月干犯中外官占第十
《海中占》曰:月入攝提,聖人受制,謀臣在側。(此亦非月行所及,但古人有此占,又為災,或行越變常,以至於此也。)月犯蝕大角,強國亡,戰不勝,大人憂患,有大喪。大角貫月,天子惡之。月犯織女,女主有憂。月犯鉤鈐,駟馬駕,將有行。
《海中占》にいう。月が摂提星に入れば、聖明の人が牽制を受け、謀划に善い臣子がすなわち身旁に在るを主る。(摂提もまた月の運行の到達し得る所ではない。ただ古人にこの一条の占辞あるのみ。これは同様に災異と算えるか、あるいは月が常道を越出し変異・反常して、初めてこのごとくに至った。)月が大角星を侵犯または掩蝕すれば、強国の滅亡し、作戦して取勝し得ず、大人が憂患し、大喪あるを主る。大角星の光芒が月体を貫穿すれば、天子がこれがために憂悪するを主る。月が織女星を侵犯すれば、女主に憂あるを主る。月が鉤鈐星を侵犯すれば、四馬の車が駕起し、将に出行の事あらんとするを主る。
月犯東西咸,主因淫致禍,有陰謀。犯於東咸,必有賊。(晉孝武大元二十一年四月,月犯東咸,吳郡內使王欽發人誡嚴,吳興諸郡響應為賊。)月犯天江,大水,關梁塞。月犯乘天市,粟貴,有更弊之令,大將死,或易政。月入天市及有變於市中者,女主憂,將相有戮於市者,近臣有罪。
月が東咸・西咸星を侵犯すれば、淫乱によって禍患を招致し、陰謀の発生あるを主る。東咸星を侵犯すれば、必ず盗賊あり。(晋孝武帝・太元二十一年四月、月東咸を犯す。呉郡内史の王欽が民衆を徴発し戒厳して変に備え、呉興等の郡が紛紜として応じて盗を為した。)月が天江星を侵犯すれば、大水あり、関卡・橋梁が堵塞するを主る。月が天市垣を侵犯または凌乗すれば、粟米の価貴く、将に弊政を更改する号令あり、大将死亡するか、あるいは執政を更換するを主る。月が天市垣に入るか、あるいは市垣の中に変異を発生すれば、女主に憂あり、将・相の中に市に処死せらるる人あり、近臣が罪を獲るを主る。
月犯侯星,侯有憂。月犯帝座宗星,人主有憂。月犯宦者,侍臣誅。月犯建星,大臣相譖死。(按魏陳留王景元元年二月,月犯建星。是後鍾、鄧相譖,以至夷滅。)月變於建星,有亂臣更天子之法令者。一曰近臣大將死,易將相。
月が侯星を侵犯すれば、諸侯に憂あるを主る。月が帝座星・宗星を侵犯すれば、君主に憂あるを主る。月が宦者星を侵犯すれば、侍奉の臣が誅せらるるを主る。月が建星を侵犯すれば、大臣が互いに讒を進めて以って死に致るを主る。(按す。魏・陳留王・景元元年二月、月建星を犯す。此後鍾会・鄧艾が互いに讒毀し、以って双々夷滅するに至る。)月が建星に変異を発生すれば、乱臣が擅自に天子の法令を改むるあるを主る。另一説は近臣・大将の死亡・将・相の更替を主る。
月犯天弁,天下粟貴,一犯一貴。月犯河鼓,犯左,左將死;犯右,右將死。所中者誅,有軍敗亡。月犯乘大陵,天下盡喪服。星眾,兵革起,死人如丘山;星稀則無。月乘犯捲舌,天下多喪。月乘天尸者,亂臣在內。
月が天弁星を侵犯すれば、天下の粟米価貴く、侵犯一次ごとに騰貴一次するを主る。月が河鼓星を侵犯するに、左星を侵犯すれば左将の死亡を主り、右星を侵犯すれば右将の死亡を主る。衝中せられたあの一顆の星の主する人は誅せられ、かつ軍隊の敗亡あるを主る。月が大陵星を侵犯または凌乗すれば、天下人が皆喪服を穿上るを主る。大陵の中の星数が衆多なれば、兵革興起し、死者は堆積して丘山のごとし。星数が稀疏なれば、この種の応験なし。月が卷舌星を凌乗または侵犯すれば、天下に喪事多きを主る。月が天尸星を凌乗すれば、乱臣がすなわち朝廷の内に在るを主る。
月犯五車,兵起趣駕。月入五車,天庫兵起,道路阻。(一雲天下兵起。劉向五星同占。)月犯天關,有亂臣更天子之法,主關津者有罪,王者憂。月犯南河戒,為中邦凶。北河戒,四方兵起,有喪,大旱,百姓病疫,刑罰峻暴,誅伐不當。
月が五車星を侵犯すれば、兵事興起し・急速に車を駕して出動するを主る。月が五車の中に入れば、天子の武庫中の兵器が動用せられ・兵事興起し、道路が阻害せらるるを主る。(另一説は天下兵起る。劉向の記する五星が五車を侵犯する占断はこれと相同じい。)月が天関星を侵犯すれば、乱臣が擅自に天子の法令を改むるあり、関卡・渡口を掌管する官員が罪を獲、君王に憂あるを主る。月が南河戒星を侵犯すれば、中原の邦に凶あるを主る。北河戒星を侵犯すれば、四方に兵起り、喪事あり、大旱し、百姓が疫病に染まり、刑罰が厳峻・暴虐にして誅伐がその当を得ざるを主る。
月犯北河之中,冠帶國兵起,道阻塞,人君失道,淫女子,金錢貪色奢侈。月行南戒之南,兵旱並起,男子多喪;月行北戒之北,兵水並起,女子多喪。月犯五諸侯,諸侯誅。(宋孝武大明三年四月,月犯五諸侯,時竟陵王誕反,沈慶之攻敗也。)
月が北河二星の間を侵犯すれば、衣冠・礼義の国が兵事を興起し、道路が阻塞し、君主が道を失い、女色に淫乱し、財を貪り色を好み、奢侈に耽るを主る。月が南戒の南に行けば、兵禍と旱災が一同に発生し、男子の死喪多きを主り、月が北戒の北に行けば、兵禍と水災が一同に発生し、女子の死喪多きを主る。月が五諸侯星を侵犯すれば、諸侯の誅せらるるを主る。(宋孝武帝・大明三年四月、月五諸侯を犯す。当時竟陵王の劉誕が反叛し、沈慶之に攻め破られ撃敗せられた。)
月入軒轅中犯乘之,有逆賊,女主憂,若火災。月犯軒轅左右角,臣有誅。乘大民星,大飢,太后宗有誅者。若有罪,犯其端,臣子反,有亂臣,臣子失勢,其所中者,以官名之。犯乘少民星,小飢小流,皇后宗有誅。若有罪,犯御女,御女有憂,御僕死。月犯大星,女主當之。(晉安帝元興三年四月甲午,月掩軒轅第二星。明年七月戊申,永安皇后何氏崩。孝武太元五年七月庚子,月犯軒轅大星。九月癸未,皇后王氏崩。)
月が軒轅星の中に入ってかつそれを侵犯・凌乗すれば、叛逆の賊あり、女主に憂あり、あるいは火災の発生あるを主る。月が軒轅の左角星・右角星を侵犯すれば、臣子の中に誅せらるるあるを主る。大民星を凌乗すれば、大飢饉あり、太后の宗族の中に誅せらるる人あるを主る。もし罪あるが、しかして月がまた軒轅の端首の星を侵犯すれば、臣子の反叛・朝中に乱臣出現し、臣子が勢を失うを主る。衝中した具体はどの一顆の星に至っては、その星の主する官職に按って応験の人を指認す。少民星を侵犯・凌乗すれば、小飢饉・小規模の流亡あり、皇后の宗族の中に誅せらるる人あるを主る。もし罪あるが、しかして月がまた御女星を侵犯すれば、御女に憂あり、御僕が死亡するを主る。月が軒轅大星を侵犯すれば、女主の身に応験す。(晋安帝・元興三年四月甲午、月が軒轅第二星を掩蔽す。第二年七月戊申、永安皇后の何氏去世す。孝武帝・太元五年七月庚子、月軒轅大星を犯す。九月癸未、皇后の王氏去世す。)
月犯少微,處士有憂。(續晉陽秋云:會稽謝敷,字慶緒,隱若邦山,初月犯少微。時載逵名著於敷,時人憂之。俄而敷死,會稽嘲吳人曰:吳中高士,便是求死不得也。)月犯少微,女主憂,宰相易,而憂史官黜。月犯少微南一星,處士憂,第一星,義士憂;第三星,博士憂;第四星,大夫憂。
月が少微星を侵犯すれば、隠居の処士に憂あるを主る。(《続晋陽秋》に記載す。会稽人の謝敷、字は慶緒、若邪山中に隠居す。当初月が少微を犯し、あの時戴逵の名望は謝敷に高過ぎ、人々は皆戴逵のために憂えた。まもなく却って謝敷が死した。会稽人はこれによって呉地の人を譏笑していう、「呉中の高士は、竟に死を求めても求め得られぬか」と。)月が少微星を侵犯すれば、女主に憂あり、宰相が更替し、かつ史官が貶黜せらるるに憂うを主る。月が少微南辺の一星を侵犯すれば、処士に憂あるを主り、第一星を侵犯すれば、義士に憂あるを主り、第三星は、博士に憂あるを主り、第四星は、大夫に憂あるを主る。
月行太微中,皆為大臣有憂,大臣死。月所犯者,天子誅之。亦曰后族擅威,凶。月入太微中,若流星縱橫逕行太微中者,主弱臣強,諸侯、四夷兵不制。行不端,心不正。心不正,有邪欲不受命,有奸人在王庭,四夷難信,月干犯太微庭,出其門為使。月貫太微中而東出,大臣出、王侯入為主。出其中門,臣不臣。月入太微,有喪。(《宋書志》云:晉穆帝昇平五年五月壬寅,月犯太微,是月丁巳穆帝崩。安帝義熙十四年五月庚子又犯太微,九月丁巳,又入太微,是年十二月戊寅,安帝崩。)
月が太微垣の中を経行するは、皆大臣に憂あり・大臣の死亡を主る。月の侵犯したあの星の主する人は、天子に誅殺せらるるべし。もまたこれは後族が威権を擅弄し、凶を為すを主るといい。月が太微垣中に入るか、あるいは流星が太微垣中を縦横に穿行すれば、君主の衰弱・臣下の強横にして、諸侯と四方夷族の兵力が節制を受けざるを主る。これは行事が端ならず心術が正しからざるがゆえに。心術が正しからざれば、邪僻の欲を懐いて君命を奉ぜず、朝廷の上に奸人あり、四方の夷族は取信し難し。月が太微の庭を衝犯し、それの門中から出れば、使者の出行あるを主る。月が太微垣中を貫穿して東辺より出れば、大臣が外放せられ王侯が朝に入りて政を主るを主る。中門から出れば、臣子が臣道を守らざるを主る。月が太微垣に入れば、喪事あるを主る。(《宋書・天文志》に記載す。晋穆帝・升平五年五月壬寅、月太微を犯す。当月丁巳、穆帝駕崩す。安帝・義熙十四年五月庚子また太微を犯し、九月丁巳また太微に入る。这一年十二月戊寅、安帝駕崩す。)
月行左右執法,大臣憂,相繫而死,免者少。月出東掖門,為相受命東南出,德事也;出西掖門,為將受令西南出,刑事也。(上同。)月出太微中華東西門,若左右掖門而出端門者,皆為必有度。(五星同。)月入太微西門,出東門,人君不安,大臣假主之威,不從王命。月犯干太微庭,臣殺主,宜求賢人。人中華西門,出中華東門,皆為臣出令。入太陰西門,出太陽東門,皆為大亂有喪,苦大水。月入西門,犯天庭,出端門,皆為大臣伐主。(《宋志》云:晉恭帝元熙元年正月丙午,三月壬寅,五月丙申,七月乙卯,月皆犯太微。二年六月三日,帝遜位宋高祖。)
月が左執法・右執法星を経行すれば、大臣に憂あり、接続して牽連されて死し、幸免を得る者は少なきを主る。月が太微東掖門から出るは、宰相が命を受けて東南に向かい出行し、徳を施す事に属す。西掖門から出るは、将帥が命を受けて西南に向かい出行し、刑を用うる事に属す。(占断は上条と相同じい。)月が太微の中華東門・中華西門、あるいは左右掖門から入って端門より出るは、皆行事に必ず法度の循うべきあるを主る。(五星このごとくなれば、占断相同じい。)月が太微西門から入り東門より出れば、君主安ならず、大臣が君主の威権を假借し、王命に服従せざるを主る。月が太微の庭を衝犯すれば、臣子が君主を殺害するを主り、この時宜しく賢人を訪求して政を輔けしむべし。中華西門から入り中華東門より出るは、皆臣子が擅自に号令を発施するを主る。太陰西門から入り太陽東門より出るは、皆天下大乱・喪事あり、かつ大水に苦しむを主る。月が西門から入り天庭を侵犯して端門より出るは、皆大臣が君主を攻伐するを主る。(《宋書・天文志》に記載す。晋恭帝・元熙元年正月丙午・三月壬寅・五月丙申・七月乙卯、月皆太微を犯す。元熙二年六月三日、恭帝が位を宋高祖の劉裕に禅譲す。)
月行犯黃帝座,大人憂,天下存亡半,有亂臣,主惡之,臣子反,政大易。月犯四帝座天下亡。月出黃帝座,北禍大,出南禍小,皆為下謀上。月犯太微,乘四輔,大臣誅。月行犯乘守內屏星,皆為群臣失禮,而輔臣有誅者,若免罷。
月の運行が黄帝座星を侵犯すれば、大人に憂あり、天下の存亡が各々半を占め、朝中に乱臣出現し、君主がこれがために憂悪し、臣子が反叛し、政局が大変するを主る。月が四帝座星を侵犯すれば、天下の危亡を主る。月が黄帝座の北辺から出るは、禍を為すこと大。南辺から出るは、禍を為すこと小。皆下位に在る者が上位に在る者を図謀するを主る。月が太微垣を侵犯し四輔星を凌乗すれば、大臣の誅せらるるを主る。月の運行が内屏星を侵犯・凌乗または滞留するは、皆群臣が礼を失い、しかして輔政の臣の中に誅せらるるあり、あるいは職を免ぜられ罷黜せらるるを主る。
月入咸池,天下大亂,人君死,易政。月入三臺,君有大憂患,敗在臣下。月入三臺,大臣為天子,公侯共殺君。月入庫樓,天下兵並起。月宿羽林,軍兵大起。月犯乘北落,皆為天下兵大起。
月が咸池星に入れば、天下大乱し、君主死亡し、政権が更易するを主る。月が三台星に入れば、君主に大憂患あり、禍敗は臣下より起るを主る。月が三台星に入るは、また大臣が自立して天子となり、公侯が合謀して共同で君主を弑殺するを主る。月が庫楼星に入れば、天下の兵事が一斉に興起するを主る。月が羽林星に宿れば、軍隊が大挙して出動するを主る。月が北落師門星を侵犯または凌乗するは、皆天下の兵事が大いに起るを主る。
月入天倉,主財寶出,憂臣在內,天下有兵起。月犯天倉,有移谷。月入天市,軍起。月行弧矢,臣逾主。月變於狼星,陳兵不戰。一曰兵起小戰,有水事。甘氏云:月在天理,臣當坐欲反者而入獄。一曰君大憂。
月が天倉星に入れば、府庫の財宝が外に流散し、君主を憂えしむる臣子がすなわち朝内に在り、天下に兵事の興起あるを主る。月が天倉星を侵犯すれば、主に穀物を転運するを要す。月が天市垣に入れば、軍隊の興起を主る。月が弧矢星を経行すれば、臣子が君主を逾越するを主る。月が天狼星に変異を発生すれば、兵を陳し陣を列して交戦せざるを主る。另一説は兵起りて小規模の交戦あり、かつ水患の事あるを主る。甘氏にいう。月が天理星にあれば、臣子が謀反を意図する人に牽連して以って獄に下るを主る。另一説は君主に大憂あるを主る。
月乘天高,將死,臣有誅。月入咸池,暴兵起。月入天潢中者,皆為兵起。道路阻,天下亂,易政。一曰貴人多死。月犯乘天潢,二十日兵起。月不從天街者,皆為政令不行,不出其年有兵。月行天街中,天下寧,百姓順。月行天街外,百姓凶。月行折威中,天子亡威。
月が天高星を凌乗すれば、将領の死亡し、臣子の中に誅せらるるあるを主る。月が咸池星に入れば、倉卒の兵禍の興起を主る。月が天潢星の中に入るは、皆兵事興起し、道路が阻害され、天下動乱し、政権が更易するを主る。另一説は貴人の死亡多きを主る。月が天潢星を侵犯・凌乗すれば、二十天以内に兵事興起するを主る。月が天街に沿って運行せざるは、皆政令の推行し得ざるを主り、当年を出でず兵事あらん。月が天街の中に行けば、天下安寧・百姓順服を主る。月が天街の外に行けば、百姓に凶あるを主る。月が折威星の中に行けば、天子が威権を喪失するを主る。
月行入哭星,有大喪,主崩。月乘鍵閉星,大人憂,大臣誅,天子不敬,天火害於宗廟,王者不宜出宮,天子崩。月入天積,即蒭藁也。財寶出,主憂臣在內。月行天廄星間,為兵歸。月行天廄,主上不安。月行天淵中,臣逾主。月入中犯乘鈇鑕,皆為鈇鑕用。
月が哭星に行入れば、大喪あり・君主駕崩するを主る。月が鍵閉星を凌乗すれば、大人に憂あり、大臣が誅せられ、天子が敬慎を失い、天火が宗廟を焚害するを主る。この時君王は宮を出るに宜しからず、然らざれば応に天子駕崩の禍あるべし。月が天積星に入れば(天積はすなわち芻藁星)、財宝が外に流散し、君主を憂えしむる臣子がすなわち朝内に在るを主る。月が天廐諸星の間に行けば、軍隊が班師するを主り、月が天廐星を経行すれば、君上の安ならざるを主る。月が天淵星の中に行けば、臣子が君主を逾越するを主る。月が鈇鑕星に入り・侵犯し・または凌乗するは、皆鈇鑕の斬刑が動用せらるるを主る。
月暈占第十一
月暈者,謂之逡巡也。人君乘土而亡,其政失平,則月多暈而圓。月暈,受沖之國不安。月暈,臣下專權之象。四孟月七日,四仲月八日,四季月九日,皆夜當月暈。暈若不以其日,不出三日,有暴風甚雨。月暈,聞皆為其君背約。
いわゆる月暈は、また「逡巡」と呼ぶ。君主が土徳に憑恃するも終に敗亡し、政令が公平を失えば、月は多く暈を生じて暈形が渾円となる。月暈を現ずれば、月と相衝する分野の国が安寧を得ざるを主る。月暈は臣下が権柄を專擅する徴象である。孟春・孟夏・孟秋・孟冬のこの四箇の孟月の初七、四箇の仲月の初八、四箇の季月の初九、この幾つかの夜はもとより応に月暈を現ずべし。月暈がもしこれらの日に現ぜざれば、三天を出でず、暴風・大雨あるべし。月暈を現じ、およそ聞く所有れば、皆その国の君が盟約を背棄するを主る。
月暈,東向者敗五木,西向者且雨而風,害五穀。北向者為水,南向者旱風。月暈明者,王自將兵。月暈七日,無雨大風,兵大作,若土功起。月暈多直,為兵,曲吏逆,則為雨。月暈黃色,將軍益秩。候月暈,常以十二月八日。
月暈が東方に偏向するは、五種の木類作物を損敗するを主り、西方に偏向するは、将に雨を降らし且つ風を起し五穀を損害せんとするを主り、北方に偏向するは水災を主り、南方に偏向するは旱災と大風を主る。月暈が格別に明亮なるは、君王が自ら兵を領するを主る。月暈の後七天以内に雨を降らずして大風を刮けば、兵事大いに起り、あるいは土木の工役を興起するを主る。月暈の上に直気多きは、兵事を主り、曲気あるは、官吏の悖逆を主り、また雨を降らすを主る。月暈が黄色を呈すれば、将軍が俸秩を増加するを主る。月暈を観測するは、通常十二月初八のこの日を取る。
暈再重,有大風,兵起,災在內,女親用事。暈再重,赤雲繞之如杵,有軍在外,萬人死其下。月南北有半暈兩重,月北有青雲五沖,關不通。月暈三重,天下大亂,必有拒城。
月暈が两重なれば、大風あり、兵事興起し、災禍は宮廷の内に出、女性親属が政事を把持するを主る。月暈が两重にして、また赤色の雲気が木杵のごとくそれを環繞すれば、軍隊が外にあり、万人がこの暈象の下に死するを主る。月の南北が各々两重の半暈あり、月の北面にまた五道の青雲が直衝すれば、関隘が阻絶して通ぜざるを主る。月暈が三重なれば、天下大乱し、必ず城を拠りて抗拒する事あるを主る。
月暈四重,天下易王。(漢高帝七年,月暈參畢七重。占曰:昴畢間,天街也。街北,胡也。街南,中國也。昴為匈奴,參為趙,畢為邊兵。是歲高帝自將兵擊匈奴。至平城,為冒頓單于所圍,七日乃解。)暈八重,天下有亡國。暈九重,暈十重,天下更王。
月暈が四重なれば、天下が君王を更換するを主る。(漢高帝七年、月暈が参宿・畢宿を籠罩して七重に達す。占辞にいう。昴宿と畢宿の間は、すなわち天街。天街より北は胡地に属し、天街より南は中原に属す。昴宿は匈奴を主り、参宿は趙地を主り、畢宿は辺地の兵事を主る。这一年、高帝は自ら兵を領して匈奴を攻め打ち、平城に至りて冒頓単于に囲困せられ、七天の後にようやく囲を解くを得た。)月暈が八重なれば、天下に国家の滅亡あるを主る。月暈が九重・月暈が十重なれば、天下が君王を改換するを主る。
月色黃白交暈,一黃二赤,所宿其國受咎。月交暈,赤有光,其國不出三年遇兵。月色黃白交暈,所宿之國受其殃。月暈環如兩,軍兵起,軍事爭。月暈如連環,有白虹干暈,不及月,女貴人有陰謀亂,有白衣令,宮中多怪。
月色が黄白にして交錯の暈を生じ、一重は黄・两重は赤なれば、月の宿する星宿に対応する国が災咎に遭受するを主る。月が交暈を生じ、色赤くして光あれば、その国が三年を出でず兵禍に遭遇するを主る。月色が黄白にして交錯の暈を生ずれば、月の宿する国が禍殃を承受するを主る。月暈が環繞して两重のごとければ、軍隊興起し、軍中に争闘の事あるを主る。月暈が形は連環のごとく、また白虹が暈気を衝犯して月体に触及せざれば、女性の貴人が暗に乱を謀り、将に素服をして喪を挙げる号令を頒行し、宮中に怪異の事多きを主る。
月暈而冠,天子大喜,或大風。月暈而珥,歲平國安。又曰國有女喪。月暈而珥,攻擊者勝利。月暈一珥,所在國失地。月暈,先起者有喜。月抱珥在暈外赤,外人勝。
月暈の上に冠気あれば、天子に大いに喜慶あり、あるいは大風を刮くを主る。月暈の上に珥気あれば、年成が平順・国家が安寧するを主る。また一説は国中に女性の喪事あるを主るという。月暈の上に珥気あれば、攻撃を発動する一方が勝を獲るを主る。月暈にただ一道の珥気あれば、珥気の所在する国が土地を喪失するを主る。月暈を現ずる時、暈気の先に起る一方に喜あり。月の抱気・珥気が暈の外に在りて赤色を呈すれば、外囲に処する一方の人が取勝するを主る。
月有兩暈不合,其月水;四背,有謀不成。五月中有九暈以上,道路大有熱死者。月暈一重,下缺不合,上有冠帶,有兩珥,白暈連環貫珥,接北斗,國有大兵,大戰流血,其分亡地。
月に两重の暈ありて彼此合攏し得ざれば、当月に水災あるを主り、暈の上に四道の背気あれば、謀る所の事が成功し得ざるを主る。五月の中に九重以上の月暈を現ずれば、道路上に暑熱に中りて死する人の大いに多きを主る。月暈が一重にして下方の缺口が合攏し得ず、上方に冠帯の気あり、また两道の珥気あり、白色の暈気が連環のごとく珥気を貫穿し、一直に北斗に連接すれば、国中に大規模の兵事あり、大戦して流血し、その分野の地が土地を喪失するを主る。
月以正月三日暈,所宿國小熟,一日二日,必有土功。五日暈,大熟。上旬一暈,樹木蟲;二暈,禾穀蟲;三暈震雷;十日暈,天下更王;六日、八日、九日暈,天下有國亡。正月中有九暈以上,道多飢死人。
月が正月初三に暈を生ずれば、月の宿する国が略々収成あるを主り、もし初一・初二に暈を生ずれば、必ず土木の工程の事あり。初五に暈を生ずれば、大豊収を主る。上旬に一重の暈を現ずれば、樹木が虫を生ずるを主り、两重の暈は、禾穀が虫を生ずるを主り、三重の暈は、雷電が震撃するを主る。初十に暈を生ずれば、天下が君王を改換するを主る。初六・初八・初九に暈を生ずれば、天下に国家の滅亡あるを主る。正月の中に九重以上の月暈を現ずれば、道路上に餓死する人の多きを主る。
月暈五星及び列宿中外官占第十二
凡月暈五星,星色不明主人勝,星色明客勝。暈木,人主病,不然大水,五暈,人主疾喪;暈木,天下有女子之憂,糴貴,三重,相死;暈木,其國主不安。暈火,女主凶,若有死亡,所守國主當之;熒惑在暈中,色惡不明,客兵敗;暈火,兵在野大戰,無兵大旱,兵起。
およそ月暈が五星を籠罩す。星色が晦暗にして明ならざるは、主軍の取勝を主り、星色が明亮なるは、客軍の取勝を主る。月暈が歳星(木星)を籠罩すれば、君主の患病を主り、然らざれば大水あるを主る。もし暈が五重に至れば、君主が疾に染まり喪亡するを主る。月暈が歳星を籠罩するは、また天下に女子によって起る憂患あり、米価騰貴するを主る。暈が三重に至れば、宰相の死亡を主る。月暈が歳星を籠罩するは、還たその国の国主が安ならざるを主る。月暈が熒惑(火星)を籠罩すれば、女主に凶あり、あるいは死亡の事あり、熒惑の守る分野の国の国主の身に応験すを主る。熒惑が暈気の中に処り、気色悪劣にして明亮ならざれば、客軍の兵敗を主る。月暈が熒惑を籠罩するは、また軍隊が野外に大戦するを主り、もし兵事なければ、大旱を主り、随いて兵事興起す。
暈土,所宿國有福德;填星色不明,主人勝;暈三重,相死,天下土動功,兵起,女主憂;暈土,其國女主失勢,有土功事。暈金,其國受兵,戰不勝,主人敗;暈金而星月合,其主死境外。暈水再合再解,其國敗主死。月暈辰星,色不明,主人勝;明,客勝;暈水,角亢間二星如連環,有大臣謀;春夏暈水,民病寒熱;在秋冬,憂兵起,不即大水,主死,若大憂;冬暈水,主命惡之。
月暈が填星(土星)を籠罩すれば、月の宿する国に福徳あるを主る。填星の気色が明ならざるは、主軍の取勝を主り、暈が三重に至れば、宰相の死亡し、天下に大いに土木の工役を興し、兵事興起し、女主に憂あるを主る。月暈が填星を籠罩するは、またその国の女主が勢を失い、土木の工程の事あるを主る。月暈が太白(金星)を籠罩すれば、その国が兵禍に遭受し、作戦して取勝し得ず、主軍が敗北するを主る。月暈が太白を籠罩して星・月相合すれば、その国の主が境外に死するを主る。月暈が辰星(水星)を籠罩して两度聚合し两度散開すれば、その国の敗亡・国主が身を死するを主る。月暈が辰星を籠罩するに、星色が明ならざるは、主軍の取勝を主り、星色が明亮なるは、客軍の取勝を主る。月暈が辰星を籠罩する時、角宿・亢宿の間に両顆の星が形は連環のごとければ、大臣が不軌を図謀するあるを主る。春夏の際に月暈が辰星を籠罩すれば、百姓が寒熱の疾に患うを主り、もし秋冬に在れば、兵事の興起に憂うるか、然らざれば大水あり、人の死亡あるか、あるいは大きい憂患あるを主る。冬季に月暈が辰星を籠罩すれば、君主の性命がこれがために憂悪するを主る。
凡月,春暈木,夏暈火,秋暈金,冬暈水。四季暈土,而其星惡之,皆為其國之分主死國亂,大凶。
大凡月が暈を生ずるに、春季は歳星(木)を暈住し、夏季は熒惑(火)を暈住し、秋季は太白(金)を暈住し、冬季は辰星(水)を暈住し、四季の各々末月は鎮星(土)を暈住す。これは皆月暈が当該の季に令を当たる時に当令の星を罩住したで、あの星は最もこの種の情形を忌諱す。およそ此象を見るは、皆当該の星の臨む分野の国に死喪あり・国政が大乱するを主り、極凶の兆である。
角:月暈左角,軍道阻塞,大臣誅,獄官刑,左將有殃。月暈右角,右將有殃,鱗角多死害,太尉士卒刑死。月暈兩角,大水。色黃白,王者大喜,當有德令;無德令,則天子以軍兵自守,其國不安,有兵兵罷,無兵兵起,將憂。月行角間,暈再重,連環圍北斗,有大臣誅。甲乙為春,丙丁為夏,庚辛為秋,以四時期之。凡占災祥皆此例。月暈角亢,先起兵者有喜,勝。
角宿は天の門戸で、左角は刑法を主り、右角は将帥を主り、分野は鄭・兖州に属す。月暈が左角を罩住すれば、行軍の道路が阻断せられ、朝中の大臣が誅殺せられ、獄を掌る官が刑を受け、左軍の将に災殃あるを主る。月暈が右角を罩住すれば、右軍の将に災殃あり、鱗あり角ある物の死傷多く、太尉と士卒に刑を受けて死する有るを主る。月暈が同時に左右両角を罩住すれば、大水を発するを主る。もし暈色が黄白を呈せば、則ち吉象で、君王に大喜あり、当に恩を施す徳令を頒すべし。もし徳令を頒せざれば、天子は便ち兵をもって自衛し、国中は安寧を得ず、本に戦事あるは兵を罷め、本に戦事なきは兵を起し、将帥に憂あるべし。月が両角の間を経行し、暈が重曡して两重、また連環して北斗を囲えば、大臣の誅せらるるあるを主る。応験の期は日の天干をもって四時に配して推算す。甲・乙に逢えば春に応じ、丙・丁に逢えば夏に応じ、庚・辛に逢えば秋に応じ、これに拠って災祥の到来する時節を推定す。およそ災祥の応期を占断するは、皆この体例に照らす。月暈が兼ねて角・亢二宿を罩えば、先に兵を発する一方に喜慶あり、勝を得るを主る。
亢:月暈亢,君有兵革之事,有兵兵罷,無兵後八十日兵起。月在秋三暈,大臣死,兵大戰水中。再暈,大雪雨水,民移千里,有德令解之。不爾,王自將兵。氐:月暈氐,大將凶,水蟲死。與歲星同合在氐而暈,不出四十日,有德令。
亢宿は疾疫と朝堂の礼法を主り、角宿と同じく鄭の分野に属す。月暈が亢宿を罩住すれば、君王に兵革の事あるを主る。本に戦事あるは兵を罷め、本に戦事なきは則ち八十天后に兵を起さん。月が秋季に三たび亢宿を暈住すれば、大臣の死亡し、軍隊が水上に大戦するを主る。暈が两重に重なるは、大雪・大雨・洪水泛濫し、百姓が千里之外に遷徙し、徳令を頒することを須ちてのみ消解し得るを主る。然らざれば、君王は就ち自ら兵を領して出征せん。氐宿は天子の休息の宮で、分野は宋・豫州に属す。月暈が氐宿を罩住すれば、大将に凶禍あり、水中の虫類が死亡するを主る。もし月と歳星とが一同に氐宿に会合して暈を生ずれば、則ち四十天を出でず、当に恩を施す徳令の頒し下さるるあらん。
房:月暈房心,國有兵在廟堂。勾五宿,大赦。勾三宿,小赦。月暈房及箕,大風動地。心:月暈心,大旱。與五星合暈,王者大憂及大災,兵起,國易相。月暈心尾,無骨四足蟲為害,易政,山崩,麥貴。尾:月暈尾箕,分有疾凶,或益地百里,民多病寒熱,風大至,大水。
房宿は天子が政を布く明堂で、心宿は天王の座で、二宿は同じく宋・豫州の分野に属す。月暈が房・心を罩住すれば、国家の兵禍が朝堂の内より起るを主る。暈気が五宿を勾連するは、当に大赦を行うべし。三宿を勾連するは、当に小赦を行うべし。月暈が兼ねて房宿と箕宿を罩えば、大風が驟然に起りて大地を震動するを主る。月暈が心宿を罩住すれば、大旱を主り、もし五星と会合して暈を成せば、君王に大憂・大災あり、兵事興起し、国家が宰相を更換するを主る。月暈が兼ねて心・尾を罩えば、骨なき軟体の虫と四足の獣が災を成し、朝政が変易し、山陵が崩塌し、麦価が騰貴するを主る。尾宿九星は後宮の嬪妃を主り、分野は燕・幽州に属す。月暈が兼ねて尾・箕を罩えば、その分野に疾疫・凶禍あり、あるいは疆土が百里を増広し、百姓に寒熱の病を患う者多く、大風が驟至し、洪水が泛濫するを主る。
箕:月暈箕斗,兵從東北方來勝,從西南方來不勝。箕斗者,天子冠服,在斗罷,在箕外戰。月暈箕斗,五穀不成,易大將。南斗:月暈斗,大臣免,大將刑。牽牛:月暈牛,小兒多死,軍暴將死。月暈牛,女子女貴,牛多暴死。須女:月暈女,兵進而不斗,寡婦多死。
箕宿は風と口舌を主り、分野は燕・幽州に属す。南斗は爵禄・寿命を主り、牽牛は関梁・犠牲を主り、同じく呉越・揚州に属す。須女は布帛・嫁娶を主り、斉・青州に属す。月暈が兼ねて箕・斗を罩えば、兵が東北方より来る一方が勝を得、西南方より来る一方が勝たざるを主る。箕・斗二宿は天子の冠冕・衣服を象徴し、暈が斗に在れば兵を罷め、暈が箕に在れば境外に戦う。月暈が兼ねて箕・斗を罩うは、また五穀が熟せず、大将を更換するを主る。月暈が南斗を罩住すれば、大臣が罷免せられ、大将が刑を受くるを主る。月暈が牽牛を罩住すれば、小児の死する多く、軍中が暴乱して将領が死亡するを主る。また女子の中に女事によって顕貴するあるを主り、牛の暴死多し。月暈が須女を罩住すれば、軍隊が進発するも交戦せず、寡婦の死する多きを主る。
虛:月暈虛危,兵革離宗廟。危:月暈危,兵,軍敗,有喪,天下哭。室:月暈室,蠻夷來貢。壁:月暈室壁,風起,大水至,寡婦小兒多死。奎:月暈奎,兵大敗,有兵令,米貴,不出年,有祅星流。婁:月暈婁,五日之內不雨,宰相相疑,然後事解。
虚・危二宿は廟堂の祭祀と死喪・哭泣を主り、分野は斉・青州に属す。営室・東壁は宮室の土功と文章・図籍を主り、分野は衛・并州に属す。奎宿は武庫・兵事を主り、婁宿は苑牧・犠牲を主り、分野は魯・徐州に属す。月暈が兼ねて虚・危を罩えば、兵革の事が宗廟を離散せしむるを主る。月暈が危宿を罩住すれば、兵を起し、軍隊が敗績し、喪事あり、天下が哀を挙ぐるを主る。月暈が営室を罩住すれば、遠方の蛮夷が来たり朝貢するを主る。月暈が兼ねて室・壁を罩えば、大風が驟然に起り、洪水到来し、寡婦と小児の死する多きを主る。月暈が奎宿を罩住すれば、軍隊が大敗し、朝廷が徴兵の令を下達し、米価騰貴し、一年を出でず、妖星が流れ過ぐる有るを主る。月暈が婁宿を罩住すれば、五日の内に雨を降らず、宰相の間が互いに猜疑し、此の後事態がようやく化解を得るを主る。
胃:月暈胃三重,歲星在其中,天下有德令,有兵不戰,妊女多死。昴:月以正月上旬,暈昴畢參伐,有赦,月一歲三暈昴,來年大赦,弓弩貴。畢:月暈畢中,人主坐之占。月三暈畢,天下中外有兵,有大赦。觜:月以正月暈觜參,赦。月暈觜,道路多死人而無首,大將死,女子疾,弓弩貴。
胃宿は天の倉廩で、昴宿は号して「旄頭」といい、刑獄と胡兵を主り、同じく趙・冀州の分野に属す。畢宿は辺兵と雨沢を主り、觜宿は葆旅・収斂を主り、同じく晋魏・益州の分野に属す。月暈が胃宿を罩住して三重に達し、しかして歳星がまさに暈中に在れば、天下に恩を施す徳令あり、兵あれども交戦せず、孕婦の死する多きを主る。月が正月上旬に昴・畢・参・伐諸宿を暈住すれば、赦令あるを主る。月が一年の内に三たび昴宿を暈住すれば、来年に大赦し、弓弩の価貴くなるを主る。月暈がまさに畢宿の中を罩住するは、君主の身に応験する占象である。月が三たび畢宿を暈住すれば、天下の内外に皆兵事あり、かつ大赦あるを主る。月が正月に觜・参を暈住すれば、赦あるを主る。月暈が觜宿を罩住すれば、道路上に頭なき死人の多く、大将死亡し、女子に病多く、弓弩の価貴くなるを主る。
參:月暈伐,將軍死,貴人有誅。四月暈參井,凌霜至。月以十二月、正月暈伐,十四日而暈參,為大人憂。月暈參,有軍不勝。月以正月暈伐二夜,不出三旬,兵起。東井:月暈井鬼,其年不收,旱。三月,月暈井,大水。鬼:月暈鬼,黍貴三倍。月夏三暈鬼,大雨,五穀不成,皆在月初,月以正月上旬暈鬼,赦。
参宿は斬刈・殺伐を主り、その中の「伐」三星は専ら兵戈・誅罰を主り、分野は晋魏・益州に属す。東井は水衡・法令を主り、輿鬼は祠祀・死喪を主り、分野は秦・雍州に属す。月暈が伐星を罩住すれば、将軍の死亡し、貴人が誅せらるるを主る。四月の内に月暈が兼ねて参・井を罩えば、寒霜が提前して降臨するを主る。月が十二月・正月に伐星を暈住し、十四日に至りまた参宿を暈住すれば、大人物に憂あるを主る。月暈が参宿を罩住すれば、軍を出して取勝し得ざるを主る。月が正月に連続して両夜伐星を暈住すれば、三十天を出でず兵事興起するを主る。月暈が兼ねて東井と輿鬼を罩えば、当年は顆粒も収めず、天旱するを主る。三月の内に月暈が東井を罩住すれば、大水を発するを主る。月暈が輿鬼を罩住すれば、黍価が三倍に漲るを主る。月が夏季に三たび鬼宿を暈住すれば、大雨が災を成し、五穀熟せず——これらは皆月初に応ず。月が正月上旬に鬼宿を暈住すれば、則ち赦令あるを主る。
柳:月暈柳,林木苑谷,各有兵戰。月暈柳三月,大臣死,有水,民愁。七星:月暈七星,民多大傷,物再繁榮。張:月暈張,飛鳥死,海鳥出,其地旱,大人憂,人相食。翼:月暈翼,士卒多遁走。一曰士卒大聚大戰,民去室宅。軫:月暈軫角,大赦,飢。以二月暈軫角,至五月大赦。
柳宿は草木・厨膳を主り、七星は衣裳・文繍と急兵を主り、張宿は珍宝・宗廟の供養を主り、同じく周の三河の分野に属す。翼宿は楽府・遠客を主り、軫宿は車騎・風気を主り、同じく楚・荊州の分野に属す。月暈が柳宿を罩住すれば、山林・苑囿と川谷の地に各々兵戦あるを主る。月が連なる三箇月も柳宿を暈住すれば、大臣の死亡し、水災あり、百姓が愁苦するを主る。月暈が七星を罩住すれば、百姓に大いなる傷亡の多きを主り、その後草木が再度繁茂す。月暈が張宿を罩住すれば、飛鳥が死亡し、海鳥が内陸に出現し、その分野の地が大旱し、大人物に憂あり、以至人の相食するに至るを主る。月暈が翼宿を罩住すれば、士卒の逃亡多きを主る。另一説は士卒が大批に聚集して大戦し、百姓が家を棄てて逃离するを主る。月暈が兼ねて軫宿と角宿を罩えば、大赦あるを主り、また飢饉を主る。もし二月に軫・角を暈住すれば、則ち五月に至りて当に大赦を行うべし。
暈中外官占:月暈攝提,火在暈中,天下大兵,橫行不禁,諸侯分政,天下亂,內有興兵與上爭立者,以其時赦。暈織女,兵滿天下。暈天市,有兵。暈建星之口,有德令。暈大陵前足,赦死罪;後足,赦小罪。暈五車一星,赦小罪。暈五星並昴畢大陵,必大赦。
以下は月暈の中官・外官諸星の占辞である。摂提六星は大角を夾輔し、時節を建立し暦数を厘正するを主る。月暈が摂提を罩住して、しかして熒惑(火)がまた暈中に在れば、天下が大いに干戈を動かし、横行して忌憚なく、諸侯が各自政令を分掌し、天下大乱し、国内に兵を起して君上と帝位を争奪する人あり、その時に至りて朝廷は赦令を頒し下さん。月暈が織女を罩住すれば、兵禍が天下に遍布するを主る。月暈が天市垣を罩住すれば、兵事あるを主る。月暈が建星の「口」の処を罩住すれば、恩を施す徳令あるを主る。月暈が大陵の前足を罩住すれば、死罪を赦免するを主り、後足を罩住すれば、軽罪を赦免するを主る。月暈が五車中の一星を罩住すれば、軽罪を赦免するを主り、もし暈が兼ねて五車諸星および昴・畢・大陵を罩えば、必ず大赦せん。
暈庫一柱,兵少出。二柱,兵半出。三柱,兵盡出,兵在外。暈一柱,兵少罷;暈二柱,兵半罷。暈三柱,兵盡罷。月一歲三暈天關,其年赦。暈南北河戒,有土功。暈軒轅,有女喪,有小赦。暈太微庭,天子發軍自衛。三暈之,天子自臨兵以行,有急謀在軍中,天子忌之。
庫楼に五柱あり、兵車・武備を主る。月暈が庫楼の一柱を罩住すれば、兵を出すこと少なきを主り、二柱を罩住すれば、兵の半分を出すを主り、三柱を罩住すれば、全軍尽く出し、兵は境外に在るを主る。もし兵已に外に在りて、暈が一柱を罩えば、兵を罷むること少なきを主り、暈が二柱を罩えば、兵の半分を罷むるを主り、暈が三柱を罩えば、全部兵を罷むるを主る。月が一年の内に三たび天関星を暈住すれば、当年に赦令あるを主る。南河・北河は南北二戒で、日月五星の出入する門戸である。月暈が南北河戒を罩住すれば、土木の功を興すを主る。軒轅十七星は后妃の事を主り、月暈が軒轅を罩住すれば、女子の喪事あり、かつ小赦あるを主る。太微垣は天子の朝庭で、月暈が太微庭を罩住すれば、天子が兵を発して自衛するを主る。もし三たび暈住すれば、天子が自ら兵を統べて出行し、軍中に別に緊急の図謀あり、天子は当に此事を忌憚すべきを主る。
暈五帝座,有赦令。暈文昌,有赦。暈天牢,天下大敗,多盜賊。連環及北斗,天下大亂,國有喪,民徙千里,有拔城者。暈魚星,凶。暈弧狼,兵起。天狗,多暴風。暈天關,門梁閉。暈天高,不出六月,必有大喪,以日占邦。暈貫索,不出四月有殃,內禍匿謀之事。
月暈が太微垣中の五帝座を罩住すれば、赦令あるを主る。文昌六星は天の六府の文運を主り、月暈が文昌を罩住すれば、赦あるを主る。天牢六星は愆過・囚禁を主り、月暈が天牢を罩住すれば、天下大敗し、盗賊衆多なるを主る。もし暈気が連環してまた北斗に及べば、天下大乱し、国に喪事あり、百姓が千里に遷徙し、城池の攻破せらるる有るを主る。月暈が魚星を罩住すれば、凶を主る。月暈が弧矢と天狼を罩住すれば、兵事の興起を主る。月暈が天狗星を罩住すれば、暴風多きを主る。月暈が天関星を罩住すれば、門戸・橋梁の閉塞を主る。月暈が天高星を罩住すれば、六箇月を出でず必ず大喪あるを主る。どの邦国に応ずるは、暈を生じたあの日の日辰をもって推占す。月暈が貫索を罩住すれば、四箇月を出でず災殃あり、しかも宮禁の内の禍事と隠匿の陰謀であるを主る。
暈天街,關梁阻塞。暈客星,在月北,北國勝;在南,南國勝。暈天,下無雲,有流星過月下,若過月上,其國有喜。一曰兵出。流星橫度暈中者,諸侯皇后有亡失國者。月無精光,青赤暈,及虹蜺背璚蝕心度中,是為大蕩,兵喪大起,王者以德除咎。暈有雲貫,暈輝約月,不出其年,所直國有喪。
天街二星は昴・畢の間に在り、華夏と胡人の分界である。月暈が天街を罩住すれば、関隘・橋梁の阻塞を主る。月暈が客星を罩住するに、客星がもし月の北に在れば、北方の国が勝を得、月の南に在れば、南方の国が勝を得る。月暈已に成りて天空の下に並びて雲気なく、また流星が月下より経過するか、あるいは月上より経過すれば、その分野の国に喜慶あるを主る。另一説は兵を出すを主るという。流星が月暈の中を横に穿つ有れば、諸侯あるいは皇后の中に邦国を亡失する人あるを主る。月が光華を失い、青赤色の暈を生じ、また虹霓・背気と玉玦形の珥気が心宿の度数の内を侵蝕するを、これを「大蕩」と呼び、兵禍・喪乱が大いに起るを主り、君王は徳政を施行して災咎を消除することを須つ。月暈の上に雲気が貫穿し、暈の光輝が月体を束縛すれば、当年を出でず、暈の正対する分野の国に喪事あるを主る。
月蝕占第十三
月生三日無魄,其月必蝕。《易緯萌氣樞》曰:候月盡蝕,視水中不見影者盡蝕。凡月蝕,其鄉有拔邑大戰之事。凡師出門而蝕,當其國之野,大敗軍死。月蝕三日內,有雨,事解,吉。月蝕以旦相及,太子當之;以夕,君當之。
月が初生して第三日に至るも月魄の輪廓が見えざれば、この月は必ず月蝕を発生す。《易緯・萌気枢》にいう。月が全蝕するか否かを予候せんとすれば、水中の月影を看るべし。水中に月影が見えざるは、すなわち全蝕である。およそ月蝕有れば、月の臨むあの一方に城邑を攻抜し大挙して交戦する事あるを主る。およそ軍隊が出師して城門を出る時にちょうど月蝕に遇えば、当該の国の分野に応じ、軍隊大敗し将士死亡するを主る。月蝕の後三日以内に雨降るは、事端が化解するを主り、吉兆である。月蝕が天将に破暁せんとする時に発生するは、太子の身に応じ、傍晚に発生するは、君主の身に応ず。
月蝕起南方,男子惡之。起北方,女子惡之。起東方,少者惡之。起西方,老者惡之。月蝕盡,光耀亡,君之殃。蝕不盡,光輝散,臣之憂。月蝕中分,不出五年,國有憂兵,其分軍亡。月蝕而斗且暈,國君惡之。有軍必戰,無軍兵起。
月蝕が月体の南辺から虧缺を始むるは、男子がこの種の天象を忌諱す。北辺から始むるは、女子が忌諱す。東辺から始むるは、年少の人が忌諱す。西辺から始むるは、年老の人が忌諱す。月が全部蝕尽して光耀が全失するは、君主の災殃である。蝕して未尽にしてただ光輝が散乱するは、臣下の憂患である。月体が半分を蝕去するは、五年を出でず国家に兵禍の憂あり、その分野の軍隊が覆亡するを主る。月蝕の時また他星と相凌・相斗してかつ月暈を生ずれば、国君がこの種の天象を忌諱す。已に軍隊あるは必ず交戦し、軍隊なきもまた兵事を興起せん。
兩月並蝕,天下大亂。月蝕,有氣從外來入月中,主人凶。從中出外,客凶。氣從南行,南軍凶;北行,北軍凶。東西亦然。軍在外而月蝕,將環其國,戰不勝。月生三日而蝕,是謂大殃,國有喪。十日至十四日而蝕,天下兵起。十五日而蝕,國破滅亡。
天上に両月并出して同時に蝕せらるれば、天下大乱を主る。月蝕の時、雲気が外面から月中に入るは、主方(守方・本国)に凶あるを主り、雲気が月中から外に向かい散出するは、客方(来犯の一方)に凶あるを主る。雲気が南に向かい行けば、南方の軍隊に凶あり、北に向かい行けば、北方の軍隊に凶あり、東・西に向かうもまたこれに照らして推断す。軍隊が境外に在りて月蝕に遇上れば、将帥が道を繞らして本国に返回するを主り、作戦して取勝し得ず。月が初生第三日にして蝕を発生するを、これを「大殃」と呼び、国に喪事あるを主る。初十から十四日に月蝕を発生すれば、天下に兵起るを主る。十五日に月蝕を発生すれば、国家の破敗・滅亡を主る。
春蝕,歲惡,將死,有憂;夏蝕,大旱;秋蝕,兵起;冬蝕,其國有兵喪。冬以其日辰占邦野:月以甲乙蝕,年多魚禾麥傷;丙丁蝕,年豐收;戊己蝕,無耕,下田凶;庚辛蝕,高田不收;壬癸蝕,歲和;月蝕辰巳,地採年麥傷。蝕午未,秋稼凶。
春季の月蝕は、年成悪劣にして将帥死亡し、憂患あるを主る。夏季の月蝕は、大旱を主る。秋季の月蝕は、兵事の興起を主る。冬季の月蝕は、その国に兵禍と喪事あるを主る。冬季は還た月蝕のあの日の日辰に按って各邦国の分野を占断すべし。月が甲・乙日に蝕せらるれば、当年に魚多くして禾麦が損を受くるを主り、丙・丁日に蝕せらるれば、当年豊収を主り、戊・己日に蝕せらるれば、耕作する人なく低田が歉収するを主り、庚・辛日に蝕せらるれば、高田が収めざるを主り、壬・癸日に蝕せらるれば、年歳が和順なるを主る。月が辰・巳の日に蝕せらるれば、土地に採収あれど当年に麦が損を受くるを主り、午・未の日に蝕せらるれば、秋季の庄稼が歉収するを主る。
