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日蝕占第六

唐 · 李淳风 · 第4巻 / 26

作盤ガイド: 暦注(黄暦), 万年暦

夫日依常度,蝕者,月來掩之也,臣下蔽君之象。日行遲,一日行一度,一月行二十九度餘;月行疾,二十七日半一周天,二十九日餘而迫及日。及日之時,與日同道,而在於內映日,故蝕其象。大臣與君同道,逼迫其主,而掩其明。又為臣下蔽上之象,人君當慎防權臣內戚在左右擅威者。

太陽は固定の度数に按って運行する。いわゆる「日蝕」とは、月が運行して来てそれを遮掩するで、これは臣下が君主を遮蔽する徴象である。太陽は行くこと遅く、一日に一度を行き、一箇月に二十九度あまりを行く。月は行くこと速く、二十七天半で天を一繞し、二十九天あまりで太陽に追及する。太陽に追及する時、月と太陽は同じ一条の軌道に在り、しかも太陽の内側に位して日面を遮映する。ゆえに日蝕の象を形成する。これはちょうど大臣が君主と一道を同行して、自らの君主を逼迫し君主の光明を遮蔽するがごとし。日蝕はまた臣下が君上を蒙蔽する象徴である。ゆえに君主は応に身を左右に居る・威権を擅弄する権臣と外戚を謹慎して防範すべきである。

其蝕雖依常度,而災害在於國君大臣。或人疑之,以為日月之虧蝕,可以算理推窮,皆先朔知之。蝕分多少時節、早晚所起,皆如符契左右,此豈天災之意耶?夫月毀於天,魚腦滅於泉,月豈為螺蚌之災而毀其體乎?但陰陽之氣迭相感應自然耳。東風至而酒湛溢,東風非故為溢酒而來至也,風逼至而酒適溢耳,此豈不相感應者歟?若然,油水之類也。東風至,油水不溢而酒獨溢,猶天災見,有德之君修德而無咎,暴亂之王行酷而招災,豈不然也?陽燧之取火,方諸之取水,皆以象占之也。陽燧方諸銅蛤之類,將凡鏡往求而不得者,為無其象而不占也。

日蝕は固定の度数に依って発生すれども、災害は国君と大臣の身に応験する。これに対し懐疑する人あり、日・月の虧蝕は算法をもって推演・窮尽し得て、皆朔日以前に予め推知し得るとし、虧蝕の分数の多少・発生の時節・起蝕の早晚は、全て符契のごとく両相吻合する——これはどうして上天の降災の用意と言えようか。実の処、月が天上で虧損すれば魚脳は水中で消減す。月はどうして螺蚌に災害を造成せんがために自らの形体を毀損するのであろうか。不過陰陽二気が交互に感応し自然と然るのみである。東風が吹き来て美酒が壇口から溢出する——東風は特に酒を溢出せしめんがために吹き来るのではなく、ただ風が一たび逼迫すれば酒が恰好溢出するのみ。これは彼此の感応ではないか。もしこれは不過偶然と言わば、油と水は酒と同属の液体である。東風が吹き来ても油と水は皆外溢せず唯だ酒のみが溢出する。これはちょうど天災の顕現する時、徳ある君主は徳行を修養すれば災禍なく、暴虐・昏乱の君王は酷政を施行すれば災殃を招来するがごとし——これはまさにこの理ではないか。「陽燧」をもって日に向かい火を取り、「方諸」をもって月に向かい水を取るは、皆物類相感の象に依って占験する。陽燧・方諸は皆銅蛤の類の器物で、もし尋常の鏡を取って求取して求め得ざれば、それは相応の象なきがゆえに、よって占験に拠ることができない。

災之所起,起於昏亂之所,無災非朔而蝕者,名為薄蝕。凡薄蝕者,人君誅之不以理,賊臣漸舉兵而起,北陰氣盛,掩薄日光也。陰盛侵陽,臣凌其君,其分君凶,不出三年。無道之國,日月過之而薄蝕。兵之所攻,國家壞亡,必有喪禍。裴子曰:夫日者君也,月者臣也,一歲十二會,君臣相見之象。君有失德,臣下專之,故有日蝕之咎,故伐鼓,用幣,責上卿,是其禮退臣道也。

災禍の興起は、昏乱の地より起る。明顯の災異なくして非朔日に発生する虧蝕を「薄蝕」と呼ぶ。およそ薄蝕は、皆君主が誅戮を情理に合わず行い、奸賊の臣が漸々兵を挙げて起り、北方の陰気が盛大にして日光に逼近し掩蔽するを主る。陰気の強盛にして陽気を侵犯するは、すなわち臣子が君主を欺凌するで、その分野の国の君主に凶険あり、三年を出でず応験す。無道の国は、日月がその分野を経過する時に薄蝕を発生す。兵禍の攻する処は、国家敗壊・滅亡し、必ず喪禍あらん。裴子にいう。太陽は君主を象徴し、月は臣子を象徴す。一年の中に日月は十二次相会す——これは君臣相見の象徴である。君主に失徳の処あり、臣下が権柄を專擅す。ゆえに日蝕のごとき災咎あるなり。ゆえに日蝕に遇うに鼓を撃ち、玉帛を進献し、上卿を責問し、この一套の礼儀をもって臣道を抑退する。

以知君臣忠。天下太平,雖交而不能蝕,蝕即有凶。臣下縱權篡逆,兵革水旱之應兆耳。日者陽精之明,曜魄之寶,其氣佈德而生。生在地曰德,德者生之類也,德傷則亡,故日蝕,必有亡國死君之災。日蝕則失德之國亡。日蝕,則王者修德。修德之禮重於責躬。是故禹湯罪己,其興也勃焉。

これによって君臣が忠正か否かを察知し得る。天下太平の時は、日月は交雖会すれども蝕を成すに至らず。一旦蝕を成せば、凶事あり。これは臣下が権勢を放縱し・簒奪・叛逆し、および兵革・水旱の災の応験の先兆である。太陽は陽精の凝する光明・曜魄の精の珍宝で、その気は恩徳を布施して万物を生養す。この生養の功が地上に落ちるを「徳」と呼び、徳とはすなわち生養の類の作為である。徳が損傷を受ければ生機は消亡す。ゆえに日蝕を発生すれば、必ず亡国・君死の災禍を伴う。日蝕を発生すれば、失徳の国は将に滅亡せん。日蝕を発生すれば、君王は応に徳行を修養すべし。而して修徳の礼は、最も自らの身を責むるを重しとす。ゆえに大禹・成湯は皆罪を自らに帰し、彼らの興盛もまた格別に迅猛であった。

日薄蝕,色赤黃,不出三年,日蝕所當之國有喪。一曰日始出而蝕,是謂無明。齊越之國受兵亡地。凡日蝕者,則有兵有喪。失地因亡,皆以日蝕時早晚、分宿、日辰占之。日午時已後蝕者,有兵,兵罷不起。日蝕從上起,君失道而亡。從旁起,內亂兵大起,更立天子。日蝕從下起,女主自恣,臣下興師動眾失律,將軍當之。

日光が掩せられて薄蝕を成し、顔色が赤黄のものは、三年を出でず、日蝕の対応する国家に喪事あるべし。另一説。太陽が剛く升起して虧蝕を発生するを、これを「無明」と呼び、斉・越の一帯の国家は将に兵禍を受け土地を喪失せんとす。およそ日蝕を発生すれば、兵事あり喪事あり。失地乃至亡国に至るは、皆日蝕発生の時刻の早晚・所在の分野星宿および当日の日辰干支に拠って占断すべきである。日蝕が午時以後に発生するは、兵事あるを主るが、兵事は将に止息して再び興らざるべし。日蝕が太陽の上部から虧缺を始むるは、君主が道を失い国を亡ぼすを主る。旁側から虧缺を始むるは、内乱・兵事大いに起り、別に天子を立つるを主る。日蝕が太陽の下部から虧缺を始むるは、女主が放縱・專恣にして、臣下が師を興し衆を動かして軍紀に違背し、将軍の身に応験すを主る。

日蝕少半,諸侯、大臣亡國失地相逐。蝕半,有大喪亡國。蝕大半,災重,天下之主當之。蝕盡,亡天下,奪國,臣弒君,子弒父,不出三年。日蝕見星,臣弒其君,天下分裂。日蝕而暈傍珥,白雲來去掩映,天下大亂,大兵起。臣弒君,君失位。日蝕陰侵陽,君位凶,群兵動,宜施恩賞。

日面の虧缺が半分に至らざるは、諸侯・大臣が亡国・失地し彼此駆逐するを主る。虧缺が半分なるは、大喪あり亡国の禍あるを主る。虧缺が半分を過ぐるは、災情深重にして天下の主の身に応験すを主る。日面が全て食い尽くされしは、天下を喪失し国柄を奪はれ、臣子が君主を弑殺し兒子が父親を弑殺するを主り、三年を出でず応験す。日蝕の時天上に星辰を顕現せば、臣子が君主を弑殺し天下分裂するを主る。日蝕の時また暈気を生じ旁に珥気あり、白雲が来来去去して日面を遮映せば、天下大乱し大規模の兵事興起し、臣子は君を弑し君主は位を失うを主る。日蝕は陰気が陽気を侵犯するで、君位に凶険あり諸路の兵馬が躁動するを主り、この時宜しく広く恩賞を施してもって陽を扶け陰を抑ゆべし。

日蝕而旁有似白兔、白鹿守之者,民為亂,臣逆君,不出其年。其分兵起。凡日蝕之時,或有雲氣風冥暈珥,似有群鳥守日,名曰天雞,后妃謀易主位,奪其君,數視動靜,欲行其志。日蝕大風地鳴,四方雲者,宰相專權謀反之象。地震烈,日色昧而寒乃蝕者,四方正伯專誅,恣行殺逆。

日蝕の時旁に形が白兎・白鹿に似たる雲気が守護すれば、百姓が作乱し臣子が君主に忤逆するを主り、当年を出でず応験し、その分野の地に兵事を興起す。およそ日蝕の時、もし雲気・大風・天色昏暗および暈気・珥気を現じ、形状が一群の飛鳥のごとく太陽の旁に守るを、これを「天鶏」と呼び、后妃が君位を更換し君権を奪取せんと図謀し、彼女らは屡々時局の動静を窺察して自らの意図を実現せんと欲するを主る。日蝕の時大風を刮き起こし地面が鳴响を発し四方に雲気が湧起するは、宰相が権柄を專擅し反叛を図謀する徴象である。地震が劇烈にして日色晦暗にして天気寒冷、随いて日蝕を発生せば、四方の方伯が擅自に誅戮し恣意に殺伐・悖逆の事を施行するを主る。

日蝕而大寒,又在於平旦,中國大飢餓,賊盜起,夷狄動,諸侯亂。日蝕星墜而復上,君將被殺,下將窮竭,賦斂重數之應。日月俱蝕,國亡。日者,人主之象,故王者道德不施,則日為之變。

日蝕にして天気が奇寒、また恰も天の剛く亮するときなれば、中原に大いに飢饉が鬧ぎ、盗賊興起し、夷狄騷動し、諸侯作乱するを主る。日蝕の時星が墜落してまた反って升り上がれば、君主が将に殺害せられんとし、下民の財力が将に搜刮して盡きんとするを主る。これは賦税の徴斂が過重・征收が過頻の応験である。日・月が同時に虧蝕を発生すれば、国家の滅亡を主る。太陽は君主の象徴。ゆえに君王が道徳を施行せざれば、太陽はこれがために変異を発生す。

薄蝕無光。日以春蝕,大凶,有大喪,女主亡;夏蝕無光,諸侯死;秋蝕,兵戰,主人死;冬蝕,有喪,多病而疫。凡四時以王日蝕者,主死;以相日蝕者,國相死;以囚死日蝕者,臣殺君;休廢日蝕者,多病疫。

日光が掩逼せられて光輝を失う。太陽が春季に虧蝕を発生すれば大凶にして、大喪あり女主が亡故するを主る。夏季に虧蝕して光なければ、諸侯の死亡を主る。秋季に虧蝕すれば、兵戦あり主人の一方が死亡するを主る。冬季に虧蝕すれば、喪事あり疾病・瘟疫流行するを主る。およそ四季の中、五行が「王」位に処する日に逢て日蝕を発生するは君主の死亡を主り、「相」位の日に逢て日蝕を発生するは国相の死亡を主り、「囚」「死」の日に逢て日蝕を発生するは臣子が君主を弑殺するを主り、「休」「廃」の日に逢て日蝕を発生するは疾病・瘟疫の流行を主る。

日以正月蝕,人多病;二月蝕,多喪;三月蝕,大水;四月、五月蝕,大旱,民大飢;六月蝕,六畜死;七月蝕者,歲惡,秦國惡之;八月蝕者,兵起;九月蝕者,女工貴;十月蝕者,六畜貴;十一月、十二月蝕者,糴貴,牛死於燕國。其日之甲乙,一如略例中。

太陽が正月に虧蝕を発生すれば、百姓の多病を主る。二月に虧蝕すれば喪事頻仍を主る。三月に虧蝕すれば大水を主る。四月・五月に虧蝕すれば大旱・百姓の大飢を主る。六月に虧蝕すれば六畜の死亡を主る。七月に虧蝕すれば年成悪劣にして秦地の国が害を受くるを主る。八月に虧蝕すれば兵事の興起を主る。九月に虧蝕すれば女工・織物の価貴を主る。十月に虧蝕すれば六畜の価貴を主る。十一月・十二月に虧蝕すれば米価の騰貴・燕国境内の牛只の死亡を主る。日蝕当日の甲・乙等の日辰干支を如何に占断するかに至っては、一概に本書《略例》篇の列する条例に依照する。

蝕列宿占:日在角蝕,將吏耕田。臣有憂為司農之官者。國四門閉,其國凶;(月同。)日在亢蝕,朝廷之臣有謀叛;日在氐蝕,天子病崩,卿相讒諛,君殺無辜,王后惡之;日在房而蝕,王者憂疾病,有亂。又大臣專權;(月同。)日在心而蝕,君臣不相信。政令失儀度,準繩變其宜。

日蝕の所在する星宿に按って占断す。太陽が角宿に虧蝕すれば、将帥・官吏が遣われて田を耕し、臣子の中で農事を掌管する司農の官に憂患あるを主る。国都の四門は閉塞し、その国に凶あり。(月蝕が角宿にあれば、占断相同じい。)太陽が亢宿に虧蝕すれば、朝廷の臣に謀叛の心あるを主る。太陽が氐宿に虧蝕すれば、天子が病に染まり駕崩し、公卿・宰相が讒を進め媚を献じ、君主が無辜を誅殺し、王后が禍害を遭うを主る。太陽が房宿に虧蝕すれば、君王が疾病に憂い、国中に乱あり、また大臣が権を專らにするを主る。(月蝕が房宿にあれば、占断相同じい。)太陽が心宿に虧蝕すれば、君臣が互いに信任せず、政令が応有の儀則・法度を失い、法度・準縄がその本来の適宜を変乱するを主る。

日在尾蝕,將有疫,後宮中小凶;日在箕蝕,將有疾風飛砂,發屋折木,戒之於出入;日在斗蝕,將相憂,國飢兵起;(月同。)日在牛蝕,其國反叛兵起,戒在后夫人祠禱之咎;日在女蝕,戒在巫祝后妃禱祠;日在虛蝕,其邦有崩亡,天下改服;(月同。)日在危蝕,有大喪,君臣改服;日在室蝕,人君出入無禁,好女色,外戚專權;日在壁蝕,則陽消陰壞,男女多傷敗其人道,王者失孝敬,下從師友,虧文章,損德教,學禮廢矣。

太陽が尾宿に虧蝕すれば、将に疫病流行し、後宮の中に小さき凶事あるを主る。太陽が箕宿に虧蝕すれば、将に疾風・揚沙あり、屋頂を掀翻し樹木を折断し、出入・行止は皆戒備を要すを主る。太陽が南斗宿に虧蝕すれば、将・相に憂あり、国中飢饉にして兵事興起すを主る。(月蝕が斗宿にあれば、占断相同じい。)太陽が牽牛宿に虧蝕すれば、その国に人の反叛し兵事興起するあり、応に后妃・夫人の祭祀・祈禱の招き来たる過咎を戒備すべきを主る。太陽が須女宿に虧蝕すれば、応に巫祝と后妃の祈禱・祭祀の事を戒備すべきである。太陽が虚宿に虧蝕すれば、その邦国に崩壊・滅亡の禍あり、天下は将に服色を改換せんとするを主る。(月蝕が虚宿にあれば、占断相同じい。)太陽が危宿に虧蝕すれば、大喪あり、君臣皆喪服を改換するを主る。太陽が室宿に虧蝕すれば、君主の出入に禁制なく、女色を貪好し、外戚が権を專らにするを主る。太陽が東壁宿に虧蝕すれば、陽気消損し陰気敗壊し、男女の間に人倫を敗傷する事多く、君王は孝敬に失し、身を屈して師友に従い、文章・典制は虧缺し、徳教は損を受け、学校・礼儀は廃弛する。

日在奎蝕,魯國凶,邦不安,慎在人主、邊境廄庫;日在婁蝕,戒在聚斂之臣;日在胃蝕,委輸國有乏食之憂;日在昴蝕,大臣厄在獄,王者有疾,戒在主獄有犯誤天子者;日在畢蝕,將有邊將亡,人主有弋獵之咎;日在觜蝕,大將謀議,戒在將兵之臣;日在參蝕,戒在將帥。

太陽が奎宿に虧蝕すれば、魯地の国に凶あり邦国安ならず、君主本身および辺境の馬廐・倉庫の事を慎防を要すを主る。太陽が婁宿に虧蝕すれば、財貨を聚斂する臣を戒備すべきである。太陽が胃宿に虧蝕すれば、漕糧を転運する国家に糧を欠く憂あるを主る。太陽が昴宿に虧蝕すれば、大臣が困厄して獄に下り、君王に病あり、刑獄を掌管する官の中に君上に冒犯し天子を誤陷する者あるを戒備すべきを主る。太陽が畢宿に虧蝕すれば、将に辺将の敗亡あり、君主に射獵・游楽の招き来たる過咎あるを主る。太陽が觜觿宿に虧蝕すれば、大将が暗中に謀議し、応に兵を統べる臣を戒備すべきを主る。太陽が参宿に虧蝕すれば、応に将帥を戒備すべきである。

日在井蝕,秦邦不臣,畫謀不成,大旱,人流亡;日在鬼蝕,其國君不安;日在柳蝕,廚官門戶橋道之臣有憂;日在七星蝕,橋門臣憂黜;日在張蝕,山澤汙池之官有憂;日在翼蝕,王者退太常,以法官代之,有德令則蝕不為害,其歲旱,亦為王者失祀,宗廟不親,戒在主車駕之官;日在軫蝕,貴臣亡,后不安。(月同。)

太陽が東井宿に虧蝕すれば、秦地の邦が臣服を肯んぜず、謀划する事は成功能わず、大旱にして百姓流亡するを主る。太陽が輿鬼宿に虧蝕すれば、その国の国君が安ならざるを主る。太陽が柳宿に虧蝕すれば、膳食・門戸・橋梁・道路を掌管する官員に憂患あるを主る。太陽が七星宿に虧蝕すれば、橋梁・門禁を掌管する臣子が貶黜に憂うるを主る。太陽が張宿に虧蝕すれば、山林・川沢・陂池を掌管する官員に憂患あるを主る。太陽が翼宿に虧蝕すれば、君王が太常の官を罷退し、改用して執法の官をもって代え、もし恩を施す徳政の号令を頒行し得れば、日蝕は災を成さざるを主る。この年旱情あり、また君王が祭祀に失し宗廟を親奉せざるを主り、応に車駕を掌管する官員を戒備すべきである。太陽が軫宿に虧蝕すれば、貴臣の死亡・皇后の安ならざるを主る。(月蝕が軫宿にあれば、占断相同じい。)

凡日蝕者,皆著赤幘以助陽也。天子素服,避正殿,內外嚴警,太史靈臺伺日,有變,便伐鼓,聞鼓音作,侍臣皆著赤幘,帶劍以助陽,順之也。

およそ日蝕を発生すれば、群臣は皆赤色の頭巾を戴き、もって陽気を扶助す。天子は素服を身に着け、正殿を避けて居らず、宮内・宮外は厳重に警戒し、太史官は霊台上で守候して太陽を観測す。一旦日面に変あれば、即座に鼓を撃ち、鼓声の响起するを聞けば、侍臣は皆赤幘を戴き宝剣を佩帯してもって陽気を扶助す——これは天象に順応して行う礼制である。

乙巳占 巻第二

月占第七

夫月者,太陰之精,積而成象,魄質含影,稟日之光,以明照夜,佐修陰道,以之配日,女主之象也。以之比德,刑罰之義也。列之朝廷,諸侯大臣之數也。是以近日則光斂,猶臣近君卑而屈也;遠日則光滿,為其守道循法,蒙君榮華而體勢申也。當日則蝕,猶臣僭君道,而禍至於覆滅。盈極必缺,示其不可久盈也。月闕也,陰道、臣道、妻道,不可使盈,理當恆闕也。其行速,臣下之道也。行有弦望晦朔,遲疾陰陽,政刑之等威也。

月は太陰の精で、陰気が積聚して形象を成し、その魄質は本身に影質を含蔵し、太陽の光照を承受し、もって黑夜を照明し、陰道の修治を輔助す。これをもって太陽に相配すれば、すなわち女主の象徴。これを徳に比擬すれば、刑罰の意義を含有す。これを朝廷の位次に安排すれば、諸侯・大臣の行列に相当す。ゆえに月が太陽に靠近するとき光華は収斂し——ちょうど臣子が君主に靠近すれば卑退・屈己するがごとし。太陽から遠離するとき光華は盈満す——それが道を守り法に循い、君主の栄寵を蒙受して形勢が舒展し得るがゆえに。ちょうど太陽に当たる時に虧蝕を成す——ちょうど臣子が君主の道を僭越して、禍患が竟に覆滅に至るがごとし。盈満が極処に至れば必ず虧缺す。これは盈満が長久し得ざるを顕示す。「月」とはすなわち「闕」の意で、陰道・臣道・妻道は皆それを盈満さすべからず、理に按って常に虧缺を保すべきである。それは運行が迅速で、まさに臣下の奔走・趨事の道である。その運行に上弦・望・晦・朔の分別あり、遅疾・陰陽の差異あり——これはすなわち政令・刑罰の等級・威儀に相当す。

日,日行一度;月,日行十三度一千三百四十分度之四百九十四分。此平行之大率也。上元乙巳之歲,十一月甲子冬至夜半,日月如合壁,五星如連珠,俱起北方虛宿之中,合朔冬至,與日俱行,各修其度。至合正觀三年己丑之歲,積七萬九千三百四十五算上矣。推月朔置上元乙巳以來歲朔積分,(在日度中。)以月法三萬九千五百七十一。以法去之,餘以日法約之為閏大餘,不盡為閏小餘,減冬至小餘。不足減,減大餘,加日法乃減之,大餘不足減,加六十乃減之,(冬至大小餘,並在日內推也者。)餘為所求。天正十一月大小餘,命以甲子算外,則天正朔日也。

太陽は毎日一度を行き、月は毎日十三度および千三百四十分度の四百九十四分を行く——これは日月の平均行度の大概の率数である。上元乙巳のあの年、十一月甲子日・冬至の夜半の時分、日月は并合して両玉璧の合するがごとく、五星は一串の珠子のごとく排列し、一斉に北方の虚宿の中から起算した。この一刻は既に合朔でありまた冬至で、月と太陽は一同に啓行し、各々自らの度数に按って運転す。上元から本朝貞観三年己丑の歳に推して、共に七万九千三百四十五算を積得た。毎月朔日を推求する方法。上元乙巳以来の暦年朔の積分を列し(この数値は前の日度を推する章節の中に既に求め得た)、「月法」三万九千五百七十一をもってそれを除す。除し尽くした後、余る数を「日法」をもって約し、得た整数を「閏大余」とし、除し尽くせぬ零数を「閏小余」とし、さらにそれをもって冬至の小余を減ず。もし小余が減ずるに足らざれば、大余の中から一日を借り、一箇の日法の数を加えて再び減ず。大余もまた減ずるに足らざれば、六十を加えて再び減ず。(冬至の大余・小余は、皆日度を推する章節の中に一併に推出す。)余る数がすなわち求める結果で、すなわち天正十一月の大余と小余である。甲子をもって起算して本数に計入せざれば、すなわち天正十一月の朔日干支を得る。

求次月朔者。加大餘二十九,小餘七百一十一,小餘滿日法去之從大餘,一大餘滿六十去之,命日如前,則次月朔日及餘也。求上弦日。加朔大餘七,小餘五百一十二,大餘滿法去之,命如前,則天正上弦常日也。又加得望日,又加得下弦,又加得後月朔日。前朔、後朔相去二十九日七百一十一分,謂之一月。一月之中,行天一周,又行二十九度七百一十一分,而又與日一合矣。求朔日夜半月所在度者,置朔日加時日所在度,減去朔小餘,則朔日夜半月所在度矣。求次日加時夜半月度,加十三度一千三百四十分度之四百九十四分。滿日法從度,度滿宿去之,命以次宿算外,則次日夜半月所在度及分矣。

下一箇月の朔日を求む。本月の大余の上に二十九を加え、小余の上に七百十一を加え、小余が一箇の日法に満てば日法を減じて大余に一を進め、大余が六十に満てば六十を減じ、干支を命ずる方法は前と同じくして、すなわち下月の朔日およびその余分を得る。上弦の日を求む。朔日の大余の上に七を加え小余の上に五百十二を加え、大余が六十に満てば減じ、命法は前と同じくして、すなわち天正上弦の常日である。再びこれに照らして一度加えれば望日を得、再び一度加えれば下弦日を得、再び一度加えればすなわち下月の朔日を得る。前一箇の朔と後一箇の朔の相距は二十九日および七百十一分——これを「一月」と呼ぶ。この一箇月の内に、月は天を一繞し、また多く二十九度七百十一分を行き、ここにおいて再び太陽と相会す。朔日の夜半の時に月の所在する度数を求める方法。朔日・加時の太陽の所在する度数を取り、朔小余を減じれば、すなわち朔日夜半の月の所在する度数である。次日の夜半の月度を求めれば、前一日の度数の上に十三度および千三百四十分度の四百九十四分を加え、分数が一箇の日法に満てば一度に進め、度数が一宿に満てばこの一宿の度数を減じ、改めて次の宿から起算して本数に計入せず、すなわち次日の夜半の月の所在する宿度と分数を得る。

此皆平行也。月行又有遲疾不同。極遲一日行十二度強,極疾一日行十四度太強。大率合朔後極疾,起而漸遲,十三日半強而極遲,則又漸疾,十三日半強而極疾。一遲一疾,凡二十九日半強。又有陰陽行。上元之初,合朔已後,月則出日道外,行陽道,經十三日半強,則又入日道內,越黃道,行陰道,又十三日半強,而出黃道之外矣。當越道之處,名曰交道。大凡二十七日強而一出,一入兩過,交於黃道;黃道,日道也。月不行日道者,猶臣不可與君同名器矣。在黃道內外極遠之時出入各六度矣。朔日與同度之時,月在交道內,而當交則蝕矣。不當交則不蝕,此猶臣與君相遇,同道擅權而掩蔽君矣。望日加時,月在交道上過,則日蝕;不當交道上過,則不蝕矣。其推求法術,並著在《曆象志》、《乙巳元經》,事煩不能具錄,略表綱紀焉。

以上の講ずる所は皆平均行度である。月の実際の運行になお快慢の不同あり。最も慢なる時は一日に十二度あまりを行き、最も速き時は一日に十四度大半あまりを行く。大致の規律は、合朔の後月行が最も速く、これより後漸々慢となり、十三天半あまりを経て最も慢に達し、それからまた漸々速くなり、再び十三天半あまりを経て最も速に達する。一慢一速を合せて、共に二十九天半あまり。月行になお陰陽二道に出入する分別あり。上元の初、合朔以後月はすなわち太陽の軌道の外に走出し、「陽道」を行き、十三天半あまりを経て、また太陽の軌道の内に入り、黄道を越えて「陰道」を行き、再び十三天半あまりを過ぎて、また黄道の外に出る。それが黄道を穿越する処を「交道」と呼ぶ。大约二十七天あまり、一出一入して二次経過し、黄道と相交わる。いわゆる黄道とは、すなわち太陽の運行する軌道である。月が太陽と一道を共に行かざるは、ちょうど臣子が君主と同様の名号・器物を共用すべからざるがごとし。月が黄道の内外に離れる最も遠き時、出入各々六度に達す。朔日の月と太陽が同度の時、もし月がちょうど交道の内に在り恰も交点に当たれば、すなわち日蝕を発生す。交点に当たらざれば蝕を成さず。これはちょうど臣子が君主と相遇し、一道に同処して権柄を擅弄し、ここにおいて君主を遮蔽するがごとし。望日・加時に、月がもし交道上を経過すれば、すなわち蝕を成す(此処は月蝕を指す)。交道上を経過せざれば、蝕を成さず。これらの推算の方法は皆《暦象志》と《乙巳元経》の中に書き記す。事項が繁瑣なるがゆえに、ここに一々録出し得ず、ここではただ大略の綱要を挙ぐるのみ。

夫月之行也,每朔稟先於日,漸舒其照,遠而益明,行於列宿,不巡光道。舒而還斂,屈體戢光,盈而不僭,以至於晦,此順理之常也。猶大臣諸侯稟承君命,教令節度,巡行萬國,照察百揆,而無僭亂擅權之心。有功歸主,不自矜伐,退以報君焉。烏兔抗衡,光盛威重,數盈理極,危亡之災,一時頓盡,遂使太陽奪其光華,暗虛虧其體質,小僭則小虧,大驕則大虧,此理數之當然也。

月の運行は、朔日に逢うごとに先ず太陽の光照を承受し、これより後漸々その光輝を舒展し、太陽から離るるほどいよいよ明亮となり、二十八宿の間を経行し、並びて太陽の光道に沿って走らず。舒展が極処に至りまた転じて収斂し、形体を屈縮し光芒を斂蔵し、已に盈満すれども僭越せず、一直に晦日に至る——これは常理に順応する正道である。これはちょうど大臣・諸侯が君主の命を秉承し、教令・法度に依って天下・万国を巡行し、百官の政事を明察するも、僭乱・擅権の心なきがごとし。功労あれば君主に帰し、自ら誇耀せず、功成の後退き下りて君主に復命す。しかるに一旦金烏(日)と玉兎(月)が勢均力敵し相持・抗衡すれば、月光は極盛にして威勢は加重し、盈数は已に満ち理勢は已に極まり、危亡の災は顷刻の間に驟然と頭に臨む。ここにおいて太陽はその光華を奪い、暗虚の気はその形体を虧損す。小さく僭越すれば小さく虧損を受け、大いに驕縦すれば大いに虧損を受く——これは理数上の必然である。

是以明王在上,月行依道。主不明,臣執勢,則月行失道。大臣用事,背公向私,兵刑失理,則月行乍南乍北。女主外戚擅權,則或進或退朏肭,皆君臣德刑不正之咎也。有不如常,隨其事占其吉凶。月行疾則君刑緩,行遲則君刑急。月之與日,遲疾勢殊,而事勢異也。劉向曰:「是故人君,月有變,則省刑薄斂以修德,恩從肆赦,故春秋有眚災肆赦之義矣。」

ゆえに英明の君王が位に在れば、月は常道に依って運行す。君主が明ならず臣子が権を擅にすれば、月は運行に道を失う。大臣が権を專らにし事を用い、公義を背棄し私利に趨向し、兵事・刑法が条理を失えば、月は忽ち南し忽ち北して偏行す。女主・外戚が権を擅にすれば、月は時に進み時に退き、「朏」(月初に明を生ずること早過ぐる)、「肭」(月行が退縮して及ばざる)の類の失序の変を現ず。これらは皆君臣の徳教・刑政が端正ならざるの招き致す過咎である。およそ月行に常度に合わざる処あれば、皆応ずる事に随って吉凶を占断す。月行が速ければ、君主が刑を用うるに寛緩を主り、月行が慢なれば、君主が刑を用うるに急峻を主る。月と日と相い比べ、快慢の勢い相同じからず、対応する事勢もまた相同じからず。劉向にいう、「これがために君主が月の変異の出現するに遇えば、応に刑罰を減省し賦斂を軽減してもって徳行を修養し、広く恩沢を施し罪人を赦免すべし。ゆえに《春秋》に災異によって過失を寛赦する義例あるなり」。

月若變色,將有災殃。青為飢而憂,赤為爭與兵,黃為德與喜,白為旱與喪,黑為水,人病且死。月若晝明者,月為臣,日為君,臣以明續君,當在其時,不可與君爭力竟能。晝明者,此奸邪並作,不救,則失其行而必毀矣。其救也,出退強臣,斷絕奸佞,近忠直,親賢良,則月得其行,不專明矣。是故人君宰相不從四時行令,刑罰不中,大臣奸謀,黜賢蔽能,則日月無光而見瑕謫矣。不救其行,五穀不成,六畜不產,人民上下不從,盜賊並起。

月がもし顔色を変えれば、将に災殃あらん。青を発すれば飢饉と憂患を主り、赤を発すれば争闘と兵事を主り、黄を発すれば徳政と喜慶を主り、白を発すれば旱災と喪事を主り、黒を発すれば水災を主り、百姓は病に生じ乃至死亡す。月がもし白昼に光を放てば——月は臣を象徴し日は君を象徴す。臣子は応に君主の光明を接続し、各々その時に当たるべく、君主と強を争い能を鬥わすべからず。白昼に月が明亮なるは、奸邪の徒が一斉に興作するを説明す。挽救を加えざれば、月はその常道を失い必ず虧毀せん。挽救の办法は、強横の臣を斥退し、奸佞の輩を杜絶し、忠直の士に親近し、賢良の才を任用す。こうすれば月は常道に回帰し、再び日と明を争わざるべし。ゆえに君主・宰相がもし四時の節令に按って政を施さず、刑罰当ならず、大臣が心に奸謀を懐き、賢者を貶黜し能人を埋没せば、日月は光輝を失い瑕疵・斑点を顕現す。この失道の行を挽救せざれば、五穀は成熟能わず、六畜は繁育能わず、百姓は上下心を離れ服せず、盗賊は一斉に興起す。

月出非出所,行非其路,皆女主失行,姦通內外陰謀,小國兵強,中國民飢,下欲僭權矣。月生正偃,天下有兵,合無兵,人主凶。月行急,未當中而中,未當望而望,皆為急。兵大戰,軍破將死,大臣執政逼君,主將有女主擅權,天下亂,易宗廟。月未當缺而缺,大臣滅,女主黜,諸侯世家絕。月再中,帝王窮。

月が出現すべからざる方位から升起し、走ること応に走るべき路径にあらざれば、皆女主の行為が失検にして、内外私通し暗に陰謀を結ぶを主る。小国の兵力が強盛にして、中原の百姓飢饉し、下位の者が僭越・奪権せんと欲す。新月の初生の時月体が仰卧して偃のごとく両角は上に朝けば、天下に兵事あるを主る。もし両角が合攏すれば、兵事なからんも、君主に凶あり。月の運行が急過ぎ、行くべからざる中天に已に至り、至るべからざる望日に已に円満するは、皆「急」に属し、大規模の交戦・軍隊の潰敗・将領の戦死を主り、大臣が政を執りて君主を逼迫するか、或いは女主の擅権の出現せんとし、天下大乱し宗廟は主を易う。月が虧缺すべからざるに已に虧缺すれば、大臣が誅滅せられ、女主が貶黜を遭い、諸侯・世家は断絶するを主る。月が一夜の中に二度中天に行き至れば、帝王の気数が窮尽するを主る。

月當出而不出,有陰謀,有死王,天下亂。月未當上弦而弦,國兵起;未當下弦而弦,臣下多奸詐。當盈而不盈,君侵臣,則大旱之災。未當盈而盈,臣欺君,有兵。月初生而盛,女主持政。大月八日,小月七日,昏中過度,有兵事,如不及度,喪事。月生五日,而昏中已後盛,君無威德,佞臣執權柄,民背君,尊其臣。

月が出現すべきに出現せざれば、陰謀あり君王の死亡あるを主り、天下大乱す。月が上弦の期に至らざるに已に弦形を成せば、国中に兵事の興起を主る。下弦の期に至らざるに已に弦形を成せば、臣下が多く奸詐を行うを主る。円満すべきに円満せざれば、君主が臣下の分位を侵奪し、将に大旱の災を招致せんとするを主る。円満すべからざるに已に円満すれば、臣下が君主を欺瞞し、将に兵事あらんとするを主る。月が初めて生ずるに格別に明盛なれば、女主が朝政を把持するを主る。大月の初八・小月の初七に、黄昏の時月が已に中天を越過すれば、兵事あるを主る。もしなお中天に行き至らざれば、喪事あるを主る。月が生じて第五日に、黄昏以後月色が格別に明盛なれば、君主に威徳なく、奸佞の臣が権柄を把持し、百姓が君主に背き臣子を尊奉することを主る。

月前望西缺,後望東缺,名反月,臣不奉法制度,侵奪主勢,無救,為湧水,兵起。(其救也,止刑罰,誅奸猾,任賢而稽疑,定謀事成,則月變不為傷亡也。)月當晦而不盡,所宿國亡地。月初生小而形廣大者,有水災。月大而體小者旱,有氣色非常,皆為皇后陰謀事。

月が望日以前に西辺で虧缺し、望日以後に東辺で虧缺するを、これを「反月」と呼び、臣子が法度・制度を奉行せず、君主の権勢を侵奪するを主る。挽救を加えなければ、洪水が暴漲し兵事が興起するであろう。(挽救の办法は、刑罰の濫用を停止し、奸猾の徒を誅除し、賢才を任用して彼らに疑難を諮詢す。謀議が既定し事が弁成すれば、月の変異は傷亡を醸成しない。)月が晦日に至っても完全に隠れ尽くさなければ、月の宿する星宿に対応する国が土地を喪失するを主る。新月の初生の時月体が小さいに拘らず形状が寛広・博大に見えるは、水災あるを主る。月体がもと大きくして見るに反って小さく見えるは、旱を主る。もし月の気色が反常なれば、皆皇后に陰謀の事あるを主る。

月始生有黑雲貫月,名激雲。或一或二,或三或四,不出三日,有暴雨。月上有黃芒,君福昌,皇后喜。月生刺,是謂賊臣生中國。月生牙齒,女主后妃亂,天下兵起。月生爪牙,入主賞罰不行。一占云:人君左右,宜防刺客。

月が剛く生ずる時に黒雲が月体を横貫するを、これを「激雲」と呼ぶ。あるいは一道、あるいは两道、あるいは三道、あるいは四道あれば、三天を出でず暴雨あり。月の上方に黄色の光芒あれば、君主の福沢が昌盛し、皇后に喜あるを主る。月体に芒刺を生ずれば、これを奸賊の臣が中原に出生するを主る。月体に牙歯のごとき缺口を生ずれば、女主・后妃が作乱し天下に兵起るを主る。月体に爪牙の形を生ずれば、君主の賞罰が施行し得ざるを主る。另一の占法にいう、君主の左右の近侍の中、応に刺客を提防すべし。

月望而中蟾光不見者,所宿之國山川大水,城陷民流,亦為女主宮中不安。月出復沒,天下亂。月分為兩道,無道之君失天下。月墜於天,有道之臣亡。月出子地中,庶民出為王。

望日の月は円満すれども、月中の蟾蜍の影は見るべからざるは、月の宿する星宿に対応する国の山川が泛濫して大水し、城池が陥没し百姓が流散し、また女主が宮中で安寧を得ざるを主る。月が升起して後に重ねて隠没すれば、天下大乱を主る。月体が分裂して两道となれば、無道の君が天下を失うを主る。月が天上から墜落すれば、道を守る臣の死亡を主る。月が正北・子位の地下から升起すれば、庶民の中に王を称する人の出現を主る。

兩月並出相重,急兵至。三月並見,其分有立諸侯,而女主有競。兩月並出,天下治兵,異姓大臣爭朝勢為害,王者選能授之。月重出,皆為暴兵殘害天下亂首,將有亡天下之象也。

二つの月が一同に出現して彼此相重なれば、緊急の兵禍の到来を主る。三つの月が同時に出現すれば、その分野の地に人の諸侯に立てられるあり、しかして女主の間が互いに争競するを主る。二つの月が一同に出現すれば、天下が兵備を整治し、異姓の大臣が朝中の権勢を争奪して禍害を醸成するを主り、君王は応に賢能の人を選取して職任を授与すべし。月が重複して出現するは、皆暴虐の兵禍が生民を残害し、天下動乱の禍首が将に起らんとするを主り、行に天下を喪失せんとする徴象である。

餘於大業九年在江都,時年十三,寓遊彼土。正月內,因送孝於城東。是時正月二十七日旦起,東方有二月,見之相去二尺許,分明在箕斗之間,眾懼見之。俄而玄感於黎陽起逆,朱燮、管崇又殘賊於江南,天下因此遂兵賊相掠,至於滅亡,此尤大效也。

私は隋煬帝・大業九年に江都に住し、当時十三歳で、あの一帯に客居して游学していた。正月の内、城東に送葬・行孝したがために、その日はちょうど正月二十七日・清晨に起身する時で、東方に二つの月が出現し、見るに彼此相距ること二尺ほどで、清清楚晰として箕宿と斗宿の間に懸り、衆人は見て皆恐懼した。まもなく楊玄感が黎陽で起兵して叛乱し、朱燮・管崇もまた江南で百姓を残害した。天下はこれより兵匪が交々劫掠し、隋朝が覆亡するまで続いた——これはさらに一度の極めて大きい応験であった。

東方小月承大月,小國毀,大國伐之為主。凶在西方。小月承大月,小邑勝;大月承小月,大邑勝。月兩弦中間,光盛面多眾,或二或三,或四或五,乃至十月並見,皆為天下分裂,天子政在諸侯,諸侯自立,諸侯傍氣象,皆與日占大同。

東方に小月が大月を托承すれば、小国が毀され、大国がそれを討伐して盟主となるを主り、凶事は西方に応ず。小月が大月を托承すれば、小邑の取勝を主り、大月が小月を托承すれば、大邑の取勝を主る。上弦と下弦の間に、月光が盛大にして月面が見るに衆多で、あるいは二つ、あるいは三つ、あるいは四つ、あるいは五つ、甚至十箇の月が一同に出現するは、皆天下の分裂を主り、天子の政柄が諸侯の手に落ち、諸侯が各自称立す。諸侯の応ずる旁気の象に至っては、占法は皆前の日旁気占と大致相同じい。

月と五星の相干犯占第八

凡五星及列宿與月相蝕相薄,皆凶。歲星蝕月,有大喪,女主死,臣弒君易主。熒惑蝕月,讒臣貴,後宮女有害主者。填星蝕月,女主凶,當有黜者,有喪。太白蝕月,易大將,將死。辰星蝕月,有大水。五星入月中,其分野有逐君,大臣賊主。

およそ五星および二十八宿が月と互いに掩蝕し互いに逼近するは、皆凶を主る。歳星(木星)が月を掩蝕すれば、大喪あり、女主が死亡し、臣子が君主を弑殺して国主を改換するを主る。熒惑(火星)が月を掩蝕すれば、讒を進める臣が貴を得、後宮の女子の中に君主を謀害する人あるを主る。填星(土星)が月を掩蝕すれば、女主に凶あり、当に廃黜せられる人あるべく、かつ喪事ありを主る。太白(金星)が月を掩蝕すれば、大将を更換し将領が死亡するを主る。辰星(水星)が月を掩蝕すれば、大水あるを主る。五星が月体の中に入れば、その分野に国君を駆逐する事あり、大臣が君主を謀害するを主る。

月蝕五星,若舍皆其分,有災。月凌歲星,年多盜賊,刑獄煩。月與歲星同光,即有飢亡。(土同。)月與歲星同宿,其年疫疾。月與熒惑相犯,戰勝之國大將死,天下有女主之憂。月與熒惑同光,內亂且飢。月吞滅熒惑,國敗。月犯填星,女主敗喪。(魏青龍二年十月乙丑,月犯填星。三年正月,太后郭氏崩。晉安帝隆安四年正月乙亥,填在牽牛、月頻犯之。七月壬子,皇太后李氏崩。)填星入月,不出四旬,有土功事。若犯,貴人絕無後。

月が五星を掩蝕するに、もし居る星宿がちょうどあの星の分野に当たれば、災禍あり。月が歳星を欺凌すれば、当年に盗賊衆多にして刑獄が煩雑なるを主る。月と歳星と光色相同じければ、飢饉・死亡あるべし。(月と填星と光色相同じければ、占断相同じい。)月と歳星と同じ一宿に処れば、当年に疫病流行するを主る。月と熒惑と互いに侵犯すれば、戦勝の国の大将が死亡し、天下に女主の帯び来たる憂患あるを主る。月と熒惑と光色相同じければ、内乱あり且つ飢饉あるを主る。月が熒惑を呑没すれば、国家の敗亡を主る。月が填星を侵犯すれば、女主の敗亡・喪あるを主る。(魏・青龍二年十月乙丑、月填星を犯す。三年正月、太后の郭氏去世す。晋安帝・隆安四年正月乙亥、填星は牽牛宿に位し、月が屡々それを犯す。当年七月壬子、皇太后の李氏去世す。)填星が月体に入れば、四十天を出でず、土木の役を興造するあらん。もしただ相犯するのみならば、貴人が絶嗣して後なきを主る。

太白入月中不見星者,臣殺主。月蝕太白,國君亡,臣弒主。月犯太白,將有兩心。戴太白,有卒兵。月生三日,刺太白之陽。陽國大邑勝,小邑損。月刺太白之陰,兵在外者未及入,在內者不及出。月與太白合宿,太子死。

太白が月体の中に入って星光が隠没して見えざるは、臣子が君主を殺害するを主る。月が太白を掩蝕すれば、国君が敗亡し臣子が君主を弑殺するを主る。月が太白を侵犯すれば、将領が二心を懐くを主る。月の上方に太白を戴けば、倉卒の間に爆発する兵事あるを主る。月生第三日に、月芒が太白の南面・陽位に刺向すれば、南方の国の大城が取勝し小邑が損を受くるを主る。月芒が太白の北面・陰位に刺向すれば、外に在る軍隊は回師するに及ばず、内に在る軍隊は出動するに及ばざるを主る。月と太白と同宿相合すれば、太子の死亡を主る。

太白在西方始見,在月北為得行,在月南為失行,西方先起兵者敗。太白與月相去三尺,有憂軍。與月相去二尺,有憂城。與月相去一尺,有拔城。太白入月中不出,客將死;出者,主人將死。無軍,大將當之。

太白が剛く西方に出現する時、月の北に位するを「得行」と呼び、月の南に位するを「失行」と呼ぶ。この時西方に先に兵を動かす一方が敗北す。太白と月と相距ること三尺なれば、軍旅の憂あるを主り、相距ること二尺なれば、城守の憂あるを主り、相距ること一尺なれば、城池の攻抜せらるるあるを主る。太白が月体の中に入って出ざれば、客軍の将領が死亡するを主り、出れば、主軍の将領が死亡するを主る。もし軍事行動なければ、大将の身に応験すべし。

太白出東方,在月南,中國勝。在月北,中國敗。出西方,在月北,負海國勝;在月南,負海國敗。金火與月相近,其間六寸,天下有兵;間一尺,天下憂;尺五已來,無害。

太白が東方に出現して月の南に位すれば、中原の取勝を主り、月の北に位すれば、中原の失敗を主る。太白が西方に出現して月の北に位すれば、山に背き海に面する国の取勝を主り、月の南に位すれば、山に背き海に面する国の失敗を主る。金星・火星と月と相靠近して彼此相隔つこと六寸なれば、天下に兵事あるを主り、相隔つこと一尺なれば、天下に憂あるを主り、相隔つこと一尺五寸以上なれば、妨害なし。

太白出西方似月,三日候之,與月並出。間容一指,軍在外,期十日,有破軍死將,客勝。容二指,期十五日,有破軍死將,主人小勝。容三指,期二十日,有破軍死將,客軍大勝,主人亡地。容四指,期二十五日,客軍入境,主人不勝。容五指,期三十日,軍陣不戰。

太白が西方に出現し、形状が見るに月のごとく、連続三天それと月とが一同に出現する情形を観測す。両者の間の空隙が一指を容るる可くば、もし軍隊が外にあれば、期限十天、軍隊の潰敗・将領の戦死する事あり、客軍が取勝す。空隙が两指を容れれば、期限十五天、軍隊の潰敗・将領の戦死する事あり、主軍が小勝す。空隙が三指を容れれば、期限二十天、軍隊の潰敗・将領の戦死する事あり、客軍が大勝し主軍が土地を喪失す。空隙が四指を容れれば、期限二十五天、客軍が主軍の境内に攻め入り、主軍は取勝し得ず。空隙が五指を容れれば、期限三十天、両軍は陣を列すれども交戦せず。

太白以月未盡一日,晨出東方,與月並出,候之以指。容一指,十日,有破軍死將,主人不勝。容二指,十五日,客大破,主人得地。容三指,期二十日,有破軍死將,主者亡地。容四指,期二十五日,客軍大敗。容五指,期三十日,軍陣不戰。(金同。)

太白が一月将に尽きんとして一日のみ余る時に、清晨東方に出現し、月と一同に升起すれば、手指をもって二者の間距を測量す。空隙が一指を容れれば、十天以内に軍隊の潰敗・将領の戦死する事あり、主軍は取勝し得ず。空隙が两指を容れれば、十五天以内に客軍が大敗し、主軍が地を得る。空隙が三指を容れれば、期限二十天、軍隊の潰敗・将領の戦死する事あり、主軍が土地を喪失す。空隙が四指を容れれば、期限二十五天、客軍が大敗す。空隙が五指を容れれば、期限三十天、両軍は陣を列すれども交戦せず。(太白はすなわち金星。占法はこれと相同じい。)

月犯辰星,辰星入月中,有水行事起,不出三旬,內有匿謀,春夏大水。晉孝武太元十三年十一月戊子,辰星入月在危,是時濤水入石頭,春大雨,牛馬疾疫,穀貴,不出百日也。

月が辰星を侵犯するか、あるいは辰星が月体の中に入れば、水利工役の興起あるを主り、三十天を出でず、朝廷の内に隠秘の図謀あり、春夏の際に大水を発生す。晋孝武帝・太元十三年十一月戊子、辰星が月中に入り、危宿に位した。当時江潮が石頭城に倒灌し、春に大雨止まず、牛馬が疫に染まり、穀価が騰貴し——これらは皆一百天以内に応験した。

月干犯列宿占第九

角:月犯角,天子大人惡之,大人有憂獄事,天下大凶。犯左、右角,大戰,大臣當之。有憂喪。兩軍相當。犯左角,大戰將死;右角,廷尉死。月在角中行,為出天門中道,百姓安寧,歲美無兵。出右角,北胡王死,天下多雨。行中道之南,南君惡之,大臣不輔。

角宿。月が角宿を侵犯すれば、天子と大人がこれがために憂悪し、大人に刑獄の憂あり、天下大凶を主る。左角・右角を侵犯すれば、大戦あるを主り、大臣の身に応験し、かつ喪憂あり、両軍もまた将に対峙せんとす。左角を侵犯すれば、大戦にして将領が死亡するを主り、右角を侵犯すれば、刑を掌る廷尉の死亡を主る。月が左右両角の間を穿行するを、天門の中道を走出すと呼び、百姓安寧・年成豊美にして兵事なきを主る。月が右角から出れば、北方の胡王の死亡・天下に雨多きを主る。月が中道の南に行けば、南方の君がこれがために憂悪し、大臣が力を尽くして輔佐することを肯んぜざるを主る。

亢:月犯亢,其國將死。月蝕亢,大人多死疫癘,在朝廷之臣為始。月在亢,有變,王者佈政失理,宜省刑罰。氐:月犯氐,天下兵起。晉孝武太元三年二月癸亥,月入氐,大將軍韋楷率兵襲汝南,苻堅及子等十餘萬人寇襄陽。是年大兵。月蝕氐,及犯在氐有變,皆為宮中陰謀,大人女主,宿止不安,刑政失理,天下飢亂,兵寇賊起。

亢宿。月が亢宿を侵犯すれば、その国の将領の死亡を主る。月が亢宿を掩蝕すれば、大人が瘟疫に多く死し、朝廷の臣をもって最先に応験すを主る。月が亢宿に在りて変異あれば、君王が政令を布施するに条理を失い、応に刑罰を減省すべきを主る。氐宿。月が氐宿を侵犯すれば、天下に兵起るを主る。晋孝武帝・太元三年二月癸亥、月氐宿に入る。大将軍の韋楷が兵を率いて汝南を襲撃し、苻堅と彼の兒子らが十余万の衆を率いて襄陽を進犯し、この年大いに干戈を動かした。月が氐宿を掩蝕し、および氐宿を侵犯し、氐宿に在りて変異を発生するは、皆宮中に陰謀あり、大人と女主の居処が安ならず、刑罰・政令が条理を失い、天下飢饉・動乱し、兵寇・盗賊興起するを主る。

房:月犯蝕房上將,上將誅。犯蝕次將,次將誅。上相、次相亦然。月行房南一丈,兵起,天子旁有亂臣,歲有大水,七月期。月行天駟中,經歲安寧,五穀熟。月行太陽,天下亂,民事失,民啼哭,陽道未窮而死;月行太陰,天下後起,陰道未窮而作。月出中道,天下和平,利以稱兵。月變於房,名寶出,駟駕滿野,將不安,失時令。

房宿。月が房宿の上将星を侵犯または掩蝕すれば、上将の誅せらるるを主り、次将星を侵犯・掩蝕すれば、次将の誅せらるるを主り、上相星・次相星もまた同様。月が房宿の南一丈の処を運行すれば、兵事興起し、天子の身辺に乱臣あり、当年に大水あり、期限は七月に在るを主る。月が天駟(房宿四星)の中を穿行すれば、整年安寧・五穀豊熟を主る。月が房宿北辺の太陽道を経行すれば、天下大乱し、民事荒废し、百姓号哭し、陽道の数尽きずして人已に先に死するを主る。月が房宿南辺の太陰道を経行すれば、天下に後起の事あり、陰道の数尽きずして事已に発作するを主る。月が両服の間の中道から穿出すれば、天下和平・挙兵に宜しきを主る。月が房宿に変異を発生するを「名宝出」と呼び、車馬・駕乗が野に遍く奔走し、将領安ならず、政令に時宜を失する有るを主る。

心:月犯心,主命惡之,其宮內亂,臣有逆者。月犯心中,人王遇害,有大賊,國人亂。月乘心,其國相死。出心太北,國旱,宗廟災。出心太南,君憂,且有兵起。月變於心,人主有憂,兵在外,大將易。無兵,太子事,亦為天子計失於刑罰。尾:月犯尾,貴戚有誅者,其國將軍死。月在尾,後宮有爭,人君子孫不吉。箕:月入箕,糴大貴,天下旱,飢死過半,人君號令,傷於酷暴,百姓失所。月在箕,後宮政教失,女主乖怨,有暴風。失行於箕者,大風。

心宿。月が心宿を侵犯すれば、君主の性命がこれがために憂悪し、その宮廷の内に乱を生じ、臣子の中に叛逆の人あるを主る。月が心宿中央の大星を侵犯すれば、君王が害に遇い、国中に大盗あり、国人作乱するを主る。月が心宿を凌乗すれば、その国の国相の死亡を主る。月が心宿より北に偏出して太遠きは、国中の旱災・宗廟の火に遭うを主る。心宿より南に偏出して太遠きは、君主に憂あり、かつ兵事の興起あるを主る。月が心宿に変異を発生すれば、君主に憂あるを主り、もし軍隊が外にあれば大将を更換し、もし兵事なければ太子の身に応じ、また天子が刑罰の上に籌算を失するを主る。尾宿。月が尾宿を侵犯すれば、皇親・貴戚の中に誅殺せらるるあり、その国の将軍死亡するを主る。月が尾宿にあれば、後宮に争闘あり、君主の子孫が吉ならざるを主る。箕宿。月が箕宿に入れば、米価大いに貴く、天下乾旱し、飢餓して死する人が半数を過ぎ、君主の号令が厳酷・暴虐に傷られ、百姓が流離・失所するを主る。月が箕宿にあれば、後宮の政教が失序し、女主が乖戾・怨懟し、将に暴風あらんとするを主る。月が箕宿に在りて常道を失いて運行するは、大風を刮くを主る。

南斗:月行於南斗,大臣誅,大將及近臣去,將軍死,女主凶。(《宋書志》稱:晉哀帝興寧三年七月庚戍,月犯斗。來年五月戊寅,皇后庾氏崩。安帝義熙元年三月已巳,月掩斗第五星,至八月丙戌,頻掩之。是年三月始興太守徐道覆反。四月,盧循起湘中。五月,循破劉稷。自是京畿大臣多戮死也。)月入斗魁,大人憂,太子辱,宮中有賊。月一歲三入南斗,有德令,有兵起。月在斗有變,易相,爵祿失,大臣有憂刑戮,及將相非理食祿,更易天子法令者。月乘斗,色惡,蒼芒,丞相死。月宿斗,為風雨。月蝕斗,群臣憂國亂。

南斗宿。月が南斗に行入れば、大臣の誅せらるる、大将および近臣の位を去る、将軍の死亡、女主に凶あるを主る。(《宋書・天文志》に記載す。晋哀帝・興寧三年七月庚戌、月南斗を犯す。第二年五月戊寅、皇后の庾氏去世す。安帝・義熙元年三月己巳、月が斗宿第五星を掩蔽し、八月丙戌に至り、また接続してそれを掩蔽す。这一年三月、始興太守の徐道覆が反叛し、四月、盧循が湘中に起兵し、五月、盧循が劉稷を撃破す。これより京畿の大臣に誅殺せらるる者多し。)月が斗魁の中に入れば、大人に憂あり、太子が辱を受け、宮中に奸賊あるを主る。月が一年の内に三たび南斗に入れば、徳政の号令を頒行するを主り、また兵事の興起を主る。月が斗宿に変異を発生すれば、宰相を更換し、爵位・俸禄に失あり、大臣が刑戮に憂い、および将・相が功なくして禄を食み、擅自に天子の法令を改むるを主る。月が斗宿を凌乗して気色悪劣にして蒼茫の状を呈すれば、丞相の死亡を主る。月が斗宿に宿れば、風を刮き雨を降らすを主る。月が斗宿を掩蝕すれば、群臣の憂懼・国家の動乱を主る。

牽牛:月犯牛,牛疫,牛馬羊暴貴,犧牲之官有憂,將軍奔,道路關梁阻,天下有詐,谷大貴,大國有憂,將軍死。一曰牛多病。月在牛有變,關梁閉塞,將有農令犧牲之事,四足蟲疾矣。月乘牛,有大水,人相棄於道。

牽牛宿。月が牛宿を侵犯すれば、牛只が疫に染まり、牛・馬・羊の価格が暴漲し、祭祀・犠牲を掌管する官員に憂患あり、将軍が奔逃し、道路・関卡・橋梁が阻害され、天下に欺詐多く、穀価大いに貴く、大国に憂あり、将軍死亡するを主る。另一説は牛只の多病である。月が牛宿に変異を発生すれば、関卡・橋梁の閉塞し、将に農事政令と祭祀・犠牲に関する事あり、四足の牲畜に疫病の発生あるを主る。月が牛宿を凌乗すれば、大水あり、人々が道路上で彼此に拋棄するを主る。

須女:月犯女,女子凶,憂疾患女惑之事,其國有憂,將軍死。(晉孝武大元二年八月戊辰,月入女。八月,征西將軍桓豁率。十月乙未,犯女,壬寅,尚書令王彪之卒也。)有改易高下貴賤,女工興,有女令。月在女有變,有兵不戰而降。又曰嫁女娶婦之事,亦為女主布帛。

須女宿。月が女宿を侵犯すれば、女子に凶あり、疾病および女色の迷惑によって起る事に憂い、その国に憂あり、将軍死亡するを主る。(晋孝武帝・太元二年八月戊辰、月女宿に入る。同月、征西将軍の桓豁が兵を統して出征す。十月乙未、月女宿を犯す。壬寅日、尚書令の王彪之去世す。)このほかもまた尊卑・貴賤の次序の更易あるを主り、女紅・織作が興盛し、婦女に関する政令を頒行す。月が女宿に変異を発生すれば、軍隊が交戦を経ずして帰降するあるを主る。又説は嫁女・娶婦の事を主り、また女主の掌る布帛の事を主る。

虛:月犯虛,天下大虛,虛邑復盛,天下政亂,國有憂,將軍死,百姓飢,哭泣不已,有陵廟事也。月蝕虛危,人多去其室,有大戰。月變於虛,有土功在外,軍人飢。危:月蝕危。不有崩主,必有大臣喪,天下改服,將有墳墓哭泣之事。月犯危,治臺樓蓋屋者多,天下亂,將軍死。月在危有變,將有哭泣死喪、墳墓蓋屋動眾之事。

虚宿。月が虚宿を侵犯すれば、天下空虚・匱乏し、原本荒废した城邑が重ねて興盛し、天下の政事が紊乱し、国家に憂あり、将軍死亡し、百姓飢饉し、哭泣止まず、かつ陵墓・宗廟の事あるを主る。月が虚宿・危宿を掩蝕すれば、許多の人が自らの居室を離れ、大戦の発生あるを主る。月が虚宿に変異を発生すれば、外地に土木の工程を興辦し、軍士が挨餓するを主る。危宿。月が危宿を掩蝕するは、君主の駕崩ならざれば、必ず大臣の喪亡あり、天下が服色を改換し、将に墳墓・哭泣の事あらんとするを主る。月が危宿を侵犯すれば、台榭・楼閣を修造し房屋を蓋造する事多く、天下動乱し、将軍死亡するを主る。月が危宿に変異を発生すれば、将に哭泣・死喪あり、墳を修り屋を蓋いて衆人を労する事あらんとするを主る。

室:月犯蝕室,及在室有變,國亂有憂,將亡地失。若宗廟有毀,將相有死者,王者自將兵,宿在離宮,不安正寢,宜修文德、設武備、振軍旅以應之。東壁:月犯蝕東壁及在壁有變,大人為亂,人民多死,兵在外,軍人大驚,近臣去,將軍死,軍糧絕,將軍有謀,將有府庫土功之事。月宿壁,不雨則風。(斗同。)蝕壁,有開閉之事,大臣戮,有文章者執。

室宿。月が室宿を侵犯または掩蝕し、および室宿に変異を発生するは、国中が動乱して憂あり、将に土地を喪失せんとするを主る。もし宗廟に毀壊あれば、将・相の中に死亡の人あり、君王は自ら兵を領し、夜に離宮に宿して正寝に安処し得ず。この時宜しく文徳を修明し武事を整備し軍旅を振作してもって応対すべし。東壁宿。月が東壁を侵犯または掩蝕し、および壁宿に変異を発生するは、大人作乱し、百姓の死する者多く、軍隊が外に在る時軍士が大いに驚擾せられ、近臣が位を去り、将軍死亡し、軍糧断絶し、将軍に別に図謀あり、かつ将に府庫の財物と土木の工程の事あらんとするを主る。月が壁宿に宿れば、雨降らざれば風を刮かん。(月が斗宿に宿れば、占断相同じい。)月が壁宿を掩蝕すれば、関閉・開啓の事あり、大臣が殺され、文才ある人が拘捕せらるるを主る。

奎:月犯奎,若在奎有變,大人亂,大臣凶,人多死憂,將軍有謀,有溝瀆女子之事。月犯奎大星,乳婦多死,邊民不安,有大水。月蝕奎,大將軍戰死。婁:月犯蝕變於婁,有兵在外,不戰而和,有聚斂之事,多有搜狩弋獵之事,民多獄怨,國君納女,遊獵無度,大人憂,將軍死。胃:月犯蝕變於胃,其國有憂,將軍死,鄰國有暴兵,天下谷無實,有倉廩賦斂之事,小國兵起不戰,有霜,以夷狄為憂,民多病。

奎宿。月が奎宿を侵犯するか、あるいは奎宿に変異を発生するは、大人作乱し、大臣に凶あり、衆人の死亡・憂患多く、将軍に別に図謀あり、かつ沟渠・水道と女子に関する事あるを主る。月が奎宿の大星を侵犯すれば、産婦の死亡多く、辺地の百姓安ならず、大水あるを主る。月が奎宿を掩蝕すれば、大将軍の戦死を主る。婁宿。月が婁宿を侵犯・掩蝕するかあるいは婁宿に変異を発生するは、軍隊が外にありて交戦を経ずして講和するあり、財貨を聚斂する事あり、囲獵・射獵の事多く、百姓が獄訟によって怨を生ずる者多く、国君が女子を納娶し遊獵に節制なく、大人に憂あり、将軍死亡するを主る。胃宿。月が胃宿を侵犯・掩蝕するかあるいは胃宿に変異を発生するは、その国に憂あり、将軍死亡し、隣国に強暴の兵事あり、天下の穀物が結実せず、倉廩・儲積と賦税・徴斂の事あり、小国が兵を興して交戦せず、天が霜災を降らし、夷狄をもって憂患とし、百姓の多病なるを主る。

昴:月犯蝕變於昴,天子破匈奴,有白衣會,貴臣有憂,民離散,去其鄉,獄訟煩苛,無辜獲罪。(檀道鸞《晉陽秋》云:孝武帝寧康元年正月丁未,月掩昴,七月己亥大司馬桓溫薨。安帝義熙五年二月甲子,月犯昴,九月又犯昴,閏月丁酉又犯之,是年宋高祖討鮮卑。十月翌主為其子所殺,六年鮮卑滅胡也。)

昴宿。月が昴宿を侵犯・掩蝕するかあるいは昴宿に変異を発生するは、天子が匈奴を撃破し、白衣を身に着る喪会あり、貴臣に憂あり、百姓が離散し井郷を背き、獄訟が繁苛にして、無辜の人が罪罰に蒙受するを主る。(檀道鸞《晋陽秋》に記載す。晋孝武帝・寧康元年正月丁未、月が昴宿を掩蔽す。当年七月己亥、大司馬の桓温去世す。安帝・義熙五年二月甲子、月昴宿を犯し、九月また昴宿を犯し、閏月丁酉に再度侵犯す。这一年、宋高祖の劉裕が鮮卑を征討し、十月その主は自らの兒子に殺され、義熙六年に鮮卑の国は消滅せられた。)

月行犯昴,北有赤白雲緣月,兵入匈奴有得地;赤白雲不緣月,兵入不得地。月乘昴,天下法峻,水滿野,谷不收。月行觸昴,匈奴受兵。月蝕昴,諸侯黜門戶,大臣有事。月入昴,赦;月出昴,天下有福,大臣匿其罪。月入昴中,胡王死,理官有憂。月蝕昴,貴臣誅,貴女失勢心,月變於昴,兵在外絕食。月犯昴,將軍死,胡不安,或背叛。月行一歲不出昴畢間,來年有兵。

月の運行が昴宿を侵犯するに、北面に赤白色の雲気が月を環繞すれば、兵を出して匈奴を進撃して地を得る能きを主り、赤白色の雲気が月を環繞せざれば、兵を出して地を得る能わざるを主る。月が昴宿を凌乗すれば、天下の法令が厳峻にして、大水が野に漫り、穀物が収成し得ざるを主る。月の運行が昴宿に触及すれば、匈奴が兵禍に遭受するを主る。月が昴宿を掩蝕すれば、諸侯の門第が貶黜せられ、大臣が事故を出すを主る。月が昴宿に入れば、赦令を頒行するを主り、月が昴宿から出れば、天下に福あり、大臣が自らの罪過を隠匿したを主る。月が昴宿の中に入れば、胡王の死亡・刑理を掌る官に憂あるを主る。月が昴宿を掩蝕すれば、貴臣の誅せらるる・貴女が勢を失うを主る。月が昴宿に変異を発生すれば、軍隊が外に在りて糧食を断絶するを主る。月が昴宿を侵犯すれば、将軍の死亡・胡人の安ならず、あるいは背叛あるを主る。月の運行が一整年も昴宿と畢宿の間を離れざれば、来年に兵事あるを主る。

畢:月犯畢,出其北陰,國有憂。月入畢中,將軍死,不則有邊兵,期十月。月犯畢,天子用法誅罰急。若蝕畢,賊臣誅,貴人多死,兵革起。畢星見月中,女君當死,有德令。(晉孝武大元五年五月庚子,月掩畢,六月丁卯又掩畢,進入畢口。九月癸未,皇后王氏崩。)月失行,合陽風,合陰雨。月失行離畢則雨。月犯畢大星,下犯上,臣殺主,大將死。月變於畢,有邊兵之急,邊將刑。

畢宿。月が畢宿を侵犯し、それの北面の陰位から穿出すれば、国家に憂あるを主る。月が畢宿の中に入れば、将軍の死亡を主り、然らざればもまた辺境の兵事あり、期限は十月に在るを主る。月が畢宿を侵犯すれば、天子が法を用いて誅戮するに急峻なるを主る。もし畢宿を掩蝕すれば、奸賊の臣が誅せられ、貴人の死亡多く、兵革興起するを主る。畢宿の星が月体の中に顕現すれば、女君が将に死せんとするを主り、また徳政の号令を頒行するを主る。(晋孝武帝・太元五年五月庚子、月が畢宿を掩蔽す。六月丁卯また畢宿を掩蔽し、かつ畢口の中に入る。九月癸未、皇后の王氏去世す。)月の運行が常道を失い、合して陽道に靠れば風を起し、合して陰道に靠れば雨を降らす。月が道を失いて畢宿を離れれば、すなわち雨を降らす。月が畢宿の大星を侵犯すれば、下に在る者が上に在る者を冒犯し、臣子が君主を殺害し、大将死亡するを主る。月が畢宿に変異を発生すれば、辺境兵事の急報あり、辺将が刑を受くるを主る。

觜觽:月犯觜,小戰,吏多死道路者,或背叛。月變於觜,刑罰之事,將相有殃。(月犯蝕皆同占。)參:月犯蝕參,貴臣誅,赤地千里,其國大飢,人民相食。月變於參,百姓葆旅。月犯左肩,左將戰死;犯右肩,右將死。月犯蝕參伐星,戰,小將死。月宿參伐為風雨。月蝕參伐兵起。

觜觿宿。月が觜宿を侵犯すれば、小規模の戦闘あり、官吏の道路上に死する者多く、あるいは背叛の出現あるを主る。月が觜宿に変異を発生すれば、刑罰の事あり、将・相が殃に遭うを主る。(月が觜宿を侵犯するも掩蝕するも、占断皆相同じい。)参宿。月が参宿を侵犯または掩蝕すれば、貴臣の誅せらるる、赤地千里、その国に大いに飢饉が鬧び、百姓が相食するを主る。月が参宿に変異を発生すれば、百姓が寨を結び自ら保ち、群を成して流徙するを主る。月が参宿の左肩星を侵犯すれば、左将の戦死を主り、右肩星を侵犯すれば、右将の死亡を主る。月が参宿の伐星を侵犯または掩蝕すれば、戦事ありて偏裨の小将が死亡するを主る。月が参・伐の間に宿れば、風を刮き雨を降らすを主る。月が参・伐を掩蝕すれば、兵事の興起を主る。

東井:月犯井,將軍死。(晉孝武大元元年五月戊午,十二月乙卯,月掩東井。六年二月壬子,建威將軍桓副薨。七月甲辰,將軍王邵薨。月犯井左右星,女主憂。魏齊王嘉平三年四月戊寅,月犯井,七月皇后甄氏崩。)月犯井,人主有憂,大水。若水官有黜者,其國有憂,平準水衡之官,刑政不平矣。月蝕井,大臣有謀,皇后不安,五穀不登。月蝕井,內亂之災,以日占其國也。

東井宿。月が井宿を侵犯すれば、将軍の死亡を主る。(晋孝武帝・太元元年五月戊午・十二月乙卯、月が二度東井を掩蔽す。太元六年二月壬子、建威将軍の桓副去世す。七月甲辰、将軍の王邵去世す。月が井宿左右両側の星を侵犯すれば、女主に憂あるを主る。魏・斉王・嘉平三年四月戊寅、月井宿を犯し、七月皇后の甄氏去世す。)月が井宿を侵犯すれば、君主に憂あり、大水あり、あるいは水を掌る官に貶黜せらるるあり、その国に憂あり、平準・水衡の類の官署が刑罰・政令を公ならずするを主る。月が井宿を掩蝕すれば、大臣が心に図謀を懐き、皇后安ならず、五穀が豊収し得ざるを主る。月が井宿を掩蝕するは、内乱の災で、当日の日辰に按ってどの国に応ずるかを推占すべし。

月犯井鉞星,為內亂兵起,破軍殺將,城陷血流。(《宋志》云:魏正始四年十月、十一月,月犯井鉞,是月司馬懿討諸葛恪,恪棄城走。晉穆帝永和十二年六月己未,月犯井鉞,桓溫破姚襄於伊水,北定周地。十二月稿城陷,執段龕三十餘人。)凡月干犯井鉞,秉質,斧鉞用之象。月犯井鉞,大臣誅,斧鉞用。月變於井,以色占。黑,大水,他仿此。

月が井宿の鉞星を侵犯すれば、内乱・兵起り、軍隊潰敗し将領が殺され、城池陥落し血流れて河を成すを主る。(《宋書・天文志》に記載す。魏・正始四年十月・十一月、月井鉞を犯す。当月、司馬懿が諸葛恪を征討し、諸葛恪は城を棄てて逃走す。晋穆帝・永和十二年六月己未、月井鉞を犯す。桓温が伊水で姚襄を撃破し、北に向かって周地を平定し、十二月稿城が陥落し、段龕ら三十余人を擒獲す。)およそ月が井宿の鉞星を衝犯するは、皆それが刑質を執掌し斧鉞を動用する象を取る。月が井鉞を侵犯すれば、大臣の誅せらるる・斧鉞の刑が動用を得るを主る。月が井宿に変異を発生すれば、気色に按って占断すべし。色黒ければ大水を主り、その余の各色は皆これに類推す。

輿鬼:月入鬼,人主憂。(晉咸康七年八月辛丑月犯鬼。來年癸巳,成帝崩,財寶出。)月犯鬼質,秦邦君憂,大臣誅。(魏嘉平二年十月犯鬼,三年五月王陵反,楚王虎等誅之。)月蝕鬼,貴臣女主憂,天下不安,有大喪,謀臣糾彈之官凶。(《宋志》云:魏齊王正始二年九月癸酉,月犯鬼西北星,主金玉。三年二月丁未,又犯西南星,主布帛。占曰:有錢令,大臣憂。三年二月,太尉滿寵薨。青龍二年三月辛卯,月犯鬼。占曰:民多疾疫。是年夏大疫。)

輿鬼宿。月が鬼宿に入れば、君主に憂あるを主る。(晋・咸康七年八月辛丑、月鬼宿を犯す。第二年癸巳日、成帝駕崩し、宮中の財宝が散出す。)月が鬼宿中の積尸質星を侵犯すれば、秦地の邦の国君に憂あり、大臣が誅せらるるを主る。(魏・嘉平二年十月月鬼宿を犯す。三年五月王陵が謀反し、楚王の曹彪らがこれがために誅せらる。)月が鬼宿を掩蝕すれば、貴臣と女主に憂あり、天下安ならず、大喪あり、謀議の臣と糾察・弾劾を掌る官員に凶あるを主る。(《宋書・天文志》に記載す。魏・斉王・正始二年九月癸酉、月が鬼宿西北のあの星を侵犯す——此星は金玉を主る。三年二月丁未、また西南のあの星を侵犯す——此星は布帛を主る。占辞にいう、将に銭幣方面の政令あらん、大臣に憂あり。三年二月、太尉の満寵去世す。青龍二年三月辛卯、月鬼宿を犯す。占辞にいう、百姓に疫病に染まる者多し。这一年夏果して大疫。)

柳:月犯柳,木工興,名木被伐,又有土功事。月蝕柳,王者疾,不安宮室,百姓、貴人以言語坐罪,大臣憂,其地有禍。七星:月犯蝕七星,兵在外戰,皇后、大臣有暴憂,有誅,國大惡。(下蝕列宿同。)月犯七星,輕車戰,國相更政之。張:月蝕張,貴臣失勢,后有憂,君有賜。(下蝕列宿同。)

柳宿。月が柳宿を侵犯すれば、木工が興作し、名貴の樹木が砍伐され、また土木の工程の事あるを主る。月が柳宿を掩蝕すれば、君王が患い、宮室に安処し得ず、百姓と貴人が言語によって罪を獲、大臣に憂あり、その分野の地に禍あるを主る。七星宿。月が七星を侵犯または掩蝕すれば、軍隊が外に在りて交戦し、皇后・大臣に突発の憂患あり、人の誅せらるるあり、国中大いに不祥なるを主る。(以下およそ某宿を掩蝕すと言うは、体例これと相同じい。)月が七星を侵犯すれば、軽車部隊の出戦・国相が政令を変更するを主る。張宿。月が張宿を掩蝕すれば、貴臣が勢を失い、皇后に憂あり、君主に賞賜する所有るを主る。(以下およそ某宿を掩蝕すと言うは、体例これと相同じい。)

翼:月蝕翼,忠臣見譖言,政事亡,飛蟲多死,將軍亡,北夷有兵,女主凶。月變於翼,其國有飛鳥喜,若有獸鳥者。軫:月宿軫,則多風。月蝕軫,則貴臣亡,后不安。月犯軫,月凶喪,車騎出,兵車用,期一年。

翼宿。月が翼宿を掩蝕すれば、忠臣が讒言の中傷に遭受し、政事荒废し、飛虫が大量に死亡し、将軍敗亡し、北方の夷族が兵を興し、女主に凶あるを主る。月が翼宿に変異を発生すれば、その国に飛鳥の帯び来たる喜事あり、あるいは異獣・異鳥の出現あるを主る。軫宿。月が軫宿に宿れば、風多きを主る。月が軫宿を掩蝕すれば、貴臣の死亡・皇后の安ならざるを主る。月が軫宿を侵犯すれば、凶喪の事あり、車騎出動し、兵車啓用し、期限一年を主る。

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