Libo

兵営に入る風を占う(占入兵營風)第八十七

唐 · 李淳风 · 第24巻 / 26

作盤ガイド: 暦注(黄暦), 万年暦

與彼相守,有旋風入營,斷絕干戈,吹壞帳幕,必有盜賊入營,將軍死。十干十二支數,子午甲巳九,日辰王相氣十倍之,休廢如數,囚死半之。(鳥鳴同占。)東三八,南二七,西四九,北一六,中五十。右已上五行數,為道里,亦為賊人頭數。

敵軍と相持して対塁する時に、旋風の営中に吹き入り・兵器を折断し・帳幕を吹壊すれば、必ず盗賊の軍営に潜入する有り、主将は死せん。十天干・十二地支は各々定数有り――子・午・甲・巳の数は九なり。日辰が「王」「相」の旺気に乗ずるは、此の数を十倍に放大す。「休」「廃」の気に乗ずるは本数に按じて計算す。「囚」「死」の気に乗ずるは半分に減ず。(鳥の鳴くの占法も此と同じ。)方位の数は――東方は三・八、南方は二・七、西方は四・九、北方は一・六、中央は五・十。以上は就中五行の数にして、以て路程の里数を推算するにも用い得、また以て賊人の頭数を推算するにも用い得。

欲知定發何方法:商角之日,變風發所從來;宮羽徵日,變風在刑上刑下;風所從起來為期,風從東,甲乙寅卯期。(他仿此。)乘王、(主王。)相、(臣。)廢、(吏民。)囚,(凡庶下賤。)太歲、(三月必有詔書居遷。)歲、月、日、時、邢,皆為凶事。王墓、(三日主喪。)囚、日辰,(必有大患。)日五音為客,地五音為主人。以看勝,亦從其道來。四正之日,四正上來者,亦從其道來。有氣日者責日音,無氣者責辰音。

風が究竟として何れの一方に発するやを判定するに、方法は――商音・角音の日に逢えば、変風が何れの方位より発起するを看る。宮音・羽音・徴音の日に逢えば、変風が「刑上」に落つるか「刑下」に落つるかを看る。風の起処を以て応期を定む。例えば風が東方より来れば、応期は就中甲・乙・寅・卯の日に在り。(其余の各方は此に照らして類推す。)再び風の乗ずる所の気を看る――「王」気に乗ずるは(君主に応ず)。「相」気に乗ずるは(臣子に応ず)。「廃」気に乗ずるは(吏民に応ず)。「囚」気に乗ずるは(庶民・下賤の人に応ず)。太歳に乗ずるは(三個月の内に必ず詔書の遷調有らん)。およそ歳刑・月刑・日刑・時刑に乗ずるは、皆凶事を主る。「王墓」に乗ずるは(三天の内に丧事有るを主る)。「囚」気に乗じて日辰と相併するは(必ず大患有らん)。日の五音を以て客と為し、地の五音を以て主人と為し、両者の誰が勝つを看るに、また風が何れの路より来るを看るを要す。子・午・卯・酉の四正の日に逢い、風がまた四正の位より吹き来るは、同様にそれの来る路径を看る。日に気有るは就中日音を取りて責断し、日に気無きは就中辰音を取りて責断す。

東來期甲寅乙卯,轉而西來,(甲申乙酉。)轉北來,(甲子乙丑。)轉南來。(甲午乙未。)今日庚申西來,須臾轉而東來,(庚寅辛卯。)轉而北來,(庚辛子丑。)轉而南來。(辰庚辛巳。)今日時加戌,(□甲□乙。)若寅卯,(即至。)時加午,(即至。)時加卯。(即九日與寅申乃至,卯同類也。)若庚辰日,時加申酉庚辛,(即至。)皆加四季,(皆即雲未卻,三同類加日來至。)

風が東方より来るは、応期は甲寅・乙卯の日に在り。もし中途に轉じて西より来るに成れば(応期は甲申・乙酉に改む)。轉じて北より来るに成れば(応期は甲子・乙丑に在り)。轉じて南より来るに成れば(応期は甲午・乙未に在り)。假如、今日が庚申の日にして、風が本來西方より来り、片刻の後に轉じて東より来るに成れば(応期は庚寅・辛卯に在り)。轉じて北より来るに成れば(応期は庚・辛の配する所の子・丑に在り)。轉じて南より来るに成れば(応期は庚・辛の配する所の辰・巳に在り)。假如、今日の時辰が戌に落ちれば(応期は□甲・□乙に在り)。もし時辰が寅・卯に落ちれば(立刻に応験す)。時辰が午に落ちれば(また立刻に応験す)。時辰が卯に落ちれば(就中九天の内に、寅・申と一併に到来す。卯がそれらと同類なるを因とす)。もし庚辰の日なれば、時辰が申・酉あるいは庚・辛に落ちれば(立刻に応験す)。もし皆四季の位に落ちれば(皆即刻に応験する能わずと説き、三個の同類の日子の相加するを待ちて乃ち到来す、と)。

諸宮宅內,日辰勝時下。(同者時期以之。)假令今日辛酉,時加午至酉,四月期之,此同情者。(故克言同類者,相為發詔不發。)諸商日,發皆在風下,商角相剋、相動、相殺傷,益明。又先以辰金、木火、水土證之。乃以六情知何等事?第一先以日情,乃合於時。假令今日甲子商,時加申子貪狼,辰奸邪,商音,相傷鬥殺。(餘並仿此。)諸卒起宮宅內,日辰勝時下,為外人賊內。商角情得貪狼陰賊,乃相殺,無吉,為日辰勝時下,無所能也。此惡情,有氣乃能也。

およそ宮室・宅院の内に風の起こるに在りては、日辰の気が時辰の臨む所の気に勝つや否やを看るを要す。(両者が相同じきは、就中時辰を用いて応期を定む。)例を挙げて説けば――今日は辛酉の日にして、時辰が午より酉に延ぶ。応期は四月に定む。これは日と時と同情なるの情形なり。(故に説いて相克にしてまた同類なるは、彼此の間に詔を下すと下さざると、結果は併せて同じからず、と。)およそ商音の日に、応験は皆風の下方に落つ。商と角の相克・相動・相殺傷の跡象は、更に明顕なり。また先ず地支の所属する金・木・火・水・土を用いて験証し、然る後に再び六情を用いて究竟として何の事なるかを推知す。第一歩は先ず日の情を看、再び合わせて時辰の情を看る。例を挙げて説けば――今日の甲子の日は商音に属し、時辰が申・子に落ちて貪狼に属し、辰は奸邪に属し、また商音なれば、互いに傷害し・闘殴・殺傷を主る。(其余は皆此に照らして類推す。)およそ宮室・宅院の内に突然として風の起こるに、日辰の気が時辰の臨む所の気に勝てば、外人の内部に到りて賊を作し害を為すを主る。もし商音・角音がまた貪狼・陰賊の情を得れば、就中互いに殺傷し、吉利の言うべきなし。それは日辰が時辰の臨む所の気に勝てば、時下は便ち力を為す能わざるを因とす。不過ただ此の種の悪情も、また「気有り」て乃ち発作するを得。

五音・客主の法(五音客主法)第八十八

日辰為客,加時為主人;六甲為客,以其行本位不動為主人。十二辰皆主人也。假令今日商客也,時加亥,角為主人也。客商,金克木,是客時皆以相扶克為法。今日甲子商客也,時加寅,徵為主人。徵,火克金,是主人勝客。(餘仿此。)若從寅來,便是二火也,主人於是大勝,準此推之。

当日の日辰の所属する五音を以て「客」を充当し、起風の時辰の所属する五音を以て「主人」を充当す。六甲の日は日干を以て客と為し、それの行く所の本位の固定して移らざる一方を以て主人と為す。十二地支は皆主人を充当すべし。譬如、今日の日辰が「商」に属せば、客方は便ち金なり。起風の時辰が亥に落ち、亥は亥卯未の木局に帰して「角」に属し、角木は便ち主人なり。客方は商金、金は木を克する能くす。見るべし、客・主の勝負を推断するは、全て双方の五行が相生・相助かそれとも相克・相制かを看る。又如、今日が甲子の日、甲子の納音は商金に属し、客方は金なり。起風の時辰が寅に落ち、寅は寅午戌の火局に帰して「徴」に属し、徴火は便ち主人なり。徴は火、火は金を克する能くす。就中これは主人の客方に戦勝するなり。(其余の各種の情形は皆此の弁法に照らして類推す。)もし風がまた恰好として寅位より吹き来れば、あれは便ち両重の火気の相畳なり。主人は是を以て大いに全勝を獲す。此の標準に依って逐一に推算すれば就中是なり。

時刑來,主人大勝;日刑來,客大勝。兩軍對,先動為客,後動為主。兩人相擊,先舉手為客,住者為主。人外來為客,在內為主人。有氣勝,無氣敗。

風が起風の時辰と相刑する方位より吹き来るは、主軍の大勝を主る。風が日辰と相刑する方位より吹き来るは、客軍の大勝を主る。両軍が対塁するに、先ず進攻を発動する一方は「客」と算え、後に起こりて応戦する一方は「主」と算う。両人が相搏するに、先ず手を挙げて招を出すは客と算え、兵を按じて動かざるは主と算う。外面より進入するは客と算え、内に拠守するは主人と算う。およそ五行が当令して気有る一方は勝を取り、衰絶して気無き一方は落敗す。

四方の夷狄の郡国を侵すの風の占(四方夷狄侵郡國風占)第八十九

壬辰是主東方,水裡,從貪狼來,從北方,七日至九日,此東方海賊動,期五十日。乙未主南方夷,此日從未來,七日,南夷反叛,內侵郡國,期七十日。壬戌主西羌,此日從戌來,大怒折木,七日已上,西羌叛,期五十日。癸丑主北方夷,此日從丑來,七日、九日,北方大兵攻人,近八日,遠二十日。

壬辰の日は東方の事を掌管し、水上に応験す。風もし「貪狼」の在る方位より吹き来り、また北方より自り至れば、連刮して七天より九天なり、これは就中東方の海上の盗賊が事を起こさんとするなり。応期は五十天の内に在り。乙未の日は南方の夷人を掌管す。此の一天に風が未位より吹き来り、連刮して七天なれば、南方の夷人は便ち反叛し・内に向かって郡県・封国を侵犯せん。応期は七十天の内に在り。壬戌の日は西方の羌人を掌管す。此の一天に風が戌位より吹き来り、風勢が暴怒して樹木を吹折する能くし、連刮して七天以上なれば、西羌は便ち叛乱せん。応期は五十天の内に在り。癸丑の日は北方の夷人を掌管す。此の一天に風が丑位より吹き来り、連刮して七天あるいは九天なれば、北方に就中大軍の前來して攻打する有り。近ければ八天に応験し、遠ければ二十天に応験す。

常以壬申、壬子、壬辰之日,有風從子上來,三日已上光明,此水內大賊欲攻王國。三日內有雨無事,四日有從申子亥卯上來急卒,比連至七日,必外賊群眾,與夷狄並侵郡國也。

通常は壬申・壬子・壬辰の此の几天に観察す――もし風の子位より吹き来る有りて連刮して三天以上にして天色が明朗なれば、これは水上の大股の盗賊が王侯の封国を攻打せんと欲するなり。三天の内にもし雨を下せば、就中事無し。もし第四天に到りてまた急驟の風の申・子・亥・卯の幾個の方位より吹き来りて接連して七天に刮き到れば、あれば必ず境外の群を成せる盗賊の夷狄と連合して一同に郡県・封国を侵犯する有らん。

國君公卿已下所屬日:春寅,為皇后,此日中有發屋折木,從午未上,五日已上,皇后被誅,其氣溫,皇后有乖。近期九日,遠九十日。風止大雨,不占。

以下は国君・公卿以下の各等の人物の帰属する所の日辰なり。春季の寅日は皇后に帰属す――此の一天に正午に大風が房屋を掀翻し・樹木を吹折し、風が午位・未位より吹き来り、連刮して五天以上なれば、皇后は就中誅せられん。もし風気が温和なれば、則ち皇后はただ違逆・失和の事有るのみ。近ければ九天に応験し、遠ければ九十天に応験す。もし風が停まりて後に大雨を下さば、此一占は便ち成立せず、推断するを要せず。

春丑,為大將軍,此日有風大雨,發屋折木。從丑上來,四日已上,丑有氣,將軍賀賜;無氣,有罪。迅疾大寒急者,有憂。近期八日,遠期八十日。風止而雨解,吉。

春季の丑日は大将軍に帰属す――此の一天にもし大風・大雨有りて房屋を掀翻し・樹木を吹折し、風が丑位より吹き来り・連刮して四天以上にして、丑が当令して気有れば、大将軍は便ち慶賀・賞賜を受けん。丑が衰絶して気無ければ、大将軍は便ち罪を獲らん。風勢が急驟にして奇寒・凛冽なるは、将に憂患有るを主る。近ければ八天に応験し、遠ければ八十天に応験す。もし風が停まりて後に轉じて雨を落とし・天気がそれに随いて和に轉ぜば、是れ吉兆なり。

春丁巳,為三公,風從丑上來,止三公坐上,天清明,三公遷封受賀,風氣寒急,日光不明,三公退免受誅。

春季の丁巳の日は三公に帰属す――風が丑位より吹き来り、三公の対応する所の座位の方位に停まり、天色が清朗・明浄なれば、三公は便ち升遷して封を受け・慶賀を拝せん。もし風気が寒冷・急驟にして日光が昏暗にして明からざれば、三公は便ち退位して官を免じ・誅責を遭うらん。

君臣品位立成:春三月:寅為皇后,甲為天子,卯為太子,乙為太子妻,辰為太子吏,巳為司空,丙為司徒,午為太尉,丁為太傅,(又云國師。)未為九卿,申為司隸,庚為詔獄,酉為庶民,辛為卒徒,戌為夷狄,亥為宗廟,壬為內相,子為宮府,癸為內藏,丑為大將軍。

君臣の品級と方位の現成の対照は下の如し。春季の三個月――寅位は皇后に対応し、甲位は天子に対応し、卯位は太子に対応し、乙位は太子妃に対応し、辰位は太子の属吏に対応し、巳位は司空に対応し、丙位は司徒に対応し、午位は太尉に対応し、丁位は太傅に対応す(もう一説は「国師」と作る)、未位は九卿に対応し、申位は司隷校尉に対応し、庚位は詔獄に対応し、酉位は百姓に対応し、辛位は士卒・役徒に対応し、戌位は夷狄に対応し、亥位は宗廟に対応し、壬位は内相に対応し、子位は宮府に対応し、癸位は内府・庫蔵に対応し、丑位は大将軍に対応す。

夏三月:巳為皇后,丙為天子,午為太子,丁為太子妻,未為太子吏,申為司空,庚為司徒,酉為太尉,辛為太傅,(又云上。)戌為九卿,亥為司隸,壬為詔獄,子為庶民,癸為卒徒,丑為夷狄,寅為宗廟,甲為內相,卯為宮府,乙為內藏,辰為大將軍。

夏季の三個月――巳位は皇后に対応し、丙位は天子に対応し、午位は太子に対応し、丁位は太子妃に対応し、未位は太子の属吏に対応し、申位は司空に対応し、庚位は司徒に対応し、酉位は太尉に対応し、辛位は太傅に対応す(もう一本は「上」と作る)、戌位は九卿に対応し、亥位は司隷校尉に対応し、壬位は詔獄に対応し、子位は百姓に対応し、癸位は士卒・役徒に対応し、丑位は夷狄に対応し、寅位は宗廟に対応し、甲位は内相に対応し、卯位は宮府に対応し、乙位は内府・庫蔵に対応し、辰位は大将軍に対応す。

秋三月:申為皇后,庚為天子,酉為太子,辛為太子妻,戌為太子吏,亥為司空,壬為司徒,子為太尉,癸為太傅,(又云上。)丑為九卿,寅為司隸,甲為詔獄,卯為庶民,乙為卒徒,辰為夷狄,巳為宗廟,丙為內相,午為宮府,丁為內藏,未為大將軍。

秋季の三個月――申位は皇后に対応し、庚位は天子に対応し、酉位は太子に対応し、辛位は太子妃に対応し、戌位は太子の属吏に対応し、亥位は司空に対応し、壬位は司徒に対応し、子位は太尉に対応し、癸位は太傅に対応す(もう一本は「上」と作る)、丑位は九卿に対応し、寅位は司隷校尉に対応し、甲位は詔獄に対応し、卯位は百姓に対応し、乙位は士卒・役徒に対応し、辰位は夷狄に対応し、巳位は宗廟に対応し、丙位は内相に対応し、午位は宮府に対応し、丁位は内府・庫蔵に対応し、未位は大将軍に対応す。

冬三月:亥為皇后,壬為天子,子為太子,癸為太子妻,丑為太子吏,寅為司空,甲為司徒,卯為太尉,乙為太傅,(又云上。)辰為九卿,巳為司隸,丙為詔獄,午為庶民,丁為卒徒,未為夷狄,申為宗廟,庚為內相,酉為宮府,辛為內藏,戌為大將軍。

冬季の三個月――亥位は皇后に対応し、壬位は天子に対応し、子位は太子に対応し、癸位は太子妃に対応し、丑位は太子の属吏に対応し、寅位は司空に対応し、甲位は司徒に対応し、卯位は太尉に対応し、乙位は太傅に対応す(もう一本は「上」と作る)、辰位は九卿に対応し、巳位は司隷校尉に対応し、丙位は詔獄に対応し、午位は百姓に対応し、丁位は士卒・役徒に対応し、未位は夷狄に対応し、申位は宗廟に対応し、庚位は内相に対応し、酉位は宮府に対応し、辛位は内府・庫蔵に対応し、戌位は大将軍に対応す。

春,甲為天子;夏,丙為天子;秋,庚為天子;冬,壬為天子。諸風從天子上來,所止為詔書;所加有氣清和,為遷官;若寒急白溺,為罪有憂;雨為事解,雨止後寒風,為事不解,但過亦為不解。

春季は甲位を以て天子と為し、夏季は丙位を以て天子と為し、秋季は庚位を以て天子と為し、冬季は壬位を以て天子と為す。およそ風が天子の所在する方位より吹き来るは、それの停まる処の対応するあの官位に、便ち詔書の下達有らん。風の臨む所の方位が当令して気有りて風がまた清爽・和暢なれば、是れ升官の兆しなり。もし風が寒冷・急驟にして天色が惨白にして湿気を帯ぶれば、便ち罪を獲て憂有るの兆しなり。雨を下すは事情の化解を表示す。雨が停まりて後にまた寒風を起こすは、事情の併せて化解せざるを表示す。風がただ掠過して停まらざるも、同様に化解する能わざると算う。

風半日一日,從近期;三日已上,從遠期;卒暴,從近期;遲稍怒,從遠期。戊子、戊午、甲辰、甲戌,此日以四時候使者,州牧、刺史從事檄書。此日風從上來,有氣為遷,無氣為免退。

風がただ半天あるいは一天を刮るは、近き応期に按じて推算す。連刮して三天以上は、遠き応期に按じて推算す。風の来るの突然・猛烈なるは、近期に按じて推算す。風の起こるの遅緩にして後に漸く发怒するは、遠期に按じて推算す。戊子・戊午・甲辰・甲戌の此の四天は、四季に按じて分かちて用いて朝廷の使者を占候し、および州牧・刺史・従事のこれらの官員の檄文・公文を占す。此の几天の裏に風もし相応する方位より吹き来れば、日辰が当令して気有れば便ち升遷の兆し、衰絶して気無ければ便ち免職・退位の兆しなり。

官の遷・免・罪を占う法(占官遷免罪法)第九十

假令春甲辰之日,風從辰上來,三日止甲,使者徵拜尚書。假令甲上來,三日止辰,使者遷二千石;近期三日,遠期二十日。

仮に春季の甲辰の日なりて、風が辰位より吹き来り、三天を刮りて甲位に停まるは、これは朝廷の使者が徴召されて尚書に拜せられんとするなり。仮に風が甲位より吹き来り、三天を刮りて辰位に停まるは、これは使者の将に二千石の郡守に升るなり。近ければ三天に応験し、遠ければ二十天に応験す。

到諸使者用事之日,風從徵上來,止辰,使者遷二千石;止丑,使者喜令長相;止公卿坐,使者喜,止公卿,其風清溫,為吉遷賀。假令大寒迅急,使者奏三公、二千石、令長,當退受罪,近期三日,遠期三十日。憂事有雨,解;賀事以雨,重有賜也。

各位の使者の事を主る日子に到りて、風が徴位より吹き来りて辰位に停まるは、使者の二千石の郡守に升るなり。丑位に停まるは、使者の喜慶の事が県令・県長と諸侯の国相の身に落つるなり。公卿の座位の方位に停まるは、使者に喜事有りて、而して喜事は公卿の頭上に帰す。此の幾種の情形はもし風気が清爽・温和なれば、皆吉利の升遷・慶賀の兆しなり。假如、風が奇寒にして急驟なれば、あれは便ち使者の三公・二千石と県令・県長を上奏・弾劾し、彼らが将に退職して罰を受けんとするなり。近ければ三天に応験し、遠ければ三十天に応験す。憂患の事は雨に遇上すれば、化解すべし。慶賀の事は雨に遇上すれば、則ち加倍して賞賜有らん。

丙辰為府君,此日有風從辰上來,二日止君上者,二千石徵納補。丙辰之日,有風從辰上來,止午,清和者,二千石表使者;其風寒急,二千石表刺使,更相奏上。有氣者勝,無氣者凶。止辰上,為奏事,不者,還受罪。近期九日,遠期四十五日也。

丙辰の日は府君に対応す。すなわち郡太守なり。此の一天にもし風の辰位より吹き来る有りて、两天を刮りて君位の上に停まるは、二千石の郡守が徴召されて朝に入りて新職に補授せらるるなり。丙辰の此の一天に風の辰位より吹き来る有りて午位に停まり、風気の清爽・和暢なるは、二千石の郡守が表を上して朝廷の使者を薦挙するなり。風もし寒冷・急驟なれば、便ち二千石の郡守が表を上して刺史を弾劾し、双方が互いに奏劾するなり。日辰が当令して気有る一方は勝を取り、衰絶して気無き一方は凶に遭う。風が辰位の上に停まれば、事情は就中奏して上るを得ん。もし辰位に停まらざれば、反って自己が回頭して罪を獲らん。近ければ九天に応験し、遠ければ四十五天に応験す。

五丑為令長相奏日。五丑之日,有氣風從丑上來,大寒者,止辰,此令長相奏府君;止午,奏使者;止公座,則奏公卿。此下官與上官更相奏,以寒溫決勝負。

乙丑・丁丑・己丑・辛丑・癸丑の此の五個の丑日は、県令・県長と諸侯の国相が上奏する日子なり。五丑の日に逢い、当令して気有る風の丑位より吹き来る有り、風勢が奇寒にして辰位に停まるは、これは県令・県長・国相の府君を奏劾するなり。午位に停まるは、朝廷の使者を奏劾するなり。三公の座位の方位に停まれば、就中公卿を奏劾するなり。これらは皆下級の官員と上級の官員の互いに奏劾するに属し、風の寒冷あるいは温和を用いて誰が勝ち誰が負くるを判定す。

五亥主諸丞,亥日風從亥上來,亥有氣,丞遷賀;亥無氣,丞免官。欲知何官丞,風半日止者,郡丞也;二日乃止者,府丞也;三日止者,州治中也;四日止者,公侯長吏也;五日止者,尚書丞也;丁亥,二千石日以上。以風知何官丞當之。

五個の亥日は各衙署の「丞」の此の一類の副職を掌管す。亥日に風が亥位より吹き来り、亥が当令して気有れば、丞は便ち升遷して賀を受けん。亥が衰絶して気無ければ、丞は便ち官を免ぜられん。何れの一級の丞の身に応ずるかを知らんと欲せば、就中風が幾久刮るを看る――風が半天を刮りて就中停まるは、郡丞なり。两天を刮りて乃ち停まるは、府丞なり。三天を刮りて停まるは、州の治中なり。四天を刮りて停まるは、公侯の長吏なり。五天を刮りて停まるは、尚書丞なり。もし丁亥の日に逢えば、則ち二千石以上の官員の身に応ず。就中此の如く風に憑って該当に何れの一級の丞が承当すべきかを判断す。

五戌為都尉,丙戌之日,風從戌上來,戌有氣,都尉遷;無氣,都尉免官。縣官占小尉,半日須臾,為小尉;若寒急,免官;溫和,遷賀。(他仿此。)

五個の戌日は都尉に対応す。丙戌の此の一天に、風が戌位より吹き来り、戌が当令して気有れば、都尉は升遷せん。戌が衰絶して気無ければ、都尉は官を免ぜられん。県の一級の官署は則ち県尉の類の小尉を占う――風がただ半天あるいは片刻を刮りて就中停まるは、小尉の身に応ず。風もし寒冷・急驟なれば、是れ官を免ずるなり。風もし温和なれば、是れ升遷して賀を受くるなり。(其余の情形は此に照らして類推す。)

詔書を候う(候詔書)第九十一

諸陽宮之日,風從陽徵上來,為詔書到也。欲知何詔書,風至時加,以知詔書。時加寅午,遷除詔;時加己酉,寬大緩詔;時加丑戌,徵占詣臺詔;時加申子,賦斂詔;時加亥卯,接章事老詔;時加辰未,嫁女傳路覆,皆期九日、四十五日。

およそ陽宮に属する日子に、風が陽徴の所在する方位より吹き来るは、これは詔書の将に到る有るなり。何れの一類の詔書なるかを知らんと欲せば、就中風が到る時の加臨する所の時辰を看、これに拠って詔書の内容を判定す。時辰が寅・午に加わるは、升遷・除授の詔書なり。時辰が己・酉に加わるは、寛赦・緩刑の詔書なり。時辰が丑・戌に加わるは、徴召して台省に赴き問対するの詔書なり。時辰が申・子に加わるは、賦税を徴収するの詔書なり。時辰が亥・卯に加わるは、章奏を接納し・耆老を優礼するの詔書なり。時辰が辰・未に加わるは、女を嫁がしめおよび駅路が覆命を伝送するの一類の詔書なり。これらは皆九天あるいは四十五天を以て応期と為す。

諸陽宮之日,風從刑上來,止德上,大迅急,此上官收下官者。此上官問下官,證對無罪。假令風從帝王上來,若子丑上來為詔書,又加子丑帝王地,益明。視支干金木水火土所加喜怒曰上情。知書所謂;從相來,為公卿書。

およそ陽宮に属する日子に、風が「刑」位より吹き来りて「徳」位の上に停まり、風勢が極めて急驟なれば、これは上級の官府が下級の官吏を収捕しに来るなり。此の様の風もまた上官の下屬を訊問するを表示し、而して下屬が対質・挙証するに併せて罪責なし。假如、風が帝王の所在する方位より吹き来り、あるいは子位・丑位より吹き来れば、皆是れ詔書の象なり。もし起風の時辰がまた子・丑の此の両処の帝王の地に加われば、徴兆は更に明白なり。再び日辰・干支の所属する金・木・水・火・土が何処に加臨するを看、是れ相生にして喜ぶかそれとも相克にして怒るかを、此に由って上面の意向を定めれば、就中詔書の説く所が何の事なるかを知るを得ん。風もし「相」位より吹き来れば、あれは就中公卿の文書なり。

春,甲為天子;夏,丙為天子;秋,庚為天子;冬,壬為天子。所在候之,風從上來,則天子來也。若時加公正,此天子令也;時加奸邪,詐稱詔書,不可信。

春季は甲位を以て天子と為し、夏季は丙位を以て天子と為し、秋季は庚位を以て天子と為し、冬季は壬位を以て天子と為す。就中これらの方位の上に守候し、風もしあれより吹き来れば、便ち天子の意旨の到るなり。もし起風の時辰が「公正」に加われば、これは天子の真実の命令なり。もし時辰が「奸邪」に加われば、あれば就中有人の詔書を假冒するにして、軽信すべからず。

赦・贖の書を候う(候赦贖書)第九十二

春,甲寅帝,乙卯王,庚申為詔獄,辛酉為司空。夏,丙午帝,丁巳王,壬癸亥為詔獄,壬子為司空。四季,戊午帝,己未王,甲寅為詔獄,乙卯為司空。秋,庚申帝,辛酉王,丁巳為詔獄,丙午為司空。冬,壬子帝,癸亥王,戊戌為詔獄,戊辰為司空。凡風從詔獄上來,為大赦;從司空上來,為小赦。

春季は甲寅を以て帝と為し、乙卯を以て王と為し、庚申を以て詔獄と為し、辛酉を以て司空と為す。夏季は丙午を以て帝と為し、丁巳を以て王と為し、壬・癸亥を以て詔獄と為し、壬子を以て司空と為す。辰・戌・丑・未の四季の月は戊午を以て帝と為し、己未を以て王と為し、甲寅を以て詔獄と為し、乙卯を以て司空と為す。秋季は庚申を以て帝と為し、辛酉を以て王と為し、丁巳を以て詔獄と為し、丙午を以て司空と為す。冬季は壬子を以て帝と為し、癸亥を以て王と為し、戊戌を以て詔獄と為し、戊辰を以て司空と為す。およそ風が「詔獄」の所在する方位より吹き来るは、朝廷の将に大赦を行わんとするを主る。「司空」の所在する方位より吹き来るは、朝廷の将に小赦を行わんとするを主る。

春,甲寅之日,時加申,風從甲上來,三日止申,其風溫和,法為有大赦,期六十日。(又云,風從庚上來,為大赦。)乙卯之日,時加商,風從甲上來,止申,為贖書,期四十五日。

春季の甲寅の日に、起風の時辰が申に加わり、風が甲位より吹き来り、三天を刮りて申位に停まり、風気が温和なれば、法則に按じて将に大赦有らんと断じ、応期は六十天なり。(もう一説――風は庚位より吹き来るを要して乃ち大赦と算う。)乙卯の日に、起風の時辰が商に属し、風が甲位より吹き来りて申位に停まるは、これは贖を納めて罪を減ずるを許可するの文書なり。応期は四十五天なり。

夏,丙午之日,時加亥,風從丙上來,止亥,為有大赦,期六十日。(又云:風從壬上來、為大赦。)丁巳之日,時加午,風從丙上來,止亥,為贖書,期四十五日。

夏季の丙午の日に、起風の時辰が亥に加わり、風が丙位より吹き来りて亥位に停まるは、将に大赦有らんとするなり。応期は六十天なり。(もう一説――風は壬位より吹き来るを要して乃ち大赦と算う。)丁巳の日に、起風の時辰が午に加わり、風が丙位より吹き来りて亥位に停まるは、これは贖を納めて罪を減ずるを許可するの文書なり。応期は四十五天なり。

秋,庚申之日,時加寅,風從庚上來,止,為有大赦。時加申子,為贖書,期六十日。冬,壬子之日,時加巳,風從丙上來,為有大赦。

秋季の庚申の日に、起風の時辰が寅に加わり、風が庚位より吹き来りてあれに到りて停まるは、将に大赦有らんとするなり。もし起風の時辰が申・子に加われば、便ち贖を納めて罪を減ずるを許可するの文書なり。応期は六十天なり。冬季の壬子の日に、起風の時辰が巳に加わり、風が丙位より吹き来るは、将に大赦有らんとするなり。

大兵の将に起こらんを候う(候大兵將起)第九十三

凡商角之日,風從奸邪、陰賊、貪狼上來,白濁冥晦,比連三日巳上,此大兵起,近三十五日,遠七十日。諸宮日,大風從角上來,大寒迅急,此大兵圍城;至日中發屋折木者,城必陷敗,不出九日,若十八日。

およそ商日・角日に逢い、風が「奸邪」「陰賊」「貪狼」の此の幾処の方位より吹き来り、天色が惨白・渾濁にして昏昧・晦暗、接連して三天以上を刮れば、これは大軍の将に興起せんとするなり。近ければ三十五天に応験し、遠ければ七十天に応験す。およそ宮日に逢い、大風が角位より吹き来り、奇寒にして急驟なれば、これは大軍の将に城を囲まんとするなり。もし正午に到りて風が大いに房屋を掀翻し・樹木を吹折すれば、城池は必ず陥攻せられ、九天を出ず、あるいは十八天なり。

諸羽日,大風冥冥,日無光,沉霧沒,此兵圍。諸角日,時加午,日中夜半,風從角上來折木,兵起,必圍城屯聚,主人宜出避之,期九日,必至。

およそ羽日に逢い、大風が驟然に起こりて天色が昏黒し、太陽が光亮を失い、濃霧が沈沈として一切を淹没するは、これは将に兵馬に囲困せられんとするなり。およそ角日に逢い、起風の時辰が午に加わり、正午あるいは半夜に風が角位より吹き来り・樹木を吹折すれば、兵事は就中発動し、敵軍は必ず城を囲みて屯駐せん。城を守る主軍は城を出でて躲避するを要す。応期は九天、その時に至れば必ず到らん。

諸商日,大風折木,夜半日中,風從子午上來,日光不明,此不宜主人,軍自內敗,不可守城邑,不出七日,遠七十日。(一云:九十日,若三十日,皆兵起風。)諸四季受商之日,大風折木,從四季上來,時加子午,此外界民賊欲聚,與夷兵並來攻,關梁道路斷絕,不出七十日。

およそ商日に逢い、大風が樹木を吹折し、半夜あるいは正午に風が子位・午位より吹き来り、日光が昏暗にして明からざれば、此の種の情形は主軍に利あらず。軍隊は内部より潰敗し・城邑を拠守する能わず、七天を出ずに応験し、遠ければ七十天なり。(もう一説は九十天と作り、あるいは三十天と作る。これらは皆兵の起こるの風に属す。)およそ辰・戌・丑・未の四季の日にして納音が商に属するは、大風が樹木を吹折し・風が四季の方位より吹き来り・起風の時辰が子・午に加われば、これは境外の乱民・盗賊が聚集し・夷狄の兵と連合して一同に攻め来るにして、関隘・橋梁と道路と皆切断せらるるなり。七十天を出ずに応験せん。

大兵の且つ解散せんを候う(候大兵且解散)第九十四

寬大之日,風從寬大上來,時加寬大,法主大兵解散。諸商之日,大軍圍城,有風從丑上來,丑為商墓,風從墓上來,比連三日已上至七日,客軍且退必敗,期在七日、十七日。

「寛大」の日に逢い、風がまた「寛大」の方位より吹き来り、起風の時辰もまた「寛大」に落つれば、法則に按じて此一象は大軍の将に解散せんとするを主る。およそ商日に逢い、大軍が正に城池を囲み、風の丑位より吹き来る有れば――丑は正に商金の墓庫にして、風は墓庫の上より吹き来るに等し――接連して三天以上より七天に至るまで刮れば、城を囲む客軍は将に退走し、しかも必ず失敗せん。応期は七天あるいは十七天に在り。

占興兵欲戰,當知和解否:其日寬大,時加商,風從寬大上來,止寬大,為大賊解散。

已に兵を起こし・将に交戦せんとする時に、双方の和解する能くするや否やを占問するに、弁法は――当天が「寛大」に属し、起風の時辰が商に属し、風が「寛大」の方位より吹き来りてまた「寛大」の方位に停まれば、就中これは大股の賊衆の将に解散せんとするなり。

諸商日,大風折木,夜半日中,從子午上來,日光不明,此不宜主人,軍自內敗,不可守城,近不出七日,遠七十日,重候兵解散。今日己酉受商之日,有風從酉上來,比連三日巳上至五日,天清明,此民間兵散,不出四十日,遠七十日,候兵解散。

およそ商日に逢い、大風が樹木を吹折し、半夜あるいは正午に風が子位・午位より吹き来り、日光が昏暗にして明からざれば、これは主軍に利あらず。軍隊は内部より潰敗し・城を守る能わず、近ければ七天を出ず、遠ければ七十天なり。此の後にまた再び一回占候し、兵衆の解散するや否やを看るを要す。もし今日が己酉の日にして納音が商に属し、風の酉位より吹き来る有りて接連して三天以上より五天に至るまで刮り、天色が清朗・明浄なれば、これは民間に聚まり起こる兵衆の散去らんとするなり。四十天を出ず、遠ければ七十天にして、就中兵衆の解散するを占候するを得ん。

諸陰商之日,風從徵上來,此界外兵還,客軍自退,不出七十日。(一雲七日。)凡占解兵風,其氣溫和,天清明,是軍且解散;其風且寒克,日光沉沒不明,此兵不解,必戰,期七日。(一雲七十日。)

およそ陰に属する商日に逢い、風が徴位より吹き来るは、これは境外の兵馬の回撤せんとするにして、客軍が自ら退去し、七十天を出ざらん。(もう一説は七天と作る。)大凡そ兵を罷むるの風を占候するに、風気が温和にして天色が清朗・明浄なるは、軍隊の将に解散せんとするなり。風が既に寒冷にしてまた克伐の勢を帯び・日光が沈没・昏暗なるは、これは兵事の化解する能わざるにして、双方は必ず一仗を打たん。応期は七天なり。(もう一説は七十天と作る。)

若寬大之日,風從寬大公正上來,夜來晝止,則士眾散解,主將不欲解也;晝來夜止,上下同心,陰且寒,風氣又寒,時日雖善,不為解也;溫和清順,乃為解耳。

もし「寛大」の日に逢い、風が「寛大」「公正」の方位より吹き来り、夜裏に風が起こり・白天に停まるは、あれは士卒の自ら散去るにして、而して主将は併せて兵を罷めんと欲せざるなり。白天に風が起こり・夜裏に停まるは、則ち上下が心を同じくするなり。天色が陰沈にして寒く・風気もまた寒ければ、あれば時日は好しといえども、仍ほ和解と算うるを得ず。必ず風気の温和・清暢・柔順なるを要して乃ち真に解散する能くするなり。

諸商日,大風折木,從丑寅上來,比連三日巳上至七日,此千里萬人眾,兩軍相當,自退解散。所以然者,商金風,從徵來,此金出遇火,兵自解散,主人勝,客軍大敗,其將必死。近期七日,中期二十一日,遠期七十日。

およそ商日に逢い、大風が樹木を吹折し、風が丑位・寅位より吹き来り、接連して三天以上より七天に至るまで刮れば、これは千里の内の数万の人の大軍が両両として対峙して自ら兵を退きて解散するなり。此の様なる所以は、それは商が金に属し・刮る所は金風にして、而して寅は寅午戌の火局に帰して徴に属し、風は徴位より吹き来るに等し。就中これは金が一たび出動すれば便ち火に遇上するにして、此を因に兵衆が自ら散去り、主軍が勝を獲し、客軍が大敗し、客軍の主将は必ず死せん。近ければ七天に応験し、中に居れば二十一天、遠ければ七十天なり。

火災を候う(候火災)第九十五

諸角日,有大風折木,從寅申丑未上來,乍遲乍疾,時加子,夜半,此火且起宮寺中。辰午酉亥,此四日刑自處也。

およそ角日に逢い、大風の樹木を吹折する有りて、風が寅・申・丑・未の此の幾個の方位より吹き来り、忽ち緩く忽ち急にして、起風の時辰が子に加わり、また正に半夜に当たれば、これは宮殿・官署の中に将に火を起こさんとするなり。辰・午・酉・亥の此の四天は自刑の日に属し、刑は就中本位の上に落つ。

辰日加辰,左部燒二千石傳舍;午日加午,燒都遷尉舍;酉日,燒貴府大傳舍;亥日加亥,燒喪家牢獄。大寒迅急,燒殺人;溫和,但失火;期三日。風止而雨,火不發;若期內不雨,火必起。

辰日にして時辰がまた辰に加われば、左部の一帯の二千石の官員の伝舎が火を失するなり。午日にして時辰がまた午に加われば、都尉の官署が火を失するなり。酉日は、顕貴の府第の大伝舎が火を失するなり。亥日にして時辰がまた亥に加われば、喪家と牢獄とが火を失するなり。風もし奇寒・急驟なれば、火の裏に人を焼死させんと欲す。風もし温和なれば、就中ただ走水するのみなり。応期は三天なり。風が停まりて後に接続して雨を下せば、火は便ち発り起こる能わず。もし応期の内に一直に雨を下さざれば、火は就中必ず燃焼せん。

假令四季受角之日,風從四季上來,止於午者,此下亭上鄉市有火,文書至俱到,期三日,若雨,災不發。假令丙寅丁卯之日,有風從寅卯上來,火燒都市中。所以然者,丙丁火、寅卯木也,火得木而燎,此是兩火共燒一木,為都市,其風寒急,燒殺人,期三日。若期內有雨,不發。

仮に辰・戌・丑・未の四季の日にして納音が角に属すとせば、風が四季の方位より吹き来りて午位に停まるは、これは下の亭駅と上の郷市とが火に着かんとするにして、災を報ずる文書が一斉に送り到らん。応期は三天なり。もし雨を下せば、災は発生せざらん。仮に丙寅・丁卯の此の两天なれば、風の寅位・卯位より吹き来る有れば、あれは都市の中に火を起こさんとするなり。此の様なる所以は、それは丙丁が火に属し而して寅卯が木に属し、火が木を得れば便ち燃焼し起こるにして、これは両重の火が共に一根の木を焼くなり。木は此処に都市を代表す。風もし寒冷・急驟なれば、火の中に人を焼死せん。応期は三天なり。もし応期の内に雨を下せば、発作せざらん。

諸亥卯受角之日,風從申亥未上來,時加申子,此賊火攻主人,寒急者,殺人,財出。若時加廉貞公正,此怨仇相殺,不出三日。諸徵日,時加徵風,從徵上來,天清明者,書檄至也。民人誤失火起,非人事之災也,近期三日,遠期三十日。

およそ亥日・卯日にして納音が角に属するは、風が申・亥・未の幾個の方位より吹き来り、起風の時辰が申・子に加われば、これは盗賊が火を放ちて主家を攻め来るなり。風もし寒冷・急驟なれば、人を焼死し・財物もまた散失せん。もし起風の時辰が「廉貞」「公正」に加われば、あれば就中仇家が怨を結びて互いに残殺するなり。三天を出ざらん。およそ徴日に逢い、起風の時辰もまた徴に属し、風がまた徴位より吹き来り、天色が清朗・明浄なれば、これは文書・檄令の将に到らんとするなり。もし百姓が謹まずして火を失して燃え起これば、あれば就中人为の禍事に属さず。近ければ三天に応験し、遠ければ三十天に応験す。

占火發法:陽徵日,風從陽徵上來,時加夜半,皆為都市中府寺火起。風從陰徵上來,皆為下亭鄉市邑及人間火災起。

火災の発作を占測する方法は――陽徴の日に逢い、風が陽徴の方位より吹き来り、起風の時辰が半夜に在れば、これらは皆都市の中の官府・衙署が火を起こすなり。風もし陰徴の方位より吹き来れば、あれは皆下の亭駅・郷里の集市・城邑および民間に火災の発生するなり。

占火得己酉之時,此誤相燒也。得公正之時,此怨仇相燒。得廉貞之時,此坐文書口舌相燒。得貪狼之時,此攻賊燒主人。得陰賊之時,此攻賊相燒。得好邪之時,此小盜陰私相燒。日辰王相有氣者,人事相燒也。囚死無氣,時加酉角者,此鬼神所燒。

火を占う時にもし己酉の時に遇上せば、これは失誤の引起こす火焼なり。「公正」の時に遇上せば、仇家が怨を結びて互いに火を縦放するなり。「廉貞」の時に遇上せば、文書・訟案・口舌・是非を因に互いに火を縦放するなり。「貪狼」の時に遇上せば、攻め来る盗賊が主家を焚焼するなり。「陰賊」の時に遇上せば、攻め来る盗賊が彼此に火を縦放し相焼するなり。「好邪」に遇上すれば、すなわち奸邪の時は、小偷が陰私の事を因に火を縦放し相焼するなり。日辰が王位・相位に居りて気有るは、皆人为の縦火に属す。日辰が囚・死に落ちて気無く、起風の時辰がまた酉・角に加われば、あれば就中鬼神の祟りて焼く所なり。

此日有風,三日巳上天氣黃赤,徵風為之,宿夜不解。至七日,此天火,災起山陵鬼神,明火上王屋,宗廟自生火,千里相望,近期三日,遠三十日。風止大雨,不占,占火與使者檄書同占。

此の一天にもし風有りて、連刮して三天以上にして天色が黄を発し紅を泛べば、あれは徴風の造成する所にして、通宵・達旦にしても消散せざらん。第七天に刮き到れば、此の便ち天火にして、災禍は山陵の鬼神より起こり、明火は上りて帝王の宮室を焼き、宗廟が故無くして自ら燃え、火光は千里に相望じ、近ければ三天に応験し、遠ければ三十天に応験す。風が停まりて後に大雨を下せば、此一占は就中成立せず。火災を占うと使者の檄書を占うとは同一の套の方法を用うるなり。

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