軍勝気象の占(軍勝氣象占)第五十五
凡氣上與天連,此軍士眾強盛,不可擊;若在吾軍,可戰必勝。軍上氣如火光,將軍勇,士卒猛,不可擊;在吾軍,速戰大勝。
およそ雲気が上に向かって天と相連なるは、この軍隊の人馬が衆多にして強盛なるを説明し、攻撃してはならない。もし我が軍の上空に現れれば、出戦すべし、必ず勝を取る。軍隊の上空の雲気が火光のようなは、将軍が勇武にして士卒が剽悍なる兆しで、攻撃してはならない。もし我が軍の上空に現れれば、速戦すれば大勝を獲るべし。
軍上氣如山堤,山上若林木,將士驍勇,不可與戰;若在吾軍,戰必大勝。軍上氣如埃塵粉沸,其色黃白,如旌旗無風而揚,揮勢指敵,我軍欲勝,可急擊之。
軍隊の上空の雲気が山と堤岸のようで、山上また樹林を長ずるが如きは、将士が驍勇なる兆しで、彼と交戦してはならない。もし我が軍の上空に現れれば、交戦すれば必ず大勝する。軍隊の上空の雲気が塵埃粉末のように翻騰涌起し、顔色が黄白で、旌旗が風なく自ら揚がるが如く、揮動の気勢が敵方を指向するは、これは我が軍のまさに勝利を獲んとする徴象で、急速に出撃すべし。
有雲如三疋帛廣前後大,大軍行氣也。兩軍相當,敵上白氣粉沸如樓,緣以赤氣者,兵銳,不可擊;在吾軍,戰必大勝。
雲があって三匹の帛のように寛濶で、前後ともに粗大なるは、これは大軍の行進の気である。両軍が対峙し、敵方の上空の白気が翻涌して楼閣の如く、辺縁に一圈の赤気を鑲むは、相手方の兵鋒が鋭利なる兆しで、攻撃してはならない。もし我が軍の上空に現れれば、交戦すれば必ず大勝する。
營上氣黃白色厚潤重者,勿與戰。兩軍相當,有氣如人持斧外向,敵戰必大勝。兩軍相當,上有氣如蛇,舉首向敵者,戰勝。
軍営の上空の雲気が黄白色を呈して厚重潤沢なるは、彼と交戦するなかれ。両軍が対峙し、雲気があって人の手に斧头を持ち外に向かうが如きは、敵と交戦すれば必ず大勝する。両軍が対峙し、上空に雲気があって蛇の如く、頭を昂げて敵方に朝向するは、交戦して勝を取る兆しである。
敵上氣如疋帛者,此權軍之氣,不可攻;若在吾軍上,戰必大勝。敵上有雲如牽牛,不可擊。遙望軍上雲如鬥雞,赤白相隨在軍中,得天助,不可擊也。
敵方の上空の雲気が一匹の帛の如きは、これは兵権を握り・軍勢がまさに盛んなる気で、進攻してはならない。もし我が軍の上空に現れれば、交戦すれば必ず大勝する。敵方の上空に雲があって牽牛星の形状のようなは、攻撃してはならない。遥かに望む軍隊の上空の雲が相い鬥う公鶏の如く、赤白二色が相随って軍中に現れるは、その軍隊が上天の相助を得るを説明し、攻撃してはならない。
敵上發黃氣,將士精勇,不可擊;若在吾軍,可用戰。軍營上有赤黃氣,上達於天,亦不可攻。凡軍營上有五色氣,上與天連,此天應之軍,不可擊。
敵方の上空に黄気を発するは、将士が精悍勇猛なる兆しで、攻撃してはならない。もし我が軍の上空に現れれば、兵を用いて作戦すべし。軍営の上空に赤黄色の雲気があって、上に向かって直ちに天際に通ずるは、また進攻してはならない。およそ軍営の上空に五色の雲気があって、上に向かって天と相連なるは、これは上天の相応ずる所の軍隊で、攻撃してはならない。
其氣上小下大,其軍士日增,益士卒。其軍上氣似堤,以覆其軍上,前後白,此勝;若覆吾軍者,急往擊之,大勝。
雲気が上部小さく下部大きいは、その軍隊の兵員が日に日に増多し・士卒が不断に補充する兆しである。軍隊の上空の雲気が堤岸のようで、自家の軍隊の上方に覆い、前後ともに白を発するは、勝利を取る兆しである。もしこの種の気が我が軍の上方に覆えば、すなわち急いで前へ行って相手方を攻撃すべし、大勝を獲るべし。
夫氣銳、色黃白、團而澤者,敵將勇猛,且士卒能強戰,不可擊。雲如日月,而赤氣繞之,似日月暈狀有光者,所見之地大勝,不可攻。
およそ雲気が尖鋭にして顔色が黄白・団聚して潤沢なるは、敵方の将領が勇猛にして、しかも士卒が力戦を能くする兆しで、攻撃してはならない。雲が日月の形状のようで、四周に赤気が環繞し、日暈・月暈のように光を帯びたるが如きは、それの現れたる一方が大勝する兆しで、進攻してはならない。
敵上有氣或雲,及在中天而及軍上,有常此氣不變者,堅固難攻。凡雲氣似虎居上者,勝。軍上氣如塵埃、前後高者,將士精銳,不可擊。敵上氣如乳虎者,難攻。
敵方の上空に気あるいは雲があって、一直線に中天に連なって軍隊の上方に笼罩し、この気が長久に変わらざるは、相手方の陣勢が堅固にして進攻し難いを説明する。およそ雲気が老虎の盘踞して上方に在るが如きは、勝利を取る兆しである。軍隊の上空の雲気が塵埃の如くして前後に高聳するは、将士が精鋭なる兆しで、攻撃してはならない。敵方の上空の雲気が哺乳する母虎の如きは、進攻し難い。
軍上常有氣者,其兵難攻。軍上雲如華蓋,勿往與戰。有雲狀如鳥飛去,所見國戰勝。雲如旌旗如鋒向人者,勿與戰。
軍隊の上空に常に雲気あるは、その軍隊が攻打し難い。軍隊の上空の雲が「華蓋」の如き、すなわち帝王の車駕の上の傘蓋なるは、前へ行って彼と交戦するなかれ。雲の形状が飛鳥の去るが如き有るは、それを見る国が交戦して勝利を取る兆しである。雲が旌旗のよう・兵刃の鋒鋩が人に朝着するが如きは、彼と交戦するなかれ。
兩軍相當,敵上有氣如飛鳥,徘徊在其上,或來而高者,兵精銳,不可擊。夜黑氣出,上有赤氣臨我軍上,敵強我弱,弱能破強,小能擊大,大戰大勝,小戰小勝。
両軍が対峙し、敵方の上空に雲気があって飛鳥の如く、その上に盘旋徘徊し、あるいは飄来して位置が甚だ高いは、相手方の兵馬が精鋭なる兆しで、攻撃してはならない。夜に黒気が昇起し、上面また赤気があって我が軍の上空を笼罩すれば、然らばすなわち敵強く我弱くとも、弱きも能く強きを撃破し・小なるも能く大なるに打ち勝つ。大仗を打てば大勝し・小仗を打てば小勝す。
軍上雲如牛馬、頭低尾仰者,勿與戰。軍上雲如杵形,勿戰。望四方有赤氣如鳥,在鳥氣中如黑人,在赤氣中如赤杵,在鳥氣中或如人十十五五,及狀如旌旗在鳥氣中,有赤氣在前者,敵人精悍,不可當。
軍隊の上空の雲が牛馬の如くして頭低く尾高きは、彼と交戦するなかれ。軍隊の上空の雲が杵の形状の如きは、交戦するなかれ。四方に赤気があって鳥の如く、鳥形の気の中また黒衣の人有るが如く、赤気の中また赤色の杵有るが如く、鳥気の中また人が三五群れ・十個八個と聚るが如き、および形状が旌旗の如くして鳥気の中に処り、併せて赤気が前面に有るを望見するは、敵人が精明強悍にして抵挡すべからざる兆しである。
敵上有雲如山,兵可托。有雲長如引素,前後銳,或一或四,黑色有陰謀,青色兵,赤色有反,黃色急去。日暈,有雲氣入暈中者,隨所入擊之勝。有暈有抱,所臨者勝。
敵方の上空に雲があって山の如きは、山勢に依託して兵を用うべき兆しである。雲があって狭長で一条の引き直した白絹の如く、前後両端が尖鋭で、あるいは一条のみ、あるいは四条ある――黒色は相手方に陰謀あるを主り、青色は兵事あるを主り、赤色は反逆あるを主り、黄色は則ち急いで撤離すべし。太陽の周囲に光暈があり、また雲気があって暈の中に入るは、すなわち雲気の進入する方向に順って攻撃し、勝を取るべし。暈ありまた「抱」(環抱状の暈気)あるは、それの笼罩する一方が勝利を取る兆しである。
日暈相交,居止者勝。虹直指,順之而擊,可勝。暈有抱有虹,順抱者勝。日旁半暈,兩頭尖,有戰者,隨所指擊之。
両重の日暈が互相交錯するは、駐守して動かざる一方が勝利を取る兆しである。虹が笔直に某処を指すは、それの指す方向に順って攻撃し、勝を取るべし。暈の中に環抱の気ありまた虹あるは、抱気の方向に順って進攻する一方が勝利を取る。太陽の傍に半個の暈が現れ、両頭が尖鋭なるは、もし交戦せんと欲せば、すなわちそれの指す方向に順って攻撃すべし。
軍敗気象の占(軍敗氣象占)第五十六
有氣上黃下白,名曰善氣,所臨之軍,欲求和退,向北,其眾死散;向東,則不可信,眾能為害;向南,將死。敵上氣囚廢枯散,如馬肝色,或如死灰色,或類偃蓋,或類偃魚,皆為將敗。
雲気があって上部は黄を発し下部は白を発するは、名づけて「善気」という。それの笼罩する軍隊は、和を求めて兵を退かんと欲する。この気が北方に偏するは、相手方の兵衆が死傷潰散する兆しである。東方に偏するは、相手方の和を求むるが軽信すべからず、その部衆はなお害を為し得る兆しである。南方に偏するは、相手方の将領がまさに死せんとする兆しである。敵方の上空の雲気が衰囚廃敗・枯槁涣散し、馬肝の顔色の如く、あるいは死灰の顔色の如く、あるいは倒扣の傘蓋の如く、あるいは翻倒の魚の如きは、これらは皆まさに戦敗せんとする徴象である。
敵上氣乍見,乍聚乍散,如霧始起,此敗氣,可擊;上大下小,士卒日減。凡軍營上,十日無氣發,此軍必敗;而有赤白氣乍出即滅,外聲欲戰,其實或退散。黑氣如壞山墮軍上者,名曰營頭之氣,其軍必敗。
敵方の上空の雲気が忽ち隠れ忽ち現れ、一つ時は聚まり一つ時は散じ、霧の剛く起こる様子の如きは、これは敗亡の気で、攻撃すべし。雲気が上大きく下小さいは、相手方の士卒が日漸に減少する兆しである。およそ軍営の上空に一連十天雲気の発出なければ、この軍隊は必ず失敗する。もし赤白色の気が剛く現れて就中熄滅すれば、然らば相手方は外に向かって交戦すると揚言するも、実際は或いは兵を退き潰散せんとする。黒気が崩壊の山の如く軍隊の上方に墜落するは、名づけて「営頭の気」という。その軍隊は必ず失敗する。
軍上氣如火光夜照人,軍士散亂。軍上氣出而半絕者欲敗,漸盡者走。一絕一敗,再絕再敗,三絕三敗。在東發白氣者,災深。軍上氣如羊形,或如豬形,此是瓦解之氣,軍必敗。
軍隊の上空の雲気が火光の如く、夜に人影を照見するは、軍中の士卒が散乱する兆しである。軍隊の上空の雲気が昇起して中間に一半断たれたるは、まさに戦敗せんとする兆しである。漸々消尽するは、軍隊が逃走走せんとする兆しである。一たび断たれれば一たび敗れ、二たび断たれれば二たび敗れ、三たび断たれれば三たび敗れる。雲気が東方に在りて白色を発するは、災禍が特に深重である。軍隊の上空の雲気が羊の形状の如く、あるいは猪の形状の如きは、これは土崩瓦解の気で、その軍隊は必ず戦敗する。
敵上有氣如雙蛇,疾往攻之,大勝。軍上有氣,中似雙蛇守日,急往擊之,勿疑,必大勝。軍上氣如粉如塵,勃勃如煙,軍欲敗。軍上氣五色雜亂,東西南北不定者,其軍欲敗。
敵方の上空に雲気があって两条の蛇の如きは、急いで前へ行って攻打し、大勝を獲るべし。軍隊の上空に雲気があって、当中に两条の蛇が太陽を守るが如きは、急いで前へ行って攻撃し、遅疑するなかれ、必ず大勝する。軍隊の上空の雲気が細粉の如く・塵土の如く、勃勃然として一団の煙の如きは、この軍隊がまさに戦敗せんとする兆しである。軍隊の上空の雲気が五色雑乱して東南西北に飘忽定まらざるは、その軍隊がまさに戦敗せんとする兆しである。
軍上氣如群豬在氣中,此衰氣,擊之大勝。軍上有赤氣炎降於天,士眾亂,將死。赤氣如火光從天來,流下入軍,軍亂將死。彼軍上有蒼蒼氣,須臾散,擊之必勝;在我軍上,須自堅守。
軍隊の上空の雲気の中に一群の猪有るが如きは、これは衰敗の気で、それを攻撃すれば大勝を獲るべし。軍隊の上空に赤気があって火焰の如く天上より降り来るは、士卒が騒乱し・将領が死亡する兆しである。赤気が火光の如く天上より下り来り、流瀉して軍中に進入するは、軍中に大乱あり・将領が死亡する兆しである。相手方の軍隊の上空に蒼蒼の雲気があって、片刻にして散去するは、彼を攻撃すれば必ず勝利を取る。もしこの種の気が我が軍の上空に現れれば、就中堅守して自ら保たなければならない。
軍上有黑氣如牛形,或如馬形,從氣霧中下,漸漸入軍,名曰天狗下食血,則軍散敗。敵上氣如群鳥亂飛,衰氣也,伐之,則我軍勝。望彼軍上氣如懸衣,如人相隨,擊之可得。
軍隊の上空に黒気があって牛の形状の如く、あるいは馬の形状の如く、霧気の中より降り下り、漸々軍中に進入するは、これを「天狗の下りて血を食らう(天狗下食血)」と呼ぶ。その軍隊が潰散敗亡する兆しである。敵方の上空の雲気が一群の鳥の乱飛するが如きは、これは衰敗の気で、彼を討伐すれば我が軍は勝利を獲るべし。遥かに望む相手方の軍隊の上空の雲気が掛けたる衣服の如く、また人の一つ一つに跟うが如きは、彼を攻撃すれば勝利を獲て俘獲すべし。
望彼軍上氣紛紛如轉蓬者,急擊之。望彼軍上氣色如揚灰,敵欲退去。氣蒼黑亂者,士卒飢。兩軍相去十里外,望彼軍上氣高,而前後白青散者,此敗軍之氣,擊之可得。
遥かに望む相手方の軍隊の上空の雲気が紛紛揚揚と、風に随って打転する蓬草の如きは、急いで彼を攻撃すべし。遥かに望む相手方の軍隊の上空の気色が揚げたる灰塵の如きは、敵人がまさに撤退せんとする兆しである。気色が蒼黒にして雑乱なるは、相手方の士卒が飢餓する兆しである。両軍が相距ること十里以外、遥かに望む相手方の軍隊の上空の雲気が高く懸り、前後に白を発し青を発し・散乱して聚まらざるは、これは敗軍の気で、彼を攻撃すれば勝利を獲て俘獲すべし。
雲如覆船車蓋者,其軍必敗。雲氣如人頭臨軍營中,戰不勝,流血積溝渠。敵上雲如群羊,如驚鹿,必退走,急擊之。雲如卷席,如疋帛亂攘者,皆為敗,可攻而擒之。
雲が翻覆の船の如く・車上の傘蓋の如きは、その軍隊は必ず失敗する。雲気が人頭の如く軍営の中に笼罩するは、交戦して勝利を獲ること能わず、鮮血が溝渠に流れ満つる兆しである。敵方の上空の雲が一群の羊の如く・驚きたる鹿の如きは、敵人が必ず退走する兆しで、急いで攻撃すべし。雲が巻き起こした席子の如く・一匹の帛の紛乱翻攪するが如きは、皆戦敗を主り、進攻し併せて彼を擒獲すべし。
雲氣蓋道,蔽蒙晝冥者,飯不暇釋,炊不及熟,急去也。有雲如雞兔臨營者,軍敗走。軍上氣黑而卑如樓狀,軍移必敗。敵上氣如臥人無手足,或似車徊亂不起者,敗,如擊牛,凶敗氣。
雲気が道路を遮蓋し、昏蒙一片にして白天もまた夜晚の如くなる時は、碗を放下するに及ばず・飯を煮熟するに及ばず、急いで撤離すべし。雲があって鶏の如く・兔の如く営地の上空に笼罩するは、軍隊が敗逃する兆しである。軍隊の上空の雲気が黒を発して低圧し、形状が楼閣の如きは、軍隊が一旦移動すれば必ず失敗する兆しである。敵方の上空の雲気が躺く人の如くして手脚なく、あるいは車子の回旋紛乱して起き上がること能わざる様子の如きは、戦敗を主る。また撃倒されたる牛の如きも、これらは皆凶険の敗亡の気である。
敵上氣如雙蛇,如飛鳥,如決堤垣,如壞屋,如人相指,如人無頭,如驚鹿相隨逐,如人兩相向,皆為將敗之氣。凡降人氣,如人皆叉手低頭。又云:如人叉手相向。
敵方の上空の雲気が两条の蛇の如く、飛鳥の如く、決口の堤牆の如く、倒塌の房屋の如く、人の互いに指し点ずるが如く、頭なき人の如く、驚きたる鹿の一疋が一疋を追うが如く、両個の人の面と面と対して立つが如きは、これらは皆まさに戦敗せんとする気である。およそ人の投降せんとする気あるは、形状が人の皆手を拱き・頭を低うするが如し。また一の説――人の手を拱き互いに対するが如し、と。
白氣如群趨入長營,連繫結百餘里不絕,而徘徊須臾,氣如黑山,以黃雲為緣者,欲降服之象也。敵上氣青而漸黑者,將欲死。雲氣如人頭者,是將軍失兵眾。
白気が人群の快步して長き営塁に涌入するが如く、連綿結聚して百余里して断絶せず、また盤桓片刻して、気の形は一座の黒山の如く、辺縁に黄雲を鑲むは、これは相手方がまさに投降帰服せんとする徴象である。敵方の上空の雲気が青を発して漸々黒に転ずるは、相手方の将領がまさに死亡せんとする兆しである。雲気の形状が人頭の如きは、将軍がその部衆を喪失せんとする兆しである。
散軍之氣,如燔生草之煙,前雖銳,後必退,得歲月便擊之必勝。黑氣臨營,或聚或散,如鳥將宿,敵人畏我,心意不定,終必逃背,逼之大勝;若在我軍,善須安撫。
潰散の軍の気は、青草を焚焼して冒出する煙の如く、前面は来势鋭利なりと雖も、後面は必ず退却する。ただ有利の年月・時機を捉えて彼を攻撃せば、必ず勝利を取る。黒気が営地を笼罩し、時に聚まり時に散じ、鳥児のまさに帰巣せんとするが如きは、敵人が我方を畏懼し、心意が揺摆定まらず、最終に必ず逃散背離する兆しで、緊逼すれば大勝を獲るべし。もしこの種の気が我が軍の上空に現れれば、すなわち好く加えて安撫すべし。
日暈,有氣如死蛇屬暈者,將軍死,兩軍相當,不利先舉。日傍有赤雲如懸鐘,其下有死將。日暈四方均等,為力停;有缺薄徵細,所臨者敗。
太陽の周囲に光暈があり、また雲気があって死蛇の如く暈に連なるは、将軍が死亡する兆しである。両軍が対峙する時、先に進攻を発動するに利あらず。太陽の傍に赤雲があって懸挂の鐘の如きは、その下方の一方に将領の死亡ある兆しである。日暈が四面に均しく相等しいは、双方が勢均力敵なるを説明する。暈の上に缺口あり・薄まり・徴象が細弱なるは、それの笼罩する一方が失敗する兆しである。
日月暈有背氣,所臨者敗。軍上有白虹及蜺屈者,敗。軍上有白虹及蜺入營者,敗。日暈,氣後至,先去者敗。凡日月暈與氣,以先有者為發,以先去者為敗。軍上有日旁虹蛻及犯逆之,戰者敗。日暈有四缺,在外軍盡散敗。
日暈・月暈の上に「背気」あり、すなわち背向して弯曲する弧状の気は、それの笼罩する一方が失敗する兆しである。軍隊の上空に白虹および弯曲の副虹あるは、戦敗を主る。軍隊の上空に白虹および副虹が営中に進入するは、戦敗を主る。日暈の中に、雲気が後より到りて先に散去する一方は失敗する。およそ日月の暈と雲気は、先に現れたる一方をもって発動者と為し、先に散去する一方をもって敗者と為す。軍隊の上空に日傍の虹・蜺があり、併せて冲犯して日暈に逆襲するは、交戦の一方が失敗する。日暈に四処の缺口あるは、営外に処る軍隊が將に潰散敗亡せんとす。
城勝気象の占(城勝氣象占)第五十七
白氣從城中南北出者,兵不可攻城,不可屠城。
白気が城中より南・北両方に向かって冒出するは、兵を用いる一方がこの城を攻打すべからず、更に屠城すべからざる兆しである。
中有黑雲如星,名曰軍精,急解圍去者,有突兵出,客敗。城上白氣如旌旗者,勝。若赤界,其兵精銳不可當。赤雲臨城,有大喜慶。黃雲臨城,有大喜慶。青雲從軍城中南北出者,城不可攻。青色如牛頭觸人者,城不可攻。城中有氣出東,其光黃,此天守城,不可伐,伐者死。白氣從中出,青氣從北入及返回還者,軍不得入城。諸攻城圍邑,過旬不雷不雨者,為城有輔,疾去之,勿攻。
城を囲む雲気の中にもし黒雲があって状は星点の如きは、これを「軍精」と呼ぶ。城を囲む一方は急いで囲みを解き撤走すべし――城里に突撃の部隊がありて殺出し、客軍(進攻の一方)は必ず敗れる。城頭の上の白気が形は旌旗の招展するが如きは、攻方が勝利を得る。もし白気の外圍にまた一圈の赤色の辺界あれば、城を守る兵が精鋭比なきを説明し、硬碰すべからず。赤雲が城の上に圧するは、城中にまさに大いなる喜慶の事あらんとす。黄雲が城の上に圧するは、城中にもまた大いなる喜慶の事あらんとす。青雲が駐軍する城中より南・北両頭に向かって伸出するは、この城は攻むべからず。雲気が青色を呈し形状が牛の頭の人を撞頂するが如きは、この城もまた攻むべからず。城中に気があって東に向かって冒出し、光色が黄に泛むは、これは上天がこの城を守護するもので、討伐すべからず。強いて討伐する人は死す。白気が城中より透出し、青気が北面より侵入してまた折返回るは、我が軍は城に入ること能わず。およそ城を攻め邑を囲み、囲みて十天を過ぎて雷打たず・雨降らざるは、この城に神明の相助あるを説明し、急いで撤離し、再び攻むるなかれ。
城壘氣出於外,如火煙者,主人慾出戰,其氣無極者,不可攻。城上氣如雙蛇者,難攻;若前高後卑者,攻之可拔;後高前卑者,不可攻。赤氣如杵形,從城中出向外者,內兵突出,主人勝。城上有雲分為雨彗狀,攻不可得。其城上氣不見於外者,不可攻。有赤氣從城上出者,兵內勝,宜備之。凡攻城,有諸氣從城出,入吾軍上者,敵家氣也,氣繞城不入者,外兵不得入。日暈,有白虹貫日,其城可攻拔。日暈,有青氣從中起四出者,圍中勝。
城墻・営塁の気が外に向かって冒出し、形状が火煙の如きは、城を守る主人が城を出て決戦せんと図る。この気が綿延して尽頭を見ざるは、進攻すべからず。城上の気が形は两条の蛇の如きは、この城は攻め難し。もし気が前高く後低ければ、攻打して城を抜くべし。後高く前低ければ、すなわち強攻すべからず。赤気が形は木杵の如く、城中より外に向かって冲出するは、城内の守兵が突囲して殺出し、主人の一方が勝利を得る。城頭の上の雲が分かれてまた雨脚の如くまた彗尾の如き形状を成すは、攻打しても取り下すこと能わず。城上の気がただ城内に盤桓し外に向かって顕露せざるは、進攻すべからず。赤気があって城頭より冒出するは、城内の守兵が勝利を得、攻方は意を加えて防備すべし。およそ城を攻むるに、諸気が城中より冒出して我が軍の頭頂に圧するは、それは敵方の気である。気がただ城を繞り盘旋して城に入らざるは、城外の兵は城に入ること能わず。日暈が現れ、また白虹が日面を貫穿するは、この城は攻破すべし。日暈が現れ、青気が暈の中より昇りて四面に向かって散开するは、城中に囲まれたる一方が勝利を得る。
屠城気象の占(屠城氣象占)第五十八
赤氣在城上,黃氣四面繞之,城中大將死,城降。城上赤氣如飛鳥,城可攻,急擊之,則破走。城上有赤氣如破車,城可攻。城上無雲氣,士卒必敗散。城營中有赤氣,狀如狸皮斑及正赤者,並破亡將敗。城上氣如死灰色及上下出者,城可攻。一云,攻城圍邑,其氣如灰氣出而覆其一軍上者,多病,城可屠;氣出復入者,人慾逃背。
赤気が城の上に覆い、四面また黄気があってそれを環繞するは、城中の大将が死し、この城はまさに投降せんとす。城頭の上の赤気が形は飛鳥の如きは、この城は攻むべし。急速に攻撃せば、守軍は就中潰敗逃散す。城頭の上に赤気があって形は破損の車子の如きは、この城は攻むべし。城頭の上に一点の雲気もなきは、城中の士卒は必ず潰敗離散す。城中の営塁の裏に赤気があって、形状が狸皮の上の斑紋の如く、あるいは通体正赤なるは、皆城破れ人亡び・守将が敗績するを主る。城上の気が死灰の色を呈し、また上下に竄動するは、この城は攻むべし。もう一つの説――城を攻め邑を囲むの時、その気色が灰燼の如同じく、冒出して反って自己の一支の軍隊の頭上を罩うは、この軍隊は多く疾病を生じ、しかもあの城は屠滅すべし。気が冒出して後また城中に縮回するは、城里の人が逃亡背棄せんと欲する、と。
攻城圍邑,城上氣聚如樓見外者,攻之可得。望城中氣起而正上赤,可屠。城營上有雲如眾人頭赤色,下多流血死喪。攻城圍邑,其上氣色如灰,一雲灰,城可屠。氣出南北,城可克;其氣出復入城中,人慾逃背;其氣出而東,城可攻;其氣出而西,城可降;其氣出而復其軍上者,士多病;其氣出而高無所止,用日久長。有氣從城外者,兵欲盜攻。
城を攻め邑を囲むの時、城頭の上の気が楼台の形に聚成して城外に顕露するは、攻打して手に得べし。遥かに望む城中の気が昇起し、しかも正上方が一片の赤色なるは、この城は屠滅すべし。城中の営塁の上に雲があって許多の人頭の如く、顔色が赤紅なるは、城下に大量の流血あり・死傷惨重あらん。城を攻め邑を囲み、城上の気色が灰燼の如同じき(一説にすなわち灰色)は、この城は屠すべし。気が南北両頭に向かって冒出するは、城池は攻克すべし。気が冒出して後また城中に縮回するは、城里の人が逃亡背棄せんと欲す。気が冒出して東に向かって去るは、この城は攻むべし。気が冒出して西に向かって去るは、この城は投降せん。気が冒出して後転じて回り自家の軍隊の頭上を罩うは、士卒が多く疾病を生ず。気が冒出して後高く上昇して止境なきは、この場の仗は甚だ久しく打たん。気があって城外より飄来するは、敵兵が襲撃せんと欲するなり。
攻城,黑雲臨城者,積土固險之象。黑,水之氣,城池之稱。我據城,敵不能為我攻,故不可攻。又曰:審應而無攻,知難而自止,因可用智不敗。有白氣如蛇,來止敵城上者,急攻之,小緩則失;從其城來指我營者,宜急固守。凡攻城,有白氣繞城而入城者,隨所入,急攻之,小緩則失;從其城來指我營者,宜急固守。攻城,若不雨,濛霧,日死,風至,兵勝。日色無光為日死。
城を攻むるの時、黒雲が城の上に圧するは、これは土を堆積して険要を加固する徴象である。黒は水の気に属し、まさに城池の象徴である。相手方が城に拠りて守り、敵人が我を攻め破る能わざるがゆえに、この様の城は強攻すべからず。また一の説――徴応を看清して軽挙に進攻せず、艱難を知りて自ら停手し、この見識を憑じて智謀を用いれば失敗せず、と。白気があって形は長蛇の如く、飄来して敵城の上空に停在するは、急いで攻打すべし。稍々遅緩すれば就中戦機を錯失せん。もしこの気が敵城より飄来して直ちに我方の営塁を指せば、就中急いで堅守すべし。およそ城を攻むるに、白気があって城を繞ること一周して後城中に進入すれば、すなわちそれの入城する方位に順って急攻し、稍々遅緩すれば便ち機を失う。もし気が敵城より過ぎ来りて直ちに我営を指せば、また急いで堅守すべし。城を攻むる時、もし天が雨降らずして濛霧を起こし、日色が晦暗にして光なく、また風が吹き来るは、攻方が勝利を得る。日色に光亮なきを就中「日死」と呼ぶ。
雲氣如雄雉臨陣,其下必有降者。濛雲圍城而入城者,外勝得入。有雲如立人五枚,或如三牛,邊城圍。城上有蛟頭白,內降,城可攻;若有屈虹從外入城中,三日內,城可屠。日重暈而有白虹貫日,圍城客勝。
雲気の形が雄雉の陣地に俯臨する如きは、この陣中に必ず投降する人あらん。濛濛の雲気が城池を環繞して後城中に進入するは、城外の攻方が勝利を得併せて入城を能くす。雲があって五個の立つ人の如く、あるいは三頭の牛の如きは、辺境の城が将に囲困されん。城頭の上に蛟龍の形ありて龍頭が白を発するは、城内に投降する人あらん。この城は攻むべし。もし弯曲して虹の如き気が城外より城中に挿入せば、三天の内にこの城は屠滅すべし。太陽に両重の日暈が現れ、また白虹が日面を貫穿するは、城を囲む客軍が勝利を得る。
伏兵気象の占(伏兵氣象占)第五十九
軍上有黑氣,渾渾圓長,赤氣在其中,其下必有伏兵,不可擊。軍當欲戰,或長相守者。望彼軍上白氣粉沸,起如樓狀,其下必有藏兵萬人,不可輕擊。軍行近山林坑谷之間,當善防之,既是伏兵之地,而上有氣者不疑。雲紛紛綿綿相絞,及似蒿草數尺,車騎為伏兵。雲如布席之狀,及似蒿草尺許,此以步卒為伏兵。伏兵之氣,如幢節狀在烏雲中,或如赤杵在烏雲中,或如烏人在赤雲中。
敵軍の上空に黒気ありて、渾厚円長、中間また赤気を夾むは、その下に必ず軍隊を埋伏し、貿然と出撃すべからず。この種の情形が現れるに、両軍あるいは将に交戦せんとし、あるいは長久に対峙せん。遥かに望む相手方の軍上に白気が粉末の翻騰する如く、昇り起きて一座の楼台の如きは、その下に必ず上万の伏兵を蔵し、軽率に進攻すべからず。行軍して山林・坑谷の間を経過するは、善く防備すべし。そこは本来設伏の地形なり。もし上空にまた気あれば、更に疑うに及ばず。雲が紛紛綿綿として互いに絞結し、また数尺高き蒿草の如きは、埋伏するは車騎の部隊なり。雲が鋪き開く席子の如く、また一尺許り高き蒿草の如きは、これは歩卒をもって設伏するなり。伏兵の気は、あるいは儀仗の幢節の形如く黒雲の中に現れ、あるいは赤色の木杵の如く黒雲の中に現れ、あるいは黒色の人形の如く赤雲の中に現る。
黑氣出營南,賊逃吾,復有伏兵,謹候察之,有覆之無遺。兩軍相當,赤氣者伏兵之氣。若前有赤氣,前有伏兵;後有赤氣,後有伏兵;左右亦如之。察審則知伏兵所在。軍上有氣烏色中有赤氣,必有伏兵,不可攻;前有烏氣,後有白氣,必有伏兵,不可攻。有雲如山,兵在外,有伏兵。
黒気が営塁の南面より冒出するは、敵人がまさに我が軍を逃離れんとし、しかも別に伏兵を設く。須く偵察を謹慎し、一旦察明すれば就中全殲して残余を留めざるべし。両軍が対峙するの時、赤気はすなわち伏兵の気なり。もし前方に赤気あれば、前方に伏兵あり。後方に赤気あれば、後方に伏兵あり。左右両側もまた此に照らして推断す。仔細に審察すれば就中伏兵の所在する方位を知るべし。敵軍の上空の気が黒色を呈して中間に赤気を夾むは、必ず伏兵あり、進攻すべからず。前面が黒気・後面が白気も、また必ず伏兵あり、進攻すべからず。雲があって形は山巒の如きは、兵力が営外に在りて別に埋伏あるを説明す。
暴兵気象の占(暴兵氣象占)第六十
白氣如瓜蔓連結,部隊相逐,須臾罷而復出,至八九而來不斷,急賊卒至,宜防固之。白氣如仙人衣,千萬連結,部隊相逐,罷而復興,如是者,當有千里兵來,所起備之。
白気が瓜蔓の如く連綴勾結し、一隊が一隊に接ぎて互いに追随し、片刻の間に散去してまた冒出し、反復して八九次に到りて来势断えざるは、これは急襲の敵兵がまさに突然殺到せんとす。防守を加固すべし。白気が仙人の衣袂の如く、千絲万縷に連結して一なり、一隊が一隊を追い、散じてまた起こる。此の種の気象が現れるに、将に千里之外の大軍の開来あらん。それの興起する方向に対して防備を加うべし。
黑氣敵上,來之我軍上,欲襲我,敵人吉,宜備不宜戰,敵回,從而擊之,必得小勝;天色蒼茫而有此氣,依日支干數,內無風雨,則所發之方必有暴兵。日克時則凶,時剋日自消散。此氣所發之方,當有使人告急,一人來則氣一條,二人來則氣二條,三人來則氣三條;若散滿一方,則有眾來。期至依支干數,數內有風雨則伏。
黒気が敵軍の上空に現れ、また我が軍の頭頂に飄るは、これは敵人が我方を襲撃せんと欲し、形勢が敵人に対して利あり、我方は防備に宜しくして交戦に宜しからず。敵人の回撤するを待って時に尾隨攻撃し、必ず小勝一场を能くす。天色が蒼茫たる際に此の種の気が現れるに、当日の干支の数に按じて期限を推算し、期限の内にもし風雨なからんば、然らばこの気の発出する方向に必ず突然たる来る兵禍あらん。日辰が時辰を克すれば就中凶を主り、時辰が日辰を克すれば則ち災禍は自ら消散す。この気の発出する所の方向に、人の前來して急を告げる者あらん。一人の人来れば気は就中一条、両人の人来れば気は就中両条、三人の人来れば気は就中三条。もし気が散満して整整たる一方にあれば、則ち衆人が一斉に前來す。応期は干支の数に按じて推算し、期数の内にもし風雨あれば、その事は潜伏して発せざるなり。
壬子日,候四望無雲,獨見赤雲如旌旗,其下有兵起。若遍四方者,天下盡有兵。若四望無雲,獨見黑雲極天,天下兵大起;雲半天,兵半起,名天溝,三日內有雨,災解。敵欲來者,其氣上有雲,下亦有雲,其下敵必至。雲氣如旌旗,賊兵暴起,暴兵起如虎。雲氣行人,必有暴兵;色白而悴者,是暴兵起。氣如人持刀盾,有雲如坐人赤色,所臨城邑有卒兵至,驚怖,須臾去。
壬子の此の日に天象を観察し、四面望めど雲なく、ただ赤雲が形は旌旗の如きを見るは、その下方に将に兵事の興起あらん。もし此の種の赤雲が四方に布き満ちれば、然らば天下到る処に兵事あらん。もし四望して雲なく、ただ黒雲が天際を横貫するを見れば、天下は将に大いに挙げて兵を興さん。黒雲がただ半個の天空を占むるは、兵事もただ一半を起こす。この種の気を「天溝」と呼ぶ。三天の内に雨降れば、災禍は就中化解す。敵人が将に来犯せんとするは、あの気の上頭に雲あり・下頭にも雲あり。雲の下の敵人は必ず到来す。雲気の形は旌旗の如く、賊兵は突然に発動す。突然の来る兵禍は、その気は騰涌して猛虎の如同じし。雲気が行走の人の如きは、必ず突発の兵禍あらん。気色が白を発して枯槁なるも、また暴兵の将に起こらんとす。気が人の手に刀盾を持つが如く、また雲が赤色の坐る人の如きは、笼罩する所の城邑に倉促の兵の突至り、一時に驚恐すれども片刻にして便ち退去す。
赤氣如人持節,兵未息。雲如赤虹,有暴兵。白虹出長盡,有暴兵流血。有雲如人行止不崩,有暴兵。赤雲如火者,所向兵至。天有兵氣狀如疋布、經丑未者,天下多兵,赤者尤甚。有雲如胡人列陣,天下兵起。天有白氣廣六丈、東西氣竟天者,兵起;青者有大喪。白氣如帶道竟天,有暴兵。有雲如疋布竟天,天下兵起。有雲如疋布持捧,兵起民流。有雲如豹四五枚相聚,國兵起。四方清霽,獨有赤雲赫然者,所見之地有兵起。
赤気が人の手に符節を持つが如きは、兵事がいまだ平息せざるなり。雲が赤色の虹の如きは、将に突発の兵禍あらん。白虹が現れ、長くしてほとんど横貫して尽頭に到るは、将に暴兵ありて流血あらん。雲があって人の行走し・停下してまた潰散せざるが如きは、将に暴兵あらん。赤雲が紅くして火の如きは、それの指向する方向に兵馬の開到あらん。天上の兵気が形は一匹の布の如く、丑・未の両個の方位を横経するは、天下に兵多く、顔色が赤紅なるは特に厳重なり。雲があって胡人の列陣するが如きは、天下は将に兵を興さん。天上に白気があって寛さ約六丈、東西に整個の天空を横貫するは、将に兵事あらん。この気もし青色なれば、則ち大いなる丧事あらん。白気が一条の帯の如く天空を横貫するは、将に突発の兵禍あらん。雲があって一匹の布の如く天空を横貫するは、天下に兵興る。雲があって一匹の布の如くして中間が捧起するは、兵起こりて百姓が流亡するを主る。雲があって豹子の如く、四五個が聚まりて一なりは、国中に将に兵事あらん。四方の天色が清朗にして、ただ赤雲の赫然たる顕現有るは、見る所のあの塊の地方に兵事の興起あらん。
