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四、官に随いて墓に入る

明 · 姚际隆 · 第6巻 / 31

作盤ガイド: 六爻納甲の立卦, 大衍筮法

隨官入墓,其目有三:有身隨鬼入墓,有世隨鬼入墓,有命隨鬼入墓。且如丑日,占得雷水解卦。身鬼俱在五爻,乃身隨鬼入墓也。若未日,占得山天大畜。世在二爻屬木,乃世隨鬼入墓也。又如未日,寅生人占得地雷復,卯生人占得火澤睽,本命皆在鬼爻,此乃命隨鬼入墓也。以上三墓,不問占何事,意皆非吉兆。

「随官入墓」というこの格は三種に分かる。一は「身」が鬼に随いて墓に入る、二は「世」が鬼に随いて墓に入る、三は「命」が鬼に随いて墓に入る。例を挙げて言えば、「丑」の日に《雷水解》卦を占い得て、身爻と鬼爻とともに第五爻上に落ち、丑はまたこの鬼の墓庫なり、これ便ち身が鬼に随いて墓に入るなり。若し「未」の日に《山天大畜》を占い得て、世爻が第二爻に在りて木に属し、未は木の墓なり、これ便ち世が鬼に随いて墓に入るなり。再び同じく「未」の日のごとく、虎に属する(寅年生)人が《地雷復》を占い得、兎に属する(卯年生)人が《火沢睽》を占い得れば、その本命の支は皆鬼爻上に落ち、未は木墓なり、これ便ち命が鬼に随いて墓に入るなり。以上の三種の入墓は、占う所の事何たるを論ぜず、含意は皆吉兆にあらず。

占身遇之,須防目下有災,終身不能顯達。占婚,遇世隨鬼入墓,男家貧乏,女財不備。占產,遇命隨鬼入墓,須防妻命入黃泉。求官遇之,事體難成。雖成,終不能振。若入殺墓,更為大凶。(殺墓者,丁未、戊戌是也。)占訟遇之,有牢獄禁繫之憂,或訟散身危,或訟中有病。求財遇之,勤勞備歷,終歸他人。出行遇之,多是去不成,若去愈為不美,必主去後有病。家宅遇之,宅長有憂。占病遇之,十占九死。略舉一二卦為例,其餘各以類推。

自身を占いてこれに遇えば、眼下に災有るを防ぐべく、一生もまた顕達しがたし。婚姻を占うに、若し世が鬼に随いて墓に入れば、男方は家道貧乏にして、女方の妆奩もまた斉備せず。生産を占うに、若し命が鬼に随いて墓に入れば、産婦の性命保ちがたきを防ぐを須う。官職を求めてこれに遇えば、事情成りがたし。たとえ成りても、終に振作する能わず。若しまた「殺墓」上に落ちれば、更に大凶と為す(いわゆる殺墓は、丁未・戊戌この二つの日辰を指す)。訴訟を占いてこれに遇えば、牢獄拘禁の憂有り、或いは官司は散じて人は却って危殆、或いは官司を打ちつつまた病を生ず。財を求めてこれに遇えば、辛苦奔労を嘗遍し、所得は終に別人に帰す。出行を占いてこれに遇えば、多半は去り得ず。真に去ればかえって更に不妙、走り去りて後に必ず病を生ず。家宅を占いてこれに遇えば、一家の主に憂患有り。疾病を占いてこれに遇えば、十占して九死す。ここにただ一两の卦を挙げて例と為し、其余は各々これに類して推求せよ。

五、冲に逢いて暗動す

且如六爻安靜,不遇沖則不動。若日辰相沖,名曰暗動。暗動者,有吉有凶,各有所用,不可一概而論。若遇凶煞暗動,傷身克世,件件皆非所宜。吉神暗動,合世生身,事事無不為吉。餘推其義,暗者必非明也,乃陰私潛伏也。福來而不知,禍來而未覺。爻吉則暗中有補,爻凶則暗中有傷。

たとえば六爻皆安静にして、冲に遇わざれば動かず。若し当日の日辰に冲せられれば、「暗動」と謂う。暗動は吉も有り凶も有り、各々その用処有り、一概に論ずべからず。若し凶煞が暗動して、身爻を傷り世爻を克せば、則ち样样皆相宜ならず。若し吉神が暗動して、来りて世に合し身を生ぜば、則ち事事皆吉なり。我この道理を推究す。いわゆる「暗」は、本より明処の事にあらず、陰私潜伏の義なり。福気到りて自己はなお知らず、禍事到りて自己もまた覚えず。爻若し吉なれば、すなわち暗中に人の補益有り。爻若し凶なれば、すなわち暗中に人の加害有り。

占婚遇之,吉則暗中有人網維,凶則暗中有人破敗。占產遇胎爻或子孫暗動,必會轉胎。求官遇之,吉則有無心之機會,凶則陰中有人損害。占訟遇之,吉則得人解救,凶則被人暗算。失脫遇之,吉則暗中捕捉可獲,凶則暗味難尋。求財遇之,吉則隱然求之,利益殊厚;凶則被人劫騙,利不可得。行人遇之,吉則心欲動而未發,凶則暗中有阻,未能起身。家宅遇之,吉則暗中有補,福已至而不知;凶則暗中有害,禍欲萌而未覺。占病亦隨其所遇之神,而定其吉凶也。

婚姻を占いて暗動に遇えば、吉の一面は暗中に人があなたのため張羅撮合し、凶の一面は暗中に人が中より破壊す。生産を占うに、若し胎爻或いは子孫爻が暗動すれば、胎位必ず転動せん。官職を求めてこれに遇えば、吉なれば意想外の機縁を得、凶なれば背地裏に人の加害有り。官司を占いてこれに遇えば、吉なれば人が出面して解救し、凶なれば人に暗算せられん。失物を占いてこれに遇えば、吉なれば暗中に追捕して找回する能く、凶なれば線索晦暗にして尋覓しがたし。財を求めてこれに遇えば、吉なれば声色を動せずして求め、利を獲ること格外に豊厚。凶なれば人に劫奪欺騙せられ、利益は手に到らず。行人を占いてこれに遇えば、吉なれば彼の心に動身を想うもいまだ啓程せず、凶なれば暗中に阻碍有りて走り成らず。家宅を占いてこれに遇えば、吉なれば暗中に人の補益有り、福すでに到りて自己はなお知らず。凶なれば暗中に人の加害有り、禍はちょうど萌芽して自己いまだ覚えず。疾病もまた同じく、遇う所が何の神たるに随い、もって吉凶を定む。

六、鬼を助けて身を傷る

生助官鬼者,不過妻財也。不宜發動,動則衰鬼變成旺鬼。旺鬼遇之,其勢愈凶。且如申日占得離卦,鬼臨應爻克世,本非佳兆,更兼妻財發動,生助鬼爻,其凶愈不可當。此乃助鬼傷身也。凡卦鬼克身世者,無財凶有限。若有兩財皆動,其禍不可勝言。倘得子孫發動,福神來解,庶可反凶成吉,轉禍為祥。

「官鬼」を生助する能くするは、ただ「妻財」の一爻のみ。財爻は発動に宜しからず、一動すれば衰弱の鬼を変じて旺鬼と為す。本来旺なる鬼が再びこれに遇えば、その気勢愈加凶悪なり。例を挙げて言えば、「申」の日に《離》卦を占い得て、官鬼が応爻上に落ちて世爻を克すは、本より好き兆頭にあらず、偏に妻財がまた発動して鬼爻を生助するに往き、その凶険は更に挡不住り。これを「助鬼傷身」と謂う。およそ卦中に鬼爻が身を克し世を克するは、若し財爻無ければ、凶険はなお限度有り。若し両個の財爻皆動けば、その禍患は言い尽くし難し。倘もこの時子孫爻が発動し、福神出で来りて化解すれば、なお凶を反して吉と為し禍を転じて祥と為すの希望有り。

七、六親の取用

1、父母:生我者謂之父母也。能為凶,能為吉,各有所用。遇財則有傷本體,逢鬼則增長光輝。發動則克傷子孫,生扶兄弟。審其動靜衰旺,各有所宜,學者自宜詳玩。2、兄弟:比和者謂之兄弟也。大抵不能為福,亦不能為大凶,無非破敗、剋剝、阻滯之神也。怕逢官鬼發動,則受制,喜遇父母興隆,則有依。動則傷克妻財、扶持福德。此理弘深,自宜推測。

第一、「父母」。およそ我を生ずるあの一類の爻を便ち父母と謂う。それは凶を作す能く、また吉を作す能く、各々その用処有り。財爻に遇えばその自身の本体を傷り、鬼爻に遇えばかえってその光彩を増長する能く。それ一たび発動すれば、便ち子孫を克傷し兄弟を生扶す。それが動か静か、衰か旺かを審察するを須い、各々その相宜の処有り、学者は自ら仔細に体味すべし。第二、「兄弟」。およそ我と同類に比する爻を便ち兄弟と謂う。それは大体に於て福気を齎す能わず、また大凶を醸成するに至らず、破財・克剥・阻滞この一類の神に過ぎず。それは官鬼の発動に遇うを怕れ、一たび遇えば便ち受制す。父母の興旺に遇うを喜び、一たび遇えば便ち依靠有り。それ一たび発動すれば、妻財を傷克して子孫を扶持す。ここ裏頭の道理は甚だ深し、学者は自ら細やかに推求すべし。

3、子孫:我生者謂之子孫也。逢之者無不為佳,背之者莫能為福。卦無父母則無克,爻有兄弟則有依,動則生財傷克官鬼。4、妻財:我克者謂之妻財也。諸事逢之無不為吉。惟占父母及文書不宜見之。值兄弟則有損,遇福德則愈佳,逢官鬼則洩氣。動、靜皆吉。雖然動則生鬼,亦不宜發動也。後之學易者,自當通變。

第三、「子孫」。およそ我が生ずる所のあの一類の爻を便ち子孫と謂う。これに遇うは好からざるなし、これに背离するは便ち福を得ず。卦中に父母無ければ、子孫は便ち克制する人無し。爻中に兄弟有れば、子孫は便ち依托する所有り。それ一たび発動すれば、財爻を生じて官鬼を傷克す。第四、「妻財」。およそ我が克する所のあの一類の爻を便ち妻財と謂う。各様の事情これに遇い吉ならざるなし、ただ父母長輩と文書を占う時のみこれを見るに宜しからず。それは兄弟に碰上れば損を受け、子孫に遇えば更に好く、官鬼に逢着すれば便ち気力を泄去せらる。財爻は動も吉、静も吉。ただそれ一動すれば鬼を生ずるを須うゆえ、また軽易に発動に宜しからず。後来《易》を学ぶ人は、自ら通変を懂得すべし。

5、官鬼:克我者謂之官鬼也。大抵為凶處多,為福處少。所畏者福德,所恃者妻財。動則克傷兄弟,生扶父母。然卦中雖凶而不可無,但宜靜而不宜動耳。占身命,帶貴人,當為貴用,加凶煞仍作鬼推。遇吉必進祿加官,逢凶必喪亡疾病。占婚姻為夫。旺相帶青龍者,必聰明俊雅之人。加貴人必有勾當,不然亦是宦家子弟。若在胎養沐浴爻上,今雖末仕,他日必貴。最宜持世,或臨陽象,皆名得地。其餘所占,不及盡述,詳具《天玄賦》總論中。

第五、「官鬼」。およそ我を克するあの一類の爻を便ち官鬼と謂う。それは大体に於て凶を作す時多く、福を作す時少なし。その畏懼する所は子孫、その倚仗する所は妻財。それ一たび発動すれば、兄弟を克傷して父母を生扶す。然れども卦中に於てそれは凶を主ると雖も、またそれ無くんばあるべからず、ただ静に宜しく動に宜しからざるのみ。身命を占う時、鬼爻若し天乙貴人を帯びれば、便ち貴気と作して看るべし。若し凶煞を加えれば、依として旧り鬼に按じて推斷す。それは吉神に遇えば必ず官を加え禄を進め、凶煞に逢えば必ず死喪疾病す。婚姻を占う時、鬼爻は丈夫を代表す。旺相にして青龍を帯ぶれば、必ず聡明俊秀文雅の人。再び貴人を加えれば、必定に官職差事有り、然らざるもまた官宦人家の子弟ならん。若し「胎」「養」「沐浴」これらの長生位上に落ちれば、眼下は雖もいまだ出仕せずとも、日後必定に顕貴ならん。鬼爻は最も好く世を持ち、或いは陽爻の象に臨む、皆「得地」と謂う。其余の各類の占問は一一に言い尽くし能わず、詳細は《天玄賦》の総論に見る。

八、易を断ずる総論

且如四時之旺相,實專八卦之吉凶。春木旺而夏火炎,秋金堅而冬水盛。木火兼用於春天,火土用事於夏月,金水專三秋之令,水木主一冬之權。臨用爻為福不淺,臨忌爻為禍非輕。先定財官出現伏藏,次論支神休囚旺相。父母輔佐於官鬼,子孫輔佐於妻財。父母與官鬼同氣相求,子孫與妻財同聲相應。私用以妻財為主,公用以官鬼為尊。最忌動搖,大宜安靜。

四季の旺相衰囚は、実際に八卦の吉凶を主宰す。春は木気最も旺しく、夏は火気炎盛し、秋は金気堅鋭にして、冬は水気充盈す。故に春は木と火と並用し、夏月は火と土と当令し、金と水と専ら三秋の時令を主り、水と木と整个の冬天の権柄を掌握す。当令の気を用神爻上に加えれば、福気は浅からず。忌神爻上に加えれば、禍患もまた軽からず。卦を看るに先ず妻財・官鬼が卦中に出現するか爻下に伏蔵するかを定め、其次に再び各爻地支の休囚旺相を論ず。父母は官鬼の輔佐、子孫は妻財の輔佐。父母と官鬼とは同気相求め、子孫と妻財とは同声相応ず。およそ私事に属するは妻財を主と為し、およそ公事に属するは官鬼を尊と為す。用神は最も動揺不定を忌諱し、最も好くは安静なり。

出現旺相可為遠日之圖,有氣伏藏只利暫時之用。用神無氣伏藏,急要日辰生合。日辰旺相,方能生合相扶;用爻休囚,最怕逢空沖剋。旺相能克休囚,休囚難克旺相;交重能克單拆,單拆難克交重。伏藏不論旬空,(旬空者:甲子旬中戌亥空之類)出現怕臨月破。(假如正月建寅,用爻是申,為月破也。)用官忌子孫持世,求財忌兄弟臨身。財官若遇生扶,謀望並無阻滯。身世若無救助,所為必主參商。

用神が卦中に出現してまた旺相なれば、長遠の事を謀划するべし。気有ると雖も別爻の下に伏蔵すれば、ただ眼前の一时の用に利するのみ。用神すでに気無くまた伏蔵すれば、急いで日辰がそれを生じそれに合するを需う。而して日辰本身は旺相を須い、はじめて生じ得て動かし合し得て住する。用神若し休囚に逢えば、最も怕るは再び旬空と冲克とに碰上る。旺相の爻は能く休囚の爻を克し、休囚の爻は却って旺相の爻を克しがたし。動爻(重と交)は能く静爻(単と拆)を克し、静爻は却って動爻を克しがたし。伏蔵の爻は旬空を論ずるを須いず(いわゆる旬空は、甲子の一旬の中に戌・亥の二支が落空するの類)。出現の爻は則ち月破に碰上るを怕る(譬えば正月は寅を建て、用神が申なれば、申と寅と冲す、すなわち月破)。官職を占うに子孫の世を持つを忌み、錢財を求むるに兄弟の身に臨むを忌む。財爻・官爻若し生扶を得れば、謀む所望む所に阻滞なし。身爻・世爻若し救助を得ざれば、為す所の事は必定に参商の二星のごとく両相乖違せん。

兄弟動搖,買婢求財空費力;子孫興發,求官應舉枉勞心。父母為饕餮之神,兄弟為剋剝之鬼。尋常占卜不宜父母交重,一應謀為切忌兄爻發作。鬼動禍起,切莫與人交爭;財動耗財,甚勿與人爭訟。父母動,勞心勞力;兄弟興,為詐為虛。用官宜伏父母,用財宜伏子孫。官伏子孫,用官必無成就。財伏父母,用財一半虧傷。用財伏官,怕侵匿之擾。用官伏兄,怕阻隔之撓。用父伏財皆為患,用財伏兄總不中。

兄弟爻が動揺すれば、婢僕を買い錢財を求むるも皆白費の力气。子孫爻が興旺発動すれば、官を求め考に応ずるもまた枉げて自ら心を労す。父母は貪食耗人の神、兄弟は克剥夺財の鬼。平常の占卜は父母の重曡発動に宜しからず、およそ謀む有るは更に切に兄弟爻の発作を忌む。鬼爻一動すれば禍事便ち起る、千万に人と争執するなかれ。財爻一動すればかえって破財を主り、尤其に人と官司を打つなかれ。父母爻動けば、労心労力を主る。兄弟爻興れば、虚詐不実を主る。官鬼を用いて神を作す時は、父母の下に伏するに宜し。妻財を用いて神を作す時は、子孫の下に伏するに宜し。官鬼が子孫下に伏すれば、官を求めて必ず成就なし。妻財が父母下に伏すれば、財を求めて折損一半を要す。財を用いて官鬼下に伏すれば、侵吞隠匿の擾有るを怕る。官を用いて兄弟下に伏すれば、中より阻隔の撓有るを怕る。父母を用いて妻財下に伏すれば皆禍患と成り、妻財を用いて兄弟下に伏すれば終帰して成らず。

用神要拱合生扶,忌神須刑沖剋破。散官治病,全賴子孫。興訟求名,須憑官鬼。口舌是非爭競,為緣兄弟爻興。謀為重迭艱辛,皆因父母爻動。應動事變,託人相反不相從。世動理虧,凡事改求宜改作。世應相生人扶助,世應相剋事遲疑。應空吉凶不成,間動謀為多阻。月建臨於用爻,求官必定遷高職。月破臨於用爻,作事無成病不痊。八純克世克用,作事有始無終。五墓臨世臨身,問病一生九死。

用神に対しては拱扶・相合・相生の助力を須い、忌神に対しては則ち刑・冲・克・破の制伏を須う。官司を消散し疾病を医治するは、全て子孫爻に靠る。訟を興し勝を争い功名を求取するは、便ち官鬼爻に凭らねばならず。口舌是非争競するは、兄弟爻の興起に縁る。謀む所の事が重重に艱辛なるは、皆父母爻の発動するが故。応爻発動すれば則ち事情は変を生じ、人に托して事を辦せしめてかえって聴従を肯ぜず。世爻発動すれば則ち自己は理亏し、凡事門路を改換し別に打算を作すを宜しとす。世応相生するは、人の扶助有るなり。世応相克するは、事情が遅疑して決しがたし。応爻落空すれば、吉凶皆成らず。間爻発動すれば、謀む所多く阻隔有り。月建が用神爻上に加臨すれば、官を求めて必定に高職に升迁す。月破が用神爻上に加臨すれば、事を作して成らず病もまた愈えがたし。八純卦にしてまた世を克し用を克すれば、事を作して頭有りて尾なし。辰戌丑未に日辰の属する五墓を加えて世爻身爻上に臨めば、病を問えば十有九死す。

明用爻之得失、定事體之吉凶。求安求樂求長久,最宜爻象安寧;圖借圖賒圖脫卸,看取用爻興旺。休囚獨發事體遲疑,旺相若興事情急速。世臨五墓如醉如痴,用值三刑遭傷遭損。略言機妙,全在推詳。外演爻辭定六親之象,內占八卦決百事之疑。洞燭纖毫,包含萬象,下通人事,上應天時。

卦を看るの要領は、便ち用神の得失を弄明白にし、拠って事情の吉凶を判定するをもってす。およそ平安を求め快楽を求め長久を求むる事は、最も好くは六爻安静。およそ借貸を要し賖欠を要し担子を推卸して出去せんと欲する事は、則ち用神の興旺なるか否かを看る。休囚の爻が独自発動すれば、事情は便ち遅疑して決しがたし。旺相の爻が一旦興動すれば、事情の来る急速なり。世爻が五墓に落入すれば、人は便ち昏沉して如醉如痴。用神が三刑に値上れば、必ず傷損に遭う。ここにただその中の機要精妙を略説す、全て学者が自ら推詳するに靠る。外に向かい爻辞を推衍すれば、六親の種種の物象を定出するべし。内に向かい八卦を占断すれば、百事の疑難を決断するべし。それは最も細微の処に明察し、万象を包羅し、下は人間の事に通じ、上は天時の運に応ず。

卜筮全書 巻之四・闡奥歌章上

一、碎金賦

子動生財,不宜父擺;兄動克財,子動能解。擺,動也。蓋子動生財,若是父動克子,子不能生財矣。兄動則能克財,若得子動,兄必貪生於子,忘克於財,謂之貪生忘克,而財反得生矣。財動生鬼,切忌兄搖;子動克鬼,財動能消。搖,動也。蓋財動能生鬼,若是兄動克財,鬼不能生矣。若子孫發動,則能克鬼,若得財爻發動,則洩子孫之氣,而生官鬼之精神矣。

賦文に曰く、子孫爻の発動は能く財を生ず、然れども父母爻がこれに跟って動くに宜しからず。兄弟爻の発動して財を克するに来るは、子孫爻動けば能く化解す。姚際隆注、「摆」とはすなわち動なり。子孫動は本来財を生ず、若し父母動が来りて子孫を克せば、子孫は便ち財を生成せず。兄弟動は本来能く財を克す、若し子孫もまた動くを得れば、兄弟は便ち貪りて子孫を生じに往き、財を克するを忘る、これを「貪生忘克」と謂い、財はかえってこれにより生を得る。賦文また曰く、妻財爻の発動は能く鬼を生ず、最も忌むは兄弟爻の揺動。子孫爻の発動は能く鬼を克す、妻財爻一動すればこの層の克を消掉す。姚際隆注、「揺」もまた動なり。財動は本能に鬼を生ず、若し兄弟動が来りて財を克せば、鬼は便ち生を得ず。若し子孫発動すれば、本能に官鬼を克制す、然れども一旦財爻もまた発動せば、財は便ち子孫の気を泄去して転じて官鬼の精神を生ず。

父動生兄,忌財相剋;鬼動克兄,父動能洩。父乃兄之元辰,忌財克之,鬼乃兄之忌神,喜父洩之。父動生兄,若見財爻動,則父無用而不能生兄矣。官鬼發,克兄弟,若見父母動,則漏洩官鬼之氣,而不能為大害矣。鬼動生父,忌子交重;財動克父,鬼動能中。交重,動也。鬼動能生父。若是子動,則剋制官鬼,不能生父矣。財動則能克父。若得鬼動,財必貪生於鬼,忘克於父,是鬼為財之中人也。

賦文に曰く、父母爻の発動は能く兄弟を生ず、忌むは妻財爻の来りて父母を克する。官鬼爻の発動して来りて兄弟を克するは、父母爻一動すれば能く鬼気を泄掉す。姚際隆注、父母は兄弟の「元辰」(我を生ずる神)ゆえ財爻のそれを克するを忌む。官鬼は兄弟の忌神ゆえ父母の往きてそれを泄するを喜ぶ。父母動は本能に兄弟を生ず、若し財爻の発動を見れば、父母自身は失效して兄弟を生ずる能わず。官鬼の発動して来りて兄弟を克するに、若し父母の発動を見れば、便ち官鬼の気を漏泄し来りて、鬼は大害を成す能わず。賦文また曰く、官鬼爻の発動は能く父母を生ず、忌むは子孫爻の発動。妻財爻の発動して来りて父母を克するは、官鬼爻一動すれば能く中より説合す。姚際隆注、「交重」もまた動なり。鬼動は本能に父母を生ず、若し子孫動が来りて官鬼を克制せば、鬼は便ち父母を生成せず。財動は本能に父母を克す、若し鬼爻もまた動くを得れば、財は便ち貪りて鬼を生じに往き、父母を克するを忘る、これは鬼が財と父との間に於て一個の中人を作したなり。

兄動生子,忌鬼搖揚;父動克子,兄動無妨。搖揚,動也。蓋兄動則生子。若鬼動克兄,子失元辰矣。父動能克子孫。若得兄動,則洩減父之凶勢,而子得無妨也。子興克鬼,父動無妨;若然兄動,鬼必遭傷。子動必傷官鬼。若得父動克子,則鬼無事。若兄動生子,子愈有力,其鬼必遭傷害也。

賦文に曰く、兄弟爻の発動は能く子孫を生ず、忌むは官鬼爻の揺動。父母爻の発動して来りて子孫を克するは、兄弟爻動けば妨事ならず。姚際隆注、「揚」もまた動なり。兄弟動は本能に子孫を生ず、若し鬼動が来りて兄弟を克せば、子孫は便ち元辰を失去す。父母動は本能に子孫を克す、若し兄弟の発動を得れば、便ち父母の凶勢を泄減して一層し、子孫は便ち礙事ならず。賦文また曰く、子孫爻の興動して来りて官鬼を克するは、父母爻一動すれば鬼は便ち妨げなし。若し兄弟爻もまた動けば、鬼は必定に傷を受けん。姚際隆注、子孫一動すれば必ず官鬼を傷る、若し父母動が来りて子孫を克するを得れば、鬼は便ち安然として事なし。若し兄弟動が来りて子孫を生ぜば、子孫の力量は更に足り、あの鬼は必定に傷害に遭わん。

財興克父,兄動無憂;若然子動,父命難留。財動必克父。若得兄動克財,財不能克父也。若是子孫發動,生助妻財,其勢轉盛,其父必難救援也。父興克子,財動無事;若是鬼興,其子必死。父動克子。若得財動克父,子孫有救。若是鬼動,愈生父怒,其子必死無疑矣。

賦文に曰く、妻財爻の興動して来りて父母を克するは、兄弟爻動けば憂慮するを須いず。若し子孫爻もまた動けば、父母の命は保ちがたし。姚際隆注、財動は必定に父母を克す、若し兄弟動が来りて財を克するを得れば、財は便ち父母を克し動かず。若し子孫の発動して往きて妻財を生助せば、財勢はかえって更に盛んに、あの父母は必定に救援しがたし。賦文また曰く、父母爻の興動して来りて子孫を克するは、妻財爻動けば便ち事なし。若し官鬼爻興動せば、あの子孫は必ず死せん。姚際隆注、父母動は本より子孫を克す、若し財爻動が来りて父母を克するを得れば、子孫は便ち救い有り。若し鬼爻発動せば、愈々発いて父母の凶焰を助長し、あの子孫は必ず死して疑いなし。

鬼興克兄,子動可救;財若交重,兄弟不久。官動克兄。若子動克鬼,則兄弟有救。若財動生鬼,則鬼惡愈盛,兄必難救。兄興克財,鬼興無礙;若是父興,財遭克害。兄動克財。若得鬼動克兄,財得無事。若父動生兄,其兄愈加狂戾,財必遭於克害也。

賦文に曰く、官鬼爻の興動して来りて兄弟を克するは、子孫爻動けば便ち解救すべし。妻財爻若しもまた発動せば、兄弟は便ち長久を保つ能わず。姚際隆注、官鬼動は本より兄弟を克す、若し子孫動が来りて鬼を克せば、兄弟は便ち救い有り。若し財爻動が来りて鬼を生ぜば、鬼の凶焰は更に盛んに、兄弟は必定に救いがたし。賦文また曰く、兄弟爻の興動して来りて妻財を克するは、官鬼爻興動せば便ち礙なし。若し父母爻興動せば、財は便ち克害に遭わんとす。姚際隆注、兄弟動は本より妻財を克す、若し鬼爻動が来りて兄弟を克するを得れば、財は便ち安然として事なし。若し父母動が来りて兄弟を生ぜば、兄弟は愈々発いて狂横し、財は必定に克害に遭わん。

二、断易通玄賦

易爻不妄成,--易本天機之事,豈妄成也。神爻豈亂發?--卦中六爻,神聖靈機,豈有亂發。體象或既成,--本卦為體,之卦為象。無者形憂色。--所占之事,若不上卦,定可憂也。

賦文に曰く「易爻不妄成」、姚際隆注、《易》は本より天机の寄る所、卦爻豈に胡乱に生成せんや。賦文に曰く「神爻豈乱発」、姚注、卦中の六爻は神明の灵机の寄る所、何ぞ無縁無故に乱動する道理あらん。賦文に曰く「体象或既成」、姚注、占う所の本卦を「体」と謂い、変出の之卦を「象」と謂う。賦文に曰く「无者形憂色」、姚注、占う所の事の用神若し卦に上がらざれば、臉上に憂色を現出すべし、あれは憂うべき兆頭なり。

始須論天喜,--如正月起戌,二月亥,順行十二位是也。次看貴人方。--貴人見後神煞章內。三合百事吉,--三合見後神煞章內。祿馬最為良。--假如甲日有寅爻,則是祿也。即甲祿在寅,乙祿在卯。申子辰日有寅爻,則是馬也。即申子辰馬居寅。若有此爻臨世應,求官可進,名利俱成。祿馬全篇歌訣,俱見後神殺章內。

賦文に曰く「始須論天喜」、姚際隆注、「天喜」星の起法は正月は戌より起り、二月は亥に在り、次に依りて順行して十二位。賦文に曰く「次看貴人方」、姚注、天乙貴人の排法は後の神煞章に見る。賦文に曰く「三合百事吉」、姚注、三合の用法もまた後の神煞章に見る。賦文に曰く「禄馬最為良」、姚注、譬えば「甲」日の卦中に寅爻有れば、寅は便ち禄なり、甲禄は寅に在り乙禄は卯に在るが故に。申子辰日の卦中に寅爻有れば、寅は便ち驛馬なり、申子辰の馬は寅に落つるが故に。若しこのごとき爻が世爻或いは応爻上に加臨せば、官を求めて升進すべく、名と利と皆成就する能く。禄馬の全篇の歌訣は、皆後の神煞章の裏に在り。

爻動始為定,--看卦之動爻,而定其吉凶。次吉論空亡。--吉神忌空,凶煞喜空。彭城有秘訣,切記不可忘。--訣云:子落空亡憂遠行,病值空亡宜作福,久病空亡身【下亡】,財若空亡難把捉,鬼遇空亡官事停,妻值空亡妻有孕,空女空亡有外情,宅值空亡急作福,父母空亡憂病生,兄弟空亡不得力,子孫空亡主伶仃。

賦文に曰く「爻動始為定」、姚際隆注、卦中の哪一爻の発動を看るを須い、これに拠りて吉凶を判定す。賦文に曰く「次吉論空亡」、姚注、吉神は最も落空を忌み、凶煞は倒れて落空を喜ぶ。賦文に曰く「彭城有秘訣、切記不可忘」、姚注、あの口訣に曰く——子孫爻が空亡に落つれば、遠行の事を憂慮するを須う。病人が空亡に逢えば、祈禳して福を作すに宜し。久病の人が空亡に逢えば、性命便ち危険なり。財爻若し空亡に落つれば、錢財は手に抓到せず。鬼爻が空亡に遇えば、官司便ち停息すべし。妻財爻が空亡に逢えば、妻子は多半に孕有り。女子の爻が空に落つれば、主として彼女に別に外情有り。宅爻が空亡に落つれば、急いで福を祈り禳解するを須う。父母爻が空亡すれば、憂は長輩の生病に在り。兄弟爻が空亡すれば、手足の幇忙に指望し得ず。子孫爻が空亡すれば、主として孤单にして靠るなし。

四沖主沖並,--辰戌丑未為四沖,縱然占吉也成凶。刑極俱主傷。--寅申巳亥為四刑,凡作十事無一成。婚姻官事俱不吉,縱得相生也不真。世應俱發動,必然有改張。--世應俱動,定見不寧之兆。龍動家有喜,--青龍動,主有喜慶。虎動主有喪,--白虎動,定有凶傷。勾陳朱雀動,須忌有文章。--勾陳朱雀動,主文字立至。

賦文に曰く「四冲主冲并」、姚際隆注、辰戌丑未のこの四支は両両相冲し、吉事を占い得てもまた凶に転ず。賦文に曰く「刑極倶主傷」、姚注、寅申巳亥のこの四支は互刑し、およそ十件事を作して一件も成る能わず。婚姻と官司と皆吉ならず、たとえ爻位相生するも靠り難し。賦文に曰く「世応倶発動、必然有改張」、姚注、世爻応爻が一斉に発動すれば、必ず動蕩不寧の兆なり。賦文に曰く「龍動家有喜」、姚注、青龍発動すれば、主として喜慶の事有り。賦文に曰く「虎動主有喪」、姚注、白虎発動すれば、必ず凶喪傷損有り。賦文に曰く「勾陳朱雀動、須忌有文章」、姚注、勾陳と朱雀と発動すれば、主として文書が立刻に到る。

日動憂尊長,--看所卜之日辰屬何爻,遇動,則尊長有災咎。辰動損兒郎。--看所卜之時辰屬何爻,遇動,則小兒有損。陽動男人滯,陰動女人殃。--陽爻動,主男人唉。陰爻動,主女人災。出行宜世動,--凡占出行,世動則吉,且無阻隔。歸魂不出疆。--歸魂卦,主躊躇不進。應動值三合,行人立回莊。--應爻若動,行人主在三合日到家。

賦文に曰く「日動憂尊長」、姚際隆注、卦を占う当日の日辰が哪一爻上に落つるを看る、あの一爻若し動けば、長輩に災咎有り。賦文に曰く「辰動損児郎」、姚注、卦を占う当時の時辰が哪一爻上に落つるを看る、あの一爻若し動けば、小児に損傷有り。賦文に曰く「陽動男人滞、陰動女人殃」、姚注、陽爻発動すれば、主として男子に受阻有り。陰爻発動すれば、主として女子に災有り。賦文に曰く「出行宜世動」、姚注、およそ出行を占うに、世爻発動すれば便ち吉、しかも路上に阻隔なし。賦文に曰く「帰魂不出疆」、姚注、帰魂卦を占い得れば、主人は躊躇して前せず、境を走出で得ず。賦文に曰く「応動値三合、行人立回荘」、姚注、応爻若し発動せば、門外に出でる人は三合の日に家に到らん。

占宅青龍旺,豪富冠一鄉。--占宅若見龍旺,定主富貴。父母爻興旺,為官至侯王。--印旺主大貴。天喜若持世,公事定無妨。--天喜持世,訟必有理。勾陳克玄武,捕賊不須忙。--若勾陳克玄武,捕盜易獲。父病嫌大殺,空亡母不長。--父病,殺爻上卦,定死。母病若空亡,定主喪。無鬼病難療,--占病無鬼,定主不治。鬼旺主發狂,--鬼旺財興難保命。

賦文に曰く「占宅青龍旺、豪富冠一郷」、姚際隆注、家宅を占いて若し青龍の旺相を見れば、必ず富貴を主る。賦文に曰く「父母爻興旺、為官至侯王」、姚注、父母は印綬の象、印旺は大貴を主る。賦文に曰く「天喜若持世、公事定无妨」、姚注、天喜星が世を持てば、官司を打てば必定に理有り。賦文に曰く「勾陳克玄武、捕賊不須忙」、姚注、若し勾陳が能く玄武を克せば、盗賊を緝捕して得手に易し。賦文に曰く「父病嫌大殺、空亡母不長」、姚注、父親の病を占うに、凶殺の爻が卦に上がれば、必ず死す。母親の病を占うに、用神若し空亡に落つれば、主として喪事有り。賦文に曰く「无鬼病難療」、姚注、病を占いて卦中に鬼無ければ、必定に治す能わず。賦文に曰く「鬼旺主発狂」、姚注、鬼爻旺しくして財爻また興れば、病人の性命は保ちがたし。

請看考鬼歷,禱謝得安康。--須看考鬼歷,屬何鬼,祭之則吉。占婚嫌財死,--財爻生旺吉,死墓婚不利。占產看陰陽。--子爻,陽男陰女。若要問風水,三四世吉昌,--葬喜三四世卦大吉。長生沐浴訣,--金長生在巳,其法詳見後神煞章內。卦卦要審詳,--言前長生決必要詳察。萬千言不盡,--萬千言豈能盡也。略舉其大綱,--略舉其大綱大目耳。分別各有類,--如後數卷,皆分門別類,以盡世間事也。無物不包藏。--包藏萬象,不出此易卦也。

賦文に曰く「請看考鬼暦、祷謝得安康」、姚際隆注、鬼暦の一類の書を査考するを須い、犯す所は哪一路の鬼神たるを看て、祭祷して謝過すれば吉。賦文に曰く「占婚嫌財死」、姚注、財爻生旺すれば則ち吉、死地墓地に落入すれば則ち婚事不利。賦文に曰く「占産看陰陽」、姚注、子孫爻を看る、陽に属すれば男を生じ陰に属すれば女を生ず。賦文に曰く「若要問風水、三四世吉昌」、姚注、葬事は三世卦・四世卦を得るを喜び、大吉。賦文に曰く「長生沐浴訣」、姚注、金の長生は巳に在るがごとき、その推法の詳細は後の神煞章に見る。賦文に曰く「卦卦要審詳」、姚注、これは前面に講じたる長生訣は必ず卦ごとに細察するを須うを説く。賦文に曰く「万千言不盡」、姚注、千言万語何ぞ説き尽くさん。賦文に曰く「略挙其大綱」、姚注、ただその大綱大目を挙出するのみ。賦文に曰く「分別各有類」、姚注、後の几巻のごとく、皆分門別類にして、もって人間万事を尽くさんとす。賦文に曰く「无物不包蔵」、姚注、万象を包羅し、皆この《易》卦を出でず。

三、諸爻持世の決

世爻旺相主安康,作事亨通大吉昌;謀望諸般皆遂意,縱他刑害不能傷。父母持世事憂否,身帶文書及官鬼;夫妻相剋不和同,到老用求他姓子。子孫持世事無憂,官鬼從今了便休;求失此時應易得,營生作事有來由。鬼爻持世事難安,占身不病也遭官;財物時時憂失脫,骨肉分離會合難。財爻持世益財榮,若問求財定稱心;更得子孫臨應上,官鬼從他斷不成。兄弟持世克妻財,憂官未了事還來;鬼旺正當防口舌,身強必定損其財。

世爻旺相なれば、主として身安く体健やかに、事を作して亨通し大いに吉昌なり。各様の謀望は皆心を遂げる能く、たとえ刑害有りとも彼を傷る能わず。父母爻が世を持てば、凡事憂多く喜少なく、一身は文書と官鬼とに牽挂す。夫妻の間は相克して和しがたく、老に到りてなお過継の別姓の児子に靠るを得ず。子孫爻が世を持てば、諸事憂なく、これより官非了結す。この時失物を尋找すれば手に到り易く、営生し事を作すに皆来由有り。官鬼爻が世を持てば、事事安んじがたく、自身を占うに病を生ぜずとも官司を喫せん。財物は時時失落を擔心し、骨肉は分離して団聚を得がたし。妻財爻が世を持てば、主として財禄を増益し、若し財を求むるを問えば必定に称心なり。再び子孫爻が応爻上に落つるを得れば、あの官司の類の事は断定して成らず。兄弟爻が世を持てば必ず妻財を克し、官非の憂いまだ了えずして新事を生ず。鬼爻の旺しき時は正しく口舌を提防すべく、兄弟の身強ければ必定に錢財を損耗す。

四、世応生克動静空亡の決

世應相生則吉,世應相剋則凶,世應比和事卻中,作事謀為可用。應動他人反變,應空他意難同,世空世動我心慵,只恐自家懶動。

世爻と応爻と相生すれば則ち吉、世爻と応爻と相克すれば則ち凶。世応の五行比和せば、事情は好からず壊れず中に居り、辦む所謀む所はなお行うべしと算す。応爻発動するは、対方が反覆して卦を変ずるなり。応爻落空するは、対方の心思が我と合せざるなり。世爻落空し或いは世爻発動するは、我自己が心裏懶散して勁を提起せず、ただ只怕るはこの椿の事は自家が動身を肯ぜざるなり。

五、世応間爻の決

世應當中兩間爻,發動所求多阻隔,假饒有氣事分明,必定叨叨方始得。世應當中兩間爻,忌神發動莫相交。元辰與用當中動,事到酕醄始得梢。

世爻と応爻の当中に夹着する二つの「間爻」は、すなわち居間に在りて説合する人。間爻一たび発動すれば、求む所の事は多半に阻隔有り。たとえ間爻に気有りて事情分明を看るとも、また必ず反覆囉唣一番してはじめて辦成を得。世応当中の二つの間爻、若し忌神が彼処に在りて発動せば、この中間人は彼と打交道するべからず。若し元辰或いは用神が中間に在りて発動せば、あの事は一直に大醉酩酊・酒酣耳熱の際に拖到して、はじめて一個の收梢有るを算す。

六、身爻喜忌の決

身上臨官不見官,所憂畢竟變成歡,目前凶事終須吉,緊急還來漸漸寬。身臨天喜與青龍,定期喜事入門中。若逢驛馬身臨動,出路求謀事事通。身爻切忌入空亡,作事難成且守常,化入空亡尤要忌,勸君安分守家邦。

身爻上に官鬼臨みても並びに真に官司を喫せず、憂う所の事は到頭にかえって喜事と変成す。眼前は雖も凶象なるも、終に転じて吉と為し、緊急の局面もまた漸々に寛緩して下来らん。身爻若し天喜星と青龍とに臨めば、喜事まさに門に入らんと断定すべし。若し驛馬に逢いまた身爻と同動せば、門外に出でて謀を求むるに事事通達す。身爻は最も空亡に落入するを忌諱す。一たび空に落ちれば、事を作して成りがたく、ただ常規を安守するに宜し。若し変爻また化じて空亡に進めば、更加に忌諱す、占う者に勧め奉るは分を安んじ己を守り、自家の門戸を守住せよ。

七、飛伏生克吉凶の歌

伏克飛神為出暴,飛來克伏反傷身;伏去生飛名洩氣,飛來生伏得長生。爻逢伏克飛無事,用見飛傷伏不寧;飛伏比和為有助,伏藏出現審來因。

伏神が飛神を克するを、「出暴」と謂い、これは伏神が冲出するの圧制の力なり。飛神が反って伏神を克せば、伏神は便ち傷を受く。伏神が往きて飛神を生ずるを、「泄気」と謂い、自身の力量は抽走せらる。飛神が来りて伏神を生ぜば、伏神は便ち長生の助を得るがごとし。爻位上に若し伏神が飛神を克せば、妨げなし。用神若し飛神に傷せられれば、伏神は便ち安寧を得ず。飛神と伏神と五行比和するは、彼此相助有るなり。総じて言えば、用神は究竟に下に伏蔵するか卦中に出現するか、皆その来竜去脈を審察するを須う。

八、易を断ずるに神殺に泥む勿れの歌

易卦陰陽在變通,五行生剋妙無窮;時人不辨陰陽理,神殺將來定吉凶。

《易》卦の道理は全て陰陽の往来変通に在り、五行の間の相生相克、その妙用に窮尽なし。可惜しむらくは当今の人は陰陽生克の正理を辨明せずして、却って一堆の神煞を搬出して吉凶を定む——これ正しく本歌の針砭せんとする所なり。卦を断ずるに神煞に拘泥すべからず。

九、忌神の歌

(忌神,即子為鬼之忌,鬼為兄之忌之類。)看卦先須看忌神,忌神宜靜不宜興;忌神急要逢沖剋,若遇生扶用受刑。(忌爻若遇生扶,用爻便受刑剋。)

いわゆる「忌神」は、すなわち用神を克制するあの一類の爻。例えば官を占う時は子孫が官鬼の忌神、兄弟を占う時は官鬼が兄弟の忌神。歌訣に曰く、卦を看るに先ず忌神が何処に在るかを看清するを須う。忌神は安静に宜しく、興動に宜しからず。忌神に対しては、最も急切なるはそれに冲克に遇わせて受制せしむる。忌神若し反って別爻の生扶を得れば、用神は便ち刑を受け克を受けん。姚際隆自注、忌爻は一旦生扶を得れば、用爻は便ち直ちにその刑克に挨る。

十、元辰の歌

(元辰:即父為兄之元辰,兄為子之元辰之類。)元辰出現志揚揚,用伏藏兮也不妨。須要生扶兼旺相,最嫌沖剋及刑傷。

いわゆる「元辰」は、すなわち用神を生助するあの一類の爻、後世はまた「原神」と称す。例えば兄弟を占う時は父母が兄弟の元辰、子孫を占う時は兄弟が子孫の元辰。歌訣に曰く、元辰が卦中に出現すれば、人の意気は便ち揚々として志を得る。この時用神はたとえ別爻の下に伏蔵するも、礙事ならず。ただ元辰本身は生扶を得てまた旺相せねば管用せず、最も怕るはそれが冲せられ克せられ刑傷せらるること。

十一、用爻泄気の歌

(財動洩子孫之氣,子動洩兄弟之氣之類。)用逢洩氣動搖搖,作事消疏不遂頭,最喜元辰相救助,忌神發動切須愁。

いわゆる「泄気」は、用神が往きてその生ずる所の爻を生じて白白に自己を耗損す。例えば妻財が発動すれば便ち子孫の気を泄し、子孫が発動すれば便ち兄弟の気を泄す。歌訣に曰く、用神が泄気に碰上りてまた揺動定まらざれば、事を辦すれば散漫無力にして頭に到らず。この時最も喜ぶは元辰の出で来りて相救相助有る。若し再び忌神の発動に碰上れば、則ち真に発愁すべし。

十二、六爻安静の訣

卦遇六爻安靜,且看用與日辰,日辰克用及沖刑,其事宜當謹慎。更在世應推究,忌神切莫加臨,世應臨用及元辰,作事斷然昌盛。

六爻皆発動せざる卦を占い得れば、便ち先ず用神と当日日辰との関係を看る。日辰若し用神を克し、或いは用神と相冲相刑せば、占う所の事は格外に謹慎すべし。更に進んで世爻と応爻の上に推究すれば、最も要緊は忌神が世応の上に加臨せざること。世爻応爻若しちょうど用神或いは元辰に臨めば、あの辦む所の事は断然として昌盛す。

十三、六爻乱動の訣

六爻亂動事難明,須向親宮看用神。用若休囚遭克害,須知此事費精神。

六爻が紛紛として乱動し、頭緒が繁雑して、事情はかえって分明を看難し。この時本宮の親爻上に回って用神を認定するを須う。用神若しちょうど休囚に当たり気なく、また別爻の克害に遭えば、便ち知るべし、この椿の事は大いに一番の精神を費やしてはじめて辦り下げ得べしと。

十四、用爻が卦に上がらず或いは空亡に落つるの訣

用象如無或落空,就將本卦六親攻,動爻生用終須吉,若遇交重克用凶。夫用爻者,假如問子孫,則子孫為用爻。動爻生合則吉,沖剋則凶。或用爻不上卦,或落空亡,就將本宮六親用爻審明。飛伏生克,以定吉凶。《玄微賦》云:明用爻之得失,定事體之吉凶。

歌訣に曰く、用神の象若し卦に上がらず、或いは卦に上がっても空亡に落つれば、本卦の六親上より着手して推求せよ。動爻有りて来りて用神を生ぜば、終帰して吉なり。若し動爻の発動して来りて用神を克するに碰上れば、則ち凶。姚際隆注、いわゆる用爻とは、譬えば子孫の事を占問すれば、子孫爻がすなわち用爻なり。動爻有りて来りてそれを生じそれに合すれば便ち吉、来りてそれに冲しそれを克すれば便ち凶。若し用爻が卦に上がらず、或いは空亡に落ちれば、便ち本宮の六親の用爻を審辨清楚し、再び飛神伏神の間の生克関係に按じてもって吉凶を定む。《玄微賦》に曰く、用爻の得失を弄明白にせば、便ち事情の吉凶を判定する能く。

十五、用爻伏蔵の訣

用在旁宮號伏藏,若遭刑剋定非祥,縱然生旺無刑剋,作事平平不久長。卦中無本宮之卦,故曰伏藏。若各宮之第五、第六、第七之卦是也。《玄微賦》云:無氣伏藏,只利暫時之用。

歌訣に曰く、用神が本宮の爻位上に出現せずして、別宮の飛神の下に蔵るるを、便ち「伏蔵」と謂う。伏神若し再び刑に遭い克に遭えば、一定に好き事にあらず。たとえそれが生旺にして刑克なくとも、辦む所の事も不過平平にして長久しがたし。姚際隆注、卦中に本宮の属するあの六親の爻を見ざるゆえ、伏蔵と謂う。各宮の第五卦・第六卦・第七卦に常にこの種の情形有るがごとし。《玄微賦》に曰く、用神気無くしてまた伏蔵すれば、ただ一时の用に応付する能くのみ。

十六、用爻出現の訣

用爻出現在親宮,縱值休囚亦不凶,更得生扶兼旺相,管教作事永亨通。假如庚申日占卦,得寅木子孫為用爻,卻被日辰庚申金克了,是日辰克用,凶也。若得卦中亥子元辰發動,則又無事。又如庚申日占卦,得子水妻財為用爻,卻喜庚申金能生子水。又申子辰三合,是日辰與用相生合也。《玄微賦》云:用爻急要日辰生扶。是也。

歌訣に曰く、用神が堂堂正正と本宮の親爻上に出現せば、たとえ正しく休囚に当たるも凶と算せず。若し再び生扶を得てまた旺相せば、管保して辦む所の事は永久に亨通せん。姚際隆注、譬えば庚申の日に卦を占い、寅木の子孫を取って用神と作すも、却って日辰庚申の金に克せらるるは、これすなわち日辰が用を克す、凶を主る。然れども若し卦中に亥・子水の元辰の発動して寅木を生ずる有らば、便ちまた妨げなし。また同じく庚申の日に卦を占い、子水の妻財を取って用神と作せば、便ちちょうど庚申の金が子水を生ずる能く。況や申子辰の三合が局を成す、これは日辰と用神とすでに相生しまた相合す。《玄微賦》の謂う所の「用爻急要日辰生扶」は、講ずる正しくこの道理なり。

十七、用爻空亡の訣

空在旁宮不斷空,(即伏藏不論空亡也。)空如出現卻為空;忌神最喜逢空吉,用與元辰不可空。春土夏金秋是木,三冬逢火是真空;(春之辰戌丑未,夏之申酉,秋之寅卯,冬之巳午,四季月之亥子,是為真空。)旬中占得真空卦,縱吉須知到底凶。

歌訣に曰く、落空の爻若し別宮に蔵れて伏神を為せば、便ち空亡を按じて論ぜず(姚際隆注、これすなわち伏蔵は空亡を論ぜずの意)。若し卦中に出現して落空せば、あれはじめて真に空と算す。忌神は最も好く空に逢い、空に逢えば便ち吉。用神と元辰とは却って万々に落空すべからず。何をか「真空」と謂うに至っては、春天の土爻・夏天の金爻・秋天の木爻・冬天の火爻は皆真空なり(姚注、春季の辰戌丑未、夏季の申酉、秋季の寅卯、冬季の巳午、四季月の亥子は皆真空と算す)。若し旬空の内に真空の卦を占い得れば、たとえ卦象の看るに吉なるも、また知るべし、到頭に依として凶なるを。

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