八・進人口
獨夫處世,休言無子即忘情;君子治家,難道一身兼作僕。必須便嬖,乃足使令於前;若不螟蛉,焉繼宗支於後?老而無子曰獨,過繼他人子曰螟蛉。螟蛉,蟲類也。須別來占,方知主用。過繼小兒,以子孫為主。買婢、僱童僕、買寵妾,及收留迷失之人,皆以財為主。若窩藏有難之人,則看其人:與我相識朋友,以兄弟為主;尊長,父母為主;婦人,妻財為主;在官人,以官鬼為主也。
孤身一人にして日を過ぐるは、子無きを説いて便ち念想を断つべからず。君子の家を治むるは、豈に自己一身をして兼ねて僕役を做さしめんや。総じて須く使喚すべき人有りて跟前に聴命するを要す。もし一個の孩子を過継せざれば、日後また誰に靠りて宗嗣を承継せしめん。老いて子無きを「独」と叫び、別人の児子を過継するを「螟蛉」と叫ぶ。螟蛉は本より虫名なり。この一門を占うに先ず問う所の何人なるを分清して、乃ちいずれの一爻を取りて用神と為すかを知る。小児を過継するは、「子孫」を以て主と為す。婢女を買い童僕を雇い寵妾を納れおよび走失の人を收留するは、皆「妻財」を以て主と為す。もし難有るの人を窩蔵するは、則ち彼の人の身份に按じて取れ。我と相識るの朋友は、「兄弟」を以て主と為す。尊長は、「父母」を以て主と為す。婦人は、妻財を以て主と為す。官に在るの人は、「官鬼」を以て主と為す。
用不宜動,動必難留;用爻發動,其人難托。若遇游魂,或化入游魂者,異日主逃竄。雖螟蛉,亦不為爾子也。僱工借居,則主不久。若來生合世爻,則是吉兆,非逃與難留也。主不可傷,傷須夭折。主象衰弱,而被日辰動爻乘旺來刑傷克害,更無解救者,異日必然夭折。雖借居,亦主其人有大禍。若傷克之爻又無氣,或有制伏,不過災病,非夭折。得用爻在空避之地,無妨。
用神は発動を宜しとせず。一たび動けば此人は便ち留め住まらず。用爻が発動せば、这人は靠り住まらず。もし遊魂卦に遇い、あるいは用爻が遊魂に変入せば、日後必ず逃走するを要し、たとえ過継し来るの養子なりとも、終にあなたの児子と做ることあらず。雇工・借住の人も、また住むこと長久ならざるを主す。ただしもし用爻の発動するが来り「世爻」を生合するを為れば、それは反って吉兆にして、逃走留まり難しの論を作さず。用神もまた傷を受くべからず。傷を受ければ便ち夭折を主す。用爻が衰弱して「日辰」あるいは動爻に旺に乗じて来り刑傷克害せられ、また解救無ければ、日後必定夭亡す。借住の人たりとも、また大禍に遭うを要するを主す。もし彼の傷克の爻本身無気にして、あるいは別に爻有りてそれを制伏せば、不過に一場の災病にして、並びに夭折に至らず。用爻もし「空亡」に落ちて躲避を得れば、亦た妨げ無し。
衰入墓中,擬定萎靡不振;旺臨世上,決然幹蠱有成。用爻入墓,其人性慵懶;衰弱無氣,及臨死絕,主萎靡不振;若得旺相不空,臨身持世,或生合世爻,大吉之兆。立嫡過房,必能成家;買納奴婢,亦能體我心力。動化空亡,有始無終之輩;蛇合官鬼,多謀少德之人。用爻發動,變入空亡,主其人有頭無尾。若臨螣蛇,動合官鬼,其人雖多謀,然奸詐不實,難憑。婦人見之,則主不貞潔。
用爻が墓に入れば、这人は性情懶惰なり。衰弱無気あるいは死絶の地に落つれば、更に萎靡不振なり。もし用爻が旺相にして空に落ちず、また「卦身」に臨み「世爻」を持し、あるいは世爻を生合せば、それは大吉の兆なり。過継立嗣は必ず家を興す能く、買い来るの奴婢もまた主人の心意を体貼して肯んじて気力を出す能し。用爻が発動して「空亡」に変入せば、此人は事を為すに頭有りて尾なく始有りて終なし。用爻が「螣蛇」に坐して発動して「官鬼」と相合せば、此人は機謀多しといえども、奸詐にして実ならず憑信し難し。もし婦人がこの様の用爻を占得せば、還だ彼女の貞潔ならざるを主す。
臨玄武而化兄爻,門戶須防出入;用臨玄武動,化兄弟;主其人貪財好色。托以財物,則必竊取自用,且必淫亂;男女皆然。故門戶防其出入。遇青龍而連福德,資財可付經營。用臨青龍,動化子孫,生合世爻,其人至誠忠厚。托以財物,則守而勿失;使之經營,則利盡歸於主。如占小兒,遇子孫化子孫者,反主多災。
用爻が「玄武」に坐して発動して「兄弟」を変出せば、此人は財を貪り色を好む。銭物を彼に交えば必定偷びて自用し、還だ必ず人と淫乱せん。男女皆是くの如し。ゆえに門戸の出入は多く隄防を加うるを要す。用爻が「青竜」に坐して発動して「子孫」を変出し、また「世爻」を生合せば、此人は至誠忠厚なり。銭財を托付せば守り得住して失わざる能く、彼をして経営せしめれば則ち利益は尽く主人に帰す。ただしもし過継の小児を占うは、「子孫」の子孫を変出するに遇えば、反って孩子の災病多きを主す。
若逢太過及空亡,反主少誠兼懶惰。卦中用爻,有三四重太過,或主象又化主象,皆主其人暗藏機巧,反覆不實,且又事不宜向前。若主象空亡,亦是懶徒。決斷人物,已在前,此又補不足耳。用爻生合世爻,必得其力;主象克沖身象,難服其心。用爻生合世爻,其人可用。凡有事幹,必然用心;雖螟蛉,亦必歡愛於我,大吉之兆。大怕合住沖散,及克壞之。若用爻刑沖剋害世爻,必主其人心不悅服,難以使令。更加旺動,是乃奴婢欺主之象。兼以應亦刑剋,異日必遭其禍。
卦中に用爻の重畳して三四重に到れば則ち太過なり。あるいは用爻がまた用爻を変出せば、皆此人の暗に機巧を蔵し反復して実ならず、しかも事に遇いて肯んじて頭を出さざるを主す。用爻もし「空亡」に落つれば、亦た一個の懶散の徒なり。人物を品評するの通例に至りては、前面の身命の一門に已に講過せり。ここには不過にその未備を補うのみ。用爻が「世爻」を生合せば、此人は用うべし。およそ差遣有れば必然心を尽くし、たとえ過継し来るの養子なりとも、必ず我に親愛なり。是れ大吉の兆なり。最も怕るるはそれの合住せられ沖散せられあるいは克壊せらるるなり。もし用爻が反って世爻を刑沖克害しに往かば、此人は必定心に悦服せず使喚し難し。再加えて旺相発動せば、それはすなわち奴婢の主を欺くの象なり。もし「応爻」もまた来り刑克せば、日後必ず彼の禍害に遭わん。
財化子,攜子偕來;凡占妻妾婢女,財爻化出子孫,必有小兒帶來。若動財生合世爻,而化子反來刑剋者,其婢則可使,其子必頑劣不馴也。世合身,終身寵用。卦身一爻,占事為事之體,古人為人之身。若遇世爻生合,其人必得寵用。不拘借房投靠使婢,若遇世合財爻,其婦必通於家主。
およそ妻妾婢女を占うに、「妻財」が「子孫」を変出せば、此人は必ず小孩を帯びて一同に前来す。もし発動の妻財が「世爻」を生合して、しかも変出の子孫が反って来り世爻を刑克せば、那婢女は用うべく、彼女の帯び来るの孩子は却って必定頑劣馴わず。「卦身」の一爻は、事を占う時は事情の本体を代表し、古人は則ち用いて人の自身を代表せり。卦身もし世爻の生合を得れば、此人は必ず終身寵任を受く。房を借りて居住し、投靠して奴と為り、あるいは婢女を使喚するを論ぜず、ただ世爻と妻財とが相合せば、那婦人は必ず家主と私情有り。
受動變之傷,向後終難稱意;得日月之助,他時定見如心。月建日辰動爻克世,其人不可用;世爻衰,必被其害;若得變動日月生合扶助,然後為吉。若用爻空亦不濟。世與卦身,以和為貴;世身二爻,相合相生,比和為吉。相剋相沖,刑害為凶。
「月建」「日辰」あるいは動爻が来り「世爻」を克せば、这人は用うべからず。世爻もし衰弱なれば、必ず彼に害せられん。必ず変爻・動爻および日月の来り生合扶助するを得て、乃ち吉と算す。ただし用爻もし「空亡」に落つれば、また仍旧事に済わず。世爻と「卦身」の両爻は、彼此に和順を以て貴しと為す。両爻の相生・相合あるいは彼此比和するは皆吉と為し、相克・相冲および刑・害するは則ち凶と為す。
兄同官鬼,惟靜為佳。兄弟一爻者,為破財,為干眾,為虛詐,為阻滯,為是非,為災禍。官兄二爻者,皆不宜動;動必不稱意,有制不妨。兄鬼交重,誠恐將來成訟;三合絆住,須知此去徒勞。兄官或交變,或俱動,或從文書化出,皆主爭論紛壇,而至於成訟則已;若自三合六合絆住動爻,必有人阻檔,雖欲興詞,終不成訟。欲知何人阻住,以合住之爻斷之。
「兄弟」の一爻は財を破るを主り、人多く手雑なるを主り、虚詐を主り、阻滞を主り、是非を主り、災禍を主る。兄弟と「官鬼」の両爻は皆発動を宜しとせず。一たび動けば必ず称心ならず。もし爻有りてそれらを制伏せば、則ち事に妨げず。兄弟・官鬼の互相変化し、あるいは一斉に発動し、あるいは「父母」文書の爻より変出せば、皆争執紛紜を主り、甚だしきは官司を打つに鬧るに至る。もしこれらの動爻が三合・六合に絆住せられれば、必ず人有りて中より阻攔して、状を告げんと欲すといえども終に訟を成す能わず。何人の阻攔するを知らんと欲せば、則ちそれを合住するの一爻を看て断ず。
若在間爻,乃是牙人作鬼;買賣交易,以間爻為牙行人。若臨兄弟官鬼發動,必是牙人作鬼斗謀,或多人爭保,或行人爭財,皆為不利。主事體難成。如居空地,不過賣主爭財。官鬼一爻空動,是賣主假虛空言,欲爭價耳。在間爻以牙人論。若兄鬼動而與應爻相合,必其賣主牙人作鬼論財,遇動爻化兄鬼亦然。
買売交易は間爻を以て経紀牙人と為す。間爻もし「兄弟」「官鬼」に坐して発動せば、必ず牙人の中より鬼を搗ち謀を設け、あるいは多人の争いて保を做し、あるいは同行の利銭を争奪するにして、皆事に利あらず、交易成り難きを主す。「官鬼」の一爻が空にして発動するは、那不過に売主の空話を放ち虚勢を張りて、価を抬げんと欲するのみ。もし空動するが間爻なれば、則ち牙人に按じて論ず。もし兄弟・官鬼が発動して「応爻」と相合せば、必ず売主と牙人とが串通して価銭を講ずるなり。動爻が兄弟・官鬼を変出するも、これも同じ。
卦象兩官兩父,須知事繫兩頭;卦中父母、官鬼,俱有兩爻;或動爻化出官父,重疊太多;或卦無主象,而從官父化出;皆主其人曾經典賣,今是重易也。若父化父亦然。兩鬼俱動生合用爻,皆有人爭競買僱。兄鬼一動一沖,切莫財交一手。卦遇應爻克世,而兄官發動,或被日辰沖動,或臨應爻克世,須防設謀誆騙。故財物不可便交一手去也。
卦中に「父母」「官鬼」各々两爻有り、あるいは動爻より官鬼・父母を変出して重畳多過ぎ、あるいは卦中に本より用神無くして官鬼・父母の中より変出せば、皆这人の先前已に典売せられて、如今は第二次の転手なるを主す。父母が父母を変出するも、亦たこの如し。两重の官鬼皆発動して用爻を生合するは、人有りて我と争いて人を買い人を雇うなり。もし「応爻」が「世爻」を克し、しかも「兄弟」官鬼また発動し、あるいは「日辰」に沖起せられ、あるいは応爻に坐して来り世爻を克せば、則ち相手方の計を設けて誆騙するを防ぐを要す。ゆえに銭物は一手に交清すべからず。
應主世,他來就我;世生應,我去求人。凡占買僱奴婢,交易等事,以應為賣主。應生世是他人來就我,成事最易,吉;若世生應,我去求他,成事實難也。和合易成,最怕日辰沖破;世應生合,凡事易成。生合為上,克合次之。惟不宜世動,則是我去合他,又為難也。若是相合,又被日辰動爻刑害,必有破阻。要知何人,以破合之爻定之。如父母,為長上類。
およそ人を買い人を雇い交易等の事を占うに、「応爻」を以て売主と為す。応爻が「世爻」を生ずるは、相手方の来りて我に就くにして、事は最も成り易くして吉なり。世爻が応爻を生ずるは、我の往きて彼を求むるにして、事は則ち成り難し。世応相生相合せば凡事成り易く、其中は生じてまた合するを上と為し、克中に合を帯びるを次と為す。ただ世爻の発動を宜しとせず。それは我の往きて彼に合するにして、又た転じて難と為る。もし相合すといえども「日辰」あるいは動爻に刑害せられば、必ず阻撓破壞有り。何人の破壞するを知らんと欲せば、則ちこの合を沖破するの彼の一爻を看て定む。たとえば「父母」は、便ち尊長の一類なり。
相沖難就,偏宜動象生扶。世應刑沖剋害,凡事費力難成。若動爻日辰生扶合助,謂之有氣,必有貴人扶持,事亦可成。若當用爻,則是牙人能持其事。如生合爻是兄弟,又須用財囑託,方能成事。兄爻發動,為詐為虛;兄弟為反覆不定之神,故也。卦象亂興,多更多變。亂動則事不定,故多更變。
「世爻」「応爻」が刑沖克害せば、凡事力を費やして成り難し。もし動爻・「日辰」の生扶合助有れば、これを気有りと叫び、必ず貴人の扶持有りて、事情は仍お成るべし。もし来り生扶するが正に用爻なれば、それは牙人のこの樁の事を主持し得住る能くするなり。もし来り生合するが「兄弟」爻なれば、還だ銭を花して打点上嘱托するを得て、事乃ち弁じ成るを得。兄弟の発動は虚詐にして実ならずを主す。兄弟は反復不定の神なればなり。卦爻が乱動すれば則ち事情定まらず。ゆえに多く更改変化有り。
六爻無父,定無主契之人;六爻以父母為文書契券,又為主契之人。若六爻皆無父母,必無主契之人。若無父母而動爻化出者,主有旁主。雖有父母而應爻空亡,亦無正主。兩間俱空,未有作中之子。間爻空亡,必無媒人。空亡而逢沖,必須央浼作媒。世沖,我去央他;應沖,彼去央他。動而空亡,其人假意推託,非真無心做也。
六爻の中に「父母」を以て文書契券と為し、また出面して契を立つるの人を代表す。六爻全く父母無ければ、必定契を主る人無し。本より父母無くして動爻より変出せば、それは一個の旁人の代わりて主を為すなり。父母有りといえども「応爻」が「空亡」に落つれば、また正主無きと算す。両個の間爻皆空亡に落つれば、則ち居間説合の人無し。間爻が空亡に落ちてまた沖に逢えば、必ず往きて人を央求して中を作さしむるを須す。「世爻」に沖せられれば、我の往きて彼を央ぐなり。応爻に沖せられれば、相手方の往きて彼を央ぐなり。間爻が発動して空亡に落つれば、那人は假意推托にして、並びに真に肯んぜざるに非ず。
世獲間生,喜媒人之護向;間爻生世合世,媒人必然向我,生應則向他人。臨子孫旺相發動,必然執持其事。若不生世,而被應克,且居衰弱之地,彼必聽其謀為也。生扶弟出,防喜生之合謀。大抵間爻生合世爻,若卦中凶神不動,則是媒人誠心向我,無他意也。若兄鬼螣蛇玄武動克世,而應爻又來沖刑我者,則是間來生合,假意合謀,非真心也。空動亦非真心。若臨兄弟動化官,或臨父官兄,其言必不可信。
間爻が「世爻」を生じ世爻を合せば、中人は必定我に向う。もし「応爻」を生ずれば、則ち相手方に向うなり。間爻が「子孫」に坐して旺相発動せば、此人は必ず事情を弁成する能し。もし間爻が世爻を生ぜず、反って応爻に克せられ、また衰弱の地に処れば、則ち彼は必然相手方の擺布に聴凭す。大体間爻が世爻を生合するは、ただ卦中の凶神動かざれば、便ち中人の誠心にして我に向いて、別に他意無し。ただしもし「兄弟」「官鬼」「螣蛇」「玄武」が発動して来り世爻を克し、しかも応爻また来り我を沖刑せば、則ち間爻の生合はすなわち假意にして、実は相手方と合謀して、並びに真心に非ず。間爻が空にして発動するも、また真心に非ず。間爻が兄弟に坐して発動して官鬼を変出し、あるいは「父母」・官鬼・兄弟に坐するは、彼の話は皆軽信すべからず。
父化兄,契虛事假;凡遇以上凶卦,而父母又化兄爻者,決主事體不真,文契不實。卦無父母,而從兄弟化出者,亦然。父化父主文書不實,又主交易重疊。兄持世,財散人離。兄弟持世,必然多費錢財,事亦干眾。僱工奴婢,不得力。更帶凶神旺動,必主人離財散。若占交易貨物,亦不正之物。
以上のこれらの凶卦に遇上して、「父母」また「兄弟」を変出せば、事情は一定真ならず文契もまた実ならず。卦中に本より父母無くして兄弟より変出するも、これも同じ。父母が父母を変出するは、文書実ならざるを主り、また同一樁の交易の反復転手するを主す。兄弟が「世爻」を持せば、必定多く銭財を破費して、事情また人多くに牽渉す。雇い来るの工人奴婢もまた力を得ず。再び凶神を帯びて旺相発動せば、必ず人離れ財散ずを主す。もし交易の貨物を占うも、それもまた来路正ならざるの東西なり。
應若空亡,我欲成交徒費力;世如發動,彼來謀合亦難成。凡占交易,若我幹求於彼,而應爻空亡者,其事必不成。如彼欲求謀於我,而世爻空亡者,其事亦不成。蓋空世動,是我心疑惑;應動是他人更變;皆主難成,不為執滯。如或空逢沖動,而遇合,皆謂有解。至此月有成,自空妄動則凶。
およそ交易を占うに、もし我が往きて人を求むるにして「応爻」が「空亡」に落つれば、此事は必ず成らず。もし相手方の来りて我を求むるにして「世爻」が空亡に落つれば、此事も同じく成らず。世爻が空にしてまた動くは、我自己の心に疑慮を存するを以てなり。応爻が発動するは、相手方の変卦せんと要するにして、皆成り難きを主す。一端に拘執するを要せず。もし空に落つるの爻が沖に逢いて動き、あるいはまた相合に遇えば、それは皆解有りと算し、本月に到りてなお成る能し。ただ自ら空亡に落ちて妄動するをもって、乃ち凶なり。
弟因財乏,鬼必疑心。卦遇不成之象,而兄弟持世者,必因資財缺欠,故難成也。六爻無財,或落空亡者,亦然。鬼爻持世,則是心多疑,或進退不定,故難成也。不然必有他事阻,或有不測災病。卦無官鬼,又是無人執持其事,亦主不成。
卦已に不成の象を現出して、「兄弟」が「世爻」を持するは、それは銭の手に湊らざるに因りて、ゆえに成り難し。六爻の中に「妻財」無く、あるいは妻財が「空亡」に落つるも、亦た同じ様の道理なり。「官鬼」持世なれば、則ち自己の心に疑慮多く進退定まらず、因りて成り難し。然らざればまた必ず別の事情有りて中より阻隔し、あるいは意外の災病有り。卦中もし根本に官鬼無ければ、また人無くして出面してこの樁の事を主持する無くして、同じく不成を主す。
四復三番,事機不定;千變萬化,卦象無常。能求不見之數,自喻未來之事。凡占收留遺失子女,最怕鬼臨玄武發動,必是盜賊。用臨玄武,動化鬼爻,亦然。刑剋世爻,必被其害。或有遠方挈家逃來借居者,不論六親,以應為主。臨兄,為欠債來;臨官,為戶役避罪責;加玄武則是盜賊;逢沖,事已敗露;雖臨玄武,不帶鬼,而與財爻合,或臨玄武財爻,為姦情事來也。大抵皆怕兄鬼旺動克世,禍終及己。不傷世,或子孫持世者,不妨。
事情は三番四復にして機変定まらず、卦象は千変万化にして一成不変の常規無し。求めて彼の見えざるの数を得る能くば、自然に未来の事を明白す。およそ走失の子女を收留するを占うに、最も怕るるは「官鬼」の「玄武」に坐して発動するなり。それは必ず盗賊なり。用爻が玄武に坐して発動して官鬼を変出するも、これも同じ。もし再び「世爻」を刑克せば、我は必ず彼に害せられん。もし遠方より家を携えて逃げ来りて借住するの人有れば、六親の如何を論ぜず、一律に「応爻」を以て主と為す。応爻が「兄弟」に坐するは、債を欠きて逃げ来れるなり。官鬼に坐するは、賦役罪責を逃避するなり。再加えて玄武あれば、則ち盗賊なり。もし沖に逢えば、事情は已に敗露せり。応爻が玄武に坐すといえども官鬼を帯びずして、却って「妻財」と相合し、あるいは本身就是れ玄武に坐するの妻財なれば、それは姦情の事の為に来るなり。要するに最も怕るるは兄弟・官鬼の旺相発動して来り世爻を克するなり。禍患は終に自己に連累せんと要す。ただ世爻を傷らざる、あるいは「子孫」持世有れば、則ち事に妨げず。
卜筮全書巻之十・黄金策三
九・疾病
人孰無常,疾病無常;事孰為大,死生為大。占病以官爻為惡殺。凡病:症候輕重,得病根由,皆係此爻。獨發之爻,亦可以此推之。火屬心經,發熱咽乾口燥;水歸腎部,惡寒盜汗遺精。金肺木肝,土乃病侵脾胃;衰輕旺重,動則煎迫身軀。鬼爻屬火,心經受病;其病必發熱,咽乾口燥類。屬水,腎經受病;其病必惡寒,或盜汗,或遺精白濁類。屬金,肺經受病;其症必咳嗽虛怯,或氣喘類。屬木,肝經受病;其症必感冒風寒,四肢不和類。屬土,脾經受病;必虛黃浮腫,瘟疫時氣類。若鬼爻衰弱,病必輕;旺必重。安靜則穩然安臥,發動則煎逼急躁。
人生は豈に一定不変あらん、疾病もまた常態無し。世間の何事か最大ならん、生死が最大なり。病を占うに「官鬼」を以て悪煞と為し、病情の軽重・病を得るの根由は皆この一爻に係る。卦中に独り発するの彼の一爻も、またこれに照らして推断すべし。官鬼が火に属すれば、是れ心経の病を受くるにして、必然発熱・咽乾口燥す。水に属すれば、是れ腎経の病を受くるにして、必然寒を畏れ、あるいは盗汗し、あるいは遺精白濁す。金に属すれば、是れ肺経の病を受くるにして、必然咳嗽虚弱あるいは気喘す。木に属すれば、是れ肝経の病を受くるにして、必ず外感風寒・四肢不適なり。土に属すれば、是れ脾経の病を受くるにして、必ず面色萎黄浮腫・時疫の気なり。官鬼が衰弱すれば則ち病勢軽く、旺相なれば則ち病勢重し。官鬼が安静なれば、病人はなお安穏に躺臥する能し。官鬼が一たび発動すれば、便ち身躯を煎迫して、人をして難受煩躁して安寧を得ざらしめ、坐臥ともに難し。
若在坎宮,中滿血虛兼溼毒;如當離卦,內虛眼赤及尿黃。坎象中滿,故主中滿;離象中虛,故主內虛。然坎宮屬水,火鬼主血虛,水鬼主溼毒。離宮屬火,或火官主眼赤,水鬼主尿黃。坤腹乾頭,兌必喉風咳嗽;艮足震手,巽須癱瘓腸風。鬼在坤宮,腹中有病。火鬼:必患腹癰。水鬼:腹中疼痛。動化財爻,或財化水鬼,必患瀉痢。土鬼:則是癖塊,食積,或沙脹蠱症。木鬼:絞腸痧痛,或大腸有病。金鬼:脅肋痛。在上,胸隔痛;在下,腰痛。此鬼在坤宮斷法,其諸卦仿此推之。
坎卦は一陽が二陰の中に陥して、その象は中満なり。ゆえに脘腹脹満を主す。離卦は中爻虚にして、その象は中虚なり。ゆえに内裏空虚を主す。坎宮は水に属し、その中の火性の「官鬼」は血虚を主り、水性の官鬼は湿毒を主る。離宮は火に属し、その中の火性の官鬼は両眼の紅赤を主り、水性の官鬼は小便の黄赤を主る。坤は腹を為し、乾は頭を為し、兌は口喉を為し、艮は足を為し、震は手を為し、巽は風気を主る。ゆえに兌宮は多く喉風咳嗽し、巽宮は多く癱瘓腸風す。官鬼が坤宮に在れば、是れ腹中に病有り。火鬼は必ず腹内の癰疽を患い、水鬼は腹中の疼痛にして、もし発動して「妻財」を変出し、あるいは妻財が水鬼を変出せば、必ず泄瀉痢疾を患う。土鬼は痞塊・食積にして、あるいは臌脹蠱症なり。木鬼は絞腸痧痛にして、あるいは大腸に病有り。金鬼は脅肋の痛を作し、上爻に在れば則ち胸膈痛み、下爻に在れば則ち腰痛す。これは官鬼の坤宮に在るの断法にして、その余の各卦はこれに照らして類推す。
螣蛇心驚,青龍則酒色過度;勾陳腫脹,朱雀則言語顛狂。虎有損傷,女子則血崩血暈;玄武憂鬱,男人則陰症陰虛。螣蛇鬼:則坐臥不安,心神不定。青龍鬼:則酒色過度,瘦弱無力。勾陳鬼:飽滿腫脹,脾胃不和。朱雀鬼:狂言亂語,身熱面赤。白虎鬼:跌撲打鬥,傷筋損骨;女人則血崩血暈,產後諸症;白虎血神,故也。玄武鬼:色慾太過,憂悶在心;在本宮主陰虛;化子孫,男子必陽痿;蓋玄武又闇昧之神,故也。宜通變。
「官鬼」の帯ぶる所の六神もまた各々一類の病症を主る。官鬼が「螣蛇」を帯ぶれば、坐臥安からず心神恍惚す。「青竜」を帯ぶれば、是れ酒色過度・瘦弱無力なり。「勾陳」を帯ぶれば、是れ脘腹脹満・脾胃不和なり。「朱雀」を帯ぶれば、是れ胡言乱語・身熱面赤なり。「白虎」を帯ぶれば、是れ跌撲鬥毆・傷筋損骨にして、婦人は則ち血崩血暈および産後の諸症なり。白虎は血神なればなり。「玄武」を帯ぶれば、是れ房事過度・憂悶心に在りて、本宮は陰虚を主る。もし「子孫」を変出せば、男子は必ず陽痿を患う。玄武また幽暗不明の神なればなり。以上の各条は臨断の時に還だ卦象を斟酌し、靈活に変通して、死して一説を執るべからず。
鬼伏卦中,病來莫覺;占病遇本宮鬼出現發動,得病初即曉根源。若本宮官鬼不出現,而他宮官鬼出現者,有病必然久伏在身,今因七情四氣感冒而發也。若本宮他宮皆無官鬼,必隱然得病,初莫知何由也。明夷、觀、賁、需、臨,切忌世身入墓;大畜、豐、同人、蠱、夬,莫逢財鬼俱興。
病を占うにもし本宮の「官鬼」が出現して発動せば、病人は起病の初めより病根の所在を知る。もし本宮の官鬼が出現せずして、他宮の官鬼が出現すれば、それは病の早已に身に潛伏して、如今に喜怒憂思等の七情・風寒暑濕等の四気の引動に因りて發作するなり。もし本宮他宮ともに官鬼を見ざれば、それは不知不覺の間に得たるの病にして、起初は緣由さえも説き清むる能わず。病を占うに還だ卦體を留意するを須す。『明夷』『觀』『賁』『需』『臨』を得れば、切に「世爻」「卦身」の墓に入るを忌む。『大畜』『豐』『同人』『蠱』『夬』を得れば、切に「妻財」と官鬼とが一齊に發動するを忌む。
官藏世下,病起如前。本宮鬼官伏在世下,必是舊病重發。若伏鬼不傷用爻,而用爻反被世克者,前日病輕,今日反沉重。如伏鬼刑傷用爻,而用爻反得世爻生扶者,前日病重,今日輕。用爻:妻病看財爻類。若伏妻財,必是傷飢失飽;如藏福德,必然酒醉耽淫。父乃勞傷所致,兄為氣食相侵。鬼伏財下,必是飲食不節,傷飢失飽;或因財物起因,或因婦人得病。鬼伏子下,必是飲酒過度;或恣行房事。夏或露臥,過取風涼;冬或傷暖,過穿裘帛;或過修煉養精等藥所致。鬼伏父下,必是勞心勞力,憂慮傷神。或因動土修造,或因尊長得病。鬼伏兄下,必是口舌爭競,停食感氣;或有咒咀,或因賭博爭財得病。
本宮の「官鬼」が「世爻」の下に伏すれば、必ず舊病の復發なり。もし伏する所の官鬼が並びに用神を傷らずして、用神が反って世爻に克せられれば、それは従前病輕くして如今重きに轉ずるなり。もし伏する所の官鬼が用神を刑傷して、用神が反って世爻の生扶を得れば、それは従前病重くして如今輕きに轉ずるなり。いわゆる用神とは、たとえば妻子の病を占えば則ち「妻財」を看、その余は類推す。官鬼が妻財の下に伏すれば、必ず飲食節ならず飢飽度を失い、あるいは財物の事に因り、あるいは婦人に因りて病を得たり。子孫」の下に伏すれば、必ず飲酒過量あるいは縱欲無度、あるいは夏天に露天に臥して過分に涼を貪り、冬天に裘衣過厚にして溫暖に傷られ、あるいは服食修煉養精の藥の致す所なり。「父母」の下に伏すれば、必ず勞心勞力・憂慮神を傷り、あるいは動土修造に因り、あるいは尊長の事に因りて病を得たり。「兄弟」の下に伏すれば、必ず口角爭競・食積氣を受け、あるいは人の咒罵詛咒に遭い、あるいは賭博爭錢に因りて病を得たり。
官化官,新舊兩病;鬼化鬼,遷變百端。本宮官鬼,仍伏他宮官鬼之下,必是舊病;或因舊病不謹,變生他症;或新舊兩般病。若遇鬼化鬼,其病進退。或有變症,或藥石駁雜,或寒熱不定。化出文書在五爻,則途中遇雨;變成兄弟居三位,則房內傷風。鬼化父母,必在修造之處得病。若在五爻屬水,則在途冒雨而得也。如化兄弟,必因口舌嘔氣,或是傷食。若在三爻屬木,必房中脫衣露體,感冒風寒所致。若化子孫,則在僧道寺院,或漁獵遊戲所致。若化財爻,多因傷食,或因妻奴,或因買賣交易得病。以上六親化出鬼爻,亦依此斷。
本宮の「官鬼」がまた他宮の官鬼の下に伏すれば、必ず舊病なり。あるいは舊病の曾て將養せずして轉じて別の症候を出し、あるいは新病舊病が一齊に發作す。もし官鬼が官鬼を變出せば、病勢は則ち時に進み時に退き、あるいは症候轉變し、あるいは服する所の藥石雜亂し、あるいは寒熱定まらず。官鬼が「父母」を變出せば、必ず是れ修造動土の處に於いて病を得たり。もしこの父母が第五爻に在りてまた水に屬せば、それは途中に雨を冒して得たり。官鬼が「兄弟」を變出せば、必ず口角慪氣に因り、あるいは傷食なり。もしこの兄弟が第三爻に在りてまた木に屬せば、必ず是れ房中に衣を脫ぎ體を露して、風寒に感冒するの致す所なり。官鬼が「子孫」を變出するは、寺觀僧道の處に於いて、あるいは漁獵游玩の時に得たり。官鬼が「妻財」を變出するは、多く傷食に因り、あるいは妻妾奴僕に因り、あるいは買賣交易に因りて病を得たり。反って以上の六親より官鬼を變出するも、またこれに照らして推断す。
本宮為在家得病,下必內傷;他卦為別處染災,上須外感。鬼在本宮,家中得病。在下三爻,必是內傷症候;不然病亦在內。官在外宮,外方得病。更在上三爻,必是外感風邪;不然,亦是外科症候。上下有鬼,內傷兼外感,症候不一。上實下空,夜輕日重;鬼在內宮,病必夜重;鬼在外卦,病必日重;內外有鬼,晝夜不輕。若卦雖有二鬼,一旺一空,或一動一靜,必日輕夜重,或日重夜輕。分上下斷之。
「官鬼」が本宮に在れば、是れ家中に於いて得たるの病なり。下三爻に落つれば、必ず内傷の症候にして、然らざれば病位もまた體内に在り。官鬼が他宮に在れば、是れ外地に於いて染めたるの病なり。再び上三爻に落つれば、必ず外感風邪にして、然らざれば亦た外科の症候なり。上下ともに官鬼有れば、則ち内傷兼ねて外感して、症候は一種に止まらず。官鬼が内卦に在れば、病は必ず夜裡加重す。外卦に在れば、病は必ず白天加重す。內外ともに官鬼有れば、晝夜ともに輕きを見ず。もし卦中に兩重の官鬼有りといえども、一旺一空あるいは一動一靜なれば、それはすなわち白天輕く夜裡重く、あるいは白天重く夜裡輕くして、それらの上に在り下に在りに按じて分別して斷ず。
動生變克,暮熱朝涼。凡占,動爻為始,變爻為終。若卦中動爻生扶用爻,而變爻刑剋用爻者,其病必朝涼暮熱,或日輕夜重也;動克變生,反此斷。凡鬼爻化出所喜爻,所喜爻化出鬼爻,亦然。水化火,火化水,往來寒熱;卦爻水動化火,火動化水;不拘鬼爻,但有干犯世爻或主象者,皆是寒熱往來之症。卦有水火二爻俱動,亦然。水旺火衰,寒多熱少;水受傷,火得助,則常熱乍寒也。坎宮火動,內寒外熱;離宮水動,皮寒骨熱。若帶日辰,必是瘧疾。
およそ卦を占うに動爻を以て事の始めと為し、變爻を以て事の終りと為す。もし動爻が用神を生扶して變爻が用神を刑克せば、この病は必ず早上涼爽にして傍晚發熱し、あるいは白天輕く夜裡重し。動爻が克して變爻が生ずれば、則ち反って斷ず。「官鬼」が喜ぶ所の爻を變出し、あるいは喜ぶ所の爻が官鬼を變出するも、道理相同じ。卦中に水爻が發動して火爻を變出し、あるいは火爻が發動して水爻を變出すれば、官鬼なるや否やを論ぜず、ただ「世爻」あるいは用神を冒犯するや、皆是れ寒熱往來の症なり。卦中に水火の兩爻が同時に發動するも、これも同じ。水旺にして火衰なれば、寒多くして熱少なし。水が傷を受けて火が助を得れば、則ち常に發熱して偶に發冷す。坎宮の火爻が發動すれば、內寒にして外熱す。離宮の水爻が發動すれば、皮膚發冷して骨裡發熱す。もしこれらの爻がまた「日辰」を帶びれば、必ず瘧疾なり。
上沖下,下沖上,內外感傷。上下有鬼,病必內外兩感。俱動俱靜,一同受病。二鬼自相沖者,適感而遂傷也。如內鬼動,沖外鬼,先傷後感;外鬼動,沖內鬼,先感後傷。要分輕重,以刑合斷之,可也。火鬼沖財,上臨則嘔逆多吐;火性炎上,財為飲食。故占病,遇火鬼動克外財,必是嘔吐,重則反胃不食。若財帶螣蛇,吐上兼蟲;財在間爻,則是消渴易飢之症。
上下の兩處ともに「官鬼」有れば、病は必ず內傷外感兼ね有り。兩爻同動あるいは同靜なれば、是れ內外一齊に病を受くるなり。兩重の官鬼が互相衝擊せば、則ち剛く外感を受けて便ちまた內傷す。內卦の官鬼が發動して往きて外卦の官鬼を衝せば、是先に內傷して後に外感す。外卦の官鬼が發動して往きて內卦の官鬼を衝せば、是先に外感して後に內傷す。輕重を分かたんと欲せば、則ち刑と合との關係に按じて斷ず。火性は炎上して、「妻財」は飲食を代表す。ゆえに病を占うに火性の官鬼が發動して往きて外卦の妻財を克するに遇えば、必ず嘔吐にして、重ければ則ち反胃して食を進むる能わず。妻財もし「螣蛇」を帶びれば、嘔吐の中に還だ蟲を夾む。妻財もし間爻に在れば、それは消渴易饑の症なり。
水官化土,下值則小便不通。水官化出回頭土克,在本宮內卦,是小便不通。屬陰,是大便不通。陽宮陰象,陰宮陽象,二便俱不通。若內卦水克,動加白虎,陽爻是尿血,陰爻是瀉血。白虎血神,故也。帶刑是痔漏。若患牙疔,兌鬼金連火殺;鬼在兌宮,口中病。若金鬼化火,或火化金鬼,必患牙疔。不化火爻,則是齒痛。金鬼逢沖,齒必動搖。
水性の「官鬼」が土爻を變出して回頭して來り克するに、もし本宮內卦に在れば、是れ小便不通なり。官鬼が陰に屬せば、則ち是大便不通なり。陽宮にして陰象を配し、陰宮にして陽象を配せば、則ち大小便ともに不通なり。もし內卦の水爻が克を受け、發動してまた「白虎」を加えれば、陽爻は尿血にして陰爻は便血なり。白虎は血神なればなり。再び刑を帶びれば、則ち痔瘡漏管なり。官鬼が兌宮に在れば、病は口中に在り。金性の官鬼が火爻を變出し、あるいは火爻が金性の官鬼を變出せば、必ず牙疔を患う。火爻を變出せざれば、就中ただ牙痛のみ。金性の官鬼が衝に逢えば、牙齒は必然鬆動す。
如生腳氣,震宮土化木星。鬼在震宮,病在足。加勾陳,足必腫;加白虎,必折傷破損。土鬼化木,則患腳氣。木鬼,痠疼麻木;水鬼,必是溼氣;火鬼,必主瘡毒;金鬼,是腳骱膝疼骨痛,或刀刃所傷。鬼在離宮化水,痰火何疑;官來乾象變木,頭風有準。震遇螣蛇仍發動,驚悸顛狂;艮逢巳午又交重,癰疽瘡毒。離宮鬼化水爻,痰火症候;水動化鬼,亦然。乾宮鬼化木爻,頭風眩暈;木動變鬼,亦然。震在外卦,勿依此斷,可言其病坐臥不安,心神恍惚。蓋震主動,故也。更加螣蛇發動,必是顛狂驚癇之症,小兒乃驚風也。逢沖,則有踰牆上屋之患。艮象為山,山高故也。更逢火鬼,必患癰疽。若遇變出土鬼,可言浮腫蠱脹等症。餘可類推。
「官鬼」が震宮に在れば、病は足部に在り。「勾陳」を加えれば、脚は必ず浮腫す。「白虎」を加えれば、必ず骨折外傷なり。土性の官鬼が木爻を變出せば、就ち脚氣を患う。木性の官鬼は酸痛麻木なり。水性の官鬼は濕氣なり。火性の官鬼は瘡毒なり。金性の官鬼は脚踝膝蓋の疼痛骨に入り、あるいは刀刃の傷る所と為る。離宮の官鬼が水爻を變出するは、是れ痰火の症なり。水爻が發動して官鬼を變出するも、これも同じ。乾宮の官鬼が木爻を變出するは、是れ頭風眩暈なり。木爻が發動して官鬼を變出するも、これも同じ。震卦もし外卦に在れば、則ち上面に照らして斷ぜず、這病は坐臥安からず心神恍惚すと説くべし。震は動を主ればなり。再加えて「螣蛇」發動せば、必ず癲狂驚癇の症にして、小兒は則ち驚風なり。もし衝に逢えば、還だ牆を翻し屋に上がるの狂躁の患有り。艮象は山を為して、その高峻を取る。官鬼が艮宮に在りて再び火性の官鬼に遇えば、必ず癰疽を患う。もし土性の官鬼を變出せば、浮腫・臌脹の一類の症候と斷ずべし。その余の各宮は皆これに照らして類推す。
卦內無財,飲食不納;財主飲食。動化官鬼,其病必因酒飲食而得。若遇空亡,飲食不納。若不上卦,不思飲食。財臨身世,或化財爻,雖病重亦能食。間中有鬼,胸膈不寬。世應中間,即病人胸膈處也。官鬼臨之,必然痞塞不通。金鬼胸肋骨痛,土鬼飽悶不寬,木鬼心癢嘈雜,水鬼痰飲填塞,火鬼多是心痛。若化財爻,或財爻化鬼,必是宿食未消,以致胸膈不利。
「妻財」は飲食を代表す。妻財が發動して「官鬼」を變出せば、這病は必ず飲酒飲食に因りて得たり。妻財が「空亡」に落つれば、是れ東西を喫し下る能わず。妻財が根本に卦に上がらざれば、是れ東西を喫せんことを思わず。妻財が「卦身」「世爻」上に落ち、あるいは變爻の中にまた妻財を出せば、則ち病重しといえども仍お食を進むる能し。「世爻」「應爻」の中間の兩個の間爻は、正に病人の胸膈の部位なり。官鬼がここに落つれば、必然痞悶堵塞通ぜず。金性の官鬼は胸脅骨痛み、土性の官鬼は飽悶舒ならず、木性の官鬼は心中嘈雜癢がり、水性の官鬼は痰飲壅塞し、火性の官鬼は多く心口疼痛す。もし官鬼が妻財を變出し、あるいは妻財が官鬼を變出せば、必ず宿食消えずして、以て胸膈暢ならざるに致る。
鬼絕逢生,病體安而復作;鬼在死絕爻,其病必輕。遇日辰動爻生扶,謂絕處逢生,其病必既輕復重,將安復作也。若財生鬼,必因飲食加重,或因婦人重合。故耳。世衰入墓,神思困而不清。世爻入墓,病必昏沉。旺相有氣,無非懶於行動;衰則不言不語。是怕明喜暗,不思食;愛眠,怕起,懶開目。更坐陰宮,必是陰症。用爻入墓亦然。世鬼入墓,鬼墓臨用,皆依此斷。
「官鬼」が死絕の爻に落つれば、病は必ず輕し。ただしもし「日辰」あるいは動爻の來り生扶するに遇えば、それを絕處逢生と叫び、病は就中輕きてまた重く、將に好けんとしてまた犯す。もし是れ「妻財」の來り官鬼を生ずれば、必ず飲食に因りて加重し、あるいは房事に因りて復發す。「世爻」が墓に入れば、病人は必然昏沈す。世爻が旺相氣有れば、不過に行動を懶むのみ。世爻が衰弱すれば、則ち言わず語らず、亮光を見るを怕れて暗處を喜び、飲食を思わず、睡を貪り起きるを怕れ、眼睛さえも睜くを懶む。再び陰宮に坐せば、必ず陰證なり。用神の墓に入るもこれも同じ。世爻が官鬼に隨いて墓に入り、あるいは官鬼の墓が用神上に落つるも、皆これに照らして斷ず。
應鬼合身,纏染他人之症;應臨官鬼,刑剋合世爻,而世爻在交重之位者,必因探訪親友病而纏染也。鬼爻屬土,是時疫。用爻臨應,必病臥他家。世官傷用,重發舊日之災。大抵鬼爻持世,必然原有舊根。更傷用爻,必是舊病再發。否則必難脫體,須用保禳則吉。卦身持鬼,亦是舊病。
「應爻」が「官鬼」に坐して來り「世爻」を刑克しあるいは合住し、しかも世爻また交・重の動爻の位に處れば、必ず是れ親友の病を探望して傳染し上げられたり。この官鬼もし土に屬せば、則ち時行疫病なり。用神が應爻上に落つれば、病人は必ず別人の家中に於いて病に臥せり。大凡官鬼持世は、此人は原本より舊病根有り。再び用神を傷れば、必ず舊病復發す。然らざれば病もまた體を脫し難くして、須く祈禳保安を用いて乃ち吉なり。「卦身」が官鬼に坐するも、同じく舊病なり。
用受金傷,肢體必然痠痛;主遭木克,皮骨定見傷殘。火為仇,則喘咳之災;水來害,則恍惚之症。卦中無鬼,以刑沖剋害用爻者斷。如金動來克,則木爻受傷,肢節痠痛;木動來克,則土爻受制,皮肉傷損。餘可類推。空及第三,此病須知腰軟;第三爻無故自空,為腰軟;有故而空,或旺相而空,為腰痛;不空,而遇動爻日辰官鬼克沖者,乃閃腰痛也;動空亦然。鬼在此爻者,亦主腰痛。
卦中もし「官鬼」無ければ、則ち用神を刑衝克害するの彼の一爻を取りて病を斷ず。金爻が發動して來り克するは、是れ木に屬する用神の傷を受くるにして、四肢關節の酸痛を主す。木爻が發動して來り克するは、是れ土に屬する用神の制を受くるにして、皮肉損傷を主す。火來りて仇を為せば則ち喘咳の災有り、水來りて相害せば則ち神思恍惚す。その余はこれに照らして類推す。第三爻もし緣故無く自ら「空亡」に落つれば、腰部酸軟を主す。もし緣故有りて空にし、あるいは旺相にして空なれば、則ち腰痛なり。第三爻が空に落ちずして、動爻・「日辰」あるいは官鬼に衝克せられれば、それは腰を閃したるの疼痛にして、第三爻が空にして發動するもこれも同じ。官鬼がこの一爻上に落つるも、同じく腰痛を主す。
官傷上六,斯人當主頭疼。上六。大抵不惟鬼爻臨處受病,被傷之處亦有病痛。如克上六,當主頭痛;克間爻,則胸隔不利。餘可類推。財動卦中,不吐則瀉;財在上卦動,主吐;在下卦動,主瀉。若逢合住,則欲吐不吐,欲瀉不瀉;如嘔逆噁心,裡急後重之例。
上六は則ち第六爻なり。大體に於いて「官鬼」の所在の處のみならず病有りて、官鬼に傷られしの部位もまた疼痛す。官鬼が第六爻を克せば、頭痛を主す。間爻を克せば、胸膈舒ならざるを主す。その余はこれに照らして類推す。「妻財」が外卦に發動すれば、嘔吐を主す。內卦に發動すれば、泄瀉を主す。もし別爻に合住せられれば、則ち吐かんと欲して吐き出す能わず、瀉さんと欲して瀉し下る能わず。正に嘔逆惡心・裡急後重の類の如し。
黄金策・十、病體
木興世上,非癢即疼。寅卯二爻屬木,寅木主痛,卯木主癢,若在本宮內卦,又是氣不順也。
木爻が世爻上に發動すれば、病人の身上は癢きに非ざれば疼痛す。十二地支中に「寅」「卯」の兩爻は五行木に屬す。「寅」木は疼痛を主り、「卯」木は瘙癢を主る。いずれの一爻を見るやに就きて、いずれの苦楚を斷ず。倘若この木爻がまた本宮の內卦の內に落つれば、それは還だ氣機順ならず・胸腹壅滯の毛病を兼ね有り。
既明症候,當決安危,再把爻神搜索;箇中玄妙,重加參考,方窮就裡之精微。
前の一門に已に病人の症狀表現を辨明せり。この一門は就中彼の究竟平安なるか危殆なるかを判斷すべし。此の為に必ず卦中六爻の用神・忌神を再び仔細に搜尋一遍するを須す。其中の玄機奧妙は、還だ反復參詳比對して、乃ち病情內裡の那些の細微の關節を窮究する能し。
先看子孫,最喜生扶拱合;子孫能剋制官殺,古人謂解神,又名福德,占病又為醫藥。卦中無此,則鬼無制伏。主服藥不效,禱神不靈。所以先宜看此。要生旺有氣,不要休囚死絕。日辰動爻生扶則吉,沖壞則凶。
病を占うの頭一の事は「子孫」爻を察看するに在り。這一爻は最も生助・扶持と拱合とを得るを喜ぶ。「子孫」は能く「官鬼」の這個の病神を剋制するを以て、古人はこれを「解神」と稱し、また「福德」と作り叫ぶ。病を占う時は它を還だ兼ねて醫藥と作りて看。卦裡もし這一爻無ければ、「官鬼」便ち人無くして管束し、於是乎藥を喫して效驗を見ず、神明に禱告して靈應せず。ゆえに先ず它を看るを要す。「子孫」は須く生旺有氣の位置に處るを須して、休囚死絕の地に落つべからず。日辰あるいは動爻の來り生扶するを得れば則ち吉利にして、衝破損壞せられれば則ち凶險なり。
次觀主象,怕逢克害刑沖。主象即病人。如占夫,以官為主;占妻,以財為主之類。又自占,以世為主;代占,以應為主;亦是主象。刑沖剋害,即病人受症候折磨,故怕見之。若得世爻生合,旁爻扶持,必不至死。
「子孫」を看過して、接著して「主象」を看るを要す。最も怕るるは它の克・害・刑・衝に遭うなり。いわゆる「主象」は、就中卦中に病人本身を代表するの那一爻なり。丈夫の病を替り占うは、「官鬼」を以て主象と為す。妻子の病を替り占うは、「妻財」を以て主象と為す。その余の六親は此に依りて類推す。自己が自己の病を占うは、「世」爻を以て主象と為す。他人の為に代占するは、「應」爻を以て主象と為す。這些も同じく主象と叫ぶ。主象が刑衝克害せらるるは、正に病人の病症の折磨を受くるを象徵す。ゆえに見るを忌諱す。倘若它が能く世爻の生合・旁爻の扶持を得ば、病人は縱然苦しむといえども、亦た必ず喪命に至らず。
世持鬼爻,病縱輕而難療;占病,怕鬼持世,必難脫體。大象縱輕,亦不易愈。若用爻有氣,子孫當權,目下雖可醫愈,日後必不斷根也。
世爻上に「官鬼」坐すれば、病は就中看去輕淺するといえども、亦た醫好し難し。病を占うに最も怕るるは「官鬼」の世爻に臨むなり。それは病氣の自身に附して體を脫する能わざるの象なり。整卦の氣象縱然和緩にして病勢輕きを看るとも、亦た痊愈し易からず。もし用神尚お且つ氣有り、「子孫」爻また當權得勢せば、眼下は還だ醫藥に靠りて治好る能し。ただし日後必定病根を斷つ能わず、早晚還だ復發せん。
身臨福德,勢雖險而堪醫。用爻為身,乃一卦之體。若得子孫臨之,決然無虞。縱然病勢凶險,自可有救,以藥治之,必定痊癒。
卦身上に「福德」臨むれば、病勢雖に險しといえども卻って仍お治すべし。ここに説く所の「身」は、卦中の用爻を指し、它是れ一卦の主體の所在なり。這一爻もし「子孫」臨む有れば、就中斷然危險無し。「子孫」は既是れ解神にしてまた醫藥を主る。因此に病勢縱然看去凶險すとも、自然に救應有るを會し、藥を用いて調治せば、必定能く痊愈するを得。
用壯有扶,切恐太剛則折;凡占皆喜旺相,惟占病則不喜。蓋人在病中,必衰弱;縱或素日強健者,至此必瘦,何旺之有?故凡得時有氣,又遇動爻日辰生扶者,乃太剛則折之兆,至生旺日必凶。若動爻日辰刑剋,則不嫌其旺相。
用神本より已に強壯して、偏にまた生扶を添えれば、就中「過剛易折」を擔心するを要す。別の事情を占うは皆用神の旺相を喜び、唯獨病を占うは喜ばず。人が病中に臥せば、身體は必然衰弱して、就中平日強健の人を算うとも、病この一步に到れば亦た必定消瘦す。哪裡に還だ「旺」を談上するを得んや。ゆえに用神は既に當令有氣にして、又た動爻・日辰の來り生扶に碰上すれば、這正に剛極必折の徵兆にして、用神生旺の那一天に到りて反って凶事を出す要あり。反って説けば、もし動爻あるいは日辰有りて它を刑克せば、則ち用神旺相も亦た忌諱するを必とせず。
主空無救,須防中道而殂。主象若空,占病大忌。必得動爻日辰沖剋,謂之有救。蓋沖空則實,克空為用,故也。否則必死。
主象が「空亡」に落ちてまた人の救應無ければ、就中病人の半途に死去するを隄防するを得。主象が空に逢うは、病を占うの大忌なり。這時は必ず動爻あるいは日辰の來りて它を衝し它を克する有るを須して、乃ち「有救」と作り叫ぶ。空爻が衝せられれば則ち虚より實に轉じ、空爻が克せられれば反って能く作用を起こす。道理は就中ここに在り。倘若既に空亡に落ちて又た衝無く克無ければ、病人は必定治せず。
祿繫妻財,空則不思飲食;壽屬父母,動則反促天年。占病,以妻財為食祿,父母為壽命。卦中不可無,宜靜不宜動。若主象遇絕,或化絕地,財遇之為祿絕,父母遇之為壽絕。大象若凶,此為死兆。卦若無財或落空亡,乃是不思飲食。父母爻動,占病大忌。以其剋制福神,官殺能肆其虐,故也。主服藥不效,禱神不靈。故云反促天年。
病人の食祿は「妻財」爻上に係り、這一爻が空に落ちれば就中飯を喫し下る能わず。病人の壽數は「父母」爻上に屬し、這一爻が發動すれば反って壽限を催促す。病を占う時は「妻財」を以て飲食の祿と為し、「父母」を以て壽命の主と為す。卦中の兩爻は皆缺くべからざるも、皆安靜を宜として發動を宜とせず。もし主象が「絶」地に遇い、あるいは絶地に變化到れば、「妻財」が它に遇うは便ち祿絶にして、「父母」が它に遇うは便ち壽絶なり。整卦の氣象再び凶なれば、這就是れ死亡の兆なり。卦裡もし乾脆財爻無く、あるいは財爻が空亡に落つれば、那是れ病人の飲食を思わざるなり。「父母」爻の發動に至りては、更是れ病を占うの大忌なり。它が「子孫」の這個の福神を剋制するを以て、「官鬼」便ち肆意に逞凶するを得て、於是乎藥を服して效を見ず祈禱して驗無し。ゆえに賦文に它を反って天年を促短せりと説く。
主象伏藏,定主遷延乎日月;用爻不上卦,其病必難安。蓋凡出現之爻,日辰動爻能生能合;若不上卦,雖有生扶,著於何地?故其占如此,病亦是恍惚朦朧,不爽快之症。
主象が伏藏して現れざれば、病情は必定拖延日久なり。用神が卦上に出現せざれば、病は就中安穩し難し。およそ卦中に顯露するの爻は、日辰と動爻と皆能く它を生じ它を合す。もし它が卦に上がらざれば、縱に生扶の力有りとも、又た能くどこに落到せん。ゆえに這種の卦象を占得すれば便ち如此の判斷を作し、而且病情本身も亦た恍惚朦朧・不乾脆爽利の那一類の症候なり。
子孫空絕,必乏調理之肥甘。子孫固為醫,又為酒肉。若在空亡,或臨死絕,或不上卦,其病必乏肥甘調理,亦纏綿難愈。若日辰應爻上帶子孫,生合世爻用爻者,必有饋送禮物資養。
「子孫」爻が既に空亡に落ちて又た死絶に臨めば、病人は必定滋補調養の肥美飲食を缺く。「子孫」は固然醫藥を代表すとも、同時に酒肉之類の養身の物を代表す。它もし空亡に落ち、あるいは死絶の地に臨み、あるいは根本に卦に上がらざれば、病人就中必然肥甘の物を缺きて調理し、病も因此纏綿好し難し。反って、もし日辰あるいは應爻上に「子孫」帶びて、并且世爻・用爻を生合せば、那就中必定人有りて饋送禮物し來りて將養を資助せん。
世上鬼臨,不可隨官入墓;世持官鬼,固非吉兆。若遇日辰帶墓爻,謂隨官入墓;本命爻隨官入墓,亦凶。若世爻用爻,化入鬼墓;及世爻命爻帶鬼動,化入墓者;與用爻命爻世爻,持鬼墓發動者,皆主大凶。
世爻上に「官鬼」臨むれば、最も要緊的是れ不可再「隨官入墓」なり。世爻が「官鬼」持するは本より已に吉兆に非ず。もし再び日辰の墓爻を帶びるに碰上せば、就中「隨官入墓」と作り叫ぶ。本命爻が官鬼に隨いて墓に入るも、同じ樣凶險なり。此の外、世爻あるいは用爻の變化して鬼墓に進入し、世爻・命爻が鬼を帶びて發動して墓中に變入し、および用爻・命爻・世爻が本身就中鬼墓を帶びて發動するが如き、這幾種の情形は皆大凶を主す。
身臨福德,豈宜父動來傷。占病,以子孫為解神。身若臨之,大吉之兆。如父母動來克傷,仍為不美。
卦身上に「福德」臨むれば、哪裡に還だ「父母」爻の發動來りて它を傷るを容得んや。病を占うに「子孫」を以て解救の神と為す。卦身もし這一爻に臨めば、本より是大吉の兆なり。可是れ「父母」は能く「子孫」を克す。一旦「父母」發動して前來克傷せば、這份の吉象就中被打破せられて、仍舊好卦と算るを得ず。
鬼化長生,日下正當沉重;鬼爻發動,病勢必重。若鬼化入長生,乃一日重一日之象,直過帝旺日,然後輕減。鬼在長生爻上發動,亦然。若化衰病,一日輕一日,與福化長生皆吉。
「官鬼」發動して「長生」に變入せば、眼下の病勢は正に一天重き一天の如し。およそ「官鬼」爻發動すれば、病勢は必然加重す。もし它が長生の地に變入せば、那就是れ病氣日漸滋長の象にして、要一直に「帝旺」的那一日を熬過して、病勢乃ち輕きに轉ぜん。「官鬼」本來就中長生爻上に坐して發動するも、道理相同じ。反って、もし「官鬼」が「衰」「病」の爻に變入せば、病便ち一天輕き一天の如し。這は「子孫」の長生に變入すると同じく、皆是れ吉象なり。
用連鬼殺,目前必見傾危。占病,不宜用爻發動,動則病體不安。若又化出鬼爻,謂病人變鬼。卦中更無子孫日辰解救,必死無疑之斷。
用神が接著して「官鬼」凶殺すれば、眼前就中危殆の象を出現せんと要す。病を占うに本より用神の發動を宜とせず。一動すれば就中病體安寧を得ざるを表示す。もし它發動の後又た「官鬼」爻を變出せば、那便ち「病人變鬼」と作り叫ぶ。卦中もし再び「子孫」爻あるいは日辰の前來解救無ければ、就中斷定して必死疑い無しと斷ずべし。
福化忌爻,病勢增加於小愈;子孫發動,制伏官鬼,其病必減。若遇化出忌爻,反來傷克用神者,必因病勢少愈,不能謹慎,以致復加沉重。子孫化官爻,亦然。
「子孫」が發動して却って忌神を變出せば、病は本より已に略か好けたれど、却又た加重す。「子孫」が發動すれば能く「官鬼」を制伏し、病勢は本當に減輕すべし。けだしもし它が忌神を變出して、反って用神を傷克せば、それは必定病情稍か起色有る時に謹慎將養を知らず、以て重新に加重するに致るなり。「子孫」が「官鬼」爻を變出するも、亦た同じ樣の道理なり。
世撓兄弟,飲食減省於平時。兄弟持世,飲食必減。其病亦是貪食而得。若不動又無氣,而卦中財福爻旺者,則不然。乃是氣短力弱之症,不易痊可。
世爻が「兄弟」に攪擾せられれば、病人の飲食は平時より減少す。「兄弟」爻が世を持せば、胃口は必然減退し、しかも這病本身も往往貪食して脾を傷るより得來せり。倘若「兄弟」が發動せず又た氣勢無くして、卦中の「妻財」「子孫」兩爻が反って旺相なれば、則ち這樣に斷ずる能わず。那是れ氣短力弱の一類の虚症にして、容易く速かに痊愈し難し。
用絕逢生,危而有救;大抵用爻,不宜死絕之地,以其一克則倒,故也。卦中動爻生助,謂絕處逢生,凶中回吉之象,病必將危有救。
用神雖に「絶」地に臨むとも又た生に逢えば、是れ危險の中に仍お救應有り。大體に説けば、用神は死絶の處に落つるを宜とせず。彼時に它已に虚弱して一克に經えず、一克すれば就ち倒るるを以てなり。此時卦中もし動爻有りて前來生助せば、便ち「絶處逢生」と作り叫び、是れ凶中に吉に轉ずるの象にして、病人縱然將に危殆ならんとすとも、亦た終に救有り。
主衰得助,重亦何妨。用爻雖不宜太旺,亦不宜太弱。弱則病人體虛力怯,卒難痊可。若得日辰動爻生合扶助最吉,縱是十分重病,亦不至死。
主象が衰弱して幇扶を得る能くば、病再び重しとも妨げ無し。用神は固然太旺を宜とせざるも、可もまた太弱を宜とせず。太弱なれば就中病人體虚力怯を表示して、一時に復原し難し。這時もし能く日辰あるいは動爻の來り生合扶助するを得ば、最も吉利にして、縱然十分沉重の病なりとも、亦た送命に至らず。
鬼伏空亡,早備衣冠防不測;官鬼一爻,固是惡殺,然亦不可無。蓋凡得症因由,症候虛實,疾病安危,鬼神情狀,皆決於此。若不上卦,即當尋伏,庶可推測。若伏爻又空,其病必不能痊。縱有良醫,亦不能達其病源;縱有鬼神,亦無叩告之門,天年命盡。若病輕不在此論。
「官鬼」既に伏して又た空亡に落つれば、當に早く壽衣冠冕を備下して以て不測を防ぐべし。「官鬼」の這一爻は固然悪殺なるも、可も病を占う時は它無くんばあらず。病を得るの緣由・症候の虚實・疾病の安危・作祟する鬼神の情狀は、全て都要りて這一爻に憑りて決斷す。它もし卦に上がらざれば、就中伏神を找し往かば、好歹還だ一二を推测する能し。もし伏神に連ねて亦た空に落つれば、這病は必定痊愈する能わず。縱に良醫有りとも、亦た病根の所在を摸る能わず。縱然真に鬼神有りとも、亦た叩問禱告すべきの門路無くして、只だ天年の頭に到るに聽憑するのみ。當然、病輕きは此の例に在らず。
日辰帶鬼,急為祈禱保無虞。日辰帶鬼,生合世爻,世爻看帶何等神,便知得何者為治。如帶父母,必須經籙符醮保扶則愈。如帶子孫,必須用藥調理。如帶兄弟,必須戒暴怒,節飲食。如帶財爻,必須好好將息。帶官鬼,祈禱鬼神。世持鬼,亦宜先禱。但世鬼是先曾許下,日辰鬼是未曾許下。要知求何神鬼,有福力,以日辰推之。如子為北斗或北陰;亥或溺死鬼,察其為河伯,或劃龍船。蓋亥水中有甲木,故也。餘仿此。
日辰が「官鬼」を帶びれば、就中趕緊に祈禱禳解して方に能く平安を保得せん。日辰が鬼を帶びて來り世爻を生合する時は、世爻上に帶ぶるが哪一類の神なるを看れば、就中何の法子を用いて醫治すべきを知る。「父母」を帶ぶるは、須く經を誦し符を佩び醮を建て祈保して乃ち好し。「子孫」を帶ぶるは、須く藥を服して調理すべし。「兄弟」を帶ぶるは、須く暴怒を戒除し飲食を節制すべし。「妻財」を帶ぶるは、須く好く將養休息すべし。「官鬼」を帶ぶるは、就中鬼神に禱告すべし。世爻が鬼を持する時も、亦た先に祈禱を行うを宜とす。區別は、世爻上の鬼は先前已に願を許過して未だ還さず、日辰上の鬼は則ち還だ曾て願を許さず。該當に哪一位の神鬼に祈求して乃ち福力有るに至りては、就中日辰の地支に憑りて推す。たとえば「子」水は北斗星君あるいは北陰の神を主り、「亥」水はあるいは溺死の鬼を主り、還だ再び是れ河伯の神なるを辨じ、是要れ龍船を劃りて禳送するを辨ずべし。「亥」水中に甲木を藏する有るを以て、故に舟楫の象有り。その余は此に依りて類推す。
動化父來沖剋,勞役堪憂;卦中動爻,化出文書沖剋世爻,宜自在,少勞碌。不然,病即復來,反加沉重。若化財來沖剋,須防食復;更加玄武,宜防色復;若化子孫克沖,被藥誤矣;若化兄弟沖剋,惱氣即復也。以上若日辰帶刑沖,不可依此斷。可言因此而復加沉重。蓋日辰是鬼在也。
動爻が「父母」を變出して來り世爻を衝克せば、就中勞累に因りて復發するを擔心するを要す。卦中の動爻が文書即ち「父母」爻を變出して世爻を衝克すれば、病人は便ち安閑自在にして事勞碌少なきを宜とす。然らざれば病は必ず復發して、而且先前より更に重し。もし「妻財」を變出して來り衝克せば、飲食過度に因りて復發するを防ぐを要す。再加上「玄武」あれば、還だ房事に因りて復發するを防ぐを要す。もし「子孫」を變出して來り衝克せば、那是れ藥に誤られしなり。もし「兄弟」を變出して來り衝克せば、就中惱怒生氣に因りて復發するなり。以上の幾條は、倘若衝克の來るが刑衝を帶びたる日辰よりすれば、便ち此に照らして「復發」と斷ずべからず。只だ因此に病勢を加重せしむと説く能くするのみ。日辰上は鬼氣仍お在るの緣故なればなり。
日加福去生扶,藥醫則愈。日辰臨子孫,生扶用爻,必得藥力而安也。
日辰上に「福德」加わりて往きて用神を生扶せば、藥を用いて醫治すれば就中痊愈する能し。日辰が「子孫」爻に臨みて、しかも這「子孫」また來り用神を生扶すれば、「子孫」は既に醫藥を主り、便ち病人必定藥力を借りて安に轉ずる能くするを説明す。
身上飛伏雙官,膏肓之疾;凡遇卦身持鬼,而本宮官鬼爻又伏世下;或世持官鬼,而本宮官伏用爻之下;或自占遇世爻飛伏,上下皆值官鬼;總謂雙官夾身,最為不利。若大象不死,亦是沉困之疾,考終之患也。
卦身上に飛神伏神ともに「官鬼」なれば、那是れ藥力到り難きの膏肓重疾なり。およそ卦身が鬼を持し、しかも本宮の「官鬼」爻また世爻の下に伏し、あるいは世爻が鬼を持して本宮の官爻が用神の下に伏し、あるいは自占の時に世爻の飛神・伏神の上下皆「官鬼」なるは、這幾種は皆「雙官夾身」と作り叫び、最も不利なり。這樣の卦はたとえ整體の氣象還だ死に至らずとも、亦た是れ沉重困頓の疾にして、是要れ終を送るの禍患なり。
命入幽明兩墓,泉世之人。以日時看,身隨鬼入墓,命隨鬼入墓,世隨鬼入墓;有卦墓、鬼墓、世墓、主墓。凡遇動出卦中者,人皆見之,其墓為明;變入墓中者,人所不見,其墓為幽。不拘幽明,皆非吉兆。大象不死,病亦危困。若大象既凶,又逢墓動,或世爻主象俱入墓者,必死。得動爻日辰沖破墓爻,庶幾無事。
本命爻が幽墓と明墓とに落進せば、那已に是れ黃泉路上の人なり。要するに日辰・時辰を以て看る。卦身が鬼に隨いて墓に入り、本命が鬼に隨いて墓に入り、世爻が鬼に隨いて墓に入り、此の外還だ卦墓・鬼墓・世墓・主墓の幾種を分かつ。およそ墓爻が卦中に發動して現出する在るは、人人皆見るを得、這種の墓は「明」と作り叫ぶ。およそ變爻が墓中に變進して去るは、旁人は看るに出來ず、這種の墓は「幽」と作り叫ぶ。幽墓明墓を論ぜず、皆吉兆に非ず。整卦の氣象もし死に至らざれば、病も必定危重困頓なり。もし整卦本より已に凶險にして、又た墓爻發動に碰上し、あるいは世爻と主象とが一同に墓に入れば、那就中必死疑い無し。只だ動爻あるいは日辰の墓爻を衝破するを得て、乃ち勉强に無事を望むべし。
應合而變財傷,勿食饋來之物;應爻動來生合世爻,當有問安之人。帶財福,必有饋送;兄弟,清訪而已。若應雖生合,而變出妻財,反來刑世克世;或應爻生合世爻,而刑剋主象;倘有饋送,切宜戒食。否則反能傷害。若上尊長,尤宜忌之。或加應值妻財,為變爻沖剋主象者,亦然。
應爻雖に來り生合すとも、却って「妻財」を變出して反って自身を傷れば、饋送し來るの食物は切に喫すべからず。應爻が發動して前來世爻を生合するは、人來りて病を探し安を問う有るを主す。應爻が「妻財」「子孫」を帶ぶるは、必定禮物饋送有り。「兄弟」を帶ぶるは、不過に空手に來り看望するのみ。もし應爻が雖に世爻を生合すとも、却って「妻財」を變出して反って世を刑し世を克し、あるいは應爻が世爻を生合して却って往きて主象を刑克するは、這時もし人有りて喫食を送り來れば、務必口を戒めて食せざれば、然らざれば反ってその害を受く。もし送り來るが尊長の服用に給ふるなれば、尤其に忌むを要す。另に一種の情形有り。應爻が本身就是れ「妻財」にして、しかも它的變爻が主象を衝克せば、同じく此に照らして口を忌むを要す。
