二十四、年上起月歌
甲己之年丙作首,乙庚之歲戊為頭,丙辛之位從庚上,丁壬壬位順行流,更加戊癸從何起,甲寅之上好追求。假如甲、己年,其正月便是丙寅月,二月是丁卯月,挨順輪去。乙、庚年,正月是戊寅月,二月是己卯月。其餘仿此。
この歌訣は年干から正月の月干を推し出すことを教えるもので、すなわち「五虎遁」である。およそ年干が甲または己のものは正月を丙寅に起こし、年干が乙または庚のものは正月を戊寅に起こし、年干が丙または辛のものは正月を庚寅に起こし、年干が丁または壬のものは正月を壬寅に起こし、年干が戊または癸のものは正月を甲寅に起こす。月支は寅より固定して起こる。夏暦が建寅の月を正月とするからである。例を挙げれば、甲年・己年の正月は丙寅月、二月は丁卯月、以後は六十甲子に拠って順次輪排する。乙年・庚年の正月は戊寅月、二月は己卯月。其余の年はこれに準じて類推する。卦を占って月建を取るには、まず月干支を推せるようにならなければならない。
二十五、日上起時歌
甲己還加甲,乙庚丙作初,丙辛從戊起,丁壬庚子居,戊癸何方發,壬子是真途。假如甲、己日,甲子時起;乙、庚日,丙子時起。餘例推。
この歌訣は日干から子時の時干を推し出すことを教えるもので、すなわち「五鼠遁」である。日干が甲または己のものは子時を甲子に起こし、日干が乙または庚のものは子時を丙子に起こし、日干が丙または辛のものは子時を戊子に起こし、日干が丁または壬のものは子時を庚子に起こし、日干が戊または癸のものは子時を壬子に起こす。子時の干支を定めた後は、其余の各時辰は六十甲子に拠って順次排してゆけばよい。例を挙げれば、甲日・己日は甲子時より起算し、乙日・庚日は丙子時より起算し、其余の日はこれに準じて類推する。卦を占って応期を断じ、時辰の吉凶を取るには、まず時干支を推せるようにならなければならない。
二十六、定寅時法
正九五更二點徹,二八五更四點歇,三七平光是寅時,四六日出寅無別,五月日高三丈地,十月十二四更二,仲冬才到四更初,便是寅時君須記。
古時には時計がなかったので、この歌訣は天色に拠って寅時に至ったか否かを判定することを教える。一日の干支は寅時より起算するので、寅時を定め損えば時辰を排し損えるからである。正月と九月は、五更二点に天が透き明くなる頃が寅時。二月と八月は、五更四点の歇まる寸前が寅時。三月と七月は、天が放明したばかりが寅時。四月と六月は、日の出の頃がちょうど寅時で、前と変わらない。五月は白昼が最も長く、日がすでに三丈高くなってはじめて寅時とする。十月と十二月は、四更二点がすなわち寅時。仲冬すなわち十一月は夜が最も長く、ようやく四更の初めに達しただけですでに寅時である。学者はこの数句を記憶に固めなければならない。
卜筮全書 巻之二 卦爻呈象(附・総判爻辞)
一、納甲法
納甲歌決,見前啟蒙節要內,今以其法俱載,以便學者詳覽。其法皆自下而上,陽甲隔位順輪,陰甲隔位逆轉。卦宮:乾、坎、艮、震(四卦屬陽),坤、巽、兌、離(四卦屬陰)。上爻:戌、子、寅、戌;酉、卯、未、巳。五爻:申、戌、子、申;亥、巳、酉、未。四爻:午、申、戌、午;丑、未、亥、酉。三爻:辰、午、申、辰;卯、酉、丑、亥。二爻:寅、辰、午、寅;巳、亥、卯、丑。初爻:子、寅、辰、子;未、丑、巳、卯。
納甲の歌訣はすでに前の《啓蒙節要》一巻に見えたが、ここに整套の配法をすべて列し、学者が対照して見るのに便とする。配法は一律に下より上へ、陽卦の納める地支は一位を隔てて順に数え、陰卦の納める地支は一位を隔てて逆に数える。乾・坎・艮・震の四宮は陽に属し、坤・巽・兌・離の四宮は陰に属す。爻位に拠って横に見れば、上爻は乾は戌を納め、坎は子を納め、艮は寅を納め、震は戌を納め、坤は酉を納め、巽は卯を納め、兌は未を納め、離は巳を納める。五爻は乾申・坎戌・艮子・震申、坤亥・巽巳・兌酉・離未。四爻は乾午・坎申・艮戌・震午、坤丑・巽未・兌亥・離酉。三爻は乾辰・坎午・艮申・震辰、坤卯・巽酉・兌丑・離亥。二爻は乾寅・坎辰・艮午・震寅、坤巳・巽亥・兌卯・離丑。初爻は乾子・坎寅・艮辰・震子、坤未・巽丑・兌巳・離卯。卦を装するとき、六爻卦の内三爻は下卦の属する宮の前三支を取り、外三爻は上卦の属する宮の後三支を取り、二つが相接して一卦六爻の地支となる。
二、逐卦爻辞
乾宮・乾為天(六冲)
乾為天。乾上,屬金,乾下。壬戌,父母,世。壬申,兄弟,身。壬午,官鬼。甲辰,父母,應。甲寅,妻財。甲子,子孫。六龍御天之卦,廣大包容之象。判曰:乾者,健也。大哉乾元。蔭覆無偏,玄運造化,萬物資始。雲行雨施。變化不言。東西任意,南北安然。
《乾為天》は乾宮の首卦で、上体・下体とも乾、六爻は純陽、金に属し、また「六冲」卦である。卦を装するとき内卦は甲を納め、外卦は壬を納め、初爻より上へ順に甲子・甲寅・甲辰・壬午・壬申・壬戌である。本宮は金に属するから、金をもって「我」とする。土は金を生ずるので、上爻の壬戌土と三爻の甲辰土はともに「父母」。金と金は同類で比すので、五爻の壬申金は「兄弟」。火は金を克するので、四爻の壬午火は「官鬼」。金は木を克するので、二爻の甲寅木は「妻財」。金は水を生ずるので、初爻の甲子水は「子孫」。八純卦は世爻が上に居るので、世は上爻壬戌の父母にあり、応は三爻甲辰の父母にあり、「世身」は五爻に安ず。この卦は「六龍御天」の卦と称し、広大包容の気象がある。判語に曰く、乾とはすなわち剛健である。乾元の徳はなんと宏大なるか、万物を覆庇して少しも偏私なく、玄妙に造化を運転し、万物は皆それに拠って始まる。雲気は流行し雨沢は施布され、一切の変化は無言のうちに成る。この卦を占えば、東へ行き西へ往くもその赴くままに任せ、南より来り北へ去るも皆安然である。
六爻斷:初九:潛龍,勿用。九二:見龍再田,利見大人。九三:君子終日乾乾,夕惕若,厲無咎。九四:或躍在淵,無咎。九五:飛龍在天,利見大人。上九:亢龍有悔。用九:見群龍無首,吉。
六爻の爻辞は次のとおり。初九、龍はなお水底に潜伏し、この時は施すところあってはならない。九二、龍はすでに田野に現れ、徳あり位ある大人に進み見るに宜しい。九三、君子は終日勤勉して懈らず、夜に至ってもなお警惕して戒懼し、処境は危険ながら災禍はない。九四、あるいは上りて躍起し、あるいは退いて深淵に返る。進退宜しきに合し、災禍はない。九五、龍はすでに天に飛騰し、徳あり位ある大人に進み見るに宜しい。上九、龍は升ること高すぎて窮極に至り、必ず悔恨を生ず。用九、群龍が皆先んじて首とならぬを見れば吉。按、底本はここに「見龍在田」を「見龍再田」と刻す。今はその旧のまま改めない。
乾宮・天風姤
乾宮:《天風姤》,屬金,乾上巽下。伏神、本卦:父母壬戌土。兄弟壬申金。官鬼壬午火,應。兄弟辛酉金。妻財甲寅木,子孫辛亥水。父母辛丑土,世。風雲相濟之卦,君臣會合之象。判曰:姤者,遇也。以陰遇陽,以柔遇剛,本無所望,而卒然值之,不期而遇。占者得之,所謀無不吉也。
《天風姤》は乾宮の第二卦で金に属し、上体は乾、下体は巽。外三爻は依然として乾体で壬午・壬申・壬戌を納め、内三爻はすでに巽体に変じて辛丑・辛亥・辛酉を納める。乾宮の金をもって「我」として六親を定めれば、上爻壬戌土・初爻辛丑土はともに父母、五爻壬申金・三爻辛酉金はともに兄弟、四爻壬午火は官鬼、二爻辛亥水は子孫。乾宮にもとからある妻財甲寅木はこの卦に上らないので、「伏神」を作して二爻子孫辛亥水の下に伏する。本宮第二卦は世爻が初爻にあるので、世は初爻辛丑父母にあり、応は四爻壬午官鬼にある。この卦は「風雲相済」の卦と称し、君臣会合の気象がある。判語に曰く、姤とはすなわち相遇である。一陰をもって五陽に上り遇い、柔順をもって剛強に遇う。もともと望みはなかったのに忽然として碰う。これは期せずして遇うものである。占者がこの卦を得れば、およそ謀るところ吉ならざるはない。
六爻斷:初六:繫于金柅,貞吉。有攸往,見凶,羸豕乎踟躅。九二:包有魚,無咎,不利賓。九三:臀無膚,其行次且,厲,無大咎。九四:包無魚,起凶。九五:以杞包瓜,含章,有隕自天。上九:姤其角,吝,無咎。
六爻の爻辞は次のとおり。初六、車を銅製の止輪木に繋ぐように陰を止め、正を守れば吉。もしそれを放って往かせれば凶を見る。あの痩せた雌豚はまさに躁動して徘徊している。九二、厨中に魚を包み、過咎はないが、客人に供するには宜しくない。九三、臀部が傷つき全き皮肉なく、行くこと躇躇として進みがたく、処境は危険だが、大きな災禍はない。九四、厨中に魚さえなく、動けば凶を生ず。九五、高き杞の葉をもって甜瓜を包み、美質を内に含蔵すれば、自ら天降る福慶あり。上九、遇うところはただその犄角のみ、未だ少しの遺憾を免れぬが、災禍はない。
乾宮・天山遯
乾宮:《天山遁》,屬金,乾上艮下。伏神、本卦:父母壬戌土。兄弟壬申金,應。官鬼壬午火。兄弟丙申金。妻財甲寅木,官鬼丙午火,世。子孫甲子水,父母丙辰土。豹隱南山之卦,近善遠惡之象。判曰:遁者,退也。處遁之時,陽道欲虧,惡事即起,善事欲衰。欲進欲退,疑惑難為,以小制大,君子避之。
《天山遯》は乾宮の第三卦で金に属し、上体は乾、下体は艮。外三爻は壬午・壬申・壬戌を納め、内三爻は艮体に従い丙辰・丙午・丙申を納める。金をもって「我」として六親を定めれば、上爻壬戌土・初爻丙辰土は父母、五爻壬申金・三爻丙申金は兄弟、四爻壬午火・二爻丙午火は官鬼。乾宮の妻財甲寅木と子孫甲子水はともに卦に上らず、それぞれ二爻官鬼丙午火の下と初爻父母丙辰土の下に伏する。本宮第三卦は世爻が二爻にあるので、世は二爻丙午官鬼にあり、応は五爻壬申兄弟にある。この卦は「豹隠南山」の卦と称し、善人に親しみ悪人を遠ざける気象がある。判語に曰く、遯とはすなわち退避である。退避すべき時に当たり、陽剛の道は損なわれんとし、悪事は随いて興り、善事は日に衰微す。進もうとするも是ならず、退こうとするも是ならず、疑慮重なりて決断しがたく、小人が君子を圧制するのを見るに至れば、君子は回避の一途あるのみ。
六爻斷:初六:遁尾,厲,勿用有攸往。六二:執之用黃牛之革,莫之勝說。九三:係遁,有疾厲;畜臣妾,吉。九四:好遁,君子吉,小人否。九五:嘉遁,貞吉。上九:肥遁,無不利。
六爻の爻辞は次のとおり。初六、退避が最後に落ちて、その後を尾うがごとく、危険あり。往くところあるに宜しくない。六二、黄牛の皮をもって作った繩索をもってそれを固く捆めば、誰も解脱できない。九三、心に牽繋あって決然と引退できず、病を抱えるがごとく危険。ただ奴僕・姫妾の類の小事を畜養するに用いれば吉。九四、恋愛する所あれども毅然として引退できれば、君子はかくのごとくなれば吉、小人はできない。九五、退避が宜しさに合して善を尽くせば、正を守って吉。上九、遠く高く飛び去り、从容寛裕に引退すれば、利ならざるはない。
乾宮・天地否(六合)
乾宮:《天地否》(六合),屬金,乾上坤下。伏神、本卦:父母壬戌土,應。兄弟壬申金。官鬼壬午火。妻財乙卯木,世。官鬼乙巳火。子孫甲子水,父母乙未土。天地不交之卦,人口不圓之象。判曰:否者,塞也。天地不交,陰陽閉塞。夫婦不和,別離南北。君子道消,小人道長。人物乖違,不通之象。
《天地否》は乾宮の第四卦で金に属し、上体は乾、下体は坤、また「六合」卦である。外三爻は壬午・壬申・壬戌を納め、内三爻は坤体に従い乙未・乙巳・乙卯を納める。金をもって「我」として六親を定めれば、上爻壬戌土・初爻乙未土は父母、五爻壬申金は兄弟、四爻壬午火・二爻乙巳火は官鬼、三爻乙卯木は妻財。乾宮の子孫甲子水は卦に上らず、初爻父母乙未土の下に伏する。本宮第四卦は世爻が三爻にあるので、世は三爻乙卯妻財にあり、応は上爻壬戌父母にある。この卦は「天地不交」の卦と称し、家口が団円できない気象がある。判語に曰く、否とはすなわち閉塞である。天は上にあり地は下にありて彼此交わらず、陰陽はこのため壅塞して通ぜず。夫妻は和睦せず、親人は南北の両地に離分す。君子の道は消退し、小人の道は滋長す。人と物は彼此乖違して、一派に不通の象である。
六爻斷:初六:拔茅茹以其匯,貞吉亨。六二:包承,小人吉,大人否,亨。六三:包羞。九四:有命,無咎;疇離祉。九五:休否,大人吉。其亡其亡,繫于苞桑。上九:傾否,先否後喜。
六爻の爻辞は次のとおり。初六、白茅を拔けば、根鬚は相連なりて同類が斉しく出る。正を守れば吉にして亨通す。六二、内に包容し外に承順すれば、小人はかくのごとくして吉を得、大人は閉塞不通の節を守ってはじめて亨通す。六三、包蔵する所はただ羞愧の事のみ。九四、上天の命令に秉承して事を行えば、災禍はなく、同類の人は皆福祉に沾える。九五、閉塞の局面を止息せしめれば大人は吉を得る。なお常に「敗亡せんとす、敗亡せんとす」の戒懼の心を存してはじめて、叢生する桑根に繋ぐがごとく牢固たりうる。上九、閉塞の局面を傾覆せば、先には否塞し、後には喜慶あり。
乾宮・風地観
乾宮:《風地觀》,屬金,巽上坤下。伏神、本卦:妻財辛卯木。兄弟壬申金,官鬼辛巳火。父母辛未土,世。妻財乙卯木。官鬼乙巳火。子孫甲子水,父母乙未土,應。雲卷晴空之卦,春花競發之象。判曰:觀者,觀也。觀國之光,風在地上,萬物榮昌。財不破散,爵祿加彰。
《風地観》は乾宮の第五卦で金に属し、上体は巽、下体は坤。外三爻は巽体に従い辛未・辛巳・辛卯を納め、内三爻は坤体に従い乙未・乙巳・乙卯を納める。乾宮の金をもって「我」として六親を定めれば、上爻辛卯木・三爻乙卯木は妻財、五爻辛巳火・二爻乙巳火は官鬼、四爻辛未土・初爻乙未土は父母。乾宮の兄弟壬申金と子孫甲子水はともに卦に上らず、それぞれ五爻官鬼辛巳火の下と初爻父母乙未土の下に伏する。本宮第五卦は世爻が四爻にあるので、世は四爻辛未父母にあり、応は初爻乙未父母にある。この卦は「雲巻晴空」の卦と称し、春花が競い咲く気象がある。判語に曰く、観とはすなわち観仰瞻視である。《観》卦六四に「国の光を観る」の辞あり、風は大地の上を行き、万物は繁栄昌盛す。銭財は破損・散失せず、爵位・俸禄はかえってますます顕揚す。
六爻斷:初六:童觀,小人無咎,君子吝。六二:窺觀,利女貞。六三:觀我生,進退。六四:觀國之光,利用賓于王。九五:觀我生,君子無咎。上九:觀其生,君子無咎。
六爻の爻辞は次のとおり。初六、児童のごとく浅陋に観るのは、小人においては過咎ならず、君子においては遺憾である。六二、門の隙間より窃かに窺い観るのは、ただ女子が正を守るに宜しい。六三、返って自身の為す所を観、これに拠って進むべきか退くべきかを決す。六四、一国の光輝・盛徳を観仰すれば、賓客の礼をもって君王の礼遇を受けるに宜しい。九五、返って自身の為す所を観れば、君子はかくのごとくすれば過咎なし。上九、他人の為す所を観察すれば、君子はかくのごとくすれば過咎なし。
乾宮・山地剥
乾宮:《山地剝》,屬金,艮上坤下。伏神、本卦:妻財丙寅木。兄弟壬申金,子孫丙子水,世。父母丙戌土。妻財乙卯木。官鬼乙巳火,應。父母乙未土。去舊生新之卦,群陰剝盡之象。判曰:剝者,落也。山高岌岌,其形似剝。陰道將盈,陽道衰弱。卦臨九月,霜葉凋落。人離財散,求官失爵。
《山地剥》は乾宮の第六卦で金に属し、上体は艮、下体は坤。外三爻は艮体に従い丙戌・丙子・丙寅を納め、内三爻は坤体に従い乙未・乙巳・乙卯を納める。金をもって「我」として六親を定めれば、上爻丙寅木・三爻乙卯木は妻財、五爻丙子水は子孫、四爻丙戌土・初爻乙未土は父母、二爻乙巳火は官鬼。乾宮の兄弟壬申金は卦に上らず、五爻子孫丙子水の下に伏する。本宮第六卦は世爻が五爻にあるので、世は五爻丙子子孫にあり、応は二爻乙巳官鬼にある。この卦は「去旧生新」の卦と称し、衆陰が一陽を剥ぎ尽くす気象がある。判語に曰く、剥とはすなわち剥落である。山勢は高峻にして墜ちんと欲し、形状は正に剥蝕されたがごとし。陰気はまさに盈満せんとし、陽気は日に衰弱す。この卦は九月に応じ、まさに霜を経た樹葉が凋零・飘落する時である。人口の離散・銭財の耗失を主り、官を求めれば爵位を失う。
六爻斷:初六:剝床以足,蔑貞凶。六二:剝床以辨,蔑貞凶。六三:剝之,無咎。六四:剝床以膚,凶。六五:貫魚以宮人寵,無不利。上九:碩果不食,君子得輿,小人剝廬。
六爻の爻辞は次のとおり。初六、床を剥蝕し、まず床脚より剥ぎ起こり、正道は滅ぼされて凶を主る。六二、床を剥蝕し、すでに床身と床脚の相連なる処まで剥ぎ至り、正道は滅ぼされて凶を主る。六三、剥落の時に処れども、その上の陽剛に応ずるがゆえに災禍なし。六四、床を剥蝕してすでに臥する者の肌膚に及べば凶。六五、縄をもって魚群を貫串するがごとく、宮中の衆女を率いて順に君王の寵愛を承ければ、利ならざるなし。上九、碩大の果実が残されて喰われず、君子はこのため民衆に車輿のごとく擁載され、小人は己の房舍さえも剥毀される。
乾宮・火地晋(游魂)
乾宮:《火地晉》(游魂),屬金,離上坤下。伏神、本卦:官鬼己巳火。父母己未土。兄弟己酉金,世。妻財乙卯木。官鬼乙巳火。子孫甲子水,父母乙未土,應。龍劍出匣之卦,以臣遇君之象。判曰:晉者,進也。日出於地,柔而上行,巡運照耀,升進其明。居官益位,禍滅福生,利見王侯,任意必亨。
《火地晋》は乾宮の第七卦で金に属し、上体は離、下体は坤、本宮の「游魂」卦である。外三爻は離体に従い己酉・己未・己巳を納め、内三爻は坤体に従い乙未・乙巳・乙卯を納める。金をもって「我」として六親を定めれば、上爻己巳火・二爻乙巳火は官鬼、五爻己未土・初爻乙未土は父母、四爻己酉金は兄弟、三爻乙卯木は妻財。乾宮の子孫甲子水は卦に上らず、初爻父母乙未土の下に伏する。游魂卦は世爻が四爻に退居するので、世は四爻己酉兄弟にあり、応は初爻乙未父母にある。この卦は「龍剣出匣」の卦と称し、臣下をもって君王に遇う気象がある。判語に曰く、晋とはすなわち上進である。太陽は地面より昇り、柔順の徳は上へと進行し、巡行運転して光は四方を照らし、日にその光明を升進す。官にある者は秩を増し位を加えられ、災禍は消除して福は滋生す。王侯に晋見するに宜しく、意のままに為す所は必ず亨通す。
六爻斷:初六:晉如,摧如,貞吉。罔孚,裕無咎。六二:晉如,愁如,貞吉。受茲介福,于其王母。六三:眾允,悔亡。九四:晉如鼫鼠,貞厲。六五:悔亡,失得勿恤,往吉,無不利。上九:晉其角,維用伐邑,厲吉無咎;貞吝。
六爻の爻辞は次のとおり。初六、進まんと欲して摧抑を遭えば、正を守れば吉。たとえ信任されずとも、从容寛裕である限り災禍なし。六二、進まんと欲して心に憂愁を懐けば、正を守れば吉、終に王母より大福を受けん。六三、衆人みな信従すれば、悔恨は自ら消失せん。九四、鼫鼠のごとく貪多にして技窮きながら上進すれば、固守し続ければ必ず危険あり。六五、悔恨は消失し、得と失とはいずれも掛慮する要なし。往けば吉にして利ならざるなし。上九、上進して頂点に至り触角を外露するがごときは、ただ己の属邑を討伐するに用いるべし。危険あれども終に吉を得て災禍なし。ただし終始このまま固守すれば、遺憾を免れない。
乾宮・火天大有(帰魂)
乾宮:《火天大有》(歸魂),屬金,離上乾下。本卦:官鬼己巳火,應。父母己未土。兄弟己酉金。父母甲辰土,世。妻財甲寅木。子孫甲子水。金玉滿堂之卦,大明中天之象。判曰:大有者,寬也。柔得尊位,官祿日實。掩惡揚善,豐財和義,廣納包容,成物之美。自天佑之,吉無不利。
《火天大有》は乾宮の第八卦で金に属し、上体は離、下体は乾、本宮の「帰魂」卦である。外三爻は離体に従い己酉・己未・己巳を納め、内三爻は依然として乾体で甲子・甲寅・甲辰を納める。金をもって「我」として六親を定めれば、上爻己巳火は官鬼、五爻己未土・三爻甲辰土は父母、四爻己酉金は兄弟、二爻甲寅木は妻財、初爻甲子水は子孫。この卦は父・兄・子・財・官の五類の六親が斉備しており、改めて伏神を求める要なし。帰魂卦は世爻が三爻にあるので、世は三爻甲辰父母にあり、応は上爻己巳官鬼にある。この卦は「金玉満堂」の卦と称し、太陽が空に当たり普く照らす気象がある。判語に曰く、大有とはすなわち寛宏である。柔順の六五は尊位に居り、官職・俸禄は一日ごとに充実す。他人の過悪を掩蔵し、他人の善行を表彰し、財貨は豊盈にして事に処するは宜しきに合い、広く衆人を容納して万物の美を成就す。上天は自らこれを保佑し、吉利にして利ならざるなし。
六爻斷:初九:無交害,匪咎。艱則無咎。九二:大車以載,有攸往,無咎。九三:公用亨于天子,小人弗克。九四:匪其彭,無咎。六五:厥孚交如,威如,吉。上九:自天佑之,吉,無不利。
六爻の爻辞は次のとおり。初九、まだ人と交接せず、すなわち損害もなく、過咎とは言えない。ただ艱難の心を守り得れば災禍なし。九二、大車に重物を載せるがごとく重任に堪え、往くところあれば災禍なし。九三、公侯が天子に進献してその享用を蒙る。小人はこのような事を担当しえない。九四、己の盛大を誇耀しなければ災禍なし。六五、その誠信は人と交わり感通し、また威厳を失わず、吉。上九、上天は自らこれを保佑し、吉利にして利ならざるなし。
坎宮・坎為水(六冲)
坎宮:《坎為水》(六沖),屬水,坎上坎下。本卦:兄弟戊子水,世。官鬼戊戌土。父母戊申金。妻財戊午火,應。官鬼戊辰土。子孫戊寅木。船渡重灘之卦,外虛中實之象。判曰:坎者,陷也。逢流則注,遇坎則止。出入艱難,隨坎不已。陰愁伏匿,共相謀計,千里辭家,始免迍否。
《坎為水》は坎宮の首卦で、上下両体とも坎、水に属し、また「六冲」卦である。内外両卦とも戊を納め、初爻より上へ順に戊寅・戊辰・戊午・戊申・戊戌・戊子である。本宮は水に属するから、水をもって「我」として六親を定める。上爻戊子水は兄弟、五爻戊戌土・二爻戊辰土は官鬼、四爻戊申金は父母、三爻戊午火は妻財、初爻戊寅木は子孫で、五類斉備である。八純卦は世爻が上に居るので、世は上爻戊子兄弟にあり、応は三爻戊午妻財にある。この卦は「船渡重灘」の卦と称し、卦体は上下とも虚で中間が実、外虚中実の気象がある。判語に曰く、坎とはすなわち陥落である。水は通流する処に遇えば一路奔注し、坎陥の地に碰えば停まる。出るも入るも艱難で、一つの坎に次いで一つの坎、了結がない。陰柔なる者は憂愁して隠匿し、暗中に彼此謀算す。ただ千里を遠行して家を辞して去るのみ、困頓閉塞を免れられる。
六爻斷:初六:習坎,入于坎窞,凶。九二:坎有險,求小得。六三:來之坎坎,險且枕;入于坎窞,勿用。六四:樽酒簋,貳用缶,納約自牖,終無咎。九五:坎不盈,只既平,無咎。上六:係用徽纆,寘于叢棘,三歲不得,凶。
六爻の爻辞は次のとおり。初六、重ね重ねの坎険の中、さらに坑底の小穴に墜入す、凶。九二、坎中に険難あり、ただ小さな収穫を求めるのみ得。六三、来るも往くも坎険で、危険でありかつ停滞して安んぜず、さらに坑中の小穴に落ち込む。この時は有為にしてはならない。六四、一樽の薄酒・二簋の粗食を瓦缶に盛り、窓口より簡約に君上に進献すれば、終に災禍なし。九五、坎中の水はいまだ盈満せず、ただようやく坎口と平らかになるのみ、災禍なし。上六、繩索に捆縛され、荆棘の叢中に囚置され、三年経ても脱身を得ず、凶。
坎宮・水沢節(六合)
坎宮:《水澤節》(六合),屬水,坎上兌下。本卦:兄弟戊子水。官鬼戊戌土。父母戊申金,應。官鬼丁丑土。子孫丁卯木。妻財丁巳火,世。船行風橫之卦,寒暑有節之象。判曰:節者,止也。天地得節,四時所成。節以制度,儉以豐盈。內憂外悅,不出戶庭,於身謹節,無不康寧。
《水沢節》は坎宮の第二卦で水に属し、上体は坎、下体は兌、また「六合」卦である。外三爻は依然として坎体で戊午・戊戌・戊子を納め、内三爻はすでに兌体に変じて丁巳・丁卯・丁丑を納める。水をもって「我」として六親を定めれば、上爻戊子水は兄弟、五爻戊戌土・三爻丁丑土は官鬼、四爻戊申金は父母、二爻丁卯木は子孫、初爻丁巳火は妻財で、五類斉備である。本宮第二卦は世爻が初爻にあるので、世は初爻丁巳妻財にあり、応は四爻戊申父母にある。この卦は「船行風横」の卦と称し、寒来暑往して各々節度ある気象がある。判語に曰く、節とはすなわち節止である。天地に節度あってはじめて四季が形成される。法度をもって節制し、倹省によって豊盈に致す。内には憂険あれども外には和悦。ただ戸庭を謹守して軽く出ず、自身ところごとに節を知れば、安康ならざるはない。
六爻斷:初九:不出戶庭,無咎。九二:不出門庭,凶。六三:不節若,則嗟若,無咎。六四:安節,亨。九五:甘節,吉。往有尚。上六:苦節,貞凶,悔亡。
六爻の爻辞は次のとおり。初九、内室の庭戸を出ずれば災禍なし。九二、出るべきなのに出ず、大門の庭戸さえ出ずれば凶。六三、自ら節制を知らなければ、嗟嘆して后悔するのみだが、他人を怨むことはできず、災禍と言うほどでもない。六四、安然として節度の中を行えば亨通す。九五、守る節が甘美にして適中なれば吉。このまま前行すれば嘉尚を受ける。上六、節制を苦渋に堪えがたい地步に推し進め、一味に固守すれば凶。ただし節を守り得る以上、悔恨も消失す。
坎宮・水雷屯
坎宮:《水雷屯》,屬水,坎上震下。伏神、本卦:兄弟戊子水。官鬼戊戌土,應。父母戊申金。妻財戊午火,官鬼庚辰土。子孫庚寅木,世。兄弟庚子水。龍居淺水之卦,萬物始生之象。判曰:屯者,難也。象迍之時,動則難生,如常之事,先易後爭。時方屯難,切忌遠行,婚姻即吉,謀望不亨。
《水雷屯》は坎宮の第三卦で水に属し、上体は坎、下体は震。外三爻は戊午・戊戌・戊子を納め、内三爻は震体に従い庚子・庚寅・庚辰を納める。水をもって「我」として六親を定めれば、上爻戊子水・初爻庚子水は兄弟、五爻戊戌土・三爻庚辰土は官鬼、四爻戊申金は父母、二爻庚寅木は子孫。坎宮の妻財戊午火は卦に上らず、三爻官鬼庚辰土の下に伏す。およそ財物を占うにはこの伏神を査しなければならない。本宮第三卦は世爻が二爻にあるので、世は二爻庚寅子孫にあり、応は五爻戊戌官鬼にある。この卦は「龍居浅水」の卦と称し、万物が初生して舒展しがたい気象がある。判語に曰く、屯とはすなわち艱難である。まさに迍邅の時に当たり、一動すれば難処を生ず。本来寻常の事も、先ず順で後に争となる。時運はすでに屯難の中にあり、遠行を最も忌む。婚姻を問えば吉、その他の謀求・指望はいずれも亨通せず。
六爻斷:初九:磐桓。利居貞,利建侯。六二:屯如邅如,乘馬班如,匪寇婚媾;女子貞不字,十年乃字。六三:即鹿無虞,惟入于林中,君子幾,不如舍,往吝。六四:乘馬班如,求婚媾,往吉,無不利。九五:屯其膏。小,貞吉;大,貞凶。上六:乘馬班如,泣血漣如。
六爻の爻辞は次のとおり。初九、徘徊して進まず、安居して正を守るに宜しく、諸侯を建てるに宜しい。六二、艱難して遅疑し、馬に騎って盘旋して前せず。来る者は強盗にあらず、婚を求める人である。女子は正を守り嫁ぐことを肯んぜず、十年を過ぎてはじめて嫁ぐ。六三、野鹿を追逐して虞人の引路なく、ただ徒らに林莽の深處に追い入るのみ。君子はこの苗头を見て、むしろこれを捨てるに如かず。強いて往けば必ず遺憾あり。六四、馬に騎って盘旋して前せず、婚配を求めに往くのである。往けば吉にして利ならざるなし。九五、恩沢を屯積して人に施さざれば、小事を正守すれば尚吉を得るも、大事をかく固守すれば凶。上六、馬に騎って盘旋して前せず、泣涙・泣血して漣漣として止まず。
坎宮・水火既済
坎宮:《水火既濟》,屬水,坎上離下。伏神、本卦:兄弟戊子水,應。官鬼戊戌土。父母戊申金。妻財戊午火,兄弟己亥水,世。官鬼己丑土。子孫己卯木。舟楫濟川之卦,陰陽配合之象。判曰:既濟,合也。水火相遇,會合之義。往渡得船,成功必濟。所求必從,所從必遂。斯不失時,謂之既濟。
《水火既済》は坎宮の第四卦で水に属し、上体は坎、下体は離。外三爻は戊午・戊戌・戊子を納め、内三爻は離体に従い己卯・己丑・己亥を納める。水をもって「我」として六親を定めれば、上爻戊子水・三爻己亥水は兄弟、五爻戊戌土・二爻己丑土は官鬼、四爻戊申金は父母、初爻己卯木は子孫。坎宮の妻財戊午火は卦に上らず、三爻兄弟己亥水の下に伏す。本宮第四卦は世爻が三爻にあるので、世は三爻己亥兄弟にあり、応は上爻戊子兄弟にある。この卦は「舟楫済川」の卦と称し、六爻が各々その正を得て、陰陽が二二に相配する気象がある。判語に曰く、既済とはすなわち会合である。水は上にあり火は下にありて両相交遇する。まさに会合の義である。水を渡ろうとしてちょうど船があれば、事は必ず成し得る。求める所は必ず順遂し、従う所は必ず願いのごとくなる。このように時機を失わぬを「既済」と呼ぶ。
六爻斷:初九:曳其輪,濡其尾,無咎。六二:婦喪其茀,勿逐,七日得。九三:高宗伐鬼方,三年克之,小人勿用。六四:繻有衣袽,終日戒。九五:東鄰殺牛,不如西鄰之禴祭,實受其福。上六:濡其首,厲。
六爻の爻辞は次のとおり。初九、車輪を拖き止めて急進せしめず、狐が水を渡って尾を濡らす。災禍なし。六二、婦人が車の遮蔽の物を失う。追尋する要なし、七日後に自ら失い復た得る。九三、殷の高宗武丁が鬼方を征伐し、三年を用いてはじめて攻克す。この種の事は小人を任用してはならない。六四、华美の衣裳は終に破絮と化す。終日戒備すべし。九五、東の隣国が牛を殺して盛祭するは、西の隣国の簡薄なる禴祭を行うに如かず。後者はかえって実実に福佑を承けた。上六、水を渡るに頭まで浸潤す、危険。
坎宮・沢火革
坎宮:《澤火革》,屬水,兌上離下。伏神、本卦:官鬼丁未土。父母丁酉金。兄弟丁亥水,世。妻財戊午火,兄弟己亥水。官鬼己丑土。子孫己卯木,應。豹變為虎之卦,改舊從新之象。判曰:革者,改也。改故就新,變易之道。交易其所,君子豹變。時有不遇,並宜改革。守舊則凶,從新則吉。
《沢火革》は坎宮の第五卦で水に属し、上体は兌、下体は離。外三爻は兌体に従い丁亥・丁酉・丁未を納め、内三爻は離体に従い己卯・己丑・己亥を納める。水をもって「我」として六親を定めれば、上爻丁未土・二爻己丑土は官鬼、五爻丁酉金は父母、四爻丁亥水・三爻己亥水は兄弟、初爻己卯木は子孫。坎宮の妻財戊午火は卦に上らず、三爻兄弟己亥水の下に伏す。本宮第五卦は世爻が四爻にあるので、世は四爻丁亥兄弟にあり、応は初爻己卯子孫にある。この卦は「豹変為虎」の卦と称し、旧を除き新を布く気象がある。判語に曰く、革とはすなわち変改である。旧きを革め新しきに就く、まさに変易の理である。彼此その処る位置を交換し、君子は豹のごとく焕然と改観す。時運もし遇わざるあれば、皆これを改革すべし。旧局面を守れば凶、新変化に順えば吉。
六爻斷:初九:鞏用黃牛之革。六二:己日乃革之,征吉,無咎。九三:征凶,貞厲;革言三就,有孚。九四:悔亡,有孚,改命,吉。九五:大人虎變,未占有孚。上六:君子豹變,小人革面,征凶,居貞吉。
六爻の爻辞は次のとおり。初九、黄牛の皮をもって固く捆束するがごとく固守すべし。この時は軽々しく変革を言うべからず。六二、己日の時機成熟するを待ってはじめて変革に着手すれば、往けば吉、災禍なし。九三、軽々しく前進すれば凶、一味に固守するも危険。変革の議論を反復討論して三度に皆一致に帰してはじめて、誠信ありと言える。九四、悔恨消失、心に誠信を存して旧命を改易すれば吉。九五、大人の変革は猛虎の換毛のごとく焕然として観るべく、占問せずともすでに人の信を取る。上六、君子の変革は豹紋の漸成するがごとく、小人も随いて面目を改換す。この時さらに軽々しく前進すれば凶、安居して正を守れば吉。
坎宮・雷火豊
坎宮:《雷火豐》,屬水,震上離下。本卦:官鬼庚戌土。父母庚申金,世。妻財庚午火。兄弟己亥水。官鬼己丑土,應。子孫己卯木。日麗中天之卦,背暗嚮明之象。判曰:豐者,大也。日中見斗,幽而不明,此事適大,隱映其形。水中見日,無所取呈。求財未得,事卒難明。
《雷火豊》は坎宮の第六卦で水に属し、上体は震、下体は離。外三爻は震体に従い庚午・庚申・庚戌を納め、内三爻は離体に従い己卯・己丑・己亥を納める。水をもって「我」として六親を定めれば、上爻庚戌土・二爻己丑土は官鬼、五爻庚申金は父母、四爻庚午火は妻財、三爻己亥水は兄弟、初爻己卯木は子孫で、五類斉備である。本宮第六卦は世爻が五爻にあるので、世は五爻庚申父母にあり、応は二爻己丑官鬼にある。この卦は「日麗中天」の卦と称し、幽暗を背離して光明に趨る気象がある。判語に曰く、豊とはすなわち盛大である。しかるに《豊》卦の爻辞は屡々「日中に斗を見る」と言い、正午にかえって北斗を見る。これは幽暗にして明朗ならざるを説明す。問う所の事は盛大の時に正当るが、その真相は隠約として見えがたい。水中に日を看るがごとく、実在の物を捞い出せない。財を求めても一時に手に至らず、事は終に分明なりがたい。
六爻斷:初九:遇其配主,雖旬無咎,往有尚。六二:豐其蔀,日中見斗;往得疑疾,有孚發若,吉。九三:豐其沛,日中見沫;折其右肱,無咎。九四:豐其蔀,日中見斗;遇其夷主,吉。六五:來章,有慶譽,吉。上六:豐其屋,蔀其家,窺其戶,闃其無人,三歲不覿,凶。
六爻の爻辞は次のとおり。初九、己と相配する主人に遇えば、たとえ満旬相処しても災禍なし。往けばさらに嘉尚を受けん。六二、遮蔽物が張ること過大にして、正午に竟に北斗を見る。この時往けば猜疑の患を招く。ただ誠信をもって相手を感発せば吉を得る。九三、遮蔽の帷幔いよいよ厚く重く、正午に小星さえ見える。右臂を折って有為ならざるがごときも、かえってこれにより災禍なし。九四、遮蔽物が張ること過大にして、正午に北斗を見る。己と相当の主人に遇うを得れば吉。六五、文采ある賢才を招来すれば、福慶あり声誉あり、吉。上六、屋宇を造ること極めて高大にして、自家を遮蔽して幽暗无光ならしむ。門の隙より内を覗けば、寂静として人なく、三年経ても人影を見ず、凶。
坎宮・地火明夷(游魂)
坎宮:《地火明夷》(游魂),屬水,坤上離下。伏神、本卦:父母癸酉金。兄弟癸亥水。官鬼癸丑土,世。妻財戊午火,兄弟己亥水。官鬼己丑土。子孫己卯木,應。鳳凰垂翼之卦,出明入暗之象。判曰:明夷者,傷也。火入地中,掩傷明德。君子在厄,三日不食。文王之難,困於叢棘。百凡謀望,且宜止息。
《地火明夷》は坎宮の第七卦で水に属し、上体は坤、下体は離、本宮の「游魂」卦である。外三爻は坤体に従い癸丑・癸亥・癸酉を納め、内三爻は離体に従い己卯・己丑・己亥を納める。水をもって「我」として六親を定めれば、上爻癸酉金は父母、五爻癸亥水・三爻己亥水は兄弟、四爻癸丑土・二爻己丑土は官鬼、初爻己卯木は子孫。坎宮の妻財戊午火は卦に上らず、三爻兄弟己亥水の下に伏す。游魂卦は世爻が四爻に退居するので、世は四爻癸丑官鬼にあり、応は初爻己卯子孫にある。この卦は「鳳凰垂翼」の卦と称し、光明より幽暗に走入る気象がある。判語に曰く、明夷とはすなわち損傷である。火は地中に沈み、光明の徳は掩蔽され損傷す。君子は困厄に身を処し、三日飯を食らうことを得ず。当年の周文王が難に遭い、羑里の荆棘叢中に囚われたのは、まさにこの象である。およそ種々の謀求・指望は、この時皆しばらく停止すべきである。
六爻斷:初九:明夷于飛,垂其翼。君子于行,三日不食。有攸往,主人有言。六二:明夷。夷于左股,用拯馬壯,吉。九三:明夷于南狩,得其大首,不可疾貞。六四:入于左腹,獲明夷之心,于出門庭。六五:箕子之明夷,利貞。上六:不明晦,初登于天,後入于地。
六爻の爻辞は次のとおり。初九、光明傷つきの時、翼を振って飛ばんと欲すれども、垂翼す。君子は路上を奔走し、三日飯を食らうことを得ず。往くところあれば、また主人の閑話を招く。六二、光明傷つき、左股に傷つく。健壯の馬をもって救助すれば吉。九三、光明傷つきの時、南方に向かって出猟し、首悪元凶を擒獲す。ただし急ぎ過ぎて一味に正を求めてはならない。六四、幽暗なる者の左腹に入り、彼が光明を傷害する心思を探得す。ここにおいて早く門庭より出でて遠避す。六五、箕子のごとく暗主の下で佯狂自晦して光明を保全すれば、正を守るに宜しい。上六、照明できるばかりか、かえって昏暗に陥る。初めは高く天に登り、後には地下に墜入す。
坎宮・地水師(帰魂)
坎宮:《地水師》(歸魂),屬水,坤上坎下。本卦:父母癸酉金,應。兄弟癸亥水。官鬼癸丑土。妻財戊午火,世。官鬼戊辰土。子孫戊寅木。天馬出群之卦,以寡伏眾之象。判曰:師者,眾也。獨行越師,最不宜動。君子有命,小人勿用。共相剋伐,政道成訟。
《地水師》は坎宮の第八卦で水に属し、上体は坤、下体は坎、本宮の「帰魂」卦である。外三爻は坤体に従い癸丑・癸亥・癸酉を納め、内三爻は依然として坎体で戊寅・戊辰・戊午を納める。水をもって「我」として六親を定めれば、上爻癸酉金は父母、五爻癸亥水は兄弟、四爻癸丑土・二爻戊辰土は官鬼、三爻戊午火は妻財、初爻戊寅木は子孫で、五類斉備である。帰魂卦は世爻が三爻にあるので、世は三爻戊午妻財にあり、応は上爻癸酉父母にある。この卦は「天馬出群」の卦と称し、一陽が五陰を統べ、少をもって衆を制する気象がある。判語に曰く、師とはすなわち衆である。独自一身にして衆を越えて行い大軍を統領するは、最も妄動すべからず。君子は君命を秉承してはじめて出師すべく、小人は任用すべからず。もし彼此相争い攻伐すれば、政事を処理する正道は訟争に淪落す。
六爻斷:初六:師出以律,否臧凶。九二:在師中,吉,無咎。王三錫命。六三:師或輿尸,凶。六四:師左次,無咎。六五:田有禽,利執言,無咎。長子帥師,弟子輿尸,貞凶。上六:大君有命,開國承家;小人勿用。
六爻の爻辞は次のとおり。初六、兵を出すには必ず号令・紀律に拠らなければならない。紀律善ならざれば凶。九二、身は軍中にありて中道を持守すれば吉、災禍なし。君王はさらに三度嘉奨の命を頒下す。六三、軍中はあるいは車をもって屍体を載せて帰らんとす、凶。六四、軍隊は便安の地に退駐すれば災禍なし。六五、田中に禽獣が害を為せば、辞を奉じて討伐するに宜しく災禍なし。もし老成なる長子に軍隊を統帥せしめれば可。年少の次子をして手を出させれば、屍を載せて帰らん。固執し続ければ凶。上六、天子は大命を頒下し、功を論じ賞を行う。国を封ずるは国を封じ、家を立つるは家を立つ。小人に対してはただ財帛を賞賜すべく、官に任用すべからず。
艮宮・艮為山(六冲)
艮宮:《艮為山》(六沖),屬土,艮上艮下。本卦:官鬼丙寅木,世。妻財丙子水。兄弟丙戌土。子孫丙申金,應。父母丙午火。兄弟丙辰土。游魚避網之卦,積小成高之象。判曰:艮者,止也。純艮危危,安靜無虧。時止則止,時移則移。錢財散失,失在小兒,尋求不得,東北宜之。
《艮為山》は艮宮の首卦で、上下両体とも艮、土に属し、また「六冲」卦である。内外両卦とも丙を納め、初爻より上へ順に丙辰・丙午・丙申・丙戌・丙子・丙寅である。本宮は土に属するから、土をもって「我」として六親を定める。上爻丙寅木は官鬼、五爻丙子水は妻財、四爻丙戌土・初爻丙辰土は兄弟、三爻丙申金は子孫、二爻丙午火は父母で、五類斉備である。八純卦は世爻が上に居るので、世は上爻丙寅官鬼にあり、応は三爻丙申子孫にある。この卦は「游魚避網」の卦と称し、小より積みて高きを成す気象がある。判語に曰く、艮とはすなわち止である。純艮の卦は両山重畳し、高峻にして危うし。ただ安処静守してはじめて損耗を免れる。止まるべきときは止まり、動くべきときは動く。もし失物を占えば、銭財の散失を主り、多分小孩子の手に失せ、一時に捜索し得ず。東北の方向に往きて尋ねれば合宜。
六爻斷:初六:艮其趾,無咎,利永貞。六二:艮其腓,不拯其隨,其心不快。九三:艮其限,列其夤,厲熏心。六四:艮其身,無咎。六五:艮其輔,言有序,悔亡。上九:敦艮,吉。
六爻の爻辞は次のとおり。初六、脚趾がまさに邁動せんとするときに止めれば、災禍なし。長久に正を守るに宜しい。六二、小腿肚を止めるも、随いて乱動する大腿を救う能わず。心このため痛快ならず。九三、腰際に止まり、脊背の筋肉を皆撕裂す。危厳の勢い烈火の心を熏るがごとし。六四、全身躯を止めれば災禍なし。六五、己の口舌・牙床を管束し、言うこと条有理あれば、悔恨は自ら消失せん。上九、敦厚篤実に止道を守れば吉。
艮宮・山火賁
艮宮:《山火賁》,屬土,艮上離下。伏神、本卦:官鬼丙寅木。妻財丙子水。兄弟丙戌土,應。子孫丙申金,妻財己亥水。父母丙午火,兄弟己丑土。官鬼己卯木,世。猛虎負嵎之卦,光明通泰之象。判曰:賁者,飾也。光彩烜赫,火色含丹,文章交錯,應雜其間,進退榮益,束帛戔戔。
《山火賁》は艮宮の第二卦で土に属し、上体は艮、下体は離。外三爻は依然として艮体で丙戌・丙子・丙寅を納め、内三爻はすでに離体に変じて己卯・己丑・己亥を納める。土をもって「我」として六親を定めれば、上爻丙寅木・初爻己卯木は官鬼、五爻丙子水・三爻己亥水は妻財、四爻丙戌土・二爻己丑土は兄弟。艮宮にもとからある子孫丙申金と父母丙午火はともに卦に上らず、それぞれ三爻妻財己亥水の下と二爻兄弟己丑土の下に伏する。本宮第二卦は世爻が初爻にあるので、世は初爻己卯官鬼にあり、応は四爻丙戌兄弟にある。この卦は「猛虎負嵎」の卦と称し、光明・通达・順泰の気象がある。判語に曰く、賁とはすなわち文飾である。光彩盛大にして人を照らし、火色の中に丹紅を含み、各色の文采交錯して紛然と其間に摻雑す。進退の間に皆栄顕・増益あれども、ただ受くる所は一小束の薄き絹帛に過ぎない。
六爻斷:初九:賁其趾,舍車而徒。六二:賁其須。九三:賁如濡如,永貞吉。六四:賁如皤如,白馬翰如,匪寇,婚媾。六五:賁于丘園,束帛戔戔,吝,終吉。上九:白賁,無咎。
六爻の爻辞は次のとおり。初九、己の脚趾を文飾し、むしろ乗るべからざる車を捨てて徒歩するを選ぶ。六二、下巴に附して鬚鬢を文飾すれば、ただ人に随って動くのみ。九三、文飾して光潤沢あれば、長久に正を守って吉。六四、文飾して素白无华なれば、白馬馳せて飛ぶがごとく来る。来る者は強盗にあらず、婚を求める人である。六五、文飾を山丘・園圃の類の質朴の処に施せば、用うる所はただ一小束の薄絹、鄙吝に見えども、終に吉を得る。上九、純白をもって飾とし、本色に返帰すれば災禍なし。
