緇衣
子言之曰:“為上易事也,為下易知也,則刑不煩矣。”
孔子が言った。「上を為すは事え易く、下を為すは知り易ければ、刑は煩ならず。」
子曰:“好賢如緇衣,惡惡如巷伯,則爵不瀆而民作願,刑不試而民鹹服。大雅曰:‘儀刑文王,萬國作孚。’”
孔子が言った。「賢を好むこと《緇衣》のごとく、悪を悪むこと《巷伯》のごとくすれば、爵褻れずして民は謹厚に興り、刑試みずして民皆服す。《大雅》に言う。『文王に儀刑せよ、万国孚を作す。』」
子曰:“夫民,教之以德,齊之以禮,則民有格心;教之以政,齊之以刑,則民有遯心。故君民者,子以愛之,則民親之,信以結之,則民不倍,恭以蒞之,則民有孫心。甫刑曰:‘苗民匪用命,制以刑。’惟作五虐之刑曰法,是以民有惡德,而遂絕其世也。”
孔子が言った。「民は、徳をもって教え、礼をもって斉えれば、民に格心あり。政をもって教え、刑をもって斉えれば、民に遯心あり。だから民に君臨する者は、子を待つをもってこれらを愛すれば、民これを親しみ、信をもって結べば、民背かず、恭をもってこれらに臨めば、民に遜心あり。《尚書・呂刑》に言う。『苗民命を用いず、刑をもって制す。』五虐の刑を作して法と曰い、これにより民悪徳あり、ついにその世を絶つ。」
子曰:“下之事上也,不從其所令,從其所行。上好是物,下必有甚者矣。故上之所好惡不可不慎也,是民之表也。”
孔子が言った。「下が上に事えるに、その令するところに従わず、その行うところに従う。上がこの物を好めば、下には必ず甚だしき者あり。だから上の好悪は慎まざるべからず、これ民の表なり。」
子曰:“禹立三年,百姓以仁遂焉。豈必盡仁。詩云:‘赫赫師尹,民具爾瞻。’甫刑曰:‘一人有慶,兆民賴之。’大雅曰:‘成王之孚,下土之式。’”
孔子が言った。「禹が位に在ること三年、百姓は仁をもって成った。必ずしも人皆仁ならんや。《詩経・小雅・節南山》に言う。『赫赫たる師尹、民具に爾を瞻る。』《尚書・呂刑》に言う。『一人慶あり、兆民これに頼る。』《大雅》に言う。『成王の孚は、下土の式なり。』」
子曰:“上好仁,則下之為仁爭先人。故長民者,章志,貞教,尊仁,以子愛百姓,民致行己以說其上矣。詩云:‘有梏德行,四國順之。’”
孔子が言った。「上が仁を好めば、下は仁を為して人に先んずることを争う。だから民を治むる者は、志を彰め、教を正し、仁を尊び、子を待つをもって百姓を愛すれば、民は力を致して己を為して上を悦ばしむ。《詩経・大雅・抑》に言う。『正直の徳あれば、四方の国これに順う。』」
子曰:“王言如絲,其出如綸;王言如綸,其出如綍。故大人不倡遊言。可言也,不可行,君子弗言也;可行也,不可言,君子弗行也。則民言不危行,而行不危言矣。詩云:‘淑慎爾止,不■(上“侃”下“言”,同“愆”)於儀。’”
孔子が言った。「王の言は絲のごとく、出ずれば綸のごとし。王の言は綸のごとく、出ずれば綍のごとし。だから大人は游言を倡せず。言うべくして行うべからざれば、君子は言わず。行うべくして言うべからざれば、君子は行わず。すれば民の言は行に過ぎず、行は言に過ぎず。《詩経・大雅・抑》に言う。『よく汝の止を慎み、儀に愆らざれ。』」
子曰:“君子道人以言而禁人以行,故言必慮其所終而行必稽其所敝,則民謹於言而慎於行。詩云:‘慎爾出話,敬爾威儀。’大雅曰:‘穆穆文王,於緝熙敬止。’”
孔子が言った。「君子は言をもって人を導き、行をもって人を禁ず。だから言は必ずその終を慮り、行は必ずその敝を稽すれば、民は言に謹み行に慎む。《詩経・大雅・抑》に言う。『汝の出す言を慎み、汝の威儀を敬え。』《大雅》に言う。『穆穆たる文王、緝熙し敬して止するを於し。』」
子曰:“長民者,衣服不貳,從容有常,以齊其民,則民德壹。詩云:‘彼都人士,狐裘黃黃。其容不改,出言有章。行歸於周,萬民所望。’”
孔子が言った。「民を治むる者は、衣服貳なく、従容常あり、もってその民を斉えれば、民徳は壹なり。《詩経・小雅・都人士》に言う。『彼の都の人士、狐裘黄黄たり。その容改まらず、言出でて章あり。行周に帰り、万民の望むところ。』」
子曰:“為上可望而知也,為下可述而志也,則君不疑於其臣,而臣不惑於其君矣!尹吉曰:‘惟尹躬及湯,鹹有壹德。’詩云:‘淑人君子,其儀不忒。’”
孔子が言った。「上を為すは望んで知るべく、下を為すは述べて記すべければ、君は臣に疑わず、臣は君に惑わず。《尹誥》に言う。『惟伊尹および湯、咸に壹徳あり。』《詩経・曹風・鳲鳩》に言う。『善人君子、その儀忒かず。』」
子曰:“有國者章善癉惡以示民厚,則民情不貳。詩云:‘靖共爾位,好是正直。’”
孔子が言った。「国ある者は善を彰め悪を惎みて民に厚を示せば、民情貳なし。《詩経・小雅・小明》に言う。『安く恭く汝の位に居り、この正直を好め。』」
子曰:“上人疑則百姓惑,下難知則君長勞,故君民者章好以示民俗,慎惡以御民之淫,則民不惑矣。臣儀行,不重辭,不援其所不及,不煩其所不知,則君不勞矣。詩云:‘上帝闆闆,下民卒■(左“疒”右“澶”之右)。’小雅曰:‘匪其止共,惟王之邛。’”
孔子が言った。「上の人疑わば百姓惑い、下知り難ければ君長労す。だから民に君臨する者は好を章めて民俗を示し、悪を慎みて民の淫を御せば、民惑わず。臣は儀行して、辞令を貴ばず、其の至らざるところに援せず、其の知らざるところを煩わさざれば、君労せず。《詩経・大雅・板》に言う。『上帝板板たり、下民卒癉す。』《小雅》に言う。『彼の恭むところにあらず、ただ王の病を為すのみ。』」
子曰:“政之不行也,教之不成也,爵祿不足勸也,刑罰不足恥也。故上不可以褻刑而輕爵。康誥曰:‘敬明乃罰。’甫刑曰:‘播刑之不迪。’”
孔子が言った。「政の行われざる、教の成らざるは、爵禄の勧むるに足らず、刑罰の恥とするに足らざるなり。だから上は刑を褻れ爵を軽んずべからず。《尚書・康誥》に言う。『汝の罰を敬い明かにせよ。』《尚書・呂刑》に言う。『刑を播くは道による。』」
子曰:“大臣不親,百姓不寧,則忠敬不足,而富貴已過也。大臣不治,而邇臣比矣。故大臣不可不敬也,是民之表也。邇臣不可不慎也,是民之道也。君毋以小謀大,毋以遠言近,毋以內圖外,則大臣不怨,邇臣不疾,而遠臣不蔽矣。葉公之顧命曰:‘毋以小謀敗大作,毋以嬖御人疾莊言,毋以嬖御士疾莊士、大夫、卿士。’”
孔子が言った。「大臣親しまず、百姓寧ならざれば、忠敬足らずして、富貴すでに過ぎたり。大臣治まらざれば、邇臣比す。だから大臣は敬せざるべからず、これ民の表なり。邇臣は慎まざるべからず、これ民の道なり。君は小臣をもって大臣と謀ることなく、遠臣をもって邇臣と言うことなく、内をもって外と謀ることなくすれば、大臣怨まず、邇臣疾まず、遠臣蔽われず。葉公の顧命に曰く。『小謀をもって大作を敗ることなく、嬖人をもって莊言を疾むことなく、嬖士をもって莊士・大夫・卿士を疾むことなく。』」
子曰:“大人不親其所賢而信其所賤,民是以親失,而教是以煩。詩云:‘彼求我則,如不我得。執我仇讎,亦不我力。君陳曰:‘未見聖,若已弗克見。既見聖,亦不克由聖。’”
孔子が言った。「大人は其の賢とするところを親しまずして其の賤とするところを信ずれば、民これにより親むべきを失い、教これにより煩なり。《詩経・小雅・正月》に言う。『彼の我を求むるや、得ざらんことを恐るるがごとし。我を得ては仇み、亦た我が力を用いず。』《尚書・君陳》に言う。『未だ聖を見ず、己が見る能わざるがごとし。已に聖を見るも、亦た聖に従う能わず。』」
子曰:“小人溺於水,君子溺於口,大人溺於民,皆在其所褻也。夫水近於人而溺人;德易狎而難親也,易以溺人;口費而煩,易出難悔,易以溺人;夫民閉於人而有鄙心,可敬不可慢,易以溺人。故君子不可以不慎也。太甲曰:‘毋越厥命,以自覆也。若虞機張,往省括於厥度則釋。’兌命曰:‘惟口起羞,惟甲冑起兵,惟衣裳在笥,惟干戈省厥躬。’太甲曰:‘天作孽,可違也。自作孽,不可以以逭。’尹吉曰:‘惟尹躬天見於西邑夏,自周有終,相亦惟終。’”
孔子が言った。「小人は水に溺れ、君子は口に溺れ、大人は民に溺る、皆其の褻るところに在り。水は人に近くして人を溺れさす。徳は狎れ易くして親しみ難く、易くして人を溺れさす。口は費して煩、易くして出で難くして悔い、易くして人を溺れさす。民は人情に閉じて鄙心あり、敬すべくして慢すべからず、易くして人を溺れさす。だから君子は慎まざるべからず。《尚書・太甲》に言う。『其の命を越することなく、自ら覆うことなかれ。虞人の弩機張りて、往きて括の度に於るを省みて釈つがごとし。』《尚書・說命》に言う。『惟口は羞を起こし、惟甲冑は戎を起こし、惟衣裳は笥に在り、惟干戈は厥躬を省す。』《尚書・太甲》に言う。『天の作す災は避くべし、自ら作す災は逭るべからず。』《尹誥》に言う。『惟尹躬まず西邑夏に見え、自ら終あり、相も亦た終あり。』」
子曰:“民以君為心,君以民為體。心莊則體舒,心肅則容敬,心好之身必安之。君好之,民必欲之。心以體全,亦以體傷。君以民存,亦以民亡。詩云:‘昔吾有先正,其言明且清。國家以寧,都邑以成,庶民以生。誰能秉國成,不自為正,卒勞百姓。’君雅曰:‘夏日暑雨,小民惟曰怨。資冬祁寒,小民亦惟曰怨。’”
孔子が言った。「民は君をもって心と為し、君は民をもって体と為す。心荘なれば体舒、心肅なれば容敬す。心の好むところ、身は必ずこれに安んず。君の好むところ、民は必ずこれを欲す。心は体をもって全うし、亦た体をもって傷る。君は民をもって存し、亦た民をもって亡ぶ。《詩経》に言う。『昔我先に正あり、その言明にして清し。国家これによりて寧、都邑これによりて成り、庶民これによりて生く。孰か国の成を執る能く、自ら正を為さざれば、卒に百姓を労す。』《君雅》に言う。『夏日の暑雨、小民ただ怨みん。冬の大きに寒きに至りて、小民亦たただ怨みん。』」
子曰:“下之事上也,身不正、言不信則義不壹、行無類也。”
孔子が言った。「下が上に事えるに、身正しからず、言信ならざれば義壹ならず、行に類なし。」
子曰:“言有物而行有格也,是以生則不可奪志,死則不可奪名。故君子多聞,質而守之。多志,質而親之。精知,略而行之。君陳曰:‘出入自爾師虞,庶言同。’詩云:‘淑人君子,其儀一也。’”
孔子が言った。「言に実あり行に格あれば、生きるには志を奪うべからず、死しては名を奪うべからず。だから君子は多く聞きて質して守り、多く識りて質して親しみ、知に精し略して行う。《尚書・君陳》に言う。『出入は自ら爾師虞り、庶言同なれば則ち繹す。』《詩経・曹風・鳲鳩》に言う。『善人君子、その儀一なり。』」
子曰:“唯君子能好其正,小人毒其正。故君子之朋友有鄉,其惡有方。是故邇者不惑而遠者不疑也。詩云:‘君子好仇。’”
孔子が言った。「ただ君子のみ能く其の正を好み、小人は其の正を毒む。だから君子の朋友に郷あり、其の悪に方あり。だから邇き者惑わず遠き者疑わず。《詩経》に言う。『君子は匹を好む。』」
子曰:“輕絕貧賤而重絕富貴,則好賢不堅而惡惡不著也,人雖曰不利,吾不信也。詩云:‘朋友攸攝,攝以威儀。’”
孔子が言った。「貧賤と絶するを輕くして富貴と絶するを重くすれば、賢を好むこと篤からず悪を悪むこと著ならず。人たとえ利のためならずと言うも、我は信ぜず。《詩経・大雅・既醉》に言う。『朋友攸く攝し、威儀をもって攝す。』」
子曰:“私惠不歸德,君子不自留焉。詩云:‘人之好我,示我周行。’”
孔子が言った。「私惠は徳に帰せず、君子は自ら留めず。《詩経・小雅・鹿鳴》に言う。『人我を好み、我に周行を示す。』」
子曰:“苟有車,必見其軾。苟有衣,必見其敝。人苟或言之,必聞其聲。苟或行之,必見其成。葛覃曰:‘服之無射。’”
孔子が言った。「車あらば必ず其の軾を見、衣あらば必ず其の敝を見、人あれば言あれば必ず其の声を聞く。行あらば必ず其の成を見る。《葛覃》に言う。『服して厭かず。』」
子曰:“言從而行之,則言不可飾也;行從而言之,則行不可飾也。故君子寡言而行以成其信,則民不得大其美而小其惡。詩云:‘白圭之玷,尚可磨也。斯言之玷,不可為也。’小雅曰:‘允也君子,展也大成。’君奭曰:‘昔在上帝,周田觀文王之德,其集大命於厥躬。’”
孔子が言った。「言が行に従えば、言は文めずべからず。行が言に従えば、行は文めずべからず。だから君子は言を寡くして行をもって其の信を成せば、民は其の美を大にし其の悪を小にする能わず。《詩経・大雅・抑》に言う。『白圭の玷は尚磨くべし、此の言の玷は為すべからず。』《小雅》に言う。『允矣君子、展也大成。』《尚書・君奭》に言う。『昔上帝に在りて、周田觀して文王の徳を観、集めて大命を其の身に在らしむ。』」
子曰:“南人有言曰:‘人而無恆,不可以為卜筮。’古之遺言,與龜筮猶不能知也,而況於人乎?詩云:‘我龜既厭,不我告猶。’兌命曰:‘爵無及惡德民,立而正事,純而祭祀,是為不敬。事煩則亂,事神則難。’易曰:‘不恆其德,或承之羞。恆其德偵,婦人吉,夫子兇。’”
孔子が言った。「南人言あり。『人にして恒なくば、卜筮を為すべからず。』古の遺言なり。亀筮に猶能く知らざる、況んや人をや。《詩経・小雅・小旻》に言う。『我が亀すでに厭き、我に謀を告げず。』《尚書・說命》に言う。『爵は悪徳の民に及ぼすことなく、立てて事を正しくし、黙して祭祀せば、これ敬ならず。事煩なれば乱れ、神に事え難し。』《周易・恒》に言う。『其の徳を恒ならざれば、或いは羞を承く。其の徳を恒にして貞すれば、婦人は吉、男子は凶。』」
奔喪
奔喪之禮,始聞親喪,以哭荅使者盡哀。問故,又哭盡哀。遂行,日行百里,不以夜行。唯父母之喪,見星而行,見星而舍。若未得行,則成服而後行。過國至竟哭,盡哀而止。哭闢市朝,望其國竟哭。至於家,入門左,升自西階,殯東,西面坐,哭盡哀。括髮袒,降堂東即位,西鄉哭,成踴,襲絰於序東,絞帶反位,拜賓成踴。送賓,反位。有賓後至者,則拜之成踴。送賓皆如初。眾主人兄弟皆出門,出門哭止,闔門相者告就次。於又哭,括髮袒成踴。於三哭,猶括髮袒成踴。三日成服,拜賓送賓皆如初。
奔喪の礼:親の喪を聞き初めて、哭をもって使いに答え、哀を尽くす。故を問い、また哭して哀を尽くす。すなわち路に就き、日行百里、夜行を為さず。ただ父母の喪のみ、星を見て行き、星を見て宿る。未だ行く能わざれば、服を成して後行く。国を過ぎて境に至りて哭し、哀を尽くして止む。哭するに市朝を辟け、其の国の境を望見れば哭す。家に至り、門の左より入り、西階より升り、殯の東に在りて、西面して坐し、哭して哀を尽くす。麻にて括髪・袒し、堂を下りて東に在りて位に就き、西面して哭し、踊を成す。序東に於いて絰・絞帯を加え、位に復り、賓を拝し踊を成す。賓を送り、位に復る。賓の後至る者あれば、則ちこれを拝し踊を成す。賓を送ること皆如初めのごとし。衆主人・兄弟皆門を出、門を出て哭止み、門を闔ぐ。相者告げて倚廬に就く。明日に再び哭するに麻にて括髪・袒し、踊を成す。明日三たび哭し、亦た麻にて括髪・袒し、踊を成す。三日にして服を成し、賓を拝し賓を送ること皆如初めのごとし。
奔喪者非主人,則主人為之拜賓送賓。奔喪者自齊衰以下,入門左,中庭北面,哭盡哀。免麻於序東,即位袒,與主人哭成踴。於又哭三哭,皆免袒。有賓,則主人拜賓送賓。丈夫婦人之待之也,皆如朝夕哭位,無變也。
奔喪の者主人にあらざれば、則ち主人これに為に賓を拝し送る。奔喪の者は斉衰以下より、門の左より入り、中庭に在りて北面し、哭して哀を尽くす。序東に於いて免・麻し、位に就き袒し、主人と哭し踊を成す。明日・又明日に哭するに、皆免・袒す。賓あれば、則ち主人賓を拝し賓を送る。男・婦人のこれを待つは、皆朝夕哭の位のごとく、変わることなし。
奔母之喪,西面哭盡哀,括髮袒,降堂東即位,西鄉哭成踴,襲免絰於序東。拜賓送賓,皆如奔父之禮。於又哭不括髮。
母の喪に奔るは、西面して哭し哀を尽くし、麻にて括髪・袒し、堂を下りて東に在りて位に就き、西面して哭し踊を成し、序東に於いて免・絰を加える。賓を拝し賓を送るは、皆奔父の礼のごとし。明日に哭するに麻括髪せず。
婦人奔喪,升自東階,殯東,西面坐,哭盡哀。東髽即位,與主人拾踴。
婦人の奔喪は、東階より升り、殯の東に在りて、西面して坐し、哭して哀を尽くす。東に於いて髽を為して位に就き、主人と相踊る。
奔喪者不及殯,先之墓,北面坐,哭盡哀。主人之待之也,即位於墓左,婦人墓右,成踴盡哀。括髮,東即主人位,絰絞帶,哭成踴。拜賓,反位成踴。相者告事畢,遂冠。歸入門左,北面哭盡哀,括髮袒,成踴,東即位,拜賓成踴。賓出,主人拜送。有賓後至者,則拜之成踴。送賓如初,眾主人兄弟皆出門,出門哭止,相者告就次。於又哭,括髮成踴。於三哭,猶括髮成踴。三日成服。於五哭,相者告事畢。為母所以異於父者,壹括髮,其餘免以終事。他如奔父之禮。
奔喪の者殯に及ばざれば、先ず墓に之き、北面して坐し、哭して哀を尽くす。主人のこれを待つは、墓の左に位し、婦人は墓の右に位し、踊を成し哀を尽くす。麻にて括髪し、東に於いて主人の位に就き、絰・絞帯を加え、哭して踊を成す。賓を拝し、位に復りて踊を成す。相者告げて事畢わり、すなわち冠す。家に帰りて門の左より入り、北面して哭し哀を尽くし、麻にて括髪・袒し、踊を成し、東に於いて位に就き、賓を拝し踊を成す。賓出ずれば、主人拝送す。賓の後至る者あれば、則ちこれを拝し踊を成す。賓を送ること如初め。衆主人・兄弟皆門を出、門を出て哭止み、相者告げて倚廬に就く。明日に哭するに麻にて括髪し踊を成す。明日三たび哭し、亦た麻にて括髪し踊を成す。三日にして服を成す。五哭に至りて、相者告げて事畢わる。母の為と父の為と異なるは、麻括髪すること一たびのみ、餘は事の終わるまで免を行う。其の他は奔父の礼のごとし。
齊衰以下,不及殯,先之墓,西面哭盡哀。免麻於東方,即位,與主人哭成踴,襲。有賓,則主人拜賓送賓。賓有後至者,拜之如初。相者告事畢,遂冠。歸入門左,北面哭盡哀,免袒成踴。東即位,拜賓成踴。賓出,主人拜送。於又哭,免袒成踴。於三哭,猶免袒成踴。三日成服。於五哭,相者告事畢。
斉衰以下、殯に及ばざれば、先ず墓に之き、西面して哭し哀を尽くす。東方に於いて免・麻し、位に就き、主人と哭し踊を成し、衣を襲う。賓あれば、則ち主人賓を拝し賓を送る。賓の後至る者あれば、これを拝すること如初め。相者告げて事畢わり、すなわち冠す。家に帰りて門の左より入り、北面して哭し哀を尽くし、免・袒し、踊を成し、東に於いて位に就き、賓を拝し踊を成す。賓出ずれば、主人拝送す。明日に哭するに免・袒し踊を成す。明日三たび哭し、亦た免・袒し踊を成す。三日にして服を成す。五哭に至りて、相者告げて事畢わる。
聞喪不得奔喪,哭盡哀。問故,又哭盡哀。乃為位,括髮袒成踴,襲絰絞帶即位,拜賓,反位成踴。賓出主人拜送於門外,反位。若有賓後至者,拜之成踴,送賓如初。於又哭,括髮袒成踴。於三哭,猶括髮袒成踴。三日成服。於五哭,拜賓送賓如初。
喪を聞きて奔喪する能わざれば、哭して哀を尽くす。故を問い、又哭して哀を尽くす。すなわち位を設け、麻にて括髪・袒し、踊を成し、絰・絞帯を加えて位に就き、賓を拝し、位に復りて踊を成す。賓出ずれば、主人門の外に於いて拝送し、位に復る。若し賓の後至る者あれば、これを拝し踊を成し、賓を送ること如初め。明日に哭するに麻にて括髪・袒し、踊を成す。明日三たび哭し、亦た麻にて括髪・袒し、踊を成す。三日にして服を成す。五哭に至りて、賓を拝し賓を送ること如初め。
若除喪而後歸,則之墓,哭成踴,東括髮袒絰,拜賓成踴。送賓反位,又哭盡哀,遂除。於家不哭。主人之待之也,無變於服,與之哭不踴。
若し喪服を除いて後歸れば、墓に之き、哭して踊を成し、東に於いて麻にて括髪・袒し絰を加え、賓を拝し踊を成す。賓を送り位に復り、又哭して哀を尽くし、すなわち除く。家に在りては哭せず。主人のこれを待つは、喪服変わらず、これと哭して踊せず。
自齊衰以下,所以異者免麻。
斉衰以下より、異なるは免・麻を行う。
凡為位,非親喪,齊衰以下,皆即位,哭盡哀,而東免絰即位,袒成踴,襲。拜賓反位,哭成踴。送賓反位,相者告就次。三日五哭卒。主人出送賓,眾主人兄弟皆出門,哭止。相者告事畢,成服拜賓,若所為位。家遠,則成服而往。
凡そ位を設くるに、至亲の喪にあらざれば、斉衰以下皆位に就き、哭して哀を尽くし、然る後東に於いて免・絰して位に就き、袒して踊を成し、衣を襲う。賓を拝し位に復り、哭して踊を成す。賓を送り位に復り、相者告げて倚廬に就く。三日にして五哭すれば止む。主人出でて賓を送り、衆主人・兄弟皆門を出、哭止む。相者告げて事畢わり、服を成し賓を拝すること、設けたる位のごとし。家遠ければ、服を成して後往く。
齊衰望鄉而哭,大功望門而哭,小功至門而哭,緦麻即位而哭。
斉衰は郷を望見れば哭し、大功は門を望見れば哭し、小功は門に至りて哭し、緦麻は位に就きて哭す。
哭父之黨於廟,母妻之黨於寢,師於廟門外,朋友于寢門外。所識於野,張帷,凡為位不奠。哭,天子九,諸侯七,卿大夫五,士三。大夫哭諸侯,不敢拜賓。諸臣在他國,為位而哭,不敢拜賓。與諸侯為兄弟,亦為位而哭。凡為位者壹袒。
父の族黨を哭するは廟にて、母・妻の族黨は寝にて、師は廟門の外にて、朋友は寝門の外にて哭す。識る所の者は野外にて、帷を張る。凡そ位を設くるに奠を設けず。哭するに、天子は九、諸侯は七、卿大夫は五、士は三。大夫の諸侯を哭するは、賓を拝するを敢えてせず。諸臣別国に在るは、位を設けて哭し、賓を拝するを敢えてせず。諸侯と兄弟なるも、亦た位を設けて哭す。凡そ位を設くる者は袒すること一たび。
所識者吊,先哭於家而後之墓,皆為之成踴,從主人北面而踴。凡喪,父在,父為主,父沒,兄弟同居,各主其喪。親同,長者主之。不同,親者主之。
識る所の者の弔うは、先ず家に於いて哭し、後墓に之き、皆これに為に踊を成し、主人に従い北面して踊る。凡そ喪事、父在れば父主人と為り、父亡くして兄弟同居すれば、各々其の喪を主る。親同じければ、長き者これを主り、同じからざれば、最も親しき者これを主る。
聞遠兄弟之喪,既除喪而後聞喪,免袒成踴,拜賓則尚左手。
遠方の兄弟の喪を聞くに、已に喪服を除きて後聞けば、免・袒し、踊を成し、賓を拝すれば則ち左手を上にす。
無服而為位者,唯嫂叔。及婦人降而無服者麻。
喪服なくして位を設くるは、ただ嫂叔のみ。及び婦人の降して喪服なき者は麻を用いる。
凡奔喪,有大夫至,袒拜之,成踴而後襲。於士,襲而後拜之。
凡そ奔喪に、大夫至るあらば、袒してこれを拝し、踊を成して後衣を襲う。士に於いては、衣を襲いて後これを拝す。
