戦陣気象の占(戰陣氣象占)第六十一
氣青白,白高,將勇大戰。氣如人無頭,如死人臥,敵上氣如丹蛇,赤氣隨之,必大戰敗將。四望無雲,獨見赤氣如狗入營,其下有流血。四望無雲,獨見赤雲如立蛇,其下有流血出戰。四望無雲,獨見赤雲如覆船者,其下有戰。初出軍日,天氣昏漠,雲氣陰沉寒克者,必戰。若清陽溫和,風塵不動者,不見敵亦不戰。
気色が青中に白を帯び、白気が上方に居るは、主将が勇猛にして将に大戦あらん。気が頭なき人の如く、また死人の横卧するが如く、敵軍の上空の気が赤色の蛇の如く、後面また赤気が跟うは、必ず大戦が発生して将領を折損せん。四面に雲なく、ただ赤気が狗の如く営中に竄入するを見るは、営下に将に流血の事あらん。四面に雲なく、ただ赤雲が竪起の蛇の如きを見るは、その下に将に出戦・流血の事あらん。四面に雲なく、ただ赤雲が翻扣の船の如きを見るは、その下に将に戦事あらん。剛く兵を出すあの日、天色が昏暗迷濛にして、雲気が陰沈にして逼人的寒意を帯ぶるは、必ず交戦せん。もし天清く気朗く・温和宜人にして、風塵動かざれば、則ち敵人にすら遇わず、更に交戦せざるなり。
有青氣見軍之王相上者,當戌交戰,不見者不戰。若白虹,若赤屈虹,見城上,其下必大戰流血;赤氣屈旋停住者,其下有兵血流。白氣如車入北斗中轉移者,下有流血,大將死。雲如耕壠者,兵必大戰驚。日傍氣或相交貫穿,或相背,主中不和。日有白氣若虹交見者,從上擊下勝,無軍而見者,下必流血。兩軍相當,必交戰。有白虹列四五六見者,亦為大戰。
青気があって我が軍の処する王相の方位の上に現れるは、戌時に到りて交戦せん。この気を見ざれば交戦せざるなり。もし白虹、あるいは赤色の弯虹が城の上に現れれば、城下に必ず大戦・流血あらん。赤気が盤曲回旋して停住動かざるは、その下にもまた兵戦・流血あらん。白気が車子の如く北斗の中に進入し併せて移動するは、下方に流血の事あり、大将が死せん。雲が耕田の垄溝の一般に排列するは、必ず大戦と驚乱あるを主る。太陽の傍の気があるいは交叉貫穿し、あるいは背向して去るは、軍中の将帥が不和なるを主る。太陽の上に白気があって虹の如く交錯して現れるは、上より下に向かって攻撃する一方が勝利を得る。もし軍隊なくして此の象が現れれば、その下にもまた必ず流血あらん。両軍が相持し、必ず交戦せん。白虹があって一連に排列して四五六道を出すも、また大戦を主る。
日旁有一缺,萬人死其下。兩軍相當,不利先舉。月初滿而蝕,有軍必戰。日月有赤雲截之如大杵,軍在外,萬人死其下。兩軍相當,不利先舉。
太陽の傍に一処の缺損あるは、その下に将に上万の人の死亡あらん。両軍が対峙するの時、搶先して発動するに利あらず。月亮が剛く円満して就中月食が発生するは、軍隊の外に在るは必ず交戦せん。日月が赤雲に腰を拦まれて断たれ、形は一根の大木杵の如きは、軍隊が外に在るならば、その下に将に上万の人の死亡あらん。両軍が相持し、また先に手を動かすに利あらず。
図謀気象の占(圖謀氣象占)第六十二
白氣群行徘徊結陣來者,為他國人來欲圖人,不可應;視其所往,隨而擊之可得。日月濛濛無光,士卒內亂,將軍循法度,察有功以自明。及有兵內發,止嚴利,而伺奸入謀議。天陰沉不降雨,晝不見日,夜不見星月,三日已上,陰謀也,將慎左右及敵使;五日至七日,有謀蔽,將奪其權,此其篡殺事。連陰十日,亂風四起,欲雨而不雨,名曰濛,臣謀君。故曰;久陰不雨,臣謀主。
白気が群を成して移動し、徘徊盤結して陣勢を成して来るは、別国の人が前來して我方を図謀す。貿然と応戦すべからず。それの去向を看清し、尾隨攻撃すれば就中手に得べし。日月が昏濛にして光なきは、士卒が内部に作乱せん。主将は法度に遵循し、功有る人を考察して自らの公正を表明すべし。もし軍内に人の兵を挙げて難を発すあれば、立刻に賞罰を厳明にして乱勢を止住し、併せて暗中に奸人を察訪し、彼らが謀議に插手するを防ぐべし。天色が陰沈して却って雨降らず、白天に太陽を見ず・夜に星月を見ず、三天以上連続するは、人の陰謀を搞する有るなり。主将は左右の近侍および敵方の来使を提防すべし。五天から七天に持続するは、陰謀の遮蔽されたる有るなり。主将は将に兵権を奪去されん。就中これは簒逆・殺害の事なり。接いで陰くること十天、乱風が四起し、将に雨らんとしてまた雨らざるは、此の種の天象を「濛」と呼ぶ。臣下が君主を図謀するを主る。故に曰く――久陰して雨らざるは、臣子が君主を算計するなり、と。
天陰沉,日月俱無光,書不見日,夜不見星月,皆有雲障之而不雨,此為君臣俱有陰謀。兩敵相當,陰相圖議事。若晝陰夜月出,君謀臣;夜陰晝日出,臣謀君。黑氣如幢,出於營中,上黑下黃,敵欲來求戰,而無成實,言信相反,同奸於我。謀將軍之事,通言九日之內必覺,備之吉。黑氣臨我軍,如車輪行,敵人謀亂,我國臣與同勾引小臣,君行罰吉。黑氣遊行,中含五色,臨我軍上,敵必謀合諸侯而伐吾國,諸侯反謀,軍自敗。
天色が陰沈し、日月ともに光亮を失い、白天に太陽が見えず・夜に星月が見えず、全く雲に遮られてまた雨降らざるは、これは君と臣の双方がともに陰謀を懐くなり。両方の敵手が相持し、また暗中に互いに図謀し計算す。もし白天が陰にして夜に月亮が出れば、是れ君主が臣下を算計す。夜が陰にして白天に太陽が出れば、是れ臣下が君主を算計す。黒気の形が儀仗の幢の如く、営中より冒出し、上黒く下黄なるは、これは敵人が来りて戦を求めんと欲すれども、却って実意なし。言語と信義と相背き、是れ我方の内部に奸人を串通せんと欲す。彼らの図謀する所は我方の将帥なり。消息が伝開して九天の内に必ず察覚す。早く防備を作れば則ち吉なり。黒気が我が軍の頭上に圧し、車輪の如く滾動して前行するは、敵人が図謀して乱を作さんとし、我国の臣子が之と勾結し、また下層の小臣を拉攏す。君主が懲罰を施行すれば則ち吉なり。黒気が游動し、その中に五色を含み、我が軍の上空に圧するは、敵人が必ず諸侯と聯合して我国を討伐せんと謀る。但し諸侯が反って別に図謀あれば、敵軍は自ら敗亡せん。
吉凶気象の占(吉凶氣象占)第六十三
慶雲,赤紫色,如煙非煙,如雲非雲,鬱鬱紛紛,蕭索輪囷,是謂慶雲,亦曰景雲。見者國有慶。雲含五色,潤澤和緩,見於城上,景雲也。一曰慶雲。非氣非煙,五色氤氳,一曰卿雲。景雲者,太平之應也。五色為慶雲,三色為矞雲。一雲外赤內青為矞。
「慶雲」は赤紫の色を呈し、煙に似て煙にあらず、雲に似て雲にあらず、濃郁紛披・舒巻盤曲す。就中これを「慶雲」と呼び、また「景雲」とも呼ぶ。それを見る国に喜慶あり。雲の中に五色を含み、潤沢にして舒緩にして、城頭の上に現れるは、就中「景雲」なり。一説にまた「慶雲」とも呼ぶ、と。気にもあらず煙にもあらず、五色が交融瀰漫するは、一説に「卿雲」と呼ぶ、と。「景雲」は天下太平の感応なり。五色俱全なるを「慶雲」と呼び、ただ三色のみあるを「矞雲」と呼ぶ。もう一つの説は外圏赤く内圏青なるを乃ち「矞雲」と呼ぶ、と。
雲赤如龍狀,名曰昌光,帝王起則見。如星非星,如雲非雲,或曰星有雨。赤彗上似蓋,下連星,名曰歸邪。歸邪見,必有歸國者。日暈黃色及抱珥直光,履黃色,皆吉慶之事。京房《易飛候》曰:視四方常有大雲,五色具而不雨者,其下有賢人隱。青雲潤澤蔽日,在西北,為舉賢良。
雲が赤紅にして形は龍の如きは、名づけて「昌光」という。帝王の興起する時に就中現る。星に似て星にあらず、雲に似て雲にあらざるは、人あるいは言うにそれは星の傍に雨気を帯びたるなり、と。赤色の彗状の気、上端は傘蓋の如く、下端は星に連なるは、名づけて「帰邪」という。「帰邪」が一たび現れれば、必ず人の本国に帰附する者あらん。日暈が黄色を呈し、および抱・珥・直・履などの各種の暈気もまた黄色を呈するは、皆吉慶の事を主る。京房『易飛候』は言う――四方を観察し、常に大片の雲あり、五色が斉備して雨降らざるは、その下に賢人の隠居す、と。青雲が潤沢にして太陽を遮住し、西北方に現れるは、朝廷が将に賢良を挙用せんとするを主る、と。
黑氣如大道一條,至四五疋,明不見頭尾東西者,不過三朔,大赦天下。赤氣如散蓋覆軍上,千里內戰,有慶;千里外,有憂。黃氣臨營,西向東向,戰並凶;北向吉。赤氣隨日出,軍行有憂;隨日沒,外告急者。或曰:天下檄告敵。或徵不行,凶。赤氣漫漫血色者,流血之象。赤氣如火影見者,臣叛其君,不過三朔。赤氣如龍蛇,在山頭住,又如夜光者,臣離其君,國主不安,為客君所傷,人民流移,遠其鄉里。
黒気が一条の大路の如く、寛さは四五匹の布の様に到り、明亮にして東西両頭の首尾を望見せざるは、三ヶ月を出ずに天下に将に大赦あらん。赤気が張開の傘蓋の如く軍隊の上空に覆うは、千里の内に在りて作戦すれば喜慶あり、出兵して千里之外に到れば則ち憂患あらん。黄気が営塁を圧臨し、西に向かいあるいは東に向かって伸展するは、作戦すれば皆凶なり。北に向かって伸展するは則ち吉なり。赤気が太陽に随って一同に昇起するは、行軍に憂あらん。太陽に随って一同に落下するは、是れ外方に急を告げる事あり。人あるいは言うに天下が将に檄文を発して敵人を声討せんとす、と。もしすでに出征して中途に前進能わざれば、また凶を主る。赤気が瀰漫して一片の血色なるは、是れ流血の徴象なり。赤気が火光の影子の如く顕現するは、臣子が君主を背叛するを主り、三ヶ月を出ず。赤気が龍蛇の如く、山頭の上に停り、また夜に光を発するが如きは、臣子が君主を背離し、国君が安寧を得ず、外来の君に傷られ、百姓が流徙遷移して故郷を遠く離れるを主る。
赤氣覆日而光,大旱,人民飢千里。何知賊得否?赤氣行,黑氣隨;赤氣滅,為賊可得;若獨行無黑氣隨者,賊不可得。黑氣如死人頭在營上,敵人有所獻,且求降,許之;不許必戰,功雖成,士卒多死。黑氣如牛頭、龍、馬、蛇變化,疾病,人民流亡,不宜乳婦,夷兵咸欲欺中國,宜遣伺侯,讒言為惡。
赤気が太陽を蓋い而も太陽が依舊として光を発するは、大旱を主り、千里の内に百姓が饑饉す。怎麽にして賊寇が擒獲し得るか否かを知らんか。赤気が前に行き、黒気が後面に跟い、赤気の消滅するを待ち、就中これ賊寇の擒獲すべきなり。もし赤気が独自游行して黒気の跟随なければ、賊寇は就中抓り得ざるなり。黒気が死人の頭顱の如く営塁の上空に停在するは、敵人が進献有り併せて投降を請求せん。當に彼を答允すべし。答允せざれば必ず開戦し、功業は成を能くすと雖も、士卒は却って大量に死亡せん。黒気が牛頭の如く・龍の如く・馬の如く・蛇の如くに変幻して定まらざるは、疾病の流行し・百姓の流亡するを主り、産婦に不利なり。四夷の兵が皆中原を欺凌せんと欲す。偵候の人を派出し、還って讒言の作祟を防ぐべし。
新出軍行師,假令向東伐,而有白雲從西來,因隨而擊之勝;若有赤雲東來逆軍者,敵勝;我軍當敗,急且屯守,他方仿此。黑氣如積土,在我軍上,敵來襲我,我必堅守經月;敵心離,離而後戰,必大勝。若對敵在東方,白雲東去,而有雲又東來,相逆,須臾過者,雲已去而有風隨之,所望龍虎之狀,若在我軍,皆大勝。雖從雲而風逆者,亦不可戰。若有雲氣橫來者,兩軍不合,急先伏止,不爾,有遁將。黑氣遊行,中含黃氣,在我軍者,急令舉兵。不速戰,士卒懼,人有逃心,罷軍吉。
新近に兵を出して行軍し、假如是れ東に向かって討伐して、白雲が西面より跟って来る有れば、就中勢に順って追随して攻撃し、勝を取るべし。もし赤雲が東面より我が軍に迎着えて来る有れば、敵人が勝を得、我が軍は敗れん。急いで営を扎して固守すべし。其他の方向は此に依って類推す。黒気が堆積の泥土の如く、我が軍の上空に圧するは、是れ敵人が来りて我を襲撃せんとす。我方は必ず一ヶ月を堅守せよ。敵人の軍心の離散するを待ち、離散の後に再び戦い、必ず大勝を獲ん。もし対陣の敵人が東方に在り、白雲が東に向かって去り、また雲が東面より過ぎ来り、両下に相い迎え、片刻に交錯して過ぎ、雲はすでに去りて風が跟って来り、望見する気の形は龍の如く虎の如し。ただこれらが皆我が軍の一方に現れれば、皆大勝を主る。不過たとえ雲が勢に順って去り、風が逆向に吹き来るも、仍然として交戦すべからず。もし雲気が横向に圧し来れば、両軍は就中交鋒せず。急いで先に埋伏して兵を按じて動かざるべし。否然れば将領の逃亡有らん。黒気が游動し、中間に黄気を含み、我が軍の上空に現れるは、急いで進兵を下令すべし。もし速戦せざれば、士卒に恐懼の心生じ、人々皆逃走の意有らん。此の時に兵を収め師を回すを吉と為す。
兩軍相當,彼軍上有氣赤,上如疋布,廣長數十丈,其下色黃白,必有背叛之軍,昏見在臣佐,夜見在兵,宜備之。凡被圍,平目視圍上氣,鬱鬱如火,光芒勢翕翕然者,其方救至,無者無救。軍行,有白氣如虹者,軍大驚,宜備之。若黑雲南北陣,國將有憂。不然,有大水為害。
両軍が相持し、相手方の軍上の気が赤色を呈し、上端は一匹の布の如く、寛長数十丈、下端は黄白色なるは、あの一方に必ず背叛の部隊あらん。黄昏時に見るは、叛くは臣属の佐吏なり。夜に見るは、叛くは士兵なり。防備を加うべし。およそ囲困されたるは、平視して城を囲む上空の気に、もし濃郁して火の如く、光芒が収斂聚合して気勢有るは、あの方向の救兵がまさに到らんとす。この種の気なければ、救兵なきなり。行軍の途中に白気が現れて虹の如きは、軍中に大いに驚擾を受けん。防備すべし。もし黒雲が南北方向に陣勢を排成せば、国家に将に憂患あらん。不然れば、また大水が災を成さん。
白雲白氣極天南北陣,有憂;黑雲東西陣,君有憂。若天氣蒼茫而東西極天,移日不動者,為憂深。此氣以戊己日出為災。日入,有青氣東西極天,支干數內無風雨,不出三年,將有大喪。赤雲臨圍上東西陣,國且負兵。三霧,秋以庚辛申酉日,氣色白,東行利為客,先舉兵勝,後舉兵敗。
白雲・白気が天際を横貫し、南北方向に陣勢を排成するは、憂患有らん。黒雲が東西方向に陣勢を排成するは、君主に憂患有らん。もし天色が蒼茫にして、気が自ら東より西に向かって天空を横貫し、接いで几天も移動せざれば、憂患は就更に深重なり。此の種の気が戊日・己日に現れるは、災禍を醸成せん。日落の時分に青気があって東西に天空を横貫し、干支の推算する期数の内に風雨なければ、三年を出ずに、将に大いなる丧事あらん。赤雲が囲まれたる城の上空に圧し、東西方向に陣勢を排成するは、この国家は将に兵事に敗れん。第三種の霧は、秋季の庚・辛・申・酉の日に現れ、気色が白を発し、東に向かって移動し、客軍を為すに利あり。先に兵を出すは勝を得、後に兵を出すは失敗す。
二霧,夏以丙丁巳午日,色赤黃,氣西行,為利客,主人凶。四霧,冬以壬癸亥子日,氣青黑,氣南行,興軍動眾。五霧,四季月以戊己辰戍丑末日,氣黃色,行向北,利客,主人內亂。一霧,春以甲乙寅卯日,氣青,出東方向季者,客勝。山中冬霧,十日不解者,欲崩之候。雲如疋帛而行,若西南,若邑郡者,其君有憂。雲氣如亂壞,大風將至,視從來遮之,雲甚潤而厚,大雨必暴至。
第二種の霧は、夏季の丙・丁・巳・午の日に現れ、顔色が赤黄、気が西に向かって移動し、客軍に利あり、守る方の主人は凶なり。第四種の霧は、冬季の壬・癸・亥・子の日に現れ、気色が青黒、気が南に向かって移動し、兵を興し衆を動かすを主る。第五種の霧は、四季の末月の戊・己・辰・戌・丑・未の日に現れ、気が黄色を呈し、北に向かって移動し、客軍に利あり、守る方の主人に内乱有らん。第一種の霧は、春季の甲・乙・寅・卯の日に現れ、気色が青く、東方より発出して四季の位に指向するは、客軍が勝利を得ん。山中に冬天に霧が起こり、十天散ぜざるは、是れ山の将に崩塌せんとする徴候なり。雲が一匹の絹帛の如く飄行し、もし西南に指向し、あるいは某座の城邑・郡県に指向すれば、そこの君長に憂患有らん。雲気が紛乱して潰散の如同じきは、大風が将に来たらんとす。それの来る方向を看清して遮擋を加うべし。雲もし十分に潤沢にして厚重なれば、大雨は必ず驟然に至らん。
四始之日,有黑氣如陣,厚重大而多雨氣,若霧非霧,衣冠而濡,見則其城帶甲而趨。日出沒時,有雲橫截之,白者喪,黑者驚。三日內雨者,咎解。雲氣如雄兔,臨軍營中,軍士死亡。天有青氣入營者,兵弱驚。天有赤色入營者,兵暴驚。天有黃氣入營者,兵和解。天有白氣入營者,兵強。天有黑氣入營者,士卒疾病。一云:兵相殘,急移營。有雲如蛟龍,所見處,將軍失魄。有雲如鵠尾,來蔭圍上,三日亡。
歳・時・月・日の四始の日に黒気が現れて陣の如く排列し、厚重龐大にして雨気多く、霧に似てまた霧にあらず、人の衣帽を沾湿する。それを見るに、あの城の士兵は就中甲を披き奔走せんとす。日出・日落の時、雲があって日面を拦腰截断し、白色は丧事を主り、黒色は驚擾を主る。三天の内に雨降れば、災咎は就中化解す。雲気が雄兔の如く、軍営の中に臨むは、軍士に死亡有らん。天上に青気があって営中に進入するは、兵力が衰弱にして多く驚恐せん。赤色の気があって営に入るは、突発の驚乱有らん。黄気があって営に入るは、兵事が将に和解せん。白気があって営に入るは、兵力が強盛なり。黒気があって営に入るは、士卒が疾病を生ぜん。もう一つの説は士兵が自ら相い残殺す。急いで営地を遷移すべし、と。雲があって形は蛟龍の如きは、それの現れる所、将軍は失魂落魄せん。雲があって天鵝の尾巴の如きは、飄来して囲まれたる城の上空を蔭覆す。三天の内に城破れ人亡ぶ。
有雲如日月暈赤色,其國凶;青白色,有大水。有雲狀如龍行,國大水流亡。有雲赤黃色四塞,終日竟夜照地者,大臣縱恣。有雲如氣昧而濁,賢人去,小人在位。
雲があって日暈・月暈の如くして赤色を呈するは、あの国家に凶事有らん。青白色を呈するは、将に大水あらん。雲があって形状は龍の行走するが如きは、国中に大水を発して人民が流亡せん。雲があって赤黄色を呈して四方を堵塞し、整日整夜大地を映照するは、大臣の放縦専横を主る。雲気があって昏暗にして渾濁なるは、賢人の離去し・小人が政を当たるを主る。
凡遇四方盛氣,無向之戰。甲乙日青氣在東方,丙丁日赤氣在南方,庚辛日白氣在西方,壬癸日黑氣在北方,戊己日黃氣在中央。四季日戰,當此日吉,逆之必敗。甲乙日平旦,所向有白雲,不可攻。丙丁日所向有烏雲,皆為城堅,不可攻。他仿此。赤氣如火者,叛其君。赤氣加西方者客勝,加北方者客敗。加東方,和解不斗。加南方者軍還,天下安,無兵。他仿此。
およそ四方の旺盛の気に遇上するは、それに向かって作戦するなかれ。甲乙の日に青気が東方に在り、丙丁の日に赤気が南方に在り、庚辛の日に白気が西方に在り、壬癸の日に黒気が北方に在り、戊己の日に黄気が中央に在り。四季の日に交戦し、この日の当旺の気に順えば就中吉、それに逆えば必ず敗る。甲乙の日の清晨、向かう所の方位に白雲有れば、進攻すべからず。丙丁の日に向かう所の方位に黒雲有れば、皆城池の堅固・進攻すべからざるを表示す。其余は此に依って類推す。赤気が紅くして火の如きは、臣下の君主を背叛するを主る。赤気が西方に加臨すれば、客軍が勝利を得ん。北方に加臨すれば、客軍は失敗す。東方に加臨すれば、双方が和解して戦わず。南方に加臨すれば、軍隊が師を回し、天下が安定し、兵事なからん。其余は此に依って類推す。
凡天見五色雲氣,望東西南北,至子午卯酉,若百步千步,一丈十丈,一尺長,數百丈,如車道長百十丈,日辰相剋者,大斗;不相剋者,寄居憂除。王氣所臨,有天命,為兵強;相氣所臨,為戰勝,將吏有功;死氣所臨,死喪疾病,饑饉破敗;囚氣所臨,為被圍降敗;休氣所臨,為兵罷無功,士卒亡散。日中有黑氣,君有小過,而臣不掩君惡,不揚君善,故日中有黑氣,不明是也。
およそ天上に五色の雲気が現れ、東西南北に向かって望み、直ちに子・午・卯・酉の四正の位に抵り、あるいは長さ百歩千歩、あるいは寛さ一丈十丈、あるいは一尺来りの長さ、あるいは几百丈、車道の如く長さ上百十丈――もし日辰がそれと相克すれば、大戦を主る。相克せざるは、外に寄居する人の憂患が解除を得ん。王気の臨む所の一方は、天命を得、兵力が強盛なり。相気の臨む所は、作戦して勝を得、将吏が功を立てん。死気の臨む所は、死喪・疾病・饑饉・敗亡を主る。囚気の臨む所は、囲困されて投降し失敗するを主る。休気の臨む所は、兵を収めて功なく、士卒が逃亡離散するを主る。日面の中に黒気有るは、是れ君主に小さな過失ありて、しかも臣下が君主の為に過悪を掩盖せず、また君主の善行を宣揚せざるがゆえに、日中に黒気を生ず。日光が明ならざるは就中此の道理なり。
凡白虹者,眾亂之首,百殃之本。霧者,百邪之氣,陰來冒陽,奸臣謀主,擅權立威。在天為濛,在地為霧;日月不見為濛,前後人不相見為霧。象志氣也,晝霧夜明,臣志得伸;夜霧晝明,臣志不伸。一云:君政邪,人覆主上,臣謀冒其君,覆之氣也,臣以非政,亂君政。
およそ白虹は、皆衆乱の開端・百殃の根本なり。霧は、是れ各種の邪僻の気、陰気が上に来りて陽気を冒犯し、奸臣の君主を図謀し・権を擅り威を立つるを象徴す。此の種の気は天上では「濛」と呼び、地面では「霧」と呼ぶ。日月ともに見えざるは「濛」、前後の人が互いに見えざるは「霧」なり。霧は臣下の心志を象徴す。白天に霧が起こりて夜が晴明なるは、臣下の心志が伸展を能くす。夜に霧が起こりて白天が晴明なるは、臣下の心志が伸展を得ざるなり。もう一つの説――君主の政令が邪僻なれば、下面の人は便ち君上を壓過し、臣子がその君主を図謀冒犯し、就中これ覆壓の気なり。臣下が不正の政を用いて君主の政令を擾乱す、と。
霧從夜半至,日中不解,遂止於濛,君不悟臣,行奸政於百姓;過日中似雨,臣強,無所避;濛日見,邪人欺君,有救,則明政令,審取順信臣而無害。霧終日終時,有君憂。色黃小雨;白主兵喪;青疫病;黑主暴水;赤有兵喪旱;黃主土功,或有大風。凡夜霧白虹見,臣有憂;晝霧白虹見,君有憂。虹頭屈至地,流血之象;白虹氣出,其年兵起。
霧が半夜より昇起し、中午に到っても消散せず、最後に停留して「濛」を成すは、是れ君主が臣下を察覚能わず、臣下が便ち百姓に対して奸政を施行す。中午を過ぎて雨が降らんと欲するが如きは、是れ臣下が強横にして回避する所なし。「濛」の中に太陽が露面するは、是れ邪人が君主を欺蒙して尚ほ救薬有り。ただ政令を申明し、恭順守信の臣子を審慎に任用せば、就中害なからん。霧が整天整時散ぜざるは、君主に憂有らん。霧色が黄を発するは小雨を主る。白を発するは兵事と丧事を主る。青を発するは瘟疫を主る。黒を発するは暴漲の大水を主る。赤を発するは兵喪と旱災を主る。黄色はまた土木の工程を主り、あるいは大風有らん。およそ夜に霧が起こりて白虹が現れるは、臣下に憂有らん。白天に霧が起こりて白虹が現れるは、君主に憂有らん。虹の頭が弯曲して地面に垂るるは、是れ流血の徴象なり。白虹の気が現れるは、あの年に兵事有らん。
凡霧氣,不順四時,逆相交錯,微風小雨,為陰陽氣亂之象。從寅至辰已上,周而復始,逆者不成,積日不解,晝夜昏暗,天下欲分離。凡霧四合,有虹見其方,隨四時色,吉非時色凶。凡霧氣若晝若夜,其色青黃,更相掩覆;乍合乍散,臣欲謀君,為逆者不成自亡。凡霧氣四方俱起,百步不見人,名曰晝昏。不有破國,必有滅門。凡天地四方昏濛若下塵,十日已上,或一月日,或一時,不沾衣而有土,名曰霾。故語曰:天地霾,君臣乖,不大旱,外人來。
およそ霧気が四時に順応せず、反常に交錯雑陳し、また微風小雨有るは、これは陰陽の気の紊乱の徴象なり。寅時より辰時以上に至り、周して復た始まり、天時に違逆する人は事を成す能わず。もし接いで多日散ぜず・昼夜昏暗なれば、天下は将に分崩離析せん。およそ霧が四面より合攏し、某個の方位にまた虹の現れ有るは、虹色が四時に順応するを吉と為し、時令の色に合わざるを凶と為す。およそ霧気が白天夜間を論わず、顔色が青黄相間に・交替に掩覆し、忽ち合し忽ち散ずるは、是れ臣下が君主を図謀せんと欲し、乱を作す人が事を成す能わずして自ら滅亡を取るなり。およそ霧気が四方より一斉に昇起し、百歩以外に人を見る能わざるを、「昼昏」と呼ぶ。国破れずんば、就中必ず滅門の禍あらん。およそ天地四方が昏暗迷濛して塵土を落すが如く、十天以上持続し、あるいは一ヶ月、あるいはただ一個の時辰のみ、衣服を沾湿せずして一層の土を落下するを、「霾」と呼ぶ。故に古語に曰く――天地に霾起これば、君臣乖離し、大旱を鬧さずんば、就中外敵の入侵有らん、と。
九土異気象の占(九土異氣象占)第六十四
《史記》曰:故候息耗者,入國邑,視封疆田疇之整,城郭屋室門戶之潤澤,次至車服畜產之精華。實息者吉,虛耗者凶。然則天地之間,無不有氣色者也。故積錢實,瓦石古墟,市獄戰場,皆有其氣。今轉次之雲爾。海旁蜃氣象樓臺。廣野氣成宮闕。
『史記・天官書』は言う――善く盛衰消長を占候する人は、一国一邑に入りて、先ずその疆界・田畝の整斉なるか否かを見、城郭・房屋・門戸の潤沢光鮮なるか否かを見、再び車馬・衣服・牲畜・物産の精美なるか否かを看る。充実増長するは就中吉、空虚耗損するは就中凶なり。此の様に看れば、天地の間に気色なき一様の物はなし。故に堆積の銭財・実物、瓦礫・石頭の古墟・廃址、集市・牢獄および古戦場は、皆各々自己の気有り。現在就中依次にそれらを記述して下の如し。海辺の蜃気は楼台の形状を結成し、空曠の原野の上の気は宮殿・楼闕の形状を凝成す。
自華山已南,氣上黑下赤。嵩高三河之郊,氣正赤。恆山北氣青。渤海之間氣正黑。江淮之間氣皆白。東海氣如圓燈。漢水氣如引布。江漢氣勁如杼。濟水氣如黑豚。渭水氣如白狼白尾。淮南氣如帛。少室氣如白兔青白尾。恆山之氣如黑牛有尾。東海氣如樹。西夷氣如室屋。南夷氣如樓閣或類舟船幡旗。北夷氣如牛羊群畜宮闕。
華山より南に往けば、気は上黒く下赤し。嵩山の高処および河東・河内・河南の三河一帯の郊野は、気は純然として赤色なり。恒山以北は、気は青色を呈す。渤海一帯の気は純黒なり。江淮の間の気は皆白色なり。東海の気は一盞の円燈の如し。漢水の気は扯開の一匹の布の如し。長江と漢水の気は挺勁にして布を織る梭子の如同じし。済水の気は黒色の小猪の如し。渭水の気は白狼の白尾を拖るが如し。淮南の気は絲帛の如し。少室山の気は白兔にして青白色の尾巴を帯ぶるが如し。恒山の気は尾巴を帯びた黒牛の如し。東海の気はまた樹木の如し。西辺の夷人の地の気は房屋の如し。南辺の夷人の地の気は楼閣の如く、あるいは舟船・幡旗の如し。北辺の夷人の地の気は成群の牛羊・牲畜と宮殿・楼闕の如し。
黑氣如群羊,如豬魚,為六夷不順。陣雲如立垣,杼雲類杼。軸雲類軸,摶兩端銳。柄雲如繩,居前亙天山,其半半天者類門旗,故白雲勾曲。諸此云見,以五色占。而渾轉密,其見動人,及有兵起合闕。其真雲氣,如三疋帛廣,前銳後大,將軍行氣也。千歲龜,上有白雲。
黒気が成群の羊の如く、あるいは猪の如く魚の如きは、六夷が帰順せざるを肯んぜざるを主る。陣。陣雲は竪起の墻垣の如し。杼雲は布を織る梭子の如し。軸雲は車軸の如く、団団と聚攏して両端が尖鋭なり。柄雲は一条の繩索の如く、前方に横たわり天山に綿亘し、半個の天空を占むるは門旗の如し。故に白雲は勾曲の形を呈せん。これらの雲が現れる時は、皆五色の法則に按じて占断す。雲もし渾然として旋轉して稠密にして、一たび現れれば人の心を動揺せしむるは、則ち兵事の興起ありて直ちに宮闕を逼むるなり。あの真実の雲気は、寛さは三匹の布帛の如く、前頭は尖鋭にして後頭は寛大なるは、これは将軍の行軍の気なり。千年を活きたる神亀は、上頭に白雲の覆蓋有らん。
韓雲如布,周雲如車輪,秦雲如行人,衛雲如犬,魏雲如鼠,齊雲如絳衣,越雲如龍,蜀雲如囷。車氣,乍高乍下,往往而聚;騎氣,卑而布;卒氣摶,前高後卑者,不止而返;校騎之氣,正蒼黑,長數百丈;遊兵之氣,如彗掃。喜氣;上黃下白;怒氣,上黃下赤;憂氣,上下黑;土功氣黃,白徒氣白。
韓地の雲は布匹の如く、周地の雲は車輪の如く、秦地の雲は行人の如く、衛地の雲は狗の如く、魏地の雲は老鼠の如く、斉地の雲は深紅の衣裳の如く、越地の雲は龍の如く、蜀地の雲は円形の穀倉の如し。戦車の気は忽ち高く忽ち低く、常に一堆に聚成す。騎兵の気は低伏して鋪展開す。歩卒の気は団聚して塊を成し、もし前高く後低ければ、就中行軍して停まずにして将に師を回さんとす。校尉の領する騎兵の気は純然として蒼黒色、長さは几百丈に達す。游動の兵の気は彗星の掃き過ぐるが如し。喜気は上黄く下白し。怒気は上黄く下赤し。憂気は上下ともに黒色なり。土木の役を興すの気は黄色を呈し、白徒・民夫を征発するの気は白色を呈す。
凡候雲之法,氣初出時,若雲非雲,若霧非霧,彷彿若可見。初出森森然,在桑榆上,高五六尺者,是千五百里外,平視則千里,舉目望則五百里,仰瞻中天百里內,平望桑榆間二千里,登高山而望四下屬地者三千里。凡欲知吾軍,常以甲己日及庚子戊午未亥日,八月十八日,去軍十里,登高望之可見。依別記占之,百人已上,皆有氣。凡占災異,先推九宮分野,六壬日月,不應陰霧風雨者,乃可占。
およそ雲気を観候する方法――気が剛く現れる時は、雲に似てまた雲にあらず、霧に似てまた霧にあらず、隠約として仿佛たり見るべし。それが初めに起こる時は森然として立ち、桑樹・楡樹の梢頭に浮び、高さ五六尺なるは、一千五百里以外の事を主る。平視して見る所は一千里、眼を抬げて望見するは五百里、仰いで中天に到るを見るは百里の内なり。桑楡の間に沿い平く望み出でて両千里に及べし。高山に登りて四下に向かって地と相接する処まで望めば、三千里に及べし。およそ自家の軍隊の気を察看せんと欲するは、通常は甲日・己日および庚子日・戊午日と未日・亥日、あるいは八月十八日、軍営を離るること十里の地方に走り、高きに登り遠く望めば就中見るべし。再び別冊の記す所の条例に依って占断す。およそ百人以上の隊伍は、皆気を有せん。およそ災異を占測するは、先ず九宮の分野と六壬の日月を推算し、もし陰・霧・風・雨の類の天象に応ずるにあらざれば、乃ち占を起こすべし。
對敵,有雲來甚卑,掩溝蓋道,是大賊必至,食不及飽,急起嚴備之。敵在東,日出候;在南,日中候;在西,日入候;在北,夜半候。凡氣在王相色,吉;在囚死色,凶。凡軍上氣,高勝下,厚勝薄,實勝虛,長勝短,澤勝枯。凡氣,欲似甑上氣,勃勃上升,積為霧,霧為陰,陰氣結為虹蜺暈珥之屬。凡氣不積不結,散漫一方,不能災。必須和雜殺氣,森森然疾,乃可諭占。
敵と対陣するの時、雲があって甚だ低く圧して飄来し、溝壑を遮い・道路を蓋うは、これは大股の敵兵が必ず到来す。飯を飽食するに及ばず、急いで身を起こし厳しく戒備を加うべし。敵人が東方に在れば、就中日出の時に観候す。南方に在れば、就中正午に観候す。西方に在れば、就中日落に観候す。北方に在れば、就中半夜に観候す。およそ気が王気・相気の色を呈するを吉と為し、囚気・死気の色を呈するを凶と為す。およそ軍隊の上空の気は、高きは低きに勝り、厚きは薄きに勝り、実なるは虚なるに勝り、長きは短きに勝り、潤沢なるは枯槁なるに勝る。およそ気は蒸鍋の上の水汽の如く勃勃と上昇し、積聚して霧を成すべし。霧は陰に属し、陰気は再び凝結して虹・霓・暈・珥の類を成す。およそ気が積聚せず・凝結せず、ただ散漫にして一方に在るは、災を成す能わず。必ず肅殺の気を夾雑し、森然として急促なるを須みて、乃ちこれに拠って占を論ずべし。
軍上氣安則軍安,氣不安則軍不安,氣南則軍南,氣北則軍北,氣東則軍東,氣西則軍西,氣散則軍破散。候氣,常以平旦、下晡、日出沒時處氣見以知。夫占之期內,有大風雨久陰,則災不成。故風以散之,陰以疏之,雲以藏之,雨以解之。
軍隊の上空の気が安穏なれば、軍隊は就中安穏なり。気が安穏ならざれば、軍隊もまた安穏ならず。気が南に向かえば、軍隊は就中南に向かう。気が北に向かえば、軍隊は就中北に向かう。気が東に向かえば、軍隊は就中東に向かう。気が西に向かえば、軍隊は就中西に向かう。気が一たび散ずれば、軍隊は就中潰散す。雲気を観候するは、通常は清晨・傍晚および日出・日落の時、気の顕現する地方に在りて察看して知るを得る。占する所の応期の内に、もし大風・大雨あるいは長久の陰天あれば、災禍は就中応験せざらん。それは風がそれを吹き散らし・陰がそれを疏解し・雲がそれを蔵匿し・雨がそれを化解するがゆえなり。
雲気の列宿に入る占(雲氣入列宿占)第六十五
角宿:有雲狀如刀劍,□□□角間,有憂,陰謀起,天子下殿。有雲蒼色入左角,兵散;出右角,戰有憂。亢宿:有雲入亢,人民疾疫。有氣入亢出氐,君主疾。氐宿:有蒼白雲入氐,天下大疫疹流行。有黑雲入氐,水災。房宿:有赤雲狀人入房,后有娠,不然,好事起。有氣入房,宮中大兵起,名曰內亂。
角宿――雲があって形状は刀剣の如く、両角の間に在るは、憂患有り・陰謀の興起し・天子が迫られて殿を下るを主る。青色の雲があって左角星に進入するは、兵衆が離散す。右角星より出去するは、作戦に憂有らん。亢宿――雲があって亢宿に進入するは、百姓に将に疫病あらん。気があって亢宿より進入し・また氐宿より出るは、君主が生病す。氐宿――蒼白色の雲があって氐宿に進入するは、天下に将に大規模に疫疹が流行せん。黒雲があって氐宿に進入するは、水災を主る。房宿――赤雲があって形状は人の如く房宿に進入するは、皇后に将に身孕有らん。不然れば、また好事の発生有らん。気があって房宿に進入するは、宮中に大いに兵変を起こさん。これを「内乱」と呼ぶ。
心宿:有青雲出心,天子使諸侯將出。有白氣入心左星,太子受賜;黑氣入心右星,庶子受賜祿;蒼白氣入心中星,天子有憂。尾宿:蒼氣入尾,故臣有來歸身者;出尾,臣有死者。白雲入尾,君故臣有來者。箕宿:蒼氣出箕,國災除。又曰:入箕,四夷來見。黃雲入箕,有蠻夷來貢。斗宿:蒼白雲氣入南斗者,多風。赤氣入斗,兵起。
心宿――青雲があって心宿より出来するは、天子が諸侯・将領を派遣して出行せしめん。白気があって心宿の左星に進入するは、太子に将に賞賜を受けん。黒気が心宿の右星に進入するは、庶子に将に俸禄を賜うあらん。蒼白の気が心宿の中央大星に進入するは、天子に憂有らん。尾宿――青気が尾宿に進入するは、旧日の臣属に前來して帰附投靠する者有らん。尾宿より出去すれば、臣属の中に死亡の人有らん。白雲が尾宿に進入するは、君主の旧臣に来帰する者有らん。箕宿――青気が箕宿より出来するは、国家の災禍が解除す。また一説、気が箕宿に進入するは、四方の夷人が前來して朝見せん、と。黄雲が箕宿に進入するは、蛮夷の前來して進貢する有らん。斗宿――蒼白色の雲気が南斗に進入するは、風多し。赤気が南斗に進入するは、将に兵事有らん。
牛宿:虹雲出牽牛之度,必有崩城,期二年;蒼雲入牛,牛多疾。女宿:赤雲入須女,婦人多以兵死。白氣入女,女多疾疫。虛宿:蒼雲入虛,哭泣在內;出虛,禍除福興;黃氣入虛,天子以喜,起廟祠祀。危宿:蒼白若赤雲入危,有土功蓋屋大作之事。蒼氣入危,中國憂損屋。
牛宿――虹状の雲が牽牛宿の度数の上に現れるは、必ず城池の崩塌あり、応期は二年。青雲が牛宿に進入するは、牛が多く疾病を生ぜん。女宿――赤雲が須女宿に進入するは、婦人に多く兵禍に死する有らん。白気が女宿に進入するは、婦女に多く疫病を生ぜん。虚宿――青雲が虚宿に進入するは、宮内に哭泣の事有らん。虚宿より出去すれば、禍事が消除して福気が興起す。黄気が虚宿に進入するは、天子に喜事あり、宗廟を興建し・祭祀を挙行せん。危宿――蒼白色あるいは赤色の雲が危宿に進入するは、将に土木を大興し・房屋を蓋造する事有らん。青気が危宿に進入するは、中原の国が房屋の損毀を為に憂えん。
室宿:蒼白雲入室,大人喪之憂。(入壁同。)氣潤澤如日月見室,男子之祥。壁宿:赤雲入壁,有兵起。黑氣入壁,有破王。奎宿:赤雲入奎,有兵若疾病。婁宿:白氣入婁,人民受賞。黃氣入婁,貴人受賜。胃宿:蒼白氣入胃,以喪糴粟。黑氣入胃,囷倉敗,谷腐。昴宿:蒼赤雲入昴,人民多疾疫,妖言大起,不然龍見。
室宿――蒼白色の雲が室宿に進入するは、貴人に丧事の憂有るを主る(壁宿に進入するも占法同じ)。気が潤沢にして日月の光の如同じく室宿に現れるは、是れ男子を生むの祥なり。壁宿――赤雲が壁宿に進入するは、将に兵事の興起あらん。黒気が壁宿に進入するは、王侯の撃破せらるる有らん。奎宿――赤雲が奎宿に進入するは、兵事あるいは疾病有るを主る。婁宿――白気が婁宿に進入するは、百姓が将に賞賜を受けん。黄気が婁宿に進入するは、貴人に将に賞賜を受けん。胃宿――蒼白の気が胃宿に進入するは、丧事を為に粟米を買進せん。黒気が胃宿に進入するは、穀倉が損壊し、糧食が黴爛せん。昴宿――青赤色の雲が昴宿に進入するは、百姓に多く疫病に染み、妖言が大いに起こり、不然れば就中龍の出現有らん。
畢宿:蒼白雲入畢,歲不收;出畢口,其禍除。又曰:赤雲入畢,兵起,大旱,火災。白氣入畢口中,其歲大人必有生者。觜宿:黃雲入觜,兵隨之出。黑氣入觜,大人憂。參宿:蒼雲入參,有火災。赤氣入參,內有兵起。井宿:黃氣白入井,有客來賓,池澤水事興。赤雲入井,大水,不然有疾病。
畢宿――蒼白色の雲が畢宿に進入するは、当年の穀物が歉収す。畢口より出去するは、あの禍事は就中化解す。又一説――赤雲が畢宿に進入するは、兵起こり・大旱と火災を主る。白気が畢口の中に進入するは、此の年に貴人の家中に必ず生育の喜有らん。觜宿――黄雲が觜宿に進入するは、兵馬が之に随って出動せん。黒気が觜宿に進入するは、貴人に憂有らん。参宿――青雲が参宿に進入するは、将に火災有らん。赤気が参宿に進入するは、内部に兵事の興起有らん。井宿――黄気と白気が井宿に進入するは、賓客の来訪有り・池沼川沢の水利の事が興辦さる。赤雲が井宿に進入するは、大水を主り、不然れば就中疾病有らん。
鬼宿:白雲入鬼,有疾病憂。黑氣入鬼,大人憂。(觜同。)柳宿:赤雲入柳者,有失火之憂;出柳者,大旱。黃雲入柳中,五十日赦。星宿:蒼白雲入七星,大人憂。赤氣入七星,四曲五曲不正者,有亡臣。張宿:白雲入張,大客有憂。赤氣入張,天子用兵賜物。黃白氣潤入張,天子因喜賜客;出張,天子使信物、賜諸侯。黃赤氣入張,憂;出張,天子用兵。
鬼宿――白雲が鬼宿に進入するは、疾病の憂有るを主る。黒気が鬼宿に進入するは、貴人に憂有らん(觜宿の占法同じ)。柳宿――赤雲が柳宿に進入するは、失火の憂有らん。柳宿より出去するは、大旱を主る。黄雲が柳宿の中に進入するは、五十天の内に赦令有らん。星宿――蒼白色の雲が七星に進入するは、貴人に憂有らん。赤気が七星に進入し、弯曲して四折五折を成して端正ならざるは、臣子の逃亡有らん。張宿――白雲が張宿に進入するは、遠来の大賓客に憂有らん。赤気が張宿に進入するは、天子が将に兵を用い併せて財物を賞賜せん。黄白の気が潤沢にして張宿に進入するは、天子が喜事を因に賓客を賞賜せん。張宿より出去すれば、天子が使者を派して信物を送り・諸侯を賞賜せん。黄赤の気が張宿に進入するは、憂を主る。張宿より出去すれば、天子が将に兵を用いんとす。
翼宿:黑氣入翼,政短。翼星有氣三夜不去,大人憂,兵大起,車騎滿野。軫宿:蒼雲圍軫,亡國之戒。蒼白氣入軫,王大幸觀;出軫,其禍除。黑氣如鼠入軫正中,大人墮車憂,或落床。黃白雲出軫,天子用車為幣賜諸侯王。
翼宿――黒気が翼宿に進入するは、政令が短促にして行い難し。翼宿の星に気があって笼罩し、連続して三夜に散散ぜざるは、貴人に憂あり・将に大いに挙げて兵を興し・車馬・騎士が原野に布き満たん。軫宿――青雲が軫宿を環繞するは、是れ亡国の警戒なり。蒼白の気が軫宿に進入するは、君王が大規模に出巡して游観せん。軫宿より出去すれば、禍事が解除す。黒気が老鼠の如く軫宿の正中に鑽入するは、貴人に墜車の憂あり、あるいは床上より摔下せん。黄白色の雲が軫宿より出来するは、天子が車駕を以て礼物と為し諸侯王を賞賜せん。
雲気の中外官に入る占(雲氣入中外官占)第六十六
赤黃氣出紫宮,有立王。赤黃氣出紫宮中,天子用錢物賜諸侯王。赤雲氣直入紫宮中,兵大起,內亂,有立王。赤氣出紫宮中,兵起。赤黃氣潤澤入紫宮中,天子有嘉劍。黃白氣潤澤如刀劍入紫宮中,天子有男喜。黃白氣入紫宮中,有立侯王。黃白氣正圓如杯碗入紫宮中,倖臣有奉獻美女者。(入太微,同占。)
赤黄の気が紫微宮より出来するは、将に新王の立てらるる有らん。赤黄の気が紫微宮の中より出来するは、天子が銭財・物品を用いて諸侯王を賞賜せん。赤色の雲気が笔直に紫微宮の中に挿入するは、将に大いに挙げて兵を興し・内乱を発生し・併せて新王の立てらるる有らん。赤気が紫微宮の中より出来するは、将に兵事有らん。赤黄の気が潤沢にして紫微宮の中に進入するは、天子が嘉美の宝剣を得ん。黄白の気が潤沢にして刀剣の形の如く紫微宮の中に進入するは、天子に男子を生むの喜有らん。黄白の気が紫微宮の中に進入するは、将に侯王の立てらるる有らん。黄白の気が正円にして杯碗の如く紫微宮の中に進入するは、寵臣の美女を進献する有らん(此の種の気が太微垣に進入するも占法同じ)。
蒼白氣出紫宮,其禍除;起或入長垣,胡人起。蒼白氣出天極中,其禍除。蒼白氣入勾陳中,大司馬憂喪。黑氣入勾陳中,大司馬戮死。赤氣入勾陳中,內亂。赤氣出勾陳中,大戰,將有功。黃白氣入勾陳中,將大戰。白氣入勾陳中,天子立宗廟。黑氣出勾陳中,其禍除。
蒼白の気が紫微宮より出来するは、禍事が解除す。もしこの気が昇起しあるいは長垣星に進入すれば、胡人に将に動乱有らん。蒼白の気が天極星の中より出来するは、禍事が解除す。蒼白の気が勾陳星の中に進入するは、大司馬に憂患・丧事有らん。黒気が勾陳星の中に進入するは、大司馬が殺されん。赤気が勾陳星の中に進入するは、内乱を主る。赤気が勾陳星の中より出来するは、将に大戦有り・将領が功を立てん。黄白の気が勾陳星の中に進入するは、将領が大戦を打たんとす。白気が勾陳星の中に進入するは、天子が宗廟を営建せん。黒気が勾陳星の中より出来するは、禍事が解除す。
赤氣入北斗,兵起,及宮廟有火憂,大旱。赤氣入北斗中,還勾陳南斗,不過一年,有流血,兵將死,客勝主。黃白氣入北斗,天子使諸侯。雲氣五色直入北斗,必立天子,遠二年,近百日。蒼黑氣入北斗魁中,貴臣死獄中。蒼白氣出北斗魁中,其禍除。赤氣入北斗魁中,將斧鑕斬者。黃氣出北斗魁中,天子出惡令。黃白氣出北斗魁中,天子左右倖臣有囚者蒙德令。
赤気が北斗に進入するは、将に兵事有り、宮室・宗廟にもまた火災の憂あり、還って大旱を主る。赤気が北斗の中に進入し、再び折回して勾陳と南斗に至るは、一年を出ずに流血の事有らん。将領が戦死し、客軍が主軍に勝たん。黄白の気が北斗に進入するは、天子が諸侯を派遣して出使せしめん。五色の雲気が笔直に北斗に挿入するは、必ず天子を立てん。遠くは両年、近くは百日なり。青黒の気が北斗魁の中に進入するは、貴臣の獄中に死する有らん。蒼白の気が北斗魁の中より出来するは、禍事が解除す。赤気が北斗魁の中に進入するは、人の斧鑕に斬殺せらるる有らん。黄気が北斗魁の中より出来するは、天子が暴虐の命令を発布せん。黄白の気が北斗魁の中より出来するは、天子の身辺に囚禁せられたる寵臣が寛赦の恩令を蒙らん。
蒼白氣入北斗,多大風。黃雲蔽北斗,明日雨。赤雲掩北斗,明日大熱殺人。白雲掩北斗,不過三日,雨。青雲掩北斗,五日雨。天下晴,北斗上下獨有雲,後五日內必大雨。黃白氣集輔星,相有喜。白氣集輔星,相有憂。赤氣集輔星,相有斧鑕之事。
蒼白の気が北斗に進入するは、大風を多く刮らん。黄雲が北斗を遮住するは、第二日に雨降らん。赤雲が北斗を掩住するは、第二日に酷熱して人を傷らん。白雲が北斗を掩住するは、三天を出ずに雨降らん。青雲が北斗を掩住するは、五天の内に雨降らん。天下が皆晴朗にして、ただ北斗の上下に雲有れば、此の後五天の内に必ず大雨降らん。黄白の気が輔星の上に聚集するは、丞相に喜事有らん。白気が輔星の上に聚集するは、丞相に憂患有らん。赤気が輔星の上に聚集するは、丞相が斧鑕の刑戮の事に遭わん。
赤雲入攝提,九卿憂。黃雲入攝提,九卿有賞。赤氣入攝提,戈盾用事。青雲一道、如千尋槍竿而沖大角過者,殿樑棟折。黑氣出梗河,兵大戰。蒼白氣出招搖,三夜不去,大人憂。黃氣出女床,後宮有子喜;白氣有喪。黑氣出女床,後宮有死者;青氣有病。
赤雲が摂提星に進入するは、九卿に憂有らん。黄雲が摂提星に進入するは、九卿が賞賜を得ん。赤気が摂提星に進入するは、将に干戈・盾牌を動用して戦事を興起せん。一道の青雲があって千尋長き槍杆の如く直ちに大角星に冲して過ぐるは、殿堂の梁棟が折断せん。黒気が梗河星より出来するは、将に大戦有らん。蒼白の気が招揺星より出来して、連続三夜に散ぜざるは、貴人に憂有らん。黄気が女床星より出来するは、後宮に男子を生むの喜有らん。もし白気なれば、則ち丧事有らん。黒気が女床星より出来するは、後宮に人の死亡有らん。もし青気なれば、則ち病める人有らん。
蒼白氣入天棓,有喪。蒼白黑氣出天棓中,其禍除。青氣入天棓,有喪;出天棓,有禍。赤氣出天棓,兵大起戮死。黑氣入天棓,大人憂。蒼白氣出貫索中,其禍除。蒼白雲氣入貫索中,天子憂亡地。赤氣入貫索中,有內兵起。黃氣入貫索中,天子喜。
蒼白の気が天棓星に進入するは、将に丧事有らん。蒼白と黒色の気が天棓星の中より出来するは、禍事が解除す。青気が天棓星に進入するは、丧事有らん。天棓星より出去すれば、禍患有らん。赤気が天棓星より出来するは、将に大いに挙げて兵を興し人の殺され有らん。黒気が天棓星に進入するは、貴人に憂有らん。蒼白の気が貫索星の中より出来するは、禍事が解除す。蒼白色の雲気が貫索星の中に進入するは、天子が土地を失うを為に憂慮せん。赤気が貫索星の中に進入するは、将に内乱の兵の興起有らん。黄気が貫索星の中に進入するは、天子に喜有らん。
蒼白氣入織女,主憂病。蒼白氣出天市,其禍除,萬物賤。蒼黑氣入天市中,萬物賤。赤氣入天帝中,兵弩貴。赤氣出天市中,兵大貴。黃白氣長如二疋繒布,常集天市中,神奇物出,天子有喜。赤氣出天江,車騎將軍出。蒼白氣出河鼓中,將有憂。黑氣入匏瓜,天子食果為害。
蒼白の気が織女星に進入するは、憂愁・疾病の事有るを主る。蒼白の気が天市垣より出来するは、禍事が解除し、万物の価が賤し。青黒の気が天市垣の中に進入するは、万物の価が賤し。赤気が天帝座の中に進入するは、兵器・弓弩の価格が昂貴す。赤気が天市垣の中より出来するは、兵器が大いに昂貴す。黄白の気が長さは両匹の繒布の如く、常に天市垣の中に聚集するは、神奇の物の出世有り・天子に喜有らん。赤気が天江星より出来するは、車騎将軍が将に出征せん。蒼白の気が河鼓星の中より出来するは、将領に憂有らん。黒気が匏瓜星に進入するは、天子が瓜果を吃して害を受けん。
蒼白氣入天津中,君有水憂。蒼黑氣入王良,奉車憂。蒼白氣入附路,太僕憂。客氣出天船中,不出一年有自立者。蒼白雲氣入三臺,人民多喪。白雲大圍長二三丈,出天牢中,貴人及人親屬,必斬死。赤氣入天理中,兵大起。赤氣出東西掖門者,起兵將受令。赤氣入東西掖門,內亂兵起,人主且有吉事,天必應以雲光影。
蒼白の気が天津星の中に進入するは、君主に水患の憂有らん。青黒の気が王良星に進入するは、奉車都尉に憂有らん。蒼白の気が附路星に進入するは、太僕に憂有らん。客星の気が天船星の中より出来するは、一年を出ずに自立して王と為る人有らん。蒼白色の雲気が三台星に進入するは、百姓に多く喪亡有らん。白雲が囲りて長さ二三丈、天牢星の中より出来するは、貴人および彼らの親属が必ず斬殺せられん。赤気が天理星の中に進入するは、将に大いに挙げて兵を興さん。赤気が東西掖門星より出来するは、是れ兵を起こす将領が命令を接受せんとす。赤気が東西掖門星に進入するは、内乱して兵を興し、而るに君主に将に吉事有らん。上天は必ず雲の光影を用いて応験せん。
黃白氣入東西掖門,天子有喜。黃白氣出東西門,天子出德令。一曰:雲如為□在太微中,有人為外應者。黑氣入東西掖門,大人憂母。蒼白氣出東西掖門,天子憂喪事;出太微中,其禍除。蒼白氣如人反走獸入太微坐旁,有反者。蒼白氣如走獸,入抵太微帝座星,天子有憂。蒼白氣入抵太微及帝座,天子有喪事。
黄白の気が東西掖門星に進入するは、天子に喜有らん。黄白の気が東西門星より出来するは、天子が恩を施す詔令を頒布せん。もう一つの説――雲が太微垣の中に現れるは、人の外に応接する有らん。黒気が東西掖門星に進入するは、貴人が母親の事を為に憂慮せん。蒼白の気が東西掖門星より出来するは、天子に丧事の憂有らん。太微垣の中より出来すれば、禍事が解除す。蒼白の気が人の反身して逃走するが如く・また走獣の如く、太微垣の帝座の傍に進入するは、人の謀反する有らん。蒼白の気が形は奔走の野獣の如く、直ちに太微垣の帝座星に抵るは、天子に憂有らん。蒼白の気が侵入して直ちに太微垣および帝座に抵るは、天子に丧事有らん。
赤黃氣潤澤入太微中,天子有喜事。赤黃氣潤澤如箕帚入太微中,婦女有喜事。赤黃氣如箕帚出太微中,天子用錢物賜美女。赤黃氣入太微中,天子用錢賜諸侯王。赤氣出太微,兵起。一曰有立王。赤氣如杯碗正圓飛出太微中,天子用壁賜諸侯王。赤氣直指太微坐左右,諸侯且內亂。黃白氣出太微中,有立王。黃白氣如赤黑氣蛟蛇及龍形,在太微庭宮闕上,有白衣之會;其同章環太微天庭而主殺主喪。此氣皆亂臣讒賊之氣。
赤黄の気が潤沢にして太微垣の中に進入するは、天子に喜事有らん。赤黄の気が潤沢にして簸箕・掃帚の形の如く太微垣の中に進入するは、婦女に喜事有らん。赤黄の気が簸箕・掃帚の形の如く太微垣の中より出来するは、天子が銭財・物品を用いて美女を賞賜せん。赤黄の気が太微垣の中に進入するは、天子が銭財を用いて諸侯王を賞賜せん。赤気が太微垣より出来するは、将に兵事有らん。もう一つの説は将に新王の立てらるる有らん、と。赤気が正円にして杯碗の如く、太微垣の中より飛出するは、天子が玉璧を用いて諸侯王を賞賜せん。赤気が笔直に太微垣の帝座の左右を指向するは、諸侯が将に乱を作さん。黄白の気が太微垣の中より出来するは、将に新王の立てらるる有らん。黄白の気が赤黒の気を夾み、形は蛟の如く・蛇の如くおよび龍形の如くして、太微垣の宮庭・闕門の上に現れるは、喪服の会有らん。あの種の片を成して太微天庭を環繞するは、就中殺伐を主り・喪亡を主る。これらの気は皆乱臣と讒佞の徒の気なり。
黃白雲氣出宮上,若旗有光,人主有喜,延年益壽。有青白氣出五帝座飛徑出南門者,不出九十日,人君失其官,天下不安。赤氣出五帝座、下至入倖臣中者,不出六十日,近臣有欲謀其君者。氣不成,不明形者,死亡,天下大亂。青白氣出倖臣入五帝座,臣中正欲論兵事發。(入積卒同占。)氣上赤下白,大如井口,從外入壓太微庭者,邪臣;氣直者,貴臣之氣。太微中有雲如鳥,諸侯反,有來誅天子,內連謀。
黄白色の雲気が宮垣の上より冒出し、旗幟の如く光彩を帯びるは、君主に喜事あり・延年益壽せん。青白の気があって五帝座より出来し、径直に南門星より飛出するは、九十天を出ずに、君主がその位を失い、天下が安寧を得ざらん。赤気が五帝座より出来し、下に向かって幸臣星の中に進入するは、六十天を出ずに、近臣の中に人のその君主を図謀する有らん。この気もし形を成さず・形状が分明ならざれば、就中死亡を主り、天下が大乱せん。青白の気が幸臣星より出来して五帝座に進入するは、是れ臣子の中の中正の士が議論を発し・兵事を動かさんとす(積卒星に進入するも占法同じ)。気が上赤く下白く、大きさは井口の如く、外より入り来りて太微庭を圧住するは、是れ奸邪の臣の気なり。気の形が笔直なるは、是れ貴臣の気なり。太微垣の中に雲があって形は飛鳥の如きは、是れ諸侯の反叛・人の前來して天子を討伐し・併せて朝内に串通して謀劃するなり。
黃氣出太子座上、入五帝座者,不出六十日,太子即位。黑氣抵太微坐,左右諸臣死。蒼白氣入郎位,中兵起。赤氣出郎位,多用兵,遠出行。黃白氣潤澤入郎位,中郎受賜。黑氣入郎位,郎多死者。
黄気が太子座星の上より冒出し、五帝座に進入するは、六十天を出ずに、太子が就中即位せん。黒気が直ちに太微垣の帝座に抵るは、帝座の左右の諸大臣が死せん。蒼白の気が郎位星に進入するは、宮中に兵変有らん。赤気が郎位星より出来するは、将に多く兵を用い・併せて遠く出て行軍せん。黄白の気が潤沢にして郎位星に進入するは、中郎将が賞賜を受けん。黒気が郎位星に進入するは、郎官の中に多く死亡の者有らん。
