Libo

陰陽・六情・五音の立成(陰陽六情五音立成)第七十九

唐 · 李淳风 · 第22巻 / 26

作盤ガイド: 暦注(黄暦), 万年暦

甲子,陽商,貪狼。本情。甲申,陽羽,貪狼。本情。甲辰,陽徵,奸邪。本情。乙丑,陰商,公正。本情。乙酉,陰羽,寬大。本情。乙巳,陰徵,寬大。本情。

甲子の日は、納音が陽商に属し、六情は貪狼、天干の情は本情に属す。甲申の日は、陽羽に属し、六情は貪狼、本情に属す。甲辰の日は、陽徴に属し、六情は奸邪、本情に属す。乙丑の日は、納音が陰商に属し、六情は公正、本情に属す。乙酉の日は、陰羽に属し、六情は寛大、本情に属す。乙巳の日は、陰徴に属し、六情は寛大、本情に属す。

丙寅,陽徵,陰賊。合情。丙戌,陽宮,陰賊。合情。丙午,陽羽,奸邪。合情。丁卯,陰徵,公正。合情。丁亥,陰宮,廉貞。合情。丁未,陰羽,廉貞。合情。

丙寅の日は、納音が陽徴に属し、六情は陰賊、天干の情は合情に属す。丙戌の日は、陽宮に属し、六情は陰賊、合情に属す。丙午の日は、陽羽に属し、六情は奸邪、合情に属す。丁卯の日は、納音が陰徴に属し、六情は公正、合情に属す。丁亥の日は、陰宮に属し、六情は廉貞、合情に属す。丁未の日は、陰羽に属し、六情は廉貞、合情に属す。

戊辰,陽角,奸邪。刑情。戊子,陽徵,陰賊。刑情。戊申,陽宮,廉貞。刑情。己巳,陰角,貪狼。刑情。己丑,陰徵,公正。刑情。己酉,陰宮,寬大。刑情。

戊辰の日は、納音が陽角に属し、六情は奸邪、天干の情は刑情に属す。戊子の日は、陽徴に属し、六情は陰賊、刑情に属す。戊申の日は、陽宮に属し、六情は廉貞、刑情に属す。己巳の日は、納音が陰角に属し、六情は貪狼、刑情に属す。己丑の日は、陰徴に属し、六情は公正、刑情に属す。己酉の日は、陰宮に属し、六情は寛大、刑情に属す。

庚午,陽宮,貪狼。沖情。庚寅,陽角,貪狼。沖情。庚戌,陽商,奸邪。沖情。辛未,陰宮,公正。沖情。辛卯,陰角,寬大。沖情。辛亥,陰商,寬大。沖情。

庚午の日は、納音が陽宮に属し、六情は貪狼、天干の情は冲情に属す。庚寅の日は、陽角に属し、六情は貪狼、冲情に属す。庚戌の日は、陽商に属し、六情は奸邪、冲情に属す。辛未の日は、納音が陰宮に属し、六情は公正、冲情に属す。辛卯の日は、陰角に属し、六情は寛大、冲情に属す。辛亥の日は、陰商に属し、六情は寛大、冲情に属す。

壬申,陽角,寬大。鉤情。壬辰,陽羽,公正。鉤情。壬子,陽角,寬大。鉤情。癸酉,陰商,貪狼。鉤情。癸巳,陰羽,貪狼。鉤情。癸丑,陰角,奸邪。鉤情。

壬申の日は、納音が陽角に属し、六情は寛大、天干の情は鉤情に属す。壬辰の日は、陽羽に属し、六情は公正、鉤情に属す。壬子の日は、陽角に属し、六情は寛大、鉤情に属す。癸酉の日は、納音が陰商に属し、六情は貪狼、鉤情に属す。癸巳の日は、陰羽に属し、六情は貪狼、鉤情に属す。癸丑の日は、陰角に属し、六情は奸邪、鉤情に属す。

甲戌,陽微,公正。本情。甲午,陽商,廉貞。本情。甲寅,陽羽,廉貞。本情。乙亥,陰徵,陰賊。本情。乙未,陰商,奸邪。本情。乙卯,陰羽,陰賊。本情。

甲戌の日は、納音が陽微(すなわち陽徴)に属し、六情は公正、天干の情は本情に属す。甲午の日は、陽商に属し、六情は廉貞、本情に属す。甲寅の日は、陽羽に属し、六情は廉貞、本情に属す。乙亥の日は、納音が陰徴に属し、六情は陰賊、本情に属す。乙未の日は、陰商に属し、六情は奸邪、本情に属す。乙卯の日は、陰羽に属し、六情は陰賊、本情に属す。

丙子,陽羽,公正。合情。丙申,陽徵,寬大。合情。丙辰,陽宮,寬大。合情。丁丑,陰羽,貪狼。合情。丁酉,陰徵,奸邪。合情。丁巳,陰宮,貪狼。合情。

丙子の日は、納音が陽羽に属し、六情は公正、天干の情は合情に属す。丙申の日は、陽徴に属し、六情は寛大、合情に属す。丙辰の日は、陽宮に属し、六情は寛大、合情に属す。丁丑の日は、納音が陰羽に属し、六情は貪狼、合情に属す。丁酉の日は、陰徴に属し、六情は奸邪、合情に属す。丁巳の日は、陰宮に属し、六情は貪狼、合情に属す。

戊寅,陰宮,寬大。刑情。戊戌,陽角,奸邪。刑情。戊午,陽徵,廉貞。刑情。己卯,陰宮,貪狼。刑情。己亥,陰角,陰賊。刑情。己未,陰徵,公正。刑情。

戊寅の日は、納音が陰宮に属し、六情は寛大、天干の情は刑情に属す。戊戌の日は、陽角に属し、六情は奸邪、刑情に属す。戊午の日は、陽徴に属し、六情は廉貞、刑情に属す。己卯の日は、納音が陰宮に属し、六情は貪狼、刑情に属す。己亥の日は、陰角に属し、六情は陰賊、刑情に属す。己未の日は、陰徴に属し、六情は公正、刑情に属す。

庚辰,陽角,公正。沖情。庚子,陽宮,廉貞。沖情。庚申,陽角,廉貞。沖情。辛巳,陰商,陰賊。沖情。辛丑,陰宮,奸邪。沖情。辛酉,陰角,陰賊。沖情。

庚辰の日は、納音が陽角に属し、六情は公正、天干の情は冲情に属す。庚子の日は、陽宮に属し、六情は廉貞、冲情に属す。庚申の日は、陽角に属し、六情は廉貞、冲情に属す。辛巳の日は、納音が陰商に属し、六情は陰賊、冲情に属す。辛丑の日は、陰宮に属し、六情は奸邪、冲情に属す。辛酉の日は、陰角に属し、六情は陰賊、冲情に属す。

壬午,陽角,陰賊。鉤情。壬寅,陽角,陰賊。鉤情。壬戌,陽羽,奸邪。鉤情。癸未,陰角,公正。鉤情。癸卯,陰商,廉貞。鉤情。癸亥,陰羽,廉貞。鉤情。

壬午の日は、納音が陽角に属し、六情は陰賊、天干の情は鉤情に属す。壬寅の日は、陽角に属し、六情は陰賊、鉤情に属す。壬戌の日は、陽羽に属し、六情は奸邪、鉤情に属す。癸未の日は、納音が陰角に属し、六情は公正、鉤情に属す。癸卯の日は、陰商に属し、六情は廉貞、鉤情に属す。癸亥の日は、陰羽に属し、六情は廉貞、鉤情に属す。

五音・刑徳・日辰の所属の立成(五音刑德日辰所屬立成)第八十

甲:德自處,刑戊。丙子,兩不兩則晦,海裡起兵。子,侯,刑卯,周。戌,申曹,刑未,晉。申午辰寅。商、徵、羽商徵羽。

甲日の一行――徳は就中甲の自身に在り、刑する所は戊に在り。占辞に言う――丙子の日に、両両として相配せずんば昏晦して明からず、海上に将に兵事の興起有らん、と。配する所の地支――子は、官位を侯と為し、刑は卯に在り、分野は周に属す。戌は、官位を申曹と為し、刑は未に在り、分野は晋に属す。其余は順次に申・午・辰・寅の四辰を列出す。配する所の五音は先ず商・徴を列し、合わせれば羽・商・徴・羽なり。

乙:德日庚,刑巳。粟貴,邊夷內侵。丑,侯,刑戌,齊。亥,水,自刑,魯。酉未巳卯。

乙日の一行――徳は庚に在り、刑する所は巳に在り。占辞に言う――粟米が昂貴し、辺地の夷狄が内に向かって侵擾せん、と。配する所の地支――丑は、官位を侯と為し、刑は戌に在り、分野は斉に属す。亥は、所属を水と為し、自刑に逢い、分野は魯に属す。其余は順次に酉・未・巳・卯の四辰を列出す。

丙:德自處,刑庚。邊城有兵見圍。寅,尉卿,魏,刑巳。子。戌申午辰。徵、羽、宮徵羽宮。

丙日の一行――徳は就中丙の自身に在り、刑する所は庚に在り。占辞に言う――辺城に将に兵の来りて囲困する有らん、と。配する所の地支――寅は、官位を尉卿と為し、分野は魏に属し、刑は巳に在り。また子を配す。其余は順次に戌・申・午・辰の四辰を列出す。配する所の五音は先ず徴・羽を列し、合わせれば宮・徴・羽・宮なり。

丁:德在壬,刑辛。天旱傷物,人多疫。卯,市,日,刑子。丑。亥酉未巳。

丁日の一行――徳は壬に在り、刑する所は辛に在り。占辞に言う――天旱が万物を傷害し、人間に多く疫病有らん、と。配する所の地支――卯は、官位を市官・主日と為し、刑は子に在り。また丑を配す。其余は順次に亥・酉・未・巳の四辰を列出す。

戊:德自處,刑壬。有土功,食物貴,若欲議遷邑。辰。寅。寅子戌申。角、宮、徵角宮徵。

戊日の一行――徳は就中戊の自身に在り、刑する所は壬に在り。占辞に言う――将に土木の工程有らん、糧食の物価が昂貴し、あるいは将に城邑を遷移するを商議せんとす、と。配する所の地支――辰。寅。其余は順次に寅・子・戌・申の四辰を列出す。配する所の五音は先ず角・宮を列し、合わせれば徴・角・宮・徴なり。

己:德在甲,刑癸。有土功,食物貴,若欲遷。巳,獄吏,宋,刑申。卯。丑亥酉未。

己日の一行――徳は甲に在り、刑する所は癸に在り。占辞に言う――将に土木の工程有らん、糧食の物価が昂貴し、あるいは将に遷徙せんとす、と。配する所の地支――巳は、官位を獄吏と為し、分野は宋に属し、刑は申に在り。また卯を配す。其余は順次に丑・亥・酉・未の四辰を列出す。

庚:德自處,刑甲。蟲生人,治自刑。午,倉曹,犯自刑。辰。寅子戌申。宮、商、角宮商角。

庚日の一行――徳は就中庚の自身に在り、刑する所は甲に在り。占辞に言う――虫害が滋生して人事を侵擾し、その治は自刑の位に応ずべし、と。配する所の地支――午は、官位を倉曹と為し、相犯すればすなわち自刑なり。また辰を配す。其余は順次に寅・子・戌・申の四辰を列出す。配する所の五音は先ず宮・商を列し、合わせれば角・宮・商・角なり。

辛:德在丙,刑乙。蟲生人,治丑。未,大府,燕,刑丑。巳。卯丑亥酉。

辛日の一行――徳は丙に在り、刑する所は乙に在り。占辞に言う――虫害が滋生して人事を侵擾し、その治は丑位に応ずべし、と。配する所の地支――未は、官位を大府と為し、分野は燕に属し、刑は丑に在り。また巳を配す。其余は順次に卯・丑・亥・酉の四辰を列出す。

壬:德自處,在丙。北狄胡人興,備四塞。申,座吏,秦,刑寅。午。辰寅子戌。商、角、羽商角羽。

壬日の一行――徳は就中壬の自身に在り、もう一つの説は丙に在りとす。占辞に言う――北方の狄人・胡人が興起し、四方の辺塞を戒備すべし、と。配する所の地支――申は、官位を座吏と為し、分野は秦に属し、刑は寅に在り。また午を配す。其余は順次に辰・寅・子・戌の四辰を列出す。配する所の五音は先ず商・角を列し、合わせれば羽・商・角・羽なり。

癸:德在戊,刑丁。北狄胡人興,備四塞。酉,傳吏,鄭,自刑。未。巳卯丑亥。

癸日の一行――徳は戊に在り、刑する所は丁に在り。占辞に言う――北方の狄人・胡人が興起し、四方の辺塞を戒備すべし、と。配する所の地支――酉は、官位を伝吏と為し、分野は鄭に属し、自刑に逢う。また未を配す。其余は順次に巳・卯・丑・亥の四辰を列出す。

宮。子帝王,午后妃。震雷擊鼓。商。辰大將,戌小將。琴瑟鐘磬。

宮音――子位は帝王に応じ、午位は后妃に応ず。その風声は雷霆の震動し・擂鼓の響き作るが如し。商音――辰位は大将に応じ、戌位は偏裨・小将に応ず。その風声は琴瑟・鐘磬の相和するが如し。

徵。寅丑亥,旱火災。申未,土功及民。奔走燎火。角。巳疾病,亥死。悲吟呼叫。羽。卯雨水,丙霜雹。流水飛羽。

徴音――寅・丑・亥位は旱情と火災を主り、申・未位は土木・労役が百姓に波及するを主る。その風声は衆人の奔走し・烈火の原を燎くが如し。角音――巳位は疾病を主り、亥位は死亡を主る。その風声は悲声の吟哦し・声を放ちて呼叫するが如し。羽音――卯位は雨水を主り、丙位は霜雹を主る。その風声は流水の奔瀉し・羽毛の翻飛するが如し。

貪狼之日,時加奸邪,風從陰賊上來,有劫相殺之事。陰賊之日,風從奸邪上來,時加申子止子,必有賊殺人,逆亂相盜。

貪狼の日に逢い、時辰が奸邪の位に落ち、風が陰賊の位より吹き来るは、劫奪・相殺の事有るを主る。陰賊の日に逢い、風が奸邪の位より吹き来り、時辰が申・子に落ちて風が子位に止まるは、必ず賊人の人を殺す有り・叛乱を発生して互いに盗掠するの事有らん。

奸邪之日,風從寬大上來,時加卯止亥,有人持酒食禮來,相候謀盜。寬大之日,風從廉貞上來,時加己酉,為貴客至,有吉慶賀賞賜事。

奸邪の日に逢い、風が寛大の位より吹き来り、時辰が卯に落ちて風が亥に止まるは、人の酒食・礼物を帯びて前來し・表面上は問候にして実は則ち窺伺して盗を图る有るを主る。寛大の日に逢い、風が廉貞の位より吹き来り、時辰が己(巳)・酉に落ちるは、貴客の到来有り・吉慶・道賀と賞賜の事有るを主る。

公正之日,風從奸邪上來,時加寅午,為誠信之士,若來報仇詐人。廉貞之日,風從寬大上來,時加午酉,為貴客以酒食來相宴樂。

公正の日に逢い、風が奸邪の位より吹き来り、時辰が寅・午に落ちるは、誠実守信の士の前來有り、あるいは人の来りて仇を報じ・詐を行い人を騙く有るを主る。廉貞の日に逢い、風が寛大の位より吹き来り、時辰が午・酉に落ちるは、貴客の酒食を帯びて前來して宴飲取楽する有るを主る。

寬大之日,時加廉貞,風從寬大上來,時加午止酉,貴客以酒食相宴樂,有遷官徵召酒食喜事。從奸邪上,求有妖人為怪,婦人欺夫。從貪狼上來,有人競求財者。從陰賊上來,有賊而無所克。從公正上來,貴人有求名問事。

寛大の日に逢い、時辰が廉貞の位に落ち、風が寛大の位より吹き来り、時辰が午に在りて風が酉に止まるは、貴客の酒食を帯びて前來して宴楽し・官職を陞遷し・征召を受くるおよび酒食・喜慶の事有るを主る。風が奸邪の位より吹き来るは、妖妄の人の風を興し怪を作す有るを主り、婦人が丈夫を欺瞞せん。風が貪狼の位より吹き来るは、人の争いて銭財を求取する有るを主る。風が陰賊の位より吹き来るは、賊人有りと雖も手を得する能わざるを主る。風が公正の位より吹き来るは、貴人の前來して名位を求取し・事情を詢問する有るを主る。

廉貞之日,時加寬大,風從廉貞上來,有七千里來相慶事,若長者到。寬大上來,人以酒食求相和好。貪狼上來,吏客求錢物。公正上來,仇人報怨。陰賊上來,欲求劫人者。奸邪上來,有人上文書徵發事,不則有奸人設詐不信事。

廉貞の日に逢い、時辰が寛大の位に落ち、風が廉貞の位より吹き来るは、遠く七千里外より伝来する慶賀の事有るを主り、あるいは尊長の到来有らん。風が寛大の位より吹き来るは、人の酒食を帯びて前來して和好を求める有るを主る。風が貪狼の位より吹き来るは、官吏あるいは客人の前來して銭物を索求する有るを主る。風が公正の位より吹き来るは、仇家の前來して怨を報ずる有るを主る。風が陰賊の位より吹き来るは、人の他人を劫掠せんと図謀する有るを主る。風が奸邪の位より吹き来るは、人の文書を呈上して征発の事を辦理する有るを主り、否れば就中奸人の騙局を設け・信に背き欺詐する有らん。

公正之日,時加公正,風從公正上來,吏人爭財,多奸相傷,若仇人欲報仇怨。奸邪上來,人慾告言部吏私財物者。陰賊上來,下凌上,謀為不道者。貪狼上來,有亡失逐縱,相牽引事。廉貞上來,君長欲遷。寬大上來,行出必值人酒食之事或憤爭。

公正の日に逢い、時辰が公正の位に落ち、風が公正の位より吹き来るは、官吏が人と財物を争奪し・多く奸巧を以て相害し・あるいは仇家の怨仇を報復しに来らんとするを主る。風が奸邪の位より吹き来るは、人の本部の官吏の財物を私占するを控告せんとする有るを主る。風が陰賊の位より吹き来るは、下位が上位を凌犯し・人の無道の事を図謀する有るを主る。風が貪狼の位より吹き来るは、失物・走失・追捕・放縦・彼此牵连の事有るを主る。風が廉貞の位より吹き来るは、君長が将に遷陞せんとするを主る。風が寛大の位より吹き来るは、外出すれば必ず他人の酒食を設けて相待するの事に碰上し、あるいは忿怒・争執に遇うあらん。

陰賊之日,時加陰賊,風從陰賊上來,有賊格鬥,在部界內,必傷殺人。貪狼上來,以白刃相攻仇。公正上來,為外人謀內。寬大上來,告客行錢與人。廉貞上來,有隱士學人為惡劫。奸邪上來,東向婦人來,勿前之,必伺人家為匿盜之事。

陰賊の日に逢い、時辰が陰賊の位に落ち、風が陰賊の位より吹き来るは、賊人の格闘する有るを主り、就中本の管轄境の内に発生し、必ず人を傷け人を殺さん。風が貪狼の位より吹き来るは、人の白刃を手持して相攻め仇を尋ぬる有るを主る。風が公正の位より吹き来るは、外人が内部と結托して図謀するを主る。風が寛大の位より吹き来るは、人の客人に銭を送りて他人に与うるを告知する有るを主る。風が廉貞の位より吹き来るは、隠士・読書人の劫掠の悪事を做出す有るを主る。風が奸邪の位より吹き来るは、婦人の東面より走り来る有るを主る。上前りて招惹する莫れ。彼女は必ずや人家を窺伺し・行窃して贓を蔵むるの事を準備するなり。

貪狼之日,時加貪狼,風從貪狼上來,有賊人至,攻劫人財。且欲害人,慎之,禍起北大。公正上來,必有行怨報人,揚兵相擊,年立丑者凶。奸邪上來,惡人持挈物來。廉貞上來,他人遺財相賄者。寬大上來,持禮相候,而欲求人財物。陰賊上來,家人內若有人相牽引,不則行出為禽獸所傷。

貪狼の日に逢い、時辰が貪狼の位に落ち、風が貪狼の位より吹き来るは、賊人の到来有るを主り、他人の財物を攻奪・劫掠せん。しかも人を加害せんと欲す。務めて謹慎防備すべし。禍端は北方より起こらん。風が公正の位より吹き来るは、必ず人の怨を挟みて報復し・兵器を動用して相撃つ有らん。本命年が丑に在る人は殊に凶険なり。風が奸邪の位より吹き来るは、悪人の物を提げて前來する有るを主る。風が廉貞の位より吹き来るは、他人の財を送りて賄賂を行うを主る。風が寛大の位より吹き来るは、人の礼物を帯びて前來して問候し、実は則ち他人の財物を索取せんと欲するを主る。風が陰賊の位より吹き来るは、家中の人の事端に牵连せらるる有るを主り、否れば就中外出の時に禽獣に傷られん。

陰賊之日。風從奸邪上來,時加申子止子,必有賊煞人,逆亂相盜。奸邪之日,時加奸邪,風從奸邪上來,主人見謀,若出遇疾病。陰賊上來,有宿怨,令相攻,必流血。從公正上來,欲報怨仇。廉貞上來,有文書所召,若以淫盜相牽。貪狼上來,賊人謀持物亡走。寬大上來,有人因酒食病。

陰賊の日に逢い、風が奸邪の位より吹き来り、時辰が申・子に落ちて風が子位に止まるは、必ず賊人の人を殺す有り・叛乱を発生して互いに盗掠するの事有らん。奸邪の日に逢い、時辰が奸邪の位に落ち、風が奸邪の位より吹き来るは、家中の主人が人に算計せらるるを主り、あるいは出門して疾病に遇上せん。風が陰賊の位より吹き来るは、旧日の怨仇の発作有るを主り、双方を唆使して相攻めせしめ、必ず流血に至らん。風が公正の位より吹き来るは、人の怨仇を報復せんとする有るを主る。風が廉貞の位より吹き来るは、文書の伝喚有るを主り、あるいは奸淫・盗窃の事を因に牵连を受けん。風が貪狼の位より吹き来るは、賊人の物を携えて逃走せんと図謀するを主る。風が寛大の位より吹き来るは、人の酒を飲み食を進むを因に病を致す有るを主る。

六情・風鳥の起こる所の加時の占(六情風鳥所起加時占)第八十一

巳酉為寬大之日,假令巳酉注寬大之日,時加巳酉,鳥來鳴其上,時加王相,當言為長吏,休廢囚死,當有酒食;時加寅午,鳥來鳴其上,有酒食辭讓者;時加丑戌,鳥來鳴其上,酒食訟口舌;時加亥卯,鳥來鳴其上,有酒食,一作盜賊相害者;時加辰未,鳥來鳴其上,有酒食,婦人女口舌者;時加申子,鳥來鳴其上,酒食爭財事。

巳・酉の両支は「寛大」の日に属す。假如ある日に表中に巳・酉の寛大の日と注明せば、時辰がまた巳・酉に落ち、鳥の飛び来りて屋の上に鳴く有らば――時辰が「王」「相」の旺気に乗ずるは、長吏と関係有るの事と断ずべし。「休」「廃」「囚」「死」の衰気に乗ずるは、則ち酒食の会有るを主る。時辰が寅・午に落ち、鳥の来りて屋の上に鳴くは、酒食有りて衆人が推譲・謙辞するを主る。時辰が丑・戌に落ち、鳥の来りて鳴くは、酒食を因に争訟・口舌を起こすを主る。時辰が亥・卯に落ち、鳥の来りて鳴くは、酒食の事有るを主る(もう一本は――盗賊の相害有るを主る、と作る)。時辰が辰・未に落ち、鳥の来りて鳴くは、酒食有り・併せて婦人・女子を因に口舌を生ずるを主る。時辰が申・子に落ち、鳥の来りて鳴くは、酒食を因に銭財を争奪するを主る。

寅午廉貞之日,時加寅午,鳥來鳴其上,時加王相,當言為長吏,休廢囚死,當有諫諍辭讓事;時加巳酉,鳥來鳴其上,有書至;時加申子,鳥鳴其上,酒食禪讓事;時加辰未,陰私婦女口舌;時加丑戌,鳥鳴其上,酒食事;時加亥卯,以酒食相殺事。

寅・午の両支は「廉貞」の日に属す。時辰が寅・午に落ち、鳥の飛び来りて屋の上に鳴く有らば――時辰が「王」「相」の旺気に乗ずるは、長吏と関係有るの事と断ずべし。「休」「廃」「囚」「死」の衰気に乗ずるは、則ち諫諍と謙譲の事有るを主る。時辰が巳・酉に落ち、鳥の来りて屋の上に鳴くは、書信の到来有るを主る。時辰が申・子に落ち、鳥が屋の上に鳴くは、酒食および位を推し賢に譲るの事有るを主る。時辰が辰・未に落ちるは、暧昧・隠私の事と婦女の口舌有るを主る。時辰が丑・戌に落ち、鳥が屋の上に鳴くは、酒食の事有るを主る。時辰が亥・卯に落ちるは、酒食を因に相に相殺の禍を起こすを主る。

公正之日,時加丑戌,鳥鳴其上,時加王相,言□吏公正事,休廢囚死,當有吏來慰問事;時加巳酉,鳥鳴其上,有公正酒食賜遣;時加寅午,鳥鳴其上,有公正辭讓慶賀;時加辰未,有吏來說公私賊事;時加申子,有吏來說公正欺詐事;時加亥卯,有吏來說賊相傷事。

「公正」の日に逢い、時辰が丑・戌に落ち、鳥の屋の上に鳴く有らば――時辰が「王」「相」の旺気に乗ずるは、□吏の公を秉るの事を談及するを主る。「休」「廃」「囚」「死」の衰気に乗ずるは、則ち官吏の前來して慰問する有るを主る。時辰が巳・酉に落ち、鳥が屋の上に鳴くは、公を秉りて事を辦するの酒食と賞賜・遣送有るを主る。時辰が寅・午に落ち、鳥が屋の上に鳴くは、公正・謙譲と慶賀の事有るを主る。時辰が辰・未に落ちるは、官吏の前來して公私・盗賊の事を談論する有るを主る。時辰が申・子に落ちるは、官吏の前來して公正の名を假借して欺詐を行うの事を談論する有るを主る。時辰が亥・卯に落ちるは、官吏の前來して盗賊・傷人の事を談論する有るを主る。

奸邪之日,時加辰未,鳥鳴其上,加王相,當言長吏來捕奸詐,休廢囚死,當有口舌起;時加寅午,鳥鳴其上,謙讓人說姦淫事;時加寬大,有酒食陰私事;時加丑戊,有吏來捕奸私陰謀事;時加申子,有陰謀諍斗劫盜事;時加亥卯,有陰私賊兵相害事。

「奸邪」の日に逢い、時辰が辰・未に落ち、鳥の屋の上に鳴く有らば――「王」「相」の旺気に乗ずるは、長吏の前來して奸詐の徒を緝捕するを断ずべし。「休」「廃」「囚」「死」の衰気に乗ずるは、則ち口舌・是非の興起するを主る。時辰が寅・午に落ち、鳥が屋の上に鳴くは、謙謙たる君子の奸淫の事を談説する有るを主る。時辰が寛大の位に落ちるは、酒食と暧昧・隠私の事有るを主る。時辰が丑・戊(戌)に落ちるは、官吏の前來して奸私・陰謀の事を查捕する有るを主る。時辰が申・子に落ちるは、陰謀・争闘と劫掠・盗窃の事有るを主る。時辰が亥・卯に落ちるは、隠私の事と賊寇・兵刃の相害有るを主る。

貪狼之日,時加申子,鳥鳴其上,時加王相,當言群賊攻劫,休廢囚死,當有盜賊事;時加寅午,鳥鳴其上,有善人說攻劫事;時加巳酉,鳥鳴其上,有酒食攻劫財物事;時加丑戌辰未,鳥鳴其上,有婦人諍訟群賊事;時加亥卯,鳥嗚其上,時加王相,有群賊相攻奪事。

「貪狼」の日に逢い、時辰が申・子に落ち、鳥の屋の上に鳴く有らば――「王」「相」の旺気に乗ずるは、群賊の攻劫と断ずべし。「休」「廃」「囚」「死」の衰気に乗ずるは、則ち盗賊の事有るを主る。時辰が寅・午に落ち、鳥が屋の上に鳴くは、善人の攻劫の事を談論する有るを主る。時辰が巳・酉に落ち、鳥が屋の上に鳴くは、酒食を因に財物を攻奪するの事を生ずるを主る。時辰が丑・戌・辰・未に落ち、鳥が屋の上に鳴くは、婦人の争訟および群賊の事有るを主る。時辰が亥・卯に落ち、鳥が屋の上に鳴き、もしまた「王」「相」の旺気に乗ずれば、群賊の互いに攻奪するの事有るを主る。

陰賊之日,時加亥卯,鳥鳴其上,時加王相,群賊大戰,休廢囚死,當有大斗相傷;時加巳酉,鳥鳴其上,有酒食相殺傷事;時加丑戌,鳥嗚其上,有吏逐賊相害;時加寅午辰未,鳥鳴其上,有婦女奸私相傷事;時加申子,鳥鳴其上,有賊相攻劫事。

「陰賊」の日に逢い、時辰が亥・卯に落ち、鳥の屋の上に鳴く有らば――「王」「相」の旺気に乗ずるは、群賊の大戦を主る。「休」「廃」「囚」「死」の衰気に乗ずるは、則ち大規模の闘殴・相傷有るを主る。時辰が巳・酉に落ち、鳥が屋の上に鳴くは、酒食を因に殺傷の事を生ずるを主る。時辰が丑・戌に落ち、鳥が屋の上に鳴くは、官吏の盗賊を追捕して彼此相害する有るを主る。時辰が寅・午・辰・未に落ち、鳥が屋の上に鳴くは、婦女の奸私の事有りて以て相傷に致るを主る。時辰が申・子に落ち、鳥が屋の上に鳴くは、賊人の互いに攻奪・劫掠するの事有るを主る。

諸陰賊日,有鳥若群飛及飄風颶從四季上來,時加四季,必有搜索,皆為開閉,囚日在近道。假令今日風起市中,若飛鳥從四季上來,即時搜索。欲知何捕人;若加丑戌,捕怨仇;加辰未,則捕小盜人殺。則此占皆為即至,不與風角同。

およそ陰賊の日に逢い、群鳥の飛び過ぐる有り、あるいは旋風・颶風が四季の位(辰・戌・丑・未)より吹き来り、時辰がまた四季の位に落ちれば、必ず搜捕の事有らん。皆城門の開閉に按じて推断すべし。もし「囚」の日に逢えば、事情は就中附近の道路の上に発生せん。假如、今日風が市集の中に起こり、あるいは飛鳥が四季の位より飛び来れば、立時に搜捕有らん。捕える所は何人なるかを判断するには――時辰が丑・戌に落ちれば、是れ仇家を緝捕す。辰・未に落ちれば、就中小偷あるいは人を殺すの賊徒を緝捕す。此の類の占法は皆応験の立即に到来するを主り、風角の占の応期と同じからず。

八方の暴風の占(八方暴風占)第八十二

北方坎,風名曰廣莫風,主冬至四十五日。京房云:四時暴風起於北方,主盜賊起,天下兵皆動,令人病溼飲帶下,難以起居。(北方坎,主盜賊,故兵起。水溼帶下。下部溼。)

北方は「坎」に属し、あれより来る風を「広莫風」と呼び、冬至以後の四十五天を主管す。京房は言う――四季の中にもし暴風が北方より起これば、盗賊の興起を主り、天下の兵馬は皆調動せられ、還って人を湿病・痰飲と帯下の疾を患え・起居に不便ならしめん。(北方の坎卦は盗賊を主る。故に兵事が興起す。坎は水湿と為る。故に帯下の症に応ず。すなわち下身の湿気の病なり。)

東北艮曰條風,(亦名炎風。)主立春四十五日。一云:鬼行人道,多旱疫,主天下水,令人疾洩,變易形容。(冬春之交,萬物變改。)東方震曰明庶風,(亦名宄風。)主春分四十五日。京房云:人流,盜起相攻,風發天下,旱冥霜起,歲大飢,令人病變節四肢,不可動搖。(雷始起動,木始盛故也。)

東北方は「艮」に属し、あれより来る風を「条風」(またの名を「炎風」)と呼び、立春以後の四十五天を主管す。一種の説法有り――此の風が一たび起これば、鬼怪が人道の上に行走し、多く旱情と疫病有り、天下の水を発するを主り、人を泄瀉の疾を患え・形貌が改変せらるるならしむ。(冬春の交替の際に、万物は皆変換・更改しつつ有り。)東方は「震」に属し、風を「明庶風」(またの名を「宄風」)と呼び、春分以後の四十五天を主管す。京房は言う――人口の流亡を主り、盗賊が四起して互いに攻奪し、風が起こりて天下に遍及し、天旱・昏暗にして霜凍が降臨し、年成が大饑となり、人を関節の病变・四肢の屈伸・活動する能わざらしむ、と。(これは雷が始めて震動し・木気が始めて旺盛なるを因とす。)

東南巽曰清明風,(一名景風。)主立夏四十五日。京房云:民多洩痢,乳婦暴病死喪。南方離曰景風,(一名臣風。)主夏至四十五日。此風中發,有火災。來年旱,令人身暴熱,生瘡,目盲。(離為火,目為熱盲也。)

東南方は「巽」に属し、風を「清明風」(一名を「景風」)と呼び、立夏以後の四十五天を主管す。京房は言う――百姓に多く泄瀉・痢疾を患え・産婦が突発して疾病し以て死喪に致るを主る、と。南方は「離」に属し、風を「景風」(一名を「臣風」)と呼び、夏至以後の四十五天を主管す。此の風もし期の中に刮き起これば、火災有るを主り、来年は乾旱し、人を身体が暴熱し・瘡を生じ・双目が失明するならしむ。(離卦は火に属す。故に眼睛の熱を因に盲に致るに応ず。)

西南坤曰涼風,一作諫,(一名陣風。)主立秋四十五日。此風發,天下兵動,日月失色,令人食不入口,病腰脊肩背股膝皆腫。(坤為眾,故兵動。陽氣衰,故日月無光,木為老,故患也。)西方兌曰閶闔風,(亦名飄風。)主秋分四十五日。京房曰:秋旱霜,主天下兵動,日月蝕,令人患瘡癬瘡。(兌為毀折,故日月食而生惡瘡。)

西南方は「坤」に属し、風を「涼風」と呼び、一本は「諫風」と作る(一名を「陣風」)。立秋以後の四十五天を主管す。此の風が一たび起これば、天下の兵馬が調動し、日月が光色を失い、人を飲食の下嚥する能わず・腰脊・肩背・大腿・膝蓋が皆腫痛するならしむ。(坤は衆庶と為る。故に兵の動くを主る。陽気が衰微す。故に日月に光なし。木気は已に老いたり。故に此の類の疾患を生出す。)西方は「兌」に属し、風を「閶闔風」(またの名を「飄風」)と呼び、秋分以後の四十五天を主管す。京房は言う――秋季の乾旱・降霜を主り、天下の兵馬が調動し、日月に食有り、人を瘡癬・悪瘡を患えしむ、と。(兌卦は毀折を主る。故に日月が虧蝕して人に悪瘡を生ぜしむ。)

西北乾曰不周風,主立冬四十五日。天下大飢。京房云:有盜賊相攻,人多疽疾,人流亡疾疫,多死喪,有神不起,地動,日月失色,令人病疥癘,生惡瘡。(乾當室壁,故主疾疫。)

西北方は「乾」に属し、風を「不周風」と呼び、立冬以後の四十五天を主管し、天下の大饑を主る。京房は言う――盗賊の互いに攻奪する有るを主り、人に多く疽瘡を生じ、百姓が流亡し・疫病が流行し、死喪が衆多にして、鬼神を祈禱するも応験を見ず、地気が震動し、日月が色を失い、人を疥癬・癘疾を患え・悪瘡を生出せしむ、と。(乾方は室宿・壁宿に対応す。故に疾疫を主る。)

古八節,但暴風起其方,即占。京房云:八方暴風之候及八卦風別名。春白、夏黑、秋赤、冬黃,皆為凶,下逆上,兵革四動,各隨其部日辰占之。乾高折風,(一名沖。)坎為大剛風,艮為凶風,震為嬰兒風,巽為大弱,(一雲小弱。)離為大弱風,坤為諫風,(一名陰謀風。)兌為小弱。

古法は八節に按じて推占し、ただ暴風が某一の方位に起これば、就中立即にあの一方に依って占断す。京房は言う――八方の暴風の徴候および八卦の風の別名は下の如し。春天に風色が白を発し・夏天に黒を発し・秋天に赤を発し・冬天に黄を発するは、皆凶兆に属し、下位の上位に悖逆し・兵革の四起するを主り、各々所属する方位の日辰に随って占断して去るべし。乾方の風を「高折風」(一名を「冲風」)と呼び、坎方を「大剛風」と呼び、艮方を「凶風」と呼び、震方を「嬰児風」と呼び、巽方を「大弱風」(一説に「小弱風」)と呼び、離方を「大弱風」と呼び、坤方を「諫風」(一名を「陰謀風」)と呼び、兌方を「小弱風」と呼ぶ、と。

古八風,發屋折木,飛沙揚石,三日不雨,則逆四時,乃占。風為陽,雨為陰,陽之怒,得陰則諧,故風災得雨則解。正月朔後八風者,此法齊人要術,五穀所宜。

古法の説く所の「八風」は、大風の屋頂を掀翻し・樹木を折断し・沙を飛ばし石を走らすを指し、而して三日の内に雨を降らさざれば、就中これを四時の気に違逆すると呼び、乃ちこれに拠って占断すべし。風は陽に属し、雨は陰に属す。陽気が发怒し、陰気を得れば就中調和に帰す。故に風災は雨に遇えば便ち自然に消解す。正月初一以後の八風の占法に至りては、これは斉地の農家の要術にして、以て何の五穀を種うるに宜しきかを判断するに用う。

及出《漢書志》:從乾來,有憂兵;從坎來,回水湯湯,有大水;從艮來,人疾疫,歲有蝗蟲;從震來,陽氣干歲,大旱有喪;從巽來,歲多風,傷五穀;從離來,歲旱大熱,多火災;從坤來,人疾病,道中多死凶;從兌來,歲有兵革之事。

また『漢書・天文志』より出づ――風が乾方(西北)より吹き来るは、兵事の憂有るを主る。坎方(正北)より吹き来るは、大水の回旋・泛濫有り・洪涝有るを主る。艮方(東北)より吹き来るは、人間に疫病が流行し・当年に蝗災有るを主る。震方(正東)より吹き来るは、陽気の亢燥・全年の大旱・併せて丧事有るを主る。巽方(東南)より吹き来るは、一年に風多く・五穀を損傷するを主る。離方(正南)より吹き来るは、年成の乾旱・酷熱にして・多く火災有るを主る。坤方(西南)より吹き来るは、人に多く疾病有り・道路上に多く死亡・凶事有るを主る。兌方(正西)より吹き来るは、当年に兵革・戦事有るを主る、と。

三辰八角風:辱、殺、反、吉、抵、誣誕、忿、爭。申子辰之日:艮震巽離坤兌乾坎。巳酉丑之日:巽離坤兌乾坎艮震。亥卯未之日:乾坎艮震巽離坤兌。寅午戌之日:坤兌乾坎艮震巽離。

「三辰八角風」の配位の表――八角の名目は依次に辱・殺・反・吉・抵・誣誕・忿・争なり(後文に分條解釈する時は辱・殺・反・吉・抵・誕・忿・争の八項と作る)。およそ申・子・辰の日は、此の八角は依次に艮・震・巽・離・坤・兌・乾・坎の八方に配す。およそ巳・酉・丑の日は、依次に巽・離・坤・兌・乾・坎・艮・震に配す。およそ亥・卯・未の日は、依次に乾・坎・艮・震・巽・離・坤・兌に配す。およそ寅・午・戌の日は、依次に坤・兌・乾・坎・艮・震・巽・離に配す。風を占う時は先ず当日が何れの一組の三合に属するかを看て、再び表に按じて風の来る方が何れの一角に対応するを査出すべし。

風從辱上來,國及家有恥辱之事。風從殺上來,有暴相殺不道理,若行道逢之,有相殺之人來過也。風從反上來,臣子有反逆不順之事。

風が「辱」位より吹き来るは、国家と家中とに皆恥辱を蒙受するの事有るを主る。風が「殺」位より吹き来るは、横暴の相殺・道理を講らざるの事有るを主る。もし道路の上で此の様の風に遇上せば、就中互いに仇殺する人の旁より経過する有らん。風が「反」位より吹き来るは、臣子に反叛・悖逆して帰順を肯んぜざるの事有るを主る。

風從吉上來,有恩澤詔書,百姓除害,有喜事,若行道逢之,即見賢人君子酒食之遣,此直迴風,入人家同。風從抵上來,有牴觸非理。王日,貴人;相日,中人;休日,庶人;囚日、死日,族人相連。

風が「吉」位より吹き来るは、恩を施すの詔書の下達有るを主り、百姓の為に禍害を除去し、喜慶の事有らん。もし道路の上で遇上せば、就中賢人・君子の酒食を備えて相贈るを見るべし。此処に説くは径直に旋轉して来る回風にして、人の家の宅院に吹き進む時も占法は相同じ。風が「抵」位より吹き来るは、抵触・違理の事有るを主る。「王」の日に逢えば貴人の身に応じ、「相」の日に逢えば中等の人に応じ、「休」の日に逢えば平民の身に応じ、「囚」の日・「死」の日は則ち整個の宗族に牵连せん。

風從誕上來,有欺誕不誠之人,有欺紿。風從忿上來,有非議、忿爭土地財物之事。風從爭上來者,主有好人慾爭財物事。

風が「誕」位より吹き来るは、虚妄・欺誑にして誠信を講らざる人の出現有るを主り、人に蒙騙せられん。風が「忿」位より吹き来るは、非議・指責有るを主り、および土地・財物を為に忿然として相争うの事有らん。風が「争」位より吹き来るは、善良の人をも卷入して財物を争奪するの事に至らしむるを主る。

八方風來:風從震巽離上來者,主勝。風從乾坎艮兌坤上來,客勝。兩軍相當。風從折衝上來,必獲敵人資糧。風從坤上來,有事不成也。

八方より来る風の勝負の占――風が震・巽・離の三方より吹き来るは、主方が勝を得ん。風が乾・坎・艮・兌・坤の五方より吹き来るは、客方が勝を得、両軍は勢均力敵なり。風が「折冲」の位より吹き来るは、必ず敵人の糧草・輜重を繳獲せん。風が坤方より吹き来るは、謀る所の事は成功する能わざらん。

正朔八風占:《漢志》曰:凡候歲美惡,謹候歲始,或冬至日。產氣始萌,臘明日,人眾卒歲,一會飲食,發陽氣,故曰初歲,正月旦。王者歲首立春,四時之始也,四者候之日。

正月朔日の八風の占――『漢書・天文志』に言う――およそ一年の年成の好壞を預測せんと欲するは、皆一年の開端を謹慎に観察せねばならず。一つは冬至の此の日にして、生育の気が始めて萌動す。二つは腊祭の第二日にして、衆人が旧歳を辞去り・聚まりて飲食し、以て陽気を発動す。故に「初歳」と呼ぶ。三つは正月初一の早晨。四つは帝王の定めたる歳首の立春にして、これは四季の起点なり。此の四個の日子は就中候占の日なり、と。

歲旦立春,風南來,大旱;西南來,小旱;西方來,主有兵革;西北來,戎菽為胡豆。小雨,兵起。北方來,中歲;東北來,上歲;東方來,大水;東南來,民有疾病,歲惡。八風各與其沖對課,多勝少,疾勝徐。旦至食為麥,食至昳為稷,昳至晡為黍,晡至下晡為菽,下晡至日沒為麻。

正月初一と立春の此の両天――風が南方より来れば、大旱を主る。西南より来れば、小旱を主る。西方より来れば、兵革の事有るを主る。西北より来れば、戎菽(すなわち胡豆)の豊収を主る。もし同時に小雨を下せば、則ち兵事の興起を主る。北方より来れば、中等の年成を主る。東北より来れば、上等の年成を主る。東方より来れば、大水を発するを主る。東南より来れば、百姓に多く疾病有り・年成が好からざるを主る。八方の風は各自の相冲する方向と対照比較し、風の多き一方は風の少なき一方に勝ち、風の急なるは風の緩なるに勝つ。また時段に按じて分かちて五穀を主る――天亮より早飯の時までは麦に応じ、早飯より日の中天を過ぐる時までは稷に応じ、日昃より申時までは黍に応じ、申時より日の将に落ちんとする時までは豆に応じ、日の将に落ちんとする時より日没までは麻に応ず。

又有東谷風、南凱風、西泰(一作涼)風、北涼風。風從北來,宜客;南來,為主吉;西來,宜客;東來,宜主;西北來,宜客;東南來,宜主;西南來,有謀不成;東北來,主客俱不利。

別にまた四方の風の専名有り――東風を「穀風」と呼び、南風を「凱風」と呼び、西風を「泰風」(一本は「涼風」と作る)と呼び、北風を「涼風」と呼ぶ。風が北方より来るは、客方に利有り。南方より来るは、主方に吉利なり。西方より来るは、客方に利有り。東方より来るは、主方に利有り。西北より来るは、客方に利有り。東南より来るは、主方に利有り。西南より来るは、謀る所の事は成らず。東北より来るは、主客の双方ともに利あらず。

風從乾來,西北方也,有小雨,兵起戎狄,胡兵也。風從正北坎方來,多水大雨。風從東北艮方來,豐稔。風從正東來,大水。風從東南來,民有疾病。風從南來為大旱。風從西南來者,小旱。風從正西來者,有兵災。若風勢大急惡昏濁,亦以八卦暴風例占之為妙也。

風が乾方より吹き来る、すなわち西北方は、小雨有るを主り、兵事が戎狄に起こる。すなわち胡人の兵なり。風が正北の坎方より吹き来るは、水多くして大雨を降すを主る。風が東北の艮方より吹き来るは、年成の豊収を主る。風が正東より吹き来るは、大水を発するを主る。風が東南より吹き来るは、百姓に多く疾病有るを主る。風が南方より吹き来るは、大旱を主る。風が西南より吹き来るは、小旱を主る。風が正西より吹き来るは、兵災有るを主る。もし風勢が急猛にして・天色が昏暗渾濁なれば、あれは就中再び八卦の暴風の通例に按じて占断して去るべく、更に妥当ならん。

立春,正月節,清明少雲,善熟,霧則旱蟲傷禾豆。乾上風來,暴霜殺物,五日,粟卒貴;坎上風來,冬大風寒,北狄侵;艮上風來,五穀熟;震上風來,氣洩,物不成;巽上風來,多風足蟲;離上風來,旱傷生物;坤上風來,春寒,六月水,人多愁土功;兌上風來,旱霜兵起。

立春は正月の節気なり――此の日に天色が清朗にして雲少なければ、年成好く・庄稼が成熟するを主る。もし大霧を起こせば、則ち旱情と虫害の禾苗・豆類を損傷するを主る。風が乾方より吹き来るは、暴霜の作物を殺傷し・五天の内に粟米が驟然に漲価するを主る。坎方より吹き来るは、冬季に大風・厳寒多く・北方の狄人の入侵を主る。艮方より吹き来るは、五穀の成熟を主る。震方より吹き来るは、地気の外泄・作物の結実せざるを主る。巽方より吹き来るは、風多くしかも爬虫多きを主る。離方より吹き来るは、旱情の生物を傷害するを主る。坤方より吹き来るは、春天の寒冷・六月に水を発し・百姓に多く土木・労役を為に愁うるを主る。兌方より吹き来るは、乾旱・降霜・兵事の興起を主る。

春分,二月中氣,東方有青雲,必熟;晴明,物不成。乾上風來,歲多寒,金鐵倍貴;坎上風來,菽豆不成,飢疫;艮上風來,夏不熟,米貴一倍;震上風來,五穀成,亦無賊;巽上風來,蟲生,四月多暴寒;離上風來,五月先水後旱;坤上風來,小水,人多瘧疫;兌上風來,有兵,春寒,八月國憂也。

春分は二月の中気なり――此の日に東方に青雲の出現あれば、庄稼の必ず成熟するを主る。もし一味に晴朗明浄なれば、反って作物の成らざるを主る。風が乾方より吹き来るは、一年に寒多く・金鉄の価格が翻倍するを主る。坎方より吹き来るは、豆類の結実せず・饑饉・疫病有るを主る。艮方より吹き来るは、夏季の庄稼が熟さず・米価が一倍上漲するを主る。震方より吹き来るは、五穀の豊成し・また盗賊なきを主る。巽方より吹き来るは、虫害の滋生し・四月に突発の寒潮多きを主る。離方より吹き来るは、五月に先ず涝れ後に旱けるを主る。坤方より吹き来るは、小水災有り・人に多く瘧疾・瘟疫を患うるを主る。兌方より吹き来るは、兵事有り・春天が寒冷し・八月に国家に憂患有るを主る。

立夏,南方有赤雲則豐,晴明則旱。乾上風來,其年凶飢,夏霜,麥不刈;坎上風來,多雨,魚行人道;艮上風來,山崩地動,人疫;震上風來,雷動非時擊物;巽上風來,其年豐熟;離上風來,夏旱禾熟;坤上風來,不共力,萬物天傷;兌上風來,蝗蟲大動。

立夏の此の日、南方に赤色の雲気の出現あれば就中豊収を主り、一味に晴朗明浄なれば則ち乾旱を主る。風が乾方より吹き来るは、此の年に凶荒・饑饉し・夏天に霜を下し・麦子が收割する能わざるを主る。坎方より吹き来るは、雨多く・魚が人の行く道路の上に游ぐを主る。艮方より吹き来るは、山崩・地震・人間の疫病を主る。震方より吹き来るは、雷の非時に震動し・物件を撃傷するを主る。巽方より吹き来るは、此の年の豊収を主る。離方より吹き来るは、夏天の乾旱にして禾稼は仍ほ成熟する能きを主る。坤方より吹き来るは、人力の協同する能わず・万物が天時の損傷を遭うを主る。兌方より吹き来るは、蝗虫の大いに起こるを主る。

夏至,南方赤氣則熟,晴明則旱。乾上風來,寒氣萬物;坎上風來,寒暑不時,夏月多寒;艮上風來,山水暴出;震上風來,八月人多疾;巽上風來,九月風落眾物;離上風來,五穀熟;坤上風來,六月多雨水橫流;兌上風來,秋多雨霜也。

夏至の此の日、南方に赤色の雲気有れば就中庄稼の成熟を主り、一味に晴明なれば則ち乾旱を主る。風が乾方より吹き来るは、寒気の万物を侵害するを主る。坎方より吹き来るは、寒暑の序を失い・夏季に反って寒冷多きを主る。艮方より吹き来るは、山洪の暴発を主る。震方より吹き来るは、八月の裏に人の多く疾病有るを主る。巽方より吹き来るは、九月に大風の各種の果実を吹落するを主る。離方より吹き来るは、五穀の成熟を主る。坤方より吹き来るは、六月に雨多く・洪水の横流するを主る。兌方より吹き来るは、秋天に雨多く霜多きを主る。

立秋,有白雲及小雨則吉,晴明物不成。乾上風來,甚寒多雨;坎上風來,冬霧多雪寒;艮上風來,秋氣不和;震上風來,秋多雨雹,人不知草木再榮;巽上風來,卒兵內起;離上風來,兵戎不利,多旱;坤上風來,五穀成熟;兌上風來,兵起將行。

立秋の此の日、白雲の出現し併せて小雨を降せば就中吉兆なり、一味に晴明なれば則ち作物の成らざるを主る。風が乾方より吹き来るは、極寒・雨多きを主る。坎方より吹き来るは、冬天に霧多く・雪多く厳寒なるを主る。艮方より吹き来るは、秋令の気の調和せざるを主る。震方より吹き来るは、秋天に雨多く雹多く・人々の意想せざる草木の再度花を開く有るを主る。巽方より吹き来るは、境内に突発の兵変有るを主る。離方より吹き来るは、兵を用うるに利あらず・多く旱情有るを主る。坤方より吹き来るは、五穀の成熟を主る。兌方より吹き来るは、兵事の興起・将帥の出征を主る。

The original text is in the public domain. The Japanese is a machine-assisted translation of this library’s own Chinese paraphrase, checked against a fixed glossary so that technical terms match the definitions used elsewhere on this site. It is a reading aid and does not replace the original.