疾病占・七 鬼祟
以官鬼為用,如卦無鬼及鬼逢空絕者,則無鬼崇也。官鬼生合世用者,宜祈禱也。官持世用者,先禱後醫也。鬼動刑害克沖世用,得福動來救助者,宜禳保也。世用持財,逢火鬼動者,宜眾保也。問祈禳是何神鬼,則陽鬼為神,陰官為鬼也。又鬼帶書貴者,為神也。陽金鬼,庵堂關聖,在虎七煞也。陰金鬼,則刀傷自刎癆瘵喘嗽虎傷之魂也。陽木鬼,束嶽五聖家先香火也。陰木鬼,則自縊瘋疾跌撲刑杖死之魂也。陽水鬼,觀音真武三官水神張神河泊水官也。陰水鬼,則投河服滷嘔血之魂也。陽火鬼,玄壇五福火神灶司香火也。陰火鬼,則瘡毒癆(此處之字上疒下去)疫瘟帶血心疼燒死之魂也。陽土鬼,城隍土穀太歲皮場大王土神也。陰土鬼,則瘟疫咽喉臌脹黃疸壓死之魂也。
鬼祟の作犯有るや無きやを占うは、「官鬼」を以て用神と為す。倘若し卦中に根本に官鬼なきか、あるいは官鬼が空に落ち絶地に到れば、あれは併して鬼祟なし。官鬼が來りて世爻・用神を生合するは、祭を設け祈禱するに宜し。官鬼が直接に世爻・用神の上に坐するは、先に祈禱して而るのち藥を服す。官鬼が發動して世爻・用神を刑・害・剋・冲するに、而るに「子孫」の發動して來りて救助するを得れば、禳解・保安の法を行うに宜し。世爻・用神の上に「妻財」が坐してまた火爻の官鬼が發動するに逢えば、衆人を集めて合力して保禳するに宜し。その祈りその禳す所が畢竟は神なるか鬼なるかを問わば、則ち陽爻の官鬼は神、陰爻の官鬼は鬼なり。官鬼が文書・貴人を帶ぶるも、また算して神と為す。陽金の官鬼は、庵堂の裏の關聖帝君を主り、また「白虎」の上の七煞を主る。陰金の官鬼は、則ち刀傷・自刎・癆瘵・喘嗽・虎傷にして死したる者の亡魂なり。陽木の官鬼は、東嶽大帝・五聖と家中の先世の香火とを主る。陰木の官鬼は、則ち自縊・瘋疾・跌撲・刑杖を受けて死したる者の亡魂なり。陽水の官鬼は、觀音・真武・三官・水神・張神と河泊の水官とを主る。陰水の官鬼は、則ち投河・服鹵・嘔血にして死したる者の亡魂なり。陽火の官鬼は、玄壇・五福・火神と竈司の香火とを主る。陰火の官鬼は、則ち瘡毒・癆疾・痔病・疫瘟・帶血・心疼・燒死の者の亡魂なり——原書の「癆」の下一字は上「疒」下「去」の僻字なり。陽土の官鬼は、城隍・土穀の神・太歳・皮場大王と土神とを主る。陰土の官鬼は、則ち瘟疫・咽喉の疾・臌脹・黄疸および壓死の者の亡魂なり。
又鬼加金虎刑殺者,死於非命也。鬼居游魂外卦者,客死他鄉也。鬼加天火天燭獨火殺者,燒死也。鬼加天賊天盜劫殺者,因盜致死也。鬼加沐浴咸池殺者,姦淫娼妓也。鬼加木狼,天縊殺者,縊死也。鬼加風波浴盆浮沉殺者,溺死也。鬼加羊刃刀砧殺者,屠劊鬼也。鬼帶暗金血刃殺者,產亡鬼也。鬼帶天刑天獄地獄牢獄入獄殺者,牢獄鬼也。鬼加刀砧羊刃劫殺者,自刎鬼也。鬼帶華蓋孤神者,僧道絕嗣鬼也。鬼加騰蛇天怪殺者,精怪妖邪也。鬼居太歲者,當年歲君也。鬼居月日時上者,遊野神也。
さらにその帶ぶる所の神煞に從いてこの鬼は何の來歷なるかを辨ず。官鬼に金爻の「白虎」と刑殺とを加うるは、非命に死したるの橫死鬼なり。官鬼が遊魂卦の外卦に落つるは、他郷に客死したるの異郷鬼なり。官鬼に「天火」「天燭」「獨火殺」を加うるは、燒死鬼なり。「天賊」「天盜」「劫殺」を加うるは、盜劫に遭いて死したるなり。「沐浴」「咸池殺」を加うるは、姦淫・娼妓の一類の鬼なり。「木狼」「天縊殺」を加うるは、自縊して死したるなり。「風波」「浴盆」「浮沉殺」を加うるは、溺水して死したるなり。「羊刃」「刀砧殺」を加うるは、屠戸・刽子手の一類の鬼なり。「暗金」「血刃殺」を帶ぶるは、產難にして亡びたるの婦人なり。「天刑」「天獄」「地獄」「牢獄」「入獄殺」を帶ぶるは、牢獄の裏に死したるの鬼なり。「刀砧」「羊刃」「劫殺」を加うるは、自刎して死したるなり。「華蓋」「孤神」を帶ぶるは、僧道および絶嗣・無後の鬼なり。「螣蛇」「天怪殺」を加うるは、精怪・妖邪なり。官鬼が太歳の上に落つるは、當年の太歳・歳君なり。月建・日辰・時辰の上に落つるは、四處に遊蕩するの野神なり。
又父母伏鬼化鬼者,陽父陰母也。兄弟伏鬼化鬼者,陽兄弟,陰姐妹也。妻財伏鬼化鬼者,陽妻奴陰妾婢也。子孫伏鬼化鬼者,陽男陰女也。鬼在本宮內卦,同姓鬼也。鬼在他宮外卦,異姓鬼也。交重,大鬼。單拆,小鬼。衰墓,老年舊鬼。生旺,壯年新鬼。胎養,孩童鬼,陽男陰女也。又八卦乾宮鬼,祖宗與父。坤宮鬼,祖妣與母也。震坎艮宮鬼,男也。巽離兌宮鬼,女也。問有幾鬼,以一水二火三木四金五土之數推之。旺相加倍,休如數,囚死減半也。
さらに六親に從いてこの鬼はいずれの一位の先人なるかを辨ず。「父母」爻の下に官鬼が伏するかあるいは官鬼を化出するは、陽爻は亡父、陰爻は亡母なり。「兄弟」爻の下に官鬼が伏するかあるいは官鬼を化するは、陽爻は兄弟、陰爻は姉妹なり。「妻財」爻の下に官鬼が伏するかあるいは官鬼を化するは、陽爻は亡妻と男僕、陰爻は妾と婢なり。「子孫」爻の下に官鬼が伏するかあるいは官鬼を化するは、陽爻は亡兒、陰爻は亡女なり。官鬼が本宮の内卦に在るは、同姓の家鬼なり。他宮の外卦に在るは、異姓の外鬼なり。爻象の交・重と為るは大鬼、單・拆と為るは小鬼なり。官鬼が衰弱にして墓に入るは、年代の久遠なる老鬼なり。生旺のは、新亡の壯年の鬼なり。胎養の位に處るは、孩童の鬼にして、陽爻は男童、陰爻は女童なり。さらに八卦に按じて分つ。乾宮の官鬼は祖宗と父親、坤宮の官鬼は祖母と母親、震・坎・艮の三宮の官鬼は男鬼、巽・離・兌の三宮の官鬼は女鬼なり。もし共に幾個の鬼なるかを問わば、則ち一水・二火・三木・四金・五土の成數に按じて推し、旺相の時は一倍を加え、休囚の時は數に照り、囚死の時は半分を減ず。
曹子虛曰,祈禳用何祭禮,則視鬼之食神也。如鬼屬甲,則食在丙而祿居巳也。宜用炒雞煎腐酒禮財馬送之也。鬼屬乙,則食在丁而祿居午也,宜用乾脯炒荳酒禮財馬送之也。鬼屬丙,則食在戊而祿居巳也,宜用炒雞煎腐酒禮財馬送之也。鬼屬丁,則食在己而祿居午也,宜用乾脯炒荳酒禮財馬送之也。
曹子虚がいう、祈禱・禳解にどの樣の祭品を用うべきかは、官鬼の「食神」の落つる處を看るべし。譬えば官鬼が甲木に属すれば、甲の食神は丙火にして、丙の禄は巳に在り、則ち炒鶏・煎豆腐を用い、酒醴・紙錢と紙馬とを配してそれを送るべし。官鬼が乙木に属すれば、乙の食神は丁火にして、丁の禄は午に在り、則ち肉乾・炒豆を用い、酒醴・紙錢・紙馬を配してそれを送るべし。官鬼が丙火に属すれば、丙の食神は戊土にして、戊の禄は巳に寄り、同じく炒鶏・煎豆腐を用い、酒醴・紙錢・紙馬を配してそれを送るべし。官鬼が丁火に属すれば、丁の食神は己土にして、己の禄は午に寄り、同じく肉乾・炒豆を用い、酒醴・紙錢・紙馬を配してそれを送るべし。
鬼屬戊,則食在庚而祿居申也,宜用三牲饅首果餅酒禮財馬送之也。鬼屬己,則食在辛而祿居酉也,宜用雞肉魚餛飩酒禮財馬送之也。鬼屬庚,則食在壬而祿居亥也,宜用豬首三牲酒禮財馬送之也。鬼屬辛,則食在癸而祿居子也,宜用池魚血羹麥面酒禮財馬送之也。鬼屬壬,則食在甲而祿居寅也,宜用三牲時果新蔬酒禮財馬送之也。鬼屬癸,則食在乙而祿居卯也,宜用雞鵝鴨蔬果鴨蛋酒禮財馬送之也。
官鬼が戊土に属すれば、戊の食神は庚金にして、庚の禄は申に在り、則ち三牲・饅頭・菓子・餅餌を用い、酒醴・紙錢・紙馬を配してそれを送るべし。官鬼が己土に属すれば、己の食神は辛金にして、辛の禄は酉に在り、則ち鶏・肉・魚と餛飩とを用い、酒醴・紙錢・紙馬を配してそれを送るべし。官鬼が庚金に属すれば、庚の食神は壬水にして、壬の禄は亥に在り、則ち猪頭と三牲とを用い、酒醴・紙錢・紙馬を配してそれを送るべし。官鬼が辛金に属すれば、辛の食神は癸水にして、癸の禄は子に在り、則ち池塘の裏の魚・血羹と麥麵とを用い、酒醴・紙錢・紙馬を配してそれを送るべし。官鬼が壬水に属すれば、壬の食神は甲木にして、甲の禄は寅に在り、則ち三牲・時令の鮮果と新鮮の菜蔬とを用い、酒醴・紙錢・紙馬を配してそれを送るべし。官鬼が癸水に属すれば、癸の食神は乙木にして、乙の禄は卯に在り、則ち鶏・鵝・鴨・菜蔬・菓品と鴨蛋とを用い、酒醴・紙錢・紙馬を配してそれを送るべし。
若夫送於何方,則以鬼爻之支神定之也。其在於神,則祈禱之禮,以子孫為福神也。子帶龍雀者,宜素祭。子帶勾蛇虎武者,宜葷盤。子伏水鬼水父下,或化水鬼水父者,宜佛經。子伏火鬼火父下,或化火鬼火父者,宜道醮。子化財伏財者,宜福禮,子化兄伏兄者,宜演戲眾保也。此祈禳之占也。
どの方向に往きて送るかに至りては、則ち官鬼爻の坐する所の地支に按じて方位を定む。もしその祈る所が神にして鬼にあらざれば、然らば祈禱の禮數は則ち「子孫」を以て福神と為して定む。子孫が「青龍」「朱雀」を帶ぶるは、素祭を用いるに宜し。「勾陳」「螣蛇」「白虎」「玄武」を帶ぶるは、葷盤を用いるに宜し。子孫が水爻の「官鬼」あるいは水爻の「父母」の下に伏し、あるいは水鬼・水父を化出するは、佛經を誦するに宜し。子孫が火爻の官鬼あるいは火爻の父母の下に伏し、あるいは火鬼・火父を化出するは、道教の齋醮を建つるに宜し。子孫が「妻財」を化出しあるいは下に妻財が伏するは、福禮を備えて神に酬ゆるに宜し。子孫が「兄弟」を化出しあるいは下に兄弟が伏するは、戲を演じて神に酬い、衆を聚めて保安するに宜し。以上は即ち祈禱・禳解の一節の占法なり。
又有舊願未還者,但子孫伏鬼下動克世用,或子孫伏歲殺下動傷世用者,必有舊願未還也。旺相願大,休囚願小也。至問因何許願,以官鬼為用也。鬼伏世下用下者,因自己許也,鬼伏父母財子下,因父母妻子許,鬼伏鬼下因病訟許,鬼伏兄下因兄弟朋友爭鬥賭博許也。六親化出鬼者亦然(出源髓訣)。
また一種ありて、從前に許下したる願の未だ還さざるは、ただ「子孫」が「官鬼」の下に伏して發動して來りて世爻・用神を剋するか、あるいは子孫が歳殺の下に伏して發動して世爻・用神を傷るかにして、則ち必定して舊願の未だ酬還せざる有り。子孫が旺相なれば、許したる所の願は大なり。休囚のは、許したる所の願は小なり。當初に何の為に願を許したるかを問わば、則ち官鬼を以て用神と為す。官鬼が世爻あるいは用神の下に伏するは、自己の許したるなり。「父母」「妻財」「子孫」の下に伏するは、父母・妻子・兒女の為に許したるなり。官鬼の下に伏するは、疾病あるいは官司に因りて許したるなり。「兄弟」の下に伏するは、兄弟・朋友の爭鬪・賭博に因りて許したるなり。およそ六親爻が發動して官鬼を化出するも、またこの樣に照りて斷ず。この節は《源髓訣》に出づ。
疾病占・八 病は何方より起きしか
以卦中動爻斷之。火南水北木東金西,不論鬼之有無也。如卦有鬼而不動者,則取外卦斷之。乾在西北,坤在西南,巽在東南,艮在東北,離南,坎北,震東,兌西,是也。如卦安靜,而無鬼者,則看鬼伏何爻之下,以鬼上飛神,定其災處也。如鬼伏子下,則云北方。伏丑寅下,則云東北方。伏卯下,則東方。伏辰巳下,則云東南方。伏午下,則云南方。伏未申下,則西南方。伏酉下,則西方。伏戌亥下,則西北方也。若卦亂動而鬼動者,亦以鬼所居之卦斷之也。若官鬼獨發者,又以鬼爻所值之支神斷之也。又鬼在本宮內卦,則言本地得病。在他宮外卦,則言他方得病也。
病はどの方位に於て沾染したるかを斷ずるに、先ず卦中の動爻を看る。動爻が火に属すれば南方を主り、水に属すれば北方を主り、木に属すれば東方を主り、金に属すれば西方を主る——この一層は卦裏に「官鬼」有るや無きやを問わず。もし卦中に官鬼有ると雖も併して發動せざれば、則ち外卦の属する八卦を取りて斷ず。《乾》は西北に在り、《坤》は西南に在り、《巽》は東南に在り、《艮》は東北に在り、《離》は南に在り、《坎》は北に在り、《震》は東に在り、《兌》は西に在り。もし六爻が安靜にして卦中にまた官鬼なければ、則ち官鬼のどの一爻の下に伏するかを看て、それを壓える那个「飛神」を用いて災處を定む。子水の下に伏するは北方を説き、丑・寅の下に伏するは東北を説き、卯の下に伏するは東を説き、辰・巳の下に伏するは東南を説き、午の下に伏するは南を説き、未・申の下に伏するは西南を説き、酉の下に伏するは西を説き、戌・亥の下に伏するは西北を説く。もし滿卦が亂動して官鬼もまた動に在れば、同じく官鬼の居する所の那一卦に按じて方位を斷ず。もしただ官鬼の一爻獨發すれば、則ち官鬼爻が自身の坐する所の地支に按じて斷ず。このほか、官鬼が本宮の内卦に在るは、本地に於て得たるの病なり。他宮の外卦に在るは、外方に於て得たるの病なり。
疾病占・九 病は何年月日より起きしか
以鬼爻長生之年月日定之也。又如土鬼動,火生土,在午年五月午日得病也。土長生在申,或申年七月申日得病也。鬼臨辰戌丑未上,或辰戌丑未年月日得病也。其他金木水火鬼,皆仿此推之。
病はどの一年・どの一月・どの一日に起きしかを斷ずるは、則ち「官鬼」爻の長生するの年月日に按じて定む。譬えば土爻の官鬼が發動すれば、火は能く土を生ずれば、午年・五月あるいは午日に得たるの病なるべし。土の長生は申に在れば、申年・七月あるいは申日に得たるの病なるも可し。官鬼がもし辰・戌・丑・未のこの四個の土支の上に臨めば、あれは辰戌丑未の年・月・日に病を得る。その余の金・木・水・火の各爻の官鬼は、皆この辦法に照りて類推す。
疾病占・附 斷例
庚寅年戊寅月己巳日,代占人病,得坎之蹇。坎宮:坎為水(六沖);兌宮:水山蹇。本卦、變卦:兄弟戊子水(世)——兄弟戊子水;官鬼戊戌土——官鬼戊戌土;父母戊申金——父母戊申金(世);妻財戊午火(應)×→父母丙申金;官鬼戊辰土○→妻財丙午火;子孫戊寅木——官鬼丙辰土(應)。應爻相氣,歲月生之,日辰比之,但嫌化出申金,沖刑寅木子孫,服藥不效。辰宮化午財,刑應上午,是以多進食而受傷也。官屬土,脾胃病。子旺官衰,卦雖六沖,新病不死,只是難痊耳。
庚寅年戊寅月己巳日、別人に替わりて病を占い、《坎爲水》の《水山蹇》に變ずるを得た。本卦《坎爲水》は坎宮に属して六冲卦、變卦《水山蹇》は兌宮に属す。上爻より初爻に至るまで順に:上六「兄弟」戊子水が世を持ち、變後も仍って兄弟戊子水。九五「官鬼」戊戌土、變後も變わらず。六四「父母」戊申金、變後は父母戊申金にして併せて世を持つ。六三「妻財」戊午火が應と為りて發動し、父母丙申金を變出す。九二「官鬼」戊辰土が發動し、妻財丙午火を變出す。初六「子孫」戊寅木、變後は官鬼丙辰土にして應の位に居る。斷語にいう、應爻の午火は相は相氣の地に處り、太歳・月建が都て來りてこれを生じ、日辰の己火もまたそれと比和すれば、もとは氣有り。ただ嫌うはそれが申金を變出すに、申金は初爻の寅木「子孫」を冲刑し、子孫は藥神にして、藥神が受傷せば、ゆえに藥を服して效を見えず。二爻の辰土官鬼がまた午火の妻財を化出せば、午火は應上の午火と相刑し、財は即ち飲食にして、ゆえに喫うこと多くして腸胃を傷れたるなり。官鬼は土に属して、正に脾胃の病に合す。好いことに子孫が旺にして官鬼が衰、卦は六冲と雖も、新病は死に至らず、ただ痊癒し易からざるのみ。
庚寅年戊寅月辛未日,子占父病,得解之困。震宮:雷水解;兌宮:澤水困(六合)。伏神、本卦、變卦:妻財庚戌土——妻財丁未土;官鬼庚申金(應)×→官鬼丁酉金;子孫庚午火——父母丁亥水(應);子孫戊午火——子孫戊午火;妻財戊辰土(世)——妻財戊辰土;父母庚子水、兄弟戊寅木——兄弟戊寅木(世)。本宮子水父母,伏寅木之下,雖云洩氣,喜申金,元神獨發,又化進神,更得日辰生之,決能生父。惟不宜土財持世,喜歲月與伏下寅木克之,果於申酉日愈也。
庚寅年戊寅月辛未日、兒子が父親の病を占い、《雷水解》の《沢水困》に變ずるを得た。本卦《雷水解》は震宮に属し、變卦《沢水困》は兌宮に属して六合卦。上爻より初爻に至るまで順に:上六「妻財」庚戌土、變じて妻財丁未土。六五「官鬼」庚申金が應の位に居りて發動し、官鬼丁酉金を變出す。九四「子孫」庚午火、變じて父母丁亥水にして併せて應の位に居る。六三「子孫」戊午火、變後も變わらず。九二「妻財」戊辰土が世を持ち、變後も變わらず。初六「兄弟」戊寅木、その下に「父母」庚子水が伏し、變後も仍って兄弟戊寅木にして併せて世を持つ。斷語にいう、用神は父母にして、本宮・震宮の父母は子水にして、初爻の寅木の下に伏し、水は木を生じて自然に氣を泄す。幸いなるに五爻の申金は水を生ずるの元神にして、獨自に發動し、また申より酉に化すは化して進神と為り、さらに日辰の未土の來りて金を生ずるを得、この申金は必ず能く子水の父母を生起せん。唯一好からざるは辰土の「妻財」が世を持つにして、財は能く父母を剋す。好いことに太歳・月建が都て寅木に属し、加うるに伏神の底下の寅木に、一齊に辰土を剋制し、財は制を受けて父は安を得たり。後に果たして申酉日に痊癒せり。
庚寅年戊寅月丁卯日,父占子病,得臨之損。坤宮:地澤臨;艮宮:山澤損。本卦、變卦:子孫癸酉金×→官鬼丙寅木(應);妻財癸亥水(應)——妻財丙子水;兄弟癸丑土——兄弟丙戌土;兄弟丁丑土——兄弟丁丑土(世);官鬼丁卯木(世)——官鬼丁卯木;父母丁巳火——父母丁巳火。六爻酉金,子孫獨發,化絕於寅,又絕於歲月建中,更加卯日沖破,果於木日死也。
庚寅年戊寅月丁卯日、父親が兒子の病を占い、《地沢臨》の《山沢損》に變ずるを得た。本卦《地沢臨》は坤宮に属し、變卦《山沢損》は艮宮に属す。上爻より初爻に至るまで順に:上六「子孫」癸酉金が發動し、官鬼丙寅木を變出して應の位に居る。六五「妻財」癸亥水が應と為り、變じて妻財丙子水。六四「兄弟」癸丑土、變じて兄弟丙戌土。六三「兄弟」丁丑土、變後も仍って兄弟丁丑土にして併せて世を持つ。九二「官鬼」丁卯木が世を持ち、變後も變わらず。初九「父母」丁巳火、變後も變わらず。斷語にいう、兒子の病を占うに用神は「子孫」なり。上爻の酉金子孫の一爻獨發するに、卻って寅木を變出せば、金は寅に絶す、是れ絶地に化入す。太歳の庚寅・月建の戊寅もまた皆寅にして、歳月建の裏に於て等しく再び一絶す。加うるに占日の丁卯に、卯は來りて酉金を冲破す。用神は絶にしてまた破、後に果たして木旺の日に死せり。
庚寅年戊寅月戊寅日,妻占夫病,得剝之觀。乾宮:山地剝;乾宮:風地觀。伏神、本卦、變卦:妻財丙寅木——妻財辛卯木;兄弟壬申金、子孫丙子水(世)×→官鬼辛巳火;父母丙戌土——父母辛未土(世);妻財乙卯木——妻財乙卯木;官鬼乙巳火(應)——官鬼乙巳火;父母乙未土——父母乙未土(應)。官爻受三傳生合,人皆云吉。不知本宮午官自刑,伏墓戌土下,傍爻子動沖剋官,極凶。子動,誤服藥。子又化絕於巳,必始因藥不投而後不延醫也。只有三傳生合官鬼,不過暫時少甦,至甲申日,元神絕而忌神生,果死也。
庚寅年戊寅月戊寅日、妻子が丈夫の病を占い、《山地剥》の《風地觀》に變ずるを得、兩卦ともに乾宮に属す。上爻より初爻に至るまで順に:上九「妻財」丙寅木、變じて妻財辛卯木。六五「子孫」丙子水が世を持ちて發動し、その下に「兄弟」壬申金が伏し、官鬼辛巳火を變出す。六四「父母」丙戌土、變じて父母辛未土にして併せて世を持つ。六三「妻財」乙卯木、變後も變わらず。六二「官鬼」乙巳火が應と為り、變後も變わらず。初六「父母」乙未土、變後も仍って父母乙未土にして併せて應の位に居る。斷語にいう、妻が夫を占うに「官鬼」を以て用神と為すに、官鬼は太歳・月建・日辰のこの三傳の生合を受くれば、人人は皆吉と説く。卻って知らず、本宮・乾宮の官鬼は午火にして、午火は自刑し、また戌土の墓庫の下に伏す。旁の五爻の子水が發動し、子は來りて午を冲し水はまた火を剋す、これ方に極凶の象なり。子水は「子孫」にして、子孫が動けば則ち藥を錯りて喫したるなり。子水が巳火を化出せば、水は巳に絶す、ゆえに起初は藥の對症せず、後來は索性に醫生をも請わざるに至れり。三傳の官鬼を生合する有ると雖も、不過一時に略々清醒を見る。甲申日に到りて、官鬼を生ずるの元神は絶地に到りてそれを剋するの忌神は卻って長生を得、果たして便ち死せり。
庚寅年庚辰月丁卯日,妻占夫病,得渙之姤。離宮:風水渙;乾宮:天風姤。伏神、本卦、變卦:父母辛卯木——子孫壬戌土;兄弟辛巳火(世)——妻財壬申金;妻財己酉金、子孫辛未土×→兄弟壬午火(應);官鬼己亥水、兄弟戊午火×→妻財辛酉金;子孫戊辰土(應)——官鬼辛亥水;父母戊寅木——子孫辛丑土(世)。鬼伏三爻下,值旬空,子為忌神,兄為讐神,二爻併發,獨喜用爻伏藏耳。至乙亥日,透出用爻,才受忌傷,而夫死也。
庚寅年庚辰月丁卯日、妻子が丈夫の病を占い、《風水渙》の《天風姤》に變ずるを得た。本卦《風水渙》は離宮に属し、變卦《天風姤》は乾宮に属す。上爻より初爻に至るまで順に:上九「父母」辛卯木、變じて子孫壬戌土。九五「兄弟」辛巳火が世を持ち、變じて妻財壬申金。六四「子孫」辛未土が發動し、その下に「妻財」己酉金が伏し、兄弟壬午火を變出して應の位に居る。六三「兄弟」戊午火が發動し、その下に「官鬼」己亥水が伏し、妻財辛酉金を變出す。九二「子孫」戊辰土が應と為り、變じて官鬼辛亥水。初六「父母」戊寅木、變じて子孫辛丑土にして併せて世を持つ。斷語にいう、用神の官鬼亥水は三爻の下に伏して、正に旬空に值す。「子孫」は官鬼を剋するの忌神にして、「兄弟」は子孫を生ずるの仇神にして、四爻の子孫と三爻の兄弟との兩爻が齊しく發せば、形勢はもと已に極壞なり。唯一の慶すべきは、用神は還って伏藏して頭を露わさざるにして、暫くはそれを傷つけ得ず。乙亥日に到りて、亥水の用神は透け出でて、これに於て正面に忌神の剋を挨け、丈夫は便ち死せり。
庚寅年癸未月戊戌日,妻占夫病,得革之困。坎宮:澤火革;兌宮:澤水困(六合)。伏神、本卦、變卦:官鬼丁未土——官鬼丁未土;父母丁酉金——父母丁酉金;兄弟丁亥水(世)——兄弟丁亥水(應);妻財戊午火、兄弟己亥水○→妻財戊午火;官鬼己丑土×→官鬼戊辰土;子孫己卯木(應)○→子孫戊寅木(世)。土用為神,丑土月破,化入辰墓,兄生子而子克官,人皆云凶。豈知本宮辰土,得寅木動生午火相扶,後至戊申日,忌神逢絕,官遇長生而愈也。
庚寅年癸未月戊戌日、妻子が丈夫の病を占い、《沢火革》の《沢水困》に變ずるを得た。本卦《沢火革》は坎宮に属し、變卦《沢水困》は兌宮に属して六合卦。上爻より初爻に至るまで順に:上六「官鬼」丁未土、變後も變わらず。九五「父母」丁酉金、變後も變わらず。九四「兄弟」丁亥水が世を持ち、變後は兄弟丁亥水にして應の位に居る。九三「兄弟」己亥水が發動し、その下に「妻財」戊午火が伏し、妻財戊午火を變出す。六二「官鬼」己丑土が發動し、官鬼戊辰土を變出す。初九「子孫」己卯木が應と為りて發動し、子孫戊寅木を變出して併せて世を持つ。斷語にいう、用神は土爻の官鬼なり。二爻の丑土は未月に冲破せられ、また辰土の墓庫に化入す。「兄弟」は「子孫」を生じ、子孫は再び官鬼を剋すれば、人人は皆凶と説く。卻って知らず、本宮・坎宮の官鬼は辰土にして、卦中の初爻の寅木が發動して行って午火を生じ、午火は轉じて來りて辰土を生扶し、用神は併して根を斷たれず。後に戊申日に到りて、官鬼を剋するの木の忌神は申に絶し、而るに土の官鬼は申に長生し、一絶一生にして、病は便ち好せり。
庚寅年甲申月乙丑日,夫占妻病,得震之豫。震宮:震為雷(六沖);震宮:雷地豫(六合)。本卦、變卦:妻財庚戌土(世)——妻財庚戌土;官鬼庚申金——官鬼庚申金;子孫庚午火——子孫庚午火(應);妻財庚辰土(應)——兄弟乙卯木;兄弟庚寅木——子孫乙巳火;父母庚子水○→妻財乙未土(世)。世下戌財,正值旬空,日辰丑又刑戌,應爻辰財又自刑,初下子水動,化未土,與世下戌土又相刑,用爻受制,病必重也,子孫為藥,午為自刑,用藥差誤,所以病劇也。逢巳午日,子旺生財,始病退。若至日病加重,必難療也。
庚寅年甲申月乙丑日、丈夫が妻子の病を占い、《震爲雷》の《雷地豫》に變ずるを得、兩卦ともに震宮に属し、本卦は六冲にして變卦は六合。上爻より初爻に至るまで順に:上六「妻財」庚戌土が世を持ち、變後も變わらず。六五「官鬼」庚申金、變後も變わらず。九四「子孫」庚午火、變後は子孫庚午火にして應の位に居る。六三「妻財」庚辰土が應と為り、變じて兄弟乙卯木。六二「兄弟」庚寅木、變じて子孫乙巳火。初九「父母」庚子水が發動し、妻財乙未土を變出して併せて世を持つ。斷語にいう、丈夫が妻子を占うに「妻財」を以て用神と為す。世爻の上の戌土妻財は正に旬空に落ち、占日の乙丑の丑土もまた來りて戌を刑す。應爻の辰土妻財は自刑す。初爻の子水が發動して未土を化出せば、未土は世上の戌土と再び相刑す。用神はこの樣の重畳の壓制を被れば、病は必定して沉重なり。「子孫」は藥神にして、午火は自刑せば、藥を用うるに差錯有るを見るべく、ゆえに病勢は加劇す。巳午の日に到りて、子孫は旺氣を得て財を生じ、病は方に退くを見たり。倘若しあの兩天に到りて病が反って加重せば、あれは真に醫治し難し。
庚寅年甲申月癸酉日,夫占妻病,得履之小畜。艮宮:天澤履;巽宮:風天小畜。伏神、本卦、變卦:兄弟壬戌土——官鬼辛卯木;妻財丙子水、子孫壬申金(世)——父母辛巳火;父母壬午火○→兄弟辛未土(應);兄弟丁丑土×→兄弟甲辰土;官鬼丁卯木(應)——官鬼甲寅木;父母丁巳火——妻財甲子水(世)。五爻財伏世下,飛上申金生之,三爻兄弟雖動,喜五爻子動,兄乃貪生忘克,而子得生氣,生財愈有力矣。後至甲申日,財遇長生而愈然也。
庚寅年甲申月癸酉日、丈夫が妻子の病を占い、《天沢履》の《風天小畜》に變ずるを得た。本卦《天沢履》は艮宮に属し、變卦《風天小畜》は巽宮に属す。上爻より初爻に至るまで順に:上九「兄弟」壬戌土、變じて官鬼辛卯木。九五「子孫」壬申金が世を持ち、その下に「妻財」丙子水が伏し、變じて父母辛巳火。九四「父母」壬午火が發動し、兄弟辛未土を變出して應の位に居る。六三「兄弟」丁丑土が發動し、兄弟甲辰土を變出す。九二「官鬼」丁卯木が應と為り、變じて官鬼甲寅木。初九「父母」丁巳火、變じて妻財甲子水にして併せて世を持つ。斷語にいう、用神の子水妻財は五爻・世爻の下に伏し、それを壓えるの飛神の申金は正に水を生ず。三爻の兄弟は發動して將に財を劫せんと來ると雖も、喜ぶは五爻の「子孫」もまた動きて、兄弟は子孫を見れば便ち生を貪りて行って剋するを忘れ、子孫は兄弟の生を得てさらに氣力有り、再び行って財を生ずればさらに得力なり。後に甲申日に到りて、水財は長生の地に遇い、病は便ち痊癒せり。
訟獄占
遊南子曰,占訟獄者,先占起訟之因,次占告訴之準否。而後占其訟之勝負,訟之和息,罪之輕重也。至於審斷何日也,解報何如也,亦理之所可前知者也。
遊南子がいう、官司・訟獄のこの一門を占うには、先ず爭訟は何事に因りて起きしかを占い、其次に狀子を遞し上ぐるは准るか准らざるかを占い、然るのちこの場の官司は誰か勝ち誰か負くるか、私下に和解して了結しうるか否か、判し下るの罪責は軽きか重きかを占う。どの日子に堂に過りて審斷するか、解送・申報の結果は如何に、に至りては、皆事理の上に於て豫め推知しうるの範圍に属す。
訟獄占・鬼谷分爻
聖駕、捶杖;部臺、枷鎖;監司、牢獄;州郡、曹官;縣、官吏;耆保、縣門。看文書持何爻動,即知訟經何處。又看鬼臨何爻動來生合,刑害克沖世爻,應爻,即知彼己之勝與負也。
《鬼谷分爻》は訟獄の一門に於て六爻に各々兩項の名目を配す。一項は衙門の層級、一項は刑具と處所にして、上より下へ順に、上爻は天子・聖駕を主り、また捶杖を主り、五爻は部院・臺省を主り、また枷鎖を主り、四爻は監司を主り、また牢獄を主り、三爻は州郡を主り、また曹官を主り、二爻は縣を主り、また官吏を主り、初爻は鄉里の耆老・保正を主り、また縣衙の門口を主る。卦を斷ずる時に「父母」文書のこの一爻がどの一位の上に坐して發動するかを看れば、即ちこの場の官司はどの一級の衙門を經過するかを知る。さらに「官鬼」がどの一爻の上に臨みて發動し、來りて生合するか來りて世爻と應爻とを刑・害・剋・冲するかを看れば、即ち對方と自己と誰か勝ち誰か負くるかを知る。
訟獄占・一 訟因
雀臨父動,或父動化鬼者,因尊長文書房屋舟車袍服墳墓起訟也。雀臨子動,或子動化鬼者,因男女僧道六畜善願酒筵起訟也。雀臨財動,或財動化鬼者,因陰人妻妾奴婢買賣借貸財帛起訟也。雀臨兄動,或兄動化鬼者,因兄弟姨妹朋友媒妁中保爭鬥賭博起訟也。本宮,在家事。他宮,別家事。內卦,近鄰事。外卦,遠方事也。
「朱雀」が「父母」爻に臨みて發動するか、あるいは父母が發動して「官鬼」を化出するは、長輩・文契・字據・房屋・舟車・衣袍・墳墓の一類の事の為に起きたるの官司なり。朱雀が「子孫」に臨みて發動するか、あるいは子孫が發動して官鬼を化出するは、子女・僧道・六畜・願を還し善事を做す・酒席・宴會の一類の事の為に起きたるの官司なり。朱雀が「妻財」に臨みて發動するか、あるいは妻財が發動して官鬼を化出するは、婦女・妻妾・奴婢・買賣・借貸・錢財の一類の事の為に起きたるの官司なり。朱雀が「兄弟」に臨みて發動するか、あるいは兄弟が發動して官鬼を化出するは、兄弟・姨姉妹・朋友・媒人・中人・保人・爭鬪・賭博の一類の事の為に起きたるの官司なり。もしこの動爻が本宮に落つれば、自家の事なり。他宮に落つれば、別家の事なり。内卦に在りては、近鄰の事なり。外卦に在りては、遠方の事なり。
又龍鬼動來刑剋世應,婚姻酒色致訟。蛇土鬼動克世應,戶役牽連之訟。虎金鬼動克世應,喪家孝服屠宰合棺謀者爭鬥之訟。又伏鬼暗動傷世應者,必他人牽連之訟。看鬼伏何爻之下,即知其為何人,何事干連也。官動化官者,事起舊訟,或一狀兩情,或二衙門,或結後再告也。官化空,則不依此斷也。卦無官印,而應爻又空,或官印應爻三空者,乃無頭逆名狀也。卦身空者,狀多虛詞也。
さらにいう、「青龍」に「官鬼」を加えて發動して來りて世爻・應爻を刑剋するは、婚姻あるいは酒色に因りて引起されたるの訟事なり。「螣蛇」に土爻の官鬼を加えて發動して來りて世應を剋するは、戸口・差役の牽連に因りて起きたるの訟事なり。「白虎」に金爻の官鬼を加えて發動して來りて世應を剋するは、喪家・孝服・屠宰・合わせて棺木を造る・圖謀・爭鬪の一類の事の為に起きたるの訟事なり。伏藏の官鬼が暗中に發動して世應を傷るは、必定して別人に牽連せられて入りたるの官司なり。官鬼がどの一爻の下に伏するかを看れば、即ち牽連するは何人なるか、干連するは何事なるかを知る。「官鬼」が發動してまた官鬼を化出するは、事は舊案に由りて起き、あるいは一張の狀子が兩樁の情由を牽き、あるいは兩處の衙門を經過せんと要し、あるいは已に結案してまた再び一度告ぐ。もし官鬼が旬空に化入せば、則ちこの樣に照りて斷ぜず。卦中に既に「官鬼」なしまた「父母」印信なし、而るに應爻もまた空に落ち、あるいは官・印・應の三者が俱に空なるは、あれは一紙の來頭なきの匿名・誣吿の狀なり。卦身が空に落つれば、狀子の裏は多半は不實の詞なり。
訟獄占・二 准否
世克應,我起訟。應克世,他興詞也。文書旺動者,可告。官鬼旺動者,可告。官居內卦,宜告府縣。官居外卦,宜告上司。鬼化父,持世應,帶馬旺動沖剋五爻,及太歲爻者,必進本也。卦無父,或父逢空墓絕胎,與化空墓絕胎者,狀難告,告亦不准也。卦無官,或官逢空墓絕胎,與化空墓絕胎者,告不准,準亦不結也。
世爻が應爻を剋するは、我が這邊が先に狀を告ぐ。應爻が世爻を剋するは、對方が先に訟を興す。「父母」文書が旺相にして發動するは、狀子は遞し可し。「官鬼」が旺相にして發動するは、狀子もまた遞し可し。官鬼が内卦に落つれば、府衙・縣衙に到りて告ぐるに宜し。官鬼が外卦に落つれば、上級の衙門に往きて告ぐるに宜し。官鬼が「父母」を化出してまた世爻・應爻の上に坐し、「驛馬」を帶びて旺相に發動して行って五爻および太歳爻を冲剋するは、あれは將に直接に本を上げて朝廷に奏聞せんとするなり。卦中に父母爻なきか、あるいは父母が旬空に落ち墓に入り絶地・胎地に到り、および空・墓・絶・胎に化入するは、狀子は遞し難く、遞し上ぐるもまた准らざるなり。卦中に官鬼爻なきか、あるいは官鬼が空に落ち墓に入り絶地・胎地に到り、および空・墓・絶・胎に化入するは、告ぐるも准らず、たとえ准るも結案しえざるなり。
官印兩旺動來生合者,皆準也。子財同動者,不准也。官絕逢生者,代稟而準也。鬼衰財動者,求情而告,持鬼生旺之日準也。父絕逢生者,有人唆告也。父動而官化子者,逢人勸阻也。父空而官動刑剋世,或父空而虎刃刑劫臨世動者,未準先責也。
「官鬼」と「父母」印信の兩爻が皆旺相にして、發動して來りて世を生じ世に合するは、狀子は皆准る。「子孫」と「妻財」とが同時に發動するは、准らず——子孫はもと官を剋するにして、官は剋せらるれば則ち事は成らざればなり。官鬼が絶地に在るに卻って爻の來りて生ずるに遇うは、人を請いて代わりて禀告せしめて乃ち准る。官鬼が衰弱にして財爻が發動するは、打點・求情に靠りて乃ち遞し進めえて、官鬼の轉じて生旺するの那天を待ちて乃ち准る。「父母」が絶地に在りて生に逢うは、人ありて背後に於て你を唆使して告げしむるなり。父母が發動して官鬼が「子孫」を化出するは、人ありて中より勸阻するに碰上らん。父母が空に落ちて官鬼が發動して來りて世爻を刑剋するか、あるいは父母が空に落ちて「白虎」「羊刃」「三刑」「劫煞」が世爻に臨みて發動するは、狀子は未だ准らざるに、自己は先に責罰を挨けたり。
訟獄占・三 勝負
內克外,世克應,我勝。外克內,應克世,彼勝。世內旺而外應衰,我勝。外應旺而內世衰,彼勝。內世生外應者,因訟有損,且失理也。外應生內世者,因訟進益,且得理也。世應和合者,有人和解也。若鬼動傷世應者,欲私和而官不允也。日辰生合世,或日辰刑害克沖應者,我勝也。日辰刑害克沖世,或日辰生合應者,彼勝也。
内卦が外卦を剋し、世爻が應爻を剋するは、我方は勝つ。外卦が内卦を剋し、應爻が世爻を剋するは、對方は勝つ。世爻が内卦に在りて旺、應爻が外卦に在りて衰なるは、我は勝つ。應爻が旺にして世爻が衰なるは、對方は勝つ。内卦の世爻が反って行って外卦の應爻を生ずるは、この場の官司を打つに自己は喫虧するを要し、而且も理はまた對方に在り。外卦の應爻が來りて内卦の世爻を生ずるは、この場の官司を打つに反って進益有りて、而且も理は我が這一邊に在り。世應の兩爻が相合すれば、中間に人ありて出でて來りて和を説く。もし「官鬼」が發動して世應を傷剋せば、あれは私下に和解せんと想うに官府は肯んじて准さざるなり。日辰が來りて世を生じ世に合するか、あるいは日辰が行って應爻を刑・害・剋・冲するは、我は勝つ。日辰が世爻を刑・害・剋・冲するか、あるいは日辰が行って應爻を生合するは、對方は勝つ。
應加雀虎鬼,並刑劫動來傷克世者,私被毆辱,官受刑杖也。衰應克旺世者,彼不能害我也。旺世克衰應而日辰動爻生扶應者,彼得人扶助也。靜世克動應者,彼起波瀾也。世逢旺生者,我有幫助也。貴人生世者,仕宦來扶也。應衰無助者,彼勢孤弱也。財持世動者,事可調停也。財喜加貴動者,求情取勝也。財世加喜動者,託人講和也。世持喜解喝散雷火龍福者,事必散也。世應持亡劫大煞刑害血忌者,必輸也。
應爻に「朱雀」「白虎」「官鬼」を加え、併せて三刑・劫煞を帶びて發動して來りて世爻を傷剋するは、私下に人に毆打・羞辱せられ、公堂に到りてはまた刑杖を受けんとす。應爻は來りて世を剋するもそれ自身が衰弱にして、世爻が旺相なれば、對方は我を害しえず。世爻が旺にして衰弱の應爻を剋するに、しかるに日辰あるいは別の動爻が卻って來りて應爻を生扶するは、對方は別に人ありて彼の為に腰を撑るなり。世爻が安靜・不動にして卻って發動の應爻を剋するは、對方の興風作浪するに在り。世爻が旺相の爻の來りて生ずるに遇うは、我が這邊は人ありて幇忙す。「天乙貴人」が來りて世爻を生ずるは、官を做す人ありて出面して扶持す。應爻が衰弱にしてまた人の相助る無きは、對方は勢孤にして力弱し。「妻財」が世爻の上に坐して發動するは、事は調停しうる。財爻が「天喜」を帶びまた「貴人」を加えて發動するは、打點・求情に靠りて取勝するなり。財爻が世上に天喜を加えて發動するは、人を托して出でて來りて和を講せしむるなり。世爻の上に「天喜」「月解」「喝散」「雷火」「青龍」「子孫」のこれらの解神が坐するは、事は必定して消散す。世爻・應爻の上に「亡神」「劫煞」「大煞」「三刑」「六害」「血忌」が坐するは、必定して敗訴す。
官克世,我輸。官克應,彼輸。官生合世應,兩造持平。官刑害克沖世應,彼此皆傷也。應下伏財,彼將求情取勝也。世持生官,宜賂上也。鬼化兄克世應,上索下也。世空者,我理屈而心隳也。應空者,彼情虛而欲退也。世應俱空者,彼此懊悔也。世應皆旺者,但以日辰生合刑害克沖決勝負也。官父俱空者,公私盡釋也。
「官鬼」が世爻を剋するは、我は敗訴す。官鬼が應爻を剋するは、對方は敗訴す。官鬼が世應の兩爻を生合するは、兩造は高下を分かたず、判じ得るは持平なり。官鬼が世應を刑・害・剋・冲するは、雙方ともに受損せんとす。應爻の底下に「妻財」が伏するは、對方は將に錢を用いて求情して取勝せんとす。世爻の上に官鬼を生じうるの爻が坐するは、上頭に打點するに宜し。官鬼が「兄弟」を化出して來りて世應を剋するは、上頭の人が下に向かいて財物を索取す。世爻が空に落つれば、我は自ら理亏なるを知りて心氣は先に沮す。應爻が空に落つれば、對方は情虛にして退缩せんと想う。世應が皆空に落つれば、兩邊ともにこの場の官司を打ったるを後悔す。世應の兩爻が皆旺相にして、一時に高下を分け出づる能わざるは、則ちただ日辰のそれらに對するの生・合・刑・害・剋・冲に按じて勝負を判ず。「官鬼」と「父母」の兩爻が皆空に落つれば、公事・私事を一併に了結・開釋す。
訟獄占・四 和息
六合卦易息,六沖卦難和。世應相生合比和者,易息。相刑害克沖者,難和。世應持龍子喜解喝散雷火殺者,易散。日辰沖官者,即日散也。鬼動化子者,可息。鬼爻三合世應,得日辰動爻沖散者,可息。官持辰戌丑未者,難散。財多而子受傷者,難散。日辰生官,官生日辰者,事延遲也。子動化鬼,與鬼伏世應下者,待鬼時生月日,訟復發也。
卦が六合に逢えば、官司は平息し易し。卦が六冲に逢えば、和解し難し。世爻・應爻が互相に生じ、互相に合するかあるいは五行比和するは、了結し易し。互相に刑・害・剋・冲するは、和を講じ難し。世應の上に「青龍」「子孫」「天喜」「月解」「喝散」「雷火」のこれらの解煞が坐するは、事は散じ易し。日辰が行って「官鬼」を冲するは、當天に便ち散ず。官鬼が發動して子孫を化出するは、平息しうる。官鬼と世應とが三合局を結成するに、卻って日辰あるいは動爻の來りて冲散するを得れば、また平息しうる。官鬼が辰・戌・丑・未のこの四個の墓庫の上に坐するは、散じ難し。財爻が太多くして子孫が受傷するも、また散じ難し。日辰が行って官鬼を生じ、官鬼がまた反って來りて日辰を生ずるは、事は拖延せんとす。「子孫」が發動して官鬼を化出するか、あるいは官鬼が世應の下に伏するは、官鬼の時を得令を得て生に逢うの月份・日子を待ちて、官司は還って再び翻出さんとす。
訟獄占・五 罪責
日辰刑剋世應,或鬼動刑剋世應,與世應動化刑害克破者,皆主杖責罰罪也。世應帶祿馬德貴喜解喝散,與生旺而無刑害克破者,無罪也。世應衰而帶刑刃劫殺大殺動者,必有罪責也。世應持金虎鬼動,與金虎鬼動傷世應,或世應持財,木鬼旺動來合者,皆杖罪也。責之多少,以一水二火三木四金五土之數推之。旺相加倍,休如數,囚死減半也。罪之輕重,以鬼之衰旺定之也。
日辰が世爻・應爻を刑剋するか、あるいは「官鬼」が發動して世應を刑剋し、および世應が自己發動して刑・害・剋・破を化出するは、皆主に杖責を挨くるかあるいは罰款を以て罪に抵ゆるを主る。世應が「祿神」「驛馬」「天月德」「貴人」「天喜」「月解」「喝散」を帶び、また生旺にして刑害剋破を犯さざれば、無罪。世應が衰弱にして三刑・羊刃・劫煞・大煞を帶びて發動するは、必定して罪責有り。世應の上に金爻の「白虎」「官鬼」が坐して發動するか、あるいは金虎の官鬼が發動して來りて世應を傷るか、あるいは世應の上に「妻財」が坐して木爻の官鬼が旺相に發動して來りて合するは、皆杖刑を主る。いくら打つかに至りては、一水・二火・三木・四金・五土の成數に按じて推算す。旺相の時は一倍を加え、休囚の時は數に照り、囚死の時は半分を減ず。罪の輕重は、則ち官鬼の衰なるか旺なるかを看て定む。
龍兄動克世應,罰而不責。虎兄動克世應,責而又罰。世應居六爻,受寅木鬼刑傷者,枷號也(寅木為枷,五爻為頭)。世應居三爻,受卯木鬼刑傷者,杖責也(卯為竹板,三爻為臀)。世應居初爻,持木鬼,動化木鬼者,夾棍也(初足)。世應持蛇兄居五爻動者,徒罪也(五為道路)。世應居武兄,居六爻動者,流罪也(六為邊塞)。世應持兄,加金虎刑刃大殺,動逢死絕者,死罪也。
「青龍」に「兄弟」を加えて發動して來りて世應を剋するは、ただ錢を罰して板子は打たず。「白虎」に兄弟を加えて發動して來りて世應を剋するは、既に打ちまた罰す。世應が上爻に落ちて寅木の「官鬼」に刑傷せらるるは、枷を戴きて衆に示さんとす——寅木は枷を象り、五爻は頭頸の位に近ければなり。世應が三爻に落ちて卯木の官鬼に刑傷せらるるは、杖責なり——卯木は竹板を象り、三爻は正に臀部に當ればなり。世應が初爻に落ち、上に木爻の官鬼が坐するかあるいは發動して木爻の官鬼を化出するは、夾棍の刑なり——初爻は兩足を主ればなり。世應の上に「螣蛇」に「兄弟」を加えたるが坐して五爻に於て發動するは、徒刑なり——五爻は道路を主ればなり。世應の上に「玄武」に兄弟を加えたるが坐して上爻に於て發動するは、流放の刑なり——上爻は邊塞を主ればなり。世應の上に兄弟が坐し、また金爻の「白虎」・三刑・羊刃・大煞を加え、發動して死地・絶地に落つれば、あれは死罪なり。
鬼谷百問篇曰,卦無子孫,而鬼臨世應在外動見二亡神,在歸魂卦者,徒罪。見三亡神,在游魂卦者,流罪(景純云,亡神重疊刑沖,徒流千里)。見四亡神,加刑刃大殺虎鬼克身世命者,死罪也(四直皆有亡神)。又噬嗑明夷卦,杖責也。屯蒙大壯卦,囚擊也。渙解卦,事散也。又世應在巽宮,帶蛇鬼蛇兄動者,必遭縲絏也。又世應遇朱雀天刑來併合,或世應隨官入墓,或世應持兄加天獄地獄牢獄入獄殺動者,俱主監禁也。
《鬼谷百問篇》にいう、卦中に「子孫」なきに、而るに「官鬼」が世應に臨みて外卦に於て發動し、卦裏にまた兩個の「亡神」を見、且つ歸魂卦なるは、徒刑を判ず。三個の亡神を見、且つ遊魂卦なるは、流刑を判ず——郭景純が説き過ぎて、亡神が重畳してまた刑冲に逢えば、徒流は千里の外に發遣せんと要すと。四個の亡神を見、さらに三刑・羊刃・大煞・「白虎」の官鬼が來りて身爻・世爻・命爻を剋するを加うるは、死罪なり——謂う所の四亡神は、太歳・月建・日辰・時辰の四處に皆亡神を帶ぶるをいう。また《噬嗑》《明夷》の兩卦は杖責を主り、《屯》《蒙》《大壯》の三卦は囚繫・拷打を主り、《渙》《解》の兩卦は事の消散するを主る。さらに世應が巽宮に落ち、「螣蛇」に「官鬼」を加えたるかあるいは螣蛇に「兄弟」を加えたるを帶びて發動するは、必定して獄に下りて縲紲の苦を受けん。世應が「朱雀」「天刑」に遇い併せて臨み相合するか、あるいは世應が官鬼に跟い一同に墓に入るか、あるいは世應の上に兄弟が坐しまた「天獄」「地獄」「牢獄」「入獄殺」を加えて發動するは、皆監禁を主る。
黃蘿菴曰,欲知何日囚禁,但世應在艮宮,受何日害者,即知此日入獄也(艮為獄門)。如世應屬申亥害,申亥日入,世應屬子未害,子未日入也。又凡動爻刑害身世者,遇刑害日入獄。如動爻是午,午刑午害丑,俱午日入也。如動爻是卯,卯刑子,卯害辰,俱卯日入也。又如八月卦,戌爻動,戌害酉,戌日入。酉爻動,酉刑酉,酉日入也。十二月卦,未爻動,未刑丑,未日入也(餘仿此)。
黄蘿菴がいう、どの一天に關し入れらるるかを知らんと要せば、ただ世應の艮宮に落ちるを看て、どの一天に害せらるるかを看れば、即ちあの一天に入獄するを知る——《艮》は門闕と為して、正に獄門を象ればなり。譬えば世應が申に属して亥と相害するは、則ち申日あるいは亥日に入獄す。世應が子に属して未と相害するは、則ち子日あるいは未日に入獄す。さらにおよそ卦中の動爻が身爻・世爻を刑害するは、あの刑害の日に遇いて入獄す。譬えば動爻が午なれば、午は自刑してまた丑と相害すれば、皆午日に入獄す。動爻が卯なれば、卯は子を刑し卯は辰を害せば、皆卯日に入獄す。また譬えば八月の卦に、戌爻が發動すれば、戌は酉と相害すれば、則ち戌日に入獄す。酉爻が發動すれば、酉は自刑すれば、則ち酉日に入獄す。十二月の卦に、未爻が發動すれば、未は丑を刑すれば、則ち未日に入獄す。その余は皆この辦法に照りて類推す。
欲知何日出獄,世應入墓者,刑沖墓爻之日出也。世應衰病者,生旺之日出也。世應死絕者,逢生之日出也。世應旺相者,值日之日出也。鬼克世應者,鬼衰絕,而世應生旺之日出也。欲知囚禁因何得出,太歲沖剋官,而生合世應者,遇恩赦而出也。月建沖剋官,而生合世應者,上司有釋而出也。日建沖剋官,而生合世應者,宜求當道也。日辰動克天刑者,宜求郡守也。時建沖剋天刑者,宜求縣令也。日辰帶大殺動克天刑者,宜求監司也(監司掌生殺之柄)。又求情脫罪者,以官鬼為用也。官鬼不空墓絕胎破,而生合世應者,終賴其力也。凂人求情者,以應爻為用,應生世合者,吉也。
どの一天に出獄するかを知らんと要せば、世應が墓に入るは、あの墓爻を刑冲するの日子に出づ。世應が衰弱にして病の位に居るは、それが生旺に轉ずるの日子に出づ。世應が死地・絶地に居るは、生扶に遇うの日子に出づ。世應がもと旺相なるは、則ちそれが自己日に值るの那天に出づ。「官鬼」が世應を剋するは、官鬼の衰絶して世應が生旺するの那一天を待ちて出づ。どの門路に靠りて出えんかを知らんと要せば、太歳が官鬼を冲剋してまた世應を生合するは、朝廷の恩赦に遇いて出づるなり。月建が官鬼を冲剋して世應を生合するは、上司が出面して開釋して出づるなり。日建が官鬼を冲剋して世應を生合するは、當權・用事の人を求めに行くに宜し。日辰が發動して行って「天刑」を剋するは、郡守を求めに行くに宜し。時建が天刑を冲剋するは、縣令を求めに行くに宜し。日辰が大煞を帶びて發動して行って天刑を剋するは、監司を求めに行くに宜し——監司は生殺の權を掌ればなり。このほか人を托して求情して罪名を開脱するは、官鬼を以て用神と為す。官鬼が空に落ちず墓・絶・胎に入らず月破に遇わず、而るにまた世應を生合せば、終に彼の力量を倚仗しうる。もし別人を央求して代わりて情を説かしむるは、則ち應爻を以て用神と為し、應爻が來りて世を生じ世に合せば、情を説くの人は力を出すを肯んじて、事は便ち吉利なり。
訟獄占・六 審問
世旺應衰日,可審也。克應生世日,可審也。世臨死墓絕胎日,不利審也。官現動,即審也。卦無官,則官值之日審也。官旺則墓絕之日結也。官衰,則生旺之日結也。官空墓胎,逢沖之日結也。官逢沖者,官有事而未審也。
世爻が旺にして應爻が衰なるの那一天は、堂に過りて審を受くる可し。能く應爻を剋してまた世爻を生ずるの那一天も、また堂に過る可し。世爻が死・墓・絶・胎に落つるの那一天は、堂に過るは我に利あらず。「官鬼」が卦中に顯露して而且も發動するは、立刻に將に審せんとす。卦中に官鬼なきは、官鬼が日に值るの那天を待ちて審す。官鬼が旺相なるは、それが墓に入り絶に入るの日子に結案す。官鬼が衰弱なるは、反ってそれが生旺に轉ずるの日子に結案す。官鬼が空に落ち墓に入り胎の位に居るは、冲に逢うの日子に結案す。官鬼が正に冲せられて居るは、主審官が別に事有りて、一時は還って審き及ばざるなり。
加龍喜,因喜事停留也。加病符,因疾病停留也。在游魂卦,加馬動者,有遠出參謁之事而未審也。官加虎劫動傷世應者,官必叵測,不遽審也。日辰加兄動克世應者,吏人索詐而稽遲也。勾臨初六爻動者,取鄰里公結而審也。日辰刑鬼者,上司有言責事稍緩也。卦無父,無案卷也。父旺空,文書未就也。應帶父動克世者,彼心隨招再訴也。世持旺鬼沖剋應者,我欲訟後再告也。
官鬼が「青龍」「天喜」を帶ぶるは、主審官が喜慶の事に因りて擱延せられたるなり。「病符」を帶ぶるは、生病に因りて擱延せられたるなり。遊魂卦に落ちてまた「驛馬」を加えて發動するは、主審官に遠行して上司を參謁するの事有れば、ゆえに未だ開審せざるなり。官鬼に「白虎」と劫煞とを加えて發動して來りて世應を傷るは、この位の官長は心思は測り難くして、痛快に開審せざるなり。日辰に「兄弟」を加えて發動して來りて世應を剋するは、衙門の吏役が中より勒索して、故意に拖延す。「勾陳」が初爻・二爻に臨みて發動するは、先ず隣里・鄉保を取りて公結を出具せしめて然るのち審せんと要す。日辰が行って官鬼を刑するは、上司に話ありて責問して、事は稍しく一緩す。卦中に「父母」なきは、案卷は皆未だ有らざるなり。父母が旺相にして卻って旬空に落つるは、文書は未だ辦妥せざるなり。應爻に父母を帶びて發動して來りて世爻を剋するは、對方は已に招供すと雖も、心裏は還って再び案を翻して別に訴せんと想う。世爻の上に旺相の官鬼が坐して行って應爻を冲剋するは、我が這邊はこの場を打ち終えて還って再び一狀を告げんとす。
訟獄占・七 批評
官爻不空不動,與父爻不沖不動,或虎子動傷鬼者,俱依擬也。卦六合者依擬,卦六沖者,駁回問也。父官兩動者,駁問也。父加歲月動者,上司弔卷也。父逢歲月沖者,上司駁問也。鬼克世者,批我罪重也。鬼生應者,批彼罪輕也。父龍動,批辭平恕。父虎動,批語加刑。父勾蛇動,語多牽累。父化父,官化官者,另批衙門也。兄化兄來傷世應者,吏多欲也。
「官鬼」が既に空に落ちざればまた發動せず、「父母」が既に冲を受けざればまた發動せず、あるいは「白虎」と「子孫」とが發動して行って官鬼を傷るは、上司は皆原擬の罪名に照りて批准す。卦が六合に逢うは擬に照りて批准し、卦が六冲に逢うは駁回して重審す。父母と官鬼との兩爻が皆發動するも、また駁回して追問す。父母に太歳・月建を加えて發動するは、上司が案卷を調取す。父母が太歳・月建に冲せらるるは、上司が駁回・質問す。官鬼が世爻を剋するは、批文の裏に我の罪を重く判ず。官鬼が應爻を生ずるは、批文の裏に對方の罪を輕く判ず。父母が「青龍」を帶びて發動するは、批語は平和・寛恕なり。「白虎」を帶びて發動するは、批語は刑罰を加重す。「勾陳」「螣蛇」を帶びて發動するは、批語の裏に牽扯・糾纏すること多し。父母が父母を化出し、官鬼が官鬼を化出するは、別行して別の衙門に批轉す。「兄弟」が兄弟を化出してまた來りて世應を傷るは、吏胥の貪索・無厭なり。
訟獄占・附 斷例
己丑年癸酉月甲申旬戊子日,占訟事,得觀之艮。乾宮:風地觀;艮宮:艮為山(六沖)。伏神、本卦、變卦:妻財辛卯木——妻財丙寅木(世);兄弟壬申金、官鬼辛巳火○→子孫丙子水;父母辛未土(世)——父母丙戌土;妻財乙卯木×→兄弟丙申金(應);官鬼乙巳火——官鬼丙午火;子孫甲子水、父母乙未土(應)——父母丙辰土。世應俱值旬空,兩家皆宜退悔。但問官有欲耳,蓋卯財動生,巳官又犯月破,化爻申兄,又克財合官,必有人代官府索賄者。木三數衰空減半,進一百五十金,則可散矣,後果然。
己丑年癸酉月甲申旬戊子日に官司を占い、《風地觀》の《艮爲山》に變ずるを得た。本卦《風地觀》は乾宮に属し、變卦《艮爲山》は艮宮に属して六冲卦。上爻より初爻に至るまで順に:上九「妻財」辛卯木、變じて妻財丙寅木にして併せて世を持つ。九五「官鬼」辛巳火が發動し、その下に「兄弟」壬申金が伏し、子孫丙子水を變出す。六四「父母」辛未土が世を持ち、變じて父母丙戌土。六三「妻財」乙卯木が發動し、兄弟丙申金を變出して應の位に居る。六二「官鬼」乙巳火、變じて官鬼丙午火。初六「父母」乙未土が應と為り、その下に「子孫」甲子水が伏し、變じて父母丙辰土。斷語にいう、世爻の未土と應爻の未土とが皆正に旬空に落ちれば、兩家ともに難きを知りて退くべし。ただこの位の案を問うの官長は心裏に貪圖する所有り。三爻の卯木妻財が發動して行って五爻の巳火官鬼を生ずるに、而るに巳火の官鬼はまた月破を犯し、化出したる申金の「兄弟」は既に財を剋しまた官に合すれば、必ず人ありて官府に替わりて出面して賄賂を索するを見るべし。木の成數は三にして、官爻は衰にして空に落ちれば半分に減ずべく、三と五十とを相乘じて再び折算せば、銀子の一百五十兩を進獻せば、事は便ち了結しうべし。後に果たして然り。
庚寅年戊寅月甲戌旬己卯日,占訟事,得觀之剝。乾宮:風地觀;乾宮:山地剝。伏神、本卦、變卦:妻財辛卯木——妻財丙寅木;兄弟壬申金、官鬼辛巳火○→子孫丙子水(世);父母辛未土(世)——父母丙戌土;妻財乙卯木——妻財乙卯木;官鬼乙巳火——官鬼乙巳火(應);子孫甲子水、父母乙未土(應)——父母乙未土。若自己訟未到官即散。蓋世下伏兄雖動,喜值旬空,又被日沖,旁爻子孫持世,子動傷官,又助歲月刑官,此訟決然罪歸他人,不幹於己。又況經曰,世動自消,不成凶象乎。若巳出官者,則子動傷官,決然歸犯官吏,罪可立待。縱財伏官下,多進金銀,不過輕減爾。
庚寅年戊寅月甲戌旬己卯日に官司を占い、《風地觀》の《山地剥》に變ずるを得、兩卦ともに乾宮に属す。上爻より初爻に至るまで順に:上九「妻財」辛卯木、變じて妻財丙寅木。九五「官鬼」辛巳火が發動し、その下に「兄弟」壬申金が伏し、子孫丙子水を變出して併せて世を持つ。六四「父母」辛未土が世を持ち、變じて父母丙戌土。六三「妻財」乙卯木、變後も變わらず。六二「官鬼」乙巳火、變じて官鬼乙巳火にして應の位に居る。初六「父母」乙未土が應と為り、その下に「子孫」甲子水が伏し、變後も變わらず。斷語にいう、この場の官司はもし自己が未だ官府に遞し到らざれば、立刻に便ち散ず。何となれば、世爻の底下に伏する申金の兄弟は算して動と雖も、卻って正に旬空に落ち、また卯日に冲開せられ、旁に化出したる子水の「子孫」が世を持ち、子孫が動けば則ち官鬼を傷り、また太歳・月建を幇けて行って官鬼を刑すれば、罪責は一定して別人の身上に歸して、自己と相干らざるを見るべし。何況や古經に説き過ぎて「世動は自消す」と、もと凶象を成さざるなり。倘若し已に官に告げ到らば、然らば子孫が動して官を傷れば、罪責は一定して事を犯したるの官吏の頭上に落ち、眼を看るに將に論處せんとす。縱令え財爻が官鬼の下に伏して多く金銀を送るを肯んずるも、不過罪を一等減輕するのみなり。
庚寅年己卯月甲午旬戊戌日,占訟事,得豫之小過。震宮:雷地豫(六合);兌宮:雷山小過(游魂)。伏神、本卦、變卦:妻財庚戌土——妻財庚戌土;官鬼庚申金——官鬼庚申金;子孫庚午火(應)——子孫庚午火(世);兄弟乙卯木×→官鬼丙申金;子孫乙巳火——子孫丙午火;父母庚子水、妻財乙未土(世)——妻財丙辰土(應)。世坐未土財,勾陳為田土,歲月克之,日辰刑之,間爻兄弟又動克之,此訟當經三四番費用,囊槖告匱。至於鬻田而後巳,然應爻生世,卯兄化絕於中,五爻申官,帶貴馬龍德解神,不成凶象。破財之後,終得調息,不成大禍也。
庚寅年己卯月甲午旬戊戌日に官司を占い、《雷地豫》の《雷山小過》に變ずるを得た。本卦《雷地豫》は震宮に属して六合卦、變卦《雷山小過》は兌宮に属して遊魂卦。上爻より初爻に至るまで順に:上六「妻財」庚戌土、變後も變わらず。六五「官鬼」庚申金、變後も變わらず。九四「子孫」庚午火が應と為り、變後は子孫庚午火にして併せて世を持つ。六三「兄弟」乙卯木が發動し、官鬼丙申金を變出す。六二「子孫」乙巳火、變じて子孫丙午火。初六「妻財」乙未土が世を持ち、その下に「父母」庚子水が伏し、變じて妻財丙辰土にして應の位に居る。斷語にいう、世爻は未土の妻財の上に坐し、「勾陳」は田土を主り、太歳・月建は都て木に属して來りてこれを剋し、日辰の戌土もまたこれを刑し、中間の間爻の兄弟は再び發動して來りて剋すれば、この場の官司は三四番の折騰・破費を經て、錢袋は掏空にして、田を賣るに鬧ぎて乃ち罷まんとす。幸いなるに應爻の午火が來りて世爻の未土を生じ、三爻の卯木兄弟の化する所の申金は正に木の絶地にして、兄弟の財を劫するの勢頭は自消し、五爻の申金官鬼はまた「貴人」「驛馬」「青龍」「天德」と解神とを帶びて、併して凶象を成さず。ゆえに財を破したるのち、終に調停・止息しうるにして、大禍を釀成するに至らざるなり。
庚寅年辛巳月甲申旬壬辰日,占訟,得需卦安靜。坤宮:水天需(游魂)。伏神、本卦:妻財戊子水;兄弟戊戌土;子孫戊申金(世);兄弟甲辰土;父母乙巳火、官鬼甲寅木;妻財甲子水(應)。本宮卯官,克世下丑土,卯官伏辰兄下,辰土兄弟自刑,日辰並起,此決爭婚奪財之事。蓋兄弟為劫財之神也,又況亥財自刑更伏兄下,此訟沾身,不得脫也。
庚寅年辛巳月甲申旬壬辰日に官司を占い、《水天需》を得、六爻は安靜。この卦は坤宮に属して遊魂卦。上爻より初爻に至るまで順に:上六「妻財」戊子水、九五「兄弟」戊戌土、六四「子孫」戊申金が世を持ち、九三「兄弟」甲辰土、九二「官鬼」甲寅木・その下に「父母」乙巳火が伏し、初九「妻財」甲子水が應と為る。斷語にいう、本宮・坤宮の官鬼は卯木にして、卯木は來りて世爻の底下の丑土を剋す。この卯木の官鬼はまた三爻の辰土「兄弟」の下に伏し、辰土の兄弟は本身自刑して、占日の壬辰はまたそれと併び起れば、力量は格外に強し。兄弟は正に錢財を劫奪するの神にして、これに由りてこれは一樁の婚を爭い財を奪うの訟事なるを斷定す。何況や本宮の亥水妻財もまた自刑して、また同じく兄弟の下に伏せば、ゆえにこの場の官司は必ず自己の身上に沾りて、干係を脱しえざるなり。
然官鬼克世,世上金子,雖值時空,猶得辰日生氣,本宮酉子,雖為自刑,猶與辰日六合,故未到官者,可散也。已到官者,理決難伸,反能生禍,以子孫傷官故也。
不過官鬼は來りて世を剋すると雖も、世爻の上に坐する申金の「子孫」は正に時の空に值すと雖も、仍って占日の辰土の來りてこれを生ずるを得。本宮・坤宮の子孫は酉金にして、酉は自刑すと雖も、卻って辰日と六合を成す。ゆえにこの場の官司はもし未だ官府に告げ到らざれば、これに就きて散去す可し。倘若し已に官府に告げ到らば、道理は反って申明し難くして、鬧ぎ下去れば還って禍端を生出せんとす——原因は則ち子孫の動して官鬼を傷るに在り、官鬼は案を斷ずるの官府にして、官を傷るは則ち官府と為難するなればなり。
庚寅年,甲申月甲子旬乙丑日,占訟,得震之豫。震宮:震為雷(六沖);震宮:雷地豫(六合)。本卦、變卦:妻財庚戌土(世)——妻財庚戌土;官鬼庚申金——官鬼庚申金;子孫庚午火——子孫庚午火(應);妻財庚辰土(應)——兄弟乙卯木;兄弟庚寅木——子孫乙巳火;父母庚子水○→妻財乙未土(世)。值金宮正旺,初爻水父,動遇長生,世應辰戌又沖,其訟緊急。喜子水變未土財回頭克之,若能用財賄於吏書差役之屬,買得寬緩,此訟可和,以世應比和故也。
庚寅年甲申月甲子旬乙丑日に官司を占い、《震爲雷》の《雷地豫》に變ずるを得、兩卦ともに震宮に属し、本卦は六冲にして變卦は六合。上爻より初爻に至るまで順に:上六「妻財」庚戌土が世を持ち、變後も變わらず。六五「官鬼」庚申金、變後も變わらず。九四「子孫」庚午火、變後は子孫庚午火にして應の位に居る。六三「妻財」庚辰土が應と為り、變じて兄弟乙卯木。六二「兄弟」庚寅木、變じて子孫乙巳火。初九「父母」庚子水が發動し、妻財乙未土を變出して併せて世を持つ。斷語にいう、甲申月に占せば、金氣は正に旺にして官鬼の申金は令に當る。初爻の子水「父母」は案卷・文書にして、發動してまた申中の長生に遇えば、文書の來勢は極盛なり。世爻の戌土と應爻の辰土とがまた相冲せば、ゆえにこの場の官司は十分に緊急なり。幸いなるに初爻の子水が未土の妻財を化出し、回頭して來りて子水を剋住せば、文書の勢は壓住せられたり。もし錢を拿して行って書吏・差役の一流の人を打點して、一個の寬限を買い得れば、この場の官司は便ち和を講じて了結しうべし——世應は皆土に属して五行比和し、もと深仇なければなり。
庚寅年戊子月甲子旬丁卯日,占訟,得睽之歸妹。艮宮:火澤睽;兌宮:雷澤歸妹(歸魂)。伏神、本卦、變卦:父母己巳火○→兄弟庚戌土(應);妻財丙子水、兄弟己未土——子孫庚申金;子孫己酉金(世)——父母庚午火;兄弟丁丑土——兄弟丁丑土(世);官鬼丁卯木——官鬼丁卯木;父母丁巳火(應)——父母丁巳火。六爻寅官動,十一月水旺木相,卯日占,木又旺,況寅官與卯日,共克世下戌土,為三合六合,故目下事急也。父母為文案,本宮寅官,伏巳火文書下,冬月火空,而日辰生之,最急。動爻寅官,又生巳火,復刑巳火,此決官要行文書,吏欲阻而未能也。又木宮午火文書,合世下戌土,又火墓戌中,故午雖自刑,不可以文書有傷斷。
庚寅年戊子月甲子旬丁卯日に官司を占い、《火沢睽》の《雷沢歸妹》に變ずるを得た。本卦《火沢睽》は艮宮に属し、變卦《雷沢歸妹》は兌宮に属して歸魂卦。上爻より初爻に至るまで順に:上九「父母」己巳火が發動し、兄弟庚戌土を變出して應の位に居る。六五「兄弟」己未土・その下に「妻財」丙子水が伏し、變じて子孫庚申金。九四「子孫」己酉金が世を持ち、變じて父母庚午火。六三「兄弟」丁丑土、變後も仍って兄弟丁丑土にして併せて世を持つ。九二「官鬼」丁卯木、變後も變わらず。初九「父母」丁巳火が應と為り、變後も變わらず。斷語にいう、上爻が發動して本宮・艮宮の寅木「官鬼」を牽起せば、十一月は水旺にして木は相の位に居り、また卯日に逢いて課を起せば、木氣はさらに旺なり。何況やこの寅木の官鬼は占日の卯木と一齊に來りて世爻の下の戌土を剋し、寅午戌は三合を成し卯戌はまた六合を成せば、ゆえに眼下の事は十分に緊急なり。「父母」は案卷・文書を代表して、本宮の寅木官鬼は巳火の文書の下に伏す。冬月は火はもと空に落つるに、卻って卯日の木の來りてこれを生ずるを得、これに因りて文書は催すこと最も急なり。發動の寅木官鬼は既に巳火を生じまた巳火を刑せば、これに由りて官長は文書を行い發落せんと要し、而るに吏胥は中より攔阻せんと想うも攔む能わざるを斷定す。さらに説けば、變卦の属する木宮の裏の午火文書は、世爻の下の戌土と相合し、火はまた戌の中に墓すれば、ゆえに午火は自刑すと雖も、またこれに就きて文書は受傷せりと斷ずる能わざるなり。
然此文書伏卯官下受生,卻是緊急。蓋本宮官伏文書下,本宮文書伏官下,此訟必經上司衙門方得遣斷。占者曰,訟者已禁縣獄,密行賄賂,可說乎,曰不可。旁爻酉子,持世自刑,又被卯日一沖,若使人乞稟,其官愈怒也。本宮申子,又伏墓丑土下,人亦敢去說,此事必解上司,罪重難免也,後果然。
然るにこの道の文書は卯木の官鬼の下に伏してまたその生扶を受けば、正に事の催すること緊急なるを説明す。總じて本宮の官鬼は文書の下に伏し、本宮の文書はまた官鬼の下に伏して、官と文書とが互相に糾纏せば、この場の官司は必定して上級の衙門を經て乃ち斷じ下しえん。卦を問うの人がいう、官司を打つ人は已に縣獄の裏に關せられて、暗中に些かの賄賂を送りて疏通するは、説き通る可きかと。答えていう、不可なりと。旁爻の酉金「子孫」は世を持ちて自刑し、また卯日の一冲を被れば、もし人を托して哀求・禀告せしめば、あの位の官長はたださらに動怒するのみ。本宮の申金子孫はまた丑土の墓庫の下に伏して、情を説きに行く人すら出面を敢えてせざるなり。この件事は必定して上司に解送して、重罪は免れ難し。後に果たして然り。
