經克緯論
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夫經克緯者五星躔於受克之,垣殿在天則或色不正或隱不明,猶身自救不及奚暇與人為福,雖有用之力不及矣。若木氣緯於牛亢鬼婁之金殿辰酉之金垣。火羅躔於箕壁參軫之水殿危心,張畢之月殿及巳申未之水月垣。土計緯於斗角井奎之木殿及寅亥之木垣,金星緯於尾室翼觜之火殿及卯戌火垣之內,水孛緯於女氐柳胃之土度及子丑土垣之內俱為受制。
いわゆる「經克緯」とは、五星の行きて己を克制するの垣と殿とに到るを指す。このような星天に懸るは、顏色正しからざるか、隱晦明ならざるか。譬えば一個の人自身がなお救うに及ばず、那に余力ありて別人の為に福を造らん、縱い本來取るべきの處あるとも、力量もまた及ばず。譬えば木星・紫気の行きて牛金牛・亢金龍・鬼金羊・婁金狗のこれらの金殿および辰・酉の金垣に至る。火星・羅睺の行きて箕水豹・壁水貐・參水猿・軫水蚓のこれらの水殿、および危月燕・心月狐・張月鹿・畢月烏のこれらの月殿と巳・申・未の水垣月垣に至る。土星・計都の行きて斗・角・井・奎のこれらの木殿および寅・亥の木垣に至る。金星の行きて尾・室・翼・觜のこれらの火殿および卯・戌の火垣の内に至る。水星・月孛の行きて女・氐・柳・胃のこれらの土度および子・丑の土垣の内に至る。これらは皆制を受けたりと算す。
若所用之星而緯於受制之度力,固不及或加凌克從而欺之辱尢甚也。或生我之星復傷本殿本垣之中者謂之表,裡遭傷其害重矣。當求救援之星乃危處求生之,象功歸於救之星也或救援之星,又居受制之度或遭凌犯,彼既已危何暇援人,又須求星救彼然後假力以救此也。若為害之星緯於受制之度反以為幸,謂彼既受辱而無復有凌人之勢也。切忌反有星以救彼危,有所恃其勢再蘇為害益甚矣。此言星主受度數之克垣者,指宮分言殿者指度數言。
もし取用せんとする所の那顆の星が、恰恰受制の度の上に行りば、力量本來已に足らず。更に加えて別の星の来て凌克欺壓するあれば、受くる折辱は就中更重し。もし連なりて我を生ずる恩星もまた本殿本垣の中に傷を受けば、則ち表裏同時に傷に遭うと呼び、為害極めて重し。この時須く救援の星を尋ぬべし、これ絕處求生の象なり、功勞は來救の那顆の星に歸すべし。倘若救援の星が己もまた受制の度に落つるか、あるいは同じく凌犯せられば、それ自身已に危殆なり、那に工夫ありて他人を援救せん。則ち須く先ず一顆の星を找りてそれを救い、然る後に能くその力を借りて本星を救わん。反對に、もし那顆の為害の凶星が受制の度に行りば、倒れて幸いなり、それ已に辱を受け、更に凌人の氣勢なければなり。只だ切に別に星の去りてこの凶星の危を解救するを忌む、一旦それが倚仗あり氣勢復甦せば、為害更に厲しきなり。この一篇の講る所は星主が躔る所の度数の克制を受くるなり。文中の「垣」は宮分に就きて言い、「殿」は度数に就きて言う。
諸星統論
天道左旋七政右轉其相生相剋之情有君臣父子夫婦兄弟朋友之倫焉,其伏見疾遲留退之行有降。伏有凌犯有戰鬥有攻擊有救援有護衛之事,焉有昭然在於其上者,有隱然在於其下者,有攻彼而害,此者有損此而益彼者。有弱中之強者,有強中之弱者,彼此隱見強弱之中其機元微當隨機探索。
天體は東より西に左旋し、日月五星は卻って西より東に右轉す。それらの彼此相生相克の情態は、人間の君臣・父子・夫妻・兄弟・朋友のこの五種の倫常のごとし。それらの伏・見・疾・遲・留・退の運行もまた、降伏・凌犯・戰鬪・攻擊・救援・護衛の種種の情形あり。ある星は顯然として高く上に居り、ある星は隱隱として下に潛藏す。あるは攻擊して反って己を傷り、あるは此處を損じて卻って彼處を益す。あるは弱と見えて弱中に強を藏し、あるは強と見えて強中に弱を含む。これらの隱顯強弱の間、玄機極めて精微なり、須く機に隨い探索するを得べし。
顧其彼此察其本末,審其明晦,辨其強弱,搜其救援,求其資助以決其勝負,如土之受傷法當助金制木以救其土,所謂虛則補母實則瀉子扶弱抑強,此其法也。隨其立用而依法斷之則吉凶,得失貴賤榮枯昭然判矣。觀此統論數款,深有義理宜細詳之。
彼此を兼顧し本末を考察し、其の明暗を審視し、其の強弱を辨別し、救援と作すべきの星を搜尋し、資助と作すべきの力を尋求し、これに據りて勝負を判定す。譬えば土星傷を受けば、法に按じて當に金星を幇助して木を泄し木を制し、こゝを以て土を救うべし――即ち醫家の謂う所の「虚すれば則ち其の母を補い、實すれば則ち其の子を瀉す」、弱きを扶助し強きを抑制する、これ即ち用法なり。立つる所の用神に順い法に依りて推斷せば、吉凶・得失・貴賤・榮枯は便ち一目瞭然なり。この一篇の統論の列する所の幾條を看るに、甚だ義理あり、當に細細に體會すべし。
身度主論
人之生也有命斯有身命,主既本於太陽則身主當繫於太陰,故以月離之度為身度主矣。蓋吾身之生得身度主星之元氣,故始誕之時月緯之度最為要緊,是以身主切於命主而身度主,尤切於身主也假如有同年同月隔日,同時有同年同月同日,異時者本日之星,其度則一推日時之異,月緯之度不同,即身寓之度不同也。
人の出生すれば即ち命あり、命あれば即ち身あり。命主既に太陽を以て本と為す、身主は自然に當に太陰に係るべし。ゆえに月が運行して到る所の度を取りて「身度主」と為す。人身の生を受くるや、得る所は正に身度主星の元氣なり。ゆえに初生の那一刻月の所在の度数は最も緊要なり。正にこのがゆえに、身主は命主に比し更に切要にして、而も身度の主はまた身主に比し更に切要なり。譬えば同年同月にして一日相隔たり時辰は卻って相同なる人有り、また同年同月同日にして時辰不同なる人あり。當日の諸星の躔る所の度は本來これ一樣なれども、一たび日と時の差別を推算せば、月の行く所の度便ち相同ならず、身宮の寄る所の度もまた自然に同じからざるなり。
或有同宿而異度者固無不同移時之間同,過其宿則不同者必矣。況一日有十三度之移,因此知身度當為尤重也。身度之宮自有貴賤,可分身宮所寓之度亦有賢愚之判,凡身度居身命財田官福妻妾遷移之宮者上也。如身度居兄弟子息奴僕疾厄相貌之,宮者次之,謂宮有高低之列於是乎有貴賤之分。
また同一宿に在るといえども度数同じからざるあり、それは自然に處處同じからず。たとい相隔たる時辰多からずして同一宿に在るとも、只だ月の已に那一宿を走り過ぎんば、便ち必定同じからず。況んや一天の内に月は十三度を移るや、これに由りて身度の尤も緊要なるを知るべし。身度の落つる所の宮は本來貴賤の分あり、身宮の寄る所の度もまた賢愚の別あり。凡そ身度が命宮・身宮・財帛・田宅・官祿・福德・妻妾・遷移のこれらの宮に落つるは、上等に屬す。兄弟・子息・奴僕・疾厄・相貌のこれらの宮に落つるは、就中一等を次ぐ。これ即ち宮位本來高低の列あるを言い、人はこれに因りて貴賤の分あるなり。
身度之主若升殿入垣不值侵凌之曜,更為救援資助星之勢。盛者必主光明正直,身有榮貴之象,若身主受制惟有餘氣代之,更有援星救之者猶可望其榮貴,或身主失度退留遲弱。又值凌犯之曜救之者怯必因之而流於下愚,福田由是而虧矣。
身度の主若し能く殿に升り垣に入り、また侵凌するの星曜に碰せず、再び救援資助の星を得て聲勢を壯大ならしめば、このように氣勢旺盛なるは、必ず人の光明正直にして一身に榮華顯貴の象あるを主る。倘若身主制を受けば、只だ「餘氣」の星に頼りてそれに代わるを得べきのみ、ただし別に援星の來て救うあれば、なお榮貴を指望すべし。若し身主度を失い、あるいは逆行留守して遲緩衰弱し、また凌犯するの星曜に碰し、來救の星の力量また怯弱ならば、則ち必定して下愚の人に淪落し、福分田產もまたこれに由りて虧損す。
若身主受制退留或遭凌犯,餘氣又弱略有星救者尚不與議損中求益也,大抵膺爵祿享榮華則在於身,故田財官福雖好身星落陷將何以承其福祿,使若得之亦不能長久矣。此專論身度主也,此謂太陰為身之度,主餘氣代之者如水為身度,主失陷得孛星高強者亦可代之援者救援也。
若し身主既に制を受け、また逆行留守し、あるいは凌犯に遭い、「餘氣」の星もまた弱く、僅かに一點點の星力の來て救うのみあらば、則ち「損中に益を求む」にも及ばず。大抵爵を受け祿を享け身榮華に居るを得否やは、關鍵全く身宮に在り。ゆえに田宅・財帛・官祿・福德の四宮縱い皆好しとも、身星一旦落陷せば、また何を以てこの福祿を承受せん。たとい僥倖に得るとも、能く長久ならず。この一篇は專ら身度の主を論ず。いわゆる身度の主とは、太陰の躔る所の度を以て身の度と為す。いわゆる「餘氣これに代わる」とは、譬えば水星を以て身度の主と為して水星失陷せば、若し「月孛」高強ならば、またこれに代わるを得べし。いわゆる「援」とは、即ち救援の意なり。
身命主論
身命之主能救助科星壽元,官福田財諸用星者為有益之主也。若欺凌科星壽元官福田財諸用星者無益主也。身命之主侵犯諸用星之宮殿或諸所用之星自失躔於身,命主星宮殿之中亦受害於身,命之主矣。
身主・命主若し能く科名の星・壽元の星、および官祿・福德・田宅・財帛の各宮の用星を救助せば、「有益の主」と呼ぶ。若し反ってこれらの用星を欺凌せば、「無益の主」と呼ぶ。身主・命主が各用星の居る所の宮と殿とを侵犯するか、あるいは各用星が自ら躔次を失いて身主・命主の宮殿の中に落ち入るか、それもまた一樣に身主・命主に害せらるべし。
其間有益此而損彼者,有損此而益彼者損益之中,造化深長然有因之而損財益壽,益官者有因之而難進取者破敗飄蕩者招綿綿之訟者,有因之而孤傷離別者傷殘肢體者,遭刑戮之慘者傷官退職者置身荊棘之地者,不終天數者,此皆無益之主所致也。
其の間にこちらを益して卻ってかちらを損ずるあり、またこちらを損じて卻ってかちらを益するあり。損益の際、造化の意味極めて深長なり。人あるいはこれに因りて財を破りて卻って壽を添え官を升るあり、あるいはこれに因りて進取し難きあり、あるいは破敗飄蕩し、あるいは連綿不斷の官司を招來し、あるいは孤苦傷別し、あるいは肢體傷殘し、あるいは刑戮の慘を遭受し、あるいは官を削られ職を降られ、あるいは荊棘險地に置身し、あるいは天年を享盡すること能わず――これらは皆「無益の主」の造成する所なり。
凡身命二主自相剋者則不為忌,蓋身主不克命主也,如命在巳申月在子丑若水星與土星,同行則不忌其克。凡宮身與元守歲駕相沖,多主離祖孤克,凡命與身坐隔界及諸星宿初,末度或身命入奴宮,奴星入命,又如奴星拱夾身命俱偏生庶出也。此言身命二主兼看富貴貧賤壽夭賢愚禍福疾病,皆見身命度之所關係也。
凡そ身主と命主との両者が互いに克するは、倒れて忌み避けるに及ばず、身主本来命主を克することを去らざればなり。譬えば命宮が巳・申に在りて太陰が子・丑に在るは、この時水星と土星と同行しても、土の来て水を克するを忌み避けるに及ばず。凡そ宮主・身主が元守の星・歳駕の宮と相冲するは、多く祖業を離れ孤独にして刑克するを主る。凡そ命宮と身宮とが両宮の交界の処に坐するか、あるいは各星宿の初度・末度に落つるか、またあるいは身宮命宮が奴僕宮に進入し・奴僕宮主星が命宮に進入し、更に奴星が両辺より身命を拱夾するがごときも、皆この人が偏房の生む所の庶出の子なるを主る。この一篇は身主命主の両者を講り、なお兼ねて富貴貧賤・壽夭賢愚・禍福疾病を看る、全て身宮命宮の度の関係に取決す。
財帛主論
財帛主星升殿入垣或守本宮或明盛,當天或救助之星勢盛照臨者可言其富,若財受制被克有救代者雖退,破之餘尤可與其再蓄。若財星益田主必多儲積增置,財星反克田宅者必因而破家也。財星救助官星者富益厚貴益隆,財星反犯官星者必因之而傷官祿或因之而起訟財星犯壽元,雖富足而不享天年財元退留受制無救者,其來有限所費無厭更值犯者強盛,恐無隔宿之留矣。有救代者尚可以望溫潤之象也。此專論財星財帛乃高強之宮喜,主星旺則生財矣。主星弱而受制者亦不生財矣。
財帛宮の主星が若し能く殿に升り垣に入り、あるいは本宮に守り、あるいは光明旺盛に當空に高照し、またあるいは救助の星の氣勢強盛に照臨し來れば、便ちこの人の富あるを斷ずべし。若し財星制を受け克せられ、ただし別に救星あるいは替代の星あれば、一度退敗すといえども、殘る余財なお再度積蓄すべし。財星若し能く田宅の主を助益せば、必定して儲積多く・斷えず産業を增置せん。財星反って田宅宮を克するは、一定してこれに因りて家を破る。財星が官星を救助するは、富ますます厚く・貴ますます隆ならん。財星反って官星を侵犯するは、必定してこれに因りて官祿を傷り、あるいは訴訟を惹起せん。財星若し壽元の星を侵犯せば、富足するといえども天年を享けず。財星が逆行留守・受制してまた救なきは、入る所限りありて費やす所度なく、若し更にそれを侵犯するの星の強盛なるに碰わば、恐らく隔夜の錢も留め置く能わざらん。救星あるいは替代の星あるは、なお個の溫飽潤澤の局面を指望すべし。この一篇は專ら財星を論ず。財帛は本來高強の宮なり、主星の旺を喜び、主星旺なれば能く財を生ず。主星弱くして制を受くるは、就中財を生ずるを得ず。
兄弟主論
兄弟主升殿入垣或守本宮,無干犯之曜有救助之星者,棣萼聯芳使宮主退留失躔或遭忌,星所破則隻影高飛有代之者,或異胞也有救之者,當可聚也兄弟之主益官益財益宅者,必因同氣之力而致富而致貴。若兄弟之主侵官侵財侵田宅者必因之以起爭端,或兄弟之主傷壽元者或因之而傷壽矣。兄弟之宮主星與各宮主不相剋者主兄弟相和,如唐元宗與五王長枕大衾而共宿建花萼相輝之樓而共樂怡怡如也。
兄弟宮の主星が若し殿に升り垣に入り、あるいは本宮に守り、それを冒犯するの星曜なく、また救助の星あれば、兄弟の棠棣の花萼のごとく並蒂して聯芳するを主る。倘若宮主逆行留守・躔次を失い、あるいは忌む所の星に冲破せられば、孤身只影にして遠く高く飛び去るを主る。若し替代の星あれば、兄弟は多半異母の生む所なり。若し救援の星あれば、終に還って一處に聚まるを得べし。兄弟宮の主若し能く官星・財星・田宅を助益せば、この人は必ず同胞手足の力を借りて富を致し貴を致す。若し兄弟宮の主が官祿・財帛・田宅を侵犯せば、必ず兄弟に因りて爭端を起こさん。若し兄弟宮の主が壽元の星を傷れば、また兄弟に因りて壽數を折損するを得べし。兄弟宮の主星が各宮の宮主と皆相克せざるは、兄弟の和睦を主る、唐玄宗と寧王等の五位の親王とが同じく長枕大被を用いて共に寢、また「花萼相輝樓」を建てて一同に遊樂し、兄友く弟恭しき、其の樂融融たるがごとし。
田宅主論
田宅主升殿入垣強旺或守,本宮或明盛照臨有救助者必見成基業,豐厚或退留失度受克。雖廣有田宅亦必破而後已有救,有代者當可復也。受制之餘無救無代者豈,惟離祖破敗更無興復之,時其間又有生於異室或移根換葉者亦由此以致之也。若田宅之主反侵官主者必因之而招訟,凡侵他宮之主隨其以斷之或流年宮主受制,或忌星侵犯宮殿之所亦必有傷離之咎,或服制之凶也。
田宅宮の主星が若し殿に升り垣に入りて強旺し、あるいは本宮に守り、あるいは光明旺盛に照臨し、また救助の星あれば、この人は必ず能く基業を成就し・家道豊厚ならん。若し主星逆行留守・度を失い克を受けば、縱い廣く田宅を有すとも、終に破敗するを要して罷まん。ただし若し救星・替代の星あれば、舊に依りて回復すべし。倘若制を受けたる後に既に救なく・また代なければ、則ち鄉を離れ井を背き・祖産を破敗するに止まらず、而も再び興復の日なからん。其の間にまた別室に生まれ、あるいは根を移し葉を換えて別に門戸を立つるあり、皆これに由りて來る。若し田宅の主が反って官祿の主を侵犯せば、必ずこれに因りて訟事を招來せん。凡そ別宮の宮主を侵犯するは、皆侵する所の宮に隨い斷ずべし。またあるいは流年宮主制を受け、あるいは忌星が宮殿の所在に侵犯し到るも、また必ず傷亡離散の咎あり、あるいは服喪の凶あらん。
田宅為父母之宮,日月為父母之象,故論父母須合田宅日月而論之,如羅火犯太陽或難星剋日及帶劍鋒主先克父,如土侵太陰或難星克月及月帶劍鋒主克母,或日生以太陽落陰宮陰度父先亡,夜生以太陰落陽宮陽度母先亡,又田宅宮主受剋日生先克母,夜生先克父,此陰陽反背之義,背日傷父背月傷母也。以田宅為祖基,故以父母論之,且祖業乃父母之所授也。
田宅は父母の宮なり、日月は父母の象なり。ゆえに父母を論ずるは須く田宅宮と日月とを合せて看るを得べし。例えば羅睺・火星が太陽に冲犯し、あるいは難星が太陽を克し、および太陽が「劍鋒」の煞を帯ぶるは、皆先ず父を克するを主る。例えば土星が太陰を侵犯し、あるいは難星が太陰を克し、および太陰が劍鋒の煞を帯ぶるは、皆母を克するを主る。晝生の人は、太陽が陰宮陰度に落つるは、父の先亡を主る。夜生の人は、太陰が陽宮陽度に落つるは、母の先亡を主る。このほか田宅宮主の克を受くるの時、晝生まれは先ず母を克し、夜生まれは先ず父を克つ、これ陰陽反背の道理なり――太陽に背けば則ち父を傷り、太陰に背けば則ち母を傷る。田宅は祖上の根基たるを以て、ゆえに父母を以て論ず、況んや祖業本來これ父母の傳え下す所なるをや。
男女主論
男女主星升殿入垣無干犯之曜,有救助之星多育聰明榮貴之子,若餘氣明盛力勝子之主者又當育庶生之貴子也,或子星受制凌犯者盛,若有星救援尚可有之。以餘氣代之者異胞之子可也,子星留退受制無救代者,但望正室之生難矣。子星退留不及其數受制遭傷或只生女而已。
子女宮の主星が若し殿に升り垣に入り、それを冒犯するの星曜なく、また救助の星あれば、多く能く聰明榮貴の兒子を生養すべし。若し「餘氣」の星が光明旺盛にして、力量子女宮の正主に勝れば、則ち當に庶出の貴子を生ずべし。倘若子星制を受け・凌犯せられて厲しきも、只だ別に星の來て救援するあれば、舊に依りて子あるべし。若し只だ餘氣の星に頼りて代替するを得べきのみならば、便ち那れは異母の生む所の子なり。子星逆行留守・受制してまた救なく代なきは、正室の生育を指望するは難きならん。子星退行留守して度數足らず、また制を受け傷に遭うは、則ち只だ女兒を生ずるのみならん。
子息之主救助,官星者因之而榮貴救助,田財者因之而起家而至富救助福壽元者因之而益福益壽救助,身命主星者必敬順之義。凡救助諸用星者為有益之子也,若子息之主侵凌田財者因之而破家,退耗侵凌官星者因而招訟傷官侵凌身,命壽元者有悖上之患及反噬之虞,值此者不仁不義不忠不孝於此見矣。凡雙生者男女宮及主星如在雙魚雙女人馬陰陽,四宮皆含雙意必主雙生或在雙生,立命亦在此四宮也。凡問男女之數只以水一火二木三金四土五取之,凡取只以寅申巳亥上取之。
子息の主若し官星を救助せば、この人便ち子女に因りて榮貴せん。田宅財帛を救助せば、便ち子女に因りて家を起し富を致さん。福德・壽元を救助せば、便ち子女に因りて福を添え壽を添えん。身主命主を救助せば、子女は必ず父母に敬順するの義あらん。凡そ能く各用星を救助するは、皆「有益の子」と算す。反対に、子息の主が田宅財帛を侵凌するは、必ず子女に因りて家を破り耗を退かん。官星を侵凌するは、必ず子女に因りて訟を招き官を傷らん。身主・命主・壽元を侵凌するは、則ち尊長に忤逆するの患有りて乃至反噬の虞あらん。この種の格局に遇えば、不仁不義不忠不孝もまた想い知るべし。凡そ雙胞胎を斷ずるは、須く子女宮および其の主星を看るを得べし。若し雙魚・雙女・人馬・陰陽のこの四宮に落ちば、宮名本身皆「雙」の意思を含めば、必ず雙胎を生ずるを主る。あるいは命宮もまたこの四宮の内に立つ。凡そ子女數目を問うは、只だ水一・火二・木三・金四・土五に按じて取る。數を取るの時は只だ寅・申・巳・亥の四宮の上に於いて取る。
奴僕主論
奴僕主升殿入垣有救助者必多僕從,或主星或援星守宮得為力,若主星失度退留沉溺者,雖僕不可留也。宮主傷克身命及侵犯,財官之主非但不能聽,其驅策,又恐反有疾視之虞,或因之而傷官破財致禍,若侵妻妾主者又有難言之害也。
奴僕宮の主星が若し殿に升り垣に入り、また救助の星あれば、この人は必定して僕從衆多ならん。あるいは宮主星・あるいは援星がこの一宮に守るも、皆僕從の力を得べし。若し主星度を失い・逆行留守して沈淪陷落せば、則ち僕人有るといえども留め置く能わず。奴僕宮主若し身宮命宮を傷克し、あるいは財帛・官祿の主を侵犯せば、則ち但だ僕人を指揮するに動かざるのみならず、反って恐らく彼らの白眼相待に遭い、甚だしきは奴僕に因りて官を傷り財を破り・禍事を招來せん。若し更に妻妾宮の主を侵犯せば、更に啓齒し難きの害處あらん。
妻妾主論
妻妾主星升殿入垣有救助之星照臨者必得貞順偕和之妻,餘氣盛者有美麗之妾也。妻星益助官星者必因之而貴,反犯官星者必因之而訟。妻星援助田宅者必因之而起,家反侵田宅者無益鄰官主者,貴妻星受制退留者或被忌星,凌宮殿之上者多主刑剋,彼此相敵庶可偕老。
妻妾宮の主星が若し殿に升り垣に入り、また救助の星の照臨あれば、必ず貞靜柔順・和樂相偕の妻を娶るを得べし。「餘氣」の星の旺盛なるは、還って美貌の妾室あらん。妻星若し官星を助益せば、この人は必ず妻に因りて貴ならん。反って官星を冲犯せば、必ず妻に因りて訟に渉らん。妻星若し田宅を援助せば、必ず妻に因りて家を興さん。反って田宅を侵犯せば、便ち毫も益處なからん。若し能く隣近の官祿の主と相輔し合わば、舊に依りて貴を主る。妻星制を受け・逆行留守し、あるいは忌星に宮殿の上に凌壓せられば、多く夫妻の刑克を主る。若し兩下勢均力敵ならば、倒れて還って白頭偕老すべし。
餘氣力勝代之必主再婚無力代之,或娼或妾或再醮之婦繼之也,若無救代之星終於不娶而已矣。此宮得吉星又得扶救之星,而宮主得其正垣無克犯者主夫妻如琴瑟之和,賢如孟光者。
若し「餘氣」の星の力量正主に勝りてそれに代われば、必ず再婚を主る。若し餘氣力なくして代わる能わざれば、則ち續弦するは娼家の女ならずんば、妾室か、あるいは改嫁の婦人なり。倘若既に救星なくまた替代の星なければ、最終には只だ娶らざるに至るのみ。この一宮若し吉星を得、また扶助救援の星を得て、而も宮主が己の正垣に居り・克犯を受けざれば、夫妻の琴瑟のごとく相諧する和睦を主り、妻子賢德して挙案齊眉の孟光のごとし。
疾厄主論
疾厄主星明盛則主無疾,若受制退留或遭凌犯則主多病其疾症類,隨煞所主如木氣屬肝膽及頭目筋脈逢金克,則主肝氣風邪目疾或因木傷如火羅,屬心與小腸及諸血逢水孛,則主寒熱心痛舌病酒痔失血無髮,或因火焚土計屬脾胃及四肢逢木氣,則主胃弱脾傷皮腫唇烈或因疫死。
疾厄宮の主星が光明旺盛なれば、一生病なきを主る。若し制を受け・逆行留守し、あるいは凌犯に遭えば、多病を主り、而も病症の種類は凶煞の主る所に隨い定まる。譬えば木星・紫気は肝膽に属し、また頭目筋脈を主る。若し金星の來て克するに遇えば、肝氣の舒ならず・風邪の入侵・眼目の疾あるを主り、あるいは木類の物に傷られん。火星・羅睺は心と小腸とに属し、また一身の血脈を主る。若し水星・月孛に遇えば、寒熱往來・心痛・舌病・酒後の痔疾・失血・脫髮を主り、あるいは火に焚かれて死せん。土星・計都は脾胃と四肢とに属す。若し木星・紫気に遇えば、胃弱脾傷・皮膚浮腫・嘴唇乾裂を主り、あるいは瘟疫に死せん。
金屬肺與大腸及胃氣逢火羅則主瘵癆肺熱咳嗽鼻塞,或因刃死水孛屬腰腎膀胱及下部,逢土計則主腎虛血濁耳聾,或因溺死日月主眼目,或日月逢蝕或,煞犯日月皆主失明。若疾厄主星所臨與的刃煞居之,主帶疾破相有救援者輕無救援者,重或疾厄之主侵凌,身命者必犯刑憲侵制壽元者,必因疾以盡天年。此論俱與八十一難,經意義相同但日月木火土金水與人之五臟,相符合主病症亦如是也。
金星は肺と大腸とに属し、兼ねて胃氣を主る。若し火星・羅睺に遇えば、癆瘵・肺熱・咳嗍・鼻塞を主り、あるいは刀刃に死せん。水星・月孛は腰腎膀胱および下體に属す。若し土星・計都に遇えば、腎虚・血濁・耳聾を主り、あるいは水に溺れて死せん。太陽太陰は眼目を主る。若し日月正に食蝕に逢い、あるいは凶煞の日月に冲犯するあれば、皆失明を主る。若し疾厄宮主星の落つる所にまた「的殺」「陽刃」同居あれば、疾を帯び相を破るを主る。救援あるは病輕く、救援なきは病重し。倘若疾厄の主が身宮命宮を侵凌せば、この人は必ず刑法を觸犯せん。若し壽元の星を侵制せば、就中必定して病に因りて其の天年を終えん。これらの議論は皆《難經》八十一難の意旨に合す、只だ日・月・木・火・土・金・水を以て人の五臓に相配し、主る所の病症もまたこれに照らして推定す。
遷移主論
遷移主得度無凌又救援力盛者必膺順動之榮,或宮主受制退留遲弱行有沬趄難求,利達或身命主居遷移或遷移,遇身命主或身命被遷移驛馬照破及驛馬入遷移之,位必主平生作事進退非出祖過房必移根,換葉或為萍梗之客。凡看遷移主星近君位則主在京畿,或東或西或南或北或遠或,近隨祿馬所向之宮斷之。
遷移宮の主若し躔度宜しきを得て・凌犯を受けず、また救援の星の力量旺盛なれば、この人は必ず能く勢に順いて動き・榮顯を得着せん。若し宮主制を受け・逆行留守して遲緩衰弱せば、門を出れば歩きて維艱にして、通達を求め難し。またあるいは身主・命主が遷移宮に落ち、あるいは遷移宮の主が身主命主と相遇し、あるいは身宮命宮が遷移宮の驛馬に照破せられ、および驛馬が遷移の位に進入するも、皆一生事を爲すに進進退退を主る。本宗を離れ・他姓に過繼するならずんば、根を移し葉を換えて別に門戸を立つるか、更に不然ば便ち浮萍斷梗のごとく四方に客居せん。凡そ遷移宮の主星を看るに、若し君位に近ければ、人の京畿の地に在るを主る。東へ西へ・南へ北へ・遠きや近きやに至っては、皆祿神驛馬の指す所の宮位に隨い判斷す。
官祿主論
官祿主星升殿入垣明盛,當天有救護而無於犯。餘曜並強者必獲穹窿之貴也。援星明者著威盛者秉節鉞威嚴之權援星,依日月之光者有鵷班禁侍之榮,察官主餘氣之力審援星表裡之勢,以定品位之高下也。
官祿宮の主星が若し殿に升り垣に入り・光明旺盛にして、當空に高照して救護あり・人の冒犯なく、其余の星曜もまた一幷に強健なれば、この人は必ず至高の貴顯を獲せん。援星の光明なるは、聲威顯著なり。援星の旺盛なるは、能く節鉞兵符のごとき威嚴の大權を執掌せん。援星の日月の光に依傍するは、則ち朝班に位列し・禁中に侍從するの榮寵あらん。總じて官祿の主と「餘氣」の星との力量を考察し、援星の表に在り裏に在るの形勢を審視し、これに據りて官品の高下を判定すべし。
若援星之上更有援星尤佳,使官主失度退留又遭凌犯卻得援星,重重併力救之及有餘氣代者當於援星。得志之地大見榮顯,若救援之星亦自虧損又無外護之曜,則難求榮進或援星宛轉救之尚可,如又無代用之星更凌犯之曜,有黨雖於滎地不免履冰之凶矣。蓋官星力盛則貴不盛,則賤更詳日月強盛以斷之。
若し援星の上に還って別に援星あれば、則ち更に好し。仮使官祿の主が度を失い逆留し・また凌犯に遭うも、援星の層層に合力して相救うを得、幷して「餘氣」の星のそれに代わるあれば、則ち當に援星の志を得る那一段の限の内に大いに榮顯を見るべし。倘若救援の星が己もまた虧損あり、外にまた護衛の星曜なければ、榮升進取を求め難し。若し援星なお能く輾轉相救わば、なお望みあらん。如果も代用すべきの星なく、凌犯の曜また黨を結び勢を成さば、則ち縱い顯要の地に身處すとも、薄氷を履むがごときの凶險を免れず。總じて官星の力量旺盛なれば貴し、旺盛ならざれば賤し、還って須く日月の強弱を參詳して斷ずべし。
凡官星如損所用之星則為不吉,若克田財必由此以破家傷財,克科星反因此以難第克子息主必因之而絕後。克兄弟主必因之而傷手足,傷福元必因之而虧福制壽元,反因之而傷天年也。如益所用之星方為吉論救助,科名必因之而正奏救助,田財必因之而置產儲蓄救助,福壽必因之而享福益算救助,子息及兄弟者必因之而益後裔益祖氣也,損益之中其理得矣。官祿本高強之宮宜福祿壽元居之,則為顯宦如受剋制,則居下品惡煞克之主遭刑不善。
凡そ官星若し所用の星を損傷せば、即ち不吉なり。田宅財帛を克するは、必ずこれに由りて家を破り財を傷らん。科名の星を克するは、反ってこれに因りて登第し難からん。子息の主を克するは、必ずこれに因りて後を絶たん。兄弟の主を克するは、必ずこれに因りて手足を損傷せん。福德の元を傷るは、必ずこれに因りて福分を虧損せん。壽元の星を制するは、反ってこれに因りて天年を折損せん。反対に、官星若し能く所用の星を助益せば、こそ吉論を作さん。科名を救助するは、必ずこれに因りて正に上榜奏名せん。田宅財帛を救助するは、必ずこれに因りて産を置き蓄を儲えん。福壽を救助するは、必ずこれに因りて福を享け壽を添えん。子息と兄弟とを救助するは、必ずこれに因りて後裔に益あり・祖上の氣脈を光大せん。損と益との間、道理便ち皆ここに在り。官祿は本來高強の宮なり、宜しく福星・祿星・壽元の星の其の中に居るべし、那れは顯赫の官員なり。若し克制を受けば、只だ下品に屈居するのみ。若し惡煞に克せられば、還って刑罰を遭受し・結局善からざるを主る。
福德主論
福德主星盛者福厚弱者福淺身,居上而無福者有之有福,而居下者未之有也。福元升殿入垣救助之星明盛守照必膺,莫大之福。如福元失度退留或遭忌凌,犯則無純粹之福矣。或身為貴人,因此不享朦朧之福者有之,如人居簾幕高堂之內,因此不享安恬之。福者亦有之有星救代者,尚可言福若官福身命之主俱虧,又無救代之星不惟難言,其福又恐因此而流下矣。德者福之基也,福者人之德也,猶人心之所生。苟若不行善不積德雖有福而無福,誠使行善而修德,雖無福而有福也,故云福德。
福德宮の主星旺盛なれば、福分厚し。主星衰弱なれば、福分薄し。身居高位にして福を享くるなきの人有れども、福分深厚にして身下位に居るの人なし。福德の元若し能く殿に升り垣に入り、また救助の星の光明旺盛に守照するあれば、この人は必ず莫大の福を受けん。若し福元度を失い・逆行留守し、あるいは忌む所の星の凌犯に遭えば、則ち純粹圓滿の福分なからん。人あるいは身顯貴たるに、反って那份の朦朧閑適の福を享くる能わず。また人あるいは帘幕高堂の中に住するに、反って安恬の福を享くる能わず。若し星の來て救い・星の代わるべきあれば、還って福を談ずるに足らん。倘若官祿・福德と身主命主とが一齊に虧損し、また救代の星なければ、那れは但だ福分言い難きのみならず、恐らく還ってこれに因りて下流に淪落せん。德は福の根基なり、福は人の德の招致する所なり、皆人心より生ず。倘若善を行わず・德を積まざれば、福あるといえども無福に等し。果して善を行い德を修めば、福なきといえども終に福あるに歸す、ゆえに合して「福德」と稱す。
相貌主論
相貌宮分居諸宮之末,以天宮論之反為諸宮之首也。宮主得度明盛有救助之星,必賦清秀之質,若宮主受制退留凌犯強盛又無救援之星者,容儀必不美也。已上十二宮星辰並皆要,吊起飛來橫沖直撞挨官,查度逐宮認論。故曰:明見不如暗見,明拱不如暗拱是也。十二宮之論皆以宮主度主而論吉,曜則吉凶,曜則凶但以生者助者為吉,救援者次之,其於克者並空的亡劫者皆凶也。
相貌宮は十二宮の排列の裏に位最も末に居す。しかるに若し天上の宮次に按じて論ぜば、それは反って諸宮の首たり。相貌宮主若し躔度宜しきを得て・光明旺盛にして、また救助の星あれば、この人は必ず生まれて清秀ならん。若し宮主制を受け・逆行留守し、それを凌犯するの星また強盛にして、還って救援の星なければ、容貌儀表一定して美ならず。以上の十二宮の星辰は、皆それらを吊り飛ばし起して、誰が橫冲直撞するかを看て、宮位に挨り・度數を查し、逐宮に認真に論斷す。ゆえにいう、明處の相見は暗處の相見に如かず、明拱は暗拱に如かずと。十二宮の論法は皆宮主・度主を以て準と爲す。吉曜に遇えば即ち吉、凶曜に遇えば即ち凶。總じて能く我を生じ我を助くるを以て吉と爲し、來て救援するは一等を次ぐ。我を克する、および空亡・的殺・亡神・劫煞の類に至っては、一概にこれ凶なり。
七政四時論・論木
夫木者東方青帝之神,庖羲氏執規司事。故曰:木為仁,仁者生,生者圓所謂規行生泰之權,持華秀麗之令。萬物非時不生,觀星非時不驗,因其時令察其盛,衰則禍福輕重自有稱量於其間矣。
木は東方青帝の神なり、上古の庖羲氏は圓規を手執りてこの一方の事を主管す。ゆえに木は「仁」を代表すといい、仁は即ち生養なり、生養の德は圓融なり、これ便ち規矩を用いて生長安泰の權を運行し・繁華秀麗の令を掌管するの意思なり。萬物時令に到らざれば萌生せず、星を觀るも時令に合せざれば應驗せず。當令の時節に順いて星の盛衰を考察せば、禍福の輕重は自然に能く其の中に權衡し出ず。
春令之木漸有生長之象,孟春之時猶有微寒未退,借火羅以溫其枝,則木無盤屈之拘當有舒泰之美。如木與太陽同宮名為向陽花木,必然早佔鰲頭富貴之人也。設使水孛相逢則根損,枝枯不能華茂。春末夏初之木有枝有蔓有條有干,多見金而發福,金能琢削其木有棟樑之材。經曰:木繁而無金。琢削縱榮華而末歲孤窮。
春の木は漸く生長の象を顯す。孟春の時節はなお一絲の寒氣退かざるあり、須く火星・羅睺を借りて枝條を溫暖せしめ、木こそ蜷曲して拘を受けずして、能く舒展暢茂せん。若し木星と太陽と同宮ならば、「向陽花木」と呼ぶ、この人は必定して早年に鰲頭を獨占し、富貴の人なり。仮使水星・月孛に碰えば、木根便ち損を受け・枝條枯乾し、繁茂の花を開くを得ず。春末夏初の木は、已に枝あり蔓あり・條あり幹あり、多く金星を見れば反って福を發す、金は能く砍削雕琢して、木をして棟梁の材とならしむればなり。經文にいう、木繁茂するといえども金の來て砍削雕琢するなければ、縱い一時榮華すとも、晚年も終に孤苦貧窮に歸す、と。
夏令之木根燥葉干盤而且直屈而已,伸喜水孛濟潤而無枯槁,甦醒欣欣生意榮華之人。凡草木皆托春生而夏長也,當此之時物皆茂盛而華也,雖秉火令而行水度則有生,生不絕而化,化無窮矣,必要消詳強弱以斷之。夏末秋初之木斯時氣脈虛矣,晝生忌躔四火之度。又不宜與太陽交互,蓋是日烈木焦不足論也。晝生木躔四水之度而與太陽交光,此是上下濟潤不可以木焦日烈而論,乃水之秀麗,枝葉繁茂,精神富貴,九月寒露之邊遇火羅助自能變化。
夏の木は根燥し葉乾き、本來盤曲なるは舊に依りて盤曲し、本來挺直なるも亦だ勉强して伸展す、最も水星・月孛の來て滋潤するを喜び、それをして枯槁せざらしめ、重ねて蘇醒し・生意欣欣たらしむ、一生の榮華を主る。凡そ草木は皆春に靠りて萌生し・夏に生長し、この時に到れば萬物皆茂盛して花を開く。當權するは火令なりといえども、只だ水度に行き到れば仍お生機あり、生生不絶にして變化無窮なり、ただし須く仔細に強弱を斟酌して判斷すべし。夏末秋初の木は、氣脈已に虚空なり、晝生まれは「四火」の度の上に躔るを忌み、また太陽と交相往來するを宜しとせず、日烈して木焦ぐるを以て、提するに足らず。ただし晝生まれにして木が「四水」の度に躔り・また太陽と光を交うるは、これ上に日の照り・下に水の潤うあるなり、則ち木焦げ日烈るを以て論ずべからず、而も水色秀麗にして枝葉繁茂し、精神飽滿にして富貴なり。九月寒露の前後に到りて再び火星・羅睺の相助に遇えば、自然にまた變化を生ずべし。
冬令之木斯時萬物蕭疏如晝生與太陽交光謂之日,邊紅杏布佔先魁遇此造化,豈不美哉。兼能有干文才清高如日生,遇火羅謂之寒谷,回春富貴雙全如無太陽火羅。同宮得生巳午未之時,借日光霽冰霜凍解,猶可舒暢或木躔四火之度又與太陽交輝可作十全之福也,如遇夜生木躔四土之度,又逢水孛凍折窮之極矣。
冬の木は、この時萬物蕭疏なり。若し晝生まれにして太陽と光を交えば、則ち「日邊紅杏」と呼び、科場に占先して魁を奪うを主り、この般の造化に遇うに豈に美ならずや。このような人は還って兼ねて才幹あり、文才清高なり。若し晝生まれにして火星・羅睺に遇えば、則ち「寒谷回春」と呼び、富貴雙全を主る。倘若太陽・火羅の同宮なきも、只だ巳・午・未のこれらの時辰に生まれれば、日光を借りて冰霜の凍結を化開し、また還って舒展暢快すべし。あるいは木が「四火」の度に躔りてまた太陽と交相輝映すれば、十全の福と算すべし。若し是れ夜生まれにして、木が「四土」の度に躔り、また水星・月孛に碰えば、則ち凍折凋零して、窮まりて極處に至る。
論火
夫火者南方赤帝之神,神農氏執衡司事。故曰:火為禮,禮者齊齊者平也。所謂衡行炎陽之令,主成齊之權。春令之火正二月之時寒氣未消,最喜火羅木氣互度見太陰,夜生光彩文武富貴。火本酷烈,逢木慈仁以善化惡,以剛制柔,剛柔相濟貴而能決。
火は南方赤帝の神なり、上古の神農氏は秤衡を手執りてこの一方の事を主管す。ゆえに火は「禮」を代表すといい、禮は整齊に在り、整齊は即ち持平なり、これ便ち秤衡を用いて炎陽の令を運行し・整齊を成就するの權を主掌するの意思なり。春の火は、正月二月の時は寒氣まだ消盡せず、最も火星・羅睺と木星・紫気との交互同度を喜び、再び太陰を見れば、夜生の人光彩人を照らし、文武富貴を主る。火性本來酷烈なれども、木の慈仁に遇えば、能く善を以て惡を化し・剛を以て柔を制し、剛柔相済いて、貴を顯すと同時に能く決斷せん。
威福權衡春末夏初之際,火入水宮水入火地名為桃花滾浪,水暖花紅名利雙清,但火不宜與水孛同行謂之,受克逢土有救能破水,孛之氣名曰:子來救母,祿自豐盈見金。為黨鬼獨火之氣脈虛也。
このような人は威と福と並行し、能く權衡を執掌す。春末夏初の際、火星が水宮に走入り・水星が火地に走入るを、「桃花滾浪」と呼び、水暖く花紅にして、名と利と皆清正觀るべし。ただし火は水星・月孛と同行するを宜しとせず、那れを「受克」と呼ぶ。この時若し土星に逢えば便ち救あり、土は能く水孛の氣を破り、「子來て母を救う」と呼ばれ、祿位自然に豊盈ならん。若し金星を見れば、金は去りて水を生じて水と黨を結び、火星孤立して援なく、氣脈便ち虚弱ならん。
夏末秋初之火斯,時秋陽杲杲借水以濟其盛乃剛,柔變化最不宜與木氣同照。火羅朝拱太陽無水濟潤迎照度限萬物摧枯,一陷千丈如有一水貫日一孛濟火為之淋漓,普濟蒼生萬物蘇茂精神宛轉富貴。經云:火焰而無水淘溶縱發。而早年夭折又有先見火日,後見水孛,此謂之久旱干焦稿苗得雨,先主艱難而後快活。又有先見水孛後見火日,謂之久雨逢晴先主快活而後艱辛。
夏末秋初の火は、この時秋陽仍お熾烈にして、須く水を借りて其の旺盛を調劑せしめ、こそ剛柔の變化と算せられん、最も木星・紫気と一同に照臨するを宜しとせず。若し火星・羅睺が太陽を朝拱して水の滋潤なくんば、一旦行限の度の上に迎照すれば、萬物摧折枯萎して、一跌千丈ならん。倘若一顆の水星が太陽を貫穿し・一顆の月孛が火氣を調劑して、天地をしてこれ淋漓沾潤せしめば、則ち蒼生を普濟し・萬物蘇復し、精神宛轉流通して富貴を致さん。經文にいう、火焰熾盛にして水の來て淘洗熔煉するなければ、縱い一時發達すとも、早年に夭折するを要せん、と。また先に火星・太陽を見て、後に水星・月孛を見るのあり、これを久旱の焦乾の禾苗の雨に遇うと呼び、先艱難にして後快活なり。また先に水星・月孛を見て、後に火星・太陽を見るのあり、これを久雨の後の放晴と呼び、先快活にして後艱辛なり。
冬令之火斯時黑帝司權水德用事而火失,時最喜木氣相扶。若夜火貫日加以祿印爵貴佐之,反能富貴名揚天下之人也。其火最忌水孛土計羅?交互,火之氣脈虛矣。如有一木飛來洩水之氣助火出色,所謂水生木、木生火,命脈健矣。此乃精神轉運合為貴論。
冬の火は、この時北方黑帝が當權し・水德用事して、火は已に時を失う、最も木星・紫気の來て扶助するを喜ぶ。若し夜生まれにして火星日を貫き、更に祿神・印綬・爵星・貴人の輔佐を加えば、反って富貴能くして、名天下に揚がるの人物とならん。冬火は最も水星・月孛・土星・計都・羅睺(底本ここに一字を缺く)の交相往來するを忌む、那様ならば火の氣脈便ち虚けん。この時若し一顆の木星飛來して水氣を泄り去りて火の生色を助くれば、正に水生木・木生火の理に合し、命脈便ち強健に起來せん――これを精神輾轉流通すと呼び、貴格に合して論ず。
論土
夫土者中央黃帝之神,軒轅氏執繩司事。故曰:土為信信者、誠誠者直所謂繩,居五行之中負載養育之權。春令之土晝生與太陽交會,蓋是陽和一點天地皆春,若有官令祿印爵魁佐之,主守成富貴夜生最喜火照土。德朝拱太陽,蓋火土俱名精彩代日行權,用事北方生者一人之下,萬人之上忠臣良將。
土は中央黄帝の神なり、上古の軒轅氏は準繩を手執りてこの一方の事を主管す。ゆえに土は「信」を代表すといい、信は即ち誠なり、誠は即ち正直なり、これ正に繩墨の直を取るの義を取るなり。土は五行の中に居り、萬物を負載し・萬物を養育するの權を掌る。春の土は、晝生まれにして太陽と交會すれば、那れは一點の陽和の氣一たび到れば、天地便ち皆春意と成るなり。若し更に官星・令星・祿神・印綬・爵星・魁星の輔佐あれば、能く成を守りて富貴を享くるを主る。夜生まれは最も火星の照臨を喜び、土德太陽を朝拱す、火と土と皆「精彩」と稱するを得るを以て、太陽に代りて權を行い事を用うべし。北方に生まれたる人はこれを得て、一人の下に位して萬人の上なるを得べし、是れ忠臣良將なり。
土有生萬物之功,其德至大故得陽數五三才,五行皆不可失。春初生者土計不宜與水孛交會謂之泥逢泛滑如土躔,四水之度又逢水孛,春末夏初生者謂之土陷山崩皆非好格,蓋四五月間洪水滔天斯時土之氣脈虛矣。
土は萬物を生養するの功用あり、德性極めて大なり、ゆえに陽數の「五」に配するを得べし。天・地・人の三才と金木水火土の五行と、皆それを缺くを得ず。春初に生まれたる人は、土星・計都は水星・月孛と交會するを宜しとせず、那れを「泥泛滑に逢う」と呼ぶ。若し土が「四水」の度の上に躔りてまた水星・月孛に碰し、而も人が春末夏初に生まれば、則ち「土陷山崩」と呼び、皆好しき格局にあらず。四五月間洪水滔天にして、この時土の氣脈最も虚しければなり。
夏令之土最喜水孛,若得同宮以潤土之精神,斯時也萬物長養結實。遇水發生清源可愛富貴無言。夏末初秋之土不宜與羅火交會謂之火燥,土烈無水孛濟潤萬物摧枯,一落千丈晝生土與太陽交輝亦為日烈土焦,如逢水孛。此謂上生下潤土之精彩,萬物秀麗大降吉祥。冬令之土最喜日溫,自能變化。夜生木氣火羅佐助土之精神,光彩朝拱太陽皆主文武富貴,倘與水孛同躔極主貧寒,若得一木飛來洩水之氣而又遇火飛來,合度此謂精神展轉為妙。
夏の土は最も水星・月孛を喜び、若し能くそれらと同宮して土の精神を潤澤せば、この時萬物こそ生長結實するを得る。水に遇いて發生し、水源清澈可愛なれば、富貴自ずから言うを俟たず。夏末初秋の土は、羅睺・火星と交會するを宜しとせず、那れを「火燥土烈」と呼び、水星・月孛の來て滋潤するなくんば、萬物摧折枯萎して一落千丈なり。晝生まれにして土が太陽と交相輝映するも、同じく日烈土焦なり。この時若し水星・月孛に逢えば、便ち上に日の生じ・下に水の潤うあり、土の精彩顯露し、萬物秀麗にして、大いに吉祥を降す。冬の土は最も太陽のそれを溫暖するを喜び、自然に能く變化を生ずべし。夜生まれにして木星・紫気・火星・羅睺の土の精神を輔助し、光彩太陽を朝拱するあれば、皆文武富貴を主る。倘若水星・月孛と同度せば、則ち極めて貧寒を主る。この時若し一顆の木星飛來して水氣を泄り去り、また火星飛來して度を合し相配すれば、則ち精神輾轉流通と呼ばれ、最も奇妙なり。
論金
夫金者西方白帝之神,金天氏執矩司令。故曰:金為義,義者成,成者方所謂矩行收斂之。令主肅殺之權,春令之金不怕火,羅借火羅以溫助,謂之鍊金成器。變化氣質不宜與水孛同行,春初生者凝互寒凍未退,無火日溫之極主貧寒。春月之金性柔體弱夏令之金不宜生水,就賴水以制其剛,爍石逢源主利名顯達。夏令羅火何以相逢,冬月如斯自能發福。
金は西方白帝の神なり、上古の金天氏は矩尺を手執りて號令を主掌す。ゆえに金は「義」を代表すといい、義は成就に在り、成就の德は方正なり、これ正に矩尺を用いて收斂の令を運行し・肅殺の權を主掌するの意思なり。春の金は火を怕れず、反って火星・羅睺を借りて溫養扶助するを要し、「煉金成器」と呼び、能く其の氣質を變化せん。ただし水星・月孛と同行するを宜しとせず。春初に生まれたる人は、寒凍凝結まだ退かず、若し火星・太陽の來て溫暖するなくんば、極めて貧寒を主る。春月の金は性柔く體弱し。夏の金は更に水を生ずるを宜しとせず、反って水に靠りて其の剛烈を制するを要す。金は能く石を爍かし而もまた水源に逢えば、名利顯達を主る。夏令の中に羅睺・火星若し相逢えば、冬月に在るがごとくして、自然に能く福を發せん。
秋令之金乃白帝司權,金神用事不怕火羅而克不喜土,計而生借水映色正此謂也。金白水清最喜秋,生者貴若金,水朝拱太陽最為奇特。經曰:金堅而無火,鍛鍊終見兇頑。蓋火尚殺伐水尚澄清,文武皆沾剛柔相濟名揚四海。
秋の金は正に白帝當權・金神用事の時なり、火星・羅睺の來て克するを怕れず、ただし土星・計都の來て生ずるを喜ばず、而も水を借りて己の光色を映し出すを要す――「金白水清」の説は正にこの個を言う。ゆえに最も秋天生の人を喜び、これを得れば便ち貴し。若し金星・水星が太陽を朝拱せば、更に奇特なり。經文にいう、金堅硬なるといえども火の來て鍛煉するなければ、終に凶頑の器なるのみ、と。火は殺伐を崇尚し・水は澄清を崇尚するを以て、文武の兩途に皆沾えり、剛柔相濟いて、名を四海に揚ぐべし。
用金之論木,盛則金鈍而費力,土盛則金埋而少光輝,水盛則體寒,火盛則體鋾鎔,金盛則太剛而折只以四時論之,得中和為貴。冬令之金斯時寒凝凍結,晝喜日光而溫之,夜喜火羅而照之,定主文職蒙恩不宜與水孛交互。極主貧寒水冷故也,最妙晝土逢陽以溫其土可助其金,主威武之職,又逢火羅拱互降祥,正所謂金羅相會閫外司權。
金を用いるの法は還って諸星の多寡を看るを要す。木過盛なれば則ち金變じて鈍く力を費やし、土過盛なれば則ち金埋没せられて光輝少なく、水過盛なれば則ち金體寒冷し、火過盛なれば則ち金體熔化し、金自身過盛なれば則ち太も剛くして折れ易し――總じて四時に按じて論じ、中和を得るを以て貴と為すべし。冬の金は、この時寒氣凝結して凍り付き、晝生まれは太陽の來てそれを溫暖するを喜び、夜生まれは火星・羅睺の來てそれを照耀するを喜び、一定して文職を任じて恩寵を蒙受するを主る。水星・月孛と交相往來するを宜しとせず、那れは極めて貧寒を主る、水性の太も冷たきを以てなり。最も妙なるは晝生まれにして土星が太陽に逢い、太陽が土を溫暖にし、土はまた能く金を生助する、威武の職を任ずるを主る。若し再び火星・羅睺の互相拱照に逢えば、更に福を降すを主り、正にいわゆる「金羅相會、閫外に權を司る」、朝廷の外に於いて兵柄を執掌する能きなり。
