酉龍の穴
第一宜坐坤向艮穴。酉龍入首左落,穴坤向艮,宜挨白虎加辛一分,取己酉正兌氣貫左耳。“催官第九兌山艮,左氣沖耳無多紊。略加天乙(辛)青龍來,亦主文章典州郡。”分金:兼未宜辛未辛丑;兼申宜丙申丙寅。
酉龍の第一種の穴は坐坤向艮なり。酉龍の入首の一節が左に向って跌落すれば、穴は坐坤朝艮と立成し、羅盤は白虎に偏向す。即ち右邊なり。「辛」の字一分を加えて、己酉一龍の正兌の氣を左耳より注入するを取る。引く所の《催官篇》の第九條は説く。兌龍にして山に坐し艮に朝せば、左邊の氣は耳を衝りて來りて、竝びに紊亂せず。略々「天乙」(即ち辛)の一路の靑龍の氣を加進せば、亦文章を以て名を顯し・一州一郡の長官に出任するを主る。分金の用法は、坐向の未を兼するは、宜しく辛未辛丑分金を用い、申を兼するは、宜しく丙申丙寅分金を用うべし。
第二宜坐乾向巽穴。酉龍入首右落,穴乾向巽,宜挨青龍加庚一分,取正兌脈貫右耳。《催官詩》云:“氣沖右耳天廄(幹)虛”,言不立乾穴,使幹虛而立亥穴耳。分金:兼戌宜庚戌庚辰;兼亥宜丁亥丁巳。
酉龍の第二種の穴は坐干向巽なり。酉龍の入首の一節が右に向って跌落すれば、穴は坐干朝巽と立成し、羅盤は靑龍に偏向す。即ち左邊なり。「庚」の字一分を加えて、純正の兌脈を右耳より注入するを取る。《催官篇》は只だ一句あり。氣は右耳を衝して「天廐」(即ち干)位は要として虚せよ。二徐は解釋して説く。此の句の意思は真に穴を干字の上に立てる勿れにして、而して干位を空しく置きて、別に亥字の上に立てて氣を受くべし。見るべし、此の條は名は干穴と曰うも、實際の用法は卻って亥に在り。讀者は切に字面に照って死看する勿れ。分金の用法は、坐向の戌を兼するは、宜しく庚戌庚辰分金を用い、亥を兼するは、宜しく丁亥丁巳分金を用うべし。
第三宜坐亥向巳穴。酉龍入首右落,穴亥向巳,宜挨青龍加庚一分,取正己酉脈貫右耳。《催官詩》云:“金雞(酉)來泊天門(亥)啼,氣沖右耳天廄(幹)虛。微加天潢(庚)水砂朝,少年一舉登科第。”分金:兼乾宜辛亥辛巳;兼壬宜丁亥丁巳。
酉龍の第三種の穴は坐亥向巳、正しく上の一條の説く所の正法なり。酉龍の入首の一節が右に向って跌落すれば、穴は坐亥朝巳と立成し、羅盤は靑龍に偏向す。即ち左邊なり。「庚」の字一分を加えて、己酉一龍の正脈を右耳より注入するを取る。《催官篇》は説く。「金雞」(即ち酉)は飛び來りて「天門」(即ち亥)の上に停まりて啼けば、氣は右耳を衝して「天廐」(干位)は空を留む。再び微かに「天潢」(即ち庚)を加えて、水の朝し砂の拱するあらば、少年にして一擧に科第に考中するを主る。分金の用法は、坐向の干を兼するは、宜しく辛亥辛巳分金を用い、壬を兼するは、宜しく丁亥丁巳分金を用うべし。
辛龍の穴
第一宜坐乾向巽穴。辛龍入首右落,穴乾向巽,宜挨青龍微加酉,取丙戌正辛之氣貫右耳。詩云:“催官第三穴天廐(幹),天乙行龍右耳受。挨左立穴加少微(酉),中男及第紆紫綬。”分金:兼戌宜庚戌庚辰;兼亥宜丁亥丁巳。
辛龍の第一種の穴は坐干向巽なり。辛龍の入首の一節が右に向って跌落すれば、穴は坐干朝巽と立成し、羅盤は靑龍に偏向す。即ち左邊なり。微かに「酉」の字を加えて、丙戌一龍の正辛の氣を右耳より注入するを取る。賴布衣《催官篇》の第三條は説く。穴を「天廐」(即ち干)の上に點ずれば、「天乙」(即ち辛)の龍は右耳より氣を受く。左に挨して穴を立てて「少微」(即ち酉)を加えて、中間の一房の兒子が科第に考中し・紫色の綬帶を佩して高官と爲るを主る。「紆紫綬」は紫綬を係佩すること、唐宋以來三品以上の官員の服色なり。分金の用法は、坐向の戌を兼するは、宜しく庚戌庚辰分金を用い、亥を兼するは、宜しく丁亥丁巳分金を用うべし。
第二宜坐酉向卯穴。辛龍入首右落,穴酉向卯,宜挨白虎加戌一分,取丙戌正辛之氣貫左耳。詩云:“陰璇(辛)天西向東震,陰璇(辛)氣從左耳進。微侵婁(申)位勿加多,巡警小官亦英俊。”分金:兼庚宜辛酉辛卯;兼辛宜丁酉丁卯。
辛龍の第二種の穴は坐酉向卯なり。辛龍の入首の一節が右に向って跌落すれば、穴は坐酉朝卯と立成し、羅盤は白虎に偏向す。即ち右邊なり。「戌」の字一分を加えて、丙戌一龍の正辛の氣を左耳より注入するを取る。《催官篇》は説く。「陰璇」(即ち辛)は天の西に在りて東方の震位に朝向し、陰璇の氣は左耳より進み來る。以て略々婁宿の位に侵入す可くするも、然れども切に多加する可からず。此の如くなれば雖も只だ巡檢警備の類の小官と爲すも、人物は還お英俊なり。詩の中の「婁」の字の下に底本は「申」と注し、婁宿は戌に屬するに按れば、當に戌を以て是と爲すべし。今は仍ほ照録して改めず。分金の用法は、坐向の庚を兼するは、宜しく辛酉辛卯分金を用い、辛を兼するは、宜しく丁酉丁卯分金を用うべし。
第三宜坐坤向艮穴。辛龍入首橫落,左來右出,穴坤向艮,宜挨右取丙戌之氣貫左腰。《催官詩》云:“陰璇(辛)龍向天市(艮)垣,氣從左腧推其原。玉堂金馬無分到,儒官俊雅多田園。”分金:兼未宜辛未辛丑;兼申宜丙申丙寅。
辛龍の第三種の穴は坐坤向艮なり。辛龍の入首の一節が横にして跌落し、左邊より來りて右邊に向って出でば、穴は坐坤朝艮と立成し、羅盤は右に偏して、丙戌一龍の氣を左腰より注入するを取る。《催官篇》は説く。「陰璇」(辛)の龍は「天市」(即ち艮)の垣に朝向し、氣は左腰より進み來りて、其の根源を推究すれば便ち此に在り。只是玉堂金馬の那樣の淸貴の職は手に分けて到らず、不過些かの文雅の儒官を出す、田園は卻って少なからず。玉堂・金馬は漢代の宮署の名、後世は用いて翰林の淸要の選を代指す。分金の用法は、坐向の未を兼するは、宜しく辛未辛丑分金を用い、申を兼するは、宜しく丙申丙寅分金を用うべし。
戌龍の穴
第一宜坐辛向乙穴。戌龍入首左落,穴辛向乙,宜挨右加酉,取庚戌正氣貫左耳。《催官詩》云:“戌龍迢迢穴向乙,鼓盆(戌)左氣奔耳入。龍行起伏向洋朝,鉅富但恐人殘疾。”分金:兼酉宜辛酉辛卯;兼戌宜丙戌丙辰。
戌龍は只だ一種の穴あり:坐辛向乙。戌龍の入首の一節が左に向って跌落すれば、穴は坐辛朝乙と立成し、羅盤は右に偏して「酉」の字を加え、庚戌一龍の正氣を左耳より注入するを取る。《催官篇》は説く。戌龍は遠遠と來りて、穴は乙位に朝して、「鼓盆」(戌の星名)の氣は左邊より奔りて耳中に入る。只だ來龍の起伏に勢あり・前に大水の朝堂あらば、巨富を主るも、只だ怕れは家中に殘疾の人あらん。「鼓盆」の典は《莊子》の莊周の妻死して盆を鼓して歌うに出づ。故に戌位は喪偶殘缺の象を帶ぶ。分金の用法は、坐向の酉を兼するは、宜しく辛酉辛卯分金を用い、戌を兼するは、宜しく丙戌丙辰分金を用うべし。
干龍の穴
第一宜坐辛向乙穴。幹龍入首左落,穴辛向乙,宜挨右微加戌,取丁亥正氣貫左耳。《催官詩》云:“陽機(幹)來龍宜向乙,迢迢左氣從耳入。穴宜挨右微加婁(戌),水朝局備家資寔。”分金:兼酉宜辛酉辛卯;兼戌宜丙戌丙辰。
干龍の第一種の穴は坐辛向乙なり。干龍の入首の一節が左に向って跌落すれば、穴は坐辛朝乙と立成し、羅盤は略偏右して微かに「戌」の字を加え、丁亥一龍の正氣を左耳より注入するを取る。《催官篇》は説く。「陽機」(即ち干)の來龍は宜しく乙位に朝向して、遠遠と來るの龍氣は左耳より進入す。穴は宜しく右に挨して微かに「婁」宿の位を加えて(婁宿は戌に屬す)、只だ水の來朝・格局の完備あらば、家資は便ち殷實なり。「寔」は即ち「實」の字なり。上卷は干龍の本は大不祥を主ると説き、此處に獨り坐辛の一向を取るは、正しく其の氣の耳より入り・又戌婁の調劑あるの故を取るなり。分金の用法は、坐向の酉を兼するは、宜しく辛酉辛卯分金を用い、戌を兼するは、宜しく丙戌丙辰分金を用うべし。
亥龍の穴
第一宜坐壬向丙穴。亥龍入首右落,穴壬向丙,宜挨青龍微加乾半分,取辛亥正氣貫右耳。《催官詩》云:“催官第一天輔(壬)穴,天皇(亥)氣從右耳接。穴宜挨左微加乾,天皇貫穴氣無洩,四神八將俱朝迎,紫綬金章在前列。”分金:兼亥宜辛亥辛巳;兼子宜丙子丙午。
亥龍の第一種の穴は坐壬向丙、此れは《催官篇》の全書が第一位に列するの至貴の格なり。亥龍の入首の一節が右に向って跌落すれば、穴は坐壬朝丙と立成し、羅盤は靑龍に偏向す。即ち左邊なり。微かに「干」の字半分を加えて、辛亥一龍の正氣を右耳より注入するを取る。《催官篇》の第一條は説く。穴を「天輔」(即ち壬)の上に點ずれば、「天皇」(即ち亥)の氣は右耳より接し進む。穴は宜しく左に挨して微かに干位を加え、天皇の氣をして穴を貫きて外泄せざらしめ、若し再び四神八將が各々其の位に按って來りて朝迎せば、紫綬金章の貴顯は便ち眼前に擺す。分金の用法は、坐向の亥を兼するは、宜しく辛亥辛巳分金を用い、子を兼するは、宜しく丙子丙午分金を用うべし。
第二宜坐乾向巽穴。亥龍入首左落,穴乾向巽,宜挨白虎微加壬半分,取癸亥之氣貫左耳。《催官詩》云:“天皇(亥)氣射天廄(幹)星,微挨西獸加壬行。天廐(幹)穴空始為吉,左耳受氣官資榮。”分金:兼戌宜庚戌庚辰;兼亥宜丁亥丁巳。
亥龍の第二種の穴は坐干向巽なり。亥龍の入首の一節が左に向って跌落すれば、穴は坐干朝巽と立成し、羅盤は白虎に偏向す。即ち右邊なり。微かに「壬」の字半分を加えて、癸亥一龍の氣を左耳より注入するを取る。《催官篇》は説く。「天皇」(亥)の氣は直射して「天廐」(即ち干)星に至り、穴を立つる時は微微と西獸(白虎、右邊)に挨して壬字を帶びて行け。干位は本身空しく置いて受けず、こそ吉と算し、左耳をして龍氣を承接せしめば、官祿は自然に榮顯なり。此れは前面の酉龍の「干虚立亥」と同じく一路の手法。凡そ干字に遇えば皆當中に正坐す可からず。分金の用法は、坐向の戌を兼するは、宜しく庚戌庚辰分金を用い、亥を兼するは、宜しく丁亥丁巳分金を用うべし。
第三宜坐癸向丁穴。亥龍入首右落,穴癸向丁,宜挨青龍加乾一分,取辛亥正氣貫右耳。《催官詩》云:“天皇(亥)氣沖穴北道,挨左立穴為樞要。稍加乾位細推詳,右耳乘氣毋沖腦。”分金:兼子宜庚子庚午;兼丑宜丁丑丁未。
亥龍の第三種の穴は坐癸向丁なり。亥龍の入首の一節が右に向って跌落すれば、穴は坐癸朝丁と立成し、羅盤は靑龍に偏向す。即ち左邊なり。「干」の字一分を加えて、辛亥一龍の正氣を右耳より注入するを取る。《催官篇》は説く。「天皇」(亥)の氣は北路より衝りて來りて、左に挨して穴を立つるは其の中の關鍵なり。稍か干位を加うるも還お仔細に分寸を推詳し、務めて龍氣をして右耳より乘入せしめ、直に穴腦を衝す可からず。言う所の「衝腦」は、來氣の正しく穴頂に對して硬撞することを指し、氣の太急なれば則ち穴を傷る。故に須らく偏側して之を受くべし。分金の用法は、坐向の子を兼するは、宜しく庚子庚午分金を用い、丑を兼するは、宜しく丁丑丁未分金を用うべし。
第四宜坐酉向卯穴。亥龍入首左落,穴酉向卯,宜挨白虎,取辛氣貫左耳,亦主貴富旺人。此穴《催官》未載,以其亥氣入腰故耳。今取辛氣貫耳則吉。分金:兼甲宜辛卯辛酉;兼乙宜丁卯丁酉。
亥龍の第四種の穴は坐酉向卯なり。亥龍の入首の一節が左に向って跌落すれば、穴は坐酉朝卯と立成し、羅盤は白虎に偏向す。即ち右邊なり。辛氣を左耳より注入するを取りて、亦貴顯・富厚・人丁の興旺を主る。二徐は説明す。此の一穴は《催官篇》に收めず。原因は賴氏の算法に照れば、此處の亥氣は只だ腰間より進入すること能くして、其の耳の氣を受くるを上と爲すの標準に合せざればなり。今は改めて旁邊の辛氣を取りて耳より注入すれば、便ち轉じて吉と爲す。此れは正しく本書の前賢の成法に對して變通する所有るの處。用うる時は須らく自ら分金を格準して、兩法を混用す可からず。分金の用法は、坐向の甲を兼するは、宜しく辛卯辛酉分金を用い、乙を兼するは、宜しく丁卯丁酉分金を用うべし。
第五宜坐丑向未穴。亥龍入首右落,左出橫脈作穿針斗斧之穴,宜挨青龍,取辛亥正氣貫右腰。《催官》不載。若龍真穴美,葬善時宜,亦主富貴。分金:兼癸宜辛丑辛未;兼艮宜丁丑丁未。
亥龍の第五種の穴は坐丑向未なり。亥龍の入首の一節が右に向って跌落して、卻って左邊より一條の横脈を横出して、言う所の「穿針鬭斧」の穴を結ぶ。穿針は脈の側旁より細細と穿りて入ること線の針孔を過ぐるが如く、鬭斧は穴形の斧背にして柄を受くるが如し。皆是横受側結の名目なり。穴を立つる時に羅盤は靑龍に偏向す。即ち左邊なり。辛亥一龍の正氣を右腰より注入するを取る。此の一穴は《催官篇》も未だ收録せざるも、然れども只だ來龍の真・穴場の美し・下葬の又吉日良時を選得せば、同じく富貴を主る。分金の用法は、坐向の癸を兼するは、宜しく辛丑辛未分金を用い、艮を兼するは、宜しく丁丑丁未分金を用うべし。
上諸穴凡稱《催官詩》者,即賴氏《催官篇》也,其挨左挨右,與夫所加分數,取龍氣貫入於耳,貫入於腰等訣,毫釐之間,不可有失。先輩所謂“用卦不用卦,卦向穴中作。”又云“乘氣慎勿差毫釐,此而有誤,變吉為凶。”可不慎哉!學者須明師口傳,不可臆度。
以上の各穴に凡そ《催官詩》を稱引するは、皆宋代の賴文俊(世は賴布衣と稱す)の著す所の《催官篇》に出づ。其の中の挨左を説き・挨右を説き、および加うる所の分數の多少、龍氣を耳部より注入し・腰部より注入するを取る等の口訣は、分寸は皆毫釐の間に在りて、一点も差失ある可からず。前輩の説く所の「卦を用う卦を用いず、卦は向にして穴の中に作る」は、意思は羅盤の上の卦位は固より用いるも、真の取捨は卻って要として穴場の上に臨機に決定す。又説く。「氣を乘ずるは愼みて毫釐を差る勿れ、此れにして誤あれば、吉を變じて凶と爲す」。一旦分金の一線を差せば、吉地は立刻に凶地と變ず。怎んぞ謹愼せざるを得んや。學習する人は必ず明師の當面の口傳心授を得て、切に憑空に臆測推度す可からず。
重刊人子須知資孝地理心學統宗卷八之二
德興山人徐善繼述同著。
本卷は仍ほ「德興山人徐善繼・徐善述同着」と題す。前の一卷は龍と穴の配合を講じ、此の一卷は「砂」法に轉入して、穴場の四圍の諸山を天星の方位に按って吉砂三十四格・凶砂二十五格に分成し、逐條に開列して、穴に臨む時の對照檢點に供す。
吉砂類凡そ三十四格
四神全:乾坤艮巽曰四神,皆有峰巒高嶂,主貴。缺一亦減福力,故曰四神全。八將備:艮丙巽辛兌丁震庚曰八將,亦曰八貴,皆有峰巒齊起相應,主貴。賴氏云:“四神八將應位起,龍真穴的齊盧崔。”
第一格は「四神全」と叫ぶ。干・坤・艮・巽の四箇の隅位を「四神」と稱し、此の四方は皆高聳の山峰大嶂あるを要して、貴顯を主る。一方を缺けば福力は便ち減ず。故に必ず四位の俱全なるをこそ「四神全」と叫ぶ。第二格は「八將備」と叫ぶ。艮と丙・巽と辛・兌と丁・震と庚、此の八箇の方位を「八將」と稱し、亦「八貴」と叫ぶ。八處は皆峰巒ありて一齊に勢を起こし・彼此呼應して、貴を主る。賴布衣は説く。四神八將は皆各自の應有の方位の上に峰を起こせば、只だ來龍の真・穴の點得準確あらば、家世は便ち范陽盧氏・淸河崔氏の那樣の世家大族と比肩する能くし。穴の上に立ちて羅盤を以て逐位に點檢するは、砂を審するの第一步なり。
三角峙:艮巽兌曰三角,有峰鼎峙,主富貴。賴氏云:“奇峰列筍有三角,黃金白璧尚華侈。”四維列:四維即四神,有峰高秀,主貴;低而重疊,主富。賴氏云:“催官之砂維四方,雲霄屹立官爵強。四維低峰疊疊起,千倉萬箱耀州里。”
第三格は「三角峙」と叫ぶ。艮・巽・兌の三方を「三角」と稱し、三處は各々山峰ありて鼎の三足の那樣に對峙して立てば、富貴を主る。賴布衣は説く。奇峰は春筍の如く此の三角の位の上に排列すれば、家中の黃金白璧は多くて以て奢華を講究するに足らん。第四格は「四維列」と叫ぶ。四維は便ち前面の説く四神、即ち乾坤艮巽の四隅。此の四處に若し高峻秀麗の峰あらば、貴を主る。若し峰形の低矮にして重重疊疊ならば、則ち富を主る。賴布衣は説く。官を催すの砂は便ち四維の上に在り、高く雲霄に插りて屹立せば、官爵は便ち強し。四維に若し低峰の一疊一疊起こるあらば、則ち千倉萬箱の財富は州里を照耀せん。見るべし、同一の方位にして、峰高きは貴を主り、峰低きは富を主る。全く形勢を看るなり。
三陽起:巽丙丁曰三陽。八國周:甲庚丙壬乙辛丁癸曰八國,皆有峰巒,高嶂周密,極貴。要八位具全,缺一二位則不合格。四勢高:寅申巳亥曰四時,皆有高峰主貴。
第五格は「三陽起」と叫ぶ。巽・丙・丁の三箇の方位を合して「三陽」と稱す。此處の底本は只だ此の一句を出して、吉斷に及ばず。上下文に按れば當に三方に峰竝び起これば則ち貴を主るべし。第六格は「八國周」と叫ぶ。甲・庚・丙・壬と乙・辛・丁・癸の此の八箇の天干の位を「八國」と稱し、八處は皆峰巒あり・高嶂は環繞周密にして、極貴を主る。然れども八位の全備を要求して、一兩位を缺けば便ち合格せず。此の一格と算する能わず。第七格は「四勢高」と叫ぶ。寅・申・巳・亥の四箇の長生の位、正文は「四時」と稱す(底本此の如し)。四處は皆高峰あるは、貴を主る。此の三格は前面の兩格と同じく、皆是先ず羅盤に按って方位を認定し、再び該方に峰あるか無きかを看るなり。
日月明:離為日,坎為月。故子午有峰對峙,名曰日月並明,主貴。若三火不起,而有子午之峰,亦吉。賴氏云:“火星少起日月明,亦主其家生貴子。”或有午峰而無子峰,若得子水來朝,亦吉。賴氏云:“日月不峙太陽高,太陰得水還富豪。”蓋謂其有水為得太陰之體也。
第八格は「日月明」と叫ぶ。離位は火に屬して太陽と爲り、坎位は水に屬して太陰と爲す。故に子・午の兩方は各々山峰ありて南北に對峙するを、「日月竝明」と叫びて、貴を主る。假如南方の丙午丁の三處の火星の峰を起こさずして、而して只だ子・午の兩處の峰あるも、亦吉と算す。賴布衣は説く。火星は雖も起こること少しと雖も、只だ日月の兩峰の分明あらば、亦此の家の貴子を生ずるを主る。又あるいは只だ午方に峰ありて子方に峰無く、若し能く子方の水の來りて穴を朝するを得ば、同じく吉なり。賴布衣は説く。日月の兩峰は對峙する能わずして太陽の一邊は獨り高きも、太陰の一邊は只だ水を得れば、仍ほ富豪たる可し。此れは水は本は陰に屬し、水あれば便ち太陰の本體を得着るに等しくして、以て峰無きの缺を補う能くするを以てなり。
祿馬聚:祿馬之砂,其例不一。有正祿、飛天祿、食祿、正馬,又有借祿、借馬。若得諸般祿馬相聚,極貴。
第九格は「祿馬聚」と叫ぶ。言う所の「祿馬」は、八字と堪輿の中の祿神・驛馬の兩種の神煞を坐山に按って方位の上に推到して、あの一方に峰砂あるか無きかを看る。推排の條例は一種に止まらず。有りて「正祿」、有りて「飛天祿」、有りて「食祿」、有りて「正馬」、此の外に還お「借祿」「借馬」あり。若し能く各種の祿馬の砂をして同時に穴の四圍に聚集せしめば、極貴を主る。下文は各家の起例を附列して、須らく先ず本山の祿馬を定出して何字に落ちるかを、再びあの一字の上に到りて峰巒の有無を察看すべく、憑空に指點す可からず。
諸祿馬の起例此に附す
正祿:子午卯酉艮宮詳,丙壬庚甲癸同鄉,乙辛丁癸陰神位,十二神來坤上當。寅申巳亥幹為祿,坤艮巽宮山宜強。飛天祿:子午卯酉在乾宮,辰戌丑未巽中逢。寅申巳亥居坤上,若得為官便立功。
先ず「正祿」の起例の歌訣を説く。凡そ坐山の子・午・卯・酉なるは、祿位は艮宮の上に到りて査し。丙・壬・庚・甲・癸の此の幾箇の坐山は、祿位は同じく一處に在り。乙・辛・丁・癸は陰神の位に屬して、別に一路を作し。十二神に推來すれば則ち坤位の上に落ちる。凡そ坐山の寅・申・巳・亥なるは、干位を以て祿と爲す。總めて坤・艮・巽の三宮の山勢は宜しく強健有力ならん。再び「飛天祿」の歌訣を説く。子午卯酉の四山の飛祿は干宮に在り、辰戌丑未の四山の飛祿は巽宮に在り、寅申巳亥の四山の飛祿は坤位に在り。此の幾處に若し能く峰を起こさば、出仕の後は便ち功業を建立する能くし。用法は皆先ず坐山に按って祿位を定出してどの一字に落ちるかを、再びあの一字の上に到りて端正の峰の有無を看るなり。
食祿:巡山遊祿要君分,乾兌搜求坎是尊。震巽尋幹為正路,坤離卻向巽宮論。要知坎艮推坤位,福德排來最可珍。若見峰巒尖秀出,子孫車馬滿朝門。正馬:幹用甲為真正馬,坤來尋乙最為強。艮從丙上尋其位,巽向辛峰是馬鄉。若得雙峰連不斷,兒孫兩府佩金章。
「食祿」の歌訣は説く。山を巡りて遊走して食祿を推求して、諸位を請いて分辨淸楚にせん。干山・兌山の食祿は坎位の上に到りて找して、坎位は最も尊し。震山・巽山の食祿は干位を以て正路と爲し。坤山・離山は卻って巽宮の上に到りて論じ。坎山・艮山は則ち坤位に推到す。此の如くして福德の次序に按って排下るこそ最も貴し。凡そ食祿の位に若し尖秀の峰巒の挺出を見ば、子孫の官と爲るの車馬は朝廷の門に擠滿せん。「正馬」の歌訣は説く。干山は甲位を用いて眞正の馬と爲し、坤山は來りて乙位を尋ねて最も強し、艮山は丙位の上より其の馬を找り、巽山は則ち辛方の峰を以て馬鄕と爲す。此れらの馬位に若し能く雙峰の連綿不斷を得ば、兒孫は東西二府の列に在りて金印を佩帶す可し。
驛馬:申子辰山馬艮寅,亥卯未山巽巳尋,巳酉丑山乾亥上,寅午戌山在坤申。借祿借馬:丙借巽為祿馬場,壬借幹為祿馬鄉。申借艮為祿馬地,庚借坤為祿馬方。以上各位有峰簇集,謂之祿馬聚,主貴。亦不必俱有,只數位亦吉。
「驛馬」の歌訣は三合局に依って推す。申子辰の水局の坐山は、驛馬は艮・寅の位に在り。亥卯未の木局の坐山は、驛馬は巽・巳の上に到りて尋ね。巳酉丑の金局の坐山は、驛馬は干・亥の上に在り。寅午戌の火局の坐山は、驛馬は坤・申に落ちる。「借祿借馬」の歌訣は説く。丙山は巽位を借りて祿馬の場と作し、壬山は干位を借りて祿馬の鄕と作し、申山は艮位を借りて祿馬の地と作し、庚山は坤位を借りて祿馬の方と作す。以上の各種の祿馬の位は、只だ峰巒の叢聚あらば、便ち之を「祿馬聚」と叫びて、貴顯を主る。亦必ずしも各種の祿馬の樣樣俱備するを要せず。其の中の幾位を占る能くすれば同じく吉なり。
子宮旺:坎艮震為三男,多峰巒主旺人丁。女山高:巽離兌為三女,其方高秀主女貴。財帛豐:艮為貨財之府,其位山巒高大豐厚叢簇,主多財帛。
「子宮旺」の一格。照《周易》の卦象に、坎は中男・艮は少男・震は長男にして、合して三男の位と稱す。此の三方の峰巒の衆多なるは、人丁の興旺を主る。「女山高」の一格。巽は長女・離は中女・兌は少女にして、合して三女の位と稱す。此の三方の高峻秀麗なるは、家中の女眷の貴顯を主り、あるいは女兒の好人の家に嫁す。「財帛豐」の一格。艮位は貨財の聚る所の府なり。此の一方の山巒の若し高大豐厚・叢聚して簇と成らば、財帛の豊盈を主る。此の三格は皆是先ず卦位を認め・再び該方の山形の高低多寡を看て、前面の天星に按って砂を取るの路數と相輔して行わる。
壽星崇:丁為南極老人星,其位山高,主多壽考。金馬上階:幹在天為天廄,蓄馬之所也。午為正馬,從其肖也。故幹為金馬,午為天馬。二位有馬山,更得兌山高聳,謂之馬上金階,貴。
「壽星崇」の一格。丁位は天上の南極老人星に對應して、壽を主る。此の一方の山勢の高聳なるは、家中に長壽の人多し。「金馬上階」の一格。干位は天上に「天廐」と叫び、馬を養うの地方なり。午は十二生肖の裏に正しく馬に屬す。故にそれを取りて「正馬」と爲す。此れに因って干位は金馬と稱し、午位は天馬と稱す。此の兩處に若し形の馬の如き山あり、再加兌方に高聳の山ありて臺階を作れば、便ち之を「馬上金階」と叫びて、貴を主る。言う所の馬山は、山形の圓にして方を帶び・後に起伏ありて馬背馬鞍の如きを指す。須らく穴に臨みて遠く望みて其の輪廓をこそ認め出だす能くせん。
赤蛇繞印:巳為赤蛇,有印居之,主貴。賴氏云:“赤蛇遶印如圓平,腰懸斗印才縱橫。”太陽昇殿:房、虛、昴、星四日宿在子午卯酉之位,若此四位有太陽金星四面相照,謂之太陽昇殿,主極品之貴,敵國之富。
「赤蛇繞印」の一格。巳位は天星の中に「赤蛇」と叫び、若し此の一方に形の印章の如き方圓の小山ありて其の間に盤踞せば、貴を主る。賴布衣は説く。赤蛇は印を環繞して、印形は要として圓にして平正なり。日後は腰間に斗大の印信を懸げて、才幹は一世に縱横せん。「太陽升殿」の一格。二十八宿の中の房・虚・昴・星の四宿は太陽に屬し、子・午・卯・酉の四正の位に分居す。若し此の四方に皆太陽金星あり——即ち圓頭高聳・形體端正の金形山——四面交々輝映すれば、便ち之を「太陽升殿」と叫びて、位の人臣に極まるの貴・富の國に敵するを主る。
太陰入廟:心、危、畢、張四月宿在甲庚丙壬之位,若此四位有太陰金星四面相照,謂之太陰入廟,主男為附馬,女作宮妃。五氣朝元:火星在南,水星在北,木星居東,金星居西,土星結穴,坐北面南,謂之五氣朝元,亦曰五星守垣,主極貴顯,崇儒廟食。朱文公祖地合此在婺源縣官坑嶺,圖見龍法卷。
「太陰入廟」の一格。二十八宿の中の心・危・畢・張の四宿は太陰に屬し、甲・庚・丙・壬の四箇の天干の位に分居す。若し此の四方に皆太陰金星あり——形體は略扁にして端秀の金形山——四面に交映すれば、便ち之を「太陰入廟」と叫びて、男子の公主を娶得して駙馬と爲り・女子の宮に入りて妃と爲るを主る。「五氣朝元」の一格。火形山は南に在り、水形山は北に在り、木形山は東に在り、金形山は西に在り、中間は土形山を以て穴を結び、北に坐して南に朝せば、便ち之を「五氣朝元」と叫び、亦「五星守垣」と叫びて、極めて貴顯を主り、儒學を崇奉して後世に立廟祭祀を受く。原書は注明す。朱熹先生の祖墳は正しく此の一格に合し、江西婺源縣の官坑嶺に在り、圖形は已に龍法を講ずるのあの一卷に見ゆ。
三火併秀:離為天干火,丙為地祿火,丁為人爵火。三位有峰並秀,極貴。賴氏云:“太陽正火當星馬,丁柳丙張更無價。”蓋丙午丁三位正值南方朱雀之位,而星柳張三宿在焉,故曰“火星宜起應天宿”也。
「三火竝秀」の一格。離(午)位は天干火、丙位は地祿火、丁位は人爵火にして、合して三火と稱す。此の三處に若し山峰の一同に秀出するあらば、極貴を主る。賴布衣は説く。太陽の屬するの正火の位は正當に星宿と天馬の地に當たり、丁位は柳宿に對し・丙位は張宿に對せば、那れは更に無價の格なり。此れは丙・午・丁の三位は正しく南方朱雀の七宿の中に落ち、而して星・柳・張の三宿は恰も此處に在るを以てなり。故に「火星は宜しく起りて天宿に應ずべし」と説く。南方の峰は要として起るこそ、天上の宿度と相應ずるなり。
尊帝當前:丙丁有峰雙峙,也主貴。祿馬拱後:艮祿幹馬二位有山高嶂,主貴。更點明:巽為更點,有峰叢秀,主貴。天鼓振:卯酉艮巽為陽鼓,丙丁辛為陰鼓,有峰方圓,主貴。
「尊帝當前」の一格。丙・丁の兩位に若し山峰ありて雙々穴前に對峙せば、亦貴を主る。南方は帝座の臨む所の方なるを以てなり。「祿馬拱後」の一格。艮は祿位・干は馬位と爲り、此の兩處に高山大嶂ありて穴の後に拱衛するは、貴を主る。「更點明」の一格。巽位は天星の中に更漏の點數を主り、此の一方に若し峰巒の叢聚して秀麗あらば、貴を主る。「天鼓振」の一格。卯・酉・艮・巽の四位は陽鼓に屬し、丙・丁・辛の三位は陰鼓に屬す。此れらの方位に若し方圓端正の峰ありて、鼓面の高く張るが如くば、貴を主る。以上の四格は皆穴外の應位の峰を起くるの應に屬し、須らく逐位に羅盤に對準して細看すべし。
文筆秀:巽辛二方有尖秀之峰,謂之真文筆,主貴顯,科名高。賴氏云:“天以太乙真文筆,秀入雲霄狀元位。”魚袋塞:庚酉辛方有魚袋砂,謂之金魚袋,主貴。宜居水口,故曰塞。玉帶現:辛巽有帶曰玉帶,庚兌曰金帶,有此砂,宜為正案,最貴。
「文筆秀」の一格。巽・辛の兩方に若し尖聳秀麗の峰あらば、之を眞文筆と叫びて、貴顯・科第の名次高きを主る。賴布衣は説く。天は太乙(巽)の位を以て眞文筆と爲し、秀拔して雲霄に入るは、狀元の位を占む可し。「魚袋塞」の一格。庚・酉・辛の三方に若し形の魚袋の如き砂あり——唐宋の官員は魚袋を佩して以て品級を別す——便ち之を「金魚袋」と叫びて、貴を主る。此の種の砂は最も宜しく水口の處に横塞して水を關住す。故に此の一格は「塞」と叫ぶ。「玉帶現」の一格。辛・巽の兩方の横列して帶の如き砂は玉帶と叫び、庚・兌の兩方のは金帶と叫ぶ。此の種の砂あらば、最も宜しく取りて正しく穴前に對するの案山と作す。是れ極貴の格なり。
金印浮:西兌庚巳辛干有印,皆名金印,主貴。必在水中為真,故曰浮。卜氏云:“印浮水面,煥乎其有文章。”赦文起:丙丁庚辛之位有方山,謂之赦文星,主一方永無凶禍。判筆攢:庚兌辛有峰,或立或臥,曰判筆。賴氏云:“判筆庚兌辛為艮。”
「金印浮」の一格。西邊の兌・庚および巳・辛・干の諸位に若し印形の砂あらば、皆金印と稱して、貴を主る。然れども必ず水の中に浮かぶの小洲小墩なるをこそ真印と算す。故に此の一格は「浮」と叫ぶ。卜應天《雪心賦》は説く。印は水面の上に浮きて、光彩は煥發す。家中に文章の士あるを主る。「赦文起」の一格。丙・丁・庚・辛の四位に若し頂の平らにして體の方なる山あらば、之を赦文星と叫びて、一方の永く凶禍無きを主り、諸煞を解する能くし。「判筆攢」の一格。庚・兌・辛の三位に峰ありて、あるいは直立し・あるいは横臥して、皆判筆と叫ぶ。是れ文書を批判するを主るの象なり。賴布衣は説く。判筆は便ち庚・兌・辛の此の幾位の上に在り。
馬上御街:巽位有馬山,兼有巽水朝,曰馬上御街,主貴近帝王。廖氏曰:“馬蹄踏破御街水,秀才出去狀元來。”貴參天柱:乾為天柱,若貴人之峰高聳乾位,主極貴。賴氏云:“璣入雲霄生宰輔。”又云“世登要路重璣峰”。
「馬上御街」の一格。巽位に既に馬形の山あり、又巽方の水の來りて穴を朝するあらば、便ち之を「馬上御街」と叫びて、帝王の側に近きの貴を主る。宋代の廖金精は説く。馬蹄は御街の水を踏破して、秀才は出門して去り、回りて來れば便ち狀元なり。「貴參天柱」の一格。干位は天星の中に天柱と爲り、若し貴人峰——頭圓身直・卓然として獨聳する山——の干位の上に高聳するあらば、極貴を主る。賴布衣は説く。璣星(即ち干位の陽機)は高く雲霄に入れば、宰輔の才を生出する能くし。又説く。世代要路に登踞するの人家は、皆璣峰を看重す。
宮國圓:子山宮國在戌,幹丑山在亥,壬每開位是也,有圓峰主貴。谷將高、天倉起:子山谷將在未,天倉在酉。丑山谷將在申,每危位是;天倉在戌,每收位是。有高山主貴。
「宮國圓」の一格。坐山を以て起例と爲し、子山の宮國の位は戌に在り、干山・丑山の宮國は亥に在り、壬山は則ち每に「開」の日の臨む所の位を以て準と爲す。此れらの方位に渾圓の峰あるは、貴を主る。「谷將高・天倉起」の一格。子山の谷將の位は未に在り、天倉は酉に在り。丑山の谷將は申に在り——即ち建除十二神の中の每に「危」に逢うのあの一位——天倉は戌に在り——即ち每に「收」に逢うのあの一位。此れらの方位に高山あるは、貴を主る。言う所の建除十二神は、建・除・滿・平・定・執・破・危・成・收・開・閉にして、逐位に輪排す。故に文中は「危位」「開位」「收位」を以て指代す。
凶砂類凡そ二十五格
五星受制:火北,金南,土東,木西,水居四墓,謂之受制,縱吉地亦無大力量也。四殺擅權:辰戌丑未四位高壓崚嶒,帶殺逼穴,主大凶惡逆,大盜誅夷。有赦文照者差減其凶。
凶砂の第一格は「五星受制」と叫ぶ。火形山の北方に落ちるは水の克する所と爲り、金形山の南方に落ちるは火の克する所と爲り、土形山の東方に落ちるは木の克する所と爲り、木形山の西方に落ちるは金の克する所と爲り、水形山の辰戌丑未の四墓の位に落ちるは土に制せられ、此れ皆「受制」と叫ぶ。砂星は既に克制せられば、縱然是れ吉地なるも、亦多大の力量無し。第二格は「四殺擅權」と叫ぶ。辰・戌・丑・未の四位の山は高聳嶙峋にして、穴場を壓し・煞を帶びて逼り來れば、大凶大惡・悖逆の人を出すを主り、あるいは大盜と成りて誅戮に遭う。若し此の幾方に別に赦文星ありて映照せば、凶禍は以て稍減ず可し。
八門缺:幹坎艮震巽離坤兌八卦之位凹陷,謂之八門缺。卜氏云:“八門缺,八風吹,朱門餓殍。”四面凹:辰戌丑未曰四金,最忌凹陷。賴氏云:“四金砂陷風一入,翻棺覆槨人遭殃。”
第三格は「八門缺」と叫ぶ。干・坎・艮・震・巽・離・坤・兌の八卦の臨む所の方位に若し凹陷缺口あらば、便ち八門缺と叫ぶ。卜應天《雪心賦》は説く。八門に缺あれば、八方の風は便ち灌りて入り、縱れ是れ朱門富戶なるも亦餓死せん。第四格は「四面凹」と叫ぶ。辰・戌・丑・未の四墓位を「四金」と稱し、最も凹陷を忌む。賴布衣は説く。四金の砂は一旦低陷して風は缺口より灌り入れば、穴の中の棺槨は吹翻せられ、家人は殃に遭う。砂を審する時は不但峰の有無を看、更に四圍に沿って風口の有無を找るべし。凹處は即是風路なり。
三火低:丙午丁三火低陷,主不貴。賴氏云:“火星不起官不顯,不握重權或閒散。”四神剝:乾坤艮巽之砂有石點剝,主凶。賴氏云:“四神烏石生點剝,家道終須見消索。”
第五格は「三火低」と叫ぶ。丙・午・丁の三箇の火位に若し低矮塌陷あらば、貴顯する能わざるを主る。賴布衣は説く。火星は起らずば、官職は便ち顯達せず、即便入仕するも重權を握るに到らず、多半是閒散の職なり。第六格は「四神剥」と叫ぶ。干・坤・艮・巽の四神の位の砂山に若し石頭の剥落斑駁・寸草の生ぜざるあらば、凶を主る。賴布衣は説く。四神の方位に黑石を露出して斑駁剥落せば、家道は終究に衰敗消散せん。砂を看るは不只だ形を看、還お土石草木の潤澤か否かを看るべし。剥落枯焦は即是敗象なり。
魁罡雄:辰戌兩位曰魁罡,忌高壓冢宅。賴氏云:“魁罡高聳,冢宅出賊,乞丐沿街坊。”陽關陷:申曰陽關,不宜低陷,主兵死。賴氏云:“陽關山陷因陣亡。”
第七格は「魁罡雄」と叫ぶ。辰・戌の兩位を魁罡と稱し、最も山勢の高聳して墳塚と住宅とを壓逼するを忌む。賴布衣は説く。魁罡の位は高聳して穴を壓せば、墳宅の家は盜賊を出し、あるいは沿街に乞討する乞丐に淪落せん。第八格は「陽關陷」と叫ぶ。申位を陽關と稱し、低陷するを宜しとせず。一旦低陷せば、家人の兵刃に死するを主る。賴布衣は説く。陽關の山は塌陷せば、家中に陣亡する人あらん。見るべし、同一の低陷にして、四金位に在りては棺を翻るを主り、陽關位に在りては兵死を主る。凶應は各々其の方に随いて異るなり。
子宮虛:坎震艮三男之位凹缺,曰子宮虛,主不旺人丁,多女少男。祿位缺:祿位見前。又巳午艮亥亦曰祿位,若無山,主不貴。賴氏云:“祿神缺陷馬空倚,催官貴人山低傾。雖有文章不顯達,祿馬不起金階平。”金階平:乾兌低陷,也主不貴。
第九格は「子宮虚」と叫ぶ。坎・震・艮の三男の位に若し凹陷殘缺あらば、便ち子宮虚と叫びて、人丁の旺ならざる・生女多く生男少きを主る。第十格は「祿位缺」と叫ぶ。祿位の推法は前面の祿馬起例の一節に見ゆ。此の外に巳・午・艮・亥も亦祿位と稱し、此れらの方位に若し山無からば、貴顯する能わざるを主る。賴布衣は説く。祿神の位は缺陷し・馬位は空虚にして倚る無く、官を催すの貴人峰は又低矮傾側せば、那麼縱れ滿腹の文章あるも亦顯達する能わず。祿馬の起らず・金階の平塌するを以てなり。第十一格は「金階平」と叫ぶ。干・兌の兩位の低陷平塌するは、同じく貴ならざるを主る。
文星低:巽星為文星,低陷不吉。主貴而不祿。卜氏云:“文星低而夭顏回。”天柱折:乾為天柱,若凹陷,謂之天柱折,主夭亡。有戌乾風吹穴尤緊。壽山傾:丁為壽山,若低缺,謂之壽山傾,主夭亡。
第十二格は「文星低」と叫ぶ。巽位の星は文星と爲り、低矮塌陷せば便ち不吉にして、雖も貴名あれど實祿無きを主る。卜應天《雪心賦》は説く。文星は低陷せば、顔回の如く才有りて早夭す。第十三格は「天柱折」と叫ぶ。干位は天柱と爲り、若し凹陷して起らざれば、便ち天柱折と叫びて、夭亡を主る。若し戌・干の兩方に還お風の直に穴場を吹くあらば、害と爲すこと尤其に緊急なり。第十四格は「壽山傾」と叫ぶ。丁位は壽山と爲り、若し低矮殘缺せば、便ち壽山傾と叫びて、亦夭亡を主る。三格の忌む所は皆一箇の「低」の字に在り。高るべき方にして低ければ、即ち虧損と爲る。
天母虧:坤為天母,宜高。若低陷,謂之天母虧,主寡母損陰人。賊旗現:辰戌有旗曰賊旗,主出大盜。賴氏云:“賊旗斜側位魁罡。”煞刀出:辰戌丑未有尖山倒地,曰煞刀,主屠劊劫財。
第十五格は「天母虧」と叫ぶ。坤は地母・老母と爲り、其の位は宜しく高し。若し低陷して起らざれば、便ち天母虧と叫びて、家中に寡母を出すを主り、あるいは婦女を損傷す。第十六格は「賊旗現」と叫ぶ。辰・戌の兩位に若し旗形の山——山身は斜披して旗脚の飄蕩するが如し——あらば、便ち賊旗と叫びて、大盜を出すを主る。賴布衣は説く。賊旗は斜側の形にして、正しく魁罡(辰戌)の位に落つ。第十七格は「煞刀出」と叫ぶ。辰・戌・丑・未の四位に若し尖山の横に倒れて地に在りて、形は臥刀の如くば、便ち煞刀と叫びて、家人の屠戶劊子手と爲るを主り、あるいは劫掠を以て財を取る。
回祿來:寅午戌三位有缺陷風吹穴,主災。謂回祿之氣隨風而來也。衡星壓:卯為陽衡,忌高壓,主利名蹭蹬。賴氏云:“陽衡高壓初年滯。”蓋卯乃太陽所出之門,而山高則日晏遲滯之象,故難受君恩也。倉庫倒:辰戌丑未四墓之山斜側破碎倒攛,謂之倉庫倒,主貧窮。
第十八格は「囘祿來」と叫ぶ。寅・午・戌の三箇の火局の位に若し缺口ありて、風は那里より穴場に吹き入れば、火災を主る。囘祿は火神の名、説く所は火氣の風に随いて來るなり。第十九格は「衡星壓」と叫ぶ。卯位は陽衡と爲り、山勢の高聳して穴を壓するを忌みて、功名利祿の坎坷不順を主る。賴布衣は説く。陽衡は高壓せば、早年に便ち滯塞せん。此れは卯は太陽の升起する門、此處の山高ければ則ち日出は遮られ・天色の晚にして遲滯の象あるを以てなり。故に早く君恩を受くること難し。第二十格は「倉庫倒」と叫ぶ。辰・戌・丑・未の四墓の山の若し斜側破碎・傾倒して墜えんと欲すれば、便ち倉庫倒と叫びて、貧窮を主る。
財帛散:艮為財帛,其方砂皆散亂,或凹缺,謂之財帛散,主貧乏。橫尸見:魚袋砂在坎癸四墓,曰橫尸,主客死。墮胎死:子癸丑有墩埠,謂之墮胎山,主墮胎。
第二十一格は「財帛散」と叫ぶ。艮位は財帛を主り、此の一方の砂の若し散亂して收無く、あるいは凹缺あらば、便ち財帛散と叫びて、家道の貧乏を主る。第二十二格は「横屍見」と叫ぶ。前面は魚袋砂の庚酉辛に在るは吉と説くも、然れども同樣の魚袋形にして若し坎・癸および辰戌丑未の四墓の位に出現せば、便ち轉名して「横屍」となり、他郷に客死するを主る。見るべし、砂形の吉凶は全く落つる所の方位を看る。同形にして位異なれば則ち吉凶相反す。第二十三格は「墮胎死」と叫ぶ。子・癸・丑の三位に若し小土墩土阜あらば、便ち墮胎山と叫びて、婦人の小産墮胎を主る。
馬不上街:雖有馬山而無御街水朝,謂之馬不上街,不貴。何氏曰:“馬不上街人不貴,秀才空自說文章。”祿無正位:寅午巳卯申酉亥子,此正祿之地缺陷,謂之祿無正位,不貴。蓋甲祿在寅,乙祿在卯,丙戌祿在巳,丁己祿居午,庚祿歸申,辛祿到酉,壬祿在亥,癸祿居子。故此八位之砂宜其端正朝拱,不可缺陷,有水流破。如丙向忌水流巳去,巳位無山之類。以上天星砂法,皆於臨穴定位為凖。
第二十四格は「馬不上街」と叫ぶ。雖も馬形の山有れども、卻って御街の水の來朝無ければ、便ち馬不上街と叫びて、貴顯する能わず。何氏は説く。馬は街に上らずば、人は便ち貴からず。秀才は只だ空口に文章を談論す。第二十五格は「祿無正位」と叫ぶ。寅・午・巳・卯・申・酉・亥・子の此の八處は十干の正祿の在る所にして、若し缺陷あらば、便ち祿無正位と叫びて、貴顯する能わず。其の推法は、甲の祿は寅に在り、乙の祿は卯に在り、丙と戌の祿は巳に在り、丁と己の祿は午に在り、庚の祿は申に歸り、辛の祿は酉に到り、壬の祿は亥に在り、癸の祿は子に在り。故に此の八位の砂は應當端正に朝拱して、殘缺す可からず、亦水に衝流されて破損す可からず。譬如丙向を立てるは、便ち水の巳方より流去るを忌み、あるいは巳位の根本に山無きの類なり。以上の此の一套の天星砂法は、皆親ら穴場に臨み・方位を立定して後にこそ作準する能くして、穴を離れて遙斷す可からず。
