曲礼
《曲礼》にいう:敬しないことがあってはならず、厳かに思索しているようであり、言辞を安定的にすれば、民を安んずることができるのである。
儒家典籍
初学は四書から入るのがよい。大学が綱を立て、論語が言を記し、孟子が展開し、中庸が収束する。続いて詩経・尚書・礼記と春秋三伝へ。荀子・春秋繁露・近思録・伝習録は、経学の外で儒学がどう語られてきたかを見る几道である。
曲禮曰:毋不敬,儼若思,安定辭,安民哉!
《曲礼》にいう:敬しないことがあってはならず、厳かに思索しているようであり、言辞を安定的にすれば、民を安んずることができるのである。
敖不可長,欲不可從,志不可滿,樂不可極。
傲慢は伸長させてはならず、欲望は放纵してはならず、志は自满してはならず、楽しみは極端に走ってはならない。
賢者狎而敬之,畏而愛之,愛而知其惡,憎而知其善,積而能散,安安而能遷,臨財毋苟得,臨難毋苟免,很毋求勝,分毋求多,疑事毋質,直而勿有。
賢者には親しみつつ敬い、畏れつつ愛し、愛しながらその悪を知り、憎みながらその善を知り、蓄えては散じ、安きに安んじて能く迁り、財に臨んで苟に得ず、難に臨んで苟に免れず、争いには勝を求めず、分けには多くを求めず、疑わしい事には妄りに断定せず、正しくあっても功を自居しない。
若夫坐如屍,立如齊,禮從宜,使從俗。
さて坐るには尸のように端正にし、立つには斎戒のように敬慎し、礼は宜しきに従い、使いは俗に従う。
夫禮者,所以定親疏、決嫌疑、別同異、明是非也。
礼とは、親疎を定め、嫌疑を決し、同異を別ち、是非を明らかにするためのものである。
禮不妄說人,不辭費。禮不踰節,不侵侮,不好狎。
礼は妄りに人を悦ばせず、費える言をも言わない。礼は節を踰えず、侵侮せず、狎れを好まない。
修身踐言,謂之善行;行修言道.禮之質也。
身を修め言を践むを善行と謂い、行い修まり言が道に合うのが礼の質である。
禮聞取於人,不聞取人。禮聞來學,不聞往教。
礼は人から取法するとは聞くが、礼を人に強いるとは聞かない。礼は学びに来るとは聞くが、教えに赴くとは聞かない。
道德仁義,非禮不成;教訓正俗,非禮不備;分爭辨訟,非禮不決;君臣、上下、父
道・徳・仁・義は、礼なくして成し遂げられず、教訓し俗を正すには、礼なくして備わらず、争い・訴訟を分ち決するには、礼なくして断ぜられず、君臣・上下・父
子、兄弟,非禮不定;宦學事師,非禮不親;班朝治軍,蒞官行法,非禮威嚴不行;禱
子・兄弟は、礼なくして定まらず、官を宦し学び師に事えるには、礼なくして親しまず、朝廷を班列し軍を治め官に臨み法を行うには、礼なくして威厳が行われず、祷
祠、祭祀、供給鬼神,非禮不誠不莊。是以君子恭敬撙節,退讓以明禮。鸚鵡能言,不離飛鳥,猩猩能言,不離禽獸,今人而無禮,雖能言,不亦禽獸之心乎?夫唯禽獸無禮,故父子聚麀,是故聖人作,為禮以教人,使人以有禮,知自別於禽獸。
祠・祭祀・鬼神への供給は、礼なくして誠なく荘厳でない。それゆえ君子は恭敬・撙節・退让をもって礼を明らかにする。鸚鵡は能く言うも、なお飛鳥を離れず、猩猩は能く言うも、なお禽獣を離れない。いま人に礼がなければ、たとえ能く言うとも、禽獣の心ではないか。ただ禽獣に礼がないがゆえに、父子が一の雌を共にする。それゆえ聖人が起こり、礼を作して人を教え、人をして礼を有らしめ、自ら禽獣と別れるを知らしめたのである。
太上貴德,其次務施報。禮尚往來,往而不來,非禮也,來而不往,亦非禮也。
上古は徳を重んじ、その次は施しと報いに専ら力めた。礼は往来を尚び、往いて来たらざるは礼にあらず、来たりて往かざるも礼にあらず。
人有禮則安,無禮則危,故曰:禮者不可不學也。
人は礼があれば安く、礼がなければ危うし。故にいう、礼は学ばざるべからずと。
夫禮者,自卑而尊人,雖負販者必有尊也,而況富貴乎?
礼とは、自ら卑下して人を敬うこと。荷担して販売する者でさえ必ず敬うべきところがある。まして富貴の者においてをや。
富貴而知好禮,則不驕不淫;貧賤而知好禮,則志不懾。
富貴にして礼を好むを知れば、驕らず淫らず、貧賤にして礼を好むを知れば、志が畏怯しない。
人生十年曰幼,學。二十曰弱冠。三十曰壯,有室。四十曰強,而仕。五十曰艾,服官政。六十曰耆,指使。七十曰老,而傳。八十九十曰耄,七年曰悼,悼與耄,雖有罪,不加刑焉。百年曰期頤。大夫七十而致事,若不得謝,則必賜之几杖,行役以婦人,適四方,乘安車,自稱曰老夫,於其國則稱名,越國而問焉,必告之以其制。
人生十年を幼と謂い、学びを始める。二十を弱と謂い、冠礼を行う。三十を壮と謂い、家室を有す。四十を強と謂い、出仕する。五十を艾と謂い、官政を担う。六十を耆と謂い、人を指使する。七十を老と謂い、家事を伝える。八十・九十を耄と謂い、七歳を悼と謂う。悼と耄は、たとえ罪があっても刑を加えない。百年を期と謂い、頤養する。大夫は七十にして致仕し、もし辞謝できなければ、必ず几杖を賜い、出行には婦人を役に従え、四方に赴くには安車に乗り、自ら老夫と称し、本国では名を称し、他国を越えて問うて来た者には、必ずその制度を告げる。
謀於長者,必操几杖以從之。長者問,不辭讓而對,非禮也。
長者と謀るときは、必ず几杖を執って従う。長者が問うて、辞让せず対答するは礼にあらず。
凡為人子之禮,冬溫而夏凊,昏定而晨省,在醜夷不爭。
およそ人の子たるの礼は、冬には父母を温かくし、夏には清涼にし、黄昏に被席を安んじ、朝に省視し、同輩の中で争わない。
夫為人子者,三賜不及車馬,故州閭鄉黨稱其孝也,兄弟親戚稱其慈也,僚友稱其弟也,執友稱其仁也,交遊稱其信也。見父之執,不謂之進,不敢進,不謂之退,不敢退,不問不敢對,此孝子之行也。
人の子たるは、三度賜命されてもなお車馬に至らず、それゆえ州閭・郷党は彼を孝と称し、兄弟・親戚は慈と称し、同僚は悌と称し、志同の友は仁と称し、交游は信と称す。父の摯友を見て、進めと言われなければ敢えて進まず、退けと言われなければ敢えて退かず、問われなければ敢えて対答しない。これが孝子の行いである。
夫為人子者,出必告,反必面,所遊必有常,所習必有業,恆言不稱老。年長以倍則父事之,十年以長則兄事之,五年以長則肩隨之。群居五人,則長者必異席。
人の子たるは、出で行くに必ず告げ、返るに必ず面見し、游ぶ所には常があり、習う所には業があり、平素の言には老を称さない。年が倍する者には父のごとく事え、十歳長じる者には兄のごとく事え、五歳長じる者には肩を並べて少し後に随う。五人が群居すれば、長者には必ず別の席を設ける。
為人子者,居不主奧,坐不中席,行不中道,立不中門,食饗不為概,祭祀不為屍,聽於無聲,視於無形,不登高,不臨深,不苟訾,不苟笑。
人の子たるは、居るに屋の西南隅に当たらず、坐るに席の中央に当たらず、行くに路の中央に当たらず、立つに門の中央に当たらず、食飨に限量を為さず、祭祀に尸を充てず、声なきに聴き、形なきに見、高きに登らず、深きに臨まず、苟に毁訾せず、苟に嬉笑しない。
孝子不服闇,不登危,懼辱親也。父母存,不許友以死,不有私財。
孝子は暗き所で事を為さず、危険な所に登らず、双亲を辱めるを恐れるがゆえである。父母在れば、友のために死を許さず、私財を有しない。
為人子者,父母存,冠衣不純素,孤子當室,冠衣不純採。
人の子たるは、父母在れば、冠と衣に白の縁を用いず、孤子が家室を主るときは、冠と衣に彩色の縁を用いない。
幼子常視毋誑,童子不衣裘裳,立必正方,不傾聽。長者與之提攜,則兩手奉長者之
幼子には常に欺かぬを示し、童子は裘裳を着せず、立てば必ず正しく方に向き、側って聴かない。長者が手を携えれば、両手で長者の
手,負劍辟咡詔之,則掩口而對。
手を捧げ、長者が旁側から俯首して告げれば、口を掩うて対答する。
從於先生,不越路而與人言。遭先生於道,趨而進,正立拱手,先生與之言則對,不與之言則趨而退。從長者而上丘陵,則必鄉長者所視,登城不指,城上不呼。將適舍,求毋固。將上堂,聲必揚。戶外有二屨,言聞則入,言不聞則不入。將入戶,視必下,入戶奉扃,視瞻毋回,戶開亦開,戶闔亦闔。有後入者,闔而勿遂。毋踐屨,毋踖席,摳衣趨隅,必慎唯諾。
先生に従うときは、路を越えて人と語らない。道で先生に遇えば、快步で前に進み、正しく立ち拱手し、先生が語れば対答し、語らなければ快步で退く。長者に従い丘陵に登れば、必ず長者の視る方に向かう。城に登れば指さず、城上で呼喊しない。人の館舎に至らんとするときは、求むるに固執しない。堂に上がらんとするときは、声を必ず揚げる。門外に二双の鞋があれば、言を聞いて入り、言を聞かなければ入らない。戸に入らんとするときは、目を必ず下に向け、戸に入れば門闩を捧げ、瞻視を回転させず、門が開いていれば開いたままにし、門が閉じていれば閉じたままにする。後に入る者あれば、閉じても固く閉じない。人の鞋を踏まず、席位を跨越せず、衣襟を提げて隅に趨り、対答に必ず慎しむ。
大夫士出入君門,由闑右,不踐閾。
大夫・士が君門を出入するには、門橛の右を行き、門限を踏まない。
凡與客入者,每門讓於客,客至於寢門,則主人請入為席,然後出迎客,客固辭,主人肅客而入。主人入門而右,客入門而左,主人就東階,客就西階。客若降等,則就主人之階,主人固辭,然後客復就西階。主人與客讓登,主人先登,客從之,拾級聚足,連步以上。上於東階,則先右足,上於西階,則先左足。
およそ客とともに入るときは、門ごとに客に譲る。客が寝門に至れば、主人は先に入りて席を布くを請い、然る後に出でて客を迎える。客は再三辞让し、主人は客を導いて入る。主人は門に入り右に向かい、客は門に入り左に向かい、主人は東階に就き、客は西階に就く。客が降等する者ならば、主人の階に就き、主人は再三辞让し、然る後に客は再び西階に就く。主人と客は階を登るを謙譲し、主人が先に登り、客が従い、一級ごとに足を並べ、連步して上がる。東階を上がれば先ず右足を出し、西階を上がれば先ず左足を出す。
帷薄之外不趨,堂上不趨,執玉不趨。堂上接武,堂下布武,室中不翔,並坐不橫肱。授立不跪,授坐不立。
帷薄の外では快步せず、堂上では快步せず、玉を執れば快步しない。堂上は足跡を接し、堂下は足跡を分かち、室中は臂を張って歩かず、並坐は胳膊を横たえない。立てる者に授けるに自ら跪かず、坐せる者に授けるに自ら立たない。
凡為長者糞之禮,必加帚於箕上,以袂拘而退,其塵不及長者,以箕自鄉而扱之。
およそ長者のために掃除するの礼は、必ず帚を箕の上に置き、衣袖をもって遮って退き、塵が長者に及ばないようにし、箕口を自らに向けて収取する。
奉席如橋衡,請席何鄉,請衽何趾。席南鄉北鄉,以西方為上,東鄉西鄉,以南方為上。
席を捧ぐるには橋衡のように横平にし、席の向かう方を問い、卧席の足の向かう辺を問う。席が南・北に向かうときは西方を上とし、東・西に向かうときは南方を上とする。
若非飲食之客,則布席。席間函丈,主人跪正席,客跪撫席而辭,客徹重席,主人固辭,客踐席,乃坐。主人不問,客不先舉。將即席,容毋怍,兩手摳衣,去齊尺,衣毋撥,足毋蹶。
飲食の客でなければ、席を鋪く。席と席の間は一丈を容れ、主人は跪いて席を正し、客は跪いて席を撫でて辞する。客が重ねた席を撤去し、主人は再三辞让する。客が席を踏み、乃ち坐す。主人が問わなければ、客は先に発言しない。席に就かんとするときは、面容を改変せず、両手で衣襟を提げ、地を離れること一尺、衣服を擺動させず、足を跌绊させない。
先生書策琴瑟在前,坐而遷之,戒勿越。虛坐盡後,食坐盡前。坐必安,執爾顏,長者不及,毋儳言,正爾容,聽必恭,毋剿說,毋雷同,必則古昔,稱先王。
先生の書冊・琴瑟が前にあれば、坐してそれを搬き開け、跨越せぬを戒める。空坐は尽く後にし、食坐は尽く前にする。坐は必ず安穏にし、なんじの面容を持守せよ。長者の説き及ばざるに、話を插さない。なんじの儀容を端正にし、聴くに必ず恭敬し、人の言を抄襲せず、雷同せず、必ず古昔に取法し、先王を称引せよ。
侍坐於先生,先生問焉,終則對,請業則起,請益則起。父召無諾,先生召無諾,唯而起。
先生の傍に侍坐するとき、先生が問えば、説き終わるを待って対答する。学業を請教すれば起ち、再び講じるを請えば起つ。父が喚ぶに「諾」と言わず、先生が喚ぶに「諾」と言わず、ただ「唯」と言って起つ。
侍坐於所尊,敬毋餘席,見同等不起,燭至起,食至起,上客起,燭不見跋,尊客之前不叱狗,讓食不唾。
敬する所の人の傍に侍坐するには、敬して空席を留めない。同等の者が来て起立せず、燭が来れば起立し、食が来れば起立し、上客が来れば起立する。燭の根部を見ず、尊客の前で狗を呵斥せず、食を推譲して唾を吐かない。
侍坐於君子,君子欠伸,撰杖屨,視日蚤莫,侍坐者請出矣。
君子の傍に侍坐するとき、君子が欠伸び・伸懒腰し、杖と鞋を取り、日の早晚を見れば、侍坐の者は退出を請う。
侍坐於君子,君子問更端,則起而對。
君子の傍に侍坐するとき、君子が他の一事を問えば、起ちて対答する。
侍坐於君子,若有告者曰:少間願有復也,則左右屏而待。
君子の傍に侍坐するとき、もし人が来て告げて「少し隙あらば再び禀報せん」と言えば、左右の者は退避して待つ。
毋側聽,毋噭應,毋淫視,毋怠荒,遊毋倨,立毋跛,坐毋箕,寢毋伏,斂發毋髢,冠毋免,勞毋袒,暑毋褰裳。
側って聴くな、高声に応答するな、目を流蕩させるな、怠惰に放荒するな。歩くに倨傲するな、立つに偏跛するな、坐るに両腿を箕のごとく張るな、卧るに俯せるな。髪を斂めて假发のごとく垂らすな、冠を免ぐるな、労作に袒露するな、暑熱に下裳を撩くな。
侍坐於長者,屨不上於堂,解屨不敢當階。就屨,跪而舉之,屏於側。鄉長者而屨,跪而遷屨,俯而納屨。
長者の傍に侍坐するとき、鞋は堂に上げず、鞋を脱ぐに敢えて階に正対しない。鞋を穿くに、跪いてそれを取り、側面に退避する。長者に向かって鞋を穿くに、跪いて鞋を迁かし、俯身して鞋に納れる。
離坐離立,毋往參焉,離立者不出中間。
人が分かれて坐し、分かれて立つに、前に進みて参与するな。分かれて立つ者、その中間から出ずるな。
男女不雜坐,不同椸枷,不同巾櫛,不親授。
男女は混雑して坐せず、衣架を共にせず、巾梳を共にせず、手を親しく授受しない。
嫂叔不通問,諸母不漱裳。
嫂と叔は問いを通じず、庶母は下裳を洗わない。
外言不入於捆,內言不出於捆。
外の言は内門の限に入らず、内の言は内門の限から出ない。
女子許嫁,纓,非有大故不入其門。
女子が嫁を許されば、纓を繋け、大故なくんばその門に入らない。
姑、姊、妹、女子子,已嫁而反,兄弟弗與同席而坐,弗與同器而食。
姑・姉・妹・己の女児が、すでに嫁して返り来れば、兄弟は彼女と同席せず、同器で食しない。
父子不同席。
父子は同席しない。
男女非有行媒,不相知名,非受幣,不交不親。
男女は媒人の往来なくんば、互いに名字を知らず、聘幣を受けずんば、交わらず親しまない。
故日月以告君,齊戒以告鬼神,為酒食以召鄉黨僚友,以厚其別也。
それゆえ日月をもって君に告げ、斎戒をもって鬼神に告げ、酒食を備えて郷党・僚友を召請し、その分別を厚くするのである。
取妻不取同姓,故買妾不知其姓則卜之。
妻を娶るに同姓を娶らず、それゆえ妾を買うにその姓を知らなければ卜に問う。
寡婦之子,非有見焉,弗與為友。
寡婦の子は、見識ある者でなければ、彼と朋友を為さない。
賀取妻者曰:某子使某,聞子有客,使某羞。
妻を娶るを賀する者は言う、「某子が某を遣わし、聞くに君に客あり、某を遣わして菜肴を送上す」と。
貧者不以貨財為禮,老者不以筋力為禮。
貧しき者は貨財をもって礼を為さず、老いたる者は筋力をもって礼を為さない。
名子者,不以國,不以日月,不以隱疾,不以山川。
子に名を取るに、国名を用いず、日月を用いず、暗疾を用いず、山川を用いない。
男女異長,男子二十,冠而字。父前子名,君前臣名。女子許嫁,笄而字。
男女は分かれて長幼を排す。男子は二十歳にして冠礼を行い字を取る。父の前では子は名を称し、君の前では臣は名を称す。女子が嫁を許されば、笄礼を行い字を取る。
凡進食之禮,左殽右胾。食居人之左,羹居人之右。膾炙處外,醯醬處內,蔥渿處末,酒漿處右。以脯修置者,左朐右末。客若降等,執食興辭,主人興辭於客,然後客坐。主人延客祭,祭食,祭所先進,殽之序,遍祭之,三飯,主人延客食胾,然後辯殽,主人未辯,客不虛口。
およそ食を進めるの礼は、左に帯骨の肉、右に切塊の肉。飯は人の左に、羹は人の右に。膾炙は外に置き、醯醤は内に置き、葱蒜は末端に置き、酒漿は右に置く。干肉を陳設するには、左に曲がった者を、右に末端を置く。客が降等する者ならば、食を執って起ち辞让し、主人は起ちて客に辞让し、然る後に客は坐す。主人は客を延請して祭せしめ、食物を祭し、先に上がった者を祭し、帯骨肉の次序に従い、遍く祭る。飯を三口食べ、主人は客を延請して切塊の肉を食せしめ、然る後に遍く帯骨の肉を食す。主人がまだ遍く食せざるに、客は口を漱がない。
侍食於長者,主人親饋,則拜而食,主人不親饋,則不拜而食。
長者の飯に侍するに、主人が親しく饋送すれば、拜して食し、主人が親しく饋送せざれば、拜せずして食す。
共食不飽,共飯不澤手。毋摶飯,毋放飯,毋流歠,毋吒食,毋齧骨,毋反魚肉,毋投與狗骨,毋固獲,毋揚飯。飯黍毋以箸,毋嚃羹,毋絮羹,毋刺齒,毋歠醢。客絮羹,主人辭不能亨。客歠醢,主人辭以窶。濡肉齒決,乾肉不齒決,毋嘬炙。卒食,客自前跪,徹飯齊,以授相者。主人興辭於客,然後客坐。
ともに食すに飽くまで食せず、ともに飯すに手を搓らない。飯を抟団するな、抓りし飯を器中に放ち還すな、大口にして歇まず飲むな、咀嚼して声を出すな、骨を啃むな、魚肉を器中に放ち還すな、骨を狗に扔ち與えるな、専ら一様を搶うな、飯を揚げて熱を散らすな。黍を食すに箸を用いるな、嚼まずして羹を呑むな、羹に調味を為すな、牙を剔るな、醤汁を飲むな。客が羹に調味を為せば、主人は己の烹調できざるを言い、客が醤汁を飲めば、主人は己の家の貧しきを言う。湿軟の肉は牙をもって咬断し、干肉は牙をもって咬断せず、炙肉を大口に呑むな。食べ終わり、客は席前より跪き、飯と醤を撤下し、贊礼の者に交す。主人は起ちて客に辞让し、然る後に客は坐す。
侍飲於長者,酒進則起。拜受於尊所,長者辭,少者反席而飲,長者舉未釂,少者不敢飲。長者賜,少者賤者不敢辭。
長者の飲酒に侍するに、酒が至れば起つ。酒尊の在る所で拜受し、長者が辞让すれば、年少は席に返りて再び飲む。長者が杯を挙げて未だ飲み尽くさざれば、年少は敢えて飲まない。長者が賜えば、年少・低賤は敢えて辞しない。
賜果於君前,其有核者懷其核。御食於君,君賜餘,器之溉者不寫,其餘皆寫。
君の前にて果を賜わるに、核ある者は核を懐に揣める。君の飯に侍するに、君が余りを賜えば、洗滌すべき器皿は倒出さず、その余は皆倒出す。
