五行精纪 · 第2巻
丙午丁未銀漢之水,土不能剋,天上之水地金不能生也。生旺太過,反傷於萬物,死絕太多,又不能生萬物也。五行要論云:丙午至崇之水,體南方溫厚之氣,稟之者,類有道氣靈變,穎異有為,魁眾出倫。丁未具足三才全數,得沖和之氣,稟之者主精神氣全,性根高妙,盡變之道。
丙午・丁未の納音は銀河の水で、土が剋しても動かない。天上の水には、地上の金も生じることができないからである。この水は生旺しすぎればかえって万物を傷害し、死絶が多すぎればまた万物を生じ得ない。《五行要論》にいう――丙午は至りて崇高の水で、体質の中に南方温厚の気を含む。これを禀受する者は多く道気があり、霊活に応変し、聡穎出衆して作為があり、衆人の首たるに堪える。丁未は天・地・人の三才の完整の数を具足し、沖和の気を得る。これを禀受する者は精神気力が完備し、心性根器が高妙で、変化の道を窮め尽くせる。
戊申重阜之土,木絕於申不能剋,若見金水多助,則富貴尊榮之格也。己酉自敗之土,其氣不足,藉火以相助之。見丁卯丁酉火則吉,切忌死絕,畏辛卯辛酉木,災蹇夭折。
戊申の納音は層畳土丘の土で、木が申位に至れば気絶するから剋して動かない。金・水が多方に幇扶すれば、富貴尊栄の格局となる。己酉の納音は自ら敗地に処する土で、土気不足し、火を借りて輔助するを要す。丁卯・丁酉の火に見れば吉で、死絶の地に落ちるのを最も忌む。また辛卯・辛酉の木を怕れ、遇えば災禍坎坷・短命夭折の虞れがある。
庚戌辛亥堅成之金,不可見火,恐有所傷,若得水土相之為貴。閻東叟云:庚戌火墓之金,有剛烈自恃之暴,秋冬庶幾沉厚,春夏動生悔咎,君子執兵刑之權,小人恣獷悍之性。辛亥金稟乾健純明中正之氣,春秋冬三時吉,夏七吉三凶,貴格乘之,體仁守義,若帶刑殺,肆暴貪功。
庚戌・辛亥の納音はすでに堅固に器を成した金で、火に見るべからず、火に傷つけられるのを怕れる。水と土が輔佐して得られれば顕貴となる。閻東叟がいう――庚戌は火墓の上に坐す金で、剛烈自負の暴気を帯び、秋冬に生まれればまだ沈静厚重であるが、春夏に生まれれば動もすれば悔恨過咎を招く。君子が得れば兵権刑法を執掌し、小人が得れば放縦粗野凶悍の性となる。辛亥の金は乾卦剛健・純正光明・中和守正の気を禀受し、春・秋・冬の三季は皆吉で、夏は七分吉三分凶である。貴格がこれに乗れば仁道を体行し義理を恪守できる。刑殺を帯びれば、暴虐を肆行し功名を貪求する。
壬子專位之木,癸丑偏庫之木,遇死絕則富貴,生旺則貧賤,水多則夭折,金多土盛為佳。五行要論云:壬子幽陰之木,陽弱陰盛,柔而無立,類從水德用事,惟對於丙午水,則為水木沖粹之德,類入神仙異士標格,非常流也。
壬子の納音は専ら本位に居る木、癸丑の納音は偏って墓庫に入る木で、死絶の地に遇えばかえって富貴、生旺の地に遇えばかえって貧賤となる。水が多ければ短命夭折、金多く土旺すれば良い。《五行要論》にいう――壬子は幽隠陰柔の木で、陽気弱く陰気盛んで、柔軟にして自立できず、多くは水徳に随順して行事する。ただ丙午の水と相対する時のみ、水木沖和純粹の徳となり、あの類の人は神仙異士の風範があり、尋常の人物ではない。
燭神經云:壬子之木失於優柔,其或揚之仁而高明。注云:壬子木在水旺之鄉,假子中得微陽之氣而生,柔脆易折,自敗木也。揚之者欲得火土之氣,益之使敷榮,則仁勇而高明。玉霄寶鑑云:謂桑拓木取之以時蠶衰之月桑拓受生氣也。
《燭神経》にいう――壬子の木は柔弱に過ぎるに失するが、もし振起発揚すれば、仁厚にして高明となる。注にいう――壬子の木は水旺の郷に処し、子中の一点の微弱な陽気を借りて生じ、柔脆折れやすく、自敗の木である。振発するとは、火と土の気を得て補益を加え、その枝葉を敷栄せしめることで、そうすれば仁厚勇毅にして高明となる。《玉霄宝鑑》にいう――桑柘木という所以は、其の時に応ずる義を取る――蚕事が衰歇する月が、まさに桑柘が新たに生気を承受する時である。
甲寅自病之水,已卯自死之水,雖然死病,土不能剋,蓋干支二木,可以制土,若見壬寅癸卯之金則為優裕。五行要論云:甲寅壬戌二水,為伏逆之氣,陰勝於陽,主姦邪害物,惟濟之以火土,損益之,方成大器。
甲寅の納音は病位に坐す水、乙卯の納音は死位に坐す水で、一死一病ではあるが、土は剋して動かない。天干地支の二重の木が土を制し得るからである。壬寅・癸卯の金に見れば、境遇は優裕となる。《五行要論》にいう――甲寅・壬戌の二組の水は潜伏悖逆の気に属し、陰が陽に勝り、奸邪害物を主る。火と土で調済し、損あり益ありに裁抑を加えて初めて大器を成就できる。
丙辰自庫之土厚且壯,喜甲辰惡戊辰,此土木不能傷,蓋丙火也。辰為火偏庫,土已成器,惟嫌戊戌己亥辛卯戊辰之木。五行要論云:丙辰土為正印,建五福吉會之德,稟之者,類皆享大有為,不貴即富,惟犯沖者多為僧道。
丙辰の納音は自ら墓庫に入る土で、厚重にして壮実、甲辰を喜び戊辰を悪む。この木は土を傷つけられない。天干の丙はもとより火に属し、火が土を生ずるからである。辰はまた火の偏庫で、土はすでに器に煉成されている。ただ戊戌・己亥・辛卯・戊辰の数組の木を嫌悪する。《五行要論》にいう――丙辰の土は「正印」で、五福斉聚の徳性を建立する。これを禀受する者は多く大有作為で、貴からずとも富となる。ただ衝を犯した者は、多くは出家して僧道となる。
丁巳自絕之土,又不為絕,蓋一土居二火之下,在父母之邦,乘天屬之恩,故不為絕,木不能剋,火多益佳。玉霄寶鑑云:丁巳含東南火德,旺數得之者,含容福壽。
丁巳の納音は自ら絶地に処する土であるが、実際にはまた絶と算えない。一重の土が二重の火の下に処し、身が我を生ずる父母の邦にあるに等しく、天然親属の恩養を承受するからで、絶と論じない。木は剋して動かず、火は多いほど良い。《玉霄宝鑑》にいう――丁巳は東南方の火徳を含み、旺数の上でこれを得る者は、寛厚にして容れ、福あり寿ありとなる。
戊午自旺之火,己未偏庫之火,居離明之方,旺相之地,其氣極盛,他水無傷,忌丙午丁未天上之水。閻東叟云:戊午自旺火,含離明炎上之氣,無情治物,動違於眾,秋冬得之,濟以水土旺氣,則豁達高明,福力堅壯,春夏乘之以金木,雖騰光迅速,命非久長。
戊午の納音は自身当旺の火、己未の納音は偏って墓庫に入る火で、いずれも離卦光明の方・旺相の地に居り、火気極めて盛んで、一般の水はこれを傷つけられず、ただ丙午・丁未の天上の水を忌む。閻東叟がいう――戊午は自旺の火で、離卦光明・火性炎上の気を含み、事物を処置するに情面を講じず、一挙一動常に衆人に相違する。秋冬に生まれてこれを得、さらに水土の旺気で調済すれば、豁達高明・福力堅厚となる。春夏に生まれて金木の気に乗れば、発迹は迅速で光焰は騰起するが、寿命は長久しない。
五行要論云:己未衰火,含餘光藏實之氣,春冬之月,運入沉潛之鄉,則明達峻敏,福慶深遠,夏得之非和氣也。秋則先吉後凶。
《五行要論》にいう――己未はすでに衰退した火で、余光内斂し充実の気を蔵する意味を含む。春・冬二季の月に生まれ、運がまた沈潜の郷に入れば、明達にして敏鋭峻抜、福沢慶祥が深長である。夏に生まれてこれを得れば和順の気ではなく、秋に生まれれば先に吉にして後に凶となる。
庚申辛酉二金居木上,因金以成器,忌再見金,致毀其器,若見甲申乙酉水則入格也。玉霄寶鑑云:庚申辛酉屬木以相剋,取之木性辛者為石榴木,故配之以石榴者,取其性也。他木至午則死,惟石榴木至午而旺,蓋得其性故也。
庚申・辛酉の二組は金が木の上に坐し、金で木を加工して器とする。再び金に見えるのを忌む。已成の器を毀すからである。甲申・乙酉の水に見れば格局に合う。《玉霄宝鑑》にいう――庚申・辛酉は納音が木に属し、天干の金がこれと相剋する。木性の中の味辛の類を取る、すなわち石榴木で、だから石榴の名を配するのは、その性味を取ったのである。他の木は午位に至れば死するが、石榴木だけは午位に至ってかえって旺盛する。まさにその本身の性情を得たからである。
庚申自絕木,為魂游神變之氣,此生類非凡器,常格主賦性穎異,豪放不羈,入貴格則是英傑之才,立不世之功。辛酉失位之木,木因金鄉乘之者,涉世多艱,惟對以癸卯金,則剛柔相濟,挺拔出群,決取巍科。
庚申は自ら絶地に処する木で、魂魄出游・神機変化の気に属し、こうして生成された者は多くは平凡の器局ではない。尋常の格局でも天賦性情聡穎特異・豪放にして拘束を受けないことを主る。貴格に入れば英傑の才で、幾世にも稀に見る功業を建てられる。辛酉は本位を失った木で、木が金郷の上に坐し、これに乗る者は世を渉るに多く艱難がある。ただ癸卯の金と相対する時のみ、剛柔相済して挺拔出衆し、必ず高第を考取できる。
燭神經云:魂貴天遊,故庚申之木,不嫌於死絕獨坐而守庚申是也。注云:庚申自絕木也,木於臟屬肝,肝藏魂,木體絕,則魂遊於天,故庚申之木不嫌死絕,所以貴於天遊。鬼古遺文云:辛酉期生旺。注云:辛酉氣絕之木,欲生旺以為榮也。
《燭神経》にいう――魂は天に上り游ぶを能くするを貴しとするから、庚申の木は死絶の地を嫌わない。独坐して庚申を固守するがまさにこの意である。注にいう――庚申は自絶の木で、木は五臓では肝に属し、肝は魂を蔵する所で、木の形体が絶すれば魂は天に游行する。だから庚申の木は死絶を忌まず、貴ぶべき所はまさに魂の天に游ぶにある。《鬼谷遺文》にいう――辛酉は生旺に遇うを期す。注にいう――辛酉は気すでに絶した木で、生旺の気を要して初めて栄華を顕す。
壬戌偏庫之水,癸亥臨官之水,名曰大海水,蓋干支納音皆水,忌見眾水,雖壬辰水庫,亦不能當,不忌他土,死絕則吉,生旺則氾濫而無所歸也。玉霄寶鑑云:亥子水之正位,壬戌氣伏而不順,惟以火土損益之,乃成大器,癸亥具純陰之數,內體至仁,稟之者天資夷曠,志氣浩然,發為功業利澤,日時帶殺則兇狡之流。
壬戌の納音は偏って墓庫に入る水、癸亥の納音は「臨官」の位に処する水で、合わせて大海水と称す。干支と納音がいずれも水に属するから、再び衆多の水に見えるのを忌み、たとえ壬辰のような水庫でも承受しきれない。他の土は怕れず、死絶の地に落ちればかえって吉利で、生旺の地に落ちれば泛濫漫溢して帰宿する所がない。《玉霄宝鑑》にいう――亥・子は水の正位で、壬戌の水は気が潜伏して順暢せず、火・土で裁抑補益して初めて大器を成就できる。癸亥は純陰の数を具え、内在の体性は極めて仁厚で、これを禀受する者は天資平和曠達・志気浩然で、発揚すれば利民潤物の功業を成す。日柱・時柱に凶殺を帯びれば、凶険狡詐の流に淪落する。
第二巻 論六十甲子下
【釈六十甲子性質】
甲子金,為寶物,喜金木旺地。乙丑金,為頑礦,喜火及南方月時。丙寅火,為爐炭喜冬及木。丁卯火,為爐煙,喜巽地及秋冬。戊辰木,山林山野處不材之木,喜水。己巳木,山頭花草,喜春及秋。
甲子の納音は金に属し、已成の宝物を象徴し、金・木当旺の地に行くを喜ぶ。乙丑は金に属し、未だ冶錬せざる頑鉱を象徴し、火を喜び、また南方の月と時辰に生まれるを喜ぶ。丙寅は火に属し、炉中の炭火を象徴し、冬季を喜び、また木が添薪するのを喜ぶ。丁卯は火に属し、炉上の煙気を象徴し、東南巽方の地および秋冬を喜ぶ。戊辰は木に属し、山林曠野の不成材の雑木で、水の滋潤を喜ぶ。己巳は木に属し、山頭の花草で、春を喜び、また秋を喜ぶ。
庚午土,路旁乾塊,喜水及春。辛未土,含萬實待秋成,喜春及秋。壬申金,戈戟大釗,喜子午卯酉。癸酉金,金之椎鑿,喜木及寅卯。甲戌火,火所宿處,喜春及夏。乙亥火,火之熱氣,喜土及夏。
庚午は土に属し、路辺の乾硬の土塊で、水の潤沢を喜び、また春を喜ぶ。辛未は土に属し、万物の果実を含藴して秋の成熟を待つ土で、春と秋を喜ぶ。壬申は金に属し、戈戟大刀の類の兵器を象徴し、子・午・卯・酉の四正の位を喜ぶ。癸酉は金に属し、錐子鑿子の類の工具を象徴し、木を喜び、また寅・卯の地を喜ぶ。甲戌は火に属し、火の栖宿する所で、春と夏を喜ぶ。乙亥は火に属し、ただ火の余熱の気で、土を喜び、また夏を喜ぶ。
丙子水,江湖,喜木及土。丁丑水,水之不流清澈處,喜金及夏。戊寅土,堤阜城郭,喜水及火。己卯土,破城敗堤,喜申酉及火。庚辰金,錫臘,喜秋及微木。辛巳金,金之生者雜沙石,喜火及秋。
丙子は水に属し、江湖の大水を象徴し、木を喜び、また土の約束を喜ぶ。丁丑は水に属し、流動せず澄清の水で、金が生じて来るのを喜び、また夏を喜ぶ。戊寅は土に属し、堤壩土丘と城墻を象徴し、水を喜び、また火を喜ぶ。己卯は土に属し、崩壊の城墻・潰決の堤岸で、申・酉の位および火を喜ぶ。庚辰は金に属し、錫と鉛錫合金のごとく、秋を喜び、また略々一点の木を喜ぶ。辛巳は金に属し、剛に生成して沙石を挟雑する鉱金で、火の熔錬を喜び、また秋を喜ぶ。
壬午木,楊柳干節,喜春夏。癸未木,楊柳根,喜冬及水亦宜春。甲申水,甘泉,喜春及夏。乙酉水,陰壑水,喜東方及南。丙戌土,堆阜,喜春夏及水。丁亥土,平原,喜火及木。
壬午は木に属し、楊柳の枝幹節疤で、春夏二季を喜ぶ。癸未は木に属し、楊柳の根で、冬と水を喜び、また春に宜しい。甲申は水に属し、甘美の泉水で、春と夏を喜ぶ。乙酉は水に属し、背陰山谷の水で、東方を喜び、また南方を喜ぶ。丙戌は土に属し、堆り上げた土阜で、春夏を喜び、また水を喜ぶ。丁亥は土に属し、平坦の原野で、火を喜び、また木を喜ぶ。
戊子火,雷也,喜水及春夏、得土而神。己丑火,電也,喜水及春夏、得土而晦。庚寅木,松柏干節,喜秋冬。辛卯木,松柏之根,喜水土及宜春。壬辰水,龍水,喜雷電及春夏。癸巳水,水之息流入海,喜亥子乃變化。
戊子は火に属し、すなわち雷火で、水および春夏を喜び、土を得ればいよいよ神妙である。己丑は火に属し、すなわち閃電の火で、水および春夏を喜び、土を得ればかえって晦暗となる。庚寅は木に属し、松柏の枝幹節疤で、秋冬を喜ぶ。辛卯は木に属し、松柏の根で、水と土を喜び、また春に宜しい。壬辰は水に属し、龍の居する水で、雷電および春夏を喜ぶ。癸巳は水に属し、止息して後大海に流入る水で、亥・子の位に遇って初めて変化騰躍できる。
甲午金,百鍊精金,夏水木土。乙未金,爐炭餘金,喜大火及土。丙申火,白茅野燒,喜秋冬及木。丁酉火,鬼神之靈鄉、火之無形者,喜辰戌丑未。戊戌木,蒿艾之枯者,喜火及春夏。己亥木,蒿艾之茅,喜水及春夏。
甲午は金に属し、百錬して成った精金で、夏令に宜しく、また水・木・土に見るに宜しい。乙未は金に属し、炉炭中に残る余金で、大火の再錬を喜び、また土を喜ぶ。丙申は火に属し、白茅野草を焼く野火で、秋冬を喜び、また焼くべき木があるのを喜ぶ。丁酉は火に属し、鬼神の居する霊境の火で、無形の火に属し、辰・戌・丑・未の四庫の位を喜ぶ。戊戌は木に属し、枯乾の蒿艾で、火を喜び、また春夏を喜ぶ。己亥は木に属し、青嫩の蒿艾茅草で、水を喜び、また春夏を喜ぶ。
庚子土,土之中空者屋宇,喜木及金土。辛丑土,墳墓,喜木及火與春。壬寅金,金之華飾者,喜木及微火。癸卯金,録鈕鈴鐸,喜盛火及秋。甲辰火,燈也,喜夜及水、惡晝。乙巳火,燈光也,同上,尤喜申酉及秋。
庚子は土に属し、中間空虚にして人の住める房屋の土で、木を喜び、また金と土を喜ぶ。辛丑は土に属し、墳墓の土で、木・火を喜び、また春を喜ぶ。壬寅は金に属し、華美装飾に用いる金で、木を喜び、また微弱の火を喜ぶ。癸卯は金に属し、印鈕・鈴鐸の類の小件金器で、旺盛の火を喜び、また秋を喜ぶ。甲辰は火に属し、すなわち燈火で、夜を喜び、また水を喜び、白昼を悪む。乙巳は火に属し、燈の発する光で、宜忌は甲辰と同じく、殊に申・酉の位および秋を喜ぶ。
丙午水,月輪,喜夜及金水旺也。丁未水,月光也,同上。戊申土,秋間田土,喜申酉及火。己酉土,秋間禾稼,喜申酉及冬。庚戌金,刀劍之餘,喜微火及木。辛亥金,鐘鼎寶物,喜木及大土。
丙午は水に属し、月輪を象徴し、夜を喜び、また金旺水旺を喜ぶ。丁未は水に属し、月の洒す清光で、宜忌は丙午と同じ。戊申は土に属し、秋の田土で、申・酉の位および火を喜ぶ。己酉は土に属し、秋の田の禾稼で、申・酉の位および冬を喜ぶ。庚戌は金に属し、刀剣を打造して余った金で、微火を喜び、また木を喜ぶ。辛亥は金に属し、鐘鼎の類の宝器で、木を喜び、また深厚の土を喜ぶ。
壬子木,傷水多之木,喜火土及夏。癸丑木,傷水少之木,喜金水及春。甲寅水,雨也,喜夏及火。乙卯水,霧也,喜水及火。丙辰土,堤岸,喜金及木。丁巳土,土之沮如,喜火及西北。
壬子は木に属し、過多の水気に傷られた木で、火と土を喜び、また夏を喜ぶ。癸丑は木に属し、水がやや足らず傷れた木で、金と水を喜び、また春を喜ぶ。甲寅は水に属し、すなわち雨水で、夏を喜び、また火を喜ぶ。乙卯は水に属し、すなわち霧気で、水を喜び、また火を喜ぶ。丙辰は土に属し、堤岸の土で、金を喜び、また木を喜ぶ。丁巳は土に属し、低窪積水の沮洳の土で、火を喜び、また西北方位を喜ぶ。
戊午火,日輪、夏則人畏;冬則人愛,忌戊子、己丑、甲寅、乙卯。己未火,月光,忌夜亦畏四時。庚辰木,榴花,喜夏不宜秋冬。辛酉木,榴子,喜秋及夏。壬戌水,海也,喜春夏及木。癸亥水,百川,喜金土火。
戊午は火に属し、太陽を象徴し、夏は人がこれを畏れ、冬は人がこれを愛する。戊子・己丑・甲寅・乙卯の数組を忌む。己未は火に属し、月の光で、夜を忌み、四季もまたそれぞれ畏忌がある。庚申は木に属し、石榴の花で、夏を喜び、秋冬は宜しくない。辛酉は木に属し、石榴の果実で、秋を喜び、また夏を喜ぶ。壬戌は水に属し、すなわち大海で、春夏を喜び、また木を喜ぶ。癸亥は水に属し、衆多の江河で、金・土・火を喜ぶ。
右件六十甲子,盛大者,忌變為小弱;小弱者欲變為盛大,譬如先貧賤而後富貴則榮華,先富貴而後貧賤則卑辱,不可以其先貧賤而不論其富貴,亦不可以其先則不論其貧賤也。
上に列した六十甲子は、およそ気象盛大な者は微小衰弱に変るのを最も忌み、気象微小衰弱な者は盛大に変るのを望む。これは先に貧賤にして後に富貴なるが栄華であり、先に富貴にして後に貧賤なるが卑賤屈辱であるのと同じである。初め貧賤だからといって後の富貴を論じないことはできず、また初めがどうかだけを見て後の貧賤を論じないこともできない。
且年屬木,假令是庚寅辛卯,則木之盛大可知,若日月時胎,不見他木,則以松柏論,萬一月日時胎上見楊柳木或石榴木,則當舍大就小,不以松柏論也。是壬午癸未生人,則木之小弱可知,若月日時胎,不見他木,則以楊柳論,萬一月日時胎上見松柏木或大林木,則棄小論大,不可以楊柳木論也。
例を挙げよう。年柱の納音が木に属し、仮に庚寅・辛卯ならば、その木の盛大は想い知れる。もし月・日・時・胎の四柱に別の木が再び現れなければ、松柏木として論ずる。万一、月・日・時・胎に楊柳木や石榴木が現れたなら、大を捨てて小に就き、もはや松柏木として論じない。逆に、壬午・癸未年生の人は、その木の弱小も想い知れる。もし月・日・時・胎に別の木が見えなければ、楊柳木として論ずる。万一、月・日・時・胎に松柏木や大林木に見えれば、小を棄てて大を論じ、もはや楊柳木として論じてはならない。
以至天上火、劍鋒金、大海水、大驛土生人,月日時胎,別見他位納音同而小弱者,又如覆燈火、金萡金、井泉水、沙中土生人,月日時胎別見他位納音同而盛大者,或引凡而入聖,或先重而後輕,皆當從其變者而論之,不可拘於一端也。(廣錄)
これを以て類推する――天上火・剣鋒金・大海水・大駅土のこれら盛大の命に生まれた人が、もし月・日・時・胎に別に同類の納音で気象弱小のものに見える場合、また覆燈火・金箔金・井泉水・沙中土のこれら弱小の命に生まれた人が、もし月・日・時・胎に別に同類の納音で気象盛大のものに見える場合、それはあるいは平凡より超凡に躍入し、あるいは厚重より軽薄に転ずるもので、いずれもその変化の一面に依って論断し、一頭に拘泥してはならない。この説は《広録》から出る。
【釈六十甲子吉凶例】
甲子:進神、喜神、福星,平頭、懸針、破字。乙丑:福星、華蓋、正印,曲腳、闕字。丙寅:福星、祿刑,平頭、聾啞。丁卯:平頭、截路,懸針。戊辰:祿庫、華蓋、水祿馬庫、捧禍、伏神、平頭。己巳:祿庫、八專,闕字、曲腳。
甲子の一柱の帯びる吉神は「進神」「喜神」「福星」で、忌むところは「平頭」「懸針」「破字」である。後のこの数項は皆字形から象を取る――筆画が平斉なのを平頭といい、末筆が直垂して針のごときを懸針といい、字形が残欠するのを破字という。乙丑は福星・「華蓋」・「正印」の三様の吉神を帯び、忌むところは曲脚・闕字である。丙寅は福星を帯びるが「禄刑」を犯し、字形上は平頭・聾唖を忌む。丁卯は平頭・「截路」を犯し、字形上はまた懸針である。戊辰は「禄庫」と華蓋を帯び、また水命禄馬入庫の地で、同時に捧禍・「伏神」と平頭を犯す。己巳は禄庫・「八専」を帯び、字形上は闕字・曲脚を忌む。
庚午:福星官貴、截路,捧禍、懸針。辛未:華蓋、懸針,破字。壬申:平頭、大敗、妨害,聾啞、破字、懸針。癸酉:伏神、破字,聾啞。甲戌:正印、華蓋、平頭,懸針、破字、捧杖。乙亥:天德,曲腳。
庚午は福星と官貴を帯びるが截路を犯し、また捧禍・懸針の忌がある。辛未は華蓋を帯び、字形上は懸針・破字を犯す。壬申は平頭を犯し、また「大敗」と妨害に逢い、字形上は聾唖・破字・懸針の累がある。癸酉は伏神を帯び、字形上は破字・聾唖を犯す。甲戌は正印・華蓋の両様の吉神を帯び、字形上は平頭・懸針・破字を犯し、別に「捧杖」の忌がある。乙亥は「天徳」貴神を帯び、忌むところは曲脚の一項のみである。
丙子:福星、官貴、平頭,聾啞、交神、飛刃。丁丑:華蓋、退神、平頭,飛刃、闕字。戊寅:伏神、捧杖,聾啞。己卯:進神、短夭、九丑,闕字、曲腳、懸針。庚辰:華蓋、大敗,捧杖、平頭。辛巳:天德、福星、官貴、截路,大敗、懸針、曲腳。
丙子は福星と官貴を帯び、字形上は平頭・聾唖を犯し、また「交神」と「飛刃」に逢う。丁丑は華蓋を帯びるが「退神」に属し、平頭・飛刃・闕字を犯す。戊寅は伏神を帯び、また捧杖・聾唖を犯す。己卯は進神ではあるが、「短夭」と「九丑」を帯び、字形上は闕字・曲脚・懸針を犯す。庚辰は華蓋を帯びるが大敗に逢い、捧杖・平頭を犯す。辛巳は天徳・福星・官貴の三様の吉神を帯びるが、惜しむらくはまた截路と大敗を犯し、字形上はさらに懸針・曲脚の忌がある。
壬午:官貴、九丑、飛刃,平頭、聾啞、懸針。癸未:正印、華蓋、短夭,伏神、飛刃、破字。甲申:破祿馬、截路、平頭,破字、懸針。乙酉:破祿、短夭、九丑,曲腳、破字、聾啞。丙戌:天德、華蓋、平頭,聾啞、捧杖。丁亥:天乙、福星、官貴,德合、平頭。
壬午は官貴を帯びるが九丑と飛刃を犯し、字形上は平頭・聾唖・懸針の忌がある。癸未は正印・華蓋を帯びるが短夭を犯し、また伏神・飛刃・破字の累を受ける。甲申は禄と馬を衝破し、兼ねて截路を犯し、字形上は平頭・破字・懸針を犯す。乙酉は禄を破り、また短夭・九丑を帯び、字形上は曲脚・破字・聾唖を犯す。丙戌は天徳・華蓋を帯び、字形上は平頭・聾唖を犯し、別に捧杖の忌がある。丁亥は「天乙貴人」・福星・官貴を帯び、さらに「徳合」を加え、平頭の一項を犯すのみで、得難い好い日辰である。
戊子:伏神、短夭、九丑,杖刑、飛刃。己丑:華蓋、大敗、飛刃,曲腳、闕字。庚寅:破祿馬、相刑,杖刑、聾啞。辛卯:破祿、交神,九丑、懸針。壬辰:正印、天德、水祿馬庫,退神、平頭、聾啞。癸巳:天乙、官貴、德合,伏馬、破字、曲腳。
戊子は伏神を帯びるが短夭・九丑を犯し、また「杖刑」と飛刃がある。己丑は華蓋を帯びるが大敗と飛刃に逢い、字形上は曲脚・闕字を犯す。庚寅は禄馬を衝破し、また「相刑」を犯し、兼ねて杖刑・聾唖の忌がある。辛卯は禄を破り、交神に逢い、また九丑・懸針を犯す。壬辰は正印・天徳を帯び、まさに水命禄馬の庫地であるが、惜しいことに身は退神に属し、字形上は平頭・聾唖を犯す。癸巳は天乙貴人・官貴・徳合の三様の吉神を帯びるが、ただ駅馬が潜伏して顕れず、字形上は破字・曲脚を犯す。
甲午:進神、德合、平頭,破字、懸針。乙未:華蓋、截路,曲腳、破字。丙申:平頭、聾啞、大敗,破字、懸針。丁酉:天乙、喜神、平頭,破字、聾啞、大敗。戊戌:華蓋、大敗、八專,杖刑、截路。己亥:闕字,曲腳。
甲午は進神と徳合を帯び、字形上は平頭・破字・懸針を犯す。乙未は華蓋を帯びるが截路を犯し、また曲脚・破字の忌がある。丙申は大敗に逢い、字形上は平頭・聾唖・破字・懸針を犯す。丁酉は天乙貴人と喜神を帯びるが、惜しいことに同時に大敗に逢い、字形上は平頭・破字・聾唖を犯す。戊戌は華蓋を帯びるが大敗と八専に逢い、また杖刑・截路を犯す。己亥は称すべき吉神がなく、ただ字形上に闕字・曲脚を犯すのみである。
庚子:德合,杖刑。辛丑:華蓋、懸針,闕字。壬寅:截路、平頭,聾啞。癸卯:貴人、破字,懸針。甲辰:華蓋、大敗、平頭,破字、懸針。乙巳:正祿馬、大敗,曲腳、闕字。
庚子は徳合を帯び、忌むところは杖刑である。辛丑は華蓋を帯び、字形上は懸針・闕字を犯す。壬寅は截路を犯し、字形上は平頭・聾唖の忌がある。癸卯は貴人を帯び、字形上は破字・懸針を犯す。甲辰は華蓋を帯びるが大敗に逢い、字形上は平頭・破字・懸針を犯す。乙巳は自ら正禄と正馬を帯びるが、惜しいことに大敗に逢い、字形上は曲脚・闕字を犯す。
丙午:喜神、羊刃,交神,平頭、聾啞、懸針。丁未:華蓋、羊刃、退神,八專、平頭、破字。戊申:福星、伏馬、杖刑,破字、懸針。己酉:進神、截路、九丑、闕字,曲腳、破字。庚戌:華蓋,杖刑。辛亥:正祿馬,懸針。
丙午は喜神を帯びるが「羊刃」の上に坐し、また交神に逢い、字形上は平頭・聾唖・懸針を犯す。丁未は華蓋を帯び、同じく羊刃に坐し、また退神に属し、兼ねて八専・平頭・破字を犯す。戊申は福星を帯び、駅馬が潜伏し、ただ杖刑があり、字形上は破字・懸針を犯す。己酉は進神であるが截路・九丑を犯し、字形上は闕字・曲脚・破字の忌がある。庚戌は華蓋を帯び、忌むところはただ杖刑の一項のみである。辛亥は自ら正禄正馬を帯び、ただ懸針の一項を犯すのみである。
壬子:羊刃、九丑,平頭。癸丑:華蓋、福星、八專,破字、闕字、羊刃。甲寅:正祿馬、福星、八專、平頭,破字、懸針、聾啞。乙卯:建祿、喜神、八專,九丑、曲腳、懸針。丙辰:祿庫、正印、華蓋,截路、平頭、聾啞。丁巳:祿庫、平頭,闕字、曲腳。
壬子は羊刃に坐し、また九丑を犯し、字形上は平頭である。癸丑は華蓋と福星を帯び、八専に逢い、字形上は破字・闕字を犯し、同時に羊刃に坐す。甲寅は自ら正禄正馬を帯び、また福星があり、八専に逢い、字形上は平頭・破字・懸針・聾唖を犯す。乙卯は「建禄」に坐し、喜神を帯び、八専に逢うが、九丑・曲脚・懸針を犯す。丙辰は禄庫・正印・華蓋の三様を帯びるが截路を犯し、字形上は平頭・聾唖の忌がある。丁巳は禄庫を帯び、字形上は平頭・闕字・曲脚を犯す。
戊午:伏神、羊刃、九丑,捧杖、懸針。已未:福星、華蓋、羊刃,闕字、曲腳、破字。庚申:建祿馬、八專、杖刑,破字、懸針。辛酉:建祿、交神、九丑、八專,懸針,破字、聾啞。壬戌:華蓋、退神、平頭,聾啞、杖刑。癸亥:伏馬、大敗、破字、截路。
戊午は伏神を帯びるが羊刃に坐しまた九丑を犯し、別に捧杖・懸針の忌がある。己未は福星と華蓋を帯び、同じく羊刃に坐し、字形上は闕字・曲脚・破字を犯す。庚申は建禄に坐しまた駅馬に逢い、八専を帯びるが杖刑があり、字形上は破字・懸針を犯す。辛酉は建禄に坐し、交神と八専に逢うが九丑を犯し、字形上は懸針・破字・聾唖の忌がある。壬戌は華蓋を帯びるが退神に属し、字形上は平頭・聾唖を犯し、また杖刑がある。癸亥は駅馬が潜伏し、大敗に逢い、字形上は破字を犯し、さらに截路を犯す。
併金書命決
丙戌之土,為福隆厚,火鍾於此故也。己未庚辰戊辰丁丑,與此同義。己未火也,未中有墓木。庚辰金也,辰中有墓土。戊辰木也,辰中有墓水。丁丑水也,丑中有墓金。皆父母之氣,各有所養也。
丙戌の納音は土に属し、福気が隆盛深厚である。火気が皆戌の上に聚集し、火が土を生ずるからである。己未・庚辰・戊辰・丁丑の四組も道理は同じである。己未の納音は火に属し、未中に木の墓庫を蔵し、木が火を生ずる。庚辰の納音は金に属し、辰中に土の墓庫を蔵し、土が金を生ずる。戊辰の納音は木に属し、辰中に水の墓庫を蔵し、水が木を生ずる。丁丑の納音は水に属し、丑中に金の墓庫を蔵し、金が水を生ずる。これらは皆、我を生ずる父母の気で、それぞれ養育する所がある。
三命纂局云:此五者福壯祿厚,何也?辰水庫木借成氣,四者倣此。以上有鬼所傷,不為害,氣盛故也。李虛中云:丙戌尤異,以戌又為土之本位而尤旺盛也。
《三命纂局》にいう――この五組が福気壮盛・禄気深厚である所以は何であろうか。戊辰を例に取れば、辰は水庫で、納音の木は水気を借りて成形する。残りの四組は皆これに倣って類推する。以上のこの数組は、たとえ我を剋する「鬼」が傷害に来ても、禍患を構成しない。本身の気勢が旺盛だからである。李虚中がいう――丙戌は殊に特別で、戌はもともと土の本位で、土がここで格別に旺盛だからである。
乙巳戊午乃盛炎之火也,秋冬作德吉,春夏作刑凶,若仲夏暴炎一發,旋即歸燥,竟焚火而為咎。乙巳臨官之火,上有一木生之,其氣炎盛,戊午自旺之火,若生秋冬,為溫燠之氣,為濟物之德,若生春夏,旺火復德,陽位則作凶,生仲夏為暴戾剋刃,凶夭之流也。
乙巳・戊午はいずれも炎勢極めて盛んな火で、秋冬に生まれれば温暖の徳に化して吉、春夏に生まれれば刑傷の気に化して凶である。もし仲夏の月に烈焰が暴発すれば、すぐに焦燥に転じ、ついに自焚して災いとなる。乙巳は「臨官」の位に処する火で、上にまた一重の木が生じて来るから火気は炎盛となる。戊午は自旺の火で、秋冬に生まれれば温暖和煦の気で、万物を済助する徳を具える。春夏に生まれれば、旺火にさらに旺徳を加え、陽位に居って凶に転ずる。仲夏に生まれた者は、性情が暴戻で剋伐が刀刃のごとく、多くは凶険短命の輩に属する。
乙卯癸巳丁酉乙亥,水火雖絕,卻清明而妙佳。火死絕而內明外晦,返照回光;水死絕而湛然清澈,可燭鬚眉,故卻清明而妙佳。李虛中云:四位水火雖絕,卻清明妙佳,觀天乙貴人自可見矣。
乙卯・癸巳・丁酉・乙亥の四組は、水火が絶地に処しながら、かえって清澈明浄にして美妙である。火が死絶の地に至れば、内は明るく外は晦んで、光が返照する。水が死絶の地に至れば、澄浄清澈で、人の須眉を照し見ることができる。だからかえって清明にして美妙という。李虚中がいう――この四つの位次の水火は気絶してはいるが清明美妙で、「天乙貴人」の臨む位置を見れば、自ずから明白になる。
壬寅之金,事君不逆,庚申之木,為臣不強。五行屬五音宮土者君也。商金者臣也。角木者民也。商太過則臣強,角太過則君弱。
壬寅の納音は金に属し、君主に事えても忤逆しない。庚申の納音は木に属し、臣子たりても跋扈しない。これは五行が五音に対応するからで、宮音は土に属して君主を象徴し、商音は金に属して臣子を象徴し、角音は木に属して百姓を象徴する。商音が太過すれば臣子が強横となり、角音が太過すれば君主が衰弱となる。
故五音之中,常用四清宮以殺商角庚申者,角木自絕也。壬寅者商金自絕也。皆使得忠順之道,故事君不逆,為臣不強,所以自紫微鸞臺鳳閣以上官,切忌金木生旺之命,如是必不為之,為之必不能久,獨臺諫則可,若金木生旺而剋破則不然。(燭神經)
だから五音の中では、常に四清宮の律をもって商・角の二音を殺伐する。庚申は角木が自ら絶地に処し、壬寅は商金が自ら絶地に処し、両者ともこの故に忠順の道に帰する。だから君主に事えて忤逆せず、臣子たりて跋扈しないという。この故に、およそ中書省・門下省・尚書省のこの級以上の高官は、金木生旺の命を最も忌む。このような人は多くはその位に就けず、就いても長久しない。ただ台諌の類の言官を任ずるにはまだ良い。もし金木が生旺であっても剋破されていれば、また別に論ずる。この説は《燭神経》から出る。
庚申木,乙巳火,土金生而還不生,丙午水癸卯金,木水死而還不死。土生於申,而不生庚申;水生申,而不生於戊申;火生寅,而不生於甲寅;金生巳,而不生於乙巳;木生亥,而不生於辛亥,蓋生處而反受制故也。得之者夭壽。
庚申の納音は木に属し、乙巳の納音は火に属し、本来ここで土と金が長生すべきなのに、生じ起きられない。丙午の納音は水に属し、癸卯の納音は金に属し、本来ここで死絶すべきなのに、死にきれない。具体的に言えば――土は申位で長生するが、庚申の土は生じ出られない。水は申位で長生するが、戊申の水は生じ出られない。火は寅位で長生するが、甲寅の火は生じ出られない。金は巳位で長生するが、乙巳の金は生じ出られない。木は亥位で長生するが、辛亥の木は生じ出られない。皆、本来長生すべき所でかえって剋制を受けるからである。命にこれらに遇う者は多く短寿である。
水死卯,而不死於癸卯;土死卯,而不死於丁卯;木死午,而不死於丙午;金死子,而不死於庚子,火死酉,而不死於辛酉;蓋死處反得生也。得之則長壽。
逆に言えば――水は卯位で死するが、癸卯の水は死にきれない。土は卯位で死するが、丁卯の土は死にきれない。木は午位で死するが、丙午の木は死にきれない。金は子位で死するが、庚子の金は死にきれない。火は酉位で死するが、辛酉の火は死にきれない。皆、本来死絶すべき所でかえって生機を得るからである。命にこれらに遇う者は多く長寿である。
戊子之火,非神龍則無,丙午之水,惟天河則有。戊子支干旺於北方,乃水之位,納音屬火,乃水中之火,非神龍不能有之,丙午支干旺於南方,乃火之位,納音屬水,乃火中之水,非天河不能有之。戊子人得丙午,或丙午人得戊子,無不貴。蓋火中出水,水中藏火,水火既全,精神運動必靈,異於人矣。(壺中子)
戊子のような火は、神龍の身の外にない。丙午のような水は、天上の銀河だけが有する。戊子の干支は北方に旺し、まさに水の方位であるが、納音は火に属する。これが水中の火で、神龍の外に有り得ない。丙午の干支は南方に旺し、まさに火の方位であるが、納音は水に属する。これが火中の水で、天河の外に有り得ない。戊子年生の人が命に丙午を得、あるいは丙午年生の人が命に戊子を得れば、顕貴しないことはない。火中に水を生じ、水中に火を蔵し、水火両全して、精神運転は必ず霊敏で、常人を遥かに超える。この説は《壺中子》から出る。
李虛中云:丙午天上之水,銀漢有之,即十二辰之天后也,得之者,高朋豁達,穎異不凡。戊子水中之火,神龍有之,即六氣之君火也,得之者自神而明,沉幾先物,二氣兼得尤妙絕,其餘諸氣準此詳之。
李虚中がいう――丙午は天上の水で、銀河だけが有し、十二神将の中の「天后」である。これを得る者は交游高遠・胸襟豁達で、聡穎不凡である。戊子は水中の火で、神龍だけが有し、六気の中の君火である。これを得る者は自ずから神明通透で、事の未発の時に先んじてその機を察することができる。二種の気を兼ね有する者はさらに妙絶である。残りの各種の気は、皆この標準で詳しく推求すべきである。
辛丑之土,不嫌於木;戊戌之木,不怕於金,何以辨之?丑中金庫木不為鬼,戌中有火,金反受其殃,若戊戌之木,二土在上,一木在下,埋在二土之下,尚未萌芽,不見其形,是土盛木弱,餘皆彷此。
辛丑の土は木の剋し来るを嫌わず、戊戌の木は金の剋し来るを怕れない。この理をどう分別するか。丑中に金庫を蔵し、金が木を制するから、木はそれに対して我を剋する「鬼」を構成しない。戌中に火を蔵し、火が金を剋するから、金はかえって自ら其の殃を受ける。戊戌の木については、天干地支の二重の土が上にあり、一重の納音の木が下にあって、二重の土の下に埋もれて、なお萌芽せず形跡が見えない。これは土盛にして木弱である。残りは皆これに倣って類推する。
庚寅木,丁巳土,不嫌金木之鬼,金至寅宮雖為鬼,而金絕在寅,故不為鬼。木至巳宮,而巳有生氣克木,故不為鬼。若庚寅逢壬申,金相沖受克也。餘皆彷此。庚午之土,乘南方旺火以養其行,戊申之土自生,庚子土自盈,不忌鬼,蓋木至午死申絕子敗,又自強之土何傷,餘皆彷此。
庚寅の納音は木に属し、丁巳の納音は土に属し、いずれも金・木の類の剋我の「鬼」を怕れない。金が寅宮に至れば、木の鬼と算えられるが、金は寅位ですでに気絶しているから、鬼を成せない。木が巳宮に至れば、巳中に火の生気があって逆に木を耗泄するから、木もまた土の鬼を成せない。ただし庚寅が壬申に逢えば、金が衝し来って剋を受ける。残りは皆これに倣って類推する。庚午の土は南方の旺火に乗って自身を涵養し、戊申の土は自ら長生に処し、庚子の土は自然に盈満し、いずれも剋我の鬼を忌まない。木が午位に至れば死し、申位に至れば絶し、子位に至れば敗れるから、これら本身強健の土に何の損傷があろうか。残りは皆これに倣って類推する。
壬申癸酉庚戌辛亥四金氣壯而不嫌於鬼,戊子之火,不畏其鬼,水中霹靂之火,神龍有之,蓋有誰則雷方鳴,若逢丙午丁未天上之水,則有所忌,有相戰之功,大凡本命支干受傷,則主六根不足,有始無終,如丁巳見癸亥,壬子見戊午,餘彷此(《三命纂局》)
壬申・癸酉・庚戌・辛亥の四組の金は、気勢壮盛で、剋我の鬼を怕れない。戊子の火もその鬼を怕れない。あれは水中の霹靂の火で、神龍だけが有するからであり、水があってこそ雷声が響き得る。ただ丙午・丁未の天上の水に逢えば、忌むところがあり、双方は一戦を交える。大凡、本命の干支が傷を受ければ、主人の六根に缺があり、做事は有始無終となる。例えば丁巳が癸亥に遇い、壬子が戊午に遇う、残りは皆これに倣って類推する。この説は《三命纂局》から出る。
戊午庚申彼我得之超異。庚申石榴木,夏旺,故喜戊午,蓋天官旺而石榴木性得時,戊午乃旺極之火,喜於申見天馬相資也。
戊午と庚申は、どちらが相手を得ても、超凡出衆を主る。庚申は石榴木で、夏に最も旺するから、戊午を喜ぶ。その時、我を剋して用とする天官がまさに旺しており、石榴木の性情がちょうど時を得る。戊午は極点まで旺した火で、申位の上に「天馬」に遇って相助されるのを喜ぶ。
其神頭祿者(即十干專位祿)乃陰陽專位,天地神會也。列八卦之真源,演五行之成敗,剛柔相推,有無合化,故壬子之水,應北方之坎,丙午之火,實南宮之離,所以丙午得壬子不為破,丁巳得癸亥不為沖,是水火相濟之源,有夫婦配合之理。坎離為男女精神之用也,壬子得丙午,癸亥得丁巳,則先水後火,有未濟之象,不如丁巳見壬子,丙午得癸亥也。
いわゆる「神頭禄」とは、十天干がそれぞれ本位に専居する禄のことで、すなわち陰陽が各々専位を得、天地の神が会聚する所である。それは八卦の本源を排列し、五行の成敗を推演し、剛と柔が互いに推移し、有と無が彼此合化する。だから壬子の水は北方の坎卦に対応し、丙午の火は実は南宮の離卦である。この故に、丙午が壬子に遇っても破と算えず、丁巳が癸亥に遇っても衝と算えない。これが水火相済の源で、夫妻相配の理がある。坎と離はまさに男女精神交感の用である。ただ壬子が丙午を得、癸亥が丁巳を得るのは、先に水にして後に火で、《未済》卦のような事未成の意象があり、丁巳が壬子に遇い、丙午が癸亥を得るほど良くない。
庚申辛酉之金,應西方之兌,甲寅乙卯之木,象東方之震,所以甲寅得庚申不為刑,乙卯得辛酉不為鬼,是木女金夫之正體,明左右之神化也。木主魂,金主魄,二者左右相間不合,若能全合,則神之化生以無間也。若庚申得乙卯,辛酉得甲寅,不為元辰,變通之用也。
庚申・辛酉の金は西方の兌卦に対応し、甲寅・乙卯の木は東方の震卦を象徴する。だから甲寅が庚申に遇っても相刑と算えず、乙卯が辛酉に遇っても剋我の鬼と算えない。これは木を女とし金を夫とする正配の体で、左右両方の神機交化を顕明する。木は魂を主管し、金は魄を主管し、両者は左右に分居して、間隔して相合しない。もし完全に契合すれば、神の化生には毫も間隔がない。庚申が乙卯に遇い、辛酉が甲寅に遇うについても、「元辰」の凶神と見做さない。あれは変通活用の理である。
戊辰戊戌之土為魁罡相會,乾坤厚德,覆載含生,不得以為返吟也。戊辰戊戌不為沖,土得正位,干守元會也。己丑己未是貴神受位忠貞,此四維真土,有萬物始終之道,非大人君子孰能備此德,況神頭祿各有神以主之,左右運動於六合之中,盈縮于吉凶之變也。
戊辰と戊戌が相遇するのは「魁罡」の交会で、乾坤のごとき厚徳を具え、天が覆い地が載せるがごとく含容化生するから、「返吟」の凶象として論じてはならない。戊辰と戊戌は相衝と算えない。土が各々正位を得て、天干がまた本元の会合を守るからである。己丑と己未は、貴神が各々其の位に就き、忠貞移らない。この四組はまさに辰戌丑未の四維の上の真土で、万物有始有終の理を蕴含する。徳高望重の大人君子でなければ、誰がこのような徳性を具えられようか。まして神頭禄には各々神霊が主管し、六合の内で左右に運行し、吉凶変化に随って或いは盈ち或いは縮む。
己丑土為天乙貴人(玉霄寶鑑云:天乙貴人處紫薇垣而家在己丑),己未土為太常福神,解百殺之凶,若得之,當用為摸財之喜,戊辰為勾陳,戊戌為天空,土之神多遽攻,居帥外藩,出鎮邊防,有不常矣。
己丑の土は「天乙貴人」の居る所――《玉霄宝鑑》にいう、天乙貴人は紫微垣に身を処して家は己丑にある。己未の土は太常福神で、各種の凶殺を化解でき、命にこれを得れば、進財得利の喜兆とすることができる。戊辰は勾陳の神、戊戌は天空の神で、この二位の土神は多く急遽攻伐の象を帯び、主人は兵を領して外にあり、辺防に出鎮し、行止変動に常がなく、一つの常職に安居し難い。
丁巳為螣蛇之神,凶以凶用,吉以吉承,多熒惑之憂,用滑稽之性。丙午為朱雀之神,應陽明之體,文詞藻麗。甲寅為青龍之神,博施濟眾,得四方之利。乙卯為六合之神,主發生榮華,和弱順黨。壬子為天后之神,主陰騭天德,容美多權。
丁巳は螣蛇の神で、凶に遇えば凶をもって発用し、吉に遇えば吉気を承接し、多く迷惑憂擾の事があり、性情は詼諧善弁である。丙午は朱雀の神で、陽気光明の体性に対応し、文辞華美である。甲寅は青龍の神で、広く恩恵を施し衆を周済し、四方の利を得られる。乙卯は六合の神で、生発栄華を主り、性情温和で、弱小を扶助し同儕に順応するに善い。壬子は天后の神で、暗中に積徳し上は天徳に応じるを主り、容貌美好にして権柄を多く持つ。
癸亥為玄武之神,乃陰陽終極,有潛伏之氣,從下如流,雖有大智,非軒昂超達之士,順則安平,逆則奸宄。庚申為白虎之神,利於武而不利於文,有抱道孤羈之性,善中嚴外,色厲內荏,有仁義好幽僻。辛酉為太陰之神,懷肅殺之氣,有清白之僉,為文章利口不世之才。然更加以親疏休旺,定遇者之情性禍福。(《鬼谷遺文》)
癸亥は玄武の神で、陰陽の終極に処し、潜伏の気を含み、水のように上より下へ流走する。この種の人は大智慧があるが、気宇軒昂・超脱通達の士ではなく、順境では安穏平和、逆境では奸邪に流れる。庚申は白虎の神で、武を習うに利あり文に従うに利なく、性情は己道を抱守して孤独羇旅し、内は和善で外は厳厲で、見た目は強硬だが実は心虚で、仁義を講究しながら幽僻を愛する。辛酉は太陰の神で、粛殺の気を懐き、清白の名声があり、文章出衆・口才犀利の稀世の才である。ただしさらに親疎と休旺を参合して、初めてそれに遇う者の性情が如何、禍福が如何を断定できる。この説は《鬼谷遺文》から出る。
