第廿巻・学堂文章を論ず
文彩衆に異なり
謂年、月、日、時,有甲乙丙丁分處四位,相聯不斷,帶木火盛數,如甲寅年、乙亥月、丁酉時、丙申日,丙寅胎,此青赤為文之命也,又云:青赤時為父子,謂如甲子年、丙寅月、甲子日,丙寅時,又甲寅、丙寅之類,亦是如年木、月火、日木、時火,不惟福力最緊,兼文彩異眾。
この格は年・月・日・時の四柱の天干分かちて甲・乙・丙・丁と為り、四位相接して断えず、また木火の両行の旺盛の数を帯ぶるを言ふ。例えば甲寅年・乙亥月・丙申日・丁酉時、胎元丙寅なり。木の色青・火の色赤、青赤相配れば便ち文章の命を主る。また説く、青赤時柱の上に在れば父子相承けるがごとし、例えば甲子年・丙寅月・甲子日・丙寅時、あるいは甲寅丙寅に配するのこの一類、すなはち年柱木に属し・月柱火に属し・日柱木に属し・時柱火に属するなり。かくのごときは福力最も緊要なるのみならず、文采もまた常人を遥かに超ゆ。
文章群を出づ
謂年、月、日、時或月、日、時、見木金火分四處,次第相承,不相刑破,如甲子年、丙寅月、丙午日、辛卯時、丁巳胎,此青赤為文,赤白成章之格也。(關東叟書)
この格は年・月・日・時の四柱、あるいは月・日・時の三柱、木・金・火の三行分かちて各位に処り、依次相承けて彼此刑せず破らざるを見るを言ふ。例えば甲子年・丙寅月・丙午日・辛卯時、胎元丁巳なり。木青火赤を「青赤文を為す」と称し、火赤金白を「赤白章を成す」と称す。合して便ち文章群を出づるの格なり。《関東叟書》かくのごとく曰ふ。
文章引従格
如兩已一甲,兩辛一丙,兩癸一戊,兩乙一庚,兩丁一壬,有寅申巳亥,主文詞貴人祿馬來臨,乃有用也。(鬼谷命格)
例えば命に二つの己ありて一つの甲に配し、二つの辛ありて一つの丙に配し、二つの癸ありて一つの戊に配し、二つの乙ありて一つの庚に配し、二つの丁ありて一つの壬に配するは、皆両阴の一阳を夹む干合なり。地支さらに寅・申・巳・亥の四生の位を見れば、この人の文詞衆に出づるを主る。ただしなほ須らく貴人と禄馬の来臨あらばこそ、この格こそ真に用ありと算す。《鬼谷命格》かくのごとく曰ふ。
詞林秀穎格
木金火全者是也,蓋青赤為文,赤白成章,得此者皆館閣之格,假令丙寅生人,見己亥月、辛巳日、時者,為入格,蓋丙寅火、己亥木、辛巳金,皆長生是名木金火全也,又丙辛化真水,為官必貴。
この格は木・金・火の三行斉全を指す。木青火赤は「青赤文を為す」、火赤金白は「赤白章を成す」。この格を得るは皆館閣に入るべき命なり。例えば丙寅年生の人、己亥月・辛巳日あるいは辛巳時に遇へば、便ち入格と算す。丙寅納音は火に属し・己亥納音は木に属し・辛巳納音は金に属し、三者また各々自ら長生の地に坐す。ゆゑに木金火全と曰ふ。加ふるに丙辛相合して真水に化す、官を為れば必ず顕貴なり。
学海波深格
申子辰人全,見丙字者是,假令丙子人,丙申月、丙辰日、丙申時,為正入格,水主文學,丙為真水,申子辰,水之正位,上下全見之,故曰學海波深,得此者,為大聰明之士。(玉霄寶鑑)
この格は地支申・子・辰の三合水局斉全、天干また皆丙字を見るを要す。例えば丙子年生の人、丙申月・丙辰日・丙申時に配すれば、すなはち正しく入格なり。水は文学を主り、丙はここに真水と看作さる、申子辰また水の正位にして、天干地支上下俱全なり。ゆゑに学海波深と称す。この格を得るは極聡明の士なり。《玉霄宝鑑》かくのごとく曰ふ。
戊己重重兩位來,須知貴賤不須猜,忽然帶旺兼元祿,文章聲譽眾言魁。如戊子年、戊午月、戊戌日、己未時,己酉胎,五位干具見戊己,而不雜為貴格。本旬位位順相連,燦爛文章似錦鮮,鶴詔一來天外去,須教名字國中傳。(鬼谷要訣)
歌訣に曰く、天干戊・己重々畳見して両位以上に及べば、この人の貴賤如何は便ちさらに猜るを要せず。もしさらに旺気を帯び兼ねて本命の元禄あれば、文章声誉必ず衆人に推されて第一と為らん。例えば戊子年・戊午月・戊戌日・己未時、胎元己酉、五つの位置の天干全て戊己にして別のを夾雑せざれば、すなはち貴格なり。また一首に曰く、四柱皆同一旬の中に在り位位順序相連なれば、文章燦爛として新錦のごとし。一旦天子の詔書天外より飛来せば、姓名便ち全国に伝遍せんとす。これ《鬼谷要訣》に見ゆ。
文星入命,笑班馬之無才。火包而不包者,惟乙亥得之,土包而不包者,惟丁巳得之,乙亥丁巳謂之文星,凡人遇之,可笑班固馬遷。(壺中子)
「文星」命に入る人は、才学高くして以て班固・司馬遷の才華なきを笑ふを得。いはゆる火能く物を包みて而して物に包まれざるは、ただ乙亥の一柱のみ。土能く物を包みて而して物に包まれざるは、ただ丁巳の一柱のみ。乙亥と丁巳のこの両柱便ち文星と呼ぶ。人もし遇へば、文才以て班固と司馬遷とを睥睨するに足る。《壺中子》かくのごとく曰ふ。
文章聲譽播他鄉,時命坐學堂,有氣者是,無氣者非。無官無印不成名,斷定是虛聲,支干三合逢貴人,一舉便身榮。(直道歌)丙子、丁丑、絕其朱雀,不利於文章,丙子、丁丑無德,則文章難立。(神白經)
《直道歌》に曰く、文章声誉能く外郷に伝ふるは、時柱あるいは本命「学堂」の上に坐するなり。ただしあの学堂の神気あらばこそ算と為し、気なければ便ち非ず。命のうち官星なく印綬なければ、終竟名を成す能はず、ただ虚にその声あると断定するを得るのみ。もし干支三合また「天乙貴人」に逢へば、一挙にして便以て身を栄やかすを得。《神白経》に曰く、丙子・丁丑の両柱朱雀の気を断絶せしめ、文章に於て利あらず。丙子・丁丑もしさらに天徳月徳を帯びざれば、文章便ち立つこと難し。
学堂会福
甲乙人,金長生在巳,臨官在申,丙丁人水長生在申,臨官在亥,戊己人木長生在亥,臨官在寅,庚辛人火長生在寅,臨官在巳,壬癸人土長生在申,臨官在亥,以上遇長生臨官,皆為官祿學堂,甲乙人得亥,丙丁人得寅,戊己壬癸人得申,庚辛人得巳,是為本干長生學堂,甲食丙,得丙寅,乙食丁,得丁巳,丙食戊,得戊申,丁食己,得己亥之類,為食學堂兼官印,驛馬,其福厚,遇祿貴、奇德,其氣清,值刑剋沖破,其氣濁,清則科名巍峨,濁則福祿微薄,官職卑賤。(關東叟書)
甲乙の日主金を以て官と為し、金は巳に長生し申に臨官す。丙丁は水を以て官と為し、水は申に長生し亥に臨官す。戊己は木を以て官と為し、木は亥に長生し寅に臨官す。庚辛は火を以て官と為し、火は寅に長生し巳に臨官す。壬癸は土を以て官と為し、土は申に長生し亥に臨官す。以上凡そ官星の長生と臨官の地に遇ふは、皆「官禄学堂」と曰ふ。甲乙の人亥を得、丙丁の人寅を得、戊己と壬癸の人申を得、庚辛の人巳を得るは、これ本干自身の長生学堂なり。甲は丙を以て食神と為して丙寅を得、乙は丁を以て食神と為して丁巳を得、丙は戊を以て食神と為して戊申を得、丁は己を以て食神と為して己亥を得る、この一類を「食神学堂」と呼ぶ。学堂兼ねて官星・印綬と駅馬とを帯ぶるは、福気深厚なり。禄・貴人と奇徳とに遇ふは、気象清純なり。刑・剋・沖・破に碰上れば、気便ち渾濁す。清なれば則ち科名高峻にして、濁れば則ち福禄微薄・官職卑下なり。《関東叟書》かくのごとく曰ふ。
正學堂者,在五行長生位上,甲乙亥、丙丁寅、戊己壬癸申、庚辛巳是也。三命提要云:歲與干長生之位,為文學堂,生月日時遇之,主性識聰俊,文學富瞻,取高科,歷清職。臨官學堂者,甲乙寅、丙丁巳、戊己壬癸亥,庚辛申是也。(並廣錄)
いはゆる正学堂は、本干の五行の長生の位の上に在り。甲乙は亥を見、丙丁は寅を見、戊己と壬癸は申を見、庚辛は巳を見、皆これなり。《三命提要》に曰く、年柱と天干の長生の位を、文学堂と称す。生月・生日・生時の上にこれに遇へば、主人性情識見聡明俊秀にして、学問文章富贍にして、能く高第を考取して清要の職を歴任す。いはゆる臨官学堂は、則ち甲乙は寅を見、丙丁は巳を見、戊己と壬癸は亥を見、庚辛は申を見るなり。以上併せて《広録》に見ゆ。
正學堂者在五行納音長生之地,如甲子金人在巳,身學堂者,在五行納音冠帶之地,祿學堂在命後二辰、與祿九地同行,命學堂者,在命後一辰,如子生人在亥之類是也。主有詞翰,早得仕進。(三命鈴)
別に一説あり。正学堂は本命の納音五行の長生の地に在り、例えば甲子年生の人納音金に属し、金は巳に長生すれば、学堂便ち巳に在り。身学堂は納音五行の冠帯の地に在り。禄学堂は本命の後の第二位に在りて、禄の九地と同行す。命学堂は本命の後の第一位に在り、例えば子年生の人亥に在るのこの一類。これらの幾種の学堂を帯ぶる人は、主として文辞翰墨の才あり、甚だ早く出仕進用するを得。《三命鈴》かくのごとく曰ふ。
官学堂
甲乙人辛亥,丙丁人壬寅,戊己人甲申,庚辛人丁巳,壬癸人戊申。以上又名鬼學堂,生處見克也。乃五行之英氣,主登科甲入侍從。(廣信)
甲乙の日主辛亥に配し、丙丁は壬寅に配し、戊己は甲申に配し、庚辛は丁巳に配し、壬癸は戊申に配す。以上また「鬼学堂」と呼ぶ、これらの配合皆長生の処に於て我を剋する神に遇ふを以てなり。それ其の実は五行の英華の気にして、主人能く科甲に登り朝に入りて侍従近臣を充任す。《広信》かくのごとく曰ふ。
官禄学堂格
甲用辛為官,辛祿在酉,酉屬金,金生在巳,餘彷此。(三命纂局)歌曰:金人乙巳丙寅長,水人丁亥戊申鄉,土人己亥庚寅好,火人癸亥甲申方,木人辛巳壬申位,此是五行官學堂。(廣錄)
甲は辛を以て正官と為し、辛の禄は酉に在り、酉は金に属し、金の長生は巳に在り。ゆゑに甲の官禄学堂便ち巳に在り。余はこれを照らして推す。これ《三命纂局》に見ゆ。《広録》に歌訣ありて曰く、納音金に属する人は乙巳・丙寅を取り、水に属する人は丁亥・戊申を取り、土に属する人は己亥・庚寅を取り、火に属する人は癸亥・甲申を取り、木に属する人は辛巳・壬申を取る。これらすなはち五行の官学堂なり。
詞学堂格
凡納音見帝旺之位,而逢天乙貴人處,其上者也,假令乙酉人得丙子日時,壬午人得辛卯日時,己酉人得庚子日時之類,方為應格,清貴之人也。(玉宵寶鑑)
凡そ納音五行帝旺の位に落ち、而してこの位置また正に天乙貴人の所在なれば、便ち上等の詞学堂なり。例えば乙酉年生の人丙子日あるいは丙子時を得、壬午年生の人辛卯の日時を得、己酉年生の人庚子の日時を得るのこの一類、こそ合格と算す、これ清貴の人なり。《玉宵宝鑑》かくのごとく曰ふ。
学堂詞館貴神位
夫人生年、月、日、時,四干俱通連天乙不斷者,謂之學堂詞館貴神,見甲戊庚乙己丙丁壬癸辛六相連足者,不必在丑未子申酉亥卯巳午寅、或見辰戌者,亦為天乙,納受之宮,只如宋朝呂狀元,甲寅年、戊辰月、戊申日、庚申時、四干頭俱帶甲戊庚、相連不斷為例,此命犯兩申一寅,刑不相等,必須反挫重位矣。(八字金書)
人の生年・生月・生日・生時の四つの天干もし彼此通連して、また皆天乙貴人に連なりて間断なければ、便ち「学堂詞館貴神」と曰ふ。いはゆる相連とは、甲戊庚の一組・乙己の一組・丙丁の一組・壬癸辛の一組にして、ただこの六位接続して補足すれば、地支必ずしも丑未・子申・酉亥・卯巳・午寅のこれら貴人本位に落つるを要せず。たとへ辰・戌を見るも、また天乙の福慶を納受する宮と算す。例えば宋朝の呂状元、甲寅年・戊辰月・戊申日・庚申時、四つの天干正に甲・戊・庚を帯びて相連して断えざれば、便ち例なり。ただ此の命両申一寅を犯し、刑の軽重等しからず。ゆゑに必ず反復の挫折を経てこそ重位を得るを得。《八字金書》かくのごとく曰ふ。
諸學堂上下帶金水木者,決取高科,有文名於天下。(三命提要)學堂多合兮,登上甲之科。(指迷賦)
各種の学堂の位、天干地支上下さらに金・水・木の三行を帯ぶるは、必ず能く高第を取り、文名天下に伝はる、これは《三命提要》の言なり。《指迷賦》は則ち曰く、学堂の処多く干支相合あるは、能く上甲科第に考中す。
第廿巻・科名を論ず
凡有科名命,自是五行清粹,學堂驛馬生旺於金水之上,三奇華蓋萃類於時日之中、或刑沖生旺,木水相生,福神集時,天元不戰,皆主清譽巍峨。(燭神經)
凡そ科名ある命は、五行もと自ら清純精粹なり。学堂と駅馬と金水の上に生旺し、「三奇」と華蓋と日時の中に聚集す。あるいは刑冲あるも各々生旺し、木水相生し、福神時柱に会聚し、天干の間また相争戦せず、これら皆清誉高峻を主る。《燭神経》かくのごとく曰ふ。
科名貴
自甲辰至癸丑一旬,俱是在日時上,無不及第,兩三位者必作前名。(廣信)
甲辰より癸丑に至るこの一旬の十の干支は、ただ日柱・時柱の上に落ちれば、考中せざるなし。もし日・時の両位乃至三位皆この一旬のうちに在れば、必ず前茅に列す。《広信》かくのごとく曰ふ。
魁星
丁亥、辛卯、庚戍。以上日時犯者,多占解省殿魁,必作前名人。(同上)
魁星は丁亥・辛卯・庚戌の三柱を指す。以上の三柱もし日柱あるいは時柱に出現せば、此人多く能く解試・省試・殿試の中に魁を奪ひ、必ず前茅に列する人なり。なほ《広信》に見ゆ。
また魁星
寅申巳亥四位,為館殿詞林之貴,亦主學堂,大愛本年遁起四位為魁星,如癸巳人從寅上遁起甲寅,丁巳、庚申、癸亥此四位是也,又如丁卯人從寅上遁起壬寅、乙巳、戊申、辛亥四位是,餘皆凖此為例。(馬子才命格)一說云:甲辰、丁未、庚戍、癸丑四位是魁星,甲木旺於東方,丁火旺於南方,庚金旺於西方,癸水旺北方,蓋取逐方旺氣,加於辰戍丑未之上,以為魁星也。
寅・申・巳・亥の四位は館閣・殿院・詞林の一類の清要の職の貴位にして、また学堂を主り、最も本生年の天干よりこの四位を遁出して魁星と作すを喜ぶ。例えば癸巳年生の人寅上より遁を起して、甲寅・丁巳・庚申・癸亥のこの四柱を得。また丁卯年生の人寅上より遁を起して、壬寅・乙巳・戊申・辛亥のこの四柱を得るがごとく、余皆この弁法を照らして推す。これ《馬子才命格》に見ゆ。もう一説は則ち甲辰・丁未・庚戌・癸丑の四柱を以て魁星と為す。甲木は東方に旺わり、丁火は南方に旺わり、庚金は西方に旺わり、癸水は北方に旺わる。これは四方各自の旺気を取り、辰・戌・丑・未の四墓庫の上に加へて、用いて魁星と作すなり。
歲窠者,蓋以命建之月是也,謂如子生人在子,丑生人在丑,餘凖此,若生月遇之,運氣相扶,主辭學豐膽,科名顯赫,假令甲子人十一月是也,一雲臺閣殺,君子吉,小人凶。(三命指掌)
いはゆる「歳窠」とは、すなはち本命の年支と相同じきあの月建なり。子年生の人歳窠は子月に在り、丑年生の人は丑月に在り、余は照らして推す。もし生月正好くこれに遇ひ、行運また来たりて扶助せば、この人文辞学問豊贍にして科名顕赫を主る。例えば甲子年生の人十一月の子月に生まれればすなはちこれ。また人これを台閣殺と呼ぶもあり、君子これに遇ふを吉と為し、小人これに遇ふを凶と為す。《三命指掌》かくのごとく曰ふ。
天上正合曰龍首星,幼如魚養於深淵,長若鵬搏於霄漢。四柱內兩見干合,謂之龍首星,主省殿魁薦之貴。(壺中子)
天干四柱の上に端正に相合するを、「竜首星」と呼ぶ。かかる人は年幼の時魚の深淵に養はれて黙々と勢を蓄ふるがごとく、長成して後便ち大鵬の雲天を搏撃するがごとし。四柱の内両処に天干相合を見れば、便ち竜首星と曰ふ。省試・殿試に魁を奪り薦を受くる貴気を主る。《壺中子》かくのごとく曰ふ。
凡命申金土乘秀氣,金水乘秀氣,火木乘秀氣,水木乘秀氣,皆主科名,秀氣者,月令中秀氣也,最為緊急。大凡支干有氣,乘月令中秀氣,亦為及第之命,金水乘秀氣,火木乘秀氣,水木乘秀氣,亦不必直待月令中秀氣,但乘旺氣皆主文科可矣。(並廣信集)
凡そ命に金と土と秀气に乘り、金と水と秀气に乘り、火と木と秀气に乘り、水と木と秀气に乘るは、皆科名を主る。いはゆる秀气とは、月令の中に当旺の那股の気を指す。これ一点最も緊要なり。大抵干支気あり、また月令の秀气に乘れば、また能く及第する命なり。金水・火木・水木のこれら幾種の相乘の秀气に至りては、倒に必ずしも月令の中の秀气を待つを要せず、ただ旺気に乘れば、皆文を以て科に中たるを主るを得。以上併せて《広信集》に見ゆ。
馬兼財合秦庭獻一鶚之書,官共祿迎,禹門透三層之浪。行年驛馬與見生驛馬沖而不合,謂如生馬在申,年馬在寅,卻見巳亥是有合也。又見天財文星之類,其人必發,故云:馬兼財合不言馬與馬合也,若馬雖沖而不合,忽所屬相生而不相剋,反為徘徊驛馬,發亦不行也,發必以次年遇官與祿,則須成不遇官與祿,惟可發而已。(壺中子)
駢句に曰く、駅馬兼ねて財星の来たりて合するを得れば、便ち能く古人の朝廷に於て「一鶚」の書を献ずるがごとく一挙にして知を受く。官星と禄と相迎へば、便ち鯉魚の禹門の三層の浪頭を躍過して龍と化するがごとし。解釈に曰く、流年の駅馬と本生の駅馬と相沖して相合せざるなり。例えば本生の馬申に在り流年の馬寅に在り、却つてまた巳と亥とを見、巳申相合し寅亥相合す、これこそ合ありと呼ぶ。さらに天財・文星の一類を見れば、此人必ず発達す。ゆゑに「馬兼ねて財合す」と曰ふ、講ずる所は併して馬と馬と相合するにあらず。もし両馬沖すといへども合せず、恰好その属する五行相生して相剋せざれば、それすなはち徘徊不定の駅馬と成り、発すといへども走って動かず。真に発達せんとすれば、須らく次年官星と禄とに遇ふべし。もし終始官禄に遇はざれば、またただ一たび発するのみ。《壺中子》かくのごとく曰ふ。
八字金書云:行年馬興見生馬合,即住而不發,科舉尤忌之。凡同人請舉,年有太歲二運見甲庚丙壬者,見乙辛丁癸者,有乙丙丁見寅卯歲運者,有甲戊庚見子午歲運者,有時興太歲作福者,其事不一,當取為福緊者詳之,凡舉人了當年大要太歲與月建相和作福,其餘甲戊庚乙丙丁之類,皆不定也,只以行年太歲與本生月建參而推之。(廣信集)
《八字金書》に曰く、流年の駅馬と本生の駅馬と相合すれば、人便ち停住して動かずして発達せず。応挙考試は殊にこの種の情形を忌諱す。凡そ人に替はりて応挙の年を推算するに、あるは太歳と両歩の大運のうち甲・庚・丙・壬の出現を視、あるは乙・辛・丁・癸の出現を視、あるは乙丙丁の寅卯の歳運に遇ふ、あるは甲戊庚の子午の歳運に遇ふ、またあるは時柱と太歳と配合して福を作す。情形各々相同じからず、まさにその中の福を作す最も切要の一項を挑みて細視すべし。大抵挙子の中式するあの年は、最も緊要なるは太歳と月建と相和して福を成すなり。余の甲戊庚・乙丙丁の類は皆必ずしも定まらず、ただ須らく流年の太歳と本生の月建とを参合して推断すべし。《広信集》かくのごとく曰ふ。
欲知人及第之年,須是大運在吉位,又太歲帶正官正印、或正天乙或本家祿是及第之年也。又曆識士人於庫年庫運登科者,多為舉人,有祿者言也,無祿不在此。(三命提要)
一人の及第はどの年に在るを知らんと欲せば、須らく大運吉位に走り、同時に太歳正官・正印を帯び、あるいは正天乙貴人を帯び、あるいは本命の禄を帯ぶを視べし。この年便ち及第の年なり。また歴來士人の庫年・庫運のうち登科するを見るに、多くはあの已に禄位ある挙人なり。もと禄なき人は、この例に在らず。《三命提要》かくのごとく曰ふ。
第廿巻・蔭補を論ず
凡命入貴格,五行生旺純粹,支干恬和不相凌戰,胎元有氣而卻無學堂、三奇、激揚、夾貴、華蓋之類,門蔭出身者也。(燭神經)稍見有貴及印綬,學堂,不相就,更值三元失五行,此是受恩人。(直道歌)凡五行死絕空亡中見學堂、貴格,生月閒慢,時日為福,更或帶官鬼,祿鬼,多百司流外之進。(燭神經)
凡そ命已に貴格に入り、五行生旺にして純粋にして、干支安和して相凌犯争戦せず、胎元もまた気あれども、偏に学堂・三奇・激揚・夹貴・華蓋のこの一類の文貴の神なければ、これすなはち父祖の門蔭に靠りて仕に入る命なり。これ《燭神経》に見ゆ。《直道歌》に曰く、略ば一点の貴気と印綬・学堂とを見るも、却つて彼此相就合せず、加ふるに年月日の三元五行の気を失ふ、これすなはち恩蔭を受くる人なり。《燭神経》また曰く、五行死絶・空亡の中に処りて学堂と貴格とを見、生月平淡にして、日時にしてこそその福を成す。もしさらに官鬼・禄鬼を帯ぶれば、多くは各衙門の吏職流外より出身して升進するなり。
第廿巻・武職を論ず
文以火木為主,在祿馬之鄉,以金水為客,木來相侵者是也,武以金土為主,得生旺之氣,以木火為客,故來為福者是也,仍以七神定武官之貴,七神者,謂武庫以下七神。
文貴の命は火・木を以て主と為し、禄馬の郷に居り、而して金・水を以て客と為す。木来たりて相侵せば便ちその文を成す。武貴の命は金・土を以て主と為し、須らく生旺の気を得、而して木・火を以て客と為す。客来たりて相助ければ便ちその福を成す。この外また須らく「七神」を用ひて武官の貴賤を判定すべし。いはゆる七神とは、すなはち武庫神より算起して以下の七位なり。
武庫神
甲隨丙戊入蛇鄉,乙酉丁同愛逐羊,金書命訣作乙巳丁同發逐羊,庚共壬人居亥月,己辛丑位取相當。金書命訣作六辛壬位取相當。武庫見文星,主武文兼全。
歌訣に曰く、甲と丙・戊の武庫は同じく巳に在り、すなはち蛇位なり。乙・酉と丁の武庫は未に在り、すなはち羊位なり。この句《金書命訣》に「乙巳丁同発逐羊」と作る。庚と壬の武庫は亥に居る。己と辛の武庫は丑位を取りて相当と為す。この句《金書命訣》に「六辛壬位取相当」と作る。武庫もしさらに文星を見れば、此人の文武兼備を主る。
【太極神】有訣,在釋吉貴例中。【陰貴人】即官貴堂。甲在未兮乙在辰,丙巳丁寅辛向申,戊午己戍庚臨亥、癸馬壬雞陰貴人。陰貴人見天官,主福祿崇重。
七神の中の太極神は別に口訣あり、吉貴諸例を解釈するあの一門に載す。陰貴人すなはちいはゆる官貴堂なり。歌訣に曰く、甲の陰貴人は未に在り、乙は辰に在り、丙は巳に在り、丁は寅に在り、辛は申に在り、戊は午に在り、己は戌に在り、庚は亥に在り、癸は午に在りすなはち馬、壬は酉に在りすなはち鶏。陰貴人もしさらに天官星を見れば、福禄隆重を主る。
勾陳
甲乙巳亥是勾陳,丙丁臨處戍和辰,要知戊己寅申位,欲辨庚辛丑未真,壬癸兩干何處覓,直來子午位中尋。三命鈴云:若人遇之,主立期信,重然諾,居五品之位,小人逢之,亦主豐盈。神白經云:戊寅勾陳受刑時,犯之大不利於武人,若犯庚戌戊戌,遇死於鋒刃之禍。
歌訣に曰く、甲・乙の勾陳は巳と亥に在り、丙・丁の勾陳は戌と辰に落ち、戊・己の勾陳は寅と申に在り、庚・辛の勾陳は須らく丑と未の上に到りて辨認し、壬・癸の両干の勾陳は則ち径に子・午の位の中に尋ね往く。《三命鈴》に曰く、人もし勾陳に遇へば、信を守り諾を重んじ言出でて必ず践ふを主り、五品の位に居るを得。平常人これに遇ふも、また家道豊足を主る。《神白経》に曰く、戊寅のこの一柱は勾陳刑を受くるの時にして、これに犯着すれば武人に対し大いに不利なり。もしさらに庚戌・戊戌を犯せば、刀鋒に死するの禍事に遭遇せん。
真武
甲乙未兮丙丁午,戊己直來辰上數,庚辛元向卯中尋,壬癸逢寅是真武,當月空真武當權。三命鈴云:若人遇之如木火併者,主大有才識,水土併多好是非。
歌訣に曰く、甲・乙の真武は未に在り、丙・丁は午に在り、戊・己は便ち辰上より数を起し、庚・辛はもと卯中に到りて尋ぬべく、壬・癸は寅に逢へば便ち真武なり。もし真武正好く月建の空位に当たれば、便ち真武当権と呼ぶ。《三命鈴》に曰く、人もし真武に遇へば、命中木火併見するは、大に才識あるを主る。水土併見して偏多なるは、則ち是非を惹くを好む。
【將星】馬後二辰是,前有驛馬攀鞍,更遇天乙、天德,則吉氣厚盛。【攀鞍】馬後一辰是,前馬後將,逢見祿合,則倍福力。以上七神互見武人之貴也。(並閻東叟書)
将星は駅馬の後の第二位に在り、それ前に駅馬と攀鞍と相接するあり。もしさらに天乙貴人・天徳に遇へば、吉気便ち格外に厚盛なり。攀鞍は駅馬の後の第一位に在り、前に馬あり後に将星あり、さらに禄と干支相合とに逢へば、福力以て加倍すを得。以上の七神彼此交互に出現すれば、便ち武人の貴格を成就す。以上併せて《閻東叟書》に見ゆ。
武跨将壇格
寅午戊人皆戊子者是。假令戊戌人,戊午月、戊寅日、戊午時,為正入格,戊為真火,寅午戌火之正位,而真火處其上,故曰武跨將壇,得此者,勇冠三軍。(玉宵玉鑑)
この格は地支寅午戌合して火局を成す人、天干皆戊字を見るを言ふ。例えば戊戌年生の人、戊午月・戊寅日・戊午時に配すれば、すなはち正しく入格なり。戊はここに真火と看作さる、寅午戌また火の正位にして、真火火位の上に圧す。ゆゑに武跨将壇と曰ふ。この格を得る人は勇気三軍に冠たり。《玉宵玉鑑》かくのごとく曰ふ。
福星不值水星無,祿馬值強只武夫,若犯食神並刃殺,出神寧免是屠沽。(八字金書)武吏生時須武殺,金火相兼易榮發,馬帶殺來主有權,天衢名跡須超越。
《八字金書》の歌訣に曰く、命中福星に遇はずまた水星なき、ただ禄馬強旺なるは、過ぎず一個の武夫のみ。もしさらに食神と羊刃・殺神とを犯せば、出身低下にして、屠戸酒保の流に淪為するを免れず。また一首に曰く、武職の人生時須らく武殺を帯ぶべし、金と火と相兼ねれば最も栄顕発達し易し。駅馬殺神を帯びて来たれば、兵権を主掌し、天街要路の上の名声事跡必ず群を超えん。
凡右職須要庚辛辰戌丑未、及馬上旺相,主武官支干合,不全有相刑相剋,卻又有氣之地見祿馬及羊刃倒戈,或云羊刃懸針名倒戈,三帶戊午戌支名倒戈。又皆是武官也。
凡そ武職は、須らく命に庚・辛と辰・戌・丑・未とあり、しかも駅馬の上旺相なるを要す。武官を主る命は、干支多くは相合して全からず、あるいは相刑相剋あり、却つてまた気ある地に於て禄馬および「羊刃倒戈」を見る。人あるは羊刃懸針を帯ぶれば便ち倒戈と呼ぶと説き、また人あるは三処に戊・午・戌の支を帯ぶれば倒戈と呼ぶと説く。これらの幾種もまた皆武官を主る。
馬頭に剣を帯び将権を主る
馬上或見辰戌丑未,馬上見金、或庚辛羊刃倒戈,若不為將,亦有兵權,又云:或有憲職(並理愚歌)
駅馬の上あるいは辰・戌・丑・未の四庫を見、あるいは金を見、あるいは庚辛の羊刃倒戈を見れば、かかる人は将軍を為らずとも、また必ず兵権を掌らん。又一説に、あるいは御史の一類の憲職を担任するをも得。以上併せて《理愚歌》に見ゆ。
交刃多く武職に応ず
如庚辰乙酉為交加羊刃。(沉芝源髓)官印貴人加刑殺,武將有初末,賊將出職立其身,先殺後貴人。(直道歌)凡刑沖、死絕、三才、克戰,中有貴格,或刑沖互相生旺、或多偏印者,多起於盜賊凶惡、或卒伍而進也。(燭神經)
例えば庚辰と乙酉と相遇すれば、すなはち交加羊刃なり。これ《沈芝源髄》に見ゆ。《直道歌》に曰く、官星・印綬・貴人さらに刑と殺とを加ふれば、武将の功名始あり終あり。盗賊より出身し招安を受けて官を得て身を立つるは、命に先に殺神を見後に貴人を見るなり。《燭神経》に曰く、凡そ命中刑冲・死絶・三才交戦克伐して、而してその中また貴格を蔵するか、あるいは刑冲の中彼此なほ生旺する能くするか、あるいは偏印甚だ多きは、多くは盗賊凶悍の徒より、あるいは行伍士卒の裏より升り上がり来たるなり。
第廿一巻・貴局を論ず上
貴格
五行足、干神一字、支神一字、五行一字、甲庚丙壬全、乙辛丁癸全、四孟生氣全、四位旺氣全、四季庫、五行得正印、四位集福於帝座、帝坐發福於四位、君臣慶會、引從全、交互見祿、交互見貴神、祿合全(甲得亥之類)、貴合全(甲得午之類)。
上等貴格の名目あり。五行倶足。天干ただ一つの字を用ふ。地支ただ一つの字を用ふ。納音五行ただ一種のみ。甲庚丙壬の四陽干斉全。乙辛丁癸の四陰干斉全。寅申巳亥四孟の生気斉全。子午卯酉四仲の旺気斉全。辰戌丑未四季庫斉備。五行正印を得。四柱の福皆「帝座」すなはち本命の位に聚まる。帝座よりかへつて四柱に向かひて福気を発出す。君臣慶会。引神従神倶全。干支交互に禄を見。交互に貴神を見。禄合斉全、甲の禄合亥に在るのこの一類のごとき。貴合斉全、甲の貴合午に在るのこの一類のごとき。
合全十干、合全十二支、十干得專位祿、納音同源(順數為上,逆數為次)、夾祿窠、夾貴窠、干神五位相連、支神五位相連、天地德合(年與時為上)、順連合(如甲乙丙或丙丁戊之類)、逆連合(如癸甲乙或甲乙丙之類)、三合順(謂生年次月日時)、自生旺一路見福貴、自死絕一路見福貴、先駁雜後純粹。
またあり。十干の合斉全。十二支の合斉全。十干各々自己専位の上の禄を得。納音同一の源に出づ、順数を上等と為し逆数これに次ぐ。夹禄窠。夹貴窠。天干五位相連。地支五位相連。天地徳合、年と時と相合するを以て上と為す。順次相連して合す、甲乙丙あるいは丙丁戊のこの一類のごとき。逆次相連して合す、癸甲乙あるいは甲乙丙のこの一類のごとき。三合して次序順行す、生年より依次に月・日・時に数ふるを指す。生旺より一路に下りて皆福貴を見。死絶より一路に下りてかへつて福貴を見。先は駁雑にして後に純粋に帰す。
三奇(天為上,地為次)、食神見驛馬、食神見本冢祿、六合喚盡、支神暗合祿堂、本家貴全、生成官、夾貴庫、專位暗合祿、旺氣乘本主(主木卯月、本金酉時)、兄弟五行同類、兄弟納音相煩、兄弟干神相類(年兄日弟、月兄時弟)、兄弟支神相類、官印驛馬學堂、食神學堂。
さらにあり。三奇、天上三奇を以て上と為し地下三奇これに次ぐ。食神駅馬を見。食神本家の禄を見。六合四柱を喚合して遺すなし。地支暗に禄堂を合す。本家貴人斉全。生成の官。夹貴の庫。専位の上暗に禄を合す。旺気本主の上に乘る、日主木に属して卯月に生まれ、本命金に属して酉時に生まるるがごとき。兄弟五行同じく一類に属す。兄弟納音彼此重畳す。兄弟天干同類、年を兄と為し日を弟と為し、月を兄と為し時を弟と為すがごとき。兄弟地支同類。官印駅馬の学堂。食神の学堂。
右自夾貴窠以上卿相王侯格局,自干神五位連珠以下鳳閣鸞臺舍人格局,亦須入格後更看納音五行衰旺死,及參以祿馬貴神刑害殺神看之,臨時加減,或凶而有吉、吉而隱凶,或在上局而降中、或在中局而升上臨時消息之,當自見之矣。(李虛中書)
以上の諸格、夹貴窠より往きて前のは皆卿相王侯の一級の格局なり。天干五位連珠より往きて後のは、則ち鳳閣・鸞台・中書舎人の一級の格局なり。ただし格に入りてなほさらに納音五行の衰・旺・死を視、併せて禄馬・貴神・刑害と殺神とを参照して一同に判断し、臨時に増減す。あるは凶中に吉を蔵し、あるは吉中に凶を隠し、あるはもと上等の格局にして却要して中等に降し、あるはもと中等にして却つて上等に升入るべし。随時に斟酌せば、自然に看て明白ならん。《李虚中書》かくのごとく曰ふ。
