武曲身を持ち、韓彭の志なきに訝る
至惡之殺,亡神是也,至吉之殺,祿元是也。亡神附祿元化為武曲星,命中得之,反訝韓信彭越謾雄也。
最凶悪の殺は亡神にして、最吉利の神は「禄元」、すなはち本命の禄神なり。亡神一旦禄元の上に依附すれば、便ち転化して「武曲星」と為る。命にこの種の組合を得る人は本領極大にして、かへつて人をして韓信・彭越のごとき名将も過ぎず徒らに雄名あるのみと驚訝せしむ。
天官符もと貫索、究竟傷を遭ふ
亡神為天宮符,亦名貫索星,更附凶神者,必被人傷害或傷害人。(並壺中子)亡神貪狼手持印,好酒多妄為寡言,卻宜符咒與師巫,若在臨官色尤緊。亡神屬貪狼星,持印被髮,如此殺帶滋助,或命入局,則作旌旗,雖耽酒而不失禮,命不好,則多詐妄,宜學師巫符呪也。(沉芝源髓)
亡神便是天官符にして、また「貫索星」と呼ぶ。もしさらに別の凶神を依附せば、此人別人に傷害せらるるならざれば、便ち去りて別人を傷害せん。以上《壺中子》に出づ。歌訣に曰く、亡神好む比貪狼星手裏に印を持ち、酒を飲むを愛し多く妄為にして言語稀少なり、倒に符咒巫術を以て業と為すに適合す。もし臨官の位に落つれば、酒色の毛病殊に厲害なり。《沈芝源髄》に解釈して曰く、亡神は貪狼星に属し、形象は手持印信・頭髪を披散す。この顆の殺もし幇扶を得、あるいは命局格を成せば、能く旌旗大将を作し、酒を嗜むといへども礼数を失はず。命局もし好からざれば、便ち変じて詭詐虚妄にして、巫術符咒を学ぶに適合す。
亡神殺若人遇之,主破業孤立,貴人扶之,或有顯位,然多主流遷,常防闇昧之災,凝神子云:善莫善於將星,惡莫惡於亡神,行年至此,多逢賊盜,或婦人致災也。(三星鈐)
人もし亡神殺に遇へば、家業敗破・孤立無援を主る。もし貴人の扶持あれば、また可能く身顕位に居るも、多くは四処に遷徙流動し、なほ須らく常に暗中の中来たる災禍を防ぐべし。凝神子に曰く、最善は「将星」に如くなく、最悪は亡神に如くなし。流年ここに走り到れば、多く盗賊に遇ひ、あるいは婦人に因りて災禍を惹出す。この説は《三星鈐》に出づ。
如巳酉丑三位全,又有一位在申上者,必主極刑,如玉黼,乙未年,乙亥月,丙寅日,辛卯時,丙寅胎,亥卯未全,又見兩寅,戚世顯癸丑年,丁巳月,丁酉日,戊申時,戊申胎,巳酉丑全,又見兩神亡神聚會,雖貴顯,終被極刑,故一位二位猶輕,三位四位必主刑獄。(廣錄)
仮に巳酉丑の三支斉全にして、また一位申上に落つれば、必定要して極刑を受く。例えば玉黼の命は、乙未年・乙亥月・丙寅日・辛卯時、胎元丙寅にして、亥卯未の三支斉全にして、また両個の寅を見。戚世顕の命は、癸丑年・丁巳月・丁酉日・戊申時、胎元戊申にして、巳酉丑の三支斉全にして、また両重の亡神一処に聚まるを見。此の両人は身分顕貴なるといへども、最終に極刑を処せられり。ゆゑに亡神一位・両位を犯すはなほ軽しと算し、三位・四位に犯せば便ち一定して刑獄の禍を招来す。この説は《広録》に出づ。
元辰を論ず
林開五命云:屬毛頭星。
《林開五命》に曰く、「元辰」のこの顆の凶神は星宿の系統の中に於て「毛頭星」に帰属す。
元辰大耗者,陽男陰女,在沖前一位支辰,陰男陽女,在沖後一辰,主人形狽古樸,聲音沉濁,生旺落魄,大度不別是非。死絕則寒薄狽猥,不識羞辱,一生無成,貪飲好情,與官符併,多招無辜之撓,帶劫殺,則不循細行動招危辱。與空亡併,則為貧賤,婦人得之,姦淫私通。(燭神經)
元辰また「大耗」と呼ぶ。陽年出生の男子と陰年出生の女子は、本命相冲するあの一支の前面の一位を取り。陰年出生の男子と陽年出生の女子は、相冲するあの一支の後面の一位を取る。元辰を帯ぶる人は相貌古拙にして、声音低沉混濁なり。生旺の地に処れば、落拓不羈なるも気度闊大にして、大に是非を計較せず。死絶の地に処れば、便ち寒酸猥瑣・羞恥を知らず、一生一事成らず、杯を貪りて色を好む。それ官符と併見すれば、常に無端の騒擾を招来す。劫殺を帯上すれば、行事便ち小節を拘らず、動けば危険と羞辱とを惹出す。空亡と併見すれば、便ち貧賤の人に淪為す。婦人元辰を帯ぶれば、多く奸淫私通の事あり。この説は《燭神経》に出づ。
方朔曰:宣父畏其元辰,何也?仲舒曰:元辰所以為凶者當氣沖之地,左皼則風殺在右,故陰男陽女,在沖後一辰,右皼則風殺在左,故陽男陰女,在沖前一辰,若歲運臨之,如物當風,動搖顛倒,不得寧息,不有內疾,必有外難。雖雖富貴崇高,勢位炎盛,大運逢之,十年可畏。立朝定當竄逐,居家必罹凶咎,縱有吉神扶持,不免災禍倚伏。尤忌先吉後凶,發亡之後,欲出未出之際,禍不可逃也。(閻東叟書)
東方朔問ふ、孔夫子は何を以て元辰を畏懼するや。董仲舒回答して曰く、元辰の凶と為る所は、それが正に気機の相冲する処に当たるを以てなり。左辺鼓動すれば、風殺便ち右辺に落ち。ゆゑに陰年生の男子と陽年生の女子は冲後の一位を取る。右辺鼓動すれば、風殺便ち左辺に落ち。ゆゑに陽年生の男子と陰年生の女子は冲前の一位を取る。流年大運一旦それに臨到せば、人物件の風に当たりて立つがごとく、揺晃顛倒にして安寧を得ず、内病を生ぜずんば、必ず外来の禍難あり。たとへ富貴崇高・権勢手を炙るがごとくとも、大運元辰に逢上せば、この十年もまた十分に可怕なり。朝に在りて官を為れば必ず貶謫流放せられ、家に在りて閑居するもまた免れず殃に遭ふ。たとへ吉神の扶持あるも、災禍なお旧来その中に潜伏す。殊に先吉後凶を忌諱し、気数尽き将に出でんとし未だ出でざるの当口に於て、この場の禍事逃れんとする処なし。この説は《閻東叟書》に出づ。
常術云:鼠忌羊頭上,牛【嗔】馬不耕,虎憎雞觜塹,猴冤兔不平,龍嫌豬面黑,蛇驚犬吠聲。然而未分男女。元辰陽男陰女,則沖前一辰是。珞琭子以謂宣父畏其元辰,則其為災禍甚重。李虛中林開以元辰為惡殺,有互換遇者,參政巫伋,己卯年,壬申月,己巳日,申戌時,樞密滕康乙丑年,壬午月,乙丑日,壬午時,豈不是犯元辰也。李吉甫曰:大凡貴命須逢殺,即得君上橫升拔,若無殺助何為緊,一世為官無職業,即此推之。林開執一隅見之也。(廣信集)
一般の術書の裏に説く、鼠は未羊の頭に当たるを忌み、牛は午馬の肯んじて田を耕せざるに悩み、虎は酉鶏の尖嘴を憎恨し、猴と兎子とは冤家平らが難く、竜は亥猪の臉の黒きを嫌ひ、蛇は戌狗の叫声を聞くに便ち受驚す。ただし此はただ配法を列出するのみ、併して男女を分かたず。元辰の正法は陽年男・陰年女は冲前の一位を取る。《珞琭子》に曰く、孔夫子元辰を畏懼す、見るべくそれの帯来する災禍重し。李虚中と林開と皆元辰を把て悪殺と當作し、なほ男女互換して遇上する例あり。参政巫伋の命は己卯年・壬申月・己巳日・申戌時。枢密滕康の命は乙丑年・壬午月・乙丑日・壬午時。これ皆元辰を犯さざらんや。しかるに李吉甫は却つて曰く、大凡貴命は総じて殺星に遇ふを要して、こそ君王に破格提拔せらるるを得ん。もし殺の来たりて幇襯するなければ、何を凭りて緊要を顕出せん、ただ怕る一輩子官を做るも個の正経の職事なからん。このように照らして推論すれば、林開の看法は未だ免れず一隅の見に執着せり。この説は《広信集》に出づ。
元辰者,假令甲子生男,與甲午對沖,即乙未為正元辰,丁未,己未,辛未,癸未,為半元辰,若人遇之,主流遷邊戌,多有口舌、虎狼之災。女人逢之,主有產厄。(三命鈐)
元辰の取法は、例えば甲子年出生の男子は、本命甲午と相冲すれば、あれば乙未便ち彼の「正元辰」にして、丁未・己未・辛未・癸未は則ち「半元辰」と算す。人もしこれに遇へば、辺地に遷徙流放せられて戍守するを主り、口舌是非と虎狼の人を傷るの災もまた多し。婦人元辰に逢上すれば、則ち生産の時危難あるを主る。この説は《三命鈐》に出づ。
羊刃を論ず
羊刃者,祿前一辰是也,過越其分,如羊之在刃,主人眼露性急,兇暴親近惡黨,生旺稍可,死絕尤甚,在五行敗地逢之,多患瘰癧,或癉瘇,金刀之災,不以貴賤,多冗雜勞迫,少得安逸人。
「羊刃」は禄神の前面の一位の地支にして、気勢本分を超過す、好む比羊の屠刀の下に送らるるがごとし。羊刃を帯ぶる人は眼睛外突・性子急躁にして、凶暴にして壊人と結交するを喜ぶ。それ生旺の地に処ればなほ稍し好し、死絶の地に処れば便ちさらに厳重なり。もし五行の敗地の上これに逢着せば、多く瘰癧のこの種の頸間の結核を患ひ、あるいは瘅腫の症を患ひ、また金刀の傷に遭ひ易し。富貴貧賤を論ぜず、この種の人多くは事務繁雑・労碌逼迫にして、甚少く安逸の日子を過ごすを得。
真羊刃
甲人見丁,乙人見庚,丙人見甲,丁人見戊,戊人見戊,己人見辛,庚人見乙,辛人見戊,壬人見壬,癸人見乙。若人重犯,身有殘疾,官祿失退,旺財在晚年,循祿前一干是也。(神白經)袁天罡太乙經云:六甲生人逢丁卯,為真羊刃,餘卯為偽偏刃,他準此。
「真羊刃」は日干を按じて天干に配す。甲日主丁を見、乙日主庚を見、丙日主甲を見、丁日主戊を見、戊日主戊を見、己日主辛を見、庚日主乙を見、辛日主戊を見、壬日主壬を見、癸日主乙を見。人もし重複してこれに犯上せば、身上残疾を帯び、官職俸禄もまた保ち難く、財運晩年に到りてこそ旺せん。取法は便是順に禄神の前面の一位の配出せる天干を照らす。この説は《神白経》に出づ。袁天罡《太乙経》は則ち曰く、六甲日出生の人は丁卯に逢ひてこそ真羊刃と算し、余の卯を帯ぶるはただ偽偏刃と算するのみ、別の日干これを照らして準と為す。
自刃
丙午丁未戊午己未壬子癸丑。以上,日主損妻,時損子。
「自刃」は共に六個の干支あり、便是丙午・丁未・戊午・己未・壬子・癸丑なり。それ日柱の上に落つれば、妻子を損傷するを主り、時柱の上に落つれば、子女を損傷するを主る。
飛刃
丙子丁丑戊子己丑壬午癸未。以上多帶血疾,其餘同自刃災福,又云:祿前一辰為羊刃,對處是飛刃。沉芝源髓云:飛刃,羊刃對沖取也。紫微太乙局云:羊刃對宮名飛刃,有人犯者著血光來,日上克妻時克子,破皮痔漏不寧災。又云:小人主杖刑。
「飛刃」は共に六個の干支あり、便是丙子・丁丑・戊子・己丑・壬午・癸未なり。これを帯ぶる人は多く出血の一類の病あり、余の吉凶は自刃と相同なり。別に一説あり、禄神の前面の一位は羊刃にして、羊刃の对冲する所のあの一位便ち飛刃なり。《沈芝源髄》に曰く、飛刃便是羊刃の对冲の位を取るなり。《紫微太乙局》に曰く、羊刃の対宮を飛刃と呼び、人一たびこれに犯上すれば便ち血光身に臨み、日柱の上に落つれば妻を剋し、時柱の上に落つれば子を剋し、なほ破皮・痔漏の一類の安寧を得ざる病痛あらん。又説く、平常人これに犯すは杖刑を受くるを主る。
刃頭財
甲人己卯,乙人戊辰,丙人庚午,丁人辛未,戊人壬午,己人癸亥,庚人乙酉,辛人甲戌,壬人丙子,癸人丁丑。又名銷鎔殺,主財賄歇滅,常人以屠沽刃鋸等事為業,或因被盜而致命者有矣。
「刃頭財」は日干を按じて干支を配出す。甲日主己卯に配し、乙日主戊辰に配し、丙日主庚午に配し、丁日主辛未に配し、戊日主壬午に配し、己日主癸亥に配し、庚日主乙酉に配し、辛日主甲戌に配し、壬日主丙子に配し、癸日主丁丑に配す。それまた「銷鎔殺」と呼び、銭財金属の熔化せらるるがごとく消耗殆尽するを主る。平常人多くは屠宰・酒を売る・刀鋸の類の営生を以て日を度り、あるはまた抢劫に遭ふに因りて命を送る。
刃頭鬼
甲人辛卯,乙人庚辰,丙人壬午,丁人癸未,戊人甲午,己人乙未,庚人丁酉,辛人丙戌,壬人戊子,癸人己丑。以上又名持刀殺,主人不令終,雖入貴格,亦不測,甲乙人見之尤緊,多腦疽發背而終。(並廣信集)
「刃頭鬼」は日干を按じて干支を配出す。甲日主辛卯に配し、乙日主庚辰に配し、丙日主壬午に配し、丁日主癸未に配し、戊日主甲午に配し、己日主乙未に配し、庚日主丁酉に配し、辛日主丙戌に配し、壬日主戊子に配し、癸日主己丑に配す。それまた「持刀殺」と呼び、此人善終を得ざるを主る。たとへ命貴格に入るも、また意外なきを保し難し。甲日・乙日出生の人これを見れば殊に要緊にして、多くは脳疽あるいは背瘡に因りて死す。この説は《広信集》に出づ。
血刃
血刃者祿前一辰是也。如丙午人帶多丙戊來,卻不於日時帶巳來,不作血刃,餘彷此。(林開五命)
「血刃」は同じく禄神の前面の一位を取る。例えば丙午年生の人命中丙・戊の出現する甚だ多くとも、しかれども日柱・時柱の上に併して巳を帯出せざれば、あれば血刃と算せず。余の情形はこれを照らして類推す。この説は《林開五命》に出づ。
羊刃相蝕
甲寅虎兔相蝕,甲辰龍兔不蝕,甲午馬兔不蝕,甲申猴兔不蝕,甲戌狗兔相蝕,甲子鼠兔不蝕。其餘九介干前皆彷此,見所蝕食月稍可,日時至危,若見兩重更值空亡,設非相蝕,亦犯徙罪,不然須是重病可免。(金書命訣)生逢羊刃食神凶,至老終期不善終,若在日時憂早世,臨其年月晚年逢。(八字金書)
「羊刃相蝕」は六個の甲日と卯兎――甲の羊刃――とを把て相比較す。甲寅日は、寅虎と卯兎と互相蝕す。甲辰日は、辰竜と卯兎と相蝕せず。甲午日は、午馬と卯兎と相蝕せず。甲申日は、申猴と卯兎と相蝕せず。甲戌日は、戌狗と卯兎と互相蝕す。甲子日は、子鼠と卯兎と相蝕せず。余の九個の天干の前面の羊刃は皆この弁法を照らして推す。相蝕の象月柱の上に出現するはなほ軽しと算し、日柱・時柱の上に出現すれば便ち極めて危険なり。もし両重を見てまた正に空亡に逢へば、たとへ相蝕せずとも、また流徙の罪を犯さん、然らずんば便ち一場の大病を害してこそ抵過し得ん。この説は《金書命訣》に出づ。《八字金書》もまた曰く、生まれて羊刃を帯びてまた食神に逢ふは最凶にして、老に到りて終に善終を得ず。日柱・時柱の上に落つれば早亡を憂慮すべく、年柱・月柱の上に落つれば則ち晩年に於て応ずべし。
或謂祿前一辰為羊刃,何也?希尹曰:陰陽萬物之理,皆惡極盛,當其極處,火則焦滅,水則湧竭,金則折缺,土則崩裂,木則摧折,故既盛而未極,則為福,已極而將反則為凶,極盛之地,十干正中處是也。卯者甲之正位,為陽木這極,辰者乙是正位,為陰木之極,午者丙是正位,為陽火之極,未者丁之正位,為陰火之極,酉者庚之正位,為陽金之極,戌者辛之正位,為陰金之極,子者壬之正位,為陽水之極,丑者癸之正位,為陰水之極,當其極處,其氣剛烈暴戾而不和,所以祿前一辰為羊刃,其既盛而未極,則溫柔和易,故刃後一辰為祿也。
人ある問ふ、何を以て禄神の前面の一位を便ち羊刃と呼ぶや。希尹回答して曰く、陰陽万物の道理は、皆盛極に到るを厭惡す。極点に到れば、火便ち焼尽して熄滅し、水便ち涌溢して枯竭し、金便ち折断して残缺し、土便ち崩塌して裂開し、木便ち摧折して断裂す。ゆゑに気勢已に盛んにして未だ極点に到らざれば、便ち成りて福と為り。已に極点に到りて将に反転せんとすれば、便ち成りて凶と為る。いはゆる極盛の地とは、正に十天干各自の正位の所在なり。卯は甲の正位にして、陽木の極なり。辰は乙の正位にして、陰木の極なり。午は丙の正位にして、陽火の極なり。未は丁の正位にして、陰火の極なり。酉は庚の正位にして、陽金の極なり。戌は辛の正位にして、陰金の極なり。子は壬の正位にして、陽水の極なり。丑は癸の正位にして、陰水の極なり。極点に到れば、あの股の気剛烈暴戻にして平和ならず。ゆゑに禄前の一位便是羊刃にして、盛んにして未だ極まらざるの処温柔平和にして、ゆゑに羊刃の後面の一位便ち禄なり。
攬轡澄清格
凡見羊刃最凶殺也。然貴人乘馬而前視羊刃者反為貴格,蓋殺服其貴,而況處馬前則受制可知,假令庚午人,得乙酉月,或乙酉己酉日而時甲申,為入格。午馬在申,庚祿在申,乙巳貴在申,庚羊刃在酉,卻貴人乘乙巳甲申為驛馬,而前視羊刃,故曰攬轡澄清,此格多為清嚴之官,若更再吉殺,類多為酷吏,能制奸宄,甲申人得卯月而再見辛卯日時,內中有寅字者,亦入此格也。(玉霄寶鑑)
命に羊刃を見るは、もともと最凶の殺なり。しかれどももし貴人駅馬に騎りて前頭に於て羊刃を盯住せば、かへつて成りて貴格と為る。凶殺貴気に懾服するを以てなり、況んや羊刃駅馬の前に処り、顕然としてそれの節制を受けんや。例えば庚午年生の人乙酉月を得、あるいは乙酉・己酉日にして時柱甲申なれば、便ち入格と算す。午年の駅馬は申に在り、庚の禄もまた申に在り、乙の貴人同じく申に在り、而して庚の羊刃は酉に在り。貴人乙巳・甲申のこの匹の駅馬に乗りて向かひて羊刃を逼視す。ゆゑに「攬轡澄清」と呼ぶ。この個の格に入る人は多く清正厳明の官を做す。もしさらに別の凶殺を添へれば、則ち大多く酷吏と成るも、却つて能く奸邪の徒を圧制す。甲申年生の人卯月を得、日柱・時柱また辛卯を見、中間なほ寅の字あるも、またこの格に入ると算す。この説は《玉霄宝鑑》に出づ。
凡羊刃遇福貴,則為權謀,為武勇,若遇凶惡,則為刑傷,為凶災。(廣錄)羊刃殺遇之者主少年食祿,尋既疏失,一生凶惡,財物聚散,狐獨須防口舌刑獄之厄,若為僧道,主有藝術。(三命鈐)
凡そ羊刃福神貴気に碰上すれば、便ち転化して権謀と武勇と為る。凶悪の神に碰上すれば、便ち変じて刑傷と凶災と為る。この説は《広録》に出づ。《三命鈐》は則ち曰く、羊刃殺に遇ふ人は、少年の時能く俸禄食む可きあるも、随にまた疏忽して失去し、一生性情凶悪にして、銭財聚めてまた散じ、孤单依拠なく、なほ須らく口舌と刑獄の厄とを提防すべし。もし出家して僧道を做れば、倒に能く一技の長あるを得。
凡羊刃不惟三命在日時上主克妻害子,若日時羊丸朝年,名曰倒懸羊刃,日曰日殺歸年,時曰時殺歸年,皆主凶,若帶寅午戌支者,名曰倒戈刃,主頭面腰足之病,多招毒藥。庚戌,辛酉,戊午,己未,丙午,丁未,甲辰,乙卯,壬子,癸丑,名曰連珠刃,俱凶象也。庚戌,辛酉緊,甲辰乙卯慢,女命犯連珠刃者,定主剋夫、害子、不貞潔之事。不然自刃夭,帶懸針,主刺面。(廣信集)
羊刃はただ年月日の三命の日柱・時柱の上に於て妻を剋し子を害するを主るのみならず。もし日柱・時柱の上の羊刃かへつて年柱に朝向せば、便ち「倒懸羊刃」と呼び、日柱に落つるを日殺年に帰ると称作し、時柱に落つるを時殺年に帰ると称作し、皆凶を主る。もし同時に寅・午・戌の支を帯ぶれば、便ち「倒戈刃」と呼び、頭面と腰腿の病痛を主り、また毒薬の禍を招惹し易し。庚戌・辛酉・戊午・己未・丙午・丁未・甲辰・乙卯・壬子・癸丑のこの十組を「連珠刃」と呼び、皆凶象にして、その中庚戌・辛酉は応験するに急にして、甲辰・乙卯は応験するに緩なり。女命連珠刃を犯せば、注定して夫を剋し子を害し貞潔を失す。然らずんば便ち自刃に因りて夭折し、もしさらに「懸針」を帯ぶれば、なほ顔上に字を刺すを主る。この説は《広信集》に出づ。
羊丸不可再犯死者,必帶疾,多主眼目相傷,若大運遇之,貴命當權,亦必有失。又如甲祿在寅,羊刃在卯,若命中犯兩甲,或三甲,即見卯為飛刃,尤凶。倒羊刃亦凶,如甲午人見丁未,亦多主有疾。(廣錄)
羊刃は重複して犯す可からず、殊にさらに死地に落ちる可からず、あれば必定病を帯びて、多くは眼睛の上に傷る。大運もし羊刃に走り到れば、たとへ貴命権を当たる人なるも、また一定して閃失ある所あらん。再如甲の禄は寅に在れば、羊刃便ち卯に在り。命中もし両個の甲甚だしきは三個の甲を出現せば、一たび卯を見れば便ち成りて飛刃と為り、格外に凶険なり。倒羊刃同じく凶にして、例えば甲午年生の人丁未を見れば、また多く病あるを主る。この説は《広録》に出づ。
朝元羊刃の寿、胎年さらにもし刑を帯ぶれば、多く面を刺す
凡遇胎中羊刃,更帶刑害,主出不善,或父母惡死,及賊也,凡羊丸忌殺勝年,朝元者,如卯年日時,干有甲字也。凡日干就時上作刃,主痕疾,不然即於息帶也。如時干就日支作刃,主妻惡死,併性氣,不然是軍人,或帶痕疾也。年干臨時支作刃,多主父母惡死,或更帶天殺在上,五不失一,陰人年干就日支作刃,主夫性惡。
凡そ胎元の中に於て羊刃に遇ひ、また刑害を帯ぶれば、此人出身善からざるを主り、あるいは父母非命に死し、また可能く盗賊に淪為せん。羊刃は最も凶殺の年柱を圧過するを忌諱す。いはゆる「朝元」は、例えば卯年生の人、日柱・時柱の天干の上に甲の字を出現し、而して卯正に甲の羊刃なれば、これ便ち朝元と呼ぶ。凡そ日干時支の上に於て羊刃を結成するは、身上疤を帯び疾を留むるを主り、然らずんば便ち子女の身上に於て応ずべし。時干日支の上に於て羊刃を結成するは、妻子凶死するを主り、あるいは夫妻性情合はず、さらに然らずんば此人便是兵を当たるか、あるいは身上傷疤を帯ぶ。年干時支の上に於て羊刃を結成するは、多く父母凶死するを主り、もし上面さらに天殺を帯ぶれば、五次の裏総じて四五次を応験すべし。女命の年干日支の上に於て羊刃を結成するは、則ち丈夫性情凶悪を主る。
不特羊刃,大凡一切殺,以年為父母,月為兄弟姐妹,日為妻妾,己身,及夫,時為子息,皆準此推之。或時藏刃人於胎,日刃或朝時上來,更若支干相駁克,妻身妊產定應災,婦人之命若如此,敢斷須憂生產死。(沉芝源髓)。
ただ羊刃のみならず、大凡一切の凶殺は、皆年柱を以て父母を視、月柱を以て兄弟姐妹を視、日柱を以て妻妾・自身と丈夫とを視、時柱を以て子女を視、一律にこの弁法を照らして推断す。もし時柱刃を蔵して人また胎元に値し、あるいは日柱の刃時柱に朝りて来たり、さらに干支彼此駁雑相克を加へれば、妻子懐孕生産の時必定災に応ずべし。婦人の命もし是のごとくなれば、便ち敢へて断定して難産に死するを憂慮するを要すと為すべし。この説は《沈芝源髄》に出づ。
第廿五巻
三刑を論ず
刑有四種:一曰無禮刑,子刑卯,卯復刑子,蓋子為生陽晶,卯為日門,陽者,君也,夫也,勢不兩立,又子者,水也,卯者,木也,有子母之道,因兩陽之競不恤,所以相生處相刑害。故曰:無禮刑。生旺主人威肅,面無和顏,氣強性暴,太察不容。死絕則侮慢忽略,狹劣刻剝,大率主人敖慢,少孝悌,妨害親子,吳越六親,入貴格,則多掌兵權,不利近侍,位居不久。入賤格,則悖戾兇暴,多招刑禍,婦人得之,非有令德也。
「三刑」は総じて四種あり。第一種を「無礼刑」と呼ぶ。子卯を刑じ、卯またかへつて子を刑ず。子は陽気初生の処にして、卯は太陽出入の門戸にして、陽は君主と丈夫とを象征し、両陽相遇せば勢両立せず。さらに子は水に属し卯は木に属し、もと母子相生の情分あるも、却つて両陽の相争に因りて彼此加恤せず。ゆゑに相生の関係の裏に於てかへつて刑害を生出す。此に因りて無礼刑と呼ぶ。それ生旺の地に処れば、人威厳粛穆にして、臉上和気を帯びず、気盛性暴にして、明察過頭にして人を容るる能はず。死絶の地に処れば、則ち軽慢疏忽・心胸狹窄刻薄なり。総じて説へば、無礼刑を帯ぶる人は傲慢にして、孝悌の心を缺少し、親生の子女を妨害し、六親と相処るに如同呉越の世仇なり。命貴格に入るは、多くは兵権を掌握す、却つて君主の近侍を為るに宜しからず、位子もまた坐るに長久ならず。命賤格に入るは、則ち乖戻凶暴にして、屡々刑禍を招来す。婦人これを帯ぶれば、美好の徳行あると算するを得ず。
玉霄寶鑑云:卯為日門,子為陽之所生,日出於卯,子卯角立,無欽卑之道,故曰無禮刑。三命提要云:惟子卯位相生,比和亦災。
《玉霄宝鑑》に曰く、卯は太陽の升起する門戸にして、子は陽気の所生する地にして、太陽卯位より出でて、子と卯と針鋒相対して、誰も肯んじて敬譲して下に居らず。ゆゑに無礼刑と呼ぶ。《三命提要》に曰く、唯だ子と卯とのこの一組もと相生の位次にして、たとへ気類和同なるも、照様して災を成す。
二曰:無恩刑,寅刑巳,巳刑申,申刑寅,是也。蓋寅中有甲木,刑巳中之戊土,戊土土聚,以癸水相合為妻,則癸水者,甲木之母也。戊土既為癸水之夫,乃甲之父也。彼父而我刑之,恩斯忘矣。故曰:無恩刑。巳中之丙,刑申中之庚,申中之庚,刑寅中之甲,準此同義。生旺主人持重少語,寡慾無情,多招失義忘恩之撓,死絕則面譽背毀,忘恩棄義。入貴格,則慘虐喜殺,好立功業,入賤格,則言行乘越,貪吝無厭。婦人得之,多產血損胎之災,一生不利骨肉,頗廉正也。
第二種を「無恩刑」と呼ぶ。寅巳を刑じ、巳申を刑じ、申寅を刑ず。寅の中甲木を蔵して、去りて巳の中の戊土を刑ず。戊土気を聚めて、癸水と相合して夫妻を結ぶ。而して癸水正に甲木の母親にして、戊土既に癸水の丈夫たれば、也等于甲木の父親なり。刑する所は父親にして、恩情自然に忘掉せらる。ゆゑに無恩刑と呼ぶ。巳の中の丙火申の中の庚金を刑じ、申の中の庚金また寅の中の甲木を刑ず、道理此と相同なり。それ生旺の地に処れば、人持重少言・寡欲無情にして、却つて常に別人の背信忘恩を招来す。死絶の地に処れば、則ち当面奉承・背後詆毀にして、忘恩負義なり。命貴格に入るは、性情残忍にして殺を好み、功業を建立するを喜ぶ。賤格に入るは、言行軌を越え、貪婪吝嗇にして満足を知らず。婦人これを帯ぶれば、多く生産出血・胎児を損傷の災あり、一生骨肉と縁薄し、ただし人として倒に相当に廉潔端正なり。
玉霄寶鑑云:寅有生火,刑巳上生金,巳上有寄生之土,刑申之水,申中生水,刑寅中生火,不恤所生,遙相剋制,故曰無恩刑。
《玉霄宝鑑》に別に一説あり。寅の中初生の火ありて、去りて巳位の上の初生の金を刑ず。巳位の上寄生の土ありて、去りて申の中の水を刑ず。申の中の所生の水、また去りて寅の中の所生の火を刑ず。彼此皆自己の所生する物を体恤せず、位次を隔てて遥遥と相克す。ゆゑに無恩刑と呼ぶ。
三曰:恃勢刑,丑刑戌,戌刑未,未刑丑,蓋丑中有旺水,丑乃水中之土也,戌有墓火,丑恃旺水,刑戌中之墓火,戌為六甲之尊,未為六癸之卑,戌恃六甲之尊,而刑未,六癸之卑,未有旺土,復恃旺土之氣,刑丑中之水,各有所恃而相刑。故曰恃勢。生旺主人精神,意氣雄豪,眉粗面闊,以直攻人。死絕則眼露瘦小,精神乖角,是非賤侫,樂禍幸災。入貴格,則公清平正,人多畏懼。入賤格,則多犯刑責,闇昧之災。婦人得之,妨害孤獨。
第三種を「恃勢刑」と呼ぶ。丑戌を刑じ、戌未を刑じ、未丑を刑ず。丑の中旺水を蔵して、もと水の中の土なり。戌の裏墓に入るの火ありて、丑便ち旺水を仗りて去りて戌の中の墓火を刑ず。戌六甲の中に於て位分最も尊く、未六癸の中に於て位分最も卑し。戌尊貴を仗りて去りて卑下の未を刑ず。未の中旺土ありて、また旺土の気を仗りて去りて丑の中の水を刑ず。各自皆倚仗する所有りて互相刑剋す。ゆゑに恃勢刑と呼ぶ。それ生旺の地に処れば、人精神飽満・意気豪雄にして、眉毛粗く臉面寛く、直来直去に別人を攻訐するを喜ぶ。死絶の地に処れば、則ち眼珠外突・身形痩小にして、心思乖僻にして、是非を搬弄し諂媚に取巧を好み、人の災に幸して禍を楽しむ。命貴格に入るは、公正清廉にして、人人畏懼す。賤格に入るは、則ち屡々刑責を触犯し、あるいは暗中の中来たる災禍に遭ふ。婦人これを帯ぶれば、親人を妨害して孤独なり。
玉霄玉鑑云:未恃丁火之勢,以刑丑中之金,丑恃旺水之勢,以刑戌中之火,戌恃辛金之勢,以刑未中之木,故曰恃勢刑。
《玉霄玉鑑》に曰く、未は丁火の声勢を仗りて、去りて丑の中の金を刑ず。丑は旺水の声勢を仗りて、去りて戌の中の火を刑ず。戌は辛金の声勢を仗りて、去りて未の中の木を刑ず。三者皆各自勢力を倚仗して相刑ず。ゆゑに恃勢刑と呼ぶ。
四曰:自刑。自刑,辰、午、酉、亥,是也。辰者,水之墓也,滔則盈,午者,火之旺也,盛則滅。酉者,金之旺也,剛則【闕】。亥者,木之生也,旺則朽。各稟已太過之氣,而自致禍也。故曰自刑,生旺則沉靜內毒,形容劣弱。死絕則鴆毒輕忽,察見淵魚,多肢節足之災。入貴格,則機權大謀。入賤格,則多憂頑愚,不情自害,自刑帶諸凶殺,非令終人也。婦人主淫蕩,凶夭之災。
第四種を「自刑」と呼び、辰・午・酉・亥の四支の自己自ら刑ずるを指す。辰は水の墓庫にして、水盛んなれば則ち満溢す。午は火の旺地にして、火盛んなれば則ち自滅す。酉は金の旺地にして、剛極まれば則ち残缺す。亥は木の生地にして、木旺んなれば則ち朽壊す。それら各自過頭の気を禀受して、此に因りて自ら禍患を招く。ゆゑに自刑と呼ぶ。自刑生旺の地に処れば、人沈静にして内に毒念を蔵し、形貌怯弱なり。死絶の地に処れば、則ち陰毒軽率にして、明察水底の游魚のごときの瑣細に到り、多く四肢関節と脚上の毛病あり。命貴格に入るは、機変権謀にして能く大主意を出す。賤格に入るは、則ち多く憂愁にして頑鈍愚昧、人情に近からずかへつて自ら傷る。自刑さらに各種の凶凶殺を帯ぶれば、便ち善終を得る人にあらず。婦人自刑を帯ぶれば、淫蕩を主り、併せて凶死早夭の災あり。
凡人遇此四種之刑,常以相勝者,為凶。相生者為吉。相勝者如甲子刑辛卯,是也。又有刑不入者,是謂善御禍也。如甲寅水刑丁巳土是也。若人命得相生之刑,是五行激揚之氣,聰明脫俗,聲望榮立。若值相剋之刑,多狂橫刑責,官府之災。若值遇祿之刑,主特達,敢為人也。(並獨神經)
凡人この四種の刑に遇へば、通常彼此相克するを以て凶と為し、相生するを以て吉と為す。相克するは例えば甲子の金去りて辛卯の木を刑ずるがごとし。別に一種の刑じて入り得ざるありて、善く災禍を抵御すると呼作す、例えば甲寅の水去りて丁巳の土を刑ずるがごとし。人の命もし相生の刑を得るは、あれは五行激揚奮発の気にして、主人聡明脱俗・声望卓著なり。もし相克の刑に碰上せば、多く狂妄横暴・刑責と官府の災とを遭受す。もし禄と相逢する刑に碰上せば、則ち主人格外出衆・敢作敢為なり。以上《独神経》に出づ。
經云:金鋼火強,各歸其方,木落歸本,水流趨末,故巳酉丑金之位,其刑皆在西方,蓋巳刑申,酉自刑酉,丑刑戌,申酉戊皆西方之位,故也。寅午戌火之位,其刑皆在南方,蓋寅刑巳,午自刑午,戌刑未,巳午未皆南方之位,故也。亥卯未木之位,其刑皆在北方,言木落歸本者,歸根之位也。亥者木之根,故亥自刑亥,卯刑子,未刑丑,皆北方之位,故也。申子辰水之位,其刑皆在東方,言水流趨末者,必東流遊逝而不返,故申刑寅,子刑卯,辰自刑辰,皆東方之位,故也。(玉霄寶鑑)
経書の上に曰く、金性剛・火性強にして、各自本来の方位に帰回す。木の葉凋落して終に根に帰り、水流奔涌して総じて末梢に趨向す。ゆゑに巳酉丑の三合金局の刑は皆西方に落ちて――巳申を刑じ、酉自己自ら刑じ、丑戌を刑ず、而して申・酉・戌正に西方の三支なり。寅午戌の三合火局の刑は皆南方に落ちて――寅巳を刑じ、午自己自ら刑じ、戌未を刑ず、而して巳・午・未正に南方の三支なり。亥卯未の三合木局の刑は皆北方に落ちて、いはゆる木落ちて本に帰るとは、便是根柢の所在に回到するなり。亥は木の根にして、ゆゑに亥自己自ら刑じ、卯子を刑じ、未丑を刑ず、これら皆北方の位に属す。申子辰の三合水局の刑は皆東方に落ちて、いはゆる水流末に趨くとは、説く所水一路東流して再び頭を回らざるなり。ゆゑに申寅を刑じ、子卯を刑じ、辰自己自ら刑ず、これら皆東方の位に属す。この説は《玉霄宝鑑》に出づ。
麒麟窟
三刑遇晝夜貴人,會德全者,謂之麒麟窟,主文章清貴。(鬼谷命格)
三刑もし同時に昼貴人と夜貴人とに遇上し、また天徳・月徳の一類の徳神を聚斉せば、便ち「麒麟窟」と呼作して、此人文章を以て世に名をなし清高顕貴を主る。この説は《鬼谷命格》に出づ。
以殺止殺格
三刑全之人,太歲受刑,而別刑卻來制刑太歲者,是也。理愚歌云:三刑相等同羊刃,封侯萬戶上將軍。假令癸巳人,得成戊寅月日,卻得庚申時之類為入格。蓋癸巳為戊寅所制,得庚申木,卻制之,本有刑而卻無刑,此類多掌兵刑之任。(玉霄寶鑑)
「以殺止殺格」は三刑斉全の人を指し、太歳もと刑を受くれども、却つて別に一重の刑かへつてあの刑太歳する支を制住す。《理愚歌》に曰く、三刑分量相等なれば、如同羊刃一般にして、かへつて能く侯を封じて万户・位上将軍に至る。例えば癸巳年生の人戊寅月・戊寅日を得、また庚申時を得れば、便ち入格と算す。癸巳は戊寅に制せられ、而して庚申またかへつて戊寅を制住し、もと刑ありて却つて刑なきに等し。この一類の命は多く兵権刑獄を掌管する職務を担任す。この説は《玉霄宝鑑》に出づ。
九命其の刑なきを定むるに先ず太歳を論ず
乃五行四柱也。(鬼谷遺文云:九命是三元、四柱、祿馬)惡見三刑,蓋刑破終為不善,若只於月日時上帶刑,而太歲不干預者,不妨,干預者為不吉,故曰先論太歲。
ここに説く九命は、指す所便是五行と四柱なり。《鬼谷遺文》は則ち曰く、九命は三元・四柱と禄馬なり。九命は最も三刑を見るを忌諱し、刑と破とは終究好事ならざるを以てなり。もしただ月柱・日柱・時柱の上に刑を帯び、而して太歳併して牽渉して入らざれば、あれば要緊ならず。一旦太歳もまた牽渉して入れば、便ち不吉利なり。ゆゑに説く先ず太歳を看るを要す。
凡三刑須分刑得入,刑不入,命中須分主客,以年為主,月日時為客,如主刑客,刑得入為貴,刑不入即賤,兼主有官災。若客來刑主,須是刑不入,方為貴格,刑得入者,賤命也。假令丑刑戌,須看是何丑,何戌,且以乙丑言之,刑庚戌是同類相刑,不好,刑丙戌壬戌則相生相刑,不以刑論,戊戌、甲戌是相剋相刑,戌戌刑得入,甲戌刑不入,更須看禍福所生之地如何,以戊戌為福聚之地,卻有乙丑來刑之,則大不好,若刑不入福聚之地,須作貴命看,餘準此。(並林開五命)
凡そ三刑を論ずるに、先ず須らく刑じて入り得るか入り得ざるかを分淸し、なほ須らく主客を分淸すべし。年柱を以て主と為し、月柱・日柱・時柱を以て客と為す。もし是れ主去りて客を刑ぜば、刑じて入り得れば便ち貴、刑じて入り得ざれば便ち賤、なほ兼帯して官司の災あり。もし是れ客かへつて主を刑ぜば、必ず刑じて入り得ざるを要してこそ貴格と算し、刑じて入り得れば便是賤命なり。例えば丑戌を刑ずるも、なほ須らく是れいづれの丑・いづれの戌なるを視るべし。就中乙丑を把て言へば、庚戌を刑ずるは同類相刑に属して好からず。丙戌・壬戌を刑ずるは則ち相生の刑に属して、刑と當作して論ぜず。戊戌・甲戌を刑ずるは相克の刑にして、その中戊戌は刑じて入り得、甲戌は刑じて入り得ず。この外なほ須らく禍福の聚まる所の地如何なるを視るべし。戊戌もと福気の聚集する処にして、偏に乙丑の来たりてこれを刑ずるあれば、便ち大いに不妙なり。もしこの塊の福地に刑じて入らざれば、旧来として貴命と當作して看るを要す。余の情形は一概にこれを照らして準と為す。以上《林開五命》に出づ。
三刑之位帶三奇,天乙兼均在日時,刑若等分干遇德,官居極品定無虧。三刑須等即貴,若偏枯不等即凶敗。若有官,也見遷謫,須得相等,更帶三奇、貴人,天德,官極品矣。(金書命訣)隱迷賦云:三刑不足身立,大器難成。三刑殺者,若人遇之,身能制殺,當掌刑罰之任。殺若克身,多受戮辱,或非命而終。(三命鈐)
歌訣に曰く、三刑の位次の上もし「三奇」を帯び、天乙貴人また均勻に日柱・時柱に分布し、刑の分量彼此相等にして天干の上さらに徳神に遇へば、この種の人官極品に居り、絶対して虧損ある会はず。三刑は必ず分量相等なるを要してこそ貴を主り、もし偏枯不均なれば便ち凶敗を主る。たとへ官を当たるも、また免れず貶謫せられん。一定要して刑相等なり、さらに三奇・貴人と天徳とを帯びて、こそ位人臣に極まるを得。この説は《金書命訣》に出づ。《隠迷賦》に曰く、三刑は以て身を立つるに足らず、大器造就し難し。《三命鈐》に曰く、人もし三刑殺に遇へば、自身能くそれを制服すれば、便ち能く刑罰の職を執掌す。この顆の殺もしかへつて身を剋せば、多くは殺戮羞辱を受くるを要し、あるいは善終を得ず。
凡犯刑者,若原災福看在天輪是何宮分,各隨其位而定凶災,金則防刀兵之厄,內感心疾,逆毒焚如之禍,土水防登涉墜溺之險,與夫貪淫汙行,損敗元氣之咎。木則防強梁杖責之災,與筋骨手足折傷之疾,辰戌丑未則防勞瘵,脾氣凝積之疾,更以意類推廣之,如值下局,防刑憲流徙,險難惡死,值貴局則防內疾,不令終之禍,惟得貴人祿馬,或有沖破則減深災,然所得福壽,亦不全也。(五行要論)
凡そ刑を犯す人は、須らく災福の根源の命盤天輪のいづれの宮に落つるを推究し、宮位に随ひて災禍の種類を断定すべし。金に属するは刀兵の厄を防ぐを要し、内裏応感して心病と為り、なほ火焚の一類の暴烈の禍あり。土に属し水に属するは攀高墜落・涉水淹溺の危険を防ぐを要し、および貪淫汚穢・元気を損耗の過失あり。木に属するは強人杖責の災を防ぐを要し、和筋骨手脚折傷の疾あり。辰・戌・丑・未の四支は則ち癆病と脾胃鬱結の症とを防ぐを要す。余はこの思路を照らして推広して開くを得。命局もし下等に属すれば、刑罰流放・険難凶死を防ぐを要す。命局もし貴格に属すれば、則ち内臓の疾と善終を得ざるの禍とを防ぐを要す。ただ貴人・禄馬の来たりて救ふを得、あるいは冲破解開するあるのみ、災禍こそ減軽するを得。ただしこのように得たるの福分寿数も、また終究完満と算せず。この説は《五行要論》に出づ。
凡命帶自刑,大忌時日與上下支干克戰,主為性陰毒少決,自強氣梗,未免帶疾,更才財死者,主無氣,如巳酉丑人,日時在午未申也,經曰:自刑財死,不盡天年。有人癸未年,辛酉月,己酉日,癸酉時,五十後枯右目喪子,此井邑吳二郎命。(廣信集)
凡そ命に自刑を帯ぶるは、最も日柱・時柱と上下の干支と互相克戦するを忌む。あれば人の性情陰毒にして決断を缺少し、逞強にして気性梗直にして、身上免れず病を帯びん。もし財星また死地に落つれば、便ちさらに毫も生気なきを顕得す。例えば巳酉丑年生の人、日柱・時柱午・未・申の上に落つれば便是なり。経の上に曰く、自刑に財死を加ふれば、天年に満たざるを活きん。人生まれて癸未年・辛酉月・己酉日・癸酉時に於て、五十歳以後右眼失明し、また子を死せり、これは井邑呉二郎の命なり。この例は《広信集》に出づ。
寸珠尺璧云:凡四柱帶自刑,多主闕唇,六指,眇目。自刑帶殺不為良,手足分支定見傷,若使陽申入陰殺,臨危不免惡聲揚。辰、午、酉、亥、各自刑,若年月日時見四字足者,主凶。如年月屬陽,日時屬陰,更帶羊刃,不論貴賤,須不善終。如丙午羊刃年,壬辰月,癸亥劫殺日,丙辰時,官居殿閣,四十三歲臨法而終。(金書命訣)
《寸珠尺璧》に曰く、凡そ四柱自刑を帯ぶるは、多く兎唇・六指を主り、あるいは一隻の眼睛失明す。歌訣に曰く、自刑さらに凶殺を帯ぶるは好事ならず、手脚肢体一定して傷を受けん。もし陽位の申と陰位の凶殺とを相湊せしめば、危難に臨到る時免れず個の悪名に落つらん。辰・午・酉・亥各自自刑を成せば、もし年・月・日・時の四柱この四個の字を湊斉せば、便ち凶を主る。もし年柱月柱陽に属し日柱時柱陰に属し、さらに羊刃を帯ぶれば、貴賤を論ぜず皆善終を得ず。例えば生まれて丙午羊刃の年・壬辰月・癸亥劫殺日・丙辰時のあの一位は、官殿閣に做到し、四十三歳の上法に依りて死を処せらる。この例は《金書命訣》に出づ。
