Libo

巻首・易隠序

清 · 曹九锡 · 第1巻 / 24

作盤ガイド: 六爻納甲の立卦, 大衍筮法

巻首・八卦象例 五行生剋 干支六神所属

六爻納甲典籍

まず体例書で装卦の手順を握り、それから卦例集へ進む。取用神は断法全体の要となる一手であり、書ごとの処理の違いを対照する価値がある。

卜筮者,隱君子之所託也。昔嚴君平賣卜成都市,與人子言依於孝,與人弟言依於順,與人臣言依於忠。君子以為得作者之意,不啻登太皥氏之堂,而耳提面命焉。古之聖人,所可與人言者,未嘗不竭其辭;而有不可以正告天下者,則必有所託以行之。

卜筮の術は、隠逸の君子が心志を託するよすがである。昔、厳君平は成都の市で卦を売って生計を立て、息子として来た者には「孝」に話を寄せ、弟には「悌順」に、臣には「忠」に導いた。当時の君子は、彼こそ卜筮を作った者の本意を真に会得しているとし、その言を聞くことは太皥伏羲氏の堂に登って聖人に直接教えを受けるに劣らぬとした。古代の聖人は、人に明かしてよい道理は尽くして語らなかったことはなく、天下に正々堂々と告げられぬ意は、必ず何かに託して行った——卜筮はまさにそのような託物である。

後之君子,不察其意,而以是為吉凶悔吝之末數,非正道明誼者之所究心,則惑矣。吾友曹橫琴氏,得其家君遊南子之傳,概群迷之不旦,悼筮法之中衰,於是上究連藏,下逮京焦,傍通壬甲,廣採占歌,作為易隱,凡十萬餘言。噫,可為博矣。

後世の君子はこの趣意を察せず、卜筮を吉凶悔吝を推す末流の小術と見なし、正道を説き大義を明らかにする者の究めるべきものではないと考えるのは、惑いである。わが友曹横琴氏は、父游南子の家学を承け、衆人が長く迷い明けぬことを慨き、筮法の中衰を悼み、ここに上は《連山》《帰蔵》の古易を究め、下は京房・焦延壽の易学に及び、傍ら六壬・遁甲に通じ、歴代の占歌を広く采って《易隠》を著し、凡そ十万余言に及ぶ。嗚呼、博洽と言うべきである。

夫象數變而理不變,九六殊而旨不殊,一也,四十九也,三百六十也,四千九十六也,由是而之萬億也,一而已矣。即由是而之天地之賾也,萬物之眾也,典墳丘索之浩渺也,亦一而已矣。

卦象と筮数は変わるが、その理は変わらない。「九」は老陽、「六」は老陰を表し、表記は異なっても旨趣は同じである。太極の「一」から、大衍の数の「四十九」、当期の日の「三百六十」、万物の数の「四千九十六」へ、さらに万亿へと推し広めても、帰するところはただその「一」にすぎない。これによって天地の幽微、万物の紛多、《三墳》《五典》《八索》《九丘》の浩渺に及んでも、なお「一」にすぎない。

傅曰,變化云為,吉事有祥,象事知器,占事知來。又曰,天地設位,聖人成能,人謀鬼謀,百姓與能。夫聖人之所以能若此者,豈有他哉,統之理而已矣。

《易伝・繋辞下》にいう、天地の変化と人の言為のうち、吉事には必ず祥兆が先に現れ、象を観れば器物の形制功用を知り、占を演じれば将来を知る。《繋辞下》はまたいう、天地が上下の位を設け、聖人が化育を助ける能を成し、人が謀り鬼神が謀り、百姓もまたこの能に与る。聖人がかくのごとく能くするのは、ほかならず「理」の一字で統攝するからである。

由是觀之,安知李子之樂卜,趙孟之時卜,襄仲之言卜,子游子夏之威儀卜,沈尹氏之政卜,孔成子之禮卜,不統於橫琴氏之蓍卜哉。吾於是而知曹氏之為隱君子也。句章老氏謝三寶撰。

これより観れば、李子の楽音による占、趙孟の時令による占、公子襄仲の言辞による占、子游・子夏の威儀による占、沈尹氏の政事による占、孔成子の礼制による占が、曹横琴の蓍卜の書に悉く統攝されぬと、なぜ知らんや。私はここに曹氏がまさに隠君子であることを知った。句章の老人謝三宝が撰す。

巻首・総目小引

卜筮之道惟身命,家宅墳塋婚姻行人疾病數者尤難,故弁之於首,以示所重,非敢顛紊舊目也。

卜筮の分ける諸門のうち、身命・家宅・墳塋・婚姻・行人・疾病の諸門はとりわけ断じ難いので、これらを全書の前列に置き、重きを置く旨を表すのであって、旧来の門類の次序を敢えて乱すのではない。

巻首・易隠参引書目

黃帝常陽經、夏連山易、商歸藏易、周易、周易乾坤鑑度、王詡麻衣賦、鬼谷百部篇、孫臏探玄歌、張子房筮法、東方曼倩射覆訣、君平秘授羅沖心法、焦氏易林、京君明海底眼、京氏易傳、京君明火珠林、揚雄太玄、晁以道京氏易式、荀爽易傳、關子明易傳、董賀筮秘、武侯全州山藏書、管氏照心神鑑經、管公明十三篇、管公金書六事口訣、管公問答口訣、管氏五星秘要、郭景純青囊集、郭公八純筮法、郭氏洞林秘訣、隗炤燃犀集、袁天罡太乙命訣、袁客師占驗目錄、李淳風周易玄悟、李淳風占燈法、郭雍蓍卦辨疑、孔穎達正義、李鼎祚集解、一行師卜訣、衛元嵩元包。

ここに《易隠》全書が参引した歴代の典籍を列挙する。まず上古・三代の易学の根本:黄帝に仮託する《常陽経》、夏代の《連山易》、商代の《帰蔵易》、周代の《周易》、および緯書《周易乾坤鑑度》。次いで先秦・両漢の術家の著述:王詡(すなわち鬼谷子)の《麻衣賦》《鬼谷百部篇》、孫臏《探玄歌》、張良(字は子房)の筮法、東方朔(字は曼倩)の射覆訣、厳君平が秘かに伝えた羅冲心法、焦延壽の《焦氏易林》。さらに京房一系の納甲の学で、《京君明海底眼》《京氏易伝》《京君明火珠林》を含み、傍ら揚雄《太玄》、晁説之(字は以道)の伝える京氏易式、荀爽《易伝》、関朗(字は子明)《易伝》、董賀の筮法秘本、諸葛亮(諡は武侯)の全州山蔵書に及ぶ。この下は管輅一門の五種:《照心神鑑経》《管公明十三篇》《管公金書六事口訣》《管公問答口訣》《管氏五星秘要》、郭璞(字は景純)一門の《青囊集》《八純筮法》《洞林秘訣》、さらに《隗炤燃犀集》、袁天罡《太乙命訣》、袁客師《占験目録》、李淳風の《周易玄悟》と《占灯法》、郭雍《蓍卦辨疑》、孔頴達《周易正義》、李鼎祚《周易集解》、僧一行の卜訣、衛元嵩《元包》である。

陸德明指掌訣、杜氏遺編、程聖俞集筮法、丘寺丞易鑑、麻衣道者正論、陳希夷紫微數、曹子虛源髓論、周杰松經玄談、司馬溫公潛虛、邵康節觀梅數、程邵朱三儒理數、羅止菴卜易統宗、黃士瑤占易龜鑑、高滄鶴前知集、皮臺峰筮訣、柳隆玉靈經、王夢菴義通、僧明睿抄本、林開蜀市日記、耶律楚材錦囊集、範疇驚人鳴、湯通玄卜學淵海、劉伯溫黃金策、程濟從亡錄、王希明筮法指南、尹鐵口驚破膽集、沈景賜課要、袁子占法提綱、顆師問答錄、周仲高易譯、季彭山易學四同、張星元易林補遺、吳甘泉要抄、魏道南日錄。

続くは唐宋より明代に至る諸家の著述。唐人には陸徳明の《指掌訣》、杜氏の遺編。宋人には程聖俞の集めた筮法、寺丞の職にあった丘氏の撰《易鑑》、麻衣道者の《正論》、陳抟(号は希夷)の紫微数、曹子虚の《源髄論》、周杰の《松経玄談》、司馬光(温国公に封ぜられる)の《潜虚》、邵雍(諡は康節)の観梅数、および程頤・邵雍・朱熹の三儒の理数の学。この後は羅止菴《卜易統宗》、黄士瑶《占易亀鑑》、高滄鶴《前知集》、皮台峰の筮訣、柳隆の《玉霊経》、王夢菴《義通》、僧明叡の抄本、林開《蜀市日記》、耶律楚材《錦囊集》、范疇《驚人鳴》、湯通玄《卜学淵海》、劉基(字は伯温)《黄金策》、程済《従亡録》、王希明《筮法指南》、尹鉄口《驚破胆集》、沈景賜の《課要》、袁子《占法提綱》、顆師《問答録》、周仲高《易訳》、季本(号は彭山)《易学四同》、張世宝(字は星元)《易林補遺》、呉甘泉《要抄》、魏道南《日録》。

卜筮元龜、卜易玄機、金鎖玄關、問卜易覽、心易大成、卜筮全書、六壬神定經、六壬心機絕法、六壬磨鏡藥、六壬畢法賦、靈棋經、通玄賦、天玄賦、萬金賦、碎金賦、六爻穿斷法、白玉賦、行限歌、限門賦、井底賦、堅命賦、滄海賦、逼運賦、千金賦、賽國賦、壺中賦、天象賦、分野圖、參舟賦、舟居賦、新創賦、詳基賦、柳神經、何知章、五行賦、六神賦、性情賦、容貌賦、宅秘、鬼料窮、鬼驚膽。

最後の一組は撰人を題さない卜筮の専書と歌賦口訣。専書類には《卜筮元亀》《卜易玄機》《金鎖玄関》《問卜易覧》《心易大成》《卜筮全書》、および六壬一系の《六壬神定経》《六壬心機絶法》《六壬磨鏡薬》《六壬畢法賦》、さらに棋を擲いて課を起こす《霊棋経》がある。歌賦類には《通玄賦》《天玄賦》《万金賦》《砕金賦》《六爻穿断法》《白玉賦》、および行運限度を専ら論ずる《行限歌》《限門賦》《井底賦》《堅命賦》《滄海賦》《逼運賦》《千金賦》《賽国賦》《壺中賦》。このほか《天象賦》《分野図》は天時星野を占い、《参舟賦》《舟居賦》は舟行を占い、《新創賦》《詳基賦》は営造宅基を占い、《柳神経》《何知章》《五行賦》《六神賦》は卦中の神煞六獣を断じ、《性情賦》《容貌賦》は人の性情相貌を見、《宅秘》《鬼料窮》《鬼驚胆》は家宅と鬼祟を断ずる秘本である。

巻首・八卦象例 五行生剋 干支六神所属

乾三連,坤六斷,震仰盂,艮覆碗,離中虛,坎中滿,兌上缺,巽下斷。金生水,水生木,木生火,火生土,土生金;金克木,木克土,土克水,水克火,火克金。甲乙、丙丁、戊己、庚辛、壬癸:東方木、南方火、中央土、西方金、北方水。子、丑、寅、卯、辰、巳:水鼠、土牛、木虎、木兔、土龍、火蛇;午、未、申、酉、戌、亥:火馬、土羊、金猴、金雞、土狗、水豬。青龍、白虎、玄武、勾陳、朱雀、騰蛇:屬木、屬金、屬水、屬土、屬火;雖附土,本原屬火,遇水難傷,逢木不克。

まず八卦の卦画の口訣を記す:「乾」は三画とも連なり断えぬ陽爻、「坤」は三画とも中断の陰爻で六段を成す、「震」は下に一陽・上に二陰で仰向けた盂の形、「艮」は上に一陽・下に二陰で覆せた碗の形、「離」は上下二陽・中に一陰で中が虚、「坎」は上下二陰・中に一陽で中が実、「兌」は上に一陰・下に二陽で上に欠け口あり、「巽」は上に二陽・下に一陰で下が一ヶ所断れる。次に五行の相生相剋を記す:金は熔けて水を生じ、水は潤して木を生じ、木は燃えて火を生じ、火は尽きて灰となり土を生じ、土は鉱を蔵して金を生ず。金は木を斫り、木は土を耗し、土は水を壅ぎ、水は火を滅し、火は金を熔かす。次に十干の所属を記す:甲乙は東方の木、丙丁は南方の火、戊己は中央の土、庚辛は西方の金、壬癸は北方の水に属し、両干一行で前が陽・後が陰。次に十二支の所属を記し、各々一行一肖を配す:子は水で鼠、丑は土で牛、寅は木で虎、卯は木で兎、辰は土で龍、巳は火で蛇、午は火で馬、未は土で羊、申は金で猴、酉は金で鶏、戌は土で狗、亥は水で猪。末に六神の所属を記す:青龍は木、白虎は金、玄武は水、勾陳は土、朱雀は火に属す。騰蛇の一位はやや特殊で、土に附しながら本原は火に属するが故に、水に剋されても傷つき難く、木が土を剋しても剋し動かせない。これら数表は装卦・生剋を論ずる根基である。

巻首・六親生剋

子孫生妻財,妻財生官鬼,官鬼生父母,父母生兄弟,兄弟生子孫。生我者為元辰,如子孫為妻財之元辰也。子孫克官鬼,官鬼克兄弟,兄弟克妻財,妻財克父母,父母克子孫。克我者為忌神,如子孫為官鬼之忌神也。元神動能生,忌辰動能克,我生者動,謂之貪生,又謂之洩氣,喜忌具減矣。

六親の相生の次序は:「子孫」は「妻財」を生じ、「妻財」は「官鬼」を生じ、「官鬼」は「父母」を生じ、「父母」は「兄弟」を生じ、「兄弟」はまた「子孫」を生ず。凡そ用神を生ずる一位を「元辰」と呼び、元神ともいう。たとえば妻財を用神とすれば、子孫は妻財の元辰である。相剋の次序は:「子孫」は「官鬼」を剋し、「官鬼」は「兄弟」を剋し、「兄弟」は「妻財」を剋し、「妻財」は「父母」を剋し、「父母」は「子孫」を剋す。凡そ用神を剋する一位を「忌神」と呼ぶ。たとえば官鬼を用神とすれば、子孫は官鬼の忌神である。元神が発動すれば用神を生扶し、忌神が発動すれば用神を剋傷する。用神の生ずる爻が発動するのを「貪生」といい、「泄気」ともいい、用神の力を抽き去るため、喜ばしい面も忌むべき面もともに軽減される。

巻首・劉伯温先生総断

夫人有賢不肖之殊,卦有過不及之異,太過者損之斯成,不及者益之則利。生扶拱合,時雨滋苗;克害刑沖,秋霜殺草。長生帝旺,爭如金谷之園;死墓絕空,乃是犁泥之地。日辰為六爻之主宰,喜其滅項以安劉;月建乃萬卦之提綱,豈可助桀而為虐。

人に賢能と不肖の別があるごとく、卦にも太過と不及の差がある:気勢が太過なれば損してこそ事が成り、力が不及なれば益してこそ利がある。爻と爻の間の「生」「扶」「拱」「合」は、時雨が禾苗を潤すようなもの、「剋」「害」「刑」「冲」は秋霜が百草を殺すようなもの。用神が「長生」「帝旺」の地に坐すれば、石崇の金谷園のごとき豊美の地、「死」「墓」「絶」「空」の地に落ちれば、泥濘んで歩み難い犁田となる。占日の「日辰」は六爻の主宰で、漢軍が項羽を滅ぼし劉氏を扶安したがごとく、忌神を剋して用神を全うすることを最も喜ぶ。占月の「月建」は万卦の総綱で、これを夏桀のために凶を逞しくさせてはならない。

最惡者歲君,宜靜不宜動。最要者身位,喜扶不喜傷。世為己,應為人,大宜契合。動為始,變為終,最怕交爭。應位遭傷,不利他人之事。世爻受制,豈宜自己之謀。世應具空,人無準實。內外競發,事必翻騰。世或交重,兩目顧瞻於馬首。應如發動,一心似托於猿攀。

最も凶悪なのは「太歳」という歳君で、安静を宜とし発動を宜としない。最も緊要なのは「卦身」の一位で、爻の扶助を喜び傷を嫌う。「世爻」は自己を代表し、「応爻」は相手方を代表し、両者は相生相合するのがよい。発動の爻は事の開端を代表し、変出の爻は事の結末を代表し、両者が争戦することを最も恐れる。応爻が傷を受ければ他人の事は利ならず、世爻が制せられれば自己の謀は通じようがない。世応両爻がともに空亡に落ちれば、双方ともに確かな実意がない。内卦外卦が争って発動すれば、事は必ず反覆する。世爻が交重に発動すれば、人が両目で馬頭を睨んで外へ奔らんとするがごとく、応爻が発動すれば、自ら猿猴の臂に攀じて望みを悉く他人に託するがごとし。

用爻有氣無他故,所作皆成。主象從存更被傷,凡謀不遂。有傷須救,無故勿空,空逢沖而有用。合遭破以無功,自空、化空,必成凶咎。刑合克合,終見乖淫。動值合而絆住,靜得沖而暗興。入墓難克帶旺,匪空有助有扶,衰弱休囚亦吉。貪生貪合,刑沖剋害皆忘。別衰旺以明克合,辨動靜以定刑沖。

用神に気があり他の妨げなければ、為す事皆成る。用神がもとより衰弱しさらに剋傷されれば、凡そ謀りごと皆順わず。用神が傷つけば必ず救神を要し、故なく空亡に落ちるべきでない。すでに落空した爻も冲に逢えば、かえって作用し得る。すでに相合した爻も冲破されれば、その合は徒合となる。用神が自ら空亡に落ちるか、変出の爻が空亡に落ちれば、必ず凶咎を招く。刑を帯びた合、剋を帯びた合は、終に乖違淫乱の事を生ず。発動の爻が合に遇えば絆されて動けず、安静の爻が冲に遇えばかえって暗中に興起する。用神が墓に入れば、旺を帯びても人を剋し難い。空亡に落ちず生扶あらば、衰弱休囚なりともなお吉である。爻が受生・相合を貪れば、刑冲剋害は皆忘れ去られる。ゆえにまず衰旺を分かちてこそ剋合の軽重を判じ得、まず動静を弁じてこそ刑冲の応験を断じ得る。

併不併,沖不沖,因多字眼。刑非刑,合非合,為少支神。爻遇令星,物難害我。伏居空地,事於心連。伏無提協,終從爾。飛不推開,亦枉然。空下伏神,易於引拔。制中弱主,難以維持。日傷爻,真羅其禍。爻傷日,徒受其名。墓中人,不沖不發。身上鬼,不去不安。

并ぶように見えて成らず、冲するように見えて冲せざるは、卦中に同じ支神が多く現れて力が分散するためである。刑を成すように見えて成らず、合を成すように見えて成らざるは、三刑・三合に要する支神が一位欠けるためである。爻が月建の旺気に当たれば、外物はこれを傷つけ難い。用神が伏蔵しさらに空地に落ちれば、事は心に懸かるのみで成らない。伏神が提拔扶助を得なければ、終に飛神の摆布に任せるのみ。飛神が冲開推倒されなければ、伏神に力あっても徒然である。飛神が落空して伏神がその下にあれば、伏神は引拔され易い。用神がもとより弱く压制を受ければ、支持維持し難い。日辰が爻を傷つけば、その患は実実に身に落ちる。爻が反って日辰を傷つけても、虚名にすぎない。墓に入った爻は墓中の人のごとく、冲開しなければ発動できない。卦身に纏う官鬼は、除かなければ安寧を得ない。

德入卦,而無謀不遂。忌臨身,而多阻無成。卦遇凶星,避之則吉。爻逢忌殺,破之無傷。主象休囚,怕見刑沖剋害。用爻變動,忌逢死墓絕空。用化用,有用無用。空化空,雖空弗空。養主狐疑,墓多闇昧。化病兮傷損,化胎兮勾連。凶化長生,熾而未散。吉連沐浴,敗而不成。

天徳・月徳の類の「徳」神が卦に入れば、謀りて成らざる事なし。忌神が卦身に臨めば、処処に阻碍あって成就し難い。卦里に凶星に遇えば、これを避ければ吉。爻上に忌煞に逢えば、これを冲破すれば人を傷つけない。用神が休囚ならば、最も恐れるのはさらに刑冲剋害に見ること。用神が発動して変爻するならば、最も忌むのは「死」「墓」「絶」「空」の四処に変入すること。用神がまた用神を変出するのは、用ありに見えて実はかえって無用。空亡の爻がまた空亡を変出するのは、空というもかえって空ならず。「養」の位に変入すれば事の猶予不定を主り、「墓」の位に変入すれば暗昧不明を主る。「病」の位に変入すれば傷損を主り、「胎」の位に変入すれば牽連糾纏を主る。凶事が「長生」に変入すれば、その勢いはいよいよ熾んで散じ難い。吉事が「沐浴」に連なれば、敗落して成らない。

戒回頭之克我,勿反德以扶人。惡曜孤寒,怕日辰之並起。用爻重疊,喜墓庫之收藏。事阻隔兮間發,心退悔兮世空。卦爻發動,須看交重。動變比和,當明進退。殺生身,莫將吉斷。用克世,勿作凶看。蓋生中有刑害之兩端,而合處有克傷之一慮。

変爻が回頭して己を剋することを警戒し、また恩徳を反って出して他人を扶助してはならない。凶悪の星曜はもとより孤单寒弱なれど、日辰がこれと相并んで同に興起することを恐れる。用神が重叠して現れるときは、かえって墓庫がこれを収蔵帰攏することを喜ぶ。事に阻隔あるは間爻の発動による。心に退悔を生ずるは世爻の落空による。卦爻の発動には必ず「交」か「重」かを見る。交は陰動、重は陽動で、取象を異にする。動爻と変爻の五行が比和ならば、「進神」か「退神」かを分かたねばならない。凶煞が卦身を生扶し来るときは一概に吉と断ずるなかれ。用神が世爻を剋し去るときも一概に凶と見るなかれ。相生の中にもともと刑と害の二患があり、相合の処にもなお剋傷の一慮が蔵されているからである。

刑害不宜臨用,死絕豈可持身。動逢沖而事散,絕逢生而事成。如逢合住,須沖破以成功。若遇休囚,必生旺而成事。速則動而克世,緩則靜而生身。疾病大宜天喜,若臨凶殺必生悲。出行最怕往亡,如執吉神終獲利。是故吉凶神殺之多端,何如生剋制化之一理。

刑と害は用神の上に落ちるを宜とせず、「死」「絶」の地に世爻を坐らせてはならない。発動の爻が冲に遇えば事は散じ、絶地の爻が生に遇えば事はかえって成る。合に住せられれば、必ず冲破の日を待ってこそ成り得る。正に休囚ならば、必ず生旺の月日を待ってこそ成事ができる。応験の速いのは動爻の世を剋し来るもの、応験の遅いのは静爻の身を生来るもの。疾病を占うには最も「天喜」を見るを宜とし、凶煞に臨めば必ず悲を生ず。出行を占うには最も「往亡」を犯すを恐れ、吉神が把住すれば終に利を得る。故にいう、吉凶の神煞の名目がいかに多くとも、「生剋制化」の一条の理に根本とするに及ばない。

巻首・張星元先生総断

吉凶由八卦變通,須察吉變凶而凶變吉。飛伏在二儀交換,定然隔伏陰而陰伏陽。爻爻有伏有飛,伏無不用。卦卦有動有靜,動無不之。變出他宮,但取金木水火土;還歸本卦,配成兄父子財官。水化金,則坎增其勢。火化土,則離減其威。亥變子日進神,水得生而火被制。戌變未云退度,金不助而水無傷。

吉凶は八卦の変通より出るが故に、必ず吉が凶に変ずるか、凶が吉に変ずるかを察せねばならない。飛神と伏神の関係は陰陽二儀の間で交換し、必ず陽爻の下に陰爻が伏し、陰爻の下に陽爻が伏す。各爻に飛あり伏ありて伏神に用いられぬときなく、各卦に動あり静ありて動爻に他処へ変ぜざるものなし。変出の爻が他の卦宮に落ちれば、ただその金木水火土の五行を取って見る。なお本宮の卦に帰れば、兄弟・父母・子孫・妻財・官鬼の五類の六親を配定する。水爻が金爻を変出すれば坎水一系の声勢を増し、火爻が土爻を変出すれば離火一系の威力を減ず。亥水が子水に変ずるを「進神」といい、水は生を得て火を制す。戌土が未土に変ずるを「退度」といい、土力は退いて金を助けず水をも傷つけない。

卦之墓絕非宜,還究偽真之辯。爻變生扶最利,更詳喜忌之分。爻有伏吟不吉,卦有反吟最凶。歸妹變隨為例,小畜之姤皆同。但識六爻占克,那知二卦交沖。變能生克於動爻,動不制於變象。靜受動傷,靜難制動。柔遭剛克,柔豈伐剛。日月善會克爻神,爻神誰敢傷日月。日為君主,旺衰之象盡能傷。月乃提綱,動靜之爻皆可克。

卦爻が墓地絶地に落ちるはもとより宜しからざるも、さらに真墓真絶か假墓假絶かを弁ずべし。爻の変出して用神を生扶するは最も利あるも、ただしこの生扶が喜ぶ所か忌む所かを細分すべし。爻に「伏吟」あれば不吉、卦に「反吟」あれば最も凶。反吟の例は《帰妹》が《随》に変ずるがごとく、《小畜》が《姤》に変ずるも同じ。人は六爻の相剋を見るを知るのみで、本卦と変卦の両卦が全体として相冲する一層あるを知らず。変爻は動爻を生剋し得るが、動爻は変爻を制し得ない。静爻は動爻に傷られ得るのみで、動爻を反制し難い。柔爻は剛爻に剋され得るのみで、柔は剛を砍り動かせない。日辰月建は善く会合して爻神を剋傷するが、爻神は誰も日月を傷つけ敢えてしない。日辰は君主のごとく、爻の旺衰を問わず傷つけ得、月建は一卦の提綱で、爻の動静を問わず剋し得る。

本卦為貞為始,之卦為悔為終。親官雲出現之爻,遠年可取。他卦曰伏藏之象,近日堪推。內為己,外為人,喜生喜合。應為賓,世為主,兼克兼沖。我生人而半吉,人克我以全凶。世應齊空,兩下目前退悔。主賓皆動,二邊日後更張。兩間之爻,動則起居多阻。一身之位,空則禍福咸虛。

本卦を「貞」と称して事の起頭を代表し、変出の卦を「悔」と称して事の收尾を代表す。本宮の六親と官鬼が卦面に現れるを「出現」といい、較遠き年月を断じ得る。用神が別卦の下に蔵して露面せざるを「伏蔵」といい、近日の事を推するのみ。内卦は自己を代表し、外卦は他人を代表し、両者は相生相合を喜びとする。応爻は客、世爻は主で、両者は往々にして相剋と相冲を兼ぬ。我が他人を生ずれば半吉にすぎず、他人が我を剋し来れば全凶である。世応両爻が一斉に落空すれば、双方とも目下退堂鼓を打つ。主賓両爻が一斉に発動すれば、両辺とも後日変更を為す。世応の間の両「間爻」が動けば、日常起居に阻碍多し。「卦身」の位が落空すれば、禍も福も虚話となる。

凡欲久長,用宜安靜。如求脫卸,主利交重。用木金來,從吉而不吉。用土火到,雖凶而不凶。元神卻要生扶,忌客最宜伏制。用神旺相,事必亨通。主象休囚,理當愁悶。卦無凶而用爻失位,後查值日方成。爻有吉而主象逢空,但看沖時可就。忌象交重,用象無主象,他時逢受害;用神衰弱,元神絕,忌神異日遇遭傷。

凡事を長久に為さんと欲すれば、用神は安静をよしとする。ある事を摆脱卸除せんと欲すれば、用神はかえって発動を宜とす。用神が木に属して金の剋を受けるは、吉事に見えて吉を成さず。用神が土に属して火の生を受けるは、凶事に見えて凶に至らず。元神はつねに生扶あるを要し、忌神は最も压伏制せられるをよしとす。用神が旺相なれば事は必ず亨通し、用神が休囚なれば情理上愁悶すべし。卦中に凶象なくただ用神が位を得ざれば、用神の日に値するを待ってこそ成り得る。卦中に吉象あるも用神が落空なれば、冲空の時を待ってこそ成り得る。忌神が発動重叠して用神に元神の主なければ、後日必ずその害を受く。用神がもとより衰弱して元神がまた絶地にあれば、忌神が他日いったん勢を得れば、用神は傷を遭う。

一神獨發,此象匪輕。五位交重,靜爻最重。世與卦身專主,非可輕言。動興旺象司權,當為重論。吉內藏凶非是吉,凶中有吉不為凶。太歲主歷年之事,時辰掌即日之權。日主宣威於一日,累月能拘。月將出令於三旬,經年可攝。身卦者,作事之身。官鬼者,求謀之主。卦內無身,百種事情無定向。爻中無鬼,千般謀作總空虛。卦動二身,事來疊疊。爻興兩鬼,禍至重重。

六爻の中にただ一爻発動すれば、この一爻の分量はことのほか重い。五爻が同時に交重発動すれば、かえってその一つの静爻が最も緊要である。世爻と卦身は一卦の主脳で、軽々しく断語を下すべからず。発動してまた旺相の爻は当権用事するが故に、さらに重く見るべし。吉象のうちに凶を蔵すれば吉と算すべからず、凶象のうちに吉を含めば凶とも算せられず。「太歳」は一年の内の事を主管し、「時辰」は当下の一刻の権柄を掌る。「日辰」はこの一日に威を施し、累積すれば数ヶ月をも拘管し得る。「月将」は一月三十天の内に号令を発し、推展すれば一整年をも統攝し得る。「卦身」は弁事の本身、「官鬼」は求謀の主宰。卦里に卦身なければ百様の事に定向なく、爻中に官鬼なければ千般の謀り終に落空す。一卦の中に二つの卦身が現れて発動すれば、事は一件一件と畳み来り、爻中に两重の官鬼が興れば、禍患も一重一重と接続する。

官爻不動不空,稱心之喜。身象不沖不陷,如意之權。日帶凶神發動,長者之殃。時臨惡煞交重,少丁之厄。陽動男憂,陰興女禍。父動子孫僧道,克蠢畜無收。父空尊長屋船虧,文書不就。兄動妻災奴婢患,資財耗散事無成。兄空友絕弟兄亡,家業清安兒少育。

官鬼爻が発動せずまた落空せざれば、称心快意の喜事。卦身が冲を受けずまた空亡に陥らざれば、弁事に如意の権柄あり。日辰が凶神を帯びて発動するは家中長輩の災殃、時辰が悪煞に臨み交重発動するは小児少丁の厄難。陽爻の発動は憂患が男子に応じ、陰爻の興起は禍事が女子に応ず。父母爻の発動は子孫と僧道の人を剋傷し、六畜蠢物も養えず収め難い。父母爻の落空は尊長に失あり、房屋舟船に損し、文書の類の事も成らない。兄弟爻の発動は妻室に災あり、奴婢に患生じ、銭財耗散して事成らず。兄弟爻の落空は朋友断絶・兄弟凋亡するが、家業はかえって清静平安、ただ児女の養育は少ない。

子動夫傷官職退,民間有慶無殃。子空男損畜蠢虛,朝內少賢多侫。財動椿萱受害,文字難圖。財空妻僕遭迍,利資絕望。官動有傷雁序,病訟將萌。官空有犯葶砧,功名未遂。既道六親空興發,次陳六獸動和沖。

子孫爻の発動は夫主を傷つけ官職を退かすが、平民百姓の辺では喜庆あって災殃なし。子孫爻の落空は男丁に損・牲畜に落空あり、朝廷の辺では賢才少なく奸佞多し。妻財爻の発動は父母双親が害を受け、文書功名の類も図謀し難い。妻財爻の落空は妻子僕役が困頓に遭い、銭財利息はさらに絶望。官鬼爻の発動は兄弟の間に傷損あり、疾病と官司がまさに萌生せんとす。官鬼爻の落空は斧鉞刑戮の忌を犯し、功名も成り難い。以上六親の落空と発動の種々を講じ終え、次に六獣の発動と相冲の取象を講ず。

龍為良善清高,喜氣利名之兆。蛇主虛浮驚恐,憂疑怪夢相干。朱雀宜音信文書,又作祝融詞訟。白虎利武官胎產,能招喪服血光。勾陳是田土公差,墳塋遲滯。玄武乃陰人盜賊,水利奸邪。

「青龍」は善良清高を主り、喜庆と名利の兆。「騰蛇」は虚浮驚恐を主り、多く憂疑と怪夢に牽涉す。「朱雀」は音信文書の事に宜しく、また火災と詞訟を主る。「白虎」は武官と胎産に利あるも、喪服と血光を招来し得る。「勾陳」は田土の事と官府差役を主り、また墳塋遷葬と事の遅滞を主る。「玄武」は陰私婦人と盗賊を主り、また水利の事と奸邪の情を主る。

龍往西山,半為吉斷。虎行南地,稍作凶推。土中玄武賊無虞,木內勾陳田欠熟。雀墮江河,官司易解。蛇游草木,怪夢翻成。勾陳陷而田非永遠,玄武空而盜不侵欺。蛇空閒夢解妖邪,龍陷虛胎非喜慶。雀避則訟非不起,虎潛則喪孝無干。

青龍は木に属し、西方の金爻に落ちて剋を受ければ半吉にすぎない。白虎は金に属し、南方の火爻に落ちて制を受ければ凶意もやや軽し。玄武は水に属して土爻の中に落ち土に剋されれば、盗賊の虞は憂うるに足らず。勾陳は土に属して木爻の内に落ち木に剋されれば、田禾は欠収。朱雀は火に属して江河水爻に堕ちれば、官司は化解し易い。騰蛇は土に附して草木の爻に游入すれば、怪夢はかえって実事に翻る。勾陳が空亡に陥れば田産は長く守れず、玄武が落空すれば盗賊は侵擾せず。騰蛇が落空すれば閑夢妖邪おのずから解け、青龍が陥空すればいわゆる喜胎は虚喜にすぎない。朱雀が退避すれば訟事は興らず、白虎が潜伏すれば喪服孝事も己に干らず。

旺相則吉凶來速,休囚則禍福應遲。動則有變更,空則無憂無喜。長生與帝旺,遠日興隆。冠帶與臨官,近時昌盛。衰病半凶之兆,受克全凶。胎養半吉之祥,得生全吉。墓庫但逢沖破,若動若興。死絕不遇生扶,如無如陷。

爻が旺相なれば吉凶の来ること速く、爻が休囚なれば禍福の応ずること遅し。爻は発動すれば変更あり、落空すれば憂も喜もなし。用神が「長生」「帝旺」に坐すれば遠日の興隆を主り、「冠帯」「臨官」に坐すれば近期の昌盛を主る。「衰」「病」に坐するは半凶の兆にすぎず、さらに剋を受ければ全凶。「胎」「養」に坐するは半吉の祥にすぎず、さらに生を得れば全吉。「墓庫」に落つる爻は、刑冲破開に遇えば発動興起のごとし。「死」「絶」に落つる爻は、生扶を得なければこの爻なきに等しく空亡に陥るに等しい。

土到酉中金到午,遇敗而無成。火臨卯上水臨雞,反生而有力。土逢巳絕,不可言生。金遇巳生,終難言克。此憑日月變爻而斷,非因世應動象而推。巳爻持世必傷金,巳象動興能助土。

土爻が酉に行き金爻が午に行くは、皆長生十二宮の「沐浴」敗地に落ち、弁事成らず。火爻が卯木に臨み水爻が酉金に臨むは、卯は火を生じ酉は水を生ずれば、かえって生扶を得て力あり。土は巳位に本より絶地なるが故に、巳火は土を生ずといえども此処では生と言うべからず。金は巳位にこれ長生の地なるが故に、巳火は金を剋すといえども此処では終に剋と言い難し。この層の理は日辰・月建と変爻を憑って断ずべく、世応動爻の取象を恃って推るにあらず。巳火が世を持せば必ず金爻を傷剋し、巳火の象が一旦発動興起すればまた土爻を幇扶し得る。

墓庫曰藏,有刑破沖開之法。空亡曰陷,有補虛填實之方。陷叨月將來生,非為全陷。空被提綱克去,乃是真空。旺相之爻,過旬方用。休囚之象,到底無功。伏藏值此猶輕,出現臨之更惡。陷元神而最多坎坷,亡忌客而永沒迍遭。

墓庫に入るを「蔵」といい、蔵してなお刑・破・冲を用いてこれを開く法あり。空亡に落つるを「陥」といい、陥してもなお补虚填実して出空を待つ法あり。落空の爻が月建の生を得れば全く陥没にあらず。落空の爻が月建という一卦の提綱に剋し去られれば、それこそ真の空。旺相の爻は縦令落空するも、この旬を過ぎて出空すればなお用い得る。休囚の象が落空すれば、到底効験なし。用神が伏蔵の時に空に逢うはなお軽く、卦面に出現して空に逢うはさらに凶悪。元神が空亡に陥れば事は最も坎坷、忌神が消亡して見えざれば永遠に困頓の遭遇なし。

男空則遠行不利,女空則近日生殃。財空富不厚,官空貴不榮。子空兒女主伶仃,父空屋室還衰敗。兄空則弟兄少力,間空則媒保無能。內象若空,家宅休居舊地。外官如限,遷移勿往他圖。不測之災,遇陷身還可救。綿延之疾,逢空命不回生。空世則己心疎懶,空應則他意徘徊。空中動出不為空,墓內推開非入墓。

陽爻が落空すれば男子の遠行は利ならず、陰爻が落空すれば女子は近日に災を生ず。妻財が落空すれば家は富めども厚実ならず、官鬼が落空すれば人は貴けれども栄顕ならず。子孫が落空すれば児女は孤单伶仃、父母が落空すれば房屋田宅は衰敗す。兄弟が落空すれば弟兄は力を助けず、間爻が落空すれば媒人保人は皆事に済わず。内卦が落空すれば家宅は旧地に住するを宜とせず、外卦の官鬼が受限すれば別処に遷るを謀るなかれ。突如其来の災禍は、卦身が陥空すれば人はなお救あり。纏綿去らざる久病は、命爻が空に逢えば性命は回らない。世爻の落空は自己が心に懶して力を出さざるなり、応爻の落空は相手の心意が徘徊不定なるなり。落空の爻が中より別爻を変出すれば空と算せず、入墓の爻が推冲開かれれば入墓と算せず。

凡值旬空,或臨月破,吉不能生合於物,凶不能剋制於人。凶者旬中之煞,當辯興衰。惡者月破之神,無分生克。事事喜空中之有氣,般般忌合處之逢沖。逢合難凶而易就,遇沖縱吉以難成。合被沖開,無織毫之力。絕逢生起,有數倍之功。

凡そ爻が旬空に遇いあるいは月破に臨むは、吉神なりとも別物を生合し得ず、凶神なりとも他人を剋制し得ない。旬中の空煞は凶と算すも、なおその興衰を分弁すべし。月破の神は最も悪しければ、生剋を論ずるに及ばず。事事皆落空の爻が自身に旺気あるを喜び、件件皆相合の処がまた冲開せらるるを忌む。合に逢う爻は、凶なりとも凶なり難く、事はかえって成り易し。冲に遇う爻は、吉なりとも吉と算し得ず、事はかえって成り難し。すでに合を成してまた冲開せらるれば、一毫の力もなし。すでに絶地に在りてまた生起に逢えば、功効は数倍の多あり。

三合三刑,亦有真假之論。六穿六合,豈無生克之分。子會申辰,少鼠牙而不取。木連亥卯,無羊角以何妨。寅巳申三全為煞,丑戌未一缺非刑。用辰卯害本為殃,用亥申穿非作禍。用戌卯合,被克而反凶。用酉辰諧,叨生而果吉。合處帶生,百事見之皆喜悅。害中帶克,千般犯此見憂迍。刑則骨肉傷殘,穿則親鄰不睦。

三合と三刑もまた真假を分かち、六害と六合にも生剋の区別なからんや。申子辰は水局を合すが、中間の子鼠を欠けば局を成さず取らず。亥卯未は木局を合すが、末位の未羊を欠くとも亥卯両字のみなれば大礙なし。寅巳申の三字斉備してこそ三刑の煞を成し、丑戌未は一字を欠けば刑を成さず。用神が辰にして卯の相害来ればもとより災殃、用神が亥にして申の相穿来ればかえって禍を成さず——申金が亥水を生ずればなり。用神が戌にして卯の相合来れば、卯木は戌土を剋して合中に剋を帯びてかえって凶。用神が酉にして辰の相諧来れば、辰土は酉金を生じて合中に生を得て果して吉。相合の処にまた相生を帯ぶれば、百様の事がこれに遇えば皆歓喜。相害の中にまた相剋を帯ぶれば、千般の事がこれを犯せば皆憂愁。刑を犯せば骨肉の間に傷残あり、穿を犯せば親戚鄰里は和睦せず。

六合咸稱吉象,問遣人出獄以非宜。六沖各駭凶神,占散訟脫災而反利。青龍財福為祥,破之不吉。白虎凶鬼為咎,用之不凶。日建豈為月破,月建非作旬空。卦靜逢沖為動,爻安遇合為和。動處見沖,為征戰而散。動中加合,因羈絆而遲。用旺有維持,雖遇凶星難作禍。主衰無救助,縱逢吉曜那為佳。身後世後及重爻,皆為已往。身前世前兼交位,各主未來。游魂宜出外,歸魂利返鄉。

六合卦は人皆これを吉象と称するが、人を打ち発して出獄せしめる類の事を問えば、合住はかえって宜しからず。六冲卦は人皆これを凶神と怕れるが、訟を散じ災を脱する類の事を占えば、冲開はかえって利あり。青龍が妻財・子孫に臨むはもとより祥瑞なれど、冲破せられれば不吉。白虎が凶神官鬼に臨むはもとより災咎なれど、正にこれを用いるに当たればかえって凶ならず。日辰が当権すれば、何ぞ月破と作さるるや。月建が当令すれば、旬空と算せられず。安静の卦は冲に逢えば発動と算し、安静の爻は合に遇えば和好と算す。発動の処にまた冲を見れば、両軍交戦して潰散するがごとし。発動の中にまた合を加えれば、繩索に羈絆せられて遅緩するがごとし。用神が旺にして維持あれば、縦令凶星に遇うも禍を作さず。用神が衰にして救助なければ、縦令吉曜に逢うも何ぞ好を算せん。卦身の後・世爻の後および「重」爻は、皆已に過ぎ去りし事を主る。卦身の前・世爻の前および「交」爻は、皆将来の事を主る。遊魂卦を得れば出外に宜しく、帰魂卦を得れば回郷に利あり。

內為體,外為用。逢生雲吉,克雲凶。動為速,靜為遲。見合曰成,沖曰散。生主發,墓主藏。伏斷將來,飛斷往。陰主邪,陽主正。衰詳稀少,旺詳多。事有大小,始終緩急,各審其因。卦開前後,飛伏正之。

内卦を「体」とし、外卦を「用」とす。生に遇えば吉と言い、剋に遇えば凶と言う。発動は快を主り、安静は慢を主る。相合を見れば事成と言い、相冲を見れば事散と言う。長生に坐すれば発動顕揚を主り、墓庫に坐すれば収蔵隠伏を主る。伏神は将来の事を断じ、飛神は已往の事を断ず。陰爻は邪僻を主り、陽爻は端正を主る。爻が衰なれば数目稀少と言い、爻が旺なれば数目衆多と言う。事に大小あり、開頭と結尾あり、緩急あり、皆各々その来由を審察すべし。一卦はすでに前卦後卦を分けば、飛神伏神を恃ってこれを校正す。

既詳其理,初求內外三爻,為飛為正為前卦。次看陰陽二象,為伏為之為後卦。卦靜無之方取互,世空無主卻憑身。之卦內之盈虧,變爻已定。互卦中之悔吝,體用為先。細觀伏象之興衰,當察飛神之動靜。遠推年月,近看日時。

道理すでに明白なれば、手始めに内外卦各三爻を求む。これを「飛神」といい「正卦」すなわち前卦である。次に陰陽互伏の両象を見る。これを「伏神」といい「之卦」すなわち後卦である。もし六爻俱に静にして変出の卦なければ、互卦を取って見る。もし世爻が落空して主宰なければ、卦身を憑って断ず。之卦の中の盈満と虧損は、変爻を見ればすでに定まる。互卦の中の悔咎と吝惜は、体卦用卦を以て先とす。細かに伏神の象の興衰を視、同時に飛神の動静を察す。遠期を推さんとすれば流年月建を見、近事を断ぜんとすれば日辰時辰を見る。

巻首・海底眼一爻動変断

父母當頭克子孫,病人無藥主沉昏。親姻子息應難得,買賣勞心利不存。遠望行人書信動,論官下狀理先分。士人科舉登黃榜,失物逃亡要訴論。父化父兮文不實,舉動艱難事非一。父化子兮宜退散,縱然憂病還為吉。父化同人多口舌,用求宛轉須重疊。父化財兮交易利,家長不寧求事拙。父化官兮家損失,求官必得遷高職。卦無父母事無頭,更在休囚空費力。

父母爻が当頭に発動し、子孫を剋傷す:病を占えば薬石の効なく病人昏沈。婚姻子嗣を占えば皆称心し難し。売買を占えば労心して利なし。ただし遠望行人を占えば書信先に動きを主り、官司遞状を占えば道理先に分かち明らかにし得。士人の科挙に応ずれば金榜題名を主り、失物逃亡は官府に訴えるを要す。さらにその変出を見る:父が父に化すれば文書は実ならず、挙動艱難にして事は一桩に止まらず。父が子孫に化すれば退散了事に宜しく、縦令憂病あっても転じて吉となる。父が兄弟に化すれば歌中のいう「同人」なり、口舌多く、求むる事は輾転反覆してこそ成り得る。父が妻財に化すれば交易に利あるが、家長は安寧ならず、求事は拙滞す。父が官鬼に化すれば家中に損失あるも、官を求めれば必ず高職に昇遷す。卦中にもとより父母爻なければ、事に頭緒なく、さらに休囚を加えれば、さらに力を費すのみ。

子孫發動傷官鬼,占病求醫身便痊。行人買賣身康泰,婚姻喜美是前緣。產婦當生子易養,詞訴空論事不全。謁貴求名休進步,守舊常占可自然。子化子兮陰小凶,舉訟興官理不同。子化官兮防禍患,占病憂疑盡不中。子化父兮防產婦,無中生有多頭緒。子化兄兮事不圓,脫詐人情疑莫去。

子孫爻の発動は官鬼を剋傷す:疾病を占えば医を求めれば便ち愈え、行人・売買を占えば人身康泰。婚姻を占えば美満にして前世の姻縁。産婦臨盆にして生まるる児は養い易し。ただし詞訟を占えば、空口の争論となって事は周全ならず。貴人に求見し功名を謀るは、さらに前進するなかれ、旧業を守り照常の日を過ごせばかえって自然。さらに変爻を見る:子が子孫に化すれば小児女に小凶あるを主り、興訟告官すれば道理は一処に講じ至らず。子が官鬼に化すれば禍患を防ぐべく、病を占えば種種の憂疑は皆実処に落ちず。子が父母に化すれば産婦の失を防ぐべく、事は無中に生じ頭緒繁多。子が兄弟に化すれば事は円満ならず、人に脱騙欺詐せられ、人情上の疑慮は去り難い。

財爻立用克文書,應舉求官總是虛。買賣交官財利好,親姻如意樂無虞。行人在外身將動,產婦求神患脫除。失物靜安家未出,病人傷胃更傷脾。子化財兮好望財,財化財兮婦主災。財化官兮防走失,財化文書用可諧。財化兄兮財少成,相知掇賺勿交親。財化子兮宜守舊,托用人情不如心。

妻財爻が用神として立ち発動し、父母文書を剋傷す:応挙求官は全く虚話。ただし売買・交易と官府往来を占えば財利皆よし。婚姻を占えば称心如意、快楽無憂。行人を占えばその人の在外まさに動身せんとすを主る。産婦が神を祷れば病患脱除。失物を占えば物件はなお家中に安静にして出門せざるを主る。疾病を占えば胃上に傷りまた脾上に傷る。さらに変爻を見る:子孫が妻財を化出すればまさに財を得んと指望す。妻財がまた妻財に化すれば婦人に災あるを主る。財が官鬼に化すれば走失の事を防ぐべし。財が父母文書に化すれば用いる事は諧和し得。財が兄弟に化すれば得財少なく成り難く、熟人はかえって哄騙し来り、深く交わるべからず。財が子孫に化すれば旧業を固守するに宜しく、人に託して事を弁ずるは心に如わず。

兄弟同人克了財,病人占者哭哀哉。應舉雷同文不一,若是常占定破財。有害虛詞應累眾,行人出路未回來。貨物經商皆折本,求妻買婢事難諧。兄化兄兮家不足,兄化財兮財反覆。兄化官兮休下狀,占病難醫須見哭。兄化文書和改救,人情復喜主無憂。兄化子兮憂可散,若問行人信有頭。

兄弟爻は歌中にまた「同人」と称し、発動すれば便ち妻財を剋す:病を占えば家人哀哭を主る。応挙すれば文章雷同にして前後一ならず。平常の占問には必ず財を破す。官非あれば虚詞の誣告にして衆人を牽累す。行人を占えばその人出門して路上に在りて未だ帰らざるを主る。経商贩貨は皆本を折る。妻を求め婢を買う類の事は皆諧和し難い。さらに変爻を見る:兄が兄弟に化すれば家用足らず。兄が妻財に化すれば財は来去して反覆せり。兄が官鬼に化すれば状を遞り官に告ぐるなかれ、病を占えば医治し難く、ただ哭せんことを怕る。兄が父母文書に化すれば事は調和改救し得、人情回転して憂なきを主る。兄が子孫に化すれば憂愁消散し得、行人を問えば音信すでに頭緒あり。

官鬼從來克兄弟,婚姻未就生疑滯。病困門庭禍崇來,更改動身皆不吉。出外逃亡定見災,詞訟傷身有囚縶。買賣財輕賭博輸,失物難尋多闇昧。官化官兮病未安,見貴求官事盡難。官化文書官未順,交加爭競鬼相干。官化子兮憂自除,常占小口必災危。官化兄兮朋友詐,委託人心不似初。官化財兮財自得,賭博抽拈卻必輸。卦中無鬼休謀事,官員不見總空虛。此京房斷法,試罔不驗,若卦有兩爻動,便不准矣。

官鬼爻は一向に兄弟を剋す:婚姻を占えば未成にして疑滞を生ず。疾病を占えば病は門庭に困し、禍祟は門に上る。凡そ改動・動身の事は皆不吉。出外と逃亡は必ず災を見る。詞訟は己身を傷り、牢狱拘係の憂あり。売買は財利微薄、賭博は必ず輸す。失物は尋ね難く、多半は暗昧無踪。さらに変爻を見る:官が官鬼に化すれば病は未だ安んぜず、謁貴求官の諸事皆難し。官が父母文書に化すれば官運順わず、交相争競して鬼祟の相干あり。官が子孫に化すれば憂患おのずから解除す、ただし平常の占問には家中の小口必ず災危あり。官が兄弟に化すれば朋友欺詐し、託する人の心意は当初に似ず。官が妻財に化すれば財はおのずから手に至るも、賭博抽簽はなお輸するを要す。卦中に官鬼爻なければ事を謀るなかれ、官を為す人は官爻を見ざれば一切は空なり。以上は京房の断法で、試用すれば応験せざることなし。ただし卦中に両爻同動あれば、この套の断法は准ならず。

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