。唇青唇白に至っては、前面已に説き過ぎたり。又た説く瘦人の血色白を發するは必定心狠、胖人の血色白を發するは必定心慈。作者の辨析:ここの両句は皆是れ無稽の談——血は本来是れ紅なり、どうして白色の血あらんや。胖瘦を論ぜず、皆血色紅潤にして充足を以て體質健全と為す。我推想ここの「血」の字は恐怕是れ「面」の字の誤ならん:瘦人の面色白のは、智あり勇ありて名声を講求するを主る。胖人の面色白のは、才具短浅にして人と為りて平和を主る。
少年黑斑主死,老人斑高黑主壽,斑黃平者主貧,小兒腰闊主壽。少年生斑主冷退,亦主夭亡;老人生斑主壽,斑黑而高者為吉,斑黃而平者勞碌,亦有刑剋人丁也。小兒腰闊,言其氣厚也。生肉須從腰部起方吉,其它皆非吉。四肢幹,一年死;四肢潤,二年富。凡人發體,當然要先從腰部起方吉。如先發面部,則刑人丁及不壽之例。手足乾枯主死,手足潤澤亦平常,主富之說不確。
少年の身上に黑斑を生ずるは死を主り、老人の斑高起して色黑のは寿を主り、斑色黄にして平鋪のは貧を主り、小孩の腰身寬闊のは寿を主る。作者の解説:少年に斑を生ずるは運途冷退を主り、亦た早夭を主る。老人に斑を生ずるは長寿を主る、その中に斑黑にして高起のを以て吉と為し、斑黄にして平鋪のは労碌を主り、なお家中人丁を刑剋するを帯ぶ。小孩の腰身寬闊は、説くは彼の元氣渾厚なり。又た説く人の胖を發し肉を長ずるは必ず腰部より先に起こりてこそ吉、別處より先に起こるは皆吉と算えず。四肢乾枯のは一年内に死し、四肢潤沢のは两年内に富む。作者の解説:人の福を發し胖を長ずるは、自然腰部より先に起こってこそ好し。如果先に面部より胖起これば、則ち家中人丁を刑剋しおよび自身寿ならざるの上に応ず。手足乾枯は死を主る、ここの一条錯えず。手足潤沢はただ平常、两年に即ち富むと説くは併せて確實ならず。
老人髮黑生齒,主大壽,為大孤獨格;臥蠶發紫色,主生貴子。老人髮黑主勞碌,生齒主添壽,但刑妻妾,克子女。余考臥蠶黃而青潤,主生子;紫而紅潤,主生女。或北力水土不同耶?或永樂時氣候不同乎?奸門雜色,主收娼妓為妻妾;眉尾黑白交加,主以花酒亡身。奸門青黃黑赤之雜花氣色,主淫亂而狎妓;眉尾黑白交加,主官訟是非,交際受累。此言花酒己身,或因花酒而生官訟乎?又有主妻妾淫奔,而漏家財,因之而生害也。
老人の頭髮轉じて黑く・重新に牙を長ずるは、大寿を主る、卻って是れ極めて孤獨の格局。臥蠶紫色を現出するは、貴子を生ずるを主る。作者の辨析:老人の頭髮黑に轉ずるは労碌を主り、重新に牙を長ずるは寿を添うるを主る、しかるに妻妾を刑剋し・子女を剋害するを要す。我が考究に据るに、臥蠶黄を現じて青潤の色を帯ぶは兒子を生ずるを主り、紫を現じて紅潤の色を帯ぶは女児を生ずるを主る。柳莊の説く所はこれと同じからず、あるいは北方の水土別あるか、又或者は明永樂年間の氣候今日と同じからざるか。又た説く奸門に雜色を現出するは、娼妓を娶りて妻妾と做すを主る。眉尾黑白の両色交錯のは、花酒に因りて命を喪うを主る。作者の辨析:奸門に青・黄・黑・赤の混雑の斑駁の氣色を現ずるは、淫乱にして妓を狎するを主る。眉尾黑白交錯は、實際官司是非・交際往來に因りて牽累を受くるを主る。原文の花酒に因りて身を亡ぼすと説くは、あるいは是れ花酒に由りて官司を惹き出だすを指すか。此の外なお一種あり、是れ妻妾私奔して家財を漏掉し、因りて禍害を招來するを主る。
老來多睡主死,少年多睡主愚,眼忽下視主死災。老人多睡,其氣已衰故也;少年多睡,其人無思慮故也。一主死而一主愚,皆為合法。眼忽下視主死,指有病之人耶?或為下脫之誤也。聲忽急燥主疾,聲忽斷主死。聲音忽燥,主驚疑不安,氣質已動故也,尚不為疾厄;聲音忽斷,主腎氣不足,此為疾厄之先兆,尚不為死災也,當以眼神脫方死。
老年人の睡を貪るは死を主り、少年人の睡を貪るは愚を主り、眼睛忽然下に向かいて看るは死亡の災を主る。作者の解説:老人の睡を貪るは是れ元氣已に衰えたるの縁故。少年の睡を貪るは是れ心中に思慮なきの縁故。一個は死を断じ・一個は愚を断ず、皆法度に合す。眼睛忽然下視すれば即ち死を断ずるに至っては、本来是れ病あるの人を指すか。又或者「下視」は是れ「下脱」の誤ならん——眼神の下に向かいて脱走する、それはこそ死の兆なり。又た説く声音忽然急躁と變ずるは病を生ずるを主り、声音忽然中断するは死を主る。作者の辨析:声音忽然急躁は、是れ心中驚疑して安からず・氣質已に浮動したるの縁故、なお疾厄と算え上がらず。声音忽然中断は、是れ腎氣足らず、それは是れ病を生ずるの先兆、亦たなお死亡の災と算え上がらず——死を断ぜんと要せば、なお眼神の脱走するや否やを看るを要し、眼神脱すればこそ真に死なり。
氣色好,唇白亦不好;男女頂髮落,主老來窮苦。余考氣色好者自然好,唇白主病,乃血不足也。頂髮落,主老來勞心及子女不力之例,主窮苦勞心占半數,子女不力占半數。魚尾有梅花影者,主妻妾敗家。魚尾有梅花影,主花柳疾病及血光瘡疥之例。此云妻妾敗家,或為收妓女為妾,以致家庭失和睦,而怪異發生乎?或為妻妾外遇,破人惑誘,而捲逃一切乎?
氣色縱い好しと雖も、嘴唇白を發するは亦た好しと算え得ず。男女の頭頂髮を脱するは、老來窮苦を主る。作者の解説:我が考究に据るに、氣色好きは自然好し。唇色白を發するは病あるを主る、それは是れ血足らず。頭頂髮を脱するは、老來心を労しおよび子女得力せざるを主る:その中の一半は窮苦労心の上に応じ、別の一半は子女器を成さざるの上に応ず。又た説く眼尾魚尾の處に梅花形の斑影を現出するは、妻妾家を敗るを主る。作者の辨析:魚尾に梅花影あるは、實際花柳疾病および血光瘡疥の一類を主る。原文の妻妾家を敗ると説くは、あるいは是れ妓女を納れて妾と為し、家庭和睦せざるを弄得して怪事を生出すを指すか。又或者は是れ妻妾の外に於て私情あり、人に引誘せられ、家中の一切を卷走して逃走するを指すか。
公篤曰:柳莊姓袁,為明初時人。永樂鎮北平時,姚廣孝輔永樂以帝位,借柳莊以望其心志,此柳莊之遇合,為千載一時之良機也。按柳任為北方人,遊歷不遠,經驗不當,純繫小家,多據鎖碎小部之談,而為正義之法頗少,易地不驗,拘執不變,不可為定法明矣。
陳公篤曰く:柳莊は姓は袁、是れ明朝初年の人。永樂皇帝なお北平を鎮守せしの時、姚廣孝彼を輔佐して帝位を謀取し、袁柳莊を借りて相を看て以て衆人の心志を窺測せり、柳莊のここの一番の際遇は、真に千載難逢の良機なり。説き要するに袁柳莊は本是れ北方の人、游歴廣からず、積む所の經験併せて周全ならず、純粹是れ小家数、多半は零碎の小部位を憑りて説を立て、真正正理に合するの法度甚だ少なし。一個の地方を換えれば即ち靈験ならず、又た成法に拘執して變通を知らず、顕然以て定法と立つる能わず。
加以私心自用,妄改前人部位,顛倒限,相法之誤,實始於此。今選此篇,尚為其特長者,而其不合法不應驗之處尤多,故餘另加補註,使閱吾書者明瞭正宗,而容易進步耳。業風鑑者,更宜分別其正義,勿為異端所俟也。餘以良心評論,全力經驗,故從其實也,非敢故意菲薄前人、指出其奸偽為快者可比,請詳查其六害五露之說,自然瞭解焉。
加うるに彼の私心自用、随意に前人の定下したるの部位を更改し、行運の年限を把ても顛倒を弄せり。相法の上の錯誤は、實在彼のここより始まる。我ここの回に選錄するのここの一篇は、選ぶはなお彼の最も擅長するの部分、しかるに其中の法度に合せず・應験する能わざるの地方仍旧甚だ多し、ゆえに我別に補注を加え、我がこの部の書を讀むの人をして正宗を認清せしめ、進境容易些ばならしむ。相を看るを以て業と為すの人は、なおさら応に哪些の是れ正理なるかを分辨清楚にして、異端邪説に牽かれて走るを被る勿れ。我是れ良心を憑りて評論し・全部の經験を以て説を立て、ゆえにただ實情に按じて講ず、併せて故意に前人を貶低し・人の短處を掲げるを以て快と為すにあらず。請う彼の六害眉・五露に關するの説法を細かに看よ、自然明白ならん。
骨相圖説
公篤曰:骨相之學,始於東周之鬼谷氏所創,而分別其貴賤壽夭勞逸六項。餘據經云,內載有頭無惡骨,方可包括其大概。然有如天山之雄突,如秦嶺之嵯峨,如嶂如巒,如嶽如峌,種種奇形異狀,幾至而不能命名也。按骨主氣,內應於腎絡,為陽為君,故以堅奇聳突、有威有勢者為貴;肉主血,內應於脾絡,為陰為臣,以細膩暖潤、以勻以厚者為富。
陳公篤曰く:骨相の學は、東周の鬼谷子の創めたるに起こり、用いて貴・賤・寿・夭・労・逸のここの六項を分別す。我相經に依據すれば、その中に「頭の上に惡骨なし」の一語を記載し、こそ大概を包擧して遺なき能う。しかるに頭骨の形状は千差萬別:あるは天山のごとき雄峻にして突起し、あるは秦嶺のごとき嵯峨にして険峻、あるは屏嶂のごとし、あるは山巒のごとし、あるは五岳のごとし、あるは孤峰のごとし、種種奇形異状、幾ど名目を叫び出だす能わず。須く知るべし骨は氣を主る、内は腎の經絡に応じ、陽に属し、是れ君。ゆえに堅硬奇特・高聳突起・威あり勢あるを以て貴と為す。肉は血を主る、内は脾の經絡に応じ、陰に属し、是れ臣。ゆえに細膩温潤・勻稱厚實を以て富と為す。
而骨肉之相,莫奇於頭面之部何哉?蓋頭為諸陽之首,百脈之所會;面為五臟之表,精靈之所聚。其骨相者,如山之蘊美玉,如淵之藏明珠,亦天地之靈氣所生,以別其上中下需之品級而定,皆在大小長短高低之間耳。茲將各骨繪圖註明,以便閱者一識即能分別其為貴骨富骨壽骨之類也。
則ち骨肉の相は何を以て頭面の部位を最も奇妙と為すや。頭は是れ衆陽の首、全身の百脈皆ここに於て交會するに因る。面は是れ五臟の外に在るの表徵、一身の精氣靈光皆ここに聚まる。頭面上の骨相は、山中に美玉を藴蔵し・深淵の裏に明珠を蔵するに譬ゆ、同じく是れ天地靈氣の生成する所なり。それに據りて以て上・中・下の各等の品級を分別し、判斷の關鍵は全て骨の大小・長短・高低の間に在り。今各種の骨相を一一圖形を繪成して併せて説明を加注し、讀者をして一看すれば即ち能くどれが是れ貴骨・どれが是れ富骨・どれが是れ寿骨のここの一類なるかを分辨せしめんと好す。
骨相第一式:按第一圖式,名為朝天伏犀骨。上至百會之頂,下至中正之部,兩側外圍城,直上入鬢曲,下達眉尾之福堂,即成一顆印之方形,又名方伏犀骨是也。主大富大貴,大名大壽,而盛世之帝王格,次則割據之霸業,而潛號之例。此專制時代之論。如民治國家,不為一國之元首,次亦各部長,及屏藩主席也。主特別英明神武,大勇機智,動靜於全國有安危,喜怒於人民有禍福。故《博物志》有云:金龍頭上有物,如博山之形,其精靈之結晶,完全凝結於此。有此靈物,方能噓氣成云,扶搖直上,飛昇於九天也。此為特貴之品,故列為第一。
骨相の第一式、第一幅の圖に對照して看よ、名は「朝天伏犀骨」と叫ぶ。ここの根の骨は上に向かいて頭頂の「百會」に頂き、下に落ちて額心の「中正」に至り、左右は額角の外縁の「邊城」を以て界と為し、上に往きて直に鬢角の彎曲の處に挿進し、下に抵りて眉尾の「福堂」に住す、整片合して即ち一方の大印のごときの方形、ゆえに又た「方伏犀骨」と叫ぶ。ここの根の骨を生ずるの人は大富大貴・大名大寿を主り、太平盛世に於ては是れ帝王の格局、次の一等も亦た一方を割據し・私自ら号を称するの霸主。これは是れ帝制時代に就いて言うの説法。若し民主共和の國家に換えれば、便ち一國の元首と做るを成さずとも、次の一等も亦た各部の部長あるいは一省の主席。ここの種の人は特別英明神武、膽氣極めて大にして機變百出し、一擧一動全國の安危に關係し、一喜一怒百姓の禍福を牽動す。ゆえに晋人張華の《博物志》の上に説く:金龍の頭の上に一件の東西を生じ、形狀博山爐のごとき層巒疊起、是れその一身の精靈の氣の凝結して成れるなり。ここの件の靈物ありて、こそ能く氣を吐いて雲を成し・扶揺直に上り、飛升して九天の外に至る。伏犀骨は人身の上に於て正にここの件の靈物に相當し、特貴の品に属し、因りて第一に列す。
骨相第二式:按第二圖式,名為巨鰲伏犀骨。上至天中之部,而至髮際之間,下至華蓋之部,平橫一長幅,而過額角之邊城,即成橢圓形式,又名橢圓伏犀骨是也。主上中貴。故有巨鰲人腦,當作尚書之說,即指其骨質之大而長者。古法多指為文貴之樞紐。余考刻下,多操兵柄之武貴,或為文人而兼武職,或為投機而操兵柄。又宜以各部之兼體而論。據橢圓伏犀骨,如眉平神有威煞,則終身武權,大為屏藩柱石之臣,次亦師旅邊鎮之將;如眉曲而神和,靜則終身文貴,大為宰輔樞紐之官,次亦剌史廳道之職,以及遙領兵備武權之例。其人有大志,其性剛決而堅忍,陰而乘時,喜怒不常,憂樂不時。余考盛世專制時代,多為公侯將相之局,小亦刺史州郡之守。亂世民治時,多為割據稱雄之品,次亦廳道師旅之貴。不過盛時久,亂世暫耳。
骨相の第二式、第二幅の圖に對照して看よ、名は「巨鰲伏犀骨」と叫ぶ。それは上端額頂の「天中」より起こり、一直に髮際に連なり。下端は眉上の「華蓋」に落ち、橫平に鋪開して一長條を成し、併せて額角の「邊城」を越え、整體橢圓形を呈す、ゆえに又た「橢圓伏犀骨」と叫ぶ。ここの根の骨は上等より中等の貴顯を主る。古相書に「巨鰲の人の腦に入る、當に尚書を作るべし」の説法あり(「人腦」は即ち腦海に挿入の意)、指すは正にここの根の骨の長じて又た粗く又た長きの樣子。舊相法多くそれを以て文官顯貴の樞紐と當るも、ただ我陳公篤眼下の實例を考察すれば、ここの根の骨を生ずるは多半是れ兵權を手握るの武貴、あるいは本是れ文人にして武職を兼領し、あるいは投機鑽營を靠りて兵柄を抓到せり。ゆえに判斷の時はなお面上の其他の部位を合看するを要す。橢圓伏犀骨に就いて言えば:若し眉毛平直・眼神の裏に威煞の氣を帯ぶれば、則ち終身武權を執掌し、大なるは一方の屏藩の柱石重臣を做り、小なるも亦た師旅を統領し・邊關を鎭守するの將領。若し眉形彎曲・神氣和緩沈靜なれば、則ち終身文貴の一路を走り、大なるは宰輔の一級の中樞大臣を做り、小なるも亦た刺史・廳道の一級の官職、なお遥かに兵備を領して武銜を掛くるの例子あり。ここの種の人は志向宏大、性情剛斷にして能く堅忍し、城府深沈して又た勢に乗じて動くに善く、喜怒常なく、憂樂定まらず。我が考察に據るに、帝制盛世に於て彼らは多く公侯將相の局面を成し、小なるも亦た刺史あるいは州郡の太守。乱世民治の時に到れば、則ち多く是れ割據して雄を称するの輩、次の一等も亦た廳道・師旅の一級の貴顯。不過盛世の裏の富貴は長久し、乱世の裏の富貴は短暫なるのみ。
骨相第三式:按第三圖式,名為武庫伏犀骨。在南嶽之間,上過髮際,下至印堂,左右以額角為止,圓突高拱,而成一圓形,即圓伏犀骨是。其大者為上貴,如圓伏犀骨小者,亦為州伯邑候之例,但以其骨之勢如何,高低大小如何,以定其事業成功之大小久暫也。按圓伏犀骨,雄突而有勢,亦主上貴之權祿,勿論盛衰時代,皆為國家屏藩大臣,最低下者,亦為州郡太守,然得政治之盛名,流芳身後也。如圓伏犀骨,小突而無勢,大為廳道中貴,次為州伯邑侯;如超過上列之名,則為偏副之佐使,否則短期即經挫折,而見險阻,及不得美好名譽也。其人天性中有機智,厚中有巧詐,有迫於事實之奸險行為,其心則慈良而貪也。有武權者,剛決勇為,貪妄走險也。
骨相の第三式、第三幅の圖に對照して看よ、名は「武庫伏犀骨」と叫ぶ。それは額頭の「南岳」のここの一片に長じ、上に髮際を越え、下に「印堂」に抵り、左右額角に至るを止み、圓圓に隆起して高く拱り、一個の圓形を形成す、即ちいわゆる「圓伏犀骨」。ここの根の骨の長じて大なるは上等の貴顯を主る。便ち圓伏犀骨の長じて小なるも、亦た是れ州牧・縣令の一級の格局。具體はここの根の骨の氣勢如何・高低大小如何を看て、こそ彼の事業成就の大小と長短を定め出だす能う。凡そ圓伏犀骨の雄壯突起にして氣勢あるは、同じく上貴の權位と厚禄を主り、太平世に生ずるも衰乱世に生ずるも論ぜず、皆能く國家の一方を屏藩するの大臣を做る。最低も亦た是れ州郡の太守、而且能く政績の上の美名を博し、身後芳を流す。若し圓伏犀骨ただ微微に凸起して氣勢なければ、則ち大なるは不過廳道の一級の中等の貴顯、次の一等即ち州牧縣令。若し名位上面のこれらを超過せば、則ちただ副職・佐貳の之類の輔佐官を做る能うのみ、さもなくば久しからざるを出でずして便ち挫折に遭い・険阻に遇い、亦た好き名声を得ず。ここの種の人は天性の裏に機智を蔵し、厚道の中に巧詐を帯び、形勢の逼る所に因りて陰険の擧動を做し出だし、本心は卻って又た是れ慈善にして貪求と兼ね有す。その中の武權を掌握するは、則ち剛斷敢為し、貪心妄動して冒険を肯んず。
骨相第四式:按第四圖式,為連璧三寸枕骨式。在後腦海之間,上過耳廓,下齊耳珠,寬過耳後之兩側髮際止,以兩寸餘,或三寸長,皆名三寸枕骨也。餘以事實經驗,多數應證:凡腦後之骨,有三根高突者,直上而發富,有貴裔而立異鄉之田宅;橫生而達貴不受祖業,而宏恢自創之門第。故三寸骨,而加連璧二字,即別直與橫之義。此骨主大名而壽,貴名倍於權也。亦有名士立言者,亦有遺蹟流芳者,或出於布衣,亦傲王侯。其人天姿靈敏,學識淵博,長於好古,而考歷史興亡;達於通今,而考潮流變化。下筆文粲風流,接談暢和眾意,外和而內剛,守禮而持義,有遠見之長,無妄貪之鄙。故有絕頂聰明而為用,勞碌周折以成功。半生多處嫌疑地位,有才華浮露,而招嫉也;半為有桓清白自守,有離奇思想,而偏見也。晚年主有神經減智之例,亦為主壽也。
骨相の第四式、第四幅の圖に對照して看よ、是れ「連璧三寸枕骨」のここの一式。それは後腦の一帯に長じ、上端は耳廓を越え、下端は耳垂と齊平にし、橫寬一直に耳後の両側の髮際に至るを止み、長度両寸多くして三寸の間に在るは、皆「三寸枕骨」と叫ぶ。我實際の經験の中より反復して験證す:凡そ後腦に三根の高高に凸起するの骨頭を生ずるは、若しここの三根の骨の豎りて排列せば、家を發し富を致すを主り、顯貴の家に出身して能く他郷に於て田宅を置き下す。若しここの三根の骨の橫りて排列せば、則ち顯貴にして祖業を承受せず、自己に靠りて開創して門第を光大す。ゆえに「三寸骨」の上に「連璧」の兩字を加う、正に是れ用いて豎生と橫生のここの両種の情形を分別するなり。ここの根の骨は大名と長寿を主り、声望遙かに實權を超過す。あるは書を著し説を立てるの名士と成り、あるは遺迹を留下して後世に芳を流す。あるは平民布衣に出身すれど、氣骨の上に於ては敢えて王侯と禮を抗す。ここの種の人は天資靈敏、學識淵博、一面古を好み能く歷代の興亡を考究し、一面今に通じ能く時局潮流の變化を看清す。筆を下せば文采斐然、談吐暢達にして衆人の心意に合し、外表は和氣にして内裏剛強、禮法を守りて信義を重んじ、遠見の長處あり、貪妄の鄙陋なし。ゆえに彼ら絶頂の聡明を憑りて事を成すも、卻って亦た一番の労碌周折を經てこそ成功せん。半輩子常に人の猜疑を招き易きの位置に處し、一半は是れ才華の外露に因りて人の嫉恨を招き、一半は是れ清白を持守し・自ら一套の離奇の想有るに因りて偏執と顯す。晚年に到れば往々神經衰弱・智力減退の情形あるも、ただここの一式はなお寿を主るを以て正應と為す。
骨相第五式:按第五圖式,名為日月龍虎。骨在天庭左右,下以眉頭上半指起,上至髮際之百會動脈止,顯然為兩根玉柱,亦為日月角骨。此骨長大,則為創業之帝王格,唐太宗即此骨也。故虺髯公稱為龍鳳之姿,天日之表,此中原之主,吾福不能勝之,乃別圖而帝扶餘也。次亦為割據之霸業,而僭號也,如五代劉智遠,亦此骨也。主天姿英明,器量宏大,剛毅有勇,機巧多管,殘忍有毒,陰險多疑。識人則毫髮不爽,預料則神鬼不測,容忍則以恩待仇,狹小則舍義滅親。立奇功,成大業,比為特貴之格也。
骨相の第五式、第五幅の圖に對照して看よ、名は「日月龍虎」と叫ぶ。ここの両根の骨は「天庭」の左右に長じ、下端は眉頭より上半指の地方に起こり、上端は髮際百會の動脈の處に至るを止み、看上れば分明是れ両根の玉柱、即ち相法の上の説く所の「日月角骨」。ここの両根の骨の長じて又た長く又た大なるは、便ち是れ國を開き業を創するの帝王の格局、唐太宗李世民の生ずるは正にここの種の骨なり。ゆえに隋末の虬髯客一たび太宗を見れば、便ち彼に龍鳳の姿・天日の表あるを称し、これはこそ中原の真正の主人なりと説き、自己の福分彼に壓え過ぐる能わず、是に於て別に打算を作し、扶余國に跑りて帝を称しに往けり。次の一等も能く一方を割據して霸業を成就し、僭号して王を称す、例えば五代後漢高祖劉知遠(源文「劉智遠」と作る)の生ずるも亦た是れここの種の骨なり。ここの種の人は天資英明、器量宏大、剛毅にして膽勇あり、機巧にして管え得ること寬し。同時に亦た殘忍狠毒、陰険多に疑う。人を看るに毫釐差えず、事を料るに鬼神も亦た測り透す能わし。寬宏なるに至れば能く恩徳を以て仇人に對待し、狹隘なるに至れば又た能く道義を舍棄し・六親を認めず。彼ら奇功を建て・大業を成す、特貴の格局に属す。
骨相第六式:按第六圖式,名為五花驄枕骨。在後腦海之正部,其當中一骨形式略小,似為雞子枕骨之形;其下左右二骨形式較小,而平耳輪上,接近壽骨之下;其上左右二骨,比下之三骨略大,而高過耳廓上。如稱於形,文則為尚書侍郎,武則為封侯龔爵;如形弱,則為中貴之例。盛世為文貴,多應學士翰林;亂世為武貴,多應師旅邊鎮之人。有神勇,臨危不懼,天性則為豪爽忠貞,入孝出弟。有時窮理盡性,而好奇談;有時視惡如仇,而生禍患。堅忍耐勞,可為掃灑之役;同甘共苦,可為生死之交。大事精細,而有先預之地步;小事疏忽,而有輕視之矜驕。決定則始終如一矣。
骨相の第六式、第六幅の圖に對照して看よ、名は「五花驄枕骨」と叫ぶ。それは後腦正中の一帯に長じる:當中の一根の骨は形狀略小にして、「雞子枕骨」の樣子のごとし。ここの根の骨の下面の左右になお兩根あり、形狀更に小些、位置耳輪の上緣と齊平にして、「寿骨」の下方に靠近す。再び上に往きて左右又た兩根あり、下面の三根に比べて略大にして、位置耳廓に高く過ぐ。五根の骨若し彼此相称し・格局勻整なれば、文途を走れば尚書・侍郎を做る能く、武途を走れば侯を封じ爵を授かる能う。若し骨形軟弱にして勢なければ、即ちただ中等の貴顯の例子なり。太平世に生ずるは多く文貴を主り、常に學士・翰林の一類に応ず。乱世に生ずるは多く武貴を主り、常に師旅を統領し・邊關を鎭守するの人の身上に応ず。ここの種の人は人に過ぐるの膽勇あり、危に臨みて懼れず。天性豪爽忠貞、家に在りて父母を孝順し、外に在りて兄長を敬重す。時に肯んじて事理を窮究し・人性を探索するも、卻って又た新奇の議論を談ずるを愛す。時に惡を嫉むこと仇のごとく、かえって此に因りて禍患を惹き出だす。彼ら能く堅忍耐勞し、洒掃の雜役を做るも屈就を嫌わず。能く甘苦を同じくし、以て生死の交を結ぶ能う。大事に遇えば細心周密、事先に卽ち退步を留好す。小事に遇えば卻って疏忽大意、幾分の輕慢自負を帯ぶ。不過一旦主意を拿定すれば、便ち始終如一、再び更改せず。
骨相第七式:按第七圖式,名為輔角插天骨。在額角之邊城部,其骨下由眉尾之三稜骨起,由福堂,過邊城,上山林,入鬢曲之上,又名山林骨是也。又有上插入大腦海之百會穴止,此為清貴仙品,唐之呂純陽祖師,即此格也。此骨長聳為上等,次則入髮曲為中等,又次則近髮為常品。上等輔角骨,為神仙,次聖賢;中等輔角骨,為外藩之督撫,一省執政之文武要職;下等輔角骨,為邊將鎮守之例。其人天性勤慎任勞,精明而專,外勇敢而內忠,先預而後進行。見嫌不避,臨危如常;親者可惑其心志,因情義之包圍;智者可為其慫恿,因權利之負責。持其正義,而不計成敗;守其範圍,而不計安危,不移不屈也。
骨相の第七式、第七幅の圖に對照して看よ、名は「輔角插天骨」と叫ぶ。それは額角の「邊城」のここの一块に長じる:下端は眉尾の三棱骨より起こり、「福堂」を經過し、「邊城」を越え、上行して「山林」に至り、鬢角の彎曲の處の上方に挿入す、ゆえに又た「山林骨」と叫ぶ。亦た再び上に往きて一直に頭頂の「百會穴」に挿到してこそ止住するあり、則ち是れ清貴の仙家の品格、唐代の呂純陽祖師(呂洞賓)の生ずるは即ちここの一格なり。ここの根の骨の長くして高聳のは上等と算え、其次髮際の彎曲の處に挿入するは中等と算え、再次ただ髮際に挨近するのみのは尋常の品と算う。上等の輔角骨は神仙を成すを主り、次の一步も亦た是れ聖賢。中等の輔角骨は外省の督撫を做るを主り、一省の行政の文武の要職を掌る。下等の輔角骨は則ち邊將鎭守の一類の位置の上に応ず。ここの種の人は天性勤懇謹慎・苦を喫するを肯んじ、精明にして專注し、外表勇敢にして内心忠誠、凡事先に謀劃周全して後に手を動かす。嫌疑を招く可きの事に遇到すれど亦た回避せず、危難に臨みてなお神色常のごとし。親近の人は能く彼の心志を動搖す、それは彼の情義に包圍せらるるに因る。聡明の人は能く彼を慫恿して事を行わしむ、それは彼の権責の擔當を肯んずるに因る。彼は正義を持守して成敗を計較せず、自己の本分を守住して安危を顧及せず、立定すれば即ち移らず屈せず。
骨相第八式:按第八圖式,名為雙龍金鎖骨。在後腦海之正部,下從髮際之風府,起一巨骨,至平耳欄則分為二直骨,上插入大腦海之巔而止,亦名曰雙龍將軍骨是也。按此骨出身多微賤,父母無力栽培,早年刑剋,親戚無力輔助,初年無依,破梓而飄零流落,故應絕處逢生,因禍而福,多異路功名。經勞碌奔馳,驚險破敗,逼迫發達。亂世為上中之貴,武權有超出師旅之上,而如將軍頭銜。其人天性靈敏而貪,樸任勞有膽,略出奇而奇遇,事實見逼而逼發。名利心重,有強求之勇進;成敗不一,有駁雜之驚恐。惟子女少而不力,田宅多而勞怨,初年苦而刑剋,中年貴而大振。主大壽而精力頗強,主大富而田連阡陌。
骨相の第八式、第八幅の圖に對照して看よ、名は「雙龍金鎖骨」と叫ぶ。それは後腦正中に長じる:下端は髮際の「風府」穴の處より一根の粗大の骨を起こし、上に向かいて耳欄と齊平なるの地方に到りて兩根の直骨に分かれ、一直に頭頂に挿到してこそ止住す、ゆえに亦た「雙龍將軍骨」と叫ぶ。ここの根の骨を生ずるの人は多半是れ微賤に出身し、父母に彼を栽培するの力量なく、早年に卽ち刑剋あり、親戚も亦た幇け上がる能わず、起初依り靠る處なく、故郷を離れて四處漂泊流落す。正に此に因りて、彼かえって絶處に生に逢い、禍に因りて福を得、多半は科擧正途に非ざるの路子の上より功名を取得す。彼は一番の労碌奔波・驚険敗落を經過し、形勢に絶路の上に逼られてこそ發達し來る。乱世の裏に於ては上等偏中の貴顯を做る能く、武權なお能く兵を統べる師旅の上に超出し、將軍の頭銜を掛く。ここの種の人は天性靈敏にして貪求し、質朴・耐勞にして膽量あり、謀劃人の意表に出づ、因りて毎々奇遇あり。事情頭上に逼られ、かえって逼られて一番の作為を出だす。彼は名利の心重く、強求硬進の銳氣あり。成敗起伏定まらず、亦た常に種種の駁雜の驚恐あり。ただ子女稀少にして而且得力せず、田産房産は雖多いも卻って労累の怨氣を帯來す。早年清苦にして刑剋に遭い、中年顯貴にして大いに振興す。ここの一式は大寿を主りて精力人に過ぎ、大富を主りて田阡陌に連なる。
骨相第九式:按第九圖式,名為金鎖華蓋骨。在天庭中正之離印堂上六分,平橫一長幅,左右抵兩邊城為止。華蓋者,君主之寶蓋也,內屬心包絡之正繫,即護衛之臣也,而為中貴實權。按華蓋骨平過,比橢圓伏犀骨小而長,不似橢圓形式。大而長者,亦為上貴,而成將相之事業;次則師旅廳道之貴權;又次則州邑之文貴,團營之武職。查是骨前澤不豐,半出於貴裔,亦有流落他鄉,縱橫數千里。其人天性剛燥持勇,合流而軟化,逢善化善,遇惡化惡。有時芥千金如敝履,有時較錙銖而爭執。臨險而發,奮不顧身;亦有陰狡詐,明敏而投時機;交際遠,貪妄而結團體。每多挺險輕舉,含有毒質之私心也。
骨相の第九式、第九幅の圖に對照して看よ、名は「金鎖華蓋骨」と叫ぶ。それは「天庭」「中正」の一帯に在り、「印堂」の上方約六分の處を離れ、橫平に鋪成して一長條を成し、左右両辺の「邊城」に抵りて止む。いわゆる「華蓋」は、本是れ君主の車駕の上の寶蓋。身内に於ては心包絡のここの一系に属し、即ち是れ君主を護衛するの近臣、ゆえにここの根の骨は中等の貴顯にして實權を握有するを主る。ここの根の華蓋骨は橫りて平鋪し、「橢圓伏犀骨」に比べて窄く些・長く些、形狀も亦た橢圓と作らず。長じて又た大きく又た長きは、同じく是れ上等の貴顯、能く將相の事業を成就せん。次の一等は是れ師旅を統領しあるいは廳道の一級の貴權。再次の一等は、文は州縣の長官を做り、武は一団一營を帯ぶ。ここの根の骨を生ずるの人を考察すれば、祖上の留下したるの恩澤多半是れ厚からず、一半は顯貴の人家に出身し、亦た他郷に流落し・數千里之外に縱橫するあり。ここの種の人は天性剛烈急躁にして勇を逞しゅうするを好み、大流に隨いて同化せらるるに易く、善人に遇えば跟い變じて善と為り、惡人に遇えば跟い變じて惡と為る。時に千金を把て破鞋のごとき値わずと看做し、時に又た一分一釐のために爭執休まず。危険の處に臨めばかえって奮發し、敢えて身を顧みず奮往す。亦た陰沈狡詐の一面あり、頭腦明快にして時機を抓住するに善し。交游廣遠、貪心を懐いて黨を結び群を成しに往く。ここの種の人は往々鋌りて険を走り・輕擧妄動し、私心の裏に幾分の毒を帯ぶ。
骨相第十式:按第十圖式,名為兩弦明月骨。變上為仰月,即月之上弦也;變下為覆月,即月之下弦也。在後腦海之間,平齊耳廓橫過。查上弦仰月骨,主福壽而和平,清名而厚,多文貴兩閒祿,多子女而紹業。下弦覆月骨,主貴壽而險詐,勞碌而反覆,多武職而奔馳,刑子女而遺累。如上下弦均全,則成兩弦明月骨之形式,則主多勞碌而成功,享大壽而厚祿,中貴以上之權位,身後流傳之盛名,多妻妾而為嫡庶之子女。其人天性有過人之遠見,過目之不忘相,明達見機,敏而好學,雖然任性負氣,而能耐勞負責。有時過餘穩見,猶豫不決,志大膽小,量大心多,故有為不收全功,憂思而成疾厄。
骨相の第十式、第十幅の圖に對照して看よ、名は「兩弦明月骨」と叫ぶ。骨形上に向かいて彎るを「仰月」と叫ぶ、即ち是れ上弦の月の樣子。骨形下に向かいて扣くるを「覆月」と叫ぶ、即ち是れ下弦の月の樣子。それらは皆後腦の一帯に長じ、耳廓と齊平にして橫りて過ぐ。上弦仰月骨に就いて言えば、福あり寿ありにして性情和平を主り、清白の名声を享けて心地厚道、多く文職顯貴と清閑にして禄を食むの路子を走り、子女も亦た多く、能く家業を承繼す。下弦覆月骨に就いて言えば、貴にして長寿を主るも、ただ人と為りて険詐、一生労碌反復し、多く武職を做して四處奔波し、子女を刑剋して拖累を留下す。假如上弦・下弦の両様皆齊全なれば、即ち完整の「兩弦明月骨」を構成し、則ち便ち一生雖労碌多きも終に成功に帰り、大寿を享けて厚禄を食み、位は中等の貴額の以上、身後なお能く盛名を留下せんを主る。妻妾比較的多く、子女に嫡あり庶あり。ここの種の人は天性人に過ぐるの遠見あり、看過したるの東西は目を過ぎて忘れず、通達明白にして機を見て事を行うに善く、聰敏にして又た學を好む。雖性を任せ氣を使うも、卻って能く苦を喫し・責任を負うを肯んず。ただ時に過分に穩を求め、かえって猶豫して決せず、志向雖大なるも膽子偏に小、度量雖寬なるも心事偏に多し、ゆえに事を做して常に全功を収め得ず、又た憂思の過度に因りて病を生出す。
骨相第十一式:按第十一圖式,名為扶桑骨,又名金城骨。在印堂之部,其骨以方楞為上等,圓拱為中等,微露為下等。由兩眉尾之福堂骨起,平橫印骨堂,而成一字形,又名曰將軍骨是也。主上貴相而有特權,亂世尤倍發達也。大而長楞者,則為數省經營之屏藩大臣,兼轄文武,帶甲數十萬;次亦為一省督撫操兵柄;小而稍短楞者,亦為師旅武權也。多因逼迫而冒險進取,又經危險之災,牢獄之咎,然後乘時而發達,走險而成功。多英年早發,流落他鄉,而刑父也。其人天性聰敏靈慧,量狹心毒,舉止有特別情形也。剛燥勇為,任勞有桓,長於恃才務功,短於巧言和色。任性負氣,私德不足而好淫;成敗不一而殘酷。以言招嫉,器量不容故也;以事結怨,貪功不讓故也。高興則豪爽,違意則妄為,好殺而陰毒,慳悋而野心,不善後者居多。
骨相の第十一式、第十一幅の圖に對照して看よ、名は「扶桑骨」と叫び、又た「金城骨」と叫ぶ。それは「印堂」のここの一块に長じる:骨形方にして棱あるは上等、圓にして拱起するは中等、ただ微微に些かを露出するのみのは下等。ここの根の骨は両眉尾の「福堂骨」より起こり、橫平に印堂を穿て過ぎ、一個の「一」の字の樣子を形成す、ゆえに又た「將軍骨」と叫ぶ。それは上等の貴相にして特殊の權柄を握有するを主り、乱世の裏に於ては尤其加倍發達す。骨大にして棱長きは、能く數省を經略するの屏藩大臣を做り、文武兼ねて管え、兵數十萬を統べん。次の一等も亦た是れ一省の督撫にして兵權を握有す。骨小にして棱略短きも、亦た能く師旅の一級の武權を掌らん。ここの種の人は多半是れ形勢に逼られて冒険進取に往き、なお先に一場の危難を經歴し、甚至坐獄の禍事、然る後にこそ時に乗じて發達し・険を走りて成功せん。彼ら大多は年紀輕々として發迹し、他郷に流落し、併せて父親を刑剋す。ここの種の人は天性聰敏靈慧、ただ氣量狹窄・心地狠毒、擧止も亦た常に常人に異なるの處あり。彼は剛烈急躁にして敢作敢為し、苦を喫するを肯んじて恒心あり。長處は是れ才を恃みて事を幹し・務めて事功を求め、短處は是れ好き話を説くを會せず・和顏悅色を肯んぜず。性を任せ氣を使い、私徳虧ありて色を好む。成敗定まらずして手段殘酷なり。言語に因りて人の嫉恨を招くは、是れ氣量の人を容れ得下がらざるに因る。事を辦するに因りて怨仇を結下するは、是れ功を貪りて肯んじて相讓せざるに因る。高興の時は豪爽大方、心意に合せざるの時は便ち胡作非為し、殺を好みて陰毒、吝嗇にして野心あり、多半是れ終に善く收場する能わざるなり。
骨相第十二式:按第十二圖式,名為福堂骨,西人謂之蓄財骨,即外財庫是也。在眉尾之三角陵部,上骨接近驛馬,亦可名曰下驛馬骨,下接近魚尾,平橫眉尾。其骨高大者,主特富,不可限量,如開闢永遠利源,特利過國經商,皆有此骨也;次亦為大富,而可測量,如過省經營之厚利,而進萬里之財源者,皆有此骨也;又其次為中富,而進千里之財源。又主有壽,則分高低也:高者主大壽,有至期頤;次者亦壽,有至耋耄;如低小者,亦主六十左右也。其人天性厚而慈和,遠而見小,慳悋而奸貪,多思而命中。有時以義為利,闢利源,收奇功;有時見利忘義,取漁利,多爭端。得一務二,及勞心也。
骨相の第十二式、第十二幅の圖に對照して看よ、名は「福堂骨」と叫ぶ、西洋相術それを把て「蓄財骨」と叫ぶ、即ち是れ相法の裏の説く「外財庫」。それは眉尾の三角棱骨のあの一块に長じる:上緣は「驛馬」に挨近し、ゆえに亦た「下驛馬骨」と叫ぶ能う。下緣は「魚尾」に挨近し、橫平に眉尾の上に壓す。ここの根の骨の長じて高大のは特等の富有を主り、財力大にして估量する能わざるに至り、凡そ能く長久の財源を開闢し・跨國の生意を做りて巨利を獲取するの人は、皆ここの根の骨を生ず。次の一等も亦た是れ大富、財力なお能く估算し出だし得、凡そ省を跨いで經營して厚利を獲・萬里之外の財源を賺回するの人も、亦た皆ここの根の骨を生ず。再次の一等は是れ中等の富有、能く千里之内の財源を賺ぐ。ここの根の骨は同時に亦た寿を主り、高低に按じて檔を分かつ:骨高きは大寿を主り、能く百歳に活到す。次の一等も亦た長寿、能く七八十歳に到る。骨低小のは、亦た六十の上下に活くるを主る。ここの種の人は天性厚道慈和、遠くを看る能うも卻って又た小處を計較するを愛し、既に吝嗇にして又た貪求し、心思多くして毎々料え中る。時に道義を把て生利の本と當し、財源を開闢して奇效を収め到る。時に又た利を見て義を忘れ、ただ漁利を撈取するを顧み、因りて爭端を多く生ず。凡事總て一擧両得せんと想い、亦た即ち格外心を労す。
骨相第十三式:按第十三圖式,名為連環背枕骨。在後腦海之正部,上骨略長大而仰,下骨略短小而覆,兩皆長形而相背,多應偏副之貴,名而不權居多數。按連環背枕骨,多主前人有餘蔭之業,而出殷實之家;及有弟兄叔伯之貴,而有連帶關係,以助其進階;一為瓜葛親戚之貴,而有互相利用,以成其名位也。其人天性,小有才智而驕傲,常有貪念而妄舉,負氣而好勝式,顧己而肥私。小有淫亂之邪行,亦有偏愛之嗜好。略兩可,而有遲疑之持重;慫恿不定,而有倉猝之為用。言大而誇,志大而亂。主中等富,而貴次之,多享便宜之福也。
骨相の第十三式、第十三幅の圖に對照して看よ、名は「連環背枕骨」と叫ぶ。それは後腦正中に長じる:上面の一根は略長く略大にして上に向かいて仰ぎ、下面の一根は略短く略小にして下に向かいて扣け、兩根皆是れ長條形にして併せて背に背を負い、ゆえに多半是れ副職・佐貳の一類の貴顯の上に応ず、大都是れ名声ありて實權なし。凡そここの種の連環背枕骨を生ずるの人は、多半祖輩の產業を留下して以て蔭庇する能く、殷實の家に出身す。亦た兄弟叔伯の顯貴に靠り、ここの層の關係を憑りて自己を幇けて上に往かしむるあり。なお一種あり、是れ親を沾り故を帯ぶの貴人に靠り、彼此利用して以て名位を成就す。ここの種の人の天性は:略か才智あれば便ち自ら驕り自ら傲り、常に貪念を起こして胡乱に事を行い、性子を使うを好み・強を爭い勝を好み、凡事先ず自己を顧り・ただ自家を肥やす。私生活の上に些かの淫乱越軌の行為あり、亦た偏執の嗜好あり。事を做るに些か模棱両可あり、看るに遲疑穩重のごとし。容易く人に慫恿せられて主意を拿定する能わず、又た常に倉促の間に人に把て來られて一用せらる。話を説くに其の詞を夸大し、志向雖大なるも頭緒紛乱す。ここの一式は中等の富有を主り、貴顯はなお其次に在り、多半是れ坐して現成の便宜の福氣を享くるなり。
骨相第十四式:按第十四圖式,名為川字骨。在後腦海之第正部,上至百會之巔,下齊風府之際,當中之骨較長,兩側之骨較短。其骨主富而壽,橫三字骨方貴也。余考川字骨,前業充裕,祖上宦遊式成業,此為享受餘蔭;又有承桃兼受田宅,加以達外經營,乘時擴充,開闢利源,流通貨物,而至中上之富,常與貴人交往。其人刑剋早子,先女宮成立,而多妻妾也。子遲又從庶出,好淫又多官訟,又有戚友之累。天性聰明有機智,多預算,善廣交遊,同流則軟化為群;亦善言論,交際則通達各界。安危執其大體,得失常多權變。有時能容惡,以感化其心志;有時不忍辱,以傳揚其是非。惟多貪念而穩見,好爭而機深也。
骨相の第十四式、第十四幅の圖に對照して看よ、名は「川字骨」と叫ぶ。それは後腦正中に長じ、上端は頭頂の「百會」に到り、下端は「風府」に齊しく、當中の一根は比較的長く、両側の兩根は比較的短く、形「川」の字のごとし。ここの根の骨は富にして長寿を主る。横りて三条を成すの「三字骨」を要してこそ貴を主る。我川字骨を生ずるの人を考察すれば、祖上の産業豊厚、多く是れ先人の外に在りて官を做りて家業を置き下せし、本人は坐して余蔭を享くるの一類に属す。亦た嗣を承け繼ぎを過ぎて田宅を接收するを兼帯するあり、加うるに外地に到りて經營し、時機に乗じて擴張し、財源を開闢し、貨物を販運し、因りて中上等の富有に達到し、平常常に貴人と往來す。ここの種の人は頭の一個の兒子を刑剋し、先ず女児の一輩を立て、妻妾も亦た多し。兒子は來ること晚く、而且往々是れ庶出。彼は色を好みて官司多く、又た常に親戚朋友の拖累を受く。天性聡明にして機變あり、凡事多く盤算を加え、善く廣く朋友を交わり、大流に隨えば即ち能く衆人と一片に打ち成る。又た言談に善く、交際し來れば各界皆喫き開く能う。安危の大事に遇えば能く大體を抓住し、利害得失に遇えば則ち多く機に隨いて應變す。時に能く惡人を容忍し、感化を用いて以て彼の心志を轉變せんと想う。時に又た半点の委屈を受くる能わず、是非を張揚し出ださざれば非ざるを可とせず。ただ貪念偏に多くして處處穩を求め、勝を爭うを好みて心機深沉なり。
骨相第十五式:按第十五圖式,名為翠環列星骨。在後腦海之兩側,左右二骨如雞卵形,微橢圓之勢,當中隔開,高耳廓兩分。主小貴而有壽徵,器量微小,而又僕。然有弟兄叔伯之相欺,妻妾子女之不力,以致內顧隱憂,而多挪雜之煩惱。惟衣祿豐足,中猶其發達,初年多勞碌,晚年多顧忌。其人天性耿介心平,界於善惡兩途之間,既不能放縱而遠大之,又不能容忍其細故之怨。雖云和平忠厚,每因小而失大,守婦人之仁,以招災患也。外立小善以沽名,內貪小利以藏狡。好勝而狹,不容加以不宜;輕重不當,循私加以自用。無事多事,自取其累也。
骨相の第十五式、第十五幅の圖に對照して看よ、名は「翠環列星骨」と叫ぶ。それは後腦の両側に長じ、左右各々一根、形狀鶏蛋のごとく、略か橢圓の勢を呈し、中間隔開し、位置耳廓に高く出づること約二分。ここの一式は小貴にして長寿の徵あるを主る、ただ是れ器量狹小、又た肯んじて人の下に屈居す。不過彼は兄弟叔伯の欺壓を受け、妻妾子女又た皆得力せず、以致家裏總て隱憂あり、雜七雜八の煩惱斷えず。好きは衣食俸禄豊足し、中年正に是れ彼の發達するの時。早年多く労碌し、晚年多く顧慮す。ここの種の人は天性耿直・心氣平和、恰好善と惡の両条の路の中間に處す:既に手脚を放開して一番の大事を做り去る能わず、又た一点点の小小の怨隙を容れ得下がらず。雖説人と為りて和平忠厚なれど、卻って毎々小に因りて大を失い、婦人の仁を守りて、かえって禍患を招來す。彼は外に在りて小善事を做りて以て名声を博し、心裏又た些かの小利を貪りて幾分の狡黠を蔵す。強を爭い勝を好みて氣量狹窄、容讓せざるべきの地方偏に容讓せんと要す。輕重の拿捏當らず、私を徇するの外なお剛愎自用す。本来事なきも亦た事を生出し來るを要す、皆是れ自ら找うの拖累なり。
骨相第十六式:按第十六圖式,名曰玉堂雲壘骨。平耳廓而橫過,下從奸門之後起,至耳後之壽骨止,長不過兩寸,故名雲壘也。主為常貴之典史佐貳,主富亦為素豐小康,惟妻妾賢淑,壽徵稍弱。有時名重權輕,迂酸不達,故多駁雜不純。有品行而負氣,六親少力;無經驗而固執,知交有益。外多貴人輔助,措施不宜;內為獨善拘節,子女有善教而沽名,家政多清廉而立表。天性明敏厚,謹慎持重,守信如一,認定不改,剛正而有善根,持久而如常態。窮理盡性以修身,寬厚守禮而濟物,盛世事吉,亂世受制也。
骨相の第十六式、第十六幅の圖に對照して看よ、名は「玉堂雲壘骨」と叫ぶ。それは耳廓と齊平にして橫りて過ぎ、下端は「奸門」の後面より起こり、耳後の「寿骨」に到りて止み、長さ兩寸に過ぎず、形狀層疊して雲のごときに因り、ゆえに「雲壘」と叫ぶ。ここの一式は尋常の貴職を做るを主る、典史・佐貳の一類の副職の小官のごとし。財富を論ずれば亦たただ素來寛裕の小康の家なり。妻妾賢淑、寿元卻って稍ば單薄を嫌う。彼は時に名望大にして權柄小、人と為りて迂闊酸腐・世故に通ぜず、ゆえに一生の際遇多く駁雜にして純ならず。彼は品行ありて性子を使うを愛し、六親幇け上がる能わず。閱歴なくして己見を固執す、好きは益友の相助あるなり。外に在りては常に貴人の扶持を得、ただ事情を處置するに往々時宜に合せず。内に在りては則ち獨りその身を善くし・小節を拘守し、子女を教うるに方ありて亦た此に借りて名を博し、家を治むる清廉にして此を以て表率と立作す。天性明達敏捷にして厚道、謹慎持重、信を守りて始終一のごとく、認定したるの事は再び更改せず、剛正にして善根あり、持するに久しくして神色常のごとし。彼は事理を窮究し・己の本性を盡くすを以て身を修め、寛厚にして禮を守るを以て他人を周濟す。太平世に生ずれば事事順遂し、乱世に生ずれば則ち處處制を受く。
骨相第十七式:按第十七圖式,名為四方金印骨。在後腦海之中心,其骨方形,故名金印。以大突而有勢者,為大富貴,則為國家柱石人材,盛世主卿相,而有善政也;亂世主將帥,而拓疆土也。小而較平者為中等富貴,文廳道,武師旅。最次者,亦因人而貴,借力而發:一為結合團體之進取,一為仰仗貴戚之輔助,然亦趨時勢之潮流,合眾心之理想。其天性聰明不勤,遠見不慎,務名貪功,拘義疏,遺誤於親情,明知不拒,受累於偏好,負氣自矜,亦有鬱結之痼疾。喜山水而流連,好奇談而妄語,愛酒色而娛樂,貴而好名之格也。
骨相の第十七式、第十七幅の圖に對照して看よ、名は「四方金印骨」と叫ぶ。それは後腦正中に長じ、骨形方正、ゆえに名を取りて「金印」となす。ここの根の骨の大にして凸出し・氣勢充足のは、大富大貴を主り、是れ國家の棟梁の材:太平世に生ずれば能く公卿宰相を做りて善政を留下す。乱世に生ずれば能く將帥を做りて國家のために疆土を開拓せん。骨小にして比較的平坦のは、ただ是れ中等の富貴、文は廳道の一級を做り、武は師旅の一級を帯ぶ。最次の一等も、亦た能く別人に靠りて貴・外力を借りて起こる:一種は團體を聯合して一同に進取し、一種は顯貴の親戚に仰仗して提擕せらる。不過これも亦た時勢潮流に順應し・衆人の心愿に合うと算うべし。ここの種の人は天性聡明にして勤勉せず、遠見ありて謹慎足らず、一心に名を求め功を貪り、小義に拘泥して大節に疏し。親情の上に於て常に差錯を出だし、明かに妥ならざるを知りても亦た拒絶を肯んぜず。偏執の嗜好に因りて拖累を受け、又た氣を使い自負するを愛し、なお常に鬱結して解けざるの老毛病あり。彼は山水を喜愛して流連して返るを忘れ、奇聞を談ずるを愛して説話準なく、酒色を好みて享樂に耽る、總じて是れ顯貴にして名を好むの一種の格局なり。
骨相第十八式:按第十八圖式,名為銳角長壽骨。在福堂骨之後,橫耳廓之上,繞入耳後高骨止,橫斜而下插。其骨微長而如銳角形,又入壽骨之連帶勢,故名銳角長壽骨。主大壽而足衣祿,於名則為鄉里之榮名,於富則為素豐之小富。大多數為自立之業,以商以藝而發達,故三十左右,方立基礎而娶妻,四十左右,方進田宅而旺子。天性厚樸實,謹慎穩見,無大德亦無大惡,有小怨而有小累。公平正直,常抱天理良心,力維節衣惜食,近慮遠憂,任勞到老不閒,認員守己不妄。人謂愚拙,而財日豐;子孫不多,而累亦少。
骨相の第十八式、第十八幅の圖に對照して看よ、名は「銳角長寿骨」と叫ぶ。それは「福堂骨」の後面に長じ、耳廓の上方を橫りて過ぎ、繞りて耳後の高骨に到りてこそ止住し、走勢は是れ斜めに橫りて下に向かいて挿す。ここの根の骨は略長、形狀一個の銳角のごとく、又た「寿骨」と連なりて一片を成す、ゆえに「銳角長寿骨」と叫ぶ。ここの一式は大寿を主りて衣食俸禄缺けず:名声を論ずれば不過是れ郷里に於て人の尊敬を受くる、財富を論ずれば亦たただ素來寛裕の小富。ここの根の骨を生ずるの人は大多是れ白手にて自立するの家業、經商に靠るかあるいは一門の手藝に靠りて發達し來る、ゆえに三十歳の上下に到りてこそ基業を立穩し・妻室を娶り上げ、四十歳の上下に到りてこそ田宅を置き下し・丁を添え子を旺す。天性厚道朴實、謹慎にして處處穩を求め、大徳あると説き上がらず、亦た大惡を做し出だす能わず。些かの小怨隙あるあらん、亦た些かの小拖累あるあらん。彼は人と為りて公平正直、心裏常に天理良心を存し、一力衣を節し食を縮め、眼前の事と長遠の事と皆心上に放き、力を出すを肯んじ、老に到るも亦た閑じ下がる能わず、本分に安じ己を守り、非分の想を做さず。旁人彼を愚笨拙訥と説くも、彼の家財は卻って一天比べて一天厚し。子孫多からず、牽累も亦た相応して少なし。
骨相第十九式:按第十九圖式,名為崑崙奇峰骨。在後腦海之正部,其骨上尖下闊,微長而雄突有勢。多主武貴,而擁兵柄,大而屏藩重臣,小而邊鎮守將。持勇好鬥,不惜犧牲生命;立威好殺,偏能制勝出奇。外結黨羽,而有大志;內結腹心,而有妄想。天性英明有智,凡事多機警,每能預料。剛燥自用,負氣好勝,心毒而有恆,陰險而有智,輕財而務名,驕傲而誇功。有時狐疑,決斷於倉皇之間;有時豪慨,片言有九鼎之重。殘忍之心,惻隱之心,兼而有之;情慾之惡,施濟之善,兩皆有也。
骨相の第十九式、第十九幅の圖に對照して看よ、名は「崑崙奇峰骨」と叫ぶ。それは後腦正中に長じ、骨形上端尖り・下端闊く、略長にして雄壯凸起・氣勢人に逼る。ここの一式は多く武職の顯貴にして兵權を手握するを主る:大なるは一方を屏藩するの重臣を做り、小なるは邊關を鎭守するの將領を做る。ここの種の人は勇を恃みて鬭うを好み、性命をも把て出だして拼するを肯んず。威を立てて殺伐を好み、偏偏又た能く奇を出だして勝を制す。彼は外に於て黨羽を交結し、胸中に大志を懐抱す。内に於て心腹を籠絡し、心裏も亦た非分の想を存す。天性英明にして智謀あり、事に遇えば機警、往々事先に料到する能う。彼は剛烈急躁にして剛愎自用し、性子を使うを好み・強を爭い勝を好む。心地狠毒にして事を做るに恒あり、人と為りて陰険にして頭腦精明。錢財を看重せざるも卻って極めて名声を重んじ、驕傲自滿にして戰功を誇耀するを愛す。時に疑慮重重、倉皇の間にこそ勉强して決斷を作出す。時に豪邁慷慨、一句の話就ち九鼎より重し。殘忍の心と惻隱の心とは、彼の身上に於て是れ併存す。聲色を縱りの惡習と他人を周濟するの善行とも、亦た是れ両樣皆あり。
骨相第二十式:按第二十圖式,名為泰山枕骨。在後腦海之正部,其形分二種:此為順泰山枕骨,主聰明而富貴,博學而大壽;一為倒山字枕骨,亦主富貴聰敏,而有驚災勞碌及壽。均主有根基,前業不多,本身發達,則名成富豐矣。其子女俱貴,而紹箕裘之業。天性明敏慈良,厚忠信,穩見有恆,知足不妄,執定見解,而不變通,持重拘節,而不陰險。獨識人不足,而有恩恩怨怨之糾紛;措施不宜,而有親親疎疎之遺累。能容小惡,能吃小虧,故為平安持久之格也。
骨相の第二十式、第二十幅の圖に對照して看よ、名は「泰山枕骨」と叫ぶ。それは後腦正中に長じ、形狀兩種に分かつ:ここに繪るは正着の「順泰山枕骨」、人の聡明にして富貴・學問廣博にして大寿を享くるを主る。別の一種は倒さに來るの「倒山字枕骨」、同じく富貴聰敏を主るも、ただ驚険災厄と一番の労碌を經過するを要し、亦た一樣に寿あり。兩種皆家に根基あるを主る:祖上の留下したるの產業雖多からざるも、本人に靠りて發達し來れば、便ち能く名声を成就し・豊厚の家財を積起せん。彼らの子女も亦た皆顯貴、能く父業を承繼す。ここの種の人は天性明達敏捷にして慈善、厚道忠信、事を看るに穩を求めて恒心あり、知足して妄念を生ぜず。ただ一個の看法を認準すれば即ち變通を肯んぜず、人と為りて持重・小節を拘守するも、卻って陰険ならず。唯獨人を看るの眼力足らず、因りて常に恩怨の糾纏あり。事情を處置するに時宜に合せず、因りて親疏遠近の間に拖累を落下す。好きは彼能く小惡を容忍し、能く些かの小虧を喫す、ゆえにここの一種は是れ平安にして長久の格局なり。
骨相第廿一式:按第二十一圖式,名為三星福壽骨。在後腦海王部,上一骨圓而大,高過耳廓;下二骨圓而小,平過耳輪,此名三星也。如上一骨方形,下二骨圓式,則為承露秉玉骨。按三星骨,貴倍於富;承露骨富倍於貴,此其區分也。三星骨有勞碌風塵之經過,子女略少;承露骨為取守之享受,子女倍多。天性聰明多思,謹慎拘節,每事知足問心,處事守義念舊,厚無毒,交際有信。進退不出其範圍,持重不亂其規矩,得失如常態,見解尤高深,故安全也。
骨相の第廿一式、第二十一幅の圖に對照して看よ、名は「三星福寿骨」と叫ぶ。それは後腦正中の一帯に長じる:上面の一根は圓にして大、位置耳廓に高く過ぐ。下面の兩根は圓にして小、耳輪と齊平なり、三根合して即ち「三星」と叫ぶ。如果上面の一根は是れ方形、下面の兩根は是れ圓形なれば、則ち別に「承露秉玉骨」と叫ぶ。分別に就いて言えば、三星骨は貴を主ること富を主るに超過し、承露骨は富を主ること貴を主るに超過す、これは是れ両者の區分。三星骨を生ずるの人は一段の風塵労碌を經過するを要し、子女略か少し。承露骨を生ずるの人は則ち成を守り福を享くるを以て主と為し、子女は一倍を多出せんと要す。ここの種の人は天性聡明にして心思細密、謹慎にして規矩を拘守し、凡事知足・事事心を捫ねて自ら問い、世を處するに信義を重んじて舊情を念い、厚道にして毒なく、人と交往するに信用を守る。進退自己の分寸を越えず、持重にして自家の章法を乱さず、得失來去神色常のごとく、見識尤其深遠、ゆえに一生平安にして険なし。
骨相第廿二式:按第廿二圖式,名為明珠碧玉骨。在後腦海正部,上一骨圓突如珠,下一骨長橫如玉。主富貴而有盛名,半為甘棠遺愛,半為文章流傳。剛正過餘,言詞表於形色,故有招嫉結怨,履波濤而過;不安於小人,故有謪貶挫折,見驚災而彰。主刑妻克子而有壽,子女多從庶出也。其天性剛直威嚴,不避嫌疑,不懼危險,不妄舉動,不惑名利,正大有遠志,持義不苟且,不容惡,不忍辱,以致黨爭日烈,讒害日深。利害關念不釋,安危計劃常在,終有遺誤,而名成焉。
骨相の第廿二式、第二十二幅の圖に對照して看よ、名は「明珠碧玉骨」と叫ぶ。それは後腦正中に長じる:上面の一根は圓圓に凸起して珠子のごとく、下面の一根は橫長平鋪して玉板のごとし。ここの一式は富貴にして盛名を享くるを主る、一半是れ召公のごときの「甘棠遺愛」を留下するの徳政に象り、一半是れ文章著述を靠りて後世に流傳す。彼は剛強正直にして頭を過ぎ、心裏何を想うも全て臉上に寫し・嘴上に説き、因りて人の嫉恨を招き・怨仇を結下し、一生風浪の裏を過ぎ來るのごとし。彼又た小人を容れ得ず、ゆえに屢々貶謫挫折に遭い、毎々驚険災厄の中に於てこそ本色を顯出す。ここの一式は妻を刑し子を剋して自身寿あるを主り、子女多半是れ庶出。彼の天性は剛直にして威厳あり:嫌疑を回避せず、危険を畏懼せず、輕擧妄動せず、名利に迷惑せられず。胸襟正大にして志向長遠、道義を持守して苟且を肯んぜず、惡人を容れ得下がらず、亦た屈辱を受くる能わず。正に此に因りて、朋黨の爭いは一天比べて一天激烈に、讒言陷害は一天比べて一天深重し。彼は心裏の利害の算計放き下がらず、安危の籌劃も亦た一刻も停まらず、最終難きを免れずして失誤あり、しかるに名声は卻って此に因りて成就せり。
骨相第廿三式:按第廿三圖式,名為一炁懸針骨。在後腦海正部,下從大椎之骨節起,上至百會止,如天柱聳幹。主武貴居多,權威極重,此為國家柱石,舉足有安危關係。事業心重,常慕古之偉人行動,以自勵也。惟出身寒微,又刑人丁,故三妻四妾,子女均弱不立,又在四十後,有婢妾所生之子一二也。其天性英明有斷,大志不群,剛毅有智,機勇好殺,亦能忍上加忍,毒上加毒。專於學識事業,不計其它關係,持其大節,神而明之;守其大義,誤而不悔。內多鬱結籌劃,外常安閒表示,鎮靜有餘,而持重也。
骨相の第廿三式、第二十三幅の圖に對照して看よ、名は「一炁懸針骨」と叫ぶ。それは後腦正中に長じ、下端は頸後の「大椎」骨節より起こり、上端は頭頂の「百會」に到りて止み、一根の天柱のごとく直挺挺に豎る。ここの一式は武職の顯貴を主るの居多く、權威極めて重く、是れ國家の棟梁、一擧一動皆安危の大局に關係す。ここの種の人は事業の心極めて強く、常常古代の偉人の行事を仰慕し、用いて以て自己を激勵す。ただ是れ出身寒微、又た家中人丁を刑剋す、ゆえに三妻四妾し、子女皆體弱にして立ち難し。四十歳の以後に到りて、こそ一兩個の婢妾の生ずる所の兒子あらん。彼の天性は英明にして決斷あり、志向遠大にして流俗と同じからず、剛毅にして智謀あり、機警勇悍にして殺伐を好む。同時に又た能く一忍再忍し・一狠再狠す。彼は専心學問と事業の上に在り、別の關係を計較せず。大節を把守するの道理を體會して透徹入神し、大義を守住し、即ち此に因りて失誤するも亦た悔いず。心裏許多の籌劃を鬱結すれど、外表は卻って總て安閑自在を顯し、鎮靜余裕ありて處處持重す。
