歳星占第二十五
歲星,一名攝提。東方木德,靈威仰之使,蒼龍之精也。其性仁,其事□,其時春,其日甲乙,其辰寅卯,其音角,其數八,其帝太昊,其神句芒,其蟲鱗,其味酸,其臭羶,卦在震巽,人主之象。主道德之事,故人君仁也。其常體大而清明潤澤,所在之宿國分大吉。
歳星は、また摂提と呼ぶ。それは東方木徳の星で、東方天帝・霊威仰の使者、蒼龍の精気の結する所。その性は仁に属し、主る所の事は□(原文一字を缺く)を為し、配する所の季節は春、配する所の日は甲・乙、配する所の辰は寅・卯、配する所の音は角、配する所の数は八、配する所の帝は太昊、配する所の神は句芒、配する所の虫類は鱗虫、味は酸に属し、気味は膻に属し、卦に在りては震・巽、君主の象徴。それは道徳方面の事を主管す。ゆえに人君の仁と相応ず。その正常の形体は大にして清明・潤澤、それが所在する星宿に対応する邦国の分野は大吉。
《易傳》曰:帝王人君行道德,德至仁利,則歲星明大潤澤;明大潤澤,則人君昌壽,民富樂,中國安,四夷服。人君行酷虐殘暴,則歲星時時暗小微昧,微昧則國亡君死。是故星明則主明,星暗則主暗。人君從諫,則歲星如度,人君聽諛佞,拒忠諫,則歲星亂行。故歲星變色亂行,人君無福;進退如度,則奸邪止息。
《易伝》にいう。帝王・人君が道徳を施行し、徳澤が仁愛・厚利の地步に達すれば、歳星は就ち明亮・広大にして潤澤す。歳星が明大・潤澤なれば、君主は便ち昌盛・長寿し、百姓は富足・安楽し、中原は安定し、四方の夷狄は帰服す。人君が酷虐・残暴の政を施行すれば、歳星は就ち時々昏暗・変小・幽微・不明す。幽微・不明なれば、就ち国亡・君死を主る。ゆえに星が明亮なればすなわち君主が明察なるを表示し、星が昏暗なればすなわち君主が昏昧なるを表示す。人君が勧諫に聴從すれば、歳星は就ち常度に依って運行す。人君が諂諛・佞人を聴信し・忠言・勧諫を拒絶すれば、歳星は就ち運行を錯乱す。ゆえに歳星が色を変じて乱行するは、君主に福分なきを主る。歳星の進退が常度に合するは、奸邪の事は就ち止息せん。
猶如木之曲直,從繩則正;人君性習,從諫則聖矣。人君令合於時,則歲星光喜,年穀登;人君暴怒失其理,則歲星有芒角而怒矣。歲星怒則兵起,有所攻伐矣。歲星所在之分,不可攻之,攻之則反受其殃矣。
これは譬えば木材に弯あり直あり、墨繩に依照して裁削すれば能く正を取るがごとし。人君の秉性と習染は、肯んじて勧諫に聴從すれば能く聖明の君と為る可し。人君の政令が時宜に合すれば、歳星は就ち光彩・喜悦し、年穀は豊収す。人君が暴怒して常理を失えば、歳星は就ち芒角を生じて怒色を顕す。歳星が怒を顕せば、就ち兵事の興起・攻伐の挙あるを主る。歳星の所在する分野は、攻打に往く可からず。それを攻打すれば反って自ら禍殃を受く。
秦之將亡也,歲星聚於東井。東井,秦之分野,秦政殘暴失政,歲星仁和之理違。歲星貌恭,恭作肅,不肅之道,拒諫信讒,是故二世君終於屠滅。漢高之入秦也,修德佈政仁和,約法三章,與民更始,除秦暴酷,故秦人欣戴焉,卒入三秦之漢中而基王業也。項羽後入,焚燒宮室,殘暴楚毒,失仁之福,卒於敗亡。
秦朝の将に滅亡せんとする時、歳星は東井宿に聚集した。東井は秦国の分野で、秦政は残暴にして治道を喪失し、歳星の仁愛・和順の道理に違背した。歳星の主る所は容貌の恭敬で、恭敬すれば便ち能く厳肅を生ず。いわゆる不肅の道とは、すなわち勧諫を拒絶し・讒言を聴信する。ゆえに秦二世のこの位の君主は終に屠戮・覆滅に遭った。漢高祖が秦地に進入する時、徳行を修養し・施政は仁厚・和順にして、百姓と約法三章し、百姓を重新に開始せしめ、秦朝の暴虐・苛酷を除去した。ゆえに秦地の百姓は欣然として彼を擁戴し、彼は終に三秦に進據し・漢中により帝王の基業を奠定した。項羽は後来秦地に進入し、宮室を焚焼し、残暴・狠毒にして、仁徳の帯来する福分を失掉し、終に敗亡した。
是故人君順其時,處其分,宜布其德,而修其政也。歲星所在處有仁德者,天之所佑也。不可攻,攻之必受其殃。利以稱兵,所向必克也。
ゆえに人君は天時に順応し・自己の名分に安処し、当に広く徳澤を布きて政事を整飭すべし。歳星の所在する処にもし仁徳を施行する人あれば、それは上天の保佑する所で、攻打に往く可からず——攻打すれば必定に自ら禍殃を受く。反対に、歳星の所在する分野に居る一方が兵を挙ぐれば、則ち有利あり、向かう所必定に取勝す。
歲星木精,其時春也。人君春時,當順少陽德令。天子率百官,制法度,當佈德和令,施惠下及兆民,無有不當。順天象,授民時,祈嘉穀,教新卒,布農合,修封疆,相地宜,以導民,躬必親之。
歳星は木の精気で、配する所の季節は春天。人君は春天に在りては、当に少陽の生発する徳令に順從すべし。天子は百官を率領して法度を制定し、当に広く徳澤を布き・政令を和洽し、恩惠を万民に施及し、一処も合宜せざるなきようにすべし。天象に順応し、百姓に農時を頒授し、嘉穀の豊収を祈求し、新兵を訓練し、農事の安排を布置し、疆界を修整し、土地の宜しき作物する所を察看してもって百姓を引導す——これらの事は天子は必ず親身に参与すべし。
命賜司典,止殘伐,毋覆巢,毋殺胎天飛鳥,毋鏖卵,毋聚大眾,毋置城郭,掩骼埋胔,不稱兵,兵戎不起,不可以從我始,毋逆天之道,毋絕地之理,毋亂人之紀。
典章を主管する官員に命令し賜教す。残害・砍伐を制止し、鳥巣を傾覆するを許さず、懐胎の禽獣と幼小の飛鳥を殺害するを許さず、鳥卵を毀壊するを許さず、大批の人衆を聚集するを許さず、城郭を興築するを許さず。暴露の枯骨と腐肉を掩埋し、兵を挙げて征戦せざるべし。兵戎の事は興起す可からず、更に我が方より先に挑起す可からず。上天の道に違逆する勿れ、大地の理を断絶する勿れ、人間の綱紀を扰乱する勿れ。
仲春養幼少,存孤獨,省囹圄,去桎梏,毋肆掠,止獄訟,同律度,正權量,無作大事以妨農事,無竭川澤,無漉陂池,無焚山林,命出而不納。
仲春二月は幼小を養育し、孤児と孤老を撫恤し、牢獄を減省し、刑具を去掉し、濫りに拷掠を施すを許さず、獄訟を停止す。音律と度数を統一し、秤錘と量器を校正す。大工役を興辦して農事を妨害する勿れ、川沢の利を竭尽する勿れ、陂塘の積水を淘干する勿れ、山林を焚焼する勿れ。政令は一経発出すれば、就ち只管施行して再び收回せず。
天子佈德行惠,發倉廩,賜貧窮,賑乏絕,開府庫,出穀帛,賜天下,勉諸侯,聘名士,禮賢者,止弋獵,無悖於時,無淫巧以蕩上心,則歲星無變而降福矣。
天子は広く徳澤を布き・恩惠を施行し、糧倉を打開し、貧窮を賑済し、糧を断ち告ぐるなき人を救助す。府庫を開啓し、穀物・布帛を拿出して天下を賞賜し、諸侯を勉勵し、名士を聘請し、賢人を礼遇す。射猟を停止し、時令に違背せず、奇技・淫巧を用いて君上の心志を動揺するを許さず。これらを做到すれば、歳星は変異を出現せず、反って福澤を降下す。
失令非時,行夏令,則熒惑之氣干,則星變赤芒角,國大旱暖氣,是哀蟲螟為害食,人民疾疫,時雨降,山陵不收,風雨不時,旱木早落,邦時有恐,中國寇戎來征。
もし政令が失当して・時節に合せず、春天に却って夏天の政令を推行すれば、那么熒惑の気が就来て干犯し、歳星は赤色に変じて芒角を生じ、国中に大旱・煖気の反常あるを主る。可嘆なるは螟虫が為害して庄稼を啃食し、百姓は疫病に遭遇す。縱使応時の雨の降下あるも、山陵の地は仍ほ顆粒の収なし。風雨は常時を失い、天旱して樹木は過早に落葉し、国中は時々驚恐し、中原には外寇・兵戎の前来して征伐するあらん。
行秋令,則太白之氣干之,星白無光,寒氣大至,民大疫,飄風暴雨總至,藜莠蓬蒿並與,天多陰沉淫雨早降。行冬令,則辰星氣干之,星變黑小,水澇為敗,雪霜大至,首種不入,陽不收,麥不熟,民多相撓,寒氣時發,草木皆肅,國有大水。
春天に秋天の政令を推行すれば、那么太白の気が就来て干犯し、歳星は白を発して光彩なく、寒気の大挙して到来し・百姓が大いに疫病を起し・狂風・暴雨が一斉に襲来し・藜・莠・蓬・蒿の類の雑草が叢生・蔓延し・天が多く陰沈して連綿の淫雨が早早と落下するを主る。春天に冬天の政令を推行すれば、那么辰星の気が就来て干犯し、歳星は又黒く又小に変じ、水澇が災を成し・雪霜が大量に降臨し・最先に播種の作物は地に下る能わず・陽気は収斂し能わず・麦子は成熟し能わず・百姓は多く相扰乱し・寒気は時々発作し・草木は一概に凋零・蕭瑟し・国中に大水あるを主る。
歲星為仁,貌曰曲直象木。(可操曲直)木曰貌,貌,容儀也;貌曰恭,恭,儼恪也;恭作肅,肅,敬也。肅時雨若,狂恆雨若,是故人君貌恭心肅,則歲星光明盛大,無盈縮,儼而行中道,降福德而示吉祥。時雨降,人君壽,百穀成,天下安而民樂矣。
歳星は仁を主管し、《尚書・洪範》の五事においては「貌」に配属す——木に曲あり直ありと説くは、まさに木に象を取る(木は人の揉製に任じて曲あるいは直と為り得べし)。木は五事において「貌」に対応し、「貌」はすなわち容止・仪表。「貌」は「恭」を求め、「恭」はすなわち荘重・謹敬。恭は能く「肅」を生じ、「肅」はすなわち敬慎。君主が肅敬なれば、上天は応時の雨をもって回応す。君主が狂妄なれば、上天は久雨に止まざるをもって回応す。ゆえに人君の容貌が恭敬・内心が肅敬なれば、歳星は就ち光明・盛大にして、超前・落後の盈縮なく、端厳に中道を行き、福德を降下して吉祥を顕示す。ここにおいて応時の雨は期に按って降下し、人君は長寿し、百穀は成熟し、天下は安定して百姓は歓楽す。
若人君酷亂恣情,則讒臣湊,變怒芒角,錯逆降示,應恆雨淫注,人君不昌,百穀不成,庶事不寧,天下有兵。夫歲星色澤微暗,進退失度,為奸邪並與,人君無福,有芒角者戰勝。武密曰:順角指所戰勝,逆者凶,順行不可逆戰,逆行不可背之以戰,凶。
もし人君が酷虐・昏乱にして・恣意に纵情すれば、那么讒佞の臣が聚集して来り、歳星は就ち色を変じて怒を顕し・芒角を生じ、錯乱・悖逆の天象をもって警示し、感応して来るは久雨の停まず・大水の傾注す。君主は昌盛する能わず・百穀は成熟する能わず・各種の事務は安寧を得ず・天下に兵禍あり。およそ歳星の色沢が略々昏暗・進退が常度を失えば、奸邪の徒の一斉に興起し・君主に福分なきを主る。もし歳星が芒角を生ぜば、則ち芒角の指す方向に依って用兵する一方が取勝し得べし。武密にいう。芒角の指す方向に順って作戦すれば取勝し・それに逆らうは則ち凶。歳星が順行する時は逆向に作戦す可からず・歳星が逆行する時はそれに背を向けて作戦す可からず——それは凶なりと。
歲星與月相掩食,國有大喪,女主大臣亡。歲星與熒惑合斗,殺大將;與太白合斗,有大兵;與太白相犯,有兵大戰。金在木南,南國敗;在木,北國敗。木乘金,偏將死;木與金合斗,大將死。
歳星と月とが互いに掩蝕するは、国中に大喪あり・女主と大臣とが死亡するを主る。歳星と熒惑とが相合して斗うは、大将の殺されんを主る。太白と相合して斗うは、大規模の兵事あるを主る。太白と互いに干犯するは、兵あり而して大戦たるを主る。太白が歳星の南に在るは、南方の国の敗るるを主る。太白が歳星の北に在る(原文「在木」の下に疑らく一「北」字を脱す)は、北方の国の敗るるを主る。歳星が太白を圧臨するは、偏将の戦死するを主る。歳星と太白とが相合して斗うは、大将の戦死するを主る。
歲星先至,諸星從之者,其國分人君吉,以仁德威天下矣。應留不留,其國亡;應去不去,其國昌。歲星主齊魯,青、徐州。色白有喪,黑有病,赤有兵起,黃有喜。
歳星が先に到り、其余の諸星が跟随して来るは、あの一分野の国君が吉利にして、能く仁徳を凭りて天下を威服するを主る。歳星が応に停留すべきに停留せざれば、あの一分野の国家は将に亡びん。応に離去すべきに離去せざれば、あの一分野の国家は昌盛す。歳星は斉・魯の地を主管し、すなわち青州と徐州なり。それの色白なるは喪事あるを主り、色黒なるは疾病あるを主り、色赤なるは兵事の興起あるを主り、色黄なるは喜慶あるを主る。
歲星平見,入冬至初者,減八日,後六日損七日,以次六日損一日,畢於大寒四十五日。凡損十六日盡即平行。自入立春十一日加一日,畢於雨水,因入春分,均加四日,清明穀雨,均加五日。
歳星の平見日を推算す。冬至初候に進入するは、八日を減じ、此の後六日毎に再び七日を減じ、依次に六日毎に一日を減じ、一直に大寒以後四十五日に至るまで算す。総計して十六日を減じ満たして後、就ち平行に按って推算す。立春に進入するより、十一日毎に一日を加え、一直に雨水に至るまで加う。続いて春分に進入すれば、一律に四日を加う。清明・穀雨の両箇の節気は、一律に五日を加う。
自入立夏,畢於大暑,均加六日。自入立秋,初日加六日,加後十日減五日,畢於秋分。自入寒露已後,六日減一日,畢於立冬。自入小雪,畢於大雪,均減八日。餘為定見日,初見去日十四度。
立夏に進入するより、大暑に至るまで、一律に六日を加う。立秋に進入するより、頭一日は六日を加え、加え過ぎて後十日毎に五日を減じ、一直に秋分に至るまで算す。寒露に進入する以後、六日毎に一日を減じ、一直に立冬に至るまで算す。小雪に進入するより、大雪に至るまで、一律に八日を減ず。余る所の数目はすなわち確定の初見の日なり。初見の時、歳星は太陽に距ること十四度。
五星行術
置星定見之前夜半日所在之宿度算及分,各以定見去朔日算及分加之,行分滿法,六百七十乃從度一。(其日度星度分名,半日法也。)以星初見去日度數,晨減夕加之,命度以次,則星初見所在度分求者,次日各以一日所行度及分。
布算の法。当該の星の確定初見の日の前の夜半時に太陽の所在する宿度の整数と分数を取り、各自に定見日より朔日の間の日数の整数と分数を加う。得る所の行分が一法に満つれば、すなわち六百七十分に満つれば、進位して一度と為す(其中日度・星度の分名は、皆半日法をもって準と為す)。再び当該の星の初見の時に太陽に距る度数を取り、晨見は相減じ・夕見は相加え、依次に度数を命定すれば、就ち当該の星の初見の所在する度と分を求得す。もし以後の各日を推求せんと欲せば、就ち次日に各々一日の行く所の度数と分数を加うべし。
其金火之行而有小分者,各以日率為母,小分滿母法,從去行分滿六百七十,去從行度日一度。其有益遲益疾者,則別置一日行分,各以疾益遲損乃加之,留者因前退即減之。伏不注度,順行出虛,去其分已也,行入斗,先加分。
太白(金)と熒惑(火)の運行して小分を帯ぶるは、各々日率をもって分母と為す。小分が分母の数に満つれば進位し、進みて行分が六百七十に満つれば、再び進んで一度と為す。行度の漸慢あるいは漸快に遇えば、就ち別に一日の行分を布出し、分かれて漸快に按っては加え・漸慢に按っては減じ、然る後に総数に併入す。「留」に遇えば、就ち前面の退行の数値を承接して減法を作す。隱伏の期間は度数を記注せず。順行して虚宿を出づれば、就ちその分を去掉す。斗宿を行進する時は、則ち先に分を加上するを要す。
歲星初見順,見順日行一百七十一分,日益遲一分,一百一十四分。日行十九度三百二十三分而留,二十六日乃退。日行九十七分,八十四日退十二度一百八十分。又留二十六日乃順行。初日行五十八分,日益度一分疾。一百一十四日,行十九度三百二十三分而伏。
歳星は初見の時に順行を作す。初見の順行は每日に一百七十一分を行き、此の後每日に一分を逓減して漸慢し、共に一百一十四日を行く。このように合計して十九度三百二十三分を行きて「留」に転じ、留すること二十六日にしてようやく退行を始む。退行の時は每日に九十七分を行き、八十四日に共に十二度一百八十分を退す。再び留すること二十六日にしてようやく順行に転ず。順行に転ずる頭一日は五十八分を行き、此の後每日に一分を逓増して漸快し、行くこと一百一十四日に満ち、共に十九度三百二十三分を行きて隱伏す。
歳星入列宿占第二十六
角:歲星犯左角,天下之道皆阻塞。犯右角,天下更王,使絕滅。守留角中,五穀成熟,留之一百日,兵起。木犯守角,王者大赦,忠臣用。木乘左角,法官誅。木乘右角,大將軍死。木逆行於角,人主出入不時。若有急事,千里之行。凡木犯守乘左角七日已上,天下大赦;守右角,賢士用,期七十日。
角宿。歳星が左角星を侵犯するは、天下の道路が皆阻塞して通ぜざるを主る。右角星を侵犯するは、天下が君王を改換し・前朝の世系が断絶・滅亡するを主る。角宿の中に駐守・停留するは、五穀の成熟するを主る。もし停留が一百日に満てば、則ち兵事の興起を主る。歳星が角宿を侵犯しかつ駐守するは、君王が天下を大赦し・忠臣が任用を得るを主る。歳星が左角を圧臨するは、司法の官の誅せらるるを主る。歳星が右角を圧臨するは、大将軍の死亡を主る。歳星が角宿に逆行するは、君主の出入に時を定めざるを主る。もし急事に遇えば、千里の遠行あらん。およそ歳星が左角を侵犯・駐守・圧臨して七日以上なるは、天下の大赦を主る。右角を駐守するは、賢士の任用せらるるを主り、応期七十日。
亢:歲星犯亢,天子坐之,則敗於君。木數入亢,其國疾疫。木經亢,韓鄭有兵。木守亢,小兵。木逆行守亢,為中國兵。木犯守亢逆行,失國,其明色,大政不用。
亢宿。歳星が亢宿を侵犯するは、天子がそれに牽累せられ、就に君位上に在りて失敗に遭うを要す。歳星が屢々亢宿に進入するは、あの一分野の国家に疫病の発生するを主る。歳星が亢宿を経過するは、韓・鄭の地に兵事あるを主る。歳星が亢宿を駐守するは、小規模の兵事あるを主る。歳星が逆行して亢宿を駐守するは、中原に兵事あるを主る。歳星が亢宿を侵犯・駐守してまた逆行するは、国土の喪失を主る。もしそれが色沢明亮ならば、則ち大政・方針の採用せられざるを主る。
氐:木犯氐,國無儲。木舍守氐,其國歲熟,賤人有疾。木乘氐之右星,天下有大水大兵。木乘氐左星,天子有自將兵於野。木出入舍氐者,(天庫之星也。)其國有急令,其歲太平,環而守之,其國以兵致天下。氐為嬖妾有喜者,若與月合在氐而暈,不出四十日有德令。木守氐,王者立后,期十八日。木犯逆行守氐,國大飢,人民流亡,亦為人多病。
氐宿。歳星が氐宿を侵犯するは、国家に儲備なきを主る。歳星が停舍して氐宿を駐守するは、あの一分野の国家の年成が豊熟し、而して地位卑賤の人に多く疾病あるを主る。歳星が氐宿の右星を圧臨するは、天下に大水と大規模の兵事とあるを主る。歳星が氐宿の左星を圧臨するは、天子が親身に兵を領して出征して外に在るを主る。歳星が氐宿に出入・停舍する(氐宿は天上の庫蔵の星)は、あの一国に緊急の政令あり・その一年太平なるを主る。もし氐宿を環繞して駐守せば、あの一国が兵力を憑藉して天下を取得するを主る。氐宿は寵妾に喜慶あるを主る。もし歳星と月とが氐宿に相合して月暈を生ぜば、四十日を出でずして恩施の徳令あらん。歳星が氐宿を駐守するは、君王が皇后を冊立するを主り、応期十八日。歳星が氐宿を侵犯・逆行して駐守するは、国中の大飢荒・百姓の流散・逃亡を主り、もまた人の多く疾病あるを主る。
房:木入房十日成句巳者,為天子惡之,以赦解之。(金水同占。)又曰:為皇后夫人喪,謂房東行復還返也。木舍房氐,氐色不明;有喪。又曰大水。木守房,為大人憂,以赦解之。木犯房,將相有憂。木舍房,人主喜,其將相大吉。
房宿。歳星が房宿に進入して十日にして勾曲の「句巳」の形を走出するは、天子がこの象を厭悪し、大赦をもって化解す可し(太白・辰星がこれを犯すは、占法相同じ)。また一説は、皇后・夫人に喪あるを主るといい、指す所は歳星が房宿に東行した後にまた折返して来るをいう。歳星が房宿・氐宿の間に停舍し、氐宿の顔色が晦喑・不明なるは、喪事あるを主る。又一説は大水あるを主る。歳星が房宿を駐守するは、貴人に憂あり・大赦をもって化解す可きを主る。歳星が房宿を侵犯するは、将相に憂あるを主る。歳星が房宿に停舍するは、君主に喜慶あり・その将相が大吉なるを主る。
心:木近心,七日以內有暴貴者,遠不出百八十日。木經心,清明列照,天下內奉王化,帝必延年。木乘心,其國相死。木居守心,王者行天心,陰陽和,天下大豐,五穀成熟,有慶賜,賢士用,皆有德令。木犯乘守心,大人凶。木中犯乘凌太子位,太子憂;犯少子位,少子憂。
心宿。歳星が心宿に靠近するは、七日以内に人の驟然に顕貴するあり・最遲も一百八十日を出でざるを主る。歳星が心宿を経過し、もし清朗・明浄にして光が四布に照らせば、天下が皆王者の教化を尊奉し・皇帝が必ず延年を得るを主る。歳星が心宿を圧臨するは、あの一分野の国相の死亡を主る。歳星が居留・駐守して心宿に在るは、君王が天心に合する政令を施行し・陰陽が調和し・天下が大豊収し・五穀が成熟し・慶典と賞賜とあり・賢士が任用を得、皆恩施の徳令あらんを主る。歳星が侵犯・圧臨・駐守して心宿に在るは、貴人に凶あるを主る。歳星が当中を衝犯・圧臨・欺凌して心宿の太子星位に在るは、太子に憂あるを主る。庶子星位を侵犯するは、庶子に憂あるを主る。
尾:木入尾者,易後太子者;后族有升顯者,不出百八十日。木守尾,民人為憂,大臣作亂者,若反逆,從大將家起,若中有讒諛者,期二十日,若卿出當之。木乘犯尾,早谷大貴,人人相食。木守尾三十日,王者立貴后夫人。若生太子,欲封寵后族,人主以嬪為後。
尾宿。歳星が尾宿に進入するは、皇后あるいは太子を更換するを主る。もまた后族の中に人の昇遷・顕達するあり・一百八十日を出でざるを主る。歳星が尾宿を駐守するは、百姓に憂患あり・大臣の中に作乱する人ありを主る。もし叛逆が発生せば、大将の家より始まらん。もし朝中に讒を進め阿諛する人あれば、応期二十日、あるいは公卿により出面してこの禍を承当せん。歳星が尾宿を圧臨・侵犯するは、早熟の穀物の価格が暴漲し・人びとが互いに残食するを主る。歳星が尾宿を駐守して三十日に満つるは、君王が尊貴の皇后と夫人とを冊立するを主る。もし太子を生まば、就ち寵幸の后族を加封すべく、君主は還た可能に嬪妃を立てて皇后と為さん。
箕:木入箕,天下兵亂,箕中有一星,民莫處其室。箕,木在箕南旱,在箕北有水。其年木入箕踵者,歲熟之象也。木入箕中,行疾,中有口舌相讒事,期五十日,若百三十日。木守犯出箕,多惡風,谷大貴,天下大旱,飢死過半,民相食。
箕宿。歳星が箕宿に進入するは、天下の兵乱を主る。箕宿の中にもし別に一星を見れば、百姓がその室に安居し能わざるを主る。箕宿に就いて言えば、歳星が箕宿の南に在るは旱を主り、箕宿の北に在るは水あるを主る。当年歳星が箕宿の下端「箕踵」に進入するは、年成豊熟の象なり。歳星が箕宿の中に進入して行度が加快するは、朝中に口舌・讒毀の事あり・応期五十日、あるいは一百三十日を主る。歳星が箕宿を駐守・侵犯して穿出するは、多く悪風あり・穀価が大漲し・天下が大旱し・餓死する人が半を過ぎ・百姓が相食するを主る。
斗:木犯南斗,為有赦。木乘凌南斗,有大臣反伏誅者。木入南斗中,死者甚眾。木經南斗魁,失道者死。木經南斗,與國福,歲大熟。木入南斗,若留守十日,所居之國當誅。
斗宿。歳星が南斗を侵犯するは、将に赦令あらんを主る。歳星が南斗を圧臨・欺凌するは、大臣の謀反して誅殺せらるるあるを主る。歳星が南斗の中に進入するは、死亡する人の很も多きを主る。歳星が南斗の斗魁を経過するは、正道に背离する人の死亡を主る。歳星が南斗を経過するは、この一分野の国家に福澤を賜給し・年成の大豊収を主る。歳星が南斗に進入し、もし停留・駐守して十日に満てば、それが所在の分野の国家は応に誅戮の事あるべきを主る。
牛:木犯牽牛,越獻金銀。木居牽牛,三十日至九十日,天下和平,道德明,四夷朝中國。木入牽牛,農人死於野,陰陽不和,五穀多傷。木犯牛,留守之,為有破軍殺將,牛多死。
牛宿。歳星が牽牛宿を侵犯するは、越地が金銀を進献するを主る。歳星が牽牛宿に居留し、三十日より九十日に至るは、天下が和平し・道徳が昌明し・四方の夷狄が中原を朝拜するを主る。歳星が牽牛宿に進入するは、農人が田野に死し・陰陽が調和せず・五穀が多く損傷を受くるを主る。歳星が牛宿を侵犯して停留・駐守するは、軍隊の潰敗・将領の殺され・牛もまた大量に死亡するを主る。
女:木入須女,有進美女者,大人慶,若宜女喜,立后,拜太子,期四十日,若九十日,宮人有受賜者。木守須女逆行,其君廢農桑。木守須女,米一斗三百,民有自責者,多火災。木逆行留守,凌犯須女,天子及大臣有疾,必有苛政,布帛貴賤不時。
女宿。歳星が須女宿に進入するは、人の美女を進献するあり・貴人に喜慶あり・あるいは女を生んで喜事を得るに宜しく、皇后を冊立し・太子を拝立するを主り、応期四十日あるいは九十日、宮中の人に賞賜を受くるあり。歳星が須女宿を駐守して逆行するは、あの位の国君が農桑の政を荒廃するを主る。歳星が須女宿を駐守するは、米価が一斗三百銭に漲り・百姓の中に自ら責め自ら罰する人あり・かつ多く火災を発するを主る。歳星が逆行・停留・駐守・欺凌・侵犯して須女宿に在るは、天子と大臣とに病あり・必定に苛刻の政令あり・布帛の価格が忽ち貴し忽ち賤し・漲落に常なきを主る。
虛:木入虛,天下大虛。木經虛,齊國多憂。木守虛,七日已上,盡三十日,王者起宗廟,修陵冢,有白衣之會,不出九十日。木入守虛,留守之。二十日不下,有立諸侯;六十日不下,國有死將;百日不下,改年號,大臣戮死,期二年。木犯虛而守之,王者以凶改服,有白衣之會,不出六十日,天下大飢,人民流千里,君臣離散。
虚宿。歳星が虚宿に進入するは、天下の空虚・匱乏を主る。歳星が虚宿を経過するは、斉地に多く憂患あるを主る。歳星が虚宿を駐守して七日以上・直到三十日に至るは、君王が宗廟を興建し・陵墓を修治し・喪事の集会あらんを主り、九十日を出でずして応験す。歳星が虚宿に進入して駐守し停留して去らざる——二十日に離開せざれば諸侯を冊立するを主り、六十日に離開せざれば国中に将領の死亡するを主り、一百日に離開せざれば年号を改換し・大臣が殺され・応期二年を主る。歳星が虚宿を侵犯して駐守するは、君王が凶喪に因りて服色を改換し・喪事の集会あらんを主り、六十日を出でずして応験す。また天下の大飢荒・百姓の流亡千里・君臣の离散を主る。
危:木舍危南,雨血膏王室。木守危,三十日若二十日,諸侯天子更宮室,民多土功,有哭泣之事。又為多盜賊,民相惡之。
危宿。歳星が危宿の南に停舍するは、天の血雨を降らし・王室を沾汚するを主る。歳星が危宿を駐守して三十日あるいは二十日に満つるは、諸侯と天子とが宮室を改建し・百姓が多く土木の役を服し・哭泣して喪を辦する事あらんを主る。また盗賊の衆多・百姓が彼此憎悪するを主る。
室:木犯營室。犯陽,為陽有急;犯陰,為陰有急。木入營室而人主有賞賜之事,天下當有受賜爵祿者。木處營室東壁,赦,其去陽之陰,天下喜,牢獄虛。木守營室,民疾病,有德者得地,歸與民爵。
室宿。歳星が営室宿を侵犯す。それの陽位を侵犯するは、陽に属する一方に急難あるを主る。それの陰位を侵犯するは、陰に属する一方に急難あるを主る。歳星が営室宿に進入するは、君主に賞賜の事あり・天下に人の爵位・俸禄を受賜するあらんを主る。歳星が営室宿と東壁宿との間に処るは、赦令あるを主る。それがもし陽位を離れて陰位に転入せば、天下の歓喜・牢獄の空虚を主る。歳星が営室宿を駐守するは、百姓に多病・徳ある人が封地を得・君主が還た百姓に爵を賜うを主る。
壁:木居東壁,五穀以水傷。木守壁,天下大赦。王者有堯舜之治,四海同心。木犯壁,天下兵起,一曰狄兵起。
壁宿。歳星が東壁宿に居留するは、五穀が水災に因りて損傷を受くるを主る。歳星が壁宿を駐守するは、天下の大赦・君王が能く堯・舜のごとき治世を得・四海の内が同心に帰附するを主る。歳星が壁宿を侵犯するは、天下の兵事の興起を主る。另一説は北狄の兵事の興起を主る。
奎:木入奎,其年五穀以蟲為害。居其南,糴賤,牛馬繒帛皆賤。居其西,糴物貴,人不安。木處奎中,小赦。木守奎,北狄來降。木逆行入奎而守之,其君好攻戰,兵甲不息,人民流亡,不安其居。
奎宿。歳星が奎宿に進入するは、当年五穀が虫害を遭受するを主る。歳星が奎宿の南に居るは、糧価の便宜にして・牛馬と繒帛と皆便宜なるを主る。奎宿の西に居るは、糧食の物価が昂貴にして・人心安ならざるを主る。歳星が奎宿の中に処るは、小赦あるを主る。歳星が奎宿を駐守するは、北狄の前来して帰降するを主る。歳星が逆行して奎宿に進入して駐守するは、あの位の国君が攻戦を喜好し・兵甲が休息を得ず・百姓が流散・逃亡して安居する能わざるを主る。
婁:木入婁,國有聚,人主喪,期一年。木守婁,王者承天位,天下安寧,有慶賀,有兵罷。木逆行守婁,其君牢吏斷獄不用,不以時,民多怨訟,若有赦令。
婁宿。歳星が婁宿に進入するは、国中に聚斂・屯積の事あり・君主に喪あり・応期一年を主る。歳星が婁宿を駐守するは、君王が天命の位を承受し・天下が安寧し・慶賀に値する事あり・兵事が罷息を得るを主る。歳星が逆行して婁宿を駐守するは、あの位の国君の手下の獄吏が案を断ずるに職に称せず・審理が時に及ばず・百姓に多く怨恨と訟争とあり・あるいは赦令の頒下あらんを主る。
胃:木犯胃,為天下五穀無實以為災。木經胃、昴、畢,趙水澇,魚行人道。木守胃,國以無義失幣,有水旱事。木守胃,王者順天德,中畿國昌。
胃宿。歳星が胃宿を侵犯するは、天下の五穀が結実せずして災を成すを主る。歳星が胃宿・昴宿・畢宿を経過するは、趙地が水澇し・魚が游行して人の走る道路上に在るを主る。歳星が胃宿を駐守するは、国家が道義を失去して財貨を喪失し・かつ水旱の事あるを主る。歳星が胃宿を駐守するは、もまた君王が上天の徳に順応し・京畿の国の昌盛を主る。
昴:木乘昴,若出北者,為陰國有憂,若胡主死。木守昴東,糴大貴,三月後守北,其歲有德令。木守昴,王者有德令。昴者,天之內室,歲星近之,下獄之臣有解者,不出四十日。木守昴畢,東行至天高,復反至五車,為邊兵。一曰為赦令。木守昴,入守天獄,天下獄虛。木乘守昴,若出北者,為陰國有憂,胡王死。(土水同占。)
昴宿。歳星が昴宿を圧臨し、あるいは昴宿の北より出づるは、陰に属する国家に憂患あり・あるいは胡人の君主の死亡を主る。歳星が昴宿の東を駐守するは、糧価の大漲を主る。三箇月後に転じて昴宿の北を守るは、当年に恩施の徳令あるを主る。歳星が昴宿を駐守するは、君王が徳令を頒布するを主る。昴宿は上天の内室で、歳星がそれに靠近するは、獄に下る臣子に釈放を獲るあり・四十日を出でざるを主る。歳星が昴宿・畢宿を駐守し、東に行きて天高星に至り、また折返して五車星に至るは、辺境に兵事あるを主る。另一説は赦令あるを主る。歳星が昴宿を駐守し、天獄星に進入して駐守するは、天下の牢獄の空虚を主る。歳星が圧臨・駐守して昴宿に在り、あるいは昴宿の北より出づるは、陰に属する国家に憂患あり・胡人の王の死亡を主る(填星・辰星がこれを犯すは、占法相同じ)。
畢:木犯畢,出其北,陰國有憂;出其南,為陽國有憂。木入畢口中,邊有兵。木出畢陽則旱,出畢陰則水為災,政令不行。木處畢北,其年有赦令,有別離之國,奪地之君。一曰歲水。處畢南,有土功,男子多疾疫,歲旱,晚水;處東,多暴雨,金器刀劍貴。木守畢口,國大赦,王賜夷狄,若有功德令。一曰幣大貴。木犯附耳,兵起。若將相喪憂,不即死退。
畢宿。歳星が畢宿を侵犯し、畢宿の北より出づるは、陰に属する国家に憂患あるを主る。畢宿の南より出づるは、陽に属する国家に憂患あるを主る。歳星が畢宿の「畢口」の中に進入するは、辺境に兵事あるを主る。歳星が畢宿の陽位より出づれば則ち旱を主り、陰位より出づれば則ち水が災害を成し・政令の推行し下らざるを主る。歳星が畢宿の北に処るは、当年に赦令あり・分離・解体する国家あり・土地を奪去せらるる君主ありを主る。另一説は当年に水あり。歳星が畢宿の南に処るは、土木の工程あり・男子に多く疫病を染み・当年乾旱して水の来ること晚きを主る。畢宿の東に処るは、多く暴雨あり・金属の器物と刀剣とが価貴きを主る。歳星が畢口を駐守するは、国中の大赦・君王が夷狄を賞賜し・あるいは功労を奨賞する徳令ありを主る。另一説は銭幣が大いに貴重なり。歳星が附耳星を侵犯するは、兵事の興起し・あるいは将相に喪憂の事あり・縱使死なずとも退位を要するを主る。
觜:木犯觜觽,其國兵起,君誅罰不當。木守觜觽,君臣和同。木犯守觜觽,不出一旬,必有覘候之事,農夫不耕,天子皇后俱憂,期甲辰日。
觜宿。歳星が觜觿宿を侵犯するは、あの一分野の国家の兵事の興起・国君の誅戮・懲罰が失当なるを主る。歳星が觜觿宿を駐守するは、君臣の和睦・同心を主る。歳星が觜觿宿を侵犯して駐守するは、十天を出でずして必定に窺探・偵候の事の発生あり・農夫が耕作する能わず・天子と皇后と皆憂患あり・応期は甲辰日に在るを主る。
參:木犯參,水旱,谷不收。木處參東,若處伐東,東多流人,多暴雨;處參北,若伐北,多沖水。木處參,天下農夫不耕。有赤星出參中,邊有兵起。木入若守伐,天下有兵。
参宿。歳星が参宿を侵犯するは、水旱の災・穀物の収なきを主る。歳星が参宿の東に処り、あるいは伐星の東に処るは、東方に多く流亡の人・多く暴雨あるを主る。参宿の北に処り、あるいは伐星の北に処るは、多く大水の衝決あるを主る。歳星が参宿に処るは、天下の農夫が耕作する能わざるを主る。もし赤色の星が参宿の中に出現せば、辺境に兵事の興起あるを主る。歳星が進入しあるいは伐星を駐守するは、天下に兵あるを主る。
井:木入東井,主秦國,留守之,以仁致天下。木犯東井,人主有行仇水之事,大將惡之,其國內亂,有兵起。木犯井鉞,刑罰用,兵起。木乘守東井,人主有法令水術之事,逆臣為亂,將軍死,人君有憂。
井宿。歳星が東井宿に進入す——この一宿は秦地を主管す。歳星がここに停留・駐守するは、秦地が能く仁徳をもって天下を取得するを主る。歳星が東井宿を侵犯するは、君主に報仇および治水の事あり・大将がこの象を厭悪し・あの一国に将に内乱あり・兵事の興起あらんを主る。歳星が井宿の旁の鉞星を侵犯するは、刑罰の動用・兵事の興起を主る。歳星が東井宿を圧臨して駐守するは、君主に法令と水利との方面の挙措あり・叛臣が作乱し・将軍が死亡し・君主に憂ありを主る。
鬼:木犯鬼鑕,人君有憂,斧鑕用,大臣誅。木入鬼,留十日已上,令散於諸侯,期六十日,若十月。木逆行抵輿鬼中央者,其君主之。木守鬼,為大人有祭禮之事。木守鬼,出於左右,貴親坐之。木守輿鬼西南,為秦漢有反臣,以赦令解之。木干犯守天尸,國有喪。天尸,鬼中粉白者是。
鬼宿。歳星が鬼宿中の質星(鑕)を侵犯するは、君主に憂あり・斧鑕の刑が動用を要し・大臣が誅せらるるを主る。歳星が鬼宿に進入し、停留して十日以上なるは、政令が散落して諸侯の手に落つるを主り、応期六十日、あるいは十箇月。歳星が逆行して輿鬼宿の正中に抵達するは、あの位の国君が親身にこの事を承当するを要するを主る。歳星が鬼宿を駐守するは、貴人に祭祀の礼の挙行を要するあるを主る。歳星が鬼宿を駐守してその左右より出づるは、尊貴の親属がこれに因りて罪を獲るを主る。歳星が輿鬼宿の西南を駐守するは、秦・漢の地に反叛の臣あり・赦令をもって化解す可きを主る。歳星が天尸星を干犯して駐守するは、国中に喪あるを主る。いわゆる天尸とは、すなわち鬼宿の中のあの一団の粉白色の星気。
柳:木犯柳者,有木功事,若名木見伐者。木經柳,國多義兵。木守柳,貴臣得地,有德令,不出九十日。木逆守柳,為反臣,中外兵起,以德令解之。
柳宿。歳星が柳宿を侵犯するは、木作の工程あり・あるいは名貴の樹木の砍伐せらるるを主る。歳星が柳宿を経過するは、国中に多く義に仗りて起つ軍隊あるを主る。歳星が柳宿を駐守するは、顕貴の臣が封地を獲得し・かつ恩施の徳令あり・九十日を出でざるを主る。歳星が逆行して柳宿を駐守するは、反叛の臣の出現・朝廷の内外に兵事の興起・徳令をもって化解す可きを主る。
星:木入七星,有君置太子者。木留七星,為天下大憂。木守七星,多火災,旱,萬物五穀不成,有兵飢。木入若守七星,盜賊有兵。
星宿。歳星が七星宿に進入するは、国君の太子を冊立せんとするあるを主る。歳星が七星宿に停留するは、天下に大憂患あるを主る。歳星が七星宿を駐守するは、多く火災と旱災とを発し・万物と五穀と皆成熟する能わず・兵禍と飢荒とあるを主る。歳星が進入しあるいは七星宿を駐守するは、盗賊の四起してかつ兵事あるを主る。
張:木入張,旱,多火災,萬物百穀不成。木逆行張,其君用樂淫泆。木處張西,歲大水;東,為大旱。木守張,天子有慶賀事。木守張十日,其歲大豐,五穀成;三十日不下,天下安寧;守之留百日,其主昇平,君臣同心。木逆行守張,人民疾疫,多心腹病。木犯張,若守之,王者政事,若有千里之行。
張宿。歳星が張宿に進入するは、乾旱・多く火災・万物と百穀と皆成熟する能わざるを主る。歳星が張宿に逆行するは、あの位の国君が声楽に耽り・淫佚・放縦するを主る。歳星が張宿の西に処るは、当年に大水あるを主る。張宿の東に処るは、大旱を主る。歳星が張宿を駐守するは、天子に慶賀に値する事あるを主る。歳星が張宿を駐守して十日に満つるは、当年の大豊収・五穀の成熟を主る。三十日に離開せざれば天下の安寧を主る。駐守・停留して一百日に満つるは、あの位の君主の治世・升平・君臣の同心を主る。歳星が逆行して張宿を駐守するは、百姓が疫病に遭い・多く心腹の疾を患うを主る。歳星が張宿を侵犯し、あるいは張宿を駐守するは、君王に政事の辦するを要するあり・あるいは千里の遠行あるを主る。
翼:木入翼,人多死流亡,五穀傷於風,期一歲中。木出入留舍翼,荊楚有急,歲多大蟲,六十日不下,小人失功。木守翼,王者應天,又方術之士大用,翼輔正政,天下符瑞,不出九十日。木守翼,主聖,天下和,五穀登,人民樂,禮義興。
翼宿。歳星が翼宿に進入するは、人の多く死亡・流散し・五穀が風に損傷せられ・応期は一年の内に在るを主る。歳星が翼宿に出入して停留・停舍するは、荊楚の地に急難あり・当年に多く大虫の為害するありを主る。六十日に離開せざれば小民の生業を失うを主る。歳星が翼宿を駐守するは、君王が能く天意に応合し・方術の士もまた大いに任用せられ・朝政を輔翼・匡正し・天下に符命・祥瑞の出現あり・九十日を出でざるを主る。歳星が翼宿を駐守するは、もまた君主の聖明・天下の和洽・五穀の豊登・百姓の安楽・礼義の興盛を主る。
軫:木入軫中,伺其出日而數之。期二十日,皆為兵發,伺始入處數之,率一日,期十日,軍罷。(二十八宿中外官,同有此占。)木逆行至軫,及守之,其國有喪,人君改服,天下更主之令,期二年,王者以赦除害。一曰所舍七日不移,有殺君者。
軫宿。歳星が軫宿の中に進入するは、それが出で来るあの日を守候してかつ計数するを要す——応期二十日、一律に兵事の発動を主る。再びそれが当初進入の位置を守候して計数すれば、大約一日——応期十日の内に軍隊が解散す(二十八宿および中官・外官は、皆同じくこの一条の占辞を有す)。歳星が逆行して軫宿に至り、および軫宿を駐守するは、あの一分野の国家に喪あり・君主が服色を改換し・天下に君主を更換する詔令あらんを主り、応期二年、君王は大赦を用いて災害を消除するを要す。另一説は、歳星の停舍する処が七日に移動せざれば、就ち国君を弑殺する人あらんとす。
木逆行至軫,及守之,其國有喪人君者。木在軫,王者憂疾病,若有喪,不出九十日,改服,王者修宗廟,赦三萬里內,災消。木處軫東,糴貴。木處軫西,有女喪,若有水。木守軫南,六畜及車貴。木守軫北,為多疾病。
歳星が逆行して軫宿に至り、および軫宿を駐守するは、あの一分野の国家に国君の喪あるを主る。歳星が軫宿に在るは、君王が疾病を憂い・あるいは喪事あり・九十日を出でずして服色を改換するを要するを主る。君王は応に宗廟を修治し・三万里以内を大赦して、災禍ようやく消除し得べし。歳星が軫宿の東に処るは、糧価の昂貴を主る。歳星が軫宿の西に処るは、女子の喪あり・あるいは水災あるを主る。歳星が軫宿の南を駐守するは、六畜と車輌とが価貴きを主る。歳星が軫宿の北を駐守するは、多く疾病あるを主る。
